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2021/05/31(月)
☆ご冥福を(MotoGP)
○第6戦イタリアGPの決勝レースが,好天に恵まれたムジェロ・サーキットで行われました。
MotoGPクラスは,序盤にトップに立ったモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロが,後続との差を徐々に広げて行って独走態勢に持ち込み,最終的に2位に2秒以上の差をつけて今季3勝目を挙げました。2位にレッドブルKTMファクトリー・レーシングのM.オリベイラが入り,自身にとっても,そしてチームのとっても今季初表彰台を獲得しています。3位には,昨年のチャンピオンであるチーム・スズキ・エクスターのJ.ミルが入りました。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,残り4周の8位走行中に転倒してリタイアに終わっています。今季不調なホンダ勢ですが,中上の転倒によりトップ10には誰も入っておらず,レプソル・ホンダ・チームのP.エスパルガロの12位が最高位でした。不調と思われていたKTMが表彰台を獲得しているだけに,ホンダのみが取り残されている感じのシーズンとなっています。
Moto2クラスは,レッドブルKTMアジョ同士のトップ争いという展開となり,ファイナルラップで前を行くR.フェルナンデスをパスしてトップに浮上したR.ガードナーがそのポジションを守り切り,今季初優勝を飾っています。3位には,単独走行でスカイ・レーシング・チームVR46のM.ベツェッキが入り,チームとしても,自身としても,母国GPで嬉しい表彰台獲得となっています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,トップからは23秒以上の遅れはとったものの,6位でチェッカーを受けています。
Moto3クラスは,10台を超えるマシンによるトップ争いとなりました。ファイナルラップまで続いた争いを制したのは,1コーナーをトップで通過したレオパード・レーシングのD.フォッジアでした。1000分の36秒遅れで,レッドブルKTMアジョのJ.マシアが2位表彰台を獲得しています。インドネシアン・レーシング・グレシーニMoto3のG.ロドリゴが3位でチェッカーを受け,自身3年ぶりの表彰台獲得となっています。3位争いをしていたレッドブルKTMテック3の佐々木歩夢でしたが,ロドリゴを抜くことはできず4位でチェッカーを受け,ランキング争いでは3位に浮上しています。他の日本人ライダー勢は,ポールからスタートしたSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が10位,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が12位でポイントを獲得しています。ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝の代役として参戦した松山拓磨は,22位で完走を果たしています。
なお,前日の予選で転倒を喫したカーエキスパート・プルエステルGPのJ.デュバスキエ選手ですが,残念ながら治療の甲斐なくお亡くなりになりました。19歳のこれから活躍が期待されたライダーだけに,より一層残念な結果となってしまいました。デュバスキエ選手のご冥福をお祈りいたします。今回のことを受けて,チームメイトである山中琉聖は,この日の走行をとりやめています。
2021/05/30(日)
☆コースレコードで(MotoGP)
○第6戦イタリアGPの予選が,ムジェロ・サーキットで行われました。
MotoGPクラスは,ここまでランクトップを行くモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロが,コースレコードを更新する圧倒的な速さを見せてトップタイムをマークし,4戦連続ポールシッターとなりました。2番手タイムは,ここまでランク2位につけているドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアがマークしました。さらに,3番手タイムは,ここまでランク3位につけているプラマック・レーシングのJ.ザルコがマークしています。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,Q1からの出走となりました。ファーストアタックではトップにつけてQ1突破が期待されましたが,ラストアタックでタイムを伸ばすことができず,残念ながらQ1で敗退となり,15番グリッドから決勝レースを迎えることになります。
Moto2クラスは,この日行われたFP3でフリー走行全体でのトップタイムをマークしたレッドブルKTMアジョのR.フェルナンデスが予選でもトップタイムをマークし,2戦連続ポールとなっています。前日は総合トップタイムだったエルフ・マークVDSレーシング・チームのS.ロウズは,2番グリッドを獲得しています。MBコンベアーズ・スピード・アップのJ.ナバーロが3番手タイムをマークし,自身今季初のフロントローとなりました。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,初となるこのサーキットで苦労しながらも,前日よりは大幅に順位を上げていき,12番グリッド獲得で予選を終えています。
Moto3クラスは,Q1でトップタイムだったSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が,Q2でもトップタイムをマークし,コースレコードを更新する速さを見せて今季2度目となるポールを獲得しています。圧倒的な速さを見せた鈴木よりおよそコンマ6秒遅れで,ここまでランクトップをいくレッドブルKTMアジョのP.アコスタが2番グリッドとなりました。そのアコスタから1000分の88秒遅れで,インドネシアン・レーシング・グレシーニMoto3のG.ロドリゴが3番手タイムでした。他の日本人ライダー勢ですが,レッドブルKTMテック3の佐々木歩夢が10番手タイムをマークし,トップ10圏内に入りました。ただ,ファイナルアタックにおいて,前を走るカーエキスパート・プルエステルGPのJ.デュバスキエが転倒し,そのマシンに乗り上げる形で激しく転倒を喫してしまうアクシデントに見舞われてしまいました。かなり空中高く投げ出されて路面に激しくたたきつけられて心配しましたが,現段階では骨折していないという診断が下っています。しかし,転倒したデュバスキエは,コース上でしばらくの間応急処置が施され,その後ドクターヘリで大学病院に運ばれていて,その容態がとても心配になるところです。これを入力している段階では,どのような状況になっているか情報がなく,まずは命に別状がないことを願っていたいと思います。CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡は12番手,カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖は25番手,ホンダ・チーム・アジアで代役参戦している松山拓磨は最下位となる30番手で予選を終えています。
2021/05/29(土)
☆今季3回目(MotoGP)
○第6戦イタリアGPが,天候に恵まれたムジェロ・サーキットで行われました。
MotoGPクラスは,ここまでランク2位につけているドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが,第3戦ポルトガルGP,第4戦スペインGPに続いて今季3回目となる初日総合トップタイムをマークしました。そのバグナイアからわずか1000分の71秒という僅差で,前戦においてリタイアに終わっているチーム・スズキ・エクスターA.リンスが総合2番手につけています。総合3番手タイムは,ヤマハのサテライトであるペトロナス・ヤマハSRTのF.モルビデリがマークしています。ここを得意のサーキットの1つとしているLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,トップからコンマ4秒以上遅れてはいるものの,ホンダ勢としてはトップの総合7番手で初日を終えています。
Moto2クラスは,エルフ・マークVDSレーシング・チームのS.ロウズが,3戦連続となる初日総合トップをマークしました。FP1ではトップタイムだったレッドブルKTMアジョのR.フェルナンデスが,総合2番手につけています。逆にFP1で20番手だったにもかかわらず,MBコンベアーズ・スピード・アップのJ.ナバーロが予選では総合3番手と順位をだいぶ上げました。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,余りタイムアップすることができず,25番手タイムと下位で初日を終えました。
Moto3クラスは,ここ数戦思うような結果を残すことができていないペトロナス・スプリンタ・レーシングのD.ビンダーが総合トップタイムをマークし,復活のいい機会となる期待を持たせています。総合2,3番手タイムは,それぞれレオパード・レーシングのD.フォッジア,ペトロナス・スプリンタ・レーシングのJ.マクフィーでした。日本人ライダー勢では,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生の6番手が最高位でした。レッドブルKTMテック3の佐々木歩夢が15番手,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が22番手,カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖が27番手,で,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝の代役で参戦している松山拓磨は,最下位の30番手でした。
2021/05/28(金)
☆代役参戦(MotoGP)
○今日から第6戦イタリアGPがムジェロ・サーキットで開幕します。その大会に関して,先週21日(金)にドゥカティのサテライトチームであるプラマック・レーシングから発表があり,怪我で欠場が続いているJ.マルティンの代役として,ドゥカティのテストライダーを務めているM.ピロを起用することになりました。今回も欠場するマルティンは,アルガルベ・インターナショナル・サーキットで行われた第3戦ポルトガルGPのFP3において7コーナーで激しく転倒し,右足首をはじめ,右手親指の中手骨や左脛骨高原を骨折する重傷を負ってしまいました。第3戦で怪我をした影響で,第4戦と第5戦を欠場したのですが,その時には,今季SBKにドゥカティからフル参戦しているT.ラバトが代役を務めました。これまでのドゥカティは,テストライダーを代役参戦させることが多いのですが,この時はドゥカティのテストが元々予定されていたため,テストライダーであるピロはこちらを当然優先しますので,昨シーズンまでMotoGPにフル参戦していたラバトが起用されていました。今回のイタリアGPに関しては,SBKの第2戦と日程が重なっていてラバトは参加できませんから,ピロが起用されることになりました。ところで,欠場が続くマルティンですが,現段階では,その翌週に開催される予定の第7戦カタルニアGPから復帰する予定のようです。
なお,前戦であるフランスGPの予選で転倒を喫し,左鎖骨を骨折する重傷を負ったのがホンダ・チーム・アジアの國井勇輝ですが,今回のイタリアGPは欠場することになりました。そして,その代役として,『Moto3ジュニア世界選手権』にフル参戦している松山拓磨を起用することが昨日同チームから発表されています。
2021/05/27(木)
☆初優勝&自己最高位(WRC)
○先週末,今季第4戦で,シーズン最初のグラベル(未舗装路)ラリーである『ラリー・ポルトガル』が行われました。大会序盤は一時ヒュンダイがトップ3を独占する状況となりましたが,その後そのヒュンダイ勢にトラブルやアクシデントが発生し,上位争いから次々に脱落していきました。そのような中で速さを見せたのが,トヨタ・ヤリスWRCを駆るE.エバンスでした。2日目にトップに立ったエバンスは,3日目も順調に走り抜け,2位に入ったヒュンダイi20クーペWRCのD.ソルドに30秒弱の差をつける独走で今季初優勝を飾りました。3位には,エバンスのチームメイトで,ここまでランクトップを行く昨年のチャンピオンであるS.オジエが入りました。一時はそのオジエの前に立つこともあったTOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムに参加している勝田貴元は,最終日に堅実な走りを展開して4位でフィニッシュし,これまでの自己最高位である6位を更新する結果を残しました。
2021/05/26(水)
☆体制維持(MotoGP)
○今シーズンからレノボがタイトルスポンサーとなったドゥカティワークスであるドゥカティ・レノボ・チームから発表があり,J.ミラーとの契約を延長することになりました。今シーズンの同チームは,昨シーズンのA.ドビツィオーゾ&D.ペトルッチという体制を一新し,サテライトであるプラマック・レーシングからJ.ミラー&F.バグナイアの2人をそのままワークスチームに昇格させました。その期待に応えるかのように,バグナイアは現段階こそランク2位になっていますが,前戦が始まる前まではランクトップに立っていました。また,ミラーに関しては,第4戦スペインGPで5年ぶりとなる勝利を収めると共に,次の第5戦フランスGPでも勝利するという大活躍を見せています。そうした2人ですが,バグナイアに関しては,既にワークス昇格と共に2年間の契約を結んでいて,2022年も同チームからフル参戦することが決まっています。それに対して,ミラーについては,バグナイアと違って契約は1年間になっているため,来季に関しては改めて契約を結ぶ必要があったのです。そして,ここまでの活躍が認められて契約の延長が決まりました。これにより,来季も今季と同じメンバーの体制が維持されることとなります。ただ,今回の契約も1年間ですので,来季は2人とも改めて契約を結ぶ必要があります。
2021/05/25(火)
☆100勝(SBK)
○例年に比べるとかなり遅く始まった今シーズンのSBKですが,予定通りモーターランド・アラゴンで開幕戦の3つのレース(レース1,スーパーポール・レース,レース2)が行われました。その中で,5月22日(土)に行われたレース1では,今季7連覇を目指すKawasaki Racing Team WorldSBKのJ.レイが,2位に入ったチームメイトのA.ロウズに4秒近い差をつける独走で今季最初のレースを制しました。この勝利で,レイは通算100勝を達成しています。ちなみに,3位には,Pata Yamaha with BRIXX WorldSBKのT.ラズガットリオグルが入っています。
5月23日(日)の午前中に行われたスーパーポール・レースでもレイが勝利し,通算101勝目を挙げました。2位にロウズが入り,2戦続けてKawasaki Racing Team WorldSBK勢のワンツーフィニッシュとなっています。3位には,GRT Yamaha WorldSBK TeamのG.ガーロフが入っています。
午後に行われたレース2は,レイの3連勝がかかっていましたが,ドゥカティのワークスであるAruba.it Racing ? DucatiのS.レディングが勝利してドゥカティが一矢を報いました。とはいえ,レイが2位,ロウズが3位に入っていて,やはりKawasaki Racing Team WorldSBKの強さが示されたレースとなっています。
この3つのレースの結果,ランキング争いでもレイ,ロウズの順でKawasaki Racing Team WorldSBK勢のワンツーとなっています。
なお,今シーズンからSBKに戦いの場を移しているGRT Yamahaの野左根航汰は,レース1が14位,スーパーポール・レースが9位,レース2が12位でのチェッカーとなり,ルーキー初戦はどのレースでもポイント圏内でフィニッシュしています。ランキング争いでは,7ポイント獲得の15位につけています。
2021/05/24(月)
☆5連勝(JRR)
○第3戦の決勝レースが,この日はドライコンディションとなったスポーツランドSUGOで行われました。
JSB1000クラスのレース2は,2番グリッドからスタートしたBabyFace Powered by YOSHIMURAの津田一磨がオープニングラップで転倒し,いきなりセーフティカーが先導するという形になりました。リスタートで一旦はAstemo Honda Dream SI Racingの清成龍一がトップに立ったものの,6周目にYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行トップに立つと,後はハイペースで独走態勢に持ち込みました。そして,2位に10秒弱の大差をつけて独走でトップチェッカーを受け,開幕戦から負けなしの5連勝を飾りました。2位は,3台のホンダ勢による争いとなりましたが,その先頭を走っていたHonda Suzuka Racing Teamの亀井雄大がファイナルラップで転倒し,Honda Dream RT 桜井ホンダの濱原颯道が2位,Astemo Honda Dream SI Racingの清成龍一が3位でチェッカーを受けました。なお,濃霧のために中止となったレース1についてですが,予選の順位でポイントが与えられることになりました。ただ,得点は通常の半分となります。
ST1000クラスは,bLUcRUニトロレーシング51 YAMAHAの岡本裕生が一旦トップに立ちましたが,10周目に転倒してしまいました。その後こちらもホンダ勢による争いとなりましたが,ポールからスタートしたAstemo Honda Dream SI Racingが単独走行でトップチェッカーを受け,チームに初勝利をもたらしました。こちらも単独走行となった2,3位には,それぞれ日本郵便 HondaDream TPの高橋裕紀,Astemo Honda Dream SI Racingの作本輝介が入りました。Astemo Honda Dream SI Racingにとっては,初優勝だけでなく,2人とも表彰台獲得という好結果を残したレースとなりました。
ST600クラスは,トップグループで転倒があったりして徐々に単独走行となっていって,最終的にMOTO BUM HONDAの荒川晃大が,2位でチェッカーを受けたTOHO Racingの國峰拓磨に8秒以上の大差をつけて自身JRR初優勝を果たしています。3位には,ガレージL8 Racing Team・YAMAHAの横山尚太が入っています。
J-GP3クラスは,Sunny moto Planningの小室旭とP.MU 7C GALE SPEEDの尾野弘樹とのトップ争いがファイナルラップまで続きました。最後の最後までどちらが勝つか分からない状況でしたが,最終的に小室が尾野に1000分の99秒差をつけて今季初優勝を飾りました。3位に女性ライダーであるTEAM NAOKO KTMの高杉奈緒子が入り,自身JRR初表彰台を獲得しています。

☆29年ぶり&ランクトップに(F1)
○世界3大レースの1つであるF1の第5戦モナコGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったモンテカルロ市街地コースで行われました。前日の予選でポールを獲得したフェラーリのC.ルクレールは,その予選のファイナルアタックでクラッシュしてマシンが大きく破損してしまいました。ギアボックスまで損傷しているのではないかという懸念がありましたが,チームによるチェックの結果は問題なしということで予選通りポールからスタートすることになりました。決勝スタート前に行うレコノサンスラップに出たルクレールでしたが,そこで異常を感じたのかピットにマシンを戻しました。マシンをチェックすると左側のドライブシャフトに損傷が見つかり,時間内に修復が不可能なため,決勝レースはスタートできないままリタイアに終わりました。ルクレールの離脱により実質的にポールからスタートとなったレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンは,順調にトップのままスタートを切りました。その後も速いペースを維持して終始単独走行を守って行き,2位に9秒近い大差をつけ,今季2回目,そして自身初のモナコ制覇となるトップチェッカーを受けました。大会前までランクトップだったメルセデスAMGのL.ハミルトンは,レースウィークを通してなかなかペースを上げることができず,決勝レースでもその状況を変えることができないままとなっていて,最終的に7位でのチェッカーとなりました。この結果,ランキング争いで4ポイント差ながらフェルスタッペンがトップに立ちました。また,ハミルトンのチームメイトであるV.ボッタスが,ホイールのナットが外れないためタイヤ交換ができないトラブルが発生してリタイアに終わったのに対し,フェルスタッペンのチームメイトであるS.ペレスが4位でチェッカーを受けたことにより,コンストラクターズタイトル争いにも変化が現われ,レッドブル・ホンダがわずか1ポイント差ながらトップに立っています。ちなみに,ホンダのモナコ制覇は,1992年のA.セナ以来29年ぶりとなります。さらに,レッドブルとしてはF1が2014年に現行のハイブリッドとなってからは初めて,ホンダとしては1991年以来のチャンピオンシップリードとなります。2,3位には,それぞれフェラーリのC.サインツJr,マクラーレンのL.ノリスが入り,奇しくも昨年のチームメイト同士が,どちらも自身モナコ初表彰台登壇となっています。アルファタウリ・ホンダ勢は,P.ガスリーが6位に入ってポイントを獲得しています。予選でQ1敗退だった角田裕毅は,ちょっとしたミスでガードレールの餌食になる可能性があるこの大会で,ポイント圏外ながら最後まで走りきり,16位完走を果たしています。
2021/05/23(日)
☆初ポール(JRR)
○第3戦の予選が,雨が降ったり止んだりと不安定な天候となったスポーツランドSUGOで行われました。
JSB1000クラスは,残り10分を切ったあたりからドライタイヤに変更したライダーがタイムを更新していきました。そのような中,昨シーズンまでのヤマハに替え,今シーズンからヨシムラの支援を受けてスズキのマシンを投入しているBabyFace Powered by YOSHIMURAに所属する津田一磨が速さを見せ,見事初ポールを獲得しました。2,3番手には,ここまで連勝を重ねているYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行,Honda Dream RT 桜井ホンダの濱原颯道がつけています。なお,この予選は,この日に行われるレース1のグリッドになるもので,今日行われるレース2のグリッドは,この予選のセカンドタイムで決まります。そのレース2は,中須賀がポールとなります。
そして,この日行われる予定だったレース1ですが,同地を深い霧が覆うようになったため,残念ながら中止となってしまいました。初のポールスタートだった津田だけに,何とも残念な天候不順でした。
ST1000クラスは,最終盤に激しいタイムアタック合戦が展開されていき,その中でAstemo Honda Dream SI Racingの渡辺一馬が僅差でトップタイムをマークし,このクラスでは自身初となるポールを獲得しました。その渡辺からわずか1000分の73秒遅れで,bLUcRUニトロレーシング51 YAMAHAの岡本裕生が2番グリッド獲得となりました。3番手タイムは,bLUcRU伊藤レーシングBORGヤマハの前田恵助でした。
ST600クラスは,序盤に最速タイムをMOTO BUM HONDAの荒川晃大がマークし,そのタイムを誰も更新することができず,今季初となるポールを獲得しました。2,3番手タイムは,それぞれ日本郵便 HondaDream TPの小山知良,NCXXRACING&善光会 TEAMけんけんの長尾健吾がマークしています。
J-GP3クラスは,完全ウェットでの予選となりました。そのような天候の中,Sunny moto Planningの小室旭が終始トップタイムを更新していき,2戦連続ポールシッターとなりました。2,3番グリッドは,それぞれP.MU 7C GALE SPEEDの尾野弘樹,Team PLUSONEの木内尚汰が獲得しています。

☆今季初(F1)
○第5戦モナコGPの予選が,モンテカルロ市街地コースで行われました。前日は不安定な天候となったモナコですが,午前中は路面が濡れた状態でしたが,午後は,雲が垂れ込めてはいるものの,路面が乾いてドライタイヤでの予選となりました。ここが母国GPとなるフェラーリのC.ルクレールは,初日から速さを見せていて,予選でもその速さは変わらず,ファイナルアタックまでトップタイムをマークしていました。ところが,ファイナルアタックでプールサイドシケインにおいてガードレールの餌食となってしまいました。ルクレールのクラッシュにより赤旗が提示され,予選はそのまま終了となってしまいました。しかし,その前にルクレールがマークしていたタイムを誰も更新することができてなく,ルクレールが2019年のメキシコGP以来となる今季初ポールを獲得しました。母国でのポールといういい結果を残したルクレールですが,今回のクラッシュはギアボックスまで影響を与えている可能性があり,もし交換となるとグリッド降格のペナルティーが科されますので,マシン損傷の具合が気になるところです。2番手タイムは,一時ルクレールのタイムを上回るアタックを見せていたレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンでした。3番手タイムは,トップからおよそコンマ25秒遅れでメルセデスAMGのV.ボッタスでした。ホンダ製PU勢ですが,アルファタウリ・ホンダの角田裕毅は,タイムアタック中にトラフィックに遭遇する不運もあったりして,最終的にわずか1000分の18秒遅れでQ1敗退に終わっています。他のドライバーはQ3まで進出し,角田のチームメイトであるP.ガスリーは6番手,フェルスタッペンのチームメイトであるS.ペレスは9番手でした。
2021/05/22(土)
☆開幕(SBK)
○今シーズンの初戦がようやくスペインのモーターランド・アラゴンで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。例年はMotoGPよりも早い2月に開幕するSBKですが,新型コロナウイルスの影響からだいぶ遅れての開幕となりました。今季は,ヨーロッパを中心として全13戦が予定されています。ここまで新記録となる6連覇を成し遂げているKawasaki Racing TeamのJ.レイですが,今年フルモデルチェンジを果たしたZX-10RRを駆って連覇の記録をさらに伸ばすのか注目となります。ちなみに,BMWのマシンであるBMW M1000も,カワサキと同様今年フルモデルチェンジを果たしています。MotoGPはメーカーごとにマシンへの規制が加わるということはありませんが,市販車をベースとしているSBKは,性能の均衡を図るため,メーカーごとにレブリミット(エンジン回転数の上限)が設けられています。今季は,フルモデルチェンジを果たしたカワサキのZX-10RRが14600回転,BMWのM1000RRが15500回転に設定されていて,他のマシンは昨シーズンから変更がなく,ヤマハのYZF-R1が14950回転,ドゥカティのパニガーレV4 Rが16100回転,ホンダのCBR1000RR-Rが15600回転となっています。もちろんシーズン中のリザルトによっては,変更が加わる可能性があります。
さて,フリー走行が行われた初日の結果ですが,総合トップタイムをマークしたのは,ヤマハのワークスであるPATA YamahaのT.ラズガットリオグルでした。総合2,3番手タイムは,それぞれGoEleven DucatiのC.デイビス,GRT YamahaのG.ガーロフでした。昨年のJRRチャンピオンで,今シーズンからSBKに戦いの場を移しているGRT Yamahaの野左根航汰は,FP1で14番手,FP2で15番手タイムでした。
2021/05/21(金)
☆ワンツー(F1)
○第5戦モナコGPが開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。この日のモナコは快晴となり,両セッション共に絶好のコンディションの中での走行となりました。ただ,市街地での走行となるモナコだけに,ガードレールに囲まれていて,一歩間違うとその餌食となることはこれまでと変わりありません。実際,F1のルーキードライバーはその餌食となっていて,その中の一人がアルファタウリ・ホンダの角田裕毅でした。午前中のFP1は9番手と好発進した角田でしたが,午後に行われたFP2では,開始およそ20分頃にプールシケイン2つ目の立ち上がりでリアがヒットしてストップしてしまいました。結局このセッションでは11周しか走行することができず20番手で終わり,他のサーキット以上に走行経験が必要なモナコだけに痛い初日となりました。同じくルーキーであるハースのM.シューマッハはセッション残り7分となったところでガードレールに接触したことが要因となってパーツを路面にまき散らしながらランオフエリアでマシンを止めました。これにより赤旗が提示されてセッションは中断となり,そのままセッション終了になってしまいました。最終盤の走行ができない状態で終わった初日ですが,その中で総合トップタイムをマークしたのは,自身にとって母国GPとなるフェラーリのC.ルクレールでした。C.サインツJrが2番手タイムをマークし,初日はフェラーリによるワンツーで終了しています。総合3番手タイムは,ここまで予想通りランクトップをひた走っているメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。レッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンは,初日総合4番手とこれまた好位置につけて初日を終えています。他のホンダ製PU勢ですが,アルファタウリ・ホンダのP.ガスリーは7番手,レッドブル・ホンダのS.ペレスは8番手と,クラッシュした角田以外はトップ10圏内での走行でした。
2021/05/20(木)
☆当分の間(F1)
○マクラーレンF1から発表があり,今季で契約が切れるL.ノリスとの契約延長が決まりました。その期間ですが,今回の発表では2022年からの「複数年」ということで,具体的な年数については明らかになっていません。マクラーレンとノリスとの契約は,2017年のテスト兼シミュレータードライバーから始まりました。。2018年には,FIA-F2にフル参戦しながらテスト&リザーブドライバーとして契約し,F1のフリー走行でマシンを駆る経験を積みました。そして,2019年からレギュラードライバーに昇格して現在に至っていて,合計5年間にわたってマクラーレンF1に関わっていることになります。元を正せばマクラーレンの育成出身でもありますから,まさにマクラーレンの申し子の一人とも言えます。当初はマクラーレンの戦闘力不足もあって思うような成績を収めることができませんでしたが,戦闘力が高まってきた昨シーズンには,開幕戦で自身初となる表彰台を獲得し,最終的にランク9位でシーズンを終えています。レギュラードライバー3年目となる今シーズンは,第2戦でも表彰台に登り,現段階で41ポイント獲得してランク4位につける活躍を見せています。今シーズンからノリスのチームメイトにD.リカルドが就任していますが,そのリカルドもチームと複数年の契約を結んでいますので,ノリス&リカルドのタッグが当分の間続くことになります。
2021/05/19(水)
☆出場権獲得(EWC)
○例年は「真夏の祭典」として開催される鈴鹿8耐ですが,コロナ禍によって今季は11月という秋の開催になっています。その8耐に出場するためには,EWCへフル参戦しているチームはその権利を有していますが,8耐だけに焦点を当てているチームについては,トライアウトに指定されているレースで好成績を収める必要があります。そのトライアウトに指定されている最初のレースは,先日SFとの併催で行われたJRRの2&4のレース1でした。その大会で権利を得ることができなかったチーム及びライダーのために,2回目のトライアウトレースが設定されていて,それが先週末に行われた鈴鹿サンデーレースの第2戦でした。例えば,ホンダ系最有力チームの1つで,8耐を制覇したMuSASHi RT HARC-PRO.Hondaは,2&4で転倒を喫してリタイアに終わってしまって権利を得ることができなかったため,急遽鈴鹿サンデーレースに参戦するという状態となったように,例え有力チームであっても背水の陣での参戦となっていました。そうした状況でのレースとなったこの大会ですが,決勝レース当日の日曜日は背水の陣のチームにとって苦難とも言える天候でした。ヘビーウェットの中での走行でしたから,ちょっとした加速やブレーキングのミスで転倒リタイアに終わる可能性が高まっていたのです。レース序盤からトップに立ったのは,ポールからスタートしたMuSASHi RT HARC-PRO.Hondaの名越哲平でした。ただ,急遽の参戦だったにもかかわらず最悪のコンディションでの走行でしたから,思うように後続との差を広げることができませんでした。そうした状況の中でペースアップを果たしたのは,8耐に2台体制で臨む予定のAKENOSPEED・YAMAHAでした。2&4では1台分の権利を得ていたのですが,もう1枠を今大会で得る必要があったのです。同チームの期待を担う井出翔太は,どんどん名越との差を縮めていき,4周目にトップに立ちました。2位に落ちた名越としては,通常であれば逆転目指して井出にアタックをかけるところなのでしょうが,スリッピーな路面の中で無理な走行をする訳にもいかず,ポジションキープで残りの周を走行していきました。結局井出は2位の名越に8秒以上の大差をつける独走で優勝を果たし,2枠目の権利を獲得しました。井出に差をつけられた名越でしたが,3位に入ったAKENOSPEED・YAMAHAの岡村光矩に2秒以上の差をつけて2位フィニッシュを果たし,岡村と名越は共に8耐参戦への権利をゲットしました。なお,今回も権利を得ることができなかったチームは,あと主催者推薦という機会が残っています。まあ,MuSASHi RT HARC-PRO.Hondaは,今大会で権利を得なくても,ほぼ間違いなく推薦枠で名前が挙がっていたでしょうけどね。
2021/05/18(火)
☆連戦に(MotoGP)
○ル・マン-ブガッティ・サーキットで行われた第5戦フランスGPは,不安定な天候の中ドゥカティ・レノボ・チームのJ.ミラーの優勝で終了しました。そのフランスGPが開幕した5月14日(金)にFIM(国際モーターサイクリズム連盟)が,今シーズンの新たなレースカレンダーの発表を行いました。それによると,当初7月9日(金)から第10戦として開催される予定だったフィンランドGPの開催を中止することになりました。もちろんこれはコロナ禍による渡航制限が原因です。昨シーズンから復活したフィンランドGPですが,2年続けて開催中止となってしまいました。新しく建設されたキュミリングでの開催だけに,期待が持たれた大会だけに何とも残念な中止となってしまいました。中止となるとその代替開催がどうなるのかが気になるところですが,今回の中止発表と同時に,その点についても発表がありました。それによると,フィンランドの次に第11戦としてレッドブル・リンクでオーストリアGPが開催される予定になっていますが,その前の周に同地でスティリアGPとして代替開催されることになりました。ということで,シーズン全体としては開催数19という点での変更はありません。
2021/05/17(月)
☆2戦連続(MotoGP)
○第5戦フランスGPの決勝レースが,時折激しい雨に見舞われたりする不安定な天候のル・マン-ブガッティ・サーキットで行われました。
MotoGPクラスは,レーススタート時はドライタイヤで走行できたものの,途中から雨が降り始めてウェットコンディションとなりました。そこでフラッグ・トゥ・フラッグというレース途中でマシンを乗り換えていいことが宣言されたことからどのライダーもピットロードに戻ってマシンを乗り換えていきました。そこで速さを見せたのが,今大会しばしばウェットで速さを見せていたレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスでした。乗り換え後にトップに立つと後続との差を広げて行き,1年以上ぶりの勝利に期待が持たれました。しかし,8周目に転倒を喫して順位を下げ,リスタートできましたが,後半に入って再び転倒してリタイアに終わっています。こうした不安定な状況で速さを見せるのがドゥカティ・レノボ・チームのJ.ミラーです。フラッグ・トゥ・フラッグでピットに入った際に速度違反を犯してしまってロングラップペナルティーを2回受ける状況となりましたが,そうしたハンディをものともせずトップを守り続け,最終的に4秒近い差をつけてトップでチェッカーを受け,前戦に続く連勝を飾っています。プラマック・レーシングのJ.ザルコとモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロとの間で繰り広げられたフランス人ライダー同士の2位争いは,ザルコが2位に浮上するとどんどんクアルタラロとの差を広げて行き,最終的に14秒以上の大差をつける独走でザルコが2位チェッカーを受けました。マルケスの転倒で一時は3位を走行して初表彰台に期待が持たれたLCRホンダ・イデミツの中上貴晶でしたが,レースウィークに入ってウェットでのセッティングに苦労していたことがレースでも表われ,徐々に順位を下げていって最終的に7位でのチェッカーとなっています。
Moto2クラスは,ポールからスタートしたR.フェルナンデスとランクトップを行くR.ガードナーというレッドブルKTMアジョ同士のトップ争いとなりました。はじめからトップを走行していたフェルナンデスに対し,徐々に順位を上げていったガードナーでしたので,タイヤのライフに限界が近付いていたこともあってフェルナンデスとの差が広がっていき,フェルナンデスが今季2勝目を挙げています。3位には,2位から3秒以上遅れてスカイ・レーシング・チームVR46のM.ベツェッキが入っています。6位争いを展開したイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,最終的に7位でチェッカーを受けています。
Moto3クラスは,10台が転倒するというサバイバルレースとなりました。そのような中,8番グリッドからスタートしたガビオタ・ガスガス・アスパー・チームのS.ガルシアが,リバコールド・スナイパーズ・チームのF.サラッチに2秒以上の差をつける独走でトップチェッカーを受け,一昨年の最終戦以来となる勝利を収めました。この優勝は,彼が駆るガスガスにとって初勝利となります。3位には,こちらも上位2人と同じく単独走行でボエ・オウルライドのR.ロッシが入っています。日本人ライダー勢では,前後とは大きく離れた単独走行となったレッドブルKTMテック3の佐々木歩夢が5位でチェッカーを受け,ランク6位に浮上しています。他の日本人ライダーは振るわず,カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖が12位に入ってポイントを獲得できたものの,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡は21位でノーポイントに終わっています。また,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生とワイルドカード参戦の松下拓磨のホンダマシン勢は,転倒リタイアに終わっています。

☆初優勝(SF)
○第3戦の決勝レースが,我が大分県にあるオートポリスで行われました。史上2番目の早さで梅雨入りした大分県地方ですが,それを象徴するかのように,前日の予選も含めて不安定な天候となりました。山の中にあることもあって天候の影響を元々受けやすいオートポリスだけに,この日も雨と霧に悩まされる状況となりました。そのため,午前中はほぼ走行できず,レーススケジュールが大幅に変更となりました。それでも何とか決勝レースは始まり,ポールからスタートしたKuo VANTELIN TEAM TOM’SのG.アレジは順調にトップの座を守りました。しかし,他のドライバーには次々にアクシデントが発生し,セーフティカー先導する状況となりました。リスタート後にも雨に足元をすくわれてアクシデントは続き,11周目に激しい雨に見舞われて13周目に入ったところで赤旗が提示されてレースは中断となりました。再開時間が近づいていきましたが,オートポリス名物(?)ともいえる霧が出て走行不能な状態となり,12周終了段階の順位でレース終了となりました。この結果,ポールからスタートしたアレジの優勝となり,もちろん彼にとって嬉しい初優勝となりました。代役参戦の彼ですから,これ以上はない結果をチームにもたらしています。2位にP.MU/CERUMO・INGINGの坂口晴南が入り,"アレジ"と"セナ"という古くからのレースファンにとっては何とも懐かしい名前のワンツーとなっています。3位にB-Max Racing Teamの松下信治が入り,彼にとってSF復帰初戦で表彰台獲得となりました。
2021/05/16(日)
☆連続(MotoGP)
○第5戦フランスGPの予選が,ドライになったりウェットになったりといった難しいコンディションとなったル・マン-ブガッティ・サーキットで行われました。
MotoGPクラスは,終盤に入って今季不調なホンダ勢が3位までを占めるという状態となりましたが,やはりヤマハやドゥカティ勢の速さがそれを上回り,ラストアタックでウィークに入っても好調な走りを見せていたモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロが最速タイムをマークし,母国GPで2年連続となるポールを獲得しました。2番手タイムをM.ビニャーレスがマークし,ヤマハワークズであるモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのワンツーとなりました。そして,3番手タイムを前戦の勝者であるドゥカティ・レノボ・チームのJ.ミラーがマークし,結局5番グリッドまでをヤマハとドゥカティ勢が占めるという結果となっています。復帰3戦目となるレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,一時トップに立つ速さを見せ,最終的にホンダ勢最高位となる6番グリッドを獲得しています。そのマルケスに続く7番グリッドは,LCRホンダ・イデミツの中上貴晶が獲得しています。
Moto2クラスは,前日のフリー走行でフェルナンデス兄弟が速さを見せましたが,予選は弟であるレッドブルKTMアジョのR.フェルナンデスがこのクラスで自身初となるポールを獲得しました。2番手は,今季自己最高位を獲得したスカイ・レーシング・チームVR46のM.ベツェッキでした。フリー走行では振るわなかったイタルトランス・レーシング・チームのJ.ロバーツが3番手タイムをマークし,今季自身初となるフロントローを獲得しています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,前日の走行から上位に顔を出すことができていませんでしたが,この日もトップ10圏内が厳しく,転倒を喫したこともあって16番グリッド獲得にとどまっています。
Moto3クラスは,予選が始まってコースの一部で雨が降ったため,ドライとウェットのどちらのタイヤを選択するか難しい状況となりました。そのような中,リバコールド・スナイパーズ・チームのA.ミーニョは最初からスリックタイヤを選択して走行を続け,これが彼にとって大正解となって今季2回目となるポールを獲得しました。2,3番グリッドは,それぞれボエ・オウルライドのR.ロッシ,レッドブルKTMアジョのJ.マシアが獲得しました。ロッシにとってのフロントローは,自身初となります。フル参戦日本人ライダー勢では,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が9番手に入ってトップ10圏内で予選を終えています。カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖が12番手,レッドブルKTMテック3の佐々木歩夢が15番手,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が19番手,ホンダ・チームアジアの國井勇輝は23番手,ワイルドカードでホンダ・チーム・チームアジアから参戦している松山拓磨は25番手で予選を終えています。なお,23番手の國井勇輝は,Q1で転倒を喫してしまい,その際左鎖骨を骨折してしまったため,以後の走行をキャンセルすることになりました。次戦は2週間後ですので,そこまでにはある程度回復しているといいですね。

☆初ポール(SF)
○第3戦の予選が,我が大分県にあるオートポリスで行われました。この日の大分県地方は,例年に比べるとかなり早く梅雨入りし,時折激しい雨に見舞われる生憎のコンディションとなりました。通常の予選は,Q1から順に下位のドライバーから落ちていくノックアウト方式で行われますが,天候の悪化が懸念されるため,40分間の計時方式に変更となりました。このような状況の中でトップタイムをマークしたのは,昨シーズンをもってフェラーリの育成ドライバーから卒業し,今季から戦いの場を日本に移しているKuo VANTELIN TEAM TOM’SのG.アレジでした。今季のアレジは,TOM'Sに所属してSFライツにフル参戦(ちなみに併催で昨日行われた第7戦のレースでは,2位表彰台を獲得しています。)しています。彼が今回SFで座っているシートは,本来ですと中嶋一貴のものなのですが,その中嶋はWEC(世界耐久選手権)のスパ6時間レースに参戦したことで隔離期間に入っているために出場できず,前戦と同じくアレジがその代役を務めています。オートポリス初走行,そしてSF2戦目という不利な条件があるアレジですが,さらに加えてウェットということをものともせず,何とトップタイムをマークして自身初のポール獲得となりました。元F1ドライバーであるジャン・アレジの息子とは言え,ただそれだけではないポテンシャルの高さを見せつける結果を収めています。2番手タイムを宮田莉朋がマークし,今回の予選はKuo VANTELIN TEAM TOM’S勢のワンツーとなりました。3番手タイムは,名前の由来がA.セナであるP.MU/CERUMO・INGINGの坂口晴南がマークしています。今回の予選は,トップ3だけでなく,同じトヨタエンジンユーザーであるcarenex TEAM IMPULの平川亮が6番手タイムをマークし,3列目までをトヨタ勢が独占するという結果となっています。なお,昨シーズン後に煩った病気の影響から欠場が続いていたDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの牧野任祐ですが,先日のSGTに続いて今回からSFにも復帰していて,ホンダ勢としては2番手,全体としては8番手で予選を終えています。
2021/05/15(土)
☆母国GPで(MotoGP)
○第5戦フランスGPがル・マンにあるブガッティ・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。この日のル・マンは時折雨が降る生憎の天候となり,午前中はウェットで,午後は所々ウェットパッチが残ってはいたものの,ドライコンディションでの走行となりました。
MotoGPクラスは,ここが母国GPとなるプラマック・レーシングのJ.ザルコが総合トップタイムをマークしました。ザルコにとっては,自身初となる初日総合トップです。さらに,モンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロが2番手タイムをマークし,初日はここが母国GPとなるライダーによるワンツーとなりました。総合3番手タイムはクアルタラロのチームメイトであるM.ビニャーレスがマークしていて,今季好調なドゥカティとヤマハ勢がトップ3を占めています。それに対して,今季ここまで余りいい成績が出ていないホンダ勢ですが,総合4番手タイムをレプソル・ホンダ・チームのP.エスパルガロがマークしています。同じくホンダの今季型マシンを駆っているLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,総合10番手で初日を終えています。
Moto2クラスは,エルフ・マークVDSレーシング・チームのS.ロウズが総合トップタイムをマークしていて,これは第1戦と第4戦に次ぐ自身今季3度目となる初日総合トップとなります。総合2番手をレッドブルKTMアジョのR.フェルナンデスが,総合3番手タイムをエルフ・マークVDSレーシング・チームのA.フェルナンデスがマークし,兄弟で初日に好成績を収めています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,総合18番手と,やや出遅れた初日となりました。
Moto3クラスは,インドネシアン・レーシング・グレシーニMoto3のG.ロドリゴがトップタイムをマークし,3戦連続して初日総合トップとなりました。総合2,3番手タイムは,それぞれペトロナス・スプリンタ・レーシングのD.ビンダー,レッドブルKTMアジョのJ.マシアとなっています。日本人ライダー勢では,カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖の総合8番手が最高位で,レッドブルKTMテック3の佐々木歩夢が総合10番手につけています。他のフル参戦日本人ライダー勢はやや振るわず,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が22番手,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝が23番手,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が24番手でした。今回がワイルドカード参戦となるホンダ・チーム・アジアの松山拓磨は,総合26番手で初日デビューを果たしています。
2021/05/14(金)
☆雨のため(MotoGP)
○昨シーズン限りでドゥカティのワークスライダーに終止符を打つことになったA.ドビツィオーゾは,最終的に今シーズンのシートを失い,来季からの復帰を目指していわゆる浪人生活を送っています。そのドビツィオーゾに対して,今季唯一コンセッションの権利を有しているアプリリアからテスト走行を依頼し,まず4月12日(月)から3日間にわたってスペインGPの会場であるヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトで最初のテストを行いました。当初テスト走行は1回だけという話でしたが,さらにテストを行うということになり,2回目の走行を5月11日(火)から2日間にわたってムジェロ・サーキットで実施しました。この時は生憎の天候となり,両日共にヘビーウェットでの走行を強いられました。ただ,ウェット走行でのデータは取れたようです。とはいえ,当然マシン開発という点では,試すことができなかったパーツやメニューもあったことでしょうから,さらなるテスト走行が必要になったことは間違いないでしょう。特に今シーズンのアプリリアは,現段階でこれまでのシーズンの中では最も好成績を収めていて,ドビツィオーゾとのコラボも含め,いい効果が表われているようです。そうしたことから,6月に3回目のテストを行うかどうか検討に入ったようです。恐らくコメントから考えて手応えを感じていることが十分考えられるドビツィオーゾも,その検討を前向きに捉えていることでしょう。果たしてどのような結果が出るのか,今シーズンのさらなる活躍に直結するだけに結果が気になるところです。
2021/05/13(木)
☆移籍(ダカール・ラリー)
○来季のダカール・ラリーは,サウジアラビアで開催し,1月2日に開幕,1月14日に最終日を迎えることになっています。これまでの巻紙式のロードマップではなく,今年の大会は電子式のロードマップを使用しましたが,来季も今年と同じ方式を採用します。そして,新たな試みとして,来季から化石燃料に代わる代替エネルギーを動力源とする車両で争われるT1-Eカテゴリーが新設されます。ただ,さすがにこのクラスに出場するメーカーはほぼなく,現段階ではアウディが電動SUVプロトタイプカーで参戦します。
そうした来年の大会について発表がありましたが,2輪で今年優勝したホンダ・レーシング(HRC)から5月10日(月)に発表があり,2020年の大会においてハスクバーナのマシンを駆って2位でゴールした経歴を持つチリ人ライダーのP.キンタニーラと契約が成立しました。今年のダカール・ラリーは,K.ベナバイズが勝利し,HRCが昨年に続いて連覇を成し遂げました。ところが,そのベナバイズが先月発表し,HRCから離脱することになりました。エース格を失ったHRCとしては,その代わりとしてダカール・ラリーを主軸としたFIMクロスカントリーラリーで2度の世界タイトルを獲得しているベナバイズとの契約を成立させています。
2021/05/12(水)
☆開催延期(SGT)
○現在の日本は,大阪を中心にして,大都市圏はもちろん,地方においてもコロナの感染が拡大している状況にあります。そのような中,SGTを運営しているGTアソシエーション(GTA)と鈴鹿サーキットを運営している株式会社モビリティランドから発表があり,今月の最終週末に鈴鹿サーキットで行われる予定になっている第3戦『FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT300km RACE』の開催を延期することになりました。代替日程については,今後発表されることになります。GTAからの発表によると,今回の決定は開催地である鈴鹿市が「まん延防止等重点措置」の適用を受けたことによるもののようです。この措置では,観客上限数が5000人以内であればイベントの開催が可能です。しかし,サーキット周辺地域の医療従事者や地域住民の日常生活を最優先するという考えから,今回の大会延期を決定したようです。代替開催をいつにするかは,感染状況や病床の逼迫状況等を考慮しながら決定していき,場合によっては無観客開催や開催地の変更というような対応も視野に入れているとのことでです。とても残念なことではありますが,状況を考えた素早い対応は素晴らしいことではないでしょうか。
2021/05/11(火)
☆ワイルドカード参戦(MotoGP)
○MotoGPを運営しているドルナスポーツが,アジア&オセアニア地域とイギリスの若手ライダーたちの中で才能ある若手の発掘と育成を目的に開催しているのが『アジア・タレント・カップ』と『ブリティッシュ・タレント・カップ』です。さらに,その出身者で結成しているのが『ジュニア・タレント・チーム』で,『Moto3ジュニア世界選手権』などに参戦しています。そのジュニア・タレント・チームから発表があり,今週末にル・マンで行われる予定の第5戦フランスGPに,同チームからMoto3ジュニア選手権に参戦している松山拓磨をMoto3クラスにワイルドカード参戦させることになりました。ワイルドカード参戦する際には,既にフル参戦しているチームからのみ出場が可能と今季から決められていますので,同チーム出身者を起用している『ホンダ・チーム・アジア』からの参戦となります。ホンダ・チーム・アジアとしては,小椋藍と國井勇輝に次ぐ3人目のジュニア・タレント・チームからのワイルドカード参戦となります。
2021/05/10(月)
☆ピット戦略(F1)
○第4戦スペインGPの決勝レースが,雲に覆われたバルセロナにあるカタルニア・サーキットで行われました。この日のバルセロナは,不安定な天候になっていて,決勝レースが始まる前に少し雨が落ちてくる天候となりました。しかし,路面を濡らすほどの雨ではなくてすぐに止み,最後までドライコンディションでの走行となりました。好スタートを切ったのは,2番グリッドからスタートしたレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンでした。ポールスタートしたメルセデスAMGのL.ハミルトンはやや出遅れたものの,何とか2位のポジションを走行しました。2人の戦いはずっと続いていき,決着を見た大きな要因はピット戦略でした。2番手を行くハミルトンは2回ピット,トップのフェルスタッペンは1回のピット作戦を採ったのです。そして,今回のレースで正解だったのは2回のピットインで,レース終盤の60周目にストレートでハミルトンがフェルスタッペンを抜いてトップに立つと,差を広げて行きました。ハミルトンに抜かれたフェルスタッペンは,追撃するのを諦め,3位を走行しているメルセデスAMGのV.ボッタスとの差がかなりあったことから急遽ピットインをしてタイヤを交換。これは,ハミルトンを追撃するためのものでなく,レース中の最速タイムを刻んだドライバーに与えられる1ポイントを獲得するための戦略でした。これについては作戦が成功し,フェルスタッペンが今回の最速タイムドライバーとなりました。結局ハミルトン,フェルスタッペン,ボッタスの順位は最後まで変わらず,ハミルトンが100回目のポールからスタートしたレースをポールトゥーウィンで飾っています。レッドブル・ホンダのS.ペレスは,単独走行を続けていき,5位でチェッカーを受けています。アルファタウリ・ホンダ勢は,P.ガスリーがスタート時にスタート位置がずれていたことから5秒加算にペナルティが科されたため,18周目にピットインして5秒間マシンを止めてペナルティを消化しました。その後は順位を回復していき,最終的にポイント圏内の10位でチェッカーを受けました。それに対してルーキーの角田裕毅は,スタートでやや出遅れて順位をいったん下げたものの,その後ポジションをアップ。その後のポジションアップを期待しましたが,7周目のターン10でマシンが突然スローダウンしてマシンがストップし,セーフティカーが導入される原因となりました。燃料系のトラブルが要因だったようで,角田はこの段階でリタイアに終わっています。
2021/05/09(日)
☆通算100回目(F1)
○第4戦スペインGPの予選が,好天に恵まれたカタルニア・サーキットで行われました。Q3の1回目のアタックでトップタイムをマークしたのは,これまで通算99回のポールを獲得しているメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。このタイムを目標に残り3分を過ぎたところでどのドライバーも最後のアタックを開始しました。ところが,ハミルトン自身も含めて1回目のハミルトンのタイムを誰も更新することができず,最初のタイムでハミルトンが自身通算100回目となるポールを獲得しました。ハミルトンと共にレースウィークに入って好調な走りを見せているレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンは,ハミルトンには1000分の36秒遅れはとったものの,2番グリッドを獲得して予選を終えています。前戦でポールだったメルセデスAMGのV.ボッタスは,上位2人と同じ1分16秒台で3番グリッドを獲得しています。レッドブル・ホンダのS.ペレスは,Q3まで進出して8番グリッド獲得となっています。アルファタウリ・ホンダ勢は振るわず,P.ガスリーはQ2で敗退となって12番グリッド,角田裕毅はQ1で敗退となって16番グリッド獲得で予選を終えています。
2021/05/08(土)
☆ワンツー(F1)
○2週連続開催となるF1ですが,その2つ目のレースとなる第4戦スペインGPがカタルニア・サーキットで行われ,初日は2回のフリー走行が行われました。この日の最速タイムを刻んだのは,前戦の勝者であるメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。フリー走行1では3番手と彼にしてはやや出遅れたハミルトンですが,午後からの走行できっちりとトップタイムをマークしています。前戦でポールを獲得したV.ボッタスが2番手タイムをマークし,初日は総合でメルセデスAMG勢のワンツーとなっています。総合3番手タイムは,フェラーリのC.ルクレールでした。いつもですと少なくともトップ3に食い込むレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンですが,午前の走行こそ2番手タイムでしたが,タイムアップを図る2回目は9番手で終えています。チームメイトのS.ペレスは,フェルスタッペンに次ぐ10番手で初日を終えています。やや順位を下げたレッドブル・ホンダに対し,アルファタウリ・ホンダ勢は2回目でタイムアップを果たし,P.ガスリーが6番手,角田裕毅が7番手と好位置につけて初日を終えました。
2021/05/07(金)
☆着々と(F1)
○今シーズン限りでF1から撤退するホンダですが,そのメインユーザーであるレッドブルF1は,来季からホンダ製パワーユニット(PU)をベースにしたものを独自に開発していくことになっています。これは,2025年からは新しいレギュレーションに則ったものが採用されることになっていますが,それまでは現行のものを継続して搭載されることになっていることから可能となっていることです。資金的には潤沢なものがあるレッドブルですが,ホンダ製というベースがあるPUではあるものの,独自に開発するとなると当然その分環境を整える必要性があります。ましてや,2025年からどのPUを搭載するか決まっていないレッドブルですから,それにも対応する必要があります。幸いなことに,撤退するホンダからは,PUの技術的部分だけでなく,技術者についてもレッドブルとして継続採用することにもなっています。とはいえ,それは当然部分的な範囲でしかありません。こうしたことから,2025年も含めた来季以降に向けて環境をどんどん整えているようです。その中に1つが人員に関してで,先日メルセデスAMGでエンジニアリング・ディレクターを務めていたB.ホジキンソンをテクニカルディレクターとして採用していました。さらに,この度レッドブルF1から発表があり,ホジキンソンだけでなく,同じくメルセデスAMGから5人の技術者を採用することになり,着々と体制固めをしていっています。メルセデスAMGといえば,現行PUになってから無敵の強さを誇っているチームです。今回のいわゆる「引き抜き」は,レッドブルにとって最強であるメルセデスのDNAを取り入れることになりますし,逆にメルセデスの力を弱めることに繋がる可能性もある事だと考えられます。もちろん,技術者にとっては,新たなチャレンジをすることができる訳で,やりがいという面では十分理解できることではありますね。
2021/05/06(木)
☆テストでは(MotoGP)
○週末にヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトで行なわれた第4戦スペインGPにおけるMotoGPクラスは,ドゥカティ・レノボ・チームのJ.ミラーの今季初優勝で終了しました。そのMotoGPクラスのライダーやチームのほとんどはそのままヘレスに留まり,5月3日(月)に行われたオフィシャルテストに臨みました。このテストには,今季これからのレースに備えたテストや,来季に向けたテストが行われた模様です。そのような中で総合トップタイムをマークしたのは,決勝レースを7位で終えたモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスでした。しかも彼が走行した周回数は他のライダーを圧倒していて,唯一100周を越えた101周でした。2,3番手タイムをチーム・スズキ・エクスター勢が占めていて,2番手が完走扱いとなって20番手だったA.リンス,3番手がレースを中上貴晶に次ぐ5番手で終えたJ.ミルでした。そのLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,71周を走行してレースと同じく4番手でテストを終えています。なお,トップを走りながらも右手の腕上がりに苦しめられて13位でレースを終えたモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロは,今回のテストに参加せず,テスト翌日に母国フランスのマルセイユ市内にある病院で右前腕の腕上がり症状を解消するための手術を受けました。また,昨シーズンを怪我で棒に振ってしまってようやく3戦目に復帰したレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,テストに参加したものの,十分な走行ができないことからわずか7周しただけでテストを終えています。
2021/05/05(水)
☆波乱&僅差(SGT)
○第2戦の決勝レースが,好天に恵まれた富士スピードウェイで行われました。今回の大会は,『たかのこのホテル FUJI GT 500km RACE』として開催されていて,長丁場のレースとなっています。それだけに,トップ争いが波乱の状況となりました。
レース途中3回のフルコースイエロー(FCY)が出される波乱の展開となる中,終盤に入ってからのGT500クラスは,3台によるトップ争いに持ち込まれました。トップを走るのは野尻智紀&福住仁嶺組のARTA NSX-GT,2番手が関口雄飛&坪井翔組のau TOM’S GR Supra,3番手が塚越広大&B.バゲット組のAstemo NSX-GTという体勢で,1秒ほどの差を互いにつけて走行していました。そのような中で3度目のFCYが解除されると,2位につけていたauが突然のスローダウンしてストップしてしまいました。さらに,FCYで追い抜き禁止の状況の中でARTAが周回遅れを追い越してしまったようで,ドライブスルーペナルティーが科されてしまいました。トップに立ったAstemoですが,最終盤になってその後ろに3台のマシンが徐々に差を詰めてきて,最後までどこが優勝するか分からない状況となりました。4台によるバトルとなりましたが,Astemoが大嶋和也&山下健太組のENEOS X PRIME GR Supraを最終的にコンマ831秒離してトップでチェッカーを受けました。同チームの優勝は,昨年の第4戦以来となります。3位には平川亮&阪口晴南組のKeePer TOM’S GR Supra,4位には山本尚貴&武藤英紀&牧野任祐組のSTANLEY NSX-GTが入りました。ちなみに,500q走ってトップと4位との差はおよそ1秒5ほどという僅差でした。
GT300クラスは,終盤に入って吉田広樹&川合孝汰組の埼玉トヨペットGB GR Supra GTがトップ,2位に吉本大樹&河野駿佑組のSYNTIUM LMcorsa GR Supra GT,3位に井口卓人&山内英輝組のSUBARU BRZ R&D SPORTという体勢となり,表彰台はこの3台に絞られるかと思われました。ところが,トップの埼玉トヨペットに駆動系のトラブルが発生してしまってスローダウンし,そのままピットに入りました。トップ争いに2台に高木真一&佐藤蓮組のARTA NSX GT3が近付いて新たな3台によるトップ争いが最後まで展開されていきました。そして,最後までそれぞれの順位は変化なく,LMcorsaが2位のBRZにコンマ7秒差をつけて優勝を飾りました。3位に入ったARTAは,トップとおよそ1秒3ほどで,GT500クラスと同様トップ3は僅差での決着となっています。
2021/05/04(火)
☆初ポール(SGT)
○コロナ禍の影響で大幅にレースカレンダーが変更となった昨シーズンを除き,近年のSGTは,ゴールデンウィーク中通常の土日開催ではないスケジュールでの開催となっています。そのSGTの第2戦が富士スピードウェイで開幕し,昨日は予選が行われました。
GT500クラスは,残り1分を切ったところでどのマシンもタイムアタックを敢行し,その中で国本雄資&宮田莉朋組のWedsSport ADVAN GR Supraが1分46秒台に入る最速タイムを刻みました。そのタイムを目標に他のマシンもアタックを続行しましたが,ほとんどのマシンは46秒台を切ることができずに予選を終えました。そのような中,野尻智紀&福住仁嶺組のARTA NSX-GTが速いタイムを刻んでいき,どちらがポールとなるか注目となりましたが,わずか1000分の3秒遅れでタイムを更新することができず,タイムアタックを担当した宮田にとって,自身初となるポールを獲得しました。3番手タイムは,立川祐路&石浦宏明組のZENT CERUMO GR Supraでした。ちなみに,トヨタのお膝元である富士での開催ですが,トップ6中ARTAを除く5台をトヨタのR Supra勢が占めています。
GT300クラスは,今シーズンから新型のBRZを投入している井口卓人&山内英輝組のSUBARU BRZ R&D SPORTがトップタイムをマークし,新型のBRZにとっては初のポールをもたらしました。GT500クラスとダブルでポールを目指した高木真一&佐藤蓮組のARTA NSX GT3でしたが,BRZのタイムを更新することはできずに2番手タイムでチェッカーとなっています。3番グリッドは,吉本大樹&河野駿佑組のSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTでした。
2021/05/03(月)
☆5年&15年ぶり(MotoGP)
○第4戦スペインGPの決勝レースが,好天に恵まれたヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトで行われました。
MotoGPクラスは,ポールからスタートしたモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロが,4周目にトップに立つと単独走行に持ち込み,前戦に続く連勝を飾る可能性を感じさせていました。ところが,突然ペースが落ち始め,どんどん順位を下げていきました。クアルタラロの脱落により,2位を走行していたドゥカティ・レノボ・チームのJ.ミラーがトップに立ち,今度は彼が単独走行となりました。終盤に入って2位に浮上したチームメイトのF.バグナイアが迫っていきましたが,再び彼との差を広げて行き,最終的に2秒近い差をつける独走で今季初優勝を飾りました。ミラーの優勝は,2016年の6月に行われた第8戦TTアッセン以来5年ぶりとなります。この時のレースはウェットコンディションの中でのもので,ドライの中では初勝利となります。このサーキットはどちらかというとドゥカティに不利だと言われていましたし,実際なかなかドゥカティ勢が勝利を収めることができていませんでした。ドゥカティがヘレスで勝利を収めたのは,2006年のL.カピロッシ以来15年ぶりとなります。このサーキットを得意とするLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,5番グリッドからスタートし,最終的にグリッドより1つ順位を上げた4位でチェッカーを受けました。この順位は,彼にとって自己最高位タイとなります。
Moto2クラスは,2番グリッドからスタートしたフェデラル・オイル・グレシーニMoto2のF.ディ.ジャンアントニオが,トップに立つとレースの主導権を握り,最終的に2位に入ったスカイ・レーシング・チームVR46のM.ベツェッキに1秒7の差をつける独走でトップチェッカーを受け,彼にとってこのクラスでの初優勝を飾っています。3位には,開幕から連勝を飾ったエルフ・マークVDSレーシング・チームのS.ロウズが入っています。9番グリッドからスタートしたイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,3台による6位争いとなり,最終的に7位でチェカーを受けています。代役参戦となっているNTS RWレーシングGPの羽田太河は,最後尾からスタートして22位でゴールしています。
Moto3クラスは,ポールからスタートしたSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生でしたが,トップ争いをしていた13周目に転倒を喫してリタイアに終わっています。それに対して,ここまで連勝を飾っているレッドブルKTMアジョのP.アコスタは,13番グリッドからスタートして順位を上げていってトップ争いに加わり,最終的に2位に入ったステリルガルダ・マックス・レーシング・チームのR.フェナティにコンマ4秒の差をつけてトップでチェッカーを受けました。これで3連勝を飾ると共に,今年がルーキーイヤーとなる彼ですが,史上初となる開幕からルーキーライダーが4戦連続表彰台を獲得するという快挙を成し遂げています。3位には,2度のロングラップペナルティーを乗り越えてインドネシアン・レーシング・グレシーニMoto3のJ.アルコバが入っています。日本人ライダー勢では,レッドブルKTMテック3の佐々木歩夢が,トップからおよそ1秒遅れで5位に入って日本人最上位につけました。他のフル参戦日本人ライダー勢は,カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖が,こちらもロングラップペナルティーを受けながらも10位でチェッカーを受け,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝が14位に入ってポイントを獲得しています。CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡は,こちらもロングラップペナルティーを受け,ポイント獲得まであと一歩の16位でゴールしています。

☆棲み分けて(F1)
○第3戦ポルトガルGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったポルティマオ・サーキットで行われました。メルセデスAMG勢がフロントローを独占してスタートし,その2人は順調にトップ2を走行しました。その後ろにつけていたのが,前戦の勝者であるレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンでした。序盤にアクシデントが発生してセーフティカーが導入され,それが開けた7周目にフェルスタッペンがアクションを起こしてハミルトンをパスして2位に浮上しました。しかし,そのフェルスタッペンのマシンに不調があったり,メルセデスAMG勢を苦しめるほどの速さもなく,11周目に再びハミルトンがフェルスタッペンの前に出ました。さらに,20周目になってトップを行くチームメイトのV.ボッタスをも抜いてトップに立つと,後は2位争いが激しくなってペースが落ちたこともあってトップを独走し,30秒弱の差をつけて今季2勝目を挙げました。2台で繰り広げられた2位争いは,フェルスタッペンが最終的に4秒ほどの差をつける単独走行で2位に入りました。4番グリッドからスタートしたレッドブルのS.ペレスは,こちらも単独走行で4位に入り,トップ4をメルセデスAMGとレッドブル・ホンダが2台ずつ棲み分ける結果となりました。アルファタウリ・ホンダ勢ですが,P.ガスリーは10位でフィニッシュしてポイントを獲得しました。14番グリッドからスタートした角田裕毅は,序盤に16位まで順位を下げましたが,その後15位までは順位を回復したものの,後は順位の入替えがあることなく周回遅れの15位でチェッカーを受けています。
2021/05/02(日)
☆相性(MotoGP)
○第4戦スペインGPの予選が,ドライコンディションとなったヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトで行われました。
MotoGPクラスは,2戦連続して勝利を収めているモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロが最速タイムを刻んでポールを獲得しました。彼がこのサーキットでポールを獲得するのは,一昨年と2回大会が開かれた昨年に引き続いて4回連続となり,このサーキットとの相性のよさを見せました。Q1を突破してQ2に進出したペトロナス・ヤマハSRTのF.モルビデリが,クアルタラロからわずか1000分の57秒差で2番グリッドを獲得しています。さらに,そのモルビデリから1000分の48秒差で,ドゥカティ・レノボ・チームのJ.ミラーが3番グリッド獲得となっています。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,Q2前半のアタックで3番手タイムとなっていましたが,後半のアタックでタイムアップを果たせず,惜しくも5番グリッド獲得となりました。ただ,このサーキットとの相性がよい中上にとって,この5番グリッド獲得は今季自己最高位です。また,ホンダ勢の中での最上位グリッドでもあります。
Moto2クラスは,レッドブルKTMアジョのR.ガードナーがレコードタイムを更新する走りを見せ,今季初ポールを獲得しています。そのガードナーから1000分の71秒差でフェデラル・オイル・グレシーニMoto2のF.ディ.ジャンアントニオが2番手タイムをマークし,今季初のフロントローを獲得しています。さらに,そのアントニオからわずか1000分の15秒差という僅差で,スカイ・レーシング・チームVR46のM.ベツェッキが3番グリッドとなりました。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は9番グリッドを獲得し,トップ10圏内での予選となりました。
Moto3クラスは,昨シーズンこのサーキットで行われた2つの大会でポールを獲得しているSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が,今回もポールを獲得して3戦連続ポールとなり,このサーキットとの相性のよさを見せました。インドネシアン・レーシング・グレシーニMoto3のJ.アルコバが2番手タイムをマークし,自己最高位タイの2番グリッド獲得となりました。そのアルコバからわずか1000分の75秒差で,リバコールド・スナイパーズ・チームのA.ミーニョが3番グリッドとなっています。他のフル参戦日本人ライダー勢ですが,今季好調な走りを見せ始めているレッドブルKTMテック3の佐々木歩夢が8番グリッドを獲得し,ポールの鈴木と2人がトップ10圏内となっています。ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝は18番手,カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖が19番手,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が26番手でした。

☆今季初
○第3戦ポルトガルGPの予選が,今回で2回目のF1開催となるアルガルベ・サーキットで行われました。これまでと比べると今季は圧倒的な強さと速さを見せることができていないメルセデスAMG勢ですが,今回の予選では昨年までの状況を生み出し,V.ボッタスがポール,わずか1000分の7秒差でL.ハミルトンが2番手タイムをマークし,今季初のフロントロー独占となりました。前戦の勝者であるM.フェルスタッペンが3番手,そのチームメイトのS.ペレスが4番手タイムをマークし,レッドブル・ホンダ勢がセカンドローを独占しています。アルファタウリ・ホンダ勢は,P.ガスリーがQ3まで進出して9番グリッド,角田裕毅がQ2で敗退して14番グリッドとなっています。
2021/05/01(土)
☆2戦連続&ワークス参戦(MotoGP)
○第4戦スペインGPがヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。
MotoGPクラスは,ドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが今季3度目のトップタイムをマークし,前戦に続いて初日総合トップに立ちました。2戦連続して勝利を収めているモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロが2番タイムをマークし,好調ぶりが続いているところを見せています。3番手タイムは,こちらも今季好調なアプリリアレーシング・チームのA.エスパルガロでした。なお,開幕前に発表があり,既に他メーカーは契約が成立していますが,ようやくアプリリアも来季以降5年間のフル参戦契約が結ばれました。また,その発表と合わせて,現在はチーム・グレシーニと提携してフル参戦していますが,今季限りでこの提携を解消し,来季からはワークスチームを立ち上げてアプリリアはフル参戦することも明らかにされています。なお,来季からインディペンデント・チームとしてフル参戦を継続するチーム・グレシーニですが,どのメーカーのマシンを駆るかはまだ発表がありません。噂としては,まだインディペンデント・チームを擁していないスズキと提携するのではないかといわれています。前戦で転倒を喫して鎖骨周辺を痛めてしまったLCRホンダ・イデミツの中上貴晶ですが,結構体調が戻ってきているとのことで,初日は6番手タイムで終了しています。
Moto2クラスは,今季ここまで3戦連続してポールシッターとなっているエルフ・マークVDSレーシング・チームのS.ロウズがトップタイムをマークし,開幕戦以来の初日総合トップに立ちました。初日総合2番手タイムは,午前中に行われたフリー走行1ではトップタイムだったレッドブルKTMアジョのR.ガードナーでした。総合3番手タイムは,ペトロナス・スプリンタ・レーシングのJ.ディクソンでした。前戦は上位に顔を出していたイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,初日はあまりタイムが上がらず,19番手で初日を終えています。開幕戦での負傷により欠場が続いているB.バルトゥスの代役として今大会にNTS RWレーシングGPから参戦している羽田太河は,最下位である31番手で初日を終えています。
Moto3クラスは,インドネシアン・レーシング・グレシーニMoto3のG.ロドリゴがトップタイムをマークし,2戦連続して初日総合トップに立ちました。フリー走行1でトップタイムだったアビンティア・エスポンソラマMoto3のN.アントネッリは,転倒を喫したこともあって初日は総合2番手タイムで終えています。総合3番手タイムは,ステリルガルダ・マックス・レーシング・チームのR.フェナティでした。フル参戦日本人ライダー勢は,カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖が6番手タイムをマークし,唯一トップ10圏内でした。他のフル参戦日本人ライダー勢ですが,今季好調な走りを見せてきているレッドブルKTMテック3の佐々木歩夢が11番手,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生は転倒を喫したこともあって14番手,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝は21番手,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡も転倒を喫してしまって24番手で初日を終えています。
 

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