トップ > 11月の最新ニュース
     
最新ニュース
     
1月分へ 2月分へ 3月分へ 4月分へ 5月分へ 6月分へ 7月分へ 8月分へ 9月分へ 10月分へ
    
2006・11・30(木)
☆2日連続(MotoGP)
○ヘレス・サーキットでの合同テスト2日目が行われ,来シーズンN.ヘイデンに奪われた王座奪還を目指すヤマハのV.ロッシが,2日連続でトップタイムをマークしました。チームメイトのC.エドワーズも,2日連続で3番手のタイムをマークしています。2番手のタイムをマークしたのが,ホンダのD.ペドロサでした。今回のテストがホンダ車デビューとなる中野真矢は,これまた2日連続同じ結果で9番手でした。
☆復帰(F1)
○3日間にわたってスペインのカタルニア・サーキットで合同テストが行われていますが,マクラーレン・メルセデスより発表があり,その3日目にM.ハッキネンが同チームのステアリングを握ることになりました。1998,1999年と2年連続チャンピオンを獲得したハッキネンでしたが,家族との時間を大事にしたいということで2001年にF1から引退していました。その後DTMシリーズにメルセデスのマシンを駆ってレース復帰。来シーズンも,同じような体制で臨むものと思われています。そうしたつながりもあって,マクラーレンからアドバイザーを要請され,それを受諾。さらに,今回発表されたテスト参加という形となりました。
      
2006・11・29(水)
☆初ライド(MotoGP)
○12月1日からテスト禁止期間に入るため,今回が年内最後となる合同テストが,スペインのヘレス・サーキットで始まりました。初日は昼過ぎ頃から雨が降り始めたため,各チームともメニューをそれほどこなすことができませんでした。そのような状況の中,短いドライコンディションの内でトップタイムをマークしたのは,シーズン終了後4輪のラリーレースに出場して気分をリフレッシュしていたヤマハのV.ロッシでした。チームメイトのC.エドワーズは,3番手のタイムをマークしています。前回の合同テストで好結果を出したスズキ勢は,J.ホプキンスが2番手タイムを出し,相変わらず新型マシンの好調さを持続している感じです。カワサキからホンダに移籍した中野真矢が,ついに初めてとなるホンダ車に搭乗しました。これまでのライムグリーンから,青白のコニカ・ミノルタカラーのツナギやヘルメット等に変っての初お披露目となりました。タイムは,13台中の9番手でした。SBKからMotoGPに復活したプラマック・ダンティーンのA.バロスも,今回が初登場となりました。タイム的には,ウェットコンディションの中での走行となってしまったため,13番手のタイムに終わってしまいました。
      
2006・11・28(火)
☆今年最後(MotoGP)
○今日から3日間にわたって,スペインのヘレス・サーキットにおいて今年最後となるMotoGPクラスの合同テストが行われます。前回マレーシアで行われた合同テストは,日本のメーカー4社で行われましたが,今回のテストには,ドゥカティとイルモアの外国勢も参加する予定になっています。新王者でホンダのエースのN.ヘイデンは,エストリルで痛めた肩の手術をするため,今回のテストは欠場することになりました。それに対して,前回欠場したD.ペドロサとM.メランドリが参加する予定です。また,コニカ・ミノルタ・ホンダに移籍した中野真矢が,ついにホンダデビューを果たします。ヘレスは中野の好きなサーキットの一つだけに,開発スピードが上がることが期待されます。デビューといえば,1年ぶりにMotoGPに復帰し,プラマック・ダンティーンからドゥカティのマシンを駆ることになっているA.バロスも,同様に合同テストデビューを果たします。他のメーカーで注目なのが,マレーシアで好結果を出したのがスズキ勢です。果たして別のサーキットでも同様にいい走りができるかで,800cc新型マシンの素性が分かると言えます。
       
2006・11・25(土)
☆秘蔵っ子(F1)
○来シーズンからボーダフォンがメインスポンサーとなり,既にルノーからチャンピオンであるF.アロンソが移籍することになっているマクラーレン・メルセデスより発表があり,二人目のドライバーとしてR.ハミルトンとの契約が成立しました。ハミルトンは21歳のイギリス人ドライバーで,昨年はユーロF3シリーズで,今シーズンはGP2シリーズでチャンピオンを獲得しています。1998年にマクラーレンとメルセデスが創設したヤングドライバー・サポートプログラムの1期生で,いわゆるメルセデスの秘蔵っ子の一人と言えます。そうしたつながりから,今回の契約に結びついたと言えるでしょう。今シーズン途中からJ−P.モントーヤに代わってステアリングを握ったP.デ.ラ.ロサは,一時期レギュラードライバー候補の一人でしたが,結局これまでと同じくテストドライバー契約となりました。
☆関係強化(F1)
○23日(木)にツインリンクもてぎで『ホンダレーシング・サンクスデー』と銘打ったイベントが開催されましたが,その会場においてスーパーアグリF1の鈴木亜久里代表から発言があり,来週バルセロナで行われる合同テストでは,今季ホンダF1が使用したマシンであるRA106をレンタルしてもらって,それを使ってのテストを行うことになったとのことです。スーパーアグリF1チームの来季型マシンについては,今シーズンの途中では,RA106を改良して使うのではないかという噂が出ていました。そのことは明確に否定され,現在新しいモノコックを使って開発中で,2月中に発表される予定のようです。今シーズンは,ホンダからエンジンの供給を受けていたわけですが,シーズンオフとはいえ,他チームにマシン自体を貸し出すわけですから,ホンダとスーパーアグリとの関係が,エンジンだけでなく車体まで含めてますます強化されたと考えていいのでしょう。
      
2006・11・24(金)
☆サーキットベスト(MotoGP)
○ヘレス・サーキットでの合同テスト最終日の走行が行われ,250ccクラスは,KTMの青山博一がD.ペドロサの持つサーキットベストタイムと同じタイムをたたきだし,トップタイムをマークしました。2番手のタイムをマークしたのが,チームメイトのM.カリオで,KTMのワンツーとなりました。青山のトップタイムは3日間のうちの2日間ですから,07年型モデルへの期待がますます高まった感じとなりました。3番手のタイムは,ジレラに移籍したR.ロカテリでした。
125ccクラスは,アプリリアのマシンを駆るG.タルマクシが,サーキットベストを更新してのトップタイムをマークしました。これで3日間共にタルマクシがトップタイムということになり,一躍チャンピオン候補の先頭に出た感じとなりました。KTMの小山知良は,4番手のタイムとなっています。なお,12月1日からテスト禁止期間となりますので,今回が両クラスともに年内最後のテストとなります。
       
2006・11・23(木)
☆順調(MotoGP)
○ヘレス・サーキットで行われているアプリリアとKTMの合同テスト2日目の走行が21日に行われ,250ccクラスは,初日に5番手タイムを出していたアプリリアのA.デ.アンジェリスがトップタイムをマークしました。初日にトップだったKTMの青山博一は,この日も順調な開発ぶりを見せ,2番手のタイムをマークしていました。今シーズン125ccクラスのランキング1位と2位で,来季ステップアップすることになったA.バイティスタとM.カリオですが,両者共に転倒を喫っしてしまいましたが,幸いなことに大事には至っていません。
125ccクラスは,アプリリアに移籍したG.タルマクシが2日連続のトップタイムでした。ただし,彼の駆っているマシンは,2日間とも今季型マシンです。KTMに移籍した小山知良ですが,この日は転倒を喫してしまいました。ただし,この転倒が逆に功を奏したようで,その原因をつかんでフロント部分を変えて走ってみると,何と自己ベストを更新しての2番手タイムとなりました。
      
2006・11・22(水)
☆初乗り(MotoGP)
○先日はマレーシアにおいてMotoGPクラスの合同テストが行われましたが,今度はスペインのヘレス・サーキットにおいてアプリリア&KTMのマシンによる250ccと125ccクラスの合同テストが行われています。初日の走行が20日に行われ,250ccクラスはKTMのエースライダーである青山博一がトップタイムをマークしました。来シーズンから250ccクラスにステップアップするKTMのM.カリオが3番手のタイムをマークし,KTM勢の07年型マシンの開発が順調に進んでいることをアピールした形となりました。
125ccクラスは,今シーズンはホンダのマシンで参戦し,来季はアプリリアのエースチームともいえるチーム・アスパルから参戦するG.タルマクシがトップタイムでした。また,来シーズンKTMのエースライダーとして参戦することになった小山知良が,ついにKTMデビューを果たし,4番手のタイムをマークしました。今シーズンはパフォーマンスで劣るマラグーティ(来季から参戦を中止)のマシンで苦労させられた小山だけに,2年連続ランキング2位のKTMに手応えを感じているようです。
       
2006・11・21(火)
☆離脱(MotoGP)
○02年からGPに復活したカワサキですが,その時からチームの指揮を執っていたのがH.エックルでした。MotoGPにフル参戦を開始する以前は,SBKでカワサキ系の主力チームとして活躍していました。そのエックルが,この度カワサキを離れることになったようです。彼に替わって指揮を執るのは,かつてヤマハでYZR−M1のプロジェクトリーダーを務めていたこともある依田一郎氏のようです。カワサキを離脱することになったエックルの今後ですが,あくまでも噂の段階ではあるものの,今シーズンのラスト2戦にスポット参戦し,来季からフル参戦を開始するイルモアに入るのではないかといわれています。
      
2006・11・20(月)
☆作戦成功(FN)
○今季最終戦となる第9戦の決勝レースが,雨が降りしきる鈴鹿サーキットで行われました。今回のこの雨が,レース結果に大きな影響を与えました。雨で足下をすくわれ,スピンやコースオフを喫するドライバーが続出したのです。スタートでトップに躍り出たのは,予選4番手から勢いよく飛び出してきたB.トレルイエでした。前戦で今シーズンのチャンピオンを決めたトレルイエが,最終戦を見事な勝利で飾るかのように,後続との差を徐々に広げていきました。途中でオーバーランを演じるということはありましたが,その後もファステストラップを刻んでいき,2位の松田次生に10秒以上の差をつけました。このまま逃げ切るかと思われた26周目に,何とスプーンでコースオフを喫し,タイヤバリアの餌食となってリタイアしてしまいました。自動的に松田がトップに浮上したのですが,その座はいつまでも続けられませんでした。レース後半になると,無給油作戦をとったA.ロッテラーがトップに躍り出たのです。40周目に給油のみを行った松田が,徐々にロッテラーを追い上げたものの,抜くところまではいけず,最終的にロッテラーがトップでチェッカーを受けました。彼の勝利は,第3戦以来今シーズン2回目です。この日がちょうど25回目の誕生日でしたので,見事にバースデーウィンを達成したことになります。昨年のチャンピオンである本山哲は,スタートで出遅れて15番手に後退してしまいました。それから徐々に追い上げていったものの,25周目のヘアピンでまさかのスピンでリタイアとなったのです。結局,今シーズンの本山は,未勝利のままで終わってしまいました。SGTでは,オートポリスでの1勝のみにとどまりましたので,現在の『日本一速い男』としては,やや不完全燃焼のシーズンという感じとなりました。
☆27年ぶり(WRC)
○第15戦ラリー・ニュージーランドの最終レグが行われ,初日からトップに立っていたフォードのM.グロンホルムがそのまま逃げ切り,総合優勝を飾りました。2位にチームメイトのM.ヒルボネンが入り,フォードが見事にワンツーフィニッシュを達成しました。シトロエン勢が4位,5位で終わったため,マニュファクチャラーズタイトルの栄冠は,フォードの手に渡りました。同タイトルをフォードが獲得したのは,実に27年ぶりとなります。スポット参戦していたMotoGPの王者であるV.ロッシは,総合11位でフィニッシュしています。初日で大きく出遅れただけに,大健闘の追い上げと言えるかもしれません。
併催で行われたPWRCは,最終戦までチャンピオン争いがもつれましたが,三菱の奴田原文雄が6位,スバルのN.アルーアティアが7位でフィニッシュし,アルーアティアのタイトルが決定しました。
        
2006・11・18(土)
☆好調(MotoGP)
○マレーシアのセパンサーキットでの合同テスト3日目が行われ,この日もリズラ・スズキ勢がワンツーのタイムをマークしました。ちなみに,前日と同様トップタイムがJ.ホプキンス,2番手のタイムがC.バーミューレンでした。ホプキンスに至っては,唯一の2分1秒台で,3日間を通じてのトップタイムでした。3番手のタイムが,初日トップだったヤマハワークスのC.エドワーズでした。レプソル・ホンダの新チャンピオンN.ヘイデンは,この日も4番手でしたが,トップからは約1秒8もの差をつけられてしまいました。テスト終了後の本人のコメントでは,シャーシなど足回りについてはいいセッティングが見つかったものの,エンジンのパワーが足りないとのことでした。次回のテストでは,エンジンパワーに改良が施されたものが投入されるかもしれませんね。今回からヤマハ車を駆っている玉田誠は,ヘイデンに次ぐ5番手のタイムをマークしていました。なお,カワサキ勢は,2日目でテストを終えています。
☆苦戦(WRC)
○第15戦ラリー・ニュージーランドが開幕し,レグ1の走行が行われました。今回のレースには,既にチャンピオンを決めているS.ローブは腕の骨折の影響で欠場しています。前年までのオークランドに替わって,今年開催されているのは,以前まで行われていたハミルトンという都市です。かなりのうねりがある道があったりして,初めて走るドライバーにはかなり走りづらいようです。そのような中,全てのSSでトップタイムをマークしたのが,今年のコースで走った経験を持っている唯一のドライバーとも言えるフォードのM.グロンホルムでした。2位にチームメイトのM.ヒルボネンがつけ,フォードのワンツーとなっています。スバルのマシンを駆ってスポット参戦しているMotoGPの王者V.ロッシは,慣れないマシンとフルタイムドライバーでも苦戦しているコースに悩まされ,総合24番手と出遅れています。ただ,スバル勢はロッシが苦労しているだけでなく,エースのP.ソルベルグでさえトップから1分43秒もの差をつけられた6位と出遅れています。今シーズン思うようにマシンが仕上がらず,年間を通してライバルの後塵を拝してきましたが,今回もその傾向が続いているようです。
       
2006・11・17(金)
☆初登場(MotoGP)
○セパンサーキットでの合同テスト2日目が行われました。初日に2,3番手をマークしたリズラ・スズキ勢が,この日はトップタイムと2番手のタイムをマークし,新型マシンの開発が順調に進んでいることをアピールした形となりました。初日にトップタイムだったヤマハワークスのC.エドワーズは,この日は3番手のタイムで,こちらも開発が順調なのかもしれません。ホンダのエースであるN.ヘイデンは,サスペンションの開発を中心に走行し,4番手のタイムをマークしています。この日の注目は,何といってもカワサキでしょう。初日は,今季型の990ccマシンを使用しましたが,2日目になってついに来季型の800ccマシンを登場させました。タイムは,トップから1秒7ほど遅れた7番手でしたが,初披露としては順調と言えるかもしれません。これで全てのメーカーの来季型マシンが登場したことになります。ウィンターテストの間で,どのメーカーが一歩先んじるか楽しみになってきました。
     
2006・11・16(木)
☆ホンダ陣営(F1)
○ホンダエンジンユーザー2チームから,それぞれ来季のドライバーについて発表がありました。まず,スーパーアグリF1ですが,来シーズンは佐藤琢磨とA.デビッドソンの2人が正ドライバーに決定しました。琢磨に関しては,今シーズンの活躍等を考えても残留は確実視されていましたので,注目はそのチームメイトに誰がなるかということでした。山本左近の残留という線も考えられなくはなかったのですが,早くからデビッドソンのホンダからの移籍が取りざたされていました。そして,噂通り2002年からBARホンダのテストドライバーを務めてきたデビッドソンが,ついにレギュラードライバーとして登場することになったわけです。デビッドソンがF1でレースに出場したのは,2002年にミナルディに貸し出される形で出た2戦と,2005年に琢磨の病気により代役出場となった1戦だけで,フルタイムドライバーとしては来季が初となります。琢磨とデビッドソンは,BAR時代にチームメイトだっただけでなく,2001年のイギリスF3でカーリン・モータースポーツから参戦したときもそうでした。そういった意味でも,2人のコミュニケーションは十分取れそうです。なお,山本左近の去就及びテストドライバーが誰になるかについての発表は,今回に関してはありませんでした。
次に,ホンダのワークスチームであるホンダレーシングF1から,テストドライバーについて発表がありました。レギュラードライバーに関しては,J.バトンとR.バリチェロの2人とも残留が決定していました。テストドライバーについては,デビッドソンの移籍が取りざたされていた(結局,上記のようにスーパーアグリF1に決定しています。)だけに,誰がそのシートに座るか注目されていました。そして決定したのが,今シーズンの途中までレッドブルから参戦していたC.クリエンでした。
☆2回目(MotoGP)
○シーズン終了後2回目となる合同テストが,マレーシアのセパンサーキットで始まりました。ホンダ陣営では,レプソル,グレシーニ,LCRの3チームが,ヤマハからは,キャメル,テック3の2チームが,その他にリズラ・スズキとカワサキレーシングの合計7チームが今回のテストに参加しています。初日は,昼過ぎにスコールに見舞われて生憎のウェット路面となってしまいました。そのような中でトップタイムをマークしたのは,ヤマハのC.エドワーズでした。チームメイトのV.ロッシが,WRCに参戦するため今回のテストには参加していませんが,テストライダーである吉川和多留や藤原儀彦らと共に新型マシンのセッティングに取り組んでいたようです。2,3番手のタイムをマークしたのは,スズキのC.バーミューレンとJ.ホプキンスでした。チャンピオンを獲得したN.ヘイデンは,ホンダ勢トップとなる5番手でした。自身初のヤマハとなる玉田誠は,ダンロップタイヤを履いて7番手のタイムでした。なお,新型マシンの開発が遅れているカワサキは,990ccマシンでの走行となっています。
ところで,玉田のチームメイトとなるS.ギントーリですが,今回の合同テストには参加せず,フランスのポール・リカール(ちなみにここは,人工的にウェット路面を作り出すシステムが整っています。)でダンロップタイヤのウェットテストを行いました。ところが,そこで転倒を喫し,鎖骨骨折の重傷を負ってしまっています。
      
2006・11・15(水)
☆来季に向け(SBK)
○来シーズンの向けての合同テストが,2日間にわたってスペインのバレンシアで始まりました。来季から同シリーズにスズキのマシンを駆ってフル参戦することになっている元WGP250ccクラスチャンピオンのM.ビアッジが走行しますので,そういった意味でも注目のテストとなりました。
初日は,テン・ケイト・ホンダのJ.トスランドがトップタイムをマークし,今シーズンのシリーズチャンピオンを獲得したドゥカティのT.ベイリスが2番手でした。注目のビアッジは,トップからコンマ5秒遅れの5番手でした。日本人勢は,スズキの加賀山就臣が4番手,ヤマハの芳賀紀行が8番手でした。
ところで,トップタイムをマークしたトスランドが所属するテン・ケイト・ホンダですが,2年間にわたってタバコブランドの一つである『Winston』がメインスポンサーを務めていました。しかし,同ブランドから発表があり,世界的なモータースポーツでのスポンサーから撤退することが決定しました。もちろん,世界的なタバコ広告禁止の動きに沿ったものだと思われます。メインスポンサーを失った同チームですが,替わりのスポンサーについての発表は現段階ではありません。噂では,来シーズン同チームに所属することになるかもしれない元GPライダーのR.ロルフォが,何らかのスポンサーと共にチームにやってくるのではないかといわれているようです。その他の噂としては,MotoGPでヤマハのワークスチームのメインスポンサーであるキャメルの名前も挙がっているようです。
       
2006・11・14(火)
☆ぶっつけ本番(FN)
○5ZIGENより発表があり,今週末に行われる最終戦において,折目遼に替わってジョアオ・パオロ・リマ・デ・オリベイラ選手を起用することになりました。オリベイラ選手は,昨年の全日本F3チャンピオンで,今シーズンはハセミモータースポーツから横溝直輝と組んでSGTにフル参戦しています。昨シーズン末にFNのルーキーテストを受け,F3からのステップアップを果たすものと思われていたのですが,交渉がうまくいかなかったようで,結局今季はSGTのみへの参戦となっていました。シートあわせを終わったものの,実際にマシンを駆るのはレースウィーク初日となる金曜日からですのでぶっつけ本番でのレースとなります。来季を見通すと彼にとって重要なレースでしょうから,いい結果を残せるといいですね。
        
2006・11・13(月)
☆全勝(S耐)
○ツインリンクもてぎにおいて,最終戦となる第7戦の決勝レースが行われました。第6戦まで全勝できているARTA DENAG GT3の田中哲也&新田守男&高木真一組ですが,ポールからスタートとなりました。危なげないスタートを切ったARTAは,その後もどんどん後続との差を広げていきました。一時期マシンチェックのためにあえてペースを落とし,差を縮められることがありましたが,再びペースを元に戻すとまた差が開くといった状態でした。横綱相撲は最後まで続き,2位に30秒近い差をつけてチェッカーを受け,7戦全勝という完全制覇でシリーズを締めくくりました。2位には,今季3回目の表彰台となるPixy Spec's Porscheの伊藤真一&羽根幸浩組が入っています。伊藤真一というのは,もちろん今シーズンJRRのJSB1000クラスで2年連続チャンピオンとなった元GPライダーのあの伊藤のことです。
        
2006・11・12(日)
☆引退(JRR)
○2002年のGP250クラスチャンピオンである嘉陽哲久が,残念ながら引退することになりました。1999年にホンダのエース故加藤大二郎選手や,ヤマハのエース松戸直樹選手との激しいバトルを展開し,若手のホープとして一躍脚光を浴びました。テクニカルスポーツに所属しながらホンダのワークスマシンの貸与を受けたりしましたが,チャンピオン獲得までは至らず,2002年にヤマハへ移籍しました。そして,ついにそこで念願のチャンピオンを獲得したのです。その才能を見込まれて,WGPのGP500クラスやWSSへもスポット参戦した経歴もあります。ST600クラスへ進出を図るのですが,2004年にツインリンクもてぎで行われたJRR第4戦の決勝レースで,スタート直後のアクシデントで重傷を負ってしまいました。一時期は生命の危機もあったのですが,幸いなことに最悪の事態は回避。しかし,左足の状態は芳しくなく,復帰を目指して懸命なリハビリをしてきましたが,ついに引退を決断することになったのです。GPでの活躍が十分に期待できた逸材でしたが,なぜか怪我などの不運がつきまとうところもありました。今後は,素晴らしい第2の人生を送ることができるのをお祈りいたします。ちなみに,第2の人生は税理士を目指すそうです。
        
2006・11・11(土)
☆ステップアップ(GP2)
○来季ウィリアムズとのテストドライバー契約を行った中嶋一貴ですが,GP2にフル参戦することも発表されました。昨年は全日本F3に参戦した中嶋ですが,今シーズンはユーロF3,そして来シーズンがGP2と1年ごとに着実にステップアップを果たしています。GP2シリーズは,F1の1段階前のシリーズとして位置づけられているもので,以前のF3000シリーズの発展形と考えればいいでしょう。中嶋は,そのシリーズに参戦しているDAMSチームから参戦することになりました。日本初親子2代のフルタイムF1ドライバー誕生が十分に期待できる状況ができてきつつありますが,年々ステップアップしている一貴としては,その度にシリーズ自体に慣れ,チームやマシンにも慣れないといけないですし,コースも新たに覚えないといけないわけです。それらの苦難をぜひ着実に乗り越えていき,再来年のさらなるステップアップ目指して結果を残していってもらいたいものですね。
       
2006・11・10(金)
☆開催概要(F1)
○来シーズンから鈴鹿サーキットに替わって富士スピードウェイが日本GPの開催地となりますが,この度その開催について概要が発表されました。まず大会の冠スポンサーですが,これについては,これまでと同様にフジテレビが務めることになりました。予想観客数は,フリー走行が行われる金曜日が5万人,予選日となる土曜が9万人,そして決勝日となる日曜が14万人となっています。チケットについては,来年の4月2日(月)から販売開始となります。最も高いチケットがグランドスタンドS席の71,000円,安いのが自由席の11,000円となっています。また,若い世代に生のモータースポーツに触れてほしいということから,高校生以下は指定席が1万円安く,自由席も,中高生が3000円,それ以下が1000円となっています。鈴鹿サーキットは市街地にありますので,他のサーキットと比べてまあまあアクセスの点でよかったのですが,富士の場合はそうはいきません。そのアクセスに関してですが,『チケット&ライドシステム』という方法がとられることになりました。これは,一般入場者のアクセスを基本的にバスだけに制限するというものです。鉄道及び乗用車を使った人はシャトルバスを,団体の場合はツアーバスを使うチケットも持っていないと,特別な事情を除いてたとえ入場券を持っていてもサーキットに入場することができないのです。もちろんこれは,周辺の交通渋滞を回避するための措置です。
          
2006・11・9(木)
☆第一歩(F1)
○今季ユーロF3にフル参戦し,その初年度でランキング7位になった中嶋一貴が,来季ウィリアムズのテストドライバーになることが決定しました。中嶋一貴といえば,皆さんよくご存知のように,日本人初のフルタイムF1ドライバーとなったあの中嶋悟氏の息子です。父親はずっとホンダの支援を受けてF1まで上り詰め,現在もその関係は続いています。息子の方は,通常で考えると父親の関係からホンダ系のドライバーとなるところでしょうが,自分の力で道を切り開いていくというような教育方針もあるのでしょう,あえて父親とは距離を置いてきたことから,トヨタのヤングドライバー育成プログラムであるTDPの中の一人としてこのところドライバー人生を歩んできています。来シーズンからトヨタエンジンユーザーとなるウィリアムズですから,今回のテストドライバー就任には,この関係が大きく影響していると思われ,親子2代にわたるF1ドライバーとなる始めの一歩を踏み出したと言っていいでしょう。なお,来季のウィリアムズのテストドライバーには,もう一人インド人初のF1ドライバーであるN.カーティケヤンが契約済みです。
☆引退(MotoGP)
○今季ドゥカティのワークスチームからフル参戦したS.ジベルノーが,今シーズン限りで引退することを発表しました。ドゥカティでの参戦1年目となる今シーズンは,怪我に苦しんで思うような成績を収めることができませんでした。しかし,グレシーニ・ホンダから参戦しているときには,王者V.ロッシとチャンピオン争いを展開し,残念ながらチャンピオン獲得はできなかったものの,ランキング2位の座を2回にわたって獲得しました。彼の躍進の裏には,故加藤大二郎さんの死が大きく影響していました。ジベルノーがグレシーニに移籍した初年度というのは,鈴鹿サーキットで行われた日本GPで大二郎選手の死亡事故があったあの年です。その場にいた私も,レース中にもかかわらず大二郎選手を乗せたヘリコプターが緊急発進した様子を昨日のことのように鮮明に覚えています。残念ながら数日後に還らぬ人となり,彼に代わってチームのエースライダーになったのがジベルノーでした。大ちゃんに感謝するかのように,表彰台に上がる度に空へ向かってトロフィーを掲げたり,祈りを捧げたりするシーンを目にした私たちは,大ちゃんを失った悲しみと,ジベルノーの心の温かさを感じることができました。その彼が引退を発表したということは,時代の流れを感じざるを得ません。来シーズンのドゥカティは,既にL.カピロッシの残留と,C.ストーナーのホンダからの移籍が決定していて,シートが埋まった状態でした。ジベルノーには,スポンサー喪失の関係からやむなく今シーズンの活動を休止したシト・ポンスのチームをはじめ,カワサキ,イルモアからのオファーがありました。しかし,最終的に引退の道を彼は選択したのです。
       
2006・11・8(水)
☆新パートナー(IRL)
○スーパーアグリから発表があり,来シーズンはパンサー・レーシングと組んでIRLシリーズに参戦することになりました。2003年にこのシリーズに参戦を開始したスーパーアグリですが,今シーズンまでメキシコ人ドライバーであるA.フェルナンデスがオーナー兼ドライバーを務めるフェルナンデス・レーシングと組み,スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングとして参戦していました。そのパートナーシップを今シーズンで解消し,新たなパートナーがパンサー・レーシングとなったわけです。パンサー・レーシングは,2001年と2002年にチャンピオンチームとなった実力のあるチームです。そこと組むようになったわけですから,来シーズンこそは初優勝が十分狙えるかもしれません。ドライバーは,これまで通り松浦孝亮が務め,彼としてはIRLシリーズ4年目を戦います。チーム名は,スーパーアグリ・パンサー・レーシングとなります。
      
2006・11・7(火)
☆先行投資(MotoGP)
○プラマック・ダンティーンより発表があり,新たなライダーと契約することになりました。同チームの来シーズンは,A.バロスとA.ホフマン(奇しくもファーストネームが“アレックス”のコンビ)というラインナップになっていますので,新たな契約となると,3台体制か,それともどちらかがシートを失うのかと思いましたが,そうではありませんでした。今回契約したのは,11歳のイタリア人ライダーであるF.モルビデリ君でした。今シーズンイタリア国内のミニバイクレースにおいてチャンピオンになった子で,イタリア選手権のBクラスで125ccクラスにデビューもしていたようです。今回の契約というのは,今後彼に対してプラマック・ダンティーンがサポートしていくというものでした。いわゆる先行投資のようなものです。いろいろなスポーツでジュニアの育成に力を入れ,早くからその才能を見つけ出すという取り組みがなされていますが,モーターサイクルスポーツでも,その流れが徐々にできてきているようです。レプソル・ホンダのD.ペドロサも,近年におけるその代表格と言えるかもしれません。ジュニア育成のシリーズ戦を運営したり,今回のように個人に対するサポート体制をつくったりという形は,今後ますます増えていくのでしょうね。
     
2006・11・6(月)
☆連覇&全勝(JRR)
○最終戦となる第7戦の決勝レースが行われました。最高峰のJSB1000クラスは,ホンダの伊藤真一とヨシムラの渡辺篤との争いとなって最終戦を迎えています。ランキング2位の渡辺は,前日の予選でポールを獲得していて,逆転タイトルを狙っていました。ところが,決勝レースでのマシンはトラブルを抱えていたようで,何と3周目にしてスロー走行となり,最終的には5周目にリタイアとなってしまいました。これにより,ランキングトップの伊藤真一が,自動的にチャンピオン決定となりました。伊藤のチャンピオン獲得は,前年に続いて連覇となります。レースの方ですが,チャンピオンを決定づけた伊藤と,リタイアした渡辺のチームメイトである秋吉耕佑,そしてこのレースのために急遽自チームを結成して参戦してきたSBKライダーの加賀山就臣との間で,最終ラップまで激しいバトルが展開されていきました。最終ラップのシケインでの争いが秋吉と加賀山との間で展開され,最終的には加賀山がトップでチェッカーを受けました。加賀山が今回使用したマシンは,先週の土曜日に火が入って,レースウィークに入って初めてサーキットに持ち込んだという状態でしたが,それでもハイペースでのレースを制して優勝したわけですから,世界レベルで走っているライダーのすごさをあらためて感じさせられました。また,一ヶ月後に40歳を迎えるというライダーが,2年連続最高峰クラスでチャンピオンを獲得したわけですから,伊藤の連覇にもあらためて元GPライダーのすごさを見せつけられた感じです。
ST600クラスは,昨年のチャンピオンでランキング2位につける安田毅史と,JSB1000クラスとダブルエントリーしていて両クラスともチャンピオンがかかっているランキングトップの渡辺篤との間でチャンピオン争いとなっていました。ポールからスタートしたのは,ランキング2位の安田でした。安田はホールショットを奪い,そのまま後続との差をどんどん広げていきました。対する渡辺の方ですが,2周目は2番手でした。このままチェッカーを受ければ渡辺のチャンピオンだったのですが,毎回混戦となるST600クラスはそうはいきませんでした。3周目以降ライバルたちにどんどんかわされていき,6番手をキープするのに精一杯となってしまいました。最終的には安田がトップのままチェッカーを受け,逆転で2年連続チャンピオンとなりました。
GP250クラスは,ここまで全勝を収めている横江竜司と,10ポイント以上離されて奇跡の逆転劇を狙っている唯一のタイ人ライダーR.ウィライローとの間でチャンピオン争いとなっていました。最終ラップまでこの2人の間でバトルが展開されましたが,シケインでウィライローを横江がかわし,そのままチェッカーとなりました。これにより,横江が全勝でのチャンピオン獲得となりました。
既にチャンピオンが決定しているGP125クラスは,その新チャンピオンである14歳ライダー中上貴晶の全勝優勝がかかっていました。その中上は,序盤からトップに立ち,そのまま後続との差を広げていき,独走でチェッカーを受けました。2位争いは最終ラップまで白熱し,ヤングライダーの一人である富沢祥也と井出敏男との間でバトルが展開されました。シケインで井出が富沢をかわしてそのまま2位のチェッカーを受けたのですが,何とトップチェッカーを受けてスロー走行していた中上に井出が追突。井出自身に怪我はなかったものの,追突された中上は左手首骨折の重傷を負ってしまい,何とも後味の悪いレースとなってしまいました。チャンピオンの中上は,スペイン選手権にも参戦していますが,今回の怪我で同シリーズ欠場となってしまっています。
GP−MONOクラスは,こちらも最終ラップまでバトルが続き,山下祐が藤崎直之をチェッカー目前でかわし,優勝でチャンピオンを決定しました。なお,このクラスは,国際ライセンスと国内ライセンスのライダーの混走で行われています。前述の山下は国際クラスでのチャンピオンで,国内クラスチャンピオンは,最終戦を3位で終えた森隆嘉が獲得しています。
☆1年目&12年目(SGT)
○最終戦の決勝レースが,富士スピードウェイで行われました。GT500クラスは,チャンピオン獲得のチャンスが8台にあるという混戦となっていました。それだけに,最後の最後までチャンピオンがどのチームになるか分からない展開が予想されていました。ところが,序盤からチャンピオン争いに加わっていたマシンがアクシデントやペナルティーを受けていき,徐々に脱落していきました。そして,最終的には脇坂寿一&A.ロッテラー組のOPEN INTERFACE TOM'S SC430が手堅く4位でチェッカーを受け,混迷を極めた今シーズンのチャンピオンを獲得しました。脇坂としては4年ぶりの,ロッテラーとしては初のチャンピオンとなります。また,彼らが駆ったSC430は,今シーズンから投入された新型マシンで,その1年目にしてチャンピオン獲得という快挙を成し遂げています。レースの方ですが,ポールからスタートしたEPSON NSXのL.デュバル&武藤英紀組がどんどん後続との差を広げていき,ぶっちぎりで今季初優勝となりました。BANDAI DIREZZA SC430の服部尚貴&P.ダンブレック組とWOODONE ADVAN KONDO Zの柳田真孝&荒聖治組との間で,時折マシンが接触するほどの激しい2位争いが展開されていきましたが,服部がベテランらしい頭脳的な走りで荒を抑えきり,2位でチェッカーを受けました。今シーズンからSGTに参戦した近藤真彦監督の率いるKONDO Zは,初の表彰台獲得となります。ちなみに,1,2位がダンロップタイヤ,3位がヨコハマタイヤと,どちらかいうと少数派のタイヤブランドが表彰台獲得となっています。
GT300クラスは,劇的な幕切れとなりました。チャンピオン争いは,最終的に雨宮アスパラドリンクRX7の山野哲也&井入宏之組とブリヴェチューリッヒ・紫電の高橋一穂&加藤寛規組に絞られていきました。山野が7周目に単独スピンを喫し,その後あと1台抜けばチャンピオンと言うところまで迫ったものの,既に最終ラップに突入してしまいました。紫電のタイトル獲得と誰しもが思っていましたが,何と最終ラップの最終コーナーでトップを走行していたWILLCOM ADVAN VEMAC408Rがガス欠でストップ!雨宮RX7が一つポジションを上げて紫電と同ポイントとなりました。入賞回数でRX7が上回っていましたので,唯一のロータリーエンジン車が今シーズンのチャンピオンとなりました。同チームは,1995年に前身であるJGTCに参戦を開始し,何と12シーズンを経て初のタイトル獲得となりました。マツダからの支援がほとんどなく,プライベーター体制で唯一のロータリーエンジンユーザーとして活動を続けてきたその苦労が,見事花咲いた形となりました。今回のタイトル獲得により,山野哲也は3年連続GT300クラスチャンピオンとなります。まさに「優勝請負人」という感じですね。なお,最終戦の優勝者は,TOYSTORY Racing MR-Sの新田守男&高木真一組となっています。
2006・11・5(日)
☆チャンピオンに向け(JRR)
○第7戦の予選が,鈴鹿サーキットで行われました。今回が最終戦となりますが,125ccクラス以外は全てチャンピオンが決まっていませんので,各クラスともチャンピオン獲得に向け,一つでも前のグリッドを獲得しようと熱い走りが展開されていきました。
最高峰のJSB1000クラスは,昨年のチャンピオンである伊藤真一と,ヨシムラの渡辺篤とが6ポイント差で最終戦を迎えています。出場台数が多く,A,B組に分かれてタイムアタックが行われました。A組の伊藤は,なかなかクリアラップが取れず,最終的に総合で2列目7番手からのスタートとなりました。急遽自チームを結成して最終戦に出場を果たした加賀山就臣は,海外で活躍しているその走りを日本のファンの前で披露し,コースレコードを更新したりして,総合で5番手からのスタートとなりました。予選B組では,ヨシムラの2人のライダーが速さを見せ,チャンピオンを狙う渡辺篤がポール,その援護に回るであろう秋吉耕佑が2番手となりました。3番グリッドには,ホンダの徳留和樹がつけています。先週徳留選手と話をする機会があったのですが,8耐で負った怪我はまだ100%治ったとは言えないようです。しかし,今シーズン自分自身納得がいくレースができていないこともあって,最終戦への意気込みはかなりのものがあるようです。それだけに,彼の活躍にも期待したいと思います。
毎回混戦のST600クラスですが,チャンピオン争いは4人のライダーで最終戦を迎えています。しかし,ポイント差から考えると,実質的には昨年のチャンピオンである安田毅史と,JSB1000クラスにダブルエントリーしてどちらにもチャンピオンの可能性がある渡辺篤の2人に絞られていると考えていいでしょう。現在ランキング2位の安田が,コースレコードとなる2分14秒前半を出して見事ポールを獲得しました。優勝できなくても2位に入ればチャンピオンとなる渡辺ですが,クリアラップが取れなかったこともあって,4番グリッドからのスタートとなりました。
ここまで5戦全勝と,ヤマハの横江竜司が圧倒的な速さを見せている250ccクラスですが,ランキング2位のR.ウィライローが常に上位でフィニッシュしてきたため,チャンピオン争いは最終戦までもつれ込んでいました。ランキングトップをいく横江は,決勝レースを13位以内で終えればチャンピオン獲得なのですが,そうしたことはあまりお構いなしで今回もその速さを見せ,見事コースレコードをマークしてのポール獲得となりました。2番グリッドには,逆転タイトルに僅かな可能性を残しているヴィライローがつけています。
唯一前戦でチャンピオンが決定している125ccクラスですが,セッション開始早々に接触によるアクシデントで赤旗中断となりました。そのアクシデントに絡んだ1台である井出敏男は,マシンを修復しての予選となりましたが,見事第5戦以来となるポールを獲得しています。今シーズンのチャンピオンである中上貴晶は,井出からわずかコンマ07秒遅れで2番グリッドとなりました。なお,元チャンピオンの仲城英幸ですが,前戦で右中指骨折,薬指にクラックという怪我を負っていました。今回金曜日に走行しましたが,レーシングスピードでの走行に支障があるということで,残念ながら欠場となっています。
GP−MONOクラスは,レーシングチーム・ハニービーの平石理が,自身初となるポールを獲得しています。
☆初ポール(SGT)
○最終戦となる第9戦の予選が,富士スピードウェイで行われました。何と8台にチャンピオンの可能性があるという混迷状態のGT500クラスですが,L.デュバル&武藤英紀組のEPSON NSXが,今シーズン初のポールを獲得しました。2番手に服部尚貴&P.ダンブレック組のBANDAI DIREZZA SC430がつけ,ダンロップタイヤユーザーがフロントロー独占となりました。
GT300クラスは,田中実&大嶋和也組の梁山泊 apr MR-Sがポールを獲得していますが,タイムアタックを担当したのは,弱冠19歳の大嶋の方でした。昨年のFT(フォーミュラ・トヨタ)チャンピオンにふさわしい走りを見せ,SGTの前身であるJGTC時代も含めた最年少記録をマークしてのポール獲得者となりました。
        
2006・11・4(土)
☆撤退(MotoGP)
○先週行われた最終戦バレンシアGPにおいて,マラグーティが来シーズン撤退することを発表しました。2003年から125ccクラスにフル参戦を開始した同社ですが,他メーカー(アプリリア,ホンダ,KTM)の壁は厚く,何とかポイント獲得といったポジションでの争いが主という戦いを強いられていました。今シーズンは,唯一の日本人フル参戦ライダーである小山知良を擁して戦ってきましたが,総獲得ポイント49点,ランキング15位で終了しています。このランキング結果というのは,小山のポテンシャルで考えると全く振るわないといえます。その小山は,来シーズンKTMに移籍し,ようやくチャンピオン争いに加わることのできる体制を組むことができました。小山を失ったマラグーティは,来シーズン勝てるライダーと組むことができず,このまま参戦を続けてもあまり意味を見出せない状態となりました。そこで,来シーズンからイタリア選手権とスペイン選手権への参戦に専念し,その中で若手ライダーを成長させた段階でMotoGPに復帰するという道筋をとるという決断を下したようです。
☆参戦(JRR)
○今日から最終戦となる第7戦MFJグランプリが,鈴鹿サーキットで開幕します。チャンピオン争いが注目される最高峰のJSB1000クラスですが,今季もSBKにフル参戦して活躍した加賀山就臣が,今回限定で自チームを結成して参戦します。このチームですが,チーム名が「YK SUZUKI with Bright Logic」といい,オーナー兼ライダーが加賀山就臣,監督はかつてヨシムラやホンダで活躍した辻本聡が務めます。マシンは,もちろんスズキGSX-R1000です。チーム名に冠しているようにカスタムショップであるBright Logicをはじめ,西村コーティング,ダンロップ,ヨシムラ等の協力を得て,今回の参戦となりました。このところSBKやBSBといった海外でのシリーズにフル参戦している加賀山ですが,8耐等の場で毎年日本のレースファンにその走りを見せていました。ところが,結局今シーズンはそうした場がなかったため,思い立ってから1ヶ月半という短期間の中で新チーム立ち上げを実現したとのことです。急造チームとはいえ,十分優勝がねらえるライダーだけに,もしかしたら彼の参戦が,チャンピオン争いに影響を及ぼすことになるかもしれませんね。
       
2006・11・3(金)
☆初テスト(MotoGP)
○スペインのバレンシア・サーキットにおいて,2日間にわたりシーズン終了後初となる合同テストが行われました。来シーズンから800ccエンジンとなるMotoGPクラスですが,その来季型マシンを用いての初の公式合同テストです。今回のテストには,カワサキを除いた他のメーカーのマシンが揃いました。ちなみに,中野真矢がカワサキを去ることにした原因の一つが,この新型マシンの開発の遅れだと言われています。今回のテストには,来シーズンMotoGPにプラマック・ダンティーンから復活することになったA.バロスも参加しました。また,今シーズンの最終2戦にテスト参戦したイルモアは,イギリスの超ベテランライダーであるJ.マックウィリアムズにテストを託しました。テストの結果ですが,今シーズンチャンピオンの座を明け渡したヤマハのV.ロッシが初日に,今季ルーキー・オブザイヤーに輝いたホンダのD.ペドロサが2日目にそれぞれトップタイムをマークしました。次の合同テストは,11月15日に,マレーシアのセパン・サーキットで行われる予定です。
☆新しい流れ(F1)
○来シーズンからマイルドセブンに替わってルノーのメインスポンサーとなることが決定しているオランダの金融関連会社であるING社が,オーストラリアGPのスポンサーも務めることが決まりました。ちなみに,オーストラリアGPのスポンサーといえば,長年オーストラリアのビールメーカーであるフォスター社が務めてきました。これまでF1を支えてきたのがタバコマネーでした。しかし,来シーズンのマクラーレンにバンコ・サンテンデールといったルノーと同じように金融関連会社のスポンサーがついたりしていて,タバコからの脱皮が加速されてきています。
       
2006・11・2(木)
☆続投(BSB)
○今シーズン見事に清成龍一が日本人初のチャンピオンを獲得したBSBですが,最終戦までそのチャンピオン争いをした3人のライダーの去就が決まりました。その結果は,3人とも継続してBSBにフル参戦します。清成については,予想通りではあったのですが,タイトル防衛を目指して,チャンピオンナンバーである"1"をつけて走ります。ランキング2位だったL.ハスラムについては,MotoGPにいくのではないかという観測もあったのですが,既に有力チームのシートは埋まってしまっていて,ハスラムとしては勝てる体制が組めるBSB続投の道を選んだようです。ランキング3位となったG.ラビッラは,昨年のチャンピオンで,そのタイトルを再び奪い返すことをモチベーションに選んだようです。最後の最後までチャンピオンが決定しなかったBSBですが,来シーズンもこの3人を中心に手に汗握る展開がなされていく可能性が高いですね。
       
2006・11・1(水)
☆お披露目(MotoGP)
○ホンダのエースであるN.ヘイデンのチャンピオン獲得で終わったMotoGPですが,そのホンダが来シーズンから使用するマシンのお披露目をしました。これまでこのページで何度もお伝えしているように,来シーズンからこれまでの990ccから800ccエンジンへとレギュレーションが変更になります。それに合わせて,ほとんどのメーカーが合同テスト等において新型マシンを登場させています。ホンダも既に日本GP終了後のツインリンクもてぎでテスト走行を終えていますが,カラーリング等も含め公式の場で発表したのは今回が初めてです。その新型マシンは,これまでの990ccマシンの場合「RC211V」という車両名だったものが,「RC212V」という名前となりました。非常にコンパクトになったマシンで,そのコンパクトさが一番伝わるのは,車両の後ろにつくゼッケンではないでしょうか。通常はリアカウル(シートカウル)につけられるゼッケンですが,シートカウル部分がとても小さくてゼッケンが収まらないため,リアタイヤのフェンダー部分にゼッケンがつけられています。排気量が減った分,コーナリングスピードが重要視されますので,こうしたコンパクトさが重要なのだと思います。なお,今回お披露目されたレプソル・ホンダのマシンですが,今年のチャンピオン獲得を誇るかのようにゼッケン"1"がつけられて登場していました。
☆体制決定(MotoGP)
○今シーズンはダンロップタイヤユーザーの中心的チームだったヤマハ・テック3ですが,既に来シーズンは玉田誠がエースライダーとなることが発表されていました。そして,今回新たにもう一人のライダーが発表されました。玉田のチームメイトとなるのは,今シーズン250ccクラスに参戦していたS.ギントーリです。また,ヤマハから800ccマシンの供給を受け,ダンロップタイヤユーザーとしての活動を継続することも決定しています。今シーズンはC.チェカ&J.エリソンというラインナップでしたが,来シーズンはライダーが総入れ替えとなってスタートします。中盤から後方にかけての争いに終始した感のある同チームですが,果たして来季はトップ10での争いができるか,玉田が加わっただけに気になるところです。
☆エンジン決定(F1)
○レッドブルから,来シーズンの使用エンジンについて発表がありました。レッドブルとトロ・ロッソの2チームがあるレッドブルですが,これまでの交渉の結果,フェラーリとルノーエンジンの使用権を得ていました。そのエンジンをどう振り分けるかが注目されていたのですが,レッドブルがルノーエンジンを,トロ・ロッソがフェラーリエンジンを使用することになりました。
  
トップ > 11月の最新ニュース