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最新ニュース

2019/11/30(土)
☆4台とも(F1)
○今シーズンの最終戦となる第21戦アブダビGPがヤス・マリーナ・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。この日の走行で総合トップタイムをマークしたのは,今季ランク2位が既に決まっているメルセデスAMGのV.ボッタスでした。そのボッタスは,2回のフリー走行どちらもトップタイムとなっています。総合2番手タイムだったのが今季もチャンピオンに輝いているL.ハミルトンで,初日はメルセデスAMG勢のワンツーとなっています。3,4番手をフェラーリ勢が占めていて,それぞれC.ルクレール,S.ベッテルの順でした。5,6番手をレッドブル勢が占めていて,それぞれM.フェルスタッペン,A.アルボンの順となっています。この日のホンダ製パワーユニット勢は好調で,もう1つのトロロッソ・ホンダはD.クビアト,P.ガスリーの順で9,10番手タイムを占め,ホンダ製パワーユニット勢は4台揃ってトップ10圏内に入っています。なお,今回のレースは,予選,決勝ともに太陽がまだ残っている夕方にスタートし,ナイトレースの中でチェッカーを受ける時間帯となっています。
2019/11/29(金)
☆確定(F1)
○着々と決まっていった来季のシート獲得競争ですが,唯一残っていたのが,R.クビサが今季限りでチームを去ることになっているウィリアムズのシートです。その点に関してウィリアムズから発表があり,かねてから噂されていたとおり,同チームでテストドライバーを務めると共に,F2選手権にフル参戦してランク2位となったカナダ人ドライバーのN.ラティフィがクビサに替わってレギュラードライバーとなることが決定しました。これにより,来季のF1の20のシートが全て確定したことになります。その内訳を見ると,今季と比べるとさほど変化がなく,変更となったのはルノーとウィリアムズの2チームのみでした。ここで,来季のドライバーラインナップを確認しておこうと思います。
2020年 F1ドライバーラインナップ
チーム ドライバー
メルセデスAMG 44 L.ハミルトン
77 V.ボッタス
フェラーリ 5 S.ベッテル
16 C.ルクレール
レッドブル 33 M.フェルスタッペン
23 A.アルボン
ルノー 3 D.リカルド
31 E.オコン
ハース 8 R.グロージャン
20 K.マグヌッセン
マクラーレン 55 C.サインツ
4 L.ノリス
レーシングポイント 11 S.ペレス
18 L.ストロール
アルファロメオ・レーシング 7 K.ライコネン
99 A.ジョビナッツィ
トロロッソ・ホンダ(アルファ・タウリ) 10 P.ガスリー
26 D.クビアト
ウィリアムズ 63 G.ラッセル
? N.ラティフィ
2019/11/28(木)
☆契約延長(F1)
○今季ここまでレッドブルのM.フェルスタッペンが3勝を挙げ,復活以来最高のシーズンとなっているホンダですが,そのホンダ製パワーユニット勢を供給しているレッドブルとトロロッソとの契約は,来シーズンまでとなっています。2021年以降のホンダがF1からの撤退を含めてどうなるのか注目を浴びていましたが,この度ホンダF1から発表があり,2020年で切れる両チームとの契約を1年延長することが決定しました。これにより,少なくとも2021年シーズンまでホンダはF1にとどまることになります。2015年にマクラーレンとタッグを組んでF1に復活したホンダは,かつて黄金期を築いた"マクラーレン・ホンダ"として活動を開始しました。しかし,両社の関係性はあまりうまくいかず,ホンダ製パワーユニット勢の信頼性不足とマクラーレンが開発しているシャーシの戦闘力不足があって,完走さえままならない状況,他のマシンとバトルできない状況が続いていて,ホンダとマクラーレンとの関係性が大きく崩れていきました。そして,3年間にわたった両者の関係が解消となり,一昨年シーズンからレッドブルのジュニアチームであるトロロッソにパワーユニットを供給することになりました。さらに,今シーズンからはレッドブルにもパワーユニットの供給を開始し,その初年度である今季は,フェルスタッペンが2回のポール,3回の優勝とホンダにとってF1に復活以来最高のシーズンとなっています。F1へのパワーユニット供給は数百億円にも及ぶ一大事業だけに,メーカーにとってかなり負担が大きいものとなります。それだけに,現在供給しているホンダはもちろん,メルセデスやルノーなどもF1からの撤退の噂が出たり引っ込んだりしています。今後の動向は常に気になるところですが,少なくとも2021年まではホンダ製パワーユニット勢の走りが見られることは間違いないことになりました。ただ,日本では地上波の放送がなくなっていますので,かつてのように気軽にその活躍を見ることができない状況が続いているのは残念ですね。
2019/11/27(水)
☆2回連続&手術(MotoGP)
○11月25日(月)から2日間にわたって,スペインGPの開催地であるヘレス・サーキット・アンヘル・ニエトにおいてMotoGPクラスのプライベートテストが行われました。初日にトップタイムをマークしたのは,シーズン終盤に入って好調な走りを見せ,最終戦後に行われたオフィシャルテストでトップタイムをマークしたモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスでした。来季から自身が所属するペトロナス・ヤマハSRTもワークスと同じスペックのマシンが供給されることになっているF.モルビデリが2番手タイムをマークし,ヤマハ勢がワンツーとなっています。3,4番手タイムをチーム・スズキ・エクスター勢が占め,J.ミル,A.リンスの順でした。
2日目の走行が昨日行われ,この日はドライコンディションで始まったものの,昼前から雨が降り始めたため,午前中のタイムがこの日の最速タイムとなりました。その午前中にトップタイムをマークしたのは,今シーズンのチャンピオンであるレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスでした。ただ,前日のタイムと比べると,総合でのトップは初日のビニャーレスということになり,前回のオフィシャルテストに続いてビニャーレスが総合トップということになります。総合2番手がマルケスで,2日目の2番手タイムだったリンスが総合では3番手タイムとなりました。
なお,総合2番手タイムとなったマルケスですが,初日の走行で転倒を喫し,その際右肩を亜脱臼していました。マルケスによると,この部分は日本GP前から違和感があり,その次にセパン・インターナショナル・サーキットで行われたマレーシアGPで転倒を喫した際,今回と同じく亜脱臼していたようです。それでもテストを含めてずっと走行を継続していましたが,今回の亜脱臼を負った際に検査したところ,手術の必要があることが判明。今回のテストが終わってしばらく走行がありませんから,手術,そしてリハビリに取り組む事になるようです。昨シーズン終了後も肩の手術を受けていますので,2年連続して同じような状況となっています。それでも今季はチャンピオンを獲得している訳ですから,その点では心配ないのかもしれませんね。
2019/11/26(火)
☆契約解除&新規契約(MotoGP)
○来季のシート獲得競争に関して,今季の特徴と言えるのが,契約を途中で解除するということです。その発端となったのが,KTMとの契約を1年残してシーズン途中での離脱を発表したJ.ザルコです。その空いたシートに座ることになったのが,元々はKTMのサテライトチームであるレッドブルKTMアジョから来季参戦する予定だったB.ビンダーで,彼もある意味契約途中での移籍ということになります。そして,そのビンダーが抜けたテック3のシートには,これまた来季はレッドブルKTMアジョからMoto2クラスにフル参戦することになっていたI.レクオナです。彼もまたある意味契約変更ということになります。その次に起こったのが,何といってもレプソル・ホンダ・チームのJ.ロレンソが1年契約を残して引退したことでしょう。そして,そのロレンソが抜けたシートに座ることになったのが,同チームのエースライダーであるM.マルケスの弟で,今季Moto2クラスでチャンピオンを獲得したA.マルケスです。そのアレックスは,来シーズンも今季のチームであるエストレージャ・ガルシア0,0マークVDSにとどまってMoto2クラスにフル参戦継続が決まっていて,それを解除してのMotoGPクラス昇格となりました。そして,この度そのアレックスの抜けたシートに座ることになったのが,今季からフレックスボックスHP40に所属してMoto2クラスにフル参戦を開始したA.フェルナンデスです。その発表と日にちを同じくして,今度は来季もレアーレ・アビンティア・レーシングから2年契約の2年目としてフル参戦することが決まっていたK.アブラハムが,契約を1年残してチームとの契約が解除となり,既に来季のシートが全て埋まっていることもあって,MotoGPクラスから去ることが決定しました。これは,チームから正式発表があった訳ではなく,アブラハム自身がSNSを等して発表を行ったものです。チームからの正式発表ではありませんから,当然その空いたシートに誰が座るのかは明らかとなっていません。ただ,同チームが使用しているドゥカティとの契約について先日発表がなされていて,両者の協力関係をさらに強化して来季からドゥカティのサテライトチームとなります。つまり,来季の同チームのマシンは,ドゥカティから戦闘力の高いマシンやパーツが供給されることになる訳です。こうした協力関係の強化は,来季のシートに関連しているのではないかというのがもっぱらの噂です。その噂とは,現段階でまだ来季のシートが未定となっているライダーが一人残っていて,それがKTMとの契約を途中解除したザルコを迎え入れるためだというのです。ザルコがKTMとの契約を解除した大きな要因が,マシンの戦闘力です。テック3がヤマハのサテライチームだった頃,その時所属していたザルコがワークスチームよりもいいリザルトを度々挙げていました。期待してKTMのワークスライダーになったのにもかかわらず,テック3の頃より悪いリザルトしか挙げることができなかったことからモチベーションが低下し,解約解除に至ったと言われています。そうしたザルコですから,陣営に引き込むためには,マシンのポテンシャルが必要となってきます。それが,今回の提携強化へと繋がっているというようなのです。果たしてアブラハムの抜けたシートに誰が座るのか,こちらの発表を楽しみに待ちたいと思います。
2019/11/25(月)
☆初優勝&引退レース(SGT)
○DTMとの交流を目指して開催された『AUTOBACS 45th Anniversary presents SUPER GT X DTM 特別交流戦』のレース2が,ウェットコンディションとなった富士スピードウェイで行われました。滑りやすい路面での走行となったこのレースは,残り8周となったところで多重クラッシュが発生し,SGT勢の内5台がリタイアするという事態になりました。セーフティカー先導が開けたのが残り1周となったところで,レースは超スプリントレースになりました。そして,このレースを制したのは,2周目にトップに立ち,ピットインのタイミングの違いによる順位変動以外はそのままトップの座を守ってきたModulo Epson NSX-GTを駆るN.カーティケヤンでした。カーティケヤンの優勝は,彼にとってハコ車ではこれが初となります。2位,3位は,それぞれBMC Airfilter Audi RS5 DTMを駆るL.デュバル,BMW M4 DTMを駆るM.ウィットマンとDTM勢が占めました。しかし,デュバルにトラックリミット制限違反により1秒加算のペナルティが科されたため,最終的に2人の順位は入れ替わる結果となりました。日本人ドライバー勢での最高位は,レース1で3位に入ったRAYBRIG NSX-GTを駆る山本尚貴の4位でした。なお,このレースが行われる前にMOTUL MUGEN NSX-GTを駆る中嶋大祐が突然の発表を行い,このレースを持ってレーシングドライバーから引退することになりました。この日の中嶋は,決勝レースこそ表彰台獲得に至りませんでしたが,予選で速さを見せ,車両交換によるペナルティによりグリッド降格が事前に決まっていたものの,予選で最速タイムを刻む活躍を見せていました。今回引退を決めた中嶋大祐といえば,父が日本人最初のフル参戦F1ドライバーで,NAKAJIMA RACINGの代表でもある中嶋悟を父に持ち,兄は元F1ドライバーで,WECでシリーズチャンピオンを獲得している現役ドライバーの中嶋一貴が兄という,まさにレース一家の中の一人です。ただ,父や兄と比べると,タイトル的,そしてキャリア的にはやや見劣りしていたのも事実です。そうしたこともあってか,本人としては引退発表はSNS等を通して行うというような考えもあったようです。しかし,記念となるDTMとの交流戦での発表となりました。まだ30歳ですから,今後10年間はレーシングドライバーとしてやれなくはない年齢です。しかし,本人なりに1つの区切りをつけようと思ったのでしょう。今回の発表では,今後について具体的なことは明らかにされませんでしたが,出されたコメントによれば,レースから距離を置いた違う分野に取り組むようです。
2019/11/24(日)
☆交流戦(SGT)
○SGTはドイツを中心に行われているDTMとの提携を進めていて,マシンのレギュレーションを可能な限り統一したりしています。そして,今シーズンには,SGT勢の中で各メーカーから代表を選んでドイツに乗り込み,既に交流戦を開催しています。そのような流れの中,今度はDTM勢が日本に乗り込み,富士スピードウェイで『AUTOBACS 45th Anniversary presents SUPER GT X DTM 特別交流戦』が開催されていて,昨日はそのレース1が行われました。このレース1には,SGTのレギュラーマシンの内のGT500クラスのマシンと,7台のDTMマシンが出場しました。通常のSGTは2人のドライバーが交代で乗り込みますが,このレースでは,その内の1人が出場しています。この日はレース1だけでなく予選も行われていて,その予選でポールを獲得したのは,一昨年のチャンピオンであるKeePer TOM’S LC500のN.キャシディでした。そのキャシディは,ポールから順調にスタートを切ってトップの座を守っていきました。通常のSGTは,ブリヂストンやミシュラン,ダンロップといったタイヤメーカーがしのぎを削っていますが,今回の大会は,ドイツでの交流戦と同じくDTMがコントロールタイヤとして採用しているハンコックを履いています。SGT勢としては履き慣れていないタイヤですからセッティングを含めて苦労していますし,DTM勢としては初めて走るコースですから,その点でも苦労していますので,あちこちでアクシデントが起きたり,マシントラブルが発生したりしました。そのような中でもトップを行くキャシディは,タイヤ交換を遅らせる作戦を採ったりしてトップの座を守っていきました。残り10分を切ったところで佐々木大樹が駆るカルソニック IMPUL GT-Rにエンジントラブルが発生してマシンがストップし,セーフティカー先導となり,各車の差が一気にリセットされました。そして,残りおよそ90秒となったところでリスタートが切られ,激しいトップ争いが展開されましたが,キャシディが逃げ切って初代ウィナーとなりました。トップからおよそコンマ4秒遅れで塚越広大が駆るKEIHIN NSX-GTが入り,3位には,昨年のチャンピオンであるRAYBRIG NSX-GTの山本尚貴が入っています。DTM勢では,永年にわたって日本でフル参戦した経歴を持ち,今でも高い人気を誇る外国人ドライバーの1人であるB.トレルイエが駆るAudi Sport Japan RS5 DTMの6位が最高位でした。
2019/11/23(土)
☆記録更新(F1)
○先週末にアウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェで行われた第20戦ブラジルGPは,ホンダ製パワーユニット勢であるレッドブルのM.フェルスタッペンが優勝し,さらにトロロッソ・ホンダのP.ガスリーが2位に入り,ホンダにとっては28年ぶりとなるワンツーフィニッシュを達成しました。さらに,一旦はメルセデスAMGのL.ハミルトンが3位でチェッカーを受けたものの,残り2周という段階でレッドブルのA.アルボンと2位争いの中で接触するアクシデントが発生しましたが,このアクシデントでの責任はハミルトンにあるとして5秒加算のペナルティが科されてマクラーレンのC.サインツが3位に繰り上がりました。結局若手3人による表彰台となったのですが,これが新たな記録を誕生させる結果となりました。それは,3人合わせた年齢が,これまでの記録を更新して新記録となったのです。これまでの記録は,2008年のイタリアGPにおいて,トロ・ロッソ・フェラーリのS.ベッテルが1位,マクラーレン・メルセデスのH.コバライネンが2位,BMWザウバーのR.クビサが3位に入り,3人合わせた年齢が23歳11か月16日という記録でした。今回のフェルスタッペン,ガスリー,サインツ合わせた年齢が23歳8ヶ月23日ですので,11年ぶりに記録を更新する結果になっています。優勝したフェルスタッペンは,2016年のスペインGPにおいて最年少優勝記録をおよそ3歳更新していますので,彼が早い段階で活躍すればするほど,様々な最年少記録の更新に絡むことになっていきますね。
2019/11/22(金)
☆撤退(WRC)
○ドライバーズタイトルはトヨタのO.タナック,マニュファクチャラーズタイトルはヒュンダイが獲得して終了した今季の世界ラリー選手権(WRC)ですが,11月20日(水)にシトロエン・レーシングから発表があり,今シーズンをもってWRCでのワークス活動を終了することになりました。現在のWRCは,トヨタ,ヒュンダイ,Mスポーツフォード,そしてシトロエンがフル参戦しています。その中でも,シトロエンといえば,2000年代に入ってS.ロウブとのタッグでドライバーズタイトル9連覇を成し遂げたりして黄金期を築いていました。しかし,近年は予算削減やスポンサーの撤退等の影響もあって低迷していて,今シーズンは何とかマニュファクチャラーズタイトル争いでの最下位は免れたものの,昨年,一昨年は最下位になっていました。そのような中,今シーズンのシトロエン・レーシングは,他のメーカーが3台体制を敷いていますが,S.オジェとE.ラッピの2台体制で臨んでいました。その2人によるリザルトですが,開幕戦モンテカルロと第3戦メキシコ,そして第11戦トルコではワンツーフィニッシュを達成しています。当然来季も参戦するものと思われていましたが,エースドライバーであるS.オジェがシトロエンからの離脱を発表。今シーズンのチャンピオンであるO.タナックがトヨタを離脱して来季からヒュンダイに所属することになりましたが,その空いたシートにオジェが座ることになるのではないかと噂されています。エースドライバーを失ったシトロエンは,今後も彼に匹敵するようなチャンピオン争いができるドライバーの確保が難しくなったことから,来季のワークス活動を停止する決定をしたとのことです。ただ,完全にWRCから撤退する訳ではなく,シトロエンC3 R5でのカスタマーチームサポートは継続するという発表もあわせて行われています。なお,突然シートを失うことになったラッピですが,その去就についての発表はありませんでした。
2019/11/21(木)
☆2年連続(MotoGP)
○来季に向けたオフィシャルテスト2日目の走行が,最終戦の舞台となったサーキット・リカルド・トルモで行われました。この日の最速タイムを刻んだのはモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスで,2日間を通して唯一となる1分29秒台のタイムをマークしてのものでした。そのビニャーレスですが,昨シーズン末に行われたこのテストでも総合トップタイムでしたから,2年連続総合トップタイムということになります。初日の走行はヤマハ勢がトップ3を独占しましたが,2日目もヤマハ勢の好調さは変わりなく,初日トップタイムだったペトロナス・ヤマハSRTのF.クアルタラロが2番手タイムでした。さらに,そのチームメイトであるF.モルビデリが3番手タイムをマークし,順位こそ違え,トップ3の顔ぶれは2日間とも同じ結果となりました。4番手タイムは,ホンダ勢としては最速となるLCRホンダ・カストロールのC.クラッチローでした。5,6番手は,それぞれJ.ミル,A.リンスのチーム・スズキ・エクスターでした。今シーズンのチャンピオンであるレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,スズキ勢に次ぐ7番手タイムで今回のテストを終えています。そのマルケスの弟で,来季のチームメイトとなるA.マルケスは,前日より若干順位を上げて20番手でレプソル・ホンダ・チームでのデビュー走行を終えています。
なお,次回のテストはプライベートテストということになり,第5戦スペインGPの開催地であるヘレス・サーキット・アンヘル・ニエトにおいて11月25日(月)から2日間にわたって行われる予定です。
2019/11/20(水)
☆テストでも(MotoGP)
○週末に今シーズンが終了したMotoGPですが,その最終戦がおこなれたサーキット・リカルド・トルモにそのままとどまり,2日間にわたるオフィシャルテストが始まりました。急遽来季レプソル・ホンダ・チームからフル参戦することが決まった今シーズンのMoto2クラスチャンピオンであるA.マルケスをはじめとしたルーキーライダーやKTMのD.ペドロサをはじめとした各メーカーのテストライダー,そして,来季も継続参戦するレギュラーライダーが,今季型や来季型等のマシンが入り乱れての走行となりました。新しく投入されたパーツだったりマシンだったりしたこともあって,アレックスを含めて何人ものライダーが転倒を喫しています。そのようななか,この日のトップタイムをマークしたのは,最終戦バレンシアGPでもポールを獲得したペトロナス・ヤマハSRTのF.クアルタラロでした。タイムも自信がマークしたポールタイムからおよそコンマ2秒遅れという速いタイムを刻み,転倒するアクシデントに見舞われながらの初日総合トップタイムでした。後半に入って復活の兆した見えてきたヤマハ勢でしたが,この日の走行でもその傾向は続いていて,ワークスライダーであるモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスがニューマシンを駆って走行し,総合2番手タイムをマークしています。さらに,トップのクアルタラロのチームメイトであるF.モルビデリが3番手タイムをマークし,トップ3をヤマハ勢が独占しています。今シーズンのチャンピオンであるレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,こちらも転倒を喫したりしながらも5番手タイムで初日を終えています。また,マルケスからは大きく差を広げられながらも今季ランク2位で終えているドゥカティ・チームA.ドビツィオーゾは,トップからおよそコンマ5秒遅れの4番手タイムでした。急遽ステップアップが決まったアレックスは,今季サテライトチームであるLCRホンダ・カストロールのC.クラッチローが駆ったマシンを使って走行し,8周目に転倒を喫したりして最下位の23番手で初日を終えています。
2019/11/19(火)
☆兄弟で(MotoGP)
○最終戦を前にしてレプソル・ホンダ・チームのJ.ロレンソが今シーズン限りで引退するという突然の発表を行い,既に確定していたMotoGPクラスのシートの中で最重要の1つと言えるシートに空きが生じることとなりました。既に有力ライダーの来季の去就が決まっている段階でのシートだけに,誰が座るのかが大きな注目点となっていました。当初は,契約を1年残してKTMを離脱したJ.ザルコがそのシートに座るのではないかという噂が浮上していたのですが,ついにその点について決着を見ました。この度HRCから発表があり,今シーズンMoto2クラスでチャンピオンを獲得したA.マルケスとの間で契約が成立しました。これにより,来季のホンダワークスはマルケス兄弟がそのシートに座ることとなります。マルケス兄弟の仲のよさは,レースファンなら周知の事実です。情報共有がマシン開発で重要ですが,レースの世界では「チームメイトが最大のライバル」と言われているだけに,しばしば情報共有が難しくなる状況が見られます。状況が変われば関係性にも変化が出てくる可能性がありますが,現状では情報共有がうまくいき,ホンダのワークスマシンであるRC213Vは「マルケス専用」と揶揄されている中,マシン開発に役立つことができるかもしれません。
この度契約が成立したA.マルケスは,来季も今シーズンと同じくエストレージャ・ガルシア0,0マークVDSに所属してMoto2クラスにチャンピオンとして参戦を継続することになっていました。チャンピオンを獲得すると次年度はステップアップすることが多いですが,Moto2クラスへの参戦継続を選択したのは,来季のMotoGPクラスにおけるワークスのシートに空きがなかったということが大きく影響していました。噂ではKTMがオファーしたのではないかいということもありましたが,優勝争いを狙うのであれば日本メーカーやドゥカティのシートがやはり有利です。それらのシートに空きがなかった訳ですから,残留を選択するのはある意味当然と言えます。ところが,ここに来てまさかのシートに空きができた訳ですから,アレックスとしてはまたとないチャンスとなりました。
今回の契約成立で重要な点は,彼とHRCとの契約が1年間ということです。通常でいえば,継続性からいってワークスライダーは2年間の契約を結ぶことが多いです。来季のシートに空きがほとんどなかったのは,昨シーズン中にほとんどのワークスライダーが2年間の契約を結んでいたからです。今回1年間の契約となったということは,成績次第では来シーズン限りで放出という可能性があるということです。来シーズンで多くの有力ライダーの契約が切れますから,HRCとしてはアレックスを放出して他のライダーを獲得することも可能となります。最高峰クラス初年度となるアレックスですが,いきなり背水の陣で臨む必要性があることになります。ただ,チームメイトが仲の良い兄であるマルケスですので,彼の大きなサポートが得られる可能性もあります。来季のレプソル・ホンダ・チームがどのような結果を残していくのか,これまで以上に注目となりそうですね。
2019/11/18(月)
☆ワンツーフィニッシュ?(F1)
○残り2戦となった今シーズンのF1ですが,第20戦ブラジルGPの決勝レースが,終日ドライコンディションとなったアウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェで行われました。ポールからスタートしたレッドブルのM.フェルスタッペンは,順調なスタートを切ってトップの座を守りました。1回目のピットインでは,メルセデスAMGのL.ハミルトンに前を行かれるという展開となりましたが,その後抜き返して再びトップに浮上。フェルスタッペンだけではなく,他のホンダ製パワーユニット勢も好調な走りを見せ,一時はトップ3を独占するという展開もありました。トップを行くフェルスタッペンは,ピットインのタイミングからトップの座を譲ることもありましたが,それでも速いペースで再びトップに立ち,最終的に2位におよそ6秒の差をつけてトップでチェッカーを受け,今季3勝目を挙げました。レッドブルのA.アルボンとハミルトンとの2位争いとなりましたが,残り2周となったところでアルボンのインに飛び込んだハミルトンの2台が接触し,アルボンはスピンを喫して最下位まで順位を下げてしまいました。この2台の後ろを走行していたトロロッソ・ホンダのP.ガスリーが2位に浮上。接触したハミルトンは,左フロントの翼端板を損傷したものの3位を走行。ハミルトンがガスリーに接近する展開となりましたが,結局このままの順でチェッカーとなり,ホンダ勢がワンツーフィニッシュを果たしました。なお,ハミルトンとアルボンとの接触に関して,ハミルトン側に問題があったのではないかということで審議になり,最終的にハミルトンに5秒加算のペナルティが科され,3位にマクラーレンのC.サインツが入っています。

☆有終の美(MotoGP)
○今季最終戦となる第19戦バレンシアGPの決勝レースが,気温は低いものの,ドライコンディションとなったサーキット・リカルド・トルモで行われました。MotoGPクラスは,ポールからスタートしたペトロナス・ヤマハSRTのF.クアルタラロがオープニングラップをトップで終えました。それに対して2番グリッドからスタートしたレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは出遅れてやや順位を下げました。しかし,今季1つのレース以外は常に2位以上でフィニッシュするという圧倒的な強さと速さがあるマルケスは見る見る間に順位を上げ,ついには早い段階でクアルタラロをも交わしてトップに立ちました。その後のマルケスは順調な走行を続けていき,クアルタラロに1秒以上の差をつけてトップでチェッカーを受け,今季12勝目を挙げて有終の美を飾っています。ドゥカティ・チームとのチームタイトル争いがこの大会まで持ち込まれましたが,この優勝でレプソル・ホンダ・チームがこの部門を制し,マルケス&ホンダはライダー,メーカー,チームの3部門を制しています。3位には,プラマック・レーシングのJ.ミラーが入っています。この大会を持って引退するレプソル・ホンダ・チームのJ.ロレンソは,7台がリタイアするという荒れた展開となったレースで完走を果たし,13位でチェッカーを受けてポイントを獲得しています。
Moto2クラスは,このクラスのレース前に行われたMoto3クラスのアクシデントにより25周のレースが16周に短縮されてレースが行われました。既にチャンピオンは前戦でエストレージャ・ガルシア0,0マークVDSのA.マルケスに決定していますが,ランク2位争いは最終戦に持ち込まれていました。その当事者であるレッドブルKTMアジョのB.ビンダーとダイナボルト・インタクトGPのT.ルティとのトップ争いとなりました。来季MotoGPクラスに昇格することが決まっているビンダーがこの争いを制し,5勝目を挙げて来季の昇格に華を添えています。3位には,ポールからスタートしたスピードアップのJ.ナバーロが入っています。2日目の走行からタイヤの接地感に苦しむONEXOX TKKR SAGチームの長島哲太は,決勝レースでもその症状に変わりはなく,21位で同チームにおける最後のレースを終えています。
Moto3クラスは,サイティングラップ中にマシンからオイルが漏れるというアクシデントが発生したためにスタートがディレイとなりました。11分遅れで始まったレースは,23周から15周に短縮されて行い,最終的に5台によるトップ争いとなりました。その中には,今季1勝挙げているSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生も含まれていました。ファイナルラップまで持ち込まれたトップ争いは,最終的にエストレージャ・ガルシア0,0マークVDSのS.ガルシアが制し,嬉しい初優勝を今季最終戦で挙げています。2位にはムゲン・レースのA.ミニョが入り,3位には,レオパード・インプラ・ジュニア・チームからワイルドカード参戦しているX.アルティガスが入り,デビューレースを表彰台で飾っています。鈴木竜生は,トップからおよそコンマ25秒遅れの4位で今シーズンを終えています。他の日本人ライダー勢は,ホンダ・チーム・アジアの小椋藍と鳥羽海渡がそれぞれ10位,13位に入ってポイントを獲得しています。まだ来季の去就が決まっていないボエ・スカル・ライダー・ムゲン・レーシングの真崎一輝は,16位でチェッカーとなってポイント獲得に至りませんでした。サイティングラップ中に路面に撒かれたオイルに乗って転倒を喫っするといアクシデントに見舞われたペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢は,19位完走でレースを終えています。
2019/11/17(日)
☆2戦連続(MotoGP)
○今季最終戦となる第19戦バレンシアGPの予選が,やや気温が低いものの,ドライコンディションとなったサーキット・リカルド・トルモで行われました。MotoGPクラスは,ルーキーながら,特に予選で好結果を収めているペトロナス・ヤマハSRTのF.クアルタラロが前戦に引き続いて最速タイムを刻み,今季通算6度目のポールを獲得しました。ルーキーシーズンながら,シーズンのおよそ3分の1は彼がポールシッターとなったことになります。そのクアルタラロからわずか1000分の32秒差で,今シーズンのチャンピオンであるレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが2番グリッドとなっています。そのマルケスから1000分の76秒差で,前戦でポールトゥーフィニッシュを果たしているモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスが3番手タイムでした。
Moto2クラスは,スピードアップのJ.ナバーロがトップタイムをマークし,今季4回目となるポールを獲得しました。そのナバーロからわずか1000分の17秒という僅差で2番グリッドとなったのは,レッドブルKTMアジョのJ.マルティンで,これは彼にとって自己最高位となります。3番グリッドをMVアグスタ・テンポラリー・フォワードのS.マンツィが獲得し,こちらも自己最高位となります。大会前に今シーズン限りでチームを去ることが決まったONEXOX TKKR SAGチームの長島哲太は,Q1からの出走となり,これを突破することができず,21番グリッド獲得にとどまっています。
Moto3クラスは,KTMのマシンを駆るムゲン・レーシングのA.ミニョが最速タイムを刻み,2016年10月にツインリンクもてぎで行われた第15戦日本GP以来自身2度目となるポールを獲得しています。レオパード・レーシングのM.ラミレスが,トップからやや離されたものの,2番グリッドを獲得しています。ポールシッターのミニョのチームメイトであるJ.マシアが3番手タイムをマークし,第2戦アルゼンチンGP以来今季2度目のフロントロースタートを決めています。SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が8番手タイムとなった日本人ライダー勢ですが,鈴木以外は全体的に奮わず,Q1で敗退となっています。

☆2度目(F1)
○第20戦ブラジルGPの予選が,ドライコンディションとなったアウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェで行われました。トップ10を決めるQ3のファーストアタックでトップタイムをマークしたのは,今季1回ポールを獲得しているレッドブルのM.フェルスタッペンでした。そのタイムをターゲットにしてラストアタックが展開されていきましたが,フェルスタペン自身はそのタイムを更新しましたが,誰も彼のタイムを上回ることができず,今季2回目となるポールを獲得しました。2番グリッドを獲得したのは,トップからおよそコンマ12秒遅れでフェラーリのS.ベッテルで,今季のチャンピオンを決めているメルセデスAMGのL.ハミルトンが3番手タイムをマークしています。初日はトロロッソ・ホンダの2台ともエンジントラブルが発生するという事態が発生したホンダ製パワーユニット勢ですが,予選ではトロロッソ・ホンダのD.クビアトがわずかの差でQ1敗退となったものの,フェルスタッペンを含めて他の3台はQ3進出を果たしました。フェルスタッペンのチームメイトであるA.アルボンが6番手,トロロッソ・ホンダのP.ガスリーがそれに次ぐ7番手でした。
2019/11/15(土)
☆電撃(MotoGP)
○昨日は来季も続投と思われていたレプソル・ホンダ・チームのJ.ロレンソが,今季限りで引退するという驚きの展開をお伝えしました。その空いたシートに座るのが,これまた来季もKTMのワークスライダーとして続投すると思われていた中,今季限りでの離脱を発表していたJ.ザルコでした。まさに電撃的な事が起きている今シーズン末のMotoGPですが,このページでもお伝えしたように,11月12日(火)には,Moto2クラスにフル参戦しているONEXOX TKKR SAGチームが,来季もR.ガードナー&長島哲太の体制で臨むことになっていたものの,長島との契約を破棄し,マレーシア人ライダーのK.ダニエル.ビン.カスマユディンと契約することになりました。突然のシート喪失となった長島ですが,昨日から始まった今季最終戦となる第19戦バレンシアGPにおいて,レッドブルKTMアジョが,長島を来季に起用することを発表しました。既にJ.マルティンとの契約が成立している同チームですので,来季はマルティン&長島という体制で臨むこととなります。今回長島が電撃的に契約したレッドブルKTMアジョは,今季までMoto3クラスと同様に中・軽量級クラスにおけるKTMのワークスチームとして活動しています。しかし,KTMがMotoGPクラスにフル参戦していて,こちらに力を注ぐ必要性が生じているため,軽量級クラスはこれまで通りの活動となりますが,ワンメーク的な要素が強いMoto2クラスに関しては,KTMのワークス活動から外れることになります。来季に関しては,当初マルティンとI.レクオナとのコンビで2020年シーズンに臨むことになっていました。ところが,ザルコの離脱に伴って空いたシートにレクオナが座ることになり,今度はMoto2のシートに空きが生じ,かつて同チームのアカデミーに所属してCEV Moto2に経歴を持つ長島に白羽の矢が立ったことになります。今季のSAGは上位争いに顔を出すほど力をつけてきていますが,レッドブルKTMアジョも同様に力のあるチームです。来季こそ優勝できるよう,長島にはこのチャンスを活かしていってほしいものですね。
2019/11/15(金)
☆引退(金)
○今日からリカルド・トルモ・サーキットで今季最終戦となる第19戦バレンシアGPが開幕しますが,それを前にして緊急のプレスカンファレンスが行われ,今シーズンからレプソル・ホンダ・チームに所属しているJ.ロレンソが,今シーズン限りで引退することを発表しました。ロレンソとホンダの契約期間は2年間で,来季はその2年目にあたりますが,契約を1年残しての引退となりました。今回引退を発表したロレンソは,2006,2007年と2年連続して250ccクラスでチャンピオンを獲得した後,2008年からヤマハのワークスライダーとして最高峰のMotoGPクラスに昇格しました。その後,2010年にフィアット・ヤマハ・チームで,2012年にはヤマハ・ファクトリー・レーシングで,2015年はモビスター・ヤマハ・MotoGPでと,ヤマハのワークスライダーとして3度チャンピオンとなり,合計5回タイトルを獲得する輝かしい記録を残してきたました。しかし,2017年にヤマハからドゥカティ,そして今季かrホンダと乗り継いでいったものの,その両メーカーではついにタイトルを獲得することができないままとなりました。特に,数々の栄光のあるHRCライダーとしてのこの1年は,常に怪我による体調不良と,それに伴って思うような走りをすることができず,それが要因となってさらに転倒してケガを負うという負のスパイラルに陥っていました。思うような走りをすることができない体調と,こうした状況が彼のモチベーションをさらに低下させていったことにより,今回の突然とも言える引退劇となってと考えていいのではないでしょうか。
来季のMotoGPクラスのシートは,ほとんどのライダーが契約2年目となるため,当初は無風ともいえる状況でした。ところが,KTMのワークスライダーだったJ.ザルコが契約を1年残して契約解除となり,ワークスライダーのシートが1つ空くことになりました。それも一段落してようやく来季のライダーが決定したかと思ったら,今回の驚きの引退発表となりました。ホンダワークスというチャンピオン争いに直結するシートが空いた訳ですが,既に有力ライダーの去就は決定していました。それだけに,そのシートに誰が座ることになるのか当然注目となるのですが,何とこれまた驚きで,KTMとの契約を解除したザルコが,チャンピオンであるM.マルケスのチームメイトとしてロレンソの抜けたシートに座ることになる可能性が急浮上しました。昨年までヤマハのサテライトチームだったテック3に所属していた頃の彼の活躍から分かるように,チャンピオンになる力は十分持っているライダーです。とはいえ,あまりの急展開で,もちろん彼もそうだったのでしょうが,戸惑いを感じているのは私だけではないと思います。何はともあれ,数々のサーキットを『ロレンソ・ランド』にしていったロレンソに対して,心からお疲れ様の声をかけたい気持ちです。
2019/11/14(木)
☆復帰(WEC)
○前年後半から来季のシーズンが始まる世界耐久選手権(WEC)ですが,既に来季のシーズンとなる2019/2020年のシリーズが始まっています。このシーズンまでは,既に終了している今シーズンと同様チャンピオンカーであるトヨタTS050ハイブリッドに代表されるLMP1クラスが最高峰となっていますが,2020/2021年シーズンからは,市販スーパースポーツをベースとしたハイパーカー規定に変更されることになっています。そして,この新しいマシン規定に則ったレースに,TOYOTA GAZOO Racingが早い段階から参戦することを表明していますし,次にアストンマーティンがバルキリーを使用してフル参戦することを表明していました。そして,この度フランスを代表するカーメーカーであるプジョーが公式Twitterで,来年後半から始まる2021年シーズンにハイブリッド搭載のハイパーカーを使用してフル参戦することを発表しました。プジョーがWECに参戦するのは,2009年までプジョー908 HDi FAPを駆って参戦して以来となります。今回の発表では具体的なものは発表されておらず,ドライバーは誰になるのか,ワークスとしてプジョーが直接担当するのか,どこかのチームと組んでセミワークスのような体制で組むのか等は明らかになっていません。そうした点については,来年中に行われるものと思われます。アウディやポルシェ等がWECを去って以来,現実的にはTOYOTA GAZOO Racingの一人勝ち状態が続いていました。既に始まっている2019/2020年シーズンに関しては,厳しい性能調整が行われているため,上海インターナショナル・サーキットで行われた第3戦において,B.セナ&G.メネゼス&N.ナト組が駆るレベリオンR13・ギブソンが優勝し,トヨタTS050ハイブリッドの牙城がようやく崩れました。同チームにとっては苦しい戦いが続くシーズンとなりそうですが,厳しい性能調整が行われないとトヨタの牙城が崩されない状況であることは変わりありません。2021年シーズンからは,ようやくガチンコのレースが展開されるようになることを期待したいですね。
2019/11/13(水)
☆シート確定(F1)
○アストンマーティン・レッドブル・レーシングから発表があり,今季途中でトロロッソ・ホンダからP.ガスリーと入れ替わる形でレッドブルに加入したA.アルボンを来季も継続して採用することになりました。同チームのエースドライバーであるM.フェルスタッペンは,昨年2年間の契約を結んでいますから,来季も同じ体制でシーズンに臨むこととなります。今シーズンからF1にフル参戦を開始したアルボンは,ベルギーGPからレッドブルドライバーとして起用されることになり,それ以後のレースで速くて安定した成績を残していて,ここまでの7戦全てを6位以内でフィニッシュしています。
これに呼応するかのように,今度はトロロッソ・ホンダから発表があり,今季初めから同チームでフル参戦しているD.クビアトと,アルボンと入れ替わる形でチームに復帰したガスリーとの契約を延長することが決定しました。同チームの来季のドライバーについては,可能性はかなり低かったものの,日本GPのFP1でガスリーの枠を使ってF1デビューを果たした山本尚貴の採用が期待されていましたが,この決定によりその夢は叶わないことが決定しました。やはり2チーム4つのシートに日本人が食い込むのはかなり厳しく,あともう1チームあればそこに入る可能性が出てきます。ホンダには,ぜひその実現に向けて行動を進めていってほしいものですね。
ホンダ製パワーユニット勢がどちらも来季の契約が成立し,来季のF1シートの残りはウィリアムズの残り1つとなりました。これは,R.クビサが抜けることにより空くことになっているシートです。F1を代表する伝統的なチームの1つであるウィリアムズですが,近年は最下位争いを展開して凋落傾向が収まらない状況が続いています。そうしたシートだけに,有力ドライバーが希望する可能性はどうしても低くなります。噂段階では具体的な名前が挙がっていますが,残された1つのシートに誰が食い込むのか発表を待ちたいと思います。

☆シート喪失(MotoGP)
○昨日のこのページで来季のMoto2クラスのシート獲得状況についてお伝えしましたが,その中でONEXOX TKKR SAGチームについては,R.ガードナー&長島哲太のコンビが継続することをお伝えしていました。ところが,ここに来て同チームから突然の発表があり,今季最終戦の終了をもって長島哲太との契約を解除し,来季から3年間にわたって19歳のマレーシア人ライダーで,今季は『Moto2TM欧州選手権』にフル参戦しているK.ダニエル.ビン.カスマユディンを起用することになりました。突然のシート喪失となった長島ですが,その去就についての発表はありませんでした。今季の長島は,古巣となる同チームに復帰し,シーズンが進むに連れて成績が向上するようになり,第11戦オーストラリアGPでは,自身初となるポールを獲得しています。成績が出てくるようになり,チームとの関係も良好であると思われていただけに,まさに驚きの発表でした。残されたシートが少なくなった状況の中での突然の決定ですので,長島の去就がとても気になるところです。
2019/11/12(火)
☆残り3つ(MotoGP)
○既にMotoGPクラスの来季のシートは全て埋まっていて,後はMoto2,Moto3クラスのシートがどうなるかという段階に入っています。そのような中,Moto2クラスにフル参戦している中の2チームが,来季の契約について発表を行いました。まず10日(日)にMVアグスタ・フォワード・レーシングから発表があり,既に残留が決まっているS.マンツィのチームメイトとして,今季のD.エガーターに替わって,32歳のイタリア人ライダーであるS.コルシを起用することになりました。コルシは2013年から3年間にわたって同チームから参戦した経歴がありますので,チーム復帰ということになります。次に,11日(月)にグレシーニ・レーシングから発表があり,既に新しく契約成立しているN.ブレガのチームメイトとしてE.ポンスを起用することと,タイトルスポンサーを務めているフェデラル・オイルとの契約延長を発表しました。今回契約が成立したポンスは,その名が示すようにスペインのレジェンドライダーの一人,Moto2クラスにフル参戦しているチームオーナーでもあるシト・ポンスの息子です。今季Moto2欧州選手権でチャンピオンを獲得していますが,2016年から2年間にわたって父親のチームからMoto2クラスにフル参戦した経歴を持っています。
着々とシートが埋まってきているMoto2クラスのシートですが,今回の契約成立により,このクラスで残されたシートは後3つとなっています。ここで,11日段階におけるシート獲得状況を整理しておきたいと思います。
2020年 Moto2クラスシート獲得状況
チーム ライダー
アメリカン・レーシング M.ラミレス
未定
ダイナボルト・インタクトGP M.シュロッター
未定
エストレージャ・ガルシア0,0マークVDS A.マルケス
S.ローズ
フェデラル・オイル・グレシーニ N.ブレガ
E.ポンス
フレックスボックスHP40 A.フェルナンデス
R.バルダッサーリ
ガビオタ・アンヘル・ニエト・チーム A.カネト
H.シャーリン
イデミツ・ホンダ・チーム・アジア S.チャントラ
A.ファリド.イズディハール
イタルトランス・レーシング・チーム E.バスティアニーニ
L.ダッラ・ポルタ
MVアグスタ・フォワード・レーシング S.マンツィ
S.コルシ
NTS RWレーシングGP B.ベンスナイダー
E.ラフィン
ONEXOX TKKR SAGストップ・アンド・ゴー 長島 哲太
R.ガードナー
ペトロナス・スプリンタ・レーシング X.ビエルゲ
J.ディクソン
レッドブルKTMアジョ J.マルティン
未定
スカイ・レーシング・チームVR46 L.マリーニ
M.ベツェッキ
スピードアップ・レーシング J.ナバーロ
F.ディ.ジャン.アントニオ
2019/11/11(月)
☆シート喪失(MotoGP)
○ヤマハのテストライダーを務めているJ.フォルガーが,11月8日(金)に来シーズンその立場を失うことを明らかにしました。フォルガーと言えば,2017年に当時はヤマハのサテライトチームだったテック3に所属してMotoGPクラスにフル参戦し,当時のチームメイトだったJ.ザルコと共に時にはワークスライダーをしのぐ活躍を見せていきました。2018年の同チームから継続参戦していましたが,シーズン終盤に自身が『ジルベール症候群』であることを明らかにし,日本GPから治療に専念するためレースの場から去っていました。そのような中,他メーカーが力を発揮する中,ヤマハがリザルト的に苦しい状況が見られていて,マシン開発のさらなる必要性が生じていました。YZR-M1の開発は,日本国内でテストライダーを務めている中須賀克行と野左根航汰が行っていますが,それ以外にヨーロッパでの開発チームも立ち上げることになり,その一員として体調がかなりよくなってきたフォルガーを起用していました。しかし,そのフォルガーが今シーズン限りでその立場を失うことになったわけです。後任についてはまだ発表がありませんが,可能性として最も高いのは,テック3時代にフォルガーのチームメイトであったJ.ザルコではないかと噂さています。既にこのサイトで何回もお伝えしているように,今シーズンからKTMのワークスライダーとしてフル参戦を開始していたザルコでしたが,KTMとの話し合いの結果,契約期間をあと1年残してその契約を解除することとなりました。KTMとの今季の契約自体はまだ残っているのですが,KTM側が他チームで走ることを容認していて,実際,怪我の治療のため終盤の3戦を欠場することになったLCRホンダ・イデミツの中上貴晶の代役として参戦しています。そのLCRホンダ・イデミツの来季のシートは中上が継続することが決定していますので,ザルコの参戦はこの3戦のみで,その後のザルコの去就については,まだ発表されていません。既に来季のMotoGPクラスのシートは全て埋まりましたから,後残された道はタイトルを取った経験があるMoto2クラスに復帰するか,MotoGPクラスでテストライダーを務めるかのどちらかです。もちろん浪人という手もなくはないですが,再来年での復帰に大きなハンデとなることは間違いありません。テック3時代にヤマハとの関係を築いていますし,まだ十分上位争いができる力があるライダーをテストライダーとして持っていることは,例えば永年にわたってホンダのワークスライダーを務めてきた経歴があるD.ペドロサが加わってKTMの戦闘力が上がってきているように,有効なマシン開発が行われることになります。ザルコの起用がかなり高い確率だと考えるのが自然でしょう。なお,フォルガーの去就については,まだ明らかになっていません。
2019/11/08(金)
☆移籍(SBK)
○SBKと併催で行われているのが,600ccマシンで争われているスーパースポーツ世界選手権(WSS)です。そのWSSに日本人ライダーで唯一フル参戦しているのが大久保光ですが,その大久保に関して,同シリーズにフル参戦しているPTRホンダから発表があり,来季は大久保を起用してフル参戦することになりました。その大久保ですが,2008年にJRRのGP125でデビューを果たした後,2010年にはJ-GP3クラスでチャンピオンを獲得しました。一旦アジアでのレースにフル参戦してチャンピオンに輝いたりした後,2013年からJRRのJ-GP3クラスに復帰し,2015年にはST600クラスへステップアップしてランク3位となりました。そして,2016年シーズンから戦いの場をWSSに移し,そこで最初に所属したのが今回のPTRホンダでした。そこで2年間戦った後,2018年シーズンからWSSにおけるチャンピオンチームの1つであるKawasaki Puccetti Racingに移籍してZX-6Rを駆り,初年度はランク13位,そして今季は最高位が4位で,ランキング争いでは5位でシーズンを終えています。着実にWSSでも成績を収めるようになってきている大久保ですが,来季から古巣に戻ってCBR600RRを駆ることになりました。Puccetti Racingではカワサキ車を駆りましたが,彼の経歴はホンダのマシンを駆るのが中心でしたから,チームにしてもマシンにしても,大久保にとっては里帰りしたような感じではないかと思います。既に開発が止まっているCBR600RRですが,見方を変えれば熟成されているとも言えます。移籍初年度ではあるものの,比較的早い段階で本来の走りを見せることができるのではないかと期待したいと思います。
2019/11/07(木)
☆残り4(F1)
○11月4日(月)にアルファロメオ・レーシングから発表があり,今シーズン同チームからフル参戦しているA.ジョビナッツィとの契約を延長することが決まりました。2017年に当時ザウバーとして活動していた同チームでテストドライバーを務めてきたジョビナッツィですが,今シーズンからチームがアルファロメオ・レーシングと改名して活動を始めるのと同時にフル参戦を開始しました。残り2戦となっている現在,ここまで4ポイントを獲得してランク18位につけています。来季のシート獲得には不透明なところもありましたが,チーム残留が決まり,来季もK.ライコネンのチームメイトとしてフル参戦することになりました。
徐々に埋まってきている来季のシートですが,今回の決定により,残されたF1のシートはあと4つとなりました。その4つとは,レッドブルの1つ,トロロッソの2つ,ウィリアムズの1つです。ホンダ製パワーユニット勢は,4つ中3つが未定となっています。ここに先日行われた日本GPのFP1でF1デビューを果たした山本尚貴が食い込めると良いのですが,今季のドライバーが残留する可能性が高いと噂されていて,厳しい状況には変わりないようです。ここで,現段階で決定している来季のドライバーラインナップを整理しておきます。
2020年F1ドライバーラインナップ
チーム ドライバー
メルセデスAMG 44 L.ハミルトン
77 V.ボッタス
フェラーリ 5 S.ベッテル
16 C.ルクレール
レッドブル 33 M.フェルスタッペン
未定
ルノー 3 D.リカルド
31 E.オコン
ハース 8 R.グロージャン
20 K.マグヌッセン
マクラーレン 55 C.サインツ
4 L.ノリス
レーシングポイント 11 S.ペレス
18 L.ストロール
アルファロメオ・レーシング 7 K.ライコネン
99 A.ジョビナッツィ
トロロッソ・ホンダ 未定
未定
ウィリアムズ 63 G.ラッセル
未定
2019/11/06(水)
☆世界へ(SBK)
○現在イタリア・ミラノでEICMA2019(ミラノショー)が開催されていますが,その会場においてホンダが来シーズンの二輪モータースポーツ活動計画について発表を行いました。今日は,その中でSBKについてお伝えします。今シーズンのホンダは,モリワキとアルティアとがタッグを組んで"Moriwaki Althea Honda Team"としてフル参戦しました。しかし,マシンのベース自体が古く,例え他の部分にチェンジを加えても,他のメーカーが次々とフルモデルチェンジをして新しくしていっていますので,戦闘力不足は否めなく,最終的にメーカーランクで最下位という結果で今シーズンを終えています。こうした状況は,当然ホンダとして看過できなかったでしょうが,その表れが今回のショーでお披露目されているブランニューのCBR1000RRです。まさにレースを主体として開発されたことが伝わってくる今回の新型マシンですが,それを使って来季のホンダはSBKにおいて本格的な取組を行うようです。今回発表された体制によると,ついにホンダはチームHRCとしてSBKにフル参戦することになりました。ライダーについては,既に発表されていたA.バウティスタに加え,今回新たにL.ハスラムを起用することになりました。バウティスタは今季ドゥカティのワークスライダーとしてランク2位に輝きました。ハスラムの方は,カワサキのワークスライダーとしてフル参戦し,ケガ等によりSBKでは思うような成績が残せませんでしたが,ご存知のように鈴鹿8耐では見事勝利に貢献しています。さらに,サテライトチームについても発表されていて,そのライダーとして惜しくもJRR最終戦でタイトルを逃しましたが,ずっと国内ホンダのエースとして,そしてMotoGPの開発ライダーとして活躍してきた高橋巧を起用することになりました。長年世界選手権への昇格が期待されてきた高橋ですが,ようやくそれが実現したことになります。彼が所属することになったのは"MIE Racing Team"です。ただ,今回の発表では,誰がチームメイトになるのかについては明らかにされていません。ほぼ初めて走るサーキットだったり,彼がずっと関わってきたとはいえ,新開発のマシンだったりして,初年度はかなり厳しい状況になる可能性もあります。しかし,日本を代表するライダーとしてSBKで活躍してほしいものですね。ホンダはようやく高橋を世界に送りますが,ヤマハは中須賀克行をずっと国内でフル参戦させています。年齢的に厳しいでしょうが,国内では野左根航汰が力をつけてきていることですし,中須賀についても世界に羽ばたかせても良いのではないでしょうか。
2019/11/05(火)
☆今シーズン限りで(SGT)
○11月3日(日)にツインリンクもてぎで行われた最終戦のGT300クラスの決勝レースは,ガス欠によりチェッカー目前でトップが入れ替わるという劇的な場面が見られました。そして,ランクトップで最終戦を迎えていたARTAが,4位に入って2002年以来17年ぶりとなるチャンピオンを獲得しています。そうした劇的な最終戦となりましたが,そのレース終了後にマザーシャーシを使用したHOPPY 86 MCを駆ってGT300クラスにフル参戦している『つちやエンジニアリング』の土屋武士チーム代表が,ツインリンクもてぎ内にあるグランツーリスモカフェで行われたチームサポーターで組織されている『サムライサポーターズ』とのミーティングにおいて,2015年シーズンからずっと使用してきた86 MCを今シーズン限りで使用することをやめ,来季からは新しいマシンでの参戦となることを発表しました。2015年に導入以来以来,高い技術を擁していることで評価が高い同チームが,精魂込めて全く新しいマシンを作り上げてきました。最終戦を18位で終え,チームランキングも18位で終え,今シーズンは思うような結果が残せていませんでしたが,投入2年目となる2016年には見事シリーズチャンピオンを獲得しています。今回の発表では,来季からどのマシンを使用するのか明らかにされていません。最終戦は終わりましたが,今月末には『スーパーGT×DTM特別交流戦』が予定されていて,同チームはこれにエントリーしています。レースの場における86 MCの走行は,これが見納めとなります。
2019/11/04(月)
☆兄弟で(MotoGP)
○3週連続開催の3レース目となる第18戦マレーシアGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったセパン・インターナショナル・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,ポールからスタートしたモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスが,ホールショットこそ好スタートを決めたプラマック・レーシングのJ.ミラーに奪われたものの,すぐにトップに躍り出ると後は独走態勢に持ち込みました。前日の予選でワールドチャンピオンとしてはあるまじき行動に出て,自ら墓穴を掘る結果となって11番グリッドからのスタートとなったレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,決勝はチャンピオンらしくロケットスタートを決め,何と3周目には2位にまで浮上しました。さらにその後ろでは,こちらも抜群のスタートを決めて3位争いにまで持ち込んだドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾをはじめ3台によるバトルが展開されていきました。トップ2は単独走行で最後まで走りきり,ビニャーレスが第8戦ダッチTT以来となる今季2勝目を挙げました。3位争いは,最終的にドビツィオーゾが制しています。
Moto2クラスは,ポールからスタートしたレッドブルKTMアジョのB.ビンダーが,順調に首位で発進しました。途中ミスにより順位を一旦は下げましたが,程なくして再びトップに返り咲き,前戦に続いてトップチェッカーを受けました。ビンダーには遅れをとったものの,チャンピオン獲得に向けてこの大会に王手をかけているエストレージャ・ガルシア0,0マークVDSのA.マルケスは,単独走行で2位のポジションを守って行ってチェッカーを受け,最終戦を待たずして今季のチャンピオンを決めました。既に兄のマルケスがMotoGPクラスのチャンピオンを決めているので,最高峰,中量級クラスでマルケス兄弟がダブルでチャンピオンとなりました。2013年には史上初めてこの兄弟がチャンピオン(この時はMoto2とMoto3)に輝くという快挙を成し遂げていますが,今度はクラスを1つずつ上げての兄弟チャンピオンとなりました。3位には,こちらも単独走行でダイナボルト・インタクトGPのT.ルティが入っています。2番グリッドからスタートしたONEXOX TKKR SAGチームの長島哲太は,3位争いを展開することはありましたが,徐々にポジションを下げていき,最終的に8位でのチェッカーとなっています。
Moto3クラスは,いつものように複数台によるトップ争いが展開されていきました。その中で最終ラップに抜け出たのがここまで2連勝でこの大会を迎えているレオパード・レーシングのL.ダッラポルタでした。最終的に2位に入ったエストレージャ・ガルシア0,0のS.ガルシアにコンマ4秒差をつけて3戦連続優勝を飾っています。3位には,ホンダ・チーム・アジアの小椋藍を押さえてムゲン・レースのJ.マシアが入っています。小椋は惜しくも4位で表彰台を逃しています。他の日本人ライダー勢は奮わず,ボエ・スカル・ライダー・ムゲン・レーシングの真崎一輝は完走したものの18位でチェッカーとなってノーポイントに終わり,残りの3人はリタイアに終わっています。

☆6連覇(F1)
○第19戦アメリカGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われました。ポールからスタートしたメルセデスAMGのV.ボッタスは,好スタートを切ってトップの座を守りました。それに対して,2番グリッドからスタートしたフェラーリのS.ベッテルはペースが上がらず,その後コースアウトした際に左サスペンションを傷めてリタイアに終わっています。2位に上がったのはレッドブルのM.フェルスタッペンで,この2台がワンツー体勢を築いていきました。チャンピオン獲得に向けてこの大会で王手をかけているメルセデスAMGのL.ハミルトンは,上位2人が2ストップ体勢に持ち込んだのに対し,タイヤ交換をかなり遅らせて1ストップ作戦を採りました。上位2人が1回目のタイヤ交換をするとハミルトンがトップに浮上。しかし,2人が2回目のタイヤ交換した後は,流石にペースの違いが出てきてボッタスがトップに浮上しました。ただ,フェルスタッペンは思うようにペースが上がらずにハミルトンをパスするには至らず,メルセデスAMG勢がワンツーでチェッカーを受けました。これにより,残り2戦でハミルトンはボッタスに67ポイント差をつけ,今シーズンのチャンピオンを決めました。ハミルトンにとっては,そしてチームにとっても6連覇となります。フェルスタッペンのチームメイトであるA.アルボンは,5位でチェッカー受けてポイントを獲得しています。トロロッソ・ホンダ勢は,D.クビアトは10位でチェッカーを受けたものの,その後最終ラップの接触でペナルティが科され12位に降格しています。P.ガスリーは最終ラップにマシンがストップし,15位で終了となっています。

☆逆転で(JRR)
○今季最終戦となるMFJグランプリが,好天に恵まれた鈴鹿サーキットで行われました。最終戦まで持ち込まれたTeam HRCの高橋巧とYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行とのチャンピオン争いは,思わぬ形で決着を見ました。大会前は高橋がリードしていましたので,高橋有利と思われていました。ところが,レース1で中須賀のチームメイトである野左根航汰とオープニングラップの2コーナーで接触してコースオフ。その後ペースが乱れたのか,デグナーカーブでもコースオフして転倒を喫して大きくポジションを落としてしまいました。それに対して,中須賀は順調にトップの座を守ってトップでチェッカーを受け,何とかチェッカーまでマシンを持ってきた高橋でしたが,16位でわずかなポイントしか獲得できませんでした。この結果,中須賀がランクトップに立って9ポイント差をつけ,逆に中須賀が俄然有利な立場となりました。レース2では,逆転タイトルを狙う立場に変わってしまった高橋が独走態勢を築いてトップでチェッカーを受けたものの,中須賀が2位でチェッカーを受け,9度目のタイトル獲得となりました。高橋は,5勝を挙げながらも,シーズン途中でテストによりケガを負ったりした不運もあり,タイトル獲得に至りませんでした。来季の高橋については,期待を込めた噂では,世界につまりSBKに参戦するようになるのではないかという噂が出ていましたが,どうやらそれは実現がかなり厳しいようです。
J-GP2クラスは,SDG Mistresa RT HARC-PRO.の榎戸育寛とMuSASHi RT HARC-PRO.の名越哲平とが最終ラップまでトップ争いを展開し,榎戸がコンマ2秒差でトップチェッカーを受けました。名越は2位でのチェッカーとなりましたが,今シーズンのチャンピオンを決めています。3位には,Team高武RSCの作本輝介が入っています。
ST600クラスは,AKENO SPEED・YAMAHAの南本宗一郎と,ランクトップを行く日本郵便HondaDream TPの小山知良とのバトルがファイナルラップまで持ち込まれました。このバトルは南本がコンマ15秒差で制して嬉しい初優勝を飾りました。2位に終わった小山ですが,見事このクラスのチャンピオンを決めています。3位には,MOTO BUM HONDAの荒川晃大が入り,こちらは自身初となる表彰台を獲得しています。
唯一今シーズンのチャンピオンが決まっているJ-GP3クラスは,BATTLE FACTORYの鈴木大空翔とSRSコチラレーシングの古里太陽とがファイナルラップでも順位を入れ替える激しいバトルを展開し,最終的に1000分の72秒差で鈴木がバトルを制しています。3位には,Team SRS-Motoの細谷翼が入っています。

☆バトル(SGT)
○今季最終戦となる第8戦の決勝レースが,ドライコンディションとなったツインリンクもてぎで行われました。両クラス共にチャンピオンが決まってない中での最終戦となり,激しいトップ争いが展開されました。まずGT500クラスは,逆転タイトルを狙う平川亮&N.キャシディ組のKeePer TOM’S LC500がトップの座を守っていきました。それに対してランクトップに立ってその座を守ろうとする大嶋和也&山下健太組のWAKO’S 4CR LC500とレースでトップを走る中嶋一貴&関口雄飛組のau TOM’S LC500とが激しい2位争いを展開しました。ランク首位の座を死守したいWAKO’S 4CR LC500は,最終コーナーでauとマシンをぶつけ合ってコースオフしながらストレートを立ち上がるバトルをし,これを制して2位に浮上しました。逆転タイトルを狙う平川亮&N.キャシディ組のKeePer TOM’S LC500は最後までトップの座を守ってチェッカーとなりました。激しいバトルを制してWAKO’S 4CR LC500が2位でチェッカーを受け,見事今シーズンのチャンピオンを決めました。チームにとっては,現在チーム監督を務めている脇坂寿一が,ドライバーとしてチャンピンを獲得した2002年以来の戴冠となります。
GT300クラスは,順調にトップを走っていた蒲生尚弥&菅波冬悟組のLEON PYRAMID AMGが,チェッカー目前のホームストレートでマシンがストップしてしまい,かなりのギャップがありながらも後ろから追ってきた平中克幸&安田裕信組のGAINER TANAX GT-Rが大逆転でトップチェッカーを受けました。3位には,ランク2位につけていた新田守男&阪口晴南組のK-tunes RC F GT3が入りました。しかし,ランクトップにつけていた高木真一&福住仁嶺組のARTA NSX GT3は4位でチェッカーを受け,ARTAが今シーズンのチャンピオンを決めています。
2019/11/03(日)
☆独占(MotoGP)
○3週連続開催となるMotoGPですが,その3つ目のレースとなる第18戦マレーシアGPの予選が,全てのクラスがドライコンディションでの走行となったセパン・インターナショナル・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,初日に速さを見せたヤマハ勢が予選でもその好調さを維持する予選となりました。その中でもルーキーながら既に4回のポールを獲得してきているペトロナス・ヤマハSRTのF.ウアルタラロがラストアタックでトップタイムをマークし,今季5度目となるポールを獲得しました。しかも,そのタイムはオールタイム・サーキット・ベストを更新するものでした。クアルタラロには及ばなかったものの,ヤマハのワークスライダーであるモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスがおよそコンマ1秒遅れで2番手タイムでした。さらに,クアルタラロのチームメイトであるF.モルビデリが3番手タイムをマークし,フロントローをヤマハ勢が独占しています。これは,2017年の5月に行われた第5戦フランスGP以来となります。ビニャーレスのチームメイトであるV.ロッシが6番手タイムでしたから,トップ6の内4台がヤマハということになります。既にチャンピオンを決めている前戦のポールシッターであるレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,クアルタラロの後ろに意図的につけるという行動に出ました。これは,速いタイムを刻むクアルタラロの走りを盗もうとするものだったようですが,ペースを下げたりする中で後ろをついていったのですが,この行為がタイヤの温度を下げることにつながり,やや荒くトラクションをかけた瞬間にハイサイドから転倒を喫してしまいました。かなり危ない転倒だったために心配しましたが,体に痛みは抱えているものの,今日行われる決勝レースには出場できる見込みです。それにしても,理由があるとはいえ,今回のマルケスの行動はチャンピオンとしていかがなものかと思われます。その結果がハイサイドですから,これを良い経験に,自分ならではの予選の流れを大事にしていってほしいものです。
Moto2クラスは,レース結果次第ではこの大会でチャンピオンを決める可能性があるエストレージャ・ガルシア0,0マークVDSのA.マルケスがトップタイムをマークし,今季6度目のポールを獲得しています。そして,ONEXOX TKKR SAGチームの長島哲太が,フリー走行で総合3番手につけた好調さを維持し,それを1つ上回る2番手タイムをマークしました。フリー走行を制しているレッドブルKTMアジョのB.ビンダーが,3番手タイムをマークして2戦連続のフロントローを獲得しています。
Moto3クラスは,前戦でポールを獲得しているレオパード・レーシングのM.ラミレスが,2戦連続となるトップタイムをマークしました。そして,2番手タイムをマークしたのは,今季1勝を挙げているSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生でした。ペトロナス・スプリンタ・レーシングのJ.マクフィーが3番手タイムをマークし,久々にフロントローからのスタートを決めました。そのマクフィーのチームメイトである佐々木歩夢は,8番手とトップ10内でのタイムを刻みました。他の日本人ライダー勢は,ホンダ・チーム・アジアの小椋藍が14番手,チームメイトの鳥羽海渡は転倒を喫したこともあって17番手で終わっています。来季の去就が決まっていないボエ・スカル・ライダー・ムゲン・レーシングの真崎一輝は,23番グリッド獲得にとどまっています。

☆チャンピオンに向け(JRR)
○今季最終戦となる『第50回MFJグランプリスーパーバイクレースin鈴鹿』が,秋らしいコンディションとなった鈴鹿サーキットで行われました。今季はJ-GP3クラス以外はまだチャンピオンが決定しておらず,今日行われる決勝レース,つまりチャンピオン獲得に向けて重要なポジション取りということになります。JSB1000クラスは,今回も決勝は2レースとなっていて,それに合わせて予選も2レース分となります。ここまでランクトップを行くTeam HRCの高橋巧は,どちらの予選でも速さを見せ,レース1,レース2共にポールからのスタートを決めました。特に予選1では唯一となる2分3秒台をマークしていて,これは自身が持つコースレコードを更新するものでした。トップ3はどちらの予選とも同じ順位で,2,3番手に中須賀克行,野左根航汰のYAMAHA FACTORY RACING TEAM勢がつけ,中須賀は逆転タイトル獲得に向けて高橋にプレッシャーをかける位置を確保しています。
J-GP2クラスは,ランクトップを行くMuSASHi RT HARC-PRO.の名越哲平が,唯一2分9秒台をマークし,コースレコードでポールを獲得しました。その名越からおよそコンマ6秒という差をつけられ,SDG Mistresa RT HARC-PRO.の榎戸育寛が2番グリッドを獲得しました。さらに,その榎戸からおよそこんま8秒ほど遅れてミクニ テリー&カリーの尾野弘樹が3番グリッドを獲得し,トップ3はややタイム差がついた予選となりました。
ST600クラスは,今シーズンからフル参戦を開始しているMOTO BUM HONDAの荒川晃大がコースレコードを更新する走りを見せ,自身初となるポールを獲得しています。AKENO SPEED・YAMAHAの南本宗一郎が,ラストアタックでわずか1000分の8秒遅れにつけて2番グリッドを獲得しました。ここまでランクトップを行く日本郵便HondaDream TPの小山知良が3番グリッドを獲得し,チャンピオン獲得に向けて好位置につけました。
唯一チャンピオンが決まっているJ-GP3クラスは,セッションの早い段階で41Planningの高杉奈緒子が2分18秒台のタイムをマークしました。その後このタイムを目標にタイムアタックが行われていきましたが,誰もそのタイムを上回ることが出来ず,高杉が自身初となるポールを獲得しました。2,3番グリッドは,それぞれミクニ テリー&カリーの村瀬健琉,Team P.MU 7C MIKUNIの成田彬人が獲得しています。前戦で今シーズンのチャンピオンを決めているCLUB Y'sの長谷川聖は,16番グリッドと中位獲得にとどまっています。

☆ノーハンデ(SGT)
○今季最終戦となる第8戦の予選が,好天となったツインリンクもてぎで行われました。今シーズンのSGTは,まだ両クラス共にチャンピオンが決定していません。また,GT500クラスは,ここまで成績に応じて科されてきた重量のハンディが全てキャンセルとなります。そのGT500クラスですが,チャンピオン争いをしているレクサス勢に注目が集まっていました。ところが,同じレクサス勢ではあるものの,既にチャンピオン争いから脱落している中嶋一貴&関口雄飛組のau TOM’S LC500がポールを獲得しました。ランクトップを行く大嶋和也&山下健太組のWAKO’S 4CR LC500は,トップからおよそ100分の3秒差で惜しくもポールを逃しています。3番グリッドは,わずかながら逆転タイトルに望みがあった松田次生&R.クインタレッリ組のMOTUL AUTECH GT-Rでした。ただ,逆転タイトルにはポールに与えられる1点が最低限必要だったのですが,これを逃しているため,MOTUL AUTECH GT-Rはタイトル争いから脱落しています。ランク2位につけている平川亮&N.キャシディ組のKeePer TOM’S LC500は4番手タイムとなり,虎視眈々と逆転タイトルを狙っています。
GT300クラスは,McLaren 720Sを駆る荒聖治&A.パロウ組の内,ルーキードライバーのパロウがラストアタックを担当し,コースレコードを更新する驚異的な速さを見せ,最終戦にして今季初のポールを獲得しました。2,3番グリッドを獲得したのは,それぞれ平峰一貴&S.フェネストラズ組のリアライズ 日産自動車大学校 GT-R,蒲生尚弥&菅波冬悟組のLEON PYRAMID AMGでした。チャンピオン獲得に王手をかけているのが高木真一&福住仁嶺組のARTA NSX GT3が5番グリッドを獲得したのに対し,逆転タイトルを狙う新田守男&阪口晴南組のK-tunes RC F GT3はQ1で敗退して17番グリッドにとどまってしまい,ARTAが有利な形で予選を終えています。

☆僅差で(F1)
○第19戦アメリカGPの予選が,ドライコンディションとなったサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われました。Q3の最初のアタックで最速タイムを刻んだのは,かなり厳しい状況とはいえ,まだタイトル獲得の可能性を残しているメルセデスAMGのV.ボッタスでした。この時のタイムを目標に最後のアタックを開始していきましたが,自身を含め誰もこのタイムを更新することができず,ボッタスがタイトル獲得に望みを残すポールを獲得しました。2番グリッドをフェラーリのS.ベッテルが獲得しましたが,ポールのボッタスのとの差はわずか1000分の12秒という僅差でした。3番グリッドもトップと1000分の67秒という僅差となり,レッドブルのM.フェルスタッペンが獲得しています。ランクトップを行くメルセデスAMGのL.ハミルトンは,5番グリッドから決勝レースを迎えます。他のホンダ製PU勢ですが,レッドブルのA.アルボンが6番手,トロロッソ・ホンダのP.ガスリーが10番手とトップ10に入り,トロロッソ・ホンダのD.クビアトは13番手でした。
2019/11/02(土)
☆離脱(WRC)
○10月31日(木)にヒュンダイ・モータースポーツがプレスリリースを発表し,最終戦を待たずして今シーズンのチャンピオンを決めているTOYOTA GAZOO Racing WRTのO.タナクが,ヒュンダイに移籍することが決定しました。契約期間は,2021年までの2年間となっています。今回移籍することが決まったタナクは,昨シーズンからトヨタに所属していました。まだ最終戦が残っていますが,トヨタに入ってから通算10勝をマークしていて,先日行われた第13戦ラリー・エスパーニャにおいて最終日に行われたパワーステージでトップタイムをマークしてポーナスポイントを獲得すると共に,最終的に2位でゴールして今シーズンのチャンピオンを決めていました。タナクが移籍することになったヒュンダイですが,かつての無敵王者であるS.ローブをはじめ,強力な布陣を有しています。来季に関しても,契約期間の関係から強力なことには変わりなく,そのローブをはじめ,T.ヌービルやD.ソルドも同チームから参戦を継続します。四半世紀ぶりにドライバーズチャンピオンを獲得したTOYOTA GAZOO Racing WRTですが,来季の体制については現段階でまだ正式発表がなされていません。いきなりチャンピオンドライバーを失うことになるわけですが,マシンの戦闘力の高さが改めて証明されたわけですから,有力ドライバーの獲得は十分可能と考えていいのではないでしょうか。
2019/11/01(金)
☆活動終了(SGT)
○10月29日(火)にRAYBRIG NSX-GTを駆ってSGTにフル参戦している2009年のF1ワールドチャンピオンであるJ.バトンが,最終戦を持ってSGTでの活動を終了することを自身のインスタグラムで発表しました。今回活動終了を発表したバトンは,F1での引退後,昨シーズンから山本尚貴と組んでSGTにフル参戦していました。そして,その初年度に見事チャンピオンを獲得。国内ホンダのエースと元F1チャンピオンのタッグの強さと速さを見事に見せつける結果となりました。今シーズンは,不運などもあってチャンピオン争いから脱落していますが,先日ドイツで行われたSGTとDTMとがタッグを組むための一環となる第9戦ホッケンハイムにホンダの代表として参戦し,SGT勢としては最高位を獲得しています。今回の発表によると,DTMとの特別交流戦が今月23日と24日に富士スピードウェイで行われる予定になっていますが,このレースには参加しないということですので,SGTでバトンの走りを見られるのは,明日からツインリンクもてぎで行われる今季最終戦が最後ということになります。なお,来シーズンの活動がどうなるかについては,今回の発表の中では行われていません。
 

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