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最新ニュース
2008/7/31(木)
☆チェコで(MotoGP)
○現在サマーブレーク中のMotoGPですが,それが終わって最初のレースは第12戦チェコGPです。そのチェコに関して2つの話題をお伝えします。まず一つ目ですが,ホンダ・グレシーニの中野真矢が,そのチェコにおいて新しいマシンを使用することになりそうです。MotoGPクラスで一番多くマシンを供給しているホンダですが,ワークスチームであるレプソル・ホンダとホンダ・グレシーニをはじめとするサテライトチームとでは,供給するマシンに違いがあります。いわゆるワークス用とサテライト用の2種類のマシンです。チェコで中野が使用することになりそうなのが,サテライト用2009年型の先行開発マシンです。ポイント獲得さえままならないという最悪のシーズンを昨年過ごした中野ですが,今シーズンからホンダ・グレシーニに移籍。残念ながらトップ争いに絡むところまではいっていませんが,予選・決勝ともほぼトップ10フィニッシュを果たしています。そうした活躍と,中野自身の開発能力,さらに開発に携わるホンダ技術陣とのコミュニケーションが,同じ日本人ということで十分意思疎通が図れるということもあって,今回の措置となるようです。ところで,サテライトチームのライダーで最も活躍しているのは,JiRチームスコットのA.ドビツィオーゾです。本来なら彼に今回の中野の役が回ってきてもおかしくはありません。なぜ彼に回ってこないのか。もちろん開発能力という点や日本人という点で中野の方が適任ではあるでしょう。ドビツィオーゾでない理由の一番は,もしかしたら来シーズンの動向が関連しているのかもしれません。彼の来シーズンに関しては,N.ヘイデンに代わってレプソル・ホンダ入りが噂されています。後半のリザルトで状況が変わるかもしれませんが,ヘイデンがドゥカティに移籍し,その抜けたところにドビツィオーゾが入るのではないかといわれています。来季ワークス用マシンを駆る可能性が高いライダーを起用しないのは,ある意味当然かもしれませんね。
ところで,ヘイデンの移籍が噂されるドゥカティですが,ヘイデンが入るかもということは,誰かが抜けるということになります。その抜けるライダーは,既にシーズン途中で離脱することがドゥカティにも認められているM.メランドリです。今シーズンからドゥカティに移籍したメランドリですが,ほぼ最下位争いを演じているという最悪のシーズンを過ごしています。ドゥカティの公認でシーズン途中での離脱が認められているメランドリですが,そのドゥカティから発表があり,チェコに関してはメランドリが出場することになりました。前半戦最後のレースとなったラグナセカでのアメリカGPにおいて,残念ながら決勝ではいいリザルトは残りませんでしたが,練習走行等で上位に顔を出していました。最下位争いを展開していた頃よりはいい走りを見せるようになってきましたので,このことがチーム及びライダーに自信が出てきているのかもしれませんね。
2008/7/30(水)
☆春に移動(MotoGP)
○先日,FIMより来シーズンのレースカレンダー(暫定)の発表がありました。それによると,レース数自体に変更はないものの,中国GPがなくなって,代わりにハンガリーGPが加わっています。また,もてぎでの日本GPは,例年秋に行われてきましたが,以前鈴鹿での日本GPがそうだったように,春に行われるようになっています。なお,暫定のレースカレンダーは以下のようになっています。
       
2009年レースカレンダー(暫定)
  決勝日 大  会  名 サーキット
第1戦  4月12日 カタールGP(ナイトレース) ロサイリ
第2戦  4月26日 日本GP ツインリンクもてぎ
第3戦  5月 3日 スペインGP ヘレス
第4戦  5月17日 フランスGP ルマン
第5戦  5月31日 イタリアGP ムジェロ
第6戦  6月14日 カタルニアGP カタルニア
第7戦  6月27日 オランダGP(土曜日が決勝日) アッセン
第8戦  7月 5日 アメリカGP(MotoGPクラスのみ開催) ラグナセカ
第9戦  7月19日 ドイツGP ザクセンリンク
第10戦  7月26日 イギリスGP ドニントンパーク
第11戦  8月16日 チェコGP ブルノ
第12戦  8月30日 インディアナポリスGP インディアナポリス
第13戦  9月13日 サンマリノGP ミサノ
第14戦  9月20日 ハンガリーGP バラトン
第15戦 10月 4日 ポルトガルGP エストリル
第16戦 10月18日 オーストラリアGP フィリップアイランド
第17戦 10月25日 マレーシアGP セパン
第18戦 11月 8日 バレンシアGP バレンシア
2008/7/25(金)
☆祭典の開幕(8耐)
○『真夏の祭典』と呼ばれる鈴鹿8時間耐久レースが,気温30℃を超え,路面温度が60℃近くになるというまさに真夏の天候の鈴鹿サーキットで開幕しました。初日は,総エントリー81チームが2組に分かれて特別スポーツ走行(練習走行)と公式練習が行われました。初日のトップタイムをマークしたのは,ヨシムラスズキ with デンソー IRIDIUM POWERの酒井大作&渡辺篤組でした。昨年の優勝ペアであるヨシムラスズキ with JOMOの秋吉耕佑&加賀山就臣組は4番手タイムをマークしていて,2連覇を目指すスズキのエースチームであるヨシムラとしては,好スタートを切った形となりました。2番手タイムは,ヤマハのワークスチームと言えるYAMAHA RACINGの佐藤裕児&中須賀克行&武田雄一組でした。3番手タイムは,ホンダ勢の中でトッププライベートチームの一つである一昨年の優勝ペアのF.C.C. TSR Hondaの辻村猛&伊藤真一組がマークし,2年ぶりの優勝に向けてこちらのチームも好発進しています。ホンダのワークスチームであるDREAM Honda Racing Team 11の清成龍一&C.チェカ組とDREAM Honda Racing Team 33のJ.レイ&高橋裕紀組は,それぞれ4番手と6番手タイムでした。この日の走行では,辻村とレイが転倒していますが,幸いなことに両者とも大きな怪我はなかったようです。なお,2日目は公式予選が行われ,土曜日に行われるTOP10 TRIAL(1台ずつコースに入ってタイムアタックをしてグリッドを決めるセッション)出場チームと,11番手以降のグリッドが決まります。ところで,当サイトのトップページでお伝えしているように,私は明日から8耐を観戦することにしていて,できるだけ早い時期に今年もその時の様子お伝えする予定です。
2008/7/24(木)
☆追加要請(MotoGP)
○昨年の125ccクラスチャンピオンであるG.タルマクシは,ハンガリーとしてはGP史上初となるチャンピオンです。そのハンガリーの経済開発省やDORNA社が会見を行い,新しいサーキットを建設するとともに,2009年からのMotoGP開催をFIMに対して提案しました。ハンガリー自体は,まったく新しい開催場所ではなく,以前はハンガロリンクで開催されていました。最後に開催されたのが1992年で,その時はヤマハとホンダでチャンピオンを獲得したE.ローソン(最近では,先日行われたアメリカGPの表彰式で優勝トロフィーのプレゼンターを務めていましたね)が優勝しています。ちなみに,そのレースは,D.チャンドラーとR.マモラ(最近は,MotoGPの中継でインタビューワーとして時々画面に映っていますね。)とのバトルを制してローソンがウィナーとなっています。オールドファンには,何とも懐かしい名前ですね。MotoGPの公式サイトによれば,昨年行われた第11戦チェコGPでは,約4万人のハンガリー人ファンがブルノに駆けつけたと言うことですから,根強いGPファンがハンガリーに多いことがわかります。今回の誘致劇では,ハンガリー政府が全面的バックアップを約束しているそうですから,こうした点でも,GPの歴史が深く刻まれているヨーロッパとそうでない日本との差が明確なのを感じてしまいますね。
2008/7/23(水)
☆どっち?(F1)
○今シーズンで契約の切れるホンダ・レーシングF1の両ドライバーですが,来シーズンの契約についてはまだ決定を見ていません。そのため,いくつかの噂が出ているのも事実です。その中で,J.バトンについては,残留の方向が強いようですが,R.バリチェロについては,不確定要素がありそうです。その2人に関して,知将R.ブラウンがドイツGPの際にインタビューに答え,「来季も同じドライバーラインナップで。」と発言したことから,バリチェロも残留の方向で進むのかと思われていました。ところが,イギリスでの報道によると,現在ルノーに所属している元チャンピオンのF.アロンソとの契約に向けて動いているのではないかというのです。この点については,以前から噂にあがっていたものの,ブラウンの発言で終止符が打たれるものと単純に思っていただけに,多少驚いているのは事実です。しかも,今回の報道では,複数年契約での交渉と言うことですから,ホンダとしてはバトン&アロンソという組み合わせがベターととらえているのかもしれません。まあ,あくまでも噂ですから,はっきりするまで聞き流しておくのがいいのでしょうが,「バリチェロとアロンソのどっちなの?はっきりさせてよ。」という感じです。ただ,残念なのは,まあ確率は元々低かったとはいえ,スーパーアグリF1の撤退によりシートを失っている佐藤琢磨のホンダ・レーシング復帰の噂が聞かれなくなったと言うことです。
      
☆感電(F1)
○ドイツGPが終わってすぐですが,今度はスペインのヘレス・サーキットで4日間にわたる合同テストが始まりました。今回のテストでは,当然これからのレースを見据えての開発がなされているでしょうが,来シーズンに向けての開発も進めているようです。その来シーズンですが,エネルギー回収システムであるKERSが導入されることになっています。これは,ブレーキやフライホイールのところにこのシステムを組み入れて発電をし,これによって生じた電気を利用して加速時やオーバーテイク時に必要なパワーアップを図るというようなシステム(市販車では,ハイブリッド車の開発にとって重要なシステムと言えます。)です。まだどのチームも開発途上にあるシステムだけに,トラブルに見舞われるのも仕方がないことです。実際,今回の合同テスト初日では,BMWザウバーのメカニックが,ガレージに戻ってきた同チームのテストドライバーであるC.クリエンのマシンに触れた直後に感電し,メディカルセンターに運ばれるというアクシデントが発生しています。幸いなことに軽傷で済んだようですが,今後こうしたアクシデントが発生する可能性は十分考えられますね。
2008/7/22(火)
☆シート確定(MotoGP)
○フィアット・ヤマハのV.ロッシによる今季4勝目となる独走優勝で終わった第11戦アメリカGPですが,その大会の初日にヤマハから来シーズンの契約について発表がありました。2004年にヤマハへ移籍してきたロッシですが,その2004年と翌年の2005年に最高峰クラスのチャンピオンに輝きました。ここ2年はタイトルを逃していますが,現在はランキングトップをいっています。そのロッシとヤマハとの間で,2年間の契約延長が結ばれました。ロッシについては,モチベーションの変化から,2輪レースからの引退がここ数年騒がれていましたが,今回の契約延長により,しばらくその噂がなりを潜めることになります。先日テック3ヤマハのC.エドワーズの契約延長が発表されましたし,フィアット・ヤマハのJ.ロレンゾ(アメリカGPにおいては,転倒により今度は左足の中指を骨折してしまいました。最近転倒による怪我に悩まされていますが,アメリカGP終了後にサマーブレークに入りましたので,怪我の回復に専念できることは不幸中の幸いですね。)とテック3ヤマハのJ.トースランドについては複数年契約が結ばれていますので,2009年のヤマハについては,4つのシート全てが確定したことになります。他のメーカーについては,来シーズンに向けて移籍話等がかなり予想されますから,シートの確定したヤマハとしては,今後09年型マシンの開発にも力を入れることができますので,一歩先んじたことになると思われます。
2008/7/18(金)
☆昇格(F1)
○先日,レッドブルのD.クルサードが,彼の母国GPとなるイギリスGPにおいて,今シーズン限りでF1を引退することを発表しました。ということは,来シーズン誰かがそのシートに座ることになるわけです。それに関していくつかの噂が出ていましたが,その中で有力候補だったのが,現在レッドブルのBチームに位置づけられているトロ・ロッソからフル参戦しているS.ベッテルでした。そして,この度そのレッドブルから発表があり,ベッテルとの契約が成立したことが明らかとなりました。今日からドイツGPが始まりますが,そのベッテルはドイツ人ドライバーです。今回の発表は,ドイツにとっていいプレゼントとなるかもしれません。2000年からレッドブルのジュニアチームに所属してきた彼ですが,B.チームであるトロ・ロッソ,そして本家レッドブルというように,レッドブルファミリーを一歩一歩昇格してきた形となりました。なお,現段階では,今回の契約が何年間なのかはつかめていません。
2008/7/17(木)
☆新型車(パリダカ)
○これまでのアフリカ大陸での開催が,安全上の理由から開催できなくなり,来シーズンから南アメリカ大陸を舞台に行われるようになるのが通称『パリダカ』として有名なダカールラリーです。1983年から25年間にわたって参戦を続けているのが三菱ですが,その間一貫して使用してきたマシンが『パジェロ』でした。この参戦により,パジェロの車としての熟成が図られてきましたが,何よりパジェロ自身の知名度がここまで上がっていました。しかし,三菱から発表があり,来シーズン以降は新型の競技車である『レーシングランサー』を投入することになりました。環境の悪化を受けて,特にヨーロッパではディーゼルエンジンの需要が高まっています。そうしたこともあって,今後のダカールラリーを中心とするクロスカントリーラリーでの活動では,このディーゼルエンジンの開発を主眼とすることにしたようです。さらに,パジェロの販売に大きくパリダカが貢献してきたように,マーケティングの面で三菱の世界戦略車として位置づけられている,そしてディーゼルエンジンを搭載しているということから『ランサー』(日本では『ギャラン・フォルティス』)を今後は開発及び参戦の主体とすることに決まったようです。なお,来シーズン投入するレーシングランサーは,『MRX09』というコードネームが与えられています。当然,再来年は,『MRX10』というものになってくるのでしょう。
    
☆とりあえず(MotoGP)
○昨日お伝えしたように,ドイツGPの決勝レース中での転倒により骨折が判明したレプソル・ホンダのD.ペドロサですが,明日から開幕するアメリカGP参戦に向けて病院を退院してアメリカに移動しました。チャンピオン争いの激化から,1ポイントも落とせない状況となっているため,とりあえず走ってみて,その時の状況からアメリカGPへの参加を継続するかどうか判断することになったようです。とはいえ,アメリカGPの舞台となるラグナ・セカは,「コークスクリュー」に代表されるようにかなりフィジカル面できついサーキットの一つです。また,さらなる転倒の危険性も十分です。かつての王者であり,レプソル・ホンダの大先輩でもあるM.ドゥーハンが,このコークスクリューで転倒を喫し,腕を骨折したというようなことも過去にありました。いずれにしても,ペドロサにとって大変きつい状況であることに変わりはありませんね。
2008/7/16(水)
☆欠場か(MotoGP)
○週末に行われたドイツGPの決勝レースにおいて,トップを独走中の6周目の1コーナーで時速230qともいわれる高速の状態で転倒を喫し,惜しくもリタイアとなったレプソル・ホンダのD.ペドロサですが,病院での精密検査の結果が発表されました。レース後,直ちに故郷であるスペインのバルセロナ市内の病院に入院したペドロサですが,左手の手首と人差し指に骨折が判明。右足首に捻挫も見られたとのことです。その他にも怪我があったようで,今週末行われるアメリカGPに関しては,かなり出場が厳しい状況のようです。このページを入力している段階では,まだ結論が発表されていませんが,恐らく今日中には出場するかどうかの発表があるものと思われます。V.ロッシ,C.バーミューレンと共に激しいチャンピオン争いを展開しているペドロサだけに,1戦でも欠場するのは,その争いに厳しい状況が生まれることになります。ただ,幸か不幸か,そのアメリカGPが終わるとMotoGPはサマーブレークに入りますので,仮に1戦欠場することになっても,夏休みの間に怪我が大幅に回復しますから,欠場は1戦だけにとどめることができます。とはいえ,アメリカGPにおいてロッシとストーナーが高得点を獲得する可能性は高いですから,それを取り返すためペドロサはさらに優勝回数を増やす必要性が出てくるのはほぼ間違いないでしょう。できればアメリカGPに出場し,1ポイントでも多く獲得できるといいですね。
2008/7/15(火)
☆契約解消(MotoGP)
○今シーズンからドゥカティのワークスチームに移籍したM.メランドリですが,チームメイトのC.ストーナーがトップ争いに絡んでいるのとは対照的に,ほとんど後方に位置しているような状況が続いています。軽・中量級クラスでチャンピオンを獲得し,最高峰クラスでもランキング2位になったこともあるライダーだけに,本人はもちろん,他の人間にも信じられない状況だと言えます。そのため,先日もお伝えしたように,シーズン途中での移籍も信憑性を持って噂されています。そして,この度新たな発表があり,メランドリとドゥカティとの間には,2009年までの2年間の契約がありましたが,その2009年の契約が解消されたことが発表されました。ということで,遅くとも今シーズンいっぱいで,メランドリは他チームへ移籍することになるわけです。今回の解消劇は,メランドリのパーソナルマネージャーであるA.ベルガーニ氏とドゥカティとの間で円満に話し合われた結果結ばれたものだそうです。さらに,ベルガーニ氏のコメントによると,現在2チームと話し合いがもたれているそうで,そのうちの一つが,現在シーズン途中で移籍するのではないかという噂になっているカワサキのようです。そして,もう一つが昨年まで所属していたホンダ・グレシーニだそうで,このことは私たち日本人にとってはとても気になります。最高峰クラスにフル参戦している日本人ライダーは,中野真矢ただひとりです。その中のが今シーズン所属しているのが,皆さんご存知のようにこのホンダ・グレシーニです。もしメランドリがこのチームに復帰することになると,中野かもうひとりのライダーであるA.デ.アンジェリスのどちらかがシートを失うことになります。イタリアGPと先日行われたドイツGPとで,デ.アンジェリスが表彰台まで後一歩となる4位に入り,これが今シーズンで同チームの最高成績です。安定した成績を出していますので,ランキングでは中野の方が上をいっていますが,いい(目立つ)パフォーマンスを見せているかという点では,デ.アンジェリスの方が上なのかもしれません。日本人が最高峰クラスからいなくなるという可能性を含んでいるだけに,メランドリの移籍交渉の行く末が気になりますね。できれば,噂に上っているように,カワサキが3台体制をとるというのが,丸く収まっていいのですが・・・。
2008/7/14(月)
☆第10戦ドイツGPの決勝レースが,レインコンディション(125ccクラスを除く)の中で行われました。MotoGPクラスは,2番グリッドのレプソル・ホンダのD.ペドロサが好スタートを切り,2位に7秒近い差をつけて独走態勢を築いていきました。ところが,6周目の1コーナーでまさかの転倒を喫してしまい,今シーズン初となるリタイアとなってしまいました。ペドロサのリタイアによりトップに立ったのは,ポールからスタートしたドゥカティのC.ストーナーでした。ちょっと油断すると足下をすくわれるという難しいコンディションの中,2位を走行するフィアット・ヤマハのV.ロッシとの差をにらみながら堅実な走りを見せ,今季4勝目をポールトゥーフィニッシュで飾りました。ドゥカティとブリヂストンタイヤにとって,ここで勝利するのは,今回が初となります。3位には,雨を得意とするスズキのC.バーミューレンが入っています。4位には,ホンダ・グレシーニのA.デ.アンジェリスが入り,ブリヂストンタイヤユーザーがトップ4を独占しました。デ.アンジェリスのチームメイトである中野真矢は,指定席ともなっている9位でチェッカーを受けています。このレースの前までランキングトップだったペドロサが,リタイアによりノーポイントで終わったのに対して,ランク2位だったロッシが2位に入ったため,ロッシがペドロサに16ポイント差をつけてランキングトップの座に返り咲いています。
250ccクラスは,このレースまでランキング2位だったジレラのM.シモンチェリがポールからスタートしました。オープニングラップを制した彼は,その後も順調に後続との差を広げていき,今季3勝目を独走で飾りました。ここまでランキングトップだったKTMのM.カリオが4位で終わったため,シモンチェリがランキングトップに躍り出ています。5人による2位争いとなりましたが,2位にアプリリアのH.バルベラが,3位に同じくアプリリアのA.バウティスタが入っています。KTMの青山博一は,5位を走行していて転倒を喫してしまいました。幸いなことに再スタートを切ることができ,最終的に8位でフィニッシュしています。ホンダの高橋裕紀は,9位でチェッカーとなっています。昨年をもってホンダはRS250RWの開発を中断しています。それに対して他のメーカーは開発を継続中ですから,高橋にとっては何とも厳しいレースが今後も続くことになります。
唯一ドライコンディションの中で行われた125ccクラスは,ここまでランキングトップを行くデルビのM.デ.メッリオが残り10周目にスパートをかけ,後続に2秒以上の差をつけて今季3勝目を挙げました。2位には,かつて中量級で活躍したH.ブラドルの息子であるS.ブラドル(アプリリア)が入っています。これは,彼にとって自己最高位となります。昨年のチャンピオンで,今回ポールからスタートしたアプリリアのG.タルマクシが3位に入っています。KTMの小山知良は,今季自己最高の7番グリッドからスタートしたものの,残り3周となったところで転倒を喫してしまい,リタイアに終わっています。アプリリアの中上貴晶は,ポイント圏外となる19位でチェッカーを受けています。
       
☆史上初(FN)
○第5戦の決勝レースが,真夏の日差しが降り注ぐ鈴鹿サーキットで行われました。今回のレースは,このシリーズで史上初となるリバースグリッドを採用した2レース制という形で行われました。
まずレース1は,2番グリッドからスタートしたLOWSON IMPULのB.トレルイエが好スタートを切り,チームメイトでポールスタートの松田次生を押さえてトップを走行していました。ところが,5周目に何らかのトラブルが発生したようで,トップの座を松田に明け渡すばかりが,緊急ピットインを強いられる形となってしまいました。トップに浮上した松田は,後続との差を広げていき,独走で今季4勝目を今季4回目となるポールトゥーフィニッシュで飾っています。2位と3位には,それぞれPETRONAS TOM'SのA.ロッテラーとPIAA NAKAJIMAの木暮卓史が入っています。
レース1の上位8台がリバースグリッド(つまり勝利した松田が8番グリッドにつくことになります)でスタートを切ったレース2は,スタート直後に5台のマシンが絡んだ多重クラッシュが発生してしまい,セーフティーカーが導入される事態となりました。ポールからスタートしたTeam LeMansの本山哲はトップの座を守っていましたが,リスタート後もそのポジションをしばらく守っていました。そして,13周目の130Rで本山のスリップについたTP Checker IMPULの平手晃平がトップに浮上し,後続との差を少しずつ広げていきました。本山は,平手に抜かれてすぐに今度はPIAA NAKAJIMAのL.デュバルにも抜かれてしまい,3位にポジションダウンしてしまいました。結局このままの順位でチェッカーとなり,ルーキーの平手が,うれしい初勝利を挙げました。ここに新たなF1ドライバー候補が,また1人現れたような感じを抱かせる結果となりました。
2008/7/13(日)
☆連続(MotoGP)
○第10戦ドイツGPの2日目の走行が,前日より気温が10℃以上低くなったザクセンリンクで行われました。MotoGPは予選が行われ,前日にトップタイムをマークしていたドゥカティのC.ストーナーがこの日も圧倒的な速さを見せて4戦連続となるポールポジションを獲得しました。左コーナーが連続するレイアウトのサーキットのためか,後半セクションになるとグリップに苦しむライダーが続出する中,ストーナーだけが最後まで速いペースで走り抜けることができていて,決勝でも死角がなさそうな雰囲気を醸し出していました。2番手タイムを,ここまでランキングトップを行くレプソル・ホンダのD.ペドロサがマークしています。3番手タイムは,ここをあまり得意としていなかったテック3ヤマハのC.エドワーズがマークしました。今シーズンの絶好調さが,ここでも出ているような感じです。ホンダ・グレシーニの中野真矢は,今回も9番手となっています。
250ccクラスは2回目の予選が行われ,前日に暫定ポールを獲得していたM.シモンチェリがこの日も圧倒的な速さを見せ,今シーズン2回目となるポールを獲得しました。今回から08年型マシンを使っているシモンチェリですが,自己最高位となる2番グリッドを獲得したKTMのJ.シモンに1秒以上の大差をつけています。3番グリッドは,アプリリアのH.バルベラが獲得しています。KTMの青山博一とホンダの高橋裕紀の日本人勢は,思うようにセッティングを詰めることができなかったようで,それぞれ9番手と10番手タイムをマークしています。2人にとって優勝経験のある(高橋が06年,青山が07年)サーキットだけに,今日行われる決勝での巻き返しに期待したいと思います。
125ccクラスは,前日に暫定ポールを獲得しているアプリリアのG.タルマクシがこの日も速さを見せ,今シーズン初となるポールを獲得しました。彼のポール獲得は,昨年の最終戦以来となります。2,3番グリッドも,前日と同じ結果となり,アプリリアのB.スミスとS.ブラドルが獲得しています。昨年ここで表彰台を獲得しているKTMの小山知良は,今季自己最高位となる7番グリッドを獲得しています。アプリリアの中上貴晶は,前日よりポジションを5つ上げ,25番グリッドからのスタートとなっています。
       
☆全戦ポール(FN)
○第5戦の予選が,鈴鹿サーキットで行われました。ここまで4戦連続ポールを獲得しているLAWSON IMPULの松田次生は,今回も圧倒的な速さを見せ,Q1からQ3までの予選セクション全てでトップタイムをマークしてのポール獲得となりました。今回のポール獲得により,開幕から5戦連続のポールとなりましたが,これはFNにおける新記録となります。2番グリッドを獲得したのが,松田のチームメイトであるB.トレルイエでした。同一チームによるフロントロー独占は,今シーズン初です。3番グリッドを獲得したのは,PIAA NAKAJIMAの木暮卓史でした。Q3まで残った8台の内,ホンダエンジンユーザーはこの木暮と4番手の金石(SG 5ZIGEN)の2台だけで,相変わらずトヨタエンジンユーザーが速さを見せています。
2008/7/12(土)
☆好調維持(MotoGP)
○第10戦ドイツGPが,ザクセリンクで開幕しました。最高峰のMotoGPクラスは,午前・午後にフリー走行が行われ,ここまで2戦連続ポールトゥーフィニッシュを達成しているドゥカティのC.ストーナーが,サーキットベストを更新する速さを見せてこの日のトップタイムをマークしました。2番手タイムは,ホンダ・グレシーニのA.デ.アンジェリスがマークしていて,彼にとって準母国GPといえるイタリアGP以来の快走を見せました。3番手タイムは,前戦でラッキーな形で3位表彰台を獲得したテック3ヤマハのC.エドワーズでした。ストーナーとエドワーズは,どちらも転倒を喫しましたが,幸いなことに大きなダメージはありませんでした。デ.アンジェリスのチームメイトである中野真矢も快走を見せ,6番手タイムで初日を終えています。
250ccクラスは1回目の予選が行われ,今季好調な走りを見せてランキング2位につけているジレラのM.シモンチェリが,トップタイムをマークし,サーキットベストを更新しての暫定ポールを獲得しました。これまでジレラの旧型マシンであるLEをあえて使用していたシモンチェリですが,他のマシンのポテンシャルアップを無視できなくなってきたためか,今季型マシンであるRSAに今回から乗り換えています。暫定の2番グリッドを獲得したのは,午前中に行われたフリー走行でトップタイムだったアプリリアのH.バルベラでした。暫定の3,4番グリッドを,それぞれM.カリオ&青山博一のKTM勢が獲得しています。ホンダの高橋裕紀は,暫定の8番グリッド獲得で初日を終えています。
125ccクラスも1回目の予選が行われ,昨年の王者であるアプリリアのG.タルマクシが,トップタイムをマークして暫定ポールを獲得しました。前戦は赤旗で中断となり,残り5周という超スプリントレースという形でヒート2が始まりましたが,ベテランらしい走りを見せて超接近バトルを制していて,その勢いを維持しているかのような暫定ポール獲得です。暫定の2,3番グリッドは,B.スミスとS.ブラドルのアプリリア勢が獲得しています。KTMの小山知良は,暫定の6番グリッド獲得で好スタートを切っています。ルーキーであるアプリリアの中上貴晶は,中・低速コーナーが連続する超テクニカルサーキットに苦労したのか,暫定の30番グリッド獲得で初日を終えています。
2008/7/11(金)
☆解雇(MotoGP)
○ドゥカティのサテライトチームであるアリーチェ・MotoGPチームから発表があり,チーム代表であるL.ダンティーン氏がチームを離れることになりました。元250ccクラスのライダーであったダンティーンは,1999年から自らのチームを率いて当時の最高峰である500ccクラスに参戦を開始しました。その時は,ヤマハのサテライトチームで,私たち日本人にとっては,ノリックこと阿部典史が所属していたチームとして印象に残っていることでしょう。そのノリックは,1999年と2000年に同チームで勝利を収めています。2004年からドゥカティのサテライトチームとなりましたが,これまでのところ同年のR.ザウスと2007年のA.バロスがマークした3位が最高位です。サテライトチームで最大の問題となるのがスポンサーの獲得ですが,このチームもご多分に漏れずその点が課題となっていました。2005年からイタリアのプラマックの支援を受けるようになり,それ以後同社のグループの一員となりました。その後も,ダンティーンはチーム代表の座についていましたが,今日からザクセンリンクで開幕するドイツGPを前にしてチームを去ることになりました。当面,今シーズンの終わりまでは,テクニカル・ディレクターとしてF.ステルラッチーニが,チーム・マネージメントはF.ロドリゲスが継続して担当することになりました。突然のチーム代表解雇劇ですが,その原因は,今このページをつくっている段階ではつかめていません。単なるチーム代表ではなく,チームの創設者ですからより一層驚かされる事態です。今シーズンは特にそうですが,とりわけMotoGPクラスとなってから最下位を争う状況の多かったチームだけに,そうした成績の不振が原因となっているのでしょうか?
2008/7/10(木)
☆4戦ぶり(MotoGP)
○リズラ・スズキのL.カピロッシが,明日から開幕する第10戦ドイツGPから復帰することを明らかにしました。昨年まではドゥカティで活躍し,今シーズンからスズキに移籍したカピロッシですが,マシンにも慣れてきているようで徐々に上位に顔を出すようになってきていました。ところが,第7戦カタルニアGPの決勝での転倒により,右手を骨折する怪我を負ってしまいました。第8戦イギリスGPは欠場したものの,次の第9戦オランダGPに復帰しました。ところが,そのオランダGPのフリー走行で再び転倒し,運の悪いことに倒れたマシンが彼の体をかすめていきました。その際,右前腕に裂傷を負ってしまい,以後の走行をキャンセルせざるを得ませんでした。2週間のインターバルがあったことから,今回出場できるまでに回復したようです。ただし,完治しているわけではなく,痛みはまだあるようです。来シーズンも同チームからフル参戦することを望んでいるカピロッシだけに,契約を継続することを考えると3戦の欠場は痛かったのではないかと思います。痛みを乗り越えて,いいパフォーマンスが見られることを期待しましょう。
2008/7/9(水)
☆トレンド(F1)
○次戦ドイツGPの舞台となるホッケンハイム・リンクにおいて,3日間にわたるテストセッションが始まりました。週末に行われたイギリスGPは雨に見舞われ,それが決勝レースに大きな影響を与えましたが,今回のテスト初日も,同様にウェットコンディションでの走行となりました。この日のトップタイムをマークしたのは,イギリスGPを制したマクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンでした。2,3番手タイムは,それぞれフェラーリのK.ライコネンとウィリアムズ・トヨタのN.ロズベルグでした。さて,トップタイムのハミルトンですが,彼が駆ったマシンには,新たなパーツが投入されていました。それは,「シャークフィン」と呼ばれているエンジンカバーです。これは,今季レッドブルが先鞭をつけて取り入れたもので,エアインテークからマシン後方にかけてまっすぐのびた背びれ状の空力パーツです。これまでのところ,ルノー,トロ・ロッソ,フォース・インディアなどの複数チームが既に導入済みです。昨シーズンと違って,ややリザルトに波のあるマクラーレンですが,今年のトレンドとも言えるパーツの投入で,新たな展開が生まれるのか楽しみですね。
2008/7/8(火)
☆欠場(MotoGP)
○第9戦オランダGPの予選中に激しい転倒を喫し,左の脛骨と足首を骨折し,さらに膝も痛める重傷を負ったJ.ホプキンスが,今週末に行われる第10戦ドイツGPだけでなく,その次のアメリカGPをも欠場することが先週発表になりました。ホプキンスの欠場を受けて代役を誰にするか決める必要が出てきますが,現段階では,ドイツはA.ウェストの1台だけで,アメリカはAMAスーパーバイク選手権にカワサキのマシンを駆って出場しているライダーの中から選出という可能性が高いようです。AMAライダーの中での候補は3人いるようで,その中の一人は,レプソル・ホンダのN.ヘイデンの兄弟であるR.リー.ヘイデンです。ところが,単に噂に過ぎないのですが,もう一人代役の候補がいるようです。それが誰かというと,今季からドゥカティのワークスチームに所属しているM.メランドリです。チームメイトで,昨年のチャンピオンでもあるC.ストーナーは,今シーズンもチャンピオン争いを展開していますが,メランドリは全くの不振に陥っています。ドゥカティのマシンとの相性が全く悪いのか,予選,決勝共に最下位争いの中に入るような状況にあるのです。ヤマハやホンダのマシンを駆っている時には,トップ争いの中にいたようなライダーだけに,こうした状況は誰も予想できませんでした。このような状況ですから,来シーズンはドゥカティから離脱するのではないかという噂が早くから出ていたのですが,現在はシーズン途中での離脱をもささやかれるようになっています。そして,その移籍先として最も噂されている先が,カワサキのワークスチームなのです。そうしたことから,シーズン途中でドゥカティから離脱し,ホプキンスの代役として2戦出場するのではないかという噂となっているのです。この点に関して,カワサキ側は明確には否定せず,ドゥカティとメランドリの話し合いがうまく進めば,可能性がないことはないというようなコメントも出ているようです。もしかしたら,可能性はかなり低いですが,単なる噂では終わらないのかもしれませんね。
2008/7/7(月)
☆三つ巴に(F1)
○第9戦イギリスGPが,F1発祥の地であるシルバーストン・サーキットで行われました。イギリスらしく雨の降り方が変化する状況の中でのレースとなり,どのウェットタイヤをいつ履くかによってリザルトに大きな影響を与えたのが今回のレースでした。4番グリッドからスタートしたマクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンは,絶妙のスタートダッシュを見せ,オープニングラップで2位に浮上。さらに4周目にトップに立つと後続との差をどんどん広げていき,独走状態となりました。3番手スタートしたフェラーリのK.ライコネンは,序盤に2位に浮上するものの,1回目のピットストップでタイヤ無交換の作戦をとったのが結果的に失敗で,再び降り始めた雨により順位を下げる結果となりました。激しい雨になってすぐに大雨用のタイヤに履き替えたホンダのR.バリチェロは,これが結果的に大成功で,表彰台圏内へと浮上。同じくすぐに履き替えたウィリアムズ・トヨタの中嶋一貴も,ポイント圏内へと順位を上げていきました。トップのハミルトンは,変化の激しい路面状況を速いペースで走り抜き,4位以下を周回遅れにするという圧倒的な速さで今季3勝目を挙げました。母国での優勝は,自身初となります。2位には,BMWザウバーのN.ハイドフェルドが入りました。雨が小降りになってタイヤを普通のウェット用タイヤに戻したバリチェロは,3位に入りましたが,彼にとって2005年のアメリカGP以来の表彰台獲得となりました。最後まで大雨用のタイヤで走った中嶋は,さすがに小雨の中での走行は苦しく,最終ラップにトヨタのJ.トゥルーリにかわされてしまいました。それでも,ポイント圏内となる8位でフィニッシュしています。ライコネンが4位,ランキングトップだった同じくフェラーリのF.マッサがポイント圏外の13位でフィニッシュしたことから,ランキング争いでハミルトン,マッサ,ライコネンが同ポイントで並ぶという三つ巴の状況となりました。
2008/7/6(日)
☆自身初(F1)
○第9戦イギリスGPの予選が,シルバーストン・サーキットで行われました。この日は,風が強く,予選セッション前半には雨が降るという天候でした。しかし,途中からは完全に路面が乾き,各車ドライタイヤでタイムアタックを行いました。その結果,マクラーレン・メルセデスのH.コバライネンが,予選2番手にコンマ5秒以上の大差をつけてポールポジションを獲得しました。これは,彼にとって参戦26戦目にして初のポール獲得となります。そして,その2番手タイムをマークしたのは,レッドブルのM.ウェーバーでした。ポテンシャル的に劣るマシンにもかかわらず,上位チームを押しのけての2番グリッド獲得は,賞賛できる結果だと言えるでしょう。3番グリッドを獲得したのは,フェラーリのK.ライコネンでした。ウィリアムズ・トヨタの中嶋一貴は,15番グリッド獲得に終わりましたが,チームメイトよりはいいタイムを刻んでいます今季好調のトヨタ勢ですが,この日は速さをみせることができず,T.グロックが12番手,J.トゥルーリが14番手タイムでした。同様にホンダも後方に沈み,R.バリチェロとJ.バトンは,それぞれ16,17番グリッド獲得に終わりました。
2008/7/5(土)
☆変更&継続(F1)
○新規の開催地,サーキットの変更等レースカレンダーに関する噂もいろいろ飛び交うF1の世界ですが,イギリスGPとオーストラリアGPに関してそれぞれ新たな決定がありました。まず,今行われているイギリスGPについてですが,現在はシルバーストン・サーキットが開催地となっています。それが,2010年からドニントンパーク・サーキットに変更することになりました。近年では,1993年にヨーロッパGPとしてF1が開催されましたが,伝統のあるこのコースは,近年の基準から外れているため,このところF1の開催がなくなっていました。今回の決定は,コース改修が前提となっているのは明らかです。実際,近年造られてきたサーキットのほとんどを設計している(富士スピードウェイの改修もそうですね)と言っていいH.ティルケ氏が,視察のためにドニントンを訪れているとのことです。
もう一つの決定ですが,現在オーストラリアGPが行われているのは,メルボルンの市街地コースです。このところ,観客数の減少等が見られるようになり,そのメルボルンでの開催はもとより,オーストラリアGP自体の開催が怪しいのではないかという噂が出ていました。今回の発表は,その噂を払拭するかのように,メルボルンでの開催を2015年まで延長するという長期契約が成立したというものでした。
2008/7/4(金)
☆引退(F1)
○今日から第9戦イギリスGPが,シルバーストン・サーキットで開幕します。その開幕前日に恒例の記者会見が行われましたが,その場において今回が母国GPとなるレッドブルのD.クルサードが,今シーズン終了をもってF1から引退することを発表しました。今年で14年目のシーズンを迎えたクルサードですが,そのスタートは,故A.セナのレース中における死亡事故を受けて,セナに代わってウィリアムズのステアリングを握ったことからです。その後マクラーレンに移籍し,そこでは9年間にわたりM.ハッキネンとチームメイトとして過ごしました。この9年の間に,ハッキネンは2度のワールドチャンピオンに輝いています。個性が強くてチームメイトといえども敵対関係にあることが多いF1の世界ですし,長いこと同じチームにとどまることが難しいのもこの世界です。クルサードとハッキネンがチームメイトとして過ごしたこの9年という年月は,F1史上で最長のチームメイトとなっています。この14年の間で,クルサードは13回の優勝を果たしていて,そのうちの2勝が今回のイギリスGPで挙げたものです。そうした場を引退発表の地としたのは,十分うなづけるものです。来シーズン以降についてですが,現在所属しているレッドブルに相談役として残り,マシンのテストと開発に務めることが明らかとなっています。また,F1からは引退しますが,レーシングドライバーとしてのキャリアは継続し,新たなチャレンジの場を今後見つけていくようです。
2008/7/3(木)
☆コラボ(F1)
○先日トヨタF1チームから発表があり,映画でお馴染みのWarner Bros.とのコラボレーションが,明日から開幕するイギリスGPで実現することになりました。日本では,来月からバットマンシリーズの最新作『ダークナイト』が公開(イギリスでは今月下旬)されます。これは,2005年に公開された『バットマン・ビギンズ』の続編にあたるものです。今回のコラボレーションにより,マシンのカラーリング,ドライバーのレーシングスーツ,チームのモーターホームにそれぞれ特別なデザインが採用されることになります。また,劇中に登場するお馴染みのものの一つである「バットマン・モービル」がサーキットに登場する予定で,開幕前日の夜にこのバットマン・モービルとトヨタのF1マシンであるTF108とが併走するイベントも企画されているようです。このところ好調な走りを見せているトヨタ勢ですが,バットマンとのコラボレートによる今回限定のカラーリングのマシンが,サーキットに旋風を巻き起こすことができるか楽しみですね。
2008/7/2(水)
☆今年こそ(8耐)
○今年の世界耐久選手権シリーズ第3戦に位置づけられている『鈴鹿8時間耐久ロードレース』は,7月27日に決勝レースを迎えます。ホンダからその8耐でのワークスチーム体制について発表がありました。それによると,チーム名は「DREAM Honda Racing Team」で,ワークスチームとして位置づけられているのは,今年も2チームとなります。
その内の1チーム目は,「DREAM Honda Racing Team 11」で,ゼッケンが8耐におけるホンダのエースチームを表す11番となります。ライダーは,SBKにフル参戦している清成龍一(第1ライダー)とC.チェカ(第2ライダー)となっています。この二人は,8耐においてチームメイトというだけでなく,SBKシリーズにおいてもチームメイト同士ですから,コミュニケーションについては問題ないと思われます。8耐では,2005年に宇川徹と組んで優勝経験のある清成ですが,昨年はリタイアに終わっているだけに,今年はその雪辱を果たすレースとなります。チェカに関しては,昨年は岡田忠之と組んで2位表彰台を獲得しています。ただし,優勝したヨシムラに大差をつけられての2位ですから,元GPライダーとしての意地にかけても昨年の借りを返さなければなりません。第3ライダーには,HRCよりJRRのJSB1000クラスにフル参戦している徳留和樹が登録されています。例年は,仮面ライダーチームから8耐に参戦してきていた彼ですが,今年はそのチーム自体がエントリーされていません。
2チーム目は,「DREAM Honda Racing Team 33」で,チーム名が表すとおりゼッケンが33番となります。第1ライダーには,今シーズンもMotoGPの250ccクラスにフル参戦している高橋裕紀が登録されています。第2ライダーは,SBKと併催で行われているWSSにフル参戦しているJ.レイです。一昨年は,清成と組んで8耐にエントリーした高橋ですが,その時は,8耐の前哨戦に位置づけられている『鈴鹿300q』で優勝をしていて,本番の8耐で優勝候補となっていました。ところが,事前テストでの転倒で怪我を負ってしまい,肝心の8耐は欠場となってしまいました。ということで,今回は,8耐のデビューとなった2003年以来5年ぶりの8耐ですから,今年こそはという意気込みがあるのではないかと思われます。レイに関しては,今回が初の8耐となります。第3ライダーには,徳留と同じ体制でJSB1000クラスにフル参戦している手島雄介がエントリーされています。昨年もホンダワークスの第3ライダーで登録されていましたが,本番の8耐では,古巣のTSRから伊藤真一と組んで出場し,3位表彰台を獲得しています。元々伊藤のペアとして登録されていたのは辻村猛でしたが,怪我により出場できなくなったことから,ホンダとTSRとが協力関係にあることと,手島にとっての古巣ということで手島が辻村の代役となったわけです。ちなみに,今年の『鈴鹿300q』では,レイと手島が初めて組んで出場し,5位フィニッシュしています。
なお,両チーム共に使用するマシンは,Formula EWC仕様(今年から初めて導入されたカテゴリーで,多くのチームがこの仕様のマシンでエントリーするものと思われています。)のCBR1000RRW(ワークス仕様の08年型CBR)です。
2008/7/1(火)
☆デビューは?(F1)
○今シーズンのF1には,N.ロズベルグやN.ピケJr,中嶋一貴というように,元F1ドライバーのDNAを受け継いだ若者たちがフル参戦しています。そして,来シーズンになると,もう一人偉大なDNAを受け継いだドライバーがデビューを果たすかもしれません。それは,とりわけ日本人の中でいまだに伝説のドライバーとして絶大な人気のある故A.セナのDNAです。ご存知のように,レースで命を失うまで彼は独身でしたから,子どもはいませんでした。しかし,彼の甥に当たるB.セナは,現在F1の登竜門に位置づけされているGP2シリーズにフル参戦していて,ランキング2位につけています。このままのランキングやチャンピオン獲得となれば,F1のシートを獲得できる可能性が高まります。その彼の獲得できる可能性が高いといわれているのチームが,トロ・ロッソかBMWザウバーだと予想されています。なぜこの2チームかといえば,やはりA.セナと関わりがあります。その両チームに関わっているのが,元F1ドライバーのG.ベルガーだからです。彼とアイルトンとの関係は,よきチームメイトであり,よき友人でもあります。F1の世界でチームメイト同士がうまくいくのはあまりありませんが,その成功例になるのが,マクラーレンにおける二人と言えます。1991年の日本GPにおいて,優勝目前になっていたアイルトンが,これまでの感謝を込めてゴール直前にアクセルをゆるめ,ベルガーに勝利をプレゼントしたことは,当時大きな話題となりました。そのことの是非はともかくとして,それほどまでに両者の関係は良好なものでした。もちろん友人だからといってシートを獲得できるわけではありませんが,GP2シリーズにおいて好成績を収めれば,仮にベルガーがそうした動きをしても,誰も異議を出すことなく容認することになるでしょう。アイルトンがいなかったら,果たして日本にF1がここまで定着したか疑問となります。それほどまでに,私たち日本人にとって忘れることのできないドライバーの甥だけに,彼の動向はとても気になるところですね。
     
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