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最新ニュース
2008/10/31(金)
☆新天地(MotoGP)
○今シーズン限りでMotoGPのシートを失い,HRCのテストライダーに転身するのではないかという噂が強かった中野真矢が,来シーズンから新天地に臨むことになりました。その新天地とは,市販車で争われるレースの最高峰と言えるSBKです。10年間にわたってGPで活躍してきた中野のSBKへの転身は,最終戦であるバレンシアGPの頃からほぼ確実な情報として伝わり始めていました。そして,この度正式発表に至りました。彼が所属することになったのは,来シーズンから再びSBKに登場することになったアプリリアで,新しいアプリリアRSV4を駆ります。チームメイトは,これまた元GPライダーでいまだに根強い人気&実力を持っているM.ビアッジです。今回結ばれた契約期間は1年ですが,2010年についてはオプション契約が結ばれています。新型マシンを投入してSBKに再登場するアプリリアだけに,まずはベテランライダーという組み合わせを選択したのかもしれません。マシンの開発能力という点ではやや疑問視する向きもありますが,チャンピオンを十分狙える速さを備えるビアッジ。ビアッジと比べるとやや速さでは劣るところがあるかもしれませんが,マシンの開発能力に優れる中野真矢。来季のアプリリアは,組み合わせとしていいライダーを選んだのかもしれません。来シーズンのSBKについては,現段階では完全に体制が決まっているわけではありませんが,今シーズンと同様,日本人ライダーが一大勢力を誇るのはほぼ間違いないものと思われます。その中でチャンピオンの最有力候補は,ドゥカティに移籍する芳賀紀行でしょう。彼をはじめとして,日本人ライダーによる優勝争いがどんどん展開するようになるといいですね。それにしても,その肝心なレースが,日本で開催されていないというのは何とも残念です。以前スポーツランドSUGOで開催されていた時期があっただけに,さらにその思いを強くします。サーキット自体の大改修工事を現在していて,2輪レースの国際大会(8耐は世界耐久選手権の中の1戦ではありますが)がなくなっている鈴鹿サーキットが,リニューアルした会場での開催に向けて動いてはいかがかと個人的には思うのですが・・・。まあ,大分県人にとってのベストは,オートポリスでの開催なのでしょうが,こればっかりはさすがにハードルがかなり高いですね。
2008/10/30(木)
☆変更(MotoGP)
○先日FIMより来シーズンのレースカレンダー(暫定)が発表されました。それによると,7月末に発表されたカレンダーからの変更点は少なく,第13戦の開催日のみが変更となっています。今回発表されたカレンダーは以下の通りになっています。なお,あくまでも暫定のものですから,今後変更される可能性があります。
      
2009年レースカレンダー(暫定)
  決勝日 大  会  名 サーキット
第1戦  4月12日 カタールGP(ナイトレース) ロサイリ
第2戦  4月26日 日本GP ツインリンクもてぎ
第3戦  5月 3日 スペインGP ヘレス
第4戦  5月17日 フランスGP ルマン
第5戦  5月31日 イタリアGP ムジェロ
第6戦  6月14日 カタルニアGP カタルニア
第7戦  6月27日 オランダGP(土曜日が決勝日) アッセン
第8戦  7月 5日 アメリカGP(MotoGPクラスのみ開催) ラグナセカ
第9戦  7月19日 ドイツGP ザクセンリンク
第10戦  7月26日 イギリスGP ドニントンパーク
第11戦  8月16日 チェコGP ブルノ
第12戦  8月30日 インディアナポリスGP インディアナポリス
第13戦  9月 6日 サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGP ミサノ
第14戦  9月20日 ハンガリーGP バラトン
第15戦 10月 4日 ポルトガルGP エストリル
第16戦 10月18日 オーストラリアGP フィリップアイランド
第17戦 10月25日 マレーシアGP セパン
第18戦 11月 8日 バレンシアGP リカルドトルモ・バレンシア
2008/10/29(水)
☆撤退(F1)
○4輪レースを統括するFIAは,F1のコスト削減策としてエンジン及びトランスミッションシステムの単一化を2010年以降から実施するという方針を先週発表しました。そして,現在は,供給契約に関する入札手続きが開始されています。これに対して,現在エンジン供給を行っている自動車メーカーは,この提案に対して激しく異議を唱えています。そして,1950年からF1にかかわっているフェラーリが,この度この案に対して「実行に移された場合F1から撤退する」という趣旨の声明を発表しました。また,新規参入メーカーであるトヨタは,まだ噂の段階に過ぎないのですが,この案が実行された場合,フェラーリと同様にF1から撤退し,以前制覇を目指して参加していたルマン24に戦いの場を移すのではないかと思われています。他のメーカーの動向についてはまだつかめていませんが,恐らく撤退という選択肢をとるメーカーがごく少数ということはないのではないかと思われます。ただ,コスト削減が必要という点は,全てのメーカー,チームも認識しているのは間違いありません。そこで,先日チーム側がコスト削減案を発表しました。その内容は,現在の1エンジンを2レース使用するというものを3レースに伸ばすということと,レブリミットを現在の19000回転から18500回転に下げるというものです。今回のコスト削減案問題は,F1の存在意義そのものが問われる内容だけに,どのような結論に達するのかしばらく注視する必要がありそうですね。
      
☆雨により(MotoGP)
○バレンシアでの合同テスト2日目の走行(最終日)が行われました。この日は朝から断続的な小雨で中途半端な路面状況となり,各ライダーは走行を見合わせていました。15時を過ぎたあたりで完全なウェットコンディションに変わったことから,ブリヂストンが1セットのみ供給するウェットタイヤを履いての走行が始まりました。そこでのトップタイムは,ドゥカティへ移籍するN.ヘイデンがマークしました。2番手タイムがレプソル・ホンダに移籍するA.ドビツィオーゾ,3番手タイムがカワサキに移籍するM.メランドリでした。ただ,この日の走行は,前日と違っておよそその半分の数のライダーだけでした。最高峰クラスへステップアップするチーム・スコットの高橋裕紀は,いい条件の中でMotoGPマシンに慣れさせていきたいというチームの方針から,この日の走行を見合わせています。なお,次のの合同テストですが,11月末にスペインのヘレスサーキットとオーストラリアのフィリップアイランド・サーキットの二手に分かれて行われる予定となっています。
2008/10/28(火)
☆デビュー(MotoGP)
○今シーズンの全日程が終了したMotoGPですが,その最終戦の舞台となったリカルド・トルモ・サーキットでは,決勝日の翌日にMotoGPクラスの合同テストが行われました。そして,その合同テストには,来シーズン最高峰クラスでの戦いに臨む各ライダーが参加しています。中には,移籍やステップアップ組などがいて,見る方も新鮮な感じとなるライダーもいます。さて,走行の方ですが,トップタイムをマークしたのは,来シーズンもドゥカティのエースライダーとなるC.ストーナーでした。2番手タイムが,ホンダのエースライダーとなるレプソル・ホンダのD.ペドロサでした。そして,3番手タイムが,今シーズンのチャンピオンでヤマハ勢のエースライダーであるV.ロッシでした。今シーズンの主役を演じたこの3人ですが,来シーズンもこの傾向に変わりはないものと思われます。さて,移籍,ステップアップ,再デビュー組ですが,ついにホンダのワークスチームに所属することになったA.ドビツィオーゾは8番手,カワサキに移籍したM.メランドリは10番手,ドゥカティに移籍したN.ヘイデンは12番手,グレシーニ・ホンダに復帰してワークス仕様マシンを駆るT.エリアスは13番手,ドゥカティから再びGPに復帰することになったS.ジベルナウが14番手,250ccクラスからステップアップしてドゥカティのサテライト用マシンを駆るM.カリオが15番手,そして,同じくステップアップしてホンダのサテライト用マシンを駆る高橋裕紀が18番手というタイムでした。
2008/10/27(月)
☆ラストラン(MotoGP)
○最終戦となる第18戦バレンシアGPの決勝レースが,前日に続いてドライコンディションの中で行われました。MotoGPクラスは,ポールからスタートしたドゥカティのC.ストーナーがオープニングラップから飛び出し,その後も順調にラップタイムを刻んでいって後続との差を広げていき,独走で今季6回目の勝利をポールトゥーフィニッシュで飾りました。2番グリッドからスタートしたレプソル・ホンダのD.ペドロサが,ストーナーには離されたものの,こちらも単独走行で2位に入っています。彼が駆ったマシンのカラーリングは,スペインの石油関連メーカーであるレプソルが,スポンサーとして初めてモーターレースに参加した当時のものでした。これは,参戦40年を記念してのものです。3位には,今シーズンのチャンピオンであるフィアット・ヤマハのV.ロッシが入りました。これにより今季16回目の表彰台獲得となったと同時に,1シーズンでの最多ポイント獲得の記録を更新しました。来シーズンからのタイヤのワンメーク化により,とりあえず今回が最高峰クラスラストランとなるミシュランタイヤでは,JiRチーム・スコットのA.ドビツィオーゾの4位が最高位でした。ホンダでのラストランとなるレプソル・ホンダのN.ヘイデンは,初日,2日目と好調な走りを見せていましたが,5位でのフィニッシュでした。GPでの走行がラストランとなるホンダ・グレシーニの中野真矢は,7位でチェッカーを受けています。なお,来シーズンからHRCのテストライダーへの転身が噂されていた中野でしたが,どうやらアプリリアのマシンを駆ってSBKに戦いの場を移すことになりそうです。詳しくは,正式発表の情報を得てからお伝えしたいと思います。
250ccクラスは,今シーズンのチャンピオンであるジレラのM.シモンチェリが,ポールからスタートしました。序盤はポールスタートを生かすことができずに集団に飲み込まれてしまいましたが,9周目にトップに立つとそのポジションを守り抜き,今季4回目となるポールトゥーフィニッシュを飾りました。来シーズンからMotoGPクラスにステップアップすることから,これが中量級ラストランとなるホンダの高橋裕紀は,10番グリッドからのスタートを克服して上位争いに加わりました。前を走行していたKTMのM.カリオが最終ラップに転倒(その後は再スタートしています。)したことにより,2位でチェッカーを受けました。シーズンが始まる前から既にホンダRS250は開発が全く止まっていますが,そのマシンを駆って自己最高位となるランキング5位を獲得したのは,賞賛に値するものでしょう。3位には,アプリリアのA.バウティスタが入っています。KTMの青山博一は,3台での5位争いを制しています。KTMが中量級クラスから撤退することにより,来シーズンの去就が未定のままの青山ですが,その実力を買われて数チームからオファーが来ているようです。果たしてどのような結論が出るのか,期待して待ちたいと思います。
125ccクラスは,3番グリッドからスタートしたアプリリアのS.コルシが,今シーズンのチャンピオンであるM.ディ.メッリオをはじめとする5台でのトップ争いを制して今季4勝目を挙げました。ランキング2位争いを展開していたコルシですが,そのライバルであるG.タルマクシやS.ブラドルが転倒リタイアしたこともあって,逆転でランク2位の座につきました。2位には,チームメイトのN.テロルが入り,新規参入チームであるジャクソン&ジョーンズ・WRBが,今季2回目となるワンツーフィニッシュを飾っています。3位には,メッリオが入っています。KTMのファクトリーチームからワイルドカード参戦となる小山知良は,KTM勢の中で最高位となる7位でゴールしています。シーズン途中での解雇という憂き目を見た小山ですから,来シーズンの去就が気になるところですが,彼にも数チームからのオファーがあるようで,近いうちに契約発表があるのではないかと噂されています。アプリリアの中上貴晶は,16位でルーキーシーズンを終えています。
2008/10/26(日)
☆惜しくも(MotoGP)
○最終戦バレンシアGP2日目の走行が,前日と変わってドライコンディションの中で行われました。MotoGPクラスは予選が行われ,今シーズン予選セッションの総合タイムでトップの成績を収めたドゥカティのC.ストーナーが,今回も最速タイムを刻んで今季9回目となるポールを獲得しました。昨年この大会でポールトゥーフィニッシュを果たしたレプソル・ホンダのD.ペドロサは,惜しくも1000分の53秒差で2番手でした。今回がホンダラストランとなるレプソル・ホンダのN.ヘイデンが3番手タイムをたたき出し,レプソル勢は2台ともフロントローを獲得しています。序盤上位に顔を出していたホンダ・グレシーニの中野真矢は,セッション中盤に転倒を喫してしまい,もしかしたら自身にとってGP最後の予選となるかもしれなかったのですが,惜しくも15番グリッドに終わってしまいました。
250ccクラスは2回目の予選が行われ,前戦で今シーズンのタイトルを決めているジレラのM.シモンチェリが,最終ラップに最速タイムをたたき出して今季6回目となるポールを獲得しました。暫定ポールを獲得していたアプリリアのA.デボンは,惜しくも100分の1秒差で2番手に終わりました。3〜5番手は,それぞれJ.シモン,M.カリオ,青山博一のKTM勢が占めています。ホンダの高橋裕紀は10番グリッドを獲得し,自身にとってこのクラス最後となる予選セッションを終えています。
125ccクラスも,ドライコンディションの中で2回目の予選が行われました。序盤に転倒のため赤旗が提示されるというアクシデントがありましたが,その後は順調に進行していき,昨年のチャンピオンであるアプリリアのG.タルマクシが,最後のアタックで最速タイムを刻んで今季4度目のポールを獲得しました。これは,今シーズン最多のポール獲得となります。2番グリッドを獲得したのは,タルマクシのチームメイトであるS.ガデアでした。3番グリッドを獲得したのは,アプリリアのS.コルシでした。日本人勢ですが,フル参戦となるアプリリアの中上貴晶は20番グリッド,シーズン途中で解雇の憂き目にあってKTMのファクトリーチームからワイルドカード参戦となる小山知良は15番グリッドを獲得しています。
2008/10/25(土)
☆今季初(MotoGP)
○シーズン最終戦となるバレンシアGPが,リカルド・トルモ・サーキットで開幕しました。最高峰のMotoGPクラスは,午前と午後にフリー走行が行われました。午前中は雨の中,午後は雨はやんだもののウェットコンディションの中での走行でした。そのような状況で両セッション共トップタイムをマークしたのは,今シーズン限りでホンダを去り,来シーズンからドゥカティに移籍することになっているレプソル・ホンダのN.ヘイデンでした。午後の走行での2番手は,ヘイデンのチームメイトであるD.ペドロサでした。レプソル・ホンダ勢によるワンツーは,何と最終戦にして今シーズン初です。午後の3,4番手タイムが,それぞれJ.ロレンゾとセッション中盤に転倒を喫したV.ロッシのフィアット・ヤマハ勢でした。ホンダ・グレシーニの中野真矢は,午前中は9番手タイムだったものの,午後のセッションは10番手に終わりました。
250ccクラスは1回目の予選が行われ,母国GPとなるアプリリアのA.デボンが,転倒を喫しながらトップタイムをマークし,暫定ポールを獲得しました。前戦でポールを獲得しているKTMの青山博一は,今回も快走を見せて暫定の2番手となっています。青山のチームメイトで,来シーズンからMotoGPクラスにステップアップすることになっているM.カリオが,暫定の3番グリッドを獲得しました。同じくMotoGPクラスにステップアップするホンダの高橋裕紀は,暫定の12番手に終わっています。
125ccクラスも1回目の予選が行われ,アプリリアのS.コルシが暫定ポールを獲得しました。暫定の2番グリッドを獲得したのは,ウェットコンディションを得意とするKTMのL.ザネッティでした。アプリリアのS.ボンセーが,暫定の3番グリッドを獲得しています。日本人勢ですが,今回もKTMのファクトリーチームからワイルドカード参戦となる小山知良は暫定の13番手,アプリリアの中上貴晶は暫定の36番手でした。
2008/10/24(金)
☆復帰(MotoGP)
○今日から最終戦となるバレンシアGPが始まりますが,それに先だってその舞台となるリカルド・トルモで新たなプロジェクトが発表会を開きました。それは,今シーズンから125ccクラスに参戦を開始したオンデ2000チームで,来シーズンからは最高峰であるMotoGPクラスにステップアップすることになりました。使用するマシンはドゥカティのデスモセディチで,ドゥカティとしてはファクトリーチームとプラマック・レーシングと合わせて5台目のマシンとなります。そして,起用するライダーが,何と既にレースから引退していたスパニッシュライダーのS.ジベルナウです。かつてはホンダ・グレシーニに所属し,故加藤大治朗にとって最後のチームメイトとなったライダーです。大ちゃんが鈴鹿で命を失ってからは,レプソル・ホンダのライダーよりも彼の方がホンダのエースライダーのように活躍し,2003年と2004年にはヤマハのV.ロッシと激しいチャンピオン争いを繰り広げました。ただ,残念ながら両年ともロッシに凱歌が上がっています。2005年は不振を極めた年となり,1勝も挙げられないままで終わり,2006年にはドゥカティのファクトリーチームに移籍しました。しかし,数々の怪我に悩まされた彼は,そのシーズンをもってレースから引退していました。しかし,今シーズン途中ではドゥカティのテストに参加したりして,復帰に向けての動きが見られていました。そして,ついに今回の復活となったわけです。彼が所属することになったオンデ2000は,スペインの不動産会社が所有するチームのようです。そのチームを指揮する一人が,中・軽量級クラスで活躍し,今シーズン限りで引退することになったP.ニエトということです。
2008/10/23(木)
☆引退(DTM)
○DTMシリーズを代表するドライバーの一人であるB.シュナイダーが,今シーズン限りでレースドライバーから引退することを発表しました。DTMシリーズばかりでなく,その前身であるITCシリーズから一貫してメルセデス−AMGのマシンを駆ってきた彼は,これまでに226回の出走を果たしています。その間5回(95,00,01,03,06年)チャンピオンに輝いています。また,優勝回数43回,ポール獲得数25回,ファステストラップ獲得数59回と他の誰にも真似ることのできない圧倒的な実績を残しています。まさにAMGだけでなく,DTMの顔とも言えるドライバーと言っても過言でないでしょう。引退後の彼ですが,そのAMGに所属してマシン開発を行ったり,イベントに参加したりとレース以外でのAMGの顔として活動するようです。
2008/10/22(水)
☆断念(MotoGP)
○今シーズンの途中から,来シーズンのカワサキが3台体制になるのではないかという噂が出ていました。そして,その3台目のマシンは,スペインの英雄であるJ.マルチネスが代表を務めるアスパル・チームに供給されるのではないかということがほぼ確実視されていました。125&250ccクラスで常にチャンピオン争いをしているアスパル・チームは,両クラスでの目標をほぼ達成したとし,新たな目標として最高峰クラスへの参入を計画していました。そして,マシンの供給先としてカワサキとの交渉を行っていました。しかし,かなり話が進んだところまでいっていたとは思いますが,両者の交渉はまとまらず,来季からの3台目投入を断念することが決定しました。交渉決裂の最大の原因は,ライダーの起用についてのようです。カワサキ側が提示したのは,MotoGPでのシート喪失の危機にある中野真矢を起用することでした。現在はホンダのマシンを駆る中野ですが,皆さんご存知のように,その前はカワサキのファクトリーチームからフル参戦していました。とりわけ今シーズン不振を極めるカワサキですから,3台体制をとるというのは,マシンの開発スピードを上げることでしょうし,そのためには開発能力があり,カワサキとのコミュニケーションが十分とれるライダーということが一番でしょうから,日本人ライダーである中野に白羽の矢が立っても不思議ではありません。ところが,スペイン色の強いアスパル・チームは,スポンサーの意向からスペイン人ライダーの起用がその条件であり,MotoGPクラスへの参戦には多額の費用が必要となりますので,こうしたスポンサーの意向は無視するわけにはいきません。こうしたことが,最大の原因だということのようです。こうなると中野のシート確保がさらに難しくなり,現在噂されているように,MotoGPから撤退してHRCの開発ライダーとなる可能性がさらに高まったのかもしれません。
2008/10/21(火)
☆総入れ替え(MotoGP)
○先日,ドゥカティのサテライトチームであるアリーチェ・チーム(母体はプラマック・レーシング)の来シーズンの体制について発表がありました。今シーズンはT.エリアス&S.ギントーリという体制で臨んだ同チームですが,両者とも来シーズンは移籍することが既に決定していました。まずエリアスですが,現在中野真矢が所属しているホンダ・グレシーニに,中野がシートを失う形で彼に替わってシートに座ることになりました。彼が駆ることになるマシンは,サテライトチーム用ではなく,ワークスチームであるレプソル・ホンダと同仕様のRC212Vとなっています。ギントーリについてですが,MotoGPでのシートを失い,新たにイギリス国内で行われているBSBにフル参戦することになりました。所属するのは,BSBシリーズのでスズキのワークスチームであるリズラ・スズキです。ということで,総入れ替えとなるアリーチェ・チームに来シーズン新規加入することになったライダーですが,まず一人目は,今シーズンKTMのファクトリーチームから250ccクラスにフル参戦しているM.カリオです。カリオが所属しているKTMは,先日250ccクラスからの撤退を表明し,ファクトリーチームは解散することになりました。そのため青山博一はシートを失うこととなってしまいましたが,カリオは結果的にステップアップすることによってシートを確保したことになります。もう一人はN.カネパで,彼はドゥカティのテストライダーを務めています。それだけに,初のMotoGPクラス参戦ではあっても,マシンに関しては精通していることになります。なお,同チームが駆るのは,ドゥカティのサテライトチーム用マシンです。
2008/10/20(月)
☆全クラス(MotoGP)
○第17戦マレーシアGPの決勝レースが,セパン・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,ポールからスタートしたレプソル・ホンダのD.ペドロサがリードしての序盤となりました。しかし,2番グリッドからスタートした今シーズンのチャンピオンであるフィアット・ヤマハのV.ロッシが,11周目にトップに立つと差をどんどん広げていき,最終的には4秒の差をつけて今季9勝目を挙げました。この勝利により,史上二人目となる150回目の表彰台獲得となりました。3位には,来シーズンから2位に入ったペドロサのチームメイトになることが決定しているJiRスコット・ホンダのA.ドビツィオーゾが入り,最高峰クラスで自身初となる表彰台を獲得しました。15番グリッドからスタートしたホンダ・グレシーニの中野真矢は,オープニングラップから順位を上げていき,最終的には5位でフィニッシュしました。ワイルドカードでリズラ・スズキから出場した青木宣篤は,17位でゴールしています。
250ccクラスは,2番グリッドからスタートしたアプリリアのA.バウティスタが,サーキットベストを更新する速さを見せて今季4勝目を挙げました。今季自身初となるポールからスタートしたKTMの青山博一は,バウティスタの先行は許したものの,見事2位表彰台を獲得しています。チャンピオンに王手をかけていたジレラのM.シモンチェリは,3番グリッドからスタートし,その順位をキープする形で表彰台を獲得し,今シーズンのチャンピオンを決めました。これは,もちろん自身初です。ホンダの高橋裕紀も好位置をキープし,4位でフィニッシュしています。
125ccクラスは,2番グリッドからスタートしたアプリリアのG.タルマクシが,オープニングラップからトップに立つと,後続との差を広げていき,2年連続してマレーシアGPを制しました。13番グリッドからスタートしたアプリリアのB.スミスは,周回ごとに前を行くライダーを抜き去っていき,何と11人抜きを演じて2位でゴールしました。3人による3位争いは,最終的にS.コルシが制しました。今回からの残り2戦を,KTMのファクトリーチームから出場することになっている小山知良は,7番グリッドからスタートし,KTM勢では最高位となる11位でチェッカーを受けました。21番グリッドからスタートしたアプリリアの中上貴晶は,残念ながら転倒リタイアに終わっています。
       
☆完勝 PARTT(SGT)
○延々と続く渋滞を形成しながら,3万人近い観衆がオートポリスに詰めかける中,第8戦の決勝レースが行われました。GT500クラスは,ポールを獲得した本山哲&B.トレルイエ組のXANAVI NISMO GT-Rがスタートから飛び出し,あっという間に後続との差を広げていきました。ピットインのタイミングで順位の変動はあったものの,それ以外は横綱相撲を演じてトップの座を守り,今季3勝目を挙げました。2位には,3番グリッドからスタートしたL.デュバル&平中克幸組のEPSON NSXが安定したラップを刻んで入りました。3位争いをR.ファーマン&伊沢拓也組のARTA NSXと井出有治&細川慎弥組のRAYBRIG NSXとのバトルとなりました。何度か順位を入れ替えてのバトルでしたが,チェッカーはRAYBRIGの方が先に受けました。ところが,ARTAを交わす際に接触があったということから,RAYBRIGのレース結果に30秒加算のペナルティーが課され,ARTAが3位表彰台を獲得しています。RAYBRIGは,レース途中でも接触によりドライブスルーペナルティーを受けていますから,何ともツキに見放されたレースとなってしまいました。
GT300クラスは,2番グリッドからスタートした青木孝行&藤井誠暢組のダイシン ADVAN Zが,安定して速いラップを刻みました。中盤に入って高橋一穂&加藤寛規組のプリヴェKENZOアセット・紫電がトップに立ちましたが,ピットアウトに手間取ったため順位を落とし,ダイシンがトップに浮上。ダイシンは最後までその座を守り抜き,今季初優勝を飾りました。2位には,新田守男&高木真一組のARTA Garaiyaが,3位に紫電が入っています。
      
☆完勝 PARTU(F1)
○第17戦中国GPの決勝レースが,上海インターナショナル・サーキットで行われました。ポールからスタートしたマクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンは,絶妙なスタートを切ってホールショットを奪うと,ファステストラップを刻みながら追いすがるフェラーリ勢との差を広げていきました。その勢いは最後まで衰えず,今季5勝目をポールトゥーフィニッシュで飾りました。フェラーリ勢は,K.ライコネン,F.マッサの順で走行を続けていましたが,40周を超えたあたりからライコネンがペースダウン。マッサとの差がどんどん詰まっていき,最終的にマッサが2位に浮上しました。ハミルトンとのチャンピオン争いを演じているマッサと,既にその争いから脱落したライコネン。この2人の立場の差が,今回の結果に繋がりました。レギュレーション上は,チームオーダーは禁止なのですが・・・。今回の結果,ハミルトンとマッサとのポイント差が7に広がり,最終戦でハミルトンはかなり優位な立場になっています。ただし,何が起こるかわからないのがF1ですから,マッサが2位以上に入り,ハミルトンがノーポイントに終わってしまうと,昨年のライコネンと同じように逆転チャンピオン獲得というような形になります。ジャパンパワーの最高位は,1ストップ作戦が功を奏して7位に入ったトヨタのT.グロックでした。ウィリアムズ・トヨタの中嶋一貴は,11位完走を果たしています。
2008/10/17(金)
☆撤退(MotoGP)
○14日付のこのページで,KTMのH.バートルが,250ccクラスに関して青山博一の続投を明らかにしたということをお伝えしました。ところが,ここに来て大きな変更が発表されました。現在250&125ccクラスに参戦しているKTMですが,来シーズンから250ccクラスを撤退することになりました。そして,125ccクラスに関してですが,来季から同クラスにだけに参戦し,今シーズン3チーム6台のマシンを貸与していましたが,現段階ではファクトリーチームの2台のみを投入することになるというのです。ライダーに関しても発表があり,今季レプソル・KTMからフル参戦していたM.マルケスと,MotoGPへの登竜門の一つであるレッドブル・MotoGP・アカデミーに参戦していたヤングライダーC.バービア―を起用することになりました。250ccクラスから撤退する大きな原因は,2011年から4サイクル600ccマシンで争われることになったためです。JRRにおいては,今後125ccクラスに4サイクル250ccマシンが投入されていくことになっていきますが,MotoGPには当面その予定はありません。それほど予算規模のないメーカーにとっては,なくなっていくクラスに資金を投入するよりは,当面継続するクラスに集中しようとするのは当然と言えるでしょう。ただし,今回の決定は,私たち日本人にとっては大きなショックです。KTMには,250ccクラスに青山博一が,125ccクラスに小山知良(4日付のこのページでお伝えしたように,今シーズンの残り2戦は,ファクトリーチームから出場します。)が所属しています。今回の発表では,その2者に関することは明らかにされませんでした。実力のある2人ですから,いろいろなチームからオファーがあるとは思いますが,有力チームでなければ参戦する意味がほとんどなくなってしまいます。今後の発表が,とても気になりますね。
      
☆移籍(MotoGP)
○今季カワサキからフル参戦しているA.ウェストが,来シーズンからSBKと併催で行われているWSSに復帰することが発表されました。ウェストに関しては,M.メランドリのカワサキ移籍に伴い,シート喪失の可能性がありました。しかし,来季のカワサキが3台体制を目指しているということで,残りのレースの結果次第ではあったものの,残留の可能性が十分ありました。しかし,まだカワサキからの正式発表がないので何とも言えないところがあるのですが,カワサキの中で彼のシート獲得が厳しい状況になっていて,今回の決定になったのかもしれません。2007年シーズンにヤマハのマシンを駆ってWSSに参戦していたウェストでしたが,そのシーズン途中でカワサキのファクトリーチームからMotoGPにスイッチしています。ということで,冒頭で書いたように“WSSに復帰”ということになります。ただし,所属するチームは,当時のヤマハではなく,スティッギー・モータースポーツ・ホンダチームです。
2008/10/16(木)
☆今季初(MotoGP)
○アジア・オセアニア地域での開催が続いているMotoGPですが,今週は日本GP,オーストラリアGPに続いて第17戦マレーシアGPが明日から開幕します。それを前にして先日リズラ・スズキから発表があり,そのマレーシアGPでスズキのテストライダーを務めている青木宣篤がワイルドカード参戦することになりました。青木の参戦は,今シーズンでは初となります。日本GPでは,ワイルドカードライダーとして秋吉耕佑が参戦しましたが,予選では最下位,決勝レースでは1周目で転倒リタイアを喫してしまい,JRRとは全く違っていいところがなく終わってしまっています。マシン開発という意味からのワイルドカードでの出場だったでしょうが,十分データがとれたとは言えなかったのではないかと思います。今回の青木の出場は,09年型GSV−Rのハイブリッド版でのものになる模様です。レースがマシン開発で一番有効な場ですから,順位はもちろん,何よりもレースペースで最後まで走りきることが来シーズンを見据えて青木の最低限の仕事と言えるでしょうね。
2008/10/15(水)
☆移籍決定(SBK)
○SBKシリーズにおけるドゥカティのワークスチームであるドゥカティ・コルセは,今季T.ベイリス&M.ファブリツィオの布陣で臨み,見事ベイリスがチャンピオンを獲得しました。そのベイリスは,今シーズン限りで引退しますので,その分1つシートが空くことになります。そして,そのシートには,かねてからヤマハ・イタリアの芳賀紀行が座るのではないかと信憑性を持って言われていました。この度,ドゥカティ・コルセから発表があり,噂通り芳賀紀行との契約が成立しました。チームメイトについては,ファブリツィオが残留するします。芳賀紀行というと,やはりヤマハというイメージが強いですが,JRRではチーム・ファンデーションというプライベートチームからドゥカティのマシンを駆って参戦していました。そして,SBKシリーズでは,2004年にドゥカティ系のプライベートチームに所属し,カスタマースペックのドゥカティ999を駆った経験があります。海外では“ニトロ・ノリ”の相性で人気のあるライダーの1人ですが,未だにタイトルを獲得したことがありません。チャンピオンチームに所属し,チャンピオンマシンを駆ることになるわけですから,来シーズンこそ『未冠の帝王』を返上するチャンスとなりそうです。
2008/10/14(火)
☆残留&ステップアップ(MotoGP)
○既に来シーズンのシートがどんどん決まっていますが,日本人に関しては,先日高橋裕紀がMotoGPクラスにステップすることが発表されました。その他のライダーについては,まだ未定といったところです。この度,高橋にとってよきライバルでもある青山博一の動向について,彼が所属するKTMのH.バートルがインタビューに答えました。それによると,来シーズンも同チームにとどまり,250ccクラスに継続参戦することがほぼ間違いないようです。チームメイトについても明らかにし,今季オンデ2000チームからKTMのマシンを駆って125ccクラスに参戦しているR.デ.ローサと交渉中とのことです。
125ccクラスといえば,既に今シーズンの同クラスチャンピオンを決めているM.ディ.メッリオの動向も気になるところです。彼が所属するアジョ・モータースポーツのチームマネージャーであるA.アジョが明らかにしたところによると,これまでずっと125ccクラスに参戦してきた同チームですが,来シーズンはディ.メッリオと共に250ccクラスにステップする方向で検討中のようです。今シーズン250ccクラスでチャンピオン獲得の可能性が高いジレラのM.シモンチェリは,来シーズンも同クラスにとどまることがほぼ決まっています。となると,来季は今シーズンの2人のチャンピオンが同じクラスで戦うことになりますね。
2008/10/13(月)
☆2連勝(F1)
○第16戦日本GPの決勝レースが,曇り空で肌寒い富士スピードウェイで行われました。レース序盤は,スタートから混乱の展開となりました。スタートでやや出遅れたポールシッターであるマクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンが,好スタートを切った予選2番手フェラーリのK.ライコネンを強引に1コーナーでかわそうとしたことが原因で,ライコネンをはじめとした数台がコースオフ。そのあおりを受け,後方のマシンが行き場を失ったりしました。中でもレッドブルのD.クルサードは,中嶋一貴を巻き込むような形でコースオフしてクラッシュしリタイア。今シーズンで引退する彼の姿は,日本人ファンの前で1周することができないまま消えました。中嶋はノーズにダメージを受けて緊急ピットインとなり,以後は完走を果たしたものの,終始最後尾を走行する事態となってしまいました。さらに,2周目には,チャンピオン争いを展開しているハミルトンとフェラーリのF.マッサのバトルとなり,ややコースオフしたマッサが,半ば強引にコースに戻ろうとしたためにハミルトンと接触。ハミルトンはスピンを喫してしまい,ポイント圏外へと大きくドロップダウンしました。こうした混乱の中でトップに躍り出たのは,前戦で復活の勝利を挙げたルノーのF.アロンソでした。ピットインのタイミングが各車ずれていたため,見た目上はトップの入れ替えがありましたが,実質上はアロンソが徐々に後方との差を広げていきました。そして,全車が全てのピットインを完了した時には,アロンソの独走状態となっていました。結局アロンソが勝利を飾り,見事独走で2連勝を挙げました。終盤になってライコネン,BMWザウバーのR.クビサ,そしてルノーのN.ピケJrの3台による2位争いとなりましたが,クビサが逃げ切って2位に,久々の表彰台となるライコネンが3位になりました。ルノーとチームタイトルで4位争いをしているトヨタは,自身のホームコースでのレースだけに,かなり気合いが入ったレースウィークを展開していました。予選では,2台ともトップ10に入り,決勝レースでの表彰台獲得も現実となりそうな状態となりました。しかし,前日まで好調な走りを見せていたT.グロックは,接触により足回りを痛め,リタイアとなりました。J.トゥルーリは5位に浮上するものの,2位争いをしている前の3台に追いつくことができずにその順位のままチェッカーとなりました。ルノーが1,4位を獲得したのに対して,トヨタは5位だけでしたから,今回だけでルノーとの差が11ポイント広がる結果となってしまいました。それでも,チームにとっての母国GPでポイントを獲得できただけでもいい方で,予選で下位に沈んだホンダは,決勝レースでも上位に顔を出すことができませんでした。結局2台とも完走は果たしたものの,完走15台中R.バリチェロが13位,J.バトンが14位に終わりました。接触劇を演じたタイトル争いの2台ですが,ハミルトンはオープニングラップの,マッサは2周目のアクシデントの責任を問われ,両者共にドライブスルーペナルティーを受けました。それでもマッサは徐々にポジションアップを果たし,8位でチェッカーを受けました。ところが,レース終了後に6位でチェッカーを受けたS.ブルデーに対して25秒加算のペナルティー(2回目のピットを済ませ,コースインする時にマッサと接触したアクシデントに対してのもの)が課されたため,マッサは7位となりました。それに対してハミルトンはポイント圏外でチェッカーでしたから,僅か2ポイントではあるものの,マッサがハミルトンとの差を縮めました。
2008/10/12(日)
☆2年連続(F1)
○第16戦日本GPの予選が,富士スピードウェイで行われました。朝まで降り続いた雨により,予選が始まった時には,レコードライン上を除いて所々水たまりがあるという状態でしたが,ドライ用タイヤで走行できました。そして,時間がたつにつれてどんどん乾いていき,最終セッションであるQ3の時には,ほぼ完全ドライと言えるほどになっていました。そのようなコンディションの中でトップタイムをマークしたのは,ランキングトップを行くマクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンでした。ハミルトンのポール獲得は,昨年に続いて2年連続となります。2番グリッドを獲得したのは,チャンピオン争いから実質上脱落してしまっているフェラーリのK.ライコネンでした。3番グリッドを,ハミルトンのチームメイトであるH.コバライネンが獲得しています。ハミルトンとチャンピオン争いを展開しているフェラーリのF.マッサは,思うようなタイムが出ずに5番手に終わっています。シーズン終盤でのチャンピオン争いは,チームメイトがいかに協力してくれるかで展開が変わってくる場合があります。今回の予選結果を見ると,ややマクラーレンが有利になったかなという感じです。富士をホームコースとするトヨタは,J.トゥルーリ,T.グロック共にQ3まで残る健闘を見せ,それぞれ7,8番グリッドを獲得しました。トヨタエンジンユーザーであるウィリアムズは,マシン的に富士のようなレイアウトのサーキットとは相性が悪いものの,何とかQ2まで進出し,中嶋一貴が14番グリッド,N.ロズベルグが15番グリッドを獲得しました。前日からセッティングに苦しんでいたホンダは,2日目になっても流れは変わらず,R.バリチェロ,J.バトン共にQ1で脱落となり,それぞれ17番,18番グリッド獲得に終わりました。
2008/10/11(土)
☆ホームGP(F1)
○第16戦日本GPが富士スピードウェイで開幕し,初日は午前・午後に1回ずつフリー走行が行われました。雨に見舞われることが多い富士ですが,この日は昼頃から少し雨が降ったものの,路面コンディションに大きな影響を与えるほどではなく,両セッション共にドライコンディションの中での走行となりました。トヨタにとってホームGPとなりますが,この日のトップタイムをたたき出したのは,今回が富士初挑戦となるトヨタのT.グロックでした。2番手タイムは,シンガポールGPを制して復活を遂げたルノーのF.アロンソでした。そして,3番手タイムが,ここまでランキングトップを行くマクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンとなっています。グロックがトップタイムとは言っても,17番手タイムを出したレッドブルのD.クルサードまでがトップから1秒以内でしたので,初日としては非常に僅差となっていますので,今日以降の走行で順位が大きく変動する可能性が高くなっています。トヨタエンジンユーザーであるウィリアムズのステアリングを握る中嶋一貴にとって,今回は母国GPでありホームGPでもあるわけですが,7番手タイムと順調なスタートを切っています。それに対してホンダ勢はセットアップに苦労し,J.バトンに至っては最下位のタイムに終わっています。
2008/10/10(金)
☆2チームに(F1)
○徐々に来シーズンのシートが埋まってきているF1のシートですが,来シーズンからF1にステップアップする可能性のある若手ドライバーの1人が,GP2シリーズでランク2位となったB.セナでしょう。皆さんご存知のように,『音速の貴公子』として日本人に最も馴染みの深いF1ドライバーである故A.セナは,彼の伯父に当たります。シーズン途中からいくつものチームのドライバー候補として名前の挙がってきた彼ですが,徐々に候補となるチームが減ってきています。BMWザウバーやウィリアムズ・トヨタも候補として名前の挙がっていたチームでしたが,既にレギュラードライバーもテスト&リザーブドライバーも,全て残留するという結果となりました。インタビューに答えたセナは,現実的には2チームに絞られているようで,彼が挙げたチーム名は,スクーデリア・トロロッソとホンダ・レーシングの2チームでした。両チーム共,まだ来季のドライバーは正式発表されていません。どちらも優勝経験のあるチームですから,新規参入ドライバーにとっては願ってもない選択肢とも言えます。もし「ホンダエンジンを駆るセナ」というようになると,我々日本人にとっては何とも懐かしいような気分になるのではないかと思います。ただし,セナ自身にとっては,すごいプレッシャーになりそうですが・・・。ここで挙げた2チームというのは,あくまでもレギュラードライバーとしてです。テストドライバーまで含めると,まだいくつかチームがあるようです。いわゆる「A.セナの甥」として「商品価値」のある彼だけに,動向が気になるところですね。
2008/10/9(木)
☆限定タイヤ(F1)
○明日からいよいよ富士スピードウェイにおいて日本GPが開幕しますが,それに先立ってブリヂストン主催の記者会見が行われました。フェラーリとマクラーレン・メルセデスのドライバーによる記者会見が行われたのですが,それと同時に日本GP限定のタイヤが紹介されました。今回の日本GPは,FIAと共同で「MAKE CARS GREEN」キャンペーンを展開することになっているそうです。そのキャンペーンの一環として,特殊ペイントを施したタイヤが供給されます。ドライ用タイヤには,大まかに言ってソフトとミディアムの2種類がありますが,今シーズンは必ずそのどちらも使用しなければならないというレギュレーションになっています。そして,目で見てわかりやすいように,ソフトタイヤには,4本溝がある中で内側から2本目の溝が白くペイントされています。今回の限定タイヤというのは,残り3本の溝に緑色のペイントが施されたものです。また,ミディアムタイヤは,4本の溝全てに緑色のペイントが施されています。なお,ウェットタイヤについては,これまでと同様で,特にペイントが施されるということはないそうです。
2008/10/8(水)
☆北米(F1)
○FIAから来シーズンのレースカレンダーが発表されました。それによると,1987年に初開催されて以来ずっと行われてきたカナダGPが,今回のカレンダーでは消えました。もしこれがそのまま実行されるとすると,北米大陸でのF1開催が消滅することになります。前回発表と比べてのその他の変更点としては,カナダGP消滅により,開催数が一つ減って全18戦となっています。また,初開催となるアブダビGPが,最終戦へと移動されています。これにより,第4戦のスペインGPから第13戦のイタリアGPまで,ずっとヨーロッパでのレースが続くことになります。夏休みがないということが問題となっていましたが,第10戦ハンガリーGPと第11戦ヨーロッパGPの間に約1ヶ月空きができています。チームによっては,人員を増やして交代制で夏休みをとるようにしないといけないなどの対策を練るところもありましたが,今回のカレンダーが実施されるとなるとその必要がなくなり,人件費のコスト増が免れることになります。今回発表されたレースカレンダーは,以下の表のようになっています。なお,今回の発表もまだ暫定ですので,今後変更となる可能性があります。
         
2009年レースカレンダー(暫定)
  決勝日 大  会  名 サーキット
第1戦  3月29日 オーストラリアGP アルバートパーク
第2戦  4月 5日 マレーシアGP セパン
第3戦  4月19日 バーレーンGP バーレーン
第4戦  5月10日 スペインGP カタルニア
第5戦  5月24日 モナコGP モンテカルロ
第6戦  6月 7日 トルコGP イスタンブール
第7戦  6月21日 イギリスGP シルバーストーン
第8戦  6月28日 フランスGP マニ・クール
第9戦  7月12日 ドイツGP ニュルブルクリンク
第10戦  7月26日 ハンガリーGP ハンガロリンク
第11戦  8月23日 ヨーロッパGP バレンシア
第12戦  8月30日 ベルギーGP スパ・フランコルシャン
第13戦  9月13日 イタリアGP モンツァ
第14戦  9月27日 シンガポールGP シンガポール
第15戦 10月11日 日本GP 鈴鹿
第16戦 10月18日 中国GP 上海
第17戦 11月 1日 ブラジルGP インテルラゴス
第18戦 11月15日 アブダビGP ヤス島
2008/10/7(火)
☆残留(F1)
○今年でチーム創設3年目を終えようとしているBMWザウバーが,来シーズンのドライバーについて発表しました。それによると,来シーズンも今シーズンと同じくR.クビサ&N.ハイドフェルドという2人で臨むことになりました。現段階のランキングでは,クビサが3位,ハイドフェルドが5位という具合に,マクラーレン・メルセデス,フェラーリに次ぐ3強の仲間に入っています。また,カナダGPにおいては,クビサが表彰台の一番高いところに立っています。ですから,2人のドライバーとも残留という今回の決定は,当然といえば当然かも知れません。ただし,シーズン途中の噂では,ハイドフェルドに代わってルノーからF.アロンソを引っ張ってくるのではないかというものがありました。今回の決定により,この噂に終止符が打たれたことになります。なお,テスト&リザーブドライバーについても発表があり,こちらも今シーズンと同じくC.クリエンが務めることになりました。
                 
☆1社のみ(MotoGP)
○来シーズンからタイヤのワンメーク制が導入されることになっているMotoGPクラスですが,先日行われたオーストラリアGPの開幕初日となる3日が,タイヤメーカーからの入札の期限となっていました。そして,その翌日の4日にFIM,IRTA,MSMA,ドルナスポーツ社で構成するグランプリコミッションから発表があり,ブリヂストン1社だけから応札があったことを発表しました。今回の入札に当たっては,最高峰クラスにタイヤ供給の実績があることが条件となっていましたから,元々ブリヂストン,ミシュラン,ダンロップの3社にしかその権利がありませんでした。ダンロップについては,既に昨シーズンをもって最高峰クラスから撤退していましたから,残りの2社の動向に注目が集まっていました。とりわけ,ここ1,2年ですっかり主役の座をブリヂストンに奪われた形となってしまったかつての王者であるミシュランの動向が気になるところでしたが,やはりその流れに逆らうことができなかったのか,今回の入札に手を挙げることがありませんでした。なお,入札イコール正式決定ではなく,来週土曜日の18日に会議がもたれ,その場で最終決定が行われることになっています。とは言っても,ブリヂストンの応札が否決されることはまず考えられないといっても過言ではないでしょうね。
2008/10/6(月)
☆チャンピオン決定(JRR)
○最終戦となる第6戦の決勝レースが,ヘビーウェットというコンディションの中で行われました。JSB1000クラスは,前回に引き続いて2レース制で行われました。第1レースでは,2番グリッドからスタートしたホンダの伊藤真一が,スタートからトップに出ると,後続との差をどんどん広げて独走状態を築き,2年ぶりとなる優勝を飾りました。ポールからスタートしたヨシムラの秋吉耕佑は,伊藤にトップの座は奪われたものの,2位の座を守り抜きました。3位には,ランキングトップを行くヤマハの中須賀克行が入り,第2レースでのチャンピオン獲得に王手をかけました。第2レースでも,伊藤と秋吉によるトップ争いとなりました。ところが,13周目のマイクナイトコーナーで両者がほぼ同時に転倒するというアクシデントが発生し,両者共にリタイアとなってしまいました。その段階で3位を走行していたヨシムラの酒井大作が自動的にトップに立ち,そのポジションを守ってチェッカーを受けました。このクラスにおける酒井の優勝は,今回が初となります。2位にはカワサキの柳川明が,3位にはヤマハの大崎誠之が入りました。チャンピオンに王手をかけていた中須賀は,コースオフを喫するというアクシデントはあったものの,6位でゴールして自身初となるチャンピオンを獲得しました。
ST600クラスは,ポールからスタートしたホンダの小西良輝が,後続との差を広げていきました。しかし,元GPライダーであるヤマハの宮崎敦が徐々に差を詰めていき,ベテランライダー同士のバトルとなりました。2人の争いはファイナルラップまで続きましたが,小西が1000分の69秒差で宮崎を抑え,転倒リタイアに終わった前戦を除いて勝利を収め,2年連続チャンピオンを決めました。3位には,カワサキの清水直樹が入り,自身初となる表彰台を獲得しています。
250ccクラスは,自身初となるポールからスタートしたホンダの富沢祥也が,序盤からトップを走行していました。その彼を追っていたヤマハの宇井陽一が転倒を喫し,代わって及川誠人が2位につけました。ところが,その及川も転倒してしまい,富沢が独走状態となりました。結局2位に入ったヤマハの関口太郎に16秒もの大差をつけてトップチェッカーを受け,このクラスでの初優勝を,ポールトゥーフィニッシュという完璧な形で獲得しました。3位には,ヤマハの山崎郡が入っています。前戦でチャンピオンを決めたホンダの高橋巧は,4位で最終戦を終えています。
125ccクラスは,ポールからスタートしたホンダの菊池寛幸が,絶妙なスタートを切ってトップに躍り出ました。菊池と共にチャンピオン争いを展開しているヤマハの徳留真紀は,菊池をとらえようとしましたが,終始菊池のコントロール下におかれる展開となりました。結局,菊池が独走でチェッカーを受け,今季3勝目を挙げてチャンピオンを決めました。MotoGPでは若手のためのクラスとなっている125ccですが,JRRでは,菊池&徳留という超ベテランライダーの活躍の場となりました。確かにベテランライダーのいぶし銀とも言える走りを見ることもいいのですが,来シーズンはぜひ若手の出現を期待したいと思います。
      
☆独走で(MotoGP)
○第16戦オーストラリアGPの決勝レースが,前日の予選に引き続いてドライコンディションの中で行われました。MotoGPクラスは,ポールからスタートしたドゥカティのC.ストーナーが,スタートからトップに立つと,安定した速さで後続との差を広げていき,母国GPを独走で走り抜いて今季5勝目を挙げました。前日の予選で転倒を喫してしまい,今季ワーストとなる12番グリッドからスタートした今シーズンのチャンピオンであるフィアット・ヤマハのV.ロッシは,どんどん上位に追いついていきました。最後はレプソル・ホンダのN.ヘイデンとの2位争いとなり,ファイナルラップの1コーナーで2位に浮上し,そのポジションを守って今季14回目となる表彰台を獲得しました。ヘイデンは,2戦連続の3位となります。4台による激しい4位争いはゴールラインまで続き,フィアット・ヤマハのJ.ロレンゾが競り勝ちました。ホンダ・グレシーニの中野真矢は,惜しくも5位でチェッカーとなりました。
250ccクラスは,3戦連続ポールからスタートしたランキングトップを行くジレラのM.シモンチェリが,3番グリッドからスタートしたアプリリアのA.バウティスタと激しいトップ争いを繰り広げました。最終ラップまで続いた2人の争いでしたが,シモンチェリがコンマ2秒差で今季5勝目を挙げました。M.カリオ&J.シモンのKTM勢による3位争いは,ゴールライン直前でカリオがシモンを交わし,今季6回目となる表彰台を獲得しました。3人による5位争いを展開したホンダの高橋裕紀は,7位でチェッカーを受けています。4番グリッドからスタートしたKTMの青山博一は,残り10周となったところで,マシントラブルにより惜しくもリタイアとなっています。
125ccクラスは,ポールからスタートしたデルビのM.ディ.メッリオが,2周目にトップに立つと,徐々に後続との差を広げていき,最後は独走で今季4勝目を挙げました。このポールトゥーウィンにより,2戦を残して今シーズンのチャンピオンを決めました。今回のチャンピオン獲得は,自分自身にとってだけでなく,彼が所属しているアジョ・モータースポーツにとっても,初めてのタイトル獲得となります。これまで小山知良や東雅雄といった日本人ライダーが所属したことがありますので,このクラスでは日本人に馴染みのあるチームの一つだと言えます。それだけに,祝福する気持ちがより大きくなりますね。3番グリッドからスタートしたアプリリアのS.ブラドルが2位に入り,今季6回目となる表彰台を獲得しています。9番グリッドからスタートした昨年のチャンピオンであるアプリリアのG.タルマクシは,同じくアプリリアのA.イアンノーネとのバトルを制して3位表彰台を獲得しています。27番グリッドと後方からのスタートとなったアプリリアの中上貴晶は,オープニングラップで転倒を喫し,リタイアに終わっています。
2008/10/5(日)
☆コースレコード(JRR)
○最終戦となる第6戦が,岡山国際サーキットで開幕しました。今回のレースは,今年で40回目を数えるMFJグランプリとして開催され,第5戦までにポイントを獲得したライダーしか基本的に出場できないことになっています。最高峰のJSB1000クラスの予選は,F1でお馴染みのノックアウト方式で行われました。最終セッションとなる第3セッションまでに残ったのは合計12台で,今日行われる決勝レースのトップ12のグリッドが決まります。ここでトップタイムをマークしたのは,ヨシムラの秋吉耕佑です。先週行われたMotoGPの日本GPにワイルドカードで出場したが,彼らしい走りができないままで終わりました。その鬱憤を晴らすかのような走りを展開した秋吉は,コースレコードを更新しての今季4回目となるポール獲得でした。このコースレコード更新により,JRRが開催されている全てのサーキットでのコースレコードホルダーとなりました。2番グリッドを獲得したのは,ホンダの伊藤真一でした。今シーズンからブランニューのCBR1000RRでのレースとなるホンダ勢でしたから,伊藤もシーズン序盤はマシンを仕上げるのに苦労していました。しかし,開発能力に優れる伊藤らしく,シリーズ中盤から徐々に彼らしい走りが復活してきて,第4戦以来となる2番グリッドを獲得しました。ここまでランキングトップを行くヤマハの中須賀克行は,自己ベストを更新する走りを見せて3番グリッドを獲得し,初のチャンピオン獲得に向けて好位置からのスタートとなりました。
ST600クラスは,ここまでランキングトップを行くホンダの小西良輝が,今季自身初となるポールを獲得しました。前戦は,チャンピオンに王手がかかっていましたが,転倒したライダーの足をマシンで引っかけてしまうというアクシデントが起き,そのことに動揺したのか,その後すぐに転倒してリタイアに終わるという残念な結果に終わってしまいました。それだけに,その悪夢を晴らす意味にもなったポール獲得ではないでしょうか。2番グリッドを獲得したのはカワサキの苅田庄平で,これは自己最高位となります。3番グリッドを獲得したのは,ベテランライダーの一人であるホンダの黒川武彦で,開幕戦でポールを獲得して以来のトップ3内での走りでした。
250ccクラスは,既にホンダの高橋巧がチャンピオンを決めています。その高橋は,今回の予選は3番グリッド獲得にとどまりました。ポールを獲得したのは,日本GPにおいてワイルドカード勢の最高位で予選・決勝共に終えたホンダの富沢祥也でした。その日本GPで何かをつかんだようで,それが今季自身初となるポールに繋がったようです。2番グリッドを獲得したのは,元GPライダーで,昨年のこのクラスチャンピオンであるヤマハの宇井陽一でした。
125ccクラスは,ヤマハの徳留真紀が,今季2回目となるポールを獲得しました。2番グリッドは,ホンダの菊池寛幸が獲得しました。元GPライダーで,しかも菊池がランキングトップ,徳留がランキング2位とチャンピオン争いを展開しているベテランライダーによるワンツーとなった予選でしたから,決勝レースにおけるこのベテランライダー同士のバトルが楽しみです。
GP−MONOクラスは,予選と決勝が行われました。決勝レースは,予選3位からスタートしたCRF250を駆る藤井謙汰と,ポールからスタートしたWR250を駆る安村武志との間でのトップ争いとなりました。その争いは最終ラップまで続き,最終ラップのヘアピンコーナーでトップに立った藤井がそのまま逃げ切り,自身初優勝を獲得しました。ちなみに,この優勝した謙汰は,ホンダ系有力プライベートチームの一つであるTSRで監督を務めている藤井正和氏の息子です。3位には,モリワキの乃村康友が入り,3位表彰台を獲得して今シーズンのチャンピオンを決めました。
     
☆2年連続受賞(MotoGP)
○第16戦オーストラリアGPの2日目の走行が,風光明媚なフィリップアイランドで行われました。既に前戦の日本GPでフィアット・ヤマハのV.ロッシがチャンピオンを決めているMotoGPクラスは,いつものようにこの2日目に予選が行われました。この予選でポールを獲得したのは,今回が母国GPとなるドゥカティのC.ストーナーでした。この自身今季8回目となるポール獲得により,シリーズを通した予選最速者に送られるBMW・M・アワードを,昨年に引き続き獲得しました。2番グリッドを獲得したのは,日本GPでのポールシッターであったフィアット・ヤマハのJ.ロレンゾでした。そして,3番グリッドを獲得したのは,前日のフリー走行で今季初の最速タイムをマークしていたレプソル・ホンダのN.ヘイデンでした。ホンダ・グレシーニの中野真矢は,いつものポジションである9番グリッド獲得にとどまっています。
250ccクラスは2回目の予選が行われ,ランキングトップを行くジレラのM.シモンチェリが3戦連続6度目のポールを獲得しました。2番グリッドを獲得したのは,ランキング3位を行くKTMのM.カリオで,3番グリッドは,ランク2位を行くアプリリアのA.バウティスタで,チャンピオン争いを展開している3人がトップ3を占めたことになります。KTMの青山博一とホンダの高橋裕紀は,それぞれ4番グリッドと7番グリッドを獲得しています。なお,日本GPで転倒を喫し,頸椎を骨折したH.バルベラの代役としてS.ビアンコがGPの場に帰ってきましたが,その彼は2回目のフリー走行で転倒してしまい,右鎖骨を骨折。これにより,代役ライダーが出場をキャンセルする事態となってしまいました。
125ccクラスも2回目の予選が行われ,ポイントリーダーでデルビのマシンを駆るM.ディ.メッリオが,全セッションで最速タイムし,前戦に引き続いてのポール獲得となりました。2,3番グリッドを獲得したのは,それぞれアプリリアのB.スミスとS.ブラドルでした。小山知良の突然のシート喪失(と言っても,次戦からKTMファクトリーチームで出場しますが)により,今回は唯一の日本人ライダーとなったアプリリアの中上貴晶は,27番グリッド獲得に終わっています。
2008/10/4(土)
☆途中解雇&復帰(MotoGP)
○先週行われた日本GP終了後,KTMの小山知良は,今シーズン所属していたISPA・KTM・アランからシーズン途中にもかかわらず突然解雇されてしまいました。昨シーズンまではファクトリーチームという形で参戦していた125ccクラスにおけるKTMでしたが,今シーズンは多くのプライベートチームにKTMのマシンを提供するという方針になったため,昨年KTMファクトリーチームからフル参戦していた小山は,ISPA・KTM・アランというプライベートチームからフル参戦していました。ところが,思うようにマシンが走らない状況が続き,小山は上位争いをしていた昨シーズンとは比べものにならないほど中盤以降に埋もれる状況が続いていました。そして,今回の途中解雇劇へとなってしまいました。しかし,小山の不調というより,KTM勢全体が昨年に比べると成績が低迷していますから,KTMの方針自体に問題があったのではないかと思わざるを得ません。
途中解雇となったため,現在開幕中の第16戦オーストラリアGPは欠場している小山ですが,KTMジャパンから発表があり,第17戦マレーシアGPと最終戦バレンシアGPにおいて,KTMのファクトリーチームであるレッドブル・KTMから参戦することが決定しました。これは,KTMジャパンとKTMのロードレースにおける最高責任者との話し合いによって実現した復帰話のようです。わずか2戦ではありますが,好調な走りを見せた昨年と同じ体制での復帰ということになります。来シーズンのシートを確保するためにも,残り2戦でいい走りを見せてもらいたいですね。
     
☆今季初(MotoGP)
○2週連続開催となるMotoGPですが,先週の日本GPに続いて,今週は第16戦オーストラリアGPが開幕しました。MotoGPクラスは,午前・午後にそれぞれフリー走行が行われました。午前中の走行はドライコンディションでしたが,午後の走行はウェットコンディションの中での走行となってしまいました。その午後のフリー走行でトップタイムをたたき出したのは,今季限りでホンダから離れることが決定しているレプソル・ホンダのN.ヘイデンでした。ヘイデンがセッションでトップタイムをマークしたのは,今季初となります。ドゥカティのワークスチームに移籍することを発表した際,これまでのホンダへのお礼の意味を込めて,残りのレースに全力を尽くすことを発表したヘイデンですが,2年続いた不振のシーズンにもかかわらず,徐々に上位争いに顔を出すようになっています。これは,いかにもまじめなヘイデンの人柄を象徴するかのようです。ヘイデンに次ぐ2番手タイムをマークしたのは,JiR・チーム・スコットのA.ドビツィオーゾでした。奇しくも,来季レプソル・ホンダを離れるライダーと,その空いたシートに座るライダーとのワンツーとなりました。3番手タイムは,ウェットコンディションを得意とするリズラ・スズキのC.バーミューレンでした。ホンダ・グレシーニの中野真矢は,午前の走行は7番手でしたが,午後は15番手に終わっています。
250ccクラスは,1回目の予選がレインコンディションの中で行われ,来季も同様の体制で臨むことが決定しているアプリリアのA.バウティスタがトップタイムをマークし,暫定ポールを獲得しました。暫定の2,3番グリッドを獲得したのは,それぞれKTMのJ.シモンとアプリリアのL.ペセックでした。来シーズンからMotoGPクラスにステップアップすることが決定しているホンダの高橋裕紀は,暫定の7番グリッドを獲得しています。来季についてはまだ発表がないものの,今季と同様の体制で臨むのがほぼ間違いないと思われるKTMの青山博一は,暫定の10番グリッド獲得となっています。
125ccクラスも1回目の予選が行われ,ランキングトップを行くデルビのM.ディ.メッリオが,ウェット路面でのセッションを制し,暫定ポールを獲得しています。ちなみに,ドライコンディションでの走行だった午前中のフリー走行でもトップタイムをマークしています。暫定の2番グリッドを獲得したのはアプリリアのD.ウェッブでしたが,これは彼にとって自身最高位です。暫定の3番グリッドは,アプリリアのM.ランセンデールが獲得しています。今回唯一の日本人ライダーであるアプリリアの中上貴晶は,暫定の29番グリッドと後方に位置するにとどまりました。
2008/10/3(金)
☆残留決定(F1)
○ウィリアムズ・トヨタから発表があり,先日のシンガポールGPで8位入賞を果たした中嶋一貴が,来シーズンも同チームから参戦することが決定しました。テストドライバーであるN.フルケンベルグも同様に2年目となるテストドライバーになることも発表され,来シーズンのウィリアムズについては,今シーズンと同じ体制で臨むことになります。チーム代表であるF.ウィリアムズによると,シンガポールGPで自身最高位となる2位表彰台を獲得したN.ロズベルグについては,最も才能のあるドライバーの1人というように評価しています。また,一貴に対しては,今シーズン着実に力をつけてきていて,来季はさらに向上するだろうという評価でした。来シーズン使用するFW31は,レギュレーションにより大幅変更となるだけに,ドライバーラインナップが変わらないということは,チームの継続性という意味でプラスとなるのかもしれません。
        
☆ホンダ全シート決定(MotoGP)
○ホンダ系のサテライトチームとしてはエース級となるホンダ・グレシーニから発表があり,かねてから噂されていたとおり,今シーズンここまで2回の表彰台を獲得しているT.エリアスと来シーズンの契約が成立しました。2006年から2年間にわたって同チームに所属していたエリアスでしたが,今シーズンはドゥカティのサテライトチームであるアリーチェ・チームからフル参戦していました。そして,1年の間を経て再びホンダ・グレシーニに復帰することとなったのです。今回の発表では,合わせて今シーズンから同チームのメインスポンサーとなっていたイタリアのお菓子メーカーであるサンカルロ・グループとの契約延長と,ファクトリー仕様のRC212Vが提供されることも明らかにされました。今回のシート決定により,ホンダのワークスチームも含め,ホンダ系の全チームのシートが決定したことになります。その中には,もちろん先日発表されたチーム・スコットの高橋裕紀も含まれています。ということは,このところこのページでお伝えしてきたように,長年GPで活躍してきた中野真矢が,やはりGPでのシートを失うことがほぼ間違いない状況となりました。このところ最高峰クラスに世代交代の波が訪れているだけに致し方ないことではありますが,日本のレースファンとしては何とも淋しい感じがするのは否めないところです。その中野については,既にこのページでもお伝えしているように,来季からHRCのテストライダーになるのではないかというのがもっぱらの噂のようです。
2008/10/2(木)
☆変更(MotoGP)
○日本GPのレースウィーク中にグランプリコミッションの会議が行われましたが,その場で中・軽量級クラスのレギュレーションについて話し合いがもたれ,その結果が先日発表されました。それによると,まず250ccクラスについてですが,最高峰クラスが環境問題の悪化により2ストマシンから現在の4ストマシンに変更になったように,このクラスも同様の変化をすることになりました。今回の発表によると,エンジンは最大4気筒600ccです。この排気量だとSBKと併催で行われているWSSと同じになってしまいますが,大きな違いは車体で,WSSは市販車を使用するのに対して,GPはレース専用の車体であるマシンとなります。先日JRRでもこの排気量クラスのレギュレーション変更の発表がありましたが,今回の同様の変更でした。このレギュレーションによるレースは,2011年からの導入となっています。125ccクラスは,来年から1人のライダーに対して1台のマシンしか使用できないということになりました。つまり,スペアマシンを使用することができないということです。これにより,コストがかなり削減できることになります。しかし,軽微な転倒だったらいいですが,大きなクラッシュだったりマシントラブルだったりすると,どんなにライダーが元気でも,その日又はそのレースを欠場せざるを得なくなってしまいました。若手中心の125ccクラスですから,転倒することも一つの勉強です。転倒を恐れるあまり一歩も二歩も引く走りをするようになると,若手育成の面で果たしていいのかどうか疑問ではあります。なお,JRRでは,このクラスも4サイクルマシン導入が本格化していますが,GPについてはまだまだのようです。
2008/10/1(水)
☆ナイトレース?(F1)
○史上初となるナイトレースで開催されたマレーシアGPは,元チャンピオンであるルノーのF.アロンソが優勝しました。トラブルあり,追い抜きありといった感じで,ライトアップされたサーキットでの開催は,とりあえず成功裏に終わっています。ただし,ウェットコンディションとなったときの安全性(視認性)は,どうなるかはわかりませんが・・・。アジア地区におけるナイトレースは,ヨーロッパ中心となるF1にとって好都合です。なぜなら,テレビ中継の時間が,ヨーロッパの人たちにとって観戦しやすい時間帯となるからです。ただし,実際にサーキットへ訪れる観客にとっては,とりわけ青少年にとっては,本当にいい時間帯かどうかについては,かなり疑問ではあります。F1における最高責任者であるB.エクレストンによると,シンガポールGPの成功を受けてさらにナイトレースの開催数を増やす方向に持って行くようです。そして,その第一候補に挙がってきたのが,来年から富士スピードウェイトの隔年開催となる鈴鹿サーキットだというのです。もちろんこれは,単なる噂に過ぎません。今現在の鈴鹿サーキットは,大幅改修工事をしているため閉鎖となっています。改修工事の真っ最中な訳ですから,ついでに照明設備の数を増やす工事も可能となります。果たして,2番目のナイトレース開催地はどこになるのでしょうか?
     
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