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ここでは,レースに関する情報をできるだけいち早くお伝えします。

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2003・11・30
☆暫定(JGTC)
○先日,2004年の暫定スケジュールが発表されていましたのでお伝えします。それによると,富士スピードウェイが全面改修で使えないため,新たに十勝インターナショナルスピードウェイが加わりました。もちろん北海道での開催は,初となります。また,海外での開催を進めているJGTCなだけに,今年からシリーズに組み込まれた(とはいっても,実際にはSARSの影響で開催できませんでしたが)マレーシアは来年も開催となりますが,それ以外にも,上海,カリフォルニア,ソウルでの開催も検討中のようで,うまくいくとカレンダーの中に組み込まれるかもしれません。

2004レースカレンダー(暫定)
決勝日 サーキット
 4月 4日 TIサーキット英田
 5月23日 スポーツランドSUGO
 6月20日 セパンサーキット(マレーシア)
 7月18日 十勝インターナショナルスピードウェイ
 9月26日 ツインリンクもてぎ
10月17日 オートポリス
11月21日 鈴鹿サーキット


2003・11・29
☆原因不明(WGP)
○開幕戦の日本GPにおいて還らぬ人となってしまった故加藤大二郎選手の事故原因を探るため,日大の景山一郎教授を委員長とする事故調査委員会が編成されていたことは既にこのページでもお伝えしていましたが,その調査結果がまとまり,この度その報告会が開かれました。結論から言うと,事故の原因については,不明ということでした。直接的な死亡の原因は,タイヤバリアとそれに隣接するスポンジバリアとの間に隙間があり,まず時速150qでタイヤバリアに衝突し,なぞるように滑った後スポンジバリアの側面に頭が入り込んだため頚椎を損傷したのでした。その転倒にいたった原因については,ハイサイドが発生し,それを抑えるためフロントブレーキを緩め,その結果2輪特有の振動現象の一つである「ウィーブモード」が発生したということでした。マシンの損傷が原因ではという噂もありましたが,その点については異常がなかったそうです。今回の報告を受けて,この調査委員会は解散となりました。極限状態で走行を続けているレースの中で起こったことを調査するわけですから,やはり調査する側も苦労があったのではないかと思います。お疲れ様でしたと思うと同時に,あらためて大ちゃんのご冥福をお祈りいたします。

☆シート確保(F1)
○主だったチームのシートは埋まってしまってますが,中堅以降のチームにはまだシートが残っています。しかし,そこも徐々に埋まっていっているようです。まず,ジョーダンのシートには,今季ザウバーに所属していたN.ハイドフェルドが移籍する可能性が高まりました。また,ジャガーには,今季F3にデビューし,ユーロF3ではランキング2位となったオーストリア人ドライバーC.クリエンが入りそうな気配です。その背景には,オーストリアのエネルギードリンクメーカーである「レッドブル」の存在があります。ご存知のように,このメーカーはモータースポーツにも力を入れていて,同郷のドライバーをF1のシートに座らせるため,高額なスポンサーマネーを準備した模様です。なお,正ドライバーではありませんが,同じオーストリア人ドライバーであるA.ブルツは,来季もマクラーレンの第3ドライバーとして残留することが決定しました。これは,4年連続の契約となります。

2003・11・28
☆新型車発表(WRC)
○三菱からプレスリリースがあり,来季用の新型マシン『ランサーWRC04』が発表されました。今シーズンの三菱は,来季からの復活に向けて参戦を休止していました。その間に開発されたのが,この度発表されたWR(ワールドラリー)カーであるこのマシンです。特徴の一つは,このところ高速化が著しいWRCなだけに,ダウンフォース効果が得られやすいようエアロダイナミクスに工夫を凝らしたマシンとなっています。また,これまでは,部品に三菱内製にこだわっていた点があるのですが,電装関係にはイタリアのマネッティ・マレリーを採用するなど,勝つことを主眼に置いたマシン作りをしていったようです。ドライバーに関してですが,ファーストドライバーは,フランス人のG.パニツィです。彼は,全戦参加となります。セカンドドライバーには,K.ソルベルグ,D.ソラ,G.ガリの3人を擁し,誰がステアリングを握るかは,イベントに合わせてドライバーを交代していくようです。

2003・11・27
☆勢いそのまま(F1)
○テスト中止期間が明け,スペイン国内の2つのサーキットで合同テストが行われています。バレンシアサーキットではミシュラン勢が,カタルニアサーキットではブリヂストン勢(とはいっても,BARだけはミシュランを履いていますが)が参加しています。その合同テストでは,やはり今季コンストラクターズポイントで争った2チームがトップタイムをマークしています。カタルニアでは,フェラーリのテストドライバーであるL.バドエルがトップ,2位にも同じくフェラーリのテストドライバーであるF.マッサが入っています。ちなみに,BARのレギュラードライバーとして初の仕事となる佐藤琢磨も,途中トラブルで走行できないこともありましたが,元気に走行しているようです。バレンシアでは,ウィリアムズのJ−P.モントーヤがコースレコードでトップタイムをマークしました。2番手にはトラブルで多くの時間を失ってしまったにもかかわらずいいタイムをたたき出したR.シューマッハが,3番手には04仕様エンジンで走行したM.ジェネが入り,ウィリアムズが1〜3位を独占した形になりました。早くも来シーズンマシンで走行を開始したマクラーレンは,D.クルサードが9番手とやや後方のタイムとなりましたが,これは初期によく起こるトラブルに見舞われたためですから,チームとしては全然慌ててないものと思われます。

2003・11・26
☆アプリリアへ復帰(WGP)
○以前アプリリアのマシンを駆ったライダーが,来シーズン再びアプリリアに戻ってくるという話題を3つ。まず125ccクラスでは,今年限りでライダーとしては引退(もちろんチームオーナーとしては健在)したL.チェッキネッロのチームに,今季KTMに所属したものの全くいいところなく終わったL.ロカテッリが加入することが既に決定済みです。ロカテッリが125ccクラスでチャンピオンを獲得したのがアプリリアでしたから,125ccとしてはその時以来ということになります。2人目のアプリリア復帰は,今シーズン途中までアプリリア陣営だったものの,シーズン途中で解雇されるという信じられない事態を経験した宇井陽一です。このことについては,既にこのページでお伝え済みですが,どうやら250tクラスにステップアップする可能性が高くなったようです。宇井自身そうしたことを感じさせるコメントを出しています。3人目は,MotoGPクラスについてです。アプリリアの同クラスは,今季のライダーが二人ともチームを離れることが決まっています。代わって,英国スーパーバイク選手権チャンピオンのS.バインがチームとの契約が既に完了済みです。あともう一人のシートが空いていますが,どうやらプロトンKRからJ.マックウィリアムスが移籍してきそうな感じです。彼もアプリリアのマシン(2ストの500tマシン)を駆っていた時期がありました。ただ,この点についてはまだ決定してなく,噂の段階です。もしこれが実現すると,来季のアプリリアRS3を駆るのは,イギリス人ライダー2人ということになります。

☆一番乗り(F1)
○今シーズンは,結局03年型マシンが登場しないまま終わったマクラーレンでしたが,どのチームよりも早く04年型マシンをシェイクダウンしました。その場所となったのは,スペインのバレンシアサーキットです。現在ここでは,ミシュランタイヤを履くマクラーレン,ウィリアムズ,ルノー,ジャガー,トヨタの合同テストが行われています。大方の予想では,今シーズン型としてテストだけ行われていたマシンの改良型が来シーズンのマシンではないかということでしたが,概観上はともかく,どうやら全く別物のようです。

☆円満に(F1)
○これまでブリヂストン勢の一角を占めてきたBARでしたが,まだ交渉が終わっていないのに勇み足的とも思われる段階でミシュラン側がBARの移籍話を公表してしまうということがありました。しかし,幸いにも大きな問題となることなく,BARのミシュランへのスイッチが発表されました。そこで,現在スペインのバレンシアサーキットで行われているフェラーリ,ザウバーのブリヂストン勢との合同テストに,BARはミシュランを履いて無事走行を開始しました。

2003・11・25
☆参加せず(SBK)
○事実上ドゥカティのワンメークとなった今季のSBKでしたが,今年行われたモーターショーでスーパーバイクのベースとなる新型のマシンが出品されていましたから,来季は日本メーカーが再びSBKに参戦するものと期待されていました。しかし,日本メーカーが中心となって組織しているMSMAが,SBKのプロモーターに要求していた来季のレギュレーションに関しての事柄が否定されたため,今季同様ワークスでの参戦をしないことが決まりました。要求していた主な点は,リストリクターとタイヤ(SBK側は,来季のタイヤをピレリのワンメークにするという決定を一歩的にしていました。)に関することです。ホンダの新しいファイアブレード(CBR1000RR)は,WSSでの実績からテンケイトに託すのは間違いないでしょうが,その際ワークスでの対応はしないことになります。せっかく各社から新型マシンがリリースされる年に当たるのに,何とも残念な話になってしまいました。

2003・11・24
☆残留(IRL)
○モーナンレーシングからトヨタエンジンを使ってフル参戦している高木虎之介が,来季も同チームから参戦することが発表されました。もともとオプションを含めた2年契約でしたから,その契約内容がそのまま生きたという形です。今季IRLでの日本人のエースとして期待された高木で,しかも最終的にはチャンピオンを獲得したトヨタエンジンですから,その期待がよりいっそう大きかったものの,結局1勝もできないままシーズンが終わってしまいました。来季は,大きなパフォーマンスを残さないと厳しい立場に追い込まれることも考えられるだけに,ぜひ最低でも1勝はあげてほしいものです。

☆チャンピオン獲得(FT)
○鈴鹿サーキットで,FT(フォーミュラ・トヨタ)の最終戦が行われました。レースは,池田大祐が2位に3秒以上の大差をつけて優勝し,今季4勝目を挙げました。チャンピオン争いは,ここまでランキングトップだった中嶋一貴が3位表彰台に立ち,見事にチャンピオンを獲得しました。今季10戦中8回表彰台に立ったという速さと安定感が,この栄光をもたらしたといえるでしょう。今回のチャンピオン獲得により,来季はF3にステップアップし,しかも名門のトムスに所属することになります。なお,ご存知のように,彼は元F1レーサーの中嶋悟氏の息子です。

2003・11・23
☆中止(F1)
○来シーズンのレースカレンダーでは第11戦に組み込まれているフランスGPが,財政難を理由に開催されないことが明らかとなりました。ただし,マニクールサーキットの社長によると,2005年から2009年までの5年間,同サーキットでの開催契約を結んだことを発表しました。1年間は休止ですが,これで一応今回の騒ぎは治まっていくのでしょう。

2003・11・22
☆解雇(WRC)
○プジョーから発表があり,既に来季の契約を結んでいたH.ロバンペラを解雇することになりました。これは,FIAが9月に発表したマニュファクチャーライズポイントは2台しか獲得できないという新しい規定による影響でしょう。プジョーは,この規定が決定する以前に3人のドライバーと来季の契約を済ませていましたから,今回のような解雇劇となってしまいました。ロバンペラからすると,どのチームもほぼ来季の陣容が固まってしまっている中での解雇ですから,今からシートを獲得するのはかなり困難が伴うものとなってしまいます。ましてや,新しい規定により,どのチームも契約するドライバーの数が減っている状況ですから,なおさら難しいでしょう。実際,元チャンピオンのC.マクレーでさえシートを得ることができず,パリダカへと自分の方向を変えざるを得なくなっています。

2003・11・21
☆2年契約(WGP)
○シーズン途中でチームから解雇され,別のチームへ移籍するという波乱のシーズンを終えた宇井陽一が,再びチームを移籍することが明らかとなりました。移籍先は,アプリリアのサテライトチームとして活躍しているアブリッツォです。このチームは,今季125ccクラスでS.ペルジーニが,250tクラスでA.ウェストが活躍したところです。宇井の契約期間は2年間で,参戦するクラスについてはまだ未定のようです。年齢制限のある125ccクラスですから,その制限ぎりぎりの年齢になった宇井としては,250tクラスへステップアップした方がこれからのことを考えると得策といえます。しかし,宇井本人としては,チャンピオンになれそうでなれなかった125ccクラスにまだ未練があるようで,来季125ccでチャンピオンを獲得し,それから250tへステップアップしていきたいという思いもあるようです。どちらの選択がいいのかは何ともいえませんが,今年中には結論を出すとのことです。

2003・11・20
☆卒業(Fポン)
○Fポンのシリーズ表彰式が行われました。その中で,チャンピオンを獲得した本山哲が,来季は国内のレースを卒業し,F1参戦を目指していることを明らかにしました。現段階で具体的なチーム名等は明らかにしませんでしたが,12月の合同テストへの参加を目指して各チームと交渉に入っているようです。JGTCでもチャンピオンを獲得し,まさに国内では向かうところ敵なしという状態です。ですから,ぜひF1へフル参戦してもらいたいという気持ちはみんなにあると思います。しかし,実際にはそう簡単にいかないということも現実としてあります。32歳という年齢が,ネックとなるかもしれません。また,シートが残されたチームは,ジャガー,ジョーダン,ミナルディということになるのですが,やはりトップ争いをするのにはちょっと苦しいでしょう。そして,何より現在のF1は,M.シューマッハのような一部のトップドライバーを除いて,「持参金」なるものが必要です。果たして本山にそうしたお金が準備できるか。もしかしたら,この点が一番ネックとなるかもしれませんね。

☆パリダカから(パリダカ)
○WRCでの来季のシートを獲得することができなかった元チャンピオンのC.マクレーが,ニッサンワークスのマシンを駆ってパリダカにチャレンジすることが発表されました。同チームには,同じく元WRCチャンピオンのA.バタネンもいます。使用されるマシンは,ニッサンピックアップです。今年のパリダカにニッサンから参戦し,瀕死の重傷を負った篠塚健次郎は,サテライトチームからの参戦となりそうです。元パリダカチャンピオンも,ますます参戦する場が縮小していっているようで,やや寂しい感じもしてきます。

☆復活(F1)
○タバコ広告禁止の影響から来季の開催地から外れていたカナダGPですが,開催するための予算などの問題が解決したようです。そこで,この度,国際自動車連盟(FIA)との開催について合意がなされたという発表がありました。

2003・11・19
☆そのまま移行(WGP)
○来季よりドゥカティのサテライトチームとなるダンティーンチームより,新たな発表がありました。既に1人目のライダーとして,N.ホジソンと契約したことは発表済みですが,2人目のライダーとしてR.チャウスとの契約が成立しました。ホジンソンとチャウスは,今季SBKでチームメイトの間柄で,しかもそれぞれランキング1位と2位を獲得したライダーでもあります。当然気心は知れた間柄でしょうし,何よりも速さの点でも申し分ないライダー同士ということになります。参戦初年度にもかかわらず,1勝を含んだ素晴らしいパフォーマンスを発揮したドゥカティですが,来季はさらに今年以上の活躍を予感させる陣容を整えてきています。

2003・11・18
☆異例(F1)
○マクラーレンとメルセデスベンツが,2005年のドライバーを発表しました。「2004年の間違いでしょ?」と思われるかもしれませんが,2005年なのです!!その発表は,かねてから噂にあったことですが,ウィリアムズのJ−P.モントーヤがマクラーレンに2005年に移籍するというものです。1年以上も先の移籍を伴う契約発表というのは,まさに異例中の異例といえるでしょう。モントーヤ自身「来季は,ウィリアムズで全力を尽くす」と発言しているようですが,チームからすれば,翌年にはライバルチームに行くことがはっきりしているドライバーに対して,十分なサポートをすることを躊躇するでしょうし,モチベーションも下がってしまうでしょう。今回発表した狙いの一つとして一つ考えられることは,1年前倒しで2004年からの移籍を実現するために,敢えて発表したのではないかということです。もちろん,これは,あくまでも私の推測でしかありませんが・・・。

☆メキシコも(F1)
○ヨーロッパでタバコ広告禁止の影響からF1開催が怪しくなっているのと反対に,アジアを中心にその他の地域からF1開催を名乗り出てきています。14日付のこのページでインドについて触れましたが,今度はメキシコがその仲間入りを果たしそうな気配です。メキシコ人のF1ドライバーというのは,現段階ではいません。しかし,CARTやIRLなどのアメリカンフォーミュラシリーズには,優秀なドライバーがいますからレースへの関心は高いでしょう。また,かつてはF1が15回ほど開催されたこともありますので,F1についての抵抗感はないでしょう。こんなに立候補する国が多いわけですが,果たしてその中のいくつの国が開催までこぎつけることができるのでしょうか。

☆1年間の休養(WRC)
○来季,古巣のスバルに復帰することが既に決まっているR.バーンズについて,スバルから発表がありました。最終戦直前で体調不良のため棄権したバーンズですが,その原因が「脳腫瘍」であることを自ら明らかにし,スバルとしては1年間彼を休養させ,代わりのドライバーをあてるということでした。脳腫瘍といえば,素人考えでいくと大変な病気ですが,幸いにも手術などの大掛かりな治療は必要なく,対処療法を行うようです。なお,代役のドライバーは,後日発表されます。

2003・11・17
☆ダブルタイトル(JGTC)
○最終戦の決勝が行われました。毎回白熱したレースを展開するJGTCですが,今回もスピンあり接触ありの激しいものとなりました。レース自体は,終盤カルソニックスカイラインとTAKATA童夢NSXの激しい争いとなり,1コーナーでこの時点で2位走行のカルソニックが,1位走行の童夢を押し出してしまうというアクシデントにまで発展しました。幸い両者に大きなダメージはなく,順位が入れ替わったままレースが進行し,その順位でチェッカーとなりました。レース後,その接触は危険行為であるということで,カルソニックに対してペナルティーが科せられ,1ポイントカットとなりました。しかし,この裁定に童夢側が納得せず,現在控訴という段階になっています。
しかし,GT500クラスのチャンピオンには,それまでランキング2位だった本山哲&M.クルム組が3位に入り,ランキングトップだった脇坂寿一&飯田章組が7位に入ったことで,逆転でタイトルを獲得しました。本山にとっては,Fポンとのダブルチャンプということになります。また,GT300クラスも,それまでランキング4位だった木下みつひろ&柳田真孝組が,2位に入ったのに対して,ランキングトップだった山路慎一&西澤和之組が9位に終わったことで,劇的な逆転タイトル獲得となりました。木下はスーパー耐久でもタイトルを獲得していますから,こちらもダブルタイトル獲得となります。また,ニッサンにとっても両クラスを制していますから,こちらもダブルタイトル獲得です。今季限りのGT−Rと来季メインのZの両方がタイトルを取るというのも何かの因縁かもしれません。今季限りといえば,ドリキンという愛称で親しまれた土屋圭一が,今回のレースをもって引退しました。最後のレースは,6位という結果でした。レース終了後には,引退のセレモニーが行われ,師匠ともいえる高橋国光氏からねぎらいの言葉をもらって,感動の涙を流していました。

2003・11・16
☆逆転なるか(JGTC)
○最終戦の予選が,鈴鹿サーキットで行われました。GT500クラスのポールは,荒聖治&J.デュフォア組のスープラが初めて獲得しました。チャンピオン争いをしている2台のマシンですが,まずランキング2位の本山哲&M.クルム組が3番手のタイムをたたき出しました。今回がGT−R最後のレースとなるだけに,逆転チャンピオンへの意気込みに只者ならぬものがあるのかもしれません。ランキングトップの脇坂寿一&飯田章組は,90sに及ぶウェイトハンディがきいたのか,思うようにタイムアップがならず,6番手と3列目からの発進となりました。GT300クラスは,木下みつひろ&柳田真孝組のフェアレディZがポールを獲得しました。来季はこのZがニッサン勢のGT500マシンになる可能性大ですから,ポールトゥーフィニッシュを飾って弾みをつけたいところかもしれません。

2003・11・15
☆海外進出(Fポン)
○既にJGTCは海外での開催を行っていますが,この度Fポンについても海外進出を果たすことができました。その開催地というのは,JGTCと同じマレーシアのセパンサーキットです。これにより,国内フォーミュラの最高峰という位置づけから,アジア最高峰へと発展していく足がかりができたといえるでしょう。今回の決定は,海外進出という側面だけでなく,来季の開催数という観点からも貢献したともいえます。ご存知のように,来季は富士スピードウェイが大幅改修でレース開催ができません。また,MINEサーキットは,親会社の倒産によりサーキットの存在自体が危機に面していました。両サーキットとも年2回Fポンを開催していましたから,悪くすると4戦が一挙に開催できなくなるという感じだったわけです。他のサーキットへその分を振り替えるとしても,同じ場所での開催は,やはり新鮮味にかけ,ただでさえ観客数の減少に頭を抱えているのに,さらにそうした流れに拍車がかかってしまいます。幸いMINEは,玩具メーカーのタカラが買収したため,サーキットの危機はとりあえず免れました。しかし,その買収に伴って改修工事に取り掛かることになりましたから,例年のような2回開催はできず,1戦のみの開催となります。そうした中での今回の決定となりましたから,例え1戦とはいえ,その分のフォローができたことになるわけです。ただし,Fポンを開催した実績のないサーキットでの開催は,正式なレースとして開催できませんから,とりあえず来年の開催だけはエキシビジョンレースということになります。今後のFポンは,中国や韓国,そしてアジアではありませんがほぼ同じエリア内ともいえるオーストラリアでの開催を視野に入れているようです。なお今回の決定に伴い,主催者であるJRPは,来季のレースカレンダーをJAFに提出しています。ほぼ間違いなくこの申請通りになると思いますが,正式に決定し次第このページでお伝えします。ちなみに,セパンは9月19日に予定されています。大分のレースファンにとって一番馴染みのあるMINEは,8月の最終日曜日となっています。

2003・11・14
☆あらたに(F1)
○このところF1開催地に立候補する国が増えてきています。とりわけアジア地域にそういった国が集中している感がありますが,あらたにインドがその仲間入りを果たしました。アジアの立候補が増えるのと反対に,タバコ広告の関係から現在開催されている欧米大陸が開催地から外れていっています。今後もその動きに拍車がかかるものと思われ,インドで実際にF1が開催されるのも,そう遠くない将来実現するかもしれません。噂では,2006年か2007年には実現するかもしれないという観測も出ているようです。なお,その時の会場となるサーキットは現段階では存在せず,今後建設していく予定のようです。

2003・11・13
☆続き(WGP)
○昨日のニュースで書き忘れがありました。スズキワークスもBSへということに関してですが,供給相手の数には,やはり限界があります。そこで気になるのが,プロトンKRへの供給です。もしかすると供給ができなくなるかもしれないわけですが,そうなると影響を受けるのが青木宣篤の去就です。ご存知のように,BSの支援を受けてプロトンKRへ籍を置くようになった経緯がありますので,もしBSの供給先から外れるとなると,そのシートが怪しくなるわけです。果たして,青木のシートは安泰となるでしょうか。

2003・11・12
☆黄信号(F1)
○来季のカレンダーで最終戦に予定されているブラジルGPの開催に黄信号がともりました。これは,ブラジルGPの会場となるインテルラゴスサーキットがあるサンパウロ市の裁判所が,「GP開催は,市の財政に大きな悪影響を与える」という判断を下したからです。さらに,もしこの判断を無視してレースを開催すると,何らかのペナルティーを科すとまで言われてしまってます。当然これからこうした判断を覆すための対策を練っていくことは間違いないと思いますので,現段階では,開催に「黄」信号という風にいえると思います。ただし,チーム関係者,とりわけ財政的に苦しいチームからすると歓迎している人もいるかもしれません。なぜなら,来シーズンはこれまでより1戦増えて全18戦となりました。ですから,当然その分財政的に負担が増えることになるからです。さて,降って沸いたようなこの騒動ですが,果たして結末はどうなるでしょうか。

☆BSへ(WGP)
○F1では,ブリヂストンタイヤの供給チームがミシュランタイヤに年々食われていってしまってますが,WGPでは逆の現象が起こってます。最高峰クラスでレース結果でもシェアの面でも圧倒的な強さを示しているミシュランですが,来季はBSを採用するチームが増えそうな気配です。先日のこのページでもお伝えしたように,カワサキワークスが来季からBSを採用することが既に決定しています。これに加えて,スズキワークスもBSへのスイッチを図っているという噂も出てきています。もしそうであれば,ホンダの一部のチーム,カワサキ,スズキの3メーカーを押さえたことになります。まあ,今シーズンの結果でいうと,それらのチームは表彰台獲得がようやくといった感じではありますが,それだけに来季の奮起の仕方が違うであろうことも予想されます。さて,F1で展開されているBS vs MI戦争ですが,WGPではどのような戦いとなっていくのでしょうか?

2003・11・11
☆噂どおり(WGP)
○MotoGPクラスでチャンピオンを獲得したV.ロッシの移籍先が決まりました。噂では「可能性として99.9%ヤマハへ移籍する」というものでしたが,結果はやはりその通りでした。ロッシとヤマハとの契約は2年間で,チームはヤマハワークスとなり,C.チェカとの組み合わせになります。ただし,スポンサーを含め,カラーリングがどうなるのかはまだ決定していません。また,ヤマハから破格の契約金が提示されているという噂が以前からありましたが,今回の発表ではその点について全く触れられていません。来季の年俸は,恐らく1000万ユーロだろうというのが大方の見方です。これは日本円に直すと13億円弱ですから,当然WGP史上最高金額となります。ロッシがワークスチームに入ったことで,M.メランドリが押し出されることになります。とは言っても,ヤマハ勢の大事なライダーの一人ですから,シートを失うようなことにはならず,ヤマハ系の有力なサテライトチームであるテック3のシートに座ることになります。その相棒が誰になるのかの発表はありませんが,8日のこのページでお伝えしたように,阿部典史がそのシートに座る可能性が一番高くなっています。ただし,今季テック3チームに所属しているA.バロスのホンダへの移籍に関して,契約問題で解決していない部分があるため,現段階での阿部の復活は発表できない模様です。今季は1回しか表彰台に立てなかったという惨敗ともいっていい状況のヤマハでしたが,ロッシの加入によってマシン開発が進み,RC211Vやドゥカティに追いつき追い越せるまでの成績を収めることができるでしょうか。非常に興味深い来年の戦いです。

2003・11・10
☆逆転(WRC)
○最終戦のラリーオブグレートブリテンが開催され,昨年のこの大会で優勝しているスバルのP.ソルベルグが,トップのタイムでゴールして本大会2年連続の勝利,そして今季4勝目を挙げました。2位には,ここまでランキングトップだったシトロエンのS.ロウブが入りました。この結果,ソルベルグがわずか1点だけロウブをポイントで上回り,念願のドライバーズタイトルを逆転で獲得しました。なお,この大会が最後の走りとなるスバルのT.マキネンは,3番手のタイムをたたき出してゴールしています。結局今シーズンは優勝できないままで終わりましたが,主に三菱時代に獲得した数々の栄光は,WRCの歴史に残る素晴らしい記録だといえるでしょう。

2003・11・9
☆IRLへ(IRL)
○名門チームの一つであるチップガナッシが,今季CARTに参戦していたD.マニングと来季の契約を結んだことを発表しました。同チームは,来季のドライバーとしてT.レナと契約を完了していたのですが,このページで先月お伝えしたように,初仕事になるテストでクラッシュし,還らぬ人となってしまいました。その突然空いてしまったシートにマニングが座ることになったわけです。彼は28歳で,2000年から2002年までBARのテストドライバーをした経験もあります。CARTでの今季の成績は,優勝はないものの,オーストラリアラウンドで2位表彰台に立っています。

2003・11・8
☆ヤマハ系日本人の動向(WGP)
○V.ロッシのホンダ離脱及びヤマハへの移籍の可能性大という動きが出てきて,ようやくWGPの体制作りが本格化してきました。昨日は,ヤマハの申し子的な中野真矢がカワサキへ移籍かという驚きの話題をお伝えしましたが,今日もヤマハ系の日本人ライダーの動向をお伝えします。まず,250tクラスで唯一フル参戦している日本人ライダーである松戸直樹が,今年と同じヤマハクルツとの契約を延長しました。大きなハンディを背負ったマシンにもかかわらず,着実にポイントを稼いだその活躍が認められたといえるでしょう。来季は,ヤマハの支援が強まるようですし,デンソーのスポンサーも継続ですから,今年以上の活躍が期待できます。
そして,もう一人の話題ですが,今年は残念ながら開発ライダーという立場での契約のため,レースにはワイルドカードや代役としてでしか参戦できなかったノリックこと阿部典史が,来季はフル参戦ライダーとして契約できそうです。テストライダーとしての頑張りはもちろん,少ない出場にもかかわらず,そのたびにヤマハのライダーではトップの位置を走行したというような活躍が認められた結果ではないかと思います。これで,MotoGPクラスにおけるヤマハワークスのライダーは,既に契約を済ませているC.チェカとM.メランドリに加え,V.ロッシと阿部典史の4人ということになるのではないかと思われます。ただし,その組み合わせがどうなるのかは,今のところ有力な噂はないようです。もちろん,今季と同じタバコブランドのフォルトゥーナとゴロワーズ(どちらも親会社はアルタディス)のスポンサードには変化がないようです。(タバコブランドが嫌いなロッシはどうなるのかも,焦点の一つといえるかも。)

2003・11・7
☆移籍か?(WGP)
○徐々に来年の陣容が決まってきていますが,驚くべき情報も一部に流れてきています。というのは,まだ来季の体制が決まっていない中野真矢に関係することです。中野といえばずっとヤマハに所属しているライダーで,これは国内を走っている頃からそうでした。その中野の来季ですが,今季と同じようにヤマハ陣営にあってなかなか所属チームが決まらない可能性が高いのも事実です。今季も,残り少ないシートを同じヤマハ勢の日本人ライダー阿部典史と争うというような,日本人にとって,そして本人たちにとっても苦しい立場に置かれてしまいました。その中野が,長年親しんできたヤマハから離れ,カワサキへとスイッチする可能性が高くなったというのが今回の噂です。来季のカワサキは,今季テストライダーだったA.ホフマンが昇格するところまでは決まっていましたが,もう一人のライダーについては未定でした。一部では,テストライダーの柳川明が昇格するのではないかという噂もありましたが,今回の噂により,その可能性が低くなったのかもしれません。中野だと,そのポテンシャル,経験,若さ,そして日本語を通して開発を進めることができるという様々な点でカワサキにとってはプラス材料があります。果たしてこの噂は,現実のものとなるのでしょうか?また,このことと関連して,来季も中野とシートを争うであったろう阿部典史の去就が,中野の移籍に伴ってどうなるのかも気になりますね。

☆移籍(WGP)
○5日のニュースでホンダからアプリリアへS.ポルトが移籍したことをお伝えしましたが,今度はそれと入れ替わるような移籍劇がありました。今季250tクラスでチャンピオン争いの一角を占めた20歳のスペイン人ライダーT.エリアスが,ホンダへ移籍することになりました。彼が契約したチームは,最終戦までM.ポッジャーリとチャンピオン争いをしたR.ロルフォが所属しているフォルトゥーナホンダです。つまり,同チームは,来季ランキング2位と3位のライダーが所属することになるわけです。マシンは,もちろん今季と同じようにファクトリー仕様のRSW250です。ここ数年の250tクラスは,アプリリアカップと言ってもいいくらいアプリリアのほぼ独占状態でした。しかし,とりわけ今季はホンダの巻き返しが徐々に現れてきただけに,来季の更なる進歩が期待されます。マシンの熟成はもちろんのこと,チャンピオン争いを繰り広げた3人のうちの2人がホンダ陣営に入ったわけですから,ますます注目に値するクラスになったといえるでしょう。さらに,今季125ccクラスのチャンピオンを獲得したD.ペドロサが,今年と同じチームから同じくファクトリー仕様のRSW250を駆ってステップアップする予定です。今季唯一ホンダがチャンピオンを獲得できなかったクラスが250tですから,もしかしたら力の入りようが違っているのかもしれませんね。

2003・11・6
☆引退(JGTC)
○「ドリキン」の愛称で多くのレースファンに親しまれている土屋圭一選手が,11月16日決勝のJGTC最終戦をもって引退することが彼の所属するARTAより発表がありました。1978年の富士フレッシュマンを皮切りにレース活動へと足を踏み入れ,以来26年間人気レーサーの一人として活躍してきました。その間には1995年のルマン24時間レースにおいてGT−2クラスで優勝を飾ったりしています。2000年から現在所属しているARTAに入り,NSXを駆っています。様々なレースでシリーズチャンピオンをたくさん獲得したわけではありませんが,記録に残るというより記憶に残るというタイプのレーサーでした。また一人ベテランのレーサーが第一線を去ることになり,昔からのレースファンにとって本当に寂しい感じがしてきます。しかし,いずれは誰しも通る道です。ぜひ最終戦では,ドリキンにふさわしいアグレッシブな走りを披露してもらいたいものです。

☆テスト(WGP)
○最終戦バレンシアGP終了後,ホンダ,ドゥカティ,ヤマハ,カワサキ,プロトンKRから11台のマシンがそのままサーキットに残り,合同テストを行いました。トップタイムはドゥカティのL.カピロッシがマークしていて,シーズン中の好調ぶりを維持しています。ドゥカティは,来季用のパーツテストを行っている模様です。ホンダ勢としては,プラマックホンダの玉田誠が参加していますが,同チームからは伊藤真一も参加しています。これは,当然ブリヂストンのタイヤ開発がメインとなっていることでしょう。BSタイヤといえば,今回のテストからカワサキ勢が同タイヤを履いて参加しています。既にチームリリースが先日ありましたが,ダンロップと袂を分かったカワサキは,来季からBSタイヤユーザーの仲間入りすることになっています。
バレンシアと同じスペイン国内にあるカタルニアサーキットでは,テレフォニカモビスターホンダの単独テストが行われました。このテストには,S.ジベルナウはもちろん参加していますが,このたびアプリリアから移籍してきたC.エドワーズがRC211Vの初ライドを行いました。まだ自分仕様のマシンではないものの,いきなり好タイムをたたき出しました。

2003・11・5
☆一緒に(WGP)
○ホンダからの離脱は発表したものの,移籍先がどこになるかがまだ確定していないV.ロッシについて,まだ噂の域は出ないものの驚くべきニュースが流れています。ロッシの移籍先として最も有力なのが,今季ほとんどいいところがなく終わってしまったヤマハです。そのヤマハへの移籍の際,名メカニックとして有名なホンダワークスのチーフメカであるJ.バージェスも一緒に行くというのです。ホンダワークスのチーフメカニックになってからのバージェスは,W.ガードナーで1回,M.ドゥーハンで5回,ロッシで3回,合計9回の最高峰クラスにおけるチャンピオン獲得を経験しています。もしこの噂が本当だとすると,圧倒的強さを誇っているホンダRC211V軍団に少なからず影響が出てくるのではないでしょうか。ただし,WGP全体で考えると,ホンダの一人勝ちという状況が大きく変化する可能性も出てくるわけですから,毎レース混戦模様のおもしろいシリーズになっていくということにもつながり,それはそれでいいのかもしれません。

☆ワークス入り(WGP)
○二人のライダーのワークス入りが発表されました。まず,250tクラスでホンダのマシンを駆って今シーズンを戦ったアルゼンチンライダーS.ポルトが,来季アプリリアファクトリーの支援を受けることになりました。ただし,どのチームからの参戦になるかは決定していません。次に,最終戦で自身初となる勝利を飾った125ccクラスのオージーライダーC.ストナーが,KTMとの契約が成立しました。来季のKTMは,M.カリオ&ストナーというコンビになるわけですが,それぞれ20歳&18歳と125ccクラスならではの若い組み合わせのチームが誕生したことになります。

2003・11・4
☆契約(WGP)
○今季のアプリリアは,C.エドワーズ&芳賀紀行というSBKコンビで臨んだシーズンでしたが,ほとんどいいところがなくシーズンは終了。両ライダーとも契約解消という形で終わってしまいました。そのアプリリアから,S.バーンと契約したことの発表がありました。彼は,今季BSB(英国スーパーバイク選手権)でドゥカティのマシンを駆ってチャンピオンを獲得し,ブランズハッチで行われたSBKではワイルドカードで参戦して勝利したライダーです。果たして来年は,表彰台に立てるようなバイクに仕上がるでしょうか。

2003・11・3
☆離脱(WGP)
○最終戦のバレンシアGP終了後に記者会見が開かれ,V.ロッシのホンダ離脱が発表されました。M.ドゥーハン引退後,4年間にわたってホンダのマシンを駆って最高峰クラスへ参戦。2年目はNSRで,そして昨年及び今年はRC211Vを駆ってチャンピオンに輝きました。一時期は,来季の契約も成立する寸前までいきましたが,その後に状況に変化が現れ,今回の発表となりました。ただ,移籍先がどこになるのかは明らかになりませんでした。ホンダとの契約が今年いっぱいまであります(記者会見では,その契約期間の話題のところで,「契約期間まで2004年型のマシン開発をするよ。」という感じのジョークをとばしていました。)から,発表はまだできないということでした。ということで,来季のことに関する正確なところはわかりませんが,現段階の噂では,ロッシの移籍先はヤマハが最有力です。ロッシがヤマハに行くということは,必然的に誰かがヤマハから出ないといけなくなります。その第一候補は,昨年ホンダ車に乗って大活躍したA.バロスです。ということで,ホンダの陣容は,N.ヘイデン&バロス,S.ジベルナウ&C.エドワーズ(この組み合わせは決定済み),M.ビアッジ&玉田誠の3チーム6人という形になりそう。ヤマハが,ロッシ,C.チェカ,M.メランドリはほぼ確定,それに中野真矢か阿部典史という日本人同士のシート争いということになりそうです。

☆引退(WGP)
○最終戦終了後,もう一つ残念な発表がありました。日本人ライダーの先頭に立って活躍を続けていた宇川徹選手が,今季限りをもって引退することになりました。今年で30歳になり,これを節目に引退を決めたということです。まだまだ第一線で活躍できる力が十分あるだけに,驚きと残念な気持ちで今回の発表を知りました。12年間にわたる第一線での活躍,大変お疲れ様でした。今後の宇川についてですが,はっきりしているのはホンダのテストライダーとしてこれまでの経験を生かしていくことです。もしかしたら8耐への出場なんかが考えられるかもしれませんね。8耐勝利数という個人記録もありますから,ぜひホンダにはそうした方向を出してほしいものです!

☆有終の美(WGP)
○最終戦の決勝が行われ,MotoGPクラスはV.ロッシとS.ジベルナウがトップ争いをするという今季を象徴するようなレース展開となり,最後はロッシがトップでチェッカーを受けました。これで今季9勝目になります。(とりあえず)ホンダでの最後の走りとなったわけですが,有終の美を飾ったことになります。日本人の最高は,負傷したM.メランドリの代役参戦となった阿部典史の9位でした。序盤日本人トップを走行していた宇川徹は,中野真矢とともに5周目にリタイアとなり,現役生活を終えました。唯一チャンピオンが決定していなかった250tクラスは,ランキングトップのM.ポッジャーリが3位でチェッカーを受けました。7ポイント差でランキング2位のR.ロルフォは,予選から苦しい戦いを強いられ,決勝でも7位まで浮上するのが精一杯という状況。この結果,ポッジャーリのチャンピオンが決定しました。仮にロルフォがチャンピオンに輝いていたら,ホンダの全クラス制覇が達成されたところでしたから,アプリリアとしてもホッとしたところでしょう。なお,125ccクラスでは,C.ストナーがGPで自身初となる勝利を挙げました。また,このレースをもって引退する東雅雄は,15位でチェッカーを受け,苦しい戦いを強いられた今季を象徴するかのようなレースとなりましたが,そういう状況にもかかわらず最後のレースでポイントを獲得しました。また,同じく引退するL.チェッキネロは9位に入り,これまたポイントを獲得して現役生活を終えることができました。しかし,1勝もできなくてもチャンピオンに輝いた経歴の持ち主のE.アルツァモーラは,残念ながら24位と最後尾でのゴールとなりました。しかし,そうした不利な状況でも完走したところは,彼の粘り強さが出たともいえるでしょう。皆さん本当にお疲れ様でした。
ところで,ここ数年,いずれかのクラスで日本人が優勝していましたが,今季は結局誰も優勝できないまま終了してしまいました。表彰台にあがることさえようやくといった感じです。スペインやイタリア勢が,常にトップ争いをしていることと比べると何とも寂しい限りです。この両国がうまく世代交代を果たしたのに対して,日本勢はちょうど世代交代のはざまに差し掛かり,不況によるスポンサー確保の難しさも手伝ってこうした状況になっているのかもしれません。もしかしたら,1〜2年先までこの状態が続くかも・・・。一日も早く日本勢の勢いが復活するといいですね。(かえすがえすも,大ちゃんを失ったことが残念でなりません。)

☆オーナーの前で(Fポン)
○最終戦の決勝が行われ,チーム22の脇坂寿一が,ウェットな路面&体調不良という悪い条件にもかかわらず今季2勝目を挙げました。このレースには,シアトルマリナーズの大魔神佐々木投手が来ていました。ご存知のように「チーム22」のオーナーはこの佐々木選手で,「22」というのは彼の背番号です。脇坂はシーズンオフのためレースの場に来ることができたチームオーナーに勝利を捧げることができたことになります。

2003・11・2
☆最後に(WGP)
○最終戦の予選2日目が行われました。MotoGPクラスでは,超ハデハデのカラーリングを施したマシンで登場したV.ロッシが,最終アタックで最速ラップをたたき出すという勝負強さを見せ,唯一の32秒台でポールを獲得しました。明暗が分かれたのがアプリリアで,来季はRC211Vに乗りかえてWGPの場に登場するC.エドワーズが7番手。相性というか,やはりWGPではあまりいいいところがなく来季古巣のSBKに戻るであろう芳賀紀行は22番手に終わってしまいました。日本人最高位は今回も宇川徹で,9番手でした。今回が最後のレースとなる125ccクラスの東雅雄は,何と31番手と苦しい位置からのスタートとなりました。最後のレースといえば,L.チェッキネッロとE.アルツァモーラも今季限りでの引退を発表しましたが,それぞれ15番手,28番手というように,東同様中盤以降からのスタートとなります。

☆サテライト(WGP)
○来季から2チーム体制を狙っていたドゥカティですが,これまでヤマハ陣営の一角を担い,阿部典史や今季は中野真矢が所属したダンティーンチームが,ドゥカティのサテライトチームになることが発表されました。ライダーとしては今年のSBKチャンピオンN.ホジソンは決まっています。ただし,もう一人についてはまだ決まっていません。通常ですと今季唯一同チームから参戦していた中野ということもあるわけですが,ご存知のように中野はヤマハの支援を受けていますから,その可能性は限りなく0に近いものです。果たして誰がその座につくのでしょう。それから,今回の発表の影響を受けるのは,ホンダ陣営もその中の一つです。なぜなら,今季玉田誠が所属しているプラマックホンダは,ダンティーンチームのライダー枠の一つを借りて参戦しています。ダンティーンが二人体制となれば,当然プラマックホンダの参戦枠がなくなることになります。今季7台体制だったホンダが,来季は6台となりますが,実はこの点も考慮の一つになっていたのでしょうね。

☆SS(Fポン)
○最終戦の予選が,鈴鹿サーキットで開催されました。今回の予選は,1回目の予選のトップ6だけが2回目の予選に臨み,1台ずつコースインしてタイムアタックを行うというSS(スペシャルステージ)形式で行われました。これは,Fポンとしては5年ぶりの試みとなります。そして,このSSを制して見事ポールを獲得したのは,前戦でチャンピオンを決めた本山哲でした。来季は海外へと活躍の場を模索している本山ですから,場合によっては日本のフォーミュラレースでは最後のポールということも考えられます。なお,今回のポール獲得者には,賞金100万円が贈られました。

2003・11・1
☆今回も(WGP)
○最終戦バレンシアGPの予選1日目が行われ,MotoGPクラスは,王者V.ロッシが今回も好調で,コースレコード更新まではいかなかったものの暫定のポールを獲得しました。暫定2位には,ロッシの動向しだいでは来季ホンダのエースとなるN.ヘイデンが入り,後半戦に入ってからの好調ぶりを今回も発揮しました。日本人の最高位は,今回も宇川徹で,暫定の7番手に入っています。引退により今回が最終レースとなる125ccクラスの東雅雄は,得意のウェット路面でしたが暫定の13番手でした。

☆来季について(WGP)
○来季についての話題を2つ。まず一つ目ですが,来季についてもっとも重要な役割を果たしているV.ロッシの動向ですが,どうやら今回のバレンシアGPが終了するまで発表がない模様です。レースに集中したいというのがその理由かもしれません。早くわからないと,他のライダーに凄く迷惑がかかってるんですけどネェ・・・。落ち着きそうな場所も,ヤマハかホンダのどちらかであることの可能性が高いのですが,相変わらずドゥカティの線も消えていないようです。
もう一つは,アプリリアについてです。今季C.エドワーズ&芳賀紀行というSBK出身ライダーで固めましたが,来季は両ライダーともチームを離れることが決まったようです。その二人の動向ですが,エドワーズはS.ジベルナウのチームメイトになることがほぼ決まっています。しかし,芳賀についてはまだ決まってないようで,SBKに戻るのではないかというのがもっぱらの噂です。昨年からMotoGPクラスに4ストマシンを投入している同チームですが,小排気量マシンのようには成績が出ていません。今季は,エンジン性能だけでなく,チャターに苦しめられ続けた1年だったようです。バレンシアGP終了後,来季に向けてのマシン開発を,アプリリアのベテランライダーM.ルッキを中心に行うとのこと。果たしていい成果が現れるでしょうか。そして,そのマシンにまたがるライダーは誰になるのでしょうか。

☆休止(JGTC)
○ブランドが復活して以来,レースシーンで活躍を続けてきたGT−Rですが,来季以降JGTCでの活動を一旦休止することがニッサンから発表がありました。ご存知のように,スカイラインGT−Rは,現行型になってから既にブランドがなくなっています。しかし,現在行われている東京モーターショーでもC.ゴーンCEOが発表したように,新型車投入に向けて現在開発が進められていて,ごく近い将来スカイラインから独立した一つのブランドとして復活します。そのことが,今回の発表につながったわけです。ただし,ニッサンがJGTCから一時的に撤退するわけではありません。どうやら,今季GT300クラスに参戦を開始したフェアレディーZのGT500マシンを開発し,それをGT−R復活までのメインに据えるようです。ZもGT−Rも,日本を代表するスポーツカーの一つですから,レースファンとしては,活躍を期待したくなりますね。