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2016最新ニュース

2016/04/30(土)
☆ワンツー(F1)
○第4戦となるロシアGPが,ソチ・オートドロームにおいて開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。この日の総合トップタイムをマークしたのは,このところ決勝レースでいい流れから見放された感のあるメルセデスAMGのL.ハミルトンで,唯一1分37秒台に入るタイムをマークしています。この日の総合2番手タイムだったのは,チームメイトで現在ランクトップをいくN.ロズベルグでした。ただ,彼がマークした総合2番手タイムとなったのものは午前中に行われた時のもので,それが午前中ではトップタイムでした。午後のタイムだけで見ると,ロズベルグは3番手タイムでした。結果的に今回もワンツーとなったメルセデスAMGですが,同チームは今回の大会に合わせて燃料システムに改良を加えて2トークン使用しています。今シーズンこれで21トークン使用したことになり,後残りは11トークンとなっています。総合3番手タイムをマークしたのは,フェラーリのS.ベッテルで,これはハミルトンと同じく2回目のフリー走行でのものでした。ただ,そのフリー走行2の途中でベッテルのマシンが電気系のトラブルによりマシンがストップするというアクシデントに見舞われました。さらに,その後別のトラブルでギアボックス交換する必要があることが判明しました。現在のレギュレーションでは,1つのギアボックスは,最低6レース使用しなければならないことになっていて,今回のベッテルの場合は3レースしか使ってなく,これにより,今日行われる予選結果から5グリッド降格のペナルティを受けることが決定しました。マクラーレン・ホンダ勢は,フリー走行2でJ.バトンが8番手,F.アロンソが10番手タイムで,2台共にトップ10圏内に入りました。
2016/04/29(金)
☆披露(F1)
○来シーズン以降においてF1マシンに関する話題の1つが,ドライバーをいかに飛来してくるもの等から守るかということです。例えば,F.マッサがフェラーリに在籍していた当時,前車から外れた金属製の小さなパーツがヘルメットを直撃して頭部に損傷を受け,ドライバー生命の危機に直面したことがありました。その他,F1マシンをはじめとして,フォーミュラカーの宿命としてドライバーは露出した部分に座ってレースをすることになります。こうした点を改善するため,いくつかのチームが新たな提案をしています。そのまず先鞭をつけたのが,「ハロー」と呼ばれるパーツを提案しているフェラーリです。このハローですが,ドライバーの上部に取り付ける三つ叉に分かれた形状のものです。一番安全なのは,戦闘機のキャノピーのように全部が閉鎖されたものですが,これだと,アクシデントが発生した時にドライバーが自力でマシンから出たり,レスキューが助け出したりする時に支障が出てくる可能性が高くなります。ハローの場合は三つ叉に分かれていますから隙間がありますので,ここから助け出したりすることができます。ただ,隙間があるだけに飛来物をどこまで回避できるかが鍵となります。そして,今日から始まるロシアGPを前にして,レッドブルから新たな提案が披露されました。それが,「エアロスクリーン」と命名されたものです。これは,両サイドの支柱によってドライバーの頭部の前に設置された曲線状のウインドスクリーンが支えられる仕様のものです。そのエアロスクリーンを装着したマシンを,ロシアGPの初日にテスト走行し,ドライバーの視界がどうかなどのチェックを行うことも同時に発表されました。
2016/04/28(木)
☆出走(F1)
○ごく近い将来のF1ドライバー候補として名前が挙がっている若手ドライバーが数名いますが,その中の最有力候補が,今シーズンSFにフル参戦し,開幕戦でいきなり3位表彰台を獲得したS.バンドーンでしょう。そして,その中の一人が,今シーズンGP2シリーズに,そのバンドーンが昨年まで所属していたARTグランプリからフル参戦している20歳のロシア人ドライバーであるS.シトロキンでしょう。そのシトロキンが,この度ルノーと長期テストドライバー契約を結んだことが明らかとなりました。さらに,今週末に開催される第4戦ロシアGPの初日に行われるFP1において,K.マグヌッセンの代わりに出走することが明らかとなりました。シトロキンにとって母国GPとなる大会ですが,昨シーズンはザウバーからテストドライバーとしてFP1で出走していますので,2度目の走行となります。現在シトロキンは,ロシアの銀行と,そのロシアのSMPレーシングなどから支援を受けています。今回のルノーとの動きは,SMPレーシングとルノーとが提携関係になったことを意味するようです。ただ,FP1だけとはいえ,シートを譲ることになったマグヌッセンとしては心中穏やかでないようで,ルノーが資金を獲得するために今回の動きがあったのではないかというコメントを出しているようです。実際,来季以降の契約に関して,もしシトロキンがF1にルノーから参戦するとなると,代わりにシートを失うのはマグヌッセンの方ではないかという噂があるようです。
2016/04/27(水)
☆中止(JRR)
○私の住んでいるところは,ようやく余震が感じられない日があるようになりましたが,熊本地方中心にして,相変わらず余震が襲っています。ここにあらためて被災されている方々へのお見舞いと,お亡くなりになった方々のご冥福をお祈り申し上げます。その地震により,我が大分県にあるオートポリスも被害を受け,先日来月下旬に行われる予定であったSGTの開催延期が発表されていました。そのオートポリスの被害ですが,メインコースにひび割れがあったり,コース脇の側溝との間に段差ができているようです。また,倒壊している建物はないものの,パドックビルやパドックビル向かいに建っているロイヤルルームにひびが発生しているということです。オートポリスでは,6月11日(土)〜12日(日)にJRRの第4戦として「九州モーターサイクルフェスタ2016 in オートポリス」が開催される予定になっていました。例年2輪レースとしては多くの観客が集まるイベントの1つですが,4月25日(月)に発表があり,今回の地震の影響により,施設の復旧,周辺の環境,来場する人々の安全を考慮して,同イベントが「中止」されることになりました。JRRについては,昨シーズン水害の発生から筑波サーキットでの大会が中止されましたが,今回の中止発表により,災害のために2年連続して大会が中止されるという事態になってしまいました。なお,同地では,9月10日(土)〜11日(日)にSF及びF3との併催で「AUTOPOLIS SUPER 2&4 RACE 2016」が開催される予定になっています。今回中止が発表された大会は,全クラスと今シーズンから併催レースとして始まったJP250クラスの開催が予定されていたのに対して,2&4の方は最高峰のJSB1000クラスのみの開催となっていますから,中・軽量級クラスのレースが今年は九州において開催されないことになります。それでも,2&4の方は無事行われるような状況になることことは,みんなの願いですね。
2016/04/26(火)
☆ウィング(MotoGP)
○モビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシが7年ぶりに制するという結果で終わった第4戦スペインGPでしたが,ほとんどのMotoGPクラスのチーム及びライダーはそのまま同地に延滞し,シーズン中最初のオフィシャルテストに臨みました。チーム及びメーカー毎に組まれていたメニューを試す中,トップタイムをマークしたのは,スペインGPでは3位表彰台を獲得してランクトップの座を守っているレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスでした。エンジンマッピングやスウィングアームなどのテストを行ったレプソル・ホンダ・チーム勢ですが,その中で目に付いたのがウィングです。今シーズンほとんどのメーカーが投入してトレンドになっているウィングですが,どちらかいうとホンダは他メーカーと比べると投入が遅かったですし,レギュレーション上ウィングはフロントカウルの幅からはみ出てはいけないことになっていますから,そのフロントカウルがシャープなRC213Vにとってはそれほど大きなウィングをつけることができず,それほど目立たないところがあります。しかし,ドゥカティやヤマハのマシンの好調さを見ると,ホンダとしてもその部分の開発が無視できない状況にあるのでしょう。そこで今回ホンダが持ち込んだウィングの中には,フロントカウルの片側に3まい,つまりマシン全体としては6枚のウィングがついているタイプでのテスト走行も行いました。マルケスのトップタイムがどのタイプで出されたものかはわかりませんが,今後どのような対応をしていくのか注目されます。トップからわずか1000分の19秒差で2番手タイムをマークしたのは,決勝レースで2位表彰台を獲得したモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンソでした。決勝レースで6位だったチーム・スズキ・エクスターのM.ビニャーレスが,トップからおよそコンマ2秒遅れの3番手タイムでした。スペインGPを制したロッシは,4番手タイムでテストを終了しています。
2016/04/25(月)
☆ポールトゥーフィニッシュ PARTT(MotoGP)
○今年ヨーロッパ大陸で最初のレースとなる第4戦スペインGPの決勝レースが,ドライコンディションのヘレス・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,同地では自身11年ぶりとなるポールからスタートしたモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシは,ホールショットを決めてトップに立ちました。一度だけその座を譲ることがありましたが,すぐにトップの座を奪い返し,徐々に後続との差を広げていきました。そして,最終的に2位に2秒以上の差をつけ,ポールトゥーフィニッシュで今季初優勝を飾りました。ロッシの優勝は,昨年の第12戦イギリスGP以来となります。また,この大会を制したのは,2009年以来7年ぶりとなります。2位にチームメイトのJ.ロレンソが入り,同チームとしては昨年の第7戦以来のワンツーフィニッシュとなります。また,ロレンソにとっては,これが最高峰クラスで通算100回目の表彰台獲得となります。ここまでランクトップに立つレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,上位2台からは差をつけられたものの,今季ここまで全戦で表彰台獲得となる3位に入っています。4位には,チームメイトのD.ペドロサが入っています。5,6位争いをチーム・スズキ・エクスター勢が展開し,先輩ライダーであるA.エスパロガロがM.ビニャーレスをおさえて5位に入りました。
Moto2クラスは,ここまでランクトップをいくフェデラルオイル・グレシーニ・Moto2のS.ロースが,ポールからスタートしたものの,2番手に後退してしまいました。しかし,2周目にトップの座を奪い返すと,後は順調に後続との差を広げていき,最終的に2位に2秒以上の差をつける独走でトップチェッカーを受けました。ロースの優勝は,昨年の第4戦アメリカズGP以来1年ぶりとなります。2位には,こちらも独走でダイナボルト・インタクトGPのJ.フォルガーが入っています。前戦アメリカズGPを制したパギナス・アマリラスHP40のA.リンスが,こちらも単独走行で3位表彰台を獲得しています。フリー走行でトップに立ち,期待されたイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶でしたが,予選で失速。決勝レースではスタートこそ出遅れましたが,予選前までの速さを取り戻して15位からポジションを回復していき,最後は今季自己最高位となる7位でチェッカーを受けています。
Moto3クラスは,予選で2番手だったレッドブルKTMアジョのB.ビンダーが,その後に行われた車検でECUソフトウェアにレギュレーション違反が見つかり,ペナルティで最後尾からのスタートという裁定が下されていました。本人の責任ではないところでのペナルティを科されたビンダーは,これが発憤材料になったのか,スタートからどんどんポジションアップを果たしていきました。そして,残り6周となったところでついにトップに浮上。その後も2位以下を引き離す速さを見せ,何と34台抜きの驚異的な走りで今季初優勝,そして自身キャリア初優勝を大大逆転劇で飾りました。3台による2位争いが展開され,最終的にポールからスタートしたスカイ・レーシング・チームVR46のN.ブレガがこれを制し,3位にはアスパー・マヒンドラ・チームMoto3のF.バグナイアが入っています。20番グリッドからスタートしたCIPの鈴木竜生は,5台による14位争いを展開し,最終的に15位でチェッカーを受けて今季初ポイントを獲得しています。それに対して,ホンダ・チーム・アジアの尾野弘樹は,3周目に転倒リタイアに終わっています。昨シーズンからこのペーシで指摘していますが,尾野は転倒が多い状態が続いています。彼のキャリアから考えると,そしてその時の自身の立場から考えると,これまで指摘してきているように,転倒,そしてリタイアの数を減らす必要があることを今回も指摘しておきたいと思います。考え方,そして走り方が要改善です!

☆ポールトゥーフィニッシュ PARTU(JRR)
○開幕戦の決勝レースが,ドライコンディションの鈴鹿サーキットで行われました。この大会は,SFとの併催となる2&4で行われると共に,鈴鹿8耐を念頭に置いた200qの耐久レースで行われました。最高峰クラス5年連続チャンピオンを目指すYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行がポールからスタートしましたが,スタートに失敗して順位を下げてしまいました。しかし,前日の予選で唯一2分5秒台をマークした走りは決勝レースでも衰えず,徐々に順位を回復していきました。中盤までは2番グリッドからスタートしたヨシムラスズキシェルアドバンスの津田拓也がトップを走行していましたが,14周目に中須賀が津田をロックオンし,130Rで見事に交わしてトップに立ちました。その後は中須賀の独壇場となり,一度もトップの座を譲ることなく,最終的に2位の津田に7秒以上の大差をつける独走で開幕戦を制しました。2位の津田には独走を許したものの,3位にTeam GREENの柳川明がこちらも単独走行で入りました。3つの表彰台を3メーカーが分ける形となりましたが,国内メーカーで唯一表彰台を逃したホンダ勢は,TOHORacingの山口辰也の5位が最高位でした。他メーカーが新型で戦っているのに対して,サスペンションやブレーキに改良が加えられているとはいえ,相変わらず旧式マシンで戦っているホンダだけ,今シーズンも苦戦することが十分予想される結果となっています。

☆ポールトゥーフィニッシュ PARTV(SF)
○開幕戦の決勝レースが,JRRのJSB1000クラスとの併催で行われました。ポールからスタートしたTEAM 無限の山本尚貴は,順調にスタートを切ってトップの座を守ると,コンスタントに速いタイムを刻んで徐々に後続との差を広げていきました。昨シーズンはトヨタ勢に差をつけられた感のあったホンダエンジンですが,鈴鹿を得意とする山本の走りも好影響を与えたのか,最後までトップの座を一度も譲ることなく走り続け,一昨年のチャンピオンである山本が,見事開幕戦をポールトゥフィニッシュで制しました。山本から10秒以上遅れての2位に入ったのは,トヨタエンジン勢の中で唯一トップ5位内に入ったP.MU/CERUMO・INGINGの国本雄資でした。今シーズン最大の目玉であるDOCOMO TEAM DANDELION RACINGのS.バンドーンは,スタートで3番手につけると,トップ2には差をつけられてしまったものの,来シーズンからF1ドライバーとなる可能性を秘めた走りを見せ,デビューレースで見事3位表彰台を獲得しています。参戦2年目でチャンピオン争いが期待される元F1ドライバーであるSUNOCO Team LeMansの小林可夢偉は,ピットアウト後に右リヤタイヤが外れるアクシデントに見舞われて大きく後退。さらにそれが危険行為だということで10秒のペナルティストップが科され,2周遅れの完走者中最下位で開幕戦を終えました。
2016/04/24(日)
☆11年ぶり(MotoGP)
○第4戦スペインGPの予選が,ドライコンディションのヘレスサーキットで行われました。MotoGPクラスは,フリー走行全体で総合トップタイムをマークしたモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシが,予選でもその速さを見せ,今季初,昨年の第8戦ダッチTT以来となるポールを獲得しました。ちなみに,ヘレスでのレースとなると,2005年に獲得して以来11年ぶりのポールとなります。初日総合トップタイムだったチームメイトのJ.ロレンソが2番手タイムをマークし,今季開幕以来4戦連続してフロントロー獲得となりました。アメリカ大陸ラウンドで連勝して当地にやってきたレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが3番手タイムをマークし,こちらも開幕以来4戦連続フロントロー獲得となっています。2戦連続して他のライダーからぶつけられるという不運に見舞われているドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾが4番手タイムをマークし,今季自己最高位からのスタートとなりました。悪い流れの中にある彼だけに,これがきっかけでいい流れに変わるといいですね。
Moto2クラスは,フリー走行で総合トップタイムをマークして好調さがうかがわれたイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶に注目しましたが,残念ながら予選になると失速してしまい,12番手タイムと奮わない予選となってしまいました。それに対してフリー走行で総合4番手タイムだったフェデラルオイル・グレシーニ・Moto2のS.ロースが予選で速さを見せ,第2戦アルゼンチンGP以来今季2回目となるポールを獲得しました。中上に次ぐフリー走行総合2番手タイムだったダイナボルト・インタクトGPのJ.フォルガーが,トップタイムこそローズに譲ったものの,わずか1000分の28秒差で2番グリッドを獲得しました。チームメイトのS.コルテセが3番手タイムをマークし,今季初のフロントローを獲得しています。
Moto3クラスは,V.ロッシが所有するチームであるスカイ・レーシング・チームVR46に所属し,今シーズンからフル参戦を開始したN.ブレガが,昨年フル参戦したMoto3ジュニア世界選手権でここを走った経験が生きたのか,フル参戦4戦目にして初のポールを獲得しました。フリー走行で総合トップタイムだったレッドブルKTMアジョのB.ビンダーが,トップからおよそコンマ2秒遅れで2番手タイムをマークしています。そのビンダーに次ぐフリー走行総合2番手タイムだったエストレラ・ガルシア0,0のJ.ナバーロが3番手タイムをマークし,3戦連続してフロントローからのスタートとなりました。日本人ライダー勢ですが,ホンダ・チーム・アジアの尾野弘樹が19番手,CIPの鈴木竜生が21番手で予選を終えています。

☆今シーズンも(JRR)
○開幕戦の予選が,ドライコンディションの鈴鹿サーキットで行われました。今回の大会は,「2&4」としてSFとの併催で行われ,JSB1000クラスのみでの開催となります。昨年史上初めてとなる最高峰クラス4連覇を果たしたYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行が,5連覇に向けてどのような走りを見せるのかが注目されました。なお,今回は,鈴鹿8耐に向けて200q耐久という形で行われていますので,エントリー台数が大変多く,予選はA,B組の2つに分けて走行しています。また,チームによっては,2人体制で臨んでいるところもあります。そこで最速タイムを刻んだのは,注目の中須賀で,5連覇に向けたシーズンの最初の予選で,唯一2分5秒台の驚速タイムをマークし,見事ポールを獲得しました。「やはり今シーズンも中須賀強し」の印象を与える予選となりました。昨年の開幕戦の勝者であるヨシムラスズキシェルアドバンスの津田拓也が,中須賀から1秒以上遅れての2番手タイムとなりました。3番グリッドを獲得したのは,ホンダ勢のエースライダーであるMuSASHi RT ハルク・プロの高橋巧でした。

☆逆転で(SF)
○開幕戦の予選が,薄曇りで路面温度がそれほど上がらない中,ドライコンディションで行われました。最後のQ3では,P.MU/CERUMO・INGINGの国本雄資がセッション終盤までトップタイムをマークしていました。しかし,最後の最後でTEAM 無限の山本尚貴がトップタイムをマークし,逆転で今季最初のポールシッターとなりました。惜しくもポールを逃した国本が2番手となり,3番手タイムをマークしたのは,今シーズンからITOCHU ENEX TEAM IMPULに所属することになった注目の関口雄飛がつけました。そして,今シーズン一番の目玉である,マクラーレン・ホンダでリザーブドライバーを務め,F.アロンソの代役として参戦したバーレーンGPでチームに初ポイントをもたらしたS.バンドーンが,トップからおよそコンマ5秒遅れで4番手タイムでした。初めてのSFにおける予選でしたが,チームメイトの野尻智紀を上回ったのは,さすがの速さといえるのかもしれません。
2016/04/23(土)
☆発表直後(MotoGP)
○第4戦スペインGPがヘレス・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。MotoGPクラスは,残り3分までレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスがトップタイムをマークしていましたが,1回目の走行でトップタイムだった昨年この大会の勝者であるモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンソが連続してこのタイムを更新し,初日総合トップに立ちました。来季からドゥカティへの移籍を大会前に発表したロレンソだけに,移籍するライダーに対するメーカー側の支援が気になるところでしたが,初日の結果を見ると現段階ではあまり気にする必要がないのかもしれません。総合2番手のマルケスに次ぐ総合3番手タイムをマークしたのは,チーム・スズキ・エクスターのA.エスパルガロでした。今シーズンは,チームメイトのM.ビニャーレスが注目されているだけでなく,プレシーズンテストを含めて結果も彼の方が上回ることが多くなっています。特に,ロレンソのドゥカティ移籍に伴って,その空いたシートに座る可能性が一番高くなっていることからさらに彼への注目が高まっているだけに,先輩ライダーとして自身の存在感を示すような結果を出しています。
ドライコンディションの場合は,通常1回目より2回目の方がタイムアップを果たしますが,Moto2クラスは1回目のタイムの方がよかったライダーが数名いて,その中の1人がイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶でした。2回目のこそ7番手タイムでしたが,1回目で中上がトップタイムをマークすると,2回目では誰もそのタイムを上回ることができず,一昨年3月に行われた開幕戦カタールGP以来となる初日総合トップに立ちました。2回目の走行でトップタイムだったダイナボルト・インタクトGPのJ.フォルガーが,そのタイムで総合2番手に立っています。初日総合3番手には,フォワード・チームのL.バルダッサーリが1回目のタイムで立っています。
Moto3クラスは,1回目の走行で5番手タイムだったレッドブルKTMアジョのB.ビンダーが,2回目の走行でトップタイムをマークし,これが自身初となる初日総合トップでした。総合2番手タイムは,エストレラ・ガルシア0,0のJ.ナバーロが1回目のタイムでつけています。2回目のタイムで総合3番手につけたのはスカイ・レーシング・チームVR46のN.ブレガで,前戦の勝者であるチームメイトのR.フェナティが総合4番手につけています。日本勢は奮わず,ホンダ・チーム・アジアの尾野弘樹は24番手,CIPの鈴木竜生は27番手でした。
2016/04/22(金)
☆延期(SGT)
○熊本県と我が大分県を襲った地震は,現在も毎日のように余震が起こっています。実際,これを入力しているつい今も,大変小さかったですが揺れが起きました。昨日は,午前中を中心に震度4をはじめとした揺れが頻繁に起き,相変わらず不安な日々が続いています。そのような中,一昨日のこのページでお伝えしたように,JRRやSGT,そしてSFと大きな大会の開催地であるオートポリスは,施設内外の状況を鑑み,5月15日(日)まで施設を閉鎖することが発表されています。そこで気になっていたのが,5月21日(土)から始まるSGT第3戦の開催でした。一応施設閉鎖が解ける15日以降ではありますが,現在のような状況では,エントラントにしても観客にしても,どちらにとっても様々な不安や不便が生じることは間違いありません。そして,この度SGTをプロモートするGTアソシエーション(GTA)から発表があり,第3戦の開催を延期することが決定しました。GTAとオーソポリス,そして関係各所と開催に向けて調整を行っていましたが,周辺の環境や来場者の安全を考慮した結果今回の決定に至ったようです。なお,併催されるF4などのサポートレースも,同様に延期されます。「中止」ではなく「延期」ですから,別日に開催されることになりますが,それがいつになるのかは,収束するのかわからない状況が続いていますので,現段階では、「慎重に状況を把握し改めてご案内させて頂きます」ということになっています。一昨日も述べましたが,復興に向けていい機会となることは間違いありませんから,安全第一という前提はありますが,何としてでも開催にこぎ着けられるといいですね。
2016/04/21(木)
☆要因(MotoGP)
○今週に入ってMotoGPにおける最大のニュースは,何といっても昨シーズンを含め最高峰クラスで3回チャンピオンを獲得しているJ.ロレンソのドゥカティ移籍でしょう。その点に関して,ロレンソとドゥカティそれぞれが心境を新たに出しています。それによると,まずロレンソですが,ヤマハからドゥカティに移籍することを決めたのは,当然といえば当然ですが,新たな挑戦をするためということです。そして,ドゥカティ側では,スポーティングディレクターを務めるP.チャバティが今回の移籍について語りました。その中で,ロレンソが移籍する決断を下した大きな要因が,今季型マシンの戦闘力の高さにあるということです。今シーズンのドゥカティは,プレシーズンテストから好調で,しかも,ワークスチームだけでなく,サテライトチームのマシンでさえも上位に食い込む速さを見せてきています。一昨日のこのペーシでお伝えしたように,ドゥカティのゼネラルマネージャーを務めているG.ダリーニャとの関係性もあり,ロレンソの移籍には必然性があったとも言えるでしょう。なお,来季に向けてのドゥカティの大きな視点は,今後誰がロレンソのチームメイトになるかということです。チャバティによると,現在チームに所属しているA.ドビツィオーゾとA.イアンノーネのどちらがその立場になるかは,全く不透明なようです。どちらのライダーとも,契約延長に向けて発憤することは間違いなく,元々マシン的に戦闘力が高まっているのにつけ加えて,大きなライダーの発憤材料があるわけですから,ホンダやヤマハにとっては要警戒ということになりそうですね。
2016/04/20(水)
☆影響は?(SGT)
○熊本県はもちろん,我が大分県も今回の地震の影響を受けています。いまだに時折激しい余震に見舞われていて,避難所や車などで生活せざるを得ない状況にある人が少なからずいます。幸いにも,私の生活自体は通常の状態にありますが,地域内では避難生活する人がいますので,一日も早く少しでも通常の生活ができるようになることを願ってやみません。その地震の影響は,レースの世界でも出てきています。例えば,スパ直入で17日に行われる予定だったレースは,中止せざるを得ませんでした。そして,そのスパ直入と同じカワサキの所有するサーキットである我が大分県にあるオートポリスにも,地震の影響があることが明らかとなりました。同じ大分県内にあるサーキットですが,スパ直入が竹田市にあるのに対して,オートポリスは熊本県と隣接していて,スパよりもオートポリスの方が大きな影響を受けたようです。同施設の発表によると,コースや施設にダメージがあり,その状況確認および修復に時間が必要な状況にあるようです。そのため,5月15日(日)まで施設をクローズすることが決定して,予定されていた全てのレースや貸切イベント,スポーツ走行等については中止し,予約されていたピットの貸出やロッジでの宿泊もキャンセルとなります。ここで気になるのが,5月21日(土)・22日(日)に開催予定のSGT第3戦です。SGTに関しては,昨日までの2日間にわたってオートポリスでタイヤメーカーテストが行われる予定になっていました。しかし,今回の地震により中止となっていました。第3戦の開催は,施設クローズ開けにはなっていますが,果たしてそれまでにサーキット自体が開催できるまで回復しているのか。開催するには,施設自体はもちろん,周辺の状況,例えばマシンなどの輸送やエントラントや観客の移動のための道路の状況や宿泊施設の状況が大きく影響します。熊本県と隣接する大分県の施設における最大のイベントですから,復興に向けての良いきっかけになるかもしれません。例年通りとはいかないでしょうが,無事開催できることができるようになるまで回復できていることを願ってやみません。なお,行方不明者の早い発見と,お亡くなりになった方々のご冥福をお祈りするとともに,被災された方々へのお見舞いを,ここであらためて申し上げます。
2016/04/19(火)
☆移籍決定(MotoGP)
○まずヤマハから発表があり,今シーズンで契約が切れる昨年の王者J.ロレンソと契約を延長しないことが決定しました。その後,連動してドゥカティから発表があり,そのロレンソと2年間の契約が成立しました。2008年からヤマハのファクトリーチームに所属して最高峰クラスに進出したロレンソは,その後ずっとヤマハと契約していき,その間2010年,2012年,そして昨シーズンと3度にわたってチャンピオンを獲得しました。今シーズンの開幕に合わせて,ロレンソと同じく今シーズンで契約が切れるV.ロッシとの間で2年間の契約延長の発表があり,合わせてロレンソに対しても同様のオファーを出していました。ところが,その段階からドゥカティと契約するのではないかという噂がかなり現実味を持って語られるようになっていて,去就が注目されていましたが,今回のヤマハ及びドゥカティからの発表となりました。そのロレンソですが,最高峰クラスにステップアップする前は,125cc,250ccクラスで2005年シーズンのフォルトゥナ・ホンダを除いてデルビ及びアプリリアのマシンを駆っていました。デルビとアプリリアは,ブランドこそ違え,どちらもドゥカティと同じイタリアのピアッジオ傘下のブランドです。そして,そのブランドのテクニカル面を担当していたのが,現在ドゥカティ・コルセのゼネラル・マネージャーを務めるG.ダリーニャです。今回の移籍には,こうした過去の経緯が関係していたことになります。この段階で移籍が決定したということは,当然ヤマハからの支援が契約延長が決まっているロッシ中心になる可能性が高まることになり,2年連続チャンピオンを目指すロレンソとしては,やや不利な状況に追い込まれることにもなります。今後モビスター・ヤマハMotoGPでの力関係がどうなるのか気になるところです。なお,ロレンソが抜けることになったわけですから,ヤマハのワークスライダーの座が1つ空くことになります。そこに誰が座るのかが注目となりますが,現段階では発表はありません。以前でしたら,現在ヤマハのサテライトチームであるモンスター・ヤマハ・テック3に所属しているP.エスパルガロがその有力候補でした。しかし,現段階では,昨シーズンからスズキのワークスライダーとして最高峰クラスに参戦し,今シーズン一挙にその才能を開花させる活躍を見せているM.ビニャーレスがその最右翼ではないかと見られています。実際,今シーズンの走りにヤマハワークスへの移籍話の噂がそのモチベーションになっていることを,ビニャーレス自身が認めています。
2016/04/18(月)
☆3連勝(F1)
○第3戦中国GPの決勝レースが,ドライコンディションの上海インターナショナル・サーキットで行われました。前日の予選では,ディフェンディングチャンピオンであるメルセデスAMGのL.ハミルトンがQ1で敗退するという波乱がありましたが,決勝レースも波乱が起き,数カ所でマシンが接触するというアクシデントが発生しました。その中の1つがフェラーリ勢で,S.ベッテルがレッドブルのD.クビアトを避けようとしてチームメイトであるK.ライコネンと接触するという同士討ちが起きてしまいました。ただ,幸いにも両者ともに緊急ピットインをしてレースに復帰することができました。前日Q1落ちの憂き目を見たハミルトンは,ザウバーのF.ナッセと接触し,こちらも緊急ピットインを強いられました。複数台にアクシデントが発生しましたが,幸いなことに全車復帰することができていて,最終的には全車完走を果たしています。好スタートを切ったレッドブルのD.クビアトを,スタートでやや出遅れたメルセデスAMGのN.ロズベルグが3周目にパスしてトップに立ちました。その後,セーフティーカーが導入されたりしましたが,ロズベルグは危なげないレースを展開していってトップの座を守り,開幕から3連勝を飾りました。スタートでアクシデントに見舞われて緊急ピットインしたベッテルでしたが,その後順調にポジションを回復。最後のピットイン後に2位まで浮上し,そのままチェッカーとなりました。ロズベルグとベッテルに交わされたクビアトでしたが,最終的に3位表彰台を獲得しています。緊急ピットインしたハミルトンは,こちらもポジションを回復していったものの,最終的に7位でのチェッカーとなり,ランク2位の座は3ポイント差で守っているものの,ランクトップのロズベルグとの差が36とさらに広がっています。前日の予選では,タイムアタック前に赤旗が提示され,惜しくもQ3進出を逃したマクラーレン・ホンダ勢は,決勝レースでポイント獲得が期待されたものの,どちらもポイント圏外での走行となり,両者ともに完走は果たしたものの,最終的にF.アロンソが12位,J.バトンが13位でチェッカーを受けています。
2016/04/17(日)
☆明暗(F1)
○第3戦中国GPの予選が,上海インターナショナル・サーキットで行われました。前戦の予選までは,今シーズン導入された一定の時間経過段階で最下位のドライバーが脱落していくという方式で行われてきました。しかし,この方式には大きな問題があったことにより,今大会から昨シーズンと同じ方式で行われることになりました。この日のコンディションは,午前中に雨が降りましたが,予選開始時には雨が上がり,所々にウェットパッチは残っているものの,ドライタイヤでの走行が可能な状態でした。今シーズンなかなか波に乗れていないディフェンディングチャンピオンであるメルセデスAMGのL.ハミルトンは,Q1でエンジントラブルが発生してここで脱落という波乱が起きました。しかも,MGU-Hに起こったこのトラブルは簡単なものではなく,ハミルトンは最終日の走行から2基目のエンジンを使用せざるを得ない状況になっています。ハミルトンがQ1脱落する中,チームメイトでここまでランクトップをいくN.ロズベルグは,フリー走行でも予選でも順調な走りを展開していき,今シーズン自身初となるポールを獲得しました。今シーズンここまで連勝しているロズベルグですが,今季3連勝に向けて好スタートを切ることになり,同じチームながら明暗を分けた予選となりました。ロズベルグをフェラーリ勢が追うという形で進行していった予選ですが,この間に割って入ったのがレッドブルのD.リカルドで,今季自己最高位となる2番グリッドを獲得しました。リカルドが割って入ったものの,フェラーリ勢はどちらも好タイムをマークし,チームメイト同士で3番手タイム争いとなり,それを制したのは,前戦で2位表彰台を獲得したK.ライコネンでした。Q3進出が期待されたマクラーレン・ホンダ勢でしたが,Q2でタイムアタックする前にフォース・インディアのN.ヒュルケンベルグの左フロントタイヤが脱落するというアクシデントが発生し,赤旗が提示されました。残り1分30秒というところでの中断だったため,再開しても誰もタイムアタックできませんから,Q2はこのまま成立ということになり,残念ながら両者共にQ2で脱落となりました。Q3進出が十分可能な状況だったですから,同チームにとって何とも惜しい予選となってしまいました。なお,赤旗の原因となったヒュルケンベルグですが,本人には責任のないアクシデントではあるものの,危険な状況を作ったことから3グリッド降格のペナルティが科され,決勝レースは13番グリッドからスタートすることになりました。
2016/04/15(金)
☆降格(F1)
○前戦バーレーンGPでは,スタートに遅れたメルセデスAMGのL.ハミルトンが,ウィリアムズのV.ボッタスと接触するというアクシデントに見舞われてしまいました。マシンに損傷は受けたものの,徐々にポジションを回復していき,最終的には3位表彰台を獲得しました。3年連続チャンピオンを目指しているハミルトンにとって,表彰台を獲得できたとはいえ,チームメイトで現在ランクトップをいくN.ロズベルグとのポイント差が17に広がる痛いアクシデントになってしまいました。そのアクシデントは,さらにハミルトンにとって痛い事態となりそうです。というのも,レース後に行ったマシンチェックで,今日から開幕する中国GPにおいてギアボックスを交換する必要があることが判明したからです。現在のレギュレーションでは,ギアボックスは6戦連続で使用しなければならないようになっていて,交換となると5グリッド降格のペナルティを受けることになっています。メルセデスのマシンですから,恐らくフロントローにつける速さを見せるでしょうが,それでも少なくとも6番グリッドまで下がることになります。チームの判断では,他のサーキットよりはグリッド降格の影響が少ないであろうということから今大会での交換を決断したようですが,それでも一歩抜き出たメルセデスのマシンを駆っていることからロズベルグの優勝の確率が高いだけに,その分17ポイント差がさらに広がる可能性が高いでしょうから,ハミルトンにとって痛い前戦でのアクシデントとなりそうです。
2016/04/14(木)
☆初代ウィナー(JRR)
○国内外で盛り上がっているクラスが,4サイクル250ccマシンで争われるレースで,国内4メーカーからそれに合ったバイクが市販されています。それを受け,国内でもJRRとの併催という形で新たにJP250クラスが今シーズンから始まり,決勝レースは土曜日に行われることになっています。週末に筑波サーキットで行われたJRRの開幕戦では,4月9日(土)に予選及び決勝が行われました。今回のレースでの目玉は,もちろん新シリーズの始まり自体がそうですが,その中のエントリーリストに,今回限定ではありますが,1995,1996年にWGPの125ccクラスでチャンピオンを獲得し,現在はオートレーサーとして活躍している青木治親が含まれていることでした。
まず予選ですが,最初のポールシッターとなったのが,TRICK STAR Racingから参戦し,Ninja250を駆っている山本剛大でした。昨年アジア・ロードレース選手権のAP250クラスで同チームからフル参戦してチャンピオンを獲得した彼ですが,その速さを新シリーズの開幕戦から発揮した形となりました。注目の青木は,10年ぶりのロードレースながら,何と4番グリッドを獲得し,世界チャンピオンの凄さを見せました。
午後に行われた決勝レースは,ポールからスタートした山本剛大が,3台によるバトルを制してポールトゥーフィニッシュで初代ウィナーとなりました。山本とのトップ争いに敗れたアケノスピード・YAMAHAからフル参戦している南本宗一郎と仲村優祐との間で2位争いとなりましたが,何と最終ラップの最終コーナーで接触転倒という同士討ちになってしまいました。漁夫の利を得て2位,3位になったのが,それぞれモトレーシング&KYOEIの中沢寿寛とDog Fight Racing+YMプロジェクトの武佐英典でした。注目の青木は,序盤はトップ争いに加わり,一時はトップに立つ走りを見せましたが,残念ながら3周目に転倒リタイアに終わっています。
2016/04/13(水)
☆バトンも(F1)
○前戦バーレーンGPでは,F.アロンソの代役として参戦したリザーブドライバーであるS.バンドーンが,マクラーレン・ホンダにとって今季初ポイントをもたらしました。もう一人のレギュラードライバーであるJ.バトンに関しては,リタイアのためノーポイントレースとなってしまいました。というように明暗を分けた2人ですが,バトンがリタイアした時はポイント圏内である10位を走行していましたから,タラレバでいえばバンドーンでなくバトンがポイントを獲得していた可能性もあったわけです。そのバトンのリタイア原因は,バトンに責任があるわけでなく,チームの調査によるとメカニカル面での不具合によるものだったようです。そして,今週末に行われる中国GPで使用できるかどうか調査した結果,同GPでは使用不可能で,今季2基目のエンジンを搭載せざるを得ないようです。今季のレギュレーションでは,年間を通して5基まではノーペナルティで使用できることになっています。わずか3戦目で2基目を投入というのは,シーズンで考えると厳しいといわざるを得ません。やはり,復帰以後信頼性に関しても課題となっているホンダですが,2年目の今シーズンも致し方ないことではありますが同じ課題を抱えていることになります。バトンが2基目を投入することになったことで,同チームは2人とも同じ数のエンジンを使用することになります。ただ,アロンソとバトンとの違いは,バトンはエンジン自体のトラブルだったのに対して,アロンソは開幕戦でクラッシュに巻き込まれてしまってエンジンが壊れたことによるためのものです。ややネガティブな話題ではありますが,考えようによっては,その2基目のエンジンでバンドーンがポイントを獲得できたわけですから,バトンも同じ2基目を使用することになるわけで,ポイント獲得の可能性が出てきたとも言えますね。
2016/04/12(火)
☆7連勝(MotoGP)
○第3戦アメリカズGPの決勝レースが,ドライコンディションのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われました。MotoGPクラスは,ポールからスタートしたレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,オープニングラップからトップに立つと,徐々に後続との差を広げていきました。そして,最終的に2位に6秒以上の差をつけて独走で今季2勝目を挙げました。2013年シーズンから最高峰クラスにステップアップしているマルケスですが,それ以来ずっとアメリカにおけるレース全てで優勝していて,これで7連勝となりました。前戦で転倒リタイアに終わっているモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンソは,マルケスには6秒以上の差をつけられてしまったものの,3位に入ったドゥカティ・チームのA.イアンノーネに5秒近い差をつけて単独で2位表彰台を獲得しました。前戦にチームメイトを巻き込んで転倒リタイアに終わったイアンノーネは,ペナルティで3グリッド降格処分を受けてのレーススタートでしたが,3位まで浮上してチェッカーを受け,今季初完走,初ポイント獲得となりました。今季好調な走りを見せているチーム・スズキ・エクスターのM.ビニャーレスは,今季初の完走を自己最高位となる4位で果たし,うれしいポイント獲得となっています。チームメイトのA.エスパルガロが5位に入り,スズキにとってうれしい上位でのダブルポイント獲得でした。3番グリッドからスタートしたモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシは,3周目に転倒を喫してリタイアに終わってしまいました。ロッシの転倒リタイアは,2014年9月に行われた第14戦アラゴンGP以来となります。
Moto2クラスは,ポールからスタートしたパギナス・アマリラスHP40のA.リンスが,オープニングラップからトップに立つと,最後までそのポジションを守り抜き,このクラスで3度目となるポールトゥーフィニッシュで今季初優勝を飾りました。2位には,3番グリッドからスタートしたフェデラルオイル・グレシーニ・Moto2のS.ロースが独走で入っています。5台による3位争いを制したのは,昨年のチャンピオンであるアジョ・モータースポーツのJ.ザルコでした。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,3位争いに加わっていたものの,残り4周となったところでスピードアップ・レーシングのS.コルシと接触して転倒を喫してしまいました。その後レースに復帰することができ,最終的には15位でチェッカーを受けて何とかポイントを獲得しました。
Moto3クラスは,5番グリッドからスタートしたスカイ・レーシング・チームVR46のR.フェナティが,後続に6秒以上の大差をつける独走で今季初優勝を飾りました。2位には,こちらも単独走行でエストレラ・ガルシア0,0のJ.ナバーロが入っています。2台による3位争いとなりましたが,レッドブルKTMアジョのB.ビンダーがファイナルラップでトップに浮上し,逆転で3位表彰台を獲得しています。CIPの鈴木竜生は,19位でチェッカーを受けています。ホンダ・チーム・アジアの尾野弘樹は,危険な走行をしたということでライドスルーペナルティが科され,25位でのチェッカーとなっています。
2016/04/11(月)
☆ダブルウィン(JRR)
○開幕戦の決勝レースが,ドライコンディションの筑波サーキットで行われました。今大会が2レース制になっているJ-GP2クラスは,この日その2レース目が行われました。前日に行われたレース1で優勝したTeam KAGAYAMAの浦本修充は,ホールショットを奪うと後はトップの座を守りながら後続との差を広げようとしていきました。2位を走っていたH43 Team-NOBBYは,浦本に追いつこうと差を詰めていき,ファイナルラップの1コーナーで仕掛けましたが,これは無理な動きだったため逆に失速してしまいました。國峰の脱落で完全単独走行となった浦本は,そのままファイナルラップを走り抜いて,移籍1レース目で見事ダブルウィンを達成しました。3台によるバトルとなった2位争いは,エスパルスドリームレーシングの生形秀之とOGURAclutch with パワービルダーの岩崎哲朗とがファイナルラップの第1ヘアピンで接触し,岩崎が転倒リタイアに終わりました。これにより,生形が2位に,國峰が3位に入っています。
ST600クラスは,2回の赤旗が提示される波乱の展開となりました。1回目の赤旗で,レースは2レース制に改められ,最初の10周がレース1で,その結果が15周となったレース2のグリッド順になりました。レースは,Team高武 RSCの岩戸亮介とYamaha Thailand Racing TeamのC.ポラマイとの間でトップ争いが繰り広げられ,残り2周となったところで両者は接触してリタイアに終わってしまいました。その結果,3位を走行していたMuSASHi RT Jr.の名越哲平がトップに浮上し,波乱のレースを制しました。2位には,伊藤レーシングGMDスズカの前田恵助が,桜プロジェクトwithアクタホールディングス&MFの高橋英倫が3位に入りました。なお,今シーズンからJRRにフル参戦している我が大分県の高校生ライダーであるRS-ITOHの清末尚樹とRS-ITOH&サンタバイクの和田留佳ですが,清末が8位でチェッカーを受け,見事フル参戦デビューレースでトップ10フィニッシュを達成しました。1回目の赤旗の原因となった和田は,完走は果たしたものの,21位でチェッカーを受け,残念ながらノーポイントに終わっています。
J-GP3クラスは,レース終盤まで3台によるバトルとなりましたが,終盤に入ると徳留真紀が遅れはじめ,MuSASHi RT ハルク・プロの栗原佳祐とTeam P.MU 7Cの小室旭の2台によるバトルとなり,栗原が逃げ切って開幕戦を制しました。2位に小室,3位に徳留が入っています。

☆逆転で(SGT)
○開幕戦の決勝レースが,曇り空ながらドライコンディションの岡山国際サーキットで行われました。GT500クラスは,ポールからスタートしたJ.ロシター&平川亮組のKeePer TOM'S RC Fが順調にトップの座を守っていきました。レースが進行していくに連れペースアップを果たしたのが,昨年のチャンピオンである松田次生&R.クインタレッリ組のMOTUL AUTECH GT-Rでした。はじめは差をつけられていましたが,徐々にペースアップを果たし,その差を縮めていきました。そして,ピットインするとNISMOのピットワークには定評があり,他のチームを圧倒するピットワークを展開し,見事トップに浮上しました。ライダーチェンジしてからもペースが上がり,ディフェンディングチャンピオンが見事開幕戦を制しました。本山哲&千代勝正組のS Road CRAFTSPORTS GT-Rもペースアップを果たしていき,2位争いに絡むようになりました。ファイナルラップまで続いたその争いでしたが,S Roadは一歩及ばず,2位にはポールスタートのKeePer TOM'S RC Fが入り,S Roadは3位表彰台獲得となりました。
GT300クラスは,ドライバーチェンジまでポールからスタートした土屋武士&松井孝允組のVivaC 86 MCと黒澤治樹&蒲生尚弥組のLEON CVSTOS AMG-GTとの間でトップ争いが展開されていきました。しかし,ドライバーチェンジ直後にペースアップを果たしたLEONがトップに浮上。Vivacはその後順位を6位まで下げました。そのVivacを交わして2位に浮上したのが,谷口信輝&片岡龍也組のグッドスマイル 初音ミク AMGでした。トップのLEONには独走態勢に持ち込まれたものの,2位の座は最後まで保ち続けることができました。3位には,J.ミューラー&荒聖治組のStudie BMW M6が入っています。
2016/04/10(日)
☆移籍後初(JRR)
○開幕戦が,昨年は水害により開催中止となった筑波サーキットで始まりました。今大会は,最高峰のJSB1000クラスは開催されず,J-GP2クラスは土曜日,日曜日にそれぞれ決勝レースが開催されるという2レース制で行われています。そのレース1は,au&テルル・Kohara RTの渥美心と今シーズンTeam KAGAYAMAに移籍した浦本修充との一騎打ちとなりました。終盤に入って自己ベストを更新した渥美が浦本との差を広げて開幕戦を制するかと思われましたが,残り3周となる18周目の1コーナーでマシントラブルからマシンを止め,惜しくもリタイアに終わりました。渥美の脱落により労せずしてトップに立った浦本は,そのまま逃げ切って今季最初のウィナーとなりました。これまでホンダのマシンを駆ってJRRに参戦してきた浦本でしたが,スズキ陣営であるTeam KAGAYAMAに移籍していきなり勝利を収めました。2位争いは,H43 Team-NOBBYに所属する三浦壮紫と國峰啄磨のチームメイトバトルとなり,三浦がこれを制しています。
他のクラスについてですが,ST600クラスはTEAMしんたろうwith KRTの中山真太郎が,J-GP3クラスはMuSASHi RT ハルク・プロの栗原佳祐がポールを獲得しています。なお,今シーズンからST600クラスにフル参戦している大分県の高校生ライダーであるRS-ITOHの清末尚樹とRS-ITOH&サンタバイクの和田留佳は,それぞれ8番グリッド,14番グリッドをデビューレースで獲得しています。
☆2年連続(SGT)
○国内で最も観衆を集めるシリーズであるSGTの予選が,岡山国際サーキットで行われました。GT500クラスは,セッション終盤まで大嶋和也&A.カルダレッリ組のWAKO'S 4CR RC Fがタイミングボードのトップに立っていました。このまま逃げ切るかと思われましたが,セッション終了間際になってそのタイムをJ.ロシター&平川亮組のKeePer TOM'S RC Fがタイムを更新し,逆転で2年連続ポールを獲得しました。ディフェンディングチャンピオンである松田次生&L.クインタレッリ組のMOTUL AUTECH GT-Rが,トップからおよそコンマ25秒差で3番グリッドを獲得しています。昨シーズンまでのハイブリッドシステムを下ろし,今シーズンからノーマルエンジンを搭載しているホンダ勢ですが,全車Q1で敗退し,ある程度予想されていたことではあるものの,他メーカーとのギャップの大きさを実感する予選になってしまいました。
GT300クラスは,現行のレギュレーションになって,JAF-GT規定のマシンが速いのか,それともFIA-GT3規定のマシンが速いのかが現行のレギュレーションになって毎年注目されていますが,開幕戦でポールを獲得したのはマザーシャーシを使用している土屋武士&松井孝允組のVivaC 86 MCがセッション終盤に入って最速タイムをマークし,開幕戦のポールシッターとなりました。2,3番グリッドは,それぞれ黒澤治樹&蒲生尚弥組のLEON CVSTOS AMG-GT,J.ミューラー&荒聖治組のStudie BMW M6といったFIA-GT3規定マシンが獲得しています。
☆4年連続(MotoGP)
○第3戦アメリカズGPの予選が,午前中は雨に見舞われたサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われました。MotoGPクラスは,ここまでの走行でトップタイムをマークしてきたレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが,予選でもトップタイムをマークし,2戦連続ポールを獲得しました。2013年から同地で始まったアメリカズGPですが,ここまで全てマルケスがポールを獲得していて,これで4年連続となります。前戦で転倒リタイアに終わっているディフェンディングチャンピオンであるモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンソですが,マルケスからわずか1000分の69秒遅れで2番グリッドを獲得しています。チームメイトのV.ロッシが3番手タイムをマークし,2戦連続1列目からのスタートを切ることになりました。4番手タイムをマークしたのは,ドゥカティ・チームのA.イアンノーネでしたが,前戦の決勝レースのファイナルラップで,チームメイトを巻き込んでの転倒を喫し,これが危険行為だということで3グリッド降格処分を受けていますので,決勝レースは7番グリッドからのスタートとなります。なお,エストレラ・ガルシア0,0マークVDSのJ.ミラーですが,フリー走行1で転倒を喫した際に右足の中足骨骨折のケガを負ってしまいました。メディカルチェックを受けてその後のセッションも走行しましたが,予選前に行われたフリー走行4で走行に支障を感じて走行をとりやめ,医師と相談した結果欠場することが決定しました。Moto3クラスからMoto2クラスをスキップしてMotoGPクラスに昨シーズンからステップアップを果たしたミラーですが,今シーズンも既に何度も転倒を喫していて,最高峰クラスでの走行にまだ慣れが必要であることを感じさせています。
Moto2クラスは,フリー走行で総合1番手に立ったパギナス・アマリラスHP40のA.リンスが,サーキットベストを更新する走りを見せて予選でもトップタイムをマークしました。2番手タイムをマークしたのは,アジョ・モータースポーツのJ.ザルコでした。フェデラルオイル・グレシーニ・Moto2のS.ロースが3番手タイムをマークし,今季ここまで全てフロントローからのスタートを決めています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,トップからおよそコンマ36秒差で6番グリッドを獲得しています。なお,JPモト・マレーシアのE.バスケスが,転倒を喫した際に頭を強打して動けなかったことから,セッションは赤旗中断となりました。ヘリコプターで病院に搬送されたバスケスだけにとても心配されますが,現段階では詳しい状況はわからないものの,テレビの生放送の中では命に別状がないという情報が出ていました。
Moto3クラスは,KTMのマシンを駆るフィリップ・エッテルがトップタイムをマークし,自身初となるポール及びフロントローを獲得しました。彼の父親はかつてGPライダーだったピーター・エッテルですが,そのピーターは結局ポールを獲得できないままでした。その息子が,父親の夢を叶えたことになります。そのエッテルからコンマ587秒差をつけられて2番グリッドを獲得したのは,エストレラ・ガルシア0,0のJ.ナバーロでした。そのナバーロから1000分の11秒差で3番手タイムをマークしたのは,グレシーニ・レーシングMoto3のE.バスティアニーニでした。CIPの鈴木竜生は13番グリッド,前戦で自身最高位となる6位を獲得したホンダ・チーム・アジアの尾野弘樹は16番グリッドを獲得しています。
2016/04/09(土)
☆今年も(MotoGP)
○2週連続開催となるMotoGPですが,その2戦目に当たる第3戦アメリカズGPの走行が,ドライコンディションのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで始まり,初日は2回のフリー走行が行われました。MotoGPクラスは,前戦アルゼンチンGPをも制してアメリカ大陸ラウンドで負け知らずを誇っているレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが,午前・午後共にトップタイムをマークし,今年も「マルケス強し」の印象を与える初日となりました。その前戦でファイナルラップの最終コーナー手前で強引にインをつき,チームメイトを巻き込んでリタイアを喫しているドゥカティ・チームのA.イアンノーネが,トップからコンマ7秒遅れのタイムをマークし,初日総合2番手となりました。決勝レースでは結果が出ていないものの,共通ECU,ミシュランタイヤのワンメークという今シーズンのマシンになってから,テスト段階で好調な走りを見せているチーム・スズキ・エクスターのM.ビニャーレスですが,ここでもその速さを見せて,初日総合3番手タイムをマークしました。
Moto2クラスは,昨年のランク2位で,今シーズンの最有力チャンピオン候補の一人であるパギナス・アマリラスHP40のA.リンスが,こちらも午前・午後共にトップタイムをマークし,初日総合トップに立ちました。しかも,午後の走行ではサーキットベストを更新してのトップタイムとなっています。午前の走行で2番手タイムだったスピードアップ・レーシングのS.コルシと3番手タイムだったアジョ・モータースポーツのJ.ザルコが,午後の走行でもその順位で走行し,総合でもそれぞれ2,3番手になっています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,午前の走行で5番手,午後でタイムアップを果たして総合4番手タイムで初日を終えています。
Moto3クラスは,レオパード・レーシングのF.クアルタラロが午後の走行でトップタイムをマークし,自身初となる初日総合トップに立ちました。総合2,3番手タイムをマークしたのは,それぞれスカイ・レーシング・チームVR46のR.フェナティ,オンゲッタ・リバコールドのN.アントネッリとなっています。前戦で自己最高位となる6位に入ったホンダ・チーム・アジアの尾野弘樹は15番手,CIPの鈴木竜生は26番手タイムで初日を終えています。
2016/04/08(金)
☆決着(F1)
○今シーズンから導入された90秒ごとにノックアウトしていくという予選方式に関しては,肝心なところで全くマシンが走らない時間帯があるという事態が開幕戦に見られ,次戦から元に戻すようチーム等から声が上がりました。しかし,ルール変更に関しては,チーム,FIA,商業権所有者等で構成されるF1委員会において満場一致しなければならず,問題として上がってはいたものの,満場一致には至らず,第2戦バーレーンGPでもその方式が継続してしまっていました。ところが,ようやくここに来て新方式見直しの気運がさらに高まり,チーム側がはっきりとした意思表示を突きつけたため,FIAと商業権所有者であるB.エクレストンはチーム側の要求を受け入れて満場一致となり,次戦中国GPからの予選方式が変更されることになりました。その予選方式ですが,昨シーズンまで用いられていたQ1,Q2の終了時点において,決められた台数のマシンがノックアウトしていき,ポール等上位のグリッドはQ3で最終決定するというお馴染みの形です。ただ,今シーズンの残りのレースに関しては昨年までの形で行われますが,来シーズンに関しては不透明で,新たな形が導入されるかもしれませんし,今シーズンのチャンピオンが決定して以後の大会において,その方式が前倒しで実施されることになるのかもしれません。
2016/04/07(木)
☆原因は(F1)
○予選では昨シーズンまでと同じくフロントローにつけるものの,スタートにミスが生じているのがメルセデス勢です。中でも,2年連続チャンピオンを獲得しているL.ハミルトンの状況が深刻で,せっかくポールを獲得しても,ここまでの2戦全てにおいてスタートで出遅れてしまっています。この点に関して,チーム代表であるT.ウォルフのコメントによると,どうやらドライバーというよりはマシンのハード面に問題があるということのようです。昨年8月に行われた第12戦ベルギーGPからスタートにおけるドライバーへの無線等のサポートが厳しく制限が加えられるようになりました。さらに,今年からドライバーたちは発進の際にクラッチパドルを1つだけしか使えなくなりました。どうやら現在抱えている問題はこれに起因しているようで,クラッチに関する問題解決にチームだけでなくダイムラーベンツ自体が研究を重ねているとのことです。こういう状況ですから,そう簡単に解決できるわけではないようで,しばらく時間が必要とのことで,次の中国GPには間に合わないというコメントが出されています。特に苦しんでいるハミルトンにとっては,しばらく我慢が必要なようです。
2016/04/06(水)
☆参戦は?(F1)
○F1が抱える問題の中の1つが,資金難にあえぐチームが少なからずあるということです。そして,その中の1つのチームが,現在F1に参戦している中で4番目に古いチームであるザウバーです。このところずっと財政難がいわれている同チームですが,この点に関して新たな噂が浮上してきています。まず,従業員への賃金の支払が2月から滞っているのではないかということです。さらに,財政難から次戦となる中国GPを欠場するのではないかという噂も浮上しています。その噂の根拠となったのが,共同オーナーであるM.カルテンボーンが第2戦バーレーンGPに姿を見せなかったことです。どうやらチームの本拠地であるウィンヒルにとどまって,チームが抱える緊急の財政問題に対処していたのではないかという推測も出ているようです。こうした状況の中,さらに新たな噂が浮上してきています。それは,何とF1参戦が噂されるイタリアのスポーツカーブランドであるアルファロメオが,この資金難に支援をするのではないかというのです。ザウバーは,フェラーリエンジンユーザーの1つです。そのフェラーリにしてもアルファロメオにしても,どちらもフィアット傘下にあるブランドで,歴史的に見ると現在のスクーデリア・フェラーリは,アルファロメオのドライバーを務めていたE.フェラーリがセミワークスチームとして創設したものです。つまり,アルファロメオが親だとすると,フェラーリは子どものような関係性となります。レッドブルとルノーとの関係がこじれ,今年レッドブルがどのエンジンを使用することになるのかが注目されていた頃,アルファロメオのブランド名を冠してレッドブルがフェラーリ陣営に加わるのではないかという噂が浮上していました。これは単なる噂に終わり,最終的にはルノー製エンジンにタグ・ホイヤーのブランド名を冠して搭載し,レッドブルはルノー陣営にとどまりました。しかし,アルファのF1再登場が消えたわけではなく,今回のザウバーに関連して再び登場することになりました。これらはあくまでも噂にしか過ぎず,真偽の程や今後の見通しは不明ですが,しばらくはパドックで話題になることは間違いないのかもしれません。
2016/04/05(火)
☆初ポイント(F1)
○第2戦バーレーンGPの決勝レースが,4月3日(日)の午後6時から「トワイライト・レース」としてバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われました。フォーメーションラップにおいてフェラーリのS.ベッテルのマシンから白煙が上がってマシンがストップし,決勝レースを前にしてリタイアに終わるというアクシデントが起きてしまいました。そのような状況の中で始まった決勝レースでは,ポールからスタートしたメルセデスAMGのL.ハミルトンは,開幕戦と同じくスタートで出遅れてしまいました。そして,6番グリッドからスタートしたウィリアムズのV.ボッタスと接触してしまい,9番手まで順位を下げてしまいました。ハミルトンの脱落に伴って序盤からトップに立ったのは,ハミルトンのチームメイトで,昨シーズン最終盤から優勝を飾ってきているN.ロズベルグでした。トップに立ったロズベルグは,最後までトップの座を守り抜いて開幕から2連勝,昨シーズンから考えると5連勝を飾りました。2位には,決勝レースを前にチームメイトであるベッテルを失うことになってしまったK.ライコネンが入っています。オープニングラップで順位は下げてしまったものの,その後順位を回復するという開幕戦と同じような経過をたどってしまったハミルトンが,3位でチェッカーを受けています。今季から新規参入しているハースF1チームですが,R.グロージャンが5位に入り,何と開幕戦に引き続いてポイント獲得という快挙を成し遂げています。フェラーリのBチーム的立場にあるハースF1チームですが,この新しいチームは単なる新規参入チームとは言えないようです。開幕戦で激しいクラッシュに巻き込まれ,今大会の出場にドクターストップがかかったF.アロンソの代役として参戦したマクラーレン・ホンダのS.バンドーンですが,10位に入って何とこちらもポイントを獲得し,同チームに今季初ポイントをもたらしています。チームメイトのJ.バトンは,ポイント圏内を走行していたものの,7周目にERSにトラブルが発生してしまってリタイアに終わっています。バンドーンの走りから考えると,バトンもポイント獲得できていたかもしれないだけに,レースでは「タラレバ」はありませんが,ダブル入賞もあり得ただけに,惜しいレースを落とす結果になってしまいました。
2016/04/04(月)
☆サバイバル&初優勝(MotoGP)
○第2戦アルゼンチンGPの決勝レースが,ウェットからドライに変わる難しいコンディションの中アウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンドで行われました。MotoGPクラスは,前日に行われたFP4において,タイヤ表面の剥離というトラブルが発生し,安全性確保のため周回数が25周から20周に減算されると共に,フラッグトゥーフラッグでマシンを乗り換えなければならないというルールに変更されました。所々にウェットパッチが残っている状況の中で始まった決勝レースは,次々に転倒が発生してサバイバルレースとなっていきました。その転倒者の中には,開幕戦のウィナーで,昨年のチャンピオンであるモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンソも含まれています。中盤にはレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスとモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシという昨年の因縁の両者のトップ争いとなり,昨シーズンの悪夢が再びよみがえる状況となりました。ところが,マシンの乗り換えてからロッシのペースが上がらず,マルケスの独走となりました。マルケスはスリッピーな路面をものともせずペースを維持し,今季初優勝を飾りました。2位を走行していたロッシに,ドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾとA.イアンノーネが追いつき,ファイナルラップ段階ではロッシは4位に落ちていました。ところが,ファイナルラップの最終コーナーでドゥカティの2人が接触転倒し棚ぼた的に2位表彰台を獲得しました。棚ぼたといえば,レプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサもそうで,オープニングラップで接触して15位まで順位を落としたペドロサでしたが,徐々にポジションを挙げていくと共に,前を行くライダーが次々に転倒したりして,最後は3位表彰台を獲得しました。
Moto2クラスは,昨年のチャンピオンであるアジョ・モータースポーツのJ.ザルコが,13周目にトップに立つと,後続との差を少しずつ広げていってトップでチェッカーを受け,今季初優勝を飾りました。1位,2位,3位の間隔はほぼ同じような状態となり,ポールからスタートしたフェデラルオイル・グレシーニMoto2のS.ロースが,ザルコが2位で,ダイナボルト・インタクトGPのJ.フォルガーが3位でゴールしています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,トップ争いから離されて9位でチェッカーを受けています。
この日最初に行われたMoto3クラスは,ウェットからドライに変わるとても難しいコンディションの中でのレースとなりました。アジア・ドリーム・カップ出身でホンダ・チーム・アジアからフル参戦しているK.イダム.パウィは,オープニングラップでトップに立つと,一時は後続に20秒以上の大差をつける独走態勢に持ち込みました。最終的には2位に26秒以上の大差をつける独走でトップでチェッカーを受け,自身初優勝はもちろん,マレーシア人ライダーとしても初優勝を飾りました。エストレラ・ガルシア0,0のJ.ナバーロとドライブM7 SICレーシング・チームのA.ノルディンとの間で繰り広げられた2位争いでしたが,ファイナルラップの最終コーナーでノルディンが転倒し,ナバーロが2位でチェッカーを受けました。ノルディンは,マシンを押してゴールラインを越え,11位でのチェッカーとなりました。3位には,ポールからスタートしたKTMレッドブル・アジョのB.ビンダーが入っています。優勝したパウィのチームメイトである尾野弘樹は,自身最高位となる6位でチェッカーを受けています。また,CIPの鈴木竜生は,スタートポジションと同じ27位でのチェッカーとなりました。
2016/04/01(金)
☆ドクターストップ(F1)
○開幕戦オーストラリアGPにおいて,マノーF1チームのE.グティエレスと接触して激しくクラッシュしたのが,マクラーレン・ホンダのF.アロンソでした。その時の衝撃は46Gだったといわれていますが,それだけのクラッシュ劇だったのにもかかわらず,幸いなことに自力でマシンから脱出することができました。その後にメディカルで受けた診断では「問題なし」ということで,まさに奇跡のクラッシュ劇だったといえました。ところが,第2戦バーレーンGP前に受けたメディカルチェックにおいてアロンソの体に不具合が発見され,第2戦の参戦についてはドクターストップがかかりました。彼の代役としては,リザーブドライバーを務めるS.バンドーンが出場します。今シーズンのバンドーンは,マクラーレン・ホンダのリザーブドライバーを務める傍ら,SFにフル参戦することになっています。現在2日間にわたる合同テストが行われているSFですが,バンドーン自身は元々初日のみの参加となっていましたから,既に走行を終えてバーレーンに向かいました。ドクターストップがかかって以後に行われたFIA記者会見に参加したF.アロンソによると,今回のクラッシュ劇で肋骨を骨折すると共に,気胸と肺損傷の危険性があるということです。事故直後は自力で脱出できたアロンソでしたが,翌日から胸に激しい痛みが出て,今回のチェックにより肺のダメージと数カ所の肋骨骨折が発見されたということです。シートベルトでがっちりと固定され,さらに相当なGフォースがかかるF1ですから,重要な臓器がある胸の部分に不具合があるというのはかなり危険です。今回のドクターストップは,当然の結果だと言えます。なお,第3戦中国GPに関しては,直前にメディカルチェックを受け,そこで出場の可否が判断されることになります。
 

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