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平和の視点
     
濁流
       
 自民党・公明党の与党賛成多数により,「国民投票法」「イラク特措法関連法」「教育関連法」が国会において成立しました。これにより,安倍総理の目指す『美しい国づくり』という濁流がさらに勢いを増したと言えます。

 諸外国の反対だけでなく,当事者である米英自身の
国内でも継続反対の声が上がっているにもかかわらず,イラク特措法関連法を成立した『美しい国』日本は,盲目的にアメリカの,アメリカによる,アメリカのための世界戦略の枠組みの中に継続して組み込まれました。「アメリカにより持ち込まれた憲法だから変える必要がある」と言っている当事者が,盲目的にアメリカに付き従おうというのはどういうことでしょう?世界的に支持されている我が国の憲法を捨て,世界的に批判されているアメリカに従うというのはおかしくないでしょうか?本当にそれが『美しい国』づくりと言えるのでしょうか?

 子どもたち一人ひとりに
「生きる力」を身につけさせていこうとする「ゆとり教育」。「生きる力」を身につけるということは,子ども一人ひとりが,情報を集め,それを分析し,時には賛成し,時には補強し,時には反対していくというような,一人ひとりが自立した力を身につけていくことです。こうしたことは,これからの日本を構築していく中でとても重要な力です。ただ,そうした力を身につけられると困る人たちがいることも,紛れもない事実です。どうした人たちが困るのでしょう?はっきりと言えることは,「格差社会」を推進していこうとする人たち(自民党,公明党もこういう人たち)がその困る人たちに入るということです。
 
目先の利益(視聴率,販売冊数等)にとらわれてしまい,分析力を失ってしまっているほとんどのマスコミを利用し,一面的な「ゆとり教育」のマイナス面をことさらに強調するという動きを見せました。さらに,日々の教育実践をまじめに積み重ねてきている大多数の教育現場で働く人たちにあえて焦点を当てず,ごく一部の社会的不適合を示した人物(教育基本法の精神に忠実に則った政策を政府や文部科学省が行っておれば,こうした教師や子どもがうまれにくかったはずという視点も忘れてはなりません。)たちをことさらにクローズアップし,教育界全体があたかも不適合を起こしているかのような印象を国民に与えるというようなことまでもしました。その結果が,教育関連法の変更です。今回の変更により,教育委員会は,さらに国の管理下に置かれるようになりました。教育現場を握っているのが教育委員会ですから,国(政府)が現場自体をさらに管理できるようになったのです。戦前の反省から「教育の中立性」が持ち込まれたのに,その中立性が失われ,時の政府の支配がさらに強まるような結果となってしまいました。教育の中立性を保持しようとする現場の教師を,免許の更新制を導入することで,もの言わぬ,考えぬ教師へと変えることができる体制にもなりました。

 今回成立した国民投票法は,憲法を変えるためにつくられたものといっても過言ではありません。憲法改正については,確かに俎上にあげなければならないものだと考えられます。しかし,安倍総理たちが考えているのは,
憲法9条のみです。その他の点については,それほど重要と考えていないのは間違いないと言えます。「憲法改正が参議院選の争点だ」と言っていますが,それをそのまま受け取ってしまっては大きな間違いの元となります。「郵政民営化が争点」と言っておきながら,その選挙結果を受けて,それ以外のことをどんどん変えていったのが今の自民党・公明党の与党政権です。「憲法9条の廃止が参議院選の争点」と絶対にとらえなければ,同じ過ちを犯していくことになります。
 その憲法9条廃止は,本当に必要なのでしょうか?
日本の安全保障において,この9条の存在は大きなものです。一見いわゆる「丸腰」のような感じで不安を駆り立てられますが,これがあるからこそ相手がなかなか手を出せませんし,これがあるからこそ相手に信頼感を抱かせて交渉できるのです。軍備を増強に邁進するより,平和的解決を図ることを真剣に考えることの方が資源の限られた日本の取るべき道です。
 「自衛のため」「国際貢献のため」という美辞麗句に惑わされて
一旦9条を廃止してしまうと,軍備拡張路線を突き進まなければならなくなります。今後,少子高齢化,予算規模の縮小を余儀なくされていく中で,この軍備拡張路線は,自らの首を絞めていくことになります。自衛のためといっておきながら,そのことが逆に自らの命を失うことになるのは本当におかしな話です。ぜひ,日本の,そして世界の平和を守るためにも,そして,私たちが安心して暮らせるためにも,憲法9条を堅持していきましょう。そのためには,次の参議院選挙で投票行動を起こさなければなりません。「投票する政党がない」という消極的な考えでは,国を誤った方向に持っていくことになります。「憲法9条を守るためにできる投票行動は」を念頭にして,ぜひ圧倒的な力で9条を守っていきましょう!
   
過去ログ 教科書問題  有事法制  一度扉を開けてしまうと  いつか来た道

一人ひとりの行動を  免罪符  異質な国  ねじれ  元を糺せば


メッセージ  越権行為  存在意義  耳障り  負の連鎖
    
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