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2021/11/30(火) ☆闘将逝く(F1) ○11月28日(日)にウィリアムズF1から発表があり,創設者であるF.ウィリアムズが79歳でお亡くなりになりました。『車椅子の闘将』とも言われたウィリアムズは,10代の頃からドライバー,そしてエンジニアとしてレース活動を始めました。ドライバーとしての活動はそれほど長くなく,1966年に「フランク・ウィリアムズ・レーシングカーズ」を創設してチーム代表としての活動を開始しました。ただ,資金不足などによりこのチームでの活動はさほど長くなく,1977年に同チームを離脱後,そのチームで共に働いていたP.ヘッドと組んで新たに「ウィリアムズ・グランプリ・エンジニアリング」を創設して共同代表となりました。これが現在のウィリアムズF1の前身となります。1980年に初めてコンストラクターのタイトルを獲得し,その翌年にはA.ジョーンズがドライバーのタイトルを獲得しました。その後は数々の栄冠を手にし,K.ロズベルグを始め,N.ピケ,N.マンセル,A.プロスト,D.ヒル,J.ヴィルヌーヴといったそうそうたるメンバーがタイトルを獲得しています。ただ,1986年には自身が乗っていた車の事故により脊椎骨折の重傷を負い,これ以後,車椅子での生活を強いられることになります。また,1994年のサンマリノGPにおいて,A.セナが事故により命を落とすという衝撃的な出来事もありました。この事故はチームに責任があるのではないかということで過失致死罪で起訴され,2005年にようやく無罪が確定しています。チームの指揮を2012年まで執り,その後は娘であるC.ウィリアムズに指揮を譲り,自身はチームプリンシパルとしてチームに携わりました。チームの成績低迷と共にスポンサーマネーが不足していき,チームの存在自体が危機的な状況になっていきました。そして,2020年にチームの株式を米国の投資会社である『ドリルトン・キャピタル』に売却し,ウィリアムズ家はチームから完全に手を引くことになりました。その年からウィリアムズの健康にかなり支障が出て,今回の発表に至っています。F1になくてはならない存在であったウィリアムズだけに,とても残念な訃報になってしまいました。ご冥福をお祈りいたします。 |
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2021/11/29(月) ☆悲運&大逆転で(SGT) ○今季最終戦となる第8戦『FUJIMAKI GROUP FUJI GT 300km RACE』の決勝レースが,好天に恵まれた富士スピードウェイで行われました。両クラス共にチャンピオン争いがこの最終戦まで持ち込まれ,しかも複数のドライバーにタイトル獲得の可能性が残されていて,激しいレースが予想されていました。特に,SGTは成績に応じてウエイトハンディ等が科されていくということがありますが,最終戦はそのハンディがリセットされて0となりますので,ガチンコ勝負が展開されていくことになります。 GT500クラスは,前日に行われた予選で,ここをホームコースとするトヨタ勢が速さを見せ,トップ5中4台をGR Supraが占めるという状況となりました。ランクトップで最終戦を迎えた山本尚貴&牧野任祐組のSTANLEY NSX-GTが1人気を吐いてトップ5に食い込む走りを見せました。そのような状況の中で始まった決勝レースは,予選と同じようにGR Supra勢が速さを見せて展開していきました。レース序盤からトップ3をGR Supra勢が独占し,それをSTANLEY NSX-GTが追う展開となりました。STANLEY NSX-GTはこのままの順で行けばチャンピオンを獲得できますので,無理をして表彰台を狙わず,順調な走りを展開していきました。ところが,51周目に悲劇がこのマシンを襲うことになります。SGTはGT500クラスだけでなく,それよりもペースが遅いGT300クラスも同じ土俵で同時にレースをしていますので,しばしばスピード差等から接触等のアクシデントが発生します。しかも,GT300クラスも激しいチャンピオン争いをしていますから,より一層接触の危険性が高まります。そして,実際この51周目に悲劇が起きました。チャンピオン争いの直接的ライバルである井口卓人&山内英輝組のSUBARU BRZ R&D SPORTを追い上げようとした高木真一&佐藤蓮組のARTA NSX GT3がブレーキングを遅らせたため,あろうことかほぼタイトルを手中に収めてきているSTANLEY NSX-GTのイン側にマシンを持って行ってしまったのです。GT500クラスマシンにトラブルが生じているため,GT300クラスマシンがインに飛び込むことはありますが,通常ではあり得ない事態です。しかし,ARTAのステアリングを握っている若手ドライバーである佐藤蓮は,目の前のバトルに気持ちが生きすぎていたのか,インに飛び込んだときにSTANLEY NSX-GTに衝突してしまいました。このアクシデントによりSTANLEY NSX-GTは緊急ピットインせざるを得ず,この段階でほぼつかみかけたチャンピオンの座を逃すことになりました。同じホンダ陣営である両チームだけに,いわゆる「同士討ち」という事態となってしまったのです。STANLEY NSX-GTの脱落により上位からホンダ勢が消え,トップ5をトヨタ勢が独占する形となりました。そして,長い間トップを守って行った関口雄飛&坪井翔組のau TOM’S GR Supraが今季初となる勝利を収め,しかもこの勝利で今シーズンのタイトルを獲得することになりました。まさに大逆転でのチャンピオン獲得となりました。2,3位には,それぞれ平川亮&S.フェネストラズ組のKeePer TOM’S GR Supraと大嶋和也&山下健太組のENEOS X PRIME GR Supraが入っています。ホンダ勢の最高位は,奇しくも同じホンダ陣営でタイトル獲得に厳しい結果を与えることになってしまったARTAのGT500クラスマシンである野尻智紀&福住仁嶺組のARTA NSX-GTでした。今シーズン限りで長年にわたって使用してきたGT-Rが最終年となるニッサン陣営の最高位は,松田次生&R.クインタレッリ組のMOTUL AUTECH GT-Rの7位でした。なお,レース終了後に,ARTAの鈴木亜久里総監督や土屋圭市エグゼクティブアドバイザーをはじめ55号車の両ドライバー,そしてエンジニアが,チャンピオン獲得がフイになったしまったTEAM KUNIMITSUのピットを訪れて謝罪をすると共に,夜遅くまでミーティングをしています。当事者となった佐藤蓮にとっては,とてもつらい最終戦になってしまったでしょうが,これを大きな反省材料にして,ホンダのエースドライバーへと成長することが「罪滅ぼし」になるのではないでしょうか。 GT300クラスは,ポールからスタートした井口卓人&山内英輝組のSUBARU BRZ R&D SPORTがトップを守っていましたが,ほとんどのピットインが終わったタイミングでは,トップの座を吉田広樹&川合孝汰組の埼玉トヨペットGB GR Supra GTがトップに立っていました。ペースに勝って独走態勢に持ち込み,このまま優勝かと思われる流れとなりました。ところが,51周目に何と左リアタイヤがパンクし,そのためスピンを喫してしまいました。その後ピットインして,優勝争いから脱落となりました。2位を走行していた吉本大樹&河野駿佑組のSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTがトップに立つとそのまま逃げ切り,前回このサーキットで行われた第2戦以来の勝利を収めました。蒲生尚弥&菅波冬悟組のLEON PYRAMID AMGが2位に入り,ランクトップを行くSUBARU BRZ R&D SPORTが残り2周で3位に浮上して表彰台を獲得してチャンピオンを決めました。これにより,今シーズンからSGTに投入された新型のBRZが,SUBARUに初のタイトルをもたらしました。 |
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2021/11/28(日) ☆今季初(SGT) ○今季最終戦となる第8戦『FUJIMAKI GROUP FUJI GT 300km RACE』の予選が,好天ではあるものの,12月を目前にして気温が低くなっている富士スピードウェイで行われました。毎年SGTはタイトル争いが接戦となっていますが,今季もその傾向は変わらず,GT500クラス,GT300クラス共にチャンピオンは最終戦に持ち込まれています。GT500クラスは,ランクトップを行くTEAM KUNIMITSUの山本尚貴(チームメイトの牧野任祐は参戦回数が少ないためランク2位)が,GT300クラスはR&D SPORTの井口卓人&山内英輝組が自力でタイトル獲得できる状況にあります。ただ,GT500クラスはあと5台,GT300クラスはあと3台,結果次第では逆転タイトルの可能性が残っています。 そのような状況の中で行われたGT500クラスの予選で,まず速さを見せたのはランクトップを行く山本尚貴&牧野任祐組のSTANLEY NSX-GTで,コースレコードを更新する速さを見せてポール獲得かと思われました。ところが,ファイナルアタックで大嶋和也&山下健太組のENEOS X PRIME GR Supraがレコードタイムをさらに更新する速さを見せ,最終戦にして今季初のポールを獲得しました。タイトルの可能性を残す同チームだけに,ポールシッターに与えられる貴重な1ポイントを獲得しています。3番手タイムを平川亮&S.フェネストラズ組のKeePer TOM’S GR Supraがマークしていて,最終的にトヨタのホームコースである富士で,GR Supra勢がトップ5の内4台を占めています。 GT300クラスは,ランクトップを行く井口卓人&山内英輝組のSUBARU BRZ R&D SPORTが,こちらもコースレコードを更新する速さを見せ,今季4度目となるポールを獲得しました。この結果,SGTで初のタイトル獲得を目指すSUBARUにとって,貴重な1ポイントを獲得した予選となりました。GT500クラスでGR Supra勢が速さを見せましたが,このクラスでもその傾向は変わらず,ポールこそ逃したものの,2,3番手タイムは,それぞれ吉田広樹&川合孝汰組の埼玉トヨペットGB GR Supra GT,吉本大樹&河野駿佑組のSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTがマークしています。 路面温度がかなり低くてそれに対応する必要がありますが,ホームコースだけに,トヨタは何らかのノウハウを持っているのかもしれませんね。 |
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2021/11/27(土) ☆8月に(EWC) ○今シーズンのEWC(世界耐久選手権)は全4戦行なわれ,その中でル・マン24時間とボルドール24時間を制したG.ブラック&C.シメオン&S.ギュントーリ組のヨシムラSERT Motulがチャンピオンに輝きました。日本を代表するコンストラクターであるヨシムラと,耐久レースで数々の栄冠を獲得してきたSERTのスズキ系チームのコラボで臨み,見事タイトルを獲得したわけですが,残念だった点の一つは,コロナ禍により鈴鹿8耐が開催中止となったため,その勇姿を日本のファンに直接見せることができなかったことでしょう。その鈴鹿8耐ですが,秋に開催日を延ばしたりしたものの,2年連続して開催中止の憂き目を見ています。来季こそは3年ぶりに開催できることを願っているのですが,その来季の開催について,鈴鹿サーキットの運営会社である『株式会社モビリティランド』から11月24日(水)に新たな発表がありました。これまでは,7月の最週末に『真夏の祭典』として開催されてきましたが,他選手権の開催日とのバッティングを避けるため,夏開催と言う点には変わりないものの,7月末ではなく,8月4日(木)〜8月7日(日)に開催することになりました。現段階で明らかになっている大まかな日程は,4日(木)が公式車検,5日(金)が予選,6日(土)がトップ10トライアル,そして7日(日)が8時間にわたる決勝レースとなっています。オリンピックは開催したのに対し,全ての国際的モータースポーツレースは開催中止となるというレースファンには素直に納得はできないことになった今年の日本ですが,来年こそは無事開催できるといいですね。なお,来季のEWCですが,ベルギーにあるスパ・フランコルシャンでの大会が,2003年以来19年ぶりに復活することが決まっています。 |
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2021/11/26(金) ☆新燃料(MotoGP) ○『カーボンニュートラル』という言葉のもと,欧米を中心にして自動車産業は電動化へと道をたどっています。それに対して,日本はかなり出遅れた感はあるものの,その歩を進めているのも事実です。ただ,確かに地球環境のための動きは絶対に必要なものではありますが,果たしてそれが電動化しか正解がないかどうかは分かりません。先日,トヨタの社長である『モリゾウ』こと豊田章男氏が,国内メーカー同士の協力による電動化,そして水素エンジン等の開発についても言及しました。どれが正解か分からない状況の中,様々な試みに挑戦することは必要不可欠で,特に,資源に限りがあり,東日本大震災を経験している我が国にとっては,今回の取り組みは評価できることなのではないでしょうか。 そのように国内外で色々な取り組みがなされようとしている中,FIM(国際モーターサイクリズム連盟)から発表があり,MotoGPにおいて2024年から『ゼロカーボン・フューエル』を使用していき,2027年までに完全移行することになりました。既にF1でバイオ燃料導入が決まっていますが,MotoGPにおいてもレースを通して持続可能な燃料の開発を行って行くというものです。具体的な目標ですが,2024年までにMotoGPクラスの燃料を最低40%が非化石由来のものとし,2027年までにMotoGPクラスの燃料を100%非化石由来のものとするということです。この目標達成に向けて,最高峰クラスの全メーカーは,サプライヤーと協力してそれぞれが独自の燃料を開発していきます。複数の燃料を開発することで,その技術や知識が,レースの世界だけでなく,一般のオートバイにまで行き渡ることを狙っています。その燃料の原料は,現在のような化石燃料ではなく,都市廃棄物や非食物バイオマスとなります。それらを用いることで,温室効果ガスの排出量を大幅に削減することができます。ここで大事なのは,その新燃料を使用するのは,現在のような内燃機関であるエンジンということです。MotoGPでは,MotoEという取り組みをしていますが,4輪と違って小さく,そして軽量の車体の中で長い航続距離を確保するには,電池の性能がよほど高くならない限り,市販車に用いるのはかなりハードルが高くなります。その点,燃費などのハードルをクリアすれば,現行のエンジンであればかなり有望と考えられます。実際,冒頭の豊田社長の発表の中でも,現行のエンジンに燃料として水素を用いるというような取り組みの発表がありました。レアアースや廃棄の問題等を考えると,電動化が本当に地球に優しいものになるのか疑問点があるだけに,それぞれがそれぞれの取り組みをしようとする動きは必要不可欠と言えます。なお,Moto2,Moto3クラスについては,燃料がワンメークとなっていますが,それを用いて2024年,2027年までの目標に則って実施していくことになります。 |
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2021/11/25(木) ☆中国人初&ラインナップ決定(F1) ○今シーズンのアルファロメオF1は,K.ライコネン&a.ジョビナッツィのコンビでシーズンに臨んでいます。その内,ライコネンについては,先日今シーズン限りで引退することになり,来季その空くことになるシートにメルセデスAMGのV.ボッタスが移籍することも決定しています。そして,11月16日(火)に同チームから発表があり,今シーズン限りでジョビナッツィとの契約を解除することになりました。そして,それに呼応して新たな発表があり,ジョビナッツィの契約解除によって空いたシートに,今季FIA-F2にフル参戦している中国人ドライバーの周冠宇を起用することになりました。今回の決定により,中国人として初のF1ドライバー誕生となります。今回ステップアップすることになった周は,2015年から4年間にわたってフェラーリの若手育成プログラムである『フェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA』に所属していました。2019年から現在のFIA-F2で戦うのと並行して,ルノーの開発ドライバーを務め,そのルノーが現在のアルファロメオブランドに替わっても,アルファロメオの開発ドライバーを務めてきました。今回のF1昇格は,もちろんF2での活躍もありますが,中国マネーの存在なくして実現しなかったことは間違いないでしょう。巨額の持ち込み金が必要なF1だけに,周を皮切りにして,今後ある程度ドライバーとしての才能を持った中国人ドライバーがF1にステップアップしていく可能性は高いことが予想されます。なお,今回の発表があった翌日に,電動フォーミュラカーで争われているフォーミュラEにフル参戦しているドラコン・ペンスキーから発表があり,今季限りでF1を去ることになったジョビナッツィとの契約が成立し,来季から新たなフィールドでジョビナッツィは戦うことになります。 今回のアルファロメオF1のシート決定により,来季のF1のシートが全て埋まることになりました。ここでは,以下の表に来季のドライバーラインナップを整理しておきたいと思います。 |
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2021/11/24(水) ☆有終の美&27年ぶり(WRC) ○先週末に今季最終戦となる第12戦ラリー・モンツァが開催され,21日(日)に最終日の走行が行われました。今シーズンのチャンピオン争いは最終戦まで持ち込まれ,TOYOTA GAZOO Racing WRTのS.オジエとE.エバンスのチームメイト同士によるタイトル争いとなりました。前日までトップのオジエを,エバンスがタイム差ほんのわずかの2位で追うという展開で最終日を迎え,どちらが勝利するか分からない状況でした。ところが,エバンスが2度エンジンストールするというアクシデントが発生したことで両者のタイム差が開き,結局このままの順で最終SSが終了しました。この結果,今シーズン限りでフルタイム参戦から引退するオジエが今季5勝目を挙げて自身8回目となるタイトルを獲得して有終の美を飾りました。ずっとオジエのコドライバーを務めてきたJ.イングラシアは今季限りで引退しますので,彼にとっても有終の美を飾るコドライバータイトル獲得となります。TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムに参加し,唯一のフル参戦日本人ドライバーである勝田貴元は,7位(ランキングも7位)で最終戦を終えています。今回の結果,トヨタはドライバーとコドライバーのタイトルを獲得すると同時に,マニュファクチャラーズタイトルも獲得して3冠となり,これはトヨタにとって27年ぶりとなります。 レギュレーションの変更により,トヨタヤリスWRCやヒュンダイi20クーペWRCなどのWRカーを使用してのレースは今回で終了となりました。来シーズンからは,新たなレギュレーション(「ラリー1」規定)に則って,ハイブリッドシステムを搭載したマシンでの争いとなります。果たしてトヨタの新たなマシンである『トヨタGRヤリスWRCラリー1』がタイトル防衛となるのか,そして,来季も継続参戦が決まっている勝田がさらなる飛躍をするのか,とても見所が多いシーズンとなりそうです。もちろん,コロナ禍により2年連続して開催中止となった『ラリー・ジャパン』が,来季こそは開催できることも注目です。 |
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2021/11/23(火) ☆自身&史上初(SBK) ○先週末,今シーズンの最終戦となる第13戦インドネシア大会が開かれました。今シーズンの注目は,何と言っても史上初となる6連覇を達成しているカワサキ・レーシングチーム・ワールドSBKのJ.レイが,さらに記録を更新して7に延ばすのか,それとも新たなライダーがチャンピオンになるのかというところでした。シーズン途中まではそのレイが独走状態に持ち込むような流れもありましたが,シーズンが進むに連れてその勢いに陰りが見られるようになり,それに対してパタ・ヤマハwith BRIXXワールドSBKのT.ラズガットリオグルがレイとの差をどんどん縮めていき,終盤に入ると逆にラズガットリオグルの方がリードする展開となりました。そして,30ポイントラズガットリオグルがレイをリードした状態で最終戦を迎えました。通常のSBKは,土曜日に予選とレース1が,日曜日にスーパーポールレースとレース2が行われますが,11月20日(土)は会場であるプルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットを激しい雨が襲い,レース1は翌日に延期となりました。この影響で当初スーパーポールレースを実施する予定のところにレース1が入ったため,21日(日)にレース1と2が行われることになりました。 そのレース1でのレイは,ラズガットリオグルのタイトルを阻止するため,何としても優勝する必要がありました。実際,Aruba.it Racing- DucatiのS.レディングとレイとのトップ争いとなり,ラズガットリオグルはその2人からやや遅れる展開になりました。残り5周となったところでトップを行くレディングを交わしてレイがトップに立つと,そのまま振り切ってトップチェッカーを受けました。2位に浮上するとここでタイトルを獲得することができるラズガットリオグルは,徐々にレディングとの差を縮めていき,残り3周となったところで見事レディングをパスして2位に浮上。そのままチェッカーを受け,ここでタイトルを決めました。もちろん彼にとって初のタイトルとなりますし,トルコ人ライダーがタイトルを獲得するというのは史上初となります。 タイトル決定後に行われたレース2では,残念ながら7連覇は達成できませんでしたが,6連覇チャンピオンの意地を見せるかのように,このレースでもレディングを振り切ってトップチェッカーを受け,最終戦を連勝で締めくくりました。3位には,BMW Motorrad WorldSBK TeamのM.ファン.デル.マークが入っています。レース1でチャンピオンを決めたラズガットリオグルは,4位で今季最終レースを終えています。唯一のフル参戦日本人ライダーで,来季も継続参戦が決まっているGRT Yamaha WorldSBK Teamの野左根航汰は,レース1が15位,レース2が7位となり,両レースともポイントを獲得してルーキーである今シーズンを終えています。 |
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2021/11/22(月) ☆圧勝&復帰後初(F1) ○第20戦カタールGPの決勝レースが,照明に照らされるトワイライトレースとして行われました。前時の予選でコンマ4秒以上の差をつけてポールを獲得したメルセデスAMGのL.ハミルトンは,スタート段階からトップの座を守って走行していきました。ピットストップ作戦がチームによって違い,1ストップと2ストップの2通りに分かれました。トップを行くハミルトンは,ピットインのタイミングのずれでトップの座を譲ることはありましたが,他のライバルの様子を見ながらピットインのタイミングを図り,順調な走行を続けていきました。そして,前戦で圧倒して勝利を収めたことを再現するかのように今回もトップの座を守り,2位に25秒以上の大差をつける独走で2連勝を飾ると共に,初開催となるカタールGPの初代ウィナーとなりました。予選で2番手タイムだったレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンは,昨日お伝えしたように予選のファイナルアタック時のダブルイエロー無視の疑いで事情聴取を受けました。その結果,やはりコース上に危険なマシン等があることを示すダブルイエローを無視した事実は重く,5グリッド降格処分を受けて7番グリッドからのスタートとなりました。しかし,彼の速さも他のドライバーから抜き出ていますので,徐々にポジションアップしていき,5周目には2位までポジションアップを果たしました。しかし,ペースに勝るハミルトンを抜くまでは叶いませんでした。そこで作戦を変え,3番手との差が大きいこともあって3ストップ作戦に変え,ファステストラップを狙うことにしました。その作戦は成功してファステストをフェルスタッペンがマークし,2番手でチェッカーを受けると同時に,ファステストラップに与えられる1ポイントを獲得しました。この結果,ランクトップを行くフェルスタペンと2位のハミルトンとの差は8まで縮まりました。残り2戦となっていて,しかもハミルトンが最終戦に近付くにつれて速さを増してきていますので,二人のチャンピオン争いはより一層混沌とした状態になってきています。フェルスタッペンが5グリッド降格処分受けましたが,予選で3番手タイムだったメルセデスAMGのV.ボッタスは,ダブルからシングルのイエロー状態になったときにこれを無視した疑いから事情聴取を受け,この結果3グリッド降格処分を受けていました。2人の降格処分により予選5番手だったアルピーヌF1のF.アロンソが3番グリッドからのスタートとなりました。彼は1ストップ作戦を採り,これが功を奏して2位とは大きく差がつきましたが3位の座を最終的に守り,F1復帰後初となる表彰台を獲得しました。アロンソの表彰台獲得は,2014年のハンガリーGPで2位に入って以来7年ぶりとなります。他のホンダ製パワーユニット勢ですが,レッドブル・ホンダのS.ペレスは3位を行くアロンソを必死に追い上げましたが,ピットストップがアロンソと比べて1回多かったことが影響し,3秒弱遅れで4位となっています。アルファタウリ・ホンダ勢は,2ストップ作戦を採りましたが,これが裏目に出た形となりました。レースウィークに入って好調な走りを見せていた2人だけに,上位進出が期待できる状態で結果が楽しみでした。しかし,グリッド降格処分を2人受けたことから2番グリッドからスタートしたP.ガスリーにしても,決勝前まではトップ10圏内を走行してきた角田裕毅にしても,思うようにポジションアップを果たすことができず,結局ピットストップが1回多かったことが影響し,ガスリーが11位,角田が13位でチェッカーを受け,2人ともノーポイントに終わってしまいました。 |
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2021/11/21(日) ☆圧倒的(F1) ○第20戦カタールGPが,トワイライトレースとして開催されるため,予選もライトに照らされたロサイル・インターナショナル・サーキットで行われました。砂漠の中にあるサーキットのため,開幕直後の走行ではコースからはみ出て走行するマシンが目につきましたが,走行を重ねる内に路面状況もよくなっています。そのような中,前戦で次々に前を行くマシンをパスしていき,見事に勝利を収めたメルセデスAMGのL.ハミルトンが,この予選でも圧倒的な速さを見せ,2番手タイムをマークしたレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンにコンマ455秒差をつけて今季4回目,カタールGP初のポールを獲得しました。3番グリッドをメルセデスAMGのV.ボッタスが獲得し,レースでのフェルスタッペンはメルセデス勢に囲まれてのスタートとなります。ただ,アルファタウリ・ホンダのP.ガスリーが4番手タイムでしたので,チームは違うものの,同じホンダ勢としてボッタスを交わしたりする支援を期待したいところですね。そのガスリーのチームメイトである角田裕毅は,レースウィークに入って好調な走りを見せてきていて,予選でもQ3まで進出を果たしました。しかも,新品タイヤが既になくなっているため,Q3は中古タイヤでの走行にならざるを得ませんでした。そうした不利な状況の中でしたが,8番グリッドからのスタートを決めています。なお,4番グリッドを獲得したガスリーですが,ファイナルアタックの時に縁石にヒットしてフロントウィング等が破損し,スロー走行せざるを得ない状況になっていました。その時にポストからダブルイエロー(コース上に危険なマシン等がある場合に提示されるフラッグ)が提示されていたため,本来は安全のためにアクセルを緩める必要があります。しかし,まさにタイムアタック中だったためか,それとも全く気づかなかったためか,フェルスタッペンはそのまま走行したようです。今日事情聴取が行われ,その内容によってはグリッド降格等のペナルティが科される可能性が出てきています。 |
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2021/11/20(土) ☆今年最後(MotoGP) ○来季に向けたマシン開発や移籍やステップアップしたライダーの完熟走行等を目的としたオフシーズンテスト2日目の走行が,前日に引き続いて強い風に見舞われながらも,ドライコンディションとなったリカルド・トルモ・サーキットで行われました。同地で行われた最終戦バレンシアGPにおいて勝利したドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが,この日の最速タイムを刻むと共に,そのタイムで今回のテスト総合でもトップタイムをマークしました。この日の2番手タイムは,来季ディフェンディングチャンピオンとしてシーズンを臨むことになるモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロでした。3番手タイムをチーム・スズキ・エクスターのA.リンスがマークし,さらに4番手タイムをレプソル・ホンダ・チームのP.エスパルガロが,5番手タイムをアプリリア・レーシングのM.ビニャーレスが,6番手タイムをリンスのチームメイトであるJ.ミルがマークし,トップ6はKTMを除いた各メーカーのワークスチームのライダーが入っています。サテライトで最速となったのが7番手タイムをマークしたLCRホンダ・イデミツの中上貴晶で,前日にマークした初日総合トップのタイムが今回のテスト総合2番手タイムとなっています。 この日の走行で今回のテストが終わると同時に,これが今年最後の走行となりました。有望な若手がどんどん台頭し,生ける伝説であるV.ロッシが引退するという展開となった今シーズンでしたが,果たして来年はどのような展開となるのか今から楽しみですね。なお,来年の走行は,1月31日から3日間にわたってセパン・インターナショナル・サーキットで行われるシェイクダウンテストが最初となります。 |
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☆好調(F1) ○第20戦カタールGPがロサイル・インターナショナル・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。FP2の走行が行われる頃には既に日が沈み,ライトに照らされる中で行われたその走行において,メルセデスAMGのV.ボッタスがこの日の総合トップタイムをマークしました。ここ2戦連続してポールを獲得しているボッタスですが,今回も初日総合トップと,このところの好調さを見せています。総合2番手タイムをアルファタウリ・ホンダのP.ガスリーがマークすると共に,チームメイトである角田裕毅がFP1で5番手,FP2で7番手と速さを見せていて,アルファタウリ・ホンダ勢が好調な走りを見せています。総合3番手タイムをレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンがマークしていますが,DRSに不具合が生じてピットでの作業に時間を要したということも見られています。このトラブルはチームメイトであるS.ペレスにも見られていて,やや気になる点ではあります。 |
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2021/11/19(金) ☆いい兆候(MotoGP) ○MotoGPクラスはモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロ,Moto2クラスはレッドブルKTMアジョのR.ガードナー,Moto3クラスはレッドブルKTMアジョのP.アコスタがタイトルを獲得した今季のMotoGPですが,先週末にリカルド・トルモ・サーキットで最終戦となるバレンシアGPが終了し,昨日から同地において恒例となっているオフシーズンテストが始まりました。今回のテストは,来季に向けたマシン開発を行ったり,移籍やステップアップを果たしたライダーがそのメーカーのマシンに慣れたりするのが主な目的となります。今季型マシンだったり,来季型のプロトタイプマシンだったりして,たたき出したタイムを単純に比較できない点はありますが,初日総合トップタイムをマークしたのは,来季こそ表彰台に上ることが期待されるLCRホンダ・イデミツの中上貴晶でした。今シーズンのホンダは,マシンの速さはもちろん,乗りやすさという点でも課題が見られ,ライダーの転倒が散見されました。そうしたこともあって,チャンピオン争いに誰一人絡むことができず,コンストラクタータイトルも4番手と,これまでと比べて最悪とも言えるシーズンとなってしまいました。それだけに,単純比較はできないとはいえ,中上がトップタイムをマークしたのはいい兆候と言えるのかもしれません。なお,今回のテストには,LCRホンダの2人は参加できていますが,ワークスであるレプソル・ホンダ・チームに関しては,最終戦を転倒の影響で欠場したP.エスパルガロは怪我を抱えながらも参加していますが,最終戦前のトレーニングで頭を打ち,その影響で物が2重に見えるという古傷が再発したM.マルケスは,最終戦だけでなく今回のテストも欠場となっています。総合2番手タイムをマークしたのは,シーズン途中までクアルタラロとタイトル争いをしていたプラマック・レーシングのJ.ザルコでした。中上とのタイム差は,わずか1000分の43秒でした。総合3番手タイムをマークしたのは,昨年のMoto2チャンピオンで,今シーズンはドゥカティのサテライトチームであるアビンティア・エスポンソラマからフル参戦し,ランク11位で終わったE.バスティアニーニでした。所属チームの解消により今回は来季所属するチームであるチーム・グレシーニ・レーシングMotoGPからの参加で,このチームは,今季までアプリリアとタッグを組んでワークスとしてフル参戦していたものの,アプリリアがファクトリー体制で参戦することになってタッグが解消となり,来季からドゥカティのサテライトとして参戦することになったものです。 |
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2021/11/18(木) ☆エントリーリスト(MotoGP) ○先週末にバレンシアGPが開催され,それをもって今シーズンのMotoGPは終了しました。今季は,モンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロがチャンピオンを獲得し,最終戦は生ける伝説であるV.ロッシが引退すると同時に,彼が主宰するVR46出身ライダーであるドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが優勝するという象徴的な形で今季が終わっています。そして,今日からは,その最終戦の地であるリカルド・トルモ・サーキットにおいて来季に向けたオフィシャルテストが始まります。それを前にした11月16日(火)に,FIM(国際モーターサイクリズム連盟)が来シーズンの暫定エントリーリストを発表しました。今回は,MotoGPクラスについてお伝えします。 今回の発表によると,チーム数が全12チームとなって今季より1チーム増え,それに伴ってライダー数が2名増えます。今季チーム及びコンストラクターのタイトルを獲得したドゥカティが,今季と同じく最大勢力を誇り,全4チームがエントリーしています。今季はアビンティアとタッグを組んでMotoGPクラスにフル参戦を開始したVR46ですが,ついに来季は単独チームとして最高峰クラスに臨みます。また,アプリリアがMotoGPに復活以来タッグを組んでいたチーム・グレシーニですが,そのアプリリアがワークスチームを編成して単独でフル参戦することになり,ドゥカティのサテライトチームとしてフル参戦することになりました。ヤマハ勢では,唯一のサテライトチームだったペトロナス・ヤマハSRTが,ペトロナスの撤退を受けてチームの現体制を解消し,来季から新たに編成したウィズユー・ヤマハRNF・MotoGPチームとして参戦を開始することになりました。ホンダとスズキに関しては,チーム体制に変更はありません。 ライダーに関しては,タイトルを獲得したR.ガードナーをはじめとしてMoto2クラスからの昇格組が一番多いですが,D.ビンダーが飛び級で昇格します。ロッシの引退により「ロッシ兄弟」のエントリーということはなくなりましたが,D.ビンダーの昇格により今季と同じく「マルケス兄弟」に加えて「ビンダー兄弟」がMotoGPクラスにエントリーすることになります。 今回発表された具体的なエントリーリストは,以下の表のようになっています。今回のエントリーリストは暫定版ですので,今後変更される可能性があります。まあ,これは最高峰クラスですので,変更となる可能性はかなり低いことは間違いないですね。 |
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☆継続参戦(BSB) ○昨日,BSB(英国スーパーバイク選手権)におけるホンダワークスであるHonda Racing UKから来季の体制について発表がありました。今シーズンの同チームは,昨シーズンから所属しているG.アーウィンに加え,JRRのJSB1000クラスでCBR1000RRの開発を進めてきた高橋巧と水野涼がフル参戦し,3人体制で臨みました。イギリス人ライダーである今季のアーウィンは,優勝1回を含めて4回表彰台を獲得し,ランク8位でシーズンを終えました。それに対して,今シーズンからBSBにフル参戦を開始した高橋と水野は,全てが初めてだらけで,しかも高橋はシーズン前にケガを負うというアクシデントに見舞われたこともあり,ポイント獲得がやっとというような状況でした。最終的に水野が11ポイント獲得してランク22位,怪我で苦しんだ高橋は7ポイント獲得してらんく26位でシーズンを終えるという,2人の実績を考えると不本意なシーズンとなってしまいました。今回の発表によると,今季フル参戦した3人は,継続して来季も同チームからフル参戦することになりました。さらに,英国スーパーストック選手権においてCBR1000RR-R FIREBLADE SPを駆って今シーズンのチャンピオンとなったT.ニーブが,同チームに所属してBSBにステップアップすることになりました。4台体制と大所帯となったHonda Racing UKですが,タイトル争いまで高めていくのは現実的には厳しいのかもしれません。しかし,今シーズンの悔しさをもとに,来季はさらに飛躍するシーズンにしてもらいたいものですね。 |
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2021/11/17(水) ☆残り3(MotoGP) ○最終戦が終了し,来シーズンがどのような展開となるのか,まだ随分先の話ではありますが,楽しみなところです。その来シーズンに関して,各チームのライダー獲得状況も気になる点の1つです。そのことに関して,Moto3クラスにフル参戦しているSIC58スクアドラ・コルセから新たな発表がありました。今季の同チームは,鈴木竜生&L.フロンの体制で臨みました。来季については,フロンが既に昨シーズン2年間契約を結んでいますので,そのまま残留となります。鈴木については,こちらも既に発表があったように,同じホンダ陣営の中で最も実績を残してきているレオパード・レーシングへ移籍することになっています。まさに,鈴木にとっては背水の陣で臨むシーズンとなります。ということで,鈴木が抜けることでシートが1つ空くことになりますが,そこに今季ボエ・アウルライドからフル参戦し,ランク23位で今季を終えたR.ロッシを起用することになりました。2015年のイタリア選手権において,ロッシは同チームに所属してフル参戦した経歴がありますのでチーム復帰となります。今回の発表により,SIC58スクアドラ・コルセのシートが埋まったことになり,このクラスも着々とシートが決定してきています。あと残っているシートは,ロッシが抜けたボエ・アウルライドの2つと,来季からの新規参入チームで,既に山中琉聖が所属することになっているMTヘルメット-MSIレース・テックの1つ,合計3つのシートとなります。なお,これまで決まっている各チームの体制は,以下の表のようになっています。 |
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2021/11/16(火) ☆増加&減少(JRR) ○JRRを統括する一般財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)が,来季のレースカレンダーに関する新たな暫定版を発表しました。既に9月24日(金)に来季のレースカレンダーの暫定版が発表されていましたが,その時と比べるとより大会数(全8大会)や開催日などは変更がないものの,より具体的になったり,変更が加わったりしています。まず変更となった点ですが,第5戦として筑波サーキットで開催されることになっていますが,開催クラスに変更が加わり,当初はJSB1000クラスを除いた全クラスとなっていたものの,開催クラスが減り,J-GP3クラスのみの開催となりました。JRR開催サーキットとしては最も小規模な筑波サーキットですので,現実問題として排気量の大きいマシンが高速で走行するのに向かないところがあります。特に,近年は安全性がさらに問われてきていますので,今回の決断は懸命なものと言えるでしょう。ただ,JRRの大会が1クラスのみの開催となるのが,果たして適切なのかは疑問で,確かに歴史もあって首都圏から最も近いサーキットですから,筑波サーキットの重要性は理解できます。とはいえ,現在の状況を考えると,厳しい提言かもしれませんが,開催地として見直しが必要なのではないかと思います。詳しくなった点はレース数で,1〜4戦のJSB1000クラスは,全て2レース制となっています。さらに,最終戦MFJ-GPについては,今年と同じく3レース制となっています。スポーツランドSUGOでの第4戦は,ST600クラスも2レースで,我が大分県にあるオートポリスでの第6戦はST1000クラスが2レース制となっています。第2,3戦がSFと併催の2&4という点は変更がありません。今回発表された具体的なレースカレンダーは,以下の表のようになっています。なお,今回も暫定版ですので,今後変更される可能性があります。 |
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2021/11/15(月) ☆象徴&親子2代&グラッツェ・ロッシ(MotoGP) ○今季最終戦となる第18戦バレンシアGPの決勝レースが,好天に恵まれたリカルド・トルモ・サーキットで行われました。 MotoGPクラスは,今シーズンをもって引退することになっているペトロナス・ヤマハSRTのV.ロッシにとっても最後のレースとなります。会場全体がロッシのカラーである蛍光イエローに彩られる中,速さを見せたのはドゥカティ勢でした。ライダーのタイトルこそモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロが獲得したものの,シーズン全体で見ると今シーズンはドゥカティ中心で動いていたようなところがあります。実際,コンストラクターにしてもチームにしても,タイトルはドゥカティが占めています。ヤマハは現実的にクアルタラロしかいい成績が残せておらず,それに対してドゥカティは誰が乗っても速いというシーズンになっていました。今回の決勝レースでは,ドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアがトップに立つと,徐々に後続との差をわずかに広げて行きました。2位争いは3台で争われていましたが,その中でチーム・スズキ・エクスターのJ.ミルが遅れだし,最終的にポールからスタートしたプラマック・レーシングのJ.マルティンと3番グリッドからスタートしたドゥカティ・レノボ・チームのJ.ミラーとの争いとなりました。当初はやや離された感のあったミラーでしたが,最終盤に近付くにつれて両者の差は縮まっていきました。ファイナルラップまで続いた争いでしたが,最終的にバグナイア,マルティン,ミラーの順でチェッカーとなり,ドゥカティ勢がトップ3を独占しました。まさに今シーズンを象徴する最終戦となった印象です。象徴といえば,今季好調だったドゥカティに対して,これまでの実績から考えると絶不調だったと言えるのがホンダです。最終戦はそれを象徴するかのような展開となり,まずM.マルケスは欠場,P.エスパルガロは転倒によって途中欠場と,ワークスであるレプソル・ホンダ・チームは戦わずして全滅状態となりました。サテライトであるLCRホンダ勢は,中上貴晶は早々に転倒リタイア,A.マルケスは13位とポイントを何とか獲得という結果に終わりました。ドゥカティの今季型デスモセディチは,誰が乗っても速いという特徴があるのに対し,ホンダの今季型RC213Vは戦闘力が劣る上に乗りにくくて転倒が多いという特徴がありました。マルケスはレース前の怪我での欠場ではあるものの,他の3人は転倒やぎりぎりポイント獲得とドゥカティとは反対の意味で今季が表われた結果となりました。フリー走行では速さを見せていた中上でしたが,今回も予選はもちろん,決勝も結果を残すことができませんでした。「表彰台獲得」が今季の命題だったのでしょうが,結局実現できないままシーズンが終わってしまいました。マシンに問題があったという事実はありますが,それにしても転倒が多すぎます。フリー走行や予選でいい走りを見せ,決勝に期待を持たせると転倒するか後退するかというような印象です。来季も今季の体制でシーズンに臨むことになりますが,一皮もふた皮もむけた状態でシーズンに臨んでいかないと,2023年のシートはかなりあやしくなるのではないかと思います。奮起に期待したいと思います。そうしたことがあった最終戦ですが,やはり何といってもロッシの最終戦というのが今大会の目玉です。共に戦っているライダーが幼い頃,もしくは生まれた頃から活躍してきたロッシ。ロッシの走りを見てGPライダーに憧れた現役ライダーばかりではないかと思います。もちろん,ライダーにとってだけでなく,どのサーキットに行ってもロッシカラーに彩られるというように,ファンにとってもロッシの存在なくして現在の状況はなかったと明言できます。そうした生ける伝説であるロッシを,来シーズンからMotoGPで見られないのはとても残念です。これまでのロッシに対して,まさに『グラッツェ・ロッシ』を大きな声で贈りたいと思います。 唯一チャンピオンが決まっていなかったMoto2クラスですが,ついにそれが決着しました。レッドブルKTMアジョ勢のチャンピオン争いとなりましたが,ランクトップを行くR.ガードナー有利の状況で最終戦を迎えていました。ランク2位のR.フェルナンデスは優勝しかなく,例えそうなってもガードナーがある程度の位置でポイントを獲得すればタイトルは彼のものとなる状況でした。スタート直後に起こった転倒により,オイルがコース上に出たことから赤旗となってレースはやり直しとなりました。優勝しかないフェルナンデスは,後続と大きな差を広げることはできなかったものの,タイトル獲得に絶対条件の働きはしてトップチェッカーを受けました。ルーキーシーズンとなる今季ですが,これまでマルケスが持っていたルーキーシーズンの最多勝利数記録を更新する8勝目を上げています。ガードナーはノーポイントは絶対に許されない状況で,無理して上位争いに加わる必要はなく,最終的にトップからおよそ9秒遅れの10位でチェッカーを受け,見事チャンピオンを決めました。彼の父親は,かつてホンダワークスライダーを務めていたW.ガードナーで,当時の最高峰クラスである500ccクラスでチャンピオンを経験しています。レミーのタイトル獲得により,史上2番目となる親子でのタイトルホルダーとなりました。2,3位には,それぞれフェデラル・オイル・グレシーニMoto2のF.ディ.ジャンアントニオ,エルフ・マークVDSレーシング・チームのA.フェルナンデスが入っています。代役参戦となっているイタルトランス・レーシング・チームの長島哲太は,トップ10フィニッシュまであとわずかという11位でチェッカーを受け,見事ポイントを獲得しています。 Moto3クラスは,いつものように複数台による優勝争いがファイナルラップまで続きました。誰が勝つか分からない状況が最後まで続き,結局レオパード・レーシングのX.アルティガスが,ガスガス・アスパー・チームのS.ガルシアに1000分の43秒差をつけてトップチェッカーを受け,自身初優勝を飾りました。3位には,レッドブルKTMアジョのJ.マシアが入っています。フル参戦日本人ライダー勢ですが,レッドブルKTMテック3の佐々木歩夢の10位が最高位でした。他のライダーはポイント獲得に至らず,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が17位,カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖が19位で完走となり,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生とホンダ・チーム・アジアの國井勇輝は転倒リタイアに終わっています。 |
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☆大逆転(F1) ○第19戦ブラジルGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったアウトドローモ・ホセ・パーチェ・サーキットで行われました。ランクトップを行くレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンは好スタートを切り,前戦を再現するかのようにポールからスタートしたメルセデスAMGのV.ボッタスを交わしてトップに立ちました。そのフェルスタッペンと激しいタイトル争いをしているメルセデスAMGのL.ハミルトンは,ICE(内燃機関)の積み替えによるペナルティから5グリッド降格となり,10番グリッドからのスタートとなりました。ペースに勝るハミルトンは,フェルスタッペンのチームメイトであるS.ペレスとのバトルを制したりしながらポジションアップしていき,ついにトップを行くフェルスタッペンの後ろにつけました。一触即発のような激しいトップ争いが展開されていき,抜きつ抜かれつしながらもついにハミルトンがトップに立って差を広げて行き,最終的に10秒以上の大差をつける独走となり,大逆転で今季6勝目,通算101勝目を挙げました。この結果,2人のポイント差は14に縮まっています。3位には,スタートで出遅れたボッタスが,4位にS.ペレスが入り,レッドブル・ホンダとメルセデスAMGがトップ4を分け合う形となりました。アルファタウリ・ホンダ勢ですが,角田裕毅は4周目に他のマシンと接触して緊急ピットインして順位を大幅に下げました。その後,その接触は角田に原因があるとして10秒ストップのペナルティが科され,順位争いからは脱落となりました。その後,復帰してチームメイトのP.ガスリーの援護射撃もしながら最終的に15位でチェッカーとなりました。ガスリーは7位でチェッカーを受け,ポイントを獲得しています。 |
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2021/11/14(日) ☆9年ぶり&新チャンプが(MotoGP) ○今季最終戦となる第18戦バレンシアGPの予選が,好天に恵まれたリカルド・トルモ・サーキットで行われました。 MotoGPクラスは,今季陣営全体として好調な走りを見せているドゥカティ勢によるポール争いとなりました。まずはドゥカティワークスであるドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアとJ.ミラーの2人が速さを見せ,ワンツー体勢を築きました。そこに割って入ったのが,ドゥカティのサテライトチームであるプラマック・レーシングのJ.マルティンでした。バグナイアが一旦トップタイムをマークしたものの,これをマルティンが更新。そのタイムを更新すべくワークスの2人もタイムアップを図りましたが,2人が相次いで転倒を喫してタイムアップなりませんででした。それに対してマルティンはラストアタックで自身のタイムをさらに更新し,今季4度目となるポールを獲得しました。転倒は喫したものの,他の陣営はドゥカティワークス勢を上回ることができず,2,3番グリッドをそれぞれバグナイア,ミラーが獲得し,ドゥカティがトップ3を独占しました。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,一時6番手タイムをマークしましたが,最終的に9番手で予選を終えています。なお,ホンダワークスであるレプソル・ホンダ・チームですが,M.マルケスは体調不良でこの大会を欠場していて,さらにP.エスパルガロがフリー走行3で激しい転倒を喫してしまって病院で精密検査を受ける状況となり,幸いにも骨折はしていないとのことですが,今日行われる決勝レースへの出場が危ぶまれています。また,今季限りで引退するペトロナス・ヤマハSRTのV.ロッシは,Q2に直接出場し,自身キャリア最後の予選で10番グリッドを獲得しています。 Moto2クラスは,レッドブルKTMアジョ勢のタイトル争いが注目となっていて,抜きにくいサーキットだけに予選結果が注目となっていました。ところが,ランクトップのR.ガードナーは上位に食い込むことができず,R.フェルナンデスはこれからという段階で転倒を喫してしまい,ポール獲得には至りませんでした。そのような中でポールを獲得したのは,Q1をトップで勝ち上がってきたMVアグスタフォワード・レーシングのS.コルシでした。コルシのポール獲得は,2012年9月に行われた第14戦アラゴンGP以来何と9年ぶりとなります。そのコルシからほんの少し遅れて2,3番グリッドを獲得したのは,それぞれスカイ・レーシング・チームVR46のC.ビエッティ,エルフ・マークVDSレーシング・チームのA.フェルナンデスでした。イタルトランス・レーシング・チームから代役参戦している長島哲太は,15番手タイムで予選を終えています。 Moto3クラスは,ラストアタックでSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生がトップタイムをマークし,ポール獲得かと期待された瞬間にそのタイムを更新するライダーが現われました。そのライダーとは,前戦で今季のチャンピオンを決めたレッドブルKTMアジョのP.アコスタでした。今季チャンピオンを獲得したアコスタですが,ポール獲得には至っていませんでした。チャンピオン獲得で自信をつけることができたのか,その次のレースで見事自身初となるポールを獲得しています。惜しくもポールを逃しましたが鈴木が2番手,3番手はガスガス・アスパー・チームのI.グエバラでした。他のフル参戦日本人ライダー勢は振るわず,鈴木以外は全員Q1からの出走で,しかも全員そこで敗退となっていて,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝が20番手,カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖が22番手,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が24番手でした。レッドブルKTMテック3の佐々木歩夢は転倒を喫したことから26番手で予選を終えていて,しかも激しいハイサイドからの転倒でしたのでメディカルチェックを受けています。今のところ欠場という情報は得ていませんが,何らかの影響が残っているかもしれません。 |
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☆2戦連続(F1) ○前日に行われた予選を受け,その順のグリッドで今日行われる決勝のグリッドが決まる第19戦ブラジルGPのスプリント予選が,ドライコンディションとなったアウトドローモ・ホセ・パーチェ・サーキットで行われました。前日の予選でトップタイムだったメルセデスAMGのL.ハミルトンは,DRSに規定違反が見つかったため予選失格となり,最後尾からのスタートとなりました。予選終了後にパルクフェルメで自身やハミルトンのリアウィングに触れてしまい,それがレギュレーション違反となったレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンへの裁定は,罰金ということで2番手タイムという予選結果への影響はなく,ハミルトンの失格によりポールからのスタートとなりました。前戦の決勝ではポールからスタートしたメルセデスAMGのV.ボッタスが出遅れ,それをフェルスタッペンが交わすという展開となりましたが,今回のスプリント予選は逆の展開となり,フェルスタッペンが出遅れ,それを2番グリッドからスタートしたボッタスが交わしてトップに立ちました。トップに立ったボッタスは,順調に最後までそのポジションを守ってトップでチェッカーを受け,2戦連続して決勝レースはポールからスタートすることになりました。出遅れの影響で3位まで順位を下げたフェルスタッペンでしたが,その後再び2位に浮上し,そのままチェッカーを受けています。3位には,フェラーリのC.サインツが入っています。他のホンダ製パワーユニット勢ですが,レッドブル・ホンダのS.ペレスは4番手,アルファタウリ・ホンダのP.ガスリーが8番手,角田裕毅は15位でチェッカーを受けています。 |
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2021/11/13(土) ☆好発進(MotoGP) ○今季最終戦となる第18戦バレンシアGPが,ウェットからドライへと変わる不安定な天候となったリカルド・トルモ・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。 MotoGPクラスは,FP1がウェット,FP2がドライとコンディションに違いがあり,最速タイムはFP2のものとなっています。そのFP2で最速タイムを刻んだのは,このところチームメイトであるF.バグナイアの影に隠れがちな印象のあるドゥカティ・レノボ・チームのJ.ミラーでした。総合2番手タイムは,チームメイトであるM.マルケスが体調不良により欠場となっていて,ホンダ勢でエース的役割となっているレプソル・ホンダ・チームのP.エスパルガロでした。ミラーとポルトの差は,わずか1000分の12秒でした。総合3番手タイムをバグナイアがマークし,こちらもトップから1000分の68秒遅れと僅差でした。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,総合6番手タイムをマークして好発進を決めています。 Moto2クラスは,唯一チャンピオンが最終戦まで持ち込まれていて,レッドブルKTMアジョのR.ガードナーとR.フェルナンデスとの争いとなっています。その激しい争いは初日にも表われ,ランクトップを行くガードナーが初日総合トップに立ちました。総合2番手タイムフェルナンデスがマークしていて,2人のタイム差はわずか1000分の8秒でした。総合3番手タイムはマークVDSレーシング・チームのA.フェルナンデスで,トップから1000分の41秒遅れでした。今回も代役参戦しているイタルトランス・レーシング・チームの長島哲太は,総合14番手と代役としてはいい位置からの初日スタートとなりました。なお,このクラス唯一のフル参戦日本人ライダーであるイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,前戦の決勝レースにおいて3周目の11コーナーで転倒リタイアに終わっています。その際,左足を強打していて,その後の精密検査において左足の甲の外側である第5中足骨の骨折が判明しました。無理して出場すると手術が必要な事態に繋がる可能性もありますので,残念ながら最終戦は欠場になっています。ただ,来季は同チームから継続して参戦することが既に決まっていますから,そうした面では安心して欠場できていることでしょう。 前戦でタイトルが決まったMoto3クラスは,他のクラスと違ってFP1がドライ,FP2がウェットへと替わるというコンディションになったため,最速タイムはFP1の時のものとなっています。そのFP1で最速タイムを刻んだのはガスガス・アスパー・チームのI.グエバラで,自身今季初となる初日総合トップとなりました。ペトロナス・スプリンタ・レーシングのD.ビンダーが総合2番手タイムとなり,トップから1000分の48秒遅れでした。総合3番手タイムは,リヴァコールド・スナイパーズ・チームのA.ミーニョでした。フル参戦日本人ライダー勢ですが,来季のチーム体制が決まってチームを去ることになっているホンダ・チーム・アジアの國井勇輝が,日本人最速となる6番手タイムでした。最終戦でいいところを見せて少しでもいいシートを得る必要があるだけに,予選,決勝でも頑張ってもらいたいですね。前戦でトップ10フィニッシュを果たしているレッドブルKTMテック3の佐々木歩夢が8番手タイムで,この2人がトップ10フィニッシュでした。他のフル参戦日本人ライダー勢ですが,来季新チームからのフル参戦が決まっているカーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖が19番手,チーム残留が決まっているCIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が21番手,来季ホンダのエース的チームであるレオパード・レーシングに移籍が決まっているSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生は,最下位となる28番手でした。 |
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☆最速だけど(F1) ○第19戦ブラジルGPが,ドライコンディションとなったインテルラゴス・サーキットで開幕しました。今回のレースは,初日に予選が行われ,2日目にスプリント予選,最終日に決勝レースという流れになっています。ということで,金曜日ながら予選が行われ,逆転タイトルを目指しているメルセデスAMGのL.ハミルトンが最速タイムを刻みました。ただ,走行終了後に彼のリアウィングに技術違反が見つかったため,今日行われるスプリント予選では,ペナルティにより最後尾からのスタートになる可能性があります。さらに,この日の走行の際,ICE(内燃機関)の載せ替えを行っていますが,これが4基目となり,規定の3基を超えるため,日曜日に行われる決勝レースは5グリッド降格することも決まっています。この大会をランクトップで迎えているレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンが2番手タイムをマークし,フロントローをチャンピオン争いしている両車で分け合うことになりました。3,4番手タイムを2人のチームメイトがマークし,V.ボッタス,S.ペレスの順となっています。アルファタウリ・ホンダ勢は,P.ガスリーが5番手,角田裕毅はQ2敗退となって13番手で予選を終えています。 |
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2021/11/12(金) ☆転身(MotoGP) ○今季テック3KTMファクトリー・レーシングからMotoGPクラスにフル参戦しているイタリア人ライダーのD.ペトルッチから発表があり,今シーズン限りでMotoGPへの参戦をとりやめ,来季からダカール・ラリーに戦いの場を移すことになりました。2012年にイオダ・レーシング・プロジェクトに所属してMotoGPに参戦を開始したペトルッチは,2015年からドゥカティ陣営に加わり,4年間はドゥカティのサテライトチームであるプラマック・レーシングに所属してフル参戦しました。2017年からの2年間はテストライダーを兼ねての参戦となり,2019年からついにドゥカティのワークスチームへとステップアップします。しかし,昨シーズンをもってドゥカティとの契約解除となり,KTMのサテライトであるテック3からフル参戦しています。あと最終戦を残すのみとなった今シーズンですが,37ポイント獲得してランク21位につけています。来季のテック3は,今季Moto2クラスでチャンピオン争いしているレッドブルKTMアジョのR.ガードナーとR.フェルナンデスの2人を採用することが既に決まっていて,ペトルッチは同チームのシートを失う状況になっていました。そのような中での今回の転身発表で,ペトルッチによるとダカール・ラリーは子どもの頃からの夢だったそうで,それが現実のものとなったと言えます。既に先日ダカールに備えてKTM 450 RALLYを駆って,ライディングやナビゲーション等のテストを行った模様です。今週末でMotoGPは終了し,来季のダカールは1月2日(日)に開幕する予定となっています。ペトルッチにとってはMotoGPマシンを駆って1ヶ月ちょっとで今度はダカールマシンを駆ってレースをするということになります。今後かなり慌ただしい日々を過ごすことはほぼ間違いなく,MotoGPを去る感傷を味わわないまま新たなステージに立つことになるのでしょうね。 |
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2021/11/11(木) ☆継続&総入替え(MotoGP) ○世界で活躍するアジア人ライダーを発掘・育成することを目的に,ホンダが中心となって2013年に設立し,Moto2クラスにフル参戦を開始したのがホンダ・チーム・アジアで,2016年からはそれまでのMoto2に加え,現在と同じくMoto3クラスにもフル参戦しています。今シーズンは,Moto2クラスにイデミツ・ホンダ・チーム・アジアとして小椋藍とS.チャントラが,Moto3クラスにはホンダ・チーム・アジアとして國井勇輝とA.ファリド.イズディハールの体制で臨んでいます。昨日,そのホンダ・チーム・アジアから来季の参戦体制について発表がありました。その発表によると,Moto2クラスに関しては,小椋&チャントラの体制を継続することになりました。Moto3クラスに関しては,新たに古里太陽とM.アジの体制で臨むことになり,来季はライダーが総入替えになった体制で臨むことになりました。今回Moto3クラスに起用することになった古里ですが,現在16歳です。今季イデミツ・アジア・タレント・カップとレッドブルMotoGPルーキーズカップにフル参戦していて,前者はランキングトップ,後者はランク11位につけていて,今後を期待されている日本人ライダーの一人です。インドネシア人ライダーであるアジは,2018年にイデミツ・アジア・タレント・カップへ参戦し,翌年から今シーズンまでMoto3ジュニア世界選手権に参戦しています。なお,2018年シーズンから元GPライダーの青山博一を監督に迎えていますが,来季も継続して監督を務めることも併せて発表されています。 |
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2021/11/10(水) ☆欠場(MotoGP) ○レプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,結局シーズンを棒に振ることになった昨年の第2戦で負った怪我が十分に回復しておらず,ホンダのMotoGPマシンであるRC213Vの戦闘力不足もあって,復帰した今季も思うような走りや結果を残すことができていませんでした。シーズンが進むに連れて体調が徐々に回復していくと共に,マシンの戦闘力も少しずつ上がってきていて,シーズン後半の第15戦アメリカズGP,第16戦エミリア・ロマーニャGPと連勝を飾りました。ところが,第17戦アルガルヴェGPを前にした10月30日(土)に,オフロードバイクでトレーニングを行っていた時に転倒し,軽い脳震盪を起こすというアクシデントに見舞われました。しばらくは安静にしていたものの,体調不良が続いたために検査を受け,結局アルガルヴェGPは欠場して様子を見ることになりました。そのような中,11月9日(火)にレプソル・ホンダ・チームから発表があり,今週末にヘレス・サーキットーアンヘル・ニエトで行われる最終戦バレンシアGPも欠場することになりました。さらに,今季も最終戦後にヘレスで行われる予定になっている来季に向けた重要なテストであるオフィシャルテストも欠場することも併せて発表されました。主治医の説明によると,事故後の検査で複視という症状が見られ,右上斜角筋を侵した右第4神経の麻痺があるとのことです。この視力に関する不調といえば,マルケスがMoto2クラスにフル参戦していた2011年の第17戦マレーシアGPにおいて転倒し,それが原因で今回と同じ右第4神経を負傷して2戦欠場するということを経験していました。残り1戦となった今シーズンのランキング争いに関しては,マルケスにとっても,チームにとっても,今となってはそれほど大きな影響はないと言えます。しかし,その後に行われるヘレスでのテストを欠場するということは,今季マシンの戦闘力不足に見舞われているホンダにとって,かなり大きな影響があると言えます。コスト削減政策によりテストの回数が減らされていて,ヘレスでのテスト後は来年2月にセパンとインドネシアで行われる予定のテストまで行われません。マルケスの体調も気になるところですが,今季のマシンで一番戦闘力が劣るという事態に見舞われているホンダの来季も気になるところです。なお,マルケスの欠場に伴い,アルガルヴェGPと同じく最終戦バレンシアGPも,ホンダのテストライダーであるS.ブラドルが代役参戦することになっています。 |
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2021/11/09(火) ☆有終の美(WEC) ○F1などのスプリントレースの場合,複数週連続開催というのはさほど珍しくはありません。しかし,WECなどの耐久レースの場合,当然周回数が多いですから連続開催というのはほとんどありません。しかし,今シーズンのWECは,コロナ禍で日本大会が開催中止になったりした影響により,最後の2戦はバーレーン・インターナショナル・サーキットで2週連続開催となっていました。ただ,最初のレースである第5戦は6時間耐久となっていて,最終戦となる第6戦は8時間耐久と,開催地は一緒でも,開催方法については違いがあります。 その2週連続開催の2つ目のレースである最終戦の決勝レースが,11月6日(土)に行われました。今季のタイトル争いは最終戦まで持ち込まれていて,その争いはトヨタワークスであるトヨタGAZOO RacingのトヨタGR010ハイブリッド7号車と8号車の2台によるものとなっていました。そのチャンピオン争いがどうなるのかというのがもちろん今大会のメインとなりましたが,もう一つ注目としてあげられるのは,トヨタがWECに復帰した2012年以来トヨタのワークスドライバーとしてずっと活躍してきた中嶋一貴が,WECにおけるレギュラードライバーとして最後のレースとなるということでした。そうした注目点がある中でスタートした決勝レースは,ポールからスタートしたM.コンウェイ&小林可夢偉&J-M.ロペス組のトヨタGR010ハイブリッド7号車とS.ブエミ&中嶋一貴&B.ハートレー組のトヨタGR010ハイブリッド8号車とのトップ争いとなりました。スタートでは慎重なスタートを切ったトヨタ勢の2台をA.ネグラオ&N.ラピエール&M.バキシビエール組のアルピーヌA480・ギブソンが交わしてトップに立ちました。しかし,ペースに勝るトヨタ勢は,スタートして15分立った頃にアルピーヌを交わして行って7号車,8号車の順でワンツー体勢を築いていきました。最初のピットストップでは,トップの7号車が左側2輪のタイヤ交換を行ったのに対し,2位を行く8号車は4輪全てを交換するというこの時は違った作戦を採りました。ちなみに,他のピットインの時は両車共に同じ作戦を採っています。この作戦の違いはペースの違いを生じたようで,ペースに勝る8号車が7号車を抜いてトップに立ちました。このトップ後退は,チームの作戦によるもののようです。中盤を過ぎた6回目のピットインを迎える頃,トップ8号車のシフトアップできにくいというステアリングトラブルが発生したようです。ピットインした際にステアリング交換をし,トップのままコースに復帰しました。最後のドライバー交替で8号車のステアリングを託されたのは,今回がレギュラードライバー最後となる中嶋でした。最終盤に入って両車の差は縮まっていきましたが,中嶋は最後までトップの座を守り抜き,トップでチェッカーを受けて有終の美を飾りました。2位に7号車が入って,トヨタGAZOO Racingのワンツーフィニッシュで今シーズンを終えました。この結果,マシンに関するレギュレーションの変更により,今シーズンから最高峰クラスは『ハイパーカークラス』となっていますが,その初代チャンピオンはコンウェイ&可夢偉&ロペス組となっています。なお,今大会でWECから退く中嶋の去就についてですが,現段階でははっきりとしていません。もしかしたらこのままレギュラードライバーとしては一線を退く可能性もありますし,国内のレースに専念する可能性もあります。また,彼の父親である中嶋悟がオーナーを務めるNakajima Racingとの関わりがどうなるのかも気になるところです。ただ,中嶋悟がF1を含めた現役時代からずっとホンダと共にやってきたのに対し,息子である一貴の方はF1ドライバー時代を含めてずっとトヨタと共にやってきていますから,ホンダ陣営であるNakajima Racingを一貴が引き継ぐかどうかはかなり微妙です。まだしばらく先のことになるのかもしれませんが,この点も気になるところです。 |
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2021/11/08(月) ☆アクシデントで(MotoGP) ○第17戦アルガルヴェGPの予選が,好天に恵まれたアウトドローモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェで行われました。 MotoGPクラスは,ポールからスタートしたドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが,順調なスタートを切ってトップに立ちました。3番グリッドからスタートしたチーム・スズキ・エクスターのJ.ミルが,2番手スタートしたドゥカティ・レノボ・チームのJ.ミラーを交わして2位に浮上するとこの2人のトップ争いとなりました。レースが進むに連れてバグナイアとミルがそれぞれ単独走行となり,ミラーと追い上げてきたLCRホンダ・カストロールのA.マルケスとの間で3位争いが展開されました。マルケスがミラーを交わして3位に上がる場面もありましたが,ミラーが再び3位に浮上。そして,残り2周となったところで多重クラッシュが発生したため赤旗が提示され,レースはそのまま成立となりました。予選で転倒を喫したため最後尾からのスタートとなったLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,スタートから徐々にポジションアップしていき,最終的に11位でチェッカーを受けています。 Moto2クラスは,R.ガードナーとR.フェルナンデスのレッドブルKTMアジョ勢のチャンピオン争いとなっています。結果次第ではランクトップを行くガードナーのチャンピオン獲得が決まるところですが,レースはこの2人によるトップ争いとなりました。順位はどうあれ,アジョ勢のワンツーとなればチャンピオン争いは次戦となる最終戦まで持ち込まれることになります。そして,2人による争いはトップを走るガードナーが少しずつフェルナンデスとの差をつけていきました。終盤ペースが上がらないフェルナンデスに対して,エルフ・マークVDSレーシング・チームのS.ロウズがどんどんペースを上げていって,差を縮めていきました。しかし,残り周回が余りに少なく,結局そのままの順でチェッカーとなりました。これにより,チャンピオン争いは最終戦に持ち込まれることになりましたが,ガードナーとフェルナンデスとの差が23となり,かなりガードナー有利の中で最終戦を迎えることになります。 Moto3クラスは,レッドブルKTMアジョのP.アコスタを,レオパード・レーシングのD.フォッジアが追うタイトル争いとなっています。その2人のタイトル争いは今回のレースでも現実のものとなり,終盤になってトップを走るフォッジアを,アコスタが追う展開となりました。ただ,このクラスらしく2人だけの争いではなく,複数台によるバトルが最終盤まで続いていきました。そして,ファイナルラップでトップを行くアコスタをフォッジアが追っている中,3位を走行していたペトロナス・スプリンタ・レーシングが,フォッジアに追突するという事態が発生し,フォッジアは転倒リタイアとなってしまいました。この瞬間タイトル争いに決着がつき,トップのアコスタはそのままトップでチェッカーを受け,タイトル獲得と同時にレースをも制する形で決着しました。アコスタを転倒リタイアに追いやったビンダーは,チェッカー後にペナルティで失格となり,最終的に2,3位には,それぞれリバコールド・スナイパーズ・チームのA.ミーニョとアビンティアVR46のN.アントネッリが入っています。フル参戦日本人ライダー勢ですが,レッドブルKTMテック3の佐々木歩夢が6位,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が9位に入ってポイント獲得となりました。他のライダーはノーポイントに終わっていて,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝が20位,カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖が21位でチェッカーを受け,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡はオープニングラップで転倒を喫し,一旦は再スタートはきれたものの,9周のみの周回に終わっています。 |
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☆スタートで(F1) ○第18戦メキシコGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったエルマノス・ロドリゲス・サーキットで行われました。前日に行われた予選では,メルセデスAMGのV.ボッタスがポール,2番手がL.ハミルトンとなってフロントローを独占し,ランクトップを行くレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンが3番グリッドからのスタートとなっていました。そして,レースがスタートするとボッタスがうまくクラッチミートすることができずに出遅れたのに対し,フェルスタッペンはいいスタートを切りました。出遅れたボッタスはその後スピンを喫し,これが後続のマシンに影響を及ぼし,多重クラッシュが発生してしまいました。その中にはアルファタウリ・ホンダの角田裕毅も含まれていて,予選では9番手でしたが,パワーユニットを載せ換えたために17番グリッドからスタートしていました。マシンの横で発生したアクシデントに巻き込まれる形となって他のマシンと接触し,その場でリタイアとなりました。レースウィークに入って好調な走りを見せていて,ポイント圏内でのフィニッシュが期待できた中でのリタイアと悔しい結果に終わっています。トップのフェルスタッペンをハミルトンが追うというタイトル争いと同じような状況でレースは進んでいき,ピットインのタイミングのずれで順位の変動はありましたが,徐々にフェルスタッペンが独走態勢を築いていきました。終盤レッドブル・ホンダのS.ペレスがハミルトンとの差を縮めていきましたが,最終的に1秒以上の差がついていて,そのままの順でチェッカーとなりました。この結果,フェルスタッペンとハミルトンとのポイント差は,18に広がっています。アルファタウリ・ホンダのP.ガスリーが4位に入っていて,角田の結果は残念でしたが,他のホンダ製パワーユニット勢はいい結果のレースとなっています。 |
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☆タイヤ作戦(SGT) ○第7戦の決勝レースが,好天に恵まれたツインリンクもてぎで行われました。 GT500クラスは,レースが進んでいくと平峰一貴&松下信治組のカルソニック IMPUL GT-Rがトップに立ち,それを前戦の勝者である野尻智紀&福住仁嶺組のARTA NSX-GTが追う展開となりました。その2台から離れてしまいましたが,3位にはポールからスタートした国本雄資&宮田莉朋組のWedsSport ADVAN GR Supraがつけていました。トップ2台の差は徐々に詰まっていってファイナルラップに持ち込まれました。そして,ファイナルラップに入ったメインストレート上で何とトップのIMPULにガス欠症状が出てきてしまい,ARTAがこれを交わしてトップに立ち,そのままゴールまで行って大逆転で2連勝を飾りました。まさかのアクシデントに見舞われたIMPULでしたが,WedsSportに2位の座は譲ってしまったものの,何とかゴールまでマシンを運んで3位チェッカーとなっています。 GT300クラスは,タイヤ交換の作戦に違いがチームによって出ていて,2本交換,4本交換,無交換のマシンがコース上にいる状態となりました。そして,今回正解だったのは2本交換で,その作戦を採った高木真一&佐藤蓮組のARTA NSX GT3がトップに立ち,それを同じく2本交換を採った川端伸太朗&篠原拓朗組のHitotsuyama Audi R8 LMSが追う展開となりました。タイヤに優しいと言われているAudi R8 LMSがARTAとの差を縮めていってこれをパスしました。トップに立ったAudiはその後も順調な走りを見せて見事トップでチェッカーを受けました。ルーキードライバーである篠原にとっては,これが嬉しい初優勝となります。3位争いは激しいバトルとなり,藤波清斗&J-P.デ・オリベイラ組のリアライズ日産自動車大学校 GT-Rがこれを制しています。 |
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2021/11/07(日) ☆5戦連続(MotoGP) ○2週連続開催となるMotoGPですが,その最初のレースである第17戦アルガルヴェGPの予選が,ドライコンディションとなったアウトドローモ・インテルナシオナル・ドアルガルヴェで行われました。 MotoGPクラスは,ドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアがトップタイムをマークし,5戦連続となるポールを獲得しました。J.ミラーが2番手タイムをマークし,2戦連続してドゥカティワークスのワンツーとなりました。3番手タイムをマークしたのは,昨年のチャンピオンであるチーム・スズキ・エクスターのJ.ミルでした。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶はQ1からの出走となり,ラストアタックに入ったところで転倒を喫してしまってタイムアップならず,今日行われる決勝は最下位となる22番手からの出走となります。 レッドブルKTMアジョ勢の激しいチャンピオン争いとなっているMoto2クラスですが,予選でもタイムバトルが見られました。そして,逆転チャンピオンを目指すR.フェルナンデスが,コースレコードを更新する走りを見せて今季6度目となるポールを獲得しました。そのフェルナンデスからコンマ269秒とやや離されて,ランクトップを行くR.ガードナーが2番グリッドを獲得しています。フェデラル・オイル・グレシーニMoto3のF.ディ.ジャンアントニオが3番手タイムをマークし,この3人が第15戦アメリカズGP以来となる同じ順でフロントローを獲得しています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,トップからコンマ682秒差で9番グリッドを獲得しています。 Moto3クラスは,第14戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPで転倒を喫した際,腎臓に出血が見られたため2戦連続して欠場していたガスガス・アスパー・チームのS.ガルシアが,復帰初戦でいきなり自身初となるポールを獲得しました。そのガルシアからわずか1000分の17秒差で,ペトロナス・スプリンタ・レーシングのJ.マクフィーが2番グリッドを獲得しています。3番グリッドを獲得したのは,ステリルガルダ・マックス・レーシング・チームのA.フェルナンデスでした。フル参戦日本人ライダー勢は,レッドブルKTMテック3の佐々木歩夢の10番手が最高位でした。佐々木共にQ2に進出したホンダ・チーム・アジアの國井勇輝は17番手,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生は転倒したこともあってタイムアップがならず,18番手で予選を終えています。Q1で敗退したカーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖は24番グリッド,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡は最下位となる27番グリッド獲得でした。 |
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☆3戦連続(F1) ○第18戦メキシコGPの予選が,ドライコンディションとなったエルマノス・ロドリゲス・サーキットで行われました。今シーズンをもってチームを去ることが決まっているメルセデスAMGのV.ボッタスがトップタイムをマークし,第3戦ポルトガルGP以来となるポールを獲得しました。L.ハミルトンが2番手タイムをマークし,メルセデスAMG勢がフロントローを独占しています。フロントローはメルセデス勢に譲ったものの,ホンダ製パワーユニット勢も好調で,3戦連続して4人ともQ3進出となっていて,M.フェルスタッペンとS.ペレスのレッドブル・ホンダが3,4番手タイムをマークし,セカンドローを独占しました。アルファタウリ・ホンダのP.ガスリーと角田裕毅は,それぞれ5番グリッド,9番グリッドを獲得して予選を終えています。 |
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☆独占&初ポール(SGT) ○第7戦の予選が,この季節としては気温がやや高くなったツインリンクもてぎで行われました。 GT500クラスは,国本雄資&宮田莉朋組のWedsSport ADVAN GR Supraが終盤に入ってトップタイムをマークし,さらにタイムアップを図るべくタイムアタックをしましたが,惜しくもタイッムアップがなりませんでした。それでも,その後誰もそのタイムを更新することができず,富士スピードウェイで行われた第2戦以来となるポールを獲得しています。高星明誠&佐々木大樹組のリアライズコーポレーション ADVAN GT-Rが2番手タイムをマークし,ダンロップタイヤユーザーがフロントローを独占しています。前戦の勝者である野尻智紀&福住仁嶺組のARTA NSX-GTが3番手タイムをマークし,好調さを維持する走りを見せました。 GT300クラスは,井口卓人&山内英輝組のSUBARU BRZ R&D SPORTがコースレコードを更新する走りを見せてポール獲得かと思われました。ところが,小林崇志&名取鉄平組のUPGARAGE NSX GT3が渾身の走りを見せてそのタイムをさらに後進し,見事チームとしては2016年以来,名取自身としては初となるポールを獲得しました。ポールからコンマ4秒以上遅れで,高木真一&佐藤蓮組のARTA NSX GT3が3番グリッド獲得となりました。 |
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2021/11/06(土) ☆新チャンプが&新チームから(MotoGP) ○残り2戦となったMotoGPは2週連続開催となっていて,その最初の大会となる第17戦アルガルヴェGPが,ドライコンディションとなったアウトドローモ・インテルナシオナル・ドアルガルヴェで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。 MotoGPクラスは,前戦で自身初,そしてフランス人ライダーとしても初となるチャンピオンに輝いたモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロが,チャンピオンらしさを示すかのように2回のフリー走行共にトップタイムをマークし,第12戦イギリスGP以来となる初日総合トップに立ちました。そのクアルタラロとランクトップ争いを展開したドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが,2回のフリー走行共に2番手タイムをマークしました。さらに,そのチームメイトであるJ.ミラーが,2回のフリー走行共に3番手タイムをマークしています。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,9番手タイムで初日を終え,今日行われる予選での上位進出が期待されます。 Moto2クラスは,レッドブルKTMアジョ勢によるタイトル争いが展開されていますが,初日のリザルトでもその争いが見られました。フリー走行1でトップタイムをマークしたのは,ランク1位で今大会を迎えたR.ガードナーでした。フリー走行2でトップタイムだったのは,そのガードナーを18ポイント差で追うR.フェルナンデスでした。ガードナーはフリー走行2で転倒を喫したこともあってタイムアップすることができず,総合ではフェルナンデスが総合トップ,ガードナーは総合3番手タイムでした。初日総合2番手タイムは,前戦の勝者であるエルフ・マークVDSレーシング・チームのS.ロウズが,トップからわずか1000分の2秒遅れという僅差で初日総合2番手タイムでした。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,フリー走行2でタイムアップを果たし,5番手タイムで初日を終えています。残り2戦でイタルトランス・レーシング・チームから代役参戦している長島哲太は,トップからおよそ1秒6遅れの28番手タイムでした。 Moto3クラスは,来季Moto2クラスにステップアップすることが決まっているステリルガルダ・マックス・レーシング・チームのR.フェナティが,第12戦イギリスGP以来となる初日総合トップに立ちました。逆転タイトルを狙うレオパード・レーシングのD.フォッジアが,トップから1000分の15秒遅れで初日総合2番手タイムをマークしています。タイトルに王手をかけているレッドブルKTMアジョのP.アコスタは,トップからコンマ241秒遅れの4番手タイムでした。初日総合3番手タイムは,そのアコスタのチームメイトであるJ.マシアでした。フル参戦日本人ライダー勢ですが,既に来季ステリルガルダ・マックス・レーシング・チームに移籍することが決まっているレッドブルKTMテック3の佐々木歩夢の8番手が最高位でした。カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖が10番手タイムをマークし,この2人がトップ10圏内で初日を終えています。その山中琉聖ですが,来季の去就が決まっていなかったものの,今大会を迎えて発表があり,来季から新規参入することになっているMTヘルメット-MSIレース・テックに移籍してMoto3クラス継続参戦することになりました。他のフル参戦日本人ライダー勢は,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が19番手,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が25番手,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝がブービーとなる27番手で初日を終えています。なお,今回の山中の発表により,来季の去就が決まっていないのは國井のみとなっています。 |
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2021/11/05(金) ☆決定条件(MotoGP) ○いよいよ残り2戦となった今季のMotoGPですが,先日行われた第16戦エミリア・ロマーニャGPにおいてMotoGPクラスはモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロのタイトル獲得が決定しました。しかし,Moto2,Moto3クラスはまだタイトルは決定しておらず,今日から開幕する第17戦アルガルヴェGPと来週行われる最終戦バレンシアGPの残り2戦の戦いとタイトルの行方がどうなるのか気になるところです。ここでそれぞれのクラスの状況を確認しておきたいと思います。 まずMoto2クラスですが,ここはレッドブルKTMアジョのチームメイト同士によるタイトル争いとなっています。ランクトップを行くのはR.ガードナーで,それをR.フェルナンデスが18ポイント差で追う状況となっています。前戦では転倒リタイアに終わってしまったフェルナンデスですが,流れ的にはシーズンが進むに連れてますます勢いを増しています。それに対してガードナーの方は,なかなか優勝できないような流れになっています。アルガルヴェGPが終了すると残り1戦となるわけですが,その段階で2人の差が26ポイント開いているとガードナーのチャンピオン獲得となりますし,それ以下ですと最終戦にもつれ込むことになります。このところの流れでは,最終戦まで持ち込まれる可能性が高いと考えられます。フェルナンデスの好調さを考えると,彼が表彰台を獲得する可能性が高く,それが何位だと最終戦までもつれ込むかを考えるのが妥当だと思います。まず,フェルナンデスが優勝もしくは2位だと,ガードナーンの順位にかかわらずタイトル決定に至りません。ガードナーが優勝した場合,フェルナンデスは表彰台を獲得しておかなければなりません。ガードナーが2位以下だと,フェルナンデスは表彰台に上っていなくても最終戦までもつれ込みになります。 Moto3クラスは,レッドブルKTMアジョのP.アコスタがレオパード・レーシングのD.フォッジアに21ポイント差をつけてトップに立っている状況にあります。フォッジアがアコスタより前でチェッカーを受ければ,当然最終戦までもつれ込むことになります。アコスタが優勝すれば,フォッジアの順位にかかわらずアコスタのタイトル獲得が決定します。アコスタが2,3位の場合,フォッジアはそれぞれ4,5位となればそこでタイトルが決まります。Moto2クラスに比べるとポイント差が開いていて今回のタイトル決定になる可能性は高いですが,いつも複数台による優勝争いとなるこのクラスだけに,ちょっとしたミスで順位をいくつも下げることになります。それだけに,慎重かつ大胆な走りをしないといけないことは間違いありません。 |
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2021/11/04(木) ☆勇退(WEC) ○今シーズンのWECのラスト2戦は,コロナ禍の影響により,耐久レースとしては異例の2週連続開催となっています。今週末にその最終戦となるバーレーン8時間レースが開催されますが,それを前にして昨日ハイパーカークラスに参戦しているトヨタのワークスであるトヨタGAZOO Racing(TGR)から発表があり,同チームでGR010ハイブリッド8号車のドライバーを務めている中嶋一貴が,今シーズンをもってWECのレギュラードライバーから勇退することになりました。ただ,ドライバーとして引退するわけではなく,もちろん他のカテゴリーでの活動は継続しますし,TGRの一員としては今後も関わりを持っていきます。元F1ドライバーである中嶋は,トヨタが2012年からWECに復帰した時からLMP1及びハイパーカークラスに参戦を続けてきました。2014年シーズンでは,日本人ドライバーとしては初めてル・マン24時間でポールポジションを獲得しました。2016年のル・マンでは,トップ走行中残り3分となったところでトラブルが発生してリタイアに終わるという悲劇も味わいました。2018年にS.ブエミ&F.アロンソとチームを組んで念願のル・マン制覇を果たし,その翌年には前年と同じメンバーでル・マン連覇を果たすと共に,シリーズチャンピオンにも輝きました。2020年はブエミ&B.ハートレーと組んでル・マン3連覇を果たし,シーズンを連覇しています。今シーズンは惜しくもル・マン4連覇を果たすことはできませんでしたが,チームメイトである7号車が優勝しています。シリーズチャンピオンはまだ決定していませんが,7号車がトップで,中嶋の所属する8号車がランク2位につけていて,ポイント差としては厳しいものの,3連覇の可能性をもって今季最終戦を迎えています。今回の発表は中嶋の勇退に関してだけで,来季の体制については数週間以内に発表されることになっています。今回の勇退に伴って日本人ドライバーが一人減ることになりますが,トヨタ陣営の日本人ドライバーは有望な後進が育っていますので,同じく日本人ドライバーが後を継ぐことは十分考えられます。 |
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2021/11/03(水) ☆欠場(MotoGP) ○今週末はアウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェにおいて第17戦アルガルヴェGPが開幕しますが,それに先だってホンダのワークスであるレプソル・ホンダ・チームから発表があり,M.マルケスがトレーニング中の転倒により,大事をとって欠場することになりました。昨年負った怪我がまだ十分に癒えてはいないマルケスですが,少しずつ体調は回復していって,第15戦アメリカズGP,第16戦エミリア・ロマーニャGPと連勝を飾って復調してきていることを示して今回の第17戦アルガルヴェを迎えようとしていました。ところが,今回の発表によると,10月30日(土)にオフロードバイクを駆ってトレーニングしている際に転倒を喫し,軽い脳震盪を起こしてしまったようです。数日間安静にしていたものの,体調不良が続いたため11月2日(火)に検査を受け,その結果大事をとって今回の大会を欠場することになりました。なお,今回の発表では,欠場したマルケスの代役については明らかにされておらず,恐らく代役は立てず,エミリア・ロマーニャGPにおいてMotoGPクラスで自己最高位となる2位フィニッシュを果たしたP.エスパルガロの1台体制で臨む模様です。 |
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2021/11/02(火) ☆テスト(WRC&WEC) ○残り1戦となった今シーズンのWECですが,その最終戦は,今週末に行われるバーレーン8時間となっています。そして,それが終了した翌日に来季に向けたルーキーテストが午前中に2時間,午後に3時間行われる予定になっています。そのことに関して,10月22日(金)にTOYOTA GAZOO Racingから発表があり,今季WRCでランク1位につけていて,連続タイトル獲得の可能性が高まっているS.オジエが,そのWECのルーキーテストに参加することになりました。今シーズン限りでWRCでフル参戦ドライバーとしての活動から引退し,来季はスポットで現在所属しているトヨタワークスであるTOYOTA GAZOO Racing WRTから継続して参戦することが決定しています。WRCからはとりあえず引退するものの,レーシングドライバーとしてのキャリアそのものから引退するわけではなく,他のカテゴリーからの参戦は目標としてあり,その1つがトヨタもワークス参戦しているWECです。実際,タイトルを獲得した昨シーズン末には,トヨタが所有しているWECのレース用シミュレーターでTS050ハイブリッドを走らせる経験をしています。今回は,ついに実際のWEC用マシンでタイトルを獲得したGR010ハイブリッドを駆ることになります。ただ,今回はあくまでも経験と言うことで,トヨタとしてもテストというスタンスで臨むようで,来季から即トヨタワークスでWECをという訳ではないようです。果たしてオジエがどのようなパフォーマンスを見せるのか,来季以降の去就を含めて楽しみですね。 |
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2021/11/01(月) ☆リベンジ&11年ぶり(SF) ○今季最終戦となる第7戦の決勝レースが,不安定な天候のためレース途中で雨に見舞われたりした鈴鹿サーキットで行われました。自身初となるポールとなるからスタートしたB-Max Racing Teamの松下信治でしたが,スタート時にほんの少し早くマシンが動いてしまったようでジャンプスタートの裁定が下り,トップ走行時にドライブスルーペナルティが科されて優勝争いから脱落してしまいました。その後,マシン同士が接触したり,タイヤ交換に手間取ったりするアクシデントが発生し,carenex TEAM IMPULの平川亮とDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの福住仁嶺とのトップ争いという展開となりました。先に福住がタイヤ交換を行い,2周遅れで平川がタイヤ交換を行いました。トップでコースに復帰したのは平川でしたが,先に入って十分タイヤが温まっていた福住が関口を交わしてトップに立ちました。その後はその座を守り抜いて,2位の平川におよそ1秒3ほどの差をつけて今季2勝目を挙げました。4月に鈴鹿サーキットで行われた第2戦において,優勝が確実視されたときにタイヤトラブルでリタイアに終わった経験を持つ福住だけに,今回の勝利でそのリベンジを果たした結果となりました。前戦で今シーズンのチャンピオンを決めているTEAM MUGENの野尻智紀は,単独で3位走行を続けていき,接触のペナルティで5秒加算されましたが,それでも4位との差は十分あってタイトルを獲得したシーズンを3位表彰台で締めくくっています。今大会での注目点の1つがチームタイトルで,DOCOMO TEAM DANDELION RACINGとcarenex TEAM IMPULとの間での争いとなりました。1,2位を両チームで分け合い,そのチームメイトの結果が注目となりましたが,carenex TEAM IMPULの関口雄飛が4位に入り,同チームがタイトルを決めました。『日本一速い男』星野一義が率いる同チームですが,タイトル獲得は2010年シーズン以来11年ぶりとなります。 |
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