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平和の視点
    
一度扉を開けてしまうと
      
 「有事法制」を提出していた国会が閉幕しました。
 あれだけ成立をめざしていた小泉内閣でしたが,
たくさんの国民の反対にあい,とりあえず今国会での成立は見送られました。しかし,まだ油断はできません。次の国会では,野党も巻き込んで成立を目指すようです。

 今回の国会で成立したものにはどんなものがありましたか?私たち国民が本当に幸せになる国会でしたか?
 私たち一人ひとりに背番号が与えられ,色々な情報が漏れる危険性が高まりました。ある町では,職員が自由にその情報を閲覧していたことが発覚しました。このように,
自分のプライバシーがいとも簡単に他人の手に渡る危険性がますます高まってきています。また,防衛庁が実際にやったように,手に入れた情報を元に,簡単に様々なリストを作成することもできます。為政者にとって都合の悪い人たちをリストアップすることは非常に簡単なのです。そうした時代になってしまうと,政治的なことに関して自由にものが言えたり活動できたりする
でしょうか?

 健康保険法が変わり,実際に私たちが
病院で支払う金額が上がりました。老人医療費も上がり,高齢者や病気を抱えた弱者の負担が大きくなりました。本来守らなければならない人々にも負担を強いているのです。

 このように
国民だけに「痛み」を強いているのが小泉内閣ですし,そういう人々が「有事法制」成立を目指しているのです。

 アメリカのブッシュ政権は,
「悪の枢軸」に対する攻撃をますます強めようとしています。好調だったアメリカ経済にやや暗い影が出てきました。経済政策の失敗に対する国民の怒りをおさめるのには,怒りの矛先を変えるのが手っ取り早い方法です。その怒りの矛先として一番アメリカ国民に分かりやすいのが「悪の枢軸」です。そのことと,攻撃を強めることは連動していると十分に考えられます。「有事法制」がもし成立すると,そうした流れの中に巻き込まれてしまう可能性が十分にあります。たった一人の他国の政治家のメンツのために・・・。

 何としてでも「有事法制」を成立させたい小泉首相は,「野党の意見を取り入れて修正も視野に」などということを表明しています。そんな
甘い言葉にだまされてはいけません。一度扉を開けてしまうと,後は際限なく先に進んでしまいます。
「まあこの程度であれば」などと考えて妥協してしまうと,あとで取り返しのつかないところまで進んでしまう可能性は高いです。

 今年も広島・長崎の夏がやってきました。たくさんの尊い人命が失われ,今現在も後遺症で苦しんでいる人も少なからずいます。我が国日本が進んでいる道は,同じ目にあう人がまた出てくる危険性のある道です。「理論的には核兵器を所持することも可能」という本音を漏らしたことも記憶に新しいでしょう。
 皆さん,扉を開けるのはやめましょう!手を貸すこともやめましょう!「有事法制成立」のために,「悪の枢軸」を中心とした情報操作が行われてきます。いかに「悪の枢軸」が悪いか,そうした負の情報だけを流すことで,いかにも「有事法制」が必要であるかのような錯覚に陥らせようとします。そうした情報に惑わされないようにしよう!二度と広島・長崎を繰り返さないために!!
      
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