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最新ニュース
2008/9/30(火)
☆ワンメーク化(MotoGP)
○第15戦日本GPの開催期間中に,ツインリンクもてぎにおいてFIM,IRTA,MSMA,ドルナスポーツ社で構成するグランプリコミッションの会合がもたれました。そして,その会合で決定したことが発表され,来シーズンからのMotoGPクラスのタイヤがワンメーク化となることが明らかとなりました。以前は,ミシュランのほぼ独占状態という感じの最高峰クラスでしたが,ブリヂストン(以下BS)が本格参戦を開始して以来,徐々に両社のタイヤの性能差が縮まり,ヤマハのワークスライダーであるV.ロッシとホンダのワークスライダーであるD.ペドロサがあえてBSに変更したり,BSユーザーが予選や決勝の上位を独占するというような状態にまで変化していました。こうした状況の中,今シーズン中にもこのワンメーク化の噂が頻繁に出ていました。今回の発表によると,供給を希望するタイヤメーカーは,今週金曜日(10/3)までにその旨を提出し,それを受けてグランプリコミッションを10月18日に開き,その場で決定するという流れになっています。安全の確保やコスト削減が今回ワンメーク化に踏み切った理由のようですが,一長一短あるのも事実。とは言っても,今回の決定がすぐに覆ることになるはずがなく,私たちとしては推移を見守るしか手はありません。ここまでの流れを見ると,4輪の最高峰であるF1と同じく,2輪の最高峰であるMotoGPクラスもBSのワンメークとなりそうな気配が濃厚となっています。とは言っても,ミシュランとしても撤退の方向にあるという発表があるわけでもありません。まあ,昨年までMotoGPクラスにも供給していたダンロップタイヤが,再登場するということは考えにくいでしょうし,SBKのワンメークタイヤであるピレリが登場ということもまず考えられません。果たしてGP伝統のミシュランなのか,このところ性能に優れてきているBSなのか,決定が非常に気になるところです。
2008/9/29(月)
☆6回目(MotoGP)
○第15戦日本GPの決勝レースが行われました。MotoGPクラスは,何といってもフィアット・ヤマハのV.ロッシのチャンピオン獲得なるかに注目が集まっていました。そのロッシは,4番グリッドからスタートしました。スタートではポジションを1つ落としたものの,徐々に前を行くライダーを交わしていきました。残り11周となったところでドゥカティのC.ストーナーを抜いてトップに浮上し,その後は後続との差を広げていきました。そして,そのまま逃げ切って5戦連続勝利を飾り,自身最高峰クラス6回目となるタイトルを獲得しました。ロッシに交わされて2位となったストーナーも,その座を守り抜いて2位表彰台を獲得しました。3位には,ポールからスタートしたフィアット・ヤマハのJ.ロレンゾとのバトルを制したレプソル・ホンダのD.ペドロサが入っています。母国GPで表彰台獲得を目指したホンダ・グレシーニの中野真矢でしたが,8位でチェッカーを受けています。ワイルドカード参戦となるリズラ・スズキの秋吉耕佑は,オープニングラップで転倒を喫し,1周もできないままレースを終えてしまっています。
250ccクラスは,ランキングトップを行くジレラのM.シモンチェリがポールからスタートしました。中盤になるとアプリリアのA.バウティスタとのバトルとなりましたが,周回遅れによりバウティスタとの差が広がり,見事今季2回目となるポールトゥーフィニッシュを達成しました。アプリリアのA.デボンとKTMのJ.シモンとの間で繰り広げられた3位争いは,デボンが制して今季4回目の表彰台を獲得しています。来シーズンMotoGPクラスにステップアップするホンダの高橋裕紀は,5人による6位争いとなりましたが,見事に競り抜きました。KTMの青山博一は,9位でチェッカーを受けています。ワイルドカード勢のリザルトですが,ホンダの富沢祥也は,14位でポイントを獲得しています。同じくホンダの高橋巧は,今シーズンのJRRチャンピオンとしての実力を今一歩出すことができず,ポイント圏外の17位でチェッカーとなりました。ヤマハの遠藤卓実と伊藤勇樹は,それぞれ21位,23位でチェッカーとなっています。
125ccクラスは,自己最高位となる2番グリッドからスタートしたアプリリアのS.ブラドルと,ランキングトップでポールからスタートしたM.ディ.メッリオ,昨年のチャンピオンであるアプリリアのG.タルマクシとの間でトップ争いが展開されていきました。最終的には,ブルドルが僅差でバトルを制し,今季2勝目を挙げました。ディ.メッリオが2位,タルマクシが3位に入っています。11番グリッドからスタートしたKTMの小山知良は,11位でフィニッシュしています。アプリリアの中上貴晶は,20番グリッドからスタートし,徐々にポジションアップを果たして13位でチェッカーを受け,ポイントを獲得しています。ワイルドカード勢は,柳沢祐一と尾野弘樹が,それぞれ22位,24位でチェッカーを受けました。しかし,渡辺一馬,浪平伊織,岩田裕臣はリタイアに終わっています。
       
☆復活(F1)
○史上初となるナイトレースで第15戦シンガポールGPの決勝レースが行われ,ルノーのF.アロンソがセーフティーカーが導入されたりする波乱のレースを制しました。アロンソの優勝は,昨年のイタリアGP以来で,ルノーの優勝に至っては,2006年の日本GP以来久々となります。2位には,自己最高位となるウィリアムズ・トヨタのN.ロズベルグが入っています。3位には,ランキングトップを行くマクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンが入っています。ハミルトンとチャンピオン争いを展開しているフェラーリのF.マッサは,1回目の給油の際,まだ給油が終わっていないにもかかわらずスタートをしてしまい,ホースを引きちぎってしまうという失態を演じてしまいました。ホースを抜いたりするためにタイムをロスし,結局13位でのチェッカーとなってしまいました。チームメイトのK.ライコネンは,残り3周となったところで単独スピンを喫してリタイアに終わり,フェラーリ勢はまさかのノーポイントになりました。このため,個人タイトルでハミルトンとの差が広がり,コンストラクターズポイントでは,マクラーレンに逆転されてしまっています。ウィリアムズ・トヨタの中嶋一貴は,8位でフィニッシュしてポイントを獲得し,次戦日本GPに弾みをつけています。
2008/9/28(日)
☆久々(MotoGP)
○第15戦日本GPの2日目の走行が,秋晴れのツインリンクもてぎで行われました。MotoGPクラスは予選が行われ,フィアット・ヤマハのJ.ロレンゾが,4月に行われた第3戦ポルトガルGP以来久々にポールを獲得しました。元々,ロレンゾは決勝レースで『ルパン3世』のスペシャルカラーリングが施されたマシンを駆ることになっていましたので,日本人にとってとても馴染みのあるキャラクターの一つがポールからスタートすることになります。セカンドグリッドは,今シーズン圧倒的にポール獲得回数の多いドゥカティのC.ストーナーでした。3番グリッドを獲得したのは,今シーズン限りでホンダを離れることになっているレプソル・ホンダのN.ヘイデンでした。今回のレースにチャンピオンに王手をかけているフィアット・ヤマハのV.ロッシは,4番手と好位置からのスタートとなります。レギュラーライダーとしては最後の日本GPとなる可能性があるホンダ・グレシーニの中野真矢は,9番グリッドからのスタートと,今シーズンのいつものポジションとなってしまいましたが,決勝レースに向けてのセッティングはかなり決まったようで,明日の決勝は期待できそうなコメントでした。ワイルドカード参戦となっているリズラ・スズキの秋吉耕佑は,来季を見据えた仕様であるマシンのセッティングがなかなか決まらなかったようで,初日に引き続いて最下位のタイムとなってしまいました。
250ccクラスは,ここまでランキングトップを行くジレラのM.シモンチェリがトップタイムをマークし,前戦に引き続いて(とは言っても,悪天候で決勝レースはキャンセルとなってしまいましたが・・・)ポールを獲得しました。2番グリッドを獲得したのが,ここで過去2勝を挙げているKTMの青山博一でした。ポール獲得を目指しての走行でしたが,微妙に遅いマシンに引っかかってしまって,思うようにタイムアップすることができませんでした。青山にとって,フロントローを獲得したのは今季初めてで,昨年10月に行われた第17戦マレーシアGP(この時はポールポジション)以来久々に1列目からのスタートとなりました。3番グリッドを獲得したのは,初日に暫定ポールを獲得していたアプリリアのベテランライダーであるA.デボンでした。昨日,来シーズンからMotoGPクラスにステップアップすることを発表したホンダの高橋裕紀は,快調なタイムアタックをしていましたが,後半セクションで大集団に引っかかってしまいタイムアップを果たすことができず,8番グリッド獲得に終わってしまいました。ただ,彼も決勝に向けてのセッティングはだいぶ決まったようですので,明日の走りが楽しみです。ワイルドカード勢は全員予選通過基準タイムを更新することができ,ホンダの富沢祥也と高橋巧がそれぞれ13,16番手,ヤマハの渡辺一樹,伊藤勇樹,遠藤卓実がそれぞれ22,23,25番手からのスタートとなりました。ところで,午前中に行われたフリー走行において,アプリリアのH.バルベラが転倒し,その際に背中を強打してしまったのです。すぐにメディカルセンターに運ばれて検査した結果,頸椎を骨折していることがわかり,予選及び決勝はキャンセルする事態となってしまいました。
125ccクラスは,ここまでランキングトップを行くデルビのM.デ.メッリオがポールを獲得しました。セカンドグリッドを獲得したのは,ドイツ期待の若手ライダーS.ブラドルでした。3番グリッドは,アプリリアのN.テロルが獲得しました。非力なマシンで今シーズン苦戦している日本人レギュラーライダー勢は,KTMの小山知良が11番グリッド,アプリリアの中上貴晶が20番グリッドとなりました。ワイルドカード勢は,浪平伊織が26番手,岩田裕臣が27番手,柳沢祐一が32番手,渡辺一馬が34番手,尾野弘樹が35番手と後方からのスタートとなりました。
     
☆初代(F1)
○第15戦シンガポールGPは,F1史上初となるナイトレースという形でシンガポール市街地サーキットにおいて行われています。そして,その予選が行われ,ここまでランキング2位を行くフェラーリのF.マッサがポールを獲得し,初開催のシンガポール初代ポールシッターとなりました。2番手は,ランキングトップを行くマクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンが獲得しています。マッサとハミルトンとの間には,およそコンマ6秒の差がついていて,いかにマッサが速かったのかがわかります。ハミルトンからコンマ2秒弱遅れて,フェラーリのK.ライコネンが3番グリッドを獲得しています。ジャパンパワー勢の中では,トヨタのT.グロックが8番グリッドと最上位につけました。ウィリアムズ・トヨタの中嶋一貴は,初めてQ3まで進出しました。残念ながらQ3ではそれほどタイムアップできずに10番グリッド獲得に終わりましたが,次戦日本GPに向けて幸先よいスタートを切った形となりました。
2008/9/27(土)
☆母国GP(MotoGP)
○第15戦日本GPが,ドライコンディションのツインリンクもてぎで開幕しました。MotoGPクラスはフリー走行が行われ,昨年の日本GPでタイトルを決めたドゥカティのC.ストーナーがトップタイムをマークしました。午前中の走行が18番手タイムだったレプソル・ホンダのD.ペドロサは,午後の走行でタイムを伸ばし,2番手に浮上しました。今大会でチャンピオン獲得の可能性が高まっているフィアット・ヤマハのV.ロッシは,順調にタイムを刻んで3番手でした。母国GPに表彰台獲得をかけるホンダ・グレシーニの中野真矢は,11番手とセッティングにやや苦しみ,リズラ・スズキからワイルドカードで参戦している秋吉耕佑は,転倒を喫して19番手タイムに終わりました。
250ccクラスは1回目の予選が行われ,アプリリアのA.デボンが,トップタイムをマークして暫定ポールを獲得しました。午前中に行われたフリー走行でもトップタイムでしたから,好調な滑り出しと言えるでしょう。ランキングトップを行くジレラのM.シモンチェリは,午前の走行は11番手タイムだったものの,1回目の予選でタイムを伸ばし,暫定の2番グリッドを獲得しました。暫定の3番グリッドには,アプリリアのH.バルベラがつけました。フル参戦の日本人勢は,KTMの青山博一が暫定の4番グリッド,ホンダの高橋裕紀が暫定の6番グリッドとまずまずのスタートを切っています。ホンダの富沢祥也が暫定の16番グリッドを獲得し,ワイルドカード参戦の日本人勢の中でトップタイムでした。JRRにおいて既にこのクラスのチャンピオンを決めているホンダの高橋巧は,富沢に次ぐ暫定の17番グリッドでした。渡辺一樹,伊藤勇樹,遠藤卓実のヤマハ勢は,それぞれ暫定の24番手,25番手,27番手と後方に位置しています。
125ccクラスは,デルビのJ.オリベがトップタイムをマークして暫定ポールを獲得しました。暫定の2番グリッドは,アプリリアのB.スミスが獲得しました。暫定の3番グリッドには,ランキングトップを行くデルビのM.ディ.メッリオがつけました。予選トップ5台中4台がデルビで,今季好調ぶりを日本でも見せた初日の走行となりました。フル参戦の日本人ライダー勢は,KTMの小山知良が暫定の14番グリッド,アプリリアの中上貴晶が暫定の24番グリッドと,今ひとつ波に乗れない今シーズンを象徴するかのようなスタートとなっています。ワイルドカード参戦勢は,ホンダの柳沢祐一と岩田裕臣は,それぞれ暫定の31番手,33番手を獲得しましたが,同じくホンダのマシンを駆る浪平伊織,渡辺一馬,尾野弘樹の3名は,予選通過基準タイムを超えることができませんでした。
        
☆ステップアップ(MotoGP)
○日本GPの会場において,2人のライダーの来シーズンについて発表がありました。その2人というのは,JiRチーム・スコットに所属するチームメイト同士についてです。まず1人目ですが,今シーズンも250ccクラスにフル参戦している高橋裕紀が,ついにMotoGPクラスにステップアップすることになりました。所属チームは,チーム・スコットになります。今シーズンは,昨年中野真矢が所属していたJiRと,高橋がGPに進出して以来4年間にわたって所属してきたチーム・スコットがタッグを組んでいましたが,今シーズン限りでその提携を解消することになりました。今シーズンの高橋は,開発が全く止まっているRSを駆っているにもかかわらず,表彰台を獲得したりしていますが,その活躍が認められてのステップアップと言っていいでしょう。現段階での噂では,今季MotoGPクラスで唯一のフル参戦日本人ライダーとなっている中野真矢が,今シーズン限りでMotoGPを撤退し,来季はHRCの開発ライダーになるのではないかと言われています。もしそれが事実(可能性は相当高いと思われます)だとすれば,中野に代わって高橋が唯一のフル参戦日本人MotoGPクラスライダーということになります。
2人目は,今シーズンMotoGPクラスにステップアップしたA.ドビツィオーゾです。2002年MotoGPにフル参戦して以来ずっとチーム・スコットに所属してきた彼は,フル参戦3年目の2004年に125ccクラスのチャンピオンを獲得しました。2005年に250ccクラスにステップアップしてからは,当時アプリリアのワークスマシンを駆っていたJ.ロレンゾと毎年のようにチャンピオン争いを展開し,2006,2007年はランキング2位となっています。そして,今シーズンから最高峰のMotoGPクラスにステップアップし,ややマシン的に劣るサテライトチーム用のホンダRC212Vにもかかわらず安定したレース展開をし,ここまでランキング5位につけています。先日,噂されていた通りレプソル・ホンダのN.ヘイデンがドゥカティのワークスチームに移籍することが発表されましたが,これまたこれまで噂されていた通りその空いたシートにドビツィオーゾが座ることになりました。GPに進出して以来一貫してホンダのマシンを駆ってきたドビツィオーゾですが,ついにそのホンダのワークスチームにまで上り詰めました。250ccクラスでバトルを繰り広げたロレンゾとドビツィオーゾでしたが,来シーズンはそれぞれヤマハとホンダのワークスマシンを駆って最高峰クラスで再びバトルを繰り広げることになりました。
2008/9/26(金)
☆移籍(SBK)
○来シーズンのSBKシリーズは,アプリリアの復活,BMWの参入といった新たな展開が見られますし,チャンピオンであるT.ベイリスが今シーズン限りで引退することもあって,ライダーの動向が例年以上に大きくなっている感じです。アプリリアに関しては,先日M.ビアッジの加入が発表されましたが,この度BMWについても発表があり,現在ヤマハ・モーター・イタリアからフル参戦しているT.コーサーが移籍することになりました。オージーライダーのコーサーは,過去に2度(1996年と2005年)このシリーズでチャンピオンを獲得しています。新規参入のBMWにとって,こうした実績を残しているライダーを獲得することは,マシン開発の面でも,シーズンを通したチームマネージメントの面でも大きくプラスに働くでしょう。なお,チームメイトについても発表されていて,スパニッシュライダーで元GPライダーのR.ザウスが,コーサーと共に新型マシンであるS1000RRを駆ることになりました。
ところで,コーサーの抜けるヤマハ・モーター・イタリアについては,チームメイトである芳賀紀行が,引退するベイリスに替わってドゥカティのワークスチームに移籍することがほぼ決定と考えられていますので,ライダーの総入れ替えという状況となります。先日,現在アリーチェ・チームからMotoGPフル参戦しているS.ギントーリが,同チームのマシンを駆ってテストに参加していました。ギントーリについては,来シーズンのMotoGPのシートを失う可能性が高くなっています。一昨年は,玉田誠のチームメイトとしてヤマハのサテライトチームであるテック3からMotoGPクラスにフル参戦していましたから,ヤマハとのつながりも既に経験済みです。ただし,フランス人ライダーのギントーリについては,ヤマハ・フランスから参戦する可能性も十分考えられますので,やや不透明なところがありますが,ヤマハ系のチームについても動向が気になります。もっとついでに言うと,JRRのJSB1000クラスでランキングトップを行っているヤマハの中須賀克行が,来シーズンどうなっているかということについても,SBKにおけるヤマハ系チームの動向と関連しそうな感じがしないわけではなさそうな・・・。まあ,これについては,完全に私の憶測ではありますけどね。
2008/9/25(木)
☆ほぼ決定(F1)
○前戦においてS.ベッテルが勝利し,俄然注目を集めているスクーデリア・トロロッソの来シーズンのシートについてですが,チーム代表のF.トストがインタビューに答え,先日行われたテストにおいてステアリングを握ったS.ブミエが,来シーズンのシートをほぼ確保しているということをほのめかしました。ただし,これは正式な発表ではなく,「契約の最終決定については急いでいない」というのが公式見解です。レッドブルの支援を受けてGP2シリーズにフル参戦している19歳のブミエですが,今シーズンはランキング6位で終了しています。ランク6位とはいえ,表彰台の一番高いところに立っていますし,先日のテストでは,その日の総合で3番手のタイムをたたき出しています。こうした点を考えると,トストのコメントが十分うなずけますので,トストのコメント通りブミエは当選確実と言っていいのでしょう。となると,ますます気になるのが,トロロッソのもう一つのシートです。ベッテルがレッドブルに移籍することは既に決定済みですから,今シーズンのもう一人のレギュラードライバーであるS.ブルデーがどうなるかです。トロロッソのドライバー候補には,ブミエの他にB.セナなどの名前が挙がっていますが,いずれも若手ドライバー中心です。「来シーズンは若手&ベテランドライバーの組み合わせで」という基本方針があるようですから,ベテランドライバーで名前が挙がっているのは,現段階では佐藤琢磨しかいません。若手のブミエが決定ということが確実であれば,琢磨の復帰の可能性がますます高まったと言えます。まあ,この先何が起こるかわからないのがF1の世界ですから,「若手&若手でもOK」というようにトロロッソが基本方針を変更したり,新たなベテラン候補が出現したりというようなことが起きることも十分考えられます。琢磨に追い風が吹くことを願うばかりですね。
2008/9/24(水)
☆控訴棄却(F1)
○ベルギーGPにおいて,マクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンとフェラーリのK.ライコネンとの間でバトルが繰り広げられているとき,最終シケインでハミルトンがショートカットしながらコースに復帰し,それが一時的にライコネンをパスする形になってしまったため,一旦はライコネンにポジションを譲りました。しかし,すぐにライコネンをパスして最終的にはトップでチェッカーを受けたということがありました。こうした行為が違反になるとし,レース終了後に25秒加算のペナルティーが課せられ,3位に降格しました。この裁定を不服としたマクラーレン側がFIA控訴裁判所に提訴していて,この度その裁定が下りました。その裁定は,マクラーレン側の控訴を棄却するというものでした。この結果,ペナルティーが有効となりますので,ハミルトンは最終リザルト通り3位ということになりました。今週末は,F1史上初となるナイトレースで行われるシンガポールGPです。今回ペナルティーが決定したことによって,ランキングトップを行くハミルトンと,ランキング2位を行くフェラーリのF.マッサとのポイント差は,僅かに1ポイントということになります。チャンピオン争いがますます激化し,目が離せない状況となりましたね。
2008/9/23(火)
☆3位浮上(SBK)
○第12戦イタリア大会の決勝レースが,バレルンガで行われました。第1レースでは,予選3番手からスタートしたヤマハの芳賀紀行と,予選4番手からスタートしたドゥカティのM.ビアッジとのトップ争いとなりました。コンマ1,2秒という僅差の争いとなりましたが,レースの大半を制していた芳賀が逃げ切り,まずはこの日の1勝目を挙げました。
第2レースでは,芳賀とそのチームメイトであるT.コーサー,そしてランキングトップを行くドゥカティのT.ベイリスの3台によるトップ争いが序盤から展開されていきました。終盤になると芳賀とベイリスとの一騎打ちとなりましたが,最終ラップでベイリスが転倒してリタイアとなり,芳賀がトップの座を守って見事ダブルウィンを達成しました。この結果,ランキング争いで芳賀が3位に浮上し,やや厳しい状況ではありますが,チャンピオン獲得の可能性を残しています。日本人勢のリザルトですが,前戦で今季3勝目を挙げたホンダの清成龍一は,この日はツキにも見放されたところがあり,第1レースが転倒リタイア,第2レースが転倒に巻き込まれたり,自らも転倒したりしながらも再スタートを切り,何とか13位に入ってポイントを獲得しています。同じくホンダの青山周平は,19位と17位でノーポイントに終わっています。スズキの加賀山就臣は9位と7位に入り,ヤマハの中冨伸一は10位と今季自己最高位となる8位に入り,両者共に2レースでポイントを獲得しています。カワサキの玉田誠は20位と19位で,こちらもノーポイントに終わっています。
2008/9/22(月)
☆有終の美(FN)
○第8戦の決勝レースが,スポーツランドSUGOで行われました。来シーズンから全く新しいシャーシで臨むことになっているFNですから,現行マシンでのレースは,今季最終戦の今回が最後となります。ポールからスタートしたTeam LeMansの本山哲は,ウェットコンディションではあったものの,スタートを決めてそのポジションを守ったまま序盤はトップを走行しました。それに対して,年間7回というポールポジション獲得の新記録が残念ながら達成できなかったLAWSON IMPULの松田次生は,2番グリッドからスタートしたものの,PIAA NAKAJIMAの木暮卓史の好スタートに阻まれ,3番手へとポジションダウンとなりました。しかし,そこは既に前戦でチャンピオンを決めた松田のこと,11周目には木暮をパスして2位に浮上してきました。さらに,その周にトップを走行していた本山のペースが序盤から抱えていたスロットル系のトラブルが深刻さを増したため急激に落ち,労せずして松田はトップへと浮上(本山は,スロー走行で1周した後にリタイア。)しました。途中少しずつドライへとコースコンディションが変わっていったりしましたが,松田はその座を守り抜いて今季5勝目を挙げ,2年連続チャンピオン獲得となった今シーズンの有終の美を飾りました。2位には木暮が,そして3位にはその木暮のチームメイトであるL.デュバルが入っています。IMPULとNAKAJIMAとの間で繰り広げられていたチームタイトルでしたが,松田の優勝によりIMPULに凱歌が上がりました。LAWSON IMPULとしては初のチームタイトル獲得ですが,TEAM IMPULとしては6連覇達成となります。そのIMPULですが,3台目のマシンであるTP Checker IMPULを駆る平手晃平が5位に入り,ルーキーオブザイヤーも獲得しています。
2008/9/21(日)
☆新記録ならず(FN)
○今季最終戦となる第8戦の予選が,宮城県のスポーツランドSUGOで行われました。今回の予選も,F1でお馴染みのノックアウト方式が採用されています。LAWSON IMPULの松田次生は,前戦で連続ポールは途絶えたものの,今回ポールを獲得すると年間7回という新記録を達成するという注目の予選でした。ノックアウト方式最後のセッションであるQ3が,10分間という時間で始まりましたが,どのマシンも最初はゆっくり目で走行していました。そのような中,唯一Team LeMansの本山哲だけは,はじめからハイペースでタイムアタックを敢行しました。そして,アタック2周目に入った本山が,何とSPコーナーでスピンを喫してクラッシュし,赤旗が提示される事態となってしまいました。しかも,その時点でQ3の残り時間が5分を切ってしまっていたのです。レギュレーションでは,残り5分を経過すると,例え赤旗が出てもセッションの時間が延長されないことが決められています。ということで,まだ本格的なタイムアタックが完了していない中でセッションは終了。既にタイムアタックを1周済ませていた本山が約1年ぶりにポールを獲得し,新記録を狙っていた松田は,アタックする前に予選終了となってしまい,予選2番手で終わったため新記録達成となりませんでした。Q1,Q2とトップタイムをマークしていた松田でしたから,Q3もトップタイムをマークする可能性がかなり高かっただけに,何とも残念な形でのグリッド決定となりました。なお,予選3番手には,DoCoMo DANDELIONの土屋武士が入っています。
2008/9/20(土)
☆移籍か?(SBK)
○まだ正式発表はないものの,どうやら元GPライダーで2007年からSBKにスイッチしたM.ビアッジが,彼自身SBKシリーズで3メーカー目のチームに移籍する可能性が高まっているようです。SBKにスイッチした1年目の07年はスズキのマシンを,2年目となる今年はドゥカティのマシンを駆ってきたビアッジですが,3年目となる来シーズンは,2002年シーズンを最後にSBKシリーズから撤退し,来シーズンから再登場する予定のアプリリアのマシンを駆ることになるようです。そのマシンというのは,アプリリアの新型マシンであるRSV−4です。ビアッジに関しては,T.ベイリスの引退に伴い,ドゥカティのワークスチームに移籍するのではないかという噂もありました。しかし,そのシートは,ヤマハから芳賀紀行が移籍することになるためなくなりました。そして,イタリア人ライダーのビアッジに白羽の矢が立ったのが,もう一つのイタリアンメーカーであるアプリリアということになったのでしょう。冒頭でもお伝えしたように,この移籍話はまだ正式発表には至っていません。しかし,昨日からイタリアのバレルンガで開幕した第12戦のレースウィーク中には,今回の移籍が正式発表されるのではないかと言われているようです。(と,このページの更新段階では,まだ正式発表はなされていませんでしたが,その後アプリリアから正式にビアッジ獲得のアナウンスがありました。)
2008/9/19(金)
☆5ヶ月ぶり(F1)
○ヘレスでの合同テスト3日目の走行が行われました。この日の注目は,何といってもトロ・ロッソだと言えます。。前日のS.ブミエと交代して,いよいよ佐藤琢磨がステアリングを握ったのです。スーパーアグリF1の撤退に伴い,F1でのシートを失って以来5ヶ月ぶりのF1マシンのドライブとなります。ところが,残念ながら午前中はドライコンディションの中で走行できたものの,午後からは雨となってしまったため,走行を見合わせることとなってしまいました。ということで午前中のタイムがこの日の最速タイムとなったのですが,トップタイムをマークしたのは,2日目に引き続いてレッドブルのステアリングを握ったS.ベッテルでした。イタリアGPを制した勢いが,まだ続いているかのような印象ですね。そして,琢磨のタイムは,走行した8台中6番手で,久々にステアリングを握ったにしてはまずまずの結果となっています。ただ,如何せん午後からの走行ができなかったというのは,来季のシートを獲得に向けてのアピールという点で残念だったのかもしれません。ちなみに,この日は日本人ドライバーデーといった感じで,トヨタのテストドライバーである小林可夢偉とウィリアムズ・トヨタのレギュラードライバーである中嶋一貴も走行しています。タイムとしては,小林が琢磨に次ぐ7番手,中嶋が小林に次ぐ8番手でした。
2008/9/18(木)
☆注目度(F1)
○スペインのヘレス・サーキットにおいて,今シーズン最後となる合同テストが行われています。初日の走行は,BMWザウバー,ウィリアムズ・トヨタ,ホンダ・レーシングの3チームしか走行しませんでしたが,2日目の走行は,フェラーリとフォースインディアを除いた全チームが走行しました。今回のテストで注目度が高いのは,何といってもレッドブル系のチームであるレッドブル(親みたいなもの)とトロ・ロッソ(子みたいなもの)の2チームでしょう。先週末に行われたイタリアGPにおいて,ポールポジション獲得&優勝の最年少記録を更新したトロ・ロッソのS.ベッテルは,既に来シーズンレッドブルに移籍することが決定しています。そのためか,2日目の走行ではそのレッドブルのステアリングを握って走行し,走行した8台中2番手タイムをマークしています。そのベッテルが所属するトロ・ロッソは,来シーズン同チームのドライバー候補の一人である期待のスイス人若手ドライバーのS.ブミエがステアリングを握りました。タイムは,ベッテルに次ぐ3番手でした。そして,3日目の走行となる今日は,いよいよ佐藤琢磨がトロ・ロッソのステアリングを握ることになっています。これまでこのページでお伝えしているように,琢磨も来シーズンのトロ・ロッソの有力ドライバー候補の一人ですから,是非ともベテランらしい走りを見せていってほしいものですね。
2008/9/17(水)
☆残留?(F1)
○来シーズンに向けてのシート獲得争いが既に始まっていますが,その中の大きな目玉は,何といっても元チャンピオンのF.アロンソでしょう。彼の獲得に向け,現在所属しているルノーはもちろん,BMWザウバーやホンダといった有力チームも獲得に向けて名乗りを上げています。ただ,彼自身の大本命が,フェラーリであることは公然の秘密状態。ところが,その肝心のフェラーリが,既に今シーズンと同じくK.ライコネン&F.マッサの布陣で2010年まで行くことが決定したため,少なくとも赤い羽根馬を駆るアロンソが実現するのは,2011年以降ということになりました。そのような状況の中,ここに来てアロンソが示唆したのが,「ルノー残留」という方向性のようです。実際,彼にとってチャンピオンを獲得したチームですし,それだけに慣れ親しんだチームでもあります。現在はやや低迷している観はありますが,再びかつての輝きを取り戻せば,十分勝てるチームとなる可能性もあります。そうしたことからか,アロンソのコメントによると,現段階ではルノーが選択肢の第一となっているようです。ただし,既に交渉の扉を閉じたわけではないというコメントをつけることも忘れていません。
2008/9/16(火)
☆正式発表(MotoGP)
○シーズンが終盤に入り,チャンピオンシップの争いに注目が集まるのはもちろん,来シーズンの契約について次々に明らかとなっていきますので,この点にも注目が集まっていきます。そのような中,第14戦インディアナポリスGPが行われた会場において,来シーズンの契約について発表がありました。まず一つ目は,レプソル・ホンダのN.ヘイデンについてです。レースウィークに入る前にヘイデンがチームを抜けることは発表がありましたが,移籍先については明らかとなりませんでした。ただし,ドゥカティへ移籍することは確実視されていました。そして,決勝レースが行われた翌日,ドゥカティからヘイデンがファクトリーチームに入ることが正式に発表されました。契約期間については発表されていませんが,最終戦バレンシアGPが終了した翌日には,来季型マシンであるデスモセディチGP9をテストすることになっています。AMAチャンピオンを経て2003年にMotoGPへステップアップして以来,6年間にわたってホンダのファクトリーチームからフル参戦してきたヘイデンは,2006年にはチャンピオンに輝きました。その後の2年間は,マシンとのマッチングに苦しみ,優勝はもちろん,表彰台獲得さえ厳しい状況が続いていました。環境を変えることによって,再びヘイデンに輝きが戻るか注目ですね。
さて,そのヘイデンの座るシートは,M.メランドリが抜けることによって空いたものです。そのメランドリですが,シーズン途中で既に2年契約を破棄してチームを離脱することが発表されていました。そのメランドリの移籍先についても,レースウィーク中に発表がありました。彼の移籍先は,かねてから噂されていたようにカワサキのファクトリーチームです。契約期間は2年間となっています。メランドリが入るということは,誰かが抜けることになるわけですが,その点については発表されていません。ただし,来季のカワサキについては,3台体制になるのではないかという噂もありますので,誰も抜けない可能性もあります。
3つめは,ホンダのサテライトチームであるLCRについてです。現役時代にノビーこと上田昇のチームメイトとして日本人にお馴染みのライダーの一人となったL.チェキネロが率いる同チームですが,チームとしてMotoGPにステップアップして以来,ずっとホンダの協力を受けてサテライトチームとしてマシンの供給を受けていました。来シーズンもその状況に変わりなく,RC212Vを使用することになりました。そして,そのマシンを駆るライダーですが,今シーズンと同じくR.ド.プニエとなりました。彼とチームとは,既に2年契約を結んでいて,来季はその2年目ということになります。今季カワサキのファクトリーチームからLCRに移籍したド.プニエでしたが,なかなか上位争いに顔を出すことができず,テレビの画面に映ったかと思ったら,それは転倒した場面だったということが時々ある状況が続いています。来シーズンは,安定した走りを見せてくれるといいですね。
2008/9/15(月)
☆完勝(SGT)
○第7戦の決勝レースが,ツインリンクもてぎで行われました。雨の予想もされていたもてぎでしたが,最後まで雨が落ちてくることはありませんでした。GT500クラスのポールスタートは,R.クインタレッリ&横溝直輝組のYellowHat YMS TOMICA GT-Rでした。そこまでのセッション全てで最速タイムをマークしていて,さらにポールまで獲得という速さを見せていましたが,何と決勝レースでもその速さに変わりはありませんでした。ポールからスタートし,1コーナーにトップで入ってから一度もトップの座を譲ることなく63ラップを走り抜き,見事な走りで今季初優勝を挙げました。同チームがGT500クラスで優勝したのは,1995年の第4戦に優勝して以来,本当に久しぶりの勝利となります。この時の優勝は,オーナー兼チーム監督である長谷見昌弘がまだ現役の頃で,彼一人で走りきったとき(当時はGT1クラス)のものです。2位には,今シーズンなかなか思うようなレース展開がなされていない昨年のチャンピオンマシンであるR.ファーマン&伊沢拓也組のARTA NSXが入りました。3位は,ファイナルラップに入るまで飯田章&B.ビルドハイム組のENEOS SC430が走行していましたが,突然スローダウンして4位に後退し,代わってPETRONAS TOM'S SC430を駆る脇坂寿一&A.ロッテラー組が入りました。
GT300クラスは,最後尾からスタートした織戸学&阿部翼組のウェッズスポーツIS350が驚異的な追い上げを見せ,2位まで浮上していきました。そして,52周目に,その段階でトップを走行していた高橋一穂&加藤寛規組のプリヴェKENZOアセット・紫電がミスをしたところをついてトップに浮上。そのまま逃げ切って今季初勝利を収めました。今シーズン途中から新型車であるIS350を投入し,デビュー5戦目にして同車がトップに立ったことになります。3位には,山西康司&余郷敦組のtriple a ムルシェ RG-1が入っています。
       
☆初勝利(F1)
○第14戦イタリアGPの決勝レースが,モンツァ・サーキットで行われました。金・土と2日間とも雨に見舞われたモンツァでしたが,決勝レースも雨の中でのスタートとなりました。しかも,単なるスタートではなく,全車エクストリーム・ウェザータイヤを履き,セーフティーカー先導によるスタートという形でした。自身初となるポールからスタートしたトロ・ロッソのS.ベッテルは,最速タイムをマークしながら後続との差を広げていき,その座をずっと守り続けていきました。レースが進むにつれ少しずつ路面コンディションは回復していき,2回目のピットストップの時には,通常のウェットタイヤを履くほどまでになりました。それでもベッテルの速さは変わらず,難しいコンディションの中53周を走り抜き,ピットインのタイミングの時を除いて,トップの座を守ったままチェッカーを受けました。自身初となる勝利を,ポールトゥーフィニッシュという完璧な形で飾りました。また,この勝利は,F1における史上最年少優勝記録(21歳73日)となります。2位には,2番グリッドからスタートしたマクラーレンメルセデスのH.コバライネンが入っています。3位には,11番グリッドからスタートしたものの,1回ピット作戦を選択したのが功を奏したBMWザウバーのR.クビサが入っています。ランキングトップのL.ハミルトンとランク2位のF.マッサは,それぞれ7位,6位に入っています。ジャパンパワー勢は,ポイント圏内に誰も入ることができず,トヨタのT.グロックの11位が最高位でした。ウィリアムズ・トヨタの中嶋一貴は,チームメイトのN.ロズベルグより2つ前のポジションとなる12位でチェッカーを受けています。
      
☆王手(MotoGP)
○第14戦の決勝レースが,初開催となるインディアナポリスで行われました。予選2日目となる土曜日は天候に恵まれたものの,金曜日と同じく決勝レース日も台風の影響を受けてしまい,時折青空が見られたかと思えば,ほどなくして激しい風雨に見舞われるというようないかにも台風らしい天候となってしまいました。ポールからスタートしたランクトップをいくフィアット・ヤマハのV.ロッシは,序盤やや遅れる形となりました。それでも徐々にポジションを回復していき,14周目にはトップに浮上。そのような中,徐々に路面コンディションは回復していったのですが,後半に入ると再び大荒れの天候となり,残り7周となったところで赤旗中断となりました。レギュレーション上は,周回数の関係から再レースとなるところなのですが,安全上の理由でレースはそのまま中止となり,ロッシが4連勝を飾り,今季通算7勝目を挙げました。2位には,母国GPに燃えるレプソル・ホンダのN.ヘイデンが今季自己最高位で入りました。まだ2戦連続欠場の原因となった右足かかとの骨折が癒えてなく,歩くときには杖をつくという状態にもかかわらず2位表彰台を獲得しています。3位には,ロッシのチームメイトであるJ.ロレンゾが入っています。ロッシとチャンピオン争いを展開しているドゥカティのC.ストーナーは,4位でチェッカーを受けています。この結果両者のポイント差はさらに広がり,次戦日本GPでロッシがストーナーより前でチェッカーを受けるか,4位以内に入るかすれば3年ぶりのチャンピオン獲得という王手をかけた状態となりました。なお,今回からニュウマチックバルブ仕様エンジン&ブリヂストンタイヤという新しいパッケージで臨んだレプソル・ホンダのD.ペドロサは,8位でチェッカーを受けています。また,ホンダ・グレシーニの中野真矢は,ポイント圏外の17位に終わりました。
125ccクラスは,レース前に降った雨により,所々濡れているという路面コンディションの中で始まりました。6番グリッドからスタートしたアプリリアのN.テロルが,徐々にポジションをアップ。ポールからスタートしたデルビのP.エスパルガロを10周目にとらえるとそのままトップの座を守りました。そして,残り6周となったところで再び雨が降り始め,赤旗中断となり,レースはそのまま成立となりました。この結果,テロルが自身通算60戦目で初優勝を飾りました。4台による3位争いは,アプリリアのS.ブラドルが制しています。KTMの小山知良は,ポイント圏外となる19位で完走。もう一人の日本人ライダーであるアプリリアの中上貴晶は,6周目に転倒リタイアに終わっています。
250ccクラスは,当初MotoGPクラスの前に決勝レースが行われる予定でしたが,天候不良によりMotoGPクラスの後に行われることに変更となりました。ところが,MotoGPクラスが赤旗で中止となって以降も天候の回復が見込まれず。安全面を考慮して決勝レース中止という決断が下されました。(ということで,この日は2つのクラスで3人の日本人ライダーが走ったことになりますが,全員ノーポイントに終わってしまいました。初開催の地は,日本人にきつい洗礼を浴びせた形で終わっていますね。)
2008/9/14(日)
☆初ポール PARTT(SGT)
○第7戦の予選が,ツインリンクもてぎで行われました。今回の予選は,F1でお馴染みとなっている3つのセッションで徐々に遅いマシンが抜けていくというノックダウン方式で行われました。まず,GT500クラスですが,金曜日の練習走行から全ての走行でトップタイムをマークしてきたのがR.クインタレッリ&横溝直輝組のYellowHat YMS TOMICA GT-Rでした。そして,予選でもその速さは衰えず,唯一1分44秒台のタイムをマークして今季初となるポールを獲得しました。同チームのポールは,鈴鹿サーキットで行われた昨年の第6戦以来となります。2番手タイムは,R.ファーマン&伊沢拓也組のARTA NSXがマークしています。3番手タイムを飯田章&B.ビルドハイム組のENEOS SC430がマークし,奇しくも決勝レースの3番グリッドまでに3メーカーのマシンが並ぶことになりました。
GT300クラスは,最終アタックで谷口信輝&山路慎一組のユンケルパワー タイサン ポルシェがトップタイムをマークし,ポールポジションを獲得しました。トップから遅れること僅か1000分の12秒差で,高橋一穂&加藤寛規組のプリヴェKENZOアセット・紫電が2番手となりました。3番手タイムは,柴原眞介&黒澤治樹組のWILLCOM ADVAN VEMAC 408Rがマークしています。
        
☆初ポール PARTU(F1)
○2週連続開催となるF1ですが,今回はモンツァ・サーキットで行われる第14戦イタリアGPです。2日目の走行は予選が行われましたが,激しい雨に見舞われたウェットコンディションの中での走行となりました。そして,この雨が,これまでにない予選結果を生み出しています。ウェットタイヤの中でもさらに溝の深いエクストリーム・ウェザータイヤで各マシンが走行する中,トップタイムをマークしたのは,前戦でダブル入賞を果たした今季好調のトロ・ロッソのマシンを駆るS.ベッテルでした。彼のポール獲得は,参戦22戦目にして初となります。2番グリッドを獲得したのが,マクラーレン・メルセデスのH.コバライネンでした。最後のアタックで3番手に浮上したのが,レッドブルのM.ウェーバーでした。3強といわれるマクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンとフェラーリのF.マッサ,K.ライコネンは,それぞれ15番手,6番手,14番手に終わりました。予選でこの3人の内の誰もトップ3に入らなかったというのは,今シーズン初の出来事です。なお,ウィリアムズ・トヨタの中嶋一貴は,今回も18番グリッドと後方からのスタートとなります。
      
☆阻止(MotoGP)
○第14戦の2日目の走行が,インディアナポリスで行われました。前日は,大型台風の影響で激しい雨の中での走行となりましたが,この日は天候に恵まれ,気温34度という真夏の日差しの中で行われました。MotoGPクラスは,連続ポールポジション獲得の記録をマークしているドゥカティのC.ストーナーが,8戦連続ポールなるかという点に注目が集まっていました。そして,その記録を阻止するトップタイムをマークしたのは,ランキングトップをいくフィアット・ヤマハのV.ロッシでした。彼のポール獲得は,第6戦イタリアGP以来となります。惜しくも連続ポール記録を阻止されたストーナーは,2番グリッドを獲得しています。3番グリッドは,ロッシのチームメイトであるJ.ロレンゾが獲得しています。母国GP制覇に燃えるレプソル・ホンダのN.ヘイデンは,4番グリッドを獲得しています。なお,そのヘイデンですが,今シーズン限りでレプソル・ホンダを抜けることをレースウィークに入って表明しています。まだ正式発表には至っていませんが,彼の移籍先は,M.メランドリの抜けるドゥカティのワークスチームであることはほぼ間違いありません。ホンダ・グレシーニの中野真矢は,セッション途中で転倒したことが響き,17番グリッド獲得に終わっています。昨日お伝えしたように,T.エリアスのチーム復帰交渉中という状況が急浮上したため,来シーズンのシート獲得に黄色信号が灯っているだけに,決勝レースでの走りに期待したいと思います。
250ccクラスは,2回目の予選が行われ,現在ランキングトップをいくジレラのM.シモンチェリがトップタイムをマークし,今季4回目となるポールを獲得しました。午前中に行われたフリー走行でトップタイムをマークしたアプリリアのH.バルベラが,セカンドグリッドを獲得しています。3番グリッドを獲得したのは,KTMのM.カリオでした。激しい雨の中行われた1回目の予選で2番手タイムをマークしたKTMの青山博一は,ドライコンディションで行われた2回目の予選では5番手タイムでした。1回目の予選でわずか4周のみ走行したホンダの高橋裕紀は,11番グリッド獲得に終わっています。決勝レースでは,後方からの巻き返しを期待したいと思います。
125ccクラスは,デルビのマシンを駆るP.エスパルガロが,第7戦カタルニアGP以来となる自身2度目のポールを獲得しています。2番グリッドを獲得したのが,ランキングトップをいく同じくデルビのM.ディ.メッリオでした。3番グリッドは,アプリリアのS.ブラドルが獲得しています。初日の走行で左手の舟状骨を骨折した昨年のチャンピオンであるG.タルマクシは,この日の走行をしましたが,16番手に終わっています。日本人ライダー勢ですが,アプリリアの中上貴晶が14番手,KTMの小山知良が18番手獲得に終わっています。
2008/9/13(土)
☆台風(MotoGP)
○第14戦は,史上初開催となるインディアナポリスでの大会です。初日の走行が行われましたが,大型台風『アイク』の影響を受け,時折激しい雨脚となる生憎の天候となりました。MotoGPクラスは,午前・午後それぞれにフリー走行が行われ,ウェットコンディションを得意とするカワサキのA.ウェストが両セッション共にトップタイムをマークしました。ホンダ・グレシーニとの間で契約延長が成立したA.デ.アンジェリスは,午前が2番手,午後が3番手と好調な走りを見せています。それに対して,チームメイトの中野真矢はワークス仕様のマシンにまだ慣れないためか,午前が13番手,午後が17番手と後方に沈んでしまいました。まだ来シーズンのシートが決まっていない中野ですが,同チームの残り一つのシートに別のライダーの名前が急に浮上してきただけに,今日以降の走行でいいところを見せてほしいものです。
250ccクラスは1回目の予選が行われ,アプリリアのチェコ人ライダーであるK.アブラハムが,自身初となる一番時計をマークして暫定ポールを獲得しました。暫定の2番グリッドを獲得したのが,今シーズン思うような成績がなかなか出せていないKTMの青山博一でした。暫定の3番グリッドを,チームメイトのM.カリオが獲得しています。前戦で2位表彰台を獲得したホンダの高橋裕紀は,悪天候のために走行を制限し,わずか4周のみの走行で暫定の12番グリッド獲得にとどまっています。
125ccクラスも1回目の予選が行われ,250ccクラスと同様にこちらも自身初となる一番時計をマークして,KTMのL.ザネッティが暫定ポールを獲得しました。暫定の2,3番グリッドを,それぞれS.レディンとA.イアンノーネのアプリリア勢が獲得しています。日本人ライダー勢ですが,KTMの小山知良は暫定の23番グリッドを獲得したものの,アプリリアの中上貴晶は予選通過基準タイムを上回ることができませんでした。
         
☆契約延長(F1)
○フェラーリからプレスリリースが出され,昨年のチャンピオンであるK.ライコネンと2010年までの契約延長が成立したことを発表しました。これにより,2010年までは今シーズンと同じくライコネン&F.マッサというドライバーラインナップとなることが決定しました。ライコネンについては,今シーズン限りで引退するのではないかという噂があるほど,来年以降の動向が注目されたドライバーでした。フェラーリのシートを狙っているドライバーは多いですが,その中の筆頭が元チャンピオンのF.アロンソで,ライコネンの引退に合わせてアロンソがフェラーリに行くのではないかという噂が根強くありました。現在所属しているルノーのマシンがなかなか高パフォーマンスを出せない状況にあるアロンソについては,ホンダをはじめ,レッドブル,BMWザウバーなどが獲得に向けて動いていることが明らかとなっています。その障害となっていたのが,アロンソのフェラーリ志望だったのです。今回の発表により,アロンソのフェラーリという選択肢がなくなったため,新たな展開が生まれてきそうですね。
2008/9/12(金)
☆移籍(SBK)
○ヤマハ・モーター・イタリアから発表があり,T.サイクスとの契約が成立しました。契約期間は1年ですが,2010年についてはオプション契約となっています。23歳のサイクスは,今季リズラ・スズキからBSBシリーズにフル参戦しています。また,ブランズハッチとドニントン・パークで行われたSBKでは,ワイルドカードで出場しています。今回の契約成立に大きな影響を与えているのが,何といっても芳賀紀行との契約でしょう。今シーズンのヤマハ・モーター・イタリアは,芳賀と元チャンピオンのT.コーサーの2人が所属しています。その芳賀は,今シーズン限りで引退することになっているドゥカティワークスのT.ベイリスのシートに座るため,ヤマハから移籍することがほぼ確実視されています。ただ,まだ正式発表は行われていません。今回のサイクスの移籍が,コーサーに代わるものなのか芳賀なのかについては明らかとなっていません。しかし,こうした状況を考えると,芳賀がドゥカティのエースライダーとなるかわりの移籍という可能性が高いと考えていいのではないでしょうか。
2008/9/11(木)
☆黄信号?(F1)
○現在フェラーリエンジンを使用しているトロ・ロッソですが,チーム代表であるF.トストが,来シーズンも同エンジンを使用する予定であることを明らかにしました。来週行われるテストにおいて,佐藤琢磨を起用することを発表したトロ・ロッソですが,来シーズンの契約を見据えてのものではないかと噂されています。さらに,その契約の際には,琢磨を支援し続けてきているホンダとの契約も関係し,来シーズンからホンダエンジンを使用するのではないかという噂も先日お伝えしました。もしこのエンジンに関する噂が本当だとすると,今回のフェラーリエンジン継続使用決定は,「琢磨とトロ・ロッソとの契約が厳しい状況におかれてきているということを意味するのではないか」ということも考えられます。さらに,S.ボーデが来シーズンのシートを失うのではないかという予想もあったのですが,最近では残留の方向に進んでいるのではないかという話になってきています。もしそうだとしたら,来シーズンのトロ・ロッソのシートは,一つしか空いていないという可能性が高くなります。つい数日前までは,琢磨のF1復帰の可能性が高まったと思っていたのですが,そのことに黄色信号が灯ってきたのかもしれません。ただし,情勢が猫の目のように変わるのがF1の世界ですから,今後新たな展開が生まれてくる可能性も否定できませんね。
2008/9/10(水)
☆ワイルドカード(MotoGP)
○今月末にツインリンクもてぎで行われる日本GPにおいて,ワイルドカード参戦する日本人ライダーの発表が先日ありました。まずMotoGPクラスですが,JSB1000クラスにフル参戦していて,先週末に行われた第5戦ではレース1,レース2共に独走で勝利を収めたスズキの秋吉耕佑がリズラ・スズキから出場します。また,HRCでRC212Vの開発ライダーを務めている超ベテランライダーである岡田忠之も,自ら開発しているマシンを駆って出場します。彼は,第6戦イタリアGPにも出場していますので,今シーズン2度目の登場ということになります。
250ccクラスでは,JRRの第5戦で今季4回目となる勝利を収め,今シーズンのチャンピオンを獲得したホンダの高橋巧が出場します。また,同じくホンダの富沢祥也をはじめ,ヤマハの渡辺一樹,伊藤勇樹,遠藤卓実がエントリーされています。
125ccクラスは,現在JRRのランキング3位をいく尾野弘樹をはじめ,浪平伊織,渡辺一馬,岩田弘臣,柳沢祐一(いずれのライダーもホンダ)の5名が出場することになっています。
2008/9/9(火)
☆新人王(IRL)
○今季最終戦となる第17戦の決勝レースが,シカゴランドで行われました。レースは,チャンピオン獲得に王手をかけているランキングトップのS.ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)と,ランク2位のH.カストロネベス(チーム・ペンスキー)との間で激しいトップ争いが展開されていきました。両者のバトルは最終ラップのゴールラインまで続き,タイミングモニター上では,ディクソンが0.001秒差で勝利したように思われました。しかし,最終的には写真判定に持ち込まれ,その結果カストロネベスがシリーズ史上2番目の僅差となる0.0033秒差で勝利を収めました。最終戦のウィナーの座はカストロネベスに譲ったものの,シリーズチャンピオン争いはディクソンが17ポイント差で逃げ切り,2003年以来5年ぶりとなるチャンピオンの座にディクソンが就きました。結婚,インディ500制覇,そしてチャンピオン獲得と,ディクソンにとって忘れられない1年となりそうです。唯一のフル参戦日本人ドライバーである武藤英紀は,ルーキーオブザイヤーのタイトルに王手をかけてこのレースに臨んでいました。序盤から激しいアンダーステアに苦しんでいましたが,徐々に症状が回復していきました。5回目のフルコースコーション中に給油をし,そのまま逃げ切る作戦に変更して走り始めましたが,161周目に電気系のトラブルが発生して万事休す。ただし,武藤と共に新人王争いを展開しているJ.ウィルソンが11位に終わったことから,11ポイント差で武藤が逃げ切る形となり,2004年の松浦孝亮以来二人目となる日本人ドライバーによる新人王獲得となりました。
      
☆提訴(F1)
○第13戦の決勝レースについては,昨日のこのページでお伝えしたように,最終的にフェラーリのF.マッサが優勝しました。ただし,レースでトップチェッカーを受けたのは,マクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンでした。これは,ハミルトンとフェラーリのK.ライコネンによる激しいトップ争いが展開されている最中の42周目に,バスストップシケインにおいてアウトからハミルトンが仕掛けたものの,ライコネンの抵抗にあいランオフエリアを走行せざるを得ない状況となりました。このショートカット走行のためにハミルトンはライコネンより先に出る形となったため,一旦はライコネンを先に行かせ,その後すぐ1コーナーで再び抜き返してトップに返り咲きました。結果的にこの行為が問題となり,レース終了後の審議委員会で審査した結果,ショートカットしたことで有利な立場に立ったことから25秒加算のペナルティーを受け,3位に後退することとなりました。この裁定に対して納得のいかないチーム側が国際控訴裁判所に提訴したため,ベルギーGPのリザルトは,この判断が下るまで暫定扱いとなりました。他のチームから見るとフェラーリ側に都合のいい裁定が下ることが多いと言われることのある現在のF1ですが,今回のこともその一つの例となるのかもしれないですね。
2008/9/8(月)
☆完勝(JRR)
○第5戦の決勝レースが,真夏を思わせる天候となった鈴鹿サーキットで行われました。JSB1000クラスは,昨年の最終戦以来となる2レース制でした。レース1では,ポールからスタートしたスズキの秋吉耕佑がホールショットを奪い,徐々に後続との差を広げていきました。数台のマシンによる2位争いが展開されていく中,秋吉は独走状態を築いていき,見事な走りで今季2勝目を挙げました。2位には,第3戦までランキングトップをいっていたヤマハの中須賀克行が入りました。前戦において優勝し,ランキングトップに躍り出ていたモリワキの山口辰也は,4位走行中にラップ遅れを交わした際にそのラップ遅れのマシンから追突されてしまい,何と転倒リタイアに終わってしまいました。このノーポイントが響き,再び中須賀がランクトップに出ています。3位には,ホンダの伊藤真一が入りました。伊藤の表彰台獲得は,2006年の最終戦以来およそ2年ぶりです。
レース2でも秋吉の快走は続き,オープニングラップで2位に約1秒5の差をつけました。その後もその勢いは衰えることなく,レース2も独走で制し,パーフェクトウィンを達成しました。2,3位には,レース2と同じく中須賀と伊藤がそれぞれ入っています。
ST600クラスは,ランキングトップをいくホンダの小西良輝が今回のレースで8位以内に入れば2年連続チャンピオンになるという状況の中で行われました。ポールからスタートしたホンダの野田弘樹をはじめ,全部で7台のマシンによるトップ争いが展開されていきました。その状況の中で野田や小西などが転倒を喫してリタイアに追い込まれていくというレース展開となっていき,最終的にホンダの岩田悟が,全日本で自身初となる勝利を収めました。2位と3位には,それぞれホンダの出口修と,カワサキの高橋英倫が入っています。
250ccクラスは,ホンダの高橋巧とヤマハの宇井陽一とのトップ争いとなりました。後続との差を広げた中でのバトルは,ランキングトップの高橋に軍配が上がり,今季4勝目を挙げました。今回の優勝により,高橋が今シーズンのチャンピオンを決めました。3位には,レース中盤から独走となったヤマハの関口太郎が入っています。
125ccクラスは,5台によるトップ争いが展開されていきました。そのような中,超ベテランライダーでホンダのマシンを駆る菊池寛幸が徐々にバトルから抜け出していき,今季3勝目を挙げました。最終ラップまで続いた2位争いは,ホンダの尾野弘樹が制し,尾野にとって自身初となる2位表彰台獲得となりました。3位には,ホンダの浪平伊織が入り,今季2回目の表彰台を獲得しています。
GP−MONOクラスは,3台によるトップ争いが展開されていき,最終的には最終ラップのカシオトライアングルでハルクプロのマシンを駆る小室旭がトップに立ち,そのままチェッカーを受けています。2,3位には,それぞれ乃村康友と中木亮輔が入り,モリワキのマシンが2,3位を獲得しています。
      
☆ペナルティー(F1)
○第13戦ベルギーGPの決勝レースが,スパ・フランコルシャンで行われました。元々雨の多いベルギーGPですが,今回もレース前の雨によりウェットコンディションの中でレースがスタートしました。ポールからスタートしたマクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンが,オープニングラップでトップに立ったものの,2周目にスピンを喫してトップにはフェラーリのK.ライコネンが立ちました。2台によるバトルは終盤まで続きましたが,レース残り6周となったところで雨が再び降り始め,徐々に雨脚が強まっていきました。この雨によりハミルトンがコースオフを喫してライコネンがトップに立ったと思ったら,残り3周目に今度はライコネンがスピンを喫してしまいました。このスピンは単なるスピンではなく,ウォールの餌食となるもので,残念ながらライコネンはリタイアとなってしまいました。いつまたスピンを喫するかわからないという状況で慎重な走りを見せたハミルトンは,何とか逃げ切ってトップでチェッカーを受けました。ところが,レース終了後の審議委員会で,42周目の最終コーナーでシケインをショートカットした際,ハミルトンがライコネンに適切にポジションを譲らなかったということで25秒加算のペナルティーを受け,2,3位でチェッカーを受けたフェラーリのF.マッサとBMWザウバーのN.ハイドフェルドがそれぞれ順位を繰り上げています。ペナルティーを受けたハミルトンは,3位というリザルトになっています。
トヨタのT.グロックが8位でチェッカーを受けましたが,追い越し禁止を表すイエローフラッグ無視をしてしまったため25秒加算のペナルティーを受け,9位に後退してしまいました。それでも彼がジャパンパワー勢でのトップです。ウィリアムズ・トヨタの中嶋一貴は,14位に終わっています。
2008/9/5(金)
☆エンジン(F1)
○一昨日のこのページで,18日に行われるテストにおいて,佐藤琢磨がトロ・ロッソのステアリングを握ることが決定したことをお伝えしました。そのことに関連して,イタリアにおいて新たな噂が浮上してきました。それは,エンジンに関してのものです。ご存知のように,琢磨はホンダの支援を受けてきたドライバーです。彼がこれまで所属してきたジョーダン,BAR,スーパーアグリF1は,全てホンダエンジンを搭載していました。来シーズンのトロ・ロッソのシートを高い確率で獲得したと考えてもいい状況の琢磨ですが,そのこととホンダエンジンとの関係が噂されてもおかしくはありません。今シーズンのトロ・ロッソ及びその親チームであるレッドブルは,それぞれフェラーリとルノーエンジンを使用しています。フェラーリエンジンに関しては,いうまでもなくいいパフォーマンスを見せるものですが,ルノーエンジンに関しては,今季元チャンピオンのF.アロンソを擁してもいい結果が出ないほどここ数年低迷しています。そこで出てきた噂というのが,レッドブルがルノーエンジン使用をやめ,トロ・ロッソのフェラーリエンジンを使うことになり,琢磨が所属するトロ・ロッソにホンダエンジンが供給されることになるのではないかというものです。ここまでの状況を考えたとき,十分に考えられる噂話ですので,今後の展開が注目されますね。
2008/9/4(木)
☆復帰(IRL)
○昨年IRLチャンピオンに輝いたのはD.フランキッティでしたが,彼は今シーズンIRLシリーズではなく,アメリカンモータースポーツで最も人気のあるNASCARシリーズに転向していました。そのフランキッティが,来シーズンIRLシリーズに復帰することになりました。彼が所属することになったチームは,長年所属していたAGRではなく,こちらも名門のチップ・ガナッシ・レーシングです。チームメイトは,既に同チームへ残留することになっているS.ディクソンです。ということは,今シーズンのもう1人のドライバーであるD.ウェルドンがチップ・ガナッシのシートを失うことになるわけですが,そのウェルドンの移籍先も決まりました。それは,パンサー・レーシングです。2002年にこのチームでキャリアのスタートを切っていますので,ウェルドンにとって思い出深いチームへの復帰と言えるでしょう。
2008/9/3(水)
☆正式決定(F1)
○8月28日付のこのページで,今月ヘレスで行われるテストで佐藤琢磨がレッドブルのBチームとも言えるスクーデリア・トロ・ロッソのステアリングを握るのではないかというドイツでの報道をお伝えしました。その段階でも信憑性が高かったのですが,この度トロ・ロッソから正式に発表があり,9月17,18日にヘレスで行われるテストにおいて,琢磨とS.ブミエの2人を走らせることになりました。来シーズンのトロ・ロッソは,ほぼ間違いなくドライバーが総入れ替えとなりそうです。さらに,チームの方針として,来季のドライバーについてはベテランドライバーとヤングドライバーの組み合わせとなることも明らかとなっています。今回発表になった2人ですが,琢磨については皆さんご存知のように,表彰台に立った経験があり,さらに長年テストドライバーも経験して開発能力のあるベテランドライバーです。また,ブミエについては,レッドブルのジュニアドライバープログラム出身の若手で,今シーズンはGP2シリーズのランキング5位につけています。この2人の組み合わせというのは,チームの方針と合致しますので,今回行われるテストで期待通りの走りを見せれば,来シーズンのフル参戦に向けてかなり可能性が高まりそうです。なお,レギュレーションにより,テストでの走行は1チームで一日1人のドライバーしか走行できません。ということで,17日(日)にブミエ,18日(月)に琢磨がSTR3のステアリングを握る予定になっています。
2008/9/2(火)
☆変更(MotoGP)
○現在のレースの世界では,マシンやライダーの力の他に,タイヤの性能も大きな影響があります。実際,先日行われた第12戦チェコGPにおいては,ブリヂストンタイヤ(BS)ユーザーが予選・決勝共に上位を独占するという結果となっていました。以前のGPでは,ミシュランタイヤ(MI)が圧倒的な強さを見せていて,チャンピオンを狙うのであれば他のメーカーのタイヤではだめという状況が長く続いていました。しかし,ここ数年の中でMIとBSの立場が逆転していき,BSの速さが目につくようになってきています。そのため,ヤマハのワークスチームであるフィアット・ヤマハは,BSのV.ロッシとMIのJ.ロレンゾというように,同じチームでありながらタイヤの銘柄が違うという状況に今シーズンからなっています。そのような中,第13戦終了後にホンダのワークスチームであるレプソル・ホンダから発表があり,現在ランキング3位をいくD.ペドロサが,次戦からBSに変更することになりました。変更理由は,ペドロサとMIとのマッチングがうまくいかなかったからということです。ただし,ペドロサはBSに変更するものの,チームメイトであるN.ヘイデンはこれまで通りMIを使用します。つまり,ホンダ・ヤマハのワークスチームは,どちらもBSとMIの両方のユーザーが存在するということになります。第13戦が終了した翌日からその舞台となったミサノ・サーキットで合同テストが行われましたが,ペドロサは早速BSを履いたニュウマチックバルブ仕様のマシンを初テストしています。
      
☆来シーズンに向け(MotoGP)
○残り5戦となったMotoGPですが,既に来季に向けての動きが本格化しています。さて,ここ数年,軽・中量級クラスで圧倒的強さを見せているのが,往年のワールドチャンピオンであるスペインの英雄J.マルチネスが率いるアスパル・チームです。そのアスパルが,来シーズンから最高峰であるMotoGPクラスに進出することを目指しているということは,今季の早い段階から明らかにされていました。そして,どうやらその交渉がうまく進んでいるようで,カワサキからマシンを供給されることになりそうです。そのマシンを誰が駆るのかについてはまだ不透明ですが,ここ2戦の中で結果を残してきたアリーチェ・チームのT.エリアスが候補の中の1人に浮上しているようです。MotoGPクラスについてはまだ決定が見られていないアスパルですが,250ccクラスについては,A.バウティスタが来シーズンも同チームからフル参戦することが決定しました。その250ccクラスに関してですが,現在KTMからフル参戦しているM.カリオが,来シーズンMotoGPクラス進出を目指していくつかのチームと交渉していることを明らかにしています。具体的なことはまだはっきりしていませんが,彼のコメントによるとだいぶ話がまとまってきているとのことです。
2008/9/1(月)
☆タイ記録(MotoGP)
○第13戦の決勝レースが,ミサノ・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,ポールからスタートしたドゥカティのC.ストーナーが,トップを走行中に転倒を喫し,代わってランキングトップをいくフィアット・ヤマハのV.ロッシがトップに躍り出ました。その後は,2位をいくチームメイトのJ.ロレンゾとの差をコントロールするかのような安定した走りを見せ,今季6勝目を3戦連続優勝で飾りました。今回の勝利したことにより,J.アゴスチーニの記録である最高峰クラス最多勝利数68に並ぶタイ記録となりました。アリーチェ・チームのT.エリアスが,レプソル・ホンダのD.ペドロサとの3位争いを制し,2戦連続3位表彰台を獲得しています。前戦で今季自己最高の4位を獲得したホンダ・グレシーニの中野真矢でしたが,今回は思うようにペースアップすることができず,オープニングラップでは6位を走行したものの,その後は徐々にポジションダウンしてしまい,最終的には12位でチェッカーとなりました。
250ccクラスは,11番グリッドからスタートしたアプリリアのA.バウティスタが快調な走りを見せて徐々にポジションアップを果たしていき,残り8周となったところでトップに浮上して今季3勝目を挙げました。今季初となるフロントローからスタートしたホンダの高橋裕紀は,ホールショットを決めるという好スタートを切りました。その後もトップ争いに加わる走りを展開し,最終的には今季自己最高位となる2位表彰台を獲得しました。新たな開発が止まってしまっているマシンで今季2回目の表彰台獲得ですから,高橋の頑張りは見事だと言えるでしょう。アプリリアのH.バルベラとジレラのM.シモンチェリとの間で展開された3位争いは,シモンチェリの転倒によりバルベラに軍配が挙がりました。なお,シモンチェリは再スタートを切って6位でゴールしています。KTMの青山博一は,チームメイトのM.カリオと接触転倒を喫し,リタイアに終わっています。
125ccクラスは,ポールポジションからスタートしたアプリリアのG.タルマクシが,オープニングラップでトップに浮上しました。途中でギア抜けにより2位に後退するというアクシデントがあったものの,再びトップに浮上すると後続との差を広げていき,2位に入ったアプリリアのB.スミスに5秒以上の大差をつけて今季2勝目を挙げました。アプリリアのS.コルシとデルビのJ.オリベの間で繰り広げられた3位争いは,最終ラップの最終コーナーまで続き,オリベの転倒により決着がつきました。再スタートをしたオリベは,12位でチェッカーを受けています。KTMの小山知良とアプリリアの中上貴晶の日本人勢によるポイント圏外でのバトルは,小山に軍配が挙がり18位でチェッカーとなっています。
     
☆2年連続(FN)
○第7戦の決勝レースが,富士スピードウェイで行われました。今回のレースも,1大会2レース制となっています。レース1では,ポールからスタートしたKONDO RACINGのJ−P.デ.オリベイラが,オープニングラップから安定した走りを見せてそのポジションを守っていきました。レースが展開していく中で速さを見せていったのが,PIAA NAKAJIMAのL.デュバルでした。どんどんポジションアップしていったデュバルは,トップのオリベイラとの差を詰めていきました。しかし,テールをとらえるところまではいったものの,抜くところまでは行くことができず,オリベイラが自身初となる勝利を収めました。今回の勝利は,オリベイラの初勝利を言うことだけでなく,マッチこと近藤真彦がオーナーを務め,オリベイラ所属するKONDO RACINGにとってもFN初勝利となりました。3位には,デュバルのチームメイトである木暮卓史が入っています。チャンピオンに王手がかかっているランキングトップのLAWSON IMPULの松田次生は,無理をしない走りを展開していき,最終的に4位でゴールし,FN史上初となる2年連続チャンピオン獲得を記録しました。
今回のレースも,レース2はリバースグリッドでのスタートです。レース1では何とかもった天気でしたが,そのレース1が終わった頃から雨脚がどんどん強まっていき,レース2はセーフティーカー先導によるスタートとなりました。コースのあちらこちらに川ができるほどの激しい雨が降り続き,結局一度もセーフティーカー先導がなくなることなく進行していき,6周目に赤旗が提示されてレースは終了となりました。セーフティーカー先導による走行でしたから,リバースグリッドでの順位が変動するはずがなく,ポールスタートしたDoCoMo DANDELIONの松浦孝亮の勝利というレースリザルトとなりました。ただし,周回数が規定に達していませんので,獲得ポイントは通常の半分となります。
     
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