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平和の視点
     
メッセージ
       
 先日行われた小泉総理大臣と民主党の岡田代表との党首討論は,自衛隊派遣延長の是非についてが中心課題でした。その場において,次のような趣旨の発言が小泉総理からなされました。
「平和国家を建設しようとしているこの時に,自衛隊を撤退させると,どのようなメッセージをイラク国民に送ることになるのか。」
恐らく「イラクでの平和国家建設に,日本は全力を投入しているんだ。」というメッセージを送るために自衛隊派遣延長をするのだということを言いたかったのだろうと思います。
肝心な部分を隠して,耳障りのいいことだけを発言をするいかにも小泉総理らしい言葉といえるでしょう。しかし,派遣延長をすることで,本当に「日本が平和国家建設を願っている」というメッセージとなるのでしょうか?

 
(意図的にやったとしか思えない)間違った情報を根拠にしてイラクに侵略し,米英はフセイン政権を武力で倒しました。その戦闘において,何の罪もないイラク国民が多数死傷しました。
 戦闘の終結宣言をした後も,イラク国内において大小様々な戦闘が繰り返され,その間でも多数の命が失われています。
 ついこの間からは,イラク全土に戒厳令が敷かれ,イラク中部の都市ファルージャに総攻撃が仕掛けられました。その都市の中には,武装勢力だけでなく,30万と言われるイラク国民が暮らしています。そうした状況は分かっていながら,大量の兵力と弾薬がつぎ込まれました。テレビのニュースで「雨あられ」という表現がぴったりするほどの爆弾が投下されているシーンをご覧になった方は多いと思います。あの下には,間違いなく武器を持たない人たちも存在しているのです。
 他国の軍隊が正当な理由なく自分の国を荒らし,
自分の愛する人たちの命や財産を奪っていっているという現実がイラクにはあります。
 こうした動きに対して,小泉総理は,全世界に先駆けて
全て「支持」の姿勢を表明しました。そして,その延長線上に自衛隊派遣があります。

 戦闘がなかなかやまないのは何故か。(もちろん理由はたくさんあるでしょうが)それは,アメリカの思惑を押し隠し,あたかも正義のために戦っているという詭弁でイラクを侵略し続けているということがあります。そして,フセインなどが出てくる土壌になぜあるのか,その部分の検証及び解消無しに,武力のみで解決しようとしているということも理由として考えられます。

 自衛隊派遣延長をするということは,イラク国民にどのようなメッセージを発することになるでしょう。国として何の主体性もなく,アメリカを全面的に支持する国の軍隊(「自衛隊」と言っても,「軍隊」にかわりはありません。)が,例え直接的に戦闘に加わっていなくても,自分の国に駐留し続けた場合,「平和国家建設に力を出してくれている」と捉えてもらえるでしょうか。とりわけ,我が国は憲法において「武力による紛争解決」を認めていないにも拘らず,今回の戦闘活動を支持しているわけですから・・・。ましてや,現在の日本は,
「憲法改正(改悪)」へと政治家はもちろん,国民自体もその流れに乗ろうとしているわけですから,とても「平和国家建設に努力している」というメッセージは伝わりようがないのではないでしょうか。
   
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