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最新ニュース
2008/12/26(金)
☆3レース制(BSB)
○昨年,一昨年と清成龍一がチャンピオンを獲得し,今シーズンは前JSB1000クラスチャンピオンの渡辺篤がフル参戦をした(来シーズンはチームを移籍してフル参戦を継続することになっています)イギリス国内で行われているBSBシリーズが,先日新たな取り組みについて発表しました。スーパーバイク系レースの最高峰であるSBKもそうですが,BSBは通常1大会2レース制で開催しています。来シーズンも基本的にはその形で開催されるのですが,8月7日開幕のブランズハッチと,10月9日開幕のオールトンパークの大会については,3レース制がとられることになりました。もちろん,1日に3レースするわけではありません。通常は決勝日となる日曜に2レースが行われますが,この2つの大会については,土曜日に1レースが行われ,残りの2レースを日曜日に行うという形をとります。。ということで,来季のBSBは,12大会26レースでの開催となります。
      
※今年は,これが最後の更新となります。1年間ご覧くださいましてありがとうございました。11月末には,突然の病で入院を経験しました。「寄る年波には勝てないな」ということを実感しました。来年以降も,これまでと同じような「毎日更新」という形を継続できるかどうか心配なところがあります。しかし,体と相談しながらではありますが,基本的にこの方針を継続してやっていきたいと思っています。来年もよろしくお願いします。
2008/12/25(木)
☆提携(F1)
○F1では,優秀なドライバーを自チームに迎えるため,早くから優秀な若手を発掘,育成するという流れをつくってきています。今シーズンのチャンピオンに輝いたL.ハミルトンも,マクラーレンが構築しているそうしたシステムで育ってきたドライバーの一人です。そして,この度ワールドシリーズbyルノーに参戦しているインターナショナル・ドラコ・レーシングと,フォースインディアF1チームとの間で提携が結ばれたことの発表がありました。1988年にチーム創設となったドラコですが,この20年の間で7回ヨーロッパ選手権を制し,8人のF1ドライバーを輩出した名門チームです。今回の提携により,ドラコはフォースインディアと同じカラーリングのマシンを2009年に走らせることになります。下位のカテゴリーから最高峰であるF1までのルートが確立できることになったわけですから,両チームにとって大きなメリットをもたらす可能性が高い提携と言えるでしょうね。
2008/12/24(水)
☆新候補(F1)
○先日F1からの撤退を表明したホンダですが,チームの買収先については,いくつかの候補が挙がっているようです。その中で一番の候補といわれているのが,プロドライブ社のD.リチャーズです。同社はスバルと組んでWRCにおいて活躍してきましたが,スバルがWRCから撤退することになってしまいましたので,WRCでの活動継続が難しくなってしまいました。そのことが,さらにF1へ主軸を移すことになるのではないかという憶測を強める結果となっています。実際,リチャーズは,投資家と話をするために中東を訪れたという報道もなされています。そのような中,新たな候補者の名前が挙がってきました。それは,電気通信関連会社である『テレメックス』社のオーナーであるC.スリム氏です。メキシコ出身の彼は,「世界第2の富豪」と言われていて,『ザ・サン』紙の報道によれば,彼が所有する大型ヘリでチームの本拠地に乗り込んだとのことです。もし彼が買収すると,既にチームと契約が済んでいるJ.バトンのチームメイトに誰がなるのかと言うことに関して,一つの方向性が見えてきます。それは,『音速の貴公子』としてお馴染みの故A.セナの甥であるB.セナがシートを獲得できるのではないかということです。その根拠として挙げられているのは,ブルーノがテレメックス社の子会社である『エンブラテル』社の支援を受けているということです。現在のような世界的経済状況ですから,巨額な費用が必要となるF1のチームを買い取るところが現れるのか心配されるところがありますが,どうやら何とかなりそうな気配を感じさせる状況にはなってきていますね。まあ,結論が出るまでは安心できないのでしょうが。
2008/12/23(火)
☆変更(SGT)
○GTを主催するGTアソシエーションから,来シーズンのスポーティングレギュレーションの改定について発表がありました。チーム間の均衡を保つため,ウェイトハンディ制が敷かれているSGTですが,この制度が,場合によっては逆にレースのおもしろさをそぐ結果になっている面もあります。ウェイトが加算されていくと不利になるため,場合によってはそのウェイトを降ろすためにあえて順位を下げるというような場面がこれまでにもしばしば見られていました。こうした点を防ぐため,今回から新たなウェイトハンディ制が盛り込まれています。具体的に見ると,来シーズンは全9戦が予定されていますが,その内の第6戦までは総得点×2sのウェイトハンディが課せられ,第7,8戦は総得点×1sのハンディが,そして最終戦はハンディが0となる内容に変更となりました。また,ウェイトの軽減や性能引き上げ措置は撤廃されます。ウェイト軽減措置がなくなるわけですから,ともかく順位を一つでも上げざるを得なくなりますし,チャンピオンのかかる後半戦は,全車がそれまで抱えていたウェイトが半分になりますので,あえてウェイトを降ろすための順位操作が不必要となるのです。また,今シーズンの問題点として浮上していたのが,最終戦におけるGT300クラスのレース結果です。最終ラップに入る段階でGaraiyaとレオパレスZとのチャンピオン争いとなっていました。そのままの順位でいくとGaraiyaに王座がわたるところだったのですが,最終ラップに入ってレオパレスZの前を走行していたダイシンADVAN Zが突然スロー走行となって最後の最後で順位を1つ上げたことにより,レオパレスZにチャンピオンの座がわたるという結果となってしまいました。同じメーカー同士のマシン間による順位変動だっただけに,最終的にはそのリザルトが有効になったものの,かなりグレーゾーンに入ったものでした。この反省に立ち,チーム及びメーカーオーダーと疑われる行為を防止するため,GTアソシエーションが全ての調査権を有することになり,走行データの提出を求めたりすることができるようになりました。また,まだ決定ではないものの,無線データの提出も求められるようになるかもしれません。さらに,コスト削減も重要なポイントですが,この点についても変更がありました。まずタイヤについてですが,使用タイヤ数が,今シーズンより1セット削減されることになりました。また,ピットレーンにおけるメカニックの人数制限が行われます。さらに,GT500クラスについては,1つのエンジンを3レース以上使用しなければならなくなりました。
2008/12/22(月)
☆危機(F1)
○世界的な金融危機は,日本メーカーがモータースポーツの一部から撤退するという影響を及ぼしたりしていますが,これは日本に限ったことではありません。世界に数多くあるレースに主軸を置いたメーカーも,同様に危機に瀕してきています。その中の一つが,『メカクローム』社です。モータースポーツのエンジンメーカーである同社は,以前F1のルノーエンジンの開発及び供給を担当していました。現在は,GP2シリーズの主要サプライヤーとして活動しています。そのメカクロームが,先日本社のあるカナダで破産手続きを開始したとのことです。しかも,かなり経営の再建が厳しい状況にもあるようです。自動車メーカーは,経営を安定させるためにモータースポーツから撤退ということを選べますが,モータースポーツ自体に重きを置いているメーカーはそういうわけにはいきません。今後も,経営危機に瀕するメーカーが増えないといいのですが・・・。
2008/12/21(日)
☆こけら落とし(JRR&SGT)
○現在,鈴鹿サーキットは,パドックビルをはじめ,観客席等いろいろな箇所の大規模改修工事を行っています。そして,その改修工事終了後にこけら落としとして行われることになっているレースが,鈴鹿で恒例となっている『鈴鹿2&4』です。先日,鈴鹿サーキットからその『2&4』の開催概要が発表されました。これまでのこの大会は,JRRの最高峰クラス(現在はJSB1000クラス)とフォーミュラ・ニッポンとがコラボして行われてきました。しかし,来年の大会は,2輪のJSB1000クラスに変更はないものの,4輪の方はスーパーGTとのコラボに変更となりました。JRRにしてもSGTにしても,この大会はそれぞれのシリーズの第2戦として行われます。なお,通常それぞれのシリーズでは,共催として何らかのサポートレースが行われていますが,レース距離等の関係からこの2つのレースのみが行われるようです。また,タイトルスポンサーとして,2輪,4輪の燃料系,駆動系等様々な分野のパーツを供給している総合システムメーカーで,ホンダの系列会社でもある『ケーヒン』が就くことになり,大会名が『ケーヒン 鈴鹿2&4レース オープニングスペシャル』となっています。
2008/12/20(土)
☆アジア(F1)
○マクラーレン・メルセデスとフェラーリが,それぞれ新たなスポンサー契約を発表しました。まずマクラーレンですが,新たなパートナーとして中国系のPCメーカーであるレノボ社と組むことになりました。レノボは,これまでウィリアムズとの契約がなされていましたが,来シーズンからはマクラーレンのマシンにそのロゴがつくこととなります。現在のF1は,マシンから数々のデータを走行の一瞬一瞬にとることができます。それらを生かすことができるかどうかは,データ処理能力が重要なものとなります。それだけに,世界的なコンピュータメーカーとの提携は,チームに大きな恩恵をもたらすことになります。とりわけマクラーレンについては,こうしたコンピュータ技術を生かすことに早くから取り組んでいて,ピットへ情報が送られるだけでなく,世界中のどこからでも膨大なデータを受け取ることができるようなシステムを構築していますので,より一層レノボの技術が生かされることになるわけです。
次にフェラーリですが,インドの自動車メーカーであるタタ社とのスポンサー契約が成立しました。奇しくも,こちらもウィリアムズと契約していた会社です。イタリアを代表するフェラーリに,インドを代表するタタがスポンサーとして就くわけですから,ある意味歴史的なことと言えるかもしれません。ただ,両社の関係はこれまで全くなかったわけではなく,フェラーリの親会社であるフィアットとタタとの間では,自動車製造に関して共同事業を手がけているということがあります。そうしたことから,今回のスポンサー契約は,全くあり得ない提携ではないわけです。
レノボにしてもタタにしても,どちらもアジア系の企業です。ここ数年のF1は,ヨーロッパを離れ,中東やアジアなどの地域での開催が増えてきています。今回の契約を見ると,レース開催だけでなく,技術やスポンサーマネーからもアジアの進出が顕著になってきたというような印象がもてますね。
2008/12/19(金)
☆同人数(MotoGP)
○昨日はMotoGPクラスの暫定エントリーリストをお伝えしましたが,今日は残りの250ccクラスと125ccクラスをお伝えします。とは言っても,両クラスの全員となると人数が多いので,日本人ライダーについてのみお伝えすることとします。まず250ccクラスですが,KTMが同クラスからの撤退を表明したことによりシートを失うことになってしまった青山博一ですが,既に噂としてはあがっていたのですが,その噂通りスコット・レーシング・チームからエントリーすることになりました。つまり,クラスは違うものの,高橋裕紀とチームメイトということになります。ホンダの意向にもよりますが,場合によっては青山の成績次第で,来シーズン以降二人が同じチームで最高峰クラスに参戦なんていうことも考えられなくはないですね。まあ,マシンの供給台数などの絡みがありますから,そう簡単でないことは確かですが・・・。そして,新たにGPに登場することになったのが,今シーズンJRRのこのクラスでランキング2位になった富沢祥也です。チャンピオンを獲得した高橋巧は,来季もJRR(出場クラスはどうなるかわかりません)にとどまりますが,富沢は一足先にGP進出となります。今シーズン行われた日本GPでは,富沢がワイルドカードで出場した日本人ライダーの中で予選,決勝共に最高位を獲得していますが,この時の走りが認められてのGP進出ではないかと思われます。
125ccクラスは,今シーズンと同じく小山知良と中上貴晶の二人がフル参戦します。ただし,小山については,KTMから離れて中国のメーカーであるロンシンのワークスチームからの出場となります。今シーズンからGPにおいてワークス活動を開始したロンシンですが,そう簡単に上位争いできるほどGPの世界は甘くありませんでした。現実問題で考えると,来シーズンもそう状況に大きく変化は現れないと思いますので,小山は苦しいレースを強いられることになるとは思います。小山自身も恐らくその覚悟はあった上での契約でしょうから,長い目で見守るのがいいのかもしれません。
ということで,3クラスとも暫定エントリーリストをお伝えしましたが,今シーズンと比べるとメンバーや参戦クラス,所属チーム等に変化はあったものの,全体的なフル参戦ライダーの人数は,今季も来季も同じということになります。
      
2009年250cc&125ccクラス・エントリーリスト(暫定)
クラス ライダー チーム マシン
250cc 青山 博一 スコット・レーシング・チーム ホンダ
48 富沢 祥也 チーム・CIP
    
125cc 71 小山 知良 ロンシン・レーシング ロンシン
73 中上 貴晶 WWC アプリリア
2008/12/18(木)
☆暫定エントリーリスト(MotoGP)
○FIMから来年のエントリーリストが発表されました。MotoGPクラスに関しては,既に各チームとも今シーズン終了段階でシートが決まっていたところがあり,今回発表されたリストを見ても,その通りのメンバーとなっています。今回の発表は,あくまでも暫定ですが,このクラスに関しては,よほどのことがない限りこのままの状態で来シーズンを迎えることになりそうです。内容を見てみると,新たにこのクラスのライダーとなったのが,ホンダの高橋裕紀,ドゥカティのM.カリオ&N.カネパの3人で,ドゥカティのS.ジベルナウが久々にGPへ復帰してきました。J.ロレンゾが,パーソナルマネージャーとの契約解除と関連して,ゼッケンが99へと変更になっています。3年ぶりにチャンピオンに返り咲いたV.ロッシですが,通常のライダーはチャンピオンナンバーであるゼッケン1をつけますが,ロッシはこれまでもそうだったように,いつも通りゼッケン46を使います。まあ,恐らくマシンやつなぎのどこかには,ゼッケン1がワンポイントのようにつけられるとは思いますが。
       
2009年MotoGPクラス・エントリーリスト(暫定)
ライダー チーム マシン
D.ペドロサ レプソル・ホンダ・チーム ホンダ
A.ドビツィオーゾ        〃
C.エドワーズ テック3・ヤマハ ヤマハ
C.バーミューレン リズラ・スズキ・MotoGP スズキ
14 R.ド.ピュニエ LCR・ホンダ・MotoGP ホンダ
15 A.デ.アンジェリス サンカルロ・ホンダ・グレシーニ
21 J.ホプキンス カワサキ・レーシング・チーム カワサキ
24 T.エリアス カンカルロ・ホンダ・グレシーニ ホンダ
27 C.ストーナー ドゥカティ・マールボロ・チーム ドゥカティ
33 M.メランドリ カワサキ・レーシング・チーム カワサキ
36 M.カリオ プラマック・レーシング ドゥカティ
46 V.ロッシ フィアット・ヤマハ・チーム ヤマハ
52 J.トーズランド テック3・ヤマハ
59 S.ジベルナウ グループ・フランシスコ・エルナンド ドゥカティ
65 L.カピロッシ リズラ・スズキ スズキ
69 N.ヘイデン ドゥカティ・マールボロ・チーム ドゥカティ
72 高橋 裕紀 スコット・レーシング・チーム ホンダ
88 N.カネパ プラマック・レーシング・チーム ドゥカティ
99 J.ロレンゾ フィアット・ヤマハ・チーム ヤマハ
2008/12/17(水)
☆新たに(WRC)
○世界的な経済情勢の悪化が,ホンダのF1撤退,スズキのWRC活動休止と具合にモータースポーツに影響を及ぼしました。そして,昨日発表があり,スバルがWRCにおけるワークス活動を終了することが決定しました。スバルはイギリスのプロドライブ社と手を組み,これまで19年間にわたってWRCにおいて活動してきました。その間,3人のワールドチャンピオンを生み,3回のマニュファクチャラータイトルを獲得しました。近年のWRCにおいては,三菱と並んで輝かしい結果を残してきたと言っても過言ではないでしょう。しかし,ここ数年は思うような成績が残らず,昨日触れたように2010年からはスバル(というか日本車)にとって不利となるレギュレーションが実施されることになっています。そして,現在のような経済状況となったことがとどめとなって,今シーズン限りでのワークス活動休止という結論に至ってしまいました。ただし,スズキがJWRCへのサポートを継続するのと同様に,WRCと併催で行われている市販車ベースのマシンで争われるPWRCへのサポートは,今後も継続していくとのことですから,完全にWRCから撤退するわけではありません。
2008/12/16(火)
☆1年で(WRC)
○世界的な経済不況は,先日ホンダがF1から撤退するという事態を招きました。ただ,これ以外にもモータースポーツに対する様々な影響が懸念されていましたが,残念ながら新たな展開が生まれてしまいました。それが,スズキのWRC活動休止です。スズキから出されたプレスリリースの一部を引用すると,世界的な経済不安に伴う自動車販売の縮小を受けて,各事業の見直しを進め,生産体制,環境対応技術,次世代パワーユニットの開発などに経営資源を集中する必要があると判断して,2009年以降のWRCの参戦を当面見送ることにしたとのことです。スズキのWRC活動は,2002年にJWRCへ参戦したことから始まりました。WRCへステップアップすることを目指して,JWRCへの参戦を昨年まで続け,ついに今シーズンからメインであるWRCへの本格参戦を果たしました。フル参戦1年目ですから,優勝及び表彰台獲得には届かなかったものの,ラリー・ジャパンなどで5位の成績を収め,1年目にしては十分とも言える結果だったのではないでしょうか。しかし,フル参戦わずか1年にして活動休止という判断をせざるを得ない状況となってしまいました。ホンダが苦渋の決断でF1から撤退したのと同じように,スズキもかなり苦しい決断を迫られたのではないかと思います。しかも,今回の判断は,スズキだけに終わらないのではないかという不安材料があります。あくまでも噂にしか過ぎないのですが,もしかしたらスバルも同様の判断をするのではないかと言われています。もしそうなったとしたら,来シーズンは日本メーカーがWRCから1社もいなくなってしまいます。これもまた異常事態と言うことになります。2010年からのレギュレーションについて,新しいWRカーはS2000のマシンをベースとするということが決まりました。もしそれがそのまま実行されると,S2000とはライバル関係にあるグループNに該当するマシン(スバルのインプレッサや三菱のランエポ)を中心に据えてきた日本メーカーは,戦略の見直しをしなければならなくなります。こうしたことも,スバルの撤退に拍車をかける懸念材料となりそうですから,WRCも当面気にかけておかなければならないようです。
2008/12/15(月)
☆残留(F1)
○フォースインディアが,来シーズンのドライバーについて発表しました。それによると,来季も今シーズンと同じく,レギュラードライバーにG.フィジケラとA.スーティルが,テスト兼リザーブドライバーにV.リウッツィのドライバーラインナップで行くことが決定しました。同チームのドライバーについては,当初今回のような残留という方向に行くのではないかと見られていました。ところが,今シーズンのフェラーリエンジンに代わって,来季からマクラーレン・メルセデスの支援を受けながらメルセデスエンジンを使用するようになったことから,ドライバーについてはマクラーレンの意向が反映されるのではないかという見方が出てくるようになりました。そして,G.パフェットやP.デ.ラ.ロサといった具体的な名前まで出ていました。しかし,今回の発表により,そうした噂に終止符が打たれたことになります。ジョーダン,ミッドランドF1,スパイカー,そして今シーズンからフォースインディアと目まぐるしく変遷を遂げてきたチーム運営,さらにエンジンもフェラーリからメルセデスへとなるだけに,ドライバーは固定して臨むという方向性は十分納得いくものではないでしょうか。今回の決定により,いまだにドライバーが一人も決定していないのは,トロロッソだけとなりました。佐藤琢磨の動向がとても気になりますね。
2008/12/14(日)
☆撤退費用(F1)
○イギリスの『The Times』の報道によると,ホンダがF1から撤退するために必要なコストは,もし新たな買い手が見つからなかった場合1億5千万ドルになるのではないかということです。撤退発表以後に明らかとなったのが,既にJ.バトンと契約を更新していたと言うことでしたが,撤退となると当然その補償しなければなりません。その費用は,3500万ドルを超えるのではないかというのです。また,ファクトリーで働く700人とも言われるスタッフに対しても,同様に補償が必要となります。その他,F1には部品関係等様々なサプライヤーが関係していますが,そうした方面にも契約解除に伴う費用が必要になるかもしれません。F1は,参戦を開始するにも,1年間レースするにも,そして撤退するにも,数百億単位の費用が必要となるのですから本当に大変ですね。
2008/12/13(土)
☆見送り(F1)
○F1を統括するFIAと,チーム代表で組織するFOTA等との会合がもたれ,コスト削減について話し合われました。その話し合いの結果,2010年から導入されることになっていたスタンダードエンジン(詳細は7日付のこのページを)の採用が,FOTAにより却下され見送られることになりました。しかし,エンジンに関するコスト削減も当然必要ですから,協議の結果一つのチームが1シーズンで使えるエンジン数が最大で20基に制限されると同時に,最大回転数にも制限が設けられることになりました。また,世界モータースポーツ評議会(WMSC)の協議の結果,1シーズンあたり4500万ポンドを支払うことにより,チームによっては独立したサプライヤーまたはマニュファクチャラーからエンジン供給を受けることができるようになりました。その他の削減策ですが,テストに関しては,レースウィーク終了後を除いたシーズン中のテストは禁止されるようになりました。また,タイヤや燃料に関する情報の共有化を図ることにより,各チームの人員削減にも取り組むことになりました。レース距離や開催期間の短縮等の削減にも取り組むことにより,来期以降30〜50%のコスト削減となるのではないかという観測がなされているようです。
2008/12/12(金)
☆新レギュレーション(MotoGP)
○2011年から現在の250ccクラスが廃止となり,新たに4ストローク600ccエンジンを搭載したマシンでのレースとなることが既に決定していましたが,そのレギュレーションがFIMより発表されました。それによると,まずクラス名は『Moto2』という名称となります。600ccの排気量となると,SBKの併催で行われているWSSと同じとなってしまいますが,大きな違いは,WSSが市販車マシンで争われるのに対し,Moto2はレース専用車であるプロトタイプマシンでなければなりません。シャーシは規定以内であれば自由ですが,市販車などからの流用は禁止です。ブレーキに関してですが,カーボン製のディスクブレーキは使用できません。エンジンは最大4気筒までで,気筒数によって最大回転数が制限されます。電子制御の燃料噴射装置であるECUは,主催者から提供されるものを使用しなければなりません。使用できるマシンの数ですが,ライダー1人に対して1台のバイクだけとなっていますので,スペアマシンを使用することができません。ただし,エンジンに関しては,1基だけだとマシントラブルが発生した時に出走できなくなってしまいますから,1イベントで最大2基までのエンジンを使用できます。そのエンジンに関してですが,何と買い取り制度があります。同じレースに参戦すると,レース終了後1時間以内に書面で申請すれば,2万ユーロで購入できるのです。ということで,このクラスはできるだけコストを抑え,しかもできるだけイコールコンディションで争われることを目指していると言えるでしょう。
       
☆連続(F1)
○ヘレステスト最終日の走行が,ドライコンディションの中10人のドライバーが参加して行われました。前日までの2日間にわたってトロロッソのステアリングを握ったS.ブエミが最速タイムをマークしましたが,最終日も同様にブエミが最速タイムをたたき出しました。来季トロロッソのシートを獲得する最有力候補と噂されている彼ですが,3日連続ファステストラップという結果を見ても,それが現実となる可能性が一段と高まったという印象が持たれます。トロロッソのマシンを駆った佐藤琢磨は,終日ステアリングを握り,前日と同じく2番手タイムをマークしました。つまり,トロロッソは,3日連続して上位を独占したことになります。琢磨も来シーズンのシートが決まっていませんが,トロロッソの有力候補の一人であることは間違いありません。今回のテストでもその速さを見せることができましたので,J.バトンの動向によってかなり流動的なところはありますが,シート獲得に向けて一歩前進したと言えます。琢磨自身も認めているところがありますが,後はいかにスポンサーマネーをチームにもたらすことができるかというところが大きな鍵の一つとなりそうです。
2008/12/11(木)
☆トップ3(F1)
○ヘレステスト2日目の走行が,ドライコンディションの中で行われました。その2日目ですが,いよいよ佐藤琢磨が自身3回目となるトロロッソのステアリングを握って登場しました。ただし,この日は,S.ブエミは終日ステアリングを握ったものの,S.ボーデが午前中,琢磨が午後からと二人入れ替わっての走行でした。2日目のトップタイムは,ブエミが2日連続でマークしました。ホンダの撤退によりトロロッソのシート獲得に少し黄色信号が灯っている琢磨が2番手,その琢磨とシート獲得競争をしているボーデが3番手タイムを出し,トロロッソがトップ3を独占しました。ただし,前回のテストもそうでしたが,現段階でのテストは,マシンやタイヤの仕様に随分違いがあるため,単純にタイムを比較することはできません。しかしながら,2日連続上位独占というのは,やはりそれなりにポテンシャルのあるマシンと言うことができるでしょう。4番手タイムをマークしたのは,マクラーレン・メルセデスのテストドライバーであるP.デ.ラ.ロサでしたが,この日は初めて09年仕様のフロントウィングを使用しています。今回のヘレステストは,今日が最終日となっています。
2008/12/10(水)
☆皮肉なことに(F1)
○ホンダのF1撤退に伴い,既にホンダとの契約が成立していた(撤退発表以後に明らかとなりました)J.バトンは,突然シート喪失の危機に立たされています。もしこのままホンダの売却先が見つからなかったら,そのシート喪失が現実のものとなります。ところが,ここに来てバトンにとって救世主が現れそうな状況となりました。それは,まだ来季のドライバーを発表していないトロロッソです。昨日から始まったヘレスでのテストで来季のドライバー候補が走行し,いわゆるオーディション的なものを行っているのですが,バトンに関しては,その実績からテスト参加の必要はないとトロロッソ側は判断しているようです。トロロッソのチーム代表であるF.トストは,バトンがウィリアムズ在籍時に共に働いた間柄だけに,より一層同チームへの移籍のハードルが低くなるでしょう。ところが,そうした状況で困ることになるドライバーが数人いるわけですが,その中の一人が佐藤琢磨です。若手とベテランという組み合わせを望んでいるトロロッソですが,そのベテラン枠の最有力が琢磨です。ところが,バトンも候補の一人となってしまうと,琢磨にとって非常に不利になってしまいます。琢磨とバトンと言えば,どちらもホンダとの関係が強いというか,ホンダと共に歩んできたとも言えるドライバー同士です。BARホンダ時代には,チームメイトでもありました。ところが,ホンダの撤退に伴い,その二人がシートを争うことになるかもしれないわけで,何とも皮肉なことになってしまいました。その琢磨ですが,今日から2日間にわたってヘレステストでトロロッソのステアリングを握ります。何とかさらなるパフォーマンスを見せて,このシート獲得競争を勝ち上がってほしいものです。また,バトンに関しては,ホンダの売却先(現在最有力となっているのが,以前BARホンダのチーム代表でもあったD.リチャーズが代表を務める『プロドライブ』です。)が見つかり,新たな出発となるチームでの活躍となるといいですね。
2008/12/9(火)
☆ダブルタイトル(WRC)
○今季最終戦となる第15戦ラリー・グレートブリテンの最終日の走行が行われました。前日までは,フォード・フォーカス RS WRC08を駆るJ−M.ラトバラが,シトロエン C4 WRCを駆るS.ローブに7秒以上の差をつけてトップに立っていました。ところが,既に今シーズンのチャンピオンを決めているローブが本領を発揮すると共に,ラトバラは半凍結路面を攻めるのに手を焼くという状況となりました。走行するたびにローブがベストタイムを刻んでいってラトバラとの差を縮め,SS18でついにトップに浮上。最終的には12秒以上の差をつけて今季11勝目を挙げました。全15戦中11勝ですから,まさにローブ全盛時代を象徴するシーズンとなりました。3位には,ローブのチームメイトであるD.ソルドが入っています。この結果,マニュファクチャラーズタイトルもシトロエンが獲得し,ドライバータイトルと合わせてダブるタイトル獲得となりました。ジャパンパワーでは,スバル・インプレッサ WRC2008を駆るP.ソルベルグの4位が最高でした。スズキ SX4 WRCを駆るP−G.アンダーソンは,ラリー・ジャパンと同じく5位フィニッシュを果たしています。2輪のMotoGPクラスチャンピオンに返り咲いたV.ロッシが,今回はフォード・フォーカス RS WRC07を駆ってスポット参戦していましたが,見事12位完走を果たしています。MotoGP引退後(いつになるかはわかりませんが・・・)は,WRCへの参戦を口にしているロッシだけに,そのポテンシャルを示した形となっています。
2008/12/8(月)
☆10年ぶり(JRR)
○先週木曜日(4日)に,JSB1000クラスとST600クラスにフル参戦しているハルク・プロが来シーズンの体制発表を行いました。まずJSB1000クラスですが,今季モリワキから同クラスにフル参戦していた山口辰也が移籍することになりました。山口は1997年から3年間にわたってハルク・プロに所属して250ccクラスにフル参戦していましたので,10年ぶりの復帰と言うことになります。ハルク・プロから今シーズンフル参戦していた安田毅史についてですが,シーズン前に負った怪我の回復が長引き,シーズン後半からようやくレースに復帰すると言った状況でした。ただ,復帰したとは言っても,実際には回復がまだ十分ではなかったようです。来シーズンに関しては,まだ正式発表はなされていないようですが,怪我の回復の方を優先するようです。恐らくハルク・プロとの関係は継続し,テスト&リザーブライダーの役割を果たすのではないかと思われます。もしかしたら,鈴鹿8耐には出場してくるかもしれませんね。ST600クラスについては体制に変更がなく,2年連続チャンプを目指すことになる小西良輝とヤングライダーの小林龍太という組み合わせになります。また,スポンサーについても変更がありました。ここ数年は『急募.com』がついていましたが,来シーズンからは,トランスミッションやカムシャフトなどの専門メーカーである『武蔵精密工業株式会社』がつくことになりました。ハルクも武蔵精密工業も,どちらもホンダとの強い関係がありますので,そのことが今回のスポンサー契約に結びついたのかもしれません。このスポンサー契約により,来シーズンのチーム名は「MUSASHI RT HARC−PRO]となります。
2008/12/7(日)
☆スタンダードエンジン(F1)
○ホンダのF1撤退は様々な波紋を投げかけていますが,その撤退の最大の原因は,何と言ってもコストにかかわることでしょう。年間500億円以上と言われるコストだけに,とりわけ現在の経済状況を考えると,コスト削減がF1にとって大きなテーマとなります。このところFIAが取り組んでいる削減策の一つが,スタンダードエンジンを使用すると言うことです。そして,そのエンジンに関する契約が発表され,これまでF1でも実績を上げている『コスワース』が,2010年シーズンからエンジンを独占的に製造することが決定しました。ただし,全てのチームがこのエンジンをしなければならないというものではなく,チームには3つの選択肢が与えられることになります。まず一つは,このコスワースエンジンを購入すると言うことです。一つでも多くのチームがこのエンジンを使用すれば,それだけ供給する単価を下げることができるようになるわけですから,当然その分コスト削減に繋がるわけです。二つ目は,コスワースから提供された仕様のエンジンをチーム自らが製造すると言うことです。三つ目が,現在使用しているエンジンと同スペックの自社製エンジンを使い続けるかというものです。もちろんコスワースエンジンが標準となるわけですから,二つ目,三つ目の選択肢の場合,出力などのパフォーマンスはコスワースエンジンを超えることができません。今回の発表は,エンジンだけでなく駆動系の供給に関することも含まれていて,エクストラックとリカルド・トランスミッションの2社がその供給権を獲得しています。4輪レースの最高峰のF1だけに,技術開発競争も大きな要素となります。しかし,いわゆるワンメーク的な要素が増えれば増えるほど,参加する意義や観戦する価値などが下がってしまうのも事実です。実際,来シーズンもルノーからフル参戦することになっているF.アロンソが,先日「スタンダードエンジンを導入することになったら引退を考えるかもしれない。」というような内容のコメントを出しています。彼が本当にするかどうかはもちろんわかりませんが,それだけワンメーク的になったらドライバーとしてもモチベーションが下がると言うことだと思います。とは言っても,コスト削減をしていかないとチーム自体が減少していく心配があり,そうなるとドライバーの活躍の場が減り,観る者にとってのおもしろさも減ることになります。F1は,今まさに大きな岐路に立たされているといえるでしょう。
2008/12/6(土)
☆撤退(F1)
○既に新聞やテレビ,Webサイト等で大きく報道されていて皆さんご存知のように,ホンダがF1から撤退することが決定しました。撤退の原因は,サブプライムローンに端を発する現在の経済状況で,年間500億円が必要と言われているF1での活動に予算を回すほどのゆとりがなくなったことにあるとのことでした。多くの企業が売り上げ不振という状況になっていますので,自動車メーカーとしてF1に参戦することが厳しい状況にありますまた,スポンサーとしてF1にお金を回すことも同様の状況にありますので,チーム側もスポンサーマネーの確保が厳しくなってきています。ですから,来年以降何らかの影響が出ることが心配されてはいましたが,まさかホンダがこんなに早く撤退を決定するとは皆さん思っていなかったのではないでしょうか。今年大不振を極めたホンダでしたが,それは,今季型マシンに早くから見切りをつけ,09年に向けた開発作業に専念していたこともその原因があります。来シーズンから大きくレギュレーションが変更となりますが,その中の一つにKERSというエネルギー回生システムの導入があり,ホンダはこのシステムに関して他のメーカーより一歩先を行っていて,09年はかなり期待が持てるのではないかと言われていました。にもかかわらず撤退するのは,今シーズンの意味自体を失うことになります。レースファンとしては筆舌に尽くしがたいほど残念でなりませんが,これはホンダ自体がそうなのかもしれません。特に,この苦渋に満ちた決定を下した(下さざるを得なかった?)福井威夫社長は,ずっとレース畑を歩んできた人だけに,何とも皮肉な結果となってしまいました。今後は,チーム売却に向けて取り組んでいくようです。現段階では,既にいくつかの有力な問い合わせが来ているとの報道もあります。なお,ホンダのレース活動の原点は2輪レースですが,その最高峰であるMotoGP,そしてワンメークとなっているアメリンフォーミュラマシンの最高峰であるIRLに関しては,規模がどうなるか不透明な部分はありますが,来シーズンも活動を継続するようになっています。また,ホンダが運営する鈴鹿サーキットは,来シーズン3年ぶりにF1が開催される予定(富士スピードウェイと隔年開催)になっていて,現在大規模な改修工事を行っています。その開催自体は,予定通り実施されることが決定しています。ただし,ホンダが撤退することで,観客動員に何らかの影響が出るかもしれませんね。もっとも,佐藤琢磨がトロロッソのシートを確保できるれば,ホンダ撤退の影響は最小限にとどまるのかもしれません。ただ,ホンダのシート獲得を狙っていたB.セナやR.バリチェロは,トロロッソのドライバー候補にもその名前が挙がっています。昨日お伝えしたように,シート獲得競争で琢磨が一歩出ていたのですが,ホンダ撤退がその獲得競争に影響を与えないといいのですが・・・。
ホンダの決定を受けて,もう一つのフル参戦日本メーカーであるトヨタの動向も気になるところですが,こちらに関しては,撤退と言うことは現段階ではないようです。
       
☆チャンピオン決定(SGT)
○GT500クラスについては,既にチャンピオンが決定していましたが,GT300クラスに関しては,暫定結果となっていました。これは,ARTA Garaiya側から抗議が出されていたからです。最終戦の最終ラップに入った段階では,ARTA GaraiyaとMOLAレオパレスZの2台にチャンピオン争いが絞られていて,そのままの順位で行くとARTA側がチャンピオンとなるところでした。ところが,最終ラップに入ってからダイシンADVAN Zが急にスロー走行となり,その後ろを走行していたMOLAが一つポジションをアップしてゴールできたため,MOLAにチャンピオンの座がわたるという形になってしまいました。ダイシン側によるとマシントラブル発生がスロー走行の原因となっていますが,順位を入れ替えたのが同じニッサンのマシンを使用しているチーム同士だっただけに,何らかの力が働いたのではないかという疑惑が生じてもおかしくない状況であったのも事実です。今回の控訴に対して昨日ARTAから発表があり,控訴を取り下げることになりました。JAFへの提訴以降SGTを運営するGTアソシエーションとの話し合いを重ねてきて,最終戦のような行為が二度と行われないよう,SGTスポーティングレギュレーションの改訂を来年から実施することが決定しました。この決定を受け,ARTA側が当初の目的を達成したということで控訴取り下げという決断に至ったようです。今回の決定により,暫定となっていたMOLAレオパレスZのチャンピオンが確定しました。やや後味の悪いところはありますが,来年以降はすっきりとした形でのチャンピオン決定となるよう関係者が取り組んでいってもらいたいと思います。
2008/12/5(金)
☆3回目(F1)
○12月8日(月)から4日間にわたり,スペインのヘレスサーキットでテストが行われる予定になっています。佐藤琢磨のマネージメントから発表があり,そのヘレステストに琢磨がトロロッソから参加することになりました。これまで同チームから2回テストに参加した琢磨ですが,とりわけ2回目のテストでは,初日がトップタイム,2日目が2番手タイムと,ドライバーによってマシンの年式やタイヤなどに違いがあってはっきりと比べることはできないものの,パフォーマンスをしっかりと見せつけることができました。3回目となるトロロッソでのテスト参加ですが,4日間ある内,琢磨は10,11日の2日間担当することになっています。いまだに来シーズンのドライバーが発表されていないトロロッソだけに,スーパーアグリF1の撤退以降失っているシートを確保するため,今回もパフォーマンスをしっかりと見せつける必要があります。2つあるシートの内,S.ブエミはほぼ当選確実と言われていますので,残るシートはあと一つ。それを佐藤琢磨,S.ブルデー,B.セナ,R.バリチェロの4人で争うといった構図になっています。現段階では,これまでの走りやスポンサーマネーの持ち込みといった点から,琢磨が一歩出ているのではないかと言われています。それをより強固なものにするため,さらに抜きん出た走りを見せることができるといいですね。
2008/12/4(木)
☆開催危機(F1)
○カナダGP(ジルビルヌーブサーキット),アメリカGP(インディアナポリス),フランスGP(マニクール)といったレースが,来シーズンのカレンダーから消えようとしています。また,中国GPなどのレースも,再来年以降の開催が危ぶまれています。それらの原因は,いずれも開催による赤字幅が大きいからです。さらに,ここに来てドイツGPの開催地であるホッケンハイムでの開催危機が,ドイツを中心にして盛んに報道されるようになりました。現在のドイツGPは,ホッケンハイムとニュルブルクリンクとの間で隔年ごとの交互開催となっています。その理由も,やはり毎年開催することが財政的に厳しい(ホッケンハイムの場合,500万ユーロの赤字が出ているようです。)からのようです。F1が開催された場合,GP自体は赤字であっても,たくさんの物や人が集まりますから,関連事業に落ちるお金は莫大なものとなります。ですから,州などの支援を受けることで,GP自体の赤字を補おうとする側面も一方であります。ホッケンハイムの場合,そうした支援が期待できなくなっている状況があるようで,それが開催危機の理由となっているようです。ホッケンハイムが開催できなくなっても,ニュルブルクリンクが毎年開催するだけの余裕はありませんから,最悪の場合ドイツGP自体が開催できなくなる可能性もあります。ドイツの英雄であるM.シューマッハ全盛の時は,ドイツにおけるF1への関心がかなり高くなり,1年に2大会が開催されていました。また,メルセデスやBMWと言ったドイツのメーカーが,現在もF1での活動を継続しています。そうした国であるにもかかわらず,開催危機が報道されるようになってしまいました。やはり,F1自体何らかの対策が必要な時代になっているのかもしれません。
2008/12/3(水)
☆契約延長(F1)
○スコッチウィスキーの『ジョニー・ウォーカー』ブランド(私が若い頃,『ジョニ黒』を飲むのが一つのステータスだったことが思い出されます。)でお馴染みのディアジオ社より発表があり,来シーズン以降もマクラーレン・メルセデスへの支援を継続することになりました。2005年からマクラーレンへのスポンサー活動を始めていますので,来シーズンでちょうど5年目となります。世界的な不況に見舞われているこのところの経済状況なだけに,年間2300万ドル(日本円で20億円超)のスポンサーマネーはとても貴重なものとなりますね。
2008/12/2(火)
☆冬休み(MotoGP)
○来シーズンに向けてのマシン開発は既に始まっていて,11月26,27日の両日にはスペインのヘレスサーキットにおいてホンダ,ヤマハ,ドゥカティの8チームが参加しての合同テストが行われました。また,ヘレスでの合同テストに参加していないカワサキとスズキについては,26日から3日間にわたってオーストラリアのフィリップアイランドにおいてプライベートテストを行っています。そこで得たデータを元に,恐らくそれぞれのファクトリーにおいてマシン開発をさらに進めているとは思いますが,12月1日からはレギュレーションによりテスト禁止期間に入りました。長いシーズンを戦ったライダーにとっては,来シーズンに向けて英気を養う冬休みに入ったと言えます。また,2ヶ月弱というやや長い期間になる冬休みですので,古傷のあるライダーにとっては,その傷を治療する期間に当てることもできます。実際,一旦はGPから引退したものの,来シーズンから2年のインターバルを経てGPへ復帰することになっているドゥカティのS.ジベルナウは,その引退原因となった怪我の治療のために埋め込まれていたプレートを除去する手術を受けることになっています。また,カワサキで2年目のシーズンを迎えることになっているJ.ホプキンスと,1年の間を経て古巣であるホンダ・グレシーニに帰ってくることになったT.エリアスも,ジベルナウと同様にプレートの除去手術を受ける予定です。今後の予定ですが,年が明けて最初の合同テストは,2月5日から3日間にわたってマレーシアのセパンサーキットで行われます。また,3月のはじめにカタールでの合同テストが行われ,3月末には最後の事前テストとも言える公式テストが行われることになっています。
     
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