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平和の視点
一人ひとりの行動を
    
 アメリカ大統領J.ブッシュの言う「悪の枢軸」の一つであるイラクに対する対応が,国によって大きく違っています。これまでの構造は,アメリカや西ヨーロッパの国々のいわゆる西側と,ロシアや中国及び東ヨーロッパの国々などのいわゆる東側との対立というものがその中心でした。ところが,今回は,アメリカとイギリスなどが中心となっている「イラク攻撃派」と,フランスやドイツ及びロシアなど多数の国々の「国連査察継続派」とに分かれています。つまりこれまでの枠組みとは全く関係のない形での対応となっているのです。

 各国の反対にもかかわらず,ブッシュ米大統領やブレア英首相は,その強硬姿勢をなかなか崩そうとしていません。そのような中,世界のあちらこちらで数10万人が集まるという大規模な反戦デモが行われました。老いも若きも,男も女も,それぞれが思い思いのプラカードやゼッケンなどを準備して参加している様子が,連日マスコミを通じて報道されました。このデモは,もちろん国内でも行われています。

 では,わが国日本の政府はどのような対応をしているのでしょう?憲法で「平和主義」を唱えているわけですから,当然政府はその精神を実行に移すため,世界の先頭に立って戦争回避に向け動き回っているはずです。 ところがどうでしょう。国内向けには,明確な方針を打ち出していないにもかかわらず,国連などの場では,米英の動きに追随するかのような姿勢を見せています。もちろん,この場でもはっきりとした形ではありませんが・・・。評論家の中には,「日本が米英を支持するとは言っていない」などという発言をする人がいますが,憲法の精神から,そして多くの世界市民の声から言っても,「明確な攻撃反対の姿勢」を示さない限り,米英を支持しているのと同じことです。
 政府が支持するということは,世界の人々から見ると,日本国民も支持していると見ます。なぜなら,フセインや金正日などの独裁国家と違い,日本は民主主義国家なのですから!

 私たち日本国民は,イラク攻撃を本当に正しいと思っていますか?「世界平和を構築する」ことを目指している日本国民である私たちは,攻撃することで世界平和が保たれると思っていますか?
 冒頭でも書きましたが,日本でも反戦デモが行われました。しかし,世界の先進国の中では,やや寂しいものがありました。とりわけ,若者の姿をそれほどテレビ画面から見ることができませんでした。本来平和に一番敏感でなければならないはずの日本人が,もしかしたら世界的に見ると一番鈍感なのかもしれません。

 日本人は,平和を大事と思っていないのでしょうか?そんなことはないはずです。もしかしたら,大事なのはわかっているのだけれど,それをどう具体化するのかがわからないのかもしれません。
 しかし,そんなに難しく考える必要はないはずです。もちろん,大々的な反戦デモをすることは大事です。しかし,日常の中でも取り組めることはあります。例えば,4月には統一地方選挙が行われます。確かに,地方選の場合は,身近な生活のための選挙ではありますので,「反戦」というものとあまり関係ないのかもしれません。しかし,投票の結果によっては,政府の動きに少なからず影響を及ぼすこともあります。身近な生活の観点を入れることはもちろん,平和を目指す地方自治を推進していく候補への投票ということも,一人ひとりが行う大事な反戦運動なのです。
                          
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