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2016最新ニュース

2016/10/31(月)
☆9人目&連覇(MotoGP)
○第17戦マレーシアGPの決勝レースが,ドライからウェットコンディションへとなったセパン・インターナショナル・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,ポールからスタートしたドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾが,終始トップグループに加わり,残り5周となったところでトップに立つと,最後までその座を守って今季初優勝を飾りました。ドビツィオーゾの優勝は,2009年7月に行なわれた第10戦イギリスGP以来7年ぶりとなります。また,彼の優勝により,今季ここまで9人の優勝者が出るという展開になっています。2,3位は単独走行となり,それぞれV.ロッシ,J.ロレンソのモビスター・ヤマハMotoGP勢が入っています。代役参戦をしているレプソル・ホンダ・チームの青山博一は,慣れないウェットでの走行を強いられ,16位でチェッカーを受けています。
Moto2クラスは,ポールからスタートしたアジョ・モータースポーツのJ.ザルコでしたが,スタートで出遅れてしまいました。しかし,残り6周となったところでトップに返り咲き,それ以後は独走態勢に持ち込みました。最終的に2位に3秒以上の差をつけて独走優勝を飾りました。この勝利により,最終戦を残してザルコのチャンピオンが確定し,Moto2クラスで初となる連覇を成し遂げています。ザルコの独走は許したものの,エストレラ・ガルシア0,0マークVDSのF.モルビデッリが2位に入りました。3位には,モルビデッリからやや遅れてダイナボルト・インタクトGPのJ.フォルガーが入っています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,予選から速さを見せることができず,決勝レースはポイント圏外となる21位でチェッカーを受けています。
Moto3クラスは,スタート直後に多重クラッシュが発生するという荒れたレースとなりました。このクラッシュに巻き込まれたグレシーニ・レーシングMoto3から代役参戦している佐々木歩夢は,1周もできないままリタイアに終わっています。さらに14周目に生じた転倒により赤旗が提示され,13終了段階のリザルトでレース成立となりました。この結果,プル&ベアー・アスパー・マヒンドラ・チームのF.バグナイアが,第8戦オランダGP以来以来となる今季2勝目を独走で挙げました。2,3位には,それぞれドライブM7SICレーシング・チームのJ.コーンフェール,レッドブルKTMアジョのB.ベンスナイダーが入っています。日本人ライダー勢ですが,CIPユニコム・スターカーの鈴木竜生は,転倒によりリタイアに終わっています。また,ホンダ・チーム・アジアの尾野弘樹は,前日に喫した転倒の影響があり,ウォームアップ走行には出たものの,決勝レースはキャンセルしています。

☆接近(F1)
○第19戦メキシコGPの決勝レースが,この日もドライコンディションとなったアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスで行われました。メルセデスAMGのN.ロズベルグ&L.ハミルトンが激しいチャンピオン争いを繰り広げられていますが,今回もいつものように予選では両者がフロントローを独占してレースがスタートしました。ポールからスタートしたハミルトンは,コースオフを喫するというちょっとしたアクシデントはありましたが,トップの座を守ってレースと引っ張っていきました。2番グリッドからスタートしたロズベルグは,3番グリッドからスタートしたレッドブルのM.フェルスタッペンと軽く接触し,押し出される形でコースオフを喫しましたが,順位を入れ替えることなくコースに復帰しました。3位のフェルスタッペンは,終盤に入ってフェラーリのS.ベッテルの追撃を受け,それにたまらずコースオフを喫してショートカットし,通常は順位を入れ替えなければならないのですが,3位のまま最後まで走り抜けてしまいました。トップを行くハミルトンとそれを追うロズベルグは,順調に単独走行を続け,今回もメルセデス勢のワンツーフィニッシュとなりました。ランク2位をいくハミルトンが優勝したことにより,ランクトップのロズベルグとの差がさらに縮まり,この段階で19ポイント差になっています。残りは2戦ですから,まだロズベルグが有利であることには変わりありませんが,万が一リタイアをしてしまうと一挙に逆転することもありますから,全く気が抜けない状況が続いています。3位でチェッカーを受けたのはフェルスタッペンでしたが,コースオフの際の対応が違反と判断され,5秒加算のペナルティが科され,ベッテルが3位に繰り上がっています。マクラーレン・ホンダ勢は,ポイント圏外での走行となり,最終的にJ.バトンが12位,F.アロンソが13位でチェッカーとなりました。

☆初戴冠(SF)
○今季最終戦となる第7戦JAF鈴鹿グランプリの決勝レースが,ドライコンディションの鈴鹿サーキットで行われました。この大会は,午前にレース1が,午後からレース2が行なわれる2レース制となっています。ピットストップ義務のないレース1では,2番グリッドからスタートしたP.MU/CERUMO・INGINGの国本雄資が,好スタートを切ってトップに立ちました。それからの国本は,トップの座を誰にも明け渡すこともなく最後まで走りきり,この段階でランクトップに立ちました。2位,3位には,それぞれVANTELIN TEAM TOM’SのA.ロッテラー,P.MU/CERUMO・INGINGの石浦宏明が入りました。
今季最後のレースとなるレース2は,ピットストップ義務があるため,ピットミスなどがチャンピオン争いに関係してくるリスクがありました。この段階でそのチャンピオン獲得の可能性があったのが,トップの国本をはじめ,関口雄飛,A.ロッテラー,そして昨年のチャンピオンである石浦宏明の4人でした。果たして誰がチャンピオンに輝くが注目のレース2は,2回もセーフティカーが入る展開となりました。そのような中,スタートでホールショットを決めたDOCOMO TEAM DANDELION RACINGのS.バンドーンが,リスタートも決めてトップの座を守り,2回目の勝利を収めました。来季からF1へとステップアップするバンドーンですが,来季彼が駆るホンダの母国における最後のレースを制しました。2,3位にはそれぞれ石浦とロッテラーが入っています。今季ここまでノーポイントが続いていたSUNOCO Team LeMansの小林可夢偉でしたが,ようやくポイント圏内となる7位でチェッカーを受け,最終レースでポイントを獲得しました。気になるチャンピオン争いですが,レース1を制してランクトップに立った国本が,6位でチェッカーを受けて自身初となるチャンピオンを決めています。
2016/10/30(日)
☆今季2度目(MotoGP)
○第17戦マレーシアGPの予選が,ウェットコンディションとなったセパン・インターナショナル・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,フリー走行で総合トップタイムとなったドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾがポールを獲得しました。ドビツィオーゾのポール獲得は,第8戦オランダGP以来で今季2度目となります。2,3番手タイムを,それぞれV.ロッシとJ.ロレンソがマークし,モビスター・ヤマハMotoGP勢が占めています。レプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサの代役として参戦している青山博一は,Q1で敗退して17番グリッドから決勝レースを迎えることになりました。
Moto2クラスは,昨年のチャンピオンで,現在ランクトップに立っているアジョ・モータースポーツのJ.ザルコが,今季6度目となるポールを獲得しました。ザルコから2秒以上離されてしまいましたが,2番グリッドを獲得したのは,エストレラ・ガルシア0,0マークVDSのF.モルビデッリでした。AGRチームのA.ポンスが3番手タイムをマークし,今季最高位を獲得しています。フリー走行では好調な走りを見せていたイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶でしたが,予選では奮わず,トップから5秒以上離された20番手タイムで終了しています。
Moto3クラスは,今季既にチャンピオンを決めているレッドブルKTMアジョのB.ビンダーが,逆転で最速タイムを刻み,2戦連続してポールを獲得しています。惜しくもビンダーの逆転を許してしまいましたが,トップから1000分の93秒差で2番グリッドをエストレラ・ガルシア0,0のJ.ナバーロが獲得しています。プル&ベアー・アスパー・マヒンドラ・チームのF.バグナイアが3番手タイムをマークし,今季6度目となるフロントローを獲得しています。日本人ライダー勢ですが,CIPユニコム・スターカーの鈴木竜生が16番手,ホンダ・チーム・アジアの尾野弘樹は2度の転倒を喫して25番手タイムでした。代役参戦しているグレシーニ・レーシングMoto3の佐々木歩夢は,21番手タイムで予選を終えています。

☆2戦連続(F1)
○第19戦メキシコGPの予選が,ドライコンディションながらとてもダスティーで滑りやすい路面のアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスで行われました。逆転タイトルを狙うメルセデスAMGのL.ハミルトンは,ラストアタックこそタイムアップすることができませんでしたが,その前にマークしたタイムを誰も上回ることができず,2戦連続してポールを獲得しました。チームメイトで,ここまでランクトップを行くN.ロズベルグが,ラストアタックで順位を上げてきたものの,ハミルトンを上回ることができず,2番グリッド獲得にとどまっています。この大会でチャンピオン獲得の可能性があるロズベルグですが,それはハミルトンが10位以下になるという条件がありますから,ここまでの走りを見るとその可能性はとても低く,とても抜きどころがないサーキットだけに,スタートを決めて少しでもポイント差をつけることが目標になるのかもしれません。3,4番手タイムをマークしたのは,それぞれJ.フェルスタッペン,D.リカルドのレッドブル勢でした。マクラーレン・ホンダ勢は,どちらもQ2で敗退となり,F.アロンソが11番手,J.バトンが13番手タイムで予選を終了しています。

☆ダブルポール(SF)
○今季最終戦となる第7戦JAF鈴鹿グランプリの予選が,ドライコンディションの鈴鹿サーキットで行われました。今大会は2レース制になっていて,今日行なわれた予選の内Q1がレース1の,Q3がレース2のグリッドを決めることになります。
そのQ1でポールを獲得したのは,昨年のチャンピオンであるP.MU/CERUMO・INGINGの石浦宏明でした。2番手タイムをマークしたのは国本雄資で,P.MU/CERUMO・INGING勢のワンツーとなりました。DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの野尻智紀が,ホンダ勢の最高位となる3番手タイムをマークしています。
Q3でトップタイムをマークしたのは石浦で,これにより今日行なわれる決勝レースでは,どちらのレースとも石浦がポールからスタートすることになりました。DOCOMO TEAM DANDELION RACINGのS.バンドーンは,ラストアタックで石浦に迫るタイムを刻んでいましたが,コース後半で失速してしまい,惜しくも1000分の5秒差で2番手タイムとなりました。3番グリッドは,国本が獲得しています。
2016/10/29(土)
☆キャンセル(MotoGP)
○3週連続開催となるMotoGPですが,その3つ目のレースとなる第17戦マレーシアGPがセパン・インターナショナル・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行なわれました。初日のセパンは,時間帯によってドライだったりウェットだったりする,いかにもこの地域らしいコンディションの中で行なわれました。MotoGPクラスでその初日総合トップに立ったのは,既に今シーズンのチャンピオンを決めているレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスでした。そのマルケスですが,胃腸炎に見舞われて体調不良となり,ウェットとなった2回目のフリー走行はキャンセルをしています。ただ,今日行なわれる2日目の走行からは復帰することになっています。総合2番手タイムをマークしたのは,ここまでランク4位ですが,ランク3位が射程圏内に入ってきているチーム・スズキ・エクスターのM.ビニャーレスでした。総合3番手タイムは,サテライトチームとしては最高位となるオクト・プラマック・ヤクニックのS.レディングでした。負傷欠場しているレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサの代役出場となっている青山博一は,20番手タイムで初日を終えています。
Moto2クラスは,エストレラ・ガルシア0,0マークVDSのF.モルビデッリが,ドライコンディションだった2回目のフリー走行で最速タイムを刻み,自身今季初となる初日総合トップタイムをマークしました。総合2番手タイムをマークしたのはイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶で,トップからわずか1000分の89秒遅れでしたから,今日行なわれる予選が期待されます。モルビデッリのチームメイトであるA.マルケスが,トップからコンマ1秒遅れで総合3番手タイムでした。
Moto3クラスは,MotoGPクラスと同じく2回目のフリー走行がウェットコンディションとなり,総合トップは1回目のフリー走行で最速だった今シーズンのチャンピオンであるレッドブルKTMアジョのB.ビンダーでした。これが母国GPとなるホンダ・チーム・アジアのP.パウィが,総合2番手タイムでした。トップから1秒以上遅れてはいますが,総合3番手タイムだったのはプル&ベアー・アスパー・マヒンドラ・チームのF.バグナイアでした。日本人ライダー勢ですが,ホンダ・チーム・アジアの尾野弘樹は12番手,CIPユニコム・スターカーの鈴木竜生は26番手でした。代役参戦となるグレシーニ・レーシングMoto3の佐々木歩夢は,鈴木竜生を上回る22番手で初日を終えています。

☆僅差で(F1)
○第19戦メキシコGPがアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。いつもはメルセデスAMG勢がトップタイムをマークしていますが,この日総合トップタイムだったのはフェラーリのS.ベッテルでした。ここまでランク2位につけているメルセデスAMGのL.ハミルトンは,トップからわずか1000分の4秒差という僅差で総合2番手タイムでした。ハミルトンのチームメイトで,ここまでランクトップに立っているN.ロズベルグが,総合3番手タイムでした。前戦でダブル入賞を果たしているマクラーレン・ホンダ勢は,F.アロンソが10番手,J.バトンが12番手と,トップ10が見えている位置で初日を終えています。
2016/10/28(金)
☆代役参戦&ステップアップ(MotoGP)
○3週連続開催となるMotoGPですが,今日からその3つ目のレースとなるマレーシアGPが今日から開幕します。それを前に,2人の日本人ライダーがこのレースに代役参戦することが発表されました。まず1人目は,MotoGPクラスの青山博一です。先々週に行なわれた日本GPの初日最初の走行において,レプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサがjハイサイドで転倒を喫し,右鎖骨を骨折する重傷を負ってしまいました。そのペドロサは,直ちに母国スペインに帰国して緊急手術を受け,現在は退院してリハビリを受けています。そうしたペドロサの緊急事態を受け,会場であるツインリンクもてぎに来ていたHRCのテストライダーを務める青山博一が,大会2日目から急遽代役参戦することになり,予選こそ奮わなかったものの,突然のレースにもかかわらず15位完走を果たしてチームにポイントをもたらしました。先週行なわれたオーストリアGPは,元チャンピオンで,今シーズンはSBKにホンダのワークスライダー的立場でフル参戦しているN.ヘイデンが代役参戦をしましたが,今週行なわれるマレーシアでは,再び青山が起用されることになりました。前回は緊急な上,完全にペドロサ仕様となったマシンを駆らなければならなかった青山でしたが,今回は最初からの走行ですので,前回以上の結果を期待したいと思います。
2人目は,Moto3クラスの佐々木歩夢です。前戦のオーストラリアにおいて,このクラスで多重クラッシュが発生して赤旗中断になる事態が発生しました。その中の1人が,ホンダのマシンを駆るグレシーニ・レーシングMoto3のE.バスティアニーニで,精密検査の結果,第9胸椎と肋骨が骨折するという重傷を負ってしまいました。その結果,今回の大会をキャンセルすることになり,その代役として今季レッドブル・ルーキーズ・カップで見事チャンピオンを獲得した佐々木歩夢が起用されることになりました。
なお,今回代役参戦が決まった佐々木歩夢ですが,この代役参戦の発表がある前に,来季の参戦について発表がありました。その佐々木は,2014年シーズンにアジアの若手ライダー発掘・育成を目的として実施されている「シェルアドバンス・アジア・タレント・カップ」にフル参戦を開始し,その2年目となる2015年に見事チャンピオンを獲得しました。そして,今シーズンは上記したレッドブル・ルーキーズ・カップとMoto3ジュニア選手権にフル参戦し,ルーキーズ・カップで見事チャンピオンを獲得しました。登竜門でチャンピオンを獲得した佐々木は,来季SICレーシング・チームに所属してMoto3クラスにフル参戦することになり,ついにGPライダーへとステップアップします。彼が所属することになったSICレーシング・チームは,今日から始まるマレーシアGPの会場であるセパン・インターナショナル・サーキットが所有するチームで,彼のチームメイトは,今季同チームからフル参戦しているA.ノロディンとなります。
2016/10/27(木)
☆撤退(WEC)
○アウディから今後のモータースポーツ活動について発表があり,その中で数々の栄冠を獲得してきたル・マン24時間を中心とした耐久レースのシリーズであるWECから,今シーズンを持って撤退することが明らかとなりました。今回の撤退を受け,今後は電気自動車のf-ミュラーカーで争われているフォーミュラEに力を注ぐことになります。今回撤退を発表したアウディは,ル・マンで実績のあるR.ヨーストが率いるチーム・ヨーストとタッグを組んで,1999年からル・マン24時間に「アウディ・スポーツ・チーム・ヨースト」として参戦を開始し,ル・マンでは歴代2位となる13勝を挙げています。今でこそポルシェやトヨタが本格的な関与を強めていますが,ちょっと前はアウディ車でないと勝てない状況が続いていました。今回の撤退を受け,これまでWECに注がれていた力は,今後の発展性を考えて電気自動車へと注ぐようにし,FEの2016-17年シーズンでは,「チームアプト・シェフラー・アウディスポーツ」としてワークス格の参戦を開始する予定になっています。
今回のアウディ撤退は,時期については来シーズン終了後ではないかといわれてはいたのですが,かなり信憑性の高いものになっていました。というのも,WECの最高峰であるLMP1クラスにワークス参戦しているポルシェは,アウディと同じくフォルクス・ワーゲン(VW)傘下の自動車会社です。つまり,同じ系列の会社同士で巨額の資金をかけて争っていることになります。そのような中,アメリカにおいてVWによる燃費不正事件が明らかとなり,その影響から,問題が浮上したアメリカはもいちろんのこと,他の国々おいても車の売り上げが大きく減少していました。こうした背景から,モータースポーツに関わる資金削減策の一環としてアウディの撤退が囁かれるようになり,それが今回の発表に至ったと考えられます。
2016/10/26(水)
☆残留(F1)
○24日(月)にレッドブルの兄弟チーム的立場にあるトロ・ロッソから発表があり,来季のドライバーラインナップが決まりました。主要チームのラインナップがほぼ決まり,現在は他のチームのシート獲得争いになっていて,今回の発表はその流れの1つと言えます。今シーズンのトロ・ロッソは,M.フェルスタッペン&C.サインツJrのドライバーラインナップでスタートしました。ところが,当初レッドブルのドライバーとしてスタートを切っていたD.クビアトが極度の不振となり,シーズン途中ながらフェルスタッペンと交換トレードするという事態となりました。その後は,レッドブルに昇格となったフェルスタッペンは活躍を見せているものの,降格となったクビアトは思うような結果が残せない状況になりました。そのような中,そのクビアトにフォース・インディアへの移籍話が浮上していましたが,今回の発表により,その噂を払拭するかのように彼の残留が決定しました。チームメイトであるサインツJrについても,ルノーが関心を示しているのではないかという噂がありますが,既に6月に残留発表をしていますので,来季はクビアト&サインツJrというラインナップを継続することが決定しました。今回の発表と時期を同じくして,上位チームの1つであるウィリアムズについて来季の契約に関する噂が浮上していて,近々その点について正式発表があるのではないかということです。
2016/10/25(火)
☆久々(F1)
○第18戦アメリカGPの決勝レースが,レースウィークを通して好天に恵まれたサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われました。ポールからスタートしたメルセデスAMGのL.ハミルトンは,順調にスタートを切ってトップの座を守っていきました。それに対して,2番グリッドからスタートしたランクトップをいくチームメイトのN.ロズベルグは,やや出遅れて3番グリッドからスタートしたレッドブルのD.リカルドに2番手のポジションを奪われてしまいました。トップを行くハミルトンは,その後も順調に走行を続け,最終的には,2位に4秒以上の差をつける独走で勝利を収めました。ハミルトンの優勝は,6戦ぶりと久々のものでした。しばらくは3位のポジションに甘んじていたロズベルグでしたが,中盤に入ってバーチャルセーフティーカーが発令され,それに乗じてタイヤ交換を行なったのが功を奏し,ようやくリカルドから2位の座を奪い返しました。そして,最終的にそのポジションは変わらず,2位にロズベルグ,3位にリカルドという順での表彰台となりました。今シーズンからの新規参入チームで,アメリカに本拠地を置くハースF1チームにとっては,今回が初の母国GPとなりました。その母国GPにおいて,R.グロージャンが10位フィニッシュを果たし,見事ポイント獲得となりました。ホンダにとって母国GPとなる前戦日本GPでは惨敗に終わったマクラーレン・ホンダ勢は,その鬱憤を晴らすような快走を見せ,F.アロンソは今季最高位タイとなる5位でチェッカーを受けました。予選ではQ1敗退に終わってしまったJ.バトンでしたが,トップとは周回遅れながら9位でチェッカーを受け,今季4度目となるダブル入賞を果たしています。
2016/10/24(月)
☆初リタイア(MotoGP)
○第16戦オーストラリアGPの決勝レースが,ようやく天候に恵まれたフィリップアイランド・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,ポールからスタートしたレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスがスタートこそ1つポジションを下げましたが,4コーナーで抜き返して順調にトップを走行していました。ところが,独走状態になっていた10周目に転倒を喫してしまい,今季初の転倒リタイアに終わってしまいました。それに対して,2番グリッドからスタートしたLCRホンダのC.クラッチローは,オープニングラップで順位を落としたものの,徐々に順位を回復してマルケスを追っていました。そして,マルケスが転倒してトップに立つと,後は独走で最後まで走りきり,最終的に2位に4秒以上の差をつける独走で今季2勝目を挙げました。予選で今季初のQ1敗退となっていたモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシは,15番グリッドからスタートを切ると,本来の走りを取り戻したかのようにどんどんポジションアップを果たし,クラッチローに独走は許したものの,見事2位表彰台を獲得しました。3位には,2戦連続表彰台獲得となるチーム・スズキ・エクスターのM.ビニャーレスが入っています。
Moto2クラスは,ポールからスタートしたガレージ・プラス・インターウェッテンのT.ルティと,9番グリッドからスタートしたエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのF.モルビデッリとの間で激しいトップ争いが展開されていきました。ファイナルラップまで続いたバトルは,一旦モルビデッリがトップに立ったものの,フィニッシュライン直前でルティが抜き返し,2戦連続となる勝利を収めました。3位には,4番グリッドからスタートしたダイナボルト・インタクトGPのS.コルテセが,トップからコンマ5秒遅れで入り,昨年10月に行なわれた日本GP以来,今季初の表彰台獲得となりました。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,12番グリッドからスタートして徐々にポジションを回復していき,5位でチェッカーを受けています。
Moto3クラスは,6周目の9コーナーで多重クラッシュが発生し,前日に続いて赤旗中断となりました。レースが再開されると,ポールからスタートした今シーズンのチャンピオンであるレッドブルKTMアジョのB.ビンダーが独走状態に持ち込み,2位に6秒近い大差をつけて今季6勝目を挙げました。2番グリッドからスタートしたレオパード・レーシングのA.ロカテッリは,ビンダーの独走は許したものの,自身も3位に3秒以上の差をつけて単独走行となり,自身最高位タイとなる2位でチェッカーを受けています。このクラスらしく15台によるバトルとなった3位争いは,エストレラ・ガルシア0,0のA.カネトが競り勝って,自身初となる表彰台を獲得しています。その3位争いに加わっていたホンダ・チーム・アジアの尾野弘樹でしたが,惜しくもやや遅れは取ったものの,トップ10フィニッシュとなる8位でチェッカーを受けています。同じくバトルに加わっていたCIPユニコム・スターカーの鈴木竜生は,トップからおよそ1秒遅れの13位でチェッカーとなりました。
2016/10/23(日)
☆最多(MotoGP)
○第16戦オーストラリアGPの予選が,激しい雨が降ったり,日が差したりといった不安定な天候のフィリップアイランド・サーキットで行われました。所々にウェットパッチが残るコンディションの中での走行となったMotoGPクラスは,前戦で勝利し,さらに今シーズンのチャンピオンを決めたレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスがトップタイムをマークし,今季7度目となるポールを獲得しました。このポールにより,年間の予選結果で争われている『BMW・M・アワード』獲得を決めています。さらに,通算で見ると65回目となり,これは歴代最多となっています。マルケスからおよそコンマ8秒とやや差を開けられる結果とはなりましたが,2番グリッドをLCRホンダのC.クラッチローが獲得しています。3番グリッドは,トップから1秒弱遅れでモンスター・ヤマハ・テック3のP.エスパルガロが獲得し,これは彼にとって一昨年5月に行なわれた第5戦フランスGP以来のフロントロー獲得となります。その兄で,チーム・スズキ・エクスターのA.エスパルガロが4番グリッドを獲得しています。ランキング2位につけているモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシは,今季初,そして一昨年9月に行なわれた第14戦アラゴンGP以来となるQ1突破できないという結果に終わり,15番グリッドから決勝レースを迎えることになりました。
Moto2クラスは,ドライコンディションでの走行となり,急激に変わったコンディションに対応できなかったのか,転倒が相次ぐ中での走行となりました。そのような状況でトップタイムをマークしたのは,前戦日本GPを制したガレージ・プラス・インターウェッテンのT.ルティでした。イタルトランス・レーシング・チームのM.パシーニがトップから1000分の59秒差で2番手タイムをマークし,これは2008年4月に行なわれた第3戦ポルトガルGP以来,このクラス2度目となるフロントローを獲得しています。フェデラルオイル・グレシーニ・Moto2のS.ロースは,予選中に2度の転倒を喫しましたが,トップから1000分の65秒遅れのタイムをマークし,3番グリッドを獲得しています。予選13周目に転倒を喫してしまったイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,12番グリッド獲得で予選を終えています。
Moto3クラスは,転倒により赤旗が提示され,一旦中断されるという状況の中での走行となりました。そのような中でトップタイムをマークしたのは,既に今シーズンのチャンピオンを決めているレッドブルKTMアジョのB.ビンダーでした。レオパード・レーシングのF.クアルタラロが,トップから1000分の94秒遅れで2番手タイムをマークし,開幕戦以来のフロントローを獲得しています。スカイ・レーシング・チームVR46のN.ブレガが3番手タイムをマークし,フロントローは全てKTMのマシンとなりました。日本人ライダー勢ですが,フリー走行で11番手だったCIPユニコム・スターカーの鈴木竜生は26番手,フリー走行で9番手だったホンダ・チーム・アジアの尾野弘樹は29番手で予選を終えています。

☆棲み分け?(F1)
○第18戦アメリカGPの予選が,好天に恵まれたサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われました。チームメイト同士でタイトル争いを展開しているメルセデスAMG勢は,新品タイヤを2セット温存していたこともあって早い段階からタイムアタックを開始しました。僅差での争いとなったチームメイトバトルは,ランク2位のL.ハミルトンが制し,このサーキットで自身初となるポールを獲得しました。ランクトップを行くN.ロスベルグは,およそコンマ2秒遅れで2番手タイムとなりました。3番グリッドをD.リカルド,M.フェルスタッペンのレッドブルのチームメイトで争い,先輩であるリカルドが制しています。さらに,5番グリッドをフェラーリのチームメイトで争い,K.ライコネンがこれを獲得しています。また,ウィリアムズ勢が8,9番グリッドを獲得していて,差し詰めトップ10を4チームでほぼ棲み分けたかのような結果となりました。マクラーレン・ホンダ勢は,F.アロンソがQ2に進出しましたが,これは突破することができず,12番グリッド獲得となりました。J.バトンは,Q1でトラフィックに巻き込まれたこともあって,19番グリッド獲得で予選を終えています。
2016/10/22(土)
☆走行キャンセル(MotoGP)
○2週連続開催となるMotoGPですが,その2戦目となる第16戦オーストラリアGPがフィリップアイランド・サーキットで開幕し,初日は悪天候の中フリー走行が行われました。MotoGPクラスは,午前中に行なわれたフリー走行1でトップタイムをマークしたのは,今季1勝しているLCRホンダのC.クラッチローでした。2,3番手タイムをそれぞれオクト・プラマック・ヤクニックのD.ペトルッチ,エストレラ・ガルシア0,0マークVDSのJ.ミラーがマークし,サテライトチームのライダーがトップ3を占めています。ワークスライダーでは,前戦である日本GPで今シーズンのチャンピオンを決めたレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスがマークした4番手が最高でした。午後に行なわれたフリー走行2は,午前中よりさらに激しい雨に見舞われてしまい,6人のライダーがコースインをしたものの,悪天候で走行が危険と判断されて途中でキャンセルとなりました。もちろん,タイム的にもフリー走行1を上回ることはできていません。
Moto2クラスは,MotoGPクラスと同様に悪天候により2回目のフリー走行がはじめからキャンセルとなってしまい,タイムとしてはフリー走行1でのものが初日トップとなります。そして,そのトップタイムをマークしたのは,ダイナボルト・インタクトGPのJ.フォルガーでした。フォルガーとしては,昨年10月に行なわれた第17戦マレーシアGP以来のフリー走行1におけるトップタイムとなります。2,3番手タイムは,それぞれレオパード・レーシングのD.ケント,アジョ・モータースポーツのJ.ザルコでした。日本GPで惜しくも表彰台を逃したイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,6番手タイムで初日を終えています。
Moto3クラスは,ウェットコンディションながら唯一2回のフリー走行が行われました。ただ,悪い条件となった2回目の走行はタイムアップすることができず,1回目タイムが初日のタイムとなりました。そのタイムでトップだったのは,スカイ・レーシング・チームVR46のN.ブレガで,2戦連続して最初のセッションを制したことになります。2,3番手は,それぞれオンゲッタ・リバコールドのN.アントネッリ,エストレラ・ガルシア0,0のA.カネトでした。母国GPとなる日本GPでポイント圏内でチェッカーを受けたCIPユニコム・スターカーの鈴木竜生は,6番手タイムをマークしてトップ10フィニッシュを果たしています。その日本GPにおいて,3位でチェッカーを受けたものの,その後の車検で重量違反が見つかり,残念ながら失格となってしまったホンダ・チーム・アジアの尾野弘樹は,トップから3秒以上遅れた23位タイムで初日を終えています。

☆ワンツー(F1)
○第18戦アメリカGPがテキサス州オースティンにあるサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開幕し,初日は2回のフリー走行が行なわれました。1回目のフリー走行でトップタイムだったのは,ランク2位につけているメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。それに対して,ランクトップを行くチームメイトのN.ロズベルグが2回目の走行でトップタイムをマークし,このロズベルグのタイムが初日総合トップタイムとなります。3番手タイムをマークしたのは,2回目の走行で2番手タイムだったレッドブルのD.リカルドでした。マクラーレン・ホンダ勢は,2回目の走行でJ.バトンが8番手,F.アロンソが9番手とトップ10フィニッシュを果たしていて,惨敗に終わった日本GPの雪辱が期待される結果となりました。
2016/10/21(金)
☆参戦(JRR)
○現役超ベテランライダーである加賀山就臣がオーナー兼ライダーを務めるTeam KAGAYAMAから発表があり,11月6日に鈴鹿サーキットで決勝レースが行なわれる予定のMFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第9戦に,今シーズンもBSBに参戦していた清成龍一が同チームから参戦することになりました。清成と同チームといえば,昨年,今年と2年間にわたって鈴鹿8耐に参戦した関係にあります。今季の清成は,BSBではスズキ系のチームから参戦をしていましたが,チームとの関係がうまくいかず,シーズン途中でチームとの契約を解除する事態となりました。その後はBMW系のチームと契約をして今シーズンを終えています。このところBSBでは思うようなシーズンが遅れていない清成ですが,Team KAGAYAMAでの清成は,今年は表彰台獲得には至らなかったものの,かつての輝きの一端を見せるような走りを展開しています。今回の参戦は,加賀山自身からのオーダーによるもので,かつてHRC契約ライダーだった清成にとっては,2012年に高橋巧の代役としてスポット参戦して以来のJRRということになります。JRRの最終戦といえば,MFJ-GPとして開催され,かつてはGPで上位争いをしているライダーがスポット参戦していました。GPに出場しない限り一緒に走ることができないライダーとのレースですが,この大会があるおかげで国内レースでのライダーが,世界の走りを目の当たりにしながらレースができるわけで,とてもいい刺激になるレースだったという歴史があります。今回の加賀山のオファーは,そうした状況を願ってのもののようです。かつて8耐もGPで上位争いをしているライダーが毎年のように参戦していました。それ以後は,全くそうしたことが見られなくなっていました。しかし,去年,今年と,優勝したヤマハワークスが,サテライトチームからではあるものの,現役のMotoGPライダーを出場させています。今年の最終戦は,この清成だけでなく,カワサキは,8耐優勝ライダーで,SBKやBSBで活躍してきているL.ハスラムがスポット参戦することになっています。8耐といい,MFJ-GPとい,かつてのような盛り上がりが出てくるようになるといいですね。
2016/10/20(木)
☆復帰(MotoGP)
○ドゥカティのサテライトチームの1つであるアスパル・チームから発表があり,既に来季も同チームから参戦することが決まっているA.バウティスタのチームメイトとしてK.アブラハムとの契約が成立しました。今回契約が成立したアブラハムは,2005年からGPに参戦を開始しました。そして,2011年から父親が運営するチームであり,彼のために結成したと言えるABモトレーシングからドゥカティのマシンを駆ってMotoGPクラスにステップアップを果たしました。2012年の最終戦で7位を獲得して以後は,アプリリアやホンダのマシンを駆りましたが,なかなか上位争いに絡むことができず,ホンダのマシンを駆った2015年シーズンはケガによる欠場が続き,ノーポイントでシーズンを終えるとMotoGPでのシートを喪失しました。そして,今シーズンはSBKに戦いの場を移し,BMWのマシンを駆って現段階でランク18位につけています。ただ,全くMotoGPとの関連がなかったわけではなく,来季から復帰することが決まっているKTMのテストライダーも務めています。1年ぶりの復帰となるアブラハムは,昨シーズン型のマシンであるデスモセディチGP15で参戦する予定になっていて,チームメイトであるバウティスタは,今季型マシンであるGP16を駆ることになっています。
2016/10/19(水)
☆関連した話題(MotoGP)
○意外な結末により,レプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが最高峰クラスで3回目となるタイトルが決定したのが,先週末にツインリンクもてぎにおいて行なわれた日本GPでした。その大会に関連した動きが明らかとなりましたので,ここで3つの話題をお伝えします。まずは,代役参戦について2つの話題です。まず1つ目ですが,マルケスがタイトルを獲得したのに対して,チームメイトであるD.ペドロサは,初日に行なわれたフリー走行において90度コーナーで転倒を喫し,右鎖骨を骨折するというアクシデントに見舞われてしまいました。早い復帰を目指すため,直ちに母国であるスペインに帰国して手術を受け,現在は退院しています。ただ,もちろんすぐに復帰するという訳にはいかず,2週連続開催の内2つめのレースとなるオーストラリアGPは欠場せざるを得ません。日本GPでは,急遽HRCでテストライダーを務めている青山博一が代役参戦し,突然の出場にもかかわらず15位完走をしてポイントを獲得しています。そして,この度新たに発表があり,オーストラリアでは,元チャンピオンで,現在はSBKにフル参戦しているN.ヘイデンが代役参戦することになりました。昨シーズン限りでMotoGPから引退したヘイデンですが,日本GP前に行なわれた第14戦アラゴンGPにおいて,負傷欠場したエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのJ.ミラーの代役として参戦しました。この段階では1度限りのMotoGP復帰と考えられていましたが,今回のペドロサの欠場を受け,今季2度目の登場ということが決定しました。2つめは,日本GPに続いてオーストラリアGPも負傷欠場が決まっているドゥカティ・チームのA.イアンノーネに関してです。日本GPでは,彼の代役としてドゥカティのサテライトチームの1つであるアビンティア・レーシングからフル参戦しているH.バルベラが出場しました。そのバルベラは,8番手走行していた10周目に転倒を喫してしまい,再スタートはきれたものの,ポイント圏外の17位でのチェッカーとなってしまいました。念願のワークスチームからの出場だっただけに,彼としては残念だったでしょうが,この度ドゥカティから発表があり,オーストラリアでも引き続いてバルベラを起用することになりました。アビンティアの方も,オーストラリア人ライダーであるM.ジョーンズを日本GPに引き続いて起用します。3つめは,Moto2クラスに関してです。日本GPでは,ワイルドカードとして3人のライダーが参戦しました。その中で,昨年からヨーロッパ選手権のMoto2クラスにフル参戦している長島哲太が,来シーズンはストップ・アンド・ゴー・レーシングからMotoGPのMoto2クラスにフル参戦することが決定しました。チームメイトも既に決定していて,来季からMotoGPクラスにステップアップするM.ビニャーレスの従兄弟であるI.ビニャーレスです。2014年にフル参戦した経歴を持つ長島にとっては,3年ぶりのGP復帰となります。
2016/10/18(火)
☆成立&交渉中(F1)
○シーズンが終盤に入り,チャンピオン争いなど今シーズンの動向が気になる時期となっていますが,それと同時に,来季のドライバーの動向も気になる時期となっています。MotoGPは早い段階で来季のシートが決まりましたが,F1はこれからますます本格化していくこととなります。そのような中,10月14日(金)にサハラ・フォース・インディアから発表があり,同チームからフル参戦しているドイツ人ドライバーのN.ヒュルケンベルグとの契約を,今シーズン限りで解除することになりました。それを受けて今度はルノー・スポールF1チームから発表があり,そのヒュルケンベルグとの契約が成立しました。具体的な数字は明らかになっていませんが,契約期間は来季からの複数年となっています。昨シーズン終了後にロータスを買収して再びF1でワークス活動を展開しているルノーは,K.マグヌッセンとJ.パーマーのコンビで今シーズンに臨んでいます。ただ,コンストラクタータイトル争いでは,現段階で8ポイントしか獲得しておらず,ランキングが9位と奮わず,今シーズンからフル参戦を開始したハース・フェラーリよりも下という状況です。それだけに,ポテンシャルの高いドライバー獲得が重要になっていて,現在ランク9位につけているヒュルケンベルグに白羽の矢が立ったということになります。からのチームメイトが誰になるのかについてはまだ発表はありませんが,噂によると現在の2人に加え,マノーからフル参戦しているE.オコンの名も挙がっています。なお,ヒュルケンベルグの移籍により,来季のフォース・インディアのシートが1つ空くことになりますが,今季マノーからフル参戦しているドイツ人ドライバーのP.ウェーレイン自身が明らかにしたところによると,現在フォース・インディアとの交渉をしているということです。本人が明らかにするわけですから間違いないでしょうし,実際彼は昨年フォース・インディアのステアリングを握って3日間のテストに臨んだ経験があります。メルセデス・エンジン勢の1つである同チームだけに,そのメルセデスの育成ドライバーとしてキャリアを積み重ねてきたウェーレインの起用はかなり可能性が高いと考えていいのではないでしょうか。
2016/10/17(月)
☆大波乱で(MotoGP)
○第15戦日本GPの決勝レースが,ドライコンディションのツインリンクもてぎで行われました。MotoGPクラスは,今大会でランクトップを行くレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスがチャンピオンを獲得する可能性がありました。しかし,それはあくまでも数字上ではの話で,マルケスが優勝し,ランク2,3位にそれぞれつけているモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシとJ.ロレンソがノーポイントに終わるというほぼありえない結果で決まるというものでしたから,現実的には次戦以降での決着になるものと思われていました。そのような中で行なわれた決勝レースは,2番グリッドからスタートしたマルケスが,4周目にトップに立ちました。それを追うのがポールからスタートしたロッシで,何とそのロッシが6周目に転倒を喫してリタイアとなり,今季4度目のノーポイントに終わりました。次にマルケスを追うことになったのが,3番グリッドからのスタートしたロレンソでした。そのロレンソは,何とこちらは残り5周になったところで転倒を喫してしまい,チームメイトと同じくリタイアに終わってしまいました。追うライバルがいなくなったマルケスは,単独でトップを走り続けて今季5勝目を獲得すると共に,何と自身3度目となる最高峰クラスチャンピオンを,大波乱という形で獲得しました。最年少での最高峰クラスチャンピオン記録を持つマルケスですが,3回目の王座獲得も史上最年少となります。ヤマハワークス勢のリタイアにより,2位にドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾ,3位にチーム・スズキ・エクスターのM.ビニャーレスが入っています。JRRでヤマハのワークスライダーを務めると共に,MotoGPの開発ライダーも務めている中須賀克行は,今大会にワイルドカードで参戦し,トップからは40秒以上遅れたものの,11位完走を果たしてポイントを獲得しています。また,レプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサが初日に転倒し,鎖骨骨折の重傷を負ったことから急遽代役参戦となったホンダの開発ライダーを務める青山博一は,予選では最下位に終わったものの,決勝レースは最後まで走り抜いて15位に入り,突然の参加ながらポイント圏内でレースを終えています。
Moto2クラスは,ポールからスタートしたアジョ・モータースポーツのJ.ザルコと,ガレージ・プラス・インターウェッテンのT.ルティとの優勝争いという展開となりました。もてぎで優勝した経験を持つ両者の争いを制したのは,これが今季3勝目となるルティでした。ここまでランクトップを行くザルコは,2位でのフィニッシュとはなったものの,ランクトップ争いを展開しているパギナス・アマリラスHP40のA.リンスがノーポイントに終わったため,わずか1ポイントにまで詰まっていた両者の差が21ポイント差に広がりました。3位争いがエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのF.モルビデッリとイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶との間で繰り広げられ,母国GPでの表彰台獲得が期待されましたが,惜しくもおよそコンマ2秒差で中上の表彰台獲得は成りませんでした。今大会にワイルドカードで参戦しているアジョ・モータースポーツ・アカデミーの長島哲太は,トップから35秒以上離されはしたものの,14位でチェッカーを受けて見事ポイントを獲得しています。今回のワイルドカード参戦のために組織された"ジャパンGP2"からエントリーしている浦本修充は21位,自身のチームであるチーム・太郎プラス・ワンの関口太郎は22位で,ノーポイントながら完走を果たしています。
Moto3クラスは,前戦でチャンピオンを決めたレッドブルKTMアジョのB.ビンダーとここまでランク3位につけていたグレシーニ・レーシングMoto3のE.バスティアニーニとの間で優勝争いが展開されていきました。最後まで続いたバトルは,わずか1000分の17秒差でバスティアニーニが制し,この優勝でランク2位に浮上しています。3台による3位争いを制したのは,母国GPでの表彰台獲得を目指すホンダ・チーム・アジアの尾野弘樹でした。ところが,その後に行なわれた車検で重量違反が見つかったため失格となってしまい,スカイ・レーシング・チームVR46のN.ブレガが3位という最終リザルトになりました。チーム・アジアは,かつても中上の駆るマシンで違反が見つかるということがあっただけに,十分気をつけてほしいものです。CIPユニコム・スターカーの鈴木竜生は,15位ながら母国GPでポイントを獲得しています。ワイルドカード参戦している女性ライダーであるUQ&テルル・コハラRTの岡崎静香は,最下位ながら26位で完走を果たしています。
2016/10/14(金)
☆引退(WEC)
○元F1ドライバーで,現在はポルシェのワークスドライバーとしてWECシリーズにフル参戦しているオーストラリア人ドライバーのM.ウェーバーが,今シーズン限りでレーシングドライバーから引退することを発表しました。今回引退を発表したウェーバーは,1994年にオーストラリア国内のフォーミュラ・フォードに参戦し,その後ヨーロッパに渡って1997年にはイギリス国内でのF3に参戦を開始しました。そこで頭角を現し,ついにミナルディに所属して2002年からF1へのフル参戦を開始しました。その翌年にジャガーに移籍し,そこで2年間過ごした後,2005年から2年間ウィリアムズから参戦しました。そして,2007年から彼のF1におけるポジションを一気にアップさせることになるレッドブルに移籍し,チャンピオン争いに加わることになります。このレッドブルですが,ジャガーを買収してF1参戦を開始したチームですから,彼にとっては古巣に復帰ということになります。その後,F1から引退する2013年シーズン末までずっとレッドブルに所属し,2010年にはチャンピオン獲得まであと一歩というところまでいきました。チームメイトであるS.ベッテルとの確執も話題となっていたウェーバーは,2013年シーズンをもってF1から引退し,2014年シーズンから現在のポルシェに移籍してWECシリーズの最高峰であるLMP1クラスにフル参戦しています。そして,昨シーズンはル・マン24時間耐久レースで2位フィニッシュする活躍を見せたりし,ついにドライバーズタイトルを獲得しました。来月19日に決勝レースが行なわれるWECの最終戦「バーレーン6時間耐久レース」をもって引退することになりますが,引退後もポルシェにとどまって「特別代表」に就任し,これまでの経験を活かして手腕を発揮することになります。
2016/10/13(木)
☆サーキットへ?(F1)
○元F1ドライバーで,現在は主にラリーにレーサーとして参戦しているR.クビサが,来季についての見通しを明らかにしました。そのクビサは,かつて天才的とも言えるその才能でF1にフル参戦をし,将来のチャンピオン候補の1人として名前が挙がっていました。ところが,趣味の1つとしてシーズンオフにラリーに参戦していたクビサでしたが,2011年のオフシーズンに参戦したラリーで激しいクラッシュに見舞われ,その際マシンの中に突き刺さったガードレールにより右腕に深刻なダメージを負ってしまい,F1ドライバーとしての生命を絶たれてしまいました。複数回にわたる手術や苦しいリハビリを乗り越えて再びドライバーとして復帰し,その際選んだのがラリーでした。ラリーの最高峰であるWRCにもフル参戦を経験したりしていましたが,昨年限りでWRCでの活動に一旦ピリオドを打ち,今シーズンはスポット的にラリーやクローズドサーキットで行われるレースに参戦しています。その中では,9月に行なわれたルノー・スポール・トロフィーに参戦し,表彰台を獲得しています。来季の活動について語ったクビサによると,"90%"の確率でサーキットレースに復帰することになるようです。ただ,現段階でそのカテゴリーについては明らかにされていません。以前に比べると腕の稼動率が上がってきているようですが,それでも限定されることには変わりありません。ただ,技術革新により,障がいを持たれている方へのハード面での技術がアップしているのも事実です。レースにおけるバリアフリー化という側面でも,彼の活躍は重要な意味を持つことは間違いないでしょうね。
2016/10/12(水)
☆日本開催?(FE)
○電気自動車のフォーミュラカーで争われるFEについて,新たな可能性が浮上しているようです。それは,ついに日本での開催が実現するのではないかということです。FEシリーズは,電気自動車ですから当然排気ガスはなく,モーターやタイヤの音はするものの,他のレースと比較にならないほど静かなものですから,環境にとても優しいレースとなっています。そのため,通常はレースが行なわれないような市街地でもレースが行なわれています。今回の噂の要因となったのは,FEで代表を務めているA.アガク氏が先週来日したことからで,その際,いくつかの自治体を訪問して話し合いを持ったということです。もう一つ大きな要因となっているのが,日本で最大手の広告代理店である『電通』がFEと連携しているということです。これまでも,FEの会場で電通の関係者の姿が見られているという事実もあるようです。こうした事実から,今回の噂はかなり信憑性が高いものと思われます。日本開催が検討されているのは,もちろん初開催から4シーズン目となる2017-18シーズンではなく,5シーズン目となる2018-19シーズン以降と思われます。場所については,推測の域を出ず,かねてから噂に上っていたのは東京で,お台場や六本木などの名前がこれまで挙がっていました。いずれにしても,これまで国内の市街地でレースが開催された実績が全くなく,しかも規制だらけの日本ですから,実現にはかなり高いハードルがあることが十分予想されます。今回は,レース開催だけでなく,日本メーカーがついにFEにも進出するのではないかということも噂に上っています。17-18シーズンからアウディが参戦を開始することが決定していますし,アンドレッティと提携を強化しているBMWが,ワークス参戦を健闘しているといわれています。また,18-19シーズンから参戦枠が2つになるのですが,その内の1つがメルセデスになることが既に決定しています。つまり,あともう1つ参戦枠があることになりますから,ここに日本メーカーが入っても何ら不思議はありませんし,今後の車づくりのことを考えると,国内メーカーにとってメリットは大きいものとなるでしょう。FEについては,レースの醍醐味からいくと否定的な意見があることも確かですが,さらに発展していくことも確かでしょうから,そうした見方にも変化が出てくる可能性は高いものと思われます。今後の進展が楽しみですね。
2016/10/11(火)
☆体制決定(MotoGP)
○昨年までのMoto3クラスに続き,今シーズンからMoto2クラスにもフル参戦を開始しているレオパード・レーシングから,来季のMoto2における参戦体制について発表がありました。それによると,今シーズンは昨年同チームに所属してMoto3クラスでチャンピオンを獲得したD.ケントと,ここまでランク19位につけているM.オリベイラの組み合わせでフル参戦しています。その内,ケントについては来季も同チームに留まることになりましたが,オリベイラは今季限りとなり,替わって今季はカーエキスパート・インターウェッテンからフル参戦してここまでランク11位につけているD.エガーターを起用することになりました。また,マシンに関しても発表があり,今シーズンは最もユーザーが多いカレックス製のマシンを使用していますが,来季はスッター製のプロトタイプマシンであるMMX2を使用することになりました。これにより,来季のスッター製マシンを使用するのは,ダイナボルト・インタクトGPに続いて2チーム目となります。ちなみに,こちらは既に発表が済んでいることですが,同チームのMoto3クラスですが,来季はJ.ミルを継続採用すると共に,新たに今季RWレーシングGP BVからフル参戦しているL.ロイを起用することになっています。
なお,エガーターがレオパード・レーシングと契約成立したのに伴い,現在彼が所属しているカーエキスパート・インターウェッテンから発表があり,来季移籍が決定したエガーターに替わって,残り4戦に現在MotoGPの入門シリーズであるFIM・CEV・レプソルのMoto2? 欧州選手権にフル参戦している16歳のスペイン人ライダーであるI.レクオナを起用することになりました。
2016/10/10(月)
☆初優勝 PARTT(F1)
○第17戦日本GPの決勝レースが,夜に降った雨が少し残ってはいたものの,ドライコンディションの鈴鹿サーキットで行われました。ポールからスタートしたのは,3年連続ポールを獲得しながらも,まだ鈴鹿では未勝利となっているメルセデスAMGのN.ロズベルグでした。そのロズベルグは,好スタートを切ると,安定した速いペースを刻んでいってトップの座をキープしていきました。それに対して,2番グリッドからスタートしたチームメイトのL.ハミルトンは,スタートで出遅れてオープニングラップは8位まで順位を下げてしまい,そこから追い上げのレースとなりました。後退したハミルトンに替わって2番手に浮上したのは,4番グリッドからスタートしたレッドブルのM.フェルスタッペンでした。順調にトップを走行するロズベルグ,タイヤをいたわるため,少しずつ順位を上げていくハミルトン,ロズベルグとの差は付いているものの,2位の座を守っていくフェルスタッペンという走りは終盤まで続いていきました。オープニングラップからトップを走行しているロズベルグは,最後までその座を守りきり,2位に5秒近い差をつける独走でトップチェッカーを受け,鈴鹿で自身初の勝利をポールトゥーフィニッシュで飾りました。ハミルトンの追撃を受けたフェルスタッペンですが,最後までその座を守りきって2位でチェッカーを受けました。そのフェルスタッペンからコンマ8秒遅れの3位でハミルトンが入り,メルセデスAMG勢が1,3位に入ったことで,3年連続してコンストラクタータイトル獲得を同チームは決めています。ホンダの地元でのレースとなったマクラーレン・ホンダ勢ですが,初日こそ好結果が出たF.アロンソでしたが,予選,決勝共に精彩を欠き,表彰台から遙か遠い16位でのチェッカーとなりました。アロンソがアップデート版のマシンを駆ったのに対して,従来型を駆ったJ.バトンでしたが,予選での悪い結果を受けてグリッド降格のペナルティ覚悟でアロンソと同じアップデートエンジンを搭載して決勝レースを迎えました。そして,アロンソと同じく走りに精彩を欠いた走りを展開せざるを得ず,18位でチェッカーを受けました。ホンダにとって母国GPとなった今大会ですが,惨敗という結果に終わってしまいました。日本人ドライバーの不在,表彰台争いから遠い存在のホンダ,全戦無料放送がなくなったテレビ中継と悪い状況が重なっていて,今年の観客動員数は,過去最低となってしまっています。最高峰のレースがこういう状況では,ただでさえモータースポーツはマイナーなスポーツである日本ですが,この傾向に拍車かかかるのではないかととても心配です。

☆初優勝 PARTU(SGT)
○シリーズで唯一の海外レースとなる第7戦タイ大会の決勝レースが,好天に恵まれ,ドライコンディションのチャン・インターナショナル・サーキットで行われました。GT500クラスは,ポールからスタートした関口雄飛&国本雄資組のWedsSport ADVAN RC Fが,好スタートを切ってトップの座を守りました。トップに立ったWedsSportは,その後も順調に後続との差を広げていって,タイヤ交換での順位変化を除いてトップの座を守りきり,参戦6年目にして初の勝利を収め,チームオーナーである東正敬監督をはじめ,東正敬監督の父親そしてチーム創始者で,今はGTAの代表を務める坂東正明氏も加わって,ピットは歓喜の涙に包まれました。また,関口雄飛にとっても,これが同クラス初優勝となります。2番グリッドからスタートした武藤英紀&牧野任祐組のドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTも,トップに差はつけられたものの,2位の座を守りきってチェッカーを受け,今回がGT500クラスデビューとなる牧野は,そのデビュー戦でいきなり表彰台獲得となりました。3位には,大嶋和也&A.カルダレッリ組のWAKO'S 4CR RC Fが入っています。
GT300クラスは,2番グリッドからスタートした星野一樹&J.マーデンボロー組のB-MAX NDDP GT-Rがトップに立ち,それをポールからスタートした土屋武士&松井孝允組のVivaC 86 MCが追うという展開となりました。この2台の争いに決着をつけたのは,ピット作戦の違いでした。トップをいくGT-Rが通常通りタイヤ交換を行なったのに対して,VivaCはタイヤ無交換作戦を採りました。無交換のため速いタイムでピット作業を終えたVivaCは,全てのチームがピット作業を終えたときにはトップに立ち,そのまま逃げ切って今季初優勝を飾りました。3位には,こちらもタイヤ無交換作戦を採った高木真一&小林崇志組のARTA BMW M6 GT3が入っています。
2016/10/09(日)
☆3年連続(F1)
○第17戦日本GPの予選が,路面が徐々に乾いてドライコンディションとなった鈴鹿サーキットで行われました。トップ10のグリッドを決めるQ3では,序盤は前日の走行で2番手タイムだったメルセデスAMGのL.ハミルトンがトップに立ちました。しかし,後半に入るとチームメイトで,初日トップタイムだったN.ロズベルグが速さを見せてトップタイムをマークし,3年連続ポールを獲得しました。今日行なわれる決勝レースでは,ポールは獲得するものの,いまだに未勝利の鈴鹿で,自身初勝利を目指すことになります。いつも僅差となっているメルセデス勢のポール争いですが,今回はわずか1000分の13秒差でした。3,4番手タイムをそれぞれフェラーリのk.ライコネンとS.ベッテルがマークしました。ただ,4番手タイムのベッテルは,前戦の決勝レースで危険行為があったとして,今日行なわれる決勝では3グリッド降格することになっています。前日はエンジンがアップデートされたマシンを駆ってトップ10内に食い込み,Q3進出が期待されたマクラーレン・ホンダのF.アロンソでしたが,予選では前日の速さが影を潜めてしまい,Q3進出がかなわず15番手で予選を終えています。アップデートされていないマシンを駆っているJ.バトンもタイムが上がらず,17番手タイムで予選終了となっています。

☆4年ぶり&初(SGT)
○シリーズで唯一の海外戦となる第7戦の予選が,タイのチャン・インターナショナル・サーキットで行われました。ピットウォーク時に雨に見舞われましたが,その雨もすぐに止み,予選が行なわれるときにはドライコンディションに変わっていました。そのような中で行なわれた予選ですが,GT500クラスでポールを獲得したのは,このサーキットを得意とするヨコハマタイヤユーザーである関口雄飛&国本雄資組のWedsSport ADVAN RC Fでした。同チームがポールを獲得したのは,2012年のオートポリス以来4年ぶりとなります。また,最後のQ2でタイムアタックを担当した関口雄飛にとっては,このクラスで自身初のポールとなります。2番手タイムをマークしたのは,武藤英紀&牧野任祐組のドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTでした。Q2でタイムアタックを担当したのは,O.ターベイがFEにフル参戦することからシーズン途中でチーム離脱となり,替わってシートに座ることになった牧野でした。前戦である鈴鹿1000qでGT300クラスマシンを駆って速さを見せたことから急遽チームに加わった牧野ですが,初めてのGT500クラスマシンでのタイムアタックにもかかわらず,いきなり2番手タイムをマークし,その非凡さを改めて感じさせる走りを見せました。3番手タイムは,56sのウェイトハンディを抱える安田裕信&J-P.デ・オリベイラ組のカルソニック IMPUL GT-Rがマークしています。
GT300クラスは,土屋武士&松井孝允組のVivaC 86 MCが,1分32秒台前半のタイムをマークし,2番手におよそコンマ7秒の差をつける速さを見せてポールを獲得しました。その2番手タイムをマークしたのは,星野一樹&J.マーデンボロー組のB-MAX NDDP GT-Rでした。ちなみに,1,2番グリッド獲得した両チームは,どちらもヨコハマタイヤユーザーです。3番手タイムをマークしたのは,ダンロップタイヤユーザーであるA.クート&富田竜一郎組のGAINER TANAX GT-Rでした。
2016/10/08(土)
☆ワンツー発進(F1)
○F1,MotoGPと,4輪,2輪の最高峰レースが2週連続で開かれる日本ですが,今週はF1の第17戦日本GPが鈴鹿サーキットで開幕し,徐々に雲が厚くなる天候ではあったものの,ドライコンディションの中で2回のフリー走行が行われました。この日行なわれた2回のフリー走行共にトップタイムをマークしたのは,現在ランクトップに立っているメルセデスAMGのN.ロズベルグでした。ランキング争いでそのロズベルグを追うチームメイトのL.ハミルトンが,こちらも2回のフリー走行共に2番手タイムをマークしています。エンジンにミスファイアが生じたということからピットインしたものの,エンジンカバーを外してマシンチェックを行なった結果,大きな問題はないということで再び走行を開始したK.ライコネンが,メルセデス勢に次ぐ3番手タイムをマークしています。ホンダの地元でのレースとなるマクラーレン・ホンダは,今回最新スペックのエンジンを搭載したマシンを駆っているF.アロンソが,そのマシンの進化を象徴するかのように8番手タイムをマークしています。それに対して,従来型のエンジンで走行しているJ.バトンは,アロンソほどはタイムが上がらず,16番手にとどまっています。
2016/10/07(金)
☆型落ち(F1)
○スイスを拠点とするチームであるザウバーは,長年財政難に苦しんでいて,いつ撤退になってもおかしくないチームの1つとなっていました。しかし,今季途中でスイスのロング・ボウ・ファイナンスによる買収が成立し,長年の懸案であった資金難が解消されています。とはいえ,それまでの資金難によるマシン開発遅れの影響は大きく,ここまで唯一ノーポイントレースが続いています。下手をすると,このままノーポイントでシーズンを終える可能性も出ています。そのような中,どのチームも来季型マシンの開発にも着手しています。チームによっては,今季の開発をほぼ停止し,来季型マシン開発に力を注いでいるところもあるのではないかと思われます。ザウバーに関しても,他チームと同様に来季型マシンの開発を平行していますが,どうやら今季型だけでなく,来季型にもシーズン途中まであった資金難の影響が出ているようで,来季型マシンの開発プロジェクトに遅れが生じているとのことです。そのため,来季もフェラーリ製エンジンを搭載することになっているザウバーですが,サイズ等を含めよく分かっている今季型フェラーリエンジンを搭載することに決めたという報道がなされています。そのザウバーですが,来季まではフェラーリ製エンジンを搭載することになっていますが,2018年シーズンについてはまだ不透明です。そして,今季途中から噂に上っているのが,現在マクラーレンにしか供給されていないホンダ製エンジンを搭載するのではないかということです。ホンダとしても,2チームに供給する方が当然その分データが集まりますから,開発のペースが上がることになります。現在はマクラーレンの反対により1チームにしか供給されていませんが,複数供給の圧力が年々強くなっていることもあって,「ザウバー・ホンダ」となる可能性は否定できないのかもしれません。
2016/10/06(木)
☆ベース車(JRR)
○10月4日(火)から,ドイツのケルン市において世界最大級のモーターサイクルショーである『インター・モト』が開催されています。そのショーでは,3つの日本メーカーからJRRやSBKにおけるベースマシンとなるバイクの新型が発表されています。
まず,大きな注目となるのが,現在使用しているマシンで最も型遅れとなっているホンダでしょう。ホンダが投入しているCBR1000RRは,かつてはレースで中心を担うマシンだったものの,ベース車の古さからここ数年は戦闘力不足を指摘されていて,リザルトでもなかなか勝利できない状態が続いています。新型マシンの投入が期待されていたそのホンダですが,今回ようやく戦闘力アップが期待されるCBR1000RRと,レース用に開発された『CBR1000RR Fireblade SP2』が発表されました。今回発表されたCBRは,市販MotoGPマシンであるRC213V-Sのシステムをベースに開発された新たな電子制御システムが採用されているということです。また,バンク角を検知しコントロール性を向上させる新ABSシステムが搭載されていて,電子制御で大幅な進化がなされているマシンになっているようです。もちろん,エンジン自体も吸排気系バルブやピストン等,様々な改良が施されているようです。車体自体は,現行のマシンを踏襲しているようですが,来季はチャンピオンマシンであるヤマハYZF-R1とバトルできるほどになっているかもしれません。
2社目は,SBKでチャンピオンをマシンとなっているカワサキのNinja ZX-10Rです。今回カワサキから発表されたのは,この10Rをベースに開発されたレース専用マシンである『Ninja ZX-10RR』を特別販売するということです。このマシンには,シフト操作時にクラッチを使わずに切り替えができるという「クイックシフター」が装着されていて,ブレンボ製のブレーキシステム等が搭載されてベース車より大幅に戦闘力がアップしているようです。
3社目は,今季MotoGPで久々の優勝を飾ったスズキです。同社が投入しているのがGSX-R100ですが,今回は,そのフルモデルチェンジ版と,それをベースにレース用として開発された『GSX-R1000R』です。外観は,前面の表面積を縮小して空気抵抗を大幅に低減されているとのことです。また,動力面では,MotoGPの技術を取り入れた新しい機構である『ブロードパワーシステム』を採用していて,高回転域における出力向上と低中速域での出力を両立しているということです。電子制御にも進化を加え,カワサキと同様にクイックシフターをはじめ,ウィリーを抑制するローンチ・コントロール・システムが搭載されてるようです。
JRRでは,昨年からヤマハが投入した新型マシンであるYZF-R1が中須賀克行の力もあってワンサイドゲームとも言える圧倒的な速さと強さを見せていますが,来季は4メーカーのマシンが揃って面白いシーズンとなりそうですね。
2016/10/05(水)
☆テストスケジュール(MotoGP)
○先月下旬に来季の暫定レースカレンダーをお伝えしましたが,今回は2017年シーズンのプレシーズン・テストについてお伝えします。まず,MotoGPについてですが,シーズン開幕前に3回のテストが予定されています。1回目は,マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで1月30日〜2月1日の3日間にわたって行われます。2回目は,2月15日〜17日にオーストラリアのフィリップアイランド・サーキットで行なわれ,3回目は,開幕戦を控えた3月10日〜12日にカタールのロサイル・インターナショナル・サーキットで行われることになっています。Moto2,Moto3クラスは,3月9日〜10日にスペインのヘレス・サーキットで,2回目は,こちらもMotoGPクラスと同じく,開幕を前にその会場であるカタールのロサイル・インターナショナル・サーキットで3月17日〜19日に行なわれる予定です。
なお,今シーズン終了直後に恒例のMotoGPクラスのポストシーズン・テストがスペインのバレンシアで行なわれる予定です。来季は,ここ数年の中でワークスライダーの移籍が多く,それぞれのライダーが新しいチームで新しいメーカーのマシンを駆ることになります。まず,J.ロレンソがドゥカティ,M.ビニャーレスがヤマハ,A.イアンノーネがスズキ,A.エスパルガロがアプリリア,B.スミス&P.エスパルガロが来季から復帰するKTMのマシンでそれぞれ走行します。また,Moto2クラスのステップアップ組であるJ.ザルコ,A.リンス,S.ロース,J.フォルガーが,それぞれ最高峰クラスデビューを果たします。
2016/10/04(火)
☆残留(F1)
○マレーシアGPの決勝レースが行なわれた10月2日(日)にサハラ・フォース・インディアから発表があり,S.ペレスとの契約延長が決まりました。契約延長が成立したペレスは,シーズン途中にはウィリアムズなどへの移籍が取りざたされていました。しかし,資金難が噂されるチームですがコンストラクターズランキングでは4位につけていて,チームの持つ力はかなり高いものであることが証明されています。こうしたことがペレスにとって好印象となって,契約延長に向けての話し合いが行なわれるようになりました。ところが,ペレスをずっと支援してきたスポンサーであるメキシコの有力企業『テルメックス』や『テルセル』等との話し合いがうまくまとまらない状況になっていました。こうしたことに業を煮やしたペレスは,マレーシアGPを前に「今週中に来季の契約が決まらなければ,他のカテゴリーへの移籍もある。」というような内容の最後通告とも言えるコメントを出しました。これが決定打となったのか,両者の話し合いがまとまり,今回の契約延長に至ったようです。これにより,既にN.ヒュルケンベルグの残留が決まっていますから,来季はペレス&ヒュルケンベルグ体制が4年目ということになります。
2016/10/03(月)
☆不運(F1)
○第16戦マレーシアGPの決勝レースが,路面改修を行なって昨シーズンまでよりタイムが上がっているセパン・インターナショナル・サーキットで行われました。ポールからスタートしたメルセデスAMGのL.ハミルトンは,順調にスタートを切ってトップの座を守っていき,ランクトップ返り咲きに少し近付きました。それに対して,2番グリッドからスタートしたランクトップをいくメルセデスAMGのN.ロズベルグは,ターン1で追突されてスピンを喫し,大幅に順位を下げることとなりました。ただ,幸いなことに走行には大きな支障はなく,下位から追い上げていくという展開となりました。ロズベルグの後退により,2列目からスタートしたレッドブル勢が2位,3位に浮上し,D.リカルドをM.フェルスタッペンが追うという展開となりました。トップ3の順位は入れ替わることなくレースは進んでいき,一旦は下位に落ちたロズベルグは順調に順位を回復していき,4位まで順位を上げていきました。そのまま表彰台争いは進んでいきましたが,41周目にハミルトンに不運が訪れることになりました。トップを走行し,ランクトップのロズベルグが4位を走行していましたから,再びランクトップに立つかと思われていましたが,突然エンジンにトラブルが発生して白煙を吐き,そのままリタイアに終わってしまいました。ハミルトンの脱落により,1つずつ順位が上がり,リカルドがフェルスタッペンを最後までおさえてうれしい今季初優勝を飾りました。オープニングラップでの不運,そしてレース途中ではフェラーリのK.ライコネンと接触し,それがロズベルグに非があるとして10秒加算のペナルティを受けるという事態になったにもかかわらず,見事ロズベルグは3位表彰台を獲得し,ハミルトンのリタイアによって2人のポイント差が23に開きました。マクラーレン・ホンダ勢は,改良型エンジン投入等により大幅なグリッド降格処分となって最後尾からのスタートしたF.アロンソでしたが,こちらも順調にポジションアップを果たし,見事7位でのチェッカーとなりました。今回は改良版投入が見送られていたJ.バトンは,9位でチェッカーを受け,自身F1参戦300戦目に華を添えると共に,チームとしては今季3度目となるダブル入賞を果たしています。なお,ルノーのJ.パーマーが10位でチェッカーを受け,うれしい初ポイント獲得となりました。
2016/10/02(日)
☆逆転に向け(F1)
○第16戦マレーシアGPの予選が,曇り空ながらドライコンディションのセパン・インターナショナル・サーキットで行われました。通常日中に行なわれるマレーシアでの予選ですが,今回は夕方5時からの走行となりました。ということは,当然路面温度に違いがあるわけで,マレーシアとしては比較的低い路面温度での走行となりました。前戦でランクトップの座を奪われたメルセデスAMGのL.ハミルトンは,当然奪還に向けて気合いが入っているでしょうが,それが走りに出て見事コースレコードを更新してポールを獲得しました。前戦でランクトップに立ったチームメイトのN.ロズベルグは,マレーシアとしては低めの路面の影響を受けたのか,最終コーナーでのミスもあっておよそコンマ4秒とやや差をつけられての2番手タイムとなりました。フロントローをいつものようにメルセデス勢が独占しましたが,2列目はレッドブル勢が独占し,2,3番手をそれぞれMフェルスタッペン,D.リカルドが獲得しています。シーズンが進むにつれマシン開発が進んできているマクラーレン・ホンダ勢は,前日からこれまでのマシンで走行しているJ.バトンは9番手タイムをマークしてトップ10に食い込みました。初日はアップデートが施されたマシンを投入したF.アロンソは,アップデート投入による大幅なグリッド降格のペナルティがありますので,わずか5周走行しただけで予選を終え,最下位となる22番グリッドから決勝レースをスタートすることになります。
2016/10/01(土)
☆タイムアップ(F1)
○第16戦マレーシアGPが開幕し,初日は2回のフリー走行が行なわれました。大会の会場であるセパン・インターナショナル・サーキットは,9つのコーナーをはじめとして大幅なコース改修が行なわれていて,その改修がどのような影響を与えるのかが注目されていますが,各車がマークしたタイムは大幅なタイム向上が見られています。そのような中でトップタイムをマークしたのは,メルセデスAMGのL.ハミルトンでした。前戦でチームメイトのN.ロズベルグにタイトル争いでトップの座を奪い返されたハミルトンだけに,再びその立場を逆転させるため好発進を切っています。ハミルトンに逆転されるまでタイミングモニターのトップに立っていたのが,ランクトップをいくロズベルグでした。そのメルセデス勢を追ったのが,J.ベッテル&K.ライコネンのフェラーリ勢で,それぞれ3,4番手タイムをマークしています。マクラーレン・ホンダ勢も好調で,日本GPに向けて初日は新しいスペックのマシンを投入しているF.アロンソが7番手,これまでのマシンで臨んでいるJ.バトンが10番手と,両者共に初日はトップ10フィニッシュとなっています。
 

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