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平和の視点
     
日本らしさ
 インド洋での給油活動継続が,国会での最重要課題となっています。活動を再開しようとする与党と,それを阻止しようとする野党との間で,衆院解散を含みながら綱引きがなされています。(※数にものを言わせた自公の与党が,衆議院において1月11日に採択し,給油再開が決定。)にある国民の意識調査でも,継続の賛否がほぼ二分されているという報告があり,国会内外で方向性が決まらないという状態になっています。
 世界的に見ると,
「有志連合」と呼ばれたアメリカ追随型路線を目指す国々が,大きく変化してきています。つい先日では,オーストラリアで大幅な政権交代が起きたばかりですし,既にイタリアやイギリス等,あれほどまでにアメリカに付き従っていた国々が,アメリカとの距離を置くようになりました。今やアメリカに付き従っている先進国は,日本だけといっても過言ではない状況となっています。
 今問題になっている給油活動問題は,アメリカとの距離をどうするかによって大きく結論が変わってきます。再開というのは当然アメリカ追随の継続ですし,中止というのはある程度の距離を置くことを意味します。今気になっているのは,情報の一面化です。政府を中心とするところから出た情報は,いかに給油活動が「国際貢献」に役立っているかということが中心となっていますし,私たちが普段目にするのはこちらの情報の方が圧倒的に多くなっています。それに対して,実際に現地に赴いて活動をしているNGO等を中心にして出された情報では,「国際貢献」といいながら,実は現地での認識は,「アメリカ貢献」的なものでしかないというようなものです。
 給油活動に賛成する方々の多くは,国際貢献の必要性を感じているからでしょう。しかし,本当に給油活動と国際貢献が結びつくと結論づけていいのでしょうか?さらに,本当に現地の方々や,他の諸外国の方々が,望んでいることなのでしょうか。「有志連合」の崩壊が,このことを考える大きな手立てとなります。
 アメリカが深く関われば関わるほど,アフガンやイラクの問題は泥沼化しさせすれ,解決の糸口がますます見えにくくなっている状況にあります。これは当然といえば当然で,アメリカの介入は,あくまでもアメリカ本意のもので,当事者達が抱えている問題の根本的な部分が,全くと言っていいほど手つかずになっているからです。有志連合の崩壊が起きてきているのも,こうしたことに議員も国民も気づき,
自分たちに出来る新たな道を模索しようとする意識が芽生えたからなのかもしれません。それに対して,我が国では,残念ながら情報が一面的な部分しか流されていないこともあって,唯一とも言えるアメリカ追随を,政府も半数ほどの国民も,それを継続しようと考えているのです。
 なぜ武力による解決なのでしょう?このことは,これまでにもこのページで何度も訴えてきました。なぜ,アメリカに盲目的に付き従うことをいつまでも継続するのでしょう?それが本当の「国際貢献」なのですか?軍隊を送り込まないと「国際貢献」とは言えないのでしょうか?有志連合から外れてきた国々がそうであるように,
日本も「日本らしい」国際貢献があるはずですし,今議論しなければならないのは,再開と言うことより,この日本が出来る国際貢献とは何かなのではないでしょうか。経済支援や技術支援も,立派な国際貢献です。いつ自分が殺すことになるのか分からない艦載機や武器,兵隊を積んだ艦船に油を供給するより,安心して夜寝むられる,安心して食事する環境が出来ることを望んでいるはずです。
 さらに,確かに「テロ」による攻撃は怖いですが,
もっと怖いのは,地球温暖化に象徴される「環境破壊」です。テロは限定的な要素がありますが,環境破壊は地球規模的に広がっていますし,生命そのものの存在が危うくなってしまうものです。9.11以降,アメリカはテロに対抗することには腐心していますが,京都議定書を批准していないことから分かるように,環境破壊については,軍事手段ほど国際的に取り組んでいるとは言えません。そうした国を支持しているのが,我が日本なのです。大きな公害問題を経験した我が国は,それ以後,いかに環境を守っていくかのノウハウが蓄積されていますし,技術革新もなされてきています。このことを世界規模でリードしていくことこそが,立派な国際貢献ですし,我が国らしい手段でもあります。
 
過去ログ 教科書問題  有事法制  一度扉を開けてしまうと  いつか来た道

一人ひとりの行動を  免罪符  異質な国  ねじれ  元を糺せば


メッセージ 越権行為  存在意義  耳障り  負の連鎖  濁流
    
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