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最新ニュース

2021/10/31(日)
☆初ポール&独占(SF)
○今季最終戦となる第7戦『JAF鈴鹿グランプリ』の予選が,時間が経つにつれて曇り空となった鈴鹿サーキットで行われました。既に前戦でTEAM MUGENの野尻智紀がタイトルを決定していて,チャンピオン争いという点では見所に欠けますが,2位以下のランキング争いやチームタイトル争いなどが今大会の注目点となります。
1分36秒台がポール獲得に必要なタイムとなった今回の予選で,見事ポールを獲得したのは,今季第2戦からの参戦となったB-Max Racing Teamの松下信治でした。松下にとっては,初のポール獲得となります。TCS NAKAJIMA RACINGの大湯都史樹はQ2で唯一1分36秒台をマークしていて,ポールに最も近いかと思われましたが,Q3では松下にトップタイムを奪われ,コンマ2秒弱の遅れで惜しくも2番手タイムに終わりました。その大湯からわずかおよそ100分の3秒遅れで,DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの福住仁嶺が3番手タイムでした。牧野任祐とチャンピオンを決めている野尻智紀がそれぞれ4,5番手タイムをマークし,ホンダエンジンユーザー勢がトップ5を独占した今回の予選となりました。
2021/10/30(土)
☆継続参戦(WRC)
○今シーズンのWRCは,11月19日(金)から開幕するラリー・モンツァを残すのみとなりました。まだタイトル争いは決着しておらず,今シーズンがフル参戦最後となっているS.オジエが有終の美を飾るかが注目点となっています。そのタイトル争いが気になるところですが,来季の体制についても気になるところです。ただ,タイトル獲得の可能性が高いトヨタにしてもヒュンダイにしても,どちらもワークス体制については決まっています。私たち日本人レースファンにとっては,今シーズンからフル参戦している勝田貴元の動静です。その点について昨日TOYOTA GAZOO Racingから発表があり,来季も継続してフル参戦することが決まりました。TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムに参加し,今シーズンからWRCのトップクラスにフル参戦している勝田ですが,来季はトヨタが新たに立ち上げる育成的立場のサテライトチームである『TOYOTA GAZOO Racing WRT・ネクスト・ジェネレーション』からフル参戦することになりました。フル参戦1年目の勝田は,第6戦『サファリ・ラリー』で2位でゴールし,日本人ドライバーとしては27年ぶりの表彰台獲得という快挙を成し遂げました。シーズン後半に入ってやや成績が伸びていないところがありますが,現段階で68ポイント獲得してランク7位につけています。マシンに関したレギュレーションの変更により,来季からのトヨタは,その新たに導入される『ラリー1規定』に基づいた新型ハイブリッドラリーカーである『GRヤリスWRCラリー1』を投入することになっていますが,ワークスであるTOYOTA GAZOO Racing ワールド・ラリー・チームはもちろん,勝田が所属するTOYOTA GAZOO Racing WRT・ネクスト・ジェネレーションも同様に新型マシンを駆ることになります。コロナ禍により2年連続してラリー・ジャパンが開催中止の憂き目を見ていますが,予断は許さないものの,来季は開催の可能性が十分にあります。最終戦として開催される予定の同ラリーですので,フル参戦初年度は後半の成績が今一歩のところがありますが,来季はぜひさらに成長した姿を日本のファンに見せて欲しいですね。
2021/10/29(金)
☆残り11(MotoGP)
○MotoGPクラスとMoto3クラスにフル参戦しているアビンティア・エスポンソラマ・レーシングは,V.ロッシが主宰するVR46(イタリアの若手ライダー育成を目的に開設している『VR46ライダーズ・アカデミー』)と提携関係にあり,MotoGPクラスではスカイVR46アビンティアとしてフル参戦しています。そのアビンティア・エスポンソラマ・レーシングから発表があり,VR46との関係を継続すると共に,イタリア連盟とも協力関係を新たに構築することになりました。そして,今季N.アントネッリ等を起用しているMoto3クラスについて,来シーズンは今季イタリア選手権でタイトルを獲得したE.バルトリーニとランク2位になったM.ベルテッレの2人を起用することになりました。
来季のMoto3クラスは15チーム30名のライダーがフル参戦することになりますが,今回の発表で15チーム中9チームの体制が決まったことになります。日本人ライダーとしては,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が残留し,佐々木歩夢と鈴木竜生は,それぞれステリルガルダ・マックス・レーシング・チームとレオパード・レーシングに移籍します。あと残っているシートについては,SIC58スクアドラ・コルセの1つは埋まっていて,ホンダ・チーム・アジアを含めた5チームは1人も正式発表がまだなく,合計11のシートが未定となっています。
2021/10/28(木)
☆混沌&代役(SF)
○今シーズンは全7戦で行われているSFですが,先日ツインリンクもてぎで行われた第6戦において,TEAM MUGENの野尻智紀が自身初となるチャンピオンを決めました。今週末に鈴鹿サーキットで最終戦となる第7戦が行われますが,チャンピオンは決まったものの,ランク2位であるcarenex TEAM IMPULの関口雄飛以下については混沌としていて,レース結果次第でランキングはかなり入れ替わる可能性もあります。また,チームタイトルについてはポイント差があまりなく,どこがタイトルを獲得するかの全く分からない状況にあります。ちなみに,現段階でランクトップのcarenex TEAM IMPULとランク2位のTEAM MUGENとのポイント差はわずか2ポイントで,さらにランク3位のDOCOMO TEAM DANDELION RACINGでさえも,トップから4ポイント差しかありません。そうした意味から,ドライバーズタイトルは決まっているものの,まだ注目点はあります。そうした最終戦となるのですが,昨日SFを運営する日本レースポロモーションが最終戦のエントリーリストを発表しました。それによると,前戦と比べてドライバーが入れ替わっています。その要因は世界耐久選手権(WEC)で,同シリーズの第5戦バーレーン6時間レースと第6戦バーレーン8時間レースがあるため,それにトヨタワークスからフル参戦しているKuo VANTELIN TEAM TOM’Sの中嶋一貴とKCMGの小林可夢偉が最終戦に出場できません。そのため,まず中嶋の代役としてJ.アレジが参戦します。ご存知のように元F1ドライバーのジャン・アレジと女優である後藤久美子の息子で,既に同じ理由から代役参戦を経験済みです。特に我が大分県にあるオートポリスで行われた第3戦においては,不安定な天候の中,見事ポールトゥーウィンを達成しています。可夢偉の代役は,第5戦でステアリングを握った小高一斗となっています。なお,B-Max Racing Teamについては,松下信治とI.バルタスの2台体制で臨むことになっていた今シーズンですが,コロナ禍による入国制限のためバルタスはずっと参戦できていない状況が続いています。最終戦についてもその状況が続いていますので,結局松下の1台体制で最終戦も臨むことになります。
2021/10/28(水)
☆マシンチェンジ(MotoGP)
○ヨーロッパラウンドにおいてMotoGPと併催で行われているのが,電動バイクである『エネルジカ・エゴ・コルサ』を駆って争われているMotoEです。今シーズンの同シリーズは,ポンス・レーシングからフル参戦しているJ.トーレスがタイトルを獲得し,2年連続チャンピオンに輝きました。来季で開催4年目を迎えることになるMotoEですが,そこで使用されているエネルジカ・エゴ・コルサは,『エネルジカ・モーター・カンパニー』がワンメークで供給しているマシンで,トーレスが3年連続チャンピオンを目指す来季も,これまでと同様の体制でマシン供給が行われる予定です。その点に関して,10月19日(火)にドルナ・スポーツから発表があり,エネルジカ・モーター・カンパニーとの契約を来季限りで終了することになりました。これを受け,今度は10月21日(木)にドルナ・スポーツから新たな発表があり,2023年から2026年までの4年間の契約で,ドゥカティがワンメイクサプライヤーとしてマシンを供給することになりました。世界的なカーボンニュートラルという考えを受け,4輪に限らず,2輪もガソリンから電動へと動きを替えていく必要性が生じてきています。現在最高峰クラスであるMotoGPにおいて8台という最大の勢力を誇ると共に,タイトルこそモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロに奪われたものの,ランキングトップ5中3人がドゥカティ勢となっていて,今シーズン最も性能が高いはドゥカティのMotoGPマシンであるデスモセディチではないかと言われているくらいです。現在2輪でも当たり前のように採用されてきているウィングレットですが,これを積極的に採用,開発していったのもドゥカティで,そのマシン開発能力は近年評価されています。今回の供給決定も,そうした流れの中で生まれたある意味納得できるものなのかもしれませんね。
2021/10/27(火)
☆総入替え(SBK)
○今シーズンのタイトル争いは,ヤマハのT.ラズガットリオグルとカワサキのJ.レイとの争いとなっています。まさに日本メーカーによるタイトル争いとなっているわけですが,ひとり蚊帳の外という感じでずっと来ているのがホンダです。現行のCBR1000RR-Rを投入して再びSBKにワークス参戦していますが,今季はいまだに未勝利で,ランク争いではワークスライダーであるA.バウティスタとL.ハスラムは,それぞれ現段階で10位,12位となっています。MotoGPでは少しずつ不振から立ち直りつつあるような状況ですが,SBKではまだまだ光が見えていないような感じです。
そのような状況のSBKですが,昨日ホンダから発表があり,来シーズンの体制が明らかとなりました。上記したように今季はバウティスタ(既に来季はドゥカティに復活することが決定済み)とハスラムというベテランライダーの組み合わせとなっていますが,来季はこの2人に替え,I.レクオナとX.ビエルヘの2人を起用することになりました。今季のレクオナは,テック3KTMファクトリー・レーシングに所属してMotoGPクラスにフル参戦しています。オーストリアGPにおける6位が最高位で,現段階でランク18位となっています。来季のテック3は,既に今季レッドブルKTMアジョからMoto2クラスにフル参戦してタイトル争いをしているR.ガードナーとR.フェルナンデスが2人揃ってステップアップして加入することが既に決まっています。そのため,レクオナはMotoGPでのシートを失うことが決まっていて,来季は戦いの場をSBKに移すことになったわけです。もう一人のビエルヘは,今季ペトロナス・スプリンタ・レーシングに所属してMoto2クラスにフル参戦しています。カタルニアGPで3位表彰台を獲得したのが最上位で,現段階でランク11位となっています。ペトロナスのMotoGPからの撤退を受けて所属しているチーム自体が体制を変更し,中・軽量級クラスから撤退することが決まっていました。そのため,彼もMotoGPからSBKへと戦いの場を移すことになったわけです。レクオナが21歳,ビエルヘが24歳と,一挙に若返りが図られる来季のホンダワークスですが,ここまでの不振が振り払われる状況になっていくのでしょうか。
2021/10/26(月)
☆残り13(MotoGP)
○第16戦エミリア・ロマーニャGPにおいてMotoGPクラスはモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロのチャンピオン獲得となりましたが,中・軽量級クラスについては,いまだに混沌とした状況にあります。残り2戦となって誰がその栄冠を勝ち取るのか気になるところですが,シーズン終盤で毎年気になるのは,タイトル争いはもちろん,来季の体制がどうなるのかという点です。既にMotoGPクラスの体制は決まっているものの,中・軽量級クラスはまだ未定のところが多く,果たして誰がそのシートを獲得できるのか注目となります。そのような中,第16戦の初日である10月22日(金)に,Moto3クラスにフル参戦し,中・軽量級クラスでチャンピオンを獲得した経歴を持つM.ビアッジがチームプリンシパルを務めているステリルガルダ・マックス・レーシング・チームから来季の体制について発表を行いました。来季のライダーについては,既に佐々木歩夢が所属することが決定していて,チームメイトについては未定でした。そして,今回そのチームメイトの発表があり,今季ペトロナス・スプリンタ・レーシングに所属してフル参戦しているJ.マクフィーを起用することになりました。今回の発表により,来季参戦する全15チームの内,8チームの体制が決まったことになります。残りは既に1人は決まっているSIC58スクアドラ・コルセと,まだ1人も発表されていないホンダ・チーム・アジアを含めた6チーム,全13のシートとなります。
2021/10/25(月)
☆初タイトル(MotoGP)
○第16戦エミリア・ロマーニャGPの決勝レースが,好天に恵まれたミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行われました。
MotoGPクラスは,タイトルに王手をかけていたモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロがこの大会で獲得できるかが一番に注目点でした。しかし,そのクアルタラロは,前日に行われた予選で苦戦し,今季初となるQ1敗退となり,15番グリッドからのスタートとなりました。それに対して,ランク2位につけているドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアは予選でも好調で,4戦連続ポールとなりました。タイトル獲得決定には様々な条件がありますが,一番分かり易いのは,クアルタラロがバグナイアの前でチェッカーを受ければ順位にかかわらず決定となります。しかし,グリッドから考えるとそうなる可能性はかなり低くなっていて,一番バグナイアが気をつけなければならないのは,リタイアによるノーポイントとなることで,クアルタラロが仮に下位でチェッカーを受けたり,ノーポイントに終わったりしても,その段階でタイトル決定となります。そうした中で始まった決勝レースは,何としてもここでの決定を阻止したいバグナイアが順調にトップに立って走行していきました。それを,前戦の勝者であるレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが追うという展開となりました。この2人のバトルはアラゴンGPで同じようなことになり,その時はバグナイアがマルケスの追撃を抑えて優勝しています。今回も同じような展開となっていましたが,ややバグナイアが差をつけ始めてきた23周目の15コーナーで転倒し,一番恐れていたリタイアに終わってしまいました。順位を徐々に上げていたクアルタラロは,その段階でタイトルが決定し,最終的には4位でチェッカーを受けています。バグナイアにとっては自身初のタイトル獲得で,フランし人ライダーの最高峰でのタイトル獲得も史上初タイトルとなります。レースの方は,バグナイアの転倒によりマルケスが独走状態となってトップチェッカーを受け,前戦に続く連勝,今季では通算3勝目を挙げています。2位にP.エスパルガロが入り,チームにとって今季初,そして2017年の第14戦アラゴンGP以来となるワンツーフィニッシュを達成しています。3位には,最後にクアルタラロを交わしたアビンティア・エスポンソラマのE.バスティアニーニが入りました。レースウィークに入ってから思うような走りができていなかったLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,17番グリッドからスタートしてなかなかペースを上げることができずに中位での走行となりました。そのような中の9周目に転倒を喫し,再スタートはきれたものの,最下位まで転落してしまいました。しかし,上位陣で転倒が起こったりして少しずつ順位を上げ,15位でチェッカーを受けて何とかポイントを獲得しました。今季で引退するペトロナス・ヤマハSRTのV.ロッシは,最下位からのスタートなりましたが,自身にとって最後の地元での走行で,たくさんの声援が後押しをしたのか,ポジションを上げていって10位でチェッカーを受けています。
Moto2クラスは,レッドブルKTMアジョのR.ガードナーとR.フェルナンデスとの間で僅差でのタイトル争いとなっています。ランク2位のフェルナンデスがシーズンが進むに連れてポイント差を詰めるという状況の中,そのフェルナンデスがトップに立ちました。それに対してガードナーが7位争い等を展開し,そのままで行くとフェルナンデスが逆転してトップに立つという状況となりました。ところが,トップを走行してこちらもやや差をつけ始めていた15周目の8コーナーで,不可解な形で転倒を喫してリタイアに終わってしまいました。ガードナーは無理な追い越しをかけて相手を転倒に追い込んだためロングラップペナルティが科されたりしましたが,7位でチェッカーを受けてポイント差を広げています。18番グリッドからのスタートとなったイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,上位陣の転倒があったりして少しずつポジションアップを果たし,最終的に9位でチェッカーを受けています。
Moto3クラスは,14番グリッドからスタートしたレオパード・レーシングのD.フォッジアが,スタートでや順位を下げたものの,徐々に順位を上げていって14周目にはトップに立ちました。その後はそのポジションを守り抜き,このサーキットで開かれた第14戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGP以来の優勝となりました。2位にレッドブルKTMアジョのJ.マシアが入り,第6戦イタリアGP以来となる表彰台を獲得しています。マシアのチームメイトで,ランクトップを行くP.アコスタは3位に入りました。ランク2位のフォッジアが優勝したことから,2人のポイント差が21に縮まっています。フル参戦日本人ライダー勢ですが,レッドブルKTMテック3の佐々木歩夢の9位が最高位で,カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖が11位に入ってこの2人がポイントを獲得しています。CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡は17位で完走を果たしたものの,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝とSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生はリタイアに終わっています。

☆ダブル表彰台(F1)
○第17戦アメリカGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われました。ポールからスタートしたレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンは,2番グリッドからスタートしたメルセデスAMGのL.ハミルトンの先行を許すという展開となりました。この2人が後続に差をつけていって,2人だけによるトップ争いとなりました。なかなかハミルトンの前に立つことができなかったフェルスタッペンは,早めのタイヤ交換に踏み切り,これが功を奏して,ハミルトンがタイヤ交換したときにはフェルスタッペンが先頭に立ちました。最後までこの2人のバトルは続きましたが,フェルスタッペンがハミルトンの追撃を交わしてトップでチェッカーを受け,今季8勝目を挙げました。この結果,ランクトップのフェルスタッペンとランク2位のハミルトンとのポイント差が10に広がっています。2人からかなり遅れましたが,S.ペレスが3位に入り,レッドブル・ホンダがダブル表彰台を獲得しています。アルファタウリ・ホンダ勢は,10番グリッドからスタ-とした角田裕毅が9位に入り,見事ポイント獲得となりました。P.ガスリーは,サスペンショントラブルが発生して15周目にリタイアとなっています。

☆雪辱(SGT)
○第6戦の決勝レースが,好天に恵まれた我が大分県にあるオートポリスで行われました。
GT500クラスは,レース序盤は笹原右京&大湯都史樹組のRed Bull MOTUL MUGEN NSX-GTがトップに立ちました。ところが,18周目に右リアタイヤが脱落するというまさかのトラブルが発生し,ここでリタイアとなりました。これによりトップ争いは伊沢拓也&大津弘樹組のModulo NSX-GTと,野尻智紀&福住仁嶺組のARTA NSX-GTとの再びNSX-GT勢によるバトルとなりました。しかし,このバトルは長続きせず,Moduloのペースがどんどん落ち始め,ARTAが単独走行となりました。その後も順調な走りを展開していき,最終的に2位に入った立川祐路&石浦宏明組のZENT CERUMO GR Supraに28秒以上の大差をつける独走でトップチェッカーを受けて今季初優勝を飾り,作戦ミスで優勝を逃した前戦の雪辱を果たしています。上位2台の単独走行を許したものの,松田次生&R.クインタレッリ組のMOTUL AUTECH GT-Rが,こちらも単独走行で3位に入っています。
GT300クラスは,ポールからスタートした嵯峨宏紀&中山友貴組のTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTがトップの座を守っていきました。途中でアクシデントにより2回のセーフティカー導入となりましたが,aprは順調に速い走りを展開していき,2位に入った新田守男&阪口晴南組のK-tunes RC F GT3に10秒以上の差をつける独走でトップチェッカーを受けました。今回の勝利は,チームにとって今季初優勝ということはもちろん,嵯峨とチームにとっては2016年第4戦以来の,中山にとってはチーム移籍後初の勝利となります。上位2台の単独走行は許しましたが,3位争いを制して井口卓人&山内英輝組のSUBARU BRZ R&D SPORTが入っています。
2021/10/24(日)
☆4戦連続(MotoGP)
○第16戦エミリア・ロマーニャGPの予選が,走行が進むに連れてライン上が乾いていくという状況となったミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行われました。ライン上は乾いていくと言っても,水たまりがあちらこちらに残っているためとてもスリッピーな状態が続き,どのクラスでも転倒者が続出し,その度にタイムアタックができない状況となりました。
MotoGPクラスは,Q1からの走行となったドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが,Q1での路面状況を把握できた経験を活かしてQ2で走行し,見事4戦連続となるポールを獲得しました。チームメイトのJ.ミラーが2番手タイムをマークし,ドゥカティワークスのワンツーとなりました。さらに,ドゥカティのサテライトチームの一つであるスカイVR46アビンティアのL.マリーニが3番手タイムをマークし,ドゥカティ勢がフロントローを独占しました。ちなみに,マリーニにとってはこのクラスで初のフロントローとなります。ウェットコンディションでの走行で苦労し,初日からなかなか上位に食い込むことができていなかったLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,Q1からの出走となってここでもなかなかタイムを上げることができず,Q1で敗退して17番グリッドからの決勝スタートとなりました。なお,タイトル獲得に王手をかけているモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロは,今季初となるQ1で敗退して15番グリッド獲得にとどまっています。
Moto2クラスは,エルフ・マークVDSレーシング・チームのS.ロウズが,+エゴ・スピード・アップのJ.ナバーロを1000分の45秒上回って今季6度目となるポールを獲得しました。3番手タイムをA.フェルナンデスがマークし,フロントローの2つをマークVDS勢が占めました。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,Q2からの走行となったものの,早い段階で転倒してしまって上位進出がならず,18番グリッドからの決勝スタートとなります。
Moto3クラスは,Q1からの出走となったVR46のN.アントネッリが,こちらもQ1での経験を活かしてQ2でも速さを見せ,どちらのセッションでもトップタイムマークし,一昨年の日本GP以来となるポールを獲得しました。そのアントネッリからはコンマ6秒という差をつけられましたが,カーエキスパート・プルステルGPのF.サラッチが2番手タイムをマークしました。3番手タイムをボエ・オウルライドのR.ロッシがマークし,第12戦イギリスGP以来のフロントロー獲得となりました。フル参戦日本人ライダー勢は,途中で転倒を喫したレッドブルKTMテック3の佐々木歩夢の10番手が最高位でした。ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝が13番グリッドを獲得し,この2人がQ2出走という状況でした。Q1で敗退となったカーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡は,それぞれ20番手,24番手,27番手と下位からの決勝スタートとなりました。

☆レコード&自身初(SGT)
○第6戦の予選が,コロナ禍により2年ぶりの開催となった我が大分県にあるオートポリスで行われました。
GT500クラスは,Q1でコースレコードをマークした笹原右京&大湯都史樹組のRed Bull MOTUL MUGEN NSX-GTが,Q2でもトップタイムマークし,両者にとってこのクラスで自身初のフロントローを獲得しています。そのトップからわずか1000分の7秒遅れという僅差で,大嶋和也&山下健太組のENEOS X PRIME GR Supraが2番手タイムでした。伊沢拓也&大津弘樹組のModulo NSX-GTが3番手,野尻智紀&福住仁嶺組のARTA NSX-GTが4番手タイムをマークし,トップの4台中3台をNSX-GT勢が占めました。
GT300クラスは,井口卓人&山内英輝組のSUBARU BRZ R&D SPORTがコースレコードを更新する速さを見せてポール獲得かと思われましたが,嵯峨宏紀&中山友貴組のTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTがハイブリッドパワーを活かしてそのタイムを更新し,今季初のポール獲得となりました。3番グリッドは,吉田広樹&川合孝汰組の埼玉トヨペットGB GR Supra GTが獲得しています。
2021/10/23(土)
☆ワンツー発進 PART1(MotoGP)
○第16戦エミリア・ロマーニャGPが今季2回目の開催となるミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで開幕し,初日はウェットコンディションの中で2回のフリー走行が行われました。
MotoGPクラスは,ドゥカティのワークスであるドゥカティ・レノボ・チームのJ.ミラーが総合トップタイム,ドゥカティのサテライトであるぷらまック・レーシングのJ.ザルコが総合2番手タイムをマークし,初日はドゥカティ勢のワンツー発進となりました。総合3番手タイムは,アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニのA.エスパルガロでした。ホンダ勢が全体的に奮わない初日となりましたが,LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,トップから2秒以上遅いタイムで23番手初日を終えています。
Moto2クラスは,FP2がウェットからドライへと変わるコンディションとなり,エルフ・マークVDSレーシング・チームのA.フェルナンデスが今季自身2度目となる初日総合トップタイムをマークしました。この大会を何とかランクトップで迎えているレッドブルKTMアジョのR.ガードナーが,トップから1000分の76秒差で総合2番手タイムでした。ペトロナス・スプリンタ・レーシングのX.ビエルヘがトップから1000分の82秒差と,こちらも僅差で総合3番手タイムでした。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,トップから1秒以上遅れた7番手タイムで初日を終えています。
Moto3クラスは,FP1でトップタイムだったリヴァコールド・スナイパーズ・チームのA.ミーニョが,2019年の日本GP以来となる初日総合トップとなりました。FP2でトップタイムだったレッドブルKTMアジョのP.アコスタが,このタイムで初日総合2番手タイムでした。ミーニョのチームメイトであるA.スーラが,FP1の2番手タイムで初日総合3番手タイムでした。フル参戦日本人ライダー勢ですが,FP2のタイムでは,レッドブルKTMテック3の佐々木歩夢が3番手タイムで日本勢トップで,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝が6番手,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が9番手で,この3人がトップ10で初日を終えています。CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡は13番手,カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖が21番手で初日を終えています。

☆ワンツー発進 PART2(F1)
○コロナ禍の影響で2年ぶりの開催となる第17戦アメリカGPがサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。ドライコンディションとなった初日の走行で,総合トップタイムをマークしたのはメルセデスAMGのV.ボッタスでした。チームメイトのL.ハミルトンが総合2番手タイムをマークし,初日はメルセデスAMG勢が総合でワンツー発進となりました。FP2でトップタイムだったレッドブル・ホンダのS.ペレスが,このタイムで初日総合3番手タイムとなっています。他のホンダ製パワーユニット勢ですが,ランクトップを行くレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンが8番手,アルファタウリ・ホンダのP.ガスリーと角田裕毅は,それぞれ12番手,16番手で初日を終えています。なお,初日総合トップのボッタスですが,前戦のハミルトンと同様にICE(内燃エンジン)を載せ換えていて,これが6基目のものとなりますので,ペナルティにより5グリッド降格が決定しています。
2021/10/22(金)
☆再スタート&飛び級(MotoGP)
○ヤマハのサテライトチームとして活躍しているのがペトロナス・ヤマハSRTですが,同チームのタイトルスポンサーであるペトロナスが今季限りで撤退することになり,同チームは新たな体制を組み,これまで全てのクラスにフル参戦していましたが,来季からはMotoGPクラスのみに専念することを既に発表していました。そのことに関してヤマハ発動機から発表があり,『RNFレーシング株式会社』と新たに契約し,『RNF MotoGPチーム』としてフル参戦することになりました。今回新たな契約を結んだRNF MotoGPチームは,ペトロナス・ヤマハSRTでジェネラルマネージャーを務めているR.ラザリが新たな体制を組んで立ち上げ,自らはチームプリシパルを務めて再スタートを切ることになったものです。ヤマハと同チームは,2023年と2024年の延長オプションを含む2022年の契約が結ばれ,ヤマハのワークスマシンであるYZR-M1が供給されます。
今回の発表はもう一つあり,南アフリカ人ライダーであるD.ビンダーとの間で2023年のオプションを含む2022年の参戦に関して1年契約を締結し,新しく発足したRNF MotoGPチームに所属してフル参戦することになりました。今回新たな契約を結んだD.ビンダーは,今季ペトロナス・ヤマハSRTにおけるMoto3クラスのチームであるペトロナス・スプリンタ・レーシングからフル参戦していて,現在ランク6位につけています。今季レッドブルKTMファクトリーレーシグからMotoGPクラスにフル参戦しているB.ビンダーの実弟としても知られています。現在Moto3クラスにフル参戦していて,Moto2クラスを経験しないまま最高峰クラスにステップアップすることになる訳ですから,いわゆる「飛び級」ということになります。これは,現在ドゥカティ・レノボ・チームからドゥカティのワークスライダーとしてフル参戦しているJ.ミラー以来の飛び級ということになります。なお,ビンダーのチームメイトは,既に今季途中で契約が成立しているA.ドビツィオーゾになります。経験豊富なドビツィオーゾとルーキーライダーであるD.ビンダーという,ある意味理想的なペアリングとなります。
2021/10/21(木)
☆予定変更(SGT)
○来シーズンのレースカレンダーについては,このサイトでは8月11日付のページでお伝えしました。その段階では「暫定」ということで,今後変更になる可能性があったのですが,昨日SGTをプロモートするGTアソシエーションから発表があり,スポーツランドSUGOで予定されていた第6戦の開催日を変更することになりました。9月11日が決勝日として予定されていたのですが,ちょうどこの日は富士スピードウェイで開催される予定のWEC(世界耐久選手権)とバッティングしていて,WECとSGTは両方にフル参戦しているドライバーが数人いますので,変更する必要が生じていたのです。そこで,第6戦の開催を1週間遅らせ,決勝日は9月18日となりました。他の大会については,現段階で変更はありません。今回発表された具体的なレースカレンダーは,以下の表のようになっています。
なお,今週末に我が大分県にあるオートポリスでSGTの第6戦が開催される予定になっています。それを前にして,昨日阿蘇中岳が噴火しました。ご存知の方も多いと思いますが,オートポリスは大分県にあるサーキットですが,県の西部に位置し,大分市や別府市からはかなり遠く,熊本市から行った方が近いところにあります。もちろん阿蘇からはかなり近い位置にあります。しかし,幸いなことに,噴火による人的被害は起きていないようですし,現段階でオートポリス自体も影響を受けていないようですので,昨日の発表の段階では,開催に支障はないとのことです。もちろん,自然相手のことですから,今後どのような事態が発生するか分かりませんから,観戦する予定のある方は,WEBページ等でご確認ください。
2022年 SGTレースカレンダー(暫定)
決勝日 サーキット レース距離
第1戦 4月17日 岡山国際サーキット 300q
第2戦 5月4日 富士スピードウェイ 500q
第3戦 5月29日 鈴鹿サーキット 300q
第4戦 8月7日 富士スピードウェイ 500q
第5戦 8月28日 鈴鹿サーキット 300q
第6戦 9月18日 スポーツランドSUGO 300q
第7戦 10月2日 オートポリス 300q
第8戦 11月6日 ツインリンクもてぎ 300q
2021/10/20(水)
☆王手(MotoGP)
○今季2回目の開催となるミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリにおいて,今週末エミリア・ロマーニャGPが開幕します。この大会を含めて残り3戦となっていますが,いずれのクラスもまだチャンピオンが決まっていません。レース結果にもよりますが,どのクラスも最終戦まで持ち込まれる可能性があり,特に中・軽量級クラスはその可能性がさらに高まっています。それに対して,最高峰のMotoGPクラスは,モンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロがタイトル獲得に王手をかけていて,よほどのことがない限りこの大会で決まる可能性が高いと考えられます。現在クアルタラロとランク2位につけているドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアとのポイント差は52となっていて,この大会後残り2戦ですので,勝利数等を考えると2人の差が50ポイントあればクアルタラロが自身初,そしてフランス人ライダーとしても初のチャンピオン獲得となります。ということは,順位に限らず,クアルタラロは優勝した場合はもちろん,バグナイアより前でチェッカーを受けさえすればタイトル決定ということになります。ただ,クアルタラロとって最もよくないのは転倒等によるリタイアですので,無理をしてバグナイアを追うことはしないでしょうから,前でチェッカーを受ける可能性はその分低くなります。ということで,ここでクアルタラロのタイトル決定条件を整理しておきたいと思います。クアルタラロが2位の場合バグナイアは優勝,3,4,5位の場合はそれよりも前で,6,7位の場合は4位以内,8位の場合5位以内,9位の場合6位以内,10位の場合7位以内,・・・・・・,ノーポイントの場合13位以内となっています。もちろんレースですからどうなるのか分かりませんが,今季のクアルタラロを考えると,堅実に走れば上位でのチェッカーとなるでしょうから,バグナイアは表彰台が必須というように考えた方がよいでしょうね。
2021/10/19(火)
☆持ち越し(WRC)
○10月17日(日)に第11戦ラリー・スペイン最終日の走行が行われ,ヒュンダイi20クーペWRCを駆るT.ヌービルがトップでフィニッシュし,今季2勝を挙げました。初日となった金曜日の走行では,トヨタ・ヤリスWRCを駆るE.エバンスを0.7秒という僅差で交わしてトップに立ったヌービルは,2日目の走行で16秒以上にその差を広げました。最終日には,ややトラブルを抱えていたようですが,それでも速さを見せて最終的に24秒以上の大差をつけて今季2勝目となりました。2位にはエバンスが,,3位にはヌービルのチームメイトであるD.ソルドが入りました。
今季残り2戦目となった今大会ですが,結果次第ではドライバーズタイトルも,マニュファクチャラーズタイトルもどちらも決定するところでした。しかし,ドライバーズタイトルは,ランク2位のエバンスが2位に,ランクトップのS.オジエが4いとなったため,2人の差は17に縮まって最終戦に持ち込まれました。マニュファクチャラーズタイトルについても,ランク2位のヒュンダイ・シェル・モビスWRTが1,3位に入ったため,ランクトップを行くTOYOTA GAZOO Racing WRTとの差を47に縮めたため,こちらも最終戦となるラリー・モンツァに持ち越しとなりました。ただ,今シーズンでフル参戦からは引退となるオジエにしても,タイトル獲得となれば27年ぶりとなるトヨタにしても,どちらもポイント的にかなり有利な状況で最終戦を迎えることは確かと言えます。
2021/10/18(月)
☆夢限デー(SF)
○第6戦の決勝レースが,前日に続いて不安定な天候となったツインリンクもてぎで行われました。この日のもてぎは,朝から雨に見舞われ,路面はウェット状態になっていました。決勝レース開始時は既に雨は止んでいたものの,気温が低いこともあってウェットという路面状況に変化はなく,各車ウェットタイヤでスタートすることになりました。しかし,レースが進んでいくといつかはドライタイヤに交換する必要が出てきそうな状況でもありましたから,それをいつにするのかが大きな課題となっていました。そのような中,自身初となるポールを獲得したRed Bull MUGEN Team Gohの大津弘樹は,蹴り出しこそやや遅れて2番手からスタートしたTCS NAKAJIMA RACINGの山本尚貴がやや先行しましたが,1コーナーでバトルの末に大津がトップの座を守りました。今回の結果次第でチャンピオンに輝く可能性があるTEAM MUGENの野尻智紀は,思うようにペースが上がらず,序盤は少しずつ順位を下げていきました。トップの大津は順調に速いタイムを刻んで単独走行となり,一旦は順位を下げていった野尻は,何とかペースを取り戻して順位を少し回復していきました。レースが進むに連れてごく一部に路面が乾き始め,これを見て早めにピットインしてスリックタイヤに交換するドライバーが出始めました。とてもスリッピーな状況で足元をすくわれそうになるスリックタイヤ勢の中で,KONDO RACINGのS.フェネストラズが実際にスピンしてマシンがコース脇にストップしてしまいました。スリックのため塗れた芝でタイヤは空転している状況になったため,セーフティカーが導入されました。トップをいく大津をはじめとして多くのドライバーがこの期を利用してピットに入ってスリックに交換し,2番手を走行していた山本など数台はステイアウトを選択しました。この作戦の違いはどちらかが正解だったかというと,結果的にはタイヤ交換勢でした。気温が低いものの,路面はどんどんドライ状況になるところが増え,ウェットとドライタイヤのタイムがほぼ同じ状況となっていきました。これを見てステイアウト勢もタイヤ交換していき,コースインしたときには順位を大幅に下げていました。再びトップに立った大津は,難しいコンディション,そしてその後出された2回のセーフティカーをものともせずにトップの座を守り続け,そのままチェッカーを受けました。大津にとっては初の勝利を,見事ポールトゥーウィンで達成しました。2,3位には,それぞれP.MU/CERUMO・INGINGの関口晴南,DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの牧野任祐が入りました。チャンピオンに王手をかけている野尻は,後続から激しく追い上げられたりするのを交わしていき,最終的に5位でチェッカーを受けて見事今季のチャンピオンを獲得しました。意外ではありますが,カートでのタイトル獲得経験はありましたが,野尻にとっては4輪レースにおいて自身初となるチャンピオン獲得となりました。今回の大会は,同じ夢限チームである大津と野尻がそれぞれ優勝,チャンピオン獲得となり,まさに『夢限デー』とも言えるものとなりました。
2021/10/17(日)
☆唯一(SF)
○第6戦の予選が,不安定な天候となったツインリンクもてぎで行われました。厚い雲に覆われた昨日のもてぎは,時折霧雨の状態が変わるため,路面状況もそれに連れて変化するという天候となりました。そのため,各チーム及びドライバーは,どのタイヤを選択するか難しい状況となりました。Q1からQ3へと進むに連れてほぼ全てのドライバーがウェットタイヤを選択する中,唯一Red Bull MUGEN Team Gohの大津弘樹のみがドライタイヤを選択しました。そして,この状況で正解だったのは,大津のみが選択したドライタイヤでした。ウェットを選択したドライバーたちが1分36秒以上のタイムを刻んだのに対し,大津のみが1分32秒台と圧倒的に速いタイムを刻み,大津が自身初となるポールを獲得しました。今季特に予選でなかなか結果が残せていない昨年のチャンピオンであるTCS NAKAJIMA RACINGの山本尚貴が,唯一1分36秒台を刻んで2番手タイムをマークし,今季自身初となるフロントローを獲得しています。今季ここまでランクトップに立っているTEAM MUGENの野尻智紀が3番手タイムをマークし,今回の結果次第ではチャンピン獲得の可能性があるだけに,それに向けたよいスタート位置を決めています。入国規制等のためにここまで出場できていなかったKONDO RACINGのS.フェネストラズは,フリー走行では速さを見せる場面はあったものの,今季初のSF,そして難しいコンディションということも影響してか,19台中17番手で予選を終えています。
2021/10/16(土)
☆史上最多(F1)
○暫定版ではありますが,F1が来季のレースカレンダーを発表しました。それによると,来季は史上最多となる全23戦が組まれています。開幕戦は3月20日が決勝レース日となるバーレーンGPで,最終戦が11月20日が決勝日となるアブダビGPとなっています。2年連続して開催中止となってしまった日本GPは,もちろん鈴鹿サーキットでの開催で,第19戦として10月9日に決勝レースが行われる予定です。今回の特徴の1つが,アメリカで2大会が開催される予定になっていることでしょう。まず第5戦としてマイアミGPが,日本GPの次となる第20戦としてオースティンでのアメリカGPがそれぞれ組まれています。ただ,マイアミについてはFIAのホモロゲーションが必要で,アメリカGPについては,まだ正式契約は結ばれていません。日本GPと同じくコロナ禍で開催中止となっている中国GPは,今回のカレンダーに含まれていませんが,その問題が解消される見込みが立てばカレンダーに組み込まれるようで,その場合どこに入るのか,またはどの大会と入れ替わるのか等については情報を掴んでいません。なお,今回発表された具体的なレースカレンダーは以下の表のようになっています。もちろん,今回は暫定版ですので,今後変更となる可能性は十分あります。
2022年 F1レースカレンダー(暫定)
決勝日 大会 サーキット
第1戦 3月20日 バーレーンGP サヒール
第2戦 3月27日 サウジアラビアGP ジェッダ
第3戦 4月10日 オーストラリアGP メルボルン
第4戦 4月24日 エミリア・ロマーニャGP イモラ
第5戦 5月8日 マイアミGP マイアミ
第6戦 5月22日 スペインGP バルセロナ
第7戦 5月29日 モナコGP モナコ
第8戦 6月12日 アゼルバイジャンGP バクー
第9戦 6月19日 カナダGP モントリオール
第10戦 7月3日 イギリスGP シルバーストーン
第11戦 7月10日 オーストリアGP シュピールベルク
第12戦 7月24日 フランスGP ル・カステレ
第13戦 7月31日 ハンガリーGP ブダペスト
第14戦 8月28日 ベルギーGP スパ・フランコルシャン
第15戦 9月4日 オランダGP ザントフォールト・サーキット
第16戦 9月11日 イタリアGP モンツァ
第17戦 9月25日 ロシアGP ソチ
第18戦 10月2日 シンガポールGP シンガポール
第19戦 10月9日 日本GP 鈴鹿サーキット
第20戦 10月23日 アメリカGP オースティン
第21戦 10月30日 メキシコGP メキシコシティ
第22戦 11月13日 ブラジルGP サンパウロ
第23戦 11月20日 アブダビGP アブダビ
2021/10/15(金)
☆Moto3エントリーリスト(MotoGP)
○昨日はMoto2クラスのエントリーリストについてお伝えしましたが,今日はMoto3クラスのエントリーリストについてお伝えします。Moto3クラスもMoto2クラスと同じく,来季は15チーム,30名のライダーがエントリーすることになります。ただ,チームに関しては今回の発表が正式となりますが,ライダーについては,既に決まっているライダーがいるものの,今後新たな発表があることになります。今季は5名のフル参戦日本人ライダーがいますが,来季に関しては,既に決まっているライダーもいますが,去就がまだ未定のライダーもいます。既に決まっているライダーは3名で,残留となるのがCIPグリーン・パワーの鳥羽海渡です。移籍する2名は佐々木歩夢と鈴木竜生です。佐々木は中・軽量級クラスでチャンピオンを獲得した経歴を持つM.ビアッジが運営するチームであるステリルガルダ・マックス・レーシング・チームで,使用するマシンは今季と同じであればハスクバーナとなります。今季佐々木が駆ったのはKTMですが,来季はハスクバーナという違うブランドになるものの,そのハスクバーナはKTM傘下のブランドですので,実際にはKTM製のマシンです。ということで,乗り換えは比較的スムーズにいく可能性が高いと考えられます。ずっとSIC58スクアドラ・コルセからフル参戦してきた鈴木竜生ですが,来季はレオパード・レーシングからのフル参戦ということになりました。ただ,どちらもホンダ製マシンを使用していますから,こちらも乗り換えはさほど問題にならないと思われます。國井勇輝と山中琉聖が未定ですが,恐らく國井については残留に向けて話し合いを進めるものと思われます。山中については,チーム残留はほぼ絶望で,新たなチームを探す必要があるものと思われます。なお,先日発表された具体的なエントリーリストは,以下の表のようになっています。
2022年 Moto3クラス エントリーリスト
チーム ライダー
アビンティアVR46ライダーズ・アカデミー 未定
未定
ボエ・アウルライド 未定
未定
CIPグリーン・パワー 鳥羽 海渡
J.ケルソ
ガスガス・アスパル・チーム S.ガルシア
I.グエバラ
ホンダ・チーム・アジア 未定
未定
レオパード・レーシング D.フォッジア
鈴木 竜生
MTヘルメット-MSIレース・テック 未定
未定
プルステルGP 未定
未定
レッドブルKTMアジョ 未定
未定
レッドブルKTMテック3 D.オンジュ
D.オルガロ
リバコールド・スナイパーズ・チーム A.ミーニョ
A.スーラ
SIC58スクアドラ・コルセ R.フロン
未定
ステリルガルダ・マックス・レーシング・チーム 佐々木 歩夢
未定
チームMTA I.オルトラ
S.ネパ
ビジョン・トラック・ホンダ S.オグデン
J.ワットリー
2021/10/14(木)
☆Moto2エントリーリスト(MotoGP)
○9月23日(木)に来季の中・軽量級クラスにおけるエントリーリストが発表され,MotoGPの公式ウェブサイトでその点について明らかにされています。(記事はこちら)ここでは,その点について触れたいと思います。今日はMoto2クラスについて,明日はMoto3クラスについてまとめます。
来季のMoto2クラスは,15チームがフル参戦することが決まりました。各チームのライダーについてはまだ未定のところが多く,エントリーチームは決定したものの,ライダーについては今後の発表を待つことになります。日本人ライダーがどうなるのか気になるところですが,現段階では誰も決定していません。ただ,今季唯一のフル参戦日本人ライダーであるイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,継続参戦の線が強いものと思われます。彼の才能やここまでの成績を考えると,来季の成績次第では2023年シーズンからMotoGPクラスへの昇格が期待できるだけに,来季の彼の体制がどうなるのか気になるところです。唯一の日本製シャーシであるNTSを使用しているNTS RWレーシングは来季も参戦します。ライダーについては,既に今季からの2年契約が成立しているB.バルトゥスは当然残留しますが,もう一人については未定です。注目となるのは新たなチームで,その中の1つが『ヤマハVR46マスターキャンプ・チームです。これは,ヤマハが若手ライダー育成を視野に入れ,今季限りで引退するV.ロッシのチームであるVR46とタッグを組んで新チームを結成してフル参戦することになったもので,ライダーについてはまだ正式には決まっていません。当然のことですが,このクラスはトライアンフ製のエンジンがワンメークとなっていますので,ヤマハ製のものが搭載されるわけではありません。なお,先日発表された具体的なエントリーリストは,以下の表のようになっています。
2022年 Moto2クラス エントリーリスト
チーム ライダー
アメリカン・レーシング K.ボビエ
S.ディラン・ケーリー
アスパル・チーム 未定
未定
アラムコVR46チーム 未定
未定
エルフ・マークVDSレーシング・チーム S.ロウズ
T.アルボリーノ
フレックスボックスHP40 A.カネト
J.ナバーロ
イデミツ・ホンダ・チーム・アジア 未定
未定
イタルトランス・レーシング・チーム J.ロバーツ
R.ダッラ.ポルタ
リキモリ・インタクトGP M.シュロッター
J.アルコバ
MVアグスタ・フォワード・レーシング M.ラミレス
未定
NTS RWレーシング B.バルトゥス
未定
ペルタミナ・マンダリカSAGチーム B.ベンスナイダー
G.ロドリゴ
レッドブルKTMアジョ A.フェルナンデス
P.アコスタ
スピードアップ・レーシング R.フェナティ
未定
チーム・グレシーニMoto2 F.サラッチ
A.ザッコーネ
ヤマハVR46マスターキャンプ・チーム 未定
未定
2021/10/13(水)
☆残留(SBK)
○10月11日(月)にヤマハ・モーター・ヨーロッパから発表があり,GRTヤマハ・ワールドSBKジュニアチームからSBKにフル参戦している野左根航汰を来季も継続してフル参戦することになりました。2013年にJRRのJ-GP2クラスでチャンピオンを獲得した野左根は,その翌年から最高峰のJSB1000クラスにステップアップを果たし,2017年シーズンからはついにヤマハワークスであるYAMAHA FACTORY RACING TEAMに所属しました。チームメイトが中須賀克行でしたので,色々な点で学ぶことができたと同時に,なかなか野左根自身がチャンピオンを獲得するには至りませんでした。しかし,JSB1000での戦いはもちろん,ヤマハのMotoGPマシンであるYZR-M1の開発に携わったり,MotoGPクラスやMoto2クラスにワイルドカード参戦したり,世界耐久選手権(EWC)にスポット参戦したりという経験を積み重ね,昨シーズンようやくJSB1000クラスでチャンピオンを獲得しました。そして,今季からSBKにステップアップし,現段階では最高位9位,ランキング15位につけています。初めてのことだらけの今シーズンでしたが,今季の経験を活かして,唯一のフル参戦日本人ライダーとして来季はさらなる成績上昇を期待したいと思います。
2021/10/12(火)
☆史上最多(MotoGP)
○10月7日(木)にFIM(国際モーターサイクリズム連盟)から来シーズンのレースカレンダーが発表され,来季は史上最多の全21戦が予定されていることが明らかとなりました。それによると,開幕戦は例年のようにロサイル・インターナショナル・サーキットで行われるカタールGPとなっていて,最終戦についても,例年通りリカルド・トルモ・サーキットで行われるバレンシアGPとなっています。日本GPについては,来れも例年通りツインリンクもてぎでの開催となっていますが,開催日は例年よりやや早く,9月の最週末となっています。第2戦インドネシアGPと第12戦フィンランドGPが初開催となりますが,FIMによる開催基準に必要なホモロゲーションを取得する必要があります。ここ2年はコロナ禍の影響により,日本GPを含めて開催中止となった大会がいくつも出てきました。来年こそは,無事全ての大会が開催できるようになるといいですね。なお,今回発表された具体的なレースカレンダーは,以下の表のようになっています。また,今回の発表は暫定版ですので,今後変更される可能性があります。
2022年 MotoGPレースカレンダー(暫定)
決勝日 大会 サーキット
第1戦 3月6日 カタールGP ロサイル・インターナショナル・サーキット
第2戦 3月20日 インドネシアGP マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキット
第3戦 4月3日 アルゼンチンGP アウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンド
第4戦 4月10日 アメリカズGP サーキット・オブ・ジ・アメリカズ
第5戦 4月24日 ポルトガルGP アルガルベ・インターナショナル・サーキット
第6戦 5月1日 スペインGP ヘレス・サーキット・アンヘル・ニエト
第7戦 5月15日 フランスGP ル・マン・ブガッティ・サーキット
第8戦 5月29日 イタリアGP ムジェロ・サーキット
第9戦 6月5日 カタルニアGP カタルニア・サーキット
第10戦 6月19日 ドイツGP ザクセン・リンク
第11戦 6月26日 オランダGP TTサーキット・アッセン
第12戦 7月10日 フィンランドGP キュミリング
第13戦 8月7日 イギリスGP シルバーストーン・サーキット
第14戦 8月21日 オーストリアGP レッドブル・リンク
第15戦 9月4日 サンマリノGP ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ
第16戦 9月18日 アラゴンGP モーターランド・アラゴン
第17戦 9月25日 日本GP ツインリンクもてぎ
第18戦 10月2日 タイGP チャン・インターナショナル・サーキット
第19戦 10月16日 オーストラリアGP フィリップ・アイランド・サーキット
第20戦 10月23日 マレーシアGP セパン・インターナショナル・サーキット
第21戦 11月6日 バレンシアGP リカルド・トルモ・サーキット
2021/10/11(月)
☆Wで&トップへ(F1)
○第16戦トルコGPの決勝レースが,終始ウェットコンディションとなったイスタンブール・パーク・サーキットで行われました。ポールからスタートしたメルセデスAMGのV.ボッタスは,好スタートを切ってトップの座を守りました。その後,ウェット路面でも安定した速いペースで順調な走りを続け,ピットインのタイミングのずれでトップの座を譲ることはありましたが,トップの座を取り戻すと,最後まで順調に走り続け,昨年9月に行われたロシアGP以来となるトップチェッカーを受け,今季初優勝を飾りました。2番グリッドからスタートしたレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンも順調にスタートを切り,こちらもピットインのタイミングのずれで一時的に2番手の座を譲ることはありましたが,最終的に2番手の座を守ってチェッカーを受けました。この大会前までランクトップに立っていたメルセデスAMGのL.ハミルトンは,ICEの交換で最後尾からのスタートとなり,速さを見せてポジションアップを果たしていきましたが,最終的に5位でのチェッカーとなりました。ペースに勝るボッタスを無理に追いかけず,2番手キープに徹した走りを展開したフェルスタッペンの作戦が成功し,ハミルトンを逆転してフェルスタッペンが6ポイント差をつけてランクトップに立ちました。1,2番手は最後までポジションを守ってチェッカーとなりましたが,3位は順位争いが展開されました。そして,最終的に3位でチェッカーを受けたのはレッドブル・ホンダのS.ペレスで,日本GP仕様のスペシャルカラーで走行を続けたレッドブル・ホンダ勢がダブル表彰台を獲得しました。同じくアルファタウリ・ホンダの日本GP仕様のカラーリングで走行を続けたP.ガスリーと角田裕毅ですが,ガスリーは苦労しながらも6位でチェッカーを受けました。ポイント獲得が期待された角田でしたが,レース序盤にハミルトンの追撃を5周にわたって交わし続けてフェルスタッペンのタイトル争いに貢献する走りを見せましたが,その後交わされ,さらに9位を走行していた21周目にターン9でスピンして順位を落としてしまい,最終的に14位チェッカーとなってポイント獲得には至りませんでした。
2021/10/10(日)
☆4台全て(F1)
○第16戦トルコGPの予選が,不安定な天候となったイスタンブール・パーク・サーキットで行われました。この日のイスタンブールは,雲が上空に垂れ込め,いつ雨が降ってもおかしくない状況でした。実際Q1の途中で一時的に雨が降る時間帯がありましたが,最後までドライ用タイヤでの走行となりました。そこで早さを見せたのは,この大会をランクトップで迎えているメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。チームメイトのV.ボッタスが2番手タイムをマークし,この2台だけが1分22秒台をマークしてワンツーとなりました。ただ,予選トップのハミルトンは,昨日もお伝えしたようにICEを載せ替えていて10グリッド降格が決まっていますので,今日行われる決勝でポールからスタートするのはボッタスということになります。スペシャルなカラーリングを施したマシンで今大会を迎えているホンダ製パワーユニット勢ですが,この日は好調な走りを見せました。ハミルトンとチャンピオン争いを展開しているレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンは,ボッタスに次ぐ3番手タイムをマークしました。ハミルトンが降格しますので,決勝レースはフロントローからのスタートとなります。アルファタウリ・ホンダのP.ガスリーが5番手,レッドブル・ホンダのS.ペレスが7番手タイムでした。他のホンダ勢と比べるとどうしても出遅れてしまうアルファタウリ・ホンダの角田裕毅ですが,この日の予選では速さを見せ,第9戦以来となるQ3進出を果たしました。そして,そのQ3ではやはり上位に食い込むことはできず,10番グリッド獲得で予選を終えています。とはいえ,本来は今週末日本GPが予定されていたこの大会で,4台全てが日本GP仕様のマシンを駆ってQ3進出を果たしたのは素晴らしいことですね。
2021/10/09(土)
☆最速ながら(F1)
○第16戦トルコGPが曇り空となったイスタンブール・パーク・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。この日の最速タイムを刻んだのは,この大会をランクトップで迎えたメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。しかも,この日から河記録したタイムは,自身が持つコースレコードを更新するものでした。ただ,最速タイムを刻んだとはいえ,ハミルトンは今回ICE(内燃エンジン)を4基目に交換しているため,そのペナルティとして10グリッド降格が決まっています。チャンピオン争いを展開しているレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンは,前戦でパワーユニット(PU)一式を交換したために最後尾からのスタートとなりましたが,今回のハミルトンは,一式ではなく,ICEのみの交換ですので,10グリッド降格で済んでいます。既に来季は移籍が決まっているチームメイトのV.ボッタスは,総合3番手で初日を終えています。そのメルセデスAMG勢の間に入って総合2番手だったのはフェラーリのC.ルクレールで,ハミルトンからはコンマ166秒遅れでした。ホンダ製パワーユニット勢ですが,ランク2位につけているレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンは5番手で,チームメイトのS.ペレスはフェルスタッペンより1つ前の6番手で初日を終えています。アルファタウリ・ホンダのP.ガスリーは9番手,角田裕毅は11番手でした。
なお,今回のホンダ製パワーユニット勢は,それぞれのチーム毎に今回だけのカラーリングを施したマシンを駆っています。今大会が開かれている日にちは,元々は鈴鹿サーキットで日本GPが開催される予定になっていました。しかし,既にお伝えしているように日本GPの開催が2年連続して中止となり,替わってトルコGPがカレンダーに組み込まれたという経緯があります。ホンダは今季限りでF1から撤退しますので,日本GPの冠スポンサーがホンダで,両チームは日本GPに合わせたスペシャルカラーで臨む予定になっていました。ところが開催中止となってしまってカラーリングをお披露目する機会を逸していたのですが,今回のトルコGPでお披露目することになったのです。トルコと日本といえば,歴史的に友好関係が続いてきていますので,今回のことはそうした縁の深さを感じさせてくれます。
2021/10/08(金)
☆支援&集約(F1)
○モータースポーツ関連では今シーズン限りでF1からの撤退が決まり,さらに,市販車関連では『カーボンニュートラル』を目指して電動化にシフトしていくことを明言していて,今後ホンダがモータースポーツとの関係性がどうなるのか注目を浴びています。歴史的にホンダとモータスポーツは切っても切り離せない関係があるだけに,特にその点は懸念されてもいるのも事実でしょう。そのような中,昨日,本田技研工業がオンラインで『Hondaモータースポーツ活動についての説明会』と題した記者会見を開催しました。そこでは,今シーズン限りで撤退するF1に関してのことやモータースポーツ全般に関することが発表されました。それによると,まずF1についてですが,ホンダとしてはF1から撤退するものの,現在協力関係にあるレッドブルとの関係は継続し,ホンダのF1パワーユニットに関する知的財産権をレッドブル・グループ内でF1向けパワーユニットを製造する会社である『レッドブル・パワートレインズ』が使用することを許諾します。また,2022年シーズンにおけるパワーユニットの組立を支援すると共に,サーキットおよび日本におけるレース運営サポートの実施を行います。さらに,現在ホンダのイギリスにおけるF1参戦活動の拠点であるホンダ・レーシング・ディベロップメント(HRD)UK従業員の中で,希望者にはレッドブル・パワートレインズへの転籍を行い,レッドブルグループの傘下にあるレッドブル・レーシングとスクーデリア・アルファタウリの2チームをサポートしていくとしています。今シーズン角田裕毅がホンダの育成プログラムからステップアップを果たしてアルファタウリ・ホンダに所属してフルタイムF1ドライバーとなりましたが,そのような育成プログラムがどうなるのか気になるところです。その点に関しても関係性を継続し,『ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)』とレッドブル・グループが主催するプログラムである『レッドブル・ジュニアチーム』と連携していくとのことです。以上のことは既にほぼ明らかとなっていたことですが,私にとって最も驚いたことは,モータースポーツ活動推進に関することです。『株式会社ホンダ・レーシング(HRC)』といえば,ホンダが2輪活動する上での主体となる会社で,いわゆる2輪におけるワークスという立場でした。そして,4輪は『HRD Sakura』などが担ってきました。今後は,4輪の活動をHRCに集約し,その新たなHRCが2輪,4輪両方のモータースポーツ活動を担うことになります。これは,2輪・4輪の分野でそれぞれが持っている技術・ノウハウの相互連携と運営の効率化を図ることで,より強いレースブランドを構築していくためということです。ということは,当然来季のレッドブル・パワートレインズとのF1活動はHRCが担うことになる訳で,長年モータースポーツをみてきた者にとっては,しばらくの間,何となく戸惑いを感じてしまいそうです。今回の発表は,ホンダのモータースポーツ活動のさらなる強化と捉えられますが,考えようによっては,万が一HRCが縮小されることになれば,ホンダのモータースポーツ活動全体が縮小されることになる訳で,悲観的に考え過ぎなのかもしれませんが,ホンダのDNAともいえるモータースポーツが今後どのようになるのか気になる点は払拭されていないとも言えます。
2021/10/07(木)
☆離脱(インディカー)
○9月の最週末に,今季最終戦となる第16戦ロングビーチが行われたインディカー・シリーズですが,その大会では,2019年シーズンにSFやSGTにフル参戦して日本でもお馴染みのドライバーであるチップ・ガナッシ・レーシングのA.パロウが4位に入り,フル参戦2年目にして見事チャンピオンに輝きました。唯一のフル参戦日本人ドライバーであるレイホール・レタマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨は,9位でチェッカーを受け,ランク11位で今シーズンを終えました。昨シーズンは世界3大レースの1つである『インディ500』で優勝を果たす活躍を見せた拓磨でしたが,今シーズンは最後まで波に乗れず,ポールにしても優勝にしても一度も獲得できないままシーズンを終えてしまいました。その流れの中で,どうやら今季限りでチームを離れるのではないかという噂も浮上していました。
そして,10月5日(火)に同チームからSNSを通して正式発表があり,その噂通り,今シーズンをもってチームから離脱することになりました。拓磨と同チームは,2012年に初めてタッグを組みました。そこでのタッグは1年で終わりましたが,2018年に再びタッグを組むことになり,今シーズンまでの通算5年間にわたって共に戦ってきました。この5年の間で,昨シーズンのインディ500を含めて通算4勝を挙げています。今回の発表は,拓磨が離脱することだけで,その拓磨の去就については発表がありませんでした。ホンダと緊密な関係がある拓磨ですので,移籍先はほぼ間違いなくホンダ陣営のどこかということになりますし,マシン開発という面でしっかりとした体制が組まれているチームであることも必要でしょう。そうなるとかなり限定されざるを得ず,そう簡単には決まらないことも確かです。噂では具体的なチーム名も挙がっていますが,その結果がどうなるか気になるところです。
2021/10/06(水)
☆4連勝(WRC)
○先週末に第10戦ラリー・フィンランドが開催され,トヨタ・ヤリスWRCを駆るE.エバンスが今季2勝目を飾りました。昨年は開催されなかったこの大会ですが,今年は観客を制限しながら70周年という記念の大会が無事開かれました。TOYOTA GAZOO Racing WRTにとっては地元での開催となる大会ですが,初日はヒュンダイi20クーペWRC勢が速さを見せ,C.ブリーンが1位,O.タナックが2位とワンツー体勢を築きました。しかし,2日目なると初日トップとおよそ6秒差で3位につけていたエバンスが圧倒的な速さを見せ,ヒュンダイ勢を抑えてトップに浮上しました。唯一のフル参戦日本人ドライバーである勝田貴元は,残念ながらこの日クラッシュによりデイリタイアを喫しています。最終日のエバンスは,序盤こそ遅れをとったものの,その後は好調さを見せてペースを上げていき,最終的に2位に入ったタナックに14秒以上の差をつける独走で優勝を飾りました。3位には,ブリーンが入っています。ランクトップに立つエバンスのチームメイトであるS.オジエは,5位でチェッカーを受けてランクトップの座を守っています。ランクトップのオジエとランク2位のエバンスとのポイント差は,今回の結果で24ポイントに差が縮まっています。今季は残り2戦(ラリー・スペインとラリー・モンツァ)となりました。ランク3位につけているヒュンダイのT.ヌービルは,トップと60ポイント差に広がったため,今季のチャンピオン争いから脱落しました。今季限りで引退を宣言しているオジエが有利であることには変わりないものの,エバンスが大逆転でチャンピオンに輝くのか,チームメイト同士によるタイトル争いが白熱化してきそうです。
2021/10/05(火)
☆出場停止(MotoGP)
○MotoGPクラスはレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスの優勝で終わった第15戦アメリカズGPでしたが,もちろん最高峰クラスが最も注目を浴びるクラスではあるものの,この大会で違う面で注目を浴びたのはMoto3クラスでしょう。先日はSBKと併催で行われているWSS300において,M.ビニャーレスの従兄弟であるD.ベルタ.ビニャーレスがわずか15歳という年齢でこの世を去るアクシデントに見舞われてしまいました。その後に行われることになったアメリカズGPだっただけに,安全面という点も注目となりました。そのような中,Moto3クラスで悪くすると命や大怪我に繋がりかねないアクシデントが起きてしまいました。転倒者が出たことでレースは赤旗が出ていったん中止となり,その後レース2が行われました。その2周目のバックストレートにおいて,レッドブルKTMテック3のD.オンジュとインドネシアン・レーシング・グレシーニMoto3のJ.アルコバとが最初は併走する状態となりました。その時,何を思ったのかオンジュが突然アルコバの直前にマシンを持っていき,不意を突かれたアルコバはオンジュのマシンに衝突してしまいました。もしかしたら,オンジュはマシン自体の長さの認識を誤ってしまって,アルコバより前に出ることができると思ったのかもしれません。アルコバの転倒が基点となって,リバコールド・スナイパーズ・チームのA.ミーニョやレッドブルKTMアジョのP.アコスタが空中高く投げ出されるようにしながら激しい転倒を喫し,もちろん赤旗が提示されました。命や大怪我に繋がっていてもおかしくない激しい転倒で一瞬息をのむ状況ではあったのですが,幸いなことに激しい割には大事に至らなかったようです。とはいえ,オンジュの行為は他のライダーの命を危険な状況に追い込むものだっただけに,審議の対象となりました。そして,その裁定が昨日下され,次戦である第16戦エミリア・ロマーニャGPとその次の第17戦アウガルヴェGPの合計2戦への出場停止処分が下されています。
2021/10/04(月)
☆復活&王手&接近(MotoGP)
○第15戦アメリカズGPの決勝レースが,この日も好天に恵まれたサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われました。
MotoGPクラスは,レプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが好スタートを切ってホールショットを奪うと,ほぼ2分4秒台のタイムを刻み続けて後続との差を広げて行きました。それを追うランクトップを行くモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロは,ギャップがあっていつ転倒してもおかしくないコースの状況ということもあり,2位のポジションを守りさえすれば無理して走行する必要も全くなく,マルケスとの差がさらに広がっていきました。結局4秒以上の大差をつけてマルケスがトップでチェッカーを受け,今季2勝目を挙げました。アメリカでのレースにおけるマルケスは,転倒リタイアに終わった一昨年(昨年はコロナ禍で開催中止)のレース以外全て勝利してきました。怪我で苦しんでいる状況には変わりないものの,アメリカで絶対的な強さを見せるマルケスが復活した印象を与えるレースとなりました。タイトル争いでクアルタラロを追うドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアは,ポールからスタートしたものの,出遅れて順位をやや下げました。しかし,チームメイトで,タイトル争いとは関係ないJ.ミラーが後ろを振り向いた瞬間(レギュレーション上は順位を譲ることはできないことになっていますが・・・)に追い抜いたり,プラマック・レーシングのJ.マルティンがロングラップペナルティーを受けたりしたことで3位まで順位を回復しました。しかし,クアルタラロが2位でチェッカーを受けたことで2人のポイント差が54となりました。残り3戦となりましたので,次戦でクアルタラロがマルティンより前でチェッカーを受けさえすればチャンピオンが決まることになりますので,今回の結果,クアルタラロがタイトル獲得に王手をかけた形となります。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,2周目までは上位争いに加わっていたものの,その周に転倒を喫していまいました。何とか再スタートを切ることができ,最後尾から追い上げを図りましたが,最終的に17位でチェッカーとなりました。路面状況が悪いサーキットだっただけに,果たしてここが勝負所だったのか考え方は色々ありそうな転倒となってしまいました。それにしても,初表彰台が期待される走りを見せていただけに,とても残念な結果となってしまいました。
Moto2クラスは,ポールからスタートしたレッドブルKTMアジョのR.フェルナンデスと2番グリッドからスタートしたR.ガードナーとのチームメイト同士によるトップ争いとなりました。タイトル争いではガードナーがトップに立っているものの,ランク2位のフェルナンデスが激しく追い上げていて,ポイント差が徐々に縮まっている状況にあります。そのような中,フェルナンデスがトップに立って独走態勢に持ち込んでいくのに対し,それを追うガードナーは,フェルナンデスの追撃に焦ったのか6周目の15コーナーで転倒を喫してリタイアに終わりました。独走態勢を築いたフェルナンデスはそのままチェッカーを受け,2人のポイント差は9と接近し,今回で3連勝となったフェルナンデスの好調さを考えると,次戦で逆転される可能性も出てきました。2,3位には,それぞれフェデラル・オイル・グレシーニMoto2のF.ディ.ジャンアントニオ,スカイ・レーシング・チームVR46のM.ベツェッキが単独走行で入っています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,単独走行となって7位でチェッカーを受けました。イタルトランス・レーシング・チームから代役参戦している長島哲太は,16位で惜しくもポイント獲得には至らなかったものの,ほぼ1年ぶりのレースながら,予選と同じく決勝レースでもチームメイトより前の順位となっています。
Moto3クラスは,8周目の11コーナーで起こった転倒により赤旗中断となりました。7周目の順でレース2が行われることとなり,そこでポールからスタートしたのはソルニオン・ガスガス・アスパー・チームのI.グエバラでした。好スタートを切ってトップを行くグエバラでしたが,レース2の2周目にリアショックにトラブルが発生してリタイアになると思われました。ところが,そのトラブルが発生したのと同じ周に多重クラッシュが発生して再びレースは赤旗が提示されました。そして,レースはそこで成立となり,結局レース2のグリッド順がレース結果になりました。一旦はリタイアになると思われたグエバラでしたが,この裁定により優勝者となり,地獄から一挙に天国にのぼる形となりました。変則的な優勝となった今回の結果ですが,グエバラにとってはこれが嬉しい初優勝となりました。2,3位には,それぞれレオパード・レーシングのD.フォッジア,ペトロナス・スプリンタ・レーシングのJ.マクフィーが入っています。ランク2位につけているフォッジアが2位に入ったのに対し,ランクトップを行くレッドブルKTMアジョのP.アコスタが8位で終わってしまったため,2人のポイント差が30と,差はまだあるものの,こちらも接近しています。フル参戦日本人ライダー勢ですが,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生の7位が最高位で,レッドブルKTMテック3の佐々木歩夢が13位に入ってこの2人がポイント獲得となりました。レースウィークを通して苦戦を強いられた他のライダーは,カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖が22位,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が23位,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝が最下位となる25位と,下位に沈んだままで終わってしまいました。
2021/10/03(日)
☆3戦連続(MotoGP)
○2年ぶりの開催となる第15戦アメリカズGPの予選が,好天に恵まれたサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で行われました。
MotoGPクラスは,COTAでずっとポールを獲得しているレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが今回もポールを獲得できるかという点で注目されました。特に,まだ怪我が十分には癒えていない状況だけに,連続ポールに黄色信号が灯っているだけに,そうした点からも注目となります。そのような中で行われた予選ですが,ここで速さを見せたのは,ここまで2戦連続してポールトゥーウィンを達成してこの大会を迎えているドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアでした。その好調な流れの中,ラストアタックで唯一となる2分2秒台をマークし,見事3戦連続ポールを達成しています。そのバグナイアとタイトル争いを展開しているランクトップのモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロが,およそコンマ3秒遅れながら2番グリッドを獲得しました。COTAでの連続ポールが注目となったマルケスでしたが,体調が不十分な上,最後のタイムアタックの時,トラフィック状態になってしまって思うような走行ができず,惜しくも3番手タイムで予選を終えています。とはいえ,彼にとって今季初となるフロントローを獲得しています。FP3で2番手タイムをマークしたLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,残念ながら予選ではその再現ができなかったものの,5番手タイムと好位置で予選を終えています。
Moto2クラスは,前日と同じようにタイトル争いをしているレッドブルKTMアジョ勢のポール争いとなりました。ランクトップを行くR.ガードナーがまず最速タイムを刻み,そのタイムを他のライダーは更新できずにいました。ピットインしてタイヤ交換をしたR.フェルナンデスがタイムアタックに臨み,唯一となる2分8秒台を刻みました。タイム更新を目指したガードナーでしたが,他のライダーが転倒してイエロー区間が何度か出現してタイム更新することができず,フェルナンデスが2戦連続してポールシッターとなりました。フェデラル・オイル・グレシーニMoto2のF.ディ.ジャンアントニオが3番手タイムをマークし,7戦ぶりにフロントローを獲得しました。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,トップからおよそコンマ8秒遅れで8番手タイムとなっています。今大会から最終戦まで代役参戦が決まっているイタルトランス・レーシング・チームの長島哲太は,Q1敗退で21番グリッド獲得となりました。ただ,チームメイトで,しかもここが母国GPとなるJ.ロバーツよりはタイムを上回っていて,彼にとってほぼ1年ぶりの予選でそのポテンシャルを見せました。
Moto3クラスは,フリー走行で総合トップに立っていたレッドブルKTMアジョのJ.マシアが,唯一2分15秒台をマークして今季2度目のポールを獲得しました。そのマシアからおよそコンマ2秒遅れで,レオパード・レーシングのD.フォッジアが2番グリッドとなりました。インドネシアン・レーシング・グレシーニMoto3のJ.アルコバが3番手タイムをマークし,4戦ぶりにフロントローを獲得しています。フル参戦日本人ライダー勢ですが,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が6番手タイムをマークして,これが最上位となります。他のライダーは上位に顔を出すことができず,KTMテック3の佐々木歩夢が14番手,カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖が23番手,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝が24番手,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が最下位の26番手でした。
2021/10/02(土)
☆相性(MotoGP)
○昨年はコロナ禍の影響により中止となりましたが,今年は無事第15戦アメリカズGPがサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。この日のサーキット・オブ・ジ・アメリカズは,ウェットからドライへと変わる天候となり,どのクラスもドライ走行となった2回目のフリー走行でこの日の最速タイムとなっています。
MotoGPクラスは,このサーキットにおいてこれまでに6勝を挙げて抜群の相性のよさを見せているレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが,2回のセッション共に最速タイムを刻み,昨年の第2戦スペインGP以来となる初日総合トップをマークしました。ドゥカティ・レノボ・チームのJ.ミラーが,マルケスからわずか1000分の15秒差で総合2番手タイムとなりました。チャンピオン獲得に向けて確実に近付いていっているモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロが,トップからコンマ2秒差で総合3番手タイムでした。今季不振を極めているホンダ勢ですが,この日はレプソル・ホンダ・チームのP.エスパルガロが総合4番手,LCRホンダ・イデミツの中上貴晶が総合5番手タイムを刻み,トップ5の中を3台が占めています。
Moto2クラスは,既にチームタイトルを決めているレッドブルKTMアジョ勢が相変わらずの好調さを見せ,ランク2位のR.フェルナンデスが総合トップ,ランクトップを行くR.ガードナーが総合2番手タイムでした。このところの大会で常に予選でトップ3に入っているエルフ・マークVDSレーシング・チームのS.ロウズが,この日も速さを見せて総合3番手タイムでした。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,ウェットでもドライでも上位に顔を出すことができず,総合13番手タイムで初日を終えています。イタルトランス・レーシング・チームから代役参戦している長島哲太は,ブービーとなる総合28番手で今季初レースをスタートしています。
Moto3クラスは,カーエキスパート・プルステルGPのF.サラッチがトップタイムをマークし,自身初の初日総合トップとなりました。そのサラッチから1000分の86秒遅れで,アビンティアVR46のN.アントネッリが総合2番手タイムでした。そのアントネッリから100分の4秒差で,レオパード・レーシングのD.フォッジアが総合3番手タイムでした。フル参戦日本人ライダー勢は上位に顔を出すことができず,レッドブルKTMテック3の佐々木歩夢の13番手が最高位でした。ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝が19番手,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が20番手で,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡がブービーとなる26番手,カーエキスパート・プルステルGPの山中琉聖が最下位となる27番手で初日を終えています。
2021/10/01(金)
☆残り3大会&ご冥福を(SBK)
○このところ,このサイトでSBKについて全くといっていいほど情報を載せていませんでしたが,今季はここ数年と状況がだいぶ違いが出てきています。Kawasaki Racing Team WorldSBKのJ.レイは,2015年から昨シーズンまで史上初となる6年連続チャンピオンに輝いています。そして,今季もシーズン途中までランキング争いで独走態勢に持ち込むのかと思われるような状況でした。ところが,シーズンが進むに連れてその状況が大きく違ってきたのです。その違いを生んでいるのが,SBKにおけるヤマハのエースライダーであるPATA Yamaha with BRIXX WorldSBKのT.ラズガットリオグルの大躍進です。3週連続開催となっているSBKですが,その2つ目のレースであるスペインのヘレス大会が先週終了していて,その大会では,レース1,レース2いずれも制しました。その結果,ランクトップの座を守ると共に,ランク2位につけるレイに20ポイント差をつける結果となりました。今週末には3つ目の大会となるポルトガル大会が開かれ,その後はアルゼンチンとインドネシアの2大会が開かれることになっていて,今季は後3大会しか残っていないのです。もちろん,昨シーズンまでのレイであれば何とかなる差なのかもしれませんが,彼自身が認めているように,今季彼が駆っているZX-10RRのセッティングに苦労しているようで,彼が思うほどの速さを見せることができていないようです。果たして残り3大会の中で,レイがどのような強さを見せるのか,そしてラズガットリオグルが絶対王者であるレイを打ち負かすことができるのか,目が離せない状況となってきています。
なお,このヘレス大会では,SBKと併催されているスーパースポーツ世界選手権300(WSS300)のレース1において多重クラッシュが発生し,Vinales Racing TeamのD.ベルタ.ビニャーレス選手が頭部や腰部を強打しました。ただちに病院に運ばれましたが,残念ながら帰らぬ人となってしまいました。レースにおいて事故はつきものとは言え,わずか15歳でこの世を去ることになってしまいました。ディーン選手のご冥福をお祈りいたします。なお,今回お亡くなりになったディーン選手は,MotoGPクラスにアプリリアから参戦しているM.ビニャーレスの従兄弟になります。さらに,彼が所属しているVinales Racing Teamは,ビニャーレスの父親が設立したチームです。今回の事故を受け,今週末にサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われるMotoGPの第15戦アメリカズGPを欠場することになりました。彼にとっては同じレースの世界に生きる親族の事故だけに,精神的なダメージは大きかったでしょうから,レースに対する集中力を取り戻すためには賢明な選択なのかもしれません。
 

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