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最新ニュース

2020/09/29(水)
☆16回目(EWC)
○9月26日(土)に2019-2020のFIM世界耐久選手権(EWC)の最終戦となる第4戦『エストリル12時間耐久ロードレース』の決勝が,ポルトガルにあるエストリル・サーキットで行われました。例年EWCの最終戦は鈴鹿8耐となっているのですが,新型コロナウイルス感染拡大によりその8耐が開催中止となり,さらにエストリル・サーキットが無観客レースを受け入れたことから,この大会が最終戦となりました。
さて,その決勝レースですが,ポールポジションを獲得していたK.ハニカ&M.フリッツ&N.カネパ組のYARTヤマハがスタートでエンジンがかからないというトラブルに見舞われてしまって出遅れ,順位を下げるという波乱で始まりました。ただ,長丁場のレースらしく,他の上位チームにもそれぞれ大なり小なりのトラブルが発生しました。そうした中,スタートで出遅れたYARTヤマハは順位を上げていき,30分後にはトップに立つという速さを見せました。その後は,ピットインのタイミングのズレなどがあったりして,その度に順位の変動がありました。そして,最終的にYARTヤマハと参加チームの中で唯一の日本チームであるJ.フック&F.フォレイ&M.デ.メリオ組のF.C.C. TSR Honda Franceとのトップ争いとなりました。最後まで続いた両チームのバトルは,最終的にポールからスタートしたYARTヤマハが制しましたが,2位に入ったTSRとの差は,12時間走行してわずか24秒ほどでした。ちなみに,3位には,ヤマハのマシンを駆るG.レイ&B.パークス&S.モライス組のWojcik Racing Teamが入っています。
この大会前にランクトップにつけていたB.フィリッペ&E.マッソン&G.ブラック組のSuzuki Endurance Racing Team(SERT)は4位でチェッカーを受け,何と通算16回目となるチャンピオン獲得となりました。ランク2,3位には,この大会で優勝争いしたチームが入り,それぞれYARTヤマハ,F.C.C. TSR Honda Franceとなっています。
2020/09/29(火)
☆ようやく(MotoGP)
○第9戦カタルニアGPが行われていた9月26日(土)に,ヤマハのサテライトチームであるペトロナス・ヤマハSRTから発表があり,MotoGPにおける現役にしてレジェンドライダーであるV.ロッシと1年の契約が成立しました。通算15年間にわたってヤマハのワークスライダーを務めているロッシですが,そのヤマハワークスから1月28日(火)にM.ビニャーレスとの契約延長成立が発表され,さらにその翌日にはF.クアルタラロと来季からの契約成立が発表され,自動的にロッシがヤマハワークスでのシートを失うことが決定しました。ただ,それ以後早い段階でロッシの現役続行が既定事実となっていて,そうなると彼の座るシートは,ヤマハサテライトであり,クアルタラロが抜けることになるペトロナス・ヤマハSRTということになります。同チームもその噂を早い段階で肯定していましたので,後は発表がいつされるかという状態でした。しかし,なかなか契約成立の発表がない状態が続いていたのも事実です。そして,ようやく今回の発表となりました。ここまで発表が延びたのは,どうやらロッシのそばにつくスタッフの体制に関してが大きかったようで,これまでずっとロッシについてきたスタッフの内,数名は同チームの体制が要因となって袂を分かたざるを得なかったようです。来季のチームメイトに関しては,既に同チームに現在所属しているF.モルビデリの残留が決定していますから,ロッシ&モルビデリの体制となります。モルビデリといえば,ロッシが主催する若手育成プログラムである『VR46アカデミー』の出身で,いわゆる弟子と師匠の関係となります。なお,その2人が駆るマシンは,今シーズンと同じようにワークスチームと同じ仕様のYZR-M1となることも発表されています。
2020/09/28(月)
☆ランクトップ(MotoGP)
○第9戦カタルニアGPの決勝レースが,路面温度20度というやや低い温度となったバルセロナ-カタルニア・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,ランクトップを行くドゥカティ・チームA.ドビツィオーゾが,オープニングラップでエスポンソラマ・レーシングのJ.ザルコの転倒に巻き込まれてリタイアに終わるという波乱で始まりました。ランクトップのドビツィオーゾに対して,ランク2位につけていたペトロナス・ヤマハSRTのF.クアルタラロは9周目にトップに立つと,しばらくはチームメイトであるF.モルビデリとトップ争いをしましたが,それからは独走態勢に持ち込みました。その後方では,モルビデリが後退していくのに対してスズキ勢が順位を上げていきました。そのスズキ勢の勢いは最後まで続いていったものの,それまでにつけていた差が功を奏してトップでチェッカーを受けました。この勝利により,クアルタラロは3戦ぶりにランクトップに返り咲いています。そして,2位にはJ.ミル,3位には今季初表彰台となるA.リンスが入り,2007年9月に行われた第13戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGP以来13年ぶりとなるダブルポディウムを獲得しています。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,粘り強い走りを展開していき,最後は3台による5位争いまで持ち込みましたが,最終的に7位でのチェッカーとなっています。
Moto2クラスは,ポールからスタートしたランクトップを行くスカイ・レーシング・チームVR46のL.マリーニと,3番グリッドからスタートしたエストレージャ・ガルシア・マークVDSのS.ロウズとの間でトップ争いとなりました。順位を入れ替えながらの走行となりましたが,マリーニが徐々に差をつけていき,1秒弱の差をつけて今季3勝目を挙げました。3位には,HDRヘルドラン・スピード・アップのF.ディ.ジャンアントニオが入り,昨年9月に行われた第13戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGP以来となる今季初表彰台を獲得しています。18番グリッドからスタートしたレッドブルKTMアジョの長島哲太は,トップからおよそ19秒弱遅れの12位でチェッカーを受けています。
Moto3クラスは,いつものように複数台によるトップ争いが展開され,最終的にCIPグリーン・パワーのD.ビンダーがトップでチェッカーを受け,自身初優勝を飾りました。2,3位には,それぞれリバコールド・スナイパーズ・チームのT.アルボリーノ,レオパード・レーシングD..フォッジアが入っています。ここまでランク2位につけていたホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,今大会あまり奮わない走りを展開してきていましたが,決勝レースでも上位争いに顔を出すことができず,最終的に11位でのチェッカーとなりました。しかし,ここまでランクトップを行くガビオタ・アスパー・チームMoto3のA.アレナスがリタイアに終わったため,自身初となるランクトップに立っています。他のフル参戦日本人ライダー勢は,エストレージャ・ガルシア0,0の山中琉聖が15位に入ってポイントを獲得したものの,レッドブルKTMテック3の佐々木歩夢は17位,レッドブルKTMアジョの鳥羽海渡は18位,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝は21位でノーポイントに終わっています。

☆4台とも(F1)
○第10戦ロシアGPの決勝レースが,好天に恵まれたソチ・オートドロームで行われました。3番グリッドからスタートしたメルセデスAMGのV.ボッタスは,好スタートを切ってレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンを交わして2位にポジションを上げました。順調にトップを走行していたポールからスタートしたメルセデスAMGのL.ハミルトンでしたが,レース途中で彼に10秒加算のペナルティが科されました。そのペナルティというのは,スタート前,ピットからダミーグリッドに向かう途中に取り組んだスタート練習が問題とされたようで,規定で認められた場所以外で練習したとして2つのタイムペナルティの合計10秒が科されたものです。これによりボッタスがトップに立ち,フェルスタッペンは2位に浮上しました。この2人はそれぞれに単独走行に持ち込んで最後まで走りきりました。一旦は順位を下げたハミルトンでしたが,元々のペースは他を圧倒するものでしたから順位を上げていき,最終的に3位表彰台を獲得しています。他のホンダ製パワーユニット勢ですが,アルファタウリ・ホンダのD.クビアトとP.ガスリーは,それぞれ8位,9位,レッドブル・ホンダのA.アルボンは10位に入り,昨年5月に行われた第6戦モナコGP以来となる4台全て入賞を果たしています。

☆初優勝(SF)
○第2戦の決勝レースが,午前中に行われた予選に引き続いてワンデー開催で行われました。タイヤ交換義務があるSFだけに,チームやドライバーによってタイヤ交換時期をいつにするかが分かれてきます。フォーメーションラップでアクシデントが発生してスタートがディレイとなり,さらにスタート直後に多重クラッシュが発生してセーフティカー先導となった決勝レースですが,それ以後はアクシデントが発生することなく,順調に進行していきました。石浦宏明と坪井翔が所属するJMS P.MU/CERUMO・INGINGは,坪井がレース序盤で,石浦が終盤でピットインするという別の作戦で臨みました。石浦と同じくピットインを終盤にするという作戦を採ったのが,ディフェンディングチャンピオンであるVANTELIN TEAM TOM’SのN.キャシディでした。今回のレースでは,リザルト的に見ると序盤にピットインした方が正解だったようで,早めに入った坪井は,トップ争いを展開する見えない相手にタイム的にどんどん迫っていき,まずはピットアウトした石浦をその周で捉えて実質的に2位に浮上。トップを行くキャシディは,何とかしてピットインする部分のタイムを稼ごうとしましたが,周回遅れが出たりしたこともあって思うように差をつけることができず,ギリギリでピットインする作戦を採りましたが,結局坪井&石浦のJMS P.MU/CERUMO・INGING勢の先行を許してしまいました。しかし,3位の座は何とか守りきることはできています。若手と超ベテランのチームメイト対決は最後まで坪井がトップの座を守り抜き,自身嬉しい初優勝を飾っています。
2020/09/27(日)
☆初ポール(MotoGP)
○第9戦カタルニアGPの予選が,好天に恵まれたバルセロナ-カタルニア・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,ラストアタックで一旦はペトロナス・ヤマハSRTのF.クアルタラロがトップタイムをマークしましたが,そのチームメイトで,前日で総合トップだったF.モルビデリがそのタイムをさらに更新する走りを見せ,このクラスで自身初となるポールを獲得しました。同チームが予選でワンツーフィニッシュするのは,昨年5月に行われた第4戦スペインGP以来となります。3番グリッドを獲得したのは,今季でワークスチーム最後となるモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのV.ロッシでした。これにより,ヤマハ勢がフロントローを独占する形になったのですが,これは第7戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGP以来今季2回目となります。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,Q1からの予選となり,そのQ1では,強豪が何人もいる中,ラストアタックで2番手タイムをマークして見事Q1突破を果たしました。Q2でもタイムを更新していったのですが,上位陣とのタイム差はなかなか縮めることができず,トップからおよそコンマ9秒遅れの11番グリッド獲得にとどまっています。
Moto2クラスは,ここまでランクトップを行くスカイ・レーシング・チームVR46のL.マリーニが速さを見せ,3戦連続してポールを獲得しました。そのマリーニからはコンマ1秒以上離されて2番グリッドを獲得したのは,今季2度目とフロントロー獲得となるHDRヘルドラン・スピード・アップのJ.ナバーロでした。初日総合トップタイムだったエストレージャ・ガルシア・マークVDSのS.ロウズは,トップからコンマ3秒弱遅れの3番手タイムでした。レッドブルKTMアジョの長島哲太は,このところの不振を払拭することができず,Q2では最下位となる18番グリッド獲得にとどまっています。
Moto3クラスは,リバコールド・スナイパーズ・チームのT.アルボリーノがオースレコードを更新する速さを見せてトップタイムをマークし,昨年8月に行われた第12戦イギリスGP以来となるポールを獲得しました。レッドブルKTMアジョのR.フェルナンデスとコマーリング・グレシーニMoto3のG.ロドリゴが2人揃って2番手タイムをマークし,規定により最初にそのタイムをマークしたフェルナンデスが2番グリッド獲得となりました。フル参戦日本人ライダー勢は,トップタイム争いに加わることができず,トップから1秒弱遅れだったレッドブルKTMアジョの鳥羽海渡の8番手が最高位でした。鳥羽と同じくKTMのマシンを駆るレッドブルKTMテック3の佐々木歩夢は,Q2では最下位となる18番グリッドを獲得しています。Q1での敗退となったホンダ・チーム・アジアの小椋藍,エストレージャ・ガルシア0,0の山中琉聖,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝は,それぞれ24番手,26番手,29番手タイムと,今日行われる決勝レースはかなり後方からのスタートとなります。

☆5戦連続(F1)
○第10戦ロシアGPの予選が,やや雲が広がったソチ・オートドロームで行われました。ここまで圧倒的な強さでランクトップを行くメルセデスAMGのL.ハミルトンは,Q2であわやラストアタックには入れないというピンチはありましたが,それ以外は順調に速さを見せつけ,2位にコンマ5秒以上の差をつけて5戦連続ポールを獲得しました。いつもだとそのチームメイトのV.ボッタスが2番手となるところですが,ラストアタックでそのボッタスの後ろにつけてタイムアタックをしたレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンがボッタスのタイムを上回り,見事2番グリッドを獲得しています。他のホンダ製パワーユニット勢ですが,レッドブル・ホンダのA.アルボンが10番グリッドを獲得しました。アルファタウリ・ホンダ勢でP.ガスリーは9番手,D.クビアトは12番手でした。
2020/09/26(土)
☆今季初(MotoGP)
○バルセロナ-カタルニア・サーキットにおいて第9戦カタルニアGPが開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。MotoGPクラスは,第7戦の勝者であるペトロナス・ヤマハSRTのF.モルビデリがトップタイムをマークし,自身今季初となる初日総合トップタイムとなりました。そのモルビデリからおよそコンマ1秒遅れで,エスポンソラマ・レーシングのJ.ザルコが総合2番手タイムをマークしています。そして,そのザルコからこちらもおよそコンマ1秒遅れで,第4戦のウィナーであるレッドブルKTMアジョの鳥羽海渡KTMファクトリー・レーシングのB.ビンダーが総合3番手タイムをマークしました。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,FP1こそ11番手と出遅れましたが,FP2で5番手タイムをマークしています。
Moto2クラスは,FP1でトップタイムをマークしたエストレージャ・ガルシア・マークVDSのS.ロウズのタイムを誰も更新することができず,ロウズが今季4度目の初日総合トップとなりました。総合2番手タイムは,こちらもFP1のタイムでスカイ・レーシング・チームVR46のL.マリーニがマークしています。FP2でトップタイムをマークしたリキモリ・インタクトGPのM.シュロッターが,このタイムで初日総合3番手タイムとなっています。このところトップ争いに絡むことができていないレッドブルKTMアジョの長島哲太は,初日総合5番手タイムとなり,2日目以降に期待が持てる結果となっています。
Moto3クラスは,レッドブルKTMアジョのR.フェルナンデスが,この日唯一1分48秒台のタイムをFP1でマークし,今季4度目となる初日総合トップに立ちました。FP2でトップに立ったレオパード・レーシングのJ.マシアが,このタイムで初日総合2番手タイムとなっています。前戦で1年ぶりの勝利を収めたステリルガルダ・マックス・レーシング・チームのR.フェナティが,総合3番手タイムで初日を終えています。フル参戦日本人ライダー勢では,レッドブルKTMアジョの鳥羽海渡が総合10番手の好位置につけましたが,他のライダーは今一歩奮わず,ランク2位につけているホンダ・チーム・アジアの小椋藍は初日総合23番手でした。レッドブルKTMテック3の佐々木歩夢は,小椋の1つ前の総合22番手でした。エストレージャ・ガルシア0,0の山中琉聖は初日総合24番手,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝が総合28番手で初日を終えています。

☆今回も(F1)
○第10戦ロシアGPが好天に恵まれたソチ・オートドロームで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。毎回のようにメルセデスAMG勢がワンツーを決めていますが,今回もご多分に漏れずメルセデスAMGのワンツー発進となっています。しかも,その2台だけが1分33秒台と,相変わらず速さを見せました。メルセデスAMG勢のワンツーの内訳はその日によって違っていますが,今回の初日はV.ボッタスが初日総合トップでした。その2人に次いだのは,今季限りでルノーからの離脱が決まっているD.リカルドでした。ホンダ製パワーユニット勢はあまり上位につけることができず,レッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンの7番手が最高位でした。チームメイトのA.アルボンは12番手で,そのアルボンを挟むようにアルファタウリ・ホンダ勢がつけ,P.ガスリーが11番手,D.クビアトが13番手で初日を終えています。
2020/09/25(金)
☆不運続き(金)
○LCRホンダカストロールのC.クラッチローは,右腕の腕上がりの症状を緩和するための手術を受けましたが,その後の状態が芳しくなかったため,2週間前に行われた第7戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPの欠場を余儀なくされていました。そもそも,クラッチローの腕上がり現象は,MotoGPクラスにとって実質的な開幕戦である第2戦スペインGPで転倒した際に左手首を骨折し,その時は欠場すること無く次戦アンダルシアGPからレースを続けていたものの,その骨折をカバーするのに右腕に負荷がかかってしまい,それが原因となっていました。2週間経過していますので,今日から始まるカタルニアGPから復帰することになっていたクラッチローですが,その彼にまたも不運が襲いました。MotoGPのライダーや関係者は,毎戦PCR検査を受けなければなりませんが,それを受けるために訪れた検査ブースの階段で躓いてしまい,左足首を痛めてしまったのです。当初は左足首の靱帯断裂ということでしたが,昨日行なった精密検査の結果によると「断裂」ではなく「損傷」という診断が下され,メディカルチェックで右腕も含めてカタルニアGPへの参加が許可されました。不運続きともいえるクラッチローですが,ひとまずホッと一息といったところでしょう。とはいえ,大きなハンディを負っていることは確かですので,しばらくは厳しい状況での走行となるでしょうね。
2020/09/24(木)
☆移管(WRC)
○トヨタが2017年にWRC復帰を果たして以降,その活動はずっと元WRCチャンピオンであるT.マキネンが運営するトミ・マキネン・レーシング(以下TMR)が担ってきました。そして,2018年にはマニュファクチャラー,2019年にはドライバーの各タイトルを獲得し,今季は第5戦トルコが終了した段階では両タイトルでランクトップ(ドライバータイトルはトルコを制して今季2勝目を挙げたE.エバンス。)に立っています。そうしたトヨタのWRC活動で輝かしい成果を収めてきていますが,それをさらに発展させるため,この度トヨタから発表があり,来シーズンはWRCの活動をTOYOTA GAZOO Racingヨーロッパ(以下TGRE)に移管することになりました。ただ,TMRとの提携を解除するということではなく,そのTMRがTGREの傘下に入り,TMRの活動拠点や施設及び人材などは,これまでどおり活用することになります。また,TMRの代表であるマキネンは,新たに来年1月からTGREのモータースポーツアドバイザー就任することになりました。現在の豊田章男氏がトヨタの社長に就任以来,自身を含めモータースポーツに力を入れていますが,今回の決定により,WRCへの関わりをさらに強化することになる訳で,今後の活動がさらに楽しみになりますね。
2020/09/23(水)
☆代役参戦(SF)
○9月21日(月)に,今シーズンからSFに参戦し,ホンダ製エンジンユーザーの1つで,道上龍が率いるThreeBond Drago CORSEから発表があり,今週末に岡山国際サーキットで行われる第2戦において,今季同チームのレギュラードライバーを務めるT.カルデロンの代役として,昨シーズンまでSFにレギュラードライバーとしてフル参戦していた塚越広大を起用することになりました。今シーズンの同チームは,SFとしては初となる女性ドライバーのカルデロンを起用しています。新型コロナウイルス感染拡大のため出入国制限があり,外国人が日本国内に入るのは容易な状態ではありませんが,カルデロンは早くから日本に入国して開幕戦に備えていましたので,多くの外国人ドライバーが出場できなかったのに対し,無事開幕戦に出場してSF初レースながら見事完走を果たしました。しかし,第2戦に関しては,週末にフランスで行われたWECシリーズの第7戦『ル・マン24時間レース』に出場しましたので,例え日本に戻ってきても2週間は管理状態におかれますから,レースへの出場は叶いません。そこで白羽の矢が立ったのが,ホンダ陣営を代表するドライバーの一人で,SFで優勝経験のある塚越でした。今シーズンの塚越は,SFには参戦していませんが,これまで通りSGTにはフル参戦していて,既に2勝を挙げています。シリーズこそ違え,ホンダ陣営の中で最も好調なドライバーといえますので,代役参戦するのは自然な決定ともいえます。今回はカルデロンの代役について発表がありましたが,他の外国人ドライバーについても第2戦に向けて既に代役が決まっているチームがあり,TEAM MUGENのJ.ビップスの代役として笹原右京が,Buzz Racing with B-Maxの二人の外国人ドライバーの代役として高星明誠が参戦することになります。ル・マンには,日本人も含めて複数参戦していますので,今後も代役について発表がありそうです。
2020/09/22(火)
☆3連覇(WEC)
○世界3大レースの1つであるWECシリーズの1つである2019/20シーズン第7戦『第88回ル・マン24時間レース』の決勝が,週末に行われました。来シーズンから新しいマシンレギュレーションとなるWECだけに,現行マシンにとって最後のル・マンとなります。ということは,ここまで2連覇を果たしているトヨタにとっては,現行の『TS050ハイブリッド』も最後となります。シリーズの最高峰クラスであるLMP1にエントリーしたのは,トヨタの2台と,ノンハイブリッドマシンを駆るレベリオン・レーシング2台とバイコレス・レーシングチーム1台の合計5台と,致し方ない状況とはいえ,やや寂しいものになっていました。ポールを獲得したのは,M.コンウェイ&小林可夢偉&J-M.ロペス組のTS050ハイブリッド7号車でした。その7号車はオープニングラップから好調な走りを見せ,順調にトップを走行していきました。それに対して,3番グリッドからスタートしたS.ブエミ&中嶋一貴&B.ハートレー組のTS050ハイブリッド8号車は,2番手を走行していたレース序盤にタイヤがパンクするトラブルに見舞われて緊急ピットインし,一時的に順位を下げてしまいました。さらに,再び2位に順位を回復したものの,今度はブレーキの温度が上昇するというトラブルが発生してしまい,しばらくはピットインの度に処置するという対応をしていました。しかし,本格的な修理に取り組むことに決め,セーフティカー先導のタイミングを利用して右フロントの冷却ダクトシステムを交換をしました。通常走行のタイミングだとかなりハンデを負うことになったのですが,セーフティカー導入でスロー走行時だったため,幸いなことにわずか1周遅れだけでコースに復帰することができました。これで俄然トップを走る7号車有利な状況となったのですが,その7号車に不運が襲うことになりました。レースを半分消化したところでトラブルが発生してしまい,こちらも緊急ピットインせざるを得ない状況となったのです。それはエンジン右側にあるターボのトラブルで,交換せざるを得ず,その作業はおよそ30分を要するものでした。通常走行時でしたから,8号車と違ってそのハンデはかなりのもので,7周遅れの4位へと順位を一挙に下げてしまいました。7号車がトップ争いから脱落したことで8号車がトップに立ち,トヨタの命運はこの8号車が背負うことになりました。7号車に発生したということは,8号車にも発生する可能性があるわけで,連覇に向けてより一層緊張が続くことになりましたが,幸いなことに8号車は順調に走行を続けていき,トップの座を守って無事チェッカーを受けました。これで8号車は3年連続優勝を果たすと同時に,今季で最後となるTS050ハイブリッドが有終の美を飾りました。2位には,トラブルに見舞われて順位を下げたものの,粘り強く走行を続けて順位を上げてきたB.セナ&N.ナト&G.メネゼス組のレベリオンR13・ギブソンの1号車が入りました。大きく遅れを取ったTS050ハイブリッド7号車は,最終的に3位でチェッカーを受けています。
2020/09/21(月)
☆混迷(MotoGP)
○第8戦エミリア・ロマーニャGPの決勝レースが,途中で雨が降ったりして不安定な天候となったミサノ・ワールド・サーキット−マルコ・シモンチェリで行われました。MotoGPクラスは,転倒者が続出して大荒れな展開となりました。特に,前日の走行から好調だったプラマック・レーシングのF.バグナイアは,他のマシンに差をつけてトップを走行していて,自身初の優勝かと思われる中,残り7周となったところでスリップダウンしてリタイアに終わってしまいました。バグナイアのリタイアにより,2位を走行していたモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスがトップに浮上し,後は後続との差を広げてトップでチェッカーを受けました。今季のビニャーレスは,予選こそいい結果が出ても,決勝になるとペースが上がらなくなるという状態が続いていて,今日の勝利により,悪い流れが断ち切れるようになるかもしれません。3台による2位争いが展開されましたが,残り2周となったところでチーム・スズキ・エクスターのJ.ミルが抜き出ると,後はそのまま2位でチェッカーを受けました。ペトロナス・ヤマハSRTのF.クアルタラロが3位でチェッカーを受けましたが,トラックリミット違反により,3秒加算のペナルティが科され,レッドブルKTファクトリー・レーシングのP.エスパルガロが今季自身初表彰台となる3位に繰り上がりました。チームクルーのミスにより予選は思うような結果が残せられなかったLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,転倒者が続出する中地道にポジションアップしていき,最後はレプソル・ホンダ・チームのA.マルケスを交わして6位でチェッカーを受けています。中上に逆転されたA.マルケスですが,今季自己最高位となる7位でチェッカーを受けています。荒れた展開となったMotoGPクラスでしたが,完走は全部で13台で,完走すれば入賞という展開でした。
Moto2クラスは,途中で雨が降り始めたため7周目に一旦赤旗中断となりました。6周目の順位であらためてレース2がスタートし,そのリスタートで1番グリッドからスタートしたイタルトランス・レーシング・チームのE.バスティアニーニがその順位でチェッカーを受け,今季3勝目を挙げました。先週のレースで2位表彰台を獲得しているスカイ・レーシング・チームVR46のM.ベツェッキが,ホームグランプリで2週連続2位に入っています。3位には,エストレージャ・ガルシア・マークVDSのS.ロウズが入り,ランキングを2つ上げて4位になっています。レッドブルKTMアジョの長島哲太は,この日も思うような走りを展開できず,一旦は22位でチェッカーを受けました。そして,その後トラックリミット違反が科され,最終的に23位フィニッシュとなっています。
Moto3クラスは,いつものように10台近いマシンによるトップ争いが展開されていきました。そうした混戦をうまくかいくぐってトップでチェッカーを受けたのは,1年ぶりの優勝となるステリルガルダ・マックス・レーシング・チームのR.フェナティでした。そのフェナティから1000分の36秒差で惜しくも2位に入ったのは,今季3度目の表彰台となるスカイ・レーシング・チームVR46のC.ビエッティでした。そして,今や表彰台の常連となってきている感のあるホンダ・チーム・アジアの小椋藍が,若いのにレース巧者ぶりを今回も発揮して3位でチェッカーを受け,3戦連続,今季6度目の表彰台に上っています。その他のフル参戦日本人ライダー勢は,レッドブルKTMアジョの鳥羽海渡は今季自己最高位となる9位でチェッカーを受け,レッドブルKTMテック3の佐々木歩夢は14位に入り,この3人がポイントを獲得しています。エストレージャ・ガルシア0,0の山中琉聖は20位,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝は25位でした。SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生は,前日に行われた予選で転倒した際,左手首を骨折していたことが分かったために走行をキャンセルしています。

☆後味(JRR)
○第3戦の決勝レースが,秋らしい好天に恵まれた我が大分県にあるオートポリスで行われました。JSB1000クラスは,前日に行われたレース1と同じくYAMAHA FACTORY RACING TEAMの野左根航汰と中須賀克行,そしてMuSASHi RT HARC-PRO.Hondaの水野涼,Keihin Honda Dream SI Racingの清成龍一の4台によるトップ争いが展開されるものと思われていました。ところが,水野がオートポリス名物のジェットコースター・ストレートで飛び出してしまってリタイアに終わってしまいました。そして,これまた昨日と同じように中盤に入ってヤマハワークスの2人が,トップを行く清成を交わしてトップ争いを演じる展開となりました。ファイナルラップまで続いた2人のバトルは,懸念された事態へと発展しました。ファイナルラップ段階でトップに立っていた中須賀を野左根が最後まで激しく追い,最終コーナーに入って野左根が強引に中須賀のインをつき,2台は接触。アウト側にいた中須賀ははじかれる形で転倒し,最後の最後でリタイアに終わってしまいました。野左根はトップでチェッカーを受けたものの,喜びを表現すること無くコースを1周していきました。野左根の4連勝で終わりましたが,手に汗握る展開だっただけに,何とも後味の悪いレースとなってしまいました。中須賀の転倒により清成が2位でチェッカーとなり,ランキング争いで2位に浮上しました。3位には,YAMALUBE RACING TEAMの前田恵助が入っています。
ST1000クラスは,レース序盤こそポールからスタートした日本郵便 HondaDream TPの高橋裕紀,MuSASHi RT HARC-PROの名越哲平,Vamos Racing with A-TECHの岩戸亮介の3台によるトップ争いとなりましたが,開幕戦を制した高橋が徐々に差をつけていき,最終的に2位に7秒近い差をつけてトップでチェッカーを受け,2連勝を飾りました。名越と岩戸との間で途中まで繰り広げられた2位争いは,名越がこれを制しています。
ST600クラスは,日本郵便HondaDream TPの小山知良と51ガレージ ニトロレーシングの岡本裕生とのトップ争いはファイナルラップまで続きました。岡本がトップでファイナルラップに入ったのですが,小山が狙い澄ましていたかのようにトップに立ち,後はベテランらしい走りを展開して最後までそのポジションを守り抜き,わずか1000分の24秒差でしたがトップでチェッカーを受けました。3位には,単独での走行となったMOTOBUM HONDAの荒川晃大が入っています。
J-GP3クラスは,このクラスらしく4台が激しく順位を入れ替えるバトルが最後まで続き,ファイナルラップの第2ヘアピンでトップに立ったTeam TKRの村瀬健琉がその順位を守りきり,開幕戦に続いて2連勝となりました。2,3位にはそれぞれSunny moto planning AKRの小室旭,マルマエMTRの徳留真紀のベタランライダーが入っています。
2020/09/20(日)
☆2戦連続(MotoGP)
○2週連続してミサノ・ワールド・サーキット−マルコ・シモンチェリで開催されますが,その2つ目のレースとなる第8戦エミリア・ロマーニャGPの予選が好天の下で行われました。MotoGPクラスは,前戦でポールを獲得したモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスが,前回と同じく3回のタイムアタック作戦を実行し,これが見事にはまって2週連続ポールシッターとなりました。実は,ファイナルアタックでプラマック・レーシングのF.バグナイアがビニャーレスのタイムを更新していたのですが,最終コーナーでトラックリミットをわずかに超えてしまったためタイムがキャンセルとなってしまい,ビニャーレスがポールとなっています。惜しくも自身初のポールを逃したバグナイアは,最終的に5番グリッドとなっています。そのバグナイアのチームメイトであるJ.ミラーは,Q1から勝ち上がり,さらにQ2で2番手タイムをマークしました。前日に総合3番手タイムだったペトロナス・ヤマハSRTのF.クアルタラロは,予選でも速さを見せてここでも3番手タイムでした。前日に総合2番手タイムだったLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,予選前に行われたFP4において15コーナーで今季初の転倒を喫していたのですが,何と予選でも同じコーナーで転倒を喫してしまい,ラストアタックをすることなる予選を終えてしまいました,そのため,今日行われる決勝は,12番グリッドからのスタートとなります。
Moto2クラスは,ここまでランクトップを行くスカイ・レーシング・チームVR46のL.マリーニが速さを見せ,コースレコードを更新して2戦連続ポールを獲得しました。チームメイトのB.ベツェッキが100分の36秒遅れで2番手タイムをマークしています。3番手タイムをマークしたのは,2人からやや離されたタイムでペトロナス・スプリンタ・レーシングのX.ビエルゲでした。レッドブルKTMアジョの長島哲太は,予選でも上位に顔を出すことができず,13番グリッド獲得にとどまっています。
Moto3クラスは,KTM勢が速さを見せ,トップ5の内4台を占めました。その中でトップに立ってポールを獲得したのは,今季2回のポールを獲得しているレッドブルKTMアジョのR.フェルナンデスでした。2番グリッドを獲得したのは,ホンダ勢でトップとなるリバコールド・スナイパーズ・チームのT.アルボニーノでした。そのアルボニーノからわずか1000分の4秒差で3番グリッドを獲得したのは,スカイ・レーシング・チームVR46のA.ミーニョでした。フル参戦日本人ライダー勢は,レッドブルKTMアジョの鳥羽海渡が今季自己最高位となる7番グリッドを獲得しました。その鳥羽から1000分の8秒遅れで8番手タイムだったのが,前戦で3位表彰台を獲得しているSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生でした。その鈴木より1つ前でフィニッシュして全戦で2位だったホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,12番手タイムでした。来季の去就が発表されたレッドブルKTMテック3の佐々木歩夢は16番手,エストレージャ・ガルシア0,0の山中琉聖が11番手,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝は13番手で予選を終えています。

☆赤旗で(JRR)
○第3戦が我が大分県にあるオートポリスで開幕し,初日は各クラスの予選と,JSB1000クラスのレース1決勝が行われました。その決勝レースは,1,2番グリッドからスタートしたYAMAHA FACTORY RACING TEAMの野左根航汰,中須賀克行,MuSASHi RT HARC-PRO.Hondaの水野涼,Keihin Honda Dream SI Racingの清成龍一の4台によるバトルで始まりました。レース序盤は好スタートを切った清成がトップを走って行きましたが,YAMAHA FACTORY RACING TEAMの2台が予想通りの速さを発揮しはじめ,中盤からはその2台によるトップ争いとなっていきました。この2台のバトルは,順位を時折入れ替えたりしながら終盤まで続き,どちらが勝ってもおかしくない状況が展開されていきました。そのような中,13周目に中須賀がトップに立って14周目の走行をしているとき,3コーナーで3台のマシンが転倒し,その中の1台が出火するというアクシデントが発生しました。そのため赤旗が提示されてレースはそのまま成立となり,12周目終了時のリザするとが反映されることになったため,野左根が開幕から3連勝を飾ることになりました。ホンダ勢2台によるバトルは,結果的に水野が3位表彰台獲得となっています。
なお,各クラスの予選ですが,ST1000クラスは日本郵便 HondaDream TPの高橋裕紀,ST600クラスはMOTOBUM HONDAの荒川晃大,J-GP3クラスはSunny moto planning AKRの小室旭がポールを獲得しています。
2020/09/19(土)
☆自身初(MotoGP)
○3週連続開催となるMotoGPですが,その2つ目のレースとなる第8戦エミリア・ロマーニャGPが先週に続いてミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。MotoGPクラスは,ルーキーライダーでレッドブルKTMファクトリー・レーシングのB.ビンダーが,このクラス自身初となる初日総合トップタイムをマークしました。そのビンダーに逆転されるまでトップタイムだったLCRホンダ・イデミツの中上貴晶が,わずか1000分の2秒差で総合2番手となりました。同じサーキットで行われた前戦では,予選まで上位に顔を出すことができなかった中上でしたが,決勝レース,そしてその後同地で行われたオフィシャルテストで手応えを感じる走りを見せていましたが,その勢いがまだ続いていることを感じさせる初日となりました。総合3番手タイムは,ペトロナス・ヤマハSRTのF.クアルタラロでした。なお,欠場が続いているレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスの代役として出場が続いているテストライダーのS.ブラドルは,右腕に問題が生じ,次戦に備えるため大事を取ってFP2から欠場しています。
Moto2クラスは,ここまでランクトップにつけ,来季はMotoGPクラスへのステップアップが噂されるようになっているスカイ・レーシング・チームVR46のL.マリーニが,コースレコードをマークして初日総合トップに立ちました。総合2番手タイムをマークしたのはアスパー・チームMoto2のA.カネトで,トップとは100分の9秒差でした。リキモリ・インタクトGPのM.シュロッターは,途中転倒を喫したものの,総合3番手タイムをマークしています。レッドブルKTMアジョの長島哲太は,前戦に続いて最上位争いに顔を出すことができず,初日は総合13番手で終了しています。
Moto3クラスは,レオパード・レーシングのJ.マシアが,コースレコードをマークする速さを見せ,総合2番手タイムのスカイ・レーシング・チームVR46のC.ビエッティにコンマ3秒以上の差をつけて今季自身初となる初日総合トップに立ちました。総合3番手タイムは,前戦に引き続いてSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生がマークしています。他のフル参戦日本人ライダー勢は,この大会開幕前に来季契約延長が決まったレッドブルKTMテック3の佐々木歩夢が9番手,レッドブルKTMアジョの鳥羽海渡が13番手,全戦で2位表彰台を獲得したホンダ・チーム・アジアの小椋藍が19番手,エストレージャ・ガルシア0,0の山中琉聖が28番手,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝が最下位となる31番手で初日を終えています。
2020/09/18(金)
☆移籍(MotoGP)
○9月16日(水)にKTMから発表があり,今シーズンもONEXOX TKKR SAG TeamからMoto2クラスにフル参戦しているR.ガードナーと2021年の契約が成立し,レッドブルKTMアジョからMoto2クラスにフル参戦することになりました。。契約期間は,1年となっています。今季のレッドブルKTMアジョは,長島哲太&J.マルティンの体制で臨んでいますが,その中のマルティンについては,既に来季はMotoGPクラスにステップアップし,J..ミラーがドゥカティワークスに昇格することで空いたプラマック・レーシングのシートに座ることが決定しています。ということは,アジョのシートが確実に1つ空いたことになりますので,実質上そこにガードナーが座ることになる訳です。そのガードナーですが,皆さんご存知のように元500ccチャンピオンであるW.ガードナーの息子で,今季ここまで第6戦スティリアGPで3位表彰台を獲得し,ランク11位につけています。来季の長島哲太については,アジョとの契約期間が今年1年となっていて,来季契約延長がなるかどうかまだ未定です。もし来季も同チームからフル参戦することになれば,長島&ガードナーの体制になり,これは昨シーズンまでのONEXOX TKKR SAG Teamの体制と同じということになります。開幕戦を制した長島ですが,それ以後はやや尻すぼみ状態になりつつあります。来季MotoGPクラスに昇格することは不可能な状況にありますから,少なくとも現チーム残留に向け,表彰台に安定して登れるよう力を発揮してほしいものです。そのためには,最低条件として転倒は絶対に避けるようにする必要があります。
2020/09/16(木)
☆体制維持(MotoGP)
○Moto3クラスにフル参戦しているレッドブルKTMテック3から発表があり,佐々木歩夢とD.オンジュとの契約を延長することになりました。これにより,このクラスは来季も同じ体制で臨むことになります。同チームは,昨シーズン限りでMoto2クラスから撤退し,今シーズンはレッドブルとKTMの支援を受け,これまでのMotoGPクラスに加え,今季からMoto3クラスにフル参戦を開始しています。その初年度となる今季は,『アジア・タレント・カップ』と『レッドブル・ルーキーズ・カップ』などを経てMoto3クラスにステップアップを果たしている2人を起用しています。今回契約延長となった佐々木は,参戦初年度にルーキーオブザイヤーを獲得した2017年から昨シーズンまでホンダのマシンを駆ってきていました。そして,昨シーズン限りでそのホンダの元を離れ,今季からKTMのマシンを駆っています。乗り慣れたホンダからの乗り換えですので,ここまではなかなか思うような成績が収められていません。ただ,トップ争いに加わるレースもあり,結果的に追突されてリタイアに終わったりする不運に見舞われたりしながらも時折本来持つ力を見せています。コロナ禍により不規則なレースシーズンにはなっていますが,1シーズンを過ごしてのKTM2年目となるだけに,チームも期待しているからこその契約延長だと思います。ただ,佐々木としては勝負の年になることは間違いないだけに,契約延長が決まったとはいえ,今季残りのレースは,来季に向けて重要なものとなることは間違いありません。
2020/09/16(水)
☆今季型で(MotoGP)
○ミサノ・ワールド・サーキット−マルコ・シモンチェリで開催された第7戦が終了しましたが,MotoGPクラスにフル参戦するチーム及びライダーはそのまま同地に滞在し,昨日オフィシャルテストが実施されました。このテストでは,現在のマシンのデータ取りや新しいパーツを投入したりしたものと思われます。その中で外観上目についたのは,第7戦の予選で特に好成績だったヤマハでしょう。新しいスイングアームと共に,大きく持ち上がったメガホン型のエキゾーストが投入されていたのです。もう一つ私たち日本人レースファンにとって注目となったのは,今シーズンは昨年型でフル参戦しているLCRホンダ・イデミツの中上貴晶でしょう。今シーズンのホンダは,いまだに一度も表彰台が獲得できていないというワースト記録が続いています。その最大の要因は,もちろんレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが怪我のためずっと欠場が続いていることです。マルケスを中心にマシン開発が進んでいるわけで,その中心となるライダーがいないわけですから,開発が進まないのは当然です。さらに,同じ2020年型を駆っているLCRホンダカストロールのC.クラッチローは,第7戦と今回のテストを怪我のため欠場しています。あと一人今季型を駆っているのは,レプソル・ホンダ・チームのA.マルケスだけで,ルーキーライダーですから,彼にとって負担が大きくなります。そうなると,当然今季実質上ホンダのエースライダーになっている中上の存在は貴重で,今回のテストでは,彼にとって初めて2020年型をテストしていて,ポジティブなコメントも聞かれました。さて,そのような状況で行われた今回のテストですが,午前と午後に1回ずつセッションがあり,その中で総合トップに立ったのは,第7戦でもポールを獲得したモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスでした。そして,総合2番手タイムをマークしたのは,予選ではとても苦労して14番グリッド獲得にとどまっていた中上でした。決勝前に行われた3日目の走行ではトップタイムをマークしていて,ある程度新舗装となったミサノに慣れてきたことを感じさせましたが,今回の総合2番手で2戦連続して開催される次戦に期待を持たせました。総合3番手タイムは,来季A.ドビツィオーゾに替わってワークス入りが噂されているレアーレ・アビンティア・レーシングのJ.ザルコでした。
2020/09/15(火)
☆警告(F1)
○メルセデスAMGのL.ハミルトンの勝利に終わった第9戦トスカーナGPの決勝レースですが,このレースは,昨日もお伝えしたように多重クラッシュが2回も発生するという大荒れの展開となりました。その多重クラッシュの内,セーフティカー解除の時に起こった2回目の多重クラッシュに関して,FIA(国際自動車連盟)のスチュワードから警告処分が出されました。その対象となったのは,A.ジョビナッツィ(アルファロメオ・レーシング),K.マグヌッセン(ハースF1),N.ラティフィ(ウィリアムズ),C.サインツ(マクラーレン),D.クビアト(アルファ・タウリ),A.アルボン(レッドブル),L.ストロール(レーシング・ポイント),D.リカルド(ルノー),S.ペレス(レーシング・ポイント),L.ノリス(マクラーレン),E.オコン(ルノー),G.ラッセル(ウィリアムズ)の12名です。この多重クラッシュが起こった原因は,リスタート時の速度にあります。リスタート時の速度の調整については,トップを走行しているドライバーに権利があり,後続のマシンは,トップのマシンに合わせたタイミングとスピードでコントロールラインを通過することになっています。前の方のマシンはそれに合わせやすいのですが,後ろに行けば行くほどさらに注意して走行しないとリスタート前に順位が変わってしまったり,前との距離が無くなったりといったトラブルが発生しやすくなります。今回の多重クラッシュは,前の方に位置していたマシンには非がなく,後方のマシンに加速や距離の取り方,走行ライン等に問題があったことから起こったのではないかと思われ,今回の処分はそれによるものです。ただ,今回のは「警告」ですから,「ペナルティ」や「戒告」といった処分よりは軽くなっています。
2020/09/14(月)
☆初優勝&19年ぶり(MotoGP)
○第7戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPの決勝レースが,好天に恵まれた,そして制限はあるものの,久々に観客が入ったミサノ・ワールド・サーキット−マルコ・シモンチェリで行われました。MotoGPクラスは,2番グリッドからスタートしたペトロナス・ヤマハSRTのF.ボルビデリが,好スタートを切ってトップに立つと,順調に後続との差を徐々に広げて行き,最高峰クラス昇格以来初となる勝利を収めました。2位以降はファイナルラップまでバトルが続き,2位にプラマック・レーシングのF.バグナイアが入って自身初の表彰台を獲得し,ファイナルラップでチーム・スズキ・エクスターのJ.ミルがモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのV.ロッシを交わして3位表彰台を獲得しました。14番グリッドからスタートしたLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,一旦8位でチェッカーを受けましたが,ファイナルラップでトラックリミットを超えて走行してしまったため,1つポジションを下げられてリザルトとしては9位となりました。
Moto2クラスは,ポールからスタートしたスカイ・レーシング・チームVR46のL.マリーニが,順調にトップの座を守っていきました。その後,追い上げてきたチームメイトであるM.ベツェッキとトップ争いを展開する事態となりましたが,およそコンマ8秒の差をつけてトップでチェッカーを受け,今季2勝目を挙げました。3位には,イタルトランス・レーシング・チームのE.バスティアニーニがおよそコンマ9秒遅れで入っています。レッドブルKTMアジョの長島哲太は,8位走行中のラストラップに転倒を喫してしまい,リタイアに終わっています。
Moto3クラスは,このクラスらしく10台近いマシンによるトップ争いが展開されていきました。誰が抜け出すか分からない状況がファイナルラップまで続いていきましたが,激しいバトルを制してペトロナス・スプリンタ・レーシングのJ.マクフィーがトップでチェッカーを受け,今季初優勝を飾っています。2位争いは日本人ライダー勢のバトルとなり,最終的にホンダ・チーム・アジアの小椋藍が2位,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が3位でチェカーを受けました。日本人ライダーが複数表彰台に立つのは,2001年の4月に行われた第2戦南アフリカGPにおいて,宇井陽一が優勝,上田昇が3位に入って以来となります。他の日本人ライダー勢は,エストレージャ・ガルシア0,0の山中琉聖が12位に入って自己最高位を獲得しています。レッドブルKTMアジョの鳥羽海渡は17位,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝は23位でチェッカーを受けましたが,レッドブルKTMテック3の佐々木歩夢は7周目に転倒を喫してリタイアに終わっています。

☆大荒れ&初表彰台(F1)
○第9戦トスカーナGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったムジェロ・サーキットで行われました。この日のレースは大荒れの展開となり,スタート直後に多重クラッシュが発生し,前戦の勝者であるアルファタウリ・ホンダのP.ガスリーをはじめ,そのクラッシュに巻き込まれたレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンなどがいきなりリタイアとなりました。この多重クラッシュでセーフティカー先導となり,7周目に再開されると,いくつかの要因が重なったことからメインストレート上で再び多重クラッシュが発生してしまい,路面上に破片が散乱したことから,今度は赤旗が提示されてレースは一旦休止となりました。さらに,44周目に今度は名物コーナーの1つであるアラビアータで単独クラッシュが発生してここでも赤旗が提示される事態となりました。こうしたことから最終的に12台が走行するという大荒れの展開となりました。そうした状況でトップに立ったのは,ここまで圧倒的な強さでランクトップを行くメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。1回目の赤旗前までは,チームメイトであるV.ボッタスの方が好調な走りを展開していましたが,リスタート後はハミルトンが勢いを増し,リスタートでトップに立つと,2回目の赤旗によるリスタート後にもボッタスとの差をつけていき,最終的に2秒以上の差がついて今季7勝目,通算90勝目を挙げました。そして,3位にはサバイバルレースをかいくぐって走行をしていったレッドブル・ホンダのA.アルボンが入り,嬉しい自身初表彰台を獲得しました。この表彰台獲得は,タイ人ドライバーとしては初のものとなります。また,アジア人ドライバーとしては,2012年の日本GPにおけるザウバーの小林可夢偉以来となります。

☆2勝目(SGT)
○第4戦の決勝レースが,前日は不安定な天候に悩まされたものの,この日はよい天気に恵まれたツインリンクもてぎで行われました。GT500クラスは,ポールからスタートした立川祐路&石浦宏明組のZENT GR Supraと2番グリッドからスタートした塚越広大&B.バゲット組のKEIHIN NSX-GTとが順調にスタートを切り,それぞれの順位を守って走行していきました。そして,8周目にKEIHIN NSX-GTがトップに立つとそのまま差を広げて行きました。その後は,ピットインのタイミングで順位に変化があったり,2回のセーフティカー導入があったりしましたが,KEIHIN NSX-GTはトップの座を守って独走態勢を築き,2位走行のZENT GR Supraに7秒以上の差をつけてトップでチェッカーを受け,今季2勝目を挙げました。これにより,塚越広大とバゲットはランキングでもトップに立ちました。3位には,トップから11秒以上遅れて野尻智紀&福住仁嶺組のARTA NSX-GTが入っています。
GT300クラスは,ポールからスタートした青木孝行&柴田優作組のRUNUP RIVAUX GT-Rが,タイヤ無交換作戦でトップに立った蒲生尚弥&菅波冬悟組のLEON PYRAMID AMGを追うという展開となりました。そして,残り4周となったところでどんどん差を詰めていったRUNUP RIVAUX GT-RがV字コーナーでガス欠でマシンをストップするという事態となり,LEON PYRAMID AMGがそのまま今季初のトップチェッカーを受けました。2,3位には,それぞれ小暮卓史&元嶋佑弥組のJLOC ランボルギーニ GT3,井口卓人&山内英輝組のSUBARU BRZ R&D SPORTが入っています。
2020/09/13(日)
☆独占&初ポール(MotoGP)
○第7戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPの予選が,ドライコンディションとなったミサノ・ワールド・サーキット−マルコ・シモンチェリで行われました。MotoGPクラスは,今回もレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが欠場してS.ブラドルが代役を務め,もう一人LCRホンダカストロールのC.クラッチローも,腕上がり現象に関する手術がうまくいっておらず,初日は走行したものの,2日目以降は欠場となりました。まさに非常事態といえる状況です。そのような中,シーズン序盤は好調だったヤマハ勢が,再び勢いを取り戻し,まずモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスがコースレコードを更新する速さを見せ,今季2度目のポールを獲得しました。ビニャーレスの後にはペトロナス・ヤマハSRT勢が続き,F.モルビデリ,F.クアルタラロがそれぞれ2,3番グリッドを獲得しました。ヤマハ勢の勢いはさらに続き,ビニャーレスのチームメイトであるV.ロッシが4番手タイムをマークし,ヤマハ勢がトップ4を独占しています。Q2進出が1台も果たせなかったホンダ勢と明暗が分かれた結果となっています。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,Q2敗退となり,14番グリッドから決勝レースはスタートすることになりました。
Moto2クラスは,エストレージャ・ガルシア・マークVDSのS.ロウズがトップタイムをマークし,2016年9月に行われた第14戦アラゴンGP以来となります。2番グリッドは,元チャンピオンであるW.ガードナーの息子であるOnexox TKKR SAG TeamのR.ガードナーが獲得し,3番グリッドは,ロッシの異父兄弟であるスカイ・レーシング・チームVR46のL.マリーニが獲得しています。レッドブルKTMアジョの長島哲太は,Q2に進出して9番グリッドを獲得しています。
Moto3クラスは,日本人ライダーが好成績を収めました。まず,現在ランク2位につけているホンダ・チーム・アジアの小椋藍が,2位にわずか1000分の16秒差ではありましたが,トップタイムをマークして自身初となるポールを獲得しました。その2位には,コマーリング・グレシーニMoto3のG.ロドリゴがつけています。そして,今季既に1勝を挙げているSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が2位とわずか1000分の15秒遅れで3番手タイムをマークし,フロントローを2台の日本人ライダーが占めることになりました。他の日本人ライダー勢は奮わずにQ1での敗退となり,レッドブルKTMテック3の佐々木歩夢が21番手,レッドブルKTMアジョの鳥羽海渡は25番手,エストレージャ・ガルシア0,0の山中琉聖が27番手,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝はブービーとなる30番手獲得にとどまりました。

☆今回も(F1)
○第9戦トスカーナGPの予選が,F1としては初開催となるムジェロ・サーキットで行われました。前日はメルセデスAMGのV.ボッタスが速さを見せましたが,チームメイトでランクトップを行くL.ハミルトンがさすがの速さを見せていき,トップタイムをマークして自身通算95回目となるポールを獲得しました。初日総合トップだったボッタスは,1000分の59秒差で2番手となりました。そして,前日に奮わなかったレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンが3番手タイムをマークし,トップ3はいつもの3人となりました。前戦でアルファタウリ・ホンダのP.ガスリーが優勝し,自身のシート確保に黄色信号が灯ったとも噂されるレッドブル・ホンダのA.アルボンは,これに奮起したか速さを見せ,フェルスタッペンに次ぐ4番グリッドを獲得しました。今回はアルファタウリ・ホンダ勢はどちらもQ2での敗退となり,D.クビアトが12番手,前戦の勝者ガスリーは16番手で予選を終えています。

☆記録更新(SGT)
○第4戦の予選が,時折雨が舞う不安定な天候となった栃木県のツインリンクもてぎで行われました。GT500クラスは,雨によりタイやチョイスの判断が難しいコンディションとなり,まずはスリックでスタートしたものの,すぐにピットインしてウェットに交換。こうした不安定な状況で速さを見せるのがベテランで,ここまでポール獲得回数最多を誇る立川祐路がステアリングを握った立川祐路&石浦宏明組のZENT GR Supraがトップタイムをマークし,立川は自信の記録を24へと延ばしました。その後はNSX-GTが続き,塚越広大&B.バゲット組のKEIHIN NSX-GTが2番手,野尻智紀&福住仁嶺組のARTA NSX-GTが3番手タイムをマークしています。前戦を制したGT-R勢は奮わず,平手晃平&千代勝正組のCRAFTSPORTS MOTUL GT-Rが獲得した10番手が最高位でした。
GT300クラスは,濡れているところ塗装でないところが点在し,こちらも難しいコンディションでの走行となりました。ここで速さを見せたのがこちらもベテランで,青木孝行が駆る青木孝行&柴田優作組のRUNUP RIVAUX GT-Rがトップタイムをマークし,チームとしては初,青木としては11年ぶりのポールとなりました。2,3番グリッドは,それぞれ松井孝允&佐藤公哉組のHOPPY Porsche,嵯峨宏紀&中山友貴組のTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTが獲得しています。
2020/09/12(土)
☆3戦ぶり(MotoGP)
○今月は3週連続開催となるMotoGPですが,その最初のレースである第7戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPがミサノ・ワールド・サーキット−マルコ・シモンチェリ開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。MotoGPクラスは,開幕序盤で速さを見せてたペトロナス・ヤマハSRTのF.クアルタラロが,2回目のフリー走行でトップタイムをマークし,第4戦チェコGP以来3戦ぶりとなる総合トップタイムをマークしました。FP1でトップタイムをマークしたものの,FP2ではこのタイムを更新することができなかったモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスが,FP1でのタイムで初日総合2番手に立ちました。さらに,クアルタラロのチームメイトであるF.モルビデリがFP2で2番手タイムをマークし,これが初日の総合3番手タイムとなり,初日はヤマハ勢がトップ3を独占しています。今回もレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが欠場していて,ホンダ勢の中で今季エース的リザルトを出してきているLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,FP2で12番手タイムをマークし,これが今回もホンダ勢最上位となります。
Moto2クラスは,イタルトランス・レーシング・チームのE.バスティアニーニが,FP2でトップタイムをマークし,このクラス2シーズン目にして自身初となる初日総合トップに立ちました。バスティアニーニからおよそ1000分の59秒差で,エストレージャ・ガルシア・マークVDSのS.ロウズが総合2番手タイムをマークしました。そのロウズのチームメイトであるA.フェルナンデスが総合3番手タイムをマークし,これは今季自己最高位となります。レッドブルKTMアジョの長島哲太は,12番手タイムで初日を終えています。
Moto3クラスは,レッドブルKTMアジョのR.フェルナンデスがFP1でトップタイムをマークし,これが初日総合トップとなります。同じくFP1で2番手タイムだったコマーリング・グレシーニMoto3のG.ロドリゴが,このタイムで初日総合2番手タイムとなりました。FP2でトップタイムをマークしたSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が,このタイムで初日総合3番手タイムとなりました。他のフル参戦日本人ライダー勢は奮わず,中でもエストレージャ・ガルシア0,0の山中琉聖,レッドブルKTMアジョの鳥羽海渡は,フリー走行1で低速走行を行ったため,FP2の走行時間がそれぞれ15分,10分短縮されるペナルティを科されました。また,ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,転倒を喫してタイムアップが十分には果たせませんでした。こうした結果,小椋が12番手,レッドブルKTMテック3の佐々木歩夢が21番手,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝が27番手,鳥羽が28番手,山中は31番手で初日を終えてます。

☆初開催(F1)
○第9戦トスカーナGPが,F1初開催となるムジェロ・サーキットで開幕しました。ただ,フェラーリが所有しているサーキットで,シェイクダウンなどでこのサーキットを利用しています。しかも,今大会はそのフェラーリにとって1000戦目のレースとしてメモリアルな大会となります。初日総合トップに立ったのは,ここまで2番手タイムになることが多かったメルセデスAMGのV.ボッタスでした。ここまでランクトップを行くチームメイトのL.ハミルトンが2番手タイムをマークし,今回もメルセデスAMG勢のワンツーとなりました。前戦はマシントラブルでリタイアに終わっているレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンが,初日総合3番手タイムでいつもの位置に返ってきています。他のホンダ製パワーユニット勢ですが,フェルスタッペンのチームメイトであるA.アルボンが4番手タイムをマークし,上位4台はメルセデスとレッドブルが独占しています。前戦で悲願の初優勝を飾ったアルファタウリ・ホンダのP.ガスリーは8番手,D.クビアトは15番手タイムで初日を終えています。
2020/09/11(金)
☆離脱&契約(F1)
○レーシングポイントF1チームに関して,2日続けて来季に関する発表がありました。まず,9月9日(水)に発表があり,今季もレギュラードライバーを務めているS.ペレスとの契約を今シーズンをもって解除することになりました。2011年にザウバーからF1にデビューを果たしたペレスは,2013年に1年間だけマクラーレンに所属し,2014年にレーシングポイントの前身であるフォース・インディアに移籍して現在に至っています。2018年に資金難に陥ったときには,彼が中心の一人となってチーム売却先を探し,現オーナーであるローレンス・ストロール率いるコンソーシアムへの売却が成立しました。そのようにチームとしての成績はもちろん,チーム経営に大きな影響を与えたペレスとの関係を,今季を持って解除することになったわけです。なお,今回の発表では,来季のペレスについては明らかになっていません。噂としては,ハースF1やアメリカへの進出などの可能性が挙がっています。
そして,それに呼応するように昨日から発表があり,今シーズンをもってフェラーリを離脱することが既に決定しているS.ベッテルとの契約が成立しました。具体的な契約期間は明らかになっていませんが,複数年契約ということです。来季のレーシングポイントは,『アストンマーティンF1チーム』として活動することになっていますから,ベッテルはアストンマーティンに所属してのF1活動契約継続となります。今回契約が成立したベッテルは,今さらいうまでもなく,レッドブル・レーシングに所属しているときに4回のタイトルを獲得しています。その後,2015年に現在のフェラーリへ移籍しましたが,一度もタイトルを獲得できないまま今季を持って離脱することになりました。来季ベッテルのチームメイトに誰がなるのかについては,まだ正式発表がありません。しかし,現在ペレスのチームメイトであるランス・ストロールは,これまた皆さんご存知のようにチームオーナーであるローレンス・ストロールの息子ですから,今季で解雇されないことはほぼ間違いなく,ベッテル&ストロールという体制になるでしょう。
2020/09/10(木)
☆ご褒美?(F1)
○第8戦イタリアGPの決勝は,波乱の展開の中スクーデリア・アルファタウリ・ホンダのP.ガスリーが自身初となる勝利を収めるという,まさに様々なことが起こったこの大会を象徴するかのような結果となりました。その注目を浴びた同チームに関して,9月9日(水)にホンダの航空機事業子会社である『ホンダ・エアクラフト・カンパニー』から発表があり,『HondaJet Elite(ホンダジェット・エリート)』を同チームにデリバリーしました。今後は,ヨーロッパを拠点として役員やドライバーなど関係者の移動等にこのホンダジェットが使用されることになります。イタリアに拠点を置くスクデーリア・アルファタウリ・ホンダは,ご存知のようにレッドブルのジュニアチームです。レッドブルとホンダといえば,当然現在レッドブル系の2チームにホンダ製パワーユニット勢が供給されています。また,4輪の最高峰であるF1だけでなく,2輪の最高峰であるMotoGPに関しては,そのMotoGPにおけるホンダのワークスであるレプソル・ホンダ・チームにもスポンサーとして提携しています。こうした両社の関係性を象徴するかのような,そして,あたかも結果として優勝をお祝いするかのような今回のホンダジェット提供となりました。
2020/09/09(水)
☆着々と(F1)
○かつて栄光を誇ったウィリアムズですが,近年は資金難とそれに伴う戦闘力不足でかつての栄光は見る影もなくなっていました。そうした状況からチーム売却の噂が絶えずあり,ついに先月アメリカの投資会社である『ドリルトン・キャピタル』にチームを売却しました。その後も,チーム創設者であるF.ウィリアムズが名義上は代表を務め,その娘であるC.ウィリアムズが副代表として実質的なチーム運営をしていました。しかし,週末に終了した第8戦イタリアGPをもってその職が解かれ,チーム創設以来ずっと中心的に運営してきたウィリアムズ家が手を引くことになりました。それに伴い同チームから発表があり,新たな体制として6月にマネージングディレクターとしてチームに加わったS.ロバーツを暫定的なチーム代表に任命しました。今回チーム代表となったロバーツは,かつて長年にわたってマクラーレンでオペレーションディレクターを務め,その後同チームのCOOに就任。2009年に1年間だけフォース・インディアに同じくCOOとして出向し,その後再びマクラーレンに戻ってエンジニア等を行っていました。先週は新たな取締役を発表していますし,チーム売却に伴って新たな体制を着々と進めてきている感じがしますね。
2020/09/08(火)
☆名称変更(F1)
○アルファタウリ・ホンダのP.ガスリーの自身初優勝でわいた第8戦イタリアGPでしたが,その決勝レースにおいて,母国GPとなるフェラーリがどちらもリタイアに終わったのに対して,ルノーはD.リカルドが6位,E.オコンが8位とダブル入賞を果たしました。ここ数年ワークスチームとしては期待された結果が残せておらず,F1からの撤退を噂されるほどでした。しかし,先日コンコルド協定を締結し,今後もF1への参戦を継続することが確認されましたし,今回の決勝レースでいい結果を残しています。その決勝が行われた9月6日(日)に,ルノーから来季以降のことについて発表がありました。それによると,来シーズンからのチーム名を『アルピーヌF1チーム』とすることになりました。この『アルピーヌ』は,レースファンにとってお馴染みのもので,ルノーにおけるスポーツカーブランドで,これまでラリーや耐久レースで輝かしい結果を残してきています。来季からこの栄光ある名称を使用するわけですから,ルノーとしてはF1への参戦継続が本気であることを示したと考えられます。今回のチーム名変更により,マシンのカラーリングも変更となるようです。現在はルノーのコーポレートカラーであるイエローとブラックを基調としたものですが,来季からは,フランスのナショナルカラーである白,青,赤の3色を基調としたものになるようです。ただ,パワーユニットに関しては,これまで通りルノーブランドでの参戦となります。
2020/09/07(月)
☆初優勝!!(F1)
○第8戦イタリアGPの決勝レースが,レースウィークを通じてドライコンディションとなったモンツァ・サーキットで行われました。この日のレースは,マシントラブルやアクシデントにより,複数回セーフティカーが導入されたり,赤旗が提示されてレースが一旦中断したりと波乱の展開となりました。その中でも勝敗に大きな影響を与えたのは,ハースのK.マグヌッセンのマシントラブルでした。そのマグヌッセンは,トラブルでマシンを止めたのですが,その位置がピットレーンの手前でした。ちょうどそれがピットインのタイミングだったため,ポールからスタートしていつものように首位を走っていたメルセデスAMGのL.ハミルトンはセーフティカー先導の中でピットインをしてしまいました。もう一人アルファロメオのA.ジョビナッツィもピットインし,他のドライバーはチームの指示によりステイアウトを選択しました。実は,この段階でピットロードはクローズとなっていたのです。当然ピットインした2台はペナルティの対象となり,ハミルトンはトップに立っている中10秒のペナルティストップが科され,順位を大きく下げることになりました。そこでトップに立ったのが,今回の波乱のレースを乗り越えて順位を上げていたアルファタウリ・ホンダのP.ガスリーでした。ガスリーもマグヌッセンのリタイア時にピットインしていたのですが,クローズになる前だったために違反とはなりません。それが功を奏してハミルトンがペナルティを受けたことでトップに立ったガスリーは,終盤に入ってマクラーレンのC.サインツJrが徐々に差を詰めてテールトゥーノーズ状態となりましたが,最後までノーミスで走行し,コンマ415秒差で見事初優勝を達成しました。フランス人ドライバーの優勝は,1996年にO.パニス(この時は無限ホンダ!)がモナコGPにおいて優勝して以来24年ぶりとなります。今回がチームにとって母国GPとなるわけですが,さらにホンダとタッグを組んでちょうど50戦目となります。こうしたチームにとって記念すべき大会で,ガスリーは見事勝利を収めたことになります。3位にレーシング・ポイントF1のL.ストロールが入り,初表彰台を獲得しています。他のホンダ製パワーユニット勢ですが,ガスリーのチームメイトであるD.クビアトは9位でチェッカーを受け,アルファタウリ・ホンダ勢にとってはいい結果となりました。しかし,レッドブル・ホンダ勢は奮わず,A.アルボンは完走したものの15位でチェッカー,M.フェルスタッペンはマシントラブルでリタイアに終わっています。
2020/09/06(日)
☆別次元(F1)
○第8戦イタリアGPの予選が,この日も晴天となったモンツァ・サーキットで行われました。今大会は予選と決勝で同じエンジンセッティングを使用しなければならないようになっていて,いわゆる「予選モード」「パーティモード」と呼ばれているブーストは使用できません。そのため,ここまで圧倒的速さを誇ってきたメルセデスAMGのマシンが,これまで通りとなるのか注目となっていました。そして,いざ蓋を開けてみると,メルセデスAMGにとっては,今回のレギュレーションは全く影響がないことが分かりました。というのも,いつものようにメルセデスAMG勢のワンツーとなり,フロントローを独占したからです。しかも,ポールを獲得したL.ハミルトンはコースレコードをマークしましたし,2番手タイムのV.ボッタスとの差はわずか1000分の69秒差だったものの,3番手タイムをマークしたマクラーレンのC.サインツJrとの差はコンマ808秒と,メルセデスAMGの2台は他を圧倒する別次元の走りを見せたのです。それに対して,母国GPとなるフェラーリ勢は相変わらず不調で,S.ベッテルはQ1で,C.ルクレールはQ2で敗退となっていて,メルセデスAMGとフェラーリが明暗を分けています。いつもは3番グリッドにつくことが多いレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンですが,超高速サーキットであるモンツァにマシンが対応できていないのか,5番グリッド獲得にとどまっています。他のホンダ製パワーユニット勢は,レッドブル・ホンダのA.アルボンとアルファタウリ・ホンダのP.ガスリーはQ3に進出し,それぞれ9,10番グリッドを獲得しています。唯一Q3進出を果たせなかったアルファタウリ・ホンダのD.クビアトは,惜しくも11番グリッドとなっています。
2020/09/05(土)
☆禁止でも(F1)
○第8戦イタリアGPが快晴となったモンツァ・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。今回はこれまで使われていた「予選モード」が禁止されていて,各車のタイムがどうなるのか,そして各チームがどのような作戦を採っていくのかが注目されていました。ここまでほぼどのサーキットでもワンツーを果たしてきたメルセデスAMG勢でしたが,予選モード禁止によってタイム的にどうなるのか気になるところでしたが,蓋を開けてみると,やはりメルセデスの速さがずば抜けたものであることが証明されました。2回のフリー走行でトップタイムをマークしたのは,ここまでランクトップをいくL.ハミルトンでした。チームメイトのV.ボッタスがそれに続き,メルセデスAMG勢が総合タイムでワンツーフィニッシュを果たしました。しかも,その2台のみが1分20秒台をマークしていて,総合3番手タイムだったマクラーレンのL.ノリスは,ハミルトンからおよそコンマ9秒遅れでした。ホンダ製パワーユニット勢ですが,ここまではほぼレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンがトップでしたが,そのフェルスタッペンは総合5番手タイムで,そのフェルスタッペンを上回って総合4番手タイムだったのは,アルファタウリ・ホンダのP.ガスリーでした。初日はアルファタウリ・ホンダ勢の方が好調で,アルファタウリ・ホンダのD.クビアトが総合7番手,レッドブル・ホンダのA.アルボンが総合9番手タイムで初日を終えています。
2020/09/04(金)
☆終焉(F1)
○ウィリアムズといえば,マクラーレンと同様F1を代表するプライベーターで,ここまでドライバーズタイトルを7回,コンストラクターズタイトルを9回獲得するという数々の栄光を獲得してきました。しかし,近年は資金力不足とそれに伴う戦闘力不足とが螺旋階段のように絡み合って成績が低迷し,ここ2年間はチームタイトルで最下位となっています。こうした状況を打開するためにちーむの売却先を模索し,ついに8月21日(金)にアメリカの民間投資会社である『ドリルトン・キャピタル』にチーム全体を買収したことを発表しました。チームは売却するものの,これまで同チームはチーム創設者であるF.ウィリアムズ,そして彼が退任後の2013年からは娘であるC.ウィリアムズが代表となっていて,チームが創設された1977年以来ずっといわゆる家族経営としての歴史が続いてきていました。さらに,今回のチーム売却以後もクレアはその立場を維持しようとしていましたが,チーム名に「ウィリアムズ」は残るものの,チーム経営に残ることは叶わず,取締役としてドリルトン・キャピタル会長のM.サベージとCEO兼共同創立者であるD.フルツ,『エデン・ロック・グループ』CEOのJ.マシューズが新たに加わることになると共に,今週末に行われるイタリアGP終了後にクレアは退任することになりました。この結果,43年間にわたって続けられてきたウィリアムズ家による経営は,今週末で終焉を迎えることになります。
2020/09/03(木)
☆開催中止(JRR)
○沖縄を直撃した台風9号は,九州の西海上を通って朝鮮半島の方に移動していきました。これを入力している段階では,幸いなことに我が大分県にはさほど大きな影響を与えないままで終わりそうです。しかし,その次に発生している台風10号については,どうやら九州を中心とした西日本に大きな影響がでそうな心配があります。特に,海面温度が高い状態が続いていて,これが台風にエネルギーを与え,かなり大きなエネルギーを保持したまま日本を直撃しそうな勢いです。そのような中,岡山国際サーキットから発表があり,明後日から開催される予定だった『2020 MFJ 全日本ロードレース選手権 第2戦 スーパーバイクレースin 岡山』を中止することになりました。これは,もちろん台風10号によるものです。岡山を直撃する心配はないようですが,何せ大型で強い勢力を有している台風ですから,岡山にも少なくない影響が出ることは間違いないでしょう。エントラントや観客の安全を考えると,そして移動等も考慮に入れると,早い段階で決断せざるを得なかったのは仕方ないことです。昨日は,遅ればせながら今季全4戦で組まれていた改訂版レーススケジュールが1戦増え,最終戦を鈴鹿とした全5戦に増えたことをお伝えしたばかりでしたが,今回の中止決定により,再び全4戦に戻ってしまいました。なお,現段階で岡山の代替開催についての発表はありませんが,レース日程等を考えると,そうした点が実施されることはないでしょうね。
2020/09/02(水)
☆復活(JRR)
○ちょっと前になりますが,8月25日(火)に鈴鹿サーキットを運営する株式会社モビリティランドから発表があり,JRRの最終戦として10月31日(土)〜11月1日(日)に『第52回MFJグランプリ スーパーバイクレース in 鈴鹿』を開催することになりました。今シーズンのJRRは,新型コロナウイルス感染拡大により,当初組まれていた今季のレースカレンダーが開催不可能となり,6月末に全4戦となる改訂版のレースカレンダーが発表されていました。その4つのレースでは,コロナ禍と鈴鹿8耐開催延期との関係があって,鈴鹿での開催が全てなくなっていました。ところが,11月1日(日)に決勝が予定されていた今季の鈴鹿8耐開催が中止となったため,ここに空きが生じました。そこで当初この期間に組まれていたJRR最終戦鈴鹿が復活することになった訳です。そして,改訂版のレースカレンダーで『MFJ-GP』とされていたツインリンクもてぎでの第4戦が最終戦でなくなりましたが,通常このMFJ-GPはシーズン最終戦に用いられる名称で,例年鈴鹿サーキットがこの大会を開催してきていました。今回の第5戦開催決定により,鈴鹿でのMFJ-GPが復活することになりました。
2020/09/01(火)
☆提携解消(SBK)
○今シーズンのSBKにおけるホンダの活動は,HRCが主体となったワークスであるTeam HRCと,日本を代表するホンダ系コンストラクターであるモリワキがアルティアレーシングとがコラボしたMIEレーシング・アルティア・ホンダ・チームの2チームでフル参戦しています。昨シーズンからフルモデルチェンジしたCBR1000RR-Rを投入していますが,他のメーカーがポテンシャルアップを果たしているマシンを使用しているのに対し,新型だけにまだ熟成が進んでいないことから,なかなかいいリザルトが残っていない状況が続いていました。しかし,ようやく週末に行われた第4戦アラゴンのスーパーポール・レースにおいて,Team HRCのA.バウティスタが3位に入り,ホンダとしては2016年以来となる表彰台を獲得しました。しかし,今シーズンからようやく世界に進出することができた高橋巧とL.ガベリーニが所属するホンダのサテライトチームであるMIEレーシング・アルティア・ホンダ・チームは,ポイント獲得もままならない状況が続いています。こうした中,第4戦終了後にMIEレーシング・アルティア・ホンダ・チームから発表があり,この大会をもってMIEレーシング(モリワキ)とアルティアレーシングのパートナーシップを終了することになりました。SBKにおいては,昨シーズンから提携関係にある両者ですが,次戦からはチーム名が『MIEレーシング・ホンダ・チーム』としてモリワキ単独での参戦となり,ライダーについては高橋巧の1台体制となります。ただでさえデータが少ないマシンなのに,さらに1台体制となり,それが今年初めての海外フル参戦となる高橋巧となると,チーム及びライダーにとってはかなり今以上に厳しい状況となることは十分予想されます。何としてもこの状況を乗り越えていってほしいものですね。
 

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