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2016最新ニュース

2016/06/30(木)
☆残留(F1)
○2輪の最高峰であるMotoGPクラスが早い段階からストーブリーグが進行したのに対して,4輪の最高峰であるF1は,本格化するのはもう少し先かなという印象です。そのような中,レッドブルの代表であるC.ホーナーから発表があり,レッドブルの育成的立場にあるトロ・ロッソからフル参戦しているC.サインツとの間で,オプションを行使して契約することになり,来年もトロ・ロッソからフル参戦してレッドブル陣営に残留することになりました。この発表に合わせて,他のレッドブル陣営に所属しているドライバーとの契約についても触れ,陣容は変更がないことも明らかとなりました。つまり,レッドブルはD.リカルド&M.フェルスタッペン,トロ・ロッソが今回のサインツと,今季途中でレッドブルからトロ・ロッソにフェルスタッペンと入れ替わる形でいわゆる降格となったD.クビアトのペアとなります。なお,レッドブルの2人については,2018年までこの組み合わせとなることも既に契約が成立して決定しているとのことです。昨シーズンはエンジン供給元であるルノーとの関係が悪化したレッドブルですが,今季は成績向上と共に関係が改善していき,今季はフェラーリエンジンを使用しているトロ・ロッソについても,来季は再びルノーユーザーとなります。メルセデスのひとり勝ち状態がほんの少し壊れてきている今シーズンですが,チーム&ドライバー状態が安定したレッドブルが,どのような活躍を見せてくるのか楽しみですね。
2016/06/29(水)
☆装着禁止(MotoGP)
○昨日は,TTアッセン(オランダGP開催中に発表されたアプリリアからの発表についてお伝えしましたが,今日もその期間中に発表された別の点についてお伝えします。今シーズンのMotoGPクラスで注目点となっていることの1つが,ワークスマシンを中心に装着されているウィングレットです。4輪では当たり前になっているウィングレットですが,2輪は4輪と違ってマシン全体がコーナーに入るとそれぞれの方向に傾きますから,なかなかウィングの効果が得られないというか,ウィングの設定をどうするのかが難しい特性があります。そのため,これまでも試されたことはありましたが,実際の装着はほぼありませんでした。しかし,最近になってドゥカティが導入するようになっていました。特に今シーズンはレギュレーションの変更により共通ECUが採用され,色々な制御に制限を受けるようになっています。トラクションコントロールもその中の1つで,マシンのリフトアップの制御がこれまでのようにはいかず,こうしたことが要因となってウィングが装着されるようになってきているのかもしれません。しかし,見た目ということや,何よりも突起物となりますので,車体と車体がぶつかり合う事がある2輪は,転倒しやすいという2輪ならではの特性がありますので,こうした突起物が危険性がもたらす可能性が高まります。こうしたことも要因となっていると思われるのですが,TTアッセンの期間中にグランプリ・コミッションの会合があり,その場において,来シーズンからMotoGPクラスのマシンにウィングレットを装着するのが禁止となりました。今シーズンについては,現行通り使用可能です。ちなみに,Moto2,Moto3クラスについては,今シーズン既に装着禁止となっています。
2016/06/28(火)
☆全て決定(MotoGP)
○イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶を含め,3クラス全てが初優勝となったのがTTアッセン(オランダGP)でした。その大会の終了後,アプリリアから新たな契約について発表がありました。6月23日付のこのページでもお伝えしたように,ワークスチームに関しては,例年よりもストーブリーグの動きが速く,来季の契約がアプリリアの残りの1つ以外全て決まっていました。その残された1つのシートについては,スズキワークスのシートを失ったA.エスパルガロの名前が最有力として挙がっていました。そして,今回のアプリリアの発表は,その噂通りエスパルガロとの契約成立でした。契約期間は,他のワークスライダーと同じく2018年までの2年間となっています。この発表により,来季のアプリリアは,S.ロース&エスパルガロの組み合わせとなります。エスパルガロとアプリリアの関係は,2012年からの2年間,当時MotoGPクラスの中にあったCRTクラスに,アプリリアがアスパル・チームに"ART"の名称でマシン供給をしていたのですが,その際そのマシンを駆っていたのが彼でした。彼とARTとのマッチングはよく,場合によってはワークスマシンをも上回る速さを見せることがよくあり,結果的にその2年間CRTクラスのタイトルを獲得しています。そうしたいい関係性もあって,今回の契約に至ったことは間違いないでしょう。これにより,ワークスチームのシートは全て埋まり,これからは,まだ未定なところが多いサテライトチームのシート獲得競争に移ることになります。ちなみに,確認の意味で最終決定したワークスのシートですが,ホンダがM.マルケス&D.ペドロサ,ヤマハがV.ロッシ&M.ビニャーレス,ドゥカティがJ.ロレンソ&A.ドビツィオーゾ,スズキがA.イアンノーネ&A.リンス,KTMがB.スミスと,今回契約発表されたエスパルガロの実弟であるP.エスパルガロ,そしてアプリリアのロース&エスパルガロということになります。
2016/06/27(月)
☆初優勝(MotoGP)
○第8戦TTアッセンの決勝レースが,ダッチウェザーで定評のあるアッセン・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,そのダッチウェザーが大波乱を巻き起こしました。Moto2クラスの終盤から降り始めた雨は,MotoGPクラスの決勝がスタートしてさらに雨脚が強まっていきました。通常ですと,このクラスは雨が降るとバイクを乗り換える「フラッグトゥーフラッグ」となるのですが,あまりに雨脚が強くなったため,安全面を考えて14周が終了した段階で赤旗中断となりました。雨脚が弱まってから14周目の順位で12周のレース2が再開となりました。当初はドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾがリードするものの,足元をすくわれて転倒。替わってトップに立ったモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシも,次の周に転倒しリタイアに終わりました。替わってトップに立ったレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスを,ホンダのサテライトチームであるエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのJ.ミラーが追う展開となりました。そして,レース2の4周目にそのミラーがマルケスを交わしてトップに立つと,徐々に差を広げていきました。これまでの反省から,マルケスは堅実な走りを展開するようになっていますが,今回の決勝レースでは,タイトル争いをしているロッシがリタイア,同じくモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンソが後方にいるということで,スリッピーな状況ということもあって無理してレディングを追いませんでした。この結果,Moto3でチャンピオンを獲得後,Moto2をパスして昨シーズンから最高峰クラスにステップアップしたミラーが,うれしい初優勝を飾りました。3位には,フリー走行からいい走りを見せていたオクト・プラマック・ヤクニックのS.レディングが入っています。
Moto2クラスは,ついに私たち日本人ファンにとってもうれしい瞬間が訪れました。それは,イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶の快挙があったからです。フリー走行でトップタイムをマークしたりして好調な走りを見せていた中上は,6番グリッドからスタートを切りました。10周目にトップの立つと,自身初となるファステストラップを13周目に刻んで差を広げていきました。そして,降り始めた雨により,残り2周となったところで赤旗が提示され,レースはそのまま成立となって21周目のリザルトが結果に反映されることとなりました。この結果,中上がMoto2クラス77戦目,キャリア通算111戦目にしてうれしい初優勝を飾りました。日本人ライダーの優勝は,2010年7月に行われた第7戦カタルニアGPにおいて高橋裕紀以来となります。2位には,3戦連続表彰台獲得となるアジョ・モータースポーツのJ.ザルコが入っています。3位には,今季初表彰台となるエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのF.モルビデッリが入りました。なお,今回の優勝により,中上はランク5位に浮上しています。
Moto3クラスは,このクラスらしく11台によるトップ争いが展開されていきました。最後まで続いた激しいトップ争いを制したのは,ゴールライン直前でトップに立ったアスパー・マヒンドラ・チームMoto3のF.モルビデッリでした。自身通算59戦目となるモルビデッリにとって,これがうれしい初優勝となります。この優勝は,彼が駆るマヒンドラにとっても初優勝,チームにとっては2012年8月に行われた第12戦チェコGP以来の優勝となります。トップから僅差でゴールした2,3位には,それぞれグレシーニ・レーシングMoto3のF.ディ.ジャンアントニオ,スカイ・レーシング・チームVR46のA.ミニョとなっています。なお,トップ5をイタリア人ライダーが独占し,これは昨年5月に行われた第5戦イアタリアGP以来となります。ホンダ・チーム・アジアの尾野弘樹が今大会を欠場しているため,唯一の日本人ライダーとなったCIPユニコム・スターカーの鈴木竜生は,14位争いを展開する中で転倒を喫し,残念ながら今季初リタイアとなりました。

☆10戦連続(JRR)
○第5戦の決勝レースが,ドライコンディションのスポーツランドSUGOで行われました。今大会のJSB1000クラスは,120マイル,52周のセミ耐久での開催でした。今回もポールを獲得したYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行は,スタートでやや出遅れ4位まで一旦後退しました。しかし,1周目終了段階で2位まで回復し,次の周にはトップに立ちました。昨シーズンから独走状態のレースが続いている中須賀は,今回も他を圧倒する速さを見せて後続との差をどんどん広げていき,セミ耐久のためにピットインをしても順位に大きな影響はなく,結局2位に24秒差をつけて独走で優勝を飾りました。この結果,昨年から通算すると10戦連続ポールトゥーフィニッシュを達成しています。今シーズン果たしてこれからも彼の座を脅かすライダーは現われるのでしょうか?他のメーカー及びライダーの奮起が本当に必要な状況となっています。2位,3位もそれぞれ単独走行となり,2位にはTeamGREENの渡辺一樹が,3位にはヨシムラ・スズキ・シェルアドバンスの津田拓也が入っています。3メーカーが表彰台を分ける形となっていますが,マシンの圧倒的戦闘力不足でひとり蚊帳の外にある感じのあるホンダ勢は,MuSASHi RT ハルク・プロの高橋巧の5位が最高位でした。
J-GP2クラスは,ポールからスタートしたエスパルス・ドリーム・レーシングの生形秀之をはじめとして3〜5台によるバトルとなりました。ところが,その生形にピット作業違反によるストップアンドゴーのペナルティーが科されることになり,最終的にTeam KAGAYAMAの浦本修充とMISTRESA with HARC-PRO.の関口太郎のマッチレースとなりました。そのバトルは浦本が制し,開幕からずっと浦本が勝利を収めることとなりました。3位には,MORIWAKI RACINGの日浦大治朗が入っています。なお,ペナルティーの科された生形は,ペナルティーボードが提示されてもしばらくピットに入らなかったため,黒旗無視で失格となっています。
ST600クラスは,1〜3番グリッドからスタートした3台によるバトルとなりました。ファイナルラップに入る前にトップに立ったTeam高武 RSCの岩戸亮介がそのまま逃げ切り,全日本初優勝を飾っています。2,3位には,それぞれMOTO BUM HONDAの榎戸育寛,伊藤レーシングGMDスズカの前田恵助が入っています。我が大分県の高校生ライダーであるRS-ITOHの清末尚樹とRS-ITOH&サンタバイクの和田留佳は,それぞれ8位,11位に入ってポイントを獲得しています。
J-GP3クラスは,MuSASHi RT ハルク・プロの栗原佳祐と,元GPライダーでCLUB PLUSONEからフル参戦している徳留真紀とのマッチレースとなりました。ファイナルラップまで続いたバトルでしたが,そのファイナルラップで他車による転倒で赤旗が提示され,レースは19周が終了した段階での成立となりました。その結果,1位は栗原,2位が徳留となりました。3位には,こちらも元GPライダーであるH43 Team-NOBYY&ウイリーの菊池寛幸が入っています。それにしても,超ベテランライダーである徳留と菊池は,相変わらず速さを見せていますね。
2016/06/26(日)
☆25戦ぶり(MotoGP)
○第8戦TTアッセン(オランダGP)の予選が,ウェットから部分的にドライへと変わるコンディションのアッセン・サーキットで行われました。ウェットコンディションの中で行われたMotoGPクラスは,今シーズン他のライダーからぶつけられる,マシントラブルが発生するといった不運に見舞われ,思うような結果が出ていないドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾがトップタイムをマークし,昨年の開幕戦以来25戦ぶりとなるポールを獲得しました。初日総合トップタイムをマークしたモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシが,トップからコンマ7秒遅れの2番手タイムをマークしました。今回の予選で注目を浴びた1人が,オクト・プラマック・ヤクニックのS.レディングでしょう。このクラス3年目を迎えた彼ですが,昨年までの2年間は,ホンダのサテライトチームからの参戦でした。しかし,期待されたほどの結果を残すことができず,今シーズンからドゥカティ勢の一角に移籍。かれにとってこれが功を奏したようで,昨年までよりは成績が上がってきていました。そして,今回の予選では3番手タイムをマークし,最高峰クラスで自身初となるフロントローを獲得しました。セッション途中で転倒を喫し,プレスが使っていたスクーターを借りて急いでピットに戻り,マシンを乗り換えて再アタックをしたレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,何とか4番グリッド獲得となっています。それに対して,ロッシのチームメイトであるJ.ロレンソは,思うようにタイムアップならず11番手で予選を終えています。さらに悪かったのはマルケスのチームメイトであるD.ペドロサで,フリー走行4では転倒。予選はQ1からの出場で何とそれさえも突破することができず,最高峰クラスで自己ワーストに近い16番手に終わってしまっています。なお,前戦でロレンソに後ろからぶつけてしまったドゥカティ・チームのA.イアンノーネは,そのペナルティーで最後尾スタートとなることから,10番手以降のライダーは,それぞれ1つずつポジションを上げたグリッドから決勝レースをスタートすることになります。
Moto2クラスは,ガレージ・プラス・インターウェッテンのT.ルティが,第5戦フランスGP以来となる最速タイムを刻んでポールを獲得しました。前戦でポールトゥーフィニッシュを飾ったアジョ・モータースポーツのJ.ザルコが,トップからコンマ448秒遅れで2番手タイムでした。今年も鈴鹿8耐に出場することになっているカーエキスパート・インターウェッテンのD.エガーターが3番手タイムをマークし,ほぼ1年ぶりとなるフロントローを獲得しました。初日総合2番手タイムをマークし,好調な波に乗ってきた感のあるイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,ポール獲得が期待されたものの,残念ながらそこまではいたらず,トップからコンマ661秒遅れの6番手タイムでした。
小雨に見舞われたものの,唯一ドライコンディションで行われたMoto3クラスは,KTM勢が上位を独占した形となりました。ただ,グレシーニ・レーシングMoto3のE.バスティアニーニだけホンダ勢の中で速さを見せ,昨年9月に行われた第14戦アラゴンGP以来となるポールを獲得しました。彼以降は9番手までKTM勢が独占し,スカイ・レーシング・チームVR46のA.ミニョが自己最高位タイとなる2番手,チームメイトのN.ブレガが3番手,同じくチームメイトのR.フェナティが4番手タイムをマークしています。CIPユニコム・スターカーの鈴木竜生は,26番手タイムで予選を終えています。

☆3戦連続(JRR)
○第5戦の予選が,ドライコンディションのスポーツランドSUGOで行われました。JSB1000クラスは,今シーズンここまで全てポールトゥーフィニッシュを達成しているYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行が,コースレコードを更新する速さを見せ,3戦連続となるポールを獲得しました。2番手は,トップからおよそコンマ4秒遅れでTeamGREENの渡辺一樹がつけています。トップからおよそコンマ7秒遅れで3番手タイムをマークしたのは,ヨシムラ・スズキ・シェルアドバンスの津田拓也でした。なお,昨年のJ-GP2チャンピオンで,今シーズンからJSB1000クラスにステップアップしているMORIWAKI RACINGの高橋裕紀は,前日に行われた走行で転倒を喫し,左足首や肩を痛めたため,今大会をキャンセルしています。
J-GP2クラスは,エスパルス・ドリームレーシングの生形秀之とTeam KAGAYAMAの浦本修充との間で激しいポール獲得合戦が繰り広げられました。ぎりぎりまで浦本がトップタイムでしたが,ラストアタックで生形がタイムを更新し,前戦に続いてポールを獲得しました。3番手タイムは,MORIWAKI RACINGの日浦大治朗がマークしています。
ST600クラスは,Team 高武 RSCの岩戸亮介が早い段階でトップに立つと,誰もその座を脅かすこと泣く岩戸がトップに立ち続け,昨年のSUGO大会以来となるポールを獲得しました。2,3番手タイムは,それぞれMOTO BUM HONDAの榎戸育寛,伊藤レーシングGMDスズカの前田恵助でした。なお,我が大分県の高校生ライダーであるRS-ITOHの清末尚樹と和田留佳は,それぞれ7番手,16番手でした。
はじめは雨で濡れていたものの,徐々にドライへと変わっていったJ-GP3クラスは,徐々にタイムアップしていき,最終的にMuSASHi RT ハルク・プロの栗原佳祐がポールを獲得しました。栗原のポール獲得は,開幕戦以来となります。2,3番手タイムをマークしたのは,それぞれBATTLE FACTORYの伊達悠太,CLUB PLUSONEの徳留真紀でした。
2016/06/25(土)
☆2連続(MotoGP)
○第8戦TTアッセン(オランダGP)が,ドライコンディションのアッセン・サーキットで開幕しました。これまでの同大会は,日曜日を安息日としていて,決勝日が土曜日に行われていた関係から,開幕は木曜日となっていました。しかし,今年から他の大会と同様に日曜日を決勝日としたため,開幕日も他の大会と同様金曜日からとなっています。この日の総合トップタイムをマークしたのは,第6戦イタリアGP以来となるドゥカティ・チームのA.イアンノーネでした。この日は2回フリー走行が行われましたが,2回ともトップタイムをマークしています。そのイアンノーネからわずか1000分の4秒差で総合2番手タイムをマークしたのは,前戦カタルニアGPの勝者であるモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシでした。ここまでランクトップを行くレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,トップからコンマ133秒差で総合3番手タイムでした。
Moto2クラスは,ガレージ・プラス・インターウェッテンのT.ルティが,昨年の最終戦以来となる初日総合トップタイムをマークしました。午前に行われたフリー走行1でトップタイムだったイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,トップからコンマ267秒差で総合2番手タイムでした。ここまで激しいランクトップ争いを展開しているフェデラルオイル・グレシーニ・Moto2のS.ロースが,総合3番手タイムをマークして初日を終えています。
Moto3クラスは,ルーキーであるエストレラ・ガルシア0,0のA.カネトが,参戦8戦目にして自身初となる初日総合トップタイムをマークしました。オンゲッタ・リバコールドのN.アントネッリは,フリー走行1で2番手タイムでしたが,午後のフリー走行2でも同様に2番手タイムでした。総合3番手タイムは,スカイ・レーシング・チームVR46のN.ブレガがマークしています。日本人ライダー勢ですが,CIPユニコム・スターカーの鈴木竜生は総合27番手で初日を終えています。ホンダ・チーム・アジアの尾野弘樹は,前戦で転倒を喫し,その際,左手第二基節骨を骨折したために手術し,今回は出場を見合わせています。
/ 2016/06/24(金)
☆残留(MotoGP)
○昨日は,MotoGPクラスにおける来季のラインナップを,噂を含めてお伝えしました。それを見ても分かるように,ワークスチームに関しては,アプリリアの1つのシートを残して全て決まっています。ということは,これからは誰がサテライトチームのシートに座るかが注目となってきます。さて,今日から第8戦TTアッセンが開幕しますが,それに先だって行われたプレスカンファレンスにおいて,LCRホンダのC.クラッチローが,来季も同チームに残留することを明らかにしました。また,2018年についても話し合いが行われているとのことです。今シーズンのクラッチローは,ワークスであるレプソル・ホンダ・チームの2人のライダーがそうであったように,今季からオフィシャルサプライヤーとなったミシュランタイヤ,全てのマシンに搭載する共通ECUというファクターが関係してか,なかなか思うような結果が出ない状況にあります。特に,サテライトに関しては,どうしても改良が後回しになりますから,LCRホンダにしても,エストレラ・ガルシア0,0マークVDSにしても,ホンダ系のチームは思うような結果が出ていません。ただ,クラッチローに関しては,前戦となるカタルニアGPで6位に入ってポジティブな結果となっていました。今回のクラッチローが語った中で,噂通りのことも出ていました。モビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンソがドゥカティに来季から移籍するのに伴い,誰がそのシートに座ることになるのかが注目をされていましたが,その頃の大本命は,結果的にそうした結論に達しましたが,スズキからフル参戦しているM.ビニャーレスでした。しかし,その話がまとまらなかった場合に誰が座るかという話になってきたときに出てきていたのが,長年ホンダのワークスライダーを務めているD.ペドロサの起用でした。もしそうなった場合,誰がペドロサのシートに座ることになるのかということでしたが,その本命として名前が出ていたのが,今回の中心人物であるクラッチローでした。この点に関して,クラッチロー自身もそうした点について話し合いがなされたことを認めました。しかし,ペドロサが2018年まで残留することが決定し,クラッチローもLCRホンダに残留という結論に達したということです。噂といえば,現在同チームに関しては大きな噂が出ています。それは,どのメーカーのマシンを使用するかということです。同チームは,長年ホンダのワークスチームを務めていますが,スズキがさらなるマシン開発のためにサテライトチームを求めていて,その候補の1つになっているのです。この点に関しては,クラッチロー自身も当然関心を持っているようですが,結論にはいたっていないようです。
2016/06/23(木)
☆ラインナップ(MotoGP)
○今シーズンで契約が切れるライダーが多く,その動向が注目されています。今シーズンは例年に比べて動き出しが早く,日本メーカーに関しては,ワークスライダーが全て決まりました。ワークスチームであと残っているのは,イタリアンメーカーであるアプリリアのシート1つとなっています。これからは,各メーカーのサテライトチームの契約が本格的に動き出すことになります。ここでは,来季のラインナップがどうなっているのか,決定している部分とまだ噂の部分とまとめておきたいと思います。
2017年 MotoGPクラスのラインナップ
チーム ライダー 契約期間
レプソル・ホンダ・チーム M.マルケス 2018
D.ペドロサ
モビスター・ヤマハMotoGP V.ロッシ 2018
M.ビニャーレス
ドゥカティ・チーム J.ロレンソ 2018
A.ドビツィオーゾ
チーム・スズキ・エクスター A.イアンノーネ 2018
A.リンス
KTM B.スミス 2018
P.エスパルガロ
アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ S.ロース 2018
A.エスパルガロ?
エストレラ・ガルシア0,0マークVDS J.ミラー?
T.ラバト?
モンスター・ヤマハ・テック3 J.フォルガー 2018
J.ザルコ?
オクト・プラマック・ヤクニック S.レディング?
D.ペトルッチ?
LCRホンダ C.クラッチロー?
アスパー・チームMotoGP Y.エルナンデス?
E.ラバティ?
A.エスパルガロ?
A.バウティスタ?
アビンティア・レーシング H.バルベラ?
L.バズ?
2016/06/22(水)
☆3人目(8耐)
○国内のスズキ陣営における中心的立場にあるコンストラクターのヨシムラは,もちろん今シーズンも鈴鹿8時間耐久ロードレースに参戦します。その参戦体制については,ヨシムラのエースライダーを務める津田拓也とSBKにフル参戦しているJ.ブルックスを起用することは既に発表されていました。しかし,3人目のライダーについては,当初未定となっていました。しかし,ようやくとも言えますが,その3人目のライダーが内定したということです。そのライダーとは,かつて海外において「ニトロ・ハガ」のニックネームでSBK等で人気を博した芳賀紀行です。今シーズンの芳賀は,Team KAGAYAMAに所属してアジア・ロードレース選手権にフル参戦しています。同チームから8耐に出場して以来,毎年8耐に参戦してきた芳賀ですが,先日同チームから発表された今年の8耐の参戦体制に彼の名前がなかったので意外な感じがしていました。今回の内定を受けて,何となく納得できた感じがします。ただ,ヨシムラの3人目については,昨年MotoGPのMoto2クラスでチャンピオンを獲得し,ディフェンディングチャンピオンとして同クラスにフル参戦しているJ.ザルコの名前が噂として挙がっていただけに,もしかしたらスズキの中で何らかの話し合いがあったのかもしれません。まあ,いずれにしても強力な体制が組まれたことには変わりありませんね。
2016/06/21(火)
☆総入れ替え(MotoGP)
○来シーズンのワークスチームに関しては,ロッシの残留,そしてJ.ロレンソのドゥカティ移籍ということから端を発し,いずれのメーカーも早くから動きが表面化していて,ほぼ固まってきた状況にあります。その中で,日本メーカーとしては唯一決まっていなかったのがスズキワークスのシートです。ワークスであるチーム・スズキ・エクスターのシートに関しては,M.ビニャーレスのモビスター・ヤマハMotoGP移籍に伴い,その空いたシートにドゥカティからの移籍となるA.イアンノーネが座ることは既に決定していました。後は,A.エスパルガロが残留するのか,それとも新たなライダーと契約するのかが注目となっていました。そして,この度スズキから発表があり,パギナス・アマリラスHP40に所属してMoto2クラスにフル参戦し,現在ランクトップを行くA.リンスと2年間の契約が成立しました。これにより,A.エスパルガロが今季限りで同チームを去ることが決定すると共に,来季はライダーを総入れ替えして臨むことになりました。今回契約が成立したリンスは,2012年にMoto3クラスに参戦してMotoGPに進出。Moto3には3年間参戦し,通算8勝を挙げました。昨年から現在のMoto2クラスに参戦を開始すると一挙に才能が発揮されて1年目からタイトル争いに絡み,タイトルこそJ.ザルコが獲得しましたが,見事ルーキーオブザイヤーを獲得しています。そして,今季はランクトップに立つ活躍を見せています。リンスの加入により,チーム残留を望んでいたもののシートを失うことになったA.エスパルガロですが,彼の去就に関しては現段階では未定になっています。モンスター・ヤマハ・テック3に所属してMotoGPクラスにフル参戦している実弟であるP.エスパルガロに関しても,先日発表があったように今シーズン限りでチームを去り,新たに来季から最高峰クラスに進出することになっているKTMとの契約が成立しています。仲のよさで定評のあるエスパルガロ兄弟ですが,奇しくも移籍時期に関しても同じになっています。
2016/06/20(月)
☆完勝(F1)
○第8戦ヨーロッパGPの決勝レースが,初開催アゼルバイジャンの首都バクーにあるバクー市街地サーキットで行われました。ポールからスタートしたメルセデスAMGのN.ロズベルグは,スタートからその座を守ってトップに立ちました。それ以後は,誰からもその座を脅かされることがなく走りきり,ポールトゥーフィニッシュはもちろん,ファステストラップも刻み,第4戦ロシアGP以来となる完勝で今季5勝目を飾りました。チームメイトでランク2位につけているL.ハミルトンは,Q3でクラッシュしてしまって10番グリッドからスタートしました。順位は少しずつ上げていったものの,何からのトラブルを抱えていたようで無線の中でチームに対策を訴えていました。ところが,レギュレーションによってチーム側から情報を与えることができないようになっているためにハミルトンの要求に応えることができず,最終的にハミルトンは5位でレースを終えています。ここ2戦での連勝でロズベルグのとの差を縮めてきたハミルトンでしたが,今回の結果により,2人のポイント差が24に広がっています。フェラーリのS.ベッテルは,タイヤ交換をチームから指示されたものの,自分自身でペースがよかったことからこの指示に従わずに走行を続けました。チームメイトのK.ライコネンがわずかに先行していたものの,ピットアウトする際に白線を踏んでしまったことから5秒のペナルティが科されることになったため,ライコネンがベッテルに2位の座を譲りました。2位に上がったベッテルは,ロズベルグに16秒以上の大差をつけられたものの,2位の座を守ってチェッカーとなりました。3位に下がったライコネンに,予選では2位につけたものの,ギアボックス交換で5グリッド降格となっていたフォース・インディアのS.ペレスが追いついてきました。ライコネンに5秒のペナルティが科されることは分かっていたものの,ペレスは自力でライコネンをパスして3位表彰台をゲットしました。マクラーレン・ホンダ勢は,なかなかペースを上げることができず,J.バトンはポイント獲得まで後1つとなる11位でのチェッカーとなりました。F.アロンソは,シフトトラブルから42周目にリタイアに終わっています。
2016/06/19(日)
☆4戦ぶり(F1)
○初開催となるアゼルバイジャンの首都バクーにおけるヨーロッパGPの予選が,バクー市街地サーキットで行われました。トラフィックやコースオフのアクシデントが多発しているここまでの走行でしたが,最後のQ3で餌食になったのが,ここまで2連勝を飾っているメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。残り2分となったところでターン11でコースオフを喫し,タイヤバリアにクラッシュして予選終了となってしまいました。この結果,ハミルトンは予選10番手で終了しています。それに対してチームメイトのN.ロズベルグは,残り3分となったところでそれまでトップに立っていたフォース・インディアのS.ペレスを上回るタイムを記録。その後,ハミルトンのクラッシュによりセッションは赤旗中断となってしまいました。残り2分というところでセッション再開となりましたが,唯一1分42秒台に入ったロズベルグのタイムを誰も上回ることができず,4戦ぶりのポールを獲得しています。ロズベルグのタイムアップ前までトップだったペレスが2番手タイムをマークしましたが,ギアボックスを交換していますので,決勝レースは5グリッド降格してのスタートとなります。レッドブルのD.リカルドとフェラーリのS.ベッテルは,1000分の1秒まで全く同じタイムだったため,先にそのタイムを出したリカルドが3番手,ベッテルが4番手となっています。マクラーレン・ホンダ勢は,J.バトンがトラフィックやイエローフラッグの影響でクリアラップがとれず,Q1で敗退して19番手タイムで予選を終えています。F.アロンソもイエローフラッグの影響を受けてタイムアップを果たすことができず,Q2で敗退となって14番手で予選を終えています。
2016/06/18(土)
☆大差(F1)
○第8戦ヨーロッパGPが,初開催となるアゼルバイジャンの首都バクーに設けられたバクー市街地サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。この日の総合トップタイムをマークしたのは,前戦でポールトゥーフィニッシュを飾ってここまで2連勝を飾っているメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。2番手タイムをマークしたのは,チームメイトでここまで何とかランクトップに立っているN.ロズベルグでした。ハミルトンとロズベルグは同じ1分44秒台をマークしましたが,3番手タイム以降は1分45秒台以上で,しかも1秒以上の大差をつけられているという圧倒的なタイム差となっています。ただ,ロズベルグはセッション途中でトラブルが発生し,コース脇にマシンを止めていますから,メルセデスAMGも安心できる状態とまではいっていない印象です。トップから1秒以上遅れての3番手タイムをマークしたのは,同じメルセデスエンジンユーザーの1つであるフォース・インディアのS.ペレスでした。4番手タイムがウィリアムズのV.ボッタス,5番手がフォース・インディアのN.ヒュルケンベルグで,トップ5をメルセデスエンジンユーザーが占めています。マクラーレン・ホンダ勢は,J.バトンが9番手,F.アロンソが11番手で初日を終えています。なお,サーキットの縁石を止めているボルトが緩むというトラブルが発生し,それが原因でタイヤに傷が入るということが複数のマシンに発生しています。幸いにもタイヤがバーストするという事態にまでは発展しませんでしたが,安全に関わる部分だけに,早急な対応が必要になりました。やはり,初開催の地だけに,やってみないと気づかない点が出てくるものです。
2016/06/17(金)
☆やりくり(F1)
○2戦連続開催となるF1ですが,先週末はジル・ビルヌーブ・サーキットで行われた第7戦カナダGPでした。そのカナダの決勝レースにおけるマクラーレン・ホンダのJ.バトンは,マシントラブルが発生して白煙が上がり,9周目でリタイアに終わっていました。白煙ということでエンジントラブルによるものと思われていましたが,レース後に調査した結果,エンジン関連ではなく,ギアボックストラブルによるものだったようで,ギアボックスのシャフトが壊れたためにオイル漏れが起き,それが原因で白煙が上がったということでした。ということは,このレースで使用したエンジンは無事だったということで,今後も使用できることになります。これはとても大きな事で,今シーズンのレギュレーションでは,1人のドライバーが年間に使用できるエンジンはわずか5基までとなっています。カナダGPの決勝レースでバトンが使用したのは2基目のエンジンで,トラブルでストップしたフリー走行で使用したのは3基目のエンジンです。この3基目のエンジンのトラブルはオイル漏れでしたが,いずれのものも今後使用可能なようです。年間で使用基数が決まっているわけですから,できるだけ新しいものは取っておくというように私のような素人は考えてしまいます。ところが,今週末に行われる初開催の地アゼルバイジャンの首都であるバクーでの第8戦ヨーロッパGPでは,バトンは新しい4基目のエンジンを投入するということです。ただ,この4基目は予選と決勝のみでの使用で,フリー走行ではカナダの決勝レースで使用した2基目のエンジンでマシンを走らせるとのことです。限られた数のエンジンをいろいろやりくりしながら走らせているものなのですね。こうした戦略がどうなっているのかを知るのも,マニアックではありますが楽しむポイントの1つなのかもしれません。
2016/06/16(木)
☆体制維持?(F1)
○2輪レースの最高峰であるMotoGPは,ワークスライダーの契約が次々に発表され,有力チームの体制がほぼ決まった状態になっています。それに対して4輪の最高峰であるF1は,全くと言っていいほど契約が切れるドライバーについての発表がなく,ストーブリーグはこれからという状況にあります。そのような中,正式発表はなされていませんが,ルノーエンジンユーザーの1つであるレッドブルの来年の体制が,どうやら決まったようです。同チームのエースドライバーであるD.リカルドは,今シーズンで契約が切れますが,2018年までの契約延長に合意したようです。シーズン途中でトロロッソとドライバーのトレードが行われ,レッドブルに加入したM.フェルスタッペンについては,いきなり史上最年少記録で勝利を収めたことからも分かるようにその才能が高く評価されていますから,レッドブルも手放すはずはなく,来季以降も現在のドライバー体制が維持されることはほぼ間違いないようです。この点に関して伝えた報道機関によれば,近々レッドブルから正式発表があるのではないかということです。
2016/06/15(水)
☆投入(MotoGP)
○来週末に開催される予定になっているのが,伝統の一戦の中の1つであるTTアッセンです。その前に行われたのがカタルニア・サーキットで開催されたカタルニアGPで,ほとんどのMotoGPチーム及びライダーは,カタルニアに延滞してシーズン中のテストを行いました。そこにおけるワークスチームは,新たなシャーシを投入したりしてテストを行っていました。ヤマハワークスは,その後にプライベートテストを行ってさらなるマシン開発を行いました。そうしたテストの結果,現段階ではまだ正式発表はなされていませんが,モビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンソとV.ロッシのワークスライダーは,2人ともTTアッセンにおいて新しいフレームを使用することになったようです。現在ランクトップに立っているのが,昨年の反省等を受けて,速さだけでなく堅実さも見せるようになっているレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスで,ロレンソは10ポイント,ロッシは22ポイントのビハインドとなっています。今回の新しいフレーム投入は,当然この差をさらに縮めることも目的の1つになっていることでしょう。改良型を投入するのはヤマハだけでなく,ホンダ側もマルケスのチームメイトであるD.ペドロサが新しいフレーム投入することになっています。ただ,ペドロサに関しては,既に3位表彰台を獲得したカタルニアGPで使用していますから,正確に言えば継続して採用することになったことになります。ワークスライダーは,ほぼストーブリーグに決着が見られていますから,これからはマシン開発及びレースに専念できる状況になったと言えます。
2016/06/14(火)
☆今年は(8耐)
○例年通り7月の最終週末に開催される「鈴鹿8時間耐久ロードレース」ですが,各社からその参戦体制が明らかになっていました。昨年の勝者である中須賀克行を中心としたヤマハワークスが本命視される中,優勝候補の一角を占めるホンダはなかなか参戦体制が明らかとなっていませんでしたが,開催までおよそ1ヶ月半となった6月10日(金)にようやく今年の体制が発表されました。それによると,昨年のホンダ勢は,何といってもMotoGPにおいてホンダとドゥカティでチャンピオンを獲得した経歴を持つC.ストーナーの参戦が話題となりました。栄光奪還に燃えるホンダの今年は,2006年のMotoGPでチャンピオンを獲得したN.ヘイデンを起用することになりました。長い間ホンダを中心にMotoGPで活躍してきたヘイデンですが,昨シーズン限りでMotoGPを卒業。今年は,来年以降発売が噂される新型(とはいっても,フルモデルチェンジではないようですが。)のホンダCBR1000RRの開発に向けてSBKにフル参戦しているのではないかといわれています。ヘイデンが所属するのは,昨年のストーナーと同じく,2013,2014年と連覇を果たしたMuSASHi RT HARC-PROで,チームメイトは,エースライダーである高橋巧と,SBKにおけるヘイデンのチームメイトであるM.ファン.デン.マークです。高橋とファン.デン.マークの2人としては,3連覇を逃した昨年の雪辱戦となります。uSASHi RT HARC-PROと並んでホンダ勢の有力チームの1つであるF.C.C. TSR Hondaについても発表があり,今シーズン同チームのエースライダーを務めている渡辺一馬に加え,SBKとの併催で行われているWSSにフル参戦しているP.ジェイコブセン,そしてMotoGPのMoto2クラスにフル参戦し,ここ数年8耐でもお馴染みの顔となっているD.エガーターの3人となっています。優勝争いにはやや厳しいものの,毎年上位争いの一角を占めているau&テルル・コハラRTとTOHO Racingについても発表されていて。まず,au&テルル・コハラRTについては,同チームのエースライダーで,8耐での優勝経験がある秋吉耕祐をはじめ,D.カドリンと今季WSSにフル参戦している大久保光を起用することになりました。TOHO Racingについては,チームオーナー兼エースライダーである山口辰也とR.ウィライローが起用されることになりました。ただ,こちらも3人体制で臨むことは決まっていますが,残りの1人については,現段階で未定となっています。
2016/06/13(月)
☆2ストップ(F1)
○第7戦カナダGPの決勝レースが,普段は公園の周回路として使用しているジル・ビルヌーブ・サーキットで行われました。前日の予選は,時折雨がぱらつく天気ながら,終日ドライコンディションでの走行となりましたが,決勝レースも場所によって雨が降ったものの,最後までドライコンディションでの走行となりました。好スタートを切ったのは,3番グリッドからスタートしたフェラーリのS.ベッテルでした。フロントローを占めているメルセデスAMG勢をパスしてトップに立ちました。それに対して,メルセデス勢は軽くヒットしてしまってN.ロズベルグは順位を下げてしまいました。ベッテルとハミルトンとの間で繰り広げられたトップ争いは,ピットストップ戦略の違いで決着をしました。好スタートを切ったベッテルが3ストップだったのに対して,それを追うハミルトンは2ストップ作戦を採りました。タイヤ交換のタイミングで順位を入れ替えた二人でしたが,トップを走行していたベッテルが3回目のピットに入ってハミルトンがトップに浮上。1回少ないハミルトンがそのまま逃げ切り,前戦に引き続いて連勝を飾りました。3位にV.ボッタスが入り,ウィリアムズに今季初の表彰台をもたらしています。ハミルトンとの接触により順位を下げたロズベルグは,その後スローパンクチャーに見舞われてさらに順位を下げ,結局5位でのチェッカーとなっています。マクラーレン・ホンダ勢は,10周目にJ.バトンのマシンから白煙が上がってリタイアに終わってしまいました。予選ではQ2を突破して10番グリッドからスタートしたF.アロンソは,思うようにペースを上げることができないままでの走行となり,ポイント圏外の11位でのチェッカーとなりました。
2016/06/12(日)
☆僅差(F1)
○第7戦カナダGPの予選が,普段は公園の外周路として使用されているジル・ビルヌーブ・サーキットで行われました。この日は,場所によって時折雨がぱらついたものの,最後までほぼドライコンディションの中での走行となりました。フリー走行で速さを見せていたメルセデスAMGのL.ハミルトンは,予選でも速さを見せて今季3回目となるポールを獲得しました。チームメイトのN.ロスベルグは,セクター1でのミスが響いてハミルトンのタイムを上回ることができず,わずか1000分の62秒差という僅差での2番手となりました。3番グリッドを獲得したのは前戦のポールシッターであるレッドブルのD.リカルドで,こちらはトップからおよそコンマ18秒遅れでした。今大会に向けて2トークンを使用して改良版のターボを持ち込んだマクラーレン・ホンダ勢は,J.バトンがQ2での脱落となって12番グリッド獲得にとどまりましたが,F.アロンソはQ3に進出し,10番グリッドを獲得しました。なお,EXXON Mobilの燃料を使用している同チームですが,同社はエンジンパフォーマンスが要求される今大会に「新しい燃料」を投入していていて,この燃料の力によってコンマ1秒のゲインがあるということです。
2016/06/08(水)
☆帯同せず(MotoGP)
○今シーズンで契約が切れるライダーが多く,まだシーズン中盤に入るかは入らないかという段階にもかかわらず,早くもストーブリーグが注目される状況となっています。その中で,当然のことながらまずワークスチームの席が埋まってきています。モビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシのように,残留という選択肢を採ったライダーがいますが,移籍という決断を選んだライダーもいます。その中で大きな口火を切ったのが,昨年のチャンピオンであるモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンソです。彼がドゥカティに移籍することを決断してから,ヤマハ,ドゥカティ,スズキの顔ぶれに変化が現われました。というように,ライダーの契約が注目されるところですが,それに伴って注目される人たちもいます。その中に入るのが,彼らが乗るマシンを直接仕上げていくメカニックたちです。近年では,ロッシの移籍に帯同してホンダからヤマハ,そしてドゥカティ,そして再びヤマハへと移籍していったクルー。それ以外では,C.ストーナーに伴ってドゥカティからホンダへと移籍し,彼が引退すると現在はM.マルケスを担当しているクルーなどが挙げられます。そして,今回の移籍劇で注目されていたのが,長年ロレンソのメカニックを務めてきているクルーの動きです。ロレンソが最高峰クラスに進出した2008年からサポートしてきたチーフ・メカニックがR.フォルカドで,その彼がどうするのかが注目されていました。そのフォルカドが決断を下し,ロレンソには帯同せず,来季ロレンソの抜けたシートに座ることになったM.ビニャーレスをサポートすることになりました。他のメカニックについてもほぼ全員ヤマハ残留を選んだようで,ロレンソがGPにステップアップした2003年からメカニックを務めてきたJ.リャンサが唯一帯同する道を選択したとのことです。
2016/06/07(火)
☆唯一(MotoGP)
○モビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシの優勝で終わった第7戦カタルニアGPですが,MotoGPクラスのほとんどのチームは同地にそのまま滞在し,今季2回目となるシーズン中のテストを行いました。このテストでは,ワンメークタイヤを供給しているミシュランは,コーナー脱出時のトラクションを高めた3種類のリアタイヤを持ち込んでテストを行ったようです。また,ホンダやヤマハのワークスは,新しい車体を持ち込んでのテストを行ったようです。そのような中,トップタイムをマークしたのは,ホンダのサテライトチームであるLCRホンダのC.クラッチローでした。彼のタイムは,唯一1分44秒を切るものでした。2番手タイムをマークしたのは,決勝レースにおいてドゥカティ・チームのA.イアンノーネに追突されてリタイアに終わってしまったモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンソでした。3番手タイムは,来シーズンそのロレンソの抜けるシートに座ることになっているチーム・スズキ・エクスターのM.ビニャーレスでした。優勝したロッシは11番手,2位に入ったレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは8番手タイムでテストを終えています。
2016/06/06(月)
☆7年ぶり(MotoGP)
○第7戦カタルニアGPの決勝レースが,ドライコンディションのカタルニア・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,ポールからスタートしたレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスと,5番グリッドからスタートしたモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシとのトップ争いになっていきました。7周目にロッシが立つと,一時的に差が詰まっていきましたが,最後は2秒以上の差をつけてロッシがマルケスを振り切り,今季2勝目,カタルニアでは7年ぶりとなる勝利を収めました。転倒か優勝かという昨シーズンの反省を活かして,チャンピオン奪還に向けてポイント獲得を重要視した走りを見せるようになったマルケスは,2戦連続してヤマハワークスの後塵を拝する結果となりました。ただ,この大会前までランクトップだったJ.ロレンソが,17周目にドゥカティ・チームのA.イアンノーネに追突されて転倒リタイアに終わっていましたから,無理してロッシを追撃して万が一ノーポイントに終わってしまら元も子もありませんから,こうした走りは年間を通じてみると大切なのかもしれません。2位に入ったマルケスは,もちろんランクトップの座に返り咲いています。ところで,今シーズンのイアンノーネは,2度チームメイトを巻き込む転倒を犯し,今回はロレンソを巻き込んでいますから,何らかの処分が出される可能性があるのかもしれません。3位には,第2戦アルゼンチンGP以来今季2度目の表彰台となるレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサが入っています。
Moto2クラスは,ポールからスタートしたアジョ・モータースポーツのJ.ザルコが,2位走行していた17周目にトップに立つと,後は後続との差を広げていきました。最終的には,2位に入ったパギナス・アマリラスHP40のA.リンスに4秒以上の差をつける独走に持ち込んで,2戦連続今季3勝目を挙げました。フリー走行やウォームアップ走行でトップタイムをマークする好調さを見せていたイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,トップ争いから差はつけられてしまったものの,昨年9月に行われた第13戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGP以来となる表彰台を獲得しました。
Moto3クラスは,複数台で争われている中,3番グリッドからスタートしたエストレラ・ガルシア0,0のJ.ナバーロが,そのトップ争いからファイナルラップに抜き出て初優勝を飾りました。2位には,ポールからスタートしたレッドブルKTMアジョのB.ビンダーが入り,ランキングトップの座を守りました。3位には,グレシーニ・レーシングMoto3のE.バスティアニーニが入り,今季初表彰台を獲得しています。日本人ライダー勢ですが,CIPユニコム・スターカーの鈴木竜生は,24番と後方からのスタートとなりましたが,最終的に14位に入って見事ポイントを獲得しています。それに対して,このところいい走りを見せるようになったホンダ・チーム・アジアの尾野弘樹は,11番グリッドからスタートし,8位走行中の4周目に転倒を喫し,リタイアに終わっています。せっかくいい流れできているのに,最終的にこうした形で終わるわけですから,私がずっと指摘しているように,尾野は本当に戦い方,走らせ方を見直し,それを実行していかないとGPでの生き残り合戦で厳しい状況に自ら進んでいくことは間違いありません。せっかくの才能だけに,何とももったいないところです。
2016/06/05(日)
☆唯一(MotoGP)
○第7戦カタルニアGPの予選が,ドライコンディションのカタルニア・サーキットで行われました。この日から昨日お伝えしたようにL.サロム選手の死亡事故を受け,コーナー数が13から16に増えるF1が使用するコースレイアウトを使用することになりました。そのため,前日までの走行とは違うデータが必要となっています。こうしたことが影響したのか,MotoGPクラスは,母国GPとなるスペイン人ライダーが上位を独占し,トップ6中モビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシ以外は全員スペイン人ライダーとなっています。そのスペイン人ライダーの中で速さを見せたのは,この大会を前に2年間の契約延長を発表したレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスでした。彼のタイムは,唯一1分44秒を切る圧倒的なものでした。そのマルケスからコンマ4秒遅れで2番グリッドを獲得したのは,ここまでランクトップをいくモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンソでした。マルケスのチームメイトであるD.ペドロサが3番手タイムをマークし,今シーズン初めてフロントローを獲得しています。
Moto2クラスは,ここまでランク4位につけている昨年のチャンピオンであるアジョ・モータースポーツのJ.ザルコが,昨年10月に行われた日本GP以来となるポールを獲得しました。そのザルコからわずか1000分の35秒遅れで惜しくも2番手となったのが,来シーズン最高峰のMotoGPクラスへのステップアップが噂されるパギナス・アマリラスHP40のA.リンスでした。終盤に入って3番手タイムをマークしたのは,今季2度目のフロントロー獲得となるガレージ・プラス・インターウェッテンのT.ルティでした。しばらく3番手につけていたものの,惜しくも終盤に入って4番手に順位を下げてしまいましたが,イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶が好調さを維持しています。
Moto3クラスは,ここまでランクトップをいくレッドブルKTMアジョのB.ビンダーがトップタイムをマークし,今季2度目のポールを獲得しました。そのビンダーから1000分の54秒差で惜しくもポールを逃したのは,今季2回目のフロントロー獲得となるオンゲッタ・リバコールドのN.アントネッリでした。3番手タイムをエストレラ・ガルシア0,0のJ.ナバーロがマークし,今季4度目となるフロントローを獲得しています。このところいい流れになっているホンダ・チーム・アジアの尾野弘樹は11番手,CIPユニコム・スターカーの鈴木竜生は24番手で予選を終えています。
2016/06/04(土)
☆ご冥福を(MotoGP)
○第7戦カタルニアGPが,スペインのバルセロナにあるカタルニア・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。MotoGPクラスは,フリー走行1でトップタイムをマークしたチーム・スズキ・エクスターのM.ビニャーレスがしばらくリーダーボードトップに立っていましたが,ディフェンディングチャンピオンであるモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンソが残り4分を切ったところでビニャーレスのタイムを上回り,初日総合トップタイムをマークしました。惜しくも逆転を許したものの,ビニャーレスが総合2番手タイムとなっています。総合3番手タイムをマークしたのは,今シーズンなかなか調子が上がってきていないLCRホンダのC.クラッチローで,サテライト勢ではトップタイムとなりました。
Moto2クラスは,フリー走行2が悲しいアクシデントにより赤旗中断となり,タイムアップがならないままそのままセッション終了となりました。そのため,フリー走行1のタイムが実質的に初日の総合タイムとなり,フリー走行1でトップタイムだったイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶が初日総合トップに立ちました。トップからコンマ1秒遅れで,アジョ・モータースポーツのJ.ザルコが総合2番手タイムでした。総合3番手タイムは,ダイナボルト・インタクトGPのJ.フォルガーでした。
Moto3クラスは,オンゲッタ・リバコールドのN.アントネッリが速さを見せ,昨年10月に行われた第15戦日本GP以来となる初日総合トップタイムをマークしました。総合2,3番手タイムは,それぞれエストレラ・ガルシア0,0のJ.ナバーロ,レッドブルKTMアジョのB.ビンダーがマークしています。前戦イタリアGPで自己最高位である6位に入って好調の波に乗ってきているホンダ・チーム・アジアの尾野弘樹が,トップからコンマ4秒遅れで総合4番手に立ちました。CIPユニコム・スターカーの鈴木竜生は,総合33番手で初日を終えています。
なお,午後に行われたMoto2クラスのフリー走行2において,セッション開始20分後に右高速コーナーの12コーナーで24歳のスペイン人ライダーであるSAGチームのL.サロムが転倒を喫しました。ランオフエリアが舗装されているため転倒して一直線でエアフェンスにたたきつけられてしまい,セッションは赤旗中断となりました。その場でしばらく緊急の措置がとられ,市内にある病院にヘリコプターで緊急搬送されました。しかし,残念ながら緊急手術のかいなくそのまま息を引き取ってしまいました。2014年からMoto2クラスに進出以後,このクラスで通算3度の表彰台を獲得し,これからの活躍が期待されるライダーの一人でした。サロム選手のご冥福をお祈りいたします。なお,この事故を受け,緊急に多数のMotoGPライダーが出席した安全委員会が開かれました。そこでの話し合いの結果,最終セクターのコースレイアウトをF1仕様に変更することを決め,サロム選手が転倒した12コーナーから最終コーナーの間にシケインが設けられることになりました。
2016/06/03(金)
☆契約延長(MotoGP)
○ホンダ・レーシング(HRC)から発表があり,M.マルケスとの間で2年間の契約延長が成立しました。先日D.ペドロサとの間で2年間の契約延長の発表がありましたから,マルケス&ペドロサ体制が今後2年間継続することが決定しました。マルケスとHRCとは,正式発表はずれ込んでいましたが,両者の関係は現段階で確固としたものがあるため,事実上契約延長は周知の事実となっていました。今回の発表は,今週末に行われるマルケスにとって母国GPとなる第7戦カタルニアGPを前にしてのものとしたようです。2013年シーズンにMotoGPクラスへステップアップしたと同時にホンダのワークスライダーとしてスタートを切ったマルケスは,その年に史上最年少でチャンピオンを獲得。翌年にも連続してチャンピオンを獲得する活躍を見せました。昨シーズンは,急速に戦闘力を高めたヤマハの後塵を拝してチャンピオン獲得がなりませんでした。今シーズンは,共通ECUの導入やそれまでのブリヂストンタイヤからミシュランタイヤへと変更になり,メーカーの中ではホンダが一番その影響を受けていて,何とかランク2位につけているという状況です。果たして今シーズンはどのような流れになっていくのか,正式に契約延長が成立して以後の展開が楽しみとなります。

☆移籍(MotoGP)
○ヤマハ発動機から発表があり,モンスター・ヤマハ・テック3からフル参戦しているP.エスパルガロとの契約を今シーズン限りで解除することになりました。来シーズン以降の去就が注目されていたことは確かですが,鈴鹿8耐への参戦が発表されたばかりですので,今回の契約解除発表には正直驚かされました。エスパルガロとヤマハとは,2013年シーズンにMoto2クラスでチャンピオンを獲得した翌年である2014年シーズンから始まりました。当初は,サテライトチームからごく近い将来ワークスチームへと進んでいくのではないかとみられていました。しかし,昨シーズン鈴鹿8耐での優勝という部分はあったものの,肝心なMotoGPでは優勝を飾ることができていませんでした。そうしている間にM.ビニャーレスが急浮上してきて,ついにはJ.ロレンソの抜けるシートにビニャーレスが座ることが決定し,2年後までヤマハのワークスシートは空かないことが決定していました。
そのヤマハとの契約解除発表を受けて,今度はエスパルガロ自身から発表があり,軽量級クラスだけでなく,来シーズンから最高峰クラスへも参戦することになっているオーストリアのバイクメーカーであるKTMとの間で2年間の契約を結ぶことになりました。先日B.スミスがKTMのワークスライダーになることが正式発表があり,そのチームメイトについては誰になるのか未発表のままでした。テストライダーを含めて何人かの名前が挙がっていましたが,最終的にエスパルガロがその座を射止めたことになります。これにより,KTMのワークスライダーは,今シーズンのモンスター・ヤマハ・テック3のライダーがそのまま移籍して就任することになったことになります。
2016/06/02(木)
☆2台体制(8耐)
○ヤマハ発動機から,今年も7月の最終日曜日(31日)に決勝レースが行われる「第39回鈴鹿8時間耐久ロードレース」の参戦体制について発表がありました。昨年1996年以来19年ぶりに優勝を果たしたヤマハですが,2連覇を狙っての強力な体制が組まれていて,今年は2台のファクトリーチームを組んでの参戦となります。そのまず1チーム目は,昨年の優勝チームである「やまは・ファクトリー・レーシング・チーム」です。昨年はJSB1000クラスで史上初の4連覇を達成したヤマハの国内における絶対エースである中須賀克行と,MotoGPにおけるヤマハのサテライトチームであるモンスター・ヤマハ・テック3のB.スミス&P.エスパルガロとの3人体制で臨み,昨年新型マシンとして販売されたYZR-R1を駆って優勝を果たしました。今シーズンの体制は,中須賀とエスパルガロの2人には変更がありませんでした。しかし,昨年の大会でセーフティーカー導入時にもガソリン節約のため体を伏せて走るという献身的な走りを見せたスミスに関しては,今シーズン限りでテック3から離脱し,来季はKTMのファクトリーチームに移籍してMotoGPクラスにフル参戦することになっています。そうしたこともあってか,今年の8耐に関しては,今シーズンからファクトリー体制で復活したSBKにおけるヤマハライダーの一人であるA.ローズが出場することになりました。ちなみに,そのA.ローズは,現在MotoGPのMoto2クラスでランキングトップに立っているS.ローズとは双子の兄弟になります。もう1つのチームですが,鈴鹿8耐は,EWC(世界耐久選手権)の1つとして組まれていますが,そのEWCにおいてヤマハのエースチームとして参戦している「YARTヤマハ・オフィシャルEWCチーム」がファクトリー体制が組まれて参戦することになりました。そして,そのチームからは,YARTのレギュラーライダーであるB.パークスと,JSB1000クラスにヤマハの若手ライダーで構成しているファクトリーチームからフル参戦している野左根航汰と藤田拓也が参戦することになりました。8耐といえばホンダが強さを発揮してきていましたが,そのホンダが使用しているマシンは,完全に型落ち状態になって戦闘力に欠けていて,JSB1000クラスでは他メーカーの後塵を拝する状況になっています。そうした中,こうした強力な布陣で,しかも強力なマシンであるR1での参戦ですから,ヤマハの2連覇の可能性がかなり高まってきていると考えるのが自然でしょう。
2016/06/01(水)
☆降格(F1)
○ウェットからドライへと変わる難しいコンディションの中で行われた第6戦モナコGPでしたが,元々狭い市街地コースで波乱が置きやすいところな上に,そのような条件となっただけにアクシデントが起き,それに対して次戦カナダGPでのグリッド降格処分が下されています。まずその対象となる1人目のドライバーは,結果的に同士討ちになってしまったザウバーのM.エリクソンです。チームとしては,チームメイトのF.ナッセに対してエリクソンに道を譲るよう指示したのですが,ナッセがこれを無視。エリクソンは道を譲ってくれるものと思う部分もあってやや強引にオーバーテイクを敢行し,結局これが原因で両者は接触してリタイアに終わってしまいました。このエリクソンの行為に対して次戦において3グリッド降格処分が下されました。この結果,エリクソンのペナルティポイントは,合計6となっています。2人目は,ルノーのK.マグヌッセンに接触してしまったトロ・ロッソのD.クビアトです。今季彼がまだレッドブルに所属していたとき,フェラーリのS.ベッテルに対して2度にわたって問題を起こしていて,さらにチームメイトであるD.リカルドに対して同士討ちをしてしまうということまで犯してしまっていました。シーズン途中でレッドブルからトロ・ロッソへとチームが替わったクビアトですが,これはレッドブルが下した実質的な降格処分でした。こうした状況で再びマグヌッセンに接触するという事態を招いてしまったことから,処分が下されるというやや厳しい最低になってしまったようです。この最低により,2点のペナルティポイントが加算されると共に,次戦においては,彼も3グリッド降格となります。今回のペナルティポイント加算により,クビアトの累積ポイントは7となりました。合計12になると,実質的に1レース欠場という形になります。
 

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