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2016最新ニュース

2016/11/30(水)
☆海外へ(JRR)
○JSB1000クラスにチーム・グリーンからフル参戦していた渡辺一樹から11月16日(水)に発表があり,今シーズン限りで同チームから離脱することが発表されました。2012年にJ-GP2クラスでタイトルを獲得し,翌年からカワサキのワークスチーム的立場にあるチーム・グリーンに移籍して最高峰クラスにステップアップを果たしていました。同チームのエースライダーは柳川明ですが,彼も年齢的にかなり上になっていますから,今後は渡辺が重責を担っていくのかなと勝手に思っていたのですが,突然の発表で私自身「?」という感じでした。しかも,その段階では来季について発表がなかったため,疑問は解消されないままでした。しかし,11月22日(火)に新たな発表があり,SBKと併催で行われているWSS(スーパースポーツ世界選手権)に「Team GOELEVEN」からフル参戦することになりました。使用するマシンですが,WSSは600ccマシンで争われているカテゴリーですから,ある意味当然のことながらカワサキの600ccマシンであるZX-6Rです。今回の発表を聞いて,私自身の疑問が一挙に解消した想いでした。WSSにおけるカワサキのマシンを駆るフル参戦日本人ライダーといえば,近年では既に第一線からは退いている藤原克昭以来となります。現在のWSSは,ホンダのマシンを駆って今季フル参戦し,来季も同じ体制で臨むことが決定している大久保光がいますので,来季は2人の日本人ライダーがフル参戦することになります。
2016/11/29(火)
☆初タイトル(F1)
○今シーズンの最終戦となる第21戦アブダビGPの決勝レースが,夕暮れ迫るヤス・マリーナ・サーキットでナイトレースという形で行なわれました。今回の大会は,今シーズン最後ですし,今季限りで既に引退することを表明しているウィリアムズのF.マッサにとって,そして大会直前にF1のレースから引退を表明したマクラーレン・ホンダのJ.バトンにとっても,これが最後のレースとなります。今大会でタイトルが決まることになりますが,その可能性を残しているのが,ランクトップを行くN.ロズベルグと2位のL.ハミルトンのメルセデスAMG勢の2人です。この2人は,前日に行なわれた予選の結果,ポールはハミルトン,2番手がロズベルグと,これまたいつものようにこの2人がフロントローを占めました。タイトルが決まる決勝がスタートすると,トップの2人が順調にトップの座を守っていきました。ピットインのタイミングの違いでトップが変わることがありましたが,それが落ち着くと,やはり2人のバトルとなりました。そこで,ランク2位,そしてこのレースでトップを走るハミルトンが,ある作戦を採り始めました。それは,あえてペースを落として後続との差が縮まるようにしたのです。というのも,このままの順位では,ロズベルグのタイトル獲得が決まるだけです。逆転タイトルを決めるためには,自分とロズベルグとの間に数台入れる必要があるわけで,ハミルトンが優勝,ロズベルグが4位になると逆転タイトル成立となります。チームとしては,これまた当然もっとペースを上げるように指示するわけですが,ハミルトンはこの指示を無視していきました。しかし,最後までこの2人の座をおかされることがなく,ハミルトンは今季10勝目を挙げたものの,ロズベルグが2位で入って見事自身初のタイトル獲得となりました。2人のポイント差は,最終的に5ポイントまで縮まっていました。ロズベルグのタイトル獲得により,彼の父親のK.ロズベルグもF1でチャンピオンに輝いていますから,親子2代にわたるチャンピオン獲得となりました。これは,かつてG.ヒルとD.ヒルが親子2代チャンピオンとなっていますから,2組目の親子2代チャンピオンということになります。レース結果の方ですが,3位には,フェラーリのS.ベッテルが入っています。なお,マクラーレン・ホンダ勢ですが,F.アロンソが10位に入ってポイント獲得でシーズンを終えています。ただ,引退を決めたバトンは,残念ながらマシントラブルでリタイアに終わっています。
2016/11/24(木)
☆獲得条件(F1)
○明日からいよいよ今季最終戦となるアブダビGPが開幕し,そこで今シーズンのドライバーズタイトルが決まることになります。タイトルを獲得する可能性のあるのが,ランク1位に立っているN.ロズベルグとランク2位につけているL.ハミルトンのメルセデスAMG勢の2人になっています。ここまで2人の差は12ポイントですし,優勝回数が同じで,2位獲得回数で見るとロズベルグが1回上回っているため,ポイント差の面でも,優勝回数が同じの時は2位の獲得回数が条件となりますので,この面でもロズベルグが有利になっています。とはいえ,マシントラブルやアクシデントの可能性もあるわけですから,ロズベルグにとって安心できる状況とは言えないことも確かです。ここで,ロズベルグがタイトルを獲得する条件を確認しておきたいと思います。
まず,ハミルトンの順位にかかわらず,ロズベルグは表彰台を獲得すればチャンピオンとなります。ハミルトンが優勝の時はロズベルグは4位以内に,ハミルトンが2位の場合は4〜6位,ハミルトンが3位の場合は7〜8位,ハミルトンが4位の時は9〜10位に入れば良いことになります。つまり,ハミルトンは表彰台を獲得しない限りチャンピオンになれないということになります。果たしてロズベルグが自身初のタイトル獲得となるのか,ハミルトンがタイトル維持となるのか明日からの最終戦が楽しみですね。
2016/11/23(水)
☆開催終了(F1)
○数年前までのF1は,それまでのヨーロッパ中心からそれ以外の地域における新たな開催地が目白押しの状態でした。しかし,ここ数年はその流れもほぼ見られなくなり,逆にF1開催から撤退もしくは開催不可能な状態になる状況になってきています。その大きな要因は,F1人気の陰りによる観客数の大幅な減少と,それと反比例するかのように増加する開催権料という点です。そのような状況の中,マレーシア政府から発表があり,既に2年間の開催延長が決まっていますので,それが終了する2018年シーズンをもって,F1の開催を終了することになりました。もちろんその原因は,年々増加する開催権料と,年々減少するチケットの売り上げ&視聴率ということです。今回の発表によると,セパン・インターナショナル・サーキットで開催されているマレーシアGPは,年間3億リンギット(約75億円)に及ぶ資金を投入して開催しているとのことです。しかし,それに見合うだけの収入がなく,今回の撤退発表に至りました。現行のレギュレーションになって,「以前に比べると排気音に迫力がない」といった声が出たり,「いつも同じチーム&ドライバーしか勝ってない」というような状況があったりして,どの地域でも人気が大幅に劣ってきています。そして,インドネシアなど,同じように撤退するのではないかといわれている地域が他にもありますので,こうした状況を打開するために大幅なてこ入れがすぐ目の前に来ていることは間違いありません。
2016/11/22(火)
☆残留&残り3(F1)
○18日(金)付けのこのページでお伝えしましたが,その段階における来季のシートの残りはザウバーの2つとマノーの2つの合計4つのシートとなっていました。そして,この度ザウバーから発表があり,今シーズンも同チームからフル参戦しているM.エリクソンが来季も残留することになりました。慢性的な資金不足から,チーム売却や撤退が常に噂されていた同チームでしたが,チームの本拠があるスイスの『Longbow Finance(ロングボウ・ファイナンス)』からの資金投入を受けて資金不足の問題はある程度解決することができています。とはいえ,今シーズンに関しては,資金不足の中で開発されたマシンを使用していることもあって,大幅な戦闘力不足に悩まされ,シーズン開幕以来ノーポイントレースがずっと続いていました。ところが,先日行なわれたブラジルGPにおいて,F.ナッセが9位に入ってようやく初ポイントを獲得すると共に,チームランク争いで最下位から脱却しています。そのような中で今回残留が決まったエリクソンですが,彼に関しては,いくつかのチームに移籍するのではないかという噂は出ていました。しかし,結論としてはチーム残留ということになり,ザウバーには昨シーズンから在籍していますので,来季で3年目を迎えることになります。今シーズンはここまでノーポイントレースが続いているものの,昨シーズンは5回入賞する活躍を見せています。なお,エリクソンの残留決定により,あと残っている来季のF1シートは,ザウバーの1つとマノーの2つの合計3つとなりました。今回の発表によると,ザウバーの残り1つのシートは,「近日中」に発表されるということです。
2016/11/21(月)
☆有終の美(WEC)
○FIA世界耐久選手権における今季最終戦となる第9戦の決勝レースが,6時間レースとしてバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われました。この大会は,今シーズン限りで撤退することが決まっているアウディにとって,そして同じく今シーズン限りでレーシングドライバーからの引退を決めている元F1ドライバーのM.ウェーバーにとって最後のレースとなります。そのようなメモリアルレースとなる今季最終戦ですが,ポールからスタートしたL.ディ・グラッシ&L.デュバル&O.ジャービス組のアウディR18の8号車が好スタートを切ってホールショットを奪いました。さらに,4番グリッドからのスタートしたM.ファスラー&A.ロッテラー&B.トレルイエ組の4号車がレース序盤で2位までポジションアップを果たし,早くもアウディのワンツー体勢が築かれました。6時間と長丁場のレースでしたが,アウディのワンツー体勢を脅かすマシンは最後まで現われず,18年間にわたってル・マン24時間耐久レース等で数々の栄冠を獲得していた同社のマシンがワンツーフィニッシュを果たして有終の美を飾りました。また,2番グリッドからスタートしたT.ベルンハルト&M.ウエーバー&B.ハートレー組のポルシェ919ハイブリッドの1号車が,アウディに2位のポジションは奪われたものの,3位表彰台を獲得し,ウェーバーにとっても有終の美を飾ることとなりました。注目のタイトル争いですが,まずドライバーズタイトルですが,3番グリッドからのスタートしたR.デュマ&N.ジャニ&M.リエブ組のポルシェ919ハイブリッド2号車が,50分を過ぎた辺りで下位クラスのマシンと接触するというアクシデントに見舞われてしまったものの,幸いなことに再スタートを切ることができ,最終的に6位でチェッカーを受けて見事タイトルを獲得しました。チームタイトルでは,昨年のチャンピオンであるポルシェが,ドライバーズタイトルをあわせて2冠を達成しています。逆転タイトルを狙っていたトヨタ勢でしたが,アウディとポルシェのペースに全くついていくことできず,A.デイビッドソン&S.ブエミ&中嶋一貴組のトヨタTS050ハイブリッド5号車が4位,S.サラザン&M.コンウェイ&小林可夢偉組の6号車が5位でのチェッカーとなり,タイトル獲得には至りませんでした。
2016/11/18(金)
☆残りわずか(F1)
○後残り1戦となったF1ですが,レースの数が減っていくのと同時に,来季のシートも確実に減ってきています。先週12日(土)には,ハースから発表があり,来季は,R.グロージャンが残留すると共に,E.グティエレスとの契約が今季限りとなり,彼に替わってK.マグヌッセンとの契約が成立しました。ということで,あと残っているのは,噂はあるものの,まだ正式に来季のドライバーを一人も発表していないザウバーとマノーの2チーム,4シートということになりました。ここで,ここまで決まっている来季のシートについてまとめておきたいと思います。
2017年 F1シート獲得状況
チーム ドライバー
メルセデスAMG 44 L.ハミルトン
6 N.ロズベルグ
フェラーリ 5 S.ベッテル
7 K.ライコネン
レッドブル 3 D.リカルド
33 M.フェルスタッペン
マクラーレン・ホンダ 14 F.アロンソ
47 S.バンドーン
ルノー 27 N.ヒュルケンベルグ
30 J.パーマー
フォース・インディア 11 S.ペレス
31 E.オコン
ウィリアムズ 77 V.ボッタス
R.ストロール
トロ・ロッソ 55 C.サインツ
26 D.クビアト
ハース 8 R.グロージャン
20 K.マグヌッセン
ザウバー
マノー
2016/11/17(木)
☆2日連続(MotoGP)
○シーズン終了直後に例年行なわれているオフシーズンテスト2日目の走行が,この日もドライコンディションとなったリカルド・トルモ・サーキットで行われました。前日にトップタイムをマークしたモビスター・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスが,この日もトップタイムをマークして総合トップでテストを終えました。スズキのワークスライダーからヤマハのワークスライダーへと変化するビニャーレスですが,初めて乗ったマシンであるにもかかわらず,2日連続してトップの座に立つという離れ業を演じ,来季への期待をさらに持たせるリザルトを残しています。そのビニャーレスからおよそコンマ2秒差の2番手タイムをマークしたのは,今シーズンのチャンピオンで,来季も同じ体制でシーズンに臨むM.マルケスでした。今シーズンはドゥカティ・チームのチームメイトだったものの,来季はチームに留まるA.ドビツィオーゾとスズキワークスであるチーム・スズキ・エクスターに移籍するA.イアンノーネが,それぞれ3,4番手タイムをマークしています。5番手タイムは,来季もマルケスとチームメイトとなるD.ペドロサでした。プライベートチームとしては,LCRホンダのC.クラッチローの6番手が最高位でした。ルーキーライダーとしては,来季からモンスター・ヤマハ・テック3に所属するJ.フォルガーの10番手タイムが最高位で,そのチームメイトで,同じく来季のルーキーライダーとなる2年連続Moto2クラスチャンピオンであるJ.ザルコが11番でタイムでした。メーカーで見ると,アプリリアの最高位がA.エスパルガロの9位が,KTMではP.エスパルガロの17番手がそれぞれ最高位でした。なお,来季からのルーキーライダーであるチーム・スズキ・エクスターのA.リンスは,6周目に背中を強打する転倒を喫してしまい,病院に運ばれて以後の走行をキャンセルしています。また,同じくルーキーとなるアプリリア・レーシング・チーム・グレシーニのS.ロースは,前日の転倒の影響により,2日目の走行自体をキャンセルする事態となり,いきなり最高峰クラスマシンの洗礼を受けた形となりました。

☆解任(F1)
○このところF1のパドックで噂されていたマクラーレン・テクノロジー・グループの会長兼CEOを務めるR.デニスの解任についてですが,この度正式にその解任が発表されました。1980年からマクラーレン・グループとの関係を始めたデニスですが,今回の発表によると,会長兼CEOの座は解任されますが,マクラーレン・テクノロジー・グループおよびマクラーレン・オートモーティブの役員および株主の座は維持されるとのことです。ホンダのF1参戦第2期において,A.セナやA.プロスト等を擁して黄金期を築いたマクラーレンですが,その時のチームの顔として活躍したのが今回解任されたデニスで,私たち日本人にとっては最もなじみ深いチーム代表の一人でした。そのデニスのマクラーレン加入以来,コンストラクターズタイトルを7回,ドライバーズタイトルを10回獲得しています。そうした栄光の歴史を築いてきたマクラーレンですが,2008年シーズンにL.ハミルトンがタイトルを獲得して以降,チームは次第に停滞の時期に入っていき,勝利さえままならない状況が続いています。さらに,そうした低迷期にありがちですが,大口のスポンサーを徐々に失っていき,現在はタイトルスポンサーがいない状況が続いています。
2016/11/16(水)
☆いきなり(MotoGP)
○2016年シーズンのレースが終わり,MotoGPクラスは,来シーズンに向けた恒例のオフィシャルテストが,最終戦バレンシアGPの舞台であったリカルド・トルモ・サーキットで始まり,ドライコンディションの中で初日の走行が行なわれました。このテストは,毎年基本的に来季所属するチーム及びマシンで走行しますので,見た目にも違った新鮮な感じで見ることができます。その初日にトップタイムをマークしたのは,今季スズキのワークスチームであるチーム・スズキ・エクスターに所属してランク4位になり,来季からヤマハのワークスチームであるモビスター・ヤマハMotoGPに所属してフル参戦することになっているM.ビニャーレスでした。彼としては初めてYZR-M1を駆ったにも関わらず,その初日にいきなりトップタイムをマークするわけですから,そのポテンシャルの高さをいきなり見せつけた初日となりました。さらに,わずか100分の2秒差で2番手タイムをマークしたのが,ビニャーレスのチームメイトであるV.ロッシでしたから,今シーズンのチームタイトルを獲得した同チームが,来季連覇する可能性の高さを示しています。そのモビスター・ヤマハMotoGPから,来季はドゥカティのワークスチームであるドゥカティ・チームに移籍するJ.ロレンソが,やはり初めて駆るデスモセディチGP16で走行し,こちらは3番手タイムをマークしました。今シーズンのチャンピオンを獲得し,来季も同じ体制で臨むレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,トップからコンマ172秒遅れで4番手タイムでした。来季もそのマルケスのチームメイトとなるD.ペドロサは,今回から新たなチーフ・クルーとなるJ.グイドッティと初めて組み,10番手タイムで初日を終えています。他のライダーを見ると,ドゥカティワークスからスズキワークスに移籍するA.イアンノーネは7番手タイム,そのスズキワークスからアプリリアのワークスであるアプリリア・レーシング・チーム・グレシーニに移籍するA.エスパルガロが14番手でした。ヤマハのサテライトチームであるモンスター・ヤマハ・テック3から,来季フル参戦を開始するKTMのワークスチームであるレッドブルKTMレーシング・ファクトリーに移籍するP.エスパルガロが19番手,そのエスパルガロと一緒に移籍するB.スミスが20番手でした。日本人ライダーとしては,スズキの開発ライダーを務めている津田拓也が参加していて,トップから3秒遅れの25番手で初日を終えています。ちなみに,最下位のタイムをマークしたのは,今季Moto3クラスにアスパー・チームからフル参戦したF.バグナイアでした。彼がMotoGPクラスにおけるアスパー・チームであるプル&ベアー・アスパー・チームから走行したのは,もちろん来季からMotoGPクラスにフル参戦するからではなく,軽量級クラスで2勝を挙げたご褒美によるものです。
2016/11/15(火)
☆6メーカー(MotoGP)
○このページでは11日(金)付けでお伝えしましたが,9日(水)にFIMから来シーズンの暫定エントリーリストが発表されました。前回は,中・軽量級クラスについてお伝えしましたが,今回は最高峰クラスについてお伝えします。まず,メーカーに関してですが,来季からKTMが正式にフル参戦を開始しますので,全部で6メーカー(ホンダ,ヤマハ,スズキの日本国内3メーカー&ドゥカティ,アプリリア,KTMの海外3メーカー)となります。チーム数は12,ライダー数はLCRホンダが来季も1台体制ですので全部で23名となります。そのうち,ルーキーが4名です。今シーズンと同じく,レプソル・ホンダ・チームのM.マルケスがチャンピオンとなったワークスチームと,LCRホンダのC.クラッチローが獲得したインディペンデントチームの2つのカテゴリー分けがあります。なお,具体的な暫定エントリーリストは以下の表のようになっています。
2017年MotoGPクラス エントリーリスト(暫定)
ライダー チーム マシン
ワークス 26 D.ペドロサ レプソル・ホンダ・チーム ホンダ
93 M.マルケス
25 M.ビニャーレス モビスター・ヤマハMotoGP ヤマハ
46 V.ロッシ
4 A.ドビツィオーゾ ドゥカティ・チーム ドゥカティ
99 J.ロレンソ
29 A.イアンノーネ チーム・スズキ・エクスター スズキ
42 A.リンス
22 S.ロース アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ アプリリア
41 A.エスパルガロ
38 B.スミス レッドブルKTMファクトリー・レーシング KTM
44 P.エスパルガロ
インディペンデント 5 J.ザルコ モンスター・ヤマハ・テック3 ヤマハ
94 J.フォルガー
8 H.バルベラ アビンティア・レーシング ドゥカティ
76 L.バズ
9 D.ペトルッチ オクト・プラマック・ヤクニック ドゥカティ
45 S.レディング
17 K.アブラハム プル&ベアー・アスパー・チーム ドゥカティ
19 A.バウティスタ
35 C.クラッチロー LCRホンダ ホンダ
43 J.ミラー マークVDSレーシング・チーム ホンダ
53 T.ラバト エストレラ・ガルシア0,0マークVDS
2016/11/14(月)
☆ラストレースで(MotoGP)
○今シーズンの最終戦第18戦バレンシアGPの決勝レースが,ドライコンディションのリカルド・トルモ・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,前日に行なわれた予選でサーキットベストを刻んでポールからスタートしたモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンソは,決勝レースでもサーキットベストラップを刻んでトップの座を守り,ヤマハでの最後のレースを勝利で飾りました。ロレンソから1秒の遅れをとって,今シーズンのチャンピオンを日本GPで決めているレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが2位に入りました。トップから6秒以上離されたものの,前戦で今季8人目の勝者となったドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾが3位表彰台を獲得しています。来季からのフル参戦を見据え,開発ライダーを務めているM.カリオがスポット参戦したレッドブルKTMファクトリー・レーシングは,電子制御にトラブルが発生してリタイアを選択しました。また,日本GPで転倒を喫して鎖骨を折り,最終戦で復帰したレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサは,7番手走行中の7周目に転倒し,残念ながらリタイアに終わっています。
Moto2クラスは,前戦で優勝して今シーズンのチャンピオンを決めたアジョ・モータースポーツのJ.ザルコが,今季7度目となるポールからスタートし,終盤に入って後続との差を広げ,2位に3秒以上の差をつける独走で今季7勝目を挙げました。来シーズンからMotoGPクラスにステップアップを果たすザルコですが,いい形で今シーズンを,そして中量級クラスでの走りを締めくくっています。ガレージ・プラス・インターウェッテンのT.ルティとエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのF.モルビデッリとのバトルとなった2位争いは,ルティがこれを制しています。来季も同じ体制でこのクラスにフル参戦することが決まっているイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,トップから11秒遅れながら6位でチェッカーを受け,ランキングを1つ上げて6位で今シーズンを終えています。
Moto3クラスは,ポールからスタートしたレッドブルKTMアジョのB.ビンダーが,ミスで22番手まで順位を下げてしまいました。ところが,チャンピオンらしい速さを見せて徐々にポジションを回復していき,何と最終ラップにはトップに躍り出てそのままチェッカーを受け,今季7勝目を挙げて今シーズンを,そしてこのクラスでの走りを締めくくりました。最終ラップのストレートでビンダーにトップに立たれたものの,僅差で2位の座を守ったのは,レオパード・レーシングのJ.ミルでした。トップから1000分の81秒差で3位に入ったのが,スカイ・レーシング・チームVR46のA.ミニョでした。日本人ライダー勢ですが,CIPユニコム・スターカーの鈴木竜生は18位で,3番グリッドからスタートしたホンダ・チーム・アジアの尾野弘樹は21位でチェッカーを受けています。

☆大荒れ(F1)
○第20戦ブラジルGPの決勝レースが,激しい雨に見舞われてフルウェットでのレースとなったインテルラゴス・サーキットで行われました。今回のレースは,大雨により足元をすくわれてクラッシュが続発し,セーフティーカーや赤旗が複数回提示されるという大荒れのレースとなりました。およそ4分の1のマシンがアクシデントやトラブルでリタイアを喫したこのレースを制したのは,ポールからスタートしたメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。2番グリッドからスタートしたN.ロズベルグがその座を守ってチェッカーとなり,ランクトップのロズベルグとランク2位のハミルトンとの差がさらに縮まり,12ポイント差で最終戦を迎えることになりました。大荒れのレースで何が起こるか分からない状況でしたが,レッドブルのM.フェルスタッペンが猛チャージを見せて3位表彰台を獲得しています。マクラーレン・ホンダ勢は,F.アロンソが10位に入ってポイントを獲得し,J.バトンは完走した中では最下位となる16位でのチェッカーとなりました。なお,今季ここまでノーポイントレースが続いていたザウバーですが,F.ナッセが9位でチェッカーを受けてうれしい今季初ポイントをチームにもたらしました。

☆優勝で(SGT)
○今季最終戦となる第8戦の決勝レースが,ドライコンディションのツインリンクもてぎで行われました。GT500クラスは,ポールからスタートしたH.コバライネン&平手晃平組のDENSO KOBELCO RC Fが,大嶋和也&A.カルダレッリ組のWAKO'S 4CR RC Fの追撃を受け,終盤は1秒差まで詰め寄られました。しかし,元F1ドライバーの意地からか,コバライネンが最後までトップの座を守り続け,うれしい今季初優勝を飾ると共に,自身,そしてチームにうれしい初タイトルをもたらしました。3位には,関口雄飛&国本雄資組のWedsSport ADVAN RC Fが入っています。今シーズンはGT-Rが速さを見せる事が多かったのですが,ウェイトハンディがない状態での戦いとなった最終戦は,来季から新型マシンが投入されるため,今大会が最後となるRC Fが速さを見せてトップ5を独占しています。
GT300クラスは,終盤に入って土屋武士&松井孝允組のVivaC 86 MCと,嵯峨宏紀&中山雄一組のTOYOTA PRIUS apr GTとの間でトップ争いが展開されていきました。34周目にトップに立ったVivaC 86 MCは,PRIUSの追撃をかわしてトップの座を守りきり,今季2勝目を挙げると共に,チームに今シーズンのチャンピオンを決めました。今シーズン限りで第1ドライバー登録を行わないという土屋にとっては,有終の美を飾る結果となりました。3位には,谷口信輝&片岡龍也組のグッドスマイル 初音ミク AMGが入っています。
2016/11/13(日)
☆史上最多タイ&初(MotoGP)
○今シーズンの最終戦となる第18戦バレンシアGPの予選が,ドライコンディションとなったリカルド・トルモ・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,今シーズン限りでヤマハからドゥカティへ移籍することになるモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンソが,サーキットベストを更新する速さを見せてポールを獲得し,史上最多タイとなる通算65度目のポールシッターとなりました。3度行なわれたフリー走行で総合トップタイムだったレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが,トップからおよそコンマ3秒遅れで2番手タイムでした。来季もヤマハのワークスライダーとしてチームに留まるモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシが,トップからおよそコンマ7秒遅れで3番手タイムでした。
Moto2クラスは,前戦である第17戦マレーシアGPで,勝利を収めて2年連続チャンピオンを決めたアジョ・モータースポーツのJ.ザルコがトップタイムをマークし,この大会で2年連続となるポールを獲得しました。そのザルコからわずか1000分の6秒差で,ガレージ・プラス・インターウェッテンのT.ルティが2番手タイムでした。さらに,トップから1000分の54秒差で,エストレラ・ガルシア0,0マークVDSのF.モルビデッリが3番手タイムでした。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,トップからおよそコンマ5秒遅れで9番グリッドを獲得しています。
Moto3クラスは,エストレラ・ガルシア0,0のA.カネトがトップタイムをマークし,自身初となるポールを獲得しています。今シーズンのチャンピオンを決めているレッドブルKTMアジョのB.ビンダーが,トップからわずか1000分の18秒遅れで2番手タイムでした。そして,来シーズンのシートが決まっていないホンダ・チーム・アジアの尾野弘樹が,トップからおよそコンマ1秒遅れで3番手タイムをマークしています。来シーズンはチームを移籍してこのクラスにとどまることが決まっているCIPユニコム・スターカーの鈴木竜生は,22番手タイムで予選を終えています。

☆今回も(F1)
○第20戦ブラジルGPの予選が,どんよりとした曇り空でいつ雨が降ってもおかしくない天候ながら,ドライコンディションでの走行となったインテルラゴス・サーキットで行われました。今大会もチャンピオン争いを展開しているメルセデスAMGのL.ハミルトンとN.ロズベルグのチームメイト同士によるポール獲得争いとなりましたが,ランク2位につけて逆転タイトルを狙っているハミルトンに軍配が上がり,およそコンマ1秒の差をつけてポールを獲得しました。ラストアタックでは,多くのドライバーがタイムアップを果たせませんでしたが,フェラーリのK.ライコネンがタイムアップを果たし,3番手タイムをマークしています。マクラーレン・ホンダ勢は,F.アロンソがQ2を突破してQ3に臨み,10台中最後にはなりましたが10番グリッドを獲得しています。J.バトンは惜しくもQ1突破とならず,17番グリッドを獲得して予選を終えています。

☆タイヤ無交換(SGT)
○元々の第3戦はオートポリスで行なわれる予定でしたが,熊本や大分を中心に襲った「熊本大震災」によりやむなく中止となっていました。そこで,ツインリンクもてぎで開催される今シーズンの最終戦となる第8戦のスケジュールが変更となり,12日の土曜日に第3戦の代替レースが,13日の日曜日に本来の第8戦の決勝レースが行なわれるという2レース制となりました。
その第3戦の代替レースが,前日とは打って変わってドライコンディションの中で12日に行なわれました。GT500クラスは,佐々木大樹&柳田真孝組のフォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rが,他チームがピットインした後もそのままコースにとどまり,トップに立ちました。その後ピットインしましたが,ここでタイヤ無交換作戦を敢行。これが功を奏してトップのままコースに復帰することができました。そのGT-Rを急激に追い上げてきたのが,H.コバライネン&平手晃平組のDENSO KOBELCO SARD RC Fでした。ペースアップして6秒差あったものを1秒差まで詰めていきましたが,何とかGT-Rがブロックして押さえきり,第4戦以来となる今季2勝目を近藤真彦監督にプレゼントしました。3位には,伊藤大輔&N.キャシディ組のau TOM'S RC Fが入っています。
GT300クラスは,R.ライアン&藤井誠暢組のHitotsuyama Audi R8 LMSがトップに立つと,後続との差を徐々に広げていって,最終的には2秒以上の差をつける独走で今季初優勝を飾りました。2位争いは最終盤まで続き,山野直也&J.ベルグマイスター組のExcellence Porscheが,ファイナルラップに入ったストレートで織戸学&平峰一貴組のマネパ ランボルギーニ GT3を交わしてその座を守りきり,2位でチェッカーとなりました。
2016/11/12(土)
☆どちらも(MotoGP)
○今シーズンの最終戦バレンシアGPが,ドライコンディションのリカルド・トルモ・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行なわれました。MotoGPクラスは,モビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンソが,どちらの走行もトップタイムをマークし,初日総合トップに立ちました。ロレンソの初日総合トップは,ツインリンクもてぎで行われた日本GP以来となります。その日本GPで今シーズンのチャンピオンを決めているレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが,初日総合2番手タイムをマークしました。来シーズンは,ロレンソに替わってヤマハのワークスライダーとなるチーム・スズキ・エクスターのM.ビニャーレスが,マルケスに1000分の65秒遅れて総合3番手につけました。
Moto2クラスは,前戦で2位表彰台を獲得したエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのF.モルビデッリがトップタイムをマークし,2戦連続して初日総合トップに立ちました。その前戦で,完走しながらもポイント圏外でのチェッカーとなったイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶が,トップからおよそコンマ1秒遅れで初日総合2番手に立っています。前戦で,このクラス初となる2年連続チャンピオンを決めたアジョ・モータースポーツのJ.ザルコが,トップからコンマ3秒遅れで総合3番手となりました。
Moto3クラスは,グレシーニ・レーシングMoto3のE.バスティアニーニが初日総合トップタイムをマークしました。そのバスティアニーニですが,オーストラリアGPで転倒を喫し,第9胸椎と肋骨を骨折したため,前戦のマレーシアGPを欠場し,今回が復帰戦となります。その初日で総合トップですから,その意志と体の強さには驚かされます。そのモルビデッリからわずか1000分の99秒差で総合2番手タイムだったのはRBAレーシング・チームのJ.ゲバラで,これは初日としては自己最高位となります。そのゲバラから1000分の79秒遅れで総合3番手タイムだったのは,レオパード・レーシングのJ.ミルでした。日本人ライダー勢ですが,来季はチームを移籍してこのクラスにフル参戦することが決まっているCIPユニコム・スターカーの鈴木竜生が総合16番手,来季はシート喪失となりそうなホンダ・チーム・アジアの尾野弘樹が総合25番手でした。

☆逆転に向け(F1)
○第20戦ブラジルGPがドライコンディションのインテルラゴス・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行なわれました。ここまでランク2位につけて逆転タイトルを狙うメルセデスAMGのL.ハミルトンが,その2回の走行共にトップタイムをマークし,ポイント差を詰めるのに好発進しました。そのハミルトンからコンマ1秒遅れで初日総合2番手タイムだったのは,レッドブルのM.フェルスタッペンでした。ここまでランクトップに立っているメルセデスAMGのN.ロズベルグは,2回目の走行では2番手タイムだったものの,総合では初日総合3番手でした。マクラーレン・ホンダ勢は,F.アロンソが2回目のフリー走行の途中でトラブルが発生したため,途中で走行をとりやめるアクシデントに見舞われてしまいました。ただ,チームメイトのJ.バトンは,その2回目の走行で10番手タイムでしたから,悲観される状況ではないようです。
2016/11/11(金)
☆合計5人(MotoGP)
○9日(水)に,FIMから各クラスの2017年における暫定エントリーリストが発表されました。MotoGPクラスについては後日お伝えするとして,今日は日本人ライダーがエントリーしている中・軽量級クラスについてお伝えします。
まずMoto2クラスですが,全部で19チーム32人が参戦することになります。このクラスは,ホンダが供給するワンメークエンジンを使用しますが,シャーシについては,来季は5つのコンストラクターが供給することになります。その内訳ですが,やはり多数を占めるのはこれまで通りカレックス製のマシンで,ユーザー数は22となります。次に多いのは,これまたこれまで通りスッター製のマシンで,合計は4台となります。後はスピードアップ,テック3,そして来季から登場するKTM製のマシンで,いずれもユーザー数は2台となっています。フル参戦する日本人ライダーは,まず2018年シーズンには最高峰クラスにステップアップすることが期待される中上貴晶で,チームは今シーズンと同じくイデミツ・ホンダ・チームとなります。そして,CEVのMoto2クラスで活躍した長島哲太が再び参戦することになり,テルルSAGチームからのエントリーとなっています。
次にMoto3クラスですが,エントリーは17チーム31人となっています。マシンの内訳ですが,一番多いのはホンダで,ユーザー数は全部で15となっています。次に多いのは,今シーズンのチャンピオンマシンであるKTMで,ユーザー数は10です。後は,マヒンドラが4,プジョーが2となっています。フル参戦する日本人ライダーは,全部で3人となっていて,今季からの継続は鈴木竜生です。ただ,チームは移籍することになっていて,来季からの新規参入チームであるSIC58スクアドラ・コルセからのエントリーです。マシンについても変わっていて,今シーズンはマヒンドラを使用しましたが,来季は彼が熱望していたホンダのマシンを使用することになりました。ちなみに,"SIC58"というチーム名から分かるように,彼が所属することになったのは,故M.シモンチェリ選手の意志を次いで結成されたチームです。後の2人はルーキーライダーで,アジアタレントカップからのステップアップとなる鳥羽海渡と今季代役参戦を果たしている佐々木歩夢です。鳥羽はホンダ・チーム・アジアから,佐々木はSICレーシング・チームからのエントリーとなっています。なお,今季ホンダ・チーム・アジアからフル参戦している尾野弘樹の名前はありません。このページでは,これまで度々彼に対して「転倒リタイアをせず,完走を果たさないといけない。」ということを書いてきましたが,ツインリンクもてぎで行なわれた日本GPこそ活躍したものの,年間を通して転倒リタイアが必要以上に多かったのも事実です。フル参戦2年目における戦い方がどうあるべきか,それを実行できなかった結果がシート喪失に繋がったと言っても過言ではないでしょう。厳しい指摘をしましたが,それが2輪レース最高峰であるGPの現実です。
2016/11/10(木)
☆活動終了(SF&SGT)
○ホンダを代表するドライバーの一人である道上龍がオーナー兼監督を務め,SFでは『DRAGO CORSE』として,SGTでは『Drago Modulo Honda Racing』としてGT500クラスに参戦している『ドラゴ・コルセ』から発表があり,今シーズン限りでチームとしての活動を終了することになりました。同チームは,2014年シーズン途中から参戦を開始し,初年度は伊沢拓也を起用してSFに参戦しました。そして,昨シーズンから現在の木暮卓史を起用して現在に至っています。SGTについては,それまでずっとホンダ陣営の1つであった童夢が参戦をとりやめることとなり,その後を受ける形で2015年シーズからGT500クラスに参戦を開始し,初年度は木暮&O.ターベイのペアで戦いました。参戦2年目となる今シーズンは,ターベイが残留すると共に,木暮に替わって武藤英紀がホンダNSXコンセプト-GTのステアリングを握っています。さらに,今季途中からターベイがFEにフル参戦することになったため離脱することになり,全日本F3にフル参戦しているホンダの若手の中で最も注目株のドライバーである牧野任祐を起用し,先日タイで行われた第7戦では,見事2位表彰台を獲得しています。チーム創設以来着実に成果を出してきている同チームですが,創設3年にして活動終了ということになってしまいました。同チームの活動終了については,今季途中から噂には上っていましたが,それが現実のものになるのかは不透明なままでした。しかし,今回の発表により,それが単なる噂ではなかったことが明らかとなりました。なぜ今回の決定に至ったのかは不明ですが,今季途中で道上がWTCCにスポット参戦したことが要因の1つになっていることは想像できます。このスポット参戦ではポイント獲得に至りませんでしたが,久々のレース参戦ながら,やはり元ホンダのエースライダーと思わせる走りの一端を見せたことは確かです。道上の活動については不透明ですが,再びレースドライバーとして,もしくは開発ドライバーとして活動を再開することになるのかもしれません。また,今季SF及びSGTに同チームから参戦していたドライバー,そしてメカニックたちの去就も気になるところです。いずれにしても,同チームはホンダからの支援を受けている有力チームの1つですから,これらの点についても,ホンダとの話し合いを受けて新たな展開を見せることになるのは間違いありませんので,今後に要注目となります。
2016/11/09(水)
☆体制発表(MotoGP)
○イタリアのミラノで開催されている『EICMA2016(ミラノショー)』の会場において,ホンダが来季の二輪モータースポーツ活動における世界選手権の参戦体制を発表しました。それによると,まずMotoGPクラスについては,今シーズンと全く同じ体制で来季も臨むことになります。ワークスチームであるレプソル・ホンダ・チームは,今シーズンのチャンピオンを獲得したM.マルケスと,ケガにより欠場していたものの,最終戦バレンシアGPは復帰することになっているD.ペドロサの2人となります。サテライトチームについては,2チームへマシン供給を継続し,その1つが今季ここまで2勝を挙げているLCRホンダのC.クラッチローです。そしてもう1チームがエストレラ・ガルシア0,0マークVDSで,こんきここまで1勝を挙げているJ.ミラーと,今シーズンから最高峰クラスにステップアップを果たしているT.ラバトの2台体制となります。なお,それらの内,HRCとの契約ライダーとなるのは,レプソルの2人にミラーを合わせた3人です。また,どのライダーにも,来季型の『RC213V』が供給されることになりますが,その内マルケスとペドロサについては,もちろんワークス仕様のマシンとなります。私たち日本人の願いは,2018年シーズンからは,この顔ぶれの中にMoto2クラスで活躍している中上貴晶が加わることでしょうね。
Moto3クラスについては,具体的なチームやライダーの名前は出ていませんが,同クラスにおけるホンダのワークスマシンである『NSF250RW』が全部で15台投入し,それらを8チームに供給することになっています。
市販車マシンで争われるSBKについては,これまで通りT.ケイト率いるホンダ・ワールド・スーパーバイク・チームがワークス的立場を果たし,そこに所属するライダーの1人は,2006年MotoGPチャンピオンで,今季からSBKに戦いの場を移したN.ヘイデンが継続して参戦します。チームメイトは,今シーズンの相棒だったM.ファン.デン.マークがヤマハに移籍するのに伴い,彼に替わって今季MotoGPクラスでアプリリアのワークスチームであるグレシーニ・レーシングからフル参戦しているS.ブラドルが,同クラスでLCRホンダでフル参戦して以来久々にホンダから参戦することになります。
来年早々に行なわれるダカール・ラリーについては,来季で5年目の参戦となります。過去4年いいところまではいくものの,なかなか優勝には届かないという状況が続いているだけに,節目のいいこの年に優勝を飾りたいところでしょう。ライダーについては,ワークスチームのモンスターエナジー・ホンダ・チームからの参戦となり,J.バレダ,P,ゴンサルヴェス,K.ベナバイズ,R.ブラベック,M.メッジの5台体制となります。使用するマシンは,17年型のワークスマシンである『CRF450 RALLY』となります。
2016/11/08(火)
☆メカニックも(WEC&F1)
○先日,ル・マンを含んだWECシリーズにおいて,これまでに数々の栄冠を獲得してきたアウディが,今シーズン限りで撤退することが発表されました。これに伴い,所属していたドライバーは新たに所属チームを探さないといけない状況におかれています。これは,メカニックも同様で,もちろんアウディにとどまって違うカテゴリーで働くという道もあるでしょうが,何せ急な発表でしたから,一朝一夕にはいかないのではないかと懸念されます。そのような中,F1にフル参戦しているザウバーから発表があり,アウディ・スポーツの技術部門責任者を務めているJ.ザンダーが,来シーズンからテクニカルディレクターとしてチームに加入することになりました。スイスに拠点を置くザウバーは,これまで長い間資金不足に悩まされ,身売り話がいつも囁かれてきた歴史があります。しかし,同じスイスに拠点を置く、ロングボウ・ファウナンスによる買収が成立して以降,資金問題がある程度解決され,ターム立て直しのため雇用を強化してきています。例えば,8月にはM.フェルスタッペンのエンジニアを務めた経歴があるS.プヒョラーが加入しています。また,9月にはフェラーリとハースに所属した経歴があるR.バスクームをレースストラテジストとして採用。さらに,空力責任者としてN-E.デ.ボープレオを獲得しています。そうした流れの中で,今回の発表がなされています。同チームは,このところテクニカル・ディレクターが不在の状態が続いていて,そこにアウディではもちろん,F1においてはトヨタ,BARホンダ,ウィリアムズ・ホンダ,ブラウンGPで働いた経験がある彼が採用となったわけです。ザンダーにとっては,まだザウバーがBMWのワークス的立場にあった時に,当時テクニカルディレクターを務めていたW.ランプの元で1年間働いた経歴を持っていますので,ザウバーには復帰ということになります。ザウバーといえば,現在はマクラーレンしかPUが供給されていませんが,2018年シーズンからは少なくともあともう1つのチームに供給しなければならなくなります。いくつかの噂が既に出ていますが,その中で有力視されているのがザウバーです。そのザウバーにBARやウィリアムズでホンダと一緒に働いた経歴があるザンダーが加入することになったわけですから,"ザウバー・ホンダ"実現に布石が敷かれているの?と思わず考えてしまいました。まあ,考え過ぎであることは間違いないでしょうけどね。
2016/11/07(月)
☆5連覇(JRR)
○今シーズンの最終戦となる第9戦『MFJグランプリ スーパーバイクレース in 鈴鹿』の決勝レースが,好天に恵まれた三重県にある鈴鹿サーキットで行われました。今大会における最高峰JSB100クラスは,6日(日)の午前中にレース1が,午後からレース2が行なわれる2レース制で行なわれました。レース1は,当初は5台によるトップ争いとなりましたが,終盤に入ってYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行とTeam GREENからフル参戦している渡辺一樹に加え,今大会に同チームからスポットで参戦しているBSBライダーのL.ハスラムとのバトルとなりました。渡辺がやや遅れてきて中須賀とハスラムとの一騎打ちは最終盤まで持ち込まれ,ファイナルラップ直前のシケインで中須賀がトップに立つと,そのまま逃げ切って今季6勝目を飾り,自ら持つ最高峰クラス連覇の記録を5に伸ばす偉業を成し遂げました。レース2でも,レース1と同じくハスラムと中須賀とのトップ争いとなり,終盤に入ってトップを行くハスラムを中須賀が交わすと,最後は王者らしい走りを展開してハスラムを引き離し,最終レースも勝利を飾って5連覇に華を添えました。3位には,今季最後のレースでようやくシーズン初となる表彰台を獲得したMuSASHi RT ハルク・プロの高橋巧が入っています。
J-GP2クラスは,ランクトップを行くTeam KAGAYAMAの浦本修充が,18位以内でゴールすればチャンピオン獲得という圧倒的有利な条件でのレースとなりました。ランク2位につけているMISTRESA with HARC-PROの関口太郎は,逆転チャンプになるには最低限でも優勝するしかありませんでした。その関口は,ポールからスタートするとトップの座を守って後続との差を広げていきました。その関口を追い詰めるライダーは出てこず,最終的に2位に5秒近い差をつける独走でトップチェッカーを受け,4年ぶりの勝利を収めました。圧倒的有利な状況に立っていた浦本は,最終的に10位でチェッカーを受けて見事今シーズンのチャンピオンを決めました。関口の独走は許したものの,2位にはこちらも独走でMORIWAKI RACINGの日浦大治朗が入っています。4台によるバトルとなった3位争いは,Team 高武 RSCの作本輝介がこれを制しています。
ST600クラスは,5台による僅差の争いがファイナルラップまで続きました。順位次第で誰がチャンピオンに輝くか分からないしびれるトップ争いとなりましたが,MOTO BUM HONDAの榎戸育寛が,トップを行くYamaha Thailand Racing TeamのD.クライサルトをファイナルラップの130Rで交わしてトップに立ってそのままチェッカーを受け,JRR初優勝を飾ると共に,今シーズンのチャンピオンをも獲得するという劇的なレースとなりました。3位には,MuSASHi RT ハルク・プロの名越哲平が入っています。なお,RS-ITOHからフル参戦している我が大分県の高校生ライダーである清末尚樹と和田留佳は,それぞれ6位,11位でチェッカーを受けて見事ポイントを獲得しています。この結果,ランキングでは,清末が7位,和田が16位と,高校生のルーキーライダーとしては賞賛できるシーズンを過ごしたと言えるのではないでしょうか。2年目となる来シーズンについては,どのような体制になるのか分かりませんが,さらなる飛躍を期待したいと思います。
J-GP3クラスは,3台によるトップバトルが,ファイナルラップまで続きました。そのファイナルラップのシケインまで持ち込まれたバトルは,トップを行くMuSASHi RT ハルク・プロが何とかそのポジションを守り,それに対して3位でシケインに入ったCLUB PLUSONEの徳留真紀が2位で入ったBATTLE FACTORYの伊達悠太を交わして逃げ切り,2位表彰台を獲得すると共に,超ベテラン元GPライダーの徳留が,4年ぶりとなるタイトルを獲得しました。
2016/11/04(金)
☆18歳(F1)
○少しずつ来季のシートが決まっているF1ですが,そのF1の中の有力チームの1つであるウィリアムズから,来季のドライバーについて発表がありました。今シーズンはF.マッサ&ダブル入賞V.ボッタスの組み合わせで戦っている同チームですが,その内のマッサは既に今シーズン限りでの引退を発表しています。注目点は,そのマッサのシートを受け継ぐのが誰になるのか,そしてボッタスは残留するのかという点でした。まず,ボッタスについてですが,当初から予想されていたとおり残留することになりました。そのボッタスは,同チームでテストドライバーを務めた後,2013年シーズンからレギュラードライバーの座を得て来季で5年目を迎えることになります。次にマッサの後釜になることになったのが,先月誕生日を迎えて18歳になったばかりのR.ストロールです。カナダ人ドライバーであるストロールは,昨年末にウィリアムズの若手ドライバー育成プログラムのメンバーとなりました。そして,昨シーズンから参戦していたヨーロッパF3選手権で今シーズン見事にチャンピオンを獲得してF1への昇格となりました。ちなみに,カナダ人F1ドライバーは,1997年にチャンピオンとなったJ.ビルヌーブ以来となります。また,彼が来季からF1ドライバーになったのは,チームのメインスポンサーが『マルティニ』ですが,チームの本拠地があるイギリスは18歳にならないとアルコールのCM等に出られませんから,18歳になる今年までレギュラードライバーへ昇格することができなかったのではないかという噂もあります。もう1つついでにいえば,彼の父親はアメリカのファッションブランドである『マイケル・コース』の大株主の一人で,大富豪といわれています。今回の昇格により,財政的な部分でチームに好影響を与えることになるのでしょう。
2016/11/03(木)
☆撤退(WRC)
○ここ数日「フォルクスワーゲン(VW)」がWRC(世界ラリー選手権)から撤退するのではないかという報道がなされていましたが,昨日そのフォルクスワーゲン・モータースポーツから正式発表があり,今シーズン限りでWRCから撤退することになりました。2013年からWRCにフル参戦を開始したVWは,S.オジェを擁して今シーズンまで「フォルクスワーゲン・ポロR WRC」を駆って4連覇を成し遂げました。そのような中,VWはアメリカにおける排ガス規制に関する不正により売り上げ不振に陥っていました。そのため,モータースポーツ活動にも見直しの作業が入り,先日VW傘下にあるアウディが,ル・マン24時間耐久レースなどで数々の栄冠を獲得してきたWECから今シーズン限りで撤退することが発表されたばかりでした。今回の発表もその流れの一環と考えるのが自然でしょう。今回の発表によると,今後の活動については,カスタマーベースの競技に専念し,サーキットではゴルフTCRを,ラリークロスではビートルGRCを使って開発・支援していくようです。ただ,VWがWRC用のマシンであるR5を開発してきていますので,2018年シーズンからWRCでの活動を再開する可能性が無いわけではありません。今回の撤退で気になるのは,4連覇を成し遂げているオジェの今後です。当然来季のシートは決まっておらず,しかも,現段階で最高の王者ですから,高額な契約金が必要になることは間違いなく,やすやすと契約するチーム及びメーカーはないでしょう。オジェ自身も,WRCにずっととどまる気がないことは以前から話していましたから,悪くするとこのまま引退という選択肢も候補となるでしょう。今後の推移が気になるところです。
2016/11/02(水)
☆移籍?(インディカー)
○日本人で唯一インディカーシリーズにフル参戦している佐藤琢磨が,来季はチームを移籍することになりそうです。2010年にF1からインディカーへと戦いの場を移した啄磨は,それ以後ずっとこのシリーズで戦ってきました。まず最初に所属したのはKVレーシングで,ここに2年間所属してレイホール・レータマン・ラニガン・レーシングへと移籍。ここではわずか1年限りとなりましたが,次にAJフォイト・レーシングに所属して現在に至っています。現在のチームに所属してからは,このシリーズで日本人で唯一となる勝利を収めています。一貫してホンダでレースをしてきた啄磨ですが,ホンダ陣営の中の1つである現在のチームが来季からエンジンをシボレーへと変更することになり,啄磨の移籍が確実視されていました。ただ,その所属先がどこになるのかが不透明だったのですが,まだ正式発表はないものの,来季はアンドレッティ・オートスポーツに移籍することになりそうです。アメリカンオープンホイールのシリーズで活躍し,マクラーレンからF1にも参戦した経歴を持つM.アンドレッティが運営している同チームですが,来季はJ.マイルズ&E.ブレッツマンの2人が既に決定していて,そこに啄磨を加えた3人体制となりそうです。もちろん,使用するエンジンはホンダです。
2016/11/01(火)
☆二転三転(F1)
○第19戦メキシコGPの決勝レースは,いつものようにメルセデスAMGのワンツーフィニッシュで終了しました。そのメルセデス勢に続く3位争いは,レッドブルのM.フェルスタッペンとD.リカルド,そしてフェラーリのS.ベッテルとの間で争われました。そして,その3人の中で3位でチェッカーを受けたのはフェルスタッペンでした。ところが,そのフェルスタッペンは,ベッテルとの争いの中でコースオフを喫しました。通常は,コースに復帰できてもポジションを下げないといけないのですが,ベッテルの前でコースインをしてしまい,これが原因で5秒加算のペナルティが科され,5位に降格となりました。フェルスタッペンの降格により,ベッテルが3位,リカルドが4位というリザルトに一旦なっていました。ところが,その後再びそのリザルトに変更がありました。というのも,リカルドがベッテルをオーバーテイクしようとした際に両者のホイールが接触。リカルドの主張によると,この接触は,抜かれるのを阻止しようとしたベッテルがブレーキング時に進路変更をしたということでした。もちろん,もしこれが事実だとすると,これは危険行為になりますのでペナルティの対象になります。この異議申し立てに対してレース終了後に審査委員会でビデオ等を参考にしながら審議した結果,リカルドの主張通りベッテルが不自然な進路変更をしたという判断が下され,リザルトに対して10秒加算のペナルティが科されることになりました。この結果,ベッテルの最終リザルトは5位となり,リカルドが3位に,フェルスタッペンが4位にとそれぞれ順位が繰り上がることになりました。順位の変更はそんなに頻繁にあることではないのですが,1つのレースの1つの順位に関して2度も変更が加わるというのは,とても珍しい出来事と言えます。
 

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