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最新ニュース

2019/07/31(水)
☆順位確定(EWC)
○EWCシリーズ最終戦となる今年の『鈴鹿8時間耐久ロードレース』は,昨シーズンまでのヤマハ,ホンダに加え,ついにカワサキもワークスチームを投入して3チーム入り乱れての激しいトップ争いが展開されてきました。最後の最後まで争われた3チームによるバトルですが,まず脱落していったのは高橋巧&/清成龍一&S.ブラドル組のRed Bull Hondaでした。最後のピットインの段階ではトップを走行していたRed Bull Hondaでしたが,このチームは緊急事態に陥っていました。というのも,3人体制を組んでいたものの,今季再びホンダのワークスライダーとして8耐に参戦した清成龍一は,体調不良により一度も走行しないままレースが進んでいたのです。厳しい気象条件の中2人で激しいバトルとなったレースを交代しながら走行を続けたRed Bull Hondaでしたが,特に高橋巧にはかなりの負担がかかっていました。というのも,初めて8耐となったブラドルにとって,周回遅れをパスするということ自体に慣れてなく,優勝争いをしている他チームのライダーが逆にその点になれているため,せっかく差がついていても,周回遅れが現れる度にラップタイムが下がり,順位を下げてしまうというような展開がしばしば見られました。今シーズン絶好調の高橋は,そうした不安材料を抱えながら彼が走行してまた順位を回復するという展開がなされていきました。そして,最後のピットインでは2スティント連続走行となり,しばらくはトップの座を守っていました。しかし,後ろから激しく追い上げてきたのがKawasaki Racing Team Suzuka 8HのJ.レイでした。SBKチャンピオンのレイは,体力的にギリギリの高橋を追い上げていき,ついにトップに立ちました。さらに,コースの一部で雨が降り始め,ペースを上げることができない高橋に対して,後ろから猛追してきたYAMAHA FACTORY RACING TEAMのA.ローズがみるみるうちに差を詰めていき,ついに2位に浮上しました。そのような中,残り5分となったところで大きなアクシデントが発生しました。EWCシリーズのチャンピオン争いを展開し,このままの順位でゴールすれば逆転タイトル獲得となるV.フィリップ&E.マッソン&G.ブラック組のSuzuki Endurance Racing Teamのマシンから激しくオイルを拭き上げるエンジンブローが発生してしまったのです。しかも,本来であればすぐにコース外に出るべきなのに,何とかしてピットに戻りたかったのでしょう,しばらく走行を続けてしまいました。しかし,エンジンブローしたマシンが走行できるわけがなく,コース外へとようやく出ました。これにより,今年のシリーズチャンピオンにはJ.ガルノニ&E.ニゴン&D.チェカ組のTEAM SRC KAWASAKI Franceが決定しました。ファイナルラップを迎えたトップ争いにまさかの事態が起きました。先ほど起こったエンジンブローの地点にさしかかったレイが,まさかの転倒を喫してしまったのです。ファイナルラップでの大きなアクシデントに,場内に大きな衝撃が走りました。直ちに赤旗が提示され,8時間が経過したレースは,赤旗のままチェッカーとなりました。表彰台のセレモニーは,暫定という状態で行われ,その段階ではトップでチェッカーを受けたヤマハが優勝となり,5連覇達成ということで表彰式を終えました。この段階では,赤旗後5分以内にピットに戻らなければならないというレギュレーションが採用されたようです。しかし,それは他カテゴリーでのもので,確かにMotoGPにはそれが適応されます。しかし,EWCにはそのようなルールは存在せず,私自身もおかしな裁定が出ているなと思っていました。通常赤旗でレースが終了した(もしくは再開する)場合,赤旗が出た周の1つ前の周の順が適応され,今回の場合,確かにカワサキが赤旗の原因となったものの,1つ前の周ではカワサキがトップだった訳ですから,本来であればカワサキの優勝となるべきです。正式結果が出るまでにかなり時間がかかりましたが,昨日になってようやくその裁定が下り,Kawasaki Racing Team Suzuka 8Hの優勝となりました。カワサキの8耐制覇は,26年ぶり(この時の優勝マシンの伊藤ハムのロゴが懐かしいですね。)となります。3メーカーのワークスバトルがずっと続いたとてもいいレースだっただけに,最後は何ともすっきりしないものとなってしまいました。エンジンブローしたのになぜ走行を続けたのか。特に,夜で路面状況をつかみにくい状態になっているだけになおさらです。気持ちは十分分かりますが,他のライダーの安全(命に関わる問題です)を考えると,この走行継続という判断は絶対にやってはいけないものです。また,すぐには対応できないということは経験上分かるのですが,なぜオフィシャル側が走行をやめさせる旗であるオレンジボールをライダーに提示しなかったのか。何より,1周前の順でというルールが当然採用されるべきなのに,なぜ違うルールを最初に適用させたのか。今回の件は,今後の検討課題としてライダー側にも,オフィシャル側にも取り上げていく必要が十分ありそうです。
2019/07/25(木)
☆タイブランド(F1)
○スクーデリア・トロロッソから発表があり,タイの『ムース』と『PTTルブリカンツ』とパートナーシップを結ぶことになりました。これにより,次戦となる第11戦ドイツGPからA.アルボンとD.クビアトが駆るSTR14と,レーシングスーツに同社のロゴがつけられることになります。今回契約が成立した2つのブランドですが,まず,ムースは,タイの高級アップルサイダーブランドです。次にPTTルブリカンツは,タイの石油企業である"PTT"の子会社"PTTオイル・アンド・リテール・ビジネス"(PTTOR)のブランドで,数々のモータースポーツでこのロゴを目にした方も多いと思います。今回の契約成立は,何といっても今季から同チームのレギュラードライバーを務めているアルボンの存在によるものです。そのアルボンですが,イギリス人(父親)とタイ人(母親)のハーフで,出身はイギリスのロンドンです。ただ,国籍はタイになっていて,これが今回のタイ企業とのスポンサー提携に結びついています。ちなみに,今回の提携で,アルボンは両ブランドのアンバサダーを務めることになりました。
2019/07/24(水)
☆テスト走行(MotoGP)
○1981年から途絶えていたフィンランドGPですが,来シーズンから新たに建設されているキュミリングで開催されることになっています。8月19日(月),20日(火)の2日間にわたってそのキュミリングでテスト走行が行われる予定になっていますが,先日MotoGPを運営しているDORNAから,そのテスト走行に参加する各メーカーのライダーが発表されました。それによると,今回行われるテスト走行には,レギュラーライダーは参加せず,各メーカーのテストライダーが参加することになります。その内訳ですが,ホンダがS.ブラドル,ヤマハがJ.フォルガー,ドゥカティがM.ピロ,スズキがS.ギュントーリ,アプリリアがB.スミス,そしてKTMがM.カリオの6名となっています。さらに,今シーズンから新たなカテゴリーとして始まっている電動バイクによるレースであるMotoEにおいて,その開幕戦となるドイツGPでMotoE最初のウィナーとなったN.トゥーリも参加することになっています。
2019/07/23(火)
☆公開(WEC)
○昨日,TOYOTA GAZOO Racingが,世界耐久選手権(WEC)の2019/2020年シーズンに投入する新型のトヨタTS050ハイブリッドを公開しました。今回新型マシンを公開したトヨタは,今シーズン,昨シーズンと2年連続ル・マン24時間を制し,日本メーカーとしては初の複数回優勝を果たしました。WECは2020/21年から“ハイパーカー規定”が導入されることになっていますので,現行のレギュレーションに則って投入されている今回公開されたトヨタTS050ハイブリッドは2019/20年がWECで戦う最後のシーズンとなります。トヨタの発表によると,目に見える変更は空力に関する部分で,後は信頼性の向上のための細かい部分の変更となっているとのことです。公開された画像を見ると,フロントカウルの部分が大きく変わっていて,ノーズとフロントの左右フェンダーをつなぐ部分が大きくえぐれているような感じです。今回の発表はマシンに関してだけでなく,それを駆るドライバーラインナップについても発表がありました。2台体制で,7号車,8号車になるということは変更がなく,7号車については,ドライバーの変更もありませんでした。その7号車のドライバーですが,小林可夢偉&M.コンウェイ&J.マリア.ロペスのトリオとなります。チャンピオンを獲得した7号車の方は,既に元F1チャンピオンのF.アロンソが抜けることは発表されています。中嶋一貴&S.ブエミは変更がなく,アロンソに替わって元F1におけるトロロッソ・ホンダのドライバーで,2017年にル・マンを制してその年のチャンピオンを獲得したB.ハートレーが加わることになりました。
2019/07/22(月)
☆撤退すれば(F1)
○昨シーズンまでのルノーから今季はホンダ製パワーユニッへと変更になっているレッドブルですが,タイトルスポンサーは昨シーズンまでと同じくアストンマーティンが務めています。同じホンダ製パワーユニットを搭載しているトロロッソは「トロロッソ・ホンダ」とチーム名がなっているのに対し,レッドブルはアストンマーティンの名前を冠しています。ホンダと同じ4輪メーカーだけに,やや違和感があるのも仕方ないところです。ただ,アストンマーティンが販売しているハイパーカーである『ヴァルキリー』の開発を,レッドブル・アドアンスド・テクノロジーと提携していて,ただ単に通常のスポンサーマネーとしての関係だけではありません。そのアストンマーティンのCEOであるA.パーマーが,2021年以降のF1への関わりについて語りました。それによると,2021年からF1のレギュレーションが大きく変更される予定になっていますが,その際,もしホンダがF1から撤退することになれば,同社がホンダに替わってレッドブルにパワーユニットを供給する用意があるというのです。確かに以前からF1への進出が噂されてきているアストンマーティンですが,そのような中でレッドブルはホンダとの提携を選択しました。また,ホンダが新たなレギュレーションが適応されるときにF1から撤退する可能性は現段階ではかなり低いと考えられます。ということで,今回の発表はよく分からない感じもあるのですが,アストンマーティンは2020年からFIA 世界耐久選手権(WEC)の新しいトップクラスとなるハイパーカークラスに参戦する予定になっていて,ヴァルキリーのレースバージョンを投入することになるようです。このプロジェクトにレッドブルが関わっていくことになりそうで,今回の発表は,こうした動きと関係があるのかもしれませんね。
2019/07/21(日)
☆契約延長(F1)
○7月19日(金)にF1とオーストラリアGPコーポレーションから発表があり,既に2023年までの開催が決まっているオーストラリアGPの契約を,さらに2年間延長して2025年までメルボルンで開催されることになりました。1985年から始まったオーストラリアGPですが,一部の年を除いてずっと開幕戦として開催されてきました。そのオーストラリアGPの開催地は,当初こそアデレードで行われてきましたが,1996年以降は現行のメルボルンにあるアルバート・パーク・サーキットで行われてきています。その開催地についてですが,シドニーやかつて開催されていたアデレードに替わるのではないかという噂も近年出てきています。しかし,今回の契約延長により,少なくとも2025年まではメルボルンで開催されることが決定となりました。
2019/07/20(土)
☆ほぼ確定(MotoGP)
○現在サマーブレイク中のMotoGPですが,先日来シーズンからKTMのワークスライダーとしてB.ビンダーが最高峰クラスに昇格することが発表されました。恐らく夏休み中の現在でも,来季以降に向けたシート獲得の動きがどこかで進行しているのかもしれません。ただ,多くのライダーが2020年までの契約を既に結んでいますので,来季への動きは昨シーズンに比べると少ないことは間違いありません。ここで現段階における来シーズンのシート獲得状況をまとめておきたいと思います。なお,今シーズン末で契約が切れるライダーの中で,中上とミラーは,今シーズンのここまで成績を考えると残留するのはほぼ間違いないのではないかと思われます。もしそうだとすると,残りは現在ラバトが座っているアビンティア・レーシングのシート1つということになります。
2020年MotoGPクラスシート獲得状況
チーム ライダー 契約期間
レプソル・ホンダ M.マルケス 2020年終了まで
J.ロレンソ
モンスター・エナジー・ヤマハ V.ロッシ
M.ビニャーレス
ドゥカティ・チーム A.ドビツィオーゾ
D.ペトルッチ
チーム・スズキ A.リンス
J.ミル
レッドブルKTM J.ザルコ
P.エスパルガロ
アプリリア・グレシーニ A.エスパルガロ
A.イアンノーネ
テック3KTM M.オリベイラ
B.ビンダー
LCRホンダ C.クラッチロー
中上 貴晶 2019年終了まで
プラマック・ドゥカティ F.バグナイア 2020年終了まで
J.ミラー 2019年終了まで
アビンティア・レーシング K.アブラハム 2020年終了まで
T.ラバト 2019年終了まで
ペトロナス・ヤマハ F.モルビデリ 2020年終了まで
F.クアルタラロ
2019/07/19(金)
☆東京2020のため(EWC)
○鈴鹿8耐を最終戦とする世界耐久選手権(EWC)について,FIMとユーロスポーツから発表がありました。今月末に行われる鈴鹿8耐で今季のシリーズを終えるEWCですが,9月からは2019/20年シーズンが始まります。今回は,その新しいシーズンのレースカレンダーが発表されたのです。それによると,開幕戦は9月21〜22日にかけて決勝レースが行われるボルドール24時間となり,最終戦の第5戦は来年7月に行われる鈴鹿8耐となる点については変わりがありません。ただ,今シーズンは開催されたスロバキア8時間に替わって新たにセパン8時間がシリーズに組み込まれ,第2戦として12月に開催されることになりました。そして,もう1つ大きな変更があり,それは鈴鹿8耐の開催日です。これまでの鈴鹿8耐は,ずっと7月の最終週末に行われてきました。しかし,来年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されることから1週間前倒しとなり,7月19日に決勝レースが行われることとなりました。ただ,これは来年限りの暫定的なもので,再来年からは再び7月末の開催となる模様です。他のレースの開催ですが,第3戦のル・マン24時間が4月18・19日に,鈴鹿8耐の1つ前のレースとなる第4戦オーシャスレーベン8時間が6月6日に決勝レースが行われる予定です。なお,今回発表されたレースカレンダーは暫定版で,今後変更となる可能性もあります。
2019/07/18(木)
☆育成(WEC)
○昨日TOYOTA GAZOO Racingから発表があり,トヨタの育成プログラムである「トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム」の一環として『TGR WECチャンジドライバー』を新設することになりました。トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラムとしては,トヨタがフル参戦しているWRCに勝田貴元を送り込んでごく近い将来(来年からWRCの日本ラウンドが開催される可能性大になっています。)のフル参戦日本人ラリードライバーを誕生させようとしています。今回の発表は,WRCに加え,こちらもトヨタがフル参戦しているWECにトヨタの若手ドライバーを投入しようという目標を持っています。WECにおけるトヨタの日本人ドライバーといえば,今シーズン日本人としては初の大きな国際タイトルを獲得した中嶋一貴をはじめ,こちらも大活躍している小林可夢偉の二人がいます。今回の発表によると,その二人に加え,新たに現在SGTのGT500クラスとSFにフル参戦している山下健太を,WECのLMP2クラスに9月から新たなシーズンとして始まる2019/2020シーズンからフル参戦させることになりました。彼が所属するのは,チームとしても新たにWECへフル参戦を開始する『ハイクラス・レーシング』です。同チームは,『ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズ』で活躍してきていて,ヨーロッパの選手権から世界戦であるWECに新シーズンからステップアップを果たすデンマーク国籍のチームです。ドライバーとしては,既にチーム創設者の息子であるA.フィヨルドバッハと,南アフリカ人ドライバーであるM.パターソンを起用することは発表されていました。そして,この度3人目のドライバーとして山下が起用されることになったわけです。彼が駆ることになるマシンですが,2019/2020シーズンに関してはトヨタ製のマシンはありませんから,こちらも既に発表があったようにオレカ07・ギブソンとなります。なお,9月以降から新たにWECの活動が始まる山下ですが,中嶋と可夢偉がそうであるように,SGTとSFへの参戦も継続することになります。
2019/07/17(水)
☆世界記録(F1)
○週末に行われた第10戦イギリスGPの決勝レースは,いつものようにメルセデスAMG勢のワンツーで終了しました。この大会で目を引いたのは,何といってもレッドブルのP.ガスリーの活躍でしょう。チームメイトであるM.フェルスタッペンが,1勝を含んで常に表彰台争いに絡んでいるのに対し,ガスリーはポイント獲得がようやくという状況にあります。そうしたことから,シーズン途中での放出があるのではないかという噂まで浮上している状態です。そうした中,レースウィークでは常にフェルスタッペンを上回る結果を残し,決勝レースでも,フェルスタッペンがフェラーリのS.ベッテルに追突されるというアクシデントに見舞われたこともありますが,彼を1つ上回る自身最高位タイとなる4位でのチェッカーとなっています。こうした結果に貢献した1つの出来事があります。それがタイヤ交換作業におけるピットクルーの活躍です。それは,タイヤ交換の速さです。これまでのF1におけるタイヤ交換の最速タイムは,ウィリアムズのピットクルーがマークした1.92秒でした。今回レッドブルのクルーがマークしたタイムは1.91秒で,わずか0.01秒ではあるものの世界最速タイム更新となりました。
2019/07/16(火)
☆2勝&初優勝(SBK)
○先週末にSBKの第9戦アメリカ大会が,コークスクリューで有名なウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカで行われました。土曜に行われたレース1は,前戦でランクトップに立ったカワサキ・レーシングチーム・ワールドSBKのJ.レイが独走で優勝を飾りました。それに対して,ランク2位に落ちていたAruba.it レーシング-ドゥカティのA.バウティスタは転倒を喫してノーポントに終わりました。2位,3位には,それぞれAruba.it レーシング-ドゥカティのC.デイビス,3位にはカワサキのワークスチームからレイと組んで8耐に出場することになっているターキッシュ・プセッティレーシングT.ラズガットリオグルが入りました。
日曜日にまず行われたスーパーポール・レースは,レイがここでも優勝して連勝を飾りました。それに対してバウティスタは,ラズガットリオグルと接触して転倒を喫し,ここでもリタイアに終わっています。この時のバウティスタは,ノーポイントに終わっただけでなく,骨折はなかったものの,左肩を痛めるというまさに「弱り目に祟り目」状態になってしまいました。2,3位には,それぞれデイビス,BMWモトラッド・ワールドSBKチームのT.サイクスが入っています。
レース2は,左肩をレース1で痛めたバウティスタが途中で走行をとりやめるという事態となりました。それに対して,そのチームメイトであるデイビスが好調な走りを展開し,今季自身初優勝を飾りました。ランキング争いでバウティスタと争っているレイは,無理してデイビスを追うことなく2位でチェッカーを受け,2人のポイント差は81へと広がりました。3位には,ラズガットリオグルが入っています。唯一のフル参戦日本人ライダーであるモリワキ・アルティア・ホンダ・チームの清成龍一は,レース1が16位,スーパーポールが15位とノーポイントに終わり,レース2で15位に入って貴重な1ポイントを獲得しています。
この大会で前半戦は終了し,1ヶ月半のサマーブレイクに入ります。とはいえ,有力ライダーの一部は鈴鹿8耐に出場しますから,十分な休憩が取れるわけではありません。
2019/07/15(月)
☆バトル(F1)
○第10戦イギリスGPの決勝レースが,時折小雨がパラつくある意味イギリスらしい天候となったシルバーストーン・サーキットで行われました。今回の決勝レースは,表彰台を目指して激しいバトルが展開していきました。トップ争いは,今回もフロントローを独占していたメルセデスAMG勢によって争われました。ファステストラップをマークし合いながら展開していったL.ハミルトンとV.ボッタスのバトルは,時折順位を入れ替えながらのバトルとなりました。しかし,タイヤ交換の作戦がチームメイト同士で違いが出て,ハミルトンが1ストップ,ボッタスが2ストップとなりました。こうしたこともあって2人のバトルはハミルトンが優位となり,最終的に25秒弱の大差をつけてハミルトンがトップでチェッカーを受けて母国GPを制しました。3位争いをフェラーリとレッドブルの4台が展開していき,レース途中ではS.ベッテルがM.フェルスタッペンに追突するというアクシデントに発展しました。この衝突により,両者は順位を下げることになり,ベッテルには10秒加算のペナルティが科されました。3位争いはフェラーリのC.ルクレールとレッドブルのP.ガスリーとの間で展開されることとなり,最終的にルクレールが3位表彰台を獲得しています。レッドブル勢は,ガスリーが今季自己最高位となる4位,ペース的には表彰台獲得も十分可能だったフェルスタッペンは5位となりました。レッドブルと同じホンダ製パワーユニットを使用しているトロロッソ・ホンダ勢も好調で,D.クビアトとA.アルボンの両者ともポイント圏内での走行を展開していきました。クビアトは順調な走行を最後まで続け,9位でのチェッカーとなりました。それに対してアルボンは,PUの高圧電力系に問題が発生したため,安全面を考慮して2度目のピットストップを見送らざるを得ない状況となってしまいました。予定外の走行を強いられることになったアルボンは,グリップがなくなったタイヤを履いていたため,最終ラップで次々に抜かれてしまって惜しくも12位でのチェッカーとなりました。ホンダ製パワーユニット勢全てがポイント獲得可能だっただけに,何とも惜しい結果でした。

☆9年ぶり(SF)
○第4戦の決勝レースが,雨に見舞われた富士スピードウェイで行われました。雨脚が強まった中で始まった決勝レースは,セーフティカー先導で始まりました。ポールからスタートしたのは,今シーズンからSFに参戦を開始したルーキードライバーであるTCS NAKAJIMA RACINGのA.パロウで,SCラン終了後にリスタートを切るとトップの座を守ったまま走行を続けていきました。途中雨脚が強まったりしたものの,2位以下との差を広げて行き,独走状態に持ち込みました。結局パロウは最後までトップの座を譲ることなく走り通し,2位に13秒以上の差をつける独走で見事ポールトゥーフィニッシュを達成しました。彼自身にとっては,もちろんこれが初優勝となります。また彼が所属しているNAKAJIMA RACINGにとっては,フォーミュラ・ニッポンと言われていた2010年の開幕戦において,木暮卓史が優勝して以来9年ぶりの勝利となります。オーナー兼監督を務める中嶋悟は,現役時代ウェットコンディションを得意としていましたが,そのウェットコンディションでの優勝ですから,何か因縁のようなものを感じさせる勝利ですね。終盤に入って激しさを増していったJMS P.MU/CERUMO・INGINGの坪井翔とVANTELIN TEAM TOM’SのN.キャシディとの間で争われた2位争いは,自身初の表彰台となる坪井がこれを制しています。この大会前までランクトップを行っていたDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの山本尚貴は,11位でのチェッカーとなってノーポイントに終わり,それに対してランク2位のキャシディが3位に入ったため,順位こそ変わりませんでしたが,2人の差は5ポイントに縮まっています。
2019/07/14(日)
☆僅差(F1)
○第10戦イギリスGPの予選が,曇り空ながらドライコンディションとなったシルバーストーン・サーキットで行われました。前日はいつものようにメルセデスAMG勢のワンツーで終わっていますが,Q3もそのような展開となりました。まずトップタイムを刻んだのは前日もトップタイムだったV.ボッタスでした。そのタイムをターゲットにラストアタックが展開され,チームメイトのハミルトンがアタックをしましたが,わずか1000分の6秒及ばすに2番グリッドとなり,予選も前日と同じ順でメルセデスAMG勢のワンツーとなりました。3番手タイムをフェラーリのC.ルクレールがマークしましたが,トップから1000分の79秒差とこちらも僅差でした。初日はチームメイトの後塵を拝してしまったレッドブルのM.フェルスタッペンでしたが,予選では再び速さを取り戻し,ルクレールには先行されたものの,4番手タイムで予選を終えています。初日はフェルスタッペンを上回ったP.ガスリーは,今季予選自己最高位となる5番手タイムをマークし,レッドブル勢が好位置につけました。トロロッソ・ホンダ勢は明暗が分かれ,A.アルボンはQ3に進出して9番グリッドを獲得しましたが,D.クビアトはQ1で敗退して17番グリッドにとどまっています。

☆初ポール(SF)
○第4戦の予選が,午前中はドライコンディションだったものの,予選が始まる午後には雨が降り始めてウェットコンディションとなった富士スピードウェイで行われました。タイムアタックが始まってトップタイムをマークしたのは,今シーズンからSFに参戦しているTCS NAKAJIMA RACINGのA.パロウでした。小雨が降る中このタイムをターゲットにその後のタイムアタックが展開されていきましたが,誰も上回ることが出来ず,ルーキーのパロウが,参戦4戦目にして初のポールシッターとなりました。パロウから1000分の95秒遅れをとって,JMS P.MU/CERUMO・INGINGの坪井翔が2番グリッド獲得となりました。3番手タイムは,ITOCHU ENEX TEAM IMPULの関口雄飛がマークしています。この大会からSFに参戦することになったTEAM MUGENのP.オワードは,予選開始早々にスピンを喫してエンジンがストップしてしまったため,自身最初の予選はノータイムに終わっています。
2019/07/13(土)
☆トップ3(F1)
○第10戦イギリスGPがシルバーストーン・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。フリー走行1でレッドブルのP.ガスリーがトップタイムを刻んで始まったこの日の走行ですが,初日総合トップタイムをマークしたのは,チームメイトでランクトップを行くL.ハミルトンを押さえてメルセデスAMGのV.ボッタスでした。2人の差は,わずか1000分の69秒でした。メルセデスAMG勢のワンツーに次いで3,4番手タイムをマークしたのは,こちらもいつものようにフェラーリ勢で,3番手がC.ルクレール,4番手がS.ベッテルでした。5番手タイムに食い込んだのは,FP1でトップタイムだったガスリーでした。6番手タイムにチームメイトのM.フェルスタッペンが食い込むと良かったのですが,そのフェルスタッペンは7番手タイムとなり,そのフェルスタッペンを押さえて6番手タイムをマークしたのは,来季も同じチーム体制になることが決定しているマクラーレン勢のL.ノリスでした。惜しくも5,6番手に並ぶことは出来ませんでしたが,チームで見るとトップ3にレッドブルが食い込んでいることには変わりありません。トロロッソ・ホンダ勢は,A.アルボンが9番手とトップ10フィニッシュを果たし,D.クビアトは11番手でした。
2019/07/12(金)
☆契約延長(F1)
○今日から第10戦イギリスGPが始まりますが,それを控えた7月9日(火)に発表があり,シルバーストーン・サーキットでの開催の契約を2024年までの5年間延長することになりました。同地での開催は,1950年に第1回の大会が行われて「F1発祥の地」と言われています。ところが,開催権料の高騰により,今シーズンをもって開催を返上する動きが見られたこともあって,発祥の地での開催が危ぶまれていました。しかし,やはり同地での開催はF1にとって必要だということでF1側とサーキット側に歩み寄りが見られるようになり,今回の契約延長に繋がっています。ただ,イギリスでの開催として,ロンドンに市街地コースを設定し,そこで開催するという構想があり,その構想は今も続いています。今回の契約には,例えロンドンでの開催があっても,シルバーストーン・サーキットでの開催も継続するという内容が含まれているようで,F1にとって母国といえるイギリスで2回開催されることになる可能性があります。
なお,今日から始まるイギリスGPに関して発表があり,昨シーズンは3カ所のDRSゾーンがありましたが,今シーズンは2カ所に設定を変更することになりました。これまでは2カ所のDRSゾーンで行われてきたイギリスGPですが,昨年は追い抜きを増やす目的で3カ所に増やして開催しました。ところが,その追加したゾーンによりクラッシュが続発してしまったのです。このため,今年は一昨年までの2カ所に戻すことになりました。
2019/07/11(木)
☆昇格(MotoGP)
○KTMモータースポーツから発表があり,今季レッドブルKTMアジョに所属してMoto2クラスにフル参戦しているB.ビンダーが,来季からMotoGPクラスに昇格することになりました。彼が所属することになるのは,今シーズンからKTMのサテライトチームになっているレッドブルKTMテック3です。テック3については,今季同チームに所属してMotoGPクラスにフル参戦しているマレーシア人ライダーのH.シャリーンが,来季は再びMoto2クラスに戻ることが発表されていました。彼がMoto2クラスに戻るのは,ビンダーが昇格するためではないかという噂は出ていましたが,今回の発表により,それが単なる噂ではなかったことになります。今回昇格することになったビンダーは,23歳の南アフリカ人ライダーで,レッドブルKTMアジョに所属してMoto3クラスにフル参戦していた2016年に,同クラスで見事チャンピオンを獲得し,南アフリカ人ライダーとしては36年ぶりとなる快挙を成し遂げています。翌年からMoto2クラスに昇格し,2年目となる現在は84ポイントを獲得してランク8位につけています。前半戦最後となるドイツGPでは,2位表彰台を獲得しています。来季のテック3については,今シーズン同チームからフル参戦しているM.オリベイラは,2020年までの契約がありますので,来季はオリベイラ&ビンダーの体制となることが決定しました。今季MotoGPクラスにフル参戦している多くのライダーが,2020年までの契約がありますので,残りのシートがかなり少なくなっています。来季からの昇格を目指すライダーにとっては,さらに狭き門になっているといえますね。
2019/07/10(水)
☆続投(F1)
○今週末はシルバーストーン・サーキットで第10戦イギリスGPが開催されますが,そのイギリスに本拠を置くチームの1つであるマクラーレンから発表があり,来季もC.サインツ&L.ノリスの体制を維持することになりました。ここ数年のマクラーレンは成績不振が続いていて,スポンサーが次々と撤退するという状況にありました。ところが,今シーズンからサインツ&ノリスの体制になってマシン開発が順調に進んだこともあってか,ダブルでポイント獲得があったりして現在コンストラクターズタイトルでワークスであるルノーを押さえて4位に立っています。こうした状況ですから,続投となっても何ら不思議はありません。続投となったノリスは,マクラーレンのジュニアドライバーとしてキャリアを積んでいき,2017年には開発ドライバーとしてマクラーレンに加わり,今季からレギュラードライバーに昇格しました。もう一人のサインツは,複数年契約を結んで今季ルノーから移籍していました。続投となるマクラーレンですが,ドライバー体制としては十分期待できそうです。気になるのはマシン開発の方で,来季も今季の好調さを維持できるのかこの点が注目となります。
2019/07/09(火)
☆ランクトップ(SBK)
○第8戦イギリス大会が,ドニントンパーク・サーキットで行われました。今シーズンのSBKは,MotoGPクラスからSBKへ移籍したAruba.it レーシング-ドゥカティのA.バウティスタが連戦連勝を飾り,それに対してカワサキ・レーシングチーム・ワールドSBKのJ.レイが,2位につけて何とか食い下がるという展開になっていました。しかし,その流れに変化が出てきて,レイが本調子を取り戻して優勝を飾っていき,バウティスタとのポイント差を徐々に縮めるという展開へとなってきました。そのような状況の中で行われたレイにとっての母国大会ですが,ここで5年連続チャンピオンを狙うレイがいい流れをそのままに,何と土曜日に行われたレース1,日曜日に行われたスーパーポール・レース,そしてレース2と3レース全て制しました。それに対するバウティスタは,レース1がリタイアに終わり,ここでランキング争いでレイが逆転でトップに立ちました。スーパーポール・レースが4位,レース2が3位となり,ランクトップに立ったレイとの差が24に広がりました。唯一のフル参戦日本人ライダーであるモリワキ-アルティア・ホンダ・チームの清成龍一は,レース1で11位に入ってポイントを獲得しました。しかし,スーパーポール・レースでは,前を走行していたBMWモトラッド・ワールドSBKチームのP.ヒックマンがマシントラブルで撒いたオイルに乗ってしまって多重クラッシュが発生し,その中の1台が清成でした。これによりリタイアに終わり,さらにこの転倒の際に右手を強打して思うような走りが出来ないようになり,レース2は16位とノーポイントに終わっています。
2019/07/08(月)
☆兄弟共に(MotoGP)
○サマーブレイク前最後のレースとなる第9戦ドイツGPの決勝レースが,レースウィークを通してドライコンディションとなったザクセンリンクで行われました。MotoGPクラスは,このサーキットを得意とするレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが,ポールからスタートしてホールショットを奪うと,徐々に後続との差を広げて行って独走態勢に持ち込み,最後は2位に4秒以上の差をつけてトップでチェッカーを受けました。この勝利により,MotoGPクラスに昇格以来7年連続してこのサーキットでポールトゥウィンを達成したばかりでなく,その前から通算すると10年連続してのポールトゥウィンとなりました。前戦の勝者であるモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスと,トレーニング中に左膝を負傷して体調が万全でないlcrホンダ・カストロールのC.クラッチローとの2位争いが展開されていきましたが,最終的にはビニャーレス,クラッチローの順で単独走行となり,そのままチェッカーとなりました。3位に入ったクラッチローにとっては,開幕戦以来の表彰台獲得となります。クラッチローのチームメイトで,こちらは前戦の決勝レースで転倒に巻き込まれて左足首を負傷しているLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,痛み止めの注射を2本して決勝レースに臨み,14位でチェッカーを受けてポイントを獲得しています。
Moto2クラスは,自身今季初のポールからスタートしたエストレージャ・ガルシア0,0マークVDSのA.マルケスが,レース中盤にトップに立つと,少しずつ後続との差を広げて行って今季4度目となる勝利を,ポールトゥーフィニッシュで達成しました。MotoGP,Moto2とマルケス兄弟が共にポールトゥーフィニッシュを達成し,兄弟にとって良いサマーブレイクとなるでしょうね。2位には,来季最高峰クラス昇格が噂されるレッドブルKTMアジョのB.ビンダーが入り,3位にはダイナボルト・インタクトGPのM.シュロッターが入っています。ONEXOX TKKR SAGチームの12位でチェッカーを受け,今回もポイントを獲得しています。
Moto3クラスは,1,2番グリッドを日本人ライダー勢が独占して期待されましたが,残念ながら誰も表彰台を獲得することが出来ませんでした。レースは,このクラスらしく激しいトップ争いが展開され,ファイナルラップでトップに立ったレオパード・レーシングのL.ダッラ・ポルタがそのまま逃げ切り,昨年の第9戦以来,今季初優勝を達成しています。2位にM.ラミレスが入り,レオパード・レーシングのワンツーフィニッシュとなりました。3位には,M.ビアッジがオーナーを務めるステリルガルダ・マックス・レーシング・チームのA.カネトが入っています。日本人ライダー勢は,ホンダ・チーム・アジアの小椋藍が7位,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が8位,ポールからスタートしたペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢が9位と列を作ったかのような順でチェッカーを受け,2番グリッドからスタートしたホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は,トップグループに食い込んでいたものの,16周目に転倒してリタイアに終わっています。
なお,今大会から電動バイクによるレースであるMotoEクラスが始まりましたが,その初めてのウィナーとなったのは,アジョMotoEのN.トゥーリでした。2位には,ワン・エナジーレーシングのB.スミス,3位にはエストレージャ・ガルシア0,0マークVDSのM.ディ.メッリオの元GPライダー勢が入っています。
2019/07/07(日)
☆7年連続&16年ぶり(MotoGP)
○第9戦ドイツGPの予選が,ドライコンディションとなったザクセンリンクで行われました。MotoGPクラスは,この大会で6年連続してポールを獲得しているレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが,ラストアタックで最速タイムを更新し,他のライダーも後からアタックしたものの,誰もマルケスのタイムを更新することが出来ず,今季5回目,この大会7年連続となるポールを獲得しました。前戦で今季2回目となるポールを獲得したペトロナス・ヤマハSRTのF.クアルタラロが2番手タイムをマークし,ポールは逃したものの,4戦連続してフロントローからのスタートとなりました。前戦の勝者であるモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスは,クアルタラロからわずか1000分の6秒遅れで3番グリッド獲得となりました。前戦V..ロッシの転倒に巻き込まれて左足首を痛めているLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,Q1からの予選を強いられてしまいました。しかし,そのQ1で最後に2番手タイムを刻み,マシンから降りると杖をつかないと歩けない状況にもかかわらずQ2進出を果たしました。そのQ2でも,ギアチェンジがままならない状況の中で見事10番手タイムをマークしています。
Moto2クラスは,僅差の予選が展開されていきました。そのような中,前戦で4連勝を目指したものの,強引にインに飛び込んだマシンからぶつかる形となってリタイアに終わったエストレージャ・ガルシア0,0マークVDSのA.マルケスが,その僅差のタイムアタック合戦を制してポールを獲得しました。そのマルケスから1000分の79秒遅れで2番グリッドを獲得したのが,ロッシの異父兄弟であるスカイ・レーシング・チームVR46のL.マリーニで,奇しくもマルケスとロッシの弟によるワンツーとなっています。ダイナボルト・インタクトGPのM.シュロッターが,マリーニからわずか1000分の3秒遅れで3番グリッド獲得でした。前戦で自己最高位を獲得しているONEOXO TKKR SAGチームの長島哲太は,Q2進出は果たしたものの,その中では最下位となる18番グリッド獲得にとどまっています。
Moto3クラスは,初日から好調な走りを見せていた日本人ライダー勢がこの日のその勢いを持続しました。初日総合トップタイムをマークしたペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢は,ラストアタックでトップタイムをマークすると,その後誰も彼のタイムを更新することが出来ず,参戦45戦目で自身初となるポールを獲得しました。小排気量クラスで日本人がポールを獲得したのは,2003年に行われた第2戦南アフリカGPで宇井陽一が獲得して以来16年ぶりとなります。その佐々木からわずか1000分の57秒差で,開幕戦のウィナーであるホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡が2番グリッド獲得となりました。3番グリッドを獲得したのは,レオパード・レーシングのM.ラミレスでした。他の日本人ライダー勢もQ2に進出を果たしていて,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が14番手,ホンダ・チーム・アジアの小椋藍が16番手で予選を終えています。唯一Q2進出果たせなかったボエ・スカル・ライダー・ムゲン・レーシングの真崎一輝は,ブービーとなる23番グリッドから決勝レースを迎えます。
2019/07/06(土)
☆今季2度目(MotoGP)
○2週連続開催となるMotoGPですが,今週はザクセンリンクで行われる第9戦ドイツGPとなります。初日は2回のフリー走行が行われ,MotoGPクラスは,ここまでランクトップを行くレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが,フリー走行2で唯一1分20秒台のタイムを刻んでトップタイムをマークし,開幕戦以来今季2度目となる初日総合トップに立っています。総合2,3番手タイムはとても僅差となり,その2番手はチーム・スズキ・エクスターのa.リンス,3番手が前戦のポールシッターであるペトロナス・ヤマハSRTのF.クアルタラロで,2人の差はわずか1000分の19秒差でした。前戦でモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのV.ロッシの転倒の巻き込まれてリタイアしたLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,骨折はしていないものの,左足が思うように動かせない状況になっていて,初日は総合15番手で終了しています。
Moto2クラスは,フリー走行1,2共に僅差の走りとなり,どちらもトップから23番手までが1秒以内の差となりました。そのような状況で初日総合トップタイムをマークしたのはレッドブルKTMアジョのB.ビンダーで,今季3度目の初日総合トップとなります。総合2番手タイムは,1回目の走行で18番手タイムだったエストレージャ・ガルシア0,0マークVDSのX.ビエルゲでした。総合3番手タイムだったのが,フリー走行1でも3番手タイムだったアメリカン・レーシングKTMのI.レクオナでした。前戦で自己最高位となる5位でチェッカーを受けているONEXOX TKKR SAGチームの長島哲太は,その好調さを維持するかのように,初日は7番手タイムで終えています。
Moto3クラスは,日本人ライダー勢が好調な走りを見せ,今季ここまで期待されていたほどのリザルトが残せていないペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢が,自身初となる初日総合トップタイムをマークしました。総合2番手タイムをレドックス・プルエステルGPのJ.コーンフィールがマークし,それに続いて総合3番手タイムだったのが,前戦でトップ争いに加わっていたものの,多重クラッシュに巻き込まれてリタイアに終わっているホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡でした。他の日本人ライダー勢は,ボエ・スカル・ライダー・ムゲン・レーシングの真崎一輝が8番手,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が11番手,ホンダ・チーム・アジアの小椋藍が21番手で初日を終えています。
2019/07/05(金)
☆契約更新(MotoGP)
○ドゥカティ・コルセから発表があり,今シーズンからドゥカティのワークスチームであるドゥカティ・チームに所属しているD.ペトルッチと,来シーズンの契約が成立しました。それ以前のドゥカティと彼との契約は,今シーズン末までの1年間となっていました。来季のドゥカティ・チームのライダーについては,ペトルッチが1年契約だったため,いくつかの噂が出ていました。その1つ目が,今シーズンもドゥカティのサテライトチームであるプラマック・レーシングからフル参戦しているJ.ミラーについてです。彼の契約も今シーズンまでとなっていて,しかも彼が駆っているマシンは,ワークスと同じく今季型のデスモセディチです。ミラーとペトルッチのリザルト次第では,2人の立場が入れ替わっても何ら不思議はありません。というのも,今季からワークスチームに所属しているペトルッチですが,2015年から昨シーズンまでは,4年間にわたってプラマックに所属して最高峰クラスにフル参戦していたのです。慣れ親しんだチームですから,すんなりとチームに復帰できるはずなのです。実際,ミラー自身もワークスチームへの移籍を言葉の端に希望を込めてコメントしていました。2つ目は,昨シーズン限りでMotoGPを去り,今シーズンからSBKにおけるドゥカティのワークスライダーとしてフル参戦しているA.バウティスタの復帰です。今シーズンからSBKに投入しているドゥカティのブランニューマシンであるパニガーレV4Rを駆って連戦連勝を飾っているバウティスタですが,そうした彼の活躍は,実は成績次第ではMotoGPに復帰できるというものがあるからではないかというような噂もありました。しかし,今回の契約延長決定により,そうした噂は全部払拭されたことになります。今シーズンのペトルッチは,第6戦イタリアGPにおいて,チームメイトであるA.ドビツィオーゾとランクトップを行くレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスとのバトルを制し,見事イタリア人ライダーがイタリアンメーカーのマシンを駆ってイタリアで優勝するという見事の結果を残しました。そうした活躍もあって,ランキング争いで現在3位に立っていて,契約延長が決定しても何ら不思議はない状況です。来季のワークスチームについては,ほとんどのライダーが来季までの契約があり,唯一ペトルッチが今シーズンまでの1年間となっていました。ということで,今回の契約成立により,来季のワークスライダーは全メーカー決定したことになります。
2019/07/04(木)
☆母国GPに(MotoGP)
○明日からザクセンリンクに置いて,第9戦ドイツGPが開幕しますが,その点に関して7月2日(火)にレプソル・ホンダから発表があり,この大会を怪我で欠場するJ.ロレンソの代役として,HRCでテストライダーを務めているドイツ人ライダーのS.ブラドルを起用することになりました。今回欠場することになったロレンソは,先週末に行われた第8戦オランダGPのフリー走行1において第7コーナーでフロントから激しく転倒を喫し,アッセン市内の病院で検査を受けた結果,第6及び第8胸椎の骨折が判明しました。2週連続開催となるMotoGPですので,ロレンソは今回の転倒によりオランダとドイツ共に欠場せざるを得なくなってしまいました。今回母国GPに代役参戦することになったブラドルは,今季第4戦スペインGPにワイルドカードで参戦し,この時は14番グリッドから決勝レースをスタートし,最終的に10位でチェッカーを受けて見事トップ10フィニッシュを果たしています。なお,今回欠場するロレンソですが,サマーブレイク明けの8月4日にブルノ・サーキットで決勝レースを迎える第10戦チェコGPから復帰する予定になっています。
2019/07/03(水)
☆体制決定(EWC)
○2018-2019EWCシリーズの最終戦となる真夏の祭典「 “コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース」が,今月の最終週末に行われる予定になっています。その大会におけるホンダ系の有力2チーム体制について,4月1日(月)に発表がありました。1つ目のチームはKYB MORIWAKI RACINGで,既に高橋裕紀&小山知良の元GPライダーコンビは発表されていました。その二人に加え,今回新たに発表されたのが,現在オーストラリア・スーパーバイク選手権に参戦しているT.ハーフォスです。2つ目のチームは,既に水野涼&X.フォレスの二人は発表されていたMuSASHi RT HARC-PRO. Hondaで,今回発表されたのは,現在MotoGPのMoto2クラスにフル参戦しているD.エガーターです。彼については,ここまで色々なチームから8耐に参戦した経歴を持っていますので,私たち日本人レースファンにとってはお馴染みのライダーではないでしょうか。今シーズンはフォワード・レーシングからMVアグスタを駆ってフル参戦していますが,週末に行われた第8戦オランダGPでは今季自己最高位となる9位でチェッカーを受けています。ただ,思うようなリザルトを残せていないのも事実で,第8戦終了時でランク19位とここまではやや低迷している感があります。8耐で調子を取り戻し,中盤戦からの巻き返しを図りたいところではないでしょうか。
2019/07/02(火)
☆交替(SF)
○レッドブルでモータースポーツコンサルタントを務めているH.マルコが先月27日(木)に明らかにしたところによると,TEAM MUGENに所属してSFにフル参戦しているD.トゥクティムが,第3戦を持ってSFへの参戦をとりやめると共に,レッドブルの育成システムそのものからも外れることになりました。それに呼応するかのように,28日(金)にレッドブル・ジュニアチームの公式サイトで今季インディカー・シリーズに参戦している20歳のメキシコ人ドライバーであるP.オワードがティクトゥムに替わってSFに参戦することが発表され,オワード自身がその翌日に自身のツイッターで参戦を発表しました。シーズン途中で実質的に解雇となったトゥクティムは,鈴鹿で行われた開幕戦こそ8位でチェッカーを受けて何とか1ポイントを獲得したものの,オートポリスでの第2戦はスピンしてリタイア,第3戦もノーポイントに終わっています。スポーツランドSUGOで行われた第3戦では,トゥクティムと同じくレッドブルの育成プログラムに入っていて,今シーズンはB-Max Racing with motoparkに所属してSFにフル参戦しているL.アウアーが3位表彰台を獲得したのとは好対照となっています。こうしたパフォーマンス不足が今回のプログラムから外れることに繋がったようです。そのトゥクティムに替わって参戦することになったオワードですが,昨シーズンはインディライツにフル参戦し,優勝回数が9回,そしてシリーズ史上最多となる9回のポールポジションを獲得し,見事チャンピオンを獲得しました。そして,昨年の最終戦では,タイトルを引っさげてインディカー・シリーズにスポット参戦し,予選5番手,決勝9番手というリザルトを残しました。今シーズンは同シリーズに昇格し,カーリンからスポット参戦という形で全部で13戦に出場する契約を締結。現在のところ,決勝レースでは11位が最高位となっています。
2019/07/01(月)
☆13年ぶり(F1)
○第9戦オーストリアGPの決勝レースが,路面温度が50度を超える厳しい状況となったレッドブル・リンクで行われました。2番グリッドからスタートしたレッドブルのM.フェルスタッペンでしたが,スタートで出遅れてしまい,7番手まで大きく順位を落としてしまいました。ところが,そこから彼の怒濤の追い上げが開始されました。ペースに勝るフェルスタッペンは,次々に前を行くマシンをオーバーテイクしていき,今シーズンここまで全ての勝利を収めているメルセデスのマシンさえも追い抜いていき,ついに首位を走るフェラーリのC.ルクレールに追いつきました。そして,69周目にルクレールと接触しながらもルクレールをオーバーテイクし,ついにオランダから駆けつけたたくさんのオランダ人ファンの声援を受けたフェルスタッペンがトップに立ちました。トップに立ったフェルスタッペンはさらにルクレールとの差を広げて行き,最終的に2秒以上の差をつけてトップでチェッカーを受けました。レッドブルのお膝元でのこの勝利は,フェルスタッペンにとっては今季初優勝,そして,ホンダにとっては,もちろんF1復帰以来の初優勝であり,2006年のハンガリーGPでJ.バトンが優勝して以来13年ぶりの勝利となりました。なお,両者の接触は審議の対象となりましたが,レーシングアクシデントとしてペナルティは科されることがなく,リザルトはそのままという裁定が下されています。3位には,トップからおよそ19秒弱遅れでメルセデスAMGのV.ボッタスが入っています。フェルスタッペンのチームメイトであるP.ガスリーは7位でチェッカーを受け,ダブル入賞を果たしています。トロロッソ・ホンダ勢は奮わず,A.アルボンが15位,D.クビアトが17位でのチェッカーとなっています。

☆初優勝(MotoGP)
○第8戦オランダGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったTTサーキット・アッセンで行われました。MotoGPクラスは,初日の走行から好調な走りを見せていたヤマハ勢が,決勝レースでもその勢いは衰えませんでした。そのヤマハ勢の中で速さを見せたのが,2番グリッドからスタートしたモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスで,トップに立ってから後続との差を広げて行き,最終的に2位に入ったレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスに5秒近い差をつける独走で今季初優勝を飾りました。3位には,ヤマハ勢の中で一番速さを見せ,ポールからスタートしたペトロナス・ヤマハSRTのF.クアルタラロでした。このサーキットを得意としていて,8番グリッドからスタートしたLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,モンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのV.ロッシと接触して激しく転倒し,残念ながらリタイアに終わりました。その中上ですが,メディカルセンターに運ばれて心配されましたが,幸いなことに大事には至っていないようです。
Moto2クラスは,ここまで3連勝を飾っていて,この大会で4連勝を目指していたエストレージャ・ガルシア0,0マークVDSのM.マルケスがトップを走行して残り2周となりました。僅差ではあったものの,何とか逃げ切りが可能かと思われたところで,2位走行をしていたフレックスボックスHP40のL.バルダッサーリがやや強引にに入ってきて両者は転倒してリタイアに終わってしまいました。上位2台がいなくなって,3位争いがトップ争いとなり,フレックスボックスHP40のA.フェルナンデスがレッドブルKTMアジョのB.ビンダーを突き放してトップでチェッカーを受け,見事初優勝を飾りました。3位には,スカイ・レーシング・チームVR46のL.マリーニが入っています。上位が次々にアクシデントに見舞われる中,堅実な走りを展開してきたONEXOX TKKR SAGチームの長島哲太が,徐々にポジションをアップしていき,最終的に自己最高位となる5位でチェッカーを受けています。
Moto3クラスは,予選では日本人ライダー勢が好調な走りを展開しましたので,決勝レースに期待が持たれました。しかし,一転して優勝争いに誰も絡むことが出来ずに終わりました。気になるトップ争いですが,VNEスナイパーズのT.アルボニーノとレオパード・レーシングのL.ダッラ.ポルタとの1000分の45秒差でアルボニーノがこれを制しています。3位には,レドックス・プルエステルGPのJ.コーンフェールが入っています。日本人勢で最高位は,ホンダ・チーム・アジアの小椋藍の6位でした。ボエ・スカル・ライダー・ムゲン・レーシングの真崎一輝が13位でポイントを獲得しました。ペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢は,完走を果たしたものの,17位でのチェッカーでした。ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡とSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生は,トップ争いを展開中に多重クラッシュに見舞われてしまい,両者共にリタイアとなっています。

☆独占(SGT)
○SGTで唯一の海外戦となる第4戦の決勝レースが,タイにあるチャーン・インターナショナル・サーキットで行われました。GT500クラスは,ポールからスタートした大嶋和也&山下健太組のWAKO’S 4CR LC500がトップを守っていきました。序盤からトップ3の体勢に持ち込んだレクサス勢がこれを追い,激しい1,2位争いが何度も見られました。しかし,WAKO’S 4CR LC500は最後までトップの座を守り抜き,LEXUS TEAM LEMANS WAKO’Sとしては2013年の第8戦もてぎ以来となる勝利を収めました。激しい2位争いは平川亮&N.キャシディ組のKeePer TOM’S LC500が国本雄資&坪井翔組のWedsSport ADVAN LC500を押さえてこれを制しています。この結果,レクサス勢が2戦連続となる表彰台独占を達成しました。
GT300クラスは,予選こそマザーシャーシを使用している松井孝允&佐藤公哉組のHOPPY 86 MCが獲得しましたが,パワーで勝るFIA-GT3マシンがその性能を発揮。トップに平峰一貴&S.フェネストラズ組のリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rが立ち,2位に星野一樹&石川京侍組のGAINER TANAX triple a GT-Rがそれを追うという展開となりました。さらに3位に黒澤治樹&蒲生尚弥組のLEON PYRAMID AMGが浮上し,HOPPY 86 MCは順位を4位まで下げました。GT-R同士のトップ争いはファイナルラップまで持ち込まれ,そのファイナルラップでGAINER TANAX triple a GT-Rがトップに立ち,逆転でGAINERが今季初勝利を収めました。GAINERにとっては,2年連続してこの大会を制したことになります。長い間トップを守ってきたKONDO RACINGでしたが,最後に足元をすくわれる形になってしまったものの,GT-Rがワンツーフィニッシュを達成したことになります。
 

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