トップ > 平和の視点(異質な国)
    
平和の視点
     
異質な国
      
 「危険なフセインからイラク国民を解放するため」に行ったとされるのが,今回のイラクへの派兵でした。当初は,「戦争反対」の声はかき消され,「イラクのためには仕方ない」という立場が趨勢を占めていました。そして,その中心的存在である米英の指導者は,それぞれの国内において圧倒的な支持を集めました。

 しかし,戦争が長期化するにつれ,大量破壊兵器などイラクへ派兵する理由となったことの真相に疑問符がつき始めました。さらに,情報操作をしたことなども明らかとなってきました。今や米・英ともに指導者の支持率は下落し,その影響が選挙結果にも表れるようになってきています。何の罪もないイラク国民や戦争にかりだされた米英の兵士たちの多くの生命を奪い去っていったわけですから,このような権力者の失墜は当然のことといえば当然のことです。

 一方わが国に目を向けたらどうでしょう。米英の派兵に対して,世界各国の反対の声が上がる中,わが国は早々に指示を打ち出しました。そして,まだ戦争状態にもかかわらず,そして正当な理由のない戦争であったということが明らかとなっていっているにもかかわらず,今後自衛隊を派遣する法律まで与党の数の論理で成立させました。
 こうした平和を脅かす行為をさらに強化しようとしているわが国の指導者に対して,世論はどうなっているでしょうか?他国のように,間違った戦争を仕掛けた指導者に対して「NO」の言葉を出しているでしょうか?現在の世論を見ていると,どうもそのような気配は余りありません。むしろ支持を集めているような気さえさせます。「日本人」としての琴線に触れる北朝鮮による拉致問題を取り上げ,あたかもフセイン及びイラクとダブらせるように金正日及び北朝鮮をクローズアップしています。もちろん拉致問題については,当然許される行為ではありませんし,早急に解決を目指すべき問題です。しかし,拉致被害者などを盛んにテレビなどに登場させ,国民に冷静な判断をさせないような世論づくりをしているような動きを感じさせます。(「人権」意識がかなり薄い石原東京都知事の,あたかもテロを容認するような問題発言が平気でできるのも,こうした社会背景があります。また,全くの言いがかりとしかいえない朝鮮総連に対する様々な嫌がらせも,間違ったナショナリズムの持ち主たちがこうした背景に乗じて活動しているともいえます。)

 第2次小泉内閣が発足しました。閣僚を見ると,明らかに選挙を意識した,マスコミ受けのいい人物を登用しています。しかし,こうした表面上だけに捉えられてはいけないのではないでしょうか。わが国の世論は,他国から見ると明らかに異質なものとなっています。平和主義という世界に誇れる願いを構築しようとしているはずの日本が,なぜ戦争拡大を目指して様々な策を講じている人々に対して「NO」と言わないのでしょうか?今一度「平和」を視点にわが国の行く末を考えていきましょう!一時的な「人気」にとらわれて,将来に禍根を残すようなことがあっては絶対にいけません!!(今回の組閣でマスコミに注目を集めた議員の閣僚たちの多くは,「タカ派中のタカ派」であることはご存知ですか?)
   
過去ログ 教科書問題 有事法制 一度扉を開けてしまうと

いつか来た道 一人ひとりの行動を 免罪符
    
トップ > 平和の視点(異質な国)