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最新ニュース

2019/04/29(月)
☆ランクトップ(F1)
○第4戦アゼルバイジャンGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったバクー市街地コースで行われました。レギュレーション違反等のため,レッドブルのP.ガスリーをはじめ3台がピットスタートになるという珍しい状況の中でスタートした決勝レースは,フロントローを独占したメルセデスAMG勢によるトップ争いがスタート時にありました。しかし,2番手スタートのL.ハミルトンは,さすがに同士討ちを行う訳にはいかず,ポールからスタートした同僚のV.ボッタスの先行を許しました。トップに立ったボッタスは,その後順調にトップの座を守っていき,ピットインのタイミングのズレにより順位が変わることがありましたが,それ以外は最後までトップに立ち,開幕戦以来となる勝利をポールトゥーフィニッシュで達成しました。ここまでランクトップに立っていたハミルトンは2位でゴールし,わずか1ポイント差ながらランキング争いでボッタスがハミルトンを逆転してトップに立っています。3位には,トップから11秒遅れてフェラーリのS.ベッテルが入っています。4番グリッドからスタートしたレッドブルのM.フェルスタッペンは,スタート時に順位を下げましたがその後ポジションを回復し,こちらもベッテルと同じく単独走行で4番手フィニッシュとなっています。ホンダ製PU勢ではこのフェルスタッペンのみがポイントを獲得していて,ペナルティによりピットレーンスタートをしたレッドブルのP.ガスリーは,どんどんポジションを上げて5位までなったものの,39周目にマシントラブルが発生して残念ながらリタイアに終わっています。トロロッソ・ホンダ勢は,A.アルボンが11位でチェッカーと惜しくもポイント獲得を逃し,D.クビアトはルノーのD.リカルドに巻き込まれる形で衝突し,コースに復帰したもののそれが原因でリタイアに終わっています。
2019/04/28(日)
☆独占(F1)
○第4戦アゼルバイジャンGPの予選が,夕日がだんだん沈んでいく時間中のバクー市街地コースで行われました。新しいコントロールユニットを投入したアルファロメオ・レーシングのA.ジョビナッツィは,これがレギュレーションで定められた規定数を超えることになるため,10グリッド降格ペナルティを受けていることが決まっていました。また,初日のフリー走行において,オフィシャルから計量の指示があったにも関わらずこれを無視したとしてレギュレーション違反に問われたレッドブルのP.ガスリーはピットレーンスタートの処分を受けることが決定しています。トップ10のグリッドを決めるQ3では,今シーズンも相変わらずの強さを見せているメルセデスAMG勢でした。ファイナルアタックまで続いた2人の最速タイム争いは,まずL.ハミルトンが最速タイムを刻みました。しかし,V.ボッタスがそのタイムをすぐに更新する速さを見せ,前戦に引き続いて2戦連続となるポールを獲得しました。1000分の55秒遅れでハミルトンが2番手となり,4戦目にして早くも3回目のメルセデスAMG勢によるフロントロー独占となりました。メルセデスの2台と同じ1分40秒台のタイムをマークして,フェラーリのS.ベッテルが3番グリッドを獲得しています。チームメイトのC.ルクレールは,Q2突破のタイムはマークしていたのですが,そのQ2の最後にクラッシュして赤旗の原因となり,Q3は走行できずに終わっています。4番グリッドは,レッドブルのM.フェルスタッペンが獲得しています。トロロッソ・ホンダ勢は,D.クビアトがQ3進出を果たし,6番グリッドを好位置につけて決勝レースを迎えることになりました。A.アルボンはQ2敗退となり,13番グリッドからのスタートとなります。
2019/04/27(土)
☆復活(EWC)
○現在は世界耐久選手権(EWC)シリーズの最終戦として開催されている鈴鹿8耐ですが,以前は単独のレースとして開催されていました。その当時は,国内のメーカーがワークスチームを編成し,GPライダーなど国内外の有力ライダーを投入して優勝争いをしていました。しかし,不況の影響などがあって各社共に規模を縮小し,各メーカー系のプライベートチームに委託したような形での戦いとなって行きました。そうした中,ヤマハが中須賀克行を中心にしてワークス活動を再開。その後は,ヤマハがずっと勝ち続けるようになっています。そうした状況を受け,昨年からかつては連勝を飾ってきたホンダがワークス活動を再開。今年も,昨年通り高橋巧を中心にした戦いに挑むことになります。それに対して,1993年にS.ラッセル&A.スライト組で悲願の優勝を飾ったカワサキですが,2001年をもってワークス活動から撤退し,2014年からカワサキのオートバイを販売するカワサキモータースジャパンが運営するTeam Greenでの参戦を行っています。しかし,SBKでは栄冠を連続して得ていながら,8耐では,表彰台には上るものの,優勝に至っていません。こうした状況を受け,この度カワサキから発表があり,今年からワークス活動を再開し,18年ぶりにKawasaki Racing Teamとして参戦することになりました。所属するライダーについても発表があり,SBKで4連覇中のJ.レイをエースライダーに,そのレイのSBKにおけるチームメイトであり,8耐で優勝経験のあるL.ハスラムが今年も参戦します。そして,昨年のJRR最終戦においてJSB1000クラスにスポット参戦し,今季はSBKにフル参戦しているトルコ人ライダーのT.ラズガットリオグルが3人目のライダーとして参戦することになりました。ヤマハは連覇に向け,そしてホンダは奪還に向け今年も有力ライダーを投入するでしょうから,今年の8耐は三つ巴のレースが展開されていくものと思われます。
2019/04/26(金)
☆初テストで(インディカー)
○世界3大レースの1つであるインディ500は,インディカーシリーズの第5戦として5月26日(日)に決勝レースが行われる予定になっています。そのインディ500は,決勝レースを迎える前にテストや予選,車検等いろいろなイベントをおよそ一ヶ月の期間をかけて少しずつ行っていくというスケジュールを毎年行っています。そして,今年最初のテストが,4月24日(水)に天候が不安定な中インディアナポリス・モーター・スピードウェイで行われました。この日の初テストですが,セッション開始直後から霧雨となり,その後本降りになったりして度々走行が中断されました。そのような不安定な状況の中,このテストで最速となったのは,バーバー・モータースポーツ・パークで開催された第3戦において,日本人ドライバーとして初となるポールトゥーウィンを達成しているレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨でした。一昨年日本人初(アジア人としても初)のインディ500ウィナーとなった琢磨ですが,2回目の栄冠に向けて好発進を切っています。
2019/04/25(木)
☆スペック2(F1)
○ホンダF1テクニカルディレクターを務める田辺豊治氏が,今週末に開催される第4戦アゼルバイジャンGPにおいてパワーユニット(PU)のアップデートを行うことを明らかにしました。第3戦中国GPの初日に行われたフリー走行において,トロロッソ・ホンダのD.クビアトにトラブルが発生しました。その原因を特定するため,ユニットごとホンダの開発拠点であるHRD Sakuraに送って調べた結果,内燃エンジン(ICE)の品質に関する課題が見つかったようです。そのため,さらなる品質向上に力点を置くと共に,若干のパワーアップも行ったスペック2エンジンを,ホンダ製PUユーザーであるレッドブル,トロロッソの両チーム合計4台に投入することとなりました。F1では,1シーズンにつき,ICE,MGU-H,ターボチャジャーを3基まで,MGU-K,コントロールエレクトロニクス,エネルギーストアを2基までペナルティなしで交換できることになっています。全21戦で3基までですから,単純に考えると7レースごとに新しいスペックのエンジンを投入することになります。ここまで1基目のエンジンを使用しているレッドブルですが,4戦目にして2基目の投入となる訳ですから,ほぼ間違いなく制限を超えることになります。そうなると,当然グリッド降格のペナルティを受けることになります。トロロッソに至っては,中国GPにおいて,クビアトにはトラブルが発生,A.アルボンは激しいクラッシュ劇を演じたことで,既に2基目が投入されていますので,今回の投入により規定数のMAXに達することになり,以後グリッド降格のペナルティを受けることが確実です。PUの性能的に余裕のあるメルセデスとフェラーリは,7レースごとに新しいスペックを投入する予定になっているでしょうから,ホンダはハンデを負うことになります。ただ,ホンダ側もチーム側もこうした事態は既に織り込み済みでしょうから,今後の信頼性とパワー向上,そして結果向上に期待したいところですね。
2019/04/24(水)
☆引退(ダカール・ラリー)
○日本レーシングマネージメント(JRM)と日野自動車から発表があり,JRPの現会長で,ギネス世界記録である同ラリー世界最多連続出場36回・世界最多連続完走20回という前人未到の記録を持つ菅原義正が,今年1月に行われたダカール・ラリーをもって引退することになりました。当時はパリ〜ダカール・ラリー(通称『パリダカ』)と呼ばれた1983年に2輪で初参戦を開始した菅原義正は,翌年から4輪に転向し,1992年からは日野自動車とタッグを組んで日野レンジャーを駆ってトラック部門へ参戦を開始しました。マシンに鯉のぼりをつけて走るのが,彼のトレードマークとなっています。今年で36年連続参戦となりましたが,その間トラック部門総合準優勝6回,排気量10リットル未満クラス優勝7回という輝かしい戦績を収めました。最後となった今年の大会は,残念ながら昨年に続いて途中リタイアに終わっています。ダカール・ラリーから引退するだけでなく,彼がプレーイングマネジャーを務めてきた『日野チームスガワラ』の代表の座も退くことになり,その後任には,彼の息子で,共にダカールラリーにドライバーとして参戦し,今年もクラス優勝を果たしている菅原照仁がプレーイングマネージャーとして引き継ぐことになります。今年78歳でダカールからの引退を決めた菅原義正ですが,彼のチャレンジングスピリットが失われた訳でなく,ダカール・ラリーへの参戦はありませんが,何らかのチャレンジはするということですので,今後どのようなチャレンジを見せるのか楽しみですね。
2019/04/23(火)
☆接戦(EWC)
○2輪の世界耐久選手権(EWC)シリーズの中でも中心となるレースの1つである第2戦『ル・マン24時間耐久レース』の決勝レースが,フランスのブガッティ・サーキットで行われました。昨年のこの大会の勝者で,日本人チームとしては史上初のチャンピオンを獲得したF.C.C. TSR Honda Franceは,転倒やブレーキトラブル等の不運が発生してしまい,残念ながら完走は果たしたものの,ポイント獲得からは遙かに遠い34位でレースを終えました。この大会で速さを見せたのは,Team SRC Kawasaki Franceでした。ピットインのタイミング等の違いから常にトップを走るということにはなりませんが,タイミングモニターのトップ付近に同チームはほぼ顔を出していました。残り15分となったところで他車の転倒によりセーフティカーが導入されましたが,その時点ではHonda Endurance Racingがトップに立ち,Team SRC Kawasaki Franceは2位を走行していました。万が一このセーフティカー先導のままで終わると速さを見せていたTeam SRC Kawasaki Franceの勝利が危うくなるところでしたが,無事リスタートとなり,ペースに上回る同チームがトップに立つと,Honda Endurance Racingの給油があったりしてトップの座を守り,見事この大会を制しました。3位には,耐久レースでお馴染みのSuzuki Endurance Racing Team(SERT)が入っています。大会前までランクトップに立っていたF.C.C. TSR Honda Franceがノーポイントに終わった結果,ランク6位に転落。優勝したTeam SRC Kawasaki Franceがランクトップに立ちました。ランク2位にはSERTが,ランク3位にヤマハ車を駆るWEPOL Racing がつけました。2位表彰台を獲得したHonda Endurance Racingは,ランク5位になりました。
2019/04/22(月)
☆完勝(JRR)
○第2戦の決勝レースが,ドライコンディションとなった鈴鹿サーキットで,SFとの併催で行われる2&4で行われました。この大会は,土曜日にレース1が,日曜日にレース2が行われました。土曜日に行われたレース1は,Team HRCの高橋巧が独走で今季初優勝を飾り,開幕戦を連勝で飾ったYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行が,デグナーカーブでまさかの転倒リタイアを喫するという結果に終わりました。2,3位には,それぞれヨシムラスズキMOTULの渡辺一樹,YAMAHA FACTORY RACING TEAMのの野左根航汰が入っています。
昨日行われたレース2は,ポールからスタートしたTeam HRCの高橋巧が,ホールショットこそ奪われたものの,すぐにトップに浮上するとレース1と同じように後続との差をどんどん広げて行きました。高橋巧のペースについて行けない他のライダーは,7台による2位争いという展開となりました。レースが進むに連れて2位争いの台数は徐々に絞られていき,その中でレース1においてリタイアを喫している中須賀克行が抜け出し,彼もまた単独走行となりました。彼の後ろでは,野左根航汰とMuSASHi RT HARC-PRO.Hondaの水野涼との3位争いが展開されました。最終的に高橋巧が2位に入った中須賀克行に17秒近い大差をつけて独走で2連勝を飾り,この大会で完勝した高橋はランキング争いでトップに立ちました。3位には,中須賀のチームメイトの野左根が入っています。

☆波乱(SF)
○今季開幕戦の決勝レースが,JRRとの併催となる2&4で行われました。土曜日に行われた予選では,TCS NAKAJIMA RACINGの牧野任祐がSFデビューレースでポールを獲得し,これは,同チームにとって9年ぶりのポール獲得となりました。セカンドグリッドA.パロウが獲得し,開幕戦はTCS NAKAJIMA RACINGがフロントローを独占する形で決勝レースがスタートしました。このレースはアクシデントやトラブルにより4回もセーフティカーが導入されるという荒れた展開となりました。予選で好結果を残したTCS NAKAJIMA RACING勢でしたが,牧野はしばらくの間トップに立つレースを展開したものの,最終的に両者共にマシントラブルによりリタイアという結果に終わってしまいました。それに対して,予選12番手に終わったVANTELIN TEAM TOM’SのN.キャシディが2番手を走行し,ピットストップを延ばすステイアウト戦略を採って最終盤までトップに立っていたcarrozzeria Team KCMGの小林可夢偉が燃料が持たないためたまらずピットインしたため,最後の最後でトップに立って荒れた展開の開幕戦を制しました。今シーズンから新しいマシンであるSF19を採用しているSFですが,キャシディがその最初のウィナーということになります。昨年のチャンピオンであるDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの山本尚貴は,一時順位を下げましたが,徐々に挽回していき,最終的に2位でフィニッシュして2連覇に向けてまずまずの結果を収めました。3位には,KONDO RACINGの山下健太が入っています。
2019/04/19(金)
☆生中継(EWC)
○2輪の世界耐久選手権(EWC)は,年をまたいで1つのシーズンが行われていて,昨年9月のボルドール24時間を開幕戦とし,今年7月に行われる予定の鈴鹿8耐が最終戦となっています。このシリーズの中で中心となるレースの1つが,4輪レースでは世界3大レースの1つとして有名なルマン24時間耐久レースです。WECシリーズの1つとして開催される4輪の方のルマンは来月行われる予定ですが,2輪のシリーズであるEWCのルマンの方は,今週末に決勝レースが行われる予定になっています。2輪と4輪のルマンには大きな違いがあって,4輪の方は一部公道を使っていますが,2輪の方はパーマネントコースであるブガッティ・サーキットのみを使用しています。MotoGPやSBKの方はこれまでレギュラー番組として中継が行われてきていますが,EWCシリーズも全戦が放送されるようになっています。そのルマン24時間の放送ですが,CS放送チャンネルの1つで,MotoGPをレギュラー放送している日本テレビ系列のG+で完全生中継されることになっています。放送時間は4月20日(土)の21:30〜翌23:00となっていて,ピットリポーターを務めるのは,日本人ライダーとして唯一シリーズチャンピオンを獲得している北川圭一です。長丁場のレースですが,ケーブルテレビなどG+視聴が可能な環境にある方は,ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。なお,オンライン動画配信サービスの1つであるHuluでも,G+と同じくライブ中継されることになっています。
2019/04/18(木)
☆2基目(F1)
○F1におけるパワーユニット(PU)に関するレギュレーションには当然いろいろな規制がありますが,その中で年間に使用できる基数に関するものがあり,その基準を超えるとグリッド降格のペナルティが科されるようになっています。その基準には,昨シーズンに引き続いて1人のドライバーあたり内燃機関,MGU-H,ターボチャージャーが年間3基まで,エネルギー貯蔵装置,コントロールエレクトロニクス,MGU-Kが年間2基までが使用可能ということになっています。週末に行われた第3戦中国GPにおいては,トラブルやクラッシュなどのアクシデントが起きたため,早くも5チーム9台がPUに関連するコンポーネントの交換を行ったようです。PU別に見ると一番多かったのはルノー製PU勢で,ワークスであるルノー・チームに加え,マクラーレンのR.ノリスがMGU-Kの交換を事前に行って第3戦を迎えています。今季最もパワーが出ているといわれているフェラーリ勢では,ワークスであるスクーデリア・フェラーリに加え,ハースF1がコントロールエレクトロニクスの交換を行っています。ホンダ製PU勢ではトロロッソ・ホンダにトラブルとアクシデントが出てしまっていて,まずD.クビアトにトラブルが発生したため,念のため内燃機関,ターボ,MGU-H,MGU-Kを交換しました。また,4月14日付のこのページでもお伝えしたように,A.アルボンがFP3において激しいクラッシュに見舞われてしまい,アルボン自身は無事だったものの,マシンは激しく損傷し,PU全体を念のために2基目を投入しました。クラッシュの際に搭載していたPUは,日本に送り返してチェックしているものと思われます。メルセデス製PUユーザーであるアルファロメオ・レーシングでは,A.ジョビナッツィが新しいコントロールエレクトロニクスに切り替えています。シーズンはまだ7分の1が終了しているだけですが,どのPU勢にも交換が発生しています。まだ基定数内に収まっていますからペナルティは誰も科されていませんが,結構早い段階でそういう憂き目を見るドライバーが現れそうですね。
2019/04/17(水)
☆作戦失敗(F1)
○昨シーズンもその傾向がありましたが,今シーズンのパワーユニットで最も馬力があるのはフェラーリではないかといわれています。それだけに,ここまで決勝レースにおいてメルセデスAMG勢の後塵を拝しているのはフェラーリとしても歯がゆい思いがあるものと思われます。週末に行われた中国GPにおいては,そうしたマシンの有利性が活かされず,逆にチームの作戦ミスが結果に反映してしまった感もあります。その作戦とは,度々F1等で問題視されるチームオーダーです。今回の場合,トップ2を占めていたメルセデスAMG勢をフェラーリのC.ルクレールが追っていたのですが,ルクレールの後ろを走行していたチームメイトのS.ベッテルの方がペースがいいと判断し,ベッテルを先行させるチームオーダーを発令しました。ところが,実際にベッテルが前に出ても,ルクレールの後ろを走行していた際にタイヤを傷めたことがあったとのことで,メルセデスAMG勢を脅かすことができませんでした。さらに,その後ルクレールが2回目のタイヤ交換を伸ばしてタイヤ交換を済ませたV.ボッタスを押さえていましたが,結果的にベッテルが彼を交わすことができませんでした。この作戦の影響により,その後ルクレールはレッドブルのM.フェルスタッペンの先行を許すことになり,結果的にベッテルはメルセデスAMG勢に次ぐ3位,ルクレールはフェルスタッペンに次ぐ5位でのチェッカーとなりました。マシンの性能を十分に活かすことが現段階でできていない印象のフェラーリですが,今後どのような巻き返しを図るのか注目点の1つとなりそうです。
2019/04/16(火)
☆全勝継続(SBK)
○全勝といえば,MotoGPにおけるレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが,アメリカにおける大会でずっと連勝記録を続けていて,今年の大会がその記録を継続できるか注目されていました。決勝レースがスタートすると,予選と同じようにマルケスの速さが圧倒的で,後続との差をどんどん広げて独走状態に持ち込み,記録継続かと思われましたが,まさかの転倒を喫してリタイアとなり,全勝記録が途切れてしまいました。今シーズンのもう一つ注目の全勝記録は,SBKにおけるAruba.it レーシング-ドゥカティのA.バウティスタです。昨シーズンまでMotoGPにフル参戦してきたバウティスタですが,今シーズンからドゥカティのワークスライダーとして戦いの場をSBKに移しました。彼にとってのデビューイヤー,そして彼が駆るドゥカティ・パニガーレV4 Rにとってもデビューイヤーとなる今シーズンですが,第3戦まで全てのレースをこの組み合わせが勝利してきました。そのような状況の中,週末に第4戦オランダ大会が,TTサーキット・アッセンで開催されました。オランダといえば『ダッチウェザー』と言われるほど不安定な天候で有名ですが,この大会もその名に恥じない(?)状況となりました。今シーズンから通常は土曜日にレース1が,日曜日にスーパーポール・レースとレース2が行われ,全3レースとなっていますが,土曜日の天候が不安定で,レース1が2度もディレイとなったものの,結局実施することができず,日曜日に延期することになりました。そのため,スーパーポール・レースがキャンセルとなり,この大会はレース1と2の2レース制となりました。そうした不安定な状況の中,バウティスタ自身に変化はなく,この大会でも圧倒的な速さを見せる結果となりました。レース1では,今回も2位に入ったカワサキ・レーシングチーム・ワールドSBKのJ.レイに3秒以上の差をつけて優勝。レース2では,そのレイとパタ・ヤマハ・ワールドSBKチームのM.ファン.デル.マークとの間で激しい2位争いが展開される中,その2位に4秒以上の差をつける独走でこのレースも制し,開幕,そしてデビュー以来11連勝という結果となって全勝記録を続けています。SBKでは,マシン差を少しでもなくすために性能調整が行われていますが,今大会からホンダとドゥカティのエンジン回転数の上限が変更されました。全勝しているドゥカティ・パニガーレV4 Rは16,350回転から250回転下がった16,100回転に,トップ10フィニッシュさえも厳しい状態が続いているホンダCBR1000RR SP2は14,550回転から500回転上がり15,050回転となっていたのです。それでもこの結果ですから,もしかしたらさらなる性能調整が行われる可能性があります。なお,レース2で2位に入ったのは,バトルを制したファン.デル.マークでした。また,レブリミットが上げられる性能調整を受けたホンダですが,レース1ではL.キャミア,清成龍一共にポイントを獲得できたものの,それぞれ11位,15位とトップ10フィニッシュを果たしていません。また,レース2では,キャミアが12位完走を果たしていますが,清成はマシントラブルによりリタイアに終わっています。
2019/04/15(月)
☆初優勝(MotoGP)
○第3戦アメリカズGPの決勝レースが,不安定な天候だった前日と違い,ドライコンディションとなったサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われました。MotoGPクラスは,アメリカでのレースでいまだ負けなしの状態を続けているレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスがポールからスタートしました。スタート時はやや出遅れたものの,すぐにリカバリーしてホールショットを奪うと,後は後続との差をどんどん広げて行きました。前戦も同じような展開となりましたし,ここでは圧倒的な強さを見せるマルケスだけに,このまま独走していくのではないかと思われました。ところが,確かに独走態勢を築いてきた9周目の12コーナーで,マルケスが転倒を喫してしまったのです。何とか復帰を試みましたがそれは叶わず,ここでマルケスの連勝はストップすることになりました。マルケスの脱落でトップに立ったのは,前戦で2位表彰台を獲得しているモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのV.ロッシでした。徐々にポジションアップしていき,ロッシの背後に迫ってきたのは,チーム・スズキ・エクスターのA.リンスでした。今シーズン優勝を狙うスズキのエースは,ロッシとテールトゥーノーズになると,残り4週となったところでついにロッシをとらえてトップに立ちました。ロッシも逆転を狙ってプッシュしましたが,最後まで守り切ってリンス自身最高峰クラスでの初優勝を飾りました。スズキにとっては,2016年の第12戦イギリスGPでM.ビニャーレス以来の優勝となります。3位には,ワークスライダーを従えてドゥカティのサテライトチームであるプラマック・レーシングのJ.ミラーが入っています。前日まで思うようにペースが上げられなかったLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,15番グリッドからスタートして最終的に10位でチェッカーを受け,何とか3戦連続してのトップ10フィニッシュを果たしています。ちなみに,この日のホンダ勢は悪夢に見舞われていて,マルケスと中上のチームメイトであるC.クラッチローは転倒リタイア,レプソル・ホンダ・チームJ.ロレンソはマシントラブルでリタイアとなっていて,ホンダ勢では唯一中上が完走,ポイント獲得となっています。
Moto2クラスは,今シーズンMotoGPクラスから再びこのクラスに帰ってきたダイナボルト・インタクトGPのT.ルティが,最終的に2位に2秒以上の差をつけてトップでチェッカーを受け,彼にとっては一昨年の第13戦以来となる優勝を飾りました。彼のチームメイトであるM.シュロッターが,3位に3秒以上の差をつけて2位に入りました。その3位には,ベータ・ツールズ・スピードアップのJ.ナバーロが入っています。前日までなかなか上位に顔を出せなかったONEOXO TKKR SAGチームの長島哲太は,今季自己最高位タイとなる12番手でゴールしています。
Moto3クラスは,6番グリッドからスタートしたステリルガルダ・マックス・レーシング・チームのA.カネトが,トップ争いを制してチェッカーを受け,自身にとって一昨年の第12戦以来となる勝利を収めています。2,3位にはベスター・キャピタル・ドバイ勢が入っていて,それぞれJ.マシア,A.ミニョが入っています。期待された日本人勢は全体的に奮わず,ルーキーライダーであるホンダ・チーム・アジアの小椋藍の11番手が最高位でした。ポイント獲得は彼だけで,ボエ・スカル・ライダー・ムゲン・レーシングの真崎一輝は,完走したものの16番手でチェッカーとなり,ノーポイントに終わっています。残りの3人である佐々木歩夢,鈴木竜生,鳥羽海渡はリタイアに終わっています。鳥羽はノーポイントに終わったため,ここまで守っていたランクトップの座を譲り,ランク5位まで転落しています。

☆メモリアルレース(F1)
○第3戦中国GPの決勝レースが,レースウィークを通してドライコンディションとなった上海インターナショナル・サーキットで行われました。この大会は,F1通算1000戦目のメモリアルレースとなっています。そのメモリアルレースで速さを見せたのは,ポールからスタートしたメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。好スタートを切ってトップの座を守ってホールショットを奪うと,ピットインのタイミングの時を除いて安定した速さを見せてトップの座を守り続け,最終的に2位に6秒の大差をつける独走で今季2勝目を挙げました。トップからは離されたものの,逆に3位に6秒の差をつけてV.ボッタスが入り,2戦連続,そして順位は違いますが,3戦連続してメルセデスAMG勢のワンツーフィニッシュとなりました。一時期はフェラーリのS.ベッテルとレッドブルのM.フェルスタッペンとで3位争いが展開されましたが,激しいバトルの末にベッテルが3位の座を守ると,それ以後はそれぞれ単独走行となり,ベッテルが3位表彰台を獲得しています。残念ながら今回も表彰台を逃したフェルスタッペンですが,ランク3位の座は守っています。フェルスタッペンのチームメイトであるP.ガスリーは6位フィニッシュを果たし,今季自身最高位となると共に,前戦に続いてダブル入賞となっています。トロロッソ・ホンダ勢は,前日に激しいクラッシュ劇を演じてモノコック交換となってしまったA.アルボンが,ワンストップ作戦を採って粘り強い走りを展開し,ピットレーンスタートをものともせず10位に入って見事ポイントを獲得しています。チームメイトであるD.クビアトは,残念ながらリタイアに終わっています。

☆大荒れ(SGT)
○今季開幕戦の決勝レースが,岡山国際サーキットで行われました。この日の岡山は,朝から雨に見舞われ,事前の予報では雨が止むということでしたが,時間が経つと予報が変更となり,終日雨に見舞われるという予報となりました。決勝レース開始時は,その予報通り雨に見舞われ,時折強い雨が降ったりする天候不順となり,こうしたことがレースにも影響してか,レース自体も大荒れとなりました。GT500クラスのレース序盤は,昨年のチャンピオンである山本尚貴&J.バトン組のRAYBRIG NSX-GTと,塚越広大&B.バゲット組のKEIHIN NSX-GTとがワンツー体勢を築きました。レースは,路面状況やアクシデントにより荒れた展開となって赤旗でレースが中断したり,セーフティカー先導となったりしながら進んでいきました。そうしている内に3位に野尻智紀&伊沢拓也組のARTA NSX-GTが3位に浮上し,トップ3をホンダNSX-GTが独占しました。ウェットコンディションでリスタートを切った時,ミッドシップマシンであるNSX-GTはタイヤがあたたまるのが早く,これがこうした状況で有利に働いていたということが考えられます。このままホンダがトップ3独占かと思われたのですが,24周目にトップを行くRAYBRIG NSX-GTをKEIHIN NSX-GTがパスしようとアタックをし,この時KEIHIN NSX-GTがRAYBRIG NSX-GTを押し出してリタイアに追い込むという同士討ちを演じてしまったのです。押し出したKEIHIN NSX-GTはコースにとどまってトップとなり,程なくして雨脚が強まったこともあって赤旗でレースは再び中断。その後,協議の結果,レースはそのまま終了となり,ハーフポイントが与えられるというリザルトとなりました。レース終了後,トップをリタイアに追いやったKEIHIN NSX-GTにペナルティが科され,自動的に2位だったARTA NSX-GTが繰り上がって優勝となりました。2位以下はGT-Rの独壇場となり,2,3位には,それぞれポールスタートした松田次生&R.クインタレッリ組のMOTUL AUTECH GT-R,事前テストから好調だった佐々木大樹&J.ロシター組のカルソニック IMPUL GT-Rが入っています。さらに,4,5位にもGT-Rが入っています。ここ2年間不調だったGT-Rですが,今シーズンは巻き返しが期待されるシーズンとなりそうな開幕戦となりました。
GT300クラスは,雨に濡れた路面の影響によりアクシデントとクラッシュが多発し,まさに荒れたレース展開となりました。最終的に赤旗のままレース成立となり,その段階でトップたっだ新田守男&阪口晴南組のK-tunes RC F GT3が勝者となりました。これにより,ここまでこのクラスの最多勝利数タイの記録を持つ新田守男は,通算勝利数21となって単独トップに立っています。2,3位には,それぞれポールスタートの高木真一&福住仁嶺組のARTA NSX GT3,脇阪薫一&吉田広樹組の埼玉トヨペットGB マークX MCが入っています。
2019/04/14(日)
☆余裕(MotoGP)
○第3戦の予選が,不安定な天候となったサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で行われました。この日のCOTAは,激しい雨に見舞われる天候となり,午前中に行われる予定だったFP3がキャンセルになるという事態となりました。しかし,天候が回復していき,それに伴って路面コンディションも乾いていき,Moto3クラスの予選はウェット路面だったものの,MotoGPやMoto2クラスの予選はドライコンディションでの走行でした。ドライでの走行となったMotoGPクラスは,COTAで開催されて以来ずっと勝利を収めているレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,この日の予選でもその速さは変わらず,Q2開始早々にトップタイムをマークすると,他のライダーはそのタイムをターゲットにアタックをしていきましたが,誰も上回ることができず,2戦連続,COTAでは7年連続となるポールを余裕で(?)決めました。前戦でマルケスに次ぐ2位表彰台を獲得したモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのV.ロッシは,そのマルケスには届かなかったものの,見事今季自己最高位となる2番グリッドを獲得しています。3番グリッドは,LCRホンダ・カストロールのC.クラッチローが獲得し,今季表彰台に上った経験のある3人がフロントローを占めています。今回の予選で注目となったのはレッドブルKTMファクトリー・レーシングのP.エスパルガロで,Q1を突破するとQ2でも速さを見せ,KTMに移籍以来自己最高位となる5番グリッドを獲得しています。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,Q1での敗退となり,決勝レースは15番グリッドからスタートすることになりました。
Moto2クラスは,前日に行われたフリー走行で総合トップタイムを刻んだダイナボルト・インタクトGPのM.シュロッターが,予選でも速さを見せてトップタイムをマークし,開幕戦以来となる今季2回目のポールを獲得しています。そのシュロッターからわずか1000分の58秒差で2番グリッドとなったのは,前戦で3位表彰台を獲得しているエストレージャ・ガルシア0,0マークVDSのA.マルケスでした。3番グリッドは,フェデラルオイル・グレシーニMoto2のS.ローズが獲得しています。唯一のフル参戦日本人ライダーであるONEXOX TKKR SAGチームの長島哲太は,14番グリッドから決勝レースを迎えることになりました。
路面が十分には乾いていなかったため,ウェットコンディションでの走行となったMoto3クラスは,SIC58スクアドラ・コルセのM.シュロターがトップタイムをマークし,昨年の開幕戦以来となるポールを獲得しています。そのシュロッターからおよそコンマ5秒とやや離されたものの,サマ・カタール・アンヘル・ニエト・チームのR.フェルナンデスが2番グリッドを獲得しています。3番グリッドは,コマリング・グレシーニMoto3のG.ロドリゴが獲得しています。前日に総合2番手タイムをマークして期待されたSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生は,7番手タイムをマークしてサードローからのスタートを決めています。その他の日本人勢は上位進出がならず,ボエ・スカル・ライダー・ムゲン・レーシングの真崎一輝が16番手,ペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢が17番手,ホンダ・チーム・アジアの小椋藍が19番手,ここまでランクトップを行くホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は,Q1で転倒を喫したため最下位となる24番手で予選を終えています。

☆色分け(F1)
○第3戦中国GPの予選が,ドライコンディションとなった上海インターナショナル・サーキットで行われました。前日に行われたフリー走行で総合トップタイムをマークしたメルセデスAMGのV.ボッタスは,予選でもその速さは変わらず,今季初となるポールを獲得しています。速さを見せたのは彼だけでなく,チームメイトで前戦の勝者であるL.ハミルトンが,ボッタスと同じく1分31秒5台をマークして2番手タイムとなり,フロントローをメルセデスAMG勢が独占しています。前日は総合2番手タイムだったフェラーリのS.ベッテルは,1分31秒8台となり,3番グリッド獲得にとどまりました。4番グリッドをC.ルクレールが獲得し,フェラーリ勢がセカンドグリッドを独占しています。そうした色分けは,後続でもはっきりとしていて,レッドブルのM.フェルスタッペンとP.ガスリーがそれぞれ4,5番手タイムをマークしてサードローを独占しています。以下も同じような流れになっていて,レッドブル勢の次はルノー勢,その次はハース勢と,トップ10はチームメイトがきれいに並んだ形となっています。トロロッソ・ホンダ勢は,D.クビアトがQ2に進出して11番グリッドを獲得しています。しかし,チームメイトのA.アルボンは,予選前に行われたFP3において,最終コーナー脱出時に姿勢を乱して芝生部分に飛び出し,マシンコントロールを失ってタイヤバリアに激しくぶつかるクラッシュ劇を演じてしまい,その損傷の激しさからシャーシ交換が必要となって予選をキャンセルしています。なお,あまりに激しいクラッシュでしたが,アルボン自身は歩いてピットに戻っていますから,決勝レースは出場できるものと思われます。

☆はっきりと(SGT)
○今季開幕戦の予選が,やや気温は低くなったものの,好天に恵まれた岡山国際サーキットで行われました。GT500クラスは,混沌とした状況が予想されていましたが,今回の予選に関してはメーカーごとに分かれるような結果となりました。Q2で一旦トップ2を占めたのは,昨年のチャンピオンカーであるNSX-GT勢でした。しかし,セッション最終盤に入ってここ2年間不振に陥っていたCT-R勢が巻き返し,最終的にニッサンのエースカーである松田次生&R.クインタレッリ組のMOTUL AUTECH GT-Rがポールを獲得しました。それに次いだのは,佐々木大樹&J.ロシター組のカルソニック IMPUL GT-Rで,開幕戦はニッサン勢がフロントローを独占する結果となりました。最後に逆転は許したものの,昨年のチャンピオンである山本尚貴&J.バトン組のRAYBRIG NSX-GTが3番グリッドを,塚越広大&B.バゲット組のKEIHIN NSX-GTが4番グリッドを獲得し,ホンダ勢がセカンドローを独占しています。レクサス勢では,平川亮&N.キャシディ組のKeePer TOM’S LC500の7番グリッドが最高位でした。
さらに混沌が予想されていたGT300クラスですが,高木真一&福住仁嶺組のARTA NSX GT3がトップタイムをマークしてポールを獲得し,セカンドグリッドは新田守男&阪口晴南組のK-tunes RC F GT3が獲得しています。奇しくも,マシンこそ違え,実績のある超ベテランドライバーと,それぞれホンダ,トヨタ期待の若手ドライバーとの組み合わせによるフロントローとなっています。3番グリッドは,マシンとしては今シーズン限りとなる公算が強い脇阪薫一&吉田広樹組の埼玉トヨペットGB マークX MCが獲得しています。
2019/04/13(土)
☆僅差(MotoGP)
○第3戦アメリカズGPがドライコンディションとなったサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。MotoGPクラスでは,午後から行われたフリー走行2において,今季予選では速さを見せているモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスが,前戦でポールトゥーフィニッシュを決めているレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスと僅差のトップタイム争いを展開しました。そして,最終的に1000分の44秒差でビニャーレスがトップタイムとなり,これがこの日の総合トップでした。前戦で久々に2位表彰台を獲得したモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのV.ロッシが,マルケスからおよそコンマ1秒遅れで総合3番手タイムをマークしています。前戦でドライコンディションでは自己最高位となる7位を獲得したLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,15番手タイムとやや出遅れた初日となりました。
Moto2クラスは,ダイナボルト・インタクトGPのM.シュロッターが好調な走りを見せ,この日の2回のセッションともにトップタイムをマークし,初日総合トップに立っています。しかも,チームメイトのT.ルティが総合2番手となっていて,チームとして盛り上がった初日となっています。総合3番手は,前戦で3位表彰台を獲得したエストレージャ・ガルシア0,0マークVDSのM.マルケスでした。ONEXOX TKKR SAGチームの長島哲太は,チームメイトで,2位表彰台を前戦で獲得したR.ガードナーに次ぐ11番手タイムで初日を終えています。
Moto3クラスは,今季このクラスに復帰したVNEスナイパーズのR.フェナティが,2015年8月に行われた第12戦イギリスGP以来となる初日総合トップに立ちました。そのフェナティからコンマ275秒遅れで総合2番手タイムだったのが,今季自己最高位となるSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生でした。チームメイトのN.アントネッリが,鈴木に次ぐ総合3番手タイムをマークして初日を終えています。その他の日本人勢は,ペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢が9番手,ボエ・スカル・ライダー・ムゲン・レーシングの真崎一輝が13番手,ホンダ・チーム・アジアの小椋藍が17番手タイムをマークし,開幕戦を制したホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は23番手とやや出遅れました。

☆好調ながらも(F1)
○第3戦中国GPが快晴となった上海インターナショナル・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。午後から行われたフリー走行2では,メルセデスAMGのV.ボッタスとフェラーリのS.ベッテルとがトップタイム争いを展開し,最終的にボッタスが1000分の27秒差でこの争いを制しています。レッドブルのM.フェルスタッペンがボッタスと同じく1分33秒台をマークし,総合3番手タイムで初日を終えています。フェラーリとフェルスタッペンはいい結果が出て好調さがうかがわれますが,実は不安材料も出た初日となっています。というのも,まずフェラーリですが,チームメイトのC.ルクレールが,冷却系にトラブルが出たということでセッションを途中で切り上げています。また,レッドブルと同じくホンダ製パワーユニットを搭載しているトロロッソ・ホンダのD.クビアトが駆るマシンで,センサーが異常を感知して,時間的制約があったということあって全交換という措置が採られています。また,フェルスタッペン自身は,セッション終了直後にクラッチの不具合を訴えたようですし,トロロッソ・ホンダのA.アルボンは,車検待ちの時に左前輪が過熱して燃え出すというアクシデントに見舞われています。
2019/04/12(金)
☆4輪と(MotoGP)
○今日から第3戦アメリカズGPが,,サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で行われますが,それを前にしてタイトルスポンサーについて発表がありました。今回発表を行ったのは,ドゥカティのサテライトチームの中で最も中心となるプラマック・レーシングです。同チームといえば,イタリアの機械,工作メーカーであるイタリアの企業プラマック社がタイトルスポンサーを務めていますが,同社のCEOであるL.スカボーンが脱税の疑いで先月逮捕されるという事態になっています。こうした状況の影響からか,前戦アルゼンチンGPにおいて同社のロゴがプラマック・レーシングのマシン等から外されていました。今回の発表によると,アメリカズGPにおける同チームのタイトルスポンサーとしてイタリアのスーパーカーメーカーとして私たち日本人にも馴染みのあるランボルギーニ社と契約が成立しました。既にそのカラーリングも発表されていて,サイドカウルやリアカウルなどに同社のロゴが飾られています。2輪と4輪のコラボとなる訳ですが,ランボルギーニ社の親会社はイタリアの最大カーメーカーであるフィアットで,そのフィアットといえば,2007年から4年間にわたってヤマハワークスのタイトルスポンサーを務め,V.ロッシやJ.ロレンソがそのマシンを駆った時期がありました。今回は,それを少し思い出させる発表でした。
2019/04/11(木)
☆引退(WRC)
○昨シーズンまでラリーとサーキットレースを組み合わせたシリーズであるWorldRXに,自らのチームを率いてフル参戦していたP.ソルベルグから発表があり,世界選手権から身を引くことになりました。今回世界大会からの引退を発表したソルベルグといえば,かつて彼がフル参戦していたWRCにおいてスバルに所属し,2003年にはインプレッサを駆ってC.サインツをはじめ,S.ローブといったレジェンドドライバーと激しいチャンピオン争いを展開して見事タイトルを獲得し,WRCにおけるスバルの一時代を築いた1人でもありました。WRCでの活動に終止符を打ってからは,2014年に創設されたWorldRXに自らのチームであるPSRXからフル参戦し,初代チャンピオンに輝くと,その翌年に2年連続してシリーズチャンピオンに輝いています。その後はドライバーとしてのタイトルを獲得できていませんが,昨年,一昨年にはフォルクスワーゲンの支援を受けてチームタイトルを獲得しています。今シーズンは,彼が共に開発に携わってきたフォルクスワーゲンがラリークロスから撤退をしたため,チームとして活動を休止していました。引退ということではありますが,これは世界選手権からのということで,レーシングドライバーとしての引退で,世界各地で開催されているいずれかのカテゴリーで彼の走りを見ることは出来るようです。
2019/04/10(水)
☆全勝(SBK)
○第3戦スペイン・アラゴン大会の決勝レースが,レース1は4月6日(土)に,スーパーポール・レースとレース2が4月7日(日)に行われました。第2戦までの6レース全てで勝利を収めているAruba.it Racing ? DucatiチームのA.バウティスタは,ここでも圧倒的な速さを見せて全てのレースで独走態勢を築き,レース1は2位とおよそ15秒,スーパーポール・レースは2位と6秒弱,レース2は2位と7秒弱と差をつけての優勝でした。昨年までMotoGPで戦ってきたバウティスタですが,今シーズンからドゥカティのワークスライダーとしてSBKにフル参戦を開始。そのデビューレースから今回の第3戦までの9レース全て勝利を飾るという偉業を成し遂げてきています。そのバウティスタの後塵をここまでの9レース全てで拝し続けてきているのが,昨年までのチャンピオンであるKawasaki Racing Team WorldSBKのJ.レイです。昨シーズンまでは彼が圧倒的な速さでチャンピオンシップを常にリードしていきましたが,今年は完全にバウティスタにそのお株を奪われた戦いを強いられています。トップ2については同じ顔ぶれですが,3位は何人かの顔ぶれが見られ,今回の場合,レース1がバウティスタのチームメイトであるC.デイビス,スーパーポール・レースがPata Yamaha WorldSBK TeamのA.ローズ,レース2がデイビスとなっています。今シーズンから投入されているドゥカティのパニガーレV4Rですが,バウティスタが全勝,デイビスも度々表彰台を獲得していますので,今後性能調整という方向性が出てくる可能性が出てきておかしくないのかもしれませんね。
2019/04/09(火)
☆日本人初(インディカー)
○第3戦の決勝レースが,アメリカ南部のアラバマ州バーミンガムにあるバーバーモータースポーツパークで行われました。前日に行われた予選では,今シーズンから古巣となるレイホール・レターマン・ラニガンに戻った佐藤琢磨が,2017年ポコノ以来今季初のポールを獲得しました。ポールからスタートした琢磨は,抜群のスタートダッシュを決めてホールショットを奪いました。その後も他のマシンを上回る走りを展開し,後続との差を広げて行きました。順調にトップを走行していった琢磨でしたが,2度ほど危ない場面がありました。その1つが1回目のピットストップで,タイヤ交換にピットクルーが手こずって他のマシンと比べるとやや長めのピットとなりました。しかし,コースインした琢磨は速いペースでラップしてそれを取り返し,無事トップの座を守ることに成功しました。2度目の場面は残り5周となった時のターン8で,ラインがアウト側に膨らんだために芝に飛び出してしまったのです。しかし,幸いなことにマシンにダメージはなく,タイムロスも最小限に抑えてコースに復帰することに成功し,トップの座を譲ることはありませんでした。わずかな残り周回も難なくこなし,見事今季初優勝を飾りました。昨年のポートランド戦以来通算4回目となる琢磨の勝利は,自身初はもちろん,日本人としても初となるポールトゥーウィンです。ポール獲得のポイント,勝利のポイント,そして最多リードラップもマークしてこの点でのポイントも獲得していて,まさに完勝とも言える今回の勝利でした。なお,2位,3位には,それぞれチップ・ガナッシのS.ディクソン,デイル・コイン・レーシングのS.ブルデーが入っています。
2019/04/08(月)
☆同一順位(JRR)
○今シーズンの開幕戦の決勝レースが,ドライコンディションとなったツインリンクもてぎで行われました。この大会におけるJSB1000クラスは,土曜日にレース1が,日曜日にレース2が行われる2レース制で行われました。この2レースのリザルトを見ると,トップ6が全く同じ順位で終了しています。優勝争いも同じような展開となっていて,トップを行くYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行を,Team HRCの高橋巧が追うというものでした。レース1では,中須賀が最後に高橋との差を広げて行き,最終的におよそコンマ8秒の差をつけてトップチェッカーを受けました。レース2における2人のバトルはファイナルラップまで続き,中須賀が最後まで高橋の追撃をかわしてトップでチェッカーを受け,コンマ113秒の僅差で開幕から連勝を飾っています。3位には,こちらも予選から同様にトップ争いの2人から遅れを取ってYAMAHA FACTORY RACING TEAMの野左根航汰が入っています。4,5,6位には,それぞれヨシムラスズキMOTULの渡辺一樹,Kawasaki Team GREENの渡辺一馬,MuSASHi RT HARC-PRO.Hondaの水野涼が入っています。
J-GP2クラスは,今シーズン限りでこのクラスがなくなることが大きく影響し,エントリーライダーが大幅に減った中で行われました。ポールからスタートしたMuSASHi RT HARC-PRO.の名越哲平は,好スタートを切ってホールショットを奪うと,他を寄せ付けない速さを見せて後続との差を広げて行き,2位に入ったTeam 武 RSCの作本輝介に6秒近い差をつける独走で開幕戦を制しました。3位には,2位の作本から8秒近い遅れを取ってミクニ テリー&カリーの尾野弘樹が入っています。
J-GP2のエントリー減少の影響からか,エントリーが増えて激戦となったST600クラスは,当初こそトップグループを形成した争いでしたが,徐々に後続との差を広げて行った51ガレージニトロレーシングの岡本裕生とNCXXRACING&善光会 TEAMけんけんの長尾健吾との間でトップ争いという展開となりました。ファイナルラップまで続いた2人のバトルは,最終的にコンマ9秒弱の差をつけて岡本が開幕戦を制しました。3位には,AKENO SPEED・YAMAHAの南本宗一郎が入っています。
J-GP3クラスは,序盤こそ5台によるトップ争いという展開になりましたが,徐々にCLUB Y'sの長谷川聖が抜け出していき,最終的に2位に11秒以上の大差をつける独走で開幕戦を制しました。4台による2位争いが展開されていき,2位にTEAM SHOTAの中山愛理が,3位にBATTLE FACTORYの鈴木 大空翔が入っています。4位にKohara Racing Teamの岡崎静香が入り,このクラスはトップ4に2人の女性ライダーが入ったことになります。
2019/04/05(金)
☆3強が(JRR)
○今週末は,いよいよ国内2輪レースの最高峰であるJRRの開幕戦開催となります。それを前にして,昨日は午前と午後に特別スポーツ走行が行われました。最高峰クラスのJSB1000クラスでは,先日行われた公開テストで好調だった3人が速さを見せました。この日の総合トップタイムを刻んだのは,午前中の走行でトップタイムだったTeam HRCの高橋巧でした。その橋からコンマ176秒遅れで総合2番手タイムだったのは,橋と同じく午前の走行でこのタイムをマークしていたYAMAHA FACTORY RACING TEAMの野左根航汰でした。昨シーズン橋に奪われていたタイトルを再び奪い返したYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行が,午後の走行で総合3番手タイムをマークしています。この3人に加え,ヨシムラスズキMOTULの渡辺一樹が総合4番手タイムをマークし,ここまでの4人が1分48秒台でした。
その他のクラスは,ST600クラスが51ガレージニトロレーシングの岡本裕生,J-GP2クラスがMuSASHi RT HARC-PRO.の名越哲平,J-GP3クラスがTeam Plusone +fの福嶋佑斗がそれぞれトップタイムをマークしています。
2019/04/04(木)
☆乗り換えて(F1)
○今季初となるインシーズンテスト最終日の走行が,前日と変わって終日ドライコンディションとなったバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われました。若手に貴重な走行経験を与える場という意味合いもあるインシーズンテストですが,この日のトップタイムをマークしたのは,F1ルーキーで,メルセデスAMGのマシンを駆ったJ.ラッセルでした。今季ウィリアムズからF1にフル参戦を開始したラッセルは,メルセデスのジュニアドライバーという立場があり,さらに,レギュラードライバーであっても通算2戦以内であれば他チームのテストドライバーを務めることができるというこのテストのレギュレーションがあるいうことからこの機会を得ています。今シーズンはまだ2戦しか終了していませんから,ラッセルにとってはぎりぎりレギュレーションに則ってテストドライブすることができたことになります。2番手タイムをマークしたのは,午前中に担当したL.ストロールと交代して午後の走行を担当したレーシングポイント(旧フォース・インディア)のC.サインツで,トップからはコンマ066秒遅れでした。3番手タイムは,前日M.シューマッハのドライブで注目を浴びたフェラーリのS.ベッテルでした。そのシューマッハですが,この日はフェラーリ製パワーユニット勢の中の1つであるアルファロメオ・レーシング(旧ザウバー)のマシンを駆って6番手タイムをマークしています。ホンダ製パワーユニット勢で今季型のマシンを駆って参加した中では,バーレーンGPで9位に入ってポイントを獲得したトロロッソ・ホンダのA.アルボンの7番手タイムが最高でした。前日はM.フェルスタッペンがトップタイムをマークしたレッドブルは,この日はD.トゥクティムを起用しました。今シーズンはSFにフル参戦するトゥクティムですが,レッドブルのジュニアドライバーという立場から今回のドライブの機会を得ていて,9番手タイムで自身F1初テストを終了しています。
2019/04/03(水)
☆デビュー(F1)
○今シーズン初となるインシーズンテストが,第2戦の開催地であるバーレーン・インターナショナル・サーキットで始まりました。2日間にわたって行われる予定になっている今回のテストは,ここまでのレースで起こったことに関して確認する場であると同時に,若手ドライバーにF1マシンをドライブする良い機会となる場でもあります。そこで最も注目を集めているのが,何と言ってもフェラーリのマシンを駆る若手ドライバーでしょう。その若手ドライバーとは,かつてフェラーリの黄金期を築いたF1における最高のレジェンドドライバーの一人ミハエル.シューマッハの息子であるミック.シューマッハです。昨シーズンはF3でチャンピオンを獲得し,今シーズンはF2にフル参戦しているミックですが,今回のテストは,初日にかつて父親が所属したスクーデリア・フェラーリから出場して今季型マシンを駆り,2日目はそのフェラーリ製パワーユニットユーザーの1つであるアルファロメオ・レーシング(旧ザウバー)のマシンを駆る予定になっています。注目のミックですが,単に注目を浴びただけでなく,結果もきちんと残しています。この日のバーレーンは,雨が降る不安定な天候でしたので,若手ドライバーにとってはマシン操作しにくい状況でした。そのような状況にもかかわらず,テストデビューながらミックはしばらくの間タイミングモニターのトップに立っていました。ミックが『シューマッハ』の名に恥じない状況をつくり出している中,そのタイムを破るドライバーが現れました。そのドライバーとは,若手ドライバーの筆頭とも言えるレッドブルのM.フェルスタッペンです。ミックが1分30秒を切るタイムをマークしていた中,終了間際にそのタイムをおよそコンマ6秒も更新する速さを見せて現役F1ドライバーとしての格の違いを見せつける形となりました。その若手ドライバー2人のみが1分29秒台をマークし,3番手タイムをマークしたのは,バーレーンGPでいい結果を残したマクラーレンのL.ノリスで,彼は午前中に担当したC.サインツの後を受けて午後に走行しています。そのマクラーレンですが,ミックが若手ドライバーとして注目されているのに対して,同チームのマシンを駆る1人として,今回は昨年まで同チームからフル参戦していた超ベテランドライバーであるF.アロンソが加わっていて,彼はマクラーレンのMCL34を駆ってピレリのタイヤテストを担当するという役割を担っています。そのアロンソは,64周走行して,総合11番手タイムで初日を終えています。
2019/04/02(火)
☆原因(F1)
○第2戦バーレーンGPの決勝レースは,フェラーリのC.ルクレールが独走でトップを走っていたものの,残り10周となったところでマシントラブルが発生したためにペースダウンを強いられ,メルセデスAMG勢の先行を許さざるを得ず,初優勝を逃してしまいました。ただ,不幸中の幸いで,最終盤にルノーのD.リカルドとN.ヒュルケンベルグに相次いでトラブルが発生してセーフティカーが導入。追い越し禁止状態になったため,何とか3位表彰台は獲得できました。そのルクレールのトラブルに関して,チーム代表であるM.ビノットが原因を明らかにしました。それによると,当初は昨日のこのページでもお伝えしたようにMGU-Hのトラブルではないかという推測に基づいた噂が出ていましたが,どうやらそれは違っていたようで,シリンダーの1つが不燃焼を起こしていたということです。なぜそうなったのかについてははっきりしていないようで,トラブルを起こしたエンジンをフェラーリの本拠地であるマラネロに送ってさらなる調査を行うということです。チームとしても気になるのは,そのエンジンが次戦以降も使用できるかということです。ご存知のようにF1では,年間使用基数が決まっていますから,まだ2戦が終わった段階で1基目のエンジンが使用できなくなるのはシーズン全体を通してみると大きな影響が出てきます。ただ,その点に関して,今回の発表では第3戦中国GPでは使用可能なのではないかということです。
2019/04/01(月)
☆独走(MotoGP)
○第2戦アルゼンチンGPの決勝レースが,厚い雲に覆われたりしていたものの,終日ドライコンディションとなったアウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンドで行われました。MotoGPクラスは,ポールからスタートしたレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが好スタートを切ってホールショットを奪うと,2周目にファステストラップを刻んだりして後続との差をどんどん広げて行き,アメリカ大陸で圧倒的な速さと強さを見せる彼らしい走りを展開して独走で今季初優勝を飾りました。トップのマルケスが9秒以上の大差をつけられたものの,今回のレースで注目を浴びたのは2位争いでした。モンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのV.ロッシとミッション・ウィノウ・ドゥカティのA.ドビツィオーゾとの間で繰り広げられた抜きつ抜かれつのバトルはファイナルラップまで続き,最終的にロッシが先にチェッカーを受けました。今回の結果,マルケスがランクトップに立っています。唯一のフル参戦日本人ライダーであるLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,自己最高位タイとなる9番グリッドからスタートし,上位からはやや離されたものの,最終的に7位でチェカーを受けました。ウェットコンディションでは昨年の最終戦で6位という結果がありますが,ドライコンディションでは今回の7位は自己最高位となります。
Moto2クラスは,開幕戦のウィナーであるフレックスボックスHP40のL.バルダッサーリが,終盤に入ってバトルから抜け出し,トップでチェッカーを受けて見事2連勝を飾りました。開幕戦から好調な走りを見せる場面が多かったONEXOX TKKR SAGチームのR.ガードナーが,トップからは1秒以上離されたものの,見事2位に入って自己最高位を獲得しました。3位にエストレージャ・ガルシア0,0マークVDSのA.マルケスが入り,今大会は,順位こそ違え,マルケス兄弟はどちらも表彰台を獲得しています。2位表彰台を獲得したガードナーのチームメイトである長島哲太は,予選まではあまり良い結果が残せていませんでしたが,22番グリッドからスタートして10個順位を上げて12位でチェッカーを受けています。
Moto3クラスは,このクラスらしく10台以上の集団が最後までトップ争いを展開していき,その中でベスター・キャピタル・ドバイのJ.マシアがトップでチェカーを受けて自身初となる優勝を飾りました。トップからおよそコンマ1秒遅れでCIPグリーンパワーのD.ビンダーが2位でチェッカーを受け,自己最高位を獲得しています。3位には,VNEスナイパーズのT.アルボニーノが入り,彼にとっては初の表彰台獲得となります。日本人ライダー勢は,トップ争いに加わっていたペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢がトップからおよそコンマ5秒遅れで5位でチェッカーを受けました。開幕戦ウィナーであるホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は10位でチェッカーを受け,ランク争いではまだトップに立っています。SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生は13位でチェッカーを受け,今季初ポイントを獲得しています。ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は17位,ボエ・スカル・ライダー・ムゲン・レーシングの真崎一輝は23位で完走したものの,ポイント獲得には至っていません。

☆トラブルで(F1)
○第2戦バーレーンGPの決勝レースが,強い風が吹いていたものの,ドライコンディションとなったバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われました。ポールからスタートしたフェラーリのC.ルクレールは,スタートで出遅れて一旦は3位に順位を下げました。しかし,好調な走りを見せる彼は,2周目に2位に,そして6周目にトップを行くチームメイトのS.ベッテルをパスしてついにトップに立ちました。その後は順調にトップの座を守っていって初優勝を飾るのではないかと思われていた中,45周目に無線でエンジン不調を訴える声が聞こえてきました。どうやらMGU-Hからの回生が出来ないためにスピードを上げられない状況に陥ったようで,せっかく築いていた2位との差がどんどんなくなっていきました。ベッテルとのバトルを制して2位になっていたメルセデスAMGのL.ハミルトンは難なくルクレールをパス。後続との差も詰まっていきましたが,最終盤に入ってセーフティカーが導入され,そのままチェッカーとなったため,辛くもルクレールは3位表彰台を獲得できました。ルクレールとの差を詰めていったレッドブルのM.フェルスタッペンでしたが,惜しくも4位でのチェッカーとなっています。他のホンダ製PU勢ですが,予選はQ2で終わったP.ガスリーでしたが,決勝では順位を上げていき,最終的に8位でチェッカーを受けて今季初ポイントを獲得しています。トロロッソ・ホンダのA.アルボンはガスリーに次ぐ9位で,D.クビアトは12位でチェッカーとなりました。表彰台獲得はならなかったものの,4台中3台がポイント獲得とまずまずの結果を収めています。
 

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