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最新ニュース

2020/03/31(火)
☆13年ぶり(F1)
○3月28日(土)にF1フェラーリ・レーシングチームを運営するスクーデリア・フェラーリが,渋谷に拠点を置く『レディオブック株式会社』とパートナーシップを締結しました。今回フェラーリと締結を交わしたレディオブック社は,スマホやタブレットなどのモバイル端末の修理・買取・販売事業や,トータルプランディング事業を行っています。現段階でフェラーリとパートナーシップを結んでいる企業はなく,今回のレディオブック社が13年ぶりの日本企業ということになります。今回の締結により,今季型マシンに同社のロゴが飾られると共に,現段階で10月に鈴鹿サーキットで開催が予定されている日本GPにおいて様々なイベントが開かれるものと思われます。
2020/03/30(月)
☆テスト中止(SGT&SF)
○東京を中心に,新型コロナウィルス感染が広がってきているため,週末前に東京都をはじめ,近隣の知事が週末での外出を自粛するよう要請がありました。その週末には,富士スピードウェイでSGTの富士公式テストが行われる予定になっていたのですが,3月27日(金)にGTAから発表があり,今回の要請を受けてテストを中止することになりました。既に多くのチームが現地に到着していた中での発表と決定だっただけに,関係者は急遽撤収作業に取り組んだようです。
さらに,SGTの発表と同じ日にJRPから発表があり,新型コロナウイルスの感染防止対策として,鈴鹿サーキットで4月3日(金)〜4日(土)に予定していた公式合同テストを中止することになりました。今回のテストは,元々3月9日(月)から2日間にわたって行なわれる予定だったのですが,感染防止のためこの日に変更となっていましたが,その予定がさらに変更されることになったという訳です。
2020/03/29(日)
☆延期(JRR)
○3月27日(金)に鈴鹿サーキットやツインリンクもてぎを運営する『株式会社モビリティランド』から発表があり,4月25日(土)・26日(日)に栃木県のツインリンクもてぎで開催される予定になっていた『第2戦 スーパーバイクレース in もてぎ』を新型コロナウイルス感染拡大によりこちらも延期されることになりました。そして,同大会は,11月14日(土)・15日(日)に開催されることも併せて発表されています。この大会は2レース開催され,その中のレース1は,7月末に行なわれる予定の鈴鹿8耐に参戦できる権利を得るトライアウトレースを兼ねていました。しかし,今回の延期決定により,レース1のトライアウトという性格はなくなることになります。今回の決定により,シーズン中のトライアウトは,5月16日(土)に鈴鹿サーキットで開催される予定の『鈴鹿・近畿選手権シリーズ第2戦 鈴鹿サンデーロードレース』が最後ということになります。レースの世界ですから,本来は速さを持っていても,トラブルやアクシデントでリタイアに終わる可能性を秘めているわけで,まだ権利を得ていないチームにとっては,1つのチャンスを失ったため,この大会に背水の陣で臨む必要が出てきたことになります。
2020/03/28(土)
☆予想通り(JRR)
○3月25日(水)26日(木)の2日間にわたって,最高峰クラスのJSB1000クラスと,昨シーズンまでのJ-GP2クラスに替わって始まる新たなクラスであるST1000クラスの両クラスが,鈴鹿サーキットにおいて2輪の4メーカー合同テストが行われました。今回のテストは,元々既に延期が発表されている『鈴鹿2&4レース』に向けたものでした。今シーズンのJSB1000クラスは,ホンダのHRC,カワサキのTeam GREEN,そしてスズキのヨシムラがフル参戦せず,ヤマハのみがYAMAHA FACTORY RACING TEAMとしてワークス活動を継続しています。そうした状況が今回の結果に如実に表われていて,予想通り初日,2日目共にYAMAHA FACTORY RACING TEAM勢のワンツーとなっています。しかも,2日間ともトップだったディフェンディングチャンピオンの中須賀克行と,チームメイトの野左根航汰の2人のみが2日間とも2分5秒台をマークしての走行でした。ただ,全て順調に走行できたわけではなく,2日目の走行で中須賀にマシントラブルが発生してストップする場面もありました。3番手タイムをマークしたのはヨシムラスズキMOTULレーシングチームの渡辺一樹で,こちらも2日間連続してマークしています。JRRにはフル参戦しないヨシムラですが,鈴鹿8耐に向けての参加となります。その鈴鹿8耐に向けての参加なのは,スズキワークス的立場にあるヨシムラだけでなく,ホンダワークスであるHRCも参加しています。その参加ライダーは,今シーズンからSBKにフル参戦している高橋巧と,MotoGPにおいてホンダ・チーム・アジアの監督を務めている青山博一も参加しました。本来は8耐に向けて外国人ライダーも参加を予定していたのではないかと思いますが,新型コロナウィルスの影響で出国及び入国が厳しい状況にありますので,こうした形になったのではないかと思われます。そのホンダにとって心配なことが起きました。それは,初日の走行で8耐におけるホンダのエースライダーである高橋巧が大クラッシュを喫してしまい,病院に運ばれる事態が発生してしまったのです。検査の結果,右肩甲骨と左腓骨が骨折していることが判明し,全治1ヶ月から1ヶ月半という診断が下されているとのことです。通常ですとSBKに大きな影響が出てくると考えられますが,そのSBKも新型コロナウィルスによりレース開催が次々に延期されていますので,そうした意味では怪我の回復に時間が取れると考えられます。なお,ST1000クラスは,2日間ともMuSASHi RT HARC-PROの名越哲平がトップタイムをマークしています。
2020/03/27(金)
☆延期 PART1(MotoGP)
○新型コロナウィルスの影響により,開幕戦はMotoGPクラスを除いて何とか開催した今季のMotoGPですが,それ以後4月までに組まれていたレースは全て延期されています。そして,その後に発表された新たなレースカレンダーで全クラスが揃っての開幕戦は,スペインのヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで5月1日(金)から開催予定のスペインGPということになっていました。しかし,そのスペインがかなり感染が拡大するという事態に陥っています。こうした状況を受け,FIM(国際モーターサイクリズム連盟)とIRTA(国際ロードレーシングチーム連盟),そしてMotoGPを統括するDORNAスポーツが協議した結果,スペインGPの開催を延期することになりました。ただ,現段階ではいつに延期されるのか未定で,今後新たなレースカレンダーが発表されることになります。また,昨シーズンからMotoGPのヨーロッパラウンドで併催されている電動バイクのレースのMotoEは,このスペインGPが今季の開幕戦になっていましたが,今回の発表を受けてMotoEも同じく開催延期となっています。

☆延期 PART2(インディカー)
○「世界3大レース」といわれているのは,F1のモナコGP,WECのル・マン24時間レース,インディカーのインディ500ですが,新型コロナウィルスの影響により,モナコGPは開催中止,ル・マン24時間レースは延期となることが既に決定しています。感染が急激に拡大しているアメリカで開催されるインディ500がどうなるのか不安視されていましたが,インディカーと開催地であるインディアナポリス・モータースピードウェイから発表があり,5月24日(日)に決勝レースを行う予定だった『第104回インディアナポリス500マイルレース』(インディ500)を延期し,新たに8月23日(日)に開催することになりました。今季のインディカー・シリーズは延期が続いていて,今回の延期決定により,開幕は5月30日(土)と31日(日)にダブルヘッダーで行なわれる予定のデトロイト・グランプリということになります。
2020/03/26(木)
☆2日目も(SF)
○2日間にわたって行われた今シーズン最初の合同テスト最終日の走行が,晴天となった富士スピードウェイで行われました。午前・午後2回のセッションが行われましたが,午後はレースを視野に入れたロングランを中心にしたマシンが多く,この日は午前中のセッションの方が速いタイムをマークしました。そして,前日に続いて,この日もホンダエンジンユーザー勢が上位を占める結果となっています。その午前の走行でトップタイムをマークしたのは,前日に総合2番手タイムをマークしていたDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの福住仁嶺でした。その福住は,午後のセッションでもトップタイムをマークしています。2番手タイムをTEAM MUGENの野尻智紀がマークしていて,この2人だけが1分20秒台での走行でした。前日に総合トップタイムだったITOCHU ENEX TEAM IMPULの平川亮が3番手タイムをマークし,トップ5では唯一のトヨタエンジン搭載車となりました。今シーズン唯一のフル参戦女性ドライバーであるThreeBond Drago CORSEのT.カルデロンは,残念ながら全セッションで最下位となり,苦しいシーズンとなることが予想されます。
2020/03/25(水)
☆唯一(SF)
○連日新型コロナウィルスによる中止や延期のニュースをお伝えしていますが,久しぶりに走行のニュースをお伝えできます。今シーズンのSFですが,新型コロナウィルスの影響により今季最初に設定されていた鈴鹿サーキットにおける合同テストが中止となり,第1,2戦については延期されることが決定されています。そうした状況の中,今季最初の走行となる合同テストが,昨日から富士スピードウェイで始まりました。この合同テストは,今日までの2日間にわたって行なわれる予定です。その最初の走行で好調な走りを見せたのは,ホンダ製エンジンであるHonda M-TEC HR-417Eを搭載したマシンでした。午前・午後の走行共にそのホンダエンジン勢が上位を占める中,その両セッションでトップタイムをマークしたのは,TOYOTA/TRD TRD01Fを搭載したマシンを駆るITOCHU ENEX TEAM IMPULの平川亮で,トップ5中唯一のトヨタエンジン搭載車です。2,3番手タイムをそれぞれDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの福住仁嶺,TCS NAKAJIMA RACINGの大湯都史樹の若手ドライバーが勢がマークしています。
なお,この合同テストを前にした3月23日(月)にB-Max Racingから今季の参戦体制について発表があり,今季のドライバーとして,既に発表済みのS.ミレッシに加えて,今季F1においてホンダエンジンを搭載するレッドブル・ホンダとアルファタウリ・ホンダのテスト&リザーブドライバーを務めているブラジル人ドライバーのS.セッテ.カマラを起用することになりました。ちなみに,同チームの今季のチーム名は『Buzz Racing Team with B-Max』となり,本山哲がチーム監督を務めています。その2人のドライバーはもちろん今回の合同テストにも参加していて,サーキットもマシンも初走行ですのでタイムとしては下位に沈んでいます。
2020/03/24(火)
☆さらに(F1)
○新型コロナウィルスの影響により,既に第7戦モナコGPまでのレースが延期もしくは中止となっています。そして,今季初戦が第8戦に組まれていたアゼルバイジャンGPが今季最初のレースとなる可能性がありましたが,新型コロナウイルスのパンデミックという流れの中,同GPのオーガナイザーの要請を受け,このレースも延期することが決定しました。この決定により,今季最初のレースが6月14日(日)に決勝レースが行なわれる予定にのカナダGPということになります。ただ,そのカナダGPも延期となる可能性は否定できず,もしそうなると,6月28日(日)に決勝レースが行われる予定のフランスGPが初戦となります。ただ,フランスもかなり深刻な感染状況にありますので,これもどうなるかかなり流動的です。中止又は延期が続出していますから,新たなレースカレンダーが組めない状況にあり,方向性として既にサマーブレイクの先取りとシーズン開催期間の延長という方針が下されています。それでも中止が決定しているモナコを除いた他のレース全てを入れたカレンダーを組むのはかなり厳しいですから,どの大会をキャンセルするのかという問題点が浮上してくるのは間違いないと言えます。
2020/03/23(月)
☆支援(F1)
○新型コロナウィルスの患者さんへの治療が国内外で展開されていますが,F1のチームは,その点に関しての支援を行っているようです。現在最も感染が蔓延しているのがイタリアですが,そのイタリアといえば,フェラーリをはじめとしてF1関連のチームが多い国の1つです。フェラーリとその親会社であるフィアット・クライスラー・オートモービルズ,そしてサッカー界のおける代表的クラブの1つであるユベントスFCのオーナーのアニェッリファミリーは,非常事態に対処するイタリア政府にすでに1,000万ユーロ(約11億円)を寄付しています。さらに,150台の人工呼吸器を購入すると共に,感染者の多いイタリア北部に食料や薬を配達するための車両を提供しています。そのような中,F1のチームが多いもう1つの国であるイギリスにおいても,新たな取り組みが出てきているようです。それは,治療の際に必要な人工呼吸器の供給です。F1のチームによっては応用テクノロジー部門を有していて,その力を活用して感染者の治療を支援できないかと考え,イギリスに拠点を置くメルセデスAMG,レッドブル,マクラーレン,そしてウィリアムズはF1と協議を行って,人工呼吸器を供給することでナショナル・ヘルス・サービス(NHS)を支援できないかという点について話し合いを持ったようです。現在F1は全くストップした状態ですので,チームの士気を高めるためにも,こうした取組は良い影響を与えることは間違いないでしょうね。
2020/03/22(日)
☆再変更(EWC)
○2輪の世界耐久選手権であるEWCは,年をまたいで1つのシーズンとなっていて,今シーズンは2019年9月に行われたボルドール24時間レースで始まり,今年7月19日(日)に決勝レースが行われる予定の鈴鹿8耐でシーズンが終了するレースカレンダーが組まれていました。しかし,ボルドールでの開幕戦と昨年12月にセパンで行われた第2戦は終了したものの,4月18日(土)〜19日(日)に決勝レースが行なわれる予定になっていた伝統の第3戦ル・マン24時間レースに関しては,連日お伝えしている新型コロナウィルスの影響により開催が延期となりました。その開催日については,最初の段階では9月5日(土)〜6日(日)に今季最終戦として開催されることになっていました。しかし,3月19日(木)にル・マン24時間レースの主催者であるACO(フランス西部自動車クラブ)から発表があり,開催スケジュールがさらに変更され,8月29日(土)〜30日(日)に決勝レースが行われることになりました。ただ,シーズン最終戦という点では変更ありません。今回の再変更に影響を与えたのが,4輪の方のル・マン24時間レースです。当初の予定では,6月13日(土)〜14日(日)に同レースは組まれていましたが,こちらも新型コロナウィルスの影響により9月19日(土)〜20日(日)にスケジュールが変更されました。このままですと,2輪と4輪の24時間レースが2週間の中で開催されることになってしまいますので,スタッフ等の負担を考えると現実的にはほぼ不可能です。そこで今回の新たな発表となったわけです。
2020/03/21(土)
☆導入延期(F1)
○新型コロナウィルスにより今季のレースが次々に中止又は延期となっていますが,レギュレーションについてもその影響が出ることになりました。元々の予定では,現行のテクニカルレギュレーションは今シーズンまでで,来季からは新たなレギュレーションが発効することになっていました。そのため,エンジンやシャーシについては,昨シーズンまでと同じ流れでの開発が可能でした。しかし,来季から新たなレギュレーションが導入されることになっていて,各チームは今季途中から新レギュレーションに対応したマシン開発に取り組む必要がありました。しかし,この度F1の各チーム等でテレビ会議を行い,その結果,現在の状況を鑑み,新しいレギュレーションの導入を1年先送りして2022年から適応されることが全会一致で可決されました。また,レースが延期もしくは中止のため財政的に苦しい状況におかれているチームが出てきていることから,レギュレーションが継続することを受け,2020年型シャーシを2021年も使用できることにもなりました。また,テクニカルな面でのレギュレーションは導入延期されますが,予算制限等に関わる新しい財政規則については,来シーズンから導入されることになり,今後FIAやF1及び全チームの間で,大幅なコスト削減を達成する方法についての議論が今後も継続されます。
2020/03/20(金)
☆6月から&開催断念(F1)
○世界的な新型コロナウィルスの感染により,モータースポーツも相次いでレースの中止もしくは開催延期が発表されています。F1に関しては,その新型コロナウィルスの発生の地である中国GPの開催延期がまず発表され,その後,流行が拡大するのに歩調を合わせるかのように4月中に開催予定だったところの開催延期や,開幕戦オーストラリアGPについては,開幕直前に開催中止という事態へと発展しました。そして,この度新たにF1から発表があり,5月中に開催されることになっていた第5戦オランダGP,第6戦スペインGP,第7戦モナコGPの開催を延期することになりました。これにより,現段階における今季のF1は,第8戦として6月7日(日)に決勝レースが開催予定だったアゼルバイジャンGPが開幕戦となります。
その後,開催延期となったモナコGPのオーガナイザーから発表があり,今シーズンのモナコGPの開催自体を断念することになりました。世界3大レースの1つとして数えられるモナコGPですが,その開催地であるモナコ公国は,君主であるアルブレヒト2世が新型コロナウイルスに感染していることが発表されました。さらに,モナコ公国にアクセスするための複数の国境に規制がかかっていることや,F1に関わるチームやドライバーなどのスタッフに必要な施設を保証することができないこと,イベントの開催に必要不可欠な1500人以上と言われるボランティアの確保が難しいことなどの理由から,モナコGPとしては初となる開催断念という決断に至ったということです。
2020/03/19(木)
☆開催延期(SF&SGT)
○新型コロナウィルスの影響により,また新たな発表がありました。まず,鈴鹿サーキットで開幕する予定だったSFに関しては,既にその開幕戦が延期されることは発表されていましたが,第2戦の開催地である富士スピードウェイとSFを運営するJRP(日本レースプロモーション)から新たな発表があり,新型コロナウイルスの感染拡大防止のため,第2戦の開催を延期することになりました。また,同時開催予定のSFライツの第3・4・5戦とTCRジャパンシリーズ開幕戦も,SFと同様に延期されることになりました。なお,今回の発表段階では,これらのラウンドがいつ開催されるのかは未定です。もしかしたら,富士の裾野に広がる同地ですが,12月に開催されることになるのではないかという噂もあります。もしそうなったら,かなりの低温を覚悟しなければならないのかもしれませんね。
次に,4月12日(日)に岡山国際サーキットで決勝レースが行われる予定だったSGTの開幕戦『たかのこのホテル OKAYAMA GT 300km RACE』について,SGTを運営するGTA(GTアソシエーション)から発表があり,こちらも新型コロナウイルスの感染拡大防止のため開催延期となりました。こちらについても,代替開催がいつになるのか現段階では未定です。なお,同時開催予定になっていたFIA-F4及びポルシェカレラカップの第1戦と第2戦も同様に延期となっています。
2020/03/18(水)
☆制限下で(SF)
○SFを運営するJRP(日本レースプロモーション)から発表があり,富士スピードウェイで3月24日(火)〜25日(水)に開催する富士公式合同テストを,関係者以外のパドック立ち入りを禁止する形で実施することになりました。新型コロナウィルスの影響により,国内外でレースに関わるスケジュールが中止もしくは延期となっていますが,SFに関しては,鈴鹿サーキットで行われる予定になっている,合同テストと4月4日(土)から開催の開幕戦のどちらも延期することは決まっていました。そのような中で発表された今回の措置は,観客そのものを全く受け入れないのではなく,関係者以外のパドックエリア立ち入りを禁止し,オープンピットも行わないこととなりました。ただ,無観客ではないわけですから,グランドスタンド等で走りを見ることは可能となります。この合同テストが,今季初めてチーム&ドライバーが一堂に会する機会となります。誰もが健康な状態で開催できると良いですね。
2020/03/17(火)
☆撤退(JRR)
○ちょっと前になりますが,3月11日(水)にカワサキ・モータース・ジャパンが今季の参戦体制について発表があり,その中でKawasaki Team GREENがJRRから撤退することが正式に発表されました。JRRにおけるカワサキのワークスチーム的立場にあるKawasaki Team GREENですが,昨シーズン同チームに所属してJSB1000クラスに渡辺一馬と岩戸亮介がフル参戦しました。その渡辺は,今季伊藤真一が新たに立ち上げたKeihin Honda Dream SI Racingに移籍してフル参戦を継続し,岩戸については,ARRC(アジアロードレース選手権)のASB1000クラスにKawasaki Thailand Racing Team ARRCから参戦することが既に発表され,それに対して今季Kawasaki Team GREENに所属するライダーの発表がなく,JRRへの参戦がなくなることが予想されていました。そして,それが正しかったことが,今回の発表で証明されたことになります。ただ,ロードレースからは撤退するものの,チーム母体を川崎重工業株式会社に移し,『Team Kawasaki R&D』として全日本モトクロスへのフル参戦は継続することも発表されています。ということは,JRRへ復活する場合,このチームが母体となる可能性があることになります。今季のJRRは,日本を代表するコンストラクターであるホンダ系のモリワキとスズキ系のヨシムラの両方とも参戦しません。さらに,メーカーで見ると,今回のカワサキと,ホンダワークスであるHRCが参戦をとりやめています。ヤマハのワークス活動は継続しているものの,再びJSB1000クラスはプライベーターによるバトルの場になりそうな気配ですね。
2020/03/16(月)
☆短縮&初優勝(WRC)
○第3戦ラリー・メキシコ最終日の走行が,3月14日(土)に行われました。この大会は,当初3月15日(日)まで行われる予定でした。しかし,新型コロナウィルスの流行により,国によってはメキシコからの渡航制限が課される場合が出てきて,もし最終日までレースを続行した場合,国によっては入国できない場合が出てくるという懸念材料が浮上しました。このため,FIAやこの大会のプロモーターなどが話し合った結果,日程を1日短縮し,14日までの開催となりました。
その最終日に総合トップでゴールしたのは,今季トヨタに加入してトヨタ・ヤリスWRCを駆っているS.オジエでした。彼がメキシコを制するのは3年連続となり,トヨタ移籍後初優勝となります。また,そのオジエが加わったトヨタにとっては,これが初のメキシコ制覇となります。オジエからおよそ28秒遅れで総合2番手でゴールしたのは,昨年のチャンピオンで,今季トヨタからヒュンダイに移籍してヒュンダイi20クーペWRCを駆るO.タナクでした。3位にフォード・フィエスタWRCを駆るT.スニネンが入り,違うメーカーのドライバーが表彰台に立つ結果となりました。トヨタ・ヤリスWRCを駆って参戦しているE.エバンスが4位,K.ロバンペラが5位に入り,トヨタ勢全員がトップ5に入っていて,WRC復帰以来完走さえままならないという状況だったこのラリー・メキシコでしたが,トヨタにとってはいい形で大会を終えています。
2020/03/15(日)
☆ワンツー発進(SGT)
○新型コロナウィルスの影響により,国内外におけるモータースポーツが中止または延期となっている中,SGTの開幕戦が行われる予定の岡山国際サーキットにおいて2日間にわたる公式テストが始まりました。今季最初の公式テストは,3月14日(土)と15日(日)の2日間にわたって行われることは変更ないものの,感染予防の観点から無観客での実施となっています。初日の走行は,午前,午後共に走行前に降った雨によりウェットコンディションで始まり,その後徐々に乾いてドライコンディションでの走行となりました。そのような中,GT500クラスで初日総合トップタイムをマークしたのは,塚越広大&B.バゲット組のKEIHIN NSX-GTでした。今シーズンはSFへの参戦を休止し,SGTのみへの参戦となっている同チームですが,幸先のよいスタートを切っています。2番手タイムをマークしたのは,午前に行われたセッション1ではトップタイムをマークしていた野尻智紀&福住仁嶺組のARTA NSX-GTで,今シーズンから昨年までのMRから他のメーカーと同じFRへと変化しているNSX-GT勢のワンツー発進となりました。3番手タイムは,関口雄飛&S.フェネストラズ組のau TOM’S GR Supraがマークしています。昨シーズンまではLC500を投入してきたトヨタ勢ですが,今季からGRスープラを投入していて,その新型マシンが初日から3番手タイムをマークしていて,トヨタとしてはまず一安心といったところでしょうか。ニッサン勢では,平手晃平&千代勝正組が駆るCRAFTSPORTS MOTUL GT-Rの8番手が最高位でした。
GT300クラスは,C.ミース&川端伸太朗組のHitotsuyama Audi R8 LMSがトップタイムをマークしています。2番手タイムを新田守男&阪口晴南組のK-tunes RC F GT3がマークし,GT300クラスで圧倒的シェを誇るヨコハマタイヤ勢にダンロップタイヤが食い込む走りを見せました。3番手タイムは,加藤寛規&柳田真孝組のシンティアム・アップル・ロータスがマークして初日を終えています。
2020/03/14(土)
☆直前に&さらに(F1)
○本来ですと開幕戦オーストラリアGPの初日の走行についてお伝えするはずだったのですが,FIAとF1がその初日の走行直前に発表を行い,今週末に行われる予定だった開幕戦オーストラリアGPの開催を中止することになりました。突然の発表ではありましたが,昨日のこのページでお伝えしたように,ある程度予想できたものであったことも確かです。中止の原因は,新型コロナウィルスによるものです。これも昨日お伝えしたように,マクラーレンのクルーの中から感染者が出てしまい,同チームが参戦をとりやめてしまいました。これを受けてF1とFIA,そして各チームの代表らがグランプリ自体の開催を進めるべきかどうかを深夜に協議し,今回の決定に至りました。
そして,さらに夜になって新しい発表があり,第2戦バーレーンGPと第3戦ベトナムGPを延期することも決定しました。既に第4戦中国GPは延期が決定されていましたから,今季のF1は,5月に開幕を迎えることになります。ただ,「現段階で5月末に開幕を迎える見通しである。」ということも明らかにされていますから,もしそうなると,決勝日がそれぞれ,5月3日のオランダGP,5月10日のスペインGP,5月24日のモナコGPが予定されていますが,これらの開催もかなり流動的になっているとも言えます。悪くすると,今季の開幕は6月に第8戦として組み込まれているアゼルバイジャンGPが今季の開幕戦ということにもなりかねません。今シーズンは元々全22戦が予定されていて,ただでさえタイトなレースカレンダーとなっています。もしこれだけのレースが延期となると,現実的には開催自体がなくなる大会が出てくることになるのはほぼ間違いないと考えていいでしょうね。なお,今後のレースカレンダーについては,後日発表されることになっています。
2020/03/13(金)
☆参戦とりやめ&流動的(F1)
○連日新型コロナウィルスの影響についてお伝えしていますが,今日から開幕する予定のF1の第1戦オーストラリアGPも大きく揺れています。開幕を前にして,チーム関係者の中に感染が疑われる人が出てしまったのです。当初は,マクラーレンのメンバーに1名,ハースに3名のクルーに感染が疑われ,それぞれ検査を受けました。その結果,ハースについては陰性の診断が下されたものの,マクラーレンについては陽性の診断がなされてしまいました。これを受けてマクラーレンが判断を下し,今回のオーストラリアGPへの参戦をとりやめることになりました。その後,具体的な部分は分かりませんが,最初の4名を含めた8名が検査を受けたようで,その中で陽性となったのはマクラーレンの1名のみだったようです。ただ,オーストラリアGPの開幕を前にして,モータースポーツ担当マネージングディレクターを務めるR.ブラウンが,「もし1チームでも入国を拒否され,オーストラリアGPに参加できないような事態になった場合,レースをすることができない。」とコメントしていた経緯があり,マクラーレンがそれに該当します。さらに,多くのチーム,ドライバーが開催に反対しているようです。こうした事態を受け,深夜にもかかわらず何らかの会合がもたれていたようで,これを入力している段階では開催に向けた動きは継続するようですが,場合によっては開幕直前に新たな展開が出てくる可能性もあり,開幕戦は流動的なものとなっています。
2020/03/12(木)
☆再々延期(MotoGP)
○昨日MotoGPのレースカレンダーの変更についてお伝えしたばかりですが,その変更がさらに変更となりました。センバツ高校野球が開催中止になるほど新型コロナウィルスの影響が様々な分野に影響を与えていますが,昨日と同じようにFIM及びIRTA,そしてMotoGPを統括するDORNAスポーツから新たに発表がなされ,開幕戦の次に予定されていたアルゼンチンGPの開催を延期することになり,第2戦は5月に行われるスペインGPGPとなります。延期となったアルゼンチンGPは,11月20〜22日に第19戦として開催されることとなり,その影響から,最終戦バレンシアGPはさらに開催が先送りされ,11月27〜29日に開催されることとなりました。今回の変更により,MotoGPクラスの開幕は5月ということになります。MotoGPクラスのライダーが直近で走行したのは,2月末にカタールで行われたプレシーズンテストですから,2ヶ月以上マシンから離れ,いきなり開幕戦のレースということになるわけですから,調整がかなり厳しい状況となります。なお,今回発表されたレースカレンダーの変更は,以下の表のようになっています。再々々延期という事態がないことを祈るばかりです。
2020年 MotoGPレースカレンダー(再々変更版)
第1戦 カタールGP(イブニングレース) ロサイル・インターナショナル・サーキット 3月8日
第2戦 スペインGP ヘレス・サーキット−アンヘル・ニエト 5月3日
第3戦 フランスGP ル・マン−ブガッティ・サーキット 5月17日
第4戦 イタリアGP ムジェロ・サーキット 5月31日
第5戦 カタルニアGP カタルニア・サーキット 6月7日
第6戦 ドイツGP ザクセンリンク 6月21日
第7戦 オランダGP TTサーキット・アッセン 6月28日
第8戦 フィンランドGP キュミリング 7月12日
第9戦 チェコGP ブルノ・サーキット 8月9日
第10戦 オーストリアGP レッドブル・リンク 8月16日
第11戦 イギリスGP シルバーストーン・サーキット 8月30日
第12戦 サンマリノGP ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ 9月13日
第13戦 アラゴンGP モーターランド・アラゴン 9月27日
第14戦 タイGP チャーン・インターナショナル・サーキット 10月4日
第15戦 日本GP ツインリンクもてぎ 10月18日
第16戦 オーストラリアGP フィリップ・アイランド・サーキット 10月25日
第17戦 マレーシアGP セパン・インターナショナル・サーキット 11月1日
第18戦 アメリカズGP サーキット・オブ・ジ・アメリカズ 11月15日
第19戦 アルゼンチンGP アウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンド 11月22日
第20戦 バレンシアGP リカルド・トルモ・サーキット 11月29日
2020/03/11(水)
☆再延期(MotoGP)
○連日のように新型コロナウィルスの影響によるレース開催変更のニュースをお伝えしていますが,この度FIM及びIRTA,DORNAスポーツから発表があり,4月3日(金)からサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開幕する予定だったアメリカズGPを延期することになりました。MotoGPについては,既に開催された開幕戦はMotoGPクラスのみがキャンセルとなり,さらに当初第2戦に組まれていたタイGPは延期になっていました。その後に発表されたレースカレンダーでは,アメリカズGPが第2戦,MotoGPクラスにとっては開幕戦となる予定に変更されていました。しかし,その後アメリカも含めてさらに感染が世界的に拡大していき,今回の再延期となりました。この結果,第2戦がアルゼンチンGPに変更となり,MotoGPクラスにとってはこの大会が開幕戦ということになります。なお,第2戦に組まれていたアメリカズGPは,当初最終戦バレンシアGPが組まれていた日に第19戦として開催され,バレンシアGPは,その影響から1週間後に開催するというものに変更されました。その新たなカレンダーは,以下の表のようになっています。ただ,感染状況によっては,さらなる変更が加わる可能性が依然としてあると考えてよいでしょうね。
2020年 MotoGPレースカレンダー(再変更版)
大会 サーキット 決勝日
第1戦 カタールGP(イブニングレース) ロサイル・インターナショナル・サーキット 3月8日
第2戦 アルゼンチンGP アウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンド 4月19日
第3戦 スペインGP ヘレス・サーキット−アンヘル・ニエト 5月3日
第4戦 フランスGP ル・マン−ブガッティ・サーキット 5月17日
第5戦 イタリアGP ムジェロ・サーキット 5月31日
第6戦 カタルニアGP カタルニア・サーキット 6月7日
第7戦 ドイツGP ザクセンリンク 6月21日
第8戦 オランダGP TTサーキット・アッセン 6月28日
第9戦 フィンランドGP キュミリング 7月12日
第10戦 チェコGP ブルノ・サーキット 8月9日
第11戦 オーストリアGP レッドブル・リンク 8月16日
第12戦 イギリスGP シルバーストーン・サーキット 8月30日
第13戦 サンマリノGP ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ 9月13日
第14戦 アラゴンGP モーターランド・アラゴン 9月27日
第15戦 タイGP チャーン・インターナショナル・サーキット 10月4日
第16戦 日本GP ツインリンクもてぎ 10月18日
第17戦 オーストラリアGP フィリップ・アイランド・サーキット 10月25日
第18戦 マレーシアGP セパン・インターナショナル・サーキット 11月1日
第19戦 アメリカズGP サーキット・オブ・ジ・アメリカズ 11月15日
第20戦 バレンシアGP リカルド・トルモ・サーキット 11月22日
2020/03/10(火)
☆無観客レース(F1)
○世界的に感染が問題となっている新型コロナウィルスですが,モータースポーツでもその影響が次々に出てきています。先週末に開幕したMotoGPのカタールGPは,MotoGPクラスの開催がキャンセルという形での開催となりました。今週末にF1の開幕戦であるオーストラリアGPに関しては,幸いなことに通常通りの開催となる見込みです。ただ,ヨーロッパで最も感染が深刻となっているイタリア関係の人たちに対しては特に厳しい審査がなされるようです。ということは,イタリアに本拠を置くフェラーリやアルファタウリ(旧トロロッソ)の関係者は,オーストラリアへの入国は可能なのでしょうが,すんなりとは入国できないものと思われます。そのような中,第2戦の舞台となるバーレーン・インターナショナル・サーキットから3月8日(日)に発表があり,バーレーンGP自体は開催されるものの,無観客レースという形での開催となることが決定しました。国内外で無観客試合が行われていて,現在行われているプロ野球のオープン戦や大相撲春場所などがそれに該当しています。第3戦以降がどうなるのか分かりませんが,一刻も早い収束が望まれますね。なお,第3戦ベトナムGPについては,形式はともかく,開催することはほぼ間違いないようです。
2020/03/09(月)
☆初優勝(MotoGP)
○MotoGPクラスはキャンセルになっていたものの,開幕戦の決勝レースが,ドライコンディションとなったロサイル・インターナショナル・サーキットにおいてナイトレースとして行われました。Moto2クラスは,予選では奮わなかったものの,決勝前に行われたフリー走行3でトップタイムをマークしたレッドブルKTMアジョの長島哲太は,14番グリッドからのスタートとなりました。速さを取り戻している長島は,徐々にポジションアップを果たしていき,残り3周でついにトップに立ちました。その後は後続との差を広げて行ってトップでチェッカーを受け,参戦通算70戦目にして嬉しい初優勝を飾りました。Moto2クラスで日本人が優勝したのは,2017年のイギリスGPにおいて中上貴晶が優勝して以来となります。また,同地での優勝となると,Moto2クラスでは,故富沢祥也さん以来10年ぶりとなります。小さい頃から,友人であり,良い意味でのライバル関係にあった長島と富沢さんだけに,長島から富沢さんに捧げる勝利となりました。2,3番手には,それぞれフレックスボックスHP40のL.バルダッサーリ,イタルトランス・レーシング・チームのE.バスティアニーニが入っています。
Moto3クラスは,このクラスらしく複数台によりトップ争いが最後まで続いていきました。その激しいバトルを制して開幕戦ウィナーとなったのは,アスパー・チーム・ガビオタのA.アレナスでした。そのアレナスから1000分の53秒差で2位に入ったのは,ペトロナス・スプリンタ・レーシングのJ.マクフィーでした。3位でチェッカーを受けたのはレオパード・レーシングのJ.マシアでしたが,最終ラップの6コーナーでトラックリミット違反があって1つポジションダウンとなり,4位でチェッカーを受けたホンダ・チーム・アジアの小椋藍が繰り上がって3位表彰台を獲得しています。ポールからスタートしたSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生は,トップからコンマ789秒差の5位でチェッカーとなっています。他の日本人ライダー勢は,今シーズンKTM陣営に移籍したレッドブルKTMアジョの鳥羽海渡とレッドブルKTMテック3の佐々木歩夢ですが,鳥羽は14位に入ってポイントを獲得できたものの,佐々木は19位でノーポイントに終わっています。また,今シーズンからフル参戦を開始しているルーキーライダーであるホンダ・チーム・アジアの國井勇輝とエストレージャ・ガルシア0,0の山中琉聖は,それぞれ18位,20位でゴールし,こちらものポイントに終わってはいますが,完走を果たしています。
2020/03/08(日)
☆初ポール&2度目(MotoGP)
○開幕戦となるカタールGPの予選が,ナイトセッションとして開催されているロサイル・インターナショナル・サーキットで行われました。今大会は,新型コロナウィルスの影響によりMoto2,Moto3クラスのみの開催となっています。Moto2クラスは,自身初めて初日総合トップタイムに立ったアメリカン・レーシングのJ.ロバーツが,予選でもその速さを見せました。一方,チームメイト同士でランデブー走行をすることでタイムアップを図っているスカイ・レーシング・チームVR46のL.マリーニも,チームメイトのマシンを利用してストレートでスリップに入ってタイムアップしました。その結果,1000分の1秒までロバーツとマリーニは,同じタイムをマークしてチェッカーを受けました。同タイムの場合,自身がマークした2番目のタイムでグリッドが決まることになっていて,今回の場合はロバーツのポール獲得となりました。ロバーツのポール獲得は,キャリア42戦目にして初のポールとなります。また,アメリカ人ライダーのポール獲得となると,2010年のフランスGPでK.ノエスが獲得して以来10年ぶりとなります。3番グリッドを獲得したのは,イタルトランス・レーシング・チームのE.バスティアニーニでした。このクラス唯一のフル参戦日本人ライダーであるレッドブルKTMアジョの長島哲太は,思うようにタイムが上がらず,14番グリッド獲得にとどまっています。長島は思うような結果が出なかった予選となりましたが,唯一の国産シャーシのNTSで臨んでいるNTS RWレーシングGPのB.ベンスナイダーが速さを見せ,トップからコンマ274秒遅れで5番グリッドを獲得しています。
Moto3クラスは,Q1から出走したSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が,そのQ1を2番手タイムでQ2に進出し,そのQ2で速さを見せて見事ポールを獲得しました。彼がポールを獲得したのは,昨季ポールトゥーウィンを飾った第13戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGP以来キャリア2度目となります。その鈴木竜生から1000分の8秒と,僅差で2番グリッド獲得したのはレッドブルKTMアジョのR.フェルナンデスでした。ちなみに,今季から同チームに所属している鳥羽海渡ですが,昨シーズンのウィナーではあるものの,12番手とやや出遅れています。3番グリッドは,アスパー・チーム・ガビオタのA.アレナスが獲得しています。他の日本人ライダー勢は,ホンダ・チーム・アジアの小椋藍が5番手,今季から小椋のチームメイトとしてMotoGPデビューを果たしている國井勇輝が15番手,レッドブルKTMテック3の佐々木歩夢が21番手,エストレージャ・ガルシア0,0の山中琉聖が27番手でした。
2020/03/07(土)
☆レースカレンダー変更(MotoGP)
○昨日から今季第1戦となるカタールGPが開幕しましたが,この大会は,世界的な新型コロナウィルスの影響により,MotoGPクラスの開催がキャンセルとなっています。また,第2戦タイGPについては,全てのクラスが開催されるものの,開催延期となっています。そして,そのタイGPがいつ開催されることになるのかは,今後発表されるということになっていました。こうした流れの中,昨日FIM(国際モーターサイクリズム連盟),IRTA(国際ロードレーシングチーム連盟),MotoGPを統括するDORNAスポーツから新たな今シーズンのレースカレンダーが発表されました。それによると,延期となっていたタイGPは,アラゴンGPと日本GPとの間に入ることになり,日本GPの開催日は変更ないものの,アラゴンGPが1週間前倒しとなって9月25日に開幕し,そのアラゴンGPの開幕日となっていた10月2日をタイGPの開幕日となりました。これらの影響により,Moto2,Moto3クラスは全20戦,MotoGPクラスは全19戦での開催となり,大会の順も入れ替わって,例えば第2戦はこれまでのタイGPからアメリカズGPということになります。なお,具体的なレースカレンダーは,以下の表のようになっています。また,新型コロナウィルスの感染状況によって,今回の発表がさらに変更となる可能性もあります。
2020年 MotoGPレースカレンダー(改訂版)
大会 サーキット 決勝日
第1戦 カタールGP(イブニングレース) ロサイル・インターナショナル・サーキット 3月8日
第2戦 アメリカズGP サーキット・オブ・ジ・アメリカズ 4月5日
第3戦 アルゼンチンGP アウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンド 4月19日
第4戦 スペインGP ヘレス・サーキット−アンヘル・ニエト 5月3日
第5戦 フランスGP ル・マン−ブガッティ・サーキット 5月17日
第6戦 イタリアGP ムジェロ・サーキット 5月31日
第7戦 カタルニアGP カタルニア・サーキット 6月7日
第8戦 ドイツGP ザクセンリンク 6月21日
第9戦 オランダGP TTサーキット・アッセン 6月28日
第10戦 フィンランドGP キュミリング 7月12日
第11戦 チェコGP ブルノ・サーキット 8月9日
第12戦 オーストリアGP レッドブル・リンク 8月16日
第13戦 イギリスGP シルバーストーン・サーキット 8月30日
第14戦 サンマリノGP ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ 9月13日
第15戦 アラゴンGP モーターランド・アラゴン 9月27日
第16戦 タイGP チャーン・インターナショナル・サーキット 10月4日
第17戦 日本GP ツインリンクもてぎ 10月18日
第18戦 オーストラリアGP フィリップ・アイランド・サーキット 10月25日
第19戦 マレーシアGP セパン・インターナショナル・サーキット 11月1日
第20戦 バレンシアGP リカルド・トルモ・サーキット 11月15日

☆開幕(MotoGP)
○MotoGPクラスの開催はキャンセルとはなりましたが,今季開幕戦となるカタールGPが開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。Moto2クラスは,アメリカン・レーシングに所属するアメリカ人ライダーであるJ.ロバーツがトップタイムをマークし,これは自身初となる初日総合トップタイムです。2,3番手タイムをスカイ・レーシング・チームVR46勢がマークし,それぞれM.ベツェッキ,L.マルーにでした。惜しくもトップ3は逃したものの,今シーズンからレッドブルKTMアジョに所属している長島哲太が4番手タイムとなっています。
Moto3クラスは,レッドブルKTMアジョのR.フェルナンデスがトップタイムをマークし,こちらもMoto2クラスと同じく自身初となる総合トップタイムです。2,3番手タイムは,それぞれCIPグリーン・パワーのD.ビンダー,エストレージャ・ガルシア0,0のS.ガルシアでした。そして,今季飛躍が期待される日本人ライダーであるホンダ・チーム・アジアの小椋藍が,初日総合4番手タイムをマークし,日本人ライダー勢トップに立ちました。その小椋に次ぐ5番手タイムをマークしたのは,昨シーズン小椋のチームメイトで,今季KTMのファクトリーチムであるレッドブルKTMアジョに移籍している昨シーズンの開幕戦ウィナー鳥羽海渡でした。他の日本人ライダー勢は,小椋のチームメイトでルーキーライダーの國井勇輝が13番手,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が18番手,エストレージャ・ガルシア0,0に所属しているルーキーライダーである山中琉聖が23番手,今季レッドブルKTMテック3に移籍している佐々木歩夢が25番手で初日を終えています。
2020/03/06(金)
☆ワイルドカード参戦(MotoGP)
○ヤマハのワークスチームであるモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのSNS上で発表があり,今シーズンからテストライダーを務めているJ.ロレンソが,6月に開催される予定の第8戦カタルニアGPにワイルドカードで参戦することになりました。2008年からMotoGPクラスに昇格以来長年にわたってヤマハのワークスライダーとして活躍し,3度(2010,2012,2015年)のタイトルを獲得しているロレンソですが,2017年にドゥカティに移籍し,さらに昨シーズンはレプソル・ホンダ・チームに移籍しました。チャンピオンチーム,そしてチャンピオンライダーが所属するチームだけに,チャンピオン争いにどのように絡むか注目を浴びましたが,転倒による怪我や,マシンとのマッチングなどがあったりして,チャンピオン争いはおろか,完走,そしてポイント獲得がようやくという状況に陥ってしましました。そして,モチベーションの維持が難しくなったこともあり,最終戦バレンシアGPの開幕前に同地において引退を発表しました。年が明けてからヤマハから発表があり,ヤマハ・ファクトリー・レーシング・テストチームに所属してヤマハのテストライダーとしてヤマハYZR-M1の開発に携わることになりました。今回の契約にはワイルドカード参戦についても組み込まれていたのか,現役を引退して初めてワイルドカードという形で再びグリッドに並ぶことになりました。
2020/03/05(木)
☆同様に(SBK)
○3月3日(火)にFIMとSBKを運営するDORNA WSBKから発表があり,3月13日(金)から開幕する予定だったカタールで行われる第2戦の開催を延期することになりました。3月1日(日)に発表があったように,今週末から開幕するMotoGPでは,中・軽量級クラスは開催されるものの,最高峰のMotoGPクラスの開催はキャンセルとなりました。また,第2戦タイGPについては,開催延期となっています。それは,3日付のこのページでお伝えしているように,世界的に感染が拡大している新型コロナウィルスの影響によるものです。カタールについては,ヨーロッパで最も感染が拡大しているイタリアからの入国を厳しく制限していて,MotoGPクラスはもちろん,SBKについても,ドゥカティをはじめ,多くのライダーやチームがイタリアを軸としていて,このままでは開催ができない状況になってしまいます。今回は延期ということですので,今後開催時期等については,新たに発表があるとのことです。
2020/03/04(水)
☆継続参戦(SF)
○開幕戦が延期となったSFですが,先月末にVANTELIN TEAM TOM’SがSNS等を通して発表があり,昨シーズンSFを制したN.キャシディが,今季も同チームからフル参戦することが決定しました。2月7日(金)にトヨタが発表したTOYOTA GAZOO Racingの2020年モータースポーツ活動計画では,チャンピオンナンバーのマシンを駆るドライバーについてはTBAとなっていました。通常では,チャンピオンであるN.キャシディが背負うカーナンバーですし,彼が他のシリーズにフル参戦するという発表はなされていませんでしたから,そのような状況にもかかわらずエントリーリストに名前が無かったということは,よほどの事情があるとしか考えられませんでした。そして,噂では,F1のいずれかのチームのテストドライバーになるのではないかといわれていました。しかし,今回の発表により,ようやく彼の去就がはっきりしたことになります。キャシディの継続参戦が決定したことにより,VANTELIN TEAM TOM’Sの今季の体制は,昨シーズンと同じくキャシディと中嶋一貴のチャンピオン経験者の組み合わせとなります。
2020/03/03(火)
☆影響大(MotoGP)
○新型コロナウィルスが国内外で甚大な影響を与えていますが,レースの世界でもその影響が出てきています。まず,3月1日(日)にFIMから発表があり,今週末に開催される予定になっている開幕戦カタールGPにおいて,MotoGPクラスの開催をキャンセルすることになりました。ただ,Moto2,Moto3クラスについては,予定通り開催されます。MotoGPクラスの開催が休止となったのは,イタリアで感染が拡大していることが影響しています。ドゥカティをはじめ,イタリアはチームやメーカー,そしてライダーと主要な国の1つです。そのイタリアはヨーロッパの中で最も感染者が多い国となっています。そのため,開催地であるカタールは,直接イタリアから入国する人や,過去2週間以内にイタリア滞在歴のある人は,2週間隔離する対応をとっています。Moto2,Moto3クラスについては,幸いなことに既にプレシーズンテスト参加のために入国が完了していますが,その前に既にプレシーズンテストを終えてカタールから出国しているMotoGPクラスについては,入国制限に引っかかることになってしまいます。こうしたことから,MotoGPクラスのみ開催中止という措置が採られてしまいました。
さらに,昨日FIMから発表があり,3月20日(金)からチャーン・インターナショナル・サーキットで開幕する第2戦タイGPについて,タイ政府から現段階で開催が可能でないという通知があったことから,こちらは開催を延期することとなりました。現段階では「延期」ですから,今後新たな日程が発表されることになります。ただ,レースカレンダーにそれほどゆとりがあるわけではありませんから,かなりタイトなスケジュールになる可能性がありますし,最悪の場合そのままキャンセルということになりかねません。ということで,MotoGPクラスの実質上の開幕戦は,4月3日(金)からサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開幕する第3戦アメリカズGPということになります。

☆開催延期(JRR&SF)
○鈴鹿サーキットの運営会社である株式会社モビリティランドから発表があり,4月4日(土)から開幕する『2020 NGKスパークプラグ鈴鹿2&4レース』の開催を延期することになりました。その原因は,もちろんMotoGPと同じく新型コロナウィルスの感染拡大によるものです。日本国内で色々なイベントの開催が延期もしくは休止となっていますが,今回の措置もその流れの1つとなります。この大会は,JRRにとっても,SFにとっても開幕戦という位置づけになっていました。今回の開催延期により,JRRについては,4月25日(土)にツインリンクもてぎで開催予定の大会が,SFについては,4月18日(土)から富士スピードウェイで開催予定の大会が開幕戦ということになります。その頃には,感染が終息していることをただただ祈るだけですね。なお,3月21日(土)から鈴鹿サーキットで開幕する予定の『ピレリスーパー耐久シリーズ2020開幕戦SUZUKA S耐with スーパーカーフェスティバル』についても,2&4と同様に開催が延期されることになっています。どちらの大会も,今後新たな開催予定が発表されることになります。
2020/03/02(月)
☆僅差(SBK)
○開幕戦オーストラリアのスーパーポールレースとレース2が,ドライコンディションとなったフィリップアイランド・サーキットで行われました。スーパーポールレースは,前日に行われたレース1で優勝したパタ・ヤマハ・ワールドSBKオフィシャルチームと,そのレース1で転倒リタイアに終わったカワサキ・レーシングチーム・ワールドSBKのJ.レイ,そして昨年までのMotoGPから今季SBKに戦いの場を移しているAruba.it レーシング-ドゥカティのS.レディングとのバトルが展開されていきました。その中で最初にチェッカーを受けたのが王者レイで,ラズガットリオグルとレディングは最後までバトルを展開し,最終的にレイとラズガットリオグルとの差が1000分の67秒,ラズガットリオグルとレディングとの差が1000分の5秒と,前日と同じく僅差のレース展開となりました。今季からフル参戦しているMIEレーシング・アルティア・ホンダ・チームの高橋巧は,ブービーとなる15位で完走しています。
レース2も同様に僅差のバトルとなり,レース中盤から4台によるバトルとなりました。その中で抜け出したのが今季からレイのチームメイトになっているカワサキ・レーシングチーム・ワールドSBKのA.ロウズでした。レイを振り切ったロウズは最終的に1000分の37秒差をつけてトップでチェッカーを受け,この結果開幕戦でランクトップに立っています。トップ争いのカワサキ勢には及ばなかったものの,レディングが3位表彰台を獲得し,ランキングではロウズに次ぐ2位で開幕戦を終了しています。高橋巧は前日のレース1と同じくマシントラブルによりリタイアに終わっていて,マシンの信頼性向上が早急に求められる状況となっています。
2020/03/01(日)
☆初戦で(SBK)
○例年2輪のスプリントレースにおける世界選手権の先陣を切っているのはSBKですが,今年もその流れは変わらず,昨日第1戦のレース1がオーストラリアのフィリップアイランド・サーキットで行われました。今年最初のレースを制したのは,昨シーズンはカワサキのマシンを駆ってフル参戦し,今シーズンからSBKにおけるヤマハのワークスチームであるパタ・ヤマハ・ワールドSBKオフィシャルチームに所属しているT.ラズガットリオグルでした。4台によるトップ争いはゴール直前まで続きましたが,ラズガットリオグルが2位でゴールしたカワサキ・レーシングチーム・ワールドSBKのA.ロウズに1000分の7秒という僅差で逃げ切りました。3位に入ったAruba.it レーシング-ドゥカティのS.レディングとは1000分の41秒差,4位に入ったラズガットリオグルのチームメイトであるM.ファン.デル.マークでさえもコンマ137秒差でした。今シーズンもカワサキ・レーシングチーム・ワールドSBKからフル参戦している王者J.レイは,オープニングラップで元チームメイトであるBMWモトラッド・ワールドSBKチームのT.サイクスに押される形でコースオフを喫し,コースに復帰できたものの,その後クラッシュしてリタイアに終わっています。念願叶って今シーズンからMIEレーシング・アルティア・ホンダ・チームに所属して世界選手権にフル参戦している高橋巧は,事前テストでマシントラブルによる走行できない時間帯がありましたが,本番でもトラブルが発生して開幕レースはリタイアに終わっています。

☆唯一(MotoGP)
○中・軽量級クラスにとって開幕前最後のプレシーズンテスト2日目の走行が,開幕戦の地ロサイル・インターナショナル・サーキットで行われました。Moto2クラスでトップタイムをマークしたのは,プライベートテストでケガを負っての参加となるレッドブルKTMアジョのJ.マルティンでした。今季マルティンのチームメイトは長島哲太ですが,その長島の昨年のチームメイトであるOnexox TKKR SAGチームのR.ガードナーが2番手で2日目の走行を終えています。3番手タイムは,フェデラル・オイル・グレシーニMoto2のN.ブレガでした。なお,今季からKTMを駆っている長島は,14番手で2日目を終えています。
Moto3クラスでトップタイムをマークしたのは,リバコールド・スナイパーズ・チームのF.サラッチで,この日唯一となる2分4秒台をマークしてのトップタイムでした。そのサラッチからコンマ585秒とやや差をつけられて2番手タイムをマークしたのは,レオパード・レーシングのD.フォッジアで,初日の14番手から大きくポジションアップを果たしています。総合で3番手タイムをマークしたのは,初日総合トップタイムだったコマーリング・グレシーニMoto3のG.ロドリゴでした。日本人ライダー勢では,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生の総合5番手が最高位です。
 

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