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最新ニュース

2021/04/30(金)
☆代替開催(F1)
○F1から発表があり,第7戦として6月13日(日)に決勝レースを行なう予定だったカナダGPの開催をキャンセルし,代替として同日にトルコGPを開催することになりました。昨年も新型コロナウイルスの感染拡大によりキャンセルとなったカナダGPですが,今季こそ開催に向けて話し合いが持たれていたようです。しかし,海外からカナダに入国した場合,F1の関係者であっても2週間の隔離を実施せざるを得ないということから,今季も開催を断念せざるを得なかったということです。ただ,カナダとの間で2年間の契約延長が成立しましたので,来季こそ開催できることを願いたいところです。代替として開催されることになったトルコGPは,2011年から開催がなくなっていましたが,昨年コロナ禍で急遽開催が復活しました。当初今季の開催はカレンダーに入っていませんでしたが,今年もコロナ禍の中で再びイスタンブールパーク・サーキットにおいて開催されることになっています。
2021/04/29(木)
☆タイトルスポンサー&契約延長(F1)
○選手末に鈴鹿サーキットにおいて『NGKスパークプラグ 鈴鹿2&4レース』が開催されましたが,その開催期間中である4月24日(土)に鈴鹿サーキットが2つの点について発表を行いました。まず,10月8日(金)〜10日(日)に今季第17戦として開催される日本GPについて,今シーズンがF1参戦最終年となるホンダが大会の冠スポンサーを務め,大会名が『2021 FIA F1世界選手権シリーズ第17戦 Honda日本グランプリレース』として開催されることになりました。既にイモラ・サーキットで開催された第2戦イタリアGPでレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンが今季の1勝目をホンダにプレゼントし,ドライバーズランキングでは,フェルスタッペンがわずか1ポイント差でランク2位につけています。まだまだ10月まで先が長いですが,ホンダ最終年の日本GPでホンダが勝利することが十分期待できるだけに,冠スポンサーを務める立場からしてもホンダとしては気合いの入る大会となりそうです。ただ,コロナ禍の中だけに,昨年と同じように開催中止となる可能性も十分残されているだけに,こうした意味からも早く収束することを願いたいですね。
2つ目ですが,そのF1をずっと開催してきている鈴鹿サーキットですが,2022年以降のF1日本GPの開催契約についてF1側と話し合いが行われ,同サーキットが2022年から2024年までの3年間契約を新たに結んだことが発表されました。来年は,鈴鹿サーキットの開業60年というメモリアルイヤーになります。残念ながら同サーキットが系列に入っているホンダは撤退していないものの,レッドブルとアルファタウリはホンダ製パワーユニットを譲り受けて独自で開発していくことになっていますので,ブランド名は違いますが,ホンダの精神を受けついだパワーユニットを搭載したマシンが日本GPを駆け抜けることも確かです。そうした意味から,来季以降の日本GPも要注目といえるのではないでしょうか。
2021/04/28(水)
☆新方式(F1)
○現在までのレースウィークの流れは,開幕日である金曜日は午前と午後にフリー走行を行い,土曜日は午前にフリー走行,そして午後に決勝のグリッドを決める予選を行い,日曜日は午前にフリー走行,そして午後に決勝レースを行っています。これからのF1は,この流れに変化が起きそうです。今シーズンが始まる前から,新たな取り組みとして決勝グリッドを決定するスプリントレースの導入について協議が行われてきました。これは運営するF1側から提起されたもので,週末の中でレースを1回増やしてファンの関心を高めていこうとするものです。この点について4月26日(月)に開催されたF1コミッションの場で話し合われ,F1,FIA,そして参戦する10チームの承認を得たことが発表されました。この結果はFIAモータースポーツ評議会に送られ,そこで実施の有無を最終決定することになります。今回話し合われたスプリントレースですが,これまでは決勝レースのグリッドを土曜日午後の予選で決定していました。その予選の方式は,タイムアタックを行って1周のタイムが速い順でグリッドを決めるものです。その従来から当たり前のように行われてきたグリッドの決め方を,新たな方式に変えようということです。その新方式は,これまでのタイムアタックでなく,レースという形式でグリッドを決めようというものなのです。そのこれまでの予選に替わるのがスプリント予選で,そのスプリント予選のグリッドは,金曜日の午後の走行で決まることになります。つまり,こういう変化を導入することで,開催される3日間を通してレース観戦の興味を高めようとする訳です。ただ,実質的にレースが1つ増えることになりますし,金曜日の過ごし方も大幅に変えていかなければなりません。レースが増えるとその分クラッシュ等の危険性が増えることになり,マシンの修復に資金が必要となってきます。これはコスト削減の流れに逆行することにもなります。そうした懸念もあるわけで,今季途中からいきなり導入することも懸念されますし,来季はじめからいきなり導入することも果たしてその方式自体がいいのかが懸念されます。そうしたことから,その方式を実際に今季の3レースで導入することになりました。F1としては,ヨーロッパ圏内の2大会,圏外の1大会で実施しようと考えているようです。ただ,まだ具体的にどの大会で導入するかは未定で,ヨーロッパ圏内ではシルバーストーンでのイギリスGPとモンツァのイタリアGPで実施されるのではないかと噂されています。圏外ではインテルラゴスでのブラジルGPが予想されていましたが,そのブラジルはパンデミックが深刻なだけに,圏外についてはかなり不透明な状況です。なお,チーム側が懸念しているコスト削減策との齟齬についてですが,F1側がコスト削減幅を狭めることで対応するようです。
2021/04/27(火)
☆手負いでも(WRC)
○今季第3戦となる『クロアチア・ラリー』最終日の走行が,4つのSSで行われました。最終日を迎えた段階では,トップがトヨタ・ヤリスWRCを駆るS.オジエで,2位にはチームメイトのE.エバンスがつけ,3位にヒュンダイi20クーペWRCを駆るT.ヌービルがつけていました。トップのオジエは,最初のSSの前にサービスパークから出発点に向かう途中で一般車両と接触事故に遭い,スタート前の段階で右サイドのフロント部分が大きく損傷するというハンデを負うことになってしまいました。それが影響したのか,午前中の走行でエバンスに逆転された状態で午後の走行を迎えてしまいました。しかし,7冠の経歴を持つオジエがここで奮起し,何と午後の走行でエバンスを再度逆転してこの大会の勝者となりました。オジエとエバンスとのタイム差は,わずかコンマ6秒という僅差でした。これにより,トヨタが開幕戦以来となるワンツーフィニッシュとなりました。唯一のフル参戦ドライバーでトヨタ・ヤリスWRCを駆る勝田貴元は,前日の走行で2つのSSでトップタイムをマークするという活躍を見せ,最終的には総合6位でゴールしています。
2021/04/26(月)
☆4連勝(JRR)
○第4戦の決勝レースが,快晴となった鈴鹿サーキットで行われました。スタートでトップに躍り出たのは,レース1と同じくAstemo Honda Dream SI Racingの清成龍一でした。ポールスタートのYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行は,これまたレース1と同じく出遅れて4位まで順位を下げましたが,すぐに3位まで順位を回復。当初は3台によるトップ争いとなりましたが,中盤に差し込むときには中須賀と清成の2台によるバトルとなりました。その2人のトップ争いは終盤に入って変化があり,中須賀がトップに立つと一挙にペースアップして清成との差をつけていき,最終的に5秒の差をつける独走でトップチェッカーを受け,開幕から4連勝となりました。3位には,Honda Suzuka Racing Teamの亀井雄大が入り,彼にとって自身初の表彰台獲得となりました。

☆2連勝(SF)
○第2戦の決勝レースが,JRRとの併催となる2&4で行われました。ポールからスタートしたDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの福住仁嶺は,好スタートを切ってトップの座を守りました。レース中盤まで順調にトップを守って単独走行となった福住でしたが,何と9周目にタイヤがバーストしてしまい,サスペンションまでダメージを受けたためリタイアとなりました。福住の脱落により2位を走行していたTEAM MUGENの野尻智紀がトップに立つと,ピットインのタイミングのズレで2位を走行していたcarenex TEAM IMPULの平川亮との位置関係が微妙なところがありましたが,それも順調に乗り切り,以後は最後までそのポジションを守って行きました。2位走行の平川も単独走行でその順位を守っていき,そのままの順でチェッカーとなりました。平川との差は開いたものの,DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの笹原右京が3位でチェッカーを受け,自身初となる表彰台を獲得しています。
2021/04/25(日)
☆3連勝(JRR)
○第3戦の予選とレース1の決勝レースが,SFとの併催となる2&4として鈴鹿サーキットで行われました。2&4の時は,JSB1000クラスのみの開催となります。第1戦はYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行が連勝を飾るという結果となりましたが,今回もその中須賀がポールを獲得してレースはスタートしました。そのスタートでトップに立ったのは,2番グリッドからスタートしたAstemo Honda Dream SI Racingの清成龍一でした。ポールの中須賀は,順位を3番手まで落とし,レースのはじめはは4台によるトップ争いとなりました。一旦は順位を下げた中須賀が2位に浮上していた3周目にデグナーカーブ2つ目の立ち上がりで多重クラッシュが発生してしまったため,JRRとしては珍しくセーフティカー先導による走行となりました。リスタートして上位陣に転倒やマシントラブルが発生していきながらレースは進み,10周目に中須賀がトップに立ちました。その後の中須賀は後続との差を広げて行き,いつものように独走態勢に持ち込みました。2位走行の清成も単独走行となり,Team KAGAYAMAの加賀山就臣とTeam ATJの岩田悟とによる3位争いとなっていきました。その2人による3位争いはファイナルラップまで続き,加賀山を何とか交わそうとした岩田が130Rで無念の転倒を喫し,加賀山が単独走行で最終コーナーをクリア。結局そのままの順で中須賀がトップでチェッカー受け,開幕から3連勝を飾っています。表彰台は中須賀,清成,加賀山の3人が占め,超ベテラン勢が独占するレース1となっています。

☆初ポール(SF)
○第2戦の予選が,やや厚い雲が空を覆う鈴鹿サーキットで行われました。昨年のチャンピオンであるTCS NAKAJIMA RACINGの山本直貴がQ2で敗退となる波乱があり,トップ8の順位を決めるQ3へと場面を移しました。Q2をトップ通過したDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの福住仁嶺は,その勢いを維持してQ3に臨み,ここでもその勢いを保って早い段階でトップタイムをマークしました。その後,誰もそのタイムを更新することができず,福住が自身初となるポールを獲得しました。2,3番手タイムをそれぞれTEAM MUGENの野尻智紀,TCS NAKAJIMA RACINGの大湯都史樹がマークし,開幕戦に続いてホンダエンジン勢がトップ3を独占するという結果となりました。
2021/04/24(土)
☆今回も(JRR)
○今日から鈴鹿サーキットにおいて,第2戦鈴鹿2&4レースが開幕します。JSB1000クラスのみの開催となる今回の大会は,秋に行われる予定の鈴鹿8耐に出走する権利を得るためのトライアウトを兼ねているため,全部で67台ものエントリーを抱えています。昨日は開幕を前にして,午前と午後にそれぞれART走行が行われました。この日の走行で総合トップタイムをマークしたのは,ツインリンクもてぎで行われた今季第1戦で2レース共に勝利を収めたYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行でした。彼のトップタイムは午前と午後共にで,午前の走行が今回のトップタイムとなったのですが,そのタイムは唯一2分6秒台でした。今季の大本命と目されてはいるものの,今回もそのことをさらに印象づけています。総合2番手タイムは,Honda Dream RT 桜井ホンダの濱原颯道でした。彼もまた午前の走行でのタイムなのですが,中須賀からはコンマ6秒弱遅れています。中須賀と濱原は既に8耐への参加の権利を得ているのですが,総合3番手タイムをマークしたAstemo Honda Dream SI Racingの清成龍一はトライアウトを兼ねています。同チームはホンダ系の最有力チームの1つだけに確実視はされているのですが,権利獲得に向けて好発進を切っています。
2021/04/23(金)
☆手術&代役(MotoGP)
○4月21日(水)にMotoGPクラスにフル参戦しているプラマック・レーシングが,第3戦ポルトガルGPのフリー走行3において激しく転倒したJ.マルティンがスペインのバルセロナ市内にある大学病院で右手親指の中手骨,右足首,左脛骨高原を手術したことを発表しました。また,5月2日(日)にヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトで決勝レースが行なわれる予定の第4戦スペインGPにおいて,マルティンの代役として昨シーズンまでMotoGPクラスにフル参戦していたT.ラバトを起用することも同時に発表しました。今回起用されることになったラバトは,2014年にMoto2クラスでチャンピオンを獲得し,2016年シーズンからMotoGPクラスにフル参戦してきました。MotoGPでのシートを失ったラバトは,今季SBKに戦いの場を移し,バーニー・レーシングチームに所属してドゥカティ パニガーレV4 Rを駆ることになっています。ドゥカティのサテライトチームの1つであるプラマック・レーシングですから,これまで通りであれば代役にはドゥカティのテストライダーであるM.ピロを起用するところです。ところが,そのピロは,ムジェロ・サーキットで行われる第6戦イタリアGPでワイルドカード参戦する予定になっていて,そのムジェロで4月29日(木)から2日間にわたってドゥカティがプライベートテストを行なうため,今回の代役参戦は見送られたようです。
2021/04/22(木)
☆懸念(F1)
○週末に行われた第3戦エミリア・ロマーニャGPでは,メルセデスAMGのV.ボッタスとウィリアムズのG.ラッセルとが接触してガードレールに衝突し,両者共にマシンの破片がコース上に飛び散るほどの激しいクラッシュを喫してしまいました。そのクラッシュにおけるボッタスは,ほぼ全損ともいえる状態だったようです。そこで懸念されるのが予算についてのようです。F1では,今シーズンから新たに1億4500万ドルという予算の上限が設定されています。シーズン中に様々なアップデートが施されていきますが,当然その分お金がかかります。開発だけでなく,マシンの修復についても同様に予算が消化されます。もし全損となると,当然その分予算がかかるわけで,そこに予算が取られるとマシンのアップデートに大きな影響が出てきます。チャンピオン争い大本命の同チームですから,その分シーズン中のマシン開発は欠かせません。ボッタスのマシンはかなり損傷を受けていますので,予算制限がなければ新たなマシン投入という選択になるでしょう。ところがそうしたわけにはいかない現実がありますので,チームのコメントによると,パーツ1つ1つをチェックし,修復等を施して再利用可能な場合はそうした措置を採るようです。資金的には潤沢な同チームですが,レギュレーション上のことなのでいかんともしがたいところですね。
2021/04/21(水)
☆契約延長(MotoGP)
○MotoGPの商業権を持つドルナスポーツ社から発表があり,MotoGPクラスにフル参戦しているスズキとの間で2026年までの参戦契約が成立しました。これにより,スズキは来季以降の5年間も継続してフル参戦することが決定しました。昨年のスズキは,創立100周年,グランプリ参戦60年のメモリアルイヤーにJ.ミルがスズキとしては20年ぶりとなるチャンピオンを獲得しました。今シーズンはまだ勝利はないものの,毎回上位争いを展開して昨年からの勢いを継続している印象です。MotoGPにフル参戦するためには,5年間継続する必要があり,どのメーカーも今シーズンで契約が切れるため,来季以降の契約をする必要があります。既にホンダ,ヤマハ,ドゥカティ,KTMは契約延長を結んでいて,今回スズキがその仲間に入りました。あと残っているのはアプリリアのみですが,現段階ではアプリリアが撤退するという感じはなく,今季中には参戦延長の契約が結ばれることになると思われます。
2021/04/20(火)
☆初優勝(インディカー)
○今季開幕戦となるホンダ・インディ・グランプリ・オブ・アラバマの決勝レースが,好天に恵まれたアメリカのアラバマ州にあるバーバー・モータースポーツパークで18日(日)に行われました。この大会で速さを見せたのは,今シーズンからチップ・ガナッシに所属しているA.パロウでした。一昨年は日本でレースしていたパロウですが,ステップアップを目指して昨シーズンから戦いの場をインディカーに移していました。その初年度はデイル・コイン・レーシング・ウィズ・チーム・ゴウに所属してフル参戦しましたが,今シーズンはF.ローセンクヴィストが抜けたシートに座ることになり,名門のチップ・ガナッシのドライバーとしてフル参戦することになりました。日本で走っていた頃もその才能は高く評価されていたパロウですので,SFでもごく近い将来チャンピオンを獲得し,その後海外へ進出するのではないかという予測もありました。しかし,そうした才能を海外が放っているはずがなく,本人の希望もあって昨シーズンアメリカに渡ったという流れがありました。そうした才能だけに,名門チームのマシンを手にすると開幕戦から一挙に開花し,いきなりの勝利を収めました。今回のパロウは,ただ速いだけでなく,他のドライバーが3ストップ作戦を採ったのに対し,パロウは2ストップを選択しました。ピットの回数が少ないということは,速さを求めながら燃費走行をしなければなりません。こうしたミッションをこなしての今回の勝利でした。しかも,彼と競り合ったのは,チーム・ペンスキーのW.パワーや自身のチームメイトであるS.ディクソンというような超有力ドライバーだっただけに,さらに今回の勝利の価値を高めています。なお,このシリーズで唯一のフル参戦日本人ドライバーであるレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨は,テレメトリーに故障が発生してマシンの状況が十分につかめないようになったため,当初2ストップも視野に入れていたみたいなのですが,3ストップ作戦の方を採らざるを得ず,最終的に13位でのチェッカーとなりました。
2021/04/19(月)
☆連勝(MotoGP)
○第3戦ポルトガルGPの決勝レースが,好天に恵まれたアウトドローモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェで行われました。このサーキットは起伏に富んでいてトラクションの変化が激しく,ちょっとしたタイミングのズレでトラクションが抜けてしまう傾向にあるため,ウィークを通してどのクラスも転倒するライダーが目につきました。
そのような中で行われたMotoGPクラスは,上位陣が何台も転倒してリタイアしたり順位を下げたりする展開となりました。そのような中,レースが進むに連れて優勝争いはモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロとチーム・スズキ・エクスターのA.リンスの2台に絞られました。しかし,終盤に入ってリンスが転倒してリタイアとなり,その後はクアルタラロの独走状態となりました。結局2位に入ったドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアに5秒近い大差をつける独走で前戦に続いて勝利を収め,連勝をポールトゥーウィンで達成しました。ペトロナス・ヤマハSRTのF.モルビデリの追撃を振り切り,昨年のチャンピオンであるチーム・スズキ・エクスターのJ.ミルが3位に入っています。今大会から復帰しているレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,オープニングラップこそ上位争いに絡みましたが,まだ完璧でない体調のため徐々に順位を下げていきました。しかし,それでも高いペースを維持して走り抜き,復帰レースで7位完走を果たしています。初日の転倒で体を痛め,予選を含めた2日目の走行をキャンセルしたLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,痛みを抑えて最終日は走行しました。予選を走っていないため最後尾からのスタートとなりましたが,上位陣の転倒もあってトップ10前後の位置を維持し,最終的にモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスの追撃をゴールライン直前まで交わし,10位完走を果たして今季初ポイントを獲得しています。
Moto2クラスは,2戦連続してポールトゥーウィンを達成しているエルフ・マークVDSレーシング・チームのS.ロウズが,今回もポールからスタートしました。ところがスタートした直後の1コーナーでハイサイドから転倒を喫してリタイアに終わるという波乱でレースが始まりました。10番グリッドからスタートした昨年のこの大会の勝者であるレッドブルKTMアジョのR.フェルナンデスは,2位に入ったソルニオン・アスパー・チームのA.カネトに1秒6の差をつけて今季初優勝を飾りました。3位には,フェルナンデスのチームメイトであるR.ガードナーが入っています。このクラス唯一のフル参戦日本人ライダーであるイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,5周目にチームメイトを巻き込む転倒を喫してしまい,残念ながらリタイアに終わっています。
Moto3クラスは,このクラスらしくいつものように複数台による激しいトップ争いとなりました。ファイナルラップまで展開されたトップ争いでしたが,最後は前戦の勝者であるレッドブルKTMアジョのP.アコスタがこれを制し,連勝を果たしてランクトップに立っています。アコスタの逆転を許して,2位にはレオパード・レーシングのD.フォッジアがアコスタから1000分の51秒遅れで入っています。3位に入ったのは,リバコールド・スナイパーズ・チームのA.ミーニョでした。フル参戦日本人ライダー勢ですが,レッドブルKTMテック3の佐々木歩夢がトップ争いに入り,最終的に表彰台まであと一歩となる4位でチェッカーを受けています。他のフル参戦日本人ライダー勢は,カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖が10位で入賞を果たしましたが,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝は16位は惜しいところで入賞を逃しています。CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡は完走扱いにはなりましたがチェッカーを受けることができず,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生はリタイアに終わっています。

☆今季初優勝(F1)
○第2戦エミリア・ロマーニャGPの決勝レースが,ウェットからドライへと変化する難しいコンディションとなったイモラ・サーキットで行われました。3番グリッドからスタートしたレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンは,好スタートを切ってポールシッターであるメルセデスAMGのL.ハミルトンを軽く接触しながらも交わしてトップに立ちました。その後トップの座を守っていったフェルスタッペンでしたが,34周目に発生したメルセデスAMGのV.ボッタスとウィラムズのJ.ラッセルのクラッシュでレースは一旦赤旗中断となりました。レース再開となりそれまでのリードがフイになったフェルスタッペンでしたが,トップの座を守り続けました。そして,その後も順調に走行を続け,最終的にハミルトンに22秒の大差をつける独走で今季初優勝を飾りました。3位には,ハミルトンと同じくメルセデス製PUを今季から使用しているマクラーレンのL.ノリスが入っています。アルファタウリ・ホンダのP.ガスリーはタイヤ選択の影響で順位を落としていきましたが,タイヤ交換したリスタート後にペースを上げていき,最終的に8位でチェッカーを受けてポイントを獲得しています。レッドブル・ホンダのS.ペレスは,コースアウトを喫したりペナルティが科されたりとドタバタのレースとなり,ポイント圏外の12位でチェッカーになりました。アルファタウリ・ホンダの角田裕毅は,最後尾からのスタートだったものの,好スタートを切ってポジションをアップ。その後に起こったレース再スタート後に一旦順位を上げましたが,その後にスピンを喫して順位を下げ,最終的にペレスに次ぐ13位でチェッカーとなり,2戦連続してのポイント獲得はなりませんでした。まだまだ学習途上の角田だけに,今レースにおけるいくつかのミスは,彼にとっていい経験になったのではないかと思います。
2021/04/18(日)
☆今季初&3戦連続(MotoGP)
○第3戦ポルトガルGPの予選が,ドライコンディションとなったアウトドローモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェで行われました。
MotoGPクラスは,第1,第2戦ともにヤマハとドゥカティ,スズキ,アプリリア勢がそうして好調だったのに対し,ホンダとKTMは総じて不振になっていました。今回の予選に関しては,相変わらずその傾向に大きく変化は見られませんでした。そのような中,ほぼ1年ぶりの復活を遂げたレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスがどのような結果になるのかも注目でした。どのクラスも転倒者が次々に現われる中,トップタイムをマークしたのは,今季好調な走りを見せているモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロでした。彼のポール獲得は今季初で,昨シーズンの第11戦アラゴンGP以来7戦ぶりとなります。彼のマークしたタイムは,昨シーズンKTMのM.オリベイラがマークしたコースレコードを更新するものでした。そのクアルタラロから1000分の89秒差で,チーム・スズキ・エクスターのA.リンスが2番グリッドを獲得しています。そのリンスからこちらもわずか1000分の4秒遅れで,プラマック・レーシングのJ.ザルコが3番手タイムをマークしています。注目のマルケスは,Q1からの出場となり,そのQ1はトップタイムで突破し,Q2では6番手タイムと,久々の予選ながら好位置につけています。Q2では,最初のアタックの時間には走行せず,ラストアタックの頃にコースインして1回のアタックでこの位置を獲得しています。やはり痛めている右手の状態が完璧ではないため,少しでも休める必要性があったようです。唯一のフル参戦日本人ライダーであるLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,前日の走行で転倒を喫した影響が残っていて,FP3の途中までは走行したものの,その後のFP4と予選は走行をとりやめました。現段階では,決勝レースは走行する方向に持っていくようですが,実際に走行できるかは不透明です。
Moto2クラスは,ここまでの2戦でポールを獲得しているエルフ・マークVDSレーシング・チームのS.ロウズが,ここでも速さを見せてトップタイムをマークし,3戦連続ポールを獲得しています。チームこそ違え,昨年この大会でポールを獲得しているレッドブルKTMアジョのR.ガードナーが,1000分の23秒遅れで2番グリッドを獲得しています。ペトロナス・スプリンタ・レーシングのX.ビエルゲが3番手タイムをマークし,昨年第13戦ヨーロッパGP以来5戦ぶりのフロントローとなっています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,そのビエルゲからこれまたわずか1000分の46秒遅れでこのクラス自己最高位となる4番グリッドを獲得しています。
Moto3クラスは,リバコールド・スナイパーズ・チームのA.ミーニョがトップタイムをマークし,一昨年の最終戦以来となる2度目のポールを獲得しています。2,3番手は,それぞれレオパード・レーシングのD.フォッジア,インドネシアン・レーシング・グレシーニMoto3のJ.アルコバでした。フル参戦日本人ライダー勢では,レッドブルKTMテック3の佐々木歩夢の10番手が最高位でした。他のフル参戦日本人ライダー勢は,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が13番手,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝が18番手,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が19番手,カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖が20番手で予選を終えています。

☆本命が(F1)
◯第2戦エミリア・ロマーニャGPの予選が,ドライコンディションとなったイモラ・サーキットで行われました。メルセデスAMGのL.ハミルトンは,最初のアタックでトップタイムをマークし,ラストアタックでのさらなるタイムアップを目指しましたが,されは叶いませんでしたが,他のドライバーがハミルトンのタイムを更新することができず,自身通算99回目となるポールを獲得しました。ハミルトンの後塵を拝したものの,レッドブル・ホンダ勢も速さを見せ,S.ペレスが1000分の35秒差で2番手,M.フェルスタッペンが1000分の87秒差で3番手と,今日行われる決勝レースでは好位置につけてスタートを切れます。アルファタウリ・ホンダ勢は,P.ガスリーが5番手とこちらも好位置につけることができています。ルーキーの角田裕毅は,Q1のファーストアタックで激しいクラッシュを喫してしまって赤旗の原因となり,決勝レースは最後尾からのスタートとなります。
2021/04/17(土)
☆復活&自身初(MotoGP)
○第3戦ポルトガルGPがアウトドローモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。今大会の注目は,何と言ってもレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスの復活でしょう。昨年の初戦で転倒を喫して骨折し,その後無理をして出場しようとしたことが原因で,結局シーズンを棒に振る結果となってしまいました。今季は,まだ回復が十分とはいえなかったため,ロサイル・インターナショナル・サーキットで行われた開幕戦と第2戦を欠場せざるを得ませんでした。しかし,懸命な治療とリハビリにより,ようやく今大会から復活を果たしました。
そのマルケスが1年ぶりの走行にするMotoGPクラス初日のフリー走行で総合トップタイムをマークしたのは,このシーズンからドゥカティワークスであるドゥカティ・レノボ・チームに所属しているF.バグナイアでした。彼が初日の総合トップに立つのは,今回が自身初となります。しかも,総合2番手タイムをマークしたモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロには,コンマ3秒以上の差をつけるタイムでした。そのクアルタラロと1000分の79秒差という僅差で総合3番手タイムだったのは,昨年のチャンピオンであるチーム・スズキ・エクスターのJ.ミルでした。今回から復活を遂げているマルケスは,6番手タイムでホンダ勢としては最高位でした。ロサイルでの2戦で不振だったホンダ勢ですが,LCRホンダ・イデミツの中上貴晶もその例に漏れず上位争いに顔を出すことができず,結局ノーポイントに終わっていました。期待のヨーロッパラウンドに入ったわけですが,初日は10番手タイムをマークしてとりあえずトップ10フィニッシュは果たしています。
Moto2クラスは,イタルトランス・レーシング・チームのJ.ロバーツが,FP1に続いてFP2もトップタイムをマークし,ほぼ1年ぶりに初日総合トップタイムに立ちました。そのロバーツからコンマ3秒以上遅れで,レッドブルKTMアジョのR.フェルナンデスが総合2番手タイムでした。そのフェルナンデスからおよそコンマ3秒遅れで,ソルニオン・アスパー・チームのA.カネトが総合3番手でした。開幕戦こそノーポイントに終わったものの,第2戦でルーキーながら5位フィニッシュを果たしたイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍でしたが,初日は21番手とやや出遅れたスタートとなりました。
午前中に行われたMoto3クラスのFP1では,前日から残ったウェットが残るコンディションとなったため,走行をキャンセルするライダーがいました。その中の1人がインドネシアン・レーシング・グレシーニMoto3のG.ロドリゴで,午後からのFP2は路面コンディションが回復したことから走行をし,そこで初日総合トップタイムをマークしています。総合2番手タイムは,トップからコンマ476秒遅れでリバコールド・スナイパーズ・チームのA.ミーニョがマークし,総合3番手タイムは,そのミーニョから1000分の28秒遅れでレッドブルKTMアジョのJ.マシアでした。フル参戦日本人ライダー勢は,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が7番手タイムでトップ10圏内にタイムをマークしましたが,それ以外のライダーは思うようにタイムアップがなりませんでした。その内訳ですが,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が20番手,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝が23番手,カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖が25番手,レッドブルKTMテック3の佐々木歩夢がブービーとなる27番手でした。

☆ワンツー(F1)
○第2戦エミリア・ロマーニャGPがイモラ・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。この日の総合トップタイムをマークしたのはメルセデスAMGのV.ボッタスで,j総合2番手がL.ハミルトンとなり,近年当たり前のように見られているメルセデスAMGのワンツーで始まりました。いつもだと次にレッドブル・ホンダが食い込むところですが,この日の総合3番手タイムは,同じホンダ勢であるアルファタウリ・ホンダのP.ガスリーでした。レッドブル・ホンダ勢ですが,S.ペレスが6番手に食い込んでいます。チームメイトであるM.フェルスタッペンは,マシントラブルが発生したことが原因で14番手でこの日の走行を終えています。開幕戦がデビューレースとなり,見事9位フィニッシュを果たして日本人として初めてデビューレースでポイントを獲得したアルファタウリ・ホンダの角田裕毅は,FP1で電気系トラブルが発生してあまり走行できなかったものの,FP2ではそのトラブルも解消していて,ペレスに次ぐ7番手タイムをマークしています。
2021/04/16(金)
☆2度目も(MotoGP)
○昨シーズンをもってドゥカティワークスのシートを失い,今季は有力なシートを得ることができず浪人状態にいるのがA.ドビツィオーゾです。そのドビツィオーゾが,4月12日(月)〜14日(水)の3日間にわたりスペインのヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトでアプリリアからの要請を受けてアプリリア・レーシングのRS-GPのテストを行いました。浪人生活に入っているドビツィオーゾですが,そうなる前にアプリリアからのオファーを断っていたことは周知の事実です。しかし,来季からの復活に備えてMotoGPマシンを走らせることはドビツィオーゾにとって必要なことですし,アプリリアからすればほとんどのメーカーのマシンを走らせた経歴を持つ彼の経験はマシン開発にとって重要です。今回のテスト走行は,そうした両者の思いが合致してのものであることは間違いないでしょう。今回のテストは,慣熟走行の意味があるのか,タイムアタックは行わなかったようです。ただ,当初は一度限りと言っていたものの,5月11日(火)と12日(水)の2日間ムジェロ・サーキットにおいてテストが行われる予定になっているそのテストにも,どうやらドビツィオーゾは参加するようです。来季からの復活を目指している彼ですが,他のライダーの契約期間等を考えると,果たして思うようなシートを得ることができるのかかなり不透明な状況であることは変わりありません。今回のテスト及び次回のテスト参加は,来季の伏線と考えられなくもないのかもしれませんね。
2021/04/15(木)
☆再変更(EWC)
○2輪の耐久選手権であるEWCのレースカレンダーについては,3月に当初の予定を変更する発表がありました。その時は,例年真夏の祭典として開かれている(昨シーズンは開催中止)鈴鹿8耐の開催予定日を11月に変更するというものでした。そのEWCのレースカレンダーについて,FIMから新たな発表がありました。それによると,開幕戦として設定されているル・マン24時間レースの開催は,当初4月に行なう予定でした。しかし,フランス国内のコロナ禍の感染がなかなか収まらない状況にあることから,6月12日(土)〜13日(日)に延期することになりました。ただ,開幕戦として開催されることは変わりありません。また,5月に開催予定だったオッシャースレーベン8時間についても変更があり,ドイツで保健衛生上の規制が強化されたため,こちらも開催延期となりました。ただ,夏以降の開催ということの発表はあったものの,具体的な開催日についてはまだ未定となっています。同大会の開催日によっては,元々最終戦となっていた鈴鹿8耐が第4戦となり,オッシャースレーベン8時間が最終戦となる可能性が高くなっています。なお,今回発表になった具体的なレースカレンダーは,以下の表のようになっています。
2021年 EWCレースカレンダー(暫定)
決勝日 大会 開催国
第1戦 6月12日(土)〜13日(日) ル・マン24時間 フランス
第2戦 7月17日(土) エストリル12時間 ポルトガル
第3戦 9月18日(土)〜19日(日) ボルドール24時間 フランス
第4戦 11月7日(日) 鈴鹿8耐 日本
第5戦 未定 オッシャースレーベン8時間 ドイツ
2021/04/13(水)
☆デビュー(SF)
○鈴鹿サーキットにおいて今月末に第2戦が開催されますが,そのエントリーリストが鈴鹿サーキットを運営するモビリティランドから発表されました。この大会では,WEC(世界耐久選手権)にTOYOTA GAZOO Racingからフル参戦しているKuo VANTELIN TEAM TOM’Sの中嶋一貴とKCMGの小林可夢偉の2人はWEC開幕戦となるスパ6時間レースに参戦するため,SFの第2戦は欠場することになります。そして,その欠場する2人の代役が今回のエントリーリストで明らかとなりました。まず,可夢偉の代役ですが,開幕戦と同じく小高一斗がその役を務めます。ちなみに,開幕戦の可夢偉は,IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の第2戦セブリング12時間レースに参戦したことにより隔離の関係から欠場しています。そして,今回の注目は,中嶋の代役でしょう。その役を務めるのは,今季全日本SFライツにフル参戦しているジュリアーノ・アレジです。そのジュリアーノは,皆さんご存知のように,元F1ドライバーのジャン・アレジと女優の後藤久美子の息子です。昨シーズンまではフェラーリの育成ドライバーでしたが,それを卒業し,今季から新たに母親の母国である日本でレース人生を送ることになりました。既にSFライツは開幕していて,第1戦と第3戦で3位表彰台を獲得しています。今回SFのデビューレースとなるジュリアーノですが,開幕前に鈴鹿サーキットで行われた第1回公式合同テストでステアリングを握った経験があり,その時は9番手タイムをマークしています。
2021/04/13(火)
☆2台体制(SF)
○既に開幕戦を終えているSFですが,そのSFにフル参戦しているB-Max Racingからプレスリリースがありました。それによると,既に発表があったように同チームの50号車はアメリカ人ドライバーのI.バルタスを起用することは決まっていましたが,新たに51号車のドライバーとして,昨シーズン終盤に同チームから参戦した松下信治を起用することになりました。今年1月15日(金)にホンダが発表したモータースポーツ活動計画では,同チームは2台体制で臨むことになっていました。しかし,その後バルタスについては決定していましたが,51号車については未定の状態が続いていました。このシートに関しては,松下が座ることが確実視されていました。しかし,ホンダがこの起用に難色を示していたことは間違いないようです。SFにはトヨタとホンダがエンジンを供給していますが,トヨタはトヨタ系のドライバーでないと供給しないことを以前から明らかにしていました。それに対して,ホンダに関しては,その点に関して明言はされていませんでした。しかし,エンジン開発にかなりの資金を投入しているのに,他メーカー系のドライバーに供給することはホンダとしても考えざるを得ないのも十分理解できます。特に,SFに供給しているエンジンは,SGTにも供給しているものでもありますから,そうしたことからより一層他メーカーのドライバーにというわけにはいかなくなるのは,ある意味当然です。昨シーズンまでの松下は,ホンダの育成プログラムのドライバーでしたから,問題なくSFで起用することができていました。しかし,ご存知のように,今季から松下はニッサンのドライバーになりましたので,昨シーズンとは扱いが変わるのも当然です。今回の決定は,既に1戦終えた後とはいえ,関係者の間で様々な話し合いが行われた結果なのでしょう。今季も有効ポイント制でのタイトル争いですので,開幕戦は不参加でも,まだタイトル争いに加わる可能性は松下にも十分あると考えられます。
2021/04/11(月)
☆決勝でも(SGT)
○今季開幕戦の決勝レースが,この日も好天に恵まれた岡山国際サーキットで行われました。
GT500クラスは,前日に行われた予選でトップ5を独占したGR Supra勢が順調にスタートを切って上位5台を独占してレースが進行していきました。ピットインしてドライバー交代をする際にスタートに時間がかかったため,1台がトップ5から脱落しました。その中で抜け出していったのが,大嶋和也&山下健太組のENEOS X PRIME GR Supraと関口雄飛&坪井翔組のau TOM’S GR Supraでした。20周にわたって激しいトップ争いを繰り広げていったその2台ですが,そのバトルは終盤に入った75周目でした。ヘアピンでENEOS X PRIME GR Supraが仕掛けて前に一旦は出ましたが,オーバースピードだったためにコースアウトを喫し,無事コースには戻ることができましたが,大きく差がついてしまって勝負は決着。そのままの順でチェッカーとなりました。トップには13秒以上の大差をつけられたものの,平川亮&阪口晴南組のKeePer TOM’S GR Supraが3位表彰台を獲得しています。4位にH.コバライネン&中山雄一組のDENSO KOBELCO SARD GR Supraが入り,予選の時よりは1台少なくはなったものの,Supraが上位4台を独占しました。
GT300クラスは,4台による激しいトップ争いに持ち込まれましたが,藤波清斗&J-P.デ・オリベイラ組のリアライズ日産自動車大学校 GT-Rと,蒲生尚弥&菅波冬悟組のLEON PYRAMID AMGの2台がやや抜け出てトップ争いへと変化しました。LEONが何とか前に出ようとしたものの,GT-Rがこれを抑えていき,最終的にGT-Rが開幕戦を制しています。吉田広樹&川合孝汰組の埼玉トヨペットGB GR Supra GTと平中克幸&安田裕信組のGAINER TANAX GT-Rとの間による3位争いが展開されていきましたが,Supraがこのバトルを制しています。
2021/04/11(日)
☆独占(SGT)
○やや気温が下がってはいるものの,好天に恵まれた岡山国際サーキットにおいて今シーズンのSGTがついに開幕し,初日に予選が行われました。
GT500クラスでは,トヨタのGR Supra勢が圧倒的な速さを見せました。今季最初のポールを獲得したのは平川亮&阪口晴南組のKeePer TOM’S GR Supraで,阪口にとっては自身初のポールとなります。そのTOM’Sからおよそコンマ1秒遅れで,大嶋和也&山下健太組のENEOS X PRIME GR Supraが2番グリッドを獲得しました。GR Supraの速さはこれだけに留まらず,関口雄飛&坪井翔組のau TOM’S GR Supraが3番グリッドを獲得し,トップ3を独占しました。さらに,4番手がH.コバライネン&中山雄一組のDENSO KOBELCO SARD GR Supra,5番手が立川祐路&石浦宏明組のZENT CERUMO GR Supraとなり,何とトップ5をGR Supraが独占するという驚きの予選となりました。ホンダ勢のトップは伊沢拓也&大津弘樹組のModulo NSX-GTの6番手で,ニッサン勢のトップは平手晃平&千代勝正組の10番手でした。
GT500クラスの予選では他の2社の後塵を拝したニッサンのGT-Rですが,GT300クラスでは,平中克幸&安田裕信組のGAINER TANAX GT-Rが予選でトップタイムをマークしました。このクラスの予選は僅差になっていて,ポールのGAINER TANAX GT-Rが1分25秒台をマークしていますが,トップ5もポールと同じ1分25秒台でした。トップからおよそ100分の9秒遅れで吉田広樹&川合孝汰組の埼玉トヨペットGB GR Supra GTが2番手を,トップからおよそコンマ1秒遅れで蒲生尚弥&菅波冬悟組のLEON PYRAMID AMGが3番手タイムをマークしています。
2021/04/10(土)
☆就任(F1)
○4月8日(木)にアストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワン・チームから発表があり,ベテランドイツ人ドライバーのN.ヒュルケンベルグがリザーブ&開発ドライバーに就任することが正式決定しました。今回契約が成立したヒュルケンベルグは,チームの前身であるフォース・インディア時代に2012年から2016年までの5年間同チームに所属した経歴を持ちます。また,レーシング・ポイントF1だった昨シーズンは,レギュラードライバーであるS.ペレスが新型コロナウイルスに感染したときに第4戦イギリスGPと第5戦70周年記念GPに代役参戦し,第4戦の時はマシントラブルで決勝レースを走ることができませんでしたが,第5戦では予選3番手,決勝7番手と突然の出場ながら好結果を残しました。さらに,もう一人のレギュラードライバーであるL.ストロールが体調不良により第11戦アイフェルGPを欠場した際にも代役を務め,ここでは8位に入ってポイントを獲得しています。2019年シーズンを最後にF1のレギュラーシートを失った彼ですが,まだ十分に戦える力を持っていることを印象づけました。今回の契約成立は,必然だったといえるかもしれません。
2021/04/09(金)
☆親子2代(WRC)
○今シーズンのWRCには,TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムに参加している勝田貴元がフル参戦していて,開幕戦では見事6位入賞を果たしています。その勝田といえば,父親はかつての全日本ラリー選手権(JRC)チャンピオンである勝田範彦です。その勝田範彦と並び称される日本人ラリードライバーの1人が新井敏弘で,かつてプロダクションカー世界ラリー選手権(PWRC)で世界チャンピオンに輝いた経歴を持っています。その新井の息子も勝田親子と同様にラリードライバーになっていて,それが昨シーズンJRCで見事チャンピオンを獲得した新井大輝です。その新井大輝が,4月23日(金)〜25日(日)に行われる予定のWRC第3戦クロアチア大会にスポットで参戦することが発表されました。彼の参加はクロアチア大会だけでなく,その後に行われる大会ででいくつかにスポット参戦する計画もあるようです。新井といえば親子共にスバルのマシンを駆っていますが,以前と違って現在のスバルはWRCへの参戦を視野に入れたマシンを開発していません。そこで今回彼が駆るのは,フォード・フィエスタとなるようです。今シーズンのWRCは,いよいよ日本大会が最終戦として行なわれる予定になっています。そうしたことでラリーに対する関心が高まってきている状況だけに,親子2代にわたるラリードライバーが,戦う立場に違いはあるものの,それぞれが納得のいく結果を残せることを期待したいですね。
2021/04/08(木)
☆腕上がり(MotoGP)
○近年のMotoGPマシンは,最高速の更新はもちろん,かつての「膝すり」は当然で,今は「肘すり」をしないと戦えないほどタイヤやマシンの性能が向上してきています。そうなると当然ライダーの体に負荷がかかりますし,そうなると体に対するダメージも大きくなります。そのためか,MotoGPクラスのライダーに「腕上がり」の症状が当たり前のように見られ,それに対処するため手術を行うのが当たり前のようになってきています。第2戦ドーハGPにおいて,昨年のチャンピオンであるJ.ミルと激しいバトルを演じ,彼と3度にわたってマシンが接触するというレースを演じたドゥカティ・レノボ・チームのJ.ミラーが,レース後にその接触と共に,腕上がりについても語り,手術を念頭に置いていることも明かしました。そのミラーが所属するドゥカティ・レノボ・チームから6日に発表があり,スペインのマルセロな市内にある大学病院において腕上がりの症状を解消するための手術を行いました。その手術は無事終わり,24時間の入院を経た後,退院してリハビリを開始するとのことです。MotoGPの次のレースは4月18日(日)に決勝レースが行われる予定の第3戦ポルトガルGPです。あまり日にちがなく,完璧な状態とはいかないでしょうが,ミラーは参戦に向けて取り組むとのことです。
2021/04/07(水)
☆ペナルティ(MotoGP)
○第2戦ドーハGPの決勝レースは,路面コンディション等の要因のため,転倒したりペースがなかなか上がらなかったりして思うような結果が出ないライダーがどのクラスにも見られました。また,例えばMotoGPクラスでは,ドゥカティ・レノボ・チームのJ.ミラーと,昨年のチャンピオンであるチーム・スズキ・エクスターのJ.ミルの2人がレース中3回見られたように,マシン同士の接触も散見されました。そうした中で問題となったのが,Moto3クラスで15周目の1コーナーで起こったインシデントです。トップ争いが展開される中で,インドネシアン・レーシング・グレシーニMoto3のJ.アルコバが,ペトロナス・スプリンタ・レーシングのD.ビンダーと接触して転倒を喫しました。その際,すぐ後ろをビンダーのチームメイトであるJ.マクフィーが走行していたのですが,転倒したマシンが立ち上がるような状態になってそのままマクフィー自身やマシンに衝突したため,マクフィーも転倒してしまいました。両者がグラベルで止まると,これに腹を立てたマクフィーがアルコバに迫り,2人はもみ合いになるという事態に発展しました。もちろんこれはスポーツマンとして許されざる行為で,レース後このインシデントに関して審議が行われました。その結果,次戦となる第3戦ポルトガルGPの決勝レースにおいて両者にペナルティが科されることになりました。そのペナルティの内容ですが,まず罰金として1000ユーロが科されます。さらに,決勝レースは両者ともピットレーンスタートが科されますが,アルコバは通常のピットレーンスタートから5秒後,マックフィーは10秒後にスタートするというように,やや内容に違いがあるペナルティとなっています。
2021/04/06(火)
☆カラーリング&新型車(SGT)
○スバルとそのスポーツ車ブランドであるSTIが,今季もSGTのGT300クラスにフル参戦するSUBARU BRZ R&D SPORTのマシンカラーリングを発表しました。同マシンのカラーリングについては,既に2月に発表されていました。ただし,それは暫定的なもので,スポンサーのロゴ等は入っていませんでした。今回発表された正式なカラーリングを見ると,2月の暫定的なものと同じく,青と黒を基調にして,マシンの中央と両サイドを赤いラインが通っています。ただし,青については,2月のものより水色に近い色遣いに変わっている感じです。スポンサーのロゴについては,昨シーズンと同じく『DENSO』のロゴはしっかりと確認できますが,新たに車のコーティングブランドである『KeePer』のロゴがDENSOと共に両脇に大きく掲げられています。その他には,スバル用品株式会社や富士部品工業株式会社も新たなスポンサーに加わっているとのことです。
なお,今回の発表に合わせて,同車のベースとなる市販車である『スバルBRZ』と,これまで同様BRZの兄弟車としてスバルが傘下に入っているトヨタから市販される『トヨタ86』のフルモデルチェンジ車についても発表がありました。それによると,これまでは2リッターのエンジンを搭載していましたが,新型車は2.4リッターに排気量が拡大され,それに伴って動力性能が向上しています。市販時期についてはズレがあり,BRZは今年の夏に市販予定となっていますが,86については秋に市販されることになるようです。86については,車自体が変化するだけではありません。これまでは『トヨタ86』として販売されていましたが,トヨタのスポーツカーブランドである『GR』シリーズの中の1台として販売されることとなり,新たな車名が『GR 86』となります。
2021/04/05(月)
☆同じ傾向(MotoGP)
○2週連続開催となるMotoGPですが,その2つ目のレースである第2戦ドーハGPの決勝レースが,開幕戦と同じロサイル・インターナショナル・サーキットで行われました。
MotoGPクラスは,レース序盤はドゥカティ勢でのトップ争いでしたが,それにヤマハとスズキ勢が追いついてさらに激しいトップ争いが展開されていきました。そこで抜け出したのが,今シーズンからヤマハのワークスチームであるモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPに所属しているF.クアルタラロでした。最終盤に入ってトップ争いから抜け出ると,最後は2位に入ったプラマック・レーシングのJ.ザルコにおよそ1.5秒の差をつける独走に持ち込んで今季初優勝を飾りました。3位には,ザルコのチームメイトであるJ.マルティンが入っています。開幕戦といい,今回といい,ホンダとKTM勢は奮わない状況が続いていましたが,今回の決勝レースでもその傾向はほとんど変わらず,レッドブルKTMファクトリーレーシングのB.ビンダーが8位に入ってトップ10フィニッシュを果たしたものの,他のKTM勢は15位以下となりました。ホンダ勢の最上位は今シーズンからホンダのワークスであるレプソル・ホンダ・チームに所属してフル参戦しているP.エスパルガロの13位で,LCRホンダ・イデミツの中上貴晶に至っては,なかなかペースを上げることができず,完走は果たしたものの,17位でチェッカーとなってノーポイントに終わっています。
Moto2クラスは,開幕戦をポールトゥーウィンで制したエルフ・マークVDSレーシング・チームのS.ロウズが,2戦連続してポールからスタートしました。そのロウズは最終的に2位に入ったレッドブルKTMアジョのR.ガードナーとコンマ19秒差ではありましたが,今大会も制し,2戦連続してポールトゥーウィンを達成しています。3位には,ガードナーのチームメイトであるr.フェルナンデスがトップから3秒以上遅れて入っています。このクラスルーキーであるイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,6番グリッドからスタートして7台によるバトルとなり,最終的にそのグループではトップの5番手でチェッカーを受けています。
Moto3クラスは,このクラスらしく複数台によるトップ争いが展開されていきました。その中に入っている1人が,今シーズンからフル参戦を開始しているレッドブルKTMアジョのP.アコスタでした。FP2での低速走行違反によりピットスタートのペナルティを科されてスタートしたアコスタですが,そこで生じていた10秒を超えるギャップをどんどん縮めていき,トップ争いに加わるだけでなく,先頭を切ってチェッカーを受けました。もちろん彼にとっては初優勝となります。そのアコスタからわずか1000分の39秒差で,ペトロナス・スプリンタ・レーシングのD.ビンダーが2位チェッカーとなりました。3位には,アビンティア・エスポンソラマMoto3のN.アントネッリが入っています。フル参戦日本人ライダーに関しては,全員がポイントを獲得する好結果を残していますが,中でもKTM勢がレース途中までトップ争いに加わる活躍を見せました。その中で最上位だったのは,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡の5番手でした。レッドブルKTMテック3の佐々木歩夢が7位,カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖が8位でチェッカーを受けています。ホンダ勢はやや遅れをとったものの,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が12番手,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝は15番手でポイントを獲得しています。

☆連勝(JRR)
○開幕戦の決勝レースが,不安定な天候のため,ウェットタイヤでいくのかドライタイヤでいくのか微妙な状況となったツインリンクもてぎで行われました。
JSB1000クラスは,前日にレース1が行われ,この日はレース2が行われました。レース序盤は複数台によるトップ争いが展開されていきましたが,その中でレース1を制したYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行と,今回はスポットでの参戦となるYOSHIMURA SERT MOTULの渡辺一樹の2人による争いとなりました。トップを行く中須賀から渡辺が少し遅れる状況になる中,不安定な天候が再び雨を呼び,21周目に赤旗が提示されました。結局20周目の順位が正式結果となり,中須賀,渡辺の順で1,2位となりました。Honda Dream RT 桜井ホンダの濱原颯道とTeam KAGAYAMAの加賀山就臣との間で繰り広げられた3位争いは,濱原がこれを制しています。
ST1000クラスは,ウェットタイヤでスタートしたTONE RT SYNCEDGE4413 BMWの渥美心がレース序盤で独走態勢に持ち込みました。しかし,徐々に路面が乾いていく状況となりました。ここで驚異的なペースで順位をどんどん上げてきたライダーがいました。そのライダーとは,昨年のチャンピオンである日本郵便HondaDream TPの高橋裕紀です。マシンにトラブルが発生しましたが,メカニックによる懸命な作業が行われ,ピットスタートとはなりましたが,何とかレースには間に合いました。そして,そのメカニックの苦労に報いるかのように,路面が乾いていくよりも早くペースアップを果たしていき,他のライダーが2分を切れない状況で走行する中,1分台に持ち込む鬼神の走りを見せ,あっという間に渥美に迫ってこれをパスし,完全なる独走状態に持っていきました。ウェットタイヤの渥美は徐々に順位を下げていき,表彰台争いにはドライやタイヤを履くAstemo Honda Dream SI Racingの渡辺一馬と作本輝介のチームメイトバトルとなりました。しかし,このバトルは前を行く作本が転倒したため渡辺の単独走行となり,4位につけていたbLUcRUニトロレーシング51YAMAMAの岡本裕生が3位に浮上してチェッカーとなりました。独走対せに持ち込んだ高橋は,最終的に渡辺に7秒以上の差をつけて開幕戦を制しています。
ST600クラスは,2番グリッドからスタートした日本郵便HondaDream TPの小山知良が好スタートを切ってトップに立ち,それを複数台のマシンが追うという展開となりました。レースが進むに連れて小山がやや抜けだし,それを2台のマシンが状況となりましたが,小山がトップの座を守って開幕戦を制しました。2,3位には,それぞれMuSASHi RT HARC-PRO.の埜口遥希,TOHO Racingの國峰琢磨が入っています。
J-GP3クラスは,このクラスらしくレース序盤は縦長いトップ争いの列が形成されていました。しかし,周回を重ねるごとにその列が分かれていくようになり,最終的に4台のバトルに絞られました。この争いを制したのがP.MU 7C GALE SPEEDの尾野弘樹で,2位に入ったSunny moto Planningの小室旭とは,わずか1000分の67諸秒差でした。3位には,小野からコンマ222秒遅れで,SDG Motor Sports Jr. Teamの小合真士が入りました。

☆好発進(SF)
○開幕戦の決勝レースが,雨は途中から降り始めたものの,最後までスリックタイヤでの走行が可能だった富士スピードウェイで行われました。ポールからスタートしたのはTEAM MUGENの野尻智紀でしたが,2番グリッドからスタートしたTCS NAKAJIMA RACINGの大湯都史樹が好スタートを切って大湯がトップに立ちました。はじめは差をつけられた野尻でしたが,徐々に大湯との差を縮めていき,10周目のダンロップコーナーでオーバーテイクシステムを使って大湯を交わしトップに立ちました。その後は順調な走行を続けていき,トップの座を盤石にしていきました。2位に落ちた大湯は,その後ペースアップしたDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの福住仁嶺とのバトルとなりました。そして,福住に24周目に交わされ,さらに25周目には福住のチームメイトである笹原右京右京にも交わされて4位に後退しました。そうした状況になった大湯ですが,他のドライバーより早めにピットインしてタイヤを交換し,ペースアップしていきました。これをみた福住たちもピットインしましたが,大湯の方が上回って再び2位に返り咲きました。終盤に入って野尻との差を縮めていきましたが,野尻は慌てることなく最後までトップの座を守っていき,開幕戦をポールトゥーウィンで飾って好発進を切っています。2位には大湯が,3位には福住が入っています。前日に行われた予選では,まさかのQ1で敗退となった昨年のチャンピオンであるTCS NAKAJIMA RACINGの山本尚貴でしたが,決勝ではオープニングラップで起こった混乱に乗じてポジションアップを果たし,最終的に6位でチェッカーを受けています。
2021/04/04(日)
☆2戦目で(MotoGP)
○第2戦ドーハGPの予選が,開幕戦と同じロサイル・インターナショナル・サーキットで行われました。
MotoGPクラスは,ドゥカティのサテライトチームであるプラマック・レーシングのJ.マルティンが,ファイナルアタックで最速タイムを刻んでポールを獲得しました。今シーズンからMotoGPクラスにステップアップしたマルティンですから,参戦2戦目にしてこのクラス自身初のポールシッターとなりました。2番手タイムをJ.ザルコがマークし,プラマック・レーシングのワンツーとなった予選でした。3番グリッドを開幕戦の勝者であるモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスが獲得し,開幕戦からの勢いを保ったままの予選となりました。開幕戦で不振だったホンダとKTM勢ですが,やはりこのサーキットとの相性はいかんともしがたいのか,ホンダの最上位がレプソル・ホンダ・チームでM.マルケスの代役参戦しているS.ブラドルの11番手,KTMの最上位がレッドブルKTMファクトリーレーシングの12番手でした。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶はQ1で敗退となり,16番グリッドから決勝をスタートします。
Moto2クラスは,開幕戦をポールトゥウィンで飾っているエルフ・マークVDSレーシング・チームのS.ロウズがトップタイムをマークし,2戦連続してのポールシッターとなりました。2,3番手タイムは,それぞれレッドブルKTMアジョのR.ガードナー,スカイ・レーシング・チームVR46のM.ベツェッキがマークしています。今シーズンからこのクラスにステップアップしているイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,開幕戦こそ上位に顔を出すことができませんでしたが,同じサーキットでの2戦連続開催の利を活かすかのように今回は上位に顔を出していて,予選は6番手ともちろん自身最高位グリッド獲得となっています。
Moto3クラスは,レッドブルKTMアジョのJ.マシアが,ガスガス・ガビオタ・アスパー・チームのS.ガルシアに1000分の99秒差をつけて自身通算3度目となるポールを獲得しました。3番グリッドは,インドネシアン・レーシング・グレシーニMoto3のJ.アルコバが獲得しています。フル参戦日本人ライダー勢では,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生の5番手が最高位でした。他のフル参戦日本人ライダー勢は,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が13番手,カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖が17番手でQ2を終えています。ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝は,Q1で敗退となり,19番グリッドから決勝レースをスタートすることになりました。

☆同じ流れ(JRR)
○コロナ禍で開催が心配されましたが,無事今季第1戦がツインリンクもてぎで開幕し,JSB1000クラスは予選と決勝レース1が,他のクラスは予選が行われました。
今シーズンのJSB1000クラスは,このところ恒例ともなっている土曜日にレース1が,日曜日にレース2が行われる2レース制となっています。そのレース1では,Astemo Honda Dream SI Racingの清成龍一が勢いよく飛び出してトップを走行しました。そして,昨年のチャンピオンである野左根航汰がSBKにステップアップしたこともあって,今季チャンピオンの大本命と目されているYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行がその清成を追うという展開となりました。昨シーズンはレース序盤に清成がトップに立ち,それを野左根と中須賀が追い,徐々に清成が遅れをとるようになり,ヤマハ勢2人の優勝争いになるという展開がよくありました。今季はその流れがどうなるか注目されましたが,終盤まで2人のバトルが展開されていったものの,後半に入って中須賀が清成をパスするとどんどん差を広げて行き,最終的に4秒以上の大差をつける独走で開幕戦を大本命が制しました。注目されたレースの流れは,開幕戦も昨シーズンと同様になってしまいました。3位には,今大会にスポット参戦しているYOSHIMURA SERT MOTULが入り,2位の清成との差はコンマ868秒という僅差にまで縮めました。
なお,各クラスの予選に関してですが,ST1000クラスはSDG Motor Sports RT HARC-PRO.の榎戸育寛,ST600クラスはTOHO Racingの國峰琢磨,J-GP3クラスはSunny moto Planningの小室旭がそれぞれポールを獲得しています。

☆波乱&独占(SF)
○2輪と同様に4輪のレースもコロナ禍の影響が心配されましたが,無事開幕を富士スピードウェイで迎えることができました。今シーズンは2デー開催という形を採り,土曜日に予選を,日曜日に決勝を行うという流れとなります。
開幕戦の予選は,昨シーズンのチャンピオンである山本尚貴(今季はチームを移籍)がQ1で敗退するという波乱の展開で始まりました。それに対して,ルーキー勢が速さを見せるという新たな展開も見られました。そのような流れの中,開幕戦でポールを獲得したのは,ベテランドライバーの一人であるTEAM MUGENの野尻智紀でした。ファイナルアタックでは,ポール獲得を確信してタイムアタックをやめるという余裕を見せる展開に持ち込んでのポール獲得でした。トップからおよそコンマ12秒遅れで2番グリッドを獲得したのは,ルーキーシーズンの昨年1勝を挙げているTCS NAKAJIMA RACINGの大湯都史樹でした。今季チームメイトとして山本が移籍してきた同チームですが,山本がQ1敗退したのに対し,若手の大湯が2番グリッドというチームとしては明暗の分かれる結果となっています。3番グリッドをDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの笹原右京が獲得し,チームメイトの福住仁嶺が4番グリッドを獲得していますので,ホンダエンジンユーザー勢がトップ4を独占した予選となりました。
2021/04/03(土)
☆2戦連続(MotoGP)
○2週連続開催となるMotoGPですが,開幕戦カタールGPと同じロサイル・インターナショナル・サーキットで第2戦ドーハGPが開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。
MotoGPクラスは,開幕戦で初日総合トップをマークしたドゥカティ・レノボ・チームのJ.ミラーが,終盤に入ってタイムアップを果たし,2戦連続初日総合トップをマークしました。優勝こそできなかったものの,開幕戦で好調だったドゥカティ勢ですが,この日もその流れは変化なく,総合2番手タイムをミラーのチームメイトであるF.バグナイアが,総合3番手タイムをドゥカティのサテライトチームであるプラマック・レーシングのJ.ザルコがマークし,初日はドゥカティ勢がトップ3を独占しました。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,トップ10に入る走りを展開していたものの,タイムアタックをしている最中に7コーナーで転倒を喫してしまったためタイムアップが叶わず,15番手で初日を終えています。
Moto2クラスは,今シーズンからこのクラスに参戦しているレッドブルKTMアジョのR.フェルナンデスがトップタイムをマークし,このクラスで自身初となる初日総合トップを参戦2戦目にして達成しています。FP1でトップタイムをマークしたフェデラル・オイル・グレシーニMoto2のF.ディ.ジャンアントニオが,FP2では2番手タイムをマークし,このタイムで初日総合2番手となっています。フェルナンデスのチームメイトであるR.ガードナーが総合3番手タイムをマークし,アジョ勢が好調な走りを見せた初日となりました。このクラスでルーキーとなるイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,開幕戦こそあまり奮いませんでしたが,同じサーキットでの走行ということが好影響を与えたのか,初日は総合6番手と上位で終えています。
Moto3クラスは,開幕戦のポールシッターであるペトロナス・スプリンタ・レーシングのD.ビンダーが総合トップタイムをマークし,これは自身参戦100戦目にして初の初日総合トップになります。開幕戦で好調だったガスガスですが,そのエースライダーであるガスガス・ガビオタ・アスパー・チームのS.ガルシアが,トップから100分の4秒遅れで総合2番手タイムをマークしています。総合3番手タイムをマークしたのは,インドネシアン・レーシング・グレシーニMoto3のG.ロドリゴでした。フル参戦日本人ライダー勢ですが,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が5番手タイムをマークし,これが日本人勢最高位でした。カーエキスパート・プルエステルGPの山中琉聖が12番手,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が13番手,ホンダ・チーム・アジアの國井勇輝が18番手,レッドブルKTMテック3の佐々木歩夢が27番手で初日を終えています。
2021/04/02(金)
☆2日連続(SBK)
○2日間にわたるプレシーズンテスト最終日の走行が,スペインのバルセロナにあるカタルニア・サーキットで行われました。この日の総合トップタイムをマークしたのは,今シーズン7回目のチャンピオン獲得を目指しているKawasaki Racing Team WorldSBKのJ.レイでした。初日の走行でもトップタイムでしたから,今回のテスト完全制覇となり,まさに死角なしといったテストとなりました。そのレイからコンマ179秒遅れで,Aruba.It DucatiのS.レディングが総合2番手タイムでした。レイ,そしてレディングと残り数分でタイムアタック合戦が繰り広げられましたが,トップからコンマ233秒遅れでGRT Yamaha WEorldSBK TeamのG.ガーロフが総合3番手タイムとなっています。そのガーロフのチームメイトで,SBKルーキーの野左根航汰は,総合11番手タイムで今回のテストを終えています。
2021/04/01(木)
☆好スタート(SBK)
○2日間にわたるプレシーズンテストがスペインのバルセロナにあるカタルニア・サーキットで始まり,その初日の走行が行われました。今回のテストを前にして,カワサキ,ヤマハ,ホンダのワークスチームが体制発表を行っています。そこで披露された今季型マシンを駆っての今回のテストですが,初日総合トップタイムをマークしたのは,ここまで6回のチャンピオンを獲得し,今シーズン自身の記録更新を目指しているKawasaki Racing TeamのJ.レイでした。まさに7連覇に向けて好発進を切った初日となりました。総合2番手タイムをHRCのL.ハスラムが,3番手タイムをGRT YamahaのG.ガーロフがマークし,奇しくも日本メーカーのワークスライダーがトップ3を占めています。さらに,4,5番手タイムをそれぞれAruba.It DucatiS.レディング,Motorrad BMWのT.サイクスがマークしていて,トップ5はそれぞれのメーカーが1台ずつ入っています。今シーズンからSBKにフル参戦を開始しているGRT Yamahaの野左根航汰トップから2秒弱遅れの15番手タイムで初日を終えています。
 

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