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最新ニュース

2020/12/25(金)
☆参戦継続(DTM)
○ドイツ国内を中心にして開催されているDTMは,かつては隆盛を誇り,近年ではSGTとの提携が進んでいました。ところが,同シリーズに参戦していたメーカーが次々に撤退していく状況となりました。シリーズ存続を目指し,今季まではDTM独自のシャーシに,メーカーそれぞれのボディを載せたDTMマシンでのバトルでしたが,来季からは,新たにGT3カーで開催されることになりました。こうした流れがある中,かつてF1でチャンピオンを経験したことのあるレジェンドドライバーの一人のK.ロズベルグが代表を務め,アウディ陣営を担う一角としてDTMに参戦していたチーム・ロズベルグが新たな展開を見せることになりました。ちなみにこのチームは,2017年,19年,そして今季と,レギュラードライバーのR.ラストが3回のチャンピオンに輝いています。さらに,今季に関しては,ドライバータイトルとチームタイトル,マニュファクチャータイトルの3冠を達成しています。ところが,今季を持ってアウディがシリーズから撤退することを受け,チーム・ロズベルグもDTMから撤退し,来季から新たに電動ワンメークSUVによるオフロード選手権である『エクストリームE』シリーズに参戦することになりました。この新規プロジェクトに必要とされる人数は,DTMと比べると少なくて済むようで,今季終了後,定年などの退職者だけでなく,それ以外の16名のエンジニアやメカニックのうち,6名に解雇通知を出すという苦渋の決断を下しています。まさにDTMからの撤退を感じさせる動きでしたが,12月23日(水)に同チームから発表があり,アウディR8 LMSを駆ってDTMへの参戦を継続することになりました。参戦期間は,再来年までの2年間です。GT3マシンを使ってのシリーズとなりましたので,素人の私には分かりませんが,これまでよりは少ないスタッフで臨めることがあるのかもしれません。とはいえ,2つのシリーズへの参戦ですから,スタッフを削減したままでフル参戦が可能なのでしょうか?ドライバーやスタッフについて,この後の動きが気になるところです。
なお,今年のこのサイトの更新は,今日が最後になります。来年の更新は,1月9日(土)からを予定しています。私自身,寄る年波で毎日更新は厳しくなってきているのですが,現段階では,来年も継続していこうかなあと考えています。皆様,今年1年間ありがとうございました。コロナ禍で厳しい折ですが,お体に気をつけてよいお年をお迎えください。来年もよろしくお願いします。
2020/12/24(木)
☆変更(SF)
○既にシーズンがどのカテゴリーも終了していて,現在は来季に向けての動きが出てきている状況にあります。その中の1つが,来季のレースカレンダーです。コロナ禍の影響により,今季のレースカレンダーはいずれも変更せざるを得ない状況となりました。来季も予測不可能な状況になりそうな気配もありますが,レースカレンダー自体は通常開催を基本として組まれています。そのような中,今シーズンは山本尚貴が3回目のタイトルを決めて終了したSFの来季のレースカレンダーに関して,運営を担う株式会社日本レースプロモーション(JRP)が新たな発表を行いました。来季のカレンダーについては,既に8月に暫定のカレンダーが発表されていました。今回の発表によると,その8月に発表されたカレンダーに変更が加わっています。その変更ですが,開催数や開催順は変更がないものの,岡山国際サーキットで行われる第6戦と鈴鹿サーキットで行われる第7戦の開催日が変更されています。それ以外のレースについては,前回の発表通りとなっています。なお,今回発表された具体的なカレンダーは,以下の表のようになっています。
2021年 SFレースカレンダー(暫定)
決勝日 サーキット
第1戦 4月4日 富士スピードウェイ
第2戦 4月25日 鈴鹿サーキット
第3戦 5月16日 オートポリス
第4戦 6月20日 スポーツランドSUGO
第5戦 8月29日 ツインリンクもてぎ
第6戦 10月3日 岡山国際サーキット
第7戦 10月31日 鈴鹿サーキット
2020/12/23(水)
☆新天地(MotoGP)
○来季のMotoGPのシートは全て埋まっていますが,昨シーズンの段階で既に来季のシートが決まっていた1人が,今季エスポンソラマ・レーシングからフル参戦していたT.ラバトです。2014年シーズンにMoto2クラスのチャンピオンに輝き,2016年シーズンからマークVDSに所属してMotoGPクラスに昇格しました。その後,ドゥカティ陣営に移って現在に至っていました。冒頭に記したように,既に昨シーズン末にエスポンソラマ・レーシングとの間で2年間の契約延長を結んでいましたから,来季も同チームからフル参戦するはずでした。ところが,今シーズン後半にラバトにとって驚くべき事態に発展してしまったのです。彼が所属しているエスポンソラマ・レーシングが,V.ロッシがオーナーを務め,MotoGPクラスへの進出を目指しているスカイ・レーシング・チームVR46と提携を結び,そのことから来季の同チームのライダーに,ロッシの異母弟で,今季スカイ・レーシング・チームVR46からMoto2クラスにフル参戦したL.マリーニと,イタルトランス・レーシング・チームに所属し,今季見事にMoto2クラスでチャンピオンに輝いたE.バスティアニーニとがMotoGPクラスに昇格してフル参戦することになったのです。そのため,ラバトは契約が破棄され,チームから去らざるを得ない状況になってしまったのです。既にMotoGPクラスの全てのシートは実質的に埋まっていましたから,彼は他のカテゴリーに行くか,Moto2クラスにステップダウンするかの道しか残されていませんでした。そのような中,この度SBKにドゥカティのサテライトチームとしてフル参戦しているバーニー・レーシングから発表があり,ラバトとの間で契約が成立しました。今回の契約成立により,ラバトはドゥカティ・コルセのサポートを受け,SBKでドゥカティ・パニガーレV4Rを駆ることになりました。ラバトにとっては,まさに青天の霹靂という状態だったでしょうが,新天地での活躍を願いたいと思います。
2020/12/22(火)
☆残り1だが(F1)
○M.フェルスタッペンのチームメイトが来季誰になるのか注目となっていましたが,19日(土)付けのこのページでお伝えしたように,今季を持ってレーシングポイントF1との契約を終了したメキシコ人ドライバーのS.ペレスがレッドブル・ホンダのシートに座ることになりました。これにより,来季のシートでまだ決定を見ていないのが,V.ボッタスのチームメイトとなるメルセデスAMGの残りのシート1つとなっています。ただ,まだ未定とはいえ,今季もチャンピオンを獲得したL.ハミルトンが残留することは間違いなく,後は発表のタイミングを見計らっていると考えていいと思います。ということで,来季のF1のシートは,事実上確定しているといえます。ここで,その状況を以下の表にまとめておきたいと思います。
2021年 F1ドライバー契約状況
チーム ドライバー
メルセデスAMG 未定(L.ハミルトン!!)
V.ボッタス
レッドブル M.フェルスタッペン
S.ペレス
フェラーリ C.ルクレール
C.サインツ
アルピーヌ
(ルノー)
F.アロンソ
E.オコン
マクラーレン D.リカルド
L.ノリス
アルファタウリ・ホンダ P.ガスリー
角田 裕毅
アストンマーティン
(レーシングポイントF1)
S.ベッテル
R.ストロール
アルファロメオ K.ライコネン
A.ジョビナッツィ
ハース M.シューマッハ
N.マゼピン
ウィリアムズ J.ラッセル
N.ラティフィ
2020/12/21(月)
☆2度目&3度目
○新型コロナウイルス感染拡大により当初の予定とかなり違ったレースカレンダーになっていますが,ついに最終戦の予選と決勝が富士スピードウェイで行われました。最終戦まで持ち越されたタイトル争いですが,ようやくここでイレギュラーなシーズンとなった今年のチャンピオンがここで決まります。そうした注目の決勝レースですが,決勝スタート前にマシンが炎上したり,ストップしたりとしていきなり波乱の状況となりました。そのような中で始まった決勝レースは,2番グリッドからスタートしたJMS P.MU/CERUMO・INGINGの坪井翔が,抜群のスタートを切ってトップに立ちました。同ポイントのランク1,2位で最終戦を迎え,タイトル争いを演じているITOCHU ENEX TEAM IMPULの平川亮とDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの山本尚貴の2人は,レース前半から激しく順位を入れ替えながらのバトルを演じていきました。ピットインのタイミングで順位の入替えがあったりしましたが,全車ピットを終えた段階でトップだったのは,好スタートを切った坪井でした。それを前戦の勝者であるTCS NAKAJIMA RACINGの大湯都史樹と,今季途中から参戦しているBuzz Racing with B-Maxの松下信治が,さらに今回で日本のレースを終えることとなるVANTELIN TEAM TOM’SのN.キャシディが追うという展開となりました。ファイナルラップまで一団となって争われたバトルでしたが,坪井が最後まで落ち着いた走りを展開し,坪井がトップチェッカーを受けて今季2勝目を挙げました。2,3位にそれぞれ大湯と松下が入り,大湯は2戦連続して表彰台を獲得すると同時にルーキーオブザイヤーも決めました。松下にとっては,SFで初表彰台となります。勝った方がチャンピオンという山本と平川のバトルは,山本が平川から逃げ切って5位でチェッカー受け,見事今シーズンのチャンピオンを決めました。山本にとっては,一昨年以来のタイトルで,通算3回目のチャンピオンとなります。また,SGTのチャンピオンを既に決めていますので,J.バトンと組んだ一昨年以来自身2度目となるダブルタイトル獲得も決めています。
2020/12/20(日)
☆継続&全戦参戦(WRC)
○12月18日(金)に,WRCにおけるトヨタのワークスチームであるTOYOTA GAZOO Racing WRTが,来季の参戦体制について発表を行いました。それによると,ドライバーについては,今季と同じ3人のドライバーが継続して参戦することになりました。その3人ですが,まず1人目は,これまでに6度のドライバーズタイトルを獲得した経歴を持って今シーズンからチームに移籍してきたS.オジエです。そのオジエですが,徐々にヤリスWRCへの乗り換えに慣れてきて成績が向上し,7度目のタイトル獲得の可能性を残して最終戦を迎えました。そして,この段階でランクトップに立っていたチームメイトであるE.エバンスがデイリタイアを喫したのに対し,オジエは最終戦で勝利を収め,見事大逆転で7度目のタイトルを獲得しました。当初は,今シーズンで引退を表明していたのですが,コロナ禍でシーズンの予定が大幅に変更され,チャンピオンは獲得できたものの,彼としては十分満足したシーズンを終えての引退とはなりませんでした。そこで,引退を1年延期し,来季もWRCへの参戦を表明していました。そして,今回の継続参戦となっています。2人目は,惜しくも最終戦のデイリタイアによりタイトル獲得がならず,ランク2位でシーズンを終えたエバンスです。間違いなく取り逃したタイトルを来季こそ取ろうと,今季以上に熱い走りを展開することでしょう。最後の3人目はK.ロバンペラで,若手有力株の一人としてさらなる成長が楽しみとなります。ドライバーについては変更がありませんでしたが,チーム自体は大きな変更が加わっています。今回の発表では,その中の1つとしてチーム代表の交替についても発表がありました。トヨタのWRC復帰に大きく貢献してきたのが,チャンピオン経験者であるT.マキネンでした。彼は復帰前から,そして復帰後もずっとチーム代表を務めてきました。そのマキネンは今シーズンをもってチーム代表を退任し,替わってこちらはドライバーとしてトヨタに貢献してきたJ.マティ.ラトバラが代表に就任することになりました。そのラトバラですが,トヨタのWRC復帰初年度にワークスドライバーとしてチームに加入し,ヤリスWRCに初優勝をもたらしたのも彼です。昨シーズンをもってワークスドライバーとしては一区切りをつけましたが,来季からはチーム代表としてワークスチームに加わることになっています。
今回の発表に合わせて,唯一の日本人WRCドライバーである勝田貴元が加入しているTGR WRCチャレンジプログラムの来季計画についても発表があり,その勝田がトヨタ・ヤリスWRCを駆って全戦に出場することも明らかとなりました。かつてはF3などフォーミュラカーの有力ドライバーの一人であった勝田ですが,現在はラリーにおけるトヨタの育成プログラムのドライバーとして力をつけてきています。今季もスポットでの参戦でしたが,最終戦では最後のSSでトップタイムをマークしています。残念ながらコロナ禍で開催中止となったラリー・ジャパンですが,来季こそは開催されることでしょう。その時にフル参戦日本人ラリードライバーとして勝田が参戦するわけですから,日本のラリーにおける大きな歴史の1ページが刻まれることになります。
2020/12/19(土)
☆移籍&残留(F1)
○来季のシートに関してはほぼ埋まっていて,残りわずかとなっています。その中の1つが,優勝チャンスはおろか,チャンピオン争いに絡むことも期待できるレッドブルの残りのシートです。そして,昨日そのレッドブル・レーシングから発表があり,今季もレーシングポイントF1からフル参戦したS.ペレスとの契約が成立しました。来季のレッドブル・ホンダのシートに関しては,既にM.フェルスタッペンとの契約が成立していました。そのチームメイトが誰になるのかについては,当然今季レギュラードライバーを務めたA.アルボンの名前も挙がっていました。しかし,シーズンが進むに連れてアルボンの残留に黄色信号が灯っていたのも事実です。というのも,チームメイトであるフェルスタッペンと比べるのはやや荷が重たくなるのは確かですが,フェルスタッペンは214点を獲得してランキング3位に入ったのに対し,アルボンは105点で7位に留まっていて,倍以上の差がつくという状況になっていました。チームタイトルを期待している同チームとしては,2人のドライバーの結果が高い位置で安定することが必要です。ところが,レッドブルは育成ドライバー出身者を起用するという方向性で臨んでいるものの,現段階ではその中に期待にふさわしいドライバーがなく,今回育成出身者でないペレスを起用することになりました。そのペレスですが,2011年にザウバーからF1に進出を開始しています。2年間在籍する中で3回表彰台を獲得し,2013年にはマクラーレンに移籍しました。有力チームでの活躍が期待されたものの,マクラーレンとは1年で離脱することになってしまいました。そして,2014年にかつてのフォース・インディア,現在のレーシングポイントF1に移籍し,今シーズンまでの7年間という長期にわたって在籍していました。その7年間で,7回の表彰台を獲得し,そのなかで一番のリザルトは,今季サクヒールGPで成し遂げた悲願の初優勝でした。チームの財政立て直しも含めて貢献してきたペレスでしたが,来季フェラーリのシートを失った4回のチャンピオン経験者であるS.ベッテルが移籍してくることになり,来季からアストンマーティンとして新たなスタートを切る同チームのシートを失う状況になっていました。まだ十分なポテンシャルを持っているペレスと,高い位置で安定した成績が期待できるドライバーを探していたレッドブルとの思いが合って,今回の契約に至っています。ペレスの移籍に伴ってシートを失うことになったアルボンですが,今回の発表の中に彼の去就についても明らかにされていて,レギュラードライバーとしてのシートは失ったものの,テスト&リザーブドライバーとして同チームに残ることになっています。
2020/12/17(金)
☆全23戦で(F1)
○今シーズンのレースカレンダーは,新型コロナウイルス感染拡大により大幅に変更せざるを得ず,日本GPも開催中止となってしまいました。来年こそは,通常のレース環境になることを願わざるを得ません。その来年のスケジュールについてですが,12月16日(水)にFIAは世界モータースポーツ評議会(WMSC)の会合を開き,11月10日(火)に発表されていた暫定カレンダーがほぼそのまま承認されました。それによると,来季は全23戦で行われる予定になります。鈴鹿での日本GPについては,10月10日(日)に第18戦として決勝レースが行われることになりました。第4戦の開催地は,現段階で未定です。当初この大会はベトナムGPとして開催される予定だったようですが,どうやら同地での開催はなくなっているようで,噂ではポルトガルやトルコでの開催が検討されているようです。また,バルセロナでの第5戦と初開催となるサウジアラビアでの第22戦は条件付きとなっていて,第5戦はプロモーターとの締結,第22戦はサーキットのホモロゲーションが獲得されて開催となります。なお,今回発表された具体的なレースカレンダーは,以下の表のようになっています。
2021年 F1レースカレンダー
大会 決勝日 サーキット
第1戦 オーストラリアGP 3月2日 メルボルン
第2戦 バーレーンGP 3月28日 サクヒール
第3戦 中国GP 4月11日 上海
第4戦 未定 4月25日 未定
第5戦 スペインGP 5月9日 バルセロナ
第6戦 モナコGP 5月23日 モナコ
第7戦 アゼルバイジャンGP 6月6日 バクー
第8戦 カナダGP 6月13日 モントリオール
第9戦 フランスGP 6月27日 ル・キャステレ
第10戦 オーストリアGP 7月4日 シュピールベルク
第11戦 イギリスGP 7月18日 シルバーストーン
第12戦 ハンガリーGP 8月1日 ブダペスト
第13戦 ベルギーGP 8月29日 スパ・フランコルシャン
第14戦 オランダGP 9月5日 ザントフォールト
第15戦 イタリアGP 9月12日 モンツァ
第16戦 ロシアGP 9月26日 ソチ
第17戦 シンガポールGP 10月3日 シンガポール
第18戦 日本GP 10月10日 鈴鹿
第19戦 アメリカGP 10月24日 オースティン
第20戦 メキシコGP 10月31日 メキシコシティ
第21戦 ブラジルGP 11月14日 サンパウロ
第22戦 サウジアラビアGP 11月28日 ジェッダ
第23戦 アブダビGP 12月5日 アブダビ
2020/12/17(木)
☆7年ぶり(F1)
○ついに小林可夢偉以来7年ぶりの日本人F1ドライバーの誕生が,昨日正式に発表されました。このページでも既にお伝えしていますが,今季F1へ直近の登竜門といえるFIA-F2にカーリンからフル参戦した角田裕毅が,来季からアルファタウリ・ホンダに所属してF1へ昇格することが確実視されていました。その角田ですが,ホンダの育成ドライバーとして活躍を開始し,2018年に国内のFIA-F4でチャンピオンを獲得した後,2019年から海外への展開となり,レッドブル・ジュニアチームの一員としてイェンツァー・モータースポーツからFIA-F3にフル参戦しました。この時はランク9位で終わったものの,2020年はF2に昇格してフル参戦しました。そして,ルーキーイヤーながら4度のポールと,3回の勝利を重ね,ランク3位という見事なリザルトを残すと共に,ベストルーキーに贈られる『アントワーヌ・ユベール・アワード』を受賞してシーズンを終えました。この結果,F1参戦に必要なスーパーライセンスを獲得する権利を得,さらにレッドブルからはランク4位以内という目標を設定されていましたが,見事にそれをクリアしましたので,レッドブルの育成チーム的立場にあるアルファタウリ・ホンダからのフル参戦が現実的に期待される状況となっていました。そして,昨日そのアルファタウリ・ホンダから正式発表があり,来季から同チームに所属してF1へフル参戦することになりました。同チームは既にP.ガスリーとの契約延長が決まっていましたから,来季はガスリー&角田の体制でシーズンを臨むことが決定しました。それに伴い,今季フル参戦したD.クビアトはシートを失うことになりました。そのクビアトの来季の去就については,現段階でまだ発表がありません。来季は,ホンダとしては最終年となります。その年に日本人F1ドライバーが誕生するのは,何とも因縁めいた感じがします。それが,ホンダの育成ドライバーだったという点もありますので,その感を強くします。ホンダの,そして角田の活躍を祈りたいと思います。
2020/12/16(水)
☆卒業&昇格(JRR)
○国内コンストラクターを代表するチームの1つで,ホンダ系のチームでもあるHARC-PRO.が,12月11日(金)に来季の体制について発表を行いました。同チームの体制発表は,例年地元立川で行う感謝の夕べで行ってきましたが,今年は新型コロナウイルス感染拡大により,単なる発表という形になりました。今回の発表によると,今シーズン同チームから最高峰のJSB1000クラスにフル参戦するとともに,HRCのマシン開発も担っていた水野涼がチームを卒業することになりました。卒業した水野の去就については,今回の発表ではありませんでした。可能性として,アジアなど海外への進出も噂されているようです。その水野に替わってチームの大黒柱に就任するのは,今シーズンは新設のST1000クラスに同チームからフル参戦した名越哲平です。また,ST600クラスには,SDG Mistresa RT HARC-PRO.から参戦していた埜口遥希が,MuSASHi  RT HARC-PRO.に昇格(?)してフル参戦することになりました。なお,その埜口が所属したSDG Mistresa RT HARC-PRO.は,来季からSDG MOTORSPORTS RT HARC-PRO.と名称を変更することになりました。そして,そこからは,JSB1000クラスに今季と同じく榎戸育寛が継続参戦し,J-GP3クラスには成田彬人,ST600クラスには千田俊輝がフル参戦します。

☆代役(SF)
○新型コロナウイルス感染拡大により,今季のレースカレンダーは他のカテゴリーと同じく大きく変更となり,何と今週末に最終戦が行われます。12月中旬に富士スピードウェイで開催されることになりますので,エントラントはかなり寒い思いをしながらのレースウィークになることが十分予想されます。その最終戦を前にして,12月14日(月)にTCS NAKAJIMA RACINGからプレスリリースがあり,今季同チームからフル参戦している牧野任祐が髄膜炎を発症したため,その代役として大津弘樹を起用することになりました。今回代役参戦することになった大津は,今季SGTのGT500クラスにModulo NSX-GTから伊沢拓也と組んでフル参戦しました。大津にとっては,これがSF初出場となります。ただ,レースとしては初でも,1年前に行われたSFのルーキーテストでステアリングを握った経験があります。
2020/12/15(火)
☆来季限りで(MotoGP)
○MotoGPクラスにフル参戦しているグレシーニ・レーシングから発表があり,IRTA(国際ロードレーシングチーム連盟)との間で2022年から5年間参戦することに合意しました。ただし,その5年間にどのマシンを駆るのかについては,今回発表がありませんでしたので現段階では不明です。イタリアを代表するレジェンドライダーの一人であるF.グレシーニが代表を務める同チームは,以前はホンダ系のサテライトチームとして最高峰クラスや中量級クラスに参戦していました。故加藤大治郎さんをはじめ,中野真矢,青山博一,高橋裕紀といった日本人ライダーが所属した歴史もあって,私たち日本人レースファンにとって馴染みのあるチームの1つともいえます。2015年からは,アプリリアのファクトリーチームとなり,『アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ』として来季までフル参戦することが決まっています。しかし,今回の発表では,2022年から再びサテライトチーム(インディペンデントチーム)として最高峰クラスにフル参戦するということが発表されましたので,そのことは普通で考えればアプリリアと袂を分かつという意味が含まれていることになります。来季のMotoGPクラスは,今年J.ミルがタイトルを獲得したスズキとアプリリアが1チームでの参戦,ホンダやヤマハ,そして今季大躍進したKTMが2チームで,ドゥカティが3チームでの参戦となります。2,3チームが参戦しているメーカーがもう1チーム増やすのは現実的でありませんから,可能性として一番高いのが,そして実際噂されてきたのがスズキです。今年のスズキは,ライダーのタイトルは獲得できたものの,惜しくもメーカータイトルはドゥカティに奪われました。この点を補完するためには,そして,データをより多く取ってマシンをさらに向上させるためには,サテライトチームの存在がなくてはなりません。正式発表がいつなされるのか分かりませんが,同チームの去就は,来季の注目点の1つだといえます。
2020/12/14(月)
☆完勝(F1)
○コロナ禍により当初の予定と大幅に変更となった今季のF1ですが,その最終戦となる第17戦アブダビGPの決勝レースが,日没頃から始まるトワイライトレースとしてヤス・マリーナ・サーキットで行われました。自身にとっても,そしてメルセデス製PU勢以外にとっても今季初となるポールからスタートしたレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンは,好スタートを切ってトップの座を守りました。2,3番グリッドからスタートしたV.ボッタスとL.ハミルトンも順調にスタートを切ってそれぞれそのポジションを守りました。トップに立ったフェルスタッペンは,徐々にボッタスとの差を広げて単独走行に持ち込んでいきました。途中でトラブルでストップしたマシンを回収するためにセーフティカーが導入されので差が一旦はなくなりましたが,それが明けると再び単独走行に持ち込んでいきました。結局最後までトップの座を守り続けていき,一度もトップを譲ることなく独走でチェッカーを受け,完勝で今季2勝目を挙げました。およそ16秒遅れで2位にボッタスが入ったため,ボッタスとフェルスタッペンの間で争われていたランク2位の座は,ボッタスが守りました。レッドブル・ホンダのA.アルボンがメルセデスAMGのL.ハミルトンを追い上げる展開となっていった3位争いでしたが,ハミルトンがおよそ1.5秒差で3位表彰台を獲得しています。アルファタウリ・ホンダ勢は,P.ガスリーが8位に入りましたが,角田裕毅がF1に昇格する可能性が高くなっていて,そのため今季でほぼ間違いなくシートを失うことになりそうなD.クビアトは,11位で今シーズンを終えています。
2020/12/13(日)
☆今季初(F1)
○今季最終戦となる第17戦アブダビGPの予選が,決勝と同じく日が傾く夕方からの時刻にヤス・マリーナ・サーキットで行われました。最初のアタックでは,いつもの流れのようにメルセデスAMG勢がワンツー体勢を築いて,今回も今季当たり前のような状況になるのかと思われました。そして,いつもよりやや早めにファイナルアタックを多くのドライバーが開始し,メルセデスAMGのV.ボッタスがL.ハミルトンのタイムを更新してポールかと思われましたが,そのボッタスのタイムをレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンが上回り,何と大逆転でフェルスタッペンが今季初となるポールを最終戦において獲得しました。第14戦トルコGPの予選でレーシングポイントF1のL.ストロールがポールを獲得し,ここで今季初めてメルセデスAMG勢以外がポールを獲得しましたが,同チームはメルセデス製PU勢の1つですから,ここまで全て同PUがポールを独占してきました。最終戦にして今季初めて,メルセデス製PU以外がポールを獲得したことになります。フェルスタッペン以外はメルセデスAMG勢を上回ることができず,ボッタスとハミルトンが,それぞれ2,3番グリッドとなっています。ホンダ製パワーユニット勢ですが,全車Q3進出を果たしていて,レッドブル・ホンダのA.アルボンが5番手,アルファタウリ・ホンダのD.クビアトとP.ガスリーが,それぞれ7番手,10番手で予選を終えています。
2020/12/12(土)
☆レジェンドの名が(F1)
○今季最終戦となる第17戦アブダビGPが,ドライコンディションとなたヤス・マリーナ・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。この日行われたFP1では,レジェンドドライバーであるミハエル.シューマッハの息子で,来季からハースF1チームに所属してF1デビューが決まっているミック.シューマッハが走行をしています。また,第15戦バーレーンGPで炎上するマシンから脱出し,火傷を負いながらも九死に一生を得たR.グロージャンの代役として第16戦サクヒールGPで参戦したP.フィッティパルディが,今回も代役参戦を継続しています。元F1チャンピオンであるE.フィッティパルディの孫である彼も走行しましたので,FP1はシューマッハ&フィッティパルディというレジェンドドライバー2人の名が並んだことになります。
さて,肝心の走行の方ですが,この日総合でトップタイムをマークしたのは,FP2でトップだったメルセデスAMGのV.ボッタスでした。新型コロナウイルスに感染したため,2戦欠場せざるを得なかったチームメイトのL.ハミルトンが今回から復活していて,そのハミルトンが2番手タイムをマークし,いつものようにメルセデスAMGのワンツーで初日を終えています。FP1でトップタイムをマークしたレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンでしたが,FP2でメルセデスAMG勢の先行を許し,FP2のタイムで初日は総合3番手タイムで終えています。他のホンダ製パワーユニット勢は,レッドブル・ホンダのA.アルボンが4番手,アルファタウリ・ホンダのD.クビアトとP.ガスリーは,それぞれ11番手,13番手でした。
2020/12/11(金)
☆オンラインで(MotoGP)
○昨日,ホンダから来季の『二輪世界選手権の体制発表会』を開催しました。例年この発表会は,ミラノ国際モーターサイクルショー(EICMA)の会場で実施していましたが,コロナ禍における状況のため,ホンダとしては初となるオンラインでの発表会となりました。
今回の発表では,来季もMotoGPにおけるMotoGPクラスを始め,モトクロス,トライアルにおける最高峰クラス制覇を目指してHRCとしてワークス体制で参戦することが発表されました。また,市販車をベースとしたSBKを始め,今年31年ぶりに制覇したダカールラリーの連覇を目指して,こちらも今年と同様HRCワークスチームで参戦します。具体的な部分は以下の表にまとめましたが,MotoGPクラスに関しては,既に明らかになっていたように,ワークスであるレプソル・ホンダ・チームは,M.マルケスに加え,新たに今季もKTMのワークスライダーとしてフル参戦していたP.エスパルガロを起用することになりました。そして,インディペンデントチームとして,こちらもこれまで同様LCRホンダがフル参戦し,起用するライダーは,今年と同様LCRホンダ・イデミツから中上貴晶がフル参戦します。また,今季はC.クラッチローがフル参戦していたLCRホンダ・カストロールからは,今季レプソル・ホンダ・チームからフル参戦したA.マルケスが移籍してフル参戦することになりました。SBKに関しては,A.バウティスタとL.ハスラムが継続参戦します。世界耐久選手権(EWC)に関しては,こちらも今年と同じくF.C.C. TSR Honda Franceがワークスとして臨み,ライダーはJ.フックとM.ディ.メリオが継続参戦するとともに,新たに今季JRRで新設となったST1000クラスで見事初代チャンピオンに輝いた高橋裕紀を起用することになりました。高橋が起用されるのはいいのですが,気になるのは,別の高橋です。今回の発表では,今季新たにSBKにフル参戦したMIEレーシング・ホンダ・チームに関しての発表がなかったのです。同チームからは,元JSB1000クラスチャンピオンである高橋巧がフル参戦していましたが,チームに関してだけではなく,高橋巧に関しても何ら発表がなかったのです。新規参入チームだけにとても苦労した1年でしたので,ぜひ来季はさらなる体制を組んで今季の経験を活かすようになることを期待したいと思います。なお,今回発表された具体的な参戦体制は,以下の表のようになっています。ただ,このサイトはロードレースを基本としていますので,他のカテゴリーについては省略させていただきます。
2021年 2輪世界選手権ホンダ参戦体制
カテゴリー チーム マシン ライダー
MotoGP レプソル・ホンダ・チーム RC213V 93 M.マルケス
44 P.エスパルガロ
LCRホンダ・イデミツ 30 中上 貴晶
LCRホンダ・カストロール 73 A.マルケス
Moto2 ホンダ・チーム・アジア カレックス 35 S.チャントラ
79 小椋 藍
Moto3 ホンダ・チーム・アジア NSF250RW 19 A.ファリド.イズディハール
92 國井 勇輝
SBK チームHRC CBR1000RR-R FIREBLADE SP 19 A.バウティスタ
91 L.ハスラム
EWC F.C.C. TSR Honda France CBR1000RR-R FIREBLADE SP 5 J.フック
M.ディ.メリオ
高橋 裕紀
2020/12/10(木)
☆2人目(F1)
○昨日は,12月15日(火)からアブダビにあるヤス・マリーナ・サーキットで行われる予定のヤングドライバーテストに,来季からアルファタウリ・ホンダからF1にフル参戦することが確実視されている角田裕毅を,同チームから起用することをお伝えしました。そのテストに関して,同じくアルファタウリ・ホンダから新たな発表があり,今季FIA-F2にトライデントからフル参戦している佐藤万璃音を起用することになりました。つまり,このテストでは,アルファタウリ・ホンダのマシンを2人の日本人ドライバーが駆ることになるわけです。今回起用することが決定した万璃音は,中学を卒業してからヨーロッパに渡り,イタリアンF4等のレースに参戦してきました。2019年にはユーロフォーミュラ・オープンにフル参戦し,9勝を挙げて見事チャンピオンを獲得すると共に,その年の途中から今季の体制でF2に参戦を開始して現在に至っています。FIA-F2フル参戦初年度となる今季の万璃音は,わずか1ポイントしか獲得できず,ランク22位でシーズンを終了しています。しかし,そのポテンシャルの高さが認められ,今回のテスト起用発表に至ったものと思われます。テストでの結果次第では,来季角田のF1昇格によって空くであろう名門チームのカーリンのシートを獲得できるかもしれず,もしそうなったら当然チャンピオン争いに加わる可能性が高くなります。万璃音にとって,今後のドライバー人生を左右するテストとなりそうですね。
2020/12/09(水)
☆着々と(F1)
○昨日は,今季FIA-F2にフル参戦し,ランク3位に入ってF1参戦に必要なスーパーライセンス獲得を確定した角田裕毅についてお伝えしました。今季からF2に参戦した角田は,ルーキーシーズンながら3勝を獲得し,冒頭にもお伝えしたようにランク3位に入りました。その活躍が認められて,F2に参戦したベストルーキーに授与される『アントワーヌ・ユベール・アワード』を受賞しています。その角田について昨日スクーデリア・アルファタウリ・ホンダから発表があり,12月15日(火)にアブダビのヤス・マリーナ・サーキットで行われるヤングドライバーテストに起用することを発表しました。その名が示すように,このテストは主に若手ドライバーを対象に行われるもので,各メーカーやチーム等の支援を受けてF1参戦を目指している若手ドライバーが参加することになり,来季以降のシートを誰が獲得するのか一つのめやすになります。レッドブル・ジュニア・チームに所属しているドライバーでもある角田は,昨日お伝えしたように,来季アルファタウリ・ホンダのシートを獲得することが確実視されています。今回の決定は,それに向けた1つの大きな流れが着々とできていると考えていいでしょう。
2020/12/08(火)
☆確定(F1)
○2014年シーズンに小林可夢偉がケータハムのシートを得て何とかF1に留まったものの,その年限りでシートを失い,それ以後日本人F1ドライバーはずっと誕生していません。しかし,ようやく7年ぶりに日本人F1ドライバーが来季誕生する可能性が高まっています。その話題の主は,今季FIA-F2にフル参戦している角田裕毅です。ホンダの支援を受けて成長を続ける角田は,昨シーズンから日本人2人目となるレッドブル・ジュニア・チーム所属のドライバーとなり,今季はこれまで数々の有望ドライバーを輩出してきたカーリンに所属してF1への登竜門となるFIA-F2にフル参戦しました。そのF2での成績ですが,レッドブル・リンクで行われた第3戦で2位に入って初表彰台を獲得し,イギリスのシルバーストーン・サーキットで行われた第10戦で見事初勝利を収めました。そして,ベルギーのスパ・フランコルシャンで行われた第13戦で2勝目を挙げました。さらに,週末土曜日にバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われた第23戦において今季3勝目を挙げると共に,日曜日に行われた今季最終戦で2位表彰台を獲得し,ランク3位で今シーズンを終えました。F1に参戦するためにはスーパーライセンスが必要となりますが,角田の場合,これまで積み上げてきた成績の結果,ランク5位までに入ればそのスーパーライセンスを獲得する権利を有することになっていました。そして,その5位をはるかに超えるランク3位となりましたので,ライセンス発給が確定しました。後は所属するチームさえ決まれば,来季からのF1参戦が可能となります。その角田ですが,既にアルファタウリ・ホンダのマシンを駆ってテスト走行を経験しています。さらに,レッドブル側は角田の将来性を買っていて,スーパーライセンスを獲得すればF1に参戦するチャンスを与えることを既に発表しています。そうした状況ですので,ほぼ間違いなく来季はアルファタウリ・ホンダからF1にフル参戦することになるでしょう。
2020/12/07(月)
☆初優勝&ダブル(F1)
○第16戦サクヒールGPの決勝レースが,ナイトレースという形でバーレーン・インターナショナル・サーキットにおいて行われました。L.ハミルトンの新型コロナウイルス感染によりウィリアムズのG.ラッセルが代役参戦し,予選では今回のチームメイトとなるV.ボッタスの後塵は拝したものの,2番グリッドからスタートしました。決勝レースのスタートでは,ボッタスの加速が鈍ったのに対し,ラッセルは順調にスタートを切って両車の位置は逆転し,ラッセルがトップに立ちました。その後も,後続では色々な順位変動はありましたが,順調にトップを走行していきました。ところが,ピットストップしたときにチャンピオンチームらしくないミスを犯してしまい,タイヤの装着ミスが発生してしまったのです。ボッタスはすぐに間違いに気づいて再装着をしましたが,ラッセルはセーフティカー導入時に戻って再装着となりました。2人はトップから脱落し,彼らに替わってトップに立ったのは,5番グリッドからスタートしていたレーシングポイントF1のS.ペレスでした。トップに立ったペレスはその後順調に走行を続けて後続との差を広げ,2位に入ったルノーのE.オコンに10秒以上の差をつける独走でトップチェッカーを受け,自身参戦190戦目にして嬉しい初優勝を挙げました。オコンに続いてL.ストロールが3位でチェッカーを受け,レーシングポイントF1がダブル表彰台を獲得しています。3番グリッドからスタートしたレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンは,スタートの混乱時にアクシデントに見舞われてしまい,スタートして間もなくリタイアに終わってしまいました。他のホンダ製パワーユニット勢ですが,来季のシートが1戦1戦かかっているレッドブル・ホンダのA.アルボンが6位でチェッカーを受けてホンダ勢最上位に食い込みました。アルファタウリ・ホンダ勢は,D.クビアトが7位でポイントを獲得したものの,P.ガスリーは11位で惜しくもポイント獲得に至りませんでした。

☆自身初(SF)
○変則開催で,前日は第5戦の予選と決勝が,そして日曜日は第6戦の予選と決勝レースが鈴鹿サーキットで行われました。前日の決勝レースは,レース前の走行から波乱の展開となり,さらにレース中も3度セーフティカーが導入されるという荒れた展開でしたが,第6戦はレースやランキングでの上位陣に次々にアクシデントやトラブルが発生し,前日と同じく波乱の展開となりました。そのようななか,全車がピットインを済ませた段階でトップに立っていたのは,ルーキードライバーの一人であるTCS NAKAJIMA RACINGの大湯都史樹でした。その大湯の後ろにDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの福住仁嶺がつけ,若手ドライバーによるトップバトルはファイナルラップまで続きました。最後のシケインでプレッシャーをかけた福住でしたが,大湯はそれをはね返してトップでチェッカー受け,自身初となる勝利を収めました。福住が2位に入り,2人の差はコンマ5秒でした。3位には,ITOCHU ENEX TEAM IMPULの関口雄飛が入り,今季初表彰台を獲得しています。前戦でランクトップに立ったDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの山本尚貴でしたが,マシントラブルに見舞われてリタイアに終わりました。その前までランクトップだったITOCHU ENEX TEAM IMPULの平川亮は7位でのチェッカーとなり,再びランクトップに返り咲いたものの,山本とは同ポイントで並んでいます。
2020/12/06(日)
☆ポテンシャルの証明(F1)
○第16戦サクヒールGPの予選が,前戦と同じバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われました。前日は新型コロナウイルスに感染したL.ハミルトンの代役としてメルセデスAMGのステアリングを握ったG.ラッセルが,何といきなり初日総合トップに立つという驚きの結果を残していました。果たしてラッセルは予選でも結果を残すのか,それともレギュラードライバーのV.ボッタスがその上を行くのか注目となりました。果たしてその結果ですが,やはりずっとメルセデスAMGのステアリングを握ってきているボッタスが意地を見せて今季5回目となるポールを獲得しました。残念ながら代役参戦でのポールとはなりませんでしたが,ボッタスに次ぐ2番グリッドをラッセルが獲得し,マシンさえよければ上位に入ることができることを証明して見せました。3番グリッドは,もはや定位置となっているレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンが獲得しています。他のホンダ製パワーユニット勢は,D.クビアトのD.クビアトとP.ガスリーがQ3まで進出し,それぞれ6番手,9番手を獲得しています。来季のシート維持が残りのレースでかかっているレッドブル・ホンダのA.アルボンは,Q2で敗退して12番手で終了しています。

☆今季初(SF)
○新型コロナウイルス感染拡大により,変則的なレースカレンダーとなっていますが,今週末のSFは,土曜日が第5戦の予選と決勝,日曜日が第6戦の予選と決勝が行われるというSFで聞いたことがないスケジュールとなっています。
その第5戦の決勝レースは,スタート前からアクシデントが2度発生し,大荒れの気配を感じさせるものとなりました。まずピットを出てグリッドにつくレコノサンスにおいてTEAM MUGENの野尻智紀のマシンがストップ。さらに,決勝レーススタート前のフォーメーションラップでは,ITOCHU ENEX TEAM IMPULの関口雄飛のマシンがストップ。そのマシンを回収するためにエクストラフォーメーションラップが2周追加され,決勝レースは28周で争われることになりました。その決勝レースでもアクシデントが発生し,3度セーフティカーが導入される事態となりました。そのような荒れた展開のレースとなりましたが,ポールからスタートしたDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの山本尚貴は順調にスタートを切ってトップの座を守りました。その後もセーフティカー先導後のリスタートにおいてもトップのポジションを守って行きました。そして,その勢いは最後まで続き,今季初勝利をポールトゥーフィニッシュで達成しました。9番グリッドからスタートしたVANTELIN TEAM TOM’Sの中嶋一貴は,早めのタイヤ交換作戦を採ってペースを上げ,これが功を奏して順位を2位にまで上げ,そのままチェッカーとなりました。チームメイトである小林可夢偉と中嶋一貴のチームメイトであるN.キャシディと3位争いをしたcarrozzeria Team KCMGの国本雄資は,そのバトルを制して3位でチェッカーを受けました。奇しくも,今回の表彰台は,ベテランドライバーが今季初表彰台を獲得するという結果となりました。なお,この大会前までランクトップに立っていたITOCHU ENEX TEAM IMPULの平川亮がアクシデントでリタイアに終わったこともあって,山本尚貴がランクトップに立っています。
2020/12/05(土)
☆代役が(F1)
○3週連続開催となるF1ですが,その中の2つ目のレースとなる第16戦サクヒールGPが,前回の第15戦バーレーンGPと同じバーレーン・インターナショナル・サーキットで開幕しました。会場は同じでも,今回と前回とで大きな違いがあります。まず,コースについてですが,前回は通常のコースを使用しましたが,今回は全長3.543kmのオーバル型の超高速「アウタートラック」レイアウトで開催されます。また,開催時刻も違っていて,前回は日没前にスタートが切られる「トワイライトレース」でしたが,今回は日没後にスタートする「ナイトレース」で行われます。そして,ドライバーに関して,前回と大きな違いが生じています。それは,前回の勝者で,既に今季もチャンピオンを決めているメルセデスAMGのL.ハミルトンの不在です。そのハミルトンは,既に報道がなされているように,残念ながら新型コロナウイルスに感染してしまったため,出場不可能となってしまったのです。そのため,同チームは代役として,今季もウィリアムズからフル参戦しているG.ラッセルを起用することになりました。ラッセルが抜けたウィリアムズには,同チームのリザーブドライバーであるJ.エイトケンを起用しています。そうした状況の中で開幕した昨日は,いつものように2回のフリー走行が行われました。その中でトップタイムをマークしたのは,何と代役を務めているラッセルでした。しかも,2回のフリー走行共にトップタイムだったのです。同チームのレギュラードライバーであるV.ボッタスは,ラッセルよりよいタイムをマークしたのですが,トラックリミット違反でそのタイムが抹消となったため,4番手タイムで終わっています。2,3番手タイムは,それぞれM.フェルスタッペン,A.アルボンのレッドブル・ホンダ勢でした。アルファタウリ・ホンダ勢は,D.クビアトが5番手,P.ガスリーが6番手でした。
2020/12/04(金)
☆賛否(JRR)
○12月2日(水)にMFJ(日本モーターサイクルスポーツ協会)から発表があり,来シーズンから希望ゼッケンの申請受付を廃止し,ランキング順にゼッケンナンバーを指定することになりました。以前は今回発表があったように,前年のランキングでその年のゼッケンが決まっていました。しかし,近年の国内外におけるレースは,ランキングに関係なく,希望するゼッケンをつけることが多くなっています。その分かり易い例が,JRRではハルクプロで,同チームのタイトルスポンサーである『武蔵精密工業』社にちなんで「634」のゼッケンをつけています。また,国外ではMotoGPにおけるV.ロッシで,彼といえば「46」が当たり前のように定着しています。こうした事がある中,今回のMFJの発表によれば,全日本として開催されているロードレース・モトクロス・トライアル・スーパーモト・エンデューロ ・スノーモビルの各シリーズのあらたなファン獲得および二輪レースの認知度向上を目指し活動を強化していくことを目的として,今回の措置に踏み切ったということです。こうすることで,誰が速いライダーなのかが番号を見ればすぐに分かりますので,レースの認知向上に役立つことになります。ただ,今回の措置は事前にエントラントたちに周知していたわけではなく,彼らにとっては抜き打ち的な形になりました。そのため,ライダー等のSNSを見ると,反対意見が少なくないのも事実です。特に,ハルクプロがそうであるように,スポンサーと関連付けることができますので,そうした点からスポンサー獲得の一助となる側面もあります。資金的に苦しいチームが多い日本だけに,場合によっては死活問題となるチームもあります。ただ,確かに初心者が見たときには,誰が速いのかが分かりやすいということも間違いなくあります。とはいえ,それがファン獲得にどれだけ貢献するのかは想像の域を出ません。なお,今回の措置をもう少し詳しく説明すると,前年度のランキング1〜10位は赤地に白文字のナンバープレートカラーで,11位以降は各クラス指定されたナンバープレートカラーを掲げることになります。その指定されたカラーですが,JSB1000クラスが黄,ST1000クラスが青,ST600クラスが白,J-GP3クラスが黒となっています。
2020/12/03(木)
☆デビュー(F1)
○フェラーリ製PUユーザーの1つであるハースF1チームから発表があり,来シーズンから,レジェンドドライバーの一人であるミハエル.シューマッハの息子で,フェラーリ・ドライバー・アカデミーの一員でもあるミック.シューマッハを起用することになりました。契約年数は,来季からの複数年となっています。今シーズンのハースは,R.グロージャンとK.マグヌッセンの体制で臨んでいますが,この2人については,今シーズン限りでチームを去ることが既に決定していました。その空くことになるシートに誰が座るのか注目されていましたが,先日まず1人目としてロシア人ドライバーであるN.マゼピンとの契約が発表されていました。ルーキードライバーであるマゼピンがシートに座ることになったわけですから,チームメイトはベテランドライバーになる可能性もありました。しかし,今回の契約成立により,来季のハースはルーキードライバー二人の体制となります。今回契約が成立したミックは,今季F1へのステップアップカテゴリーであるFIA-F2にフル参戦しています。シーズン序盤こそ期待された成績が残せていませんでしたが,シーズンが進むに連れて父親譲りの才能を発揮し,最終戦を残した現段階でランクトップに立っていて,ランク2位との差が14ポイントとなっています。
2020/12/02(水)
☆チームスポンサー(MotoGP)
○近年,コンビニなどに行くと国内外のメーカーが販売しているエナジードリンクを何種類も見るようになってきています。そうした数あるエナジードリンクの中でも,私たちレースファンにとって一番目にするのはオーストリアに本社を置くレッドブルでしょう。同社のロゴは,メインスポンサーを務めているマシンにも,そして,パーソナルスポンサーを務めているレーサーのヘルメット等に数々見られます。特に,レースの世界では,このところホンダとのコラボが国内外のチームで見られます。その代表がF1のレッドブル・ホンダでしょうし,SGTにおいてはTEAM Red Bull MUGENががそれに当てはまります。そして,レッドブル以外では,何といってもアメリカに本拠を置くモンスターエナジーのブランドが挙げられます。MotoGPにおいては,ヤマハのワークスチームでタイトルスポンサーを務めていて,モンスター・エナジー・ヤマハMotoGPというエントリー名でフル参戦しています。もちろん同社も,チームとのスポンサー活動だけでなく,パーソナルでのスポンサーも同様に務めていて,その例としてあげられるのが,今季MotoGPクラスチャンピオンに輝いたJ.ミルがそうですし,そのチームメイトであるA.リンスも同様にスポンサードを受けています。その2人が所属しているのが,スズキワークスであるチーム・スズキ・エクスターです。昨日同チームから発表があり,来季からモンスターエナジーがタイトルスポンサーになることが明らかとなりました。契約年数は複数年となっていて,具体的な年数は不明です。チーム名がどうなるのかも不明ですが,普通で考えれば,モンスター・エナジー・スズキのようなものになるのでしょう。そして,もう1つ不明なのが,ヤマハとの関係性です。スズキとタイトルスポンサー契約を結んだということは,これまた普通に考えればヤマハとの契約に変更が出てくるはずです。先日発表された来季のエントリーリストでは,今季までと同じようにヤマハワークスのチーム名はモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPとなっています。ただ,あくまでもそのリストは暫定版ですので,これから変更が加わっても何ら不思議はありません。果たしてどうなるのか,今後の発表を待ちたいと思います。
2020/12/01(火)
☆デビュー(F1)
○週末に行われた第15戦バーレーンGPの決勝レースは荒れた展開となり,オープニングラップから命に関わるような大きいアクシデントが発生しました。ダーン2で発生した混乱の影響がターン3まで続き,ハースF1チームのR.グロージャンが他のマシンと接触し,そのままガードレールに直撃しました。その激しい衝突によりマシンは半分に引きちぎられ,漏れた燃料に火がついてグロージャンが乗ったままになっているマシンの前半部分は大きな火に包まれてしまいました。悪くすると大惨事に至るような状況でしたが,幸いなことにグロージャンは自力で脱出することができました。一旦メディカルに運ばれ,その後すぐに病院へと搬送されました。火傷と骨折が心配されましたが,幸いなことに両手の甲に火傷が見られたものの,大火災だった割には大きな火傷ではなかったようですし,肋骨の骨折等が心配されましたが,現段階で骨折に関してはなかったようです。まさに不幸中の幸いといったところです。
そうした幸いなことになったわけですが,今週末に行われる第16戦サクヒールGPへの出場は不可能です。そのことに関してハースF1チームから発表があり,グロージャンの代役としてチームのテスト兼リザーブドライバーを務めているP.フィッティパルディを起用することになりました。「フィッティパルディ」といえばブラジルを代表するレース一家を想像しますが,まさにその一家の一員で,かつてF1で2度のチャンピオンに,そしてインディ500では2度優勝経験のあるE.フィッティパルディの孫となります。2018年から現在の役割に就いているフィッティパルディですが,その2018年にはSFへも参戦しました。ところが,開幕戦には出場したものの,同年にはWECシリーズにもフル参戦していて,SF開幕戦直後に行われたWECのスパ・フランコルシャン6時間においてクラッシュし,両足骨折の重傷を負ってしまったため,SFへは開幕戦のみの出場で終わっています。なお,グロージャンに関しては,今日退院する予定になっているようです。
 

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