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最新ニュース

2021/09/30(木)
☆ほぼ勢揃い&ご協力を(SF)
○昨日SFを運営するJRP(日本レースプロモーション)から発表があり,今季KONDO RACINGからフル参戦する予定だったS.フェネストラズにビザが下り,日本への入国が可能になりました。今回の話題の主であるフェネストラズは,2018年シーズンまでルノーの育成ドライバーとしてヨーロッパを中心にして活躍後,2019年から戦いの場を日本に移し,その年は来日初年度にもかかわらず全日本F3で見事チャンピオンに輝きました。その活躍が認められて2020年には早くもSFやSGTへステップアップし,SFではランク13位で,SGTは関口雄飛と組んでランク4位に輝き,今シーズンの活躍が期待されていました。ところが,フォーミュラEのテストドライバーを務めていることがあってシーズン前に日本を離れると,その後新型コロナウイルスの感染爆発により入国制限がなされるようになってしまい,日本への再入国がずっと実現していませんでした。そのため,ここまで同チームは中山雄一を代役に立てての参戦となっていました。今回ようやくビザが下り,既に残り2戦となってしまいましたが,ようやく来月中旬にツインリンクもてぎで行われる予定の第6戦から出場できるようになりました。SF出場に関してコロナ禍の影響を受けているのは,フェネストラズだけではありません。WEC(世界耐久選手権)にフル参戦しているドライバーもこれに該当し,今季同シリーズでチャンピオンに輝いたcarrozzeria Team KCMGの小林可夢偉と昨シーズンのチャンピオン(今季はランク2位)であるVANTELIN TEAM TOM’Sの中嶋一貴のWECにおけるトヨタワークス勢と,プライベートチームから同シリーズに参戦した女性ドライバーであるThreeBond Drago CORSEのT.カルデロンも,2週間の隔離等があってSFにフル参戦することができず,部分的な出場に留まっています。カルデロンについては,まだ来日していないようですが,状況的には可能な状態と言えます。これにより,過去にSFに参戦したドライバーや,現在SFライツにフル参戦しているドライバーを代役に立てての出場の必要がなくなってきていて,ようやく当初予定されていたドライバーがほぼ揃うことになります。ライツから代役出場していたドライバーにとっては,一日の中でライツとSFと両方を走る必要がありましたので,ようやく本来のステージに専念できることになります。特に,オートポリスで行われた第3戦において,天候不良の中見事優勝したJ.アレジは,やや厳しいポイント差ではありますが現在ライツでチャンピオン争いをしていますので,彼にとっては助かるのではないかと思います。
なお,そのアレジですが,今季,そして今後の参戦のため,クラウドファンディングで資金を募集しています。昨シーズンをもってフェラーリの育成枠から離れ,母(皆さんご存知のように女優の後藤久美子)の母国である日本で戦うことを決意して今季から戦っています。レースを戦うためには,十分な資金が必要で,育成枠を離れ,さらに異国で戦う彼にはなかなか資金を得にくい状況にあります。我こそはと思う方は,応募してみてはいかがでしょうか。(詳しくはこちらから)
2021/09/29(水)
☆代役&チーム立ち上げ(MotoGP&JRR)
○2013年にMoto2クラスにフル参戦したものの,その翌年から一旦MotoGPから離れ,2017年に再びMoto2クラスにフル参戦したのが長島哲太です。その長島は,昨シーズンまでMoto2クラスにフル参戦していましたが,再びシートを喪失し,今季はいずれのレースにもフル参戦しておらず,ホンダのテストライダーとして今季を過ごしていて,残念ながら中止となってしまいましたが,恐らく鈴鹿8耐にホンダのマシンを駆って参戦することになっていたでしょう。その長島について2つの発表がありました。まず1つ目は,9月27日(月)にMoto2クラスに来季もフル参戦することが決まっているイタルトランス・レーシング・チームから発表があり,来季も今季と同じくJ.ロバーツとR.ダッラ.ポルタの体制で臨むことになりました。同チームといえば,かつて中上貴晶が所属していたことがありますし,チームを離れた後もイタリアの食品業界向け物流企業であるイタルトランスのロゴがレーシングスーツ等に飾られています。それほど日本人ライダーにとって馴染み緒あるチームではありますが,今回,そのダッラ.ポルタに関しても発表があり,第14戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPの決勝レースにおいて転倒を喫していて,その際元々痛めていた左肩をさらに痛める結果になったようです。その怪我のため左肩を手術することになり,その代役として長島哲太を起用することになりました。長島にとっては,昨年の最終戦以来のレースとなります。
長島に関する2つ目の発表ですが,この度長島から新たな発表があり,自身で新たなチームを立ち上げ,来季からJRRのST600クラスにフル参戦することになりました。チーム名は『チームTN45』となるようで,2台体制での参戦となります。これを入力段階では具体的な情報を得ていませんが,今回のプロジェクトは若手育成を目標にしてのもののようです。スムーズにMotoGPまでステップアップすることが決してできた訳ではない長島ですから,今回の長島のプロジェクト立ち上げは頷けるもののような気がします。今後スポンサーやライダーといった具体的なものが発表されていくことになるのでしょう。
2021/09/28(火)
☆復活(JRR)
○コロナ禍により,どのレースカテゴリーも当初予定されていたレースカレンダー通りにいっていませんが,9月24日(金)に来季のJRRのレースカレンダーが発表されました。それによると,レース数は全8戦となっていて,開幕戦は今季と同じくツインリンクもてぎとなっています。我が大分県にあるオートポリスでは2戦組まれていて,その中の一つはSFとの併催となる2&4となっています。ここ数年,オートポリスでの2&4は開催されておらず,2018年シーズン以来4年ぶりに復活しての開催となります。鈴鹿サーキットでも2&4が組まれていて,これまで通りJSB1000クラスのみの開催となります。また,基本的にどの大会も全クラス(JSB1000,ST1000,ST600,J-GP3)開催ですが,これまで通り筑波サーキットでの開催はJSB1000クラスは開催されません。鈴鹿サーキットで開催される最終戦については,通常通りMFJ-GPとしての開催となります。今回発表された具体的なレースカレンダーは以下の表のようになっていますが,今回の発表は暫定版ですので,今後変更となる可能性があります。もちろん新型コロナウイルスの感染状況によっては大幅に変わる可能性もありますが,来シーズンこそは予定通りの開催となることを願っています。
2022年 JRRレースカレンダー(暫定)
決勝日 会場 開催クラス
第1戦 4月3日 ツインリンクもてぎ 全クラス
第2戦 4月24日 鈴鹿サーキット JSB1000クラスのみ(2&4)
第3戦 5月22日 オートポリス JSB1000クラスのみ(2&4)
第4戦 6月5日 スポーツランドSUGO 全クラス
第5戦 6月26日 筑波サーキット ST1000,ST600,J-GP3
第6戦 8月28日 オートポリス 全クラス
第7戦 9月18日 岡山国際サーキット 全クラス
第8戦 11月6日 鈴鹿サーキット 全クラス(MFJ-GP)
2021/09/27(月)
☆100勝目(F1)
○第15戦ロシアGPの決勝レースが,この日も不安定な天候となったソチ・オートドロームで行われました。ポールからスタートしたマクラーレンのL.ノリスは,スタートでトップの座を譲ったものの,13周目にトップの座を奪って順調に走行を続けていきました。4番グリッドからスタートしたメルセデスAMGのL.ハミルトンは,こちらもスタートで出遅れてポジションを下げてしまいましたが,徐々にポジションを回復していって2番手までポジションを上げていきました。トップのノリスは,ピットインのタイミングの違いで順位を下げることはありましたが,それが一通り終わると再びトップに立っていました。ところが,終盤に入ると徐々に雨が降り始め,その雨は次第に強くなっていきました。2位ハミルトンがドライからインターミディエイトへとタイヤ交換したのに対し,ノリスはステイを選択。これがノリスにとって大失敗に終わってコースオフを喫したりして最終盤にタイヤ交換のためのピットイン。最終的に7位でのゴールとなっています。ノリスの脱落でトップに立ったハミルトンは,最終的に2位に53秒以上の大差をつける独走で今季5勝目を挙げました。この勝利により,ハミルトンは前人未踏の通算100勝目を達成しています。ハミルトンの独走を許す形にはなってしまいましたが,パワーユニット一式交換したため最後尾からのスタートとなったレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンは,どんどんポジションを上げていき,表彰台圏内まで持ち込んでいきました。そして,ノリスの脱落により最終盤で2位に浮上し,そのポジションを守ってチェッカーとなりました。ハミルトンが勝利したことでランキング争いで2ポイント差でトップの座を譲ることにはなってしまいましたが,スタートポジションを考えると間違いなく傷は最小限に留めたと言えます。3位には,序盤にトップに立つ走りを見せたフェラーリのC.サインツJrが入っています。他のホンダ製パワーユニット勢ですが,ホンダ勢で予選最上位だったレッドブル・ホンダのS.ペレスは,3位を走行する走りを見せたものの,こちらも雨用へのタイヤ交換のタイミングが遅くなってしまい,最終的に9位でのチェッカーでした。予選で振るわなかったアルファタウリ・ホンダ勢は,P.ガスリーは13位でチェッカーとなりノーポイントに終わりました。角田裕毅は,セッティングが決勝で合わずにとても滑りやすい状況となり,序盤に最下位に落ちてしまいました。その後もコースに留まるのに必死な状態が続き,最終的に完走18台中17位でのチェッカーでした。
2021/09/26(日)
☆顔ぶれ(F1)
○第15戦ロシアGPの予選が,不安定な天候となったソチ・オートドロームで行われました。この日のソチは,朝から降り続いた雨によりFP3が中止になるという事態にまでなりました。しかし,時間が経つにつれて徐々に天候が回復していき,ウェット路面ながらも無事予選は実施することができました。Q3の途中まではウェットタイヤでの走行でしたが,Q3の終盤になるとソフトタイヤを選択してタイムアタックするドライバーが出てくるようになりました。この日の予選は,この時どれだけ早くタイヤに熱を入れることができたかが結果に表われた形となりました。この予選で最速タイムを刻んだのはマクラーレンのL.ノリスでした。彼にとっては今回が初のポール獲得となりました。また,マクラーレンにとっても久々のポールとなりますが,これは2012年のブラジルGPにおいてL.ハミルトンが獲得して以来9年ぶりとなります。2,3番グリッドをそれぞれフェラーリのC.サインツJr,ウィリアムズのG.ラッセルが獲得し,いつもとは違う顔ぶれとなった予選結果でした。初日総合でワンツーだったメルセデスAMG勢は,ハミルトンがピットロードでフロントウィングを破損するなどのドタバタがあったりしてタイムアップがならず,4番手で予選を終えていて,V.ボッタスは7番手でした。そのメルセデスAMG勢よりも結果が出なかったのがホンダ製パワーユニット勢でした。まずレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンですが,こちらは昨日お伝えしたようにパワーユニット一式を交換して最後尾からのスタートがその段階では決まっていましたから,予選はタイムアタックを行いませんでした。チームメイトのS.ペレスのみがQ3に進出することができ,9番グリッドを獲得しています。アルファタウリ・ホンダ勢は,どちらもQ2で敗退となりました。ただ,同じQ2敗退でも,2人の受け取りは随分違っているようです。というのも,角田裕毅の方は,初日最下位に近い状態で終わってセッティングに苦労していたのですが,チームとその点に関して対策を採ったようで,Q3には進むことができなかったものの,Q2まで進出して13番グリッドを獲得することができました。それに対して,初日を総合3番手で終わって当然のようにQ3での活躍が期待されたし,実際にその速さがあったP.ガスリーの方は,彼がタイヤ交換を望んだのに対し,チーム側が1セットのタイヤでQ2を走るという作戦を採ってこれが失敗となり,12番グリッドに留まってしまいました。
2021/09/25(土)
☆僅差のワンツー(F1)
○第15戦ロシアGPが好天に恵まれたソチ・オートドロームで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。この日の総合トップタイムをマークをマークしたのは,ここを得意としていて,しかも初優勝の地でもあるメルセデスAMGのV.ボッタスでした。チームメイトのL.ハミルトンがわずか1000分の4秒遅れという僅差で総合2番手タイムとなり,同チームのワンツー発進となりました。いつもならレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンの総合3番手タイムとなるところですが,同じホンダ製パワーユニット勢であるアルファタウリ・ホンダのP.ガスリーが総合3番手タイムでした。フェルスタッペンは総合6番手タイムでしたが,エンジンを含めたパワーユニット一式を交換していますので,既に日曜日に行われる決勝レースは最後尾からのスタートが決まっていて,こうしたことがタイムアップに何らかの影響を与えていたのかもしれません。ホンダ製パワーユニット勢でエースドライバーは上位に顔を出しましたが,そのチームメイトはタイムアップにとても苦労しました。まず,フェルスタッペンのチームメイトであるS.ペレスですが,11番手タイムとトップ10圏外で初日を終えています。そのペレスよりもさらにセッティングに苦労していたのがガスリーのチームメイトである角田裕毅で,総合3番手のガスリーからでさえも2秒以上遅れた18番手タイムで初日の走行を終えました。ルーキーという点はもちろんありますが,ノートラブルの中での2秒以上遅れですので,今大会での苦戦が予想される初日の結果となりました。
2021/09/24(金)
☆10年越え(MotoGP)
○4輪のF1をはじめとして,2輪,4輪共に多くのカテゴリーで使用されるタイヤがワンメークとなっています。2輪の最高峰であるMotoGPもワンメークとなっていて,MotoGPクラスでは,かつては日本のブリヂストンがその役目を果たしていましたが,同社が2015年シーズンをもって撤退し,2016年からフランスのタイヤメーカーであるミシュランがその役割を果たしています。そのミシュランとMotoGPを統括するドルナスポーツ社との間で2017年に新たな契約が結ばれていて,2023年シーズンまでミシュランがタイヤを供給することが既に決まっています。そのことに関して,9月15日(水)にドルナスポーツ社から発表があり,ミシュランとの間で新たな契約が結ばれ,2024年から2026年まで継続してタイヤを供給することになりました。今回の契約成立により,ミシュランは通算11年間にわたってワンメークタイヤを供給することになります。
2021/09/23(木)
☆今季最後(MotoGP)
○今シーズン3度目,そして今季最後でもあるインシーズンテスト2日目の走行が,第14戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPの会場であるミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行われました。午前と午後の2回行われたこの日の走行では,その両セッション共にアプリリア・レーシング・チーム・グレシーニのA.エスパルガロがトップタイムをマークしました。2日間総合では,前日の総合トップタイムだったドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアでした。2日目総合トップのA.エスパルガロは,総合では2番手でした。初日の走行を4番手タイムで終えたLCRホンダ・イデミツの中上貴晶でしたが,この日は2番手タイムで走行を終えています。ただ,2日間総合では5番手タイムでした。とはいえ,上位に顔を出したことに変わりはなく,アメリカズGPを経た後,第16戦として再び同地でレースが行われますので,期待が持てる結果となっています。この日最後に3番手タイムをマークしたのはチーム・スズキ・エクスターのJ.ミルでしたが,2日間総合では,レプソル・ホンダ・チームのP.エスパルガロで,兄弟が総合2,3番手タイムで終えています。この日は,来シーズンからチームメイト同士で揃ってMotoGPクラスにステップアップすることが決まっているレッドブルKTMアジョのR.ガードナーとR.フェルナンデスの2人が,来季所属するテック3KTMファクトリー・レーシングから参加していて,KTMのMotoGPマシンであるRC16に搭乗しました。2日間の総合タイムでは,フェルナンデスが25番手,転倒を喫して最後の方は走行できなかったガードナーは参加者中最下位である29番手でした。
2021/09/22(水)
☆テストでも(MotoGP)
○第13戦アラゴンGP,第14戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPと2週連続開催となったMotoGPですが,MotoGPクラスのチームやライダーたちは第14戦の会場であるミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリにそのまま留まり,昨日から2日間にわたるフィシャルテストに臨んでいます。ウェットからドライへと変わるコンディションの中,各メーカーやチームは来季に向けたマシン開発をしたり,今後のレースに向けたテストをしたりと,それぞれの事前に組まれたメニューをこなしながら初日のテストをしていきました。第13,14戦と2連勝を飾っているドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが,その好調さを維持するかのように初日総合トップタイムをマークしました。MotoGPの公式サイトによると,ドゥカティのワークスであるドゥカティ・レノボ・チームの2人は,新しい形状のエアロボディが投入されたマシンでの走行に臨んだようです。そうしたメニューをこなしながら,転倒を喫するというアクシデントに見舞われてはしまいましたが,バグナイアはトップタイムをマークしています。2,3番手タイムを,それぞれレプソル・ホンダ・チームのP.エスパルガロ,アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニのA.エスパルガロのエスパルガロ兄弟が揃ってマークしています。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,レースウィークこそ上位に顔を出すことができませんでしたが,この日は4番手タイムをマークしています。この日は4メーカーのテストライダーが走行して来季に向けたマシン開発をしていきましたが,今季ワイルドカードで久々にレースに臨み,見事トップ10フィニッシュを達成したKTMのテストライダーであるD.ペドロサが4人の中で最も速いタイムを刻んでいます。
2021/09/21(火)
☆移籍(MotoGP)
○シーズン終盤に入っていって,どのクラスもチャンピオン争いが佳境を迎えようとしていますが,その裏側では,各チームとも来季の体制づくりにも取り組んでいます。MotoGPクラスの体制がほぼ固まってきて,これからは中・軽量級クラスの体制づくりがさらに本格化していきます。当然日本人ライダー勢もその中に組み込まれていっていますが,例えば一昨日のこのページでお伝えしたように,Moto3クラスにフル参戦している鈴木竜生が,長年所属したSIC58スクアドラ・コルセとの契約を今季限りで終了し,来季はレオパード・レーシングに所属することが決まりました。その鈴木と同様Moto3クラスに参戦してきている佐々木歩夢について新たな発表がありました。9月19日(日)にかつて250ccクラスで4度のチャンピオンを獲得し,500ccクラスでもヤマハやホンダのマシンを駆って活躍したM.ビアッジがオーナーを務めるステリルガルダ・マックス・レーシング・チームから発表があり,今季レッドブルKTMテック3に所属して表彰台を1回獲得し,現在ランク8位につけている佐々木歩夢と来季の契約が成立しました。今季のMoto3クラスは,これまでのホンダやKTMに加え,新たにガスガスやハスクバーナがそれぞれ1チームずつマシンを投入しています。来季から佐々木が所属することになったビアッジのチームは,その中でハスクバーナのワークス的役割を果たしています。今回の佐々木の契約は,ハスクバーナとのファクトリー契約となっているようです。2017年シーズンからMoto3クラスにフル参戦を開始し,チームは違いますが,3年間ホンダのマシンを駆った後,昨シーズンから現在のチームに所属してKTMのマシンを駆っています。来季は3つ目のメーカーであるハスクバーナとなるのですが,ハスクバーナはブランドこそその名称を使っていますが,実際のマシンは今季同様KTM製ですので,チームが替わるという点はもちろんあるものの,マシンの乗り換えという点では大きな抵抗感はないものと思われます。佐々木のコメントによると,Moto2にステップアップということもあったようですが,来季Moto3でチャンピオンを獲得した後にMoto2へという目標で臨むようです。
2021/09/20(月)
☆連勝(MotoGP)
○第14戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPの決勝レースが,好天に恵まれたミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行われました。
MotoGPクラスは,ポールからスタートしたドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが,好スタートを切ってトップに立ちました。その後も順調にトップの座を守って走行していきましたが,ランキングトップに立つモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロが2位にポジションを上げるとバグナイアとの差を少しずつ詰めていきました。ファイナルラップまで続いた2人の争いは,前戦の勝者であるバグナイアが逃げ切り,前戦に引き続いてポールトゥーウィンを達成しました。2位に終わったクアルタラロですが,ランク2位を行くバグナイアに先行されたとはいえ,ポイント差と残りのレース数を考えると何としてでもバグナイアを交わすという必要がなく,懸命なレース展開とも言えます。2台の先行を許したものの,12番グリッドからスタートしたアビンティア・エスポンソラマのE.バスティアニーニが単独で3位に入り,このクラスで自身初の表彰台を獲得しました。今季は6台のマシンを投入しているドゥカティですが,これで5台目の表彰台獲得となりました。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,レースウィークを通して上位争いに顔を出すことができず,トップから18秒以上離された10位でチェッカーを受けています。
Moto2クラスは,ポールからスタートしたレッドブルKTMアジョのR.フェルナンデスが独走態勢に持ち込み,そのまま逃げ切るかと思われました。しかし,彼のチームメイトで,ランキング争いでトップに立つR.ガードナーが徐々にその差を詰めていきました。ただ,追いつくのが遅かった感じで,最後はコンマ4秒の差がついてフェルナンデスが連勝を飾りました。ガードナーに2位の座は奪われたものの,終盤まではフェルナンデスを追っていたインデ・アスパー・チームのA.カネトが3位に入りました。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,トップからは離されたものの,バトルを制して7位でチェッカーを受けています。
Moto3クラスは,前戦の勝者であるレオパード・レーシングのD.フォッジアが2位との差を広げてトップチェッカーを受け,2戦連続4勝目を獲得すると共に,ランキング争いで2位に浮上しています。2位にアビンティアVR46のN.アントネッリ,3位にリヴァコールド・スナイパーズ・チームのA.ミーニョが入り,地元イタリア勢が表彰台を独占しています。レースウィークを通してこのクラスも日本人ライダーは上位に顔を出すことができず,レッドブルKTMテック3の佐々木歩夢の10位が最高位でした。CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が14位,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が15位に入ってポイントを獲得しています。カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖は17位でチェッカーを受け,ノーポイントながら完走を果たしています。ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝は,FP3で危険な走行をしたということで失格処分を受け,決勝レースは走行できていません。

☆全戦勝利(JRR)
○今季最終戦の決勝レースが,好天に恵まれた我が大分県にあるオートポリスで行われました。
JSB1000クラスは,ポールからスタートしたYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行がホールショットを奪うと,後続との差を周回毎に差を広げて行き,レース1に引き続いて独走態勢に持ち込みました。結局2位に17秒弱の差をつけてトップでチェッカーを受け,今季全勝でシーズンを終えました。ホンダ勢による2位争いとなり,最終的に1000分の56秒差でHonda Dream RT桜井ホンダの濱原颯道を抑えてMuSASHi RT HARC-PRO.Hondaの名越哲平が2位に入りました。惜しくも3位に終わった濱原でしたが,ランク2位に浮上して今シーズンを締めくくっています。今季のこのクラスは,まさに中須賀のためにあったとも言える結果となりました。残り2戦となったでチャンピオンを決め,後は全勝優勝というモチベーションで臨むシーズンの流れとなり,実際にそれを達成しました。これは,中須賀本人はもちろん,チーム,そしてメーカーの努力の成果と言えます。レースは転倒やマシントラブルの危険性があり,どんなに速くてもレースを失うことがあります。そうしたトラブルさえも起きることがなく全勝を収めたのは,賞賛に値するものです。ただ,それを許した他のメーカー及びチームはどうなのでしょう。中須賀がレース序盤にトップに立たなくても,後ろから虎視眈々と前を行くライダーの走りを見ていて,ここぞというところでトップに立つと,後は単独走行に持ち込むという流れが多くの場面で見られました。観戦する側からすると,中須賀が後ろを走っていても,最終的な結果が容易に想像がつき,実際その流れになりました。メーカーやチームの威信をかけて臨む国内最高峰クラスが,こうした状況というのは,やはり普通の状況とは言えません。これまで国内外で実績を残してきたスズキ陣営のヨシムラやホンダ陣営のモリワキといった有力コンストラクターが,国内のこのレースから離れているという実態もあります。JRRの危機がさらに訪れているという印象が拭えないところがありますので,ヤマハ以外のメーカー及びチームの猛省と奮起を,今後の期待を込めて促したいと思います。
ST1000クラスは,好スタートを切ってトップに立ったbLUcRUニトロレーシング51 YAMAHAの岡本裕生と厳しいながらも大逆転でタイトルを狙うAstemo Honda Dream SI Racingの作本輝介とのトップ争いとなりました。ファイナルラップまで抜きつ抜かれつのバトルとなりましたが,最終セクションでトップに立った岡本が逃げ切り,このクラスで自身初となる勝利を収めました。3位には,単独走行でAKENOSPEED・YAMAHAの南本宗一郎が入りました。ランクトップを行くAstemo Honda Dream SI Racingの渡辺一馬は4位でチェッカーとなり,このクラスでは初,JRRでは2度目となるチャンピオンに輝きました。
ST600クラスは,序盤こそ激しいトップ争いとなりましたが,中盤にトップに立った日本郵便 HondaDreamTPの小山知良が徐々に抜け出し,最終的に2位に5秒以上の大差をつける独走で今季3勝目を挙げました。2番手争いは激しいものとなりましたが,Webikeチームノリックヤマハの阿部恵斗がこれを制しました。MuSASHi RT HARC-PRO.の埜口遥希は1000分の74秒遅れで惜しくも3位に終わりましたが,ランキング争いではこれを制してチャンピオンに輝きました。
J-GP3クラスは,劇的なチャンピオン決定となりました。大会前にランク2位につけていたP.MU 7C GALE SPEEDの尾野弘樹は,実質的に優勝が必要な条件となります。その尾野は,レース序盤こそバトルがありましたが,すぐに独走態勢に持ち込みました。大会前にランクトップに立っていたSunny moto Planningの小室旭は,尾野が独走態勢に持ち込みましたので,チャンピオン獲得には3位内に入る必要性が出てきました。トップの尾野は2位に5秒以上の大差をつける独走で今季4勝目を挙げました。4台による2位争いが展開され,その中にはタイトルを狙う小室も入っていました。抜きつ抜かれつの展開となったこのバトルは,2位にマルマエMTRの徳留真紀が入り,注目の3位争いはrealize racing teamの細谷翼が制しました。小室は4位に終わり,ポイントは尾野と並んだものの,勝利数が多い尾野が逆転でタイトルを獲得しました。3位と4位との差はわずか1000分の8秒で,このわずかな差がタイトル争いの大きな差となりました。
2021/09/19(日)
☆転倒続出&背水の陣で(MotoGP)
○第14戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPの予選が,ドライコンディションとなったミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行われました。
MotoGPクラスは,前戦でポールトゥーフィニッシュを飾ったドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが,その好調さを維持するかのような速さを見せ,2戦連続してのポールを獲得しました。チームメイトのJ.ミラーが2番手タイムをマークし,ドゥカティワークスのワンツーとなりました。ここまでランクトップを行くモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロは,1コーナーで転倒するアクシデントに見舞われましたが,3番手タイムをマークしていて,12戦連続してフロントロー発進を決めています。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,Q1からの出走となり,9コーナーで転倒したことでタイムアップならず,Q1で3位となったためにQ2に進出することができず,今日行われる決勝レースは13番グリッドからスタートすることになります。この日は転倒者がどのクラスも続出していて,レプソル・ホンダ・チームのM.マルケスやここがホームコースとなるペトロナス・ヤマハSRTのV.ロッシなども転倒を喫しています。
Moto2クラスは,ルーキーながら早くも来季MotoGPクラスにステップアップすることが決まっているレッドブルKTMアジョのR.フェルナンデスがタップタイムをマークし,今季5度目のポールを獲得しています。前戦のポールシッターであるエルフ・マークVDSレーシング・チームのS.ロウズが,トップからコンマ3秒以上離されたものの,2番グリッドを獲得しています。3番手は僅差での争いとなり,最終的にロウズのチームメイトであるA.フェルナンデスが獲得しています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,初日に引き続いて上位に顔を出すことができず,トップから1秒強遅れの12番手で予選を終えています。
Moto3クラスは,ステリルガルダ・マックス・レーシング・チームのR.フェナティが,2位にコンマ2秒以上の差をつけて今季3度目となるポールを獲得しました。2番手争いは僅差となり,レオパード・レーシングのD.フォッジアが2番手,アビンティアVR46のN.アントネッリが3番手タイムでした。ちなみに4番手タイムをリヴァコールド・スナイパーズ・チームのA.ミーニョがマークし,地元イタリア勢がトップ4を独占しています。フル参戦日本人ライダー勢ですが,前日に引き続いてこのクラスも上位に顔を出すことができず,前戦で3位表彰台を獲得しているレッドブルKTMテック3の佐々木歩夢の13位が最高位でした。カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖とCIPグリーン・パワーの鳥羽海渡もQ2シュンシュツを果たし,それぞれ16位,18位でした。ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝は24番手,転倒を喫したSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生はノータイムながらFP1のタイムで28番手でした。
なお,長年SIC58スクアドラ・コルセに所属してきた鈴木竜生でしたが,同チームとの契約は今季限りとなることが確実視されていました。そして,この度レオパード・レーシングから発表があり,来季はホンダ勢の中で最も結果を残しているともいえる同チームからフル参戦することが決まっています。チームとしては申し分ないだけに,来季の鈴木は悲願のチャンピオン獲得に向けて背水の陣で臨む必要が出てきたと言えます。

☆王手(JRR)
○早くも最終戦を迎えたJRRですが,その最終戦の舞台となるのは我が大分県にあるオートポリスです。昨日は,各クラスの予選と,JSB1000クラスはレース1が行われました。ここでは,レース1の結果のみお伝えします。
既に残り2戦となった段階でチャンピオンを決めているYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行は,全戦勝利という目標をモチベーションとして今大会を迎えています。九州出身の中須賀にとって,ホームコースとも言えるオートポリスで,しかも実際にほぼ無敵とも言える結果を残してきていて,全戦勝利という舞台としてはまたとないサーキットと言えます。そして,その事が現実のものとなるかのような展開となっていき,ポールからスタートした中須賀はホールショットを奪ってトップに立ちました。これまでの戦い方は,あえて2番手以降につけ,途中からトップに立って後続との差を広げて行くというものでしたが,この日は最初からトップに立つと後は完全に一人舞台となり,最終的に2位に入ったHonda Dream RT桜井ホンタの濱原颯道に14秒以上の大差をつける完勝で,全戦勝利に王手をかけています。今日行われるレース2もポールを決めていますから,よほどのことがない限りその目標達成は可能ではないかと思われる走りを見せつけている今シーズンと言えますね。3位には,亀井からコンマ2秒以上遅れてHonda Suzuka Racing Teamの亀井雄大が入りました。
2021/09/18(土)
☆2戦目で(MotoGP)
○2週連続開催となるMotoGPですが,その2つ目のレースである第14戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPが開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。
MotoGPクラスは,FP1はドライからウェットに変わるコンディションとなり,FP2はウェットのままでしたから,初日の総合トップタイムはFP1でのタイムとなりました。ドライコンディションの中でトップタイムをマークしたのは,シーズン途中でヤマハとの契約を解除し,アプリリアと新たな契約を結んだM.ビニャーレスでした。前戦からアプリリアのマシンを駆ってレースに臨んでいるビニャーレスが,タイムを更新したタイミングのよさという点に負うところがあるものの,2戦目にして初日総合トップとなりました。そのビニャーレスから100分の8秒遅れで,昨年のチャンピオンであるチーム・スズキ・エクスターのJ.ミルが総合2番手でした。前戦の勝者であるドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが,総合3番手につけています。その前戦で思うような走りが展開できなかったLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,13番手で初日を終えています。
Moto2クラスは,両セッション共にウェットコンディションでの走行となり,初日総合トップタイムは,ペルタミナ・マンダリカSAGチームのT.ルティがFP1でマークしました。今季限りで引退を決めているルティが,昨年の第13戦ヨーロッパGP以来の総合トップを獲得しています。総合2,3番手タイムはFP2のタイムで,それぞれエルフ・マークVDSレーシング・チームのA.フェルナンデス,イデミツ・ホンダ・チーム・アジアのS.チャントラでした。チャントラのチームメイトである小椋藍は,思うようにタイムを出すことができず,26番手タイムで初日を終えています。
Moto3クラスは,両セッション共にドライコンディションでの走行となりました。その状況の中で初日総合トップに立ったのは,前戦の勝者であるレオパード・レーシングのD.フォッジアでした。総合2,3番手タイムは,それぞれレッドブルKTMアジョのP.アコスタ,アビンティアVR46のN.アントネッリでした。フル参戦日本人ライダー勢ですが,どのライダーも上位に顔を出すことができず,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が16番手,前戦で表彰台に上ったレッドブルKTMテック3の佐々木歩夢が17番手,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が23番手,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝が26番手,カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖は27番手で初日を終えています。
2021/09/17(金)
☆復帰(MotoGP)
○今シーズンのヤマハは,V.ロッシの動向が注目されてはいたものの,来季に向けてのシートは,そのロッシの部分を除いて安泰と思われていました。ところが,ロッシの引退はある程度想定されてはいたものの,M.ビニャーレスが来季の契約を破棄,さらにシーズン途中での解約解除という思わぬ事態となり,一挙に来季のシートが2つ空くことになると共に,今季のシート自体1つ空くことにもなりました。そこで採られた策が,サテライトであるペトロナス・ヤマハSRTのエースであるF.モルビデリをワークスであるモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPに昇格させ,ヤマハのテストライダーを務めているC.クラッチローをモルビデリの代役として参戦させるというものでした。そのような中,ヤマハ発動機から発表があり,ペトロナス・ヤマハSRTにおける今シーズンの残りのレースと来季のシートにA.ドビツィオーゾを起用することになりました。また,ワークスであるモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPの今季と来季のシートに,既に活動していますが,モルビデリを正式に起用することになりました。今回新たに起用することになったドビツィオーゾは,中・軽量級クラスでチャンピオンを獲得した後,2008年にMotoGPへ昇格しました。2013年シーズンからドゥカティのワークスライダーとして起用され,チャンピオンには輝きませんでしたが,毎年のようにチャンピオン争いを展開し,最高位がランク2位に輝くという好成績を残してきました。ところが,徐々にチームマネージャーであるG.ダリーニャとの関係性が崩れていき,昨シーズンをもってドゥカティのシートを失ってしまいました。昨シーズン中に有力なシートを獲得することができず,今季は来季からの復帰を目指して浪人生活を送っていました。そのような中,マシン開発に苦しむアプリリアから声がかかり,テスト走行に起用されるという新たな展開となり,来季からアプリリアで復帰するのではないかという噂も浮上していました。ところが,そのアプリリアはビニャーレスを今季途中から起用するということになり,ドビツィオーゾの復帰に黄色信号が灯っていました。しかし,有力ライダーが急遽必要になっていたヤマハから声がかかり,2012年シーズン以来のヤマハ復帰ということになりました。
2021/09/16(木)
☆全18戦(MotoGP)
○9月11日(土)にFIM(国際モーターサイクリズム連盟),IRTA(国際ロードレーシングチーム連盟),MotoGPを統括するドルナスポーツ社から発表があり,1月22日に開催予定だったアルゼンチンGPの開催を中止することになりました。コロナ禍により年明けに延期となっていたアルゼンチンGPでしたが,現状ではやはり開催が厳しいことから今回の決定に至っています。この中止決定により,タイ,マレーシア,オーストラリア,日本,フィンランド,そして今回のアルゼンチンと,今季は全部で6大会の開催が中止となりました。また,リザーブとしてインドネシアGPが登録されていましたが,これについてもキャンセルとなっています。
今回の発表では,同GPの中止と同時に,今季の最終的なレースカレンダーについても明らかにされました。それによると,今週末にミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで第14戦サンマリノGPが組まれています。そして,同サーキットで10月22日(金)〜24日(日)にもう1戦組まれることは事前に決まっていましたが,その正式名称は未定のままでした。その名称が今回発表され,第16戦エミリア・ロマーニャGPとして開催されることになりました。なお,今回発表された具体的なレースカレンダーは,以下の表のようになっています。ただ,今回は全18戦のカレンダーが発表されていますが,ここでは,今後開催される予定の大会のカレンダーのみお伝えします。
2021年 MotoGPレースカレンダー
決勝日 大会 サーキット
第14戦 9月19日 サンマリノGP ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ
第15戦 10月3日 アメリカズGP サーキット・オブ・ジ・アメリカズ
第16戦 10月24日 エミリア・ロマーニャGP ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ
第17戦 11月7日 アルガルベGP アウトドローモ・インターナショナル・アルガルベ
第18戦 11月14日 バレンシアGP リカルド・トルモ・サーキット
2021/09/15(水)
☆継続(MotoGP)
○過去では青木3兄弟やサロン兄弟,現在ではマルケス兄弟やエスパルガロ兄弟というように,これまで兄弟が世界選手権で活躍するという例はいくつもありますが,同じ兄弟でも「双子」となると私はなかなか思いつきません。その双子の代表例がロウズ兄弟でしょう。アレックスとサムのロウズ兄弟ですが,アレックスの方は現在SBKでカワサキ・レーシングチーム・ワールドSBKに所属し,SBKにおけるカワサキのワークスライダーとして活躍しています。そのアレックスは,既に7月27日(火)にカワサキ・モータース・ヨーロッパとの間で複数年契約が発表されていて,具体的な年数は不明ながら,しばらくの間現在の立場を継続することになっています。サムの方は,現在エルフ・マークVDSレーシング・チームに所属してMoto2クラスにフル参戦しています。2017年シーズンはアプリリア・レーシング・チーム・グレシーニに所属してMotoGPクラスにフル参戦した経歴がありますが,MotoGPにおいてはその年以外一貫してMoto2クラスにフル参戦し,今季は現段階でランク4位につけています。現在のチームには,昨シーズンから所属しています。そのエルフ・マークVDSレーシング・チームから昨日発表があり,S.ロウズとの間で契約延長することになりました。契約期間は1年間となっています。今回の発表により,ロウズ兄弟は2人揃って現在の立場を継続することになりました。
2021/09/14(火)
☆残り1?(F1)
○マクラーレンのワンツーに終わった第14戦イタリアGPですが,それを前にいくつかのチームが来季のドライバーについて発表がありました。既に複数年契約を結んでいるため,今季発表がないドライバーもいます。ただ,複数年契約を結んではいても,チームやチームメイト等の関係からそれを破棄するドライバーがいたりする場合もありますので,一概に確定と言えない場合もあったりします。現在の噂の段階では,ハースのN.マゼピンが取り沙汰されています。何せ常識が通じにくいお騒がせドライバーですので,確かに何かがあってもおかしくはないでしょう。というように,やや不確定な状況はありますが,現段階で分かっているドライバーラインナップは以下の表のようになっています。なお,現段階では,V.ボッタスが来季所属するアルファロメオでのチームメイトが誰になるのかが正式には決まっていません。
2022年 F1ドライバーラインナップ(9月9日現在)
チーム ドライバー パワーユニット
44 メルセデスAMG L.ハミルトン メルセデス
63 G.ラッセル
33 レッドブル・レーシング M.フェルスタッペン レッドブル
11 S.ペレス
3 マクラーレンF1チーム D.リカルド メルセデス
4 L.ノリス
5 アストンマーティンF1チーム S.ベッテル メルセデス
18 L.ストロール
14 アルピーヌF1チーム F.アロンソ ルノー
31 E.オコン
16 スクーデリア・フェラーリ C.ルクレール フェラーリ
55 C.サインツ
10 スクーデリア・アルファタウリ P.ガスリー レッドブル
22 角田 裕毅
77 アルファロメオ・レーシング V.ボッタス フェラーリ
? 未定
9 ハースF1チーム N.マゼピン フェラーリ
47 M.シューマッハ
6 ウィリアムズ・レーシング N.ラティフィ メルセデス
23 A.アルボン
2021/09/13(月)
☆初優勝(MotoGP)
○第13戦アラゴンGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったモーターランド・アラゴンで行われました。
MotoGPクラスは,ポールからスタートしたドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアと4番グリッドからスタートしたレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスとが好スタートを切り,レース序盤から2人の争いとなりました。はじめはやや差があった2人ですが,レースが進むに連れて差がなくなっていき,終盤に入ると2人が激しく順位を入れ替えるバトルとなりました。ファイナルラップまでもつれ込んだ2人のバトルでしたが,最後はバトルの中でマルケスがコースから外れてしまってここでバトルの決着がつき,バグナイアにとって最高峰クラス自身初となる勝利を収めました。マルケスは2位に入り,今季2度目の表彰台を獲得しています。3位には,単独走行でチーム・スズキ・エクスターのJ.ミルが入っています。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,昨年ポールを獲得していただけに期待されていましたが,予選も含めてなかなかセッティングが決まらなかったようで,最終的に10位でのチェッカーでした。
Moto2クラスは,トレーニング中のアクシデントで右手第5中手骨を骨折し,5日前に手術をしたという手負い状態のレッドブルKTMアジョのR.フェルナンデスが,5番グリッドからスタートしてトップに立つと,徐々に単独走行に持ち込みました。その後ろでは転倒があったりして順位の入替えがありましたが,終始安定した速さを見せ,2位に入ったチームメイトのR.ガードナーに5秒以上の大差をつける独走で今季5勝目を挙げました。この結果,早くも同チームが今シーズンのチームタイトルを決めています。また,フェルナンデスの勝利により,チーム通算100勝目を達成しています。3位には,争いを制してエルフ・マークVDSレーシング・チームのA.フェルナンデスが入りました。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,こちらもセッティングに苦労していてペースを上げることができずに順位を下げていき,それでも他車が転倒する中で走り抜き,最終的に8位でチェッカーを受けています。
Moto3クラスは,最終的にレオパード・レーシングのD.フォッジアとレッドブルKTMテック3のD.オンジュとのトップ争いとなりました。このバトルはわずか1000分の41秒差でフォッジアが制しています。3位争いをフォッジアのチームメイトである佐々木歩夢が制し,今季初の表彰台を獲得しています。他のフル参戦日本人ライダー勢ですが,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が9位,カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖が11位に入ってポイントを獲得しています。CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡は,16位に入って惜しいところでポイント圏外となり,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝は17位で,こちらもポイント獲得まであとわずかというところでした。

☆11年ぶり(F1)
○第14戦イタリアGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったモンツァ・サーキットで行われました。2番グリッドからスタートしたマクラーレンのD.リカルドは,好スタートを切ってトップに立ちました。その後も順調に走行を続けていき,トップの座を守っていきました。ポールからスタートしたレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンは2位となってリカルドを追いましたが,リカルドのペースは速く,思うように差を詰められない状況が続きました。ピットインのタイミングになると,フェルスタッペンはタイヤ交換に時間がかかってしまって順位を1つ下げてしまいました。さらに,メルセデスAMGのL.ハミルトンがピットでこちらも時間を要してしまい,コースに復帰したのはフェルスタッペンの直前でした。ランクトップ争いを演じ,さらに今季接触するアクシデントを起こしている因縁の2人だけに,何が起こってもおかしくない状況となりました。その懸念は現実のものとなり,両者は接触してフェルスタッペンのマシンがハミルトンのマシンに乗り上げるという事故に発展してしまいました。幸いにもドライバー保護のためにハローというパーツがドライバーのところにありますが,それのおかげでハミルトンにマシンが直接当たることがなく,両者共にリタイアに終わったものの,怪我をする事態にはなりませんでした。今回のインシデントはフェルスタッペンに非があるという判定が後で下り,次戦ロシアGPでは,フェルスタッペンに3グリッド降格処分が下ることになりました。その後は,リカルドがトップの座を安定して守り続けたのに対し,2位を行くフェラーリのC.ルクレールと,3位を行くマクラーレンのL.ノリスとの間でバトルとなり,これをノリスが制してマクラーレンのワンツー体勢となりました。3位に下がったルクレールを,今度はレッドブル・ホンダのS.ペレスが抜き,マクラーレンのワンツーの後ろをレッドブルが走るという状態になりました。上位争いは最後までその順で推移し,リカルドが2018年のモナコGP以来の勝利を収めました。マクラーレンとしては2012年ブラジルGP以来の勝利となり,さらにワンツーフィニッシュとなると2010年のカナダGP以来11年ぶりとなります。なお,3位でチェッカーを受けたのはペレスでしたが,ルクレールとのバトルの際,ペレスはターン5でコースアウトをしたのですが,これがルクレールを抜くのに優位に働いて3位に浮上しました。本来は,順位をルクレールに再び譲る必要があったのですが,そのままの順で走行を続けましたので,これにより5秒加算のペナルティが科されることになり,ルクレールが3位,ペレスが4位という理ざるという正式結果になっています。アルファタウリの2人は,P.ガスリーがレース途中でトラブルによりリタイアとなり,角田裕毅に関しては,こちらもレース前にトラブルが見つかってスタートさえできない状態でレースを終えています。ホンダ勢としては,悪夢の大会ともいえるものになってしまっています。

☆5年ぶり(SGT)
○第5戦の決勝レースが,好天に恵まれたスポーツランドSUGOで行われました。
GT500クラスは,ポールからスタートした野尻智紀&福住仁嶺組のARTA NSX-GTが好スタートを切ってトップの座を守りました。その後も順調にトップの座を守っていき,その後方では,徐々に平峰一貴&松下信治組のカルソニック IMPUL GT-Rが順位を上げていって2位に浮上していきました。ピットのタイミングになると,ここでトップを安定した状態で行くARTAに悪夢ともいえる状況が起きていきました。タイヤ交換の作業でミスがあったARTAに対してドライブスルーペナルティが科されました。それを消化すべくピットに入りコースインしたのですが,この時のタイミングが悪く,ピットロード出口は赤信号のままだったのです。再びピットに入る必要性が生じたりして一挙にトップ争いから転落してしまいました。これでIMPULがトップに立ち,その後は順調にその座を守り続け,チームとしては5年ぶりとなる勝利を収めました。ドライバーの2人にとっては初優勝となります。ARTAのNSX-GTが脱落したのに対し,2,3位にはNSX-GT勢が入り,2位が山本尚貴&牧野任祐組のSTANLEY NSX-GT,3位が塚越広大&B.バゲット組のAstemo NSX-GTでした。
GT300クラスは,ポールからスタートした井口卓人&山内英輝組のSUBARU BRZ R&D SPORTが好スタートを切ってトップに立ちました。GT500クラスのトップにはアクシデントが発生しましたが,BRZは最後まで順調な走りを展開し,2位に入った高木真一&佐藤蓮組のARTA NSX GT3の11秒以上の大差をつける独走で今季初優勝を飾りました。今シーズンから新型のBRZを投入していますが,その初年度で早くも勝利を収めたことにもなります。3位には,藤波清斗&J-P.デ・オリベイラ組のリアライズ日産自動車大学校 GT-Rが入りました。
2021/09/12(日)
☆コースレコードで(MotoGP)
○第13戦アラゴンGPの予選が,好天に恵まれたモーターランド・アラゴンで行われました。
MotoGPクラスは,ドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが,開幕戦以来となるポールを獲得しました。しかも,2015年にレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが記録したコースレコードを更新する速さを見せてのトップタイムでした。さらに,2番手タイムをマークしたチームメイトのJ.ミラーとは,コンマ3秒以上の差をつける圧倒的な速さでした。3番手タイムは,最後の最後でミラーにタイムを更新されたモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロでした。昨年のポールシッターであるLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,期待されたほどはタイムを伸ばすことができず,11番手タイムで予選を終えています。
Moto2クラスは,エルフ・マークVDSレーシング・チームのS.ロウズが,唯一1分51秒台をマークする速さを見せ,今季5度目となるポールを獲得しました。レッドブルKTMアジョのチームメイト同士による2番手争いとなりましたが,ランクトップを行くR.ガードナーが1000分の27秒差をつけて2番グリッドを獲得しています。一時は3番手タイムだったイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍でしたが,レッドブルKTMアジョ勢に上回れてしまったこともあって,5番手タイムで終わっています。
Moto3クラスは,開幕戦のポールシッターであるペトロナス・スプリンタ・レーシングのD.ビンダーが速さを見せ,今季2度目となるポールを獲得しました。2番手以降は僅差の争いとなり,インドネシアン・レーシング・グレシーニMoto3のG.ロドリゴが,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生より1000分の71秒上回って2番手タイムでした。3番手タイムに終わった鈴木は,最後に転倒したことが悔やまれます。他のフル参戦日本人ライダー勢ですが,Q2に進出したレッドブルKTMテック3の佐々木歩夢が16番手,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が18番手でした。他のライダーはQ1敗退となっていて,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝は25番手,カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖は27番手で終わっています。

☆制したものの(F1)
○第14戦イタリアGPがモンツァ・サーキットで開催されていますが,初日に予選が行われ,2日目となる昨日は,その予選のグリッドでスタートし,そのリザルトで今日行われる決勝のグリッドが決まるスプリント予選が行われました。なかなか抜きにくい中で行われる今回のスプリント予選ですので,予選での順は重要となります。実際,ポールからスタートしたメルセデスAMGのV.ボッタスは,そのポジションを守ったままスタートを切りました,それに対して,2番グリッドからスタートしたチームメイトのL.ハミルトンは出遅れてしまい,3番グリッドからスタートしたレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンや,4,5番グリッドからスタートしたマクラーレン勢のの先行を許しました。そのご,アルファタウリ勢にアクシデントが発生したりしましたが,上位陣は順調に走り抜け,ボッタス,フェルスタッペンが1,2位で入り,マクラーレン勢による3位争いはD.リカルドが制しています。このレースの結果が決勝レースのグリッドになるのですが,ボッタスはレース自体は制したものの,ペナルティがあって最後尾グリッドとなりますので,フェルスタッペンがポールからスタートすることになります。他のホンダ製パワーユニット勢ですが,レッドブル・ホンダのS.ペレスは9位,アルファタウリ・ホンダの角田裕毅は16位でチェッカーを受けています。角田のチームメイトであるP.ガスリーは,オープニングラップでアクシデントに見舞われ,リタイアに終わっています。

☆初ポール(SGT)
○第5戦『SUGO GT 300km RACE』がスポーツランドSUGOで開幕し,昨日はその予選が行われました。
GT500クラスは,野尻智紀&福住仁嶺組のARTA NSX-GTがコースレコードに迫る速さを見せ,唯一1分9秒台のタイムをマークして今季初ポールを獲得しました。惜しくも9秒台はマークできなかったものの,笹原右京&大湯都史樹組のRed Bull MOTUL MUGEN NSX-GTが2番手タイムをマークし,NSX-GT勢がフロントローを独占しました。3番グリッドは,平峰一貴&松下信治組のカルソニック IMPUL GT-Rが獲得しています。
GT300クラスは,前戦のポールシッターである井口卓人&山内英輝組のSUBARU BRZ R&D SPORTがこの日も速さを見せ,2戦連続,今季3度目となるポールを獲得しました。2,3番グリッドは,それぞれ小林崇志&名取鉄平組のUPGARAGE NSX GT3,吉本大樹&河野駿佑組のSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTが獲得しています。
2021/09/11(土)
☆1秒以内に(MotoGP)
○第13戦アラゴンGPが,ドライコンディションとなったモーターランド・アラゴンで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。
MotoGPクラスは,ドゥカティ・レノボ・チームのJ.ミラーが初日総合トップタイムをマークし,第2戦ドーハGP以来今季3度目の初日総合トップとなりました。前戦においてMotoGPクラスで自身,そしてチーム初となる表彰台を獲得したアプリリア・レーシング・チーム・グレシーニのA.エスパルガロが,その好調さを物語るように総合2番手タイムで初日を終えています。このところ毎レース代役でライダーを起用しているヤマハ勢ですが,今回サテライトであるペトロナス・ヤマハSRTにヤマハのテストライダーを務めているC.クラッチローを起用していて,そのクラッチローが初日総合3番手タイムをマークしました。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,8番手タイムで初日を終えています。この日のMotoGPクラスは,タイムがとても接近していて,トップから1秒以内に16台のマシンが入っていました。
Moto2クラスは,ここまでランクトップを行くレッドブルKTMアジョのR.ガードナーが,エルフ・マークVDSレーシング・チームのA.フェルナンデスにわずか1000分の7秒という僅差で初日総合トップに立ちました。さらにそのA.フェルナンデスから1000分の95秒差で,ガードナーのチームメイトであるR.フェルナンデスが総合3番手タイムでした。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,トップから1秒弱遅れの17番手で初日を終えています。
Moto3クラスは,レッドブルKTMテック3のD.オンジュが,自身初となる初日総合トップタイムをマークしました。トップ4はとても僅差で,総合2番手だったガビオタ・ガスガス・アスパー・チームのI.ゲバラが1000分の45秒差,総合3番手だったペトロナス・スプリンタ・レーシングのD.ビンダーが1000分の76秒差でした。フル参戦日本人ライダー勢ですが,レッドブルKTMテック3の佐々木歩夢が12番手,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が13番手,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝が15番手,カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖が18番手,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が23番手で初日を終えています。
2021/09/10(金)
☆全て&欠場(WRC)
○コロナ禍に揺れる中ではありますが,今シーズン2輪,4輪いずれにおいても,いくつかの世界選手権が予定されていました。2輪については,ツインリンクもてぎにおけるMotoGP,鈴鹿サーキットにおけるEWCシリーズの鈴鹿8耐,4輪については,鈴鹿サーキットでのF1,富士スピードウェイでのWECといったものです。ところが,例年真夏に開催される鈴鹿8耐は秋に延期となりましたが,その後開催中止が決まりました。MotoGP,WECも早々に開催中止が決定し,F1については,今回がホンダ最終年,そして久々のフル参戦日本人ドライバーの誕生ということもあって,何とか開催に向けた努力が続けられたものの,最終的に開催中止となってしまいました。後唯一残っていたのが,11月11日(木)〜11月14日(日)にわたって愛知県豊田市にある豊田スタジアムを拠点にして,愛知・岐阜の2県で競技が実施される予定になっているWRCのラリー・ジャパンでした。昨シーズンから復活となったこの大会ですが,その昨年は新型コロナウイルスの感染拡大により中止となっていました。今年こそ開催させようとこちらも関係者の努力が続きましたが,9月7日(火)にラリー・ジャパン2021実行委員会から発表があり,WRC第12戦『フォーラムエイト・ラリー・ジャパン2021』の開催を中止することが決定しました。これにより,今年開催が予定されていた主な世界大会は,昨年に続いて全て開催中止が決まりました。今年はオリンピックとパラリンピックのどちらもが開催された年だけに,それらは開催できても,モータースポーツイベントは全て開催中止となってしまい,何とも釈然としない人も少なからずいることでしょう。世界的にはかなり市民権を得ているモータースポーツですが,日本では超マイナースポーツという側面は否めませんので,こうした自体に陥ってしまうのも仕方ないのかもしれません。やはり,メジャースポーツになるよう,皆で盛り上げていく必要がありますね。
ところで,昨日から第9戦ギリシャが開幕しています。その大会開催を前にした9月8日(水)に発表があり,TOYOTA GAZOO Racing WRTの勝田貴元とK.ウイリアムズのペアが同ラウンドに参加しないことになりました。トヨタ・ヤリスWRCを駆って今シーズンのWRC全戦に出場している勝田は,第6戦ケニアにおいて日本人ドライバーとして27年ぶりとなる表彰台を獲得したりして活躍をみせています。今大会ではどのような活躍を見せてくれるのか楽しみにしていたのですが,ドライバーの隣でコース図等を読み上げていくという重要な役割を果たしているコ・ドライバーのウィリアムズが,彼の家族の理由(具体的なことは情報が出ていません)で緊急帰国せざるを得なくなりました。ドライバーとコ・ドライバーとは,阿吽の呼吸でレースに臨んでいますので,すぐに代役を立てられる訳ではありません。そうしたことから,今回の欠場という決断に至っています。
2021/09/09(木)
☆着々と(F1)
○このところ来季のシートに関してお伝えしていますが,昨日も新たな発表があって,着々とシートが埋まってきています。アルファロメオ・レーシング・オーレンのK.ライコネンが今季限りで引退することが決まり,その空くことになるシートにメルセデスAMGのV.ボッタスが座ることになりました。そして,その空くメルセデスAMGのシートにウィリアムズのG.ラッセルが座ることが決定しています。今回発表されたのは,ラッセル移籍に伴って空くシートについてで,そのシートには,今季レッドブル・レーシングでテスト&リザーブドライバーを務めているA.アルボンが座ることが決定しました。さらに,今季も同チームでレギュラードライバーを務めているN.ラティフィの残留も併せて発表され,来季のウィリアムズはアルボン&ラティフィの体制で臨むことになります。今回移籍が決定したアルボンは,2019年にトロロッソ(現アルファタウリ)からF1にデビューしました。そして,同年にP.ガスリーと入れ替わる形でレッドブル・レーシングに昇格しました。昨シーズン終了までレッドブルのレギュラードライバーを務めましたが,今季はS.ペレスの移籍に伴ってレギュラードライバーのシートを失い,テスト&リザーブドライバーを務めると共に,DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)にも参戦しています。来季に向けてレッドブルでの再昇格を狙ってはいましたが,レッドブル及びアルファタウリ共にドライバーの残留が決定し,その願いは叶いませんでした。そのような中,メルセデス陣営であるウィリアムズがアルボンに白羽の矢を立て,レッドブルの承諾を得ながら今回の契約成立に至っています。レッドブルとしては,メルセデス陣営にアルボンを渡す形にはなりましたが,彼との関係は今後も維持していきたいという意志があるようです。次に,残留が決まったラティフィは,2019年にウィリアムズのリザーブドライバーとなり,2020年から同チームのレギュラードライバーを務めています。今回の契約延長により,ウィリアムズとは3年目を迎えることになります。
2021/09/08(水)
☆残留&移籍(F1)
○レッドブルとアルファタウリにパワーユニットを供給しているホンダは,今季限りでF1から撤退することになっています。ただ,レッドブルが今季のホンダのF1パワーユニットの知的財産権を引き継ぎ,そしてホンダの人的,物的な支援も一部受けながら「レッドブル・エンジン」として運用することになっていて,来季も今季と同じホンダ製パワーユニットを両チームは搭載することになっています。そのホンダ製パワーユニットをベースとするレッドブル・エンジンを搭載するレッドブルのマシンを駆るドライバーは既に決定していて,今季のM.フェルスタッペンとS.ペレスが残留することになっています。それに対して,アルファタウリのドライバーがどうなるのか未定でしたが,昨日アルファタウリ・ホンダF1から発表があり,今季同チームからフル参戦しているP.ガスリーと角田裕毅が2人とも残留することになりました。今季で5年目のF1を戦っているガスリーは,コンスタントにポイントを獲得し,第6戦アゼルバイジャンGPではキャリア3度目となる表彰台を獲得したりして,現段階でランク8位につけています。そのチームメイトである角田は,ホンダの育成ドライバーとしてステップアップを果たしていって,今シーズンついにF1に上り詰めました。ルーキーシーズンである今季は,マシントラブルや自らのミス等もあってコンスタントにポイントを獲得するまでには至っていませんが,日本人F1ドライバーとしては初めて開幕戦で入賞したりして,現段階でランク13位につけています。ガスリーの残留はほぼ決定的でしたが,角田に関しては不安視されるところはあったものの,無事来季も唯一のフル参戦日本人ドライバーとして走ることになりました。
昨日はメルセデスAMGのV.ボッタスが,来季はアルファロメオ・レーシング・オーレンに移籍することをお伝えしました。ただ,その段階ではボッタスが抜けたシートに誰が座ることになるのかについては発表がありませんでしたが,同日メルセデスAMGからそれに呼応するような形で発表があり,今季ウィリアムズからフル参戦しているG.ラッセルを起用することになりました。昨日のこのページでお伝えしたように,かねてから彼の起用が確実な情報として噂されていましたが,その噂通りの決定に至っています。メルセデスのジュニア育成ドライバー出身であるラッセルは,GP3,FIA-F2でチャンピオンを獲得し,2019年からウィリアムズに所属してF1へステップアップを果たし,現在に至っています。性能で劣るウィリアムズのマシンを駆って苦労している彼ですが,その苦労が報われるかのように,第12戦ベルギーGPでは,予選で2番グリッドを獲得すると共に,大雨の影響を受けて実質的に3周のみとなった決勝レースを2位で終え,自身初の表彰台を獲得しています。来季のメルセデスAMGは,既にL.ハミルトンの残留が決定していますので,来季はイギリス人ドライバー同士の組み合わせということになります。
2021/09/07(火)
☆移籍(F1)
○サマーブレイクが明け,F1も後半戦に向けてシーズンが進んでいます。もちろんランキング争いがどうなるのかが注目となりますが,来季のシート獲得競争がどうなるのかもますます注目となってきます。そのような中,アルファロメオ・レーシング・オーレンから発表があり,今季もメルセデスAMGからフル参戦しているV.ボッタスとの間で2022年からの複数年契約が成立しました。2013年にウィリアムズに所属してF1フル参戦を開始したボッタスは,同チームに4年間所属しました。その4年目である2016年シーズンにチャンピオンを獲得したのが,チームメイトであるL.ハミルトンとの争いを制したメルセデスAMGのN.ロズベルグでした。そのロズベルグが突然その年限りでの引退を決め,F1ドライバーであれば誰もが座りたいメルセデスAMGのシートが1つ空くことになりました。そこで白羽の矢が立ったのがボッタスで,2017年から現在までずっとハミルトンのチームメイトとしてフル参戦してきています。ただ,チームメイトがチームメイトだけに,常に高いレベルでの結果が求められていて,少しでも成績が振るわなかったりすると,批判されたり,シート喪失の憂き目に遭ったりするという状態が続いています。実際,シート喪失の噂は毎年というのは言い過ぎでしょうが,それに近い状態であったのも確かです。そうなる一つの要因が,契約期間が1年という状態が続いていることもありました。今季も1年契約でシーズンに臨んでいましたが,これまでとの状況の違いが,シート喪失の噂がかなり現実味を帯びていたということです。特に,シーズンが進むに連れてその傾向が強まり,最近では噂というレベルではなくなってきていました。そのような中での今回の発表でした。今回の契約は,ボッタスからすると優勝争いに絡むことができにくくなることはほぼ間違いないでしょう。ただ,これまで単年度契約という状態が続いていた中で,今回は複数年契約ということになりましたので,ある程度長期的な展望のもとでフル参戦を継続することができます。特に,ボッタスが座ることになったシートというのは,彼にとって母国の英雄であるK.ライコネンの引退によって空いたシートとも言えますから,そうした意味からも彼のモチベーションは一層高まることでしょう。なお,今回はボッタスについて発表があっただけで,チームメイトについてはまだ未発表です。また,ボッタスが抜けることで空いたシートについての発表は現段階でまだありませんが,ほぼ間違いなく現在ウィリアムズからフル参戦しているG.ラッセルが座ることになるでしょう。
2021/09/06(月)
☆返り咲き(F1)
○第13戦オランダGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったザントフォールト・サーキットで行われました。36年ぶりの開催となったオランダGPですが,ポールからスタートしたのはオランダ人ドライバーであるレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンでした。母国GP制覇に終えるフェルスタペンは,順調にスタートを切ると,2,3番グリッドからスタートしたメルセデスAMG勢を抑えてトップの座を守りました。その後も2位を行くL.ハミルトンとの2秒前後の差を守って行きましたが,ピットインのタイミングの違いからV.ボッタスに前を行かれる時間帯もありました。チーム戦略からボッタスがフェルスタッペンを抑える走りを展開しましたが,劣化するタイヤということもあってそれも限界となり,再びフェルスタッペンがトップに立ち,ボッタスはピットインしたこともあって再び3位に戻りました。その後も順調に2位との差を広げて行き,ナショナルカラーであるオレンジに染まるサーキットでトップチェッカーを受けました。2位にハミルトンが入り,ランキング争いでわずか3ポイント差ながらフェルスタッペンが再びランクトップに立ちました。他のホンダ製パワーユニット勢ですが,4番グリッドからスタートしたアルファタウリ・ホンダのP.ガスリーは,トップ3からはかなり遅れをとりましたが,見事4位でチェッカーを受けています。ピットスタートとなったレッドブル・ホンダのS.ペレスは,コース幅が狭いこともあって追い抜きが難しいサーキットにもかかわらず,粘り強く追い抜きをしていって,見事8位でチェッカーを受けています。15番グリッドからスタートしたアルファタウリ・ホンダの角田裕毅は,ポイント圏内を走行する時間帯もありましたが,途中でパワーが上がらないというトラブルに見舞われてペースダウンし,最終的にピットインしてパワーユニットのデータトラブルでリタイアに終わっています。

☆いつものように(JRR)
○第6戦の決勝レースが,ドライコンディションとなった岡山国際サーキットで行われました。
JSB1000クラスは,レース序盤からAstemo Honda Dream SI Racingの清成龍一がトップに立ち,それを前戦でチャンピオンを決めているYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行が追うといういつものパターンとなりました。必死に逃げる清成を,余裕を見せながら中須賀が追っていって,観ている方はいつものようにその内中須賀が抜いていくのだろうという印象を持ってしまう状況でした。そして,やはりその予想に違わず,ここでという場面で一挙に中須賀がトップに立ちました。その後は,これまたいつものように中須賀が清成との差をどんどん広げて行き,いつものように独走でトップチェッカーを受け,今季ここまでの全勝となる8勝目を挙げました。後残りは我が大分県にあるオートポリスで開催される最終戦のみですが,九州出身の中須賀にとってホームコースとも言える状況で,いつも圧勝している得意のサーキットです。既にチャンピオンを決めている中須賀は,全勝で制するという目標設定に変えていますが,最終戦がその得意のオートポリスだけに,全勝優勝という目標設定がかなり高い確率で現実化する感じがします。ただ,もちろん中須賀の全勝というところも見たいですが,ホンダ勢を中心として他のライダー及びチームがもっと奮起して違う状況に落ち込むことも大切な気がするのも事実です。なお,3位には,単独走行でMuSASHi RT HARC-PRO.Hondaの名越哲平が入っています。
ST1000クラスは,ポールからスタートしたAstemo Honda Dream SI Racingの作本輝介が順調にスタートを切ってトップに立ちました。その勢いはその後も衰えずに独走態勢に持ち込み,2位に9秒以上の大差をつけて今季2勝目を挙げました。作本に差をつけられたものの,BLUcRUニトロレーシング51YAMAHAの岡本裕生とVamos Racing Kawasaki#64の岩戸亮介との間で激しい2位争いが展開され,残り2周となったところで岩戸が転倒して岡本が2位でチェッカーを受けました。岩戸の脱落により,その後方を走っていたランクトップを行くAstemo Honda Dream SI Racingの渡辺一馬が2位で入り,チャンピオン争いは渡辺が有利のままで最終戦に持ち込まれています。
ST600クラスは,MuSASHi RT HARC-PRO.の埜口遥希とNCXXRACING&善光会 TEAMけんけんの長尾健吾によるトップ争いに持ち込まれていきました。終盤まで持ち込まれたその争いは,最終的に埜口がこれを制し,今季2勝目を挙げました。Webike チームノリックヤマハの阿部恵斗とAKENO SPEED・YAMAHAの井出翔太との間で3位争いとなりましたが,阿部がこれを制して自身初となる表彰台を獲得しています。
J-GP3クラスは,ポールからスタートしたP.MU 7C GALE SPEEDの尾野弘樹は,こちらも順調にスタートを切ってトップに立ちました。その後は後続との差をどんどん広げて行って独走態勢に持ち込み,2位に18秒以上の大差をつける独走で今季3勝目を挙げました。realize racing teamの細谷翼とSunny moto Planningの小室旭との間で繰り広げられた2位争いはファイナルラップまで持ち込まれ,一旦は小室が2位に立ちましたが,細谷がこれを抜き返し,そのままの順でチェッカーとなっています。
2021/09/05(日)
☆母国で(F1)
○第13戦オランダGPの予選が,好天に恵まれたザントフォールト・サーキットで行われました。36年ぶりに復活となったオランダGPですが,ここで速さを見せたのは,母国GPに燃えるレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンでした。前日のフリー走行で総合トップタイムだったフェルスタッペンは,予選でも速さを見せてどのセッションでもトップタイムをマークし,2戦連続となるポールを獲得しました。ここまでランキング争いをフェルスタッペンと繰り広げているランクトップを行くメルセデスAMGのL.ハミルトンは,フェルスタッペンからわずかに遅れをとり,1000分の38秒差で2番手タイムでした。3番手タイムは,ハミルトンのチームメイトで,同チームの来季のシート獲得が厳しい状況にあるV.ボッタスでした。他のフル参戦日本人ライダー勢ですが,アルファタウリ・ホンダのP.ガスリーが4番手と好位置につけました。チームメイトの角田裕毅は,Q1は突破しましたが,Q2でこれからタイムアタックというところで赤旗が出されて不運にもアタックすることができずにここで敗退となり,15番手タイムで予選を終えています。レッドブル・ホンダのS.ペレスは,Q1で敗退して16番手でした。

☆全勝目指し(JRR)
○第6戦の予選が,一時的に雨に見舞われた岡山国際サーキットで行われました。
JSB1000クラスは,セッションが始まる前に雨に見舞われてウェット宣言が出されたものの,その後は雨が降らずに予選セッションが進みました。前戦で早くもチャンピオンを決めているYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行は,今季全勝を目指すというモチベーションで臨んでいて,コースレコードを更新する速さを見せて見事ポールを獲得しました。中須賀からはやや離されたものの,Astemo Honda Dream SI Racingの清成龍一が2番手タイムでした。トップからは1秒半近い差がついてしまいましたが,Honda Suzuka Racing Teamの亀井雄大が3番グリッドを獲得しています。
ST1000クラスは,ラストアタックでAstemo Honda Dream SI Racingの作本輝介がタイムアップを果たし,コースレコードを更新してこのクラスで自身初となるポールを獲得しました。作本がタイムを更新するまでトップだったBLUcRUニトロレーシング51YAMAHAの岡本裕生は,彼もラストアタックで自身のタイムは更新したものの,作本のタイムには及ばず2番手タイムで終了しました。ここまでランクトップにつけているAstemo Honda Dream SI Racingの渡辺一馬は,3番手タイムで予選を終えています。
ST600クラスは,Webike チームノリックヤマハの阿部恵斗が,激しいタイム争いを制し,こちらもコースレコードを更新して今季自身初となるポールを獲得しました。阿部からわずか1000分の28秒差でMOTO BUM HONDAの鈴木光来が2番手,同じく阿部から1000分の99秒差でNCXXRACING&善光会 TEAMけんけんの長尾健吾が3番手タイムでした。
J-GP3クラスは,徐々にコースが乾いていくという状況になると,前戦のポールシッターであるP.MU 7C GALE SPEEDの尾野弘樹と,ここまでランクトップを行くSunny moto Planningの小室旭とのポール争いとなりました。これをわずか1000分の34秒差で尾野が制し,コースレコードを更新してポールを獲得しました。トップから1秒以上離されて,realize racing teamの細谷翼が3番グリッドとなっています。
2021/09/04(土)
☆順送りで(MotoGP)
○M.ビニャーレスの動向によってシートに座るライダーが一定しない状況となっているヤマハ陣営ですが,来週末に行われる第13戦アラゴンGPについて新たな発表がありました。アラゴンGPにおけるヤマハ陣営は,ビニャーレスが抜けたヤマハワークスであるモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPについては,その空いたシートにサテライトであるペトロナス・ヤマハSRTから移籍となるF.モルビデリが座ることが決定していました。そして,そのモルビデリが抜けたシートに誰が座るのかについては未定でした。そのシートに関して9月2日(木)に同チームから発表があり,J.ディクソンを代役として起用することになりました。今季のディクソンは,同チームのMoto2クラスにおけるチームであるペトロナス・スプリンタ・レーシングからフル参戦しています。前戦イギリスGPにおいて,その段階では怪我で欠場していたモルビデリの代役として初めてMotoGPクラスに出場しました。それまで一度もヤマハのMotoGPマシンであるYZR-M1を駆った経験がなく,しかも母国での大会ということで,かなりのプレッシャーと戸惑いがあったことと思いますが,流石にポイント獲得には至らなかったものの,見事21位で完走を果たしています。当初はこの大会のみの代役参戦でしたが,モルビデリのワークス昇格によって次回のアラゴンも代役参戦することになりました。ディクソンが代役参戦することで空いたMoto2のシートには,同チームからMoto3クラスにフル参戦しているJ.マクフィーが代役参戦することも発表され,さらに,それにより空いたMoto3クラスのシートには,MotoGPへの登竜門である『Moto3TMジュニア世界選手権』にフル参戦しているS.アズマンが代役参戦することも発表されていて,まさに順送りでの代役参戦という状態になっています。
2021/09/03(金)
☆引退(F1)
○9月1日(水)にアルファロメオ・レーシングから発表があり,今季フル参戦ドライバーの中で最年長であるK.ライコネンが,今季をもって引退することになりました。ちょうど21世紀に入った2001年からザウバー(現在のアルファロメオ)に所属してF1にフル参戦を開始したライコネンは,2002年にマクラーレンへ移籍。2007年には,ついにF1ドライバーにとって一つの憧れでもあるフェラーリへと移籍しました。そして,その初年度に見事チャンピオンを獲得しています。ところが,2010年にF.アロンソがフェラーリに移籍してきたため,ライコネンはシートを失うこととなります。その年をもって一旦F1から引退する状況となり,WRCやNASCARへと戦いの場を移します。しかし,2012年にロータスに所属し,再びF1に舞い戻ってきました。そのロータスで2年間過ごした後,2014年に再びフェラーリへと返り咲きました。ここではチャンピオンを獲得するに至らず,2018年に彼にとってF1のスタートチームである旧ザウバー,現アルファロメオに移籍して現在に至っています。現段階におけるここまでの通算成績は,優勝回数が21回,表彰台獲得数が103回,ポール獲得が18回となっています。なお,今回はF1からの引退が発表されただけで,来季以降の活動については発表がありませんでした。WRCやNASCARにも参戦した経歴を持つ彼だけに,別のカテゴリーで活躍する可能性も十分考えられますね。また,ライコネンが抜けるシートに誰が座ることになるのか,今回の発表では明らかになっていません。ただ,重要な噂が浮上していて,来季のシートが危うい状況が続いているメルセデスAMGのV.ボッタスが,そのシートを失い,来季ライコネンが抜けたアルファロメオのシートに座ることになるのではないかというものが出てきています。さらに,現在はフェラーリ製PUを使っている同チームですが,ボッタスの移籍に伴い,フェラーリからメルセデス製PUに変更になるのではないかという噂までボッタス移籍の話に付随しています。もしそうなると,チーム名がイタリアンメーカーでフェラーリと同じフィアット傘下にあるアルファロメオのままでいくかという点も浮上してくることになります。この動きについても目が離せませんね。
2021/09/02(木)
☆レギュラー参戦(MotoGP)
○今シーズンのM.ビニャーレスですが,元々は来季までの契約がヤマハとの間で成立していましたから,ある意味安泰という状態でした。ところが,そのヤマハとの関係性にひびが入り,来季までの契約が変更となり,今季限りで切れることになりました。さらに,第10戦スティリアGPにおいて,マシンを意識的にオーバーレブさせるという行為に及び,ヤマハから出場停止処分が下りました。そして,その後ほどなくして今季限りとなっていた契約が,シーズン途中での契約解除まで発展しました。ヤマハのシートを失った彼でしたが,すぐにアプリリアと来季の契約が成立し,8月31日(火)から2日間にわたって行われたアプリリアのプライベートテストに参加しています。そのような流れの中で,昨日アプリリア・レーシングから発表があり,来週末に行われる第13戦アラゴンGPからビニャーレスをレギュラーライダーとして今季残りのレースに参戦させることになりました。今季のアプリリアは,シルバーストーン・サーキットで行われた第12戦イギリスGPで3位に入ったA.エスパルガロと,ルーキーシーズンとなるL.サバドーリの2人がレギュラーライダーとしてフル参戦しています。ビニャーレスが参戦するということは,当然誰かがそのシートを譲らないといけなくなりますが,今回の発表によると,サバドーリに替わってビニャーレスが参戦することになります。レギュラーライダーの座を譲った形となるサバドーリは,アプリリアのテストライダーとして残ることになります。アプリリアがワークスとしてフル参戦することになる来季は,既にエスパルガロとビニャーレスの2人がレギュラーライダーになることは決定済みですから,サバドーリは来季もテストライダーとして残ることになると思われます。
2021/09/01(水)
☆活動終了(MotoGP)
○V.ロッシの引退,M.ビニャーレスの途中離脱と,いくつかの大きな動きが出ている今季のヤマハですが,今度はヤマハ唯一のサテライトチームであるペトロナス・ヤマハSRTに大きな動きが生じています。その最初の動きは,先月14日(土)に始まりました。同チームはマレーシアGP等が開催されているセパン・インターナショナル・サーキット(SIC)の支援を基盤として活動し,同じくマレーシアの国営企業である『ペトロナス』がタイトルスポンサーとなってMotoGPクラスでは『ペトロナス・ヤマハSRT』として,Moto2,Moto3クラスでは『ペトロナス・スプリンタ・レーシング』として活動しています。まさにペトロナスとの関係性が高いチームなのですが,同日にSICとペトロナスから発表があり,今シーズン限りでペトロナスがタイトルスポンサーを降りることになりました。最有力なスポンサーを失うことになった同チームですが,その発表段階では,MotoGPクラスへの参戦は継続するものの,Moto2,Moto3クラスへの参戦は今季限りで撤退するという発表を行っていました。ところが,今度は8月26日(木)に新たな発表があり,チームとしての活動を今季限りで終了することになりました。つまり,現行の体制での参戦は,MotoGPクラスも含めて全クラス撤退することになった訳です。となると,ヤマハのサテライトチームがなくなることになりますが,今回の発表は他にもあり,チーム代表であるR.ラザリとチームディレクターであるJ.シュティゲフィルトとが率いる新たなチームを発足させ,そのチームがMotoGPクラスへの参戦を継続することになりました。そして,そのチームとタイトルスポンサーについては,第14戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニの会場であるミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで発表されることになるとのことです。これにより,ヤマハのサテライトチームに関しても,問題は解決したことになります。
 

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