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最新ニュース

2019/03/31(日)
☆トラブル発生も(MotoGP)
○第2戦アルゼンチンGPの予選が,ドライコンディションのアウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンドで行われました。MotoGPクラスは,予選前に行われたフリー走行4では,レプソル・ホンダ・チームのM.マルケスにマシントラブルが発生し,マシンをコース脇に止めてスペアマシンに乗り換えるという事態が発生しました。予選に向けて暗雲が垂れ込めた感じのマルケスでしたが,その予選では暗雲を吹き飛ばす走りを展開しました。アメリカ大陸で行われるレースで抜群の強さを見せるマルケスですが,この予選でもそれを発揮し,他のライダーからタイムを更新されてもすぐに最速タイムを刻む速さを見せ,自身今季初となるポールを獲得しました。開幕戦でポールを獲得したモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスも,マルケスからは遅れをとったものの,ここでも速さを見せて2番グリッドを獲得しました。開幕戦を制したミッション・ウィノウ・ドゥカティのA.ドビツィオーゾは,そのビニャーレスから100分の1秒遅れで3番手タイムでした。開幕戦で9番手タイムをマークし,自身初となるシングルグリッドを獲得しているLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,Q1からのスタートとなりました。そのQ1では,見事にトップタイムをマークしてQ2進出を果たしました。そのQ2では,上位にはわずかに及ばなかったものの,トップからコンマ734秒遅れで,前回と同じく9番グリッドを獲得しています。
Moto2クラスは,昨年このレースで自身初となるポールを獲得したエストレージャ・ガルシア0,0マークVDSのX.ビエルゲが,2番手タイムだったダイナボルト・インタクトGPのM.シュロッターに1000分の11秒差で最速タイムを刻み,1年前のこの大会ぶりのポール獲得となりました。フェデラルオイル・グレシーニMoto2のS.ローズが3番手タイムを刻み,ほぼ1年ぶりにフロントローを獲得しています。このクラス唯一のフル参戦日本人ライダーであるONEXOX TKKR SAGチームの長島哲太は,なかなかタイムが上がらずにQ1で敗退となり,今日行われる決勝レースは22番グリッドからスタートすることになりました。
Moto3クラスは,フリー走行で速さを見せたベスター・キャピタル・ドバイのJ.マシアが,予選でもその速さを見せ,自身初となるポールを獲得しました。ステルリガーダ・マックス・レーシング・チームのA.カネトが2番手タイムをマークし,前戦から引き続いてフロントローを獲得しています。VNEスナイパーズのT.アルボニーノが3番手タイムを刻み,今季初のフロントロースタートを決めています。フル参戦日本人ライダー勢は,開幕戦を制したホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡が8番手タイムをマークし,日本人ライダー勢としては最速となりました。その鳥羽から1000分の8秒遅れで,ペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢が9番グリッドを獲得しています。SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生は14番グリッド,ホンダ・チーム・アジアの小椋藍が15番グリッド,Q1で敗退したボエ・スカル・ライダー・ムゲン・レーシングの真崎一輝は19番グリッドをそれぞれ獲得しています。

☆自身初(F1)
○第2戦バーレーンGPの予選が,照明に照らされるバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われました。この予選で速さを見せたのは,今シーズンからフェラーリに所属しているC.ルクレールでした。Q1からトップタイムを刻んできたルクレールは,最後のQ3でも他のドライバーを寄せ付けず,唯一1分27秒台のタイムをたたき出して自身初となるポールを獲得しました。S.ベッテルが2番手タイムをマークし,フェラーリ勢がフロントローを独占しました。全然でフロントローを独占したメルセデスAMG勢でしたが,フェラーリには遅れを取り,L.ハミルトンが3番手,V.ボッタスが4番手タイムをマークし,セカンドローは同チームが独占しています。前戦で3位表彰台を獲得したレッドブルのM.フェルスタッペンは,5番グリッドから決勝レースを迎えることになりました。そのフェルスタッペンのチームメイトであるP.ガスリーは,Q2で敗退して13番グリッドからのスタートとなりました。トロロッソ・ホンダ勢もQ3進出はならず,A.アルボンが12番グリッド,D.クビアトが15番グリッドを獲得しています。
2019/03/30(土)
☆僅差(MotoGP)
○第2戦アルゼンチンGPがアウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンド開幕し,いつものように初日は2回のフリー走行が行われました。MotoGPクラスは,トップから1秒以内に21名が入るという僅差での走行となりました。そのような中,初日総合トップに立ったのは,去年に引き続いて初戦カタールGPを制したドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾでした。その開幕戦では,シートカウルが壊れてリタイアに終わるという珍しい結果となってしまったプラマック・レーシングのJ.ミラーでした。2人の差は,わずか1000分の9秒でした。開幕戦でポールを獲得したモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスが総合3番手タイム,開幕戦で3位表彰台を獲得したLCRホンダ・カストロールのC.クラッチローが総合4番手となっています。そのクラッチローのチームメイトであるLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,トップからコンマ448秒遅れの10番手タイムで初日を終えています。
Moto2クラスは,昨シーズンは最高峰クラスにフル参戦したものの,今シーズンは再びこのクラスに戻ってきたダイナボルト・インタクトGPのT.ルティが総合トップタイムを刻みました。そのルティから1000分の92秒差で総合2番手タイムだったのが,こちらも最高峰クラスからの復帰となるフェデラルオイル・グレシーニMoto2のS.ローズでした。開幕戦で速さを見せたONEOXO TKKR SAGチームのR.ガードナーでした。そのガードナーのチームメイトである長島哲太は,トップからコンマ636秒遅れの18番手でした。
開幕戦はホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡の大逆転優勝でわいたMoto3クラスは,ペトロナス・スプリンタ・レーシングのJ.マクフィーが,自身初となる初日総合トップを刻みました。そのマクフィーから1000分の79秒遅れで,VNEスナイパーズのT.アルボニーノが総合2番手タイムでした。SIC58スクアドラ・コルセのN.アントネッリが,総合3番手タイムで初日を終えています。フル参戦日本人ライダー勢は,アントネッリのチームメイトである鈴木竜生が5番手の日本勢最高位で,開幕戦ウィナーの鳥羽が13番手,マクフィーのチームメイトである佐々木歩夢が15番手,BOEスカルライダー・ムゲン・レースの真崎一輝が18番手,鳥羽のチームメイトでルーキーの小椋藍が26番手タイムで初日を終えています。

☆両セッション共に(F1)
○第2戦バーレーンGPが開幕し,こちらも初日は2回のフリー走行が行われました。中東での開催で日中は大変暑いため,予選と決勝は日没後に行われる予定ですが,フリー走行1回目はまだ暑い中で,2回目は日没後に行われました。その1回目は気温はもちろん,路面コンディションも汚れがあったりしてタイムが2回目に比べると低く,その2回目は気温が下がりすぎて寒い中での走行となりました。そのような中,この日の総合トップタイムを刻んだのは,開幕戦でも初日トップに立ったフェラーリのS.ベッテルでした。チームメイトのC.ルクレールが2番手タイムをマークし,初日はフェラーリによるワンツーとなりました。1回目の走行では,二人の順位は逆ですが,フェラーリによるワンツーという点では変わりありませんでした。総合3,4番手には,それぞれL.ハミルトンとV.ボッタスがつけ,開幕戦でワンツーフィニッシュを飾ったメルセデスAMG勢がつけています。ちなみに,フェラーリと同じく,メルセデスAMG勢も1回目の走行では順位は逆となっています。開幕戦で復帰以来初となる表彰台を獲得したレッドブルですが,初日はM.フェルスタッペンが6番手だったものの,P.ガスリーは12番手と出遅れています。また,トロロッソ・ホンダ勢は,D.クビアトが10番手,A.アルボンは13番手で初日を終えています。
2019/03/29(金)
☆棄却(MotoGP)
○ここ数年のMotoGPマシンには,ウィングなどの空力デバイスが当たり前のように装着されるようになっています。これは,ECUやタイヤ等様々なものがワンメークとなり,その限られた中でタイムアップを果たすためにドゥカティが先鞭をつけていったものです。他チームに先駆けていくつかのパーツを取り入れているドゥカティですが,今シーズンの開幕戦カタールGPでは,スイングアーム下部にエアロダクトが取り付けられていました。ドゥカティ側の説明では,これはタイヤを冷やすためのものだということでしたが,アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ,レッドブルKTMファクトリー・レーシング,レプソル・ホンダ・チーム,チーム・スズキ・エクスターのヤマハを除いたワークス4チームが空力デバイスではないかということでレース終了後に抗議が出されていました。その抗議に対して,スチュワードは適法という結論を下し,その裁定を不服として,4チームはさらにMotoGP控訴裁判所に上訴していました。その訴えに対して3月26日(火)に裁定結果が発表され,ドゥカティのパーツはレギュレーションに則ったものだとして訴えを却下しました。この裁定を受け,暫定扱いだった開幕戦のリザルトが確定し,当初の結果通り,開幕戦ウィナーはドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾということになりました。なお,今回の訴えにヤマハが加わっていませんでしたが,どうやらヤマハも同じようなパーツをウェットコンディションでスイングアームに装着することがあるからのようです。
2019/03/28(木)
☆好調(SF)
○開幕前最後となる今季2回目の合同テスト2日目の走行が,春らしい天候に恵まれた富士スピードウェイで行われました。初日に行われた午前中の走行では,4度の赤旗が提示される事態となりましたが,この日の午前中も同じように4度の赤旗が提示されました。そのような中,初日と同じく,この日も午前中のトップタイムがこの日の総合トップタイムとなりました。午前中のタイムが良くなる要因は,その午前中はオーバーテイクシステムを使っての走行ができるということです。その午前中にトップタイムをマークしたのは,前日に総合2番手タイムをマークしたKONDO RACINGの山下健太で,そのタイムがこの日の総合トップとなりました。鈴鹿サーキットで行われた前回のテストでも好調な走りを展開していますので,山下と今季から採用されているマシンであるSF19との相性がいいと考えられます。この日の総合2,3番手タイムは,やや風が強まった午後の走行でマークされました。まず,午後の走行ではトップ,総合では2番手タイムとなったのは,ラストアタックでタイムを更新したITOCHU ENEX TEAM IMPULの平川亮でした。その平川がタイムを更新する前にトップタイムだったのがcarrozzeria Team KCMGの小林可夢偉で,これがこの日の総合3番手タイムとなりました。なお,SFの次回の走行は,鈴鹿サーキットでの開幕戦となります。
2019/03/27(水)
☆コースレコードで(SF)
○今季2回目,そして開幕前最後となる合同テストが,ドライコンディションでの走行となった富士スピードウェイで始まりました。2日間にわたって行われる今回のテスト初日は,午前が曇り空,午後が晴というコンディションでの走行でした。今季参戦する20台のマシンが走行する今回のテストですが,REAL RACINGは今季レギュラードライバーを務めることになっているT.シャルパンティエは,ここが初の走行ということがあってか,レギュラードライバーの座をリャルパンティエに譲り,今季はドライビング・アドバイザーを務めることになっている塚越広大が午前中に走行してベースとなるセットアップを図り,午後からシャルパンティエが走行するという形でテスト初日に臨みました。初日の走行は午前中のタイムがこの日の最速タイムを刻んだドライバーが多い結果となり,その中で総合最速タイムをマークしたのは,昨年のチャンピオンであり,今季はチームを移籍しているDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの山本尚貴でした。午前中合計4回の赤旗が出される中で彼がマークしたのは,非公式ながらコースレコードを更新するタイムでした。総合2番手タイムは,今季も昨年からの継続となるKONDO RACINGの山下健太でした。総合3番手タイムは,ルーキードライバーとしてはトップとなるTCS NAKAJIMA RACINGのA.パロウでした。今日の天気予報では,終日春らしい温かい天候となるようですので,最終日となる2日目はさらにタイムが更新するものと思われます。
2019/03/26(火)
☆落札(SGT)
○GT500クラスにおけるトヨタのマシンは,レクサスブランドから発売されているLC500が採用されて(とは言っても,GT500クラスのマシンは,全てマザーシャーシを使用していますので,市販車がベースになっていう訳ではありませんが。)いますが,それは今シーズンまでで,来季からはトヨタが17年ぶりに市販する『スープラ』が採用されることが決まっています。その市販車であるスープラの生産がオーストリアにあるマグナ・シュタイヤー グラーツ工場で始まり,その第1号車がラインオフされました。その車の車両識別番号は,スープラのモデルイヤー“2020”と量産1号車を意味する“1”を加えた“20201”となっていて,エンジンカバーには同社の社長で,週末に行われたスーパー耐久の開幕戦にはST-4クラスにトヨタ86を駆ってレーサーとして参戦した豊田章男社長の直筆サインが入った特別なモデルになっているとのことです。エクステリアは,マットグレーのボディカラーにレッドのドアミラーカバーがつけられ,ホイールはつや消しブラックのものが装備されています。インテリアは,赤革のシートが採用され,ダッシュボードにはカーボンの装飾が施されています。日本国内では今年の春から市販されるとのことですが,具体的なスケジュールはまだ発表されていません。しかし,最上級グレードである直6ターボ搭載のRZについては,半数を超える販売店で初年度分として予定していた注文台数に到達するほどの人気を既に国内で得ているようです。この人気は世界的なものになっていて,ラインオフされた1号車は世界最大級の名車オークションである『第48回バレットジャクソン・オークション』に出品され,1月19日(土)に210万ドル(約2億3,000万円)で落札されたとのことです。ちなみに,その収益金は,アメリカの心臓協会等に寄付されることになっているようです。
2019/03/25(月)
☆最年少記録更新(インディカー)
○今季第2戦の決勝レースが,F1やMotoGPの開催地でもあるサーキット・オブ・ジ・アメリカス(COTA)で行われました。ポールからスタートしたチーム・ペンスキーのW.パワーは,レースを通して順調な走行を続けていました。レースの大半でトップの座を守っていて,それをアンドレティ・オートスポートのA.ロッシとハーディング・スタインブレナーのC.ハータが追う展開となっていきました。終盤に入ってこのバトルに大きな影響を与える事態が発生しました。ハータは上位2台になかなかついて行けない状態となって43周走行後にピットイン。そして,激しく争っていたアロウ・シュミット・ピーターソンのM.エリクソンとチップ・ガナッシのF.ローゼンクヴィストとが第19ターンで接触し,ローゼンクヴィストがピットロードの入り口でストップしてしまったのです。このためこのレースでは初となるセーフティカーが導入され,トップのパワーをはじめとしたトップ3はイエロー中のピットインを強いられることとなり,順位を下げることとなりました。早めにピットインを済ませていたハータは思わぬ形でトップに立ち,リスタート後は順調に後続との差を広げて行き,トップでチェッカーを受けました。この大会で参戦3戦目となるハータは自身初となる勝利を18歳で収めると共に,これまでG.レイホールが持つ最年少記録を更新しました。2位には,チーム・ペンスキーのJ.ニューガーデン,3位には,アンドレッティ・オートスポーツのR.ハンターレイが入りました。なお,不運もあって14番グリッドからスタートしたレイホール・レタマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨は,1回目のピットストップを終えたところで他車にぶつけられるアクシデントに見舞われましたが,幸いなことに大事には至らず走行を続行。コーション前にピットを済ませていた啄磨は,コーション中は9位を走行。リスタート後にペースをアップして7位まで順位を上げ,ここでチェッカーとなっています。
2019/03/24(日)
☆解決策(F1)
○今季からホンダ製パワーユニットを搭載しているレッドブルは,M.フェルスタッペンが開幕戦でホンダに復帰以来初となる表彰台をもたらす活躍を見せました。それに対して,今季からレッドブルに所属しているP.ガスリーは,ポイント獲得まで後ポジションが1つとなる11位でのフィニッシュとなり,レッドブルドライバーとしてのデビューレースはノーポイントに終わっています。こうした明暗を分ける結果になった訳ですが,ガスリーの開幕戦はアンラッキーな面があったことも事実です。というのも,まずチームの判断ミスにより予選ではQ1で敗退となり,決勝レースは後方からのスタートとなりました。さらに,決勝レースでは,スタート時に前のマシンのリアウィングの陰になってしまってスタートシグナルが見えず,周りの動きに合わせてスタートを切るしかなく,その影響でスタートに出遅れてポジションを下げ,さらなる追い上げを強いられることになってしまったのです。そのスタート時にシグナルが見えなかったということは,ガスリーだけでなく,今季からF1に見事な復活を遂げたウィリアムズのR.クビサも同様のことを明らかにしていました。こうした事態になったのは,今季から適用されたレギュレーションが関係しているようです。そのレギュレーションですが,後続への乱気流を抑制することでオーバーテイクを促進するため,リアウイングの幅が100mm広がり,エンドプレートを簡略化しました。また,ミラーの視認性を改善するために高さが70mm高くなりました。こうした変更により,マシンの位置によっては全くシグナルが見えない状況に陥ってしまった訳です。この点はFIAも問題視していて,この度そのFIAからこの点について改善していくというコメントが出されました。この段階では,具体的な解決策は発表されていませんが,次戦バーレーンGPから対策を施すことになるようです。大方の予想では,メインのシグナルだけでなく,補助的なシグナルを中間地点といったどこか他の所にも設置するのではないかと見られているようです。
2019/03/23(土)
☆原因(F1)
○開幕戦オーストラリアGPの決勝レースでは,今シーズンからホンダ製パワーユニットを搭載しているレッドブルのM.フェルスタッペンが3位に入り,ホンダにF1復帰以来初めてとなる表彰台をプレゼントしました。しかも,事前テストから好調な走りを見せていたフェラーリのS.ベッテルをコース上でパスをし,さらに最終的に2位に入った昨年のチャンピオンであるメルセデスAMGのL.ハミルトンを追い上げての表彰台獲得でした。さて,そのフェルスタッペンに追い上げられたハミルトンですが,フェルスタッペンに追い上げられるだけでなく,チームメイトで開幕戦の勝者であるV.ボッタスの独走を許しての2位チェカーでした。初日,予選共にトップだったハミルトンにもかかわらず,レースではそうした結果になってしまったのですが,この度チームから発表があり,決勝レース中にハミルトンが無線でマシンの不調を訴えていた原因を特定できたということです。それによると,左リヤタイヤのフロア部分が大きく損傷していて,このダメージが原因でペースを上げることができず,さらにタイヤ管理にも支障が出ていたようなのです。この損傷は,どうやら縁石に乗り上げた時に発生したようですが,現段階ではまだ100パーセントとなるものは確認されてはいないようです。
2019/03/22(金)
☆初年度は(SF)
○今シーズンのSFでは,併催として”TCRジャパンシリーズ”が開催されます。かつては耐久ではなくスプリントで争われるツーリングカーレースが世界で開催されていましたが,つい数年前までは人気に陰りが出ていたため,日本でもかつて開催されていたJTCCシリーズのようなものが開催されていませんでした。ところが,TCR規定に基づいたレース用マシンが各社から販売されるようになると人気が再燃し,日本でも開催への機運が出てきて,冒頭に記したように今季から新たなツーリングカー選手権が開催されることになりました。そして,この度その選手権から今シーズンのエノトリーリストが発表されました。それによると,初年度は11チーム15台がフル参戦することになりました。使用されるマシンは4車種で,国産メーカーではホンダが販売しているホンダ・シビック・タイプR TCRが4台フル参戦します。その他の車種は,ドイツ車であるアウディRS3 LMSが5台,フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRが4台,イタリア車としてアルファロメオ・ジュリエッタTCRが2台フル参戦します。
2019/03/21(木)
☆史上2番目(MotoGP)
○開幕戦カタールGPでは,Moto3クラスにおいてホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡が,自身フル参戦3年目にして初の表彰台が初の優勝という快挙を成し遂げました。この優勝のトピックとしてして,MotoGPの公式サイトでは日本人ライダーが優勝した時の年齢についてまとめています。それによると,今回の鳥羽の優勝は,史上2番目の若さということになります。日本人初の優勝ライダーは,ご存知の方も多いと思いますが,今シーズンはSGTにおいてチャンピオンチームの監督としてフル参戦することになるTEAM KUNIMITSUのオーナー兼チーム監督の『国さん』こと高橋国光です。国さんの優勝は1961年の初戦ドイツGPにおいてで,この時の年齢は21歳106日でした。この記録は永年にわたって破られることがなくずっと維持していましたが,現在はレースの世界から引退していますが,1993年の第5戦オーストリアGPにおいて18歳316日で優勝して記録を更新しました。現在もこの記録は破られておらず,今回優勝した鳥羽は,18歳337日で歴代2位に記録ということになります。歴代3位に記録を持っているのは,かつて『青木3兄弟』が日本のロードレース界を引っ張っていましたが,その末弟でGPにおいてチャンピオンを経験したこともあり,現在はオートレーサーとして活躍している青木治親で,記録は18歳363日です。なお,さらなる情報は,MotoGPの公式サイトでご確認(こちら)下さい。
2019/03/20(水)
☆予定変更(MotoGP)
○今シーズンからMotoGPとの併催という形で,電動バイクで争われる『FIM Enel MotoE? World Cup』(MotoE)が開催される予定になっています。その開催に向けて3月13日(水)から3日間にわたるMotoEの開幕戦が行われる予定だったスペインのヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトでオフィシャルテストが始まっていました。ところが,15日(金)付けのこのページでお伝えしたように,テスト初日は走行が無事行われましたが,日が替わった14日の深夜,サーキット内に設置されたE-パドックから火災が発生し,必要な機材の多くが消失するという不運に見舞われてしまいました。けが人が一人もいなかったということは幸いでしたが,開幕戦までの期間を考えると,開催に黄色信号が灯ったのも事実でした。この点に関してFIMから発表が先日あり,5月5日(日)に予定されていたスペインGPにおけるMotoEの開幕戦を見送ることとなりました。ただし,シリーズ自体の開催は変更がなく,後日改めて改訂版の開催日程を発表するとのことです。
ところで,Moto2クラスに唯一の日本製シャーシを供給しているのがNTSですが,そのチームであるNTS RWレーシングから発表があり,開幕戦にS.オデンダールの代役として参戦し,14位でチェッカーを受けてチームに貴重なポイントをもたらしたJ.ラフィンを,次戦アルゼンチンGPも継続して代役参戦することになりました。次戦も欠場するオデンダールは,年末に行っていたトレーニング中に左足親指を骨折するアクシデントに見舞われました。当初は手術の予定はなかったものの,予定が変更となって2週間前に手術を実施。それでもさらなる手術が必要なことから,今回の発表に至っています。代役参戦継続することが決まったラフィンは,開幕戦の開催が見送られることになったMotoEに同チームから参戦することになっていますので,実践の感覚をつかむにはいい機会になるといえるのかもしれませんね。
2019/03/19(火)
☆全勝(SBK)
○SBKの第2戦タイの決勝レースが,気温が35度以上に見舞われる厳しい暑さのチャン・インターナショナル・サーキットで行われました。今シーズンからSBKは,土曜日にレース1,日曜日にスーパーポール・レースとレース2というように3レースが行われます。まず土曜日に行われたレース1は,レース中盤まではAruba.it レーシング-ドゥカティのA.バウティスタとカワサキ・レーシングチーム・ワールドSBKのJ.レイとのトップ争いが展開されました。しかし,開幕戦で3連勝を飾ったバウティスタと,今シーズンからドゥカティが投入したパニガーレV4 Rとの相性は抜群で,彼がトップに立ってペースを上げていくとレイはついていくことができず,最終的に8秒以上の差をつける独走で4連勝を飾りました。レイは,このレースでも2位に終わっています。パタ・ヤマハ・ワールドSBKチームのA.ローズとM.ファン.デル.マークとのチームメイトによる3位争いは,ローズが逃げ切って3位表彰台を獲得しています。
日曜日に行われたスーパーポール・レースでは,バウティスタがここでも独走態勢を築いて優勝しました。2,3位には,それぞれレース1と同じくレイとローズが入っています。レース2でもここまでの流れと変わることなく,2位のレイに10秒以上の大差をつける独走でバウティスタが開幕以来全勝となる6連勝を飾っています。3位にローズが入り,この大会の表彰台は全て同じライダーが同じ順位で立ったことになります。
モリワキ-アルティア・ホンダ・チーム勢の2人については,L.キャミアがレース1で13位に入ってポイントを獲得できたものの,清成龍一はマシントラブルでリタイアに終わっています。スーパーポール・レースでも清成はマシントラブルでリタイアとなり,キャミアは他のライダーの転倒に巻き込まれてリタイアとなり,この転倒が原因でレース2はキャンセルしています。2レース続けてマシントラブルに見舞われてしまった清成でしたが,レース2は最後まで走りきって12位でチェッカーを受けてポイントを獲得しています。
2019/03/18(月)
☆復帰後初(F1)
○開幕戦オーストラリアGPの決勝レースが,レースウィークを通してドライコンディションとなったアルバート・パーク・サーキットで行われました。メルセデスAMG勢がフロントローを独占して始まった決勝レースは,2番グリッドからスタートしたV.ボッタスが抜群のスタートダッシュを決め,ポールスタートのL.ハミルトンを交わしてトップに立ちました。2番手に落ちたハミルトンは,速いタイムを刻んでボッタスを追いましたが,そのボッタスはハミルトンをさらに上回る速さを見せてどんどん差を広げて行きました。そして,最終的に2位に20秒の大差をつける独走態勢を築いて見事に開幕戦を制しました。4番グリッドからスタートしたレッドブルのM.フェルスタッペンは,3番グリッドからスタートしたS.ベッテルの後を追う形となりました。作戦の違いからタイヤ交換のタイミングに違いがあり,ベッテルよりも周回数が少ないタイヤを履いたフェルスタッペンがコース上でベッテルをパスし,見事3位に浮上しました。ベッテルを抜いた後のフェルスタッペンは,今度は2位を行くハミルトンを追いました。タイムが上がらないハミルトンとの差を1秒台に持ち込んだ彼でしたが,最終的にハミルトンをパスするところまでは至らず,順位こそ入れ替わっていますが,メルセデスAMG勢のワンツーとなり,フェルスタッペンは1秒7弱の遅れで惜しくも3位となりました。とはいえ,今シーズンからホンダとタッグを組み,その初戦で3位表彰台を獲得したことは,チームやホンダにとって,そして私たち日本人ファン,世界中のファンにとっても大きな結果となります。2015年からF1に復帰したホンダですが,ここまで表彰台に上ることができていませんでした。今回のフェルスタッペンの3位は,ホンダにとって2008年のイギリスGP以来の表彰台獲得となります。もう1つのホンダ製パワーユニットユーザーのトロロッソ・ホンダは,今季からF1に復帰したD.クビアトが10位に入り,こちらも開幕戦からポイントを獲得しています。他のドライバーについてですが,今季からレッドブルに所属しているP.ガスリーは11位と惜しくもポイント獲得まであと一歩という所でチェッカーとなっています。トロロッソ・ホンダのA.アルボンは,こちらもポイント獲得には至りませんでしたが,14位完走を果たしています。
2019/03/17(日)
☆明暗(F1)
○開幕戦オーストラリアGPの予選が,好天に恵まれたアルバート・パーク・サーキットで行われました。走行する度にどんどんタイムが上がるという状況での走行となった予選で,まず意外な結果となったのがQ1でした。今シーズンからホンダ製パワーユニットを搭載しているレッドブルは,Q1をワンアタックで乗り切る戦略を組んでいたようです。ところが,チームの予想以上にタイムが上がっていき,M.フェルスタッペンはそのワンアタックのタイムでQ1は突破できましたが,今シーズンから同チームに所属しているP.ガスリーはここで敗退してしまい,17番グリッドという結果に終わってしまいました。これは,明らかにチーム側の戦略ミスで,予選終了後にはチーム側からガスリーに謝罪するコメントが出されていました。トップ10のグリッドを決めるQ3で速さを見せたのは,前日にも速さを見せたメルセデスAMG勢でした。前日トップタイムだったL.ハミルトンはこの日も好調で,コースレコードを更新する速さを見せて見事開幕戦のポールシッターとなりました。チームメイトからコンマ112秒の差をつけられましたが,V.ボッタスが2番手タイムをマークし,同チームがフロントローを独占しています。事前テストで好調だったフェラーリ勢は,S.ベッテルが3番手,今シーズンから同チームに所属しているS.ルクレールが5番手となっています。そのフェラーリ勢に割って入って4番グリッドを獲得したのは,Q1で脱落したガスリーと明暗を分ける形となったフェルスタッペンでした。フェルスタッペンの4番グリッド獲得は,ホンダにとってF1に復帰して以来の予選最高位となります。そのホンダ製PUを今季も搭載しているトロロッソ・ホンダ勢は,Q1はトップ下ものの,どちらもQ2で敗退となり,A.アルボンが13番グリッド,D.クビアトが15番グリッドを獲得しています。
2019/03/16(土)
☆好発進&合掌(F1)
○先日は2輪の最高峰であるMotoGPが開幕し,ミッション・ウィノウ・ドゥカティのA.ドビツィオーゾがレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスを振り切って初戦を制するというリザルトで終了しました。今度は,昨日から4輪の最高峰であるF1の開幕戦となるオーストラリアGPが,快晴に恵まれたアルバート・パーク・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。事前テストではフェラーリ勢がトップタイムをマークしたりして全体的に好調な走りを見せていたのに対し,チャンピオンチームであるメルセデスAMGは,レースを視野に入れたセットアップに終始するという感じでテストを終えていました。それらのテストを終えて始まった開幕戦の初日ですが,この日のトップタイムをマークしたのは,昨年もチャンピオンを獲得し,先日行われたMotoGPの開幕戦に姿を見せていたメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。事前テストではトップに名を連ねなかったハミルトンでしたが,実際に大会が始まると,初日からいきなりトップタイムをマークしたのです。彼のトップタイムは,ほとんどのドライバーがタイムアップを果たした2回目のフリー走行だけでなく,午前中に行われたフリー走行1でもトップタイムでした。そのハミルトンに次ぐ2番手タイムとなったのは,今シーズンもハミルトンのチームメイトとなったV.ボッタスでした。ハミルトンとボッタスの差は,1000分の48秒となっています。そして,3,4番手には,昨シーズンまでのルノーに替え,今シーズンからホンダ製パワーユニットを搭載することになったレッドブルでした。その内訳は,3番手が昨年までの継続となるM.フェルスタッペン,4番手が今季トロロッソからの昇格となるP.ガスリーでした。そのガスリーですが,4番手タイムをマークした2回目のフリー走行の途中でパワーがなくなったという内容のことを無線でチームに知らせる事態が発生していますが,セッション終了後にマシンチェックを行い,センサー系のマイナートラブルで,今日行われる予選にはさほど支障がないようです。F1に復帰以来なかなか優勝はおろか表彰台獲得もできない状況が続いているホンダですが,トップチームの1つであるレッドブルともタッグを組むことになり,今シーズンさらなる成績が期待できるだけに,好発進と言える初日の走行となっています。昨シーズンからホンダ製PUユーザーであるトロロッソは,復帰となるD.クビアトが11番手,ルーキードライバーのA.アルボンが17番手タイムで初日を終えています。
なお,この大会が開幕する前日に,F1で永年にわたってレースディレクターを務めてきたC.ホワイティング氏が,肺梗塞で突然息を引き取られました。その前日にはサーキットに現れてコースを下見したりして元気な姿をを見せていたようなので,関係者は特に驚いたのではないかと思います。レースにおいては,全てのコース上のセッションにおいてFIAのオペレーションを監督し,それ以外の場ではF1の安全性や技術的事項をのほとんど全てを統括してきました。昨シーズンからF1に導入された安全デバイスであるヘイローも,彼の安全に対する思いが実現したものとも言えます。完全に裏方の仕事ですので,私たちレースファンにとっては実際に目の前で彼の仕事ぶりを目にすることができません。しかし,1997年に現在の役職に就き,40年以上にわたってF1発展に尽くしてきた彼の貢献はとても偉大であることは十分に分かります。ホワイティング氏のご冥福を心からお祈りいたします。
2019/03/15(金)
☆影響は?(MotoGP)
○今シーズンからMotoGPとの併催で,『FIM Enel MotoE World Cup』(MotoE)が開催される予定になっています。これは,Energica Motor Company(エネルジカ)が提供する電動レーサー『Energica Ego Corsa』(エゴ・コルセ)を使用したワンメイクレースで,タイヤはMotoGPクラスと同じくフランスのミシュランがこちらもワンメイクとして供給します。MotoGPやMoto2クラスに参戦している中の12チームがエントリーしていて,ライダーとしては18名が参戦する予定になっています。開催初年度となる今シーズンは,スペインGPを開幕戦とし,ヨーロッパラウンドの中のフランスGP,ドイツGP,オーストリアGP,サンマリノGPの全5戦で行われることになっています。その開幕戦に向け,3月13日(水)から3日間にわたる今シーズン初のテストが始まっていました。ところが,14日(木)に日が替わった深夜,テストが行われているスペインのヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトのパドック内に設置されていたEパドックで開催が発生し,開催のために必要な機材の多くが消失してしまったようです。原因や具体的な損害はまだ明らかになっていないようですが,以後のテストはすぐに中止となっています。今後のことについてもまだ明らかになっておらず,開幕戦を含め,そうした点については後日発表されることになります。
2019/03/14(木)
☆泣きっ面に(MotoGP)
○レプソル・ホンダ・チームから発表があり,今シーズンから同チームに所属しているJ.ロレンソが,開幕戦カタールGPにおける転倒により肋骨にひびが入ったことが明らかとなりました。そのロレンソの転倒は,予選前に行われた3回目のフリー走行で起きました。セッション開始早々に,6コーナーへアプローチした段階でハイサイドによりマシンから大きく振り落とされてしまいました。その際,うつ伏せになるような感じの体制で路面にたたきつけられてしまいました。すぐにこのセッションでの走行をとりやめてメディカルセンターに向かって検査を受けています。その後は予選から走行を開始し,ホンダでの最初のレースは13位でチェッカーを受けています。今回の発表によると,12日(火)に病院で精密検査を受けた結果,右の第一肋骨にヒビが入っていることが判明し,その際完治には3週間〜1カ月かかると診断されたようです。ということは,今月末にテルマス・リオ・オンドで開催される第2戦アルゼンチンGPにギリギリ間に合うか間に合わないかということになります。ロレンソといえば,昨年のアラゴンGPにおいて第2中足骨を骨折。さらにタイGPではマシントラブルで転倒。開幕前の1月には,左手首舟状骨を骨折してまだ十分には癒えておらず,リハビリを継続している状態のようです。満身創痍の中でのケガだけに,まさに「泣きっ面に蜂」という状況になってしまいました。
2019/03/13(水)
☆ボーナス(F1)
○ボーナスは誰にとっても嬉しいものですが,F1でもボーナスがもらえることになりました。とは言っても,お金がもらえることではなく,ポイントという形でのボーナスとなります。この度FIAから発表があり,開幕戦オーストラリアGPからファステストラップをマークしたドライバーに1ポイントの“ファステストラップポイント”を付与することを正式決定しました。このボーナスポイントについては,既に7日(木)に開催されたFIAでポイントを付与する今季における競技規約の変更は承認されていましたが,11日(月)に行われたF1ストラテジーグループとF1コミッションの電子投票が行われ,全会一致で可決したため,今回の発表となっています。ただ,ポイント圏外のドライバーが,このポイントねらいだけのためにソフトタイヤを履いてアタックする可能性がありますので,ポイントが付与されるのは10位以内でフィニッシュしたドライバーのみとなります。このポイント付与は,シーズン全体を通すと最大21ポイント得ることができる訳で,シーズンが僅差で争われる状況になった時に大きな影響を与える可能性があります。昨シーズンで見ると,メルセデスAMGのV.ボッタスが7回ファステストを記録していますので,そう考えると結構な影響が出そうです。実際,1950年代にこの制度はF1でも存在していたのですが,フェラーリのM.ホーソーンがこの1ポイントが効き,ロブ・ウォーカーのS.モスを破ってチャンピオンを獲得したという歴史があるとのことです。なお,このポイントは,ドライバーだけでなくチームにも付与されますので,コンストラクタータイトル争いにも影響が出そうです。
2019/03/12(火)
☆却下(MotoGP)
○日曜日に行われた開幕戦カタールGPの決勝レースは,私たち日本人にとってはMoto3における鳥羽海渡の優勝が大変印象に残るものとなりました。大逆転での鳥羽の優勝は,12年ぶりの日本人優勝というだけでなく,Moto3クラスになってからの初優勝というものでした。一方,MotoGPクラスは昨シーズンと同じくミッション・ウィノウ・ドゥカティのA.ドビツィオーゾとレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスとの大接戦での優勝争いとなり,ドビツィオーゾがこの大会2連覇を飾っています。そのドビツィオーゾをはじめとしたライダーが使用している最新型のデスモセディチGP19に対して,ヤマハを除いた各メーカーのワークスチームであるアプリリア・レーシングチーム・グレシーニ,レッドブルKTMファクトリー・レーシング,レプソル・ホンダ・チーム,チーム・スズキ・エクスターの4チームがレース後にレギュレーション違反なのではという抗議を行いました。デスモセディチといえば,現在は当たり前となってきている空力パーツであるウィングをはじめ,リアカウルに装着されている通称『サラダボックス』と呼ばれているマスダンパーのシステムではないかと噂されているものなど,先進的な取組をしています。GP19に関しても,フロントブレーキカバーと思われているものが装着されていて,これは,ブレーキのためというよりは,後方に流す空気の整流板的な意味合いがあるのではないかといわれています。さらに,他メーカーもウェットコンディションの時には装着しているリヤスイングアーム下部のエアロダクトを,ドライコンディションとなった開幕戦でも装着したまま走行しました。ウェットで装着するのは,通常フロントタイヤが巻き上げた水しぶきがリアタイヤにかからないようにするためなのですが,ドライで使用したということは,それ以外の目的があると思われても致し方ないことです。パーツが外れた際に他のライダーに危険を及ぼす可能性があるため,レギュレーションではエアロボディーから一部のパーツを取り外せる構造となっていてはいけないとなっていて,GP19のリアに装着されているスポイラー状のパーツは着脱可能ですから,レギュレーションに違反しているのではないかということで4チームから抗議が起こったようです。この抗議に対して,MotoGPのスチュワードは却下の裁定を下しています。ただ,この裁定に対して4チームは納得しておらず,MotoGP控訴裁判所に控訴するための動きをしているようです。もしそうなると,判断が下されるのに時間がかかりますので,しばらくはこの点が話題となりそうです。もちろん,異議は却下されていますので,現段階ではリザルトに変更はありません。
2019/03/11(月)
☆接戦&初優勝(MotoGP)
○開幕戦となるカタールGPの決勝レースが,シリーズで唯一のナイトレースでの開催を行うロサイル・インターナショナル・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,ポールからスタートを切ったモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスがスタートに出遅れ,一挙に7番手まで順位を下げてしまいました。それに対して2番グリッドからのスタートしたミッション・ウィノウ・ドゥカティのA.ドビツィオーゾが好スタートを切り,この段階から彼がレースの主導権をに技いました。そのドビツィオーゾを先頭にして2位以下は激しく順位を入れ替えていき,その内にレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスとチーム・スズキ・エクスターのA.リンスを加えた3台によるトップ争いとなって行きました。残り3周となったところでリンスがラインを外して順位を下げ,昨年,一昨年と繰り広げられてきたドビツィオーゾとマルケスとの一騎打ちが展開されていきました。一旦マルケスがトップに立つことはあったものの,相変わらず速いドゥカティのパワーを生かしてストレートでドビツィオーゾがマルケスを交わし,わずか1000分の23秒差で逃げ切り,今季初戦を制しました。3位には,順位を下げたリンスを抑えてLCRホンダ・カストロールのC.クラッチローが入りました。トップ10フィニッシュを狙うLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,9番グリッドからスタートして狙い通りトップ10圏内での走行を続け,単独走行での9位フィニッシュとなっています。
今シーズンからトライアンフエンジンを搭載したマシンで争われるMoto2クラスは,フレックスボックスHP40のL.バルダッサーリと,昨年はMotoGPクラスにフル参戦したものの,彼にとってはフィットしたクラスではなく,再び今シーズンからMoto2クラスに変えてきたダイナボルト・インタクトGPのT.ルティとの2台によるトップ争いが展開されていきました。そして,このバトルをバルダッサーリが1000分の26秒差で制し,昨年5月に行われた第4戦以来の勝利を収めています。ルティにとっては,復帰1戦目でいきなり2位表彰台獲得となりました。その2台からは離されたものの,ルティのチームメイトであるM.シュロッターが3位に入りました。ONEXOX TKKR SAGチームの長島哲太は,わずか3周目で転倒を喫してしまい,開幕戦は転倒リタイアに終わっています。チームメイトのR.ガードナーは3位争いの中での4位に入っているだけに,明暗を分ける結果となっています。
今回のレースで,私たち日本人にとって注目となったのは,何と言ってもMoto3クラスでしょう。前日に行われた予選で3番グリッドを獲得したホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は,このクラスらしく13台によるトップ争いを展開していきました。徐々に絞られていったトップ争いは,レオパードレーシングのL.ダッラ.ポルタとステルリガーダ・マックス・レーシング・チームのA.カネトとのバトルとなり,最終的にわずか1000分の53秒差でダッラ.ポルタを押さえて通算37戦目にして嬉しい初優勝を飾りました。日本人が軽量級クラスで勝利するのは,2007年6月に行われた第7戦カタルニアGPにおいて,小山知良が優勝して以来12年ぶりとなります。他の日本人ライダー勢ですが,今シーズンからフル参戦を開始した小椋藍が,チームメイトである鳥羽からは1秒弱遅れはしたものの,11位でルーキーシーズンをスタートしています。ポイントを獲得したのはこのホンダ・チーム・アジア勢だけで,後は厳しいレース展開となりました。ボエ・スカル・ライダー・ムゲン・レーシングの真崎一輝と代役参戦のエストレージャ・ガルシア0.0の山中琉聖は,それぞれ19位と20位とポイント圏外で完走を果たしましたが,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生は4周目に追突され,ペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢はオープニングラップの6コーナーで多重クラッシュに巻き込まれてそれぞれリタイアに終わっています。
2019/03/10(日)
☆3メーカー(MotoGP)
○開幕戦方-るGPの予選が,砂漠の中にあるサーキットらしく,ドライコンディションとなったロサイル・インターナショナル・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,事前テストから好調な走りを見せ,昨シーズンの不振を振り払うような姿を見せていたモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスが,序盤からタイミングモニターのトップのトップに立ちました。他のライダーも彼のタイムを目指してアタックをしていきましたが,さらにタイムを縮めたビニャーレスを誰も上回ることができず,カタールで2年ぶりとなるポールを獲得しました。そのビニャーレスから約コンマ2秒遅れで,ミッション・ウィノウ・ドゥカティのA.ドビツィオーゾが2番グリッドを獲得しています。フリー走行3で2回の転倒を喫してしまっているレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,幸いなことに走行に支障はなかったようです。そのマルケスは,ドビツィオーゾからわずか1000分の1秒遅れで3番手タイムとなり,これで予選はトップ3メーカーがトップ3を分け合う形となりました。Q1から出場となったLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,そのQ1でチームメイトのC.クラッチローに次ぐ2番手で見事Q2に進出しました。さらに,そのQ2では,上位争いに顔を出すことができなかったものの,事前テストからトップ10フィニッシュを果たしてきた流れを維持するかのような走りを展開し,見事9番グリッドを獲得しています。
今シーズンからMotoGPクラスだけでなく,Moto2,Moto3クラスもフリー走行で下位だったライダーによって争われるQ1,上位&Q1突破者とで争われるQ2とに分かれての予選となりました。そのMoto2クラスですが,ダイナボルト・インタクトGPのM.シュロッターがトップタイムをマークし,参戦158戦目にして自身初のポールを獲得しました。エストレージャ・ガルシア0.0マークVDSのX.ビエルゲが,トップからコンマ146秒遅れで2番手タイムをマークし,昨年の最終戦から続いてフロントローを獲得しています。フリー走行で総合トップタイムだったフレックスボックスHP40のL.バルダッサーリは,トップからおよそコンマ2秒遅れで3番グリッドを獲得しています。このクラス唯一のフル参戦日本人ライダーであるONEXOX TKKR SAGチームの長島哲太はQ1からのスタートとなり,そのQ1を3番手タイムで突破してQ2に進出し,Q2でトップからコンマ812秒差で14番グリッドを獲得しています。
Moto3クラスは,フリー走行で総合トップタイムだったステルリガーダ・マックス・レーシング・チームのA.カネトが,Q2でもその勢いを持続し,一昨年の7月に行われた第9戦ドイツGP以来となるポールを獲得しています。レオパード・レーシングのL.ダッラ.ポルタが2番手タイムをマークし,自己最高位となる2番グリッドからのスタートを決めています。そして,昨シーズンは中盤以降から不振に陥ってシーズンを終えてしまっていたものの,今年に入って復活の兆しを見せていたホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡が,トップからコンマ226遅れの3番手タイムをマークし,自己最高位となる3番グリッドから今日行われる決勝レースを迎えることになりました。他の日本人ライダー勢ですが,Q2からの予選となったボエ・スカル・ライダー・ムゲン・レーシングの真崎一輝が13番グリッド,Q1を突破してQ2に進出したホンダ・チーム・アジアの小椋藍がルーキーとして臨んだ最初の予選で15番グリッドを獲得しています。他のライダーはQ1で敗退となっていて,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が19番グリッド,ペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢が22番グリッド,代役参戦となるエストレージャ・ガルシア0.0の山中琉聖が25番グリッドとなっています。
2019/03/09(土)
☆レコード更新(MotoGP)
○待ちに待ったMotoGPが開幕し,その初戦となるカタールGPが,砂漠の中にあるカタール・インターナショナル・サーキットで初日の走行が行われました。この日は午後に1回目のフリー走行が,日が暮れる頃から2回目のフリー走行が開始されるスケジュールとなっていました。日が暮れて照明に照らされる中で行われたMotoGPのフリー走行2では,次々にタイムが更新されていく激しい走行が行われていきました。そのような中でこの日の総合トップタイムをマークしたのは,脱臼癖を直すために手術を行い,事前テストでは万全な体調で走行できなかったレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスでした。開幕に間に合うように調整してきたマルケスは,本人が体調は戻ったことを表明していましたが,それを証明するかのような初日総合トップです。しかも,彼のマークしたタイムは,昨年J.ザルコがマークしたオールタイム・ラップ・レコードを更新するものでした。総合2番手タイムは,プレシーズンテストでトップタイムをマークし,昨シーズンの不調を払拭できるのではないかと期待されているモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスでした。チームメイトのV.ロッシは,1回目のフリー走行でトップタイム(2回目は17番手と後方に)をマークしていて,マルケスからはやや離されてはいるものの,ヤマハ勢の復活が期待できる初日となりました。総合3番手タイムは,インディペンデントチームながらドゥカティ勢ではトップとなるアルマ・プラマック・レーシングのJ.ミラーでした。事前テストでは,常にトップ10フィニッシュを果たしていて,開幕からの奪取が期待されているLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,12番手タイムで初日の走行を終えています。
今シーズンからトライアンフが供給するエンジンで争われるMoto2クラスは,フレックスボックスHP40のL.バルダッサーリが初日の総合トップに立ちました。2回目のフリー走行では,このバルダッサーリから15番手タイムまでがトップからコンマ8秒以内にひしめくという僅差の走行となっています。ちなみにその15番手タイムだったのが,このクラス唯一のフル参戦日本人ライダーで,今シーズン古巣であるSAGチームに戻った長島哲太でした。2番手タイムをマークしたのは,ダイナボルト・インタクトGPのM.シュロッターでした。3番手タイムは,長島のチームメイトで,かつてWGP500ccクラスでチャンピオンに輝いたレジェンドライダーの一人であるW.ガードナーの息子のR.ガードナーでした。
Moto3クラスは,ステルリガルダ・マックス・レーシング・チームのA.カネトが,自身初となる総合トップタイムをマークしました。そのカネトも,マルケスと同じくオールタイム・サーキット・ベストを更新するもので,総合2番手タイムとは,コンマ6秒弱という差をつけてのトップタイムでした。その2番手には,Moto2クラスにフル参戦していた昨シーズン,ストレート上で相手のブレーキを握るという危険行為をしたことから出場停止処分を受け,さらにチームからも解雇されてシーズン途中で参戦をとりやめる事態に発展したものの,今シーズンから再びMoto3クラスに戻り,新たにスナイパーズ・チームに所属してフル参戦することになっているR.フェナティでした。総合3番手タイムをマークしたのは,今シーズンもこのクラスにフル参戦している日本人ライダーの一人である鈴木竜生のチームメイトであるSIC58スクアドラ・コルセのN.アントネッリでした。その鈴木竜生は,17番手と初日はやや出遅れています。その他のフル参戦日本人ライダーは,ボエ・スカル・ライダー・ムゲン・レーシングの真崎一輝が9番手,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡が11番手,そのチームメイトで,今シーズンからフル参戦を開始した小椋藍が18番手,ペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢が19番手と全体的にやや出遅れています。なお,この大会では,代役としてエストレージャ・ガルシア0,0から山中琉聖が参戦していて,初日はブービーとなる28番手で終えています。
2019/03/08(金)
☆好調(SGT)
○SGTは来週末に岡山国際サーキットで今季最初の公式テストが行われる予定になっていますが,それを前にして,昨日からホンダが主催するメーカーテストが,鈴鹿サーキットで始まりました。このテストには,GT500クラスが13台,GT300クラスが7台エントリーしています。午前と午後に走行が行われましたが,まだ今季のマシンが十分に開発されている訳ではありませんし,特に午前中は強い風が吹いたりしていました。そのため,マシントラブルが原因だったり,強い風の中慣れないマシンを操作するためミスしたり等があり,赤旗が提示される自体が何度か起きました。そのような中での走行でしたが,多くのマシンが午前中の走行で最速タイムを刻んでいます。その午前の走行でトップタイムを幕下のは,ここまで行われたテストでトップタイムをマークしたりして好調な滑り出しを見せているカルソニックIMPUL GT-Rでした。昨年のチャンピオンマシンであるRAYBRIG NSX-GTが2番手タイムをマークしています。ちなみに,午前のタイムには及ばなかったものの,午後の走行ではRAYBRIG NSX-GTがトップタイムでした。3番手タイムは,KEIHIN NSX-GTがマークしています。なお,タイヤ別で見ると,上位にはブリヂストンタイヤ勢がつけています。
2019/03/07(木)
☆変更(F1)
○徐々に開幕戦が近付いてきているF1ですが,3月4日(月)に2月に一旦発表されていた今季のエントリーリストの更新版を発表しました。それによると,2月の発表におけるフェラーリのチーム名は『スクーデリア・フェラーリ・ミッション・ウィノウ』となっていましたが,今回発表されたリストでは昨シーズンまでと同じ『スクーデリア・フェラーリ』に戻されていました。『ミッション・ウィノウ』は,フェラーリのスポンサーをずっと続けてきているタバコブランドのフィリップ・モリス社が今年掲げているプロジェクト名です。ただ,タバコ広告禁止に抵触するのではないかという声が上がっていたのも事実です。今回の措置は,それに対応したものである可能性が高いと思われます。フェラーリ以外にも変更となっているチームがありますが,それらはタイトルスポンサーが変更になったことによる措置となっています。具体的には,『レーシングポイントF1チーム』(旧フォース・インディア)が『スポーツペサ・レーシングポイントF1チーム』に,『ウイリアムズ・レーシング』が『ロキット・ウイリアムズ・レーシング』に変更されています。また,レーシングポイントは,チーム名ではなくエンジン名を『BWTメルセデス』に変更しています。これは,水処理技術会社であるBWTとの間で,エンジンのネーミングライツ契約が結ばれたことによるもののようです。
なお,具体的なエントリーリストは,以下の表のようになっています。
2019年 F1エントリーリスト(更新版)
ドライバー チーム エンジン
44 L.ハミルトン メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ メルセデス
77 V.ボッタス
5 S.ベッテル スクーデリア・フェラーリ フェラーリ
16 S.ルクレール
33 M.フェルスタッペン アストンマーチン・レッドブル・レーシング ホンダ
10 P.ガスリー
3 D.リカルド ルノーF1チーム ルノー
27 N.ヒュルケンベルグ
8 R.グロージャン リッチエナジー・ハースF1チーム フェラーリ
20 K.マグヌッセン
55 C.サインツJr. マクラーレンF1チーム ルノー
4 R.ノリス
11 S.ペレス スポーツペサ・レーシングポイントF1チーム BWTメルセデス
18 L.ストロール
7 K.ライコネン アルファロメオ・レーシング フェラーリ
99 A.ジョビナッツィ
26 D.クビアト レッドブル・トロロッソ・ホンダ ホンダ
23 A.アルボン
63 G.ラッセル ロキット・ウィリアムズ・レーシング メルセデス
88 R.クビカ
2019/03/06(水)
☆入れ替わって(SF)
○2日間にわたって行われる今年に入って最初の合同テスト2日目の走行が,生憎の天候となった前日と違って,終日ドライコンディションとなった鈴鹿サーキットで行われました。前日がウェットということから,2日目は午前が15分,午後が30分,それぞれ走行時間が予定より延長されました。この日の走行では,どのチームも午前中は予選を想定した,午後はレースを想定したものとなり,タイム的には午前の走行で最速タイムが刻まれています。その午前の走行で速さを見せたのは,日曜日のモースポフェスの中で行われたフリー走行でワンツーとなったDOCOMO TEAM DANDELION RACING勢でした。フリー走行では昨年のチャンピオンである山本尚貴がトップでしたが,この日はその順位が入れ替わり,福住仁嶺がトップ,山本が2番手タイムでした。3番手タイムをTEAM MUGENのD.トゥクティムがマークし,ホンダエンジンユーザー勢がトップ3を占めました。エンジンで見ると,トップ10の内7台がホンダエンジンユーザーでした。
ロングランが中心となった午後の走行では,しばらくの間carrozzeria Team KCMGの小林可夢偉がタイミングモニターのトップに立っていました。残り5分を切ったところでタイムアップの走行に入り,最終的に前日に2番手タイムだったKONDO RACINGの山下健太がトップタイムをマークして今季最初の合同テストを締めくくっています。2番手タイムは,前日にトップタイムだったTCS NAKAJIMA RACINGのA.パロウがマークし,前日の順位と入れ替わった形になっています。しばらくトップタイムだった可夢偉は,最終的に3番手タイムでした。午後の走行では,トップ10の内パロウ以外は全てトヨタエンジンユーザーとなっています。
2019/03/05(火)
☆大幅アップ(SF)
○昨日は『モースポフェス2019 SUZUKA モータースポーツファン感謝デー』の中で行われたSFの走行でしたが,昨日から今季最初となる合同テストが始まりました。午前中は生憎の天気のためウェットコンディションの中での走行でしたが,午後になると少しずつ天候が回復していき,路面がどんどん乾いていくという難しいコンディションの中での走行となりました。そうした状況でしたから,当然午後の走行でタイムアップがなされていき,その中でトップタイムをマークしたのは,今シーズンからTCS NAKAJIMA RACINGに所属してSFにフル参戦を開始したルーキードライバーのA.パロウでした。昨日の走行は見合わせたパロウでしたが,一昨年の全日本F3選手権にフル参戦し,ランク3位に輝いた実績を持つだけに,ルーキーとはいえ鈴鹿サーキットの走行経験があることもあるだけに,持ち前のポテンシャルを発揮してのトップタイムでした。彼がマークしたタイムは,昨年最終戦のポールタイムを2秒更新するもので,パロウの速さはもちろんのこと,今シーズンから使用されているマシンであるSF19のポテンシャルの高さを示したものとなっています。2番手タイムをマークしたのは,昨年のチャンピオンチームであるKONDO RACINGに今シーズンも所属してフル参戦する山下健太でした。3,4番手には,それぞれN.キャシディ,中嶋一貴のVANTELIN TEAM TOM’S勢がつけています。前日に行われたフリー走行でトップタイムだった昨年のチャンピオンであるDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの山本尚貴は,17番手で初日を終えています。

☆ウェットは(JRR)
○上記のような4輪の国内最高峰SFの合同テストと当時に,2輪の最高峰であるJSB1000クラスの合同テストも開催されました。走行時間の違いから,SFは午後に入って時間が経てば立つほど良いコンディションとなって行きましたが,JSBの方は午前の走行の方がタイムがよく,トップタイムは午前中にマークされています。そのトップタイムをマークしたのは,ウェットコンディションと得意とするTeam HRCの高橋巧でした。その速さは圧倒的で,唯一2分16秒台に入り,2番手タイムだった昨年のチャンピオンであるYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行にコンマ9秒近い差をつけています。今シーズンも中須賀のチームメイトである野左根航汰が,中須賀から1秒以上遅れて3番手タイムでした。なお,今回の走行は,モースポフェスに参加したチームが対象となっています。なお,路面コンディションがあまりよくなかったことから,トップタイムの高橋は午後の走行を見合わせていますし,中須賀は逆に午後の走行から開始したりして,ライダーによって走行開始タイミングにズレがあります。タイムとしては最下位だったKYB MORIWAKI RACINGの高橋裕紀は,午前中にわずか4周(インラップ,アウトラップは除く)走行しただけで切り上げていたため,このタイムに終わっています。
2019/03/04(月)
☆ワンツー&新監督(SF)
○鈴鹿サーキットで行われていた『モースポフェス2019 SUZUKA〜モータースポーツファン感謝デー〜』2日目が開催され,午前中にSFのフリー走行が行われました。昨日もお伝えしたように,今シーズンからSF19という新しいマシンが採用されていて,この日はフル参戦する全車がそろい踏みとなりました。ただ,TCS NAKAJIMA RACINGからフル参戦するA.パロウについては,走行を行いませんでした。全チームが初めて揃っての走行となった中,トップタイムをマークしたのは,昨年のチャンピオンで,今シーズンはDOCOMO TEAM DANDELION RACINGに移籍してフル参戦する山本尚貴でした。チームもマシンも初めてながらトップタイムをマークしたところが,チャンピオンたるゆえんなのかもしれません。今季その山本とチームメイトとなる福住仁嶺が,およそコンマ7秒遅れの2番手タイムでした。トップ2がホンダエンジンユーザーであるDOCOMO TEAM DANDELION RACINGとなり,トヨタエンジンユーザーとしてはトップとなる3番手タイムを刻んだのは,ITOCHU ENEX TEAM IMPULの平川亮でした。当然チャンピオン争いに絡んで来るであろうVANTELIN TEAM TOM’S勢のN.キャシディと中嶋一貴は,それぞれ4,5番手タイムとなっています。
なお,今シーズンもcarrozzeria Team KCMGは小林可夢偉の1台体制でシーズンに臨みますが,同チームから3月2日(土)に発表があり,SFにおける同チームの監督として,今シーズンもSGTにNISMOからフル参戦することになっている松田次生が監督を務めることになりました。現在はSGTにフル参戦して2014,2015年に連覇している松田ですが,SFの前身であるフォーミュラ・ニッポンにおいて,2007,2008年と2連覇を飾った経歴を持っています。松田とKCMGとは,WECをはじめとしていくつかのレースで同チームから出場した経歴があり,その縁が今回の監督就任につながったと考えるのが自然でしょう。
2019/03/03(日)
☆合計時間で(SF)
○三重県にある鈴鹿サーキットにおいて,鈴鹿サーキットを経営するモビリティランド,その親会社であるホンダ,そしてトヨタの3社合同で『モースポフェス2019 SUZUKA〜モータースポーツファン感謝デー〜』が昨日から開催されています。その中で,SFを運営する日本レースプロモーション(JRP)が,今季の開催概要発表が行われました。昨年まではSF14というワンメークのシャーシが使用されてきましたが,今シーズンからは安全デバイスであるヘイローを搭載した新型マシンであるSF19が使用され,大きく変化するシーズンとなります。今回の発表によると,変化するのはマシンだけでなく,SFのルールにも変更が加わることになりました。その中で注目と言えるのが,SFにおいて追い抜きを促進するためのシステムである「オーバーテイクシステム(OTS)」に関しても大きく変更されることになりました。昨年までのこのシステムは,1レース5回作動することができ,オーバーテイクボタンを押すと1回につき20秒間パワーアップすることができました。このシステムが導入されてきてからはずっとこの方式でしたが,今シーズンはそこに変化が加わり,1レースにつき合計100秒間作動されることになるように変更されました。つまり,昨シーズンまでは1回当たりの秒数が決まっていましたが,今シーズンは1回当たりに作動する秒数は,その時によって選択することができるという訳です。ただし,合計100秒ということがありますから,1回を長くしてしまうと,作動回数や他の回の時の作動秒数が減るということになります。1回に100秒間作動することもできますが,当然回数はその1回限りということになります。昨年までは,マシンに5個のランプが付いていて,OTSを作動するとその度にランプが消灯していき,そのドライバーが何回OTSを作動させたかが観客などにも分かるようになっていました。今年から回数ではなく合計秒数となるため,ランプの色で残りの作動秒数が分かるようにし,残り100秒〜20秒までは緑色,20秒を切ると赤色に変化し,作動中はそのランプが点滅します。そして,全て使い切った場合,ランプは消灯します。ただ,本来OTSは追い抜きを促進するためのシステムなのですが,実際には追いつかれるのを防ぐため防御の意味から使用されることもありました。そこで,防御として使用することを制限するため,1度作動させると100秒間は再使用できないようインターバルが設けられることになりまた。そして,そのインターバル期間であることが分かるようにするため,頭上のランプはスロー点滅します。
2019/03/02(土)
☆最速タイム(F1)
○開幕前最後のプレシーズンテスト最終日の走行が,テストを通じてドライコンディションだったカタルニア・サーキットで行われました。開幕前最後の走行ということで,レッドブル以外全てのチームが一番柔らかいタイヤを履いてタイムアップを果たしていき,その中でトップタイムだったのはフェラーリのS.ベッテルでした。彼がこの日マークしたタイムは,今シーズン行われたプレシーズンの中での最速タイムとなります。テストを通してずっとタイムよりレースを想定した走行に徹していたメルセデスでしたが,この日ついに午前を担当したV.ボッタスと午後を担当したL.ハミルトンのどちらもタイムアップを敢行。ハミルトンはトップのベッテルからわずか1000分の3秒遅れの2番手,ボッタスはコンマ34秒遅れの3番手タイムをマークしました。唯一ミディアムタイヤでの走行だったレッドブルですが,実は本来その予定だけではなかったと思われます。というのも,この日わずか29周しかしていないからです。その原因は前日にあります。昨日お伝えしたように,前日担当したP.ガスリーがターン9でコースオフを喫してクラッシュしてしまいました。その後の走行を中止してマシン修復を図っていました。とりあえず修復を図って走行にこぎ着けたものの,パーツの寄せ集め的なものになっていたようで,29周走行したところでミッショントラブルが発生してマシンがストップ。結局そこで結局そのままテストを終了せざるを得ない状況となり,最終日の貴重な機会を失うこととなってしまいました。それに対して同じホンダ製パワーユニットを搭載するトロロッソは順調に走行していき,この日担当したD.クビアトは5番手タイムでテストを終了しています。さて,次はいよいよ3月17日に決勝日を迎える開幕戦オーストラリアGPです。今回のテスト結果は,使用したタイヤや燃料の搭載量,タイムアップを敢行した時間等の違いがありますから,そのまま比較することはできません。果たしてどのチームが開幕戦を制するのか,とても楽しみになってきました。特に,F1復帰以来なかなか結果が残せなかったホンダですが,今シーズンここまでノートラブルできていますから,期待できるシーズンとなりそうですね。
2019/03/01(金)
☆クラッシュ(F1)
○開幕前最後のプレシーズンテスト3日目の走行が,スペインのバルセロナにあるカタルニア・サーキットで行われました。この日もドライコンディションの中での走行となり,最速タイムを刻んだのは,今シーズンからフェラーリに所属するS.ルクレールでした。前日はS.ベッテルが担当して3番手タイムをマークしたものの,午後の走行でクラッシュしてそのまま走行をとりやめたフェラーリでしたが,マシンを修復してのトップタイムとなっています。この日は最も柔らかいタイヤを履いてタイムアップを果たしたチームが多かったようですが,フェラーリもその中の1つだったようです。同じく最も柔らかいタイヤを履いていたのがトロロッソのA.アルボンで,トップからコンマ651遅れでこの日の2番手タイムとなっています。2日連続してトップタイムだったのがマクラーレンですが,3日目はR.ノリスが担当し,柔らかいタイヤを履いて3番手タイムでした。レッドブルはP.ガスリーが担当してこの日の4番手タイムを午前中の走行の中でマークしていますが,午後の走行の中で,ターン9においてコースオフを喫して激しいクラッシュに見舞われてしまいました。幸いにもガスリー自身にケガはなかったようですが,マシンはかなり修復する必要があるため,3日目のガスリーの走行はここで終了となっています。
 

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