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最新ニュース
2008/5/31(土)
☆ドライ&ウェット(MotoGP)
○MotoGPが開催されるサーキットの中でも,屈指の高速バトルが繰り広げられる場所の一つであるムジェロ・サーキットにおいて,第6戦イタリアGPが開幕しました。最高峰のMotoGPクラスは,午前・午後に1回ずつフリー走行が行われました。午前のフリー走行は,途中雨が降ったものの,終盤にドライコンディションとなり,午後のフリー走行は,完全ウェットの中での走行となりました。午前の走行でトップタイムだったのは,今シーズンからカワサキに移籍したJ.ホプキンスでした。雨を得意とするチームメイトのA.ウェストが3番手タイムで,カワサキ勢が好調な走りを見せました。2番手タイムは,ホプキンスと入れ替わる形でスズキに入った,地元イタリア人ライダーL.カピロッシでした。ハードウェットコンディションとなった午後の走行では,雨を得意とするスズキのC.バーミューレンがトップタイムをマークしています。2,3番手タイムは,それぞれレプソル・ホンダのN.ヘイデンと,ドゥカティのC.ストーナーでした。唯一のフル参戦日本人ライダーであるホンダ・グレシーニの中野真矢は,午前が5番手と好発進をしたものの,午後の走行では転倒を喫し,15番手タイムに終わっています。ワイルドカード参戦の岡田忠之は,午前が17番手タイムで,午後は中野と同じく転倒を喫してしまったものの,ポジションは一つあげて16番手タイムでした。
250ccクラスは,ウェットコンディション中で1回目の予選が行われ,ランキング2位を行くアプリリアのM.パッシーニが暫定ポールを獲得しました。暫定の2番グリッドは,ランキング4位を行くジレラのM.シモンチェリでした。一度もピットインをせず,連続走行に徹したアプリリアのH.バルベラが暫定の3番グリッドを獲得しています。KTMの青山博一は,暫定の4番グリッドを獲得して好発進をしています。ホンダの高橋裕紀は,暫定の15番グリッド獲得に終わっています。
125ccクラスも,ウェットコンディションの中で1回目の予選が行われ,午前中に行われたフリー走行でトップタイムだったジレラのP.エスパルガロが,予選でもトップタイムをマークして暫定ポールを獲得しています。暫定の2番グリッドは,ルーキーでアプリリアのマシンを駆るS.レディンが獲得しています。暫定の3番グリッドを,ポイントリーダーでデルビのマシンを駆るM.ディ.メッリオ獲得しました。KTMの小山知良とアプリリアの中上貴晶の日本人勢ですが,小山は転倒を喫してわずか6周しか走行できず,暫定35番グリッドに終わっています。中上も思うようにタイムをのばせず,小山に次ぐ暫定36番グリッドに終わっています。
2008/5/30(金)
☆契約延長(IRL)
○ホンダエンジンとIRLとの関係は,2003年から始まりました。そして,2004,2005年と2年連続ドライバー及びメーカーの両タイトルを獲得し,その速さを他メーカーに見せつけました。2006年からは,ホンダのワンメークとなって現在に至っています。先日アメリカでのモータースポーツ活動を統括するHPDから発表があり,IRLとの間で来年以降5年間のエンジン供給に関する契約延長が成立したことが明らかとなりました。今シーズンからチャンプカーシリーズを吸収合併したことで,IRLはアメリカにおけるオープンホイールレースでの最高峰の地位を築き上げました。それだけに,注目度も高まっていることでしょうから,ホンダ以外のメーカーの参入が期待できる状況となっています。今回の契約延長により,ホンダのワンメークが5年間続くことになるのか,ライバルの出現で新たなバトルが展開されるようになるのか,この点も注目と言えるでしょう。
2008/5/29(木)
☆就任(F1)
○元F1チャンピオンで,現在もフェラーリのアドバイザーとして時々レース現場で活動している皇帝M.シューマッハが,新しい役職に就くことになりました。今回彼が就くのは,FIAが新たに組織した『モータースポーツ安全開発ファンド』のチェアマンです。この組織は,モータースポーツの安全性を高めるために立ち上げたもので,活動の具体的なことはこれから明らかとなるでしょうが,若手ドライバーの育成,オフィシャルのスキルアップ等の活動があるようです。この組織のユニークな点は,活動内容だけでなく,その活動資金です。昨年F1界に衝撃を与えた出来事に一つに,マクラーレン・メルセデスの一部スタッフによるスパイ疑惑がありました。そして,その疑惑に対して裁定が下り,マクラーレンは1億ドルという巨額の罰金が科せられました。スーパーアグリF1の撤退に象徴されるように,資金難に苦しむチームがある中,安定した財政を誇るマクラーレンだからこそ何とか払えた金額とも言えるでしょう。今回の活動資金は,この罰金の内の6000万ドルを用いているとのことです。
2008/5/28(水)
☆新型エンジンで(MotoGP)
○今週末の舞台は,熱狂的な開催地の一つであるイタリアGPがムジェロ・サーキットです。この度HRCから発表があり,開発ライダーである『タディー』こと岡田忠之が,ワイルドカードで参戦することになりました。しかも,彼が使用するマシンは,現在のトレンドであるニゥマチック・バルブが採用された新型エンジンを搭載しているものです。通常のエンジンは,金属のパーツでバルブの開け閉めをしますが,これは高圧の圧縮空気をスプリングの代わりとして使用するもので,高回転を実現することができ,さらなるパワーアップにつながります。既に同仕様のエンジンを採用している他メーカーに比べると,最高速等で劣っているホンダだけに,この新型エンジンの投入が待たれているという現状があります。今回のワイルドカード参戦は,一日も早く実践に投入するためのものであることは明らかです。さて,その岡田は,GPにおける年間の最高ランキングが2位でした。今回のGP参戦は,2000年の最終戦オーストラリアGPをもって第一線を退いて以来となります。
2008/5/27(火)
☆九州(JRR)
○第3戦の決勝レースが,我が大分県にあるオートポリスで行われました。予選は雨の中での走行が強いられ,決勝レースもどうなるか心配されましたが,霧により視界不良になる時間帯があったものの,3万人弱の観客を迎え,徐々にドライコンディションへと変わっていく中でレースが進行していきました。JSB1000クラスは,ポールからスタートしたヨシムラの秋吉耕佑と,第2戦まで連勝してランキングトップを行くヤマハの中須賀克行の九州出身ライダーによるトップ争いとなりました。抜きつ抜かれつの展開がありましたが,徐々に秋吉が差を広げていき,見事ポールトゥーフィニッシュを達成しました。秋吉の優勝は,2006年の最終戦以来となります。3位争いは,九州出身でカワサキのマシンを駆る柳川明と,ヨシムラの酒井大作との争いとなりました。中盤までは柳川が3位を走行していて,九州出身ライダーによる表彰台獲得が期待されましたが,終盤に酒井が3位に浮上し,そのまま逃げ切りました。
ST600クラスは,序盤はここまでランキングトップをいく昨年のチャンピオンであるホンダの小西良輝がトップを走行していましたが,徐々に後続が追いついてきて,5台によるトップ争いとなりました。終盤になると小西とスズキの寺本幸司とのバトルとなり,ラストラップに突入。意地と意地との張り合いの中で両者は接触し,小西は何とか持ちこたえたものの,寺本は転倒しリタイアとなりました。結局,小西がそのまま逃げ切って開幕から3連勝を収めました。2位には,ホンダの野田弘樹が,3位には自らのチームを立ち上げてフル参戦しているヤマハの宮崎敦が入っています。
250ccクラスは,ホンダの若手ライダー高橋巧と,昨年のチャンピオンで,ヤマハのベテランライダーである宇井陽一との新旧ライダーバトルとなりました。二人の争いはファイナルラップまで続き,3コーナーでトップに浮上した高橋がそのまま逃げ切り,開幕から3連勝を達成しました。3位表彰台は,ヤマハの及川誠人が獲得しています。
125ccクラスは,中盤からホンダの菊池寛幸とヤマハの徳留真紀という超ベテランライダー同士のバトルとなりました。元GPライダー同士のバトルは最終ラップまで続き,メインストレートでトップに浮上した菊池がそのまま逃げ切り,第2戦に引き続いての連勝となりました。3位には,自身初の表彰台獲得となるホンダの浪平伊織が入っています。
GP-MONOクラスは,前日に決勝レースが行われる予定でしたが,天候及びコース不良のため日曜日に延期となっていました。予定外の延期だったため,宿泊や帰りの交通手段のチケット等いろいろな面でこのクラスの関係者は大変だったのではないかと予想されます。決勝レースの方は,6台によるバトルが展開されていき,最終的には谷川壮洋がうれしい初優勝を挙げています。2位,3位には,それぞれ乃村康友と長島哲太が入っています。長島の表彰台獲得は,自身初となります。
     
☆大混乱(F1)
○第6戦は,伝統のモナコGPです。決勝レースが行われる日曜日は,開幕前から雨の心配がされていましたが,その予想は当たり,序盤は雨の中でのレースとなりました。元々滑りやすい公道を使ってのレースだけに,この雨がレースに影響を与えました。オープニングラップからホンダのJ.バトンとBMWザウバーのN.ハイドフェルドとの接触事故に始まり,周回を重ねるごとに様々なアクシデントが発生していきました。ところが,30周を過ぎた頃には雨はほとんどやみ,コースはドライコンディションへと変化していきました。再び雨が心配される天気予報だったものの,各車ドライタイヤへと変更していきましたが,そのような中の61周目にウィリアムズのN.ロズベルグがクラッシュしたため,このレースで2回目となるセーフティーカーが導入されました。F1のレギュレーションの中で,レースが2時間を超えると,例えそれがレースの周回数に満たない段階であってもそこでレース終了というものがあります。大混乱の今回のレースは,それが適用される状況となっていて,残り11分となったところでリスタートとなりました。そして,マクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンが混乱のレースを乗り切り,開幕戦以来となる勝利を収めました。2位,3位には,それぞれBMWのR.クビサとポールシッターであるフェラーリのF.マッサが入りました。前戦までランキングトップだったフェラーリのK.ライコネンは,リスタート直後に接触事故を起こし,9位でチェッカーとなったためにノーポイントとなってしまいました。そのため,ハミルトンがランキングトップに浮上しています。なお,唯一のフル参戦日本人ドライバーであるウィリアムズの中嶋一貴は,7位でチェッカーとなり,第4戦以来今季3回目となるポイントを獲得しています。
     
☆3戦連続(FN)
○第3戦の決勝レースが,ツインリンクもてぎで行われました。前日は雨に見舞われましたが,決勝レースが始まる頃は,完全なドライコンディションとなっていました。ポールからスタートしたLAWSON IMPULの松田次生は,スタートからトップの座を守り,PIAA NAKAJIMAの木暮卓史との争いが序盤に展開されたものの,その木暮がアクシデントでリタイアしたこともあって余裕の走りをしていきました。松田のトップは最後まで揺るぎなく,見事開幕から3戦連続となるポールトゥーフィニッシュを達成しました。この記録は,2000年の高木虎之介以来となります。2位,3位には,それぞれPETRONAS TEAM TOM'SのA.ロッテラーと,PIAA NAKAJIMAのL.デュバルが入っています。
2008/5/23(金)
☆モナコらしく(F1)
○第6戦モナコGPが開幕しました。通常は金曜日に開幕するF1ですが,昨日もお伝えしたように,モナコは金曜日が安息日となりますので,通常より1日早い木曜日が初日となります。この日は午前・午後にフリー走行が行われ,マクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンが,午後のセッションで唯一15秒前半となる1分15秒14の最速タイムをマーク,初日総合のトップタイムをマークしています。総合2番手タイムは,ハミルトンからおよそコンマ4秒遅れてウィリアムズ・トヨタのN.ロズベルグがマークしています。総合3番手タイムが,午前の走行ではトップタイムをマークしていたフェラーリのK.ライコネンでした。午前の走行では,排水溝のふたが取れて赤旗中断,午後の走行では,タイヤバリアにマシン後部をヒットさせたため,走行中にリアウィングが脱落して赤旗中断というような,いかにも狭い一般公道で行われているモナコらしいと感じさせるアクシデントが発生したようです。なお,唯一のフル参戦日本人ドライバーであるウィリアムズの中嶋一貴は,総合9番手タイムで初日を終えています。
      
☆ペナルティー取り消し(JRR)
○筑波サーキットで行われた第2戦のST600クラス決勝において,ディフェンディングチャンピオンであるホンダの小西良輝は,一旦はトップでチェッカーを受けたものの,白旗区間で追い越したということから2段階降格のペナルティーを受けたため,3位というリザルトとなっていました。これを不服としていた小西及びチーム側は,5月13日に国内規律委員会に控訴していました。その控訴に対して審議が行われ,白旗区間での追い越しという事実が認めらなかったことから小西の提訴が認められ,ペナルティーが取り消されて小西の優勝となりました。以下,2位がヤマハの武田雄一,3位が小西のチームメイトである小林龍太となっています。
2008/5/22(木)
☆新タイヤ(F1)
○通常は金曜日から開幕するF1ですが,第6戦モナコGPは,金曜日を安息日に当てるため木曜日から開幕します。つまり,今日から開幕ということになります。その伝統のモナコGPは,ガードレールに囲まれた狭い一般公道でのレースですから,ちょっとのミスでガードレールの餌食となってしまい,即リタイアにつながる難しいドライブを強いられます。それだけに,タイヤのグリップも相当なレベルが要求されることになります。ブリヂストンタイヤによるワンメークレースとなっているF1ですが,そのブリヂストンから発表があり,今回のレースにはスーパーソフトとソフトの2種類のタイヤが供給されることになるということです。ほとんどの種類のタイヤは,昨年供給されたコンパウンドをそのまま採用しています。しかし,このスーパーソフトだけは,唯一改良が加えられたもので,その改良により,高いグリップ性と耐摩耗性が高められているとのことです。先週フランスのポールリカールで合同テストが行われましたが,その際,各チームとのもこの新しいタイヤを使用してテストしていますので,その時得られたデータが今日からの走行に影響を与えることになります。しかも,このタイヤは,次戦カナダGPにも供給される予定になっているようですから,いち早く特性をつかんだチーム及びドライバーが,この2戦を有利に進めることになります。ただし,予選及び決勝が行われる土曜と日曜は,雨ではないかという予報も出ているようですから,万が一それが当たってしまうと,スーパーソフトの登場は,今日行われるフリー走行だけということになるかもしれません。
2008/5/21(水)
☆公開(WRC)
○スバル・ワールドラリーチームが,新型インプレッサ2008を公開すると同時に,このブランニューマシンを今月末にギリシアで行われる第7戦アクロポリスラリーでデビューさせることを発表しました。市販されているインプレッサは,それまでのモデルと大幅にコンセプトを変え,メカニカルな部分はもちろん,サイズアップが図られ,エクステリアも完全に一新したものとなっています。それを受け,WRCで投入されることになるWRC2008も,それまでのイメージと大幅に違うものとなることが確実視されていました。ここ数年チャンピオン争いに全く絡められない状況が続いているだけに,その変更が大いなる期待を持たせているのも事実です。さて,今回公開されたマシンですが,これまでのマシンと比べて大きくなっただけでなく,エクステリアの大幅チェンジに合わせてリアウィングがそれまでのトランク上からリアハッチ上につけられています。カラーリングについても変わっていて,ブルーを基調とするところに変化はないものの,従来型までで使用されていた星座であるスバルをイメージさせる流れるような星の絵が消え,スバルのシンボルであるマークと「SUBARU」のロゴが並んで配されるものになっています。長い間勝利から見放されているスバルですが,果たしてこのマシンがいつスバルに勝利をもたらすことになるのかとても楽しみですね。
2008/5/20(火)
☆デビュー(F1)
○F1界の皇帝M.シューマッハが,再びレースの世界に帰ってきました。とは言っても,F1や他の4輪レースカテゴリーではなく2輪レースです。しかも,仕事としてではなく,完全にプライベートな趣味としてのものです。何度かドゥカティのMotoGPマシンを駆って走行する機会があって,今度はMotoGPに参戦するのではというような報道がなされた時期がありましたが,その点については最近言われなくなっています。2輪のGPから4輪のF1へという例はこれまでにもありますが,その逆は過去ありませんし,いくらシューマッハと言っても,こればっかりは難しいのが事実です。さて,今回のレースですが,ドイツ国内でスーパーバイクを使って行われているレースのようです。エントリーの段階では,M.ニーデルハウゼンという偽名で登録していたのですが,そのことが全世界に報道されてしまいました。ここまで公になってしまうと偽名を使う必要性が全くなくなり,結局レースでは本名で出場したようです。気になる結果ですが,午前・午後にそれぞれ1回ずつ行われ,午前中のレース1は,39台中28位で完走しましfた。午後行われたレース2は,一時期21位まで順位を上げたものの,グラベルに足下をすくわれて転倒を喫してしまい,残念ながらリタイアに終わりました。幸いなことに,シューマッハに怪我はなかった模様です。2輪での初レースを終えたシューマッハは,今後もゲストランナーというような形での参加をしていくとのコメントを出しています。
     
☆テストでも(MotoGP)
○第5戦フランスGPが終えたばかりのルマンですが,各メーカーのワークスチームにホンダ・グレシーニの二人,さらにホンダとカワサキのテストライダー二人が加わって,合同テストが始まりました。初日の走行では,フランスGPでポールを獲得したレプソル・ホンダのD.ペドロサがトップタイムをマークしました。2番手タイムを,フランスGPの勝者であるフィアット・ヤマハのV.ロッシがマークし,フランスGPでの結果を反映したかのようなワンツーとなっています。ただし,この二人がマークしたタイムは,予選用タイヤを使用した際のもので,レース用タイヤでは,3番手タイムをマークしたドゥカティのC.ストーナーがトップでした。なお,レプソル・ホンダ,ホンダ・グレシーニ,カワサキの3チームは,初日の走行だけでテストを切り上げています。また,テック3ヤマハは,明日から行われるミシュランのプライベートテストに協力するため,このテストには参加していません。
2008/5/19(月)
☆独占(MotoGP)
○第5戦フランスGPの決勝レースが,ルマンで行われました。MotoGPクラスは,4番グリッドからスタートした前戦の勝者フィアット・ヤマハのV.ロッシが,8周目にトップに躍り出ると,後続との差を広げていき,2連勝を挙げました。この勝利は,ロッシ自身にとって通算90勝目となります。この勝利数は,1985年にスペインの英雄A.ニエトがマークした通算勝利数歴代2位の記録に並ぶものです。と同時に,同じくニエトが持つ表彰台獲得通算記録139回の記録にも並びました。また,この勝利により,ランキングでもトップに躍り出ました。2位に入ったのは,両足首を骨折しながらも出場しているロッシのチームメイトであるJ.ロレンゾでした。3位には,昨年までのロッシのチームメイトであったテック3ヤマハのC.エドワーズが入りました。これにより,ヤマハ勢による表彰台独占となりましたが,これは2001年の第9戦ドイツGP以来となります。このレースの前までランキングトップだったレプソル・ホンダのD.ペドロサは,4位でチェッカーとなり,ランキング3位(獲得ポイントは2位のロレンゾと同じ)まで交代しました。ホンダ・グレシーニの中野真矢は,10位でゴールして何とかトップ10フィニッシュを達成しています。
250ccクラスは,ウェットからドライに変わるというタイヤ選択の難しいコンディションの中でのレースとなりました。ポールからスタートしたアプリリアのA.デボンは,スリックタイヤでスタートを切りました。このタイヤ選択が正解だったようで,2位に入ったジレラのM.シモンチェリに5秒弱の差をつけて自身初となる勝利を収めました。アプリリアの開発ライダーという裏方の仕事をしていた彼が,ようやく表舞台に登場したという感じとなっています。3位には,アプリリアのM.パッシーニが入っています。元125&250ccチャンピオンで,今シーズン再びGPに復帰したジレラのM.ポジャーリは,6位でゴールし,復帰後の最高位を獲得しています。ホンダの高橋裕紀は,終盤まで表彰台争いに絡んでいたものの,惜しくも4位でゴールして表彰台を逃しています。KTMの青山博一は,7位でゴールしています。
125ccクラスは,レース途中で雨が降り始めたために赤旗が提示され,2ヒートレースとなりました。残り5ラップという形でレースが再開され,デルビのマシンを駆るフランス人ライダーのM.ディ.メッリオが,2005年の第16戦トルコGP以来となる勝利を収めました。軽量級クラスでフランス人ライダーによるフランスGP制覇は,1979年のG.ベルティン以来となります。2位には,アプリリアのB.スミスが入りましたが,これはスミスにとって自己最高位となります。3位には,同じくアプリリアのマシンを駆るN.テロルが入っています。アプリリアの中上貴晶は,今シーズンの自己最高位ながら16位でフィニッシュし,惜しくもポイント獲得とはなりませんでした。KTMの小山知良は,レース1で10位を走行していましたが,赤旗が提示される6周前に転倒を喫してしまい,残念ながらリタイアに終わっています。
2008/5/18(日)
☆初ポール(MotoGP)
○第5戦フランスGP2日目の走行が行われました。MotoGPクラスは予選が行われ,レプソル・ホンダのD.ペドロサが,最後のタイムアタックでトップタイムをマークしてポールを獲得しました。ここまでランキングトップを行くペドロサですが,ポールからのスタートは今季初で,昨年の最終戦以来となります。前戦でポールを獲得したテック3ヤマハのC.エドワーズが,今回も予選での速さを見せて2番グリッドを獲得しています。3番グリッドは,前戦に引き続いてドゥカティのC.ストーナーが獲得しました。両足首を骨折し,松葉杖なしでは歩行が困難のフィアット・ヤマハのJ.ロレンゾは,2度コースオフを喫しながらも5番手タイムをたたき出しています。ホンダ・グレシーニの中野真矢は,トップ10内のタイムを出すことができず,13番手タイムに終わっています。
250ccクラスは,セッション直前に雨となり,どのライダーもコースインせずにピット内で待機していました。残り20分となったところで各車コースインを始めるという状況の中,アプリリアのA.デボンが,開幕戦以来となるポールを獲得しました。彼のタイムは,前日に暫定ポールを獲得していたアプリリアのA.バウティスタのタイムをわずか0.001秒上回るものでした。そのバウティスタは,初日のタイムを上回ることができませんでしたが,デボン以外のライダーもそうだったため,初日のタイムで2番グリッドを獲得しています。3番グリッドは,デルビのM.シモンチェリが獲得しています。KTMの青山博一は,初日のタイムを上回ることができず,10番グリッドとなっています。ホンダの高橋裕紀は,12番グリッドからの決勝スタートとなっています。
125ccクラスも,初日のタイムを上回ることができないライダーが多く,トップ3は全て前日のタイムでのグリッド獲得となっています。ポールは,アプリリアのS.ガデアで,彼自身にとって今季初ポールです。彼のポールも,MotoGPクラスのペドロサと同じく昨年の最終戦以来となります。2,3番グリッドは,それぞれB.スミス,S.ブラドルというアプリリアのマシンを駆るライダーが獲得しています。なかなかトップ10内に顔を出すことができずに終わっているKTMの小山知良は,今回もその状況に変わりなく,14番グリッド獲得に終わっています。もう一人の日本人フル参戦ライダーであるアプリリアの中上貴晶は,22番グリッドからのスタートとなっています。
2008/5/17(土)
☆連続トップタイム(MotoGP)
○第5戦フランスGPが,ルマンで開幕しました。MotoGPクラスは,午前・午後にそれぞれ1回ずつフリー走行が行われ,両セッション共にレプソル・ホンダのD.ペドロサがトップタイムをマークしました。現在ランキングトップを行くペドロサですが,ここで今シーズン2度目となる勝利を挙げて,さらにポイント差を広げていきたいという意欲がそこに表れているのかもしれません。2番手タイムは,前戦に復調の兆しが見えてきたドゥカティのC.ストーナーがマークしています。3番手タイムは,前戦でポールを獲得しているテック3ヤマハのC.エドワーズでした。今回から改良型クラッチが供給されたホンダ系のサテライトチームですが,その中の一人であるホンダ・グレシーニの中野真矢は,7番手タイムで初日を終えています。
250ccクラスは,1回目の予選が行われ,前戦でトップを走行中に転倒を喫してしまうという不運に見舞われたアプリリアのA.バウティスタが,その鬱憤を晴らすかのようにトップタイムをマークして暫定ポールを獲得しました。バウティスタは,このサーキットをあまり得意としていないのですが,その苦手意識を吹き飛ばしての快走だったのかもしれません。暫定の2,3番グリッドは,それぞれアプリリアのA.デボンとジレラのM.シモンチェリが獲得しています。前戦で表彰台を獲得したKTMの青山博一は,トップから0.7秒差で暫定の9番グリッドを獲得しています。前戦で転倒により足の甲に小さな骨折を負った状態で3位を走行中,最終ラップの最終コーナーでマシントラブルに見舞われ,表彰台を逃す不運に見舞われたホンダの高橋裕紀は,今回も転倒を喫したものの,暫定の11番グリッドを獲得しています。
125ccクラスは,昨年のこのレースで優勝しているアプリリアのS.ガデアが,その相性の良さを生かして暫定ポールを獲得しています。暫定の2番グリッドは,同じくアプリリアのB.スミスが獲得しています。ガデアとスミスとのタイム差は,わずか0.099秒差でした。暫定の3番グリッドを獲得したのは,GPライダー2世でアプリリアのマシンを駆るS.ブラドルでした。KTMの小山知良は,最終ラップで転倒を喫してしまい,暫定の15番手に終わりました。もう一人の日本人フル参戦ライダーであるアプリリアの中上貴晶は,トップから2秒以上遅れた暫定の22番手でした。
2008/5/16(金)
☆低速仕様では(F1)
○南フランスにあるポール・リカールサーキットで行われている合同テスト2日目の走行が行われ,初日のマッサに代わってフェラーリのステアリングを握ったK.ライコネンが,この日のトップタイムをマークしました。今回のテストは,2日目までが次戦モナコGPを想定した低速レイアウトでの走行を行ってきていました。その2日間ともドライバーが違うのにフェラーリがトップタイムでしたから,来週行われるモナコGPでは,このフェラーリがイニシアチブを握るのかもしれません。2番手タイムは,初日のL.ハミルトンに代わってマクラーレン・メルセデスのステアリングを握ったH.コバライネンがマークしました。2日間ともマクラーレンが2番手タイムでしたから,低速コースでも2強の争いが続きそうですね。3番手タイムは,今シーズン絶好調のBMWザウバーのマシンを駆ったR.クビサでした。ジャパンパワーでの最高タイムは,ホンダ・レーシングF1のJ.バトンで,5番手タイムでした。次戦となるモナコは,例年超低速でのサバイバルレースとなりますが,カナダは全くその逆で超高速でのサバイバルレースとなります。そうしたことから,今日からの走行は,高速区間を設けたレイアウトでの走行となります。
2008/5/15(木)
☆市場価値(F1)
○3日間にわたる合同テストが,フランスのポールリカール・サーキットで始まりました。初日の走行でトップタイムをたたき出したのが,トルコGPで2位表彰台を獲得したのマクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンでした。
さて,そのハミルトンですが,昨年はルーキーシーズンながら多くのレースでトップ争いに顔を出し,残念ながら最終的にはチャンピオンを逃したものの,ルーキーとしては異例の大活躍を演じました。そうしたこともあって,彼の市場価値が高まって,パーソナルスポンサーのオファーがいろいろきているようです。そのことに関して,先日報道があったのが,皆さんよくご存知のイギリスを代表するスポーツ用品メーカーである『リーボック』社です。その報道によると,契約金は2000万ドルではないかということで,日本円にすると20億円を超えるものとなります。さらに,最近の報道では,これまた皆さんよくご存知の,コカ・コーラと並んでアメリカを代表する飲料メーカーの一つである『ペプシコ』との交渉が始まったのではないかといわれています。その契約金は,リーボックと同等かそれ以上とのことです。イギリス人スポーツ選手の高額所得者といえば,サッカーのD.ベッカムが有名ですが,この勢いで行くと,近いうちにハミルトンが彼を超えることも十分考えられますね。
2008/5/14(水)
☆今シーズン限り?(F1)
○近年のフランスGPは,マニクール・サーキットで行われていますが,どうやらここでの開催はなくなりそうな気配です。フランスのヌベール近郊にあるマニクールですが,アクセスがとても不便で,しかも宿泊施設が不足しています。そうしたこともあって,隆盛を極めているF1の中にあって,観客数が減少してきているGPの一つです。コースに関しても,平坦であまりアピールする部分がなく,設備が悪いということもあって,観客だけでなくレースに参加する側の評判も芳しくありません。あるチームが以前出したリリースの中には,"ヌベール(地名のスペルはNever)"の英語読み(「決して〜ない」を意味するネバーと読めます)を見れば,ここにまた来たいと思っているかどうかが分かるというような皮肉が出されるたのですが,それほど評判が悪いようです。フランスのF.フィヨン首相が,B.エクレストンFOM代表に対して,パリまたはその近郊での開催ができないかという打診をしたようで,これらの状況を考慮に入れるとエクレストンとしては,開催地を検討しているようです。フランスのマスコミのインタビューを受けたエクレストンのコメントによると,マニクールでの開催は今年が最後になるようで,来シーズン以降は他の場所で開催する意向のようです。ただし,09年に関しては,フランスGPの開催自体を見送り,10年からパリ(またはその近郊)での開催という形で復活するかもしれないということのようです。
2008/5/13(火)
☆初表彰台(SBK)
○第5戦となるイタリア大会が,モンツァで行われました。レース1では,アルスター・スズキのM.ノイキルヒナーとヤマハ・モーター・イタリアの芳賀紀行との一騎打ちとなりました。そのバトルは,ファイナルラップのゴールラインまで続き,わずか0.058秒差でノイキルヒナーが芳賀をかわして初優勝を飾りました。この勝利は,彼自身はもちろん,ドイツ人ライダーとしてもSBKシリーズ初となります。3位には,ランキングトップをいくドゥカティ・ゼロックスのT.ベイリスが入っています。上位入賞を果たしている他の日本人ライダーのリザルトは,ノイキルヒナーのチームメイトである加賀山就臣が4位,テンケイト・ホンダの清成龍一が6位となっています。
レース2は,レース1でトップ争いを展開したノイキルヒナーと芳賀の二人に,BSBで2連覇を達成し,今シーズンからSBKにフル参戦を開始した清成が絡んでいくという三つ巴のバトルとなりました。最終ラップに入って清成がトップに浮上し,初優勝の期待がかかりました。しかし,最終コーナーで二人に逆転されてしまい,惜しくもトップと0.051秒差で3位となってしまいました。残念ながら優勝を逃したものの,清成にとって初表彰台を獲得しました。トップでチェッカーを受けたのは芳賀で,ノイキルヒナーにわずか0.009秒差というほんのわずかの差での勝利でした。レース1での借りを返した形となっています。他の日本人ライダーでポイントを獲得したのは,YZFヤマハの中冨伸一で12位フィニッシュでした。このリザルトは,彼にとって今季自己最高となります。なお,レース2での優勝により,芳賀はランキング3位に浮上しています。ランキング2位を行く昨年までのGPライダーでテンケイト・ホンダのC.チェカが,レース2でリタイアしたこともあって,4ポイント差に迫っています。トップのベイリスとは,82ポイントという大差がついています。でもまだ5戦目ですから,逆転可能な範囲でしょう。
2008/5/12(月)
☆3連勝&新記録(F1)
○第5戦トルコGPの決勝レースが,イスタンブールパーク・サーキットで行われました。今回の決勝では,予選でポールと4番グリッドを獲得したフェラーリ勢は2回ピット作戦を,2,3番グリッドを獲得したマクラーレン・メルセデス勢は3回ピット作戦をとりました。昨年・一昨年とポールトゥーフィニッシュを達成しているフェラーリのF.マッサは,今回もポールからスタートして順調にその座を守っていました。ピット作戦のずれにより,一時的にマクラーレンのL.ハミルトンにトップの座を譲ることはありましたが,そのハミルトンが3回目の給油を済ませた時に再びトップに浮上。その後はトップの座を譲ることなくチェッカーを受け,見事3年連続ポールトゥーフィニッシュを達成しました。3位には,最後までトップ争いに絡むことができなかったランキングトップを行くフェラーリのK.ライコネンが入っています。ジャパンパワー勢では,ウィリアムズ・トヨタのN.ロズベルグが8位に入り,何とかポイントを獲得しています。彼のチームメイトで,唯一のフル参戦日本人ドライバーとなった中嶋一貴は,オープニングラップの1コーナーでフォース・インディアのG.フィジケラに追突されてしまい,マシン後部を損傷してしまい,ピットまではたどり着いたものの,そのままリタイアとなってしまいました。
なお,この日の決勝レース出走により,ホンダレーシングF1のR.バリチェロは,257回目の出場を達成しました。これは,1993年にR.パトレーゼが樹立したGP最多出場記録256回を更新する新記録となります。残念ながらこの日は14位でのチェッカーとなってポイント獲得には至りませんでしたが,見事な記録達成となっています。
        
☆2連勝&初表彰台(JRR)
○第2戦の決勝レースが,筑波サーキットで行われました。JSB1000クラスは,ウェットからハーフドライへと変わる難しいコンディションの中,ヤマハの中須賀克行と,ヨシムラスズキの秋吉耕佑との間でトップ争いが展開されていきました。ポジションの入れ替えが何度か展開されながらレースは進行していき,終盤にトップに立った中須賀がその座を守りきり,見事開幕戦に続く2連勝を達成しました。3位には,自身初となるポールからスタートしたホンダの手島雄介が,ヨシムラスズキの酒井大作とのバトルを制しました。この3位入賞は,手島にとってうれしい最高峰クラスでの初表彰台となります。なお,安田毅史の代役で出場した岡田忠之は,最後尾からのスタートとなったものの,徐々に順位を上げていき,最終的には10位でチェッカーを受けています。
セミウェットの中で行われたST600クラスは,開幕戦を制したホンダの小西良輝が,2周目にトップに浮上すると後続との差を徐々に広げていって独走状態となり,トップでチェッカーを受けました。2番目にチェッカーを受けたのは,スズキの寺本幸司でした。ところが,レース終了後に,小西は白旗無視による順位降格のペナルティーを,寺本はマーキングされていないタイヤ使用により失格処分をそれぞれ受けてしまいました。これにより,正式リザルトとして,優勝はヤマハの武田雄一が,2位に小西のチームメイトである小林龍太が入りました。3位は,降格処分の小西が入っています。
250ccクラスは,前日ウェット路面で行われた予選では,ヤマハTZ勢が圧倒的な強さを見せていました。しかし,決勝レースはドライ路面となり,高橋巧と富沢祥也というホンダのマシンを駆るヤングライダー同士のバトルが展開されました。最終的には,コンマ1秒差で開幕戦を制した高橋が逃げ切り,2連勝を達成しています。3位には,ヤマハの渡辺一樹が入り,彼にとってうれしい初表彰台を獲得しています。
ドライ路面でのレースとなった125ccクラスは,ポールからスタートしたホンダのマシンを駆る超ベテランライダーの菊池寛幸が,同じくホンダの柳沢祐一を封じ込めて今季初優勝を飾りました。菊池の優勝は,2005年の第7戦以来となります。3位には,菊池と同じ元GPライダーで,ヤマハのマシンを駆る超ベテランライダー徳留真紀が入りました。
唯一ウェット路面でのレースとなったGP−MONOクラスは,レース序盤は4台のマシンによるバトルが繰り広げられました。その中からホールショットを奪ったモリワキの中木亮輔がトップに浮上すると,徐々に後続との差を広げていき,独走で今季初優勝を飾りました。彼にとっては,2年連続筑波での優勝となります。2位,3位には,それぞれ岡田義治と長島哲太が入っています。
       
☆2連勝(FN)
○第2戦の決勝レースが,鈴鹿サーキットで行われました。ポールからスタートしたLAWSON IMPULの松田次生が速さを見せ,トップの座を守って残り5周となりました。ところが,逆バンクでJ−P.オリベイラと立川祐路とが絡んでクラッシュしたためにセーフティーカーが入るという状況となりました。せっかく広げていた差がなくなった松田でしたが,残り2周となったところでリスタートでなっても慌てることなく再び後続との差を広げ,見事な走りで開幕からの2連勝を達成しました。2位には,松田のチームメイトであるTP Checker IMPULの平手晃平が入り,彼にとってうれしい初表彰台を獲得しています。3位には,PETRONAS TOM'SのA.ロッテラーが入っています。
2008/5/11(日)
☆3年連続(F1)
○第5戦トルコGPの予選が,イスタンブール・サーキットで行われました。スーパーアグリF1の撤退により,今シーズンの残りのレースは20台のマシンで争われることになりました。そうした状況の中で行われた予選において,フェラーリのF.マッサが最速タイムをマークし,今シーズン3度目となるポールを獲得しました。2年連続トルコでポールを獲得しているマッサですが,今回で3年連続ポールとなりました。チームメイトのK.ライコネンは,一時気マッサに次ぐ2番手タイムを出していたものの,最後のアタックでマクラーレンの2台にかわされ,4番グリッドからのスタートとなりました。2,3番グリッドは,H.コバライネン,L.ハミルトンとなっています。ここまでの4戦全ての予選で8番手以内のグリッドを獲得してきたトヨタのJ.トゥルーリですが,今回もその速さを維持していて,8番グリッドを獲得しています。スーパーアグリ(佐藤琢磨)の撤退に伴い,唯一のフル参戦日本人ドライバーとなってしまったウィリアムズ・トヨタの中嶋一貴は,思うようにタイムが伸びず,16番グリッドからのスタートとなりました。
     
☆初ポール(JRR)
○第2戦の予選が,雨模様の筑波サーキットで行われました。JSB1000クラスは,2回予選を行いましたが,午後からの2回目の時は雨脚が強まってしまってタイムが伸びず,1回目の予選のタイムでグリッドが決まりました。このクラスは,予選A,B組の2グループに分かれて行われました。その2グループの走行では,コンディションに差があったため,タイムのよかったB組から頭取りでスターティンググリッドが決まりました。B組でトップタイムをマークし,ポールポジションを獲得したのは,昨シーズンからHRC契約で同クラスに参戦しているDREAM HondaRT48の手島雄介でした。特殊な状況ではありましたが,彼にとって初のポール獲得となります。2番グリッドを獲得したのは,A組でトップタイムだったヨシムラスズキ with JOMOの秋吉耕佑でした。3番グリッドは,B組の2番手タイムだったヨシムラスズキ with デンソーの酒井大作が獲得しています。なお,今回のレースには,安田毅史(急募.com HARC-PRO)の怪我による欠場に伴い,代役で元GPライダーで,現在はホンダのMotoGPマシンの開発ライダーを務める『タディー』こと岡田忠之が出場しています。その岡田ですが,予選の基準タイムをクリアすることができず,通常なら予選落ちだったのですが,今シーズンからこのクラスに新設された「シード権行使」が適用されて,最後尾からのスタートが認められています。
ST600クラス(このクラスも頭取りとなっています)は,TEAM GREENの高橋英倫がポールを獲得し,昨年のチャンピオンで,開幕戦を制した急募.com HARC-PRO.の小西良輝が2番グリッドを獲得しています。3番グリッドは,このクラスの初代チャンピオンで,今シーズンからヤマハのマシンを駆っているHITMAN RC甲子園ヤマハの武田雄一が獲得しています。
250ccクラスは,昨年までMotoGPに参戦し,今シーズンからJRRに復帰したHankel プラスミューの関口太郎が,ポールを獲得しています。ウェット路面で強さを発揮するヤマハTZ250ですが,その強さを今回の予選でも発揮し,上位6台を占めています。
125ccクラス(このクラスも頭取りになっています)とGP−MONOクラスは,それぞれF.C.C TSRのマシンを駆る超ベテランライダーの菊池寛幸とTEAM PLUS ONEの谷川壮洋がポールを獲得しています。
         
☆2戦連続(FN)
○第2戦の予選が,鈴鹿サーキットで行われました。全国的に雨の一日で,鈴鹿の路面状況もフルウェットの中での走りを強いられました。そのような悪いコンディションの中,昨年のチャンピオンで,開幕戦をポールトゥーフィニッシュで飾ったLAWSON IMPULの松田次生が最速タイムをマークし,2戦連続ポールを獲得しました。しかも,2番手タイムだったKONDO RACINGのJ−P.デ.オリベイラに0.7秒以上差をつける圧倒的な速さでした。3番グリッドを獲得したのは,松田のチームメイトであるB.トレルイエでした。エンジンで見ると,トヨタエンジンユーザーが上位7台までを占め,ホンダエンジンユーザーは,PIAA NAKAJIMAの木暮卓史の8番グリッドが最高位でした。
2008/5/10(土)
☆ペナルティ(F1)
○第5戦トルコGPが,イスタンブールパーク・サーキットで開幕しました。初日は,午前・午後に1回ずつのフリー走行が行われ,午前はフェラーリのF.マッサが,午後は同じくフェラーリのK.ライコネンがそれぞれトップタイムをマークしました。
午前中に行われた1回目のフリー走行において,フォース・インディアのG.フィジケラが,信号無視によりペナルティを受けることになりました。セッション開始の際,真っ先にピットを出たフィジケラですが,ピットレーン出口の信号は,その段階では赤でした。まあ,通常はこの状態がよくあることで,テレビなどでも,出口付近でマシンが並んでいる状態が映し出されていると思います。ところが,どうしたことかフィジケラはこの点の確認を怠り,赤の状態にもかかわらずコースインしてしまったのです。ベテランらしからぬミスと言えます。この違反により,フィジケラには決勝レースでの3グリッド降格処分が下りました。単純なミスだけに,何とももったいない話ですね。
2008/5/9(金)
☆原因判明(F1)
○スペインGPの決勝レースにおいて,マクラーレン・メルセデスのH.コバライネンのマシンに突然トラブルが発生し,高速のままタイヤバリヤにクラッシュするという事故が発生しました。そのあまりの激しさに最悪の結果を考えさせられましたが,奇跡的に大事には至らず,救急車に乗せられる時には,コバライネン自身が親指を立てるポーズをとり,見ている者に安心感を与えました。直後の検査で異常が見つからず,今日から開幕するトルコGPにあたってのFIAによるメディカルチェックでも異常がありませんでした。その結果,今日からのレースに参加することが認められました。
さて,チームでは,そのアクシデントの原因を追及していましたが,この度その点について発表がありました。それによると,原因となったのは,左フロントのホイールにありました。F1マシンのホイールは,複数の金属を組み合わせてリムを作っています。そのリムを製造する際にミスがあり,そこが壊れたために,左フロントの足回り,ブレーキ周りも壊れ,あの激しいクラッシュにつながったようです。マクラーレンが使用しているホイールは,日本のエンケイ社製もので,同社では,生産の見直しとテストを行っている模様です。極限状態で走行しているF1マシンだけに,各パーツにかかる負担も相当なものでしょう。それだけに,予測不可能な事態が発生する危険性を常に内在しているとあらためて思わされますね。
2008/5/8(木)
☆投入延期(F1)
○ホンダのBチームとも言えたスーパーアグリF1は,昨日お伝えしたように財政難によりチームの存在自体がなくなるという残念な結果となってしまいました。それに対してレッドブルのBチームであるトロロッソは,潤沢な資金を背景にしているため,財政不足によるチーム存続の危機などといったことは無縁の存在と言えます。そのトロロッソですが,前戦までは,昨年のマシンSTR2の改良版を使用していました。当初の予定では,明日から開幕するトルコGPから今季型マシンであるSTR3を投入する予定でした。ところが,開発の遅れからスペアパーツを十分に用意することができなかったようで,トルコからの投入を延期し,その次のモナコGPから投入することを明らかにしました。華やかさで有名なモナコですが,お金持ちチームのマシンのお披露目にはちょうどいい場所なのかもしれません。(ついこうした文章表現を用いてしまったのは,財政難が原因によるスーパーアグリ撤退の影響かも・・・。)
2008/5/7(水)
☆撤退(F1)
○財政的危機に陥っていたスーパーアグリF1より公式発表があり,F1の場から撤退することが正式決定しました。2006年からホンダの支援を受けてプライベーターとしてF1に参戦を開始。2年目シーズンとなった昨年は,コンストラクターズランキングで9位となる活躍を見せました。全くの新興チームで,しかも参戦2年目のシーズンでこれほどの成績を収めるのは,現在のF1では驚異的とも言える成績でした。そのような活躍を見せていた昨シーズンでしたが,財政的には,中国の金融関連企業であるSSユナイテッドが契約不履行を起こし,バックボーンを失う結果となりました。今シーズンに入っても,この問題は解決せず,先日はまとまりかけたマグマ・グループとの提携がご破算になりました。それ以後,ドイツのヴァイグル・グループとの提携話が最終段階を迎え,今月に入って両者から声明が出されました。この提携により,財政的危機を乗り越えるかと期待されたのですが,それほど大きな企業ではないヴァイグルが,スーパーアグリを支えることにはかなり困難が予想され,チーム創設から支援してきたホンダの了承を得ることができなかったと予想されます。レギュレーションにより,来シーズン以降マシンはチーム独自のものでなければならなくなり,ホンダの型落ちの改良版を使用しているスーパーアグリにとっては,0からマシンを作っていかなければならなくなります。参戦することさえ厳しい財政なのに,新にマシンを作ることは不可能と言えます。こうした状況を考慮に入れ,今回の撤退ということになったのでしょう。「オール・ジャパン」という形でのチームだっただけに,私たち日本人にとってはとりわけ残念でならない結果となってしまいました。自動車メーカーやよほどの大企業の支援を受けない限り参戦できない現状は,本当にF1にとっていいことなのか。世界的に有数な企業を抱えている日本でありながら,F1のチームを支援できない(しない)我が国のモータースポーツの現状。様々な問題点を考えさせられる今回の撤退劇でした。ところで,今回の発表の中では,チームのドライバーである佐藤琢磨とA.デビッドソンの去就については,明らかになっていません。今シーズンの日本GPは,佐藤琢磨と中嶋一貴の2枚看板で開催されると思っていただけに,この点でも残念な結果となってしまいました。
2008/5/6(火)
☆両足(MotoGP)
○第4戦中国GPの初日の走行で,ハイサイドにより激しい転倒を喫したフィアット・ヤマハのJ.ロレンゾは,病院の検査の結果,左足首の骨折という診断が下されました。にもかかわらずレースに出場し,周回をこなすごとにリズムに乗り始め,表彰台獲得にはなりませんでしたが,何と4位でチェッカーを受けました。彼の闘志(負けん気?)の強さと,GP専属医師であるDr.コスタの痛み止め注射(通称「ビリビリ」と呼ばれているそうです)の強さのおかげだと思われます。そのロレンゾですが,レース終了後に母国スペインに戻り,精密検査を受けるために先日「腕上がり」解消のための手術を受けた医師のもとへと行きました。そこでの検査の結果,何と左足だけでなく,右足の距骨も骨折していることが判明しました。さらに,左足は,骨折だけでなく,足首内側の靱帯が断裂していました。現在のロレンゾは,両足首をギプスで固められた状態になっています。また,右足に関しては,かなり状態が悪いのではないかという懸念があるようで,1週間後に再検査を受ける模様です。それにしても,これほどの怪我を負いながらレースに出場し,しかも上位入賞までやってのけたのですから,本当に恐ろしいルーキーが現れたものです。
2008/5/5(月)
☆復活 PARTT(MotoGP)
○第4戦中国GPの決勝レースが,上海国際サーキットで行われました。ドライコンディションの中で行われたMotoGPクラスは,フィアット・ヤマハのV.ロッシとレプソル・ホンダのD.ペドロサとの一騎打ちとなりましたが,終盤になってロッシがスパートをかけてペドロサを引き離し,見事今季初勝利を収めました。ロッシの優勝は,昨シーズンの第14戦ポルトガルGP以来8戦ぶりとなります。3位には,開幕戦以来となる表彰台を獲得したドゥカティのC.ストーナーが入りました。ロッシといいストーナーといい,微妙な違いがありますが,それぞれ思うような結果が出ていなかっただけに,復活を印象づける走りを展開していったという感じです。また,ここまで4戦して勝者がいずれも違いますので,混戦のシーズンを印象づけたというところもあります。
250ccクラスは,ウェット路面からドライ路面へと変わる難しいコンディションの中で行われました。序盤は,ポールからスタートしたアプリリアのA.バウティスタがトップを走行していましたが,9周目に転倒(再スタートを切って,最終的には9位でチェッカーを受けています。)し,代わってKTMのM.カリオがトップに立ちました。結局最後までその座を守り,第2戦スペインGP以来となる今季2勝目を挙げました。2位には,11番グリッドからスタートしたKTMの青山博一が入り,昨年第10戦ドイツGP以来となるKTMによるワンツーフィニッシュとなりました。3位には,アプリリアのM.パッシーニが入り,今季3回目の表彰台獲得となっています。2回目の予選で転倒を喫し,右足の甲に小さな骨折を負ったホンダの高橋裕紀は,10番グリッドからスタートし,3位走行中の最終ラップにエンジントラブルが発生したためコースオフを喫してしまい,惜しくも7位でゴールしました。
最初のレースとなった125ccクラスは,レインコンディションの中で行われました。5番グリッドからスタートしたアプリリアのA.イアンノーネは,序盤からトップに浮上し,最後までその座を守りきり,うれしい自身初となる勝利を収めました。彼にとって46戦目となるレースでしたが,これまでの最高位は9位でした。2,3位にはそれぞれデルビのM.デ.メッリオとアプリリアのG.タルマクシが入っています。今シーズンなかなかいい成績を収められない日本人勢ですが,KTMの小山知良は,24番グリッドからスタートして徐々に順位を上げていき,最終的には13位でポイントを獲得しています。アプリリアの中上貴晶は,レース序盤でマシントラブルによりリタイアに終わっています。
        
☆復活 PARTU(SGT)
○第3戦の決勝レースが,富士スピードウェイで行われました。GT500クラスは,21周目に立川祐路&R.ライアン組のZENT CERUMO SC430がトップに浮上しました。富士を得意とする立川だけに,後続との差を徐々に広げていき,昨年の開幕戦以来となる勝利を収めました。今季日産からトヨタに移籍したライアンは,トヨタでの初勝利となりました。4台による2位争いが展開されていきましたが,2位走行中の井出有治&細川慎弥組のRAYBRIG NSXが107周目にスピンを喫してしまい,2位争いから脱落。結局,脇坂寿一&A.ロッテラー組のPETRONAS TOM'S SC430が2位に,道上龍&木暮卓史組のTAKATA 童夢 NSXが3位に入っています。性能アップの調整を受けたトヨタ勢が好成績だったのに対して,性能ダウンの調整を受けた日産GT−R勢は苦しい戦いとなり,松田次生&S.フィリップ組のカルソニック IMPUL GT-Rの9位が最高位でした。
GT500クラスはどのチームも2回ピット作戦でしたが,GT300クラスは2回と1回の作戦とに分かれました。その1回作戦をとったのが,ポールからスタートした平手晃平&国本京佑組のライトニング マックィーン apr MR-Sでした。ピットインの関係で一時的に順位は落としたものの,2回作戦のチームがピットインを終えた時にトップに浮上。最後までその座を守りきり,初ポールからスタートしたレースを初勝利で制しました。なお,優勝した19歳4ヶ月の国本京佑は,これまでの最年少優勝記録を更新しています。2,3位には,それぞれMOLA レオパレス Zの星野一樹&安田裕信組,プリヴェア KENZO アセット・紫電の高橋一穂&加藤ェ規組が入っています。
2008/5/4(日)
☆骨折(MotoGP)
○第4戦中国GPの予選が,路面温度45度を超える暑さの中で行われました。MotoGPクラスは,テック3ヤマハのC.エドワーズが,サーキットベストを更新する走りを見せて今シーズン初となるポールを獲得しました。エドワーズのポールは,昨年の第8戦イギリスGP以来で,自身3度目となります。2番グリッドは,そこまでのフリー走行でトップタイムをマークしていたフィアット・ヤマハのV.ロッシで,昨シーズンまでのチームメイトによるワンツーとなっています。3番グリッドは,第4戦になって復活の兆しを見せているドゥカティのC.ストーナーでした。何といっても驚きなのは,前日のフリー走行1でハイサイドにより激しい転倒を喫し,左足首が骨折し,右足も負傷するというアクシデントに見舞われたフィアット・ヤマハのJ.ロレンゾです。激痛に耐えながらの走行でしたが,何と4番グリッドを獲得したのです。まさに驚異の新人と言えるでしょう。ホンダ・グレシーニの中野真矢は,2度目のタイムアタックで足下をすくわれて転倒を喫してしまい,13番グリッド獲得に終わってしまいました。そこまでのフリー走行で,上位に入る速さを見せていただけに,何とも残念な予選となってしまいました。
250ccクラスは,前日に暫定ポールを獲得していたA.バウティスタが,この日もトップタイムをマークしてポールを獲得しました。2番グリッドは,バウティスタにコンマ5秒ほど離されて同じくアプリリアのマシンを駆るH.バルベラが獲得しています。2日目のタイムは5番手でしたが,初日のタイムがよかったKTMのM.カリオが,3番グリッドを獲得しています。日本人勢ですが,KTMの青山博一は,11番グリッドを獲得しました。ホンダの高橋裕紀は,10番グリッドでした。ただし,この結果は,2度目のコースインの際,ハイサイドによる転倒を喫し,後のセッションをキャンセルしてのものです。この転倒により,高橋は右足の甲に小さな骨折を負ってしまいました。ただ,幸いなことに決勝レースには出場できるようです。
125ccクラスは,B.スミスとN.テロルとのポール争いとなり,スミスがわずか0.028秒差でシーズン3度目となるポールを獲得しました。3番グリッドは,デルビのM.デ.メッリオが獲得しています。今シーズン不調を極める日本人勢ですが,アプリリアのマシンを駆るルーキーの中上貴晶は,18番グリッドを獲得しています。KTMの小山知良は,初日のタイムを更新することができず,25番グリッドに終わっています。
      
☆さすがに(SGT)
○第3戦の予選が,富士スピードウェイで行われました。GT500クラスは,TAKATA 童夢 NSXの道上龍&木暮卓史組がトップタイムをマークし,今シーズン初のポールを獲得しました。2番手タイムは,立川祐路&R.ライアン組のZENT CERUMO SC430が,富士マイスターとも言える立川のドライビングにより獲得しています。3番手タイムは,P.ダンブレック&片岡龍也組の宝山 KRAFT SC430がマークしています。ここまで,予選・決勝共に圧倒的な速さを見せてきた日産GT−R勢は,度重なる重量増や吸気制限などのハンディが課せられてしまったため,さすがにこの予選で速さを見せることができず,松田次生&S.フィリップ組のカルソニック IMPUL GT-Rの10番手が最高位でした。
GT300クラスは,平手晃平&国本京佑組のライトニング マックィーン apr MR-Sがトップタイムをマークし,今シーズン初のポールを獲得しています。2番手タイムは,光貞秀俊&池田大祐組のKUMHO BOXTER-GTでした。第2戦のウィナーであるARTA Garaiyaを駆る新田守男&高木慎一組が,3番グリッドを獲得しています。
2008/5/3(土)
☆最終段階(F1)
○財政的なピンチに陥り,スペインGPにはホンダの資金的援助を受けて参加できたものの,次戦トルコGPへの参加に黄色信号がともっていたスーパーアグリF1ですが,どうやらその状況から解放されそうな感じとなりそうです。同チームとドイツの自動車技術企業『ヴァイグル・グループ』とが共同で声明を発表し,同グループがチームの株式を大量に保有するという交渉が最終段階になっていることが明らかとなりました。この交渉話は,以前浮上していましたが,その時は不調に終わっていました。しかし,ここに来て再度交渉を持つことができ,今回の声明となりました。まだ交渉は最終段階ということですので,完全に安心できるという状況ではありません。マグマ・グループとの交渉が,ぎりぎりの段階でご破算になったばかりですので,より一層そんな感じがします。しかし,どうやらホンダの支持も取り付けられそうですので,トルコGP以降のレースについては,グリッドにマシンを並べられそうです。まずは,ホッと一安心という状況ですね。
       
☆好事(MotoGP)
○第4戦中国GPが,上海国際サーキットで開幕しました。最高峰のMotoGPクラスは,午前・午後に1回ずつフリー走行が行われ,この日の総合では,フィアット・ヤマハのV.ロッシがトップタイムをマークしました。開幕戦は制したものの,それ以後は精彩を欠いていたドゥカティのC.ストーナーが,復活の2番手タイムをマークしています。3番手タイムは,ここまでランキングトップを行くレプソル・ホンダのD.ペドロサでした。そして,唯一の日本人フル参戦ライダーであるホンダ・グレシーニの中野真矢が,今シーズン自己最高位となる4番手タイムをマークし,こちらも復調の兆しを見せています。初日の走行は,どちらかというとブリヂストンタイヤユーザーに分があったような感じです。ところで,最高峰クラスルーキーシーズンながら,ここまでの3戦を全て表彰台獲得し,ポイントでペドロサと並んでトップにいるフィアット・ヤマハのJ.ロレンゾですが,午前中に行われたフリー走行の12周目に,ハイサイドにより空高く舞い上がり,路面に激しくたたきつけられるという転倒に見舞われてしまいました。ただちに病院で検査を受けた結果,左足首に小さな骨折が見つかり,この日の走行をキャンセルしています。ここまで絶好調だっただけに,まさに「好事魔多し」という感じです。
250ccクラスは,1回目の予選が行われ,前戦のポルトガルGPの勝者であるアプリリアのA.バウティスタがトップタイムをマークし,暫定ポールを獲得しています。ここまでのポイントリーダーであるKTMのM.カリオが,暫定の2番グリッドとなっています。暫定の3番グリッドは,昨年このGPを制しているアプリリアのH.バルベラでした。KTMの青山博一と,ホンダの高橋裕紀の二人は,それぞれ暫定の9番,10番グリッドでやや不満の残る結果でした。
125ccクラスは,アプリリアのS.ブラドルがトップタイムをマークし,自身初となる暫定ポールを獲得しました。暫定の2,3番手には,それぞれB.スミスとN.テロルのアプリリア勢が入っています。KTMの小山知良とアプリリアの中上貴晶は,この日も思うようにタイムアップすることができず,それぞれ暫定の19番手と22番手という具合で後方に沈んでいます。
2008/5/2(金)
☆自チームで(JRR)
○昨年までST600クラスに参戦していた宮崎敦は,今シーズン前の契約交渉が不調に終わったために所属するチームが見つからず,開幕戦は不参加に終わっていました。その宮崎が,自らのチームを立ち上げ,第2戦から参戦することになりました。チーム名は,TEAM DAYTONA GIVIで,マシン及びタイヤは,ヤマハYZF−R6&ブリヂストンです。宮崎は,かつてヤマハTZを駆って250ccクラスでいぶし銀の活躍をし,96年からの3年間はWGPにフル参戦した経験があります。残念ながらGPフル参戦時は大きな結果を残すところまでは行きませんでしたが,ワイルドカードで参戦した02年の日本GPにおいて,雨という難しいコンディションのレースを制した経験(この時の優勝は,ヤマハTZにとって17年ぶりとなる勝利でした。)があります。若手とベテランが入り乱れて戦われているST600クラスですが,自チームでどこまで活躍するか,超ベテランの頑張りにも要注目ですね。
2008/5/1(木)
☆多数参加(ルマン)
○今年行われる伝統のルマン24時間耐久レースに,元F1ドライバーのH.H.フレンツェンが参加することになりました。フレンツェンのルマン参戦は,1992年以来2回目で,今回はアストンマーチンを駆ることになっています。今年のルマンには,多数の元F1ドライバーが参戦するようで,元チャンピオンのJ.ビルヌーブも,昨年に引き続いて参戦します。その他の近年のF1ドライバーとしては,O.パニス,F.モンタニー,J.フェルスタッペン,M.ジェネ,P.ラミー,S.サラジンなどの名前も明らかとなっています。この中から優勝ドライバーが誕生するのか,6月14日に行われる決勝レースのスタートが楽しみですね。
     
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