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最新ニュース

2019/05/31(金)
☆第3ライダー(EWC)
○7月末に行われる世界耐久選手権(EWC)シリーズの最終戦となる鈴鹿8耐に参戦するチームの1つが,ホンダ系の有力プライベーターであるホンダ・ドリームRT桜井ホンダです。同チームの今大会における体制については,5月16日(木)づけのこのページでお伝えしたように,同チームからJRRのJSB1000クラスにフル参戦している濱原颯道と,ホンダのワークスライダーとして,そしてホンダのエースライダーとして活躍し,8耐においては7度のポール獲得と4回の勝利を挙げた輝かしい経歴を持つ伊藤真一の2人の参戦は決定していました。昨年の大会はこの2人での体制となっていましたが,今年は3人体制を組むことも明らかにされていました。ただ,その段階では3人目のライダーが誰になるのか決まっていませんでしたが,この度その3人目のライダーが発表されました。その3人目のライダーとなったのは,今シーズンJ-GP2クラスにTeam 武 RSCからフル参戦している作本輝介です。今シーズンの作本は,開幕戦で2位,第2戦で優勝を果たし,同ポイントながら現在ランキングトップに立っています。8耐については,昨年Team SuP Dream Hondaに所属して初参戦し,24位完走を果たしています。
2019/05/30(木)
☆代役(SBK)
○SBKにおけるホンダのワークス的立場にあるモリワキ-アルティア・ホンダ・チームから昨日発表があり,5月29日(水)から2日間にわたってサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行われるテストにおいて,今季もJRRのJSB1000クラスにKYB MORIWAKI RACINGからフル参戦している元GPライダーの高橋裕紀をレギュラーライダーであるL.キャミアの代役として起用することになりました。そのキャミアですが,イタリアのイモラ・サーキットで行われた第5戦の予選スーパーポールで転倒を喫し,左肩を負傷してしまいました。そのけがが回復するまでかなりの期間が必要なようで,転倒以後は欠場が続いていて,今回行われているテストも欠場となりました。今シーズンからアルティア・レーシングとタッグを組んでSBKにフル参戦を開始したモリワキは,JRRに復帰以後ずっとモリワキライダーとして活躍している高橋を起用することは,自然な流れなのかもしれません。昨シーズンまで高橋のチームメイトであった清成龍一は,今季からSBKにモリワキ-アルティア・ホンダ・チームからフル参戦していますので,今回のテストはチームメイト同士で協力しながらのテストということになります。なお,キャミアの代役として参加するのは高橋だけでなく,今季イギリス国内で行われているBSBにホンダのマシンを駆ってフル参戦している元SBKライダーのS.フォレスも参加することになっています。
2019/05/29(水)
☆テストに向け(MotoGP)
○今シーズンは全19戦で争われているMotoGPですが,来季は1つ増えて20戦,再来年はさらにもう1つ増えて,このままでいくと全21戦になる予定になっています。来季から開催となるのが,かつては開催されていた歴史を持つフィンランドGPです。以前との違いは開催地で,新たなフィンランドGPは,現在建設中の新しいサーキットです。その新しいサーキットはキュミリングで,全長が4.6km,高低差20m,合計18のコーナーがあるものです。メインストレートが1.2qあり現在のマシンの状態ですと,ストレートスピードに勝るドゥカティやホンダにとって有利になる可能性がありそうです。そのキュミリングの建設ですが,これまでにあまり見られなかった工法で建設しているようで,コースの土台となる石,土,泥炭(ピート)は全て建設地からのものをそのまま活用していて,作業が短縮化されると共に,費用の削減にもつながっています。こうすることのメリットはそれだけでなく,地球温暖化の原因となっている二酸化炭素の排出が削減されることにもなります。こうした工夫をしながら建設中のサーキットですが,8月19日から2日間にわたってテストを実施する予定になっていて,既にその入場チケット販売が始まっています。数週間後には舗装工事も始まるということですから,新規建設のサーキットがどのような姿を現すのか楽しみですね。
2019/05/28(火)
☆接戦&挽回(インディカー)
○週末は世界3大レースの内の2つのレースが開催されました。まず1つ目は,昨日のこのページでお伝えしたように,メルセデスAMGのL.ハミルトンが勝利したF1モナコGPです。そして,2つ目は,アメリカのインディカーシリーズの最高峰の大会であるインディ500マイル・レースです。今年のインディ500は,チーム・ペンスキーのS.パジェノーがポールからスタートしました。好調な走りを見せるパジェノーは,ほとんどの周でトップを走って行きました。他を寄せ付けない走りのパジェノーでしたが,その彼に迫っていったのが,2016年にこの大会を制した経歴を持ち,9番グリッドからスタートしたアンドレッティ・オートスポーツのA.ロッシでした。ピットインした際にマシンのトラブルから燃料補給に時間を要するという事態に陥っていたロッシでしたが,徐々にポジションを回復していき,最終盤にはトップを行くパジェノーに大きく迫っていきました。残り13周となったところで多重クラッシュが発生したため,赤旗中断となり,ここまでの差は一気にリセットされました。残り13周のスプリントレースとなった今年のインディ500ですが,リスタート時はロッシがトップに立っていたものの,再びパジェノーがトップを奪い返しました。ところが,残り2周となったところでロッシが再び襲いかかってパジェノーをターン2で逆転してトップに。しかし,多くの周でトップを走行して速さを見せていたパジェノーは,ロッシの後ろにぴったりとつけて様子をうかがい,ターン3で再びトップの座を奪い返しました。ストレートスピードと抜群のブロックラインを取ることができたパジェノーは,残り1周ちょっとを守り切り,見事インディ500としては2009年以来となるポールトゥーフィニッシュを達成しました。3位に入ったのは,一昨年のこの大会のウィナーであるレイホール・レタマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨でした。14番グリッドからスタートした琢磨は,1回目のピットストップの際にタイヤ交換がうまくいってなかったようで,ピットアウト直後から琢磨が違和感を訴えて再びピットに入るというアクシデントに見舞われました。これにより,2周というラップダウンに見舞われてしまいました。序盤で上位争いにイエロー信号が灯る状態となった琢磨でしたが,粘り強い走りを展開していって少しずつ順位を挽回していきました。不運に見舞われた琢磨でしたが,最終盤に入って幸運が彼にもたらされました。それは,赤旗中断となった多重クラッシュです。この赤旗は,琢磨が最後のピットアウトを行った直後でした。他のドライバーと違って,もうピットインの必要性がなくなっていたのに対し,その他のドライバーの中には,リスタート後にピットインする必要が生じている人もいました。そうした幸運もあって,最終盤は5位での走行で始まりました。その後,ペースを上げた琢磨は3位まで浮上し,トップ2台が目の前にいる状況となりました。しかし,トップの2台よりはマシンの仕上がりはいっていなく,その2台をパスするには厳しい状況でした。結局トップの2台からは少し離されて3位でチェッカーとなりました。一昨年以来の優勝は叶わなかったものの,ラップダウンからの見事なリカバリーに対して,観客からは大きな声援を受けていました。
2019/05/27(月)
☆4連勝(JRR)
○第3戦の決勝レースが,他の地域と同じように季節外れの猛暑に襲われたスポーツランドSUGOで行われました。JSB1000クラスは,前戦の鈴鹿と,昨日行われたレース1を制して,ここまで3連勝を挙げているTeam HRCの高橋巧がポールからスタートしました。その高橋は,好スターを切ってトップに立つと,このレースでも後続との差を広げて行きました。それに対して,YAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行と野左根航汰は,スタートで出遅れてしまい,高橋との差が広がってしまいました。とはいえ,実力に勝る二人は,すぐにポジションを回復していって,レース1と同じように2位争いを展開していきました。トップに立った高橋は,最終的に2位に3秒以上の差をつける独走で,4レース連続ポールトゥーウィンを達成しました。チームメイトバトルでの2位争いは,中須賀が単独走行となってこれを制しています。
J-GP2クラスは,ポールからスタートしたTeam 武 RSCの作本輝介が,オープニングラップからトップに立つと,後は単独走行に持ち込み,見事ポールトゥウィンを達成しました。次戦で自身初となるGPに代役参戦が決まっているMuSASHi RT HARC-PRO.の名越哲平は,他のライダーと2位争いを展開し,その争っていたライダーが転倒を喫するという事態となり,こちらも単独走行で2位フィニッシュを果たしています。2台による3位争いは,2位から15秒以上遅れて走行し,SDG Mistresa RT HARC-PRO.の榎戸育寛がこれを制しています。
ST600クラスは,日本郵便 HondaDream TPの小山知良と51ガレージ ニトロレーシングの岡本裕生とのトップ争いとなり,そのバトルはファイナルラップまで続きました。順位を入れ替えながらのバトルはゴールラインまで続き,わずか1000分の2秒差で小山がこれを制しています。一時はトップ争いに加わっていたAKENO SPEED・YAMAHAの南本宗一郎が,トップからおよそコンマ9秒遅れで3位表彰台を獲得しています。
J-GP3クラスは,このクラスらしく複数台のマシンでのトップ争いが展開されていき,レースが進むに連れて2台によるバトルとなりました。そのバトルは最後まで続き,最終的にBATTLE FACTORYの鈴木大空翔が1位で,およそコンマ3秒遅れでCLUB Y'sの長谷川聖が2位でチェッカーを受けました。5台による3位争いは,チャンピオン経験者であるKohara Racing Teamの藤井謙汰が制しています。

☆惜しくも&全車ポイント獲得(F1)
○第6戦モナコGPの決勝レースが,時折雨がぱらついたものの,ドライタイヤでの走行が可能だったモナコ市街地コースで行われました。ポールからスタートしたメルセデスAMGのL.ハミルトンは,その座を守ってトップを走行していきました。何とか後続との差を広げて行こうとしたハミルトンでしたが,やはりモナコはそう簡単にはいきませんでした。2番グリッドからのスタートしたメルセデスAMGのV.ボッタスと3番からグリッドスタートしたレッドブルのM.フェルスタッペンとが2位争いを展開し,ピットインのタイミングの違いでフェルスタッペンが2位に浮上しました。タイヤ交換以後,ペースを上げることができなかったメルセデスを,2位に浮上したフェルスタッペンが追い上げ,両者の差は縮まっていました。ただ,その前の段階で,フェルスタッペンがピットインした際,ピットアウト時にアンセーフリリースがあったということで5秒のペナルティが科されていて,実際には見た目より両者の差は結構ついている状態でした。とはいえ,見た目での戦いは僅差で続きましたが,ハミルトンは最後までトップの座を守りきり,今季4勝目を挙げました。2位でチェッカーを受けたのはフェルスタッペンでしたが,4秒加算のペナルティがあったため,リザルト的には4位フィニッシュとなりました。フェルスタッペンのペナルティにより,2位がフェラーリのS.ベッテル,3位がメルセデスAMGのV.ボッタスでした。惜しくも表彰台を逃したフェルスタッペンでしたが,チェッカー時は2位でしたから,表彰台の頂点が見えてきた感じがします。ホンダ製パワーユニット勢はフェルスタッペンだけでなく,他のドライバーも好調で,レッドブルのP.ガスリーが5位,トロロッソ・ホンダ勢のD.クビアトが7位,A.アルボンが8位と,全車がポイント獲得となっています。

☆独占(SGT)
○第3戦の決勝レースが,日本全国を襲った熱波の影響を受ける鈴鹿サーキットで行われました。GT500クラスは,ポールからスタートした中嶋一貴&関口雄飛組のau TOM’S LC500と,2番手スタートの平川亮&N.キャシディ組のKeePer TOM’S LC500とのトップ争いに,大嶋和也&山下健太組のWAKO’S 4CR LC500が浮上してきて絡むという展開となりました。トップ走行のau TOM’Sは,ギャップを築いてもSC導入などがあったりして思うようにトップを走行できない状況が続いたりしました。しかし,レースが進むに連れてau TOM’S LC500が少しずつギャップを広げていくようになり,それに伴い2位争いが激しくなっていきました。残り5周の段階では,WAKO’Sが2番手を走行してTOM’S勢の中に割って入っていましたが,KeePer TOM’Sが再びペースを上げていって,GT300クラスのマシンも利用しながらついに再び2番手に浮上しました。そして,そのままの順位でチェッカーを受けていき,au TOM’S のポールトゥーウィン,TOM’S勢のワンツーフィニッシュ,さらにLC500の表彰台独占という結果となりました。
GT300クラスは,レース序盤は,ポールスタートの松井孝允&佐藤公哉組のHOPPY 86 MCと,2番グリッドからスタートした坂口夏月&平木湧也組のADVICS マッハ車検 MC86 マッハ号が順位をそのままに走行していきました。そこに浮上してきたのが新田守男&阪口晴南組のK-tunes RC F GT3で,ついにはMC86 マッハ号をかわして2位に浮上しました。トップを行くHOPPY 86 MCは,タイヤ無交換作戦を採ってトップを走行していましたが,レースが進むに連れてさすがにタイヤが厳しくなり,ペースが落ちていきました。そして,ついに2位を走行していたK-tunes RC F GT3がトップに浮上。2位に落ちたHOPPY 86 MCはファイナルラップまで何とか持ちこたえたものの,タイヤ的にさらに厳しい状況となり,ついにはコースオフを喫して一挙に5位まで順位を下げてしまいました。HOPPY 86 MCの脱落により2位に浮上したのがADVICS マッハ車検 MC86 マッハ号で,3位に井口卓人&山内英輝組のSUBARU BRZ R&D SPORTが浮上しました。トップに立ていたK-tunes RC F GT3は難なくトップの座を守ってトップでチェッカーを受け,新田守男は自身が持つ最多勝利記録をさらに伸ばす結果となりました。
2019/05/26(日)
☆3連勝(JRR)
○スポーツランドSUGOにおいて,第3戦の予選及びJSB1000クラスはレース1の決勝レースが行われました。レース1決勝が行われたJSB1000クラスは,鈴鹿サーキットで行われた前戦で両レースともに勝利したTeam HRCの高橋巧は,その好調さをこの大会でも維持していて,まずレース1とレース2の予選でどちらもポールを獲得しました。そして,ポールからスタートしたレース1の決勝では,ホールショットを奪うと他を寄せ付けない走りを展開し,最終的に2位に7秒近い差をつける独走で優勝し,3連勝を飾りました。YAMAHA FACTORY RACING TEAMのチームメイト同士で争われた2位争いは,開幕戦でダブル優勝を果たしている中須賀克行が終盤に野左根航汰を突き放してこのバトルを制しています。
J-GP2クラスの予選は,Team 武 RSCの作本輝介が,終盤にタイムアップを果たしてトップの座を守ってポールを獲得しました。ミクニ テリー&カリーの尾野弘樹とOGURA CLUTCH with RIDE INの岩ア哲朗との間で争われた2番手タイム争いは,元GPライダーの尾野がこれを制しています。
ST600クラスは,NCXXRACING&善光会 TEAMけんけんの長尾健吾が,予選序盤で転倒を喫するというアクシデントに見舞われましたが,幸いにもマシンに大きな損傷がなく,一旦ピットインをしてその後再びタイムアタックに臨み,コースレコードをマークして見事ポールを獲得しました。日本郵便 HondaDream TPの小山知良と51ガレージ ニトロレーシングの岡本裕生との間で争われた2番手争いは,小山が1000分の1秒上回ってこれを制しています。
J-GP3クラスは,Team Plusone+fの福嶋佑斗が12周目にマークしたタイムをどのライダーも上回ることができませんでした。最終盤に入ってCLUB Y'sの長谷川聖がこのタイムを上回ったものの,このタイムをマークした時に黄旗追い越しをしたようで,このタイムが抹消となり,福嶋が自身初となるポールを獲得しました。タイム抹消となった長谷川は3番手となり,2番グリッドは41PLANNINGの女性ライダーである高杉奈緒子が獲得しています。

☆4台共に(F1)
○第6戦伝統のモナコGPの予選が,モナコ市街地コースで行われました。この日のモナコは,降水確率が40%ということで雨が心配されましたが,結局ドライコンディションのまま予選が無事行われました。狭い道幅で,ガードレールに囲まれたスリッピーな中で行われるこの大会は,ちょっとしたミスでガードレールの餌食になったりタイムが上がらなかったりしますが,この日の予選もそうした状況となりました。その中で速さを見せたのが,ここまでランクトップを行くメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。あわやという走行となりながらも,ハミルトンは速いタイムを刻んでいき,コースレコードをマークする速さを見せてポールを獲得しました。そのハミルトンから1000分の86秒差でV.ボッタスが2番手タイムをマークし,この大会もメルセデスAMG勢のワンツーとなりました。そのメルセデスAMG勢からはやや離されたものの,レッドブルのM.フェルスタッペンがフェラーリのS.ベッテルを突き放して3番グリッドを獲得しています。ホンダ製パワーユニット勢はフェルスタッペンだけでなく他のドライバーも好調な走りを展開し,今季初めて4台揃ってQ3進出を果たしました。そして,レッドブルのP.ガスリーが5番手と今季自身最高位を獲得し,トロロッソ・ホンダ勢はD.クビアトが8番手,A.アルボンが10番手タイムと,今日行われる予定の決勝レースに期待を持たせる結果となっています。

☆ワンツー(SGT)
○猛暑に見舞われた鈴鹿サーキットにおいて,第3戦の予選が行われました。GT500クラスは,中嶋一貴&関口雄飛組のau TOM’S LC500が,最終盤にトップタイムをマークしてポールを獲得しました。平川亮&N.キャシディ組のKeePer TOM’S LC500が2番手タイムをマークし,TOM’Sによるワンツーとなりました。今季NSX-GT勢の中で安定して速さを見せている野尻智紀&伊沢拓也組のARTA NSX-GTが,TOM’S勢からはコンマ4秒の差をつけられたものの,3番手タイムをマークしています。
GT300クラスは,松井孝允&佐藤公哉組のHOPPY 86 MCが早い段階でトップタイムをマークし,これがターゲットタイムとなりました。しかし,このタイムを上回るマシンは現れなかったためにポール獲得となりました。坂口夏月&平木湧也組のADVICS マッハ車検 MC86 マッハ号がこれに次ぐ2番手タイムをマークし,マザーシャーシ勢がフロントローを獲得するかと思われましたが,ラストアタックで新田守男&阪口晴南組のK-tunes RC F GT3がこの間に入るタイムをマークし,マザーシャーシ勢の独占を阻止しています
2019/05/25(土)
☆世界デビュー(MotoGP)
○Moto2クラスにもフル参戦しているイデミツ・ホンダ・チーム・アジアから発表があり,6月2日(日)に決勝レースが行われる予定の第6戦イタリアGPにおいて,現在JRRのJ-GP2クラスにフル参戦している名越哲平を代役として起用することになりました。同チームからMoto2クラスにフル参戦しているタイ人ライダーのS.チャントラは,第2戦アルゼンチンGP以降,走行するにつれて思うように腕を動かせなくなる腕上がりの症状に悩まされていました。さらに,第5戦フランスGP予選において転倒を喫し,その際左足を痛めていました。そうしたことから,この腕上がりと左足の手術を行い,次戦イタリアGPを欠場することになりました。これを受けて,現在ホンダ系の最有力プライベートチームの1つであるMuSASHi RT HARC-PRO.からJ-GP2クラスにフル参戦している名越に白羽の矢が立ちました。昨シーズンから同クラスにフル参戦している名越は,その初年度をランク3位で終え,今シーズンはここまでランクトップに立っています。名越が世界選手権に参戦するのはこれが初めてで,今回の代役参戦がMotoGPデビュー戦ということになります。初めてのGP,初めてのチーム&マシン,そして初めてのサーキットと何もかもが初めてで,思うような結果を残すのは厳しいところがあるでしょうが,今後の彼にとっていい経験になることは間違いありません。
2019/05/24(金)
☆ワンツー(F1)
○世界3大レースの1つであるF1モナコGPが5月23日(木)に開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。通常の大会は金曜日に開幕しますが,伝統のモナコは金曜日が安息日となるため,木曜日が開幕となります。この日のトップタイムをマークしたのは,ここまでランクトップを行くメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。チームメイトであるV.ボッタスとトップタイム争いが展開されていきましたが,そのボッタスはおよそコンマ08秒遅れで2番手タイムでした。3番手タイムだったフェラーリのS.ベッテルとはボッタスでもコンマ8秒弱の差をつけていますので,タイトなコースレイアウトのモナコとしては,他チームに大きく水をあけたメルセデスAMG勢のワンツーと言えるのではないでしょうか。1回目のフリー走行で2番手タイムをレッドブルのM.フェルスタッペンがマークし,2回目のフリー走行では,チームメイトのP.ガスリーがベッテルに次ぐ4番手タイムとなっています。さらに,その2回目ではトロロッソ・ホンダのA.アルボンが5番手タイムをマークしていて,ホンダ製パワーユニット勢は好スタートを切っています。なお,フリー走行3や予選,決勝等については,通常の大会と同じ流れとなっています。
2019/05/23(木)
☆復刻版(EWC)
○現在は世界耐久選手権の最終戦として開催されている真夏の祭典『鈴鹿8時間耐久ロードレース』ですが,今年も例年通り7月の最終末に開催されることになっています。この度,ヤマハがこの大会の参戦体制について発表会を行いました。ヤマハがエースライダーである中須賀克行を中心にしてワークス活動を再開して以来,昨シーズンまで4連覇を果たす快進撃を続けています。当然今年は5連覇を目指して大会に臨む訳ですが,そのエースチームとなるYAMAHA FACTORY RACING TEAMは,今年も昨年と同じく中須賀&M.ファン.デル.マーク&A.ロウズの3人体制で臨むことになります。さらにEWCシリーズにフル参戦しているヤマハの主力チームで,ここまでランク4位につけているYART Yamaha Official EWC Teamは,B.パークス&M.フリッツ&N.カネパの体制で臨みます。布陣については,既に予想された通りでしたが,注目を浴びたのが,YAMAHA FACTORY RACING TEAMが駆るYZF-R1のカラーリングです。同マシンの初代モデルが発売されてから今年で21周年となります。ヤマハのマシンで鈴鹿8耐と"21"といえば,オールドファンには絶対的なものがあります。それは,かつてヤマハのエースライダーだった平忠彦が8耐に参戦していた頃,彼が駆っていたマシンは毎回『TECH(テック)21カラー』が採用されていました。この"TECH21"は,資生堂が当時販売していた男性用化粧品のブランド名です。平と共に毎年採用されていて,不運に見舞われてあと一歩で優勝を逃した時,念願の初優勝を飾った時,いずれもこのカラーリングが観客やファンに強く印象づけられていました。今回は発売以来21周年ということで,資生堂の了解を受けてこのテック21カラーが採用されることになりました。今シーズンはカワサキがワークス活動を再開しますし,ヤマハが5連覇を目指し,ホンダがワークス活動2年目(マシン的にはベースが10年以上前のものですからかなり厳しいことは間違いありませんが・・・)で臨みます。かつての戦いを彷彿させる動きが年々出てきていて,10万人をはるかに超える観客を集めていた状況に戻ってくるのではないかという期待が持たれる感じがしてきています。今年も8耐観戦をする予定にしている私ですが,現在の困りはなかなか鈴鹿周辺の市にあるホテルが予約できないこと。このことからも,人気復活が実感できる現象です。
2019/05/22(水)
☆ご冥福を(F1)
○家族から正式プレスリリースがあり,レジェンドドライバーの一人であるN.ラウダ氏が,5月20日(月)にお亡くなりになりました。享年70歳という若さでした。1949年にオーストリアで生まれたラウダは,1971年にマーチからF1デビューを果たしました。1973年にマールボロBRMに移籍し,そこでの走りに注目したのがフェラーリの総帥であるE.フェラーリでした。その年にフェラーリから誘いを受け,翌年からフェラーリドライバーへと上りました。移籍初年度は9度のポール,2度の優勝を獲得したものの,5連続リタイアなどがあってタイトル獲得には至りませんでした。しかし,1975年に一気に花開き,見事自身初となるチャンピオンに輝きました。ところが,その翌年に行われたドイツGPにおいて,ウェットコンディションの中で激しいクラッシュに見舞われました。その際,不幸にも火災が発生してしまって彼は頭部も含めた全身に大やけどを負い,同時に有毒ガスを含む煙を吸い込んだため,肺にも深刻な損傷を受けてしまいました。生死をさまよう日が続きましたが,その強い生命力でこの苦難を乗り越えて6週間後に見事復帰。何とその翌年には自身2回目となるタイトルを獲得しました。1978年にブラバムへ移籍することになり,そこで2年間過ごした後,一旦F1から引退することになりました。彼の引退生活は2年間で終了し,1982年からマクラーレンと契約が成立して現役復帰を果たし,1984年にはチームメイトであるA.プロストと激しいチャンピオン争いを展開し,見事自身3度目となるタイトル獲得を果たしました。その翌年をもってF1から引退し,以後はF1との関係は続けながら実業家としても活動しました。実業家として特に有名になったのが航空事業で,現在は経営権を持っていないものの,ラウダ航空の創業者となっています。近年はメルセデスAMGにおけるノンエグゼクティブチェアマンとして活動し,その言動をしばしば目にすることができていました。昨年肺移植の手術を受けて体調が回復していましたが,その後肺炎や腎機能不全などに見舞われて体調の良くない日々が続き,残念ながら波乱の生涯を終えることとなりました。ラウダ氏のご冥福を心からお祈り致します。
2019/05/21(火)
☆メモリアルウィン(MotoGP)
○昨日お伝えしたように,第5戦フランスGPの決勝レースにおいて,MotoGPクラスはレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスがポールトゥーウィンを達成しました。そして,これは,ホンダにとって最高峰クラス通算300勝という記念すべき勝利となりました。その300勝について見ると,最初の勝利は1966年5月に行われた第2戦西ドイツ(東西ドイツがあった頃ですね。)GPにおいてレジェンドライダーの一人であるG.レッドマンがRC181を駆ってマークしたものでした。それ以後しばらくはNSR500を駆って,通算50勝がW.ガードナー(1989年オーストラリアGP),通算100勝がC.チェカ(1996年カタルニアGP),通算150勝がV.ロッシ(2001年イギリスGP),それからは通算200勝がRC211Vを駆ったN.ヘイデン(2006年オランダGP),250勝がRC213Vを駆ったM.マルケス(2014年カタールGP)とマークしてきました。ライダー別で見ると,最多勝利は,引退までずっとホンダのマシンを駆ったM.ドゥーハンの54勝となります。それに次ぐのが,今回の勝利で通算47勝となったマルケスで,それに次ぐのが,現在はヤマハのエースとして長い間活躍している生ける伝説V.ロッシの33勝です。4番手が,こちらも一貫してホンダのマシンを駆ってきたD.ペドロサの31勝です。なお,昨シーズンで引退し,今シーズンからKTMの開発ライダーを務めることになっているペドロサですが,体調不良によりずっと走行をとりやめていました。しかし,どうやら体調が回復したようで,近いうちに走行を開始する予定になっています。メモリアルレースをマークしたのは,いずれもレジェンドライダーと言われる人たちです。次の350勝を達成するのが誰になるかが注目ですが,やはり一番可能性が高いのは,今回の勝利を達成したマルケスなのかもしれません。それとも,新たなヒーローが登場して名前を連ねることになるのか,数年後の結果が楽しみですね。
2019/05/20(月)
☆異次元(SF)
○第2戦の決勝レースが,我が大分県にあるオートポリスで行われました。レースウィークのオートポリスは,占有走行となった金曜日は好天に恵まれたものの,土曜日は風雨が強い荒れた天候となって予選が延期となりました。日曜日も時折雨が降り,終日強い風に見舞われる不安定な天候でした。ただ,早朝に行われた予選は悪い状況の中での走行となりましたが,決勝の時はほぼ雨が上がり,ドライコンディションでの走行となりました。3度の赤旗が提示される状況の中での予選となったことから,有力ドライバーがタイムを出すタイミングがうまくいかず,後方からのスタートとなるドライバーがたくさんいました。その中の1人が,ITOCHU ENEX TEAM IMPULの関口雄飛でした。その関口は,16番グリッドからスタートすると,複数のドライバーが1周走行した段階や,アクシデントでセーフティカー先導のなった時にピットに入ってタイヤ交換義務を済ませる中,ステイアウトを選択して走行しました。その関口の走りは異次元で,トップに立ってからまるで彼だけ別のタイヤを履いているかのように後続との差をどんどん広げて行きました。周回毎に2秒近い差を広げて行った関口は,後続に40秒以上の大差をつけてからピットイン。ピットインのタイミングの違いから見た目上はトップではなかったものの,実質的にはトップでコースに復帰しました。その後は安定した速い走行を続け,最終的に2位に3秒以上の差をつけて今季初優勝を飾りました。昨年のチャンピオンで,今シーズンからDOCOMO TEAM DANDELION RACINGに移籍している山本尚貴は,予選でクラッシュを演じて赤旗の原因となり,決勝は17番グリッドからのスタートとなりました。その山本は,1周目が終わってからピットに入る作戦を採り,それからは順位を上げていって,関口の独走は許したものの,2位でチェッカーを受ける快走を見せました。この結果,山本がランクトップに立っています。3位には,12番グリッドからスタートし,山本尚貴と同じく1周目終了段階でピットインを選択したUOMO SUNOCO TEAM LEMANSの大嶋和也が入っています。

☆300勝(MotoGP)
○第5戦フランスGPの決勝レースが,ルマンのブガッティ・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,前日の予選で転倒しながらもトップタイムだったレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスがポールからスタートしました。そのマルケスは,トップの座を守ってスタートすると,後は後続との差を広げて行って危なげないレースを展開し,ドゥカティ・チームの2人とのギャップを広げたままトップでチェカーを受けました。今季3勝目となるこの勝利は,ホンダライダーにとっては,通算300勝というメモリアルレースとなりました。ドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾとD.ペトルッチの2人で争われた2位争いは,先輩格のドビツィオーゾが制しています。自己最高位となる7番グリッドからスタートしたLCRホンダ・イデミツの中上貴晶でしたが,12番手走行中の19周目に転倒を喫し,今季初となるリタイアに終わっています。
Moto2クラスは,3番グリッドからスタートしたエストレージャ・ガルシア0,0マークVDSのA.マルケスが,4周目にトップに立つとそのままトップの座を守りきり,今季初優勝を飾っています。マルケスの優勝は,一昨年10月に行われた日本GP以来久々のものとなります。その後に行われたMotoGPクラスでM.マルケスが優勝していますから,マルケス兄弟のダブル優勝の大会となりました。2,3位には,それぞれスピードアップのJ.ナバーロとフレックスボックスHP40のA.フェルナンデスが入り,両者とも前戦に続いて表彰台を獲得しています。31番グリッドと後方からのスタートとなったONEXOX TKKR SAGチームの長島哲太は,徐々に順位を回復していって,最終的に11位でチェッカーを受けて見事ポイントを獲得しています。
Moto3クラスは,ポールからスタートしたペトロナス・スプリンタ・レーシングのJ.マクフィーが,バトルを制してトップでチェッカーを受け,見事ポールトゥーフィニッシュを達成しました。彼の優勝は,2016年8月に行われた第11戦チェコGP以来となります。トップからおよそコンマ1秒遅れで2位になったのは,レオパード・レーシングのL.ダッラ.ポルタで,開幕戦以来今季2度目の表彰台獲得となりました。コンマ757秒遅れで,3位にステルリガーダ・マックス・レーシング・チームのA.カネトが入りました。フル参戦日本人ライダー勢では,開幕戦ウィナーであるホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡の6位が最高位でした。15番グリッドからスタートしたボエ・スカル・ライダー・ムゲン・レーシングの真崎一輝は,自己最高位となる8位でチェッカーを受けました。優勝したマクフィーのチームメイトである佐々木歩夢は,トップからおよそ12秒遅れの14位でチェッカーを受けてポイントを獲得しています。自己最高位となる3番グリッドからスタートしたホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,オープニングラップで転倒してリタイアに終わっています。4番グリッドからスタートしたSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生は,トップ争いを展開していたものの,17周目に転倒を喫して彼もリタイアに終わっています。
2019/05/17(金)
☆19年ぶり(EWC)
○世界耐久選手権(EWC)をプロモートするユーロスポーツ・イベントから発表があり,2022年の6月上旬にベルギーのスパ・フランコルシャンで24時間レースを開催することになりました。『オールージュ』といったチャレンジングなコーナーを有し,超高速サーキットであるスパ・フランコルシャンは,2輪,4輪レースともに人気のあるイベントの1つです。そのベルギーでの開催ですが,1973年から『リエージュ24時間』として始まり,2003年を最後に途絶えていました。今回のベルギー24時間レース復活は,19年ぶりということになります。今回の発表によると,レースフォーマットが通常と違っているようです。通常の24時間レースといえば,土曜日の午後にスタートし,日曜日の午後にチェッカーというのが一般的です。2022年から復活となるベルギー24時間レースは,金曜日の午後10時にスタートし,土曜日の午後10時にチェッカーということになるようです。そして,通常であれば決勝レースが行われる日曜日は,ファンとの交流の場になるようで,1万人規模のレースファンを招待して同サーキットを数ラップ体験走行したり,チャンピオンたちと触れ合う時間が用意されたりするとのことです。
2019/05/16(木)
☆24回目(EWC)
○世界耐久選手権(EWC)の最終戦として開催される真夏の祭典『“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース』が,今年も7月の最終末に開催されることになっています。その鈴鹿8耐において,2003年に生見友希雄&鎌田学(故人)ペアで優勝を果たした歴史を持つホンダ・ドリームRT桜井ホンダが,今大会の参戦体制について発表がありました。チーム母体が普通の街中にあるバイク屋さんであるにもかかわらず,8耐を制するという快挙を成し遂げた同チームの体制ですが,昨年の大会は2人体制だったものの,今年は3人体制を採ります。その内訳ですが,まずJRRのJSB1000クラスに同チームのエースライダーとしてフル参戦している濱原颯道です。2017年がルーキーイヤーとなった濱原は,その時スズキの雄であるヨシムラスズキMOTULレーシングからいきなりデビューするという輝かしいデビューを果たし,ルーキーオブザイヤーを獲得しています。しかし,その翌年には同チームを去り,桜井ホンダに所属してJSB1000クラスにフル参戦しています。もう1人のライダーは,日本におけるレジェンドライダーの一人である伊藤真一です。デビュー以来ホンダのワークスライダーを長年務めた経歴がある伊藤は,GPにロスマンズ・ホンダに所属してフル参戦しました。8耐においてもずっとホンダのエースライダーとして活躍し,これまでに歴代最多7度のポールポジションを獲得すると共に,4度の優勝経験を持っています。今回で24回目の鈴鹿8耐となる伊藤ですが,昨年も桜井ホンダから濱原と組んで参戦し,初日に転倒を喫して左手を骨折するというアクシデントに見舞われましたが,応急処置を施して無事決勝レースを迎えました。その決勝レースでは,残念ながらマシントラブルが発生して長い時間マシン修復が必要となり,それでも何とかマシン修復を図ってコースに復帰し,54位でチェッカーを受けています。今回の発表によると,今年は3人体制を採ることになっています。ただ,現段階では濱原と伊藤の名前が挙がっているだけで,3人目のライダーが誰になるのかは今後発表されることになります。
2019/05/15(水)
☆35年ぶり(F1)
○FIA等から発表があり,来シーズンからオランダGPを開催することになりました。ずっとレースカレンダーから消えていたオランダGPですが,今回の決定により,35年ぶりに復活することとなります。今回の復活劇に大きな影響を与えたのは,間違いなく同国を代表するドライバーであるM.フェルスタッペンの活躍でしょう。レッドブルからフル参戦しているフェルスタッペンですが,今シーズンは週末に行われたスペインGPにおいて3位に入り,今季2回目の表彰台を獲得すると共に,ランキング争いで3位につけています。メルセデスという圧倒的な強さと速さを見せているチームがあるため,現段階ではなかなかチャンピオンに上り詰めるということは叶いませんが,レッドブル&ホンダという組み合わせが今後さらに力をつけるようになると,ごく近い将来彼がチャンピオンに輝く可能性を十分に秘めているだけに,オランダは否が応でも盛り上がりを見せていて,あちらこちらの観客席でオランダのイメージカラーであるオレンジを見かけるようになっています。今回の発表によると,会場となるのは,35年前にオランダGPが開催されたザントフールト・サーキットで,この時はN.ラウダ(35年という長い年月を実感しますね。)が勝利を収めています。来季といえば,新たな開催地としてベトナムGPが登場することが決まっています。オランダGPの復活により,今季が全21戦ですが,このままでは全23戦ということになります。開催数に関しては,現行を維持するという方針が出されていますので,来季は現行の開催地の中から2カ所がカレンダー落ちすることになります。どこが落ちることになるのか気になるところですが,噂に上っているのがスペイン(バルセロナ),イギリス(シルバーストーン),ドイツ(ホッケンハイム),そしてメキシコの4カ所です。いずれの開催地も今シーズンで開催契約が切れることになっていて,それを延長する必要性が生じているものの,現段階では契約延長が発表されていないところです。いずれも伝統のある開催地ですので,どこがカレンダーから消えることになるのか,今後の推移が気になるところです。
2019/05/14(火)
☆初優勝(SBK)
○今シーズンのSBKは,今季初参戦のAruba.it レーシング-ドゥカティのA.バウティスタが全勝でランクトップを独走しています。そのような状況の中,第5戦イモラ大会の決勝レースが,イタリアのイモラ・サーキットにおいて5月11日(土)にレース1,12日(日)にスーパーポール・レースが行われました。レース1は,2番グリッドからのスタートした昨年までのチャンピオンであるカワサキ・レーシングチーム・ワールドSBKのJ.レイが好スタートを切り,オープニングラップでトップに立つと,昨年までのレイを再現するかのように徐々に後続との差を広げて行き,コースレコードを更新する速さを見せながら独走態勢を築いて今季初優勝を飾りました。前戦まで全勝を飾っているバウティスタは,レイに7秒以上の遅れは取ったものの2位でチェッカーを受けています。ターキッシュ・プセッティレーシングのT.ラズガットリオグルとパタ・ヤマハ・ワールドSBKチームのM.ファン.デル.マークとがテールトゥーノーズで争われた3位争いは,ラズガットリオグルに軍配が上がっています。唯一のフル参戦日本人ライダーであるモリワキ-アルティア・ホンダ・チームの清成龍一は,14位でチェッカーを受けてポイントを獲得しています。
所々にウェットパッチが残っている状況の中で行われたスーパーポール・レースにおいても,レース1で今季初優勝を飾ったレイが速さを見せ,オープニングラップでトップに立つと最速タイムを刻んでいき,Aruba.it レーシング-ドゥカティのC.デイビスがコースレコードをマークする速さを見せてレイを追い上げていきましたが,最終的に2秒以上の差をつけてレイが逃げ切り,2連勝を飾りました。3位にバウティスタが入り,この大会は優勝こそできなかったものの,2レース共に表彰台を獲得しています。清成は16位でのチェッカーとなり,惜しくもポイント獲得には至りませんでした。なお,通常はその後に行われるレース2ですが,この日は大雨に見舞われる天候へと変化していき,2輪が走行するには危険だということからキャンセルになっています。
SBKと併催で行われているWSSには,日本人ライダーとしては唯一カワサキ・プセッティ・レーシングの大久保光がフル参戦していますが,一旦は10位まで順位を下げたものの,その後徐々にポジションを回復していき,最終的に自己最高位となる4位でレースを終えました。今シーズンの大久保は,表彰台獲得が命題となっていますが,あと一歩の所まで迫り,今後の活躍が期待できる大会となりました。
2019/05/13(月)
☆5戦連続&開幕戦以来(F1)
○第5戦スペインGPの決勝レースが,好天に恵まれたカタルニア・サーキットで行われました。フロントローをメルセデスAMG勢が占めてスタートした決勝レースは,ポールスタートのV.ボッタスがやや出遅れたのに対し,2番手スタートのL.ハミルトンが好スタートを切り,ハミルトンが先頭に立ってレースを引っ張る形となりました。3番手スタートしたフェラーリのS.ベッテルがやや出遅れたのに対し,4番手スタートしたレッドブルのM.フェルスタッペンが好スタートを切って見事3位に浮上しました。4,5位の座をフェラーリの2台がつけるという形で展開していきました。フラットスポットを作ってマシンにバイブレーションが発生してペースが上がらないベッテルに対し,チームメイトのC.ルクレールはペースが上回っているため,チームからの司令によりルクレールが3位に浮上しました。その後は,ピットのタイミングの違いで順位は変わることはあったものの,トップ3はそれぞれ単独での走行となりました。タイヤ交換を済ませてからはペースが上がったベッテルは,ルクレールの背後に迫るようになり,これを受けてチームが再びオーダーを出してベッテルが前に出ました。単独走行は最後まで続き,ハミルトンが今季3勝目を挙げてランクトップに立ちました。2位にボッタスが入り,メルセデスAMGは開幕以来ずっとワンツーフィニッシュを決めたことになります。3位に入ったフェルスタッペンは,開幕制以来となる3位表彰台獲得となりました。チームメイトのP.ガスリーは,前を行くフェラーリ勢に追いつくことはできなかったものの,こちらも単独走行で6位に入っています。トロロッソ・ホンダ勢は,D.クビアトが9位に入ってポイントを獲得したものの,A.アルボンは11位に終わって惜しくもポイント獲得に至りませんでした。
2019/05/12(日)
☆3戦連続(F1)
○第5戦スペインGPの予選が,暑い日差しが差し込むカタルニア・サーキットで行われました。ここまで2戦連続してメルセデスAMGのV.ボッタスがポールを獲得してきていますが,そのボッタスは初日から好調な走りを見せていました。そのボッタスの好調さは予選でも発揮され,Q3のファーストアタックでトップタイムをマークすると,その後は誰も彼のタイムを更新することができず,3戦連続してのポール獲得となりました。2番グリッドを獲得したのがL.ハミルトンでしたから,おちらも3戦連続メルセデスAMG勢のフロントロー独占となります。チームメイト同士によるワンツーですが,2人のタイム差を見るとおよそコンマ634秒離れていますし,何といっても,昨年ハミルトンが記録したコースレコードを0.767秒も更新していますから,ボッタスがいかに速いかが分かる予選となっています。3番手タイムをフェラーリのS.ベッテルがマークし,4番手タイムはレッドブルのM.フェルスタッペンでした。この2人の予選順位も,このところ定着した感があります。他のホンダ製PU勢ですが,レッドブルのP.ガスリーとトロロッソ・ホンダのD.クビアトはQ3まで進出を果たし,ガスリーは6番グリッド,クビアトは9番グリッドとなっています。トロロッソ・ホンダのA.アルボンはQ2での敗退となり,今日行われる決勝は12番グリッドからのスタートとなります。
2019/05/11(土)
☆契約延長(MotoGP)
○イギリスGPの会場であるシルバーストーン・サーキットとドルナスポーツ社から発表があり,既に2018年から3年間の開催契約が成立していますが,この度さらに2021年までの開催を延長する契約が成立しました。GPとシルバーストーン・サーキットとは,1970年代から80年代にかけてずっとイギリスGPの開催地になっていました。しかし,その後は開催地がドニントンパーク・サーキットへと変更され,2000年代まで続いていきました。そして,シルバーストーンが大幅改修されてから再び同地が会場となり,現在に至っています。まさに長い伝統がある同サーキットですが,昨年のこの大会はそうした伝統に傷が入るものとなってしまいました。イギリスといえば不安定な天候が多い国で,ウェットコンディションとなっても何ら不思議はない開催状況にあります。それだけに,雨への対策は十分になされているはずなのですが,改修工事があったにもかかわらず排水設備には不備があり,大雨に見舞われた決勝レースは,2輪が走行するにはとても危険だということで大会自体がキャンセルになってしまいました。今回の発表によると,開催延長の決定だけでなく,昨年の反省を受け,8月23〜25日に開催されるイギリスGPの前に路面の再舗装工事を行うことも決定しているとのことです。
2019/05/08(水)
☆テストでも(MotoGP)
○レプソル・ホンダ・チームのM.マルケスの独走優勝で終了した第4戦スペインGPですが,チームやライダーはそのまま開催地であるヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトに残り,シーズン中のテストが行われました。今回はテストですから,チームやライダーによってテストメニューが違いますので,単純にタイムで比べることはできません。ただ,参考になることも間違いなく,今回のテストでトップタイムをマークしたのは,スペインGPの予選でポールを獲得したヤマハのサテライトチームであるペトロナス・ヤマハSRTのF.クアルタラロでした。しかも,彼がマークしたタイムは,スペインGPの予選でマークしたタイムを上回るものでした。情報によると,クアルタラロもアップデートされたパーツもテストしたものの,最速タイムはそれらを用いていない時にマークしたもののようです。クアルタラロがマークしたのは1分36秒台でしたが,その1分36秒台をもう1人マークしたライダーがいます。それは,ホンダのサテライトチームであるLCRホンダ・カストロールのC.クラッチローです。そのクラッチローは電子制御のパーツ等をテストしたとのことですが,彼の最速タイムを刻んだ時には,ワンメークタイヤであるミシュランが今回投入した新しい仕様のタイヤを履いた時にマークしたとのことです。3番手タイムをマークしたのは,スペインGPの予選で2番手タイムだったクアルタラロのチームメイトであるF.モルビデリでした。彼がテストしたのは,ファクトリーチームがスペインGPで投入した新しいフェアリングをテストしたりしたようです。スペインGPを制したマルケスは,今回ワイルドカード参戦したHRCの開発ライダーであるS.ブラドルが使用したのと同じカーボン製シャーシのRC213Vを駆ったようで,タイムは7番手タイムでした。クラッチローのチームメイトであるLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,今回のテストで新しいパーツをテストしておらず,セットアップに集中してテストに臨み,10番手タイムでテストを終えています。
2019/05/07(火)
☆返り咲き&初表彰台(MotoGP)
○第4戦スペインGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトで行われました。MotoGPクラスは,前日に行われた予選において,今季から最高峰クラスに参戦し,唯一のヤマハのサテライトチームであるペトロナス・ヤマハSRTのF.クアルタラロとF.モルビデリが,それぞれ1,2位につけるという快挙を成し遂げていました。決勝レースでは,ペトロナス・ヤマハ勢と同じファーストローからスタートしたレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが好スタートを切り,マルケスの後ろにペトロナス・ヤマハ勢がつけるという展開となりました。トップに立ったマルケスは,途中では,レース中のファステストラップを更新する速さを見せたりしながら徐々に後続との差を広げて行きました。それに対して,後続では,クアルタラロは2位の座を確保しましたが,モルビデリはペースが上がらず,少しずつ順位を下げていきました。そのような中,前戦で念願の初優勝を飾ったチーム・スズキ・エクスターのA.リンスが3位に浮上し,クアルタラロを追う展開となりました。最高峰クラスで初表彰台を狙うクアルタラロでしたが,14周目に突然ペースダウンとなり,どうやらギアチェンジ部分にトラブルが発生したようでした。残念ながらリタイアに終わってしまったクアルタラロでしたが,今後の活躍に期待が持てるレースとなっています。トップを行くマルケスと,クアルタラロの脱落により2位に浮上したリンスが単独走行となり,注目は3位争いとなりました。最終的にモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスとミッション・ウィノウ・ドゥカティのA.ドビツィオーゾとの間で繰り広げられた3番手争いは,最後にビニャーレスがペースを上げてドビツィオーゾを振り切り,今季自己最初の表彰台獲得となりました。独走で優勝したマルケスは,ランキング争いで再びトップに返り咲いています。自身最高位の8番グリッドからスタートしたLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,事前テストで最速タイムを刻んだ経験がある得意のサーキットということで期待されました。しかし,彼の課題の一つであるレース序盤でのペースアップが叶わず,順位を一旦下げてしまいました。その後は順位を回復し,さらに前を行くライダーのリタイアなどがあって,最終的に9位でチェッカーとなり,開幕以来続けているトップ10フィニッシュを今回も達成しています。
Moto2クラスは,スタート直後の1コーナーで多重クラッシュが発生して赤旗が提示され,レース周回数が23から15周へと減周される波乱のスタートとなりました。そのような中,今季ここまで2勝を挙げているフレックスボックスHP40のL.バルダッサーリは,その好調さを維持する速さを見せ,4戦目にして3勝目を挙げました。ポールからスタートしたスピードアップのJ.ナバーロは,トップからコンマ359遅れの2位でチェッカーとなりました。3位には,単独走行でバルダッサーリのチームメイトであるA.フェルナンデスが入っています。ONEOXO TKKR SAGチームの長島哲太は,9番グリッドからスタートし,トップから7秒以上離されてしまったものの,自己最高位となる7位でチェッカーを受けています。
Moto3クラスは,開幕戦でホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡が優勝するという快挙を成し遂げていて,他の日本人ライダーにいい刺激を与えていました。その刺激が今回は形となって表れ,予選でSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が自己最高位となる2番グリッドを獲得しています。決勝レースは,このクラスらしく10台近いマシンでのバトルが展開されていきました。徐々にトップ争いの台数は絞られていきましたが,それでも誰が勝ってもおかしくない状況となりました鈴木竜生と彼のチームメイトであるN.アントネッリ,そしてスカイ・レーシング・チームVR46のC.ビエッティとの間で繰り広げられたトップ争いは,ファイナルラップまで続き,先頭を行くアントネッリ,それに次ぐビエッティ,3位につけた鈴木竜生との間でバトルが展開されていき,鈴木竜生はビエッティを交わして2位まで浮上したものの,アントネッリを交わすことはできず,コンマ242秒差で惜しくも2位でチェッカーとなりました。それでも参戦5年目にして自身初の表彰台獲得となっています。他の日本人ライダー勢ですが,鳥羽海渡が6位,その鳥羽のチームメイトである小椋藍が9位に入ってトップ10の内3人の日本人ライダーが入るという好結果を出しています。ボエ・スカル・ライダー・ムゲン・レーシングの真崎一輝が13位,ペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢が15位に入って,日本人ライダー全員がポイント獲得となっています。
 

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