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最新ニュース

ここでは,レースに関する情報をできるだけいち早くお伝えします。

2003・1・31
☆ニューマシン
○全く新しく作られたニューマシンに関する話題を2つ。しかも,どちらも同じ東南アジアとイギリスに関係したチーム。ここまで符合するのも面白いですが・・・。イギリス人の元スーパーバイクチャンピオンで「帝王」と呼ばれたC.フォガティーとマレーシアのペトロナスとが組んで起こしたチーム(フォギーペトロナスレーシング)が,今年からスーパーバイク世界選手権に本格的に参戦します。そのチームのニューマシンである「フォギーFP1」が,参戦するための絶対条件であるホモロゲーションを無事獲得することができました。次に,WGPの元世界チャンピオンで,自チームを結成してイギリスに本拠を構えているK.ロバーツのチームについての話題を。今年新たに投入する4サイクル5気筒マシン「プロトンKR」の開発が予定より遅れていましたが,ようやくシェークダウンテストを2月下旬に行うことが決まったようです。計画当初は12月末までの完成を目指していたようですが,ここまで遅れたということは,やはり全く新規のエンジンだけに,シャーシも含めいろいろな困難があったのでしょうね。

2003・1・30
☆安心(WGP)
○タバコブランド「WEST」とのスポンサーシップが終了し,メインスポンサーを失っていたホンダポンスでしたが,かねてからの噂(このページでも以前お伝えしたこともありましたが)通りの新たなスポンサーが発表されました。そのスポンサーとは,ラクダのマークでおなじみの「キャメル」で,契約期間は3年となっています。ポンスチームはイタリアの建設機器メーカー「プラマック」とのジョイントもしてますので,チーム名が「キャメル・プラマック・ポンス」というやや長ったらしいものになります。ライダーにM.ビアッジと宇川徹,マシンがRC211V,そして資金的にも安定したということがありますので,サテライトチームとはいえ,十分チャンピオンを狙える体制が組めたと考えていいでしょう。

☆供給先
○ブリヂストンのモータースポーツ発表会が開催されました。その場において,今季のタイヤ供給先が明らかとなりましたのでお伝えします。まずWGPですが,MotoGPクラスが,青木宣篤&J.マックウィリアムズを擁するプロトンKRと玉田誠が所属するプラマックホンダです。125tは東雅雄が所属するアジョモータースポーツとなっています。次にF1ですが,フェラーリ,ザウバー,ジョーダン,BARの4チームが現時点で決定しています。ただし,昨季ミシュランを履いていたミナルディが,今季はBSに転向するようで,現在交渉中となっています。

☆IRLへ(IRL)
○チーム及びドライバーが,CARTシリーズからIRLへ転向するケースが顕著に現れていますが,スポンサー関係もその傾向にあるようです。1998年から2002年までCARTシリーズのスポンサーを務めた運送会社の大手「FedEx」が,来季IRLのタイトルスポンサーになるのではないかという噂が浮上しています。もしそうなると,シリーズの運営が資金的に安定するのはもちろん,マシン等の輸送がFedExの手によって行われることになるかもしれませんから,こうした点でも非常に便利になりますし,シリーズの海外進出におけるアドバンテージになります。もしこの話が実現したら,早速ツインリンクもてぎでの輸送の際,成田空港にIRLマシンを満載したFedExの飛行機が舞い降りることになりますね。

2003・1・29
☆続・体制発表(GT)
○昨日はNISMOの体制発表についてお伝えしましたが,今日はマクラーレンF1GTRを駆って参戦しているイエローコーンについてお伝えします。お馴染みの黄色いウェアの春夏物の展示会と共に,今季の体制発表も行われました。それによると,マシンはこれまでと同じマクラーレンF1。ドライバーについては,昨季もステアリングを握った田嶋栄一については続投となりました。ただし,もう一人のドライバーであった服部尚貴は,他チームに移籍することが発表されました。その移籍先については,今回の発表の中では明らかになりませんでした。噂では,スープラで参戦しているKRAFTではないかと言われていますが,真相のほどは明らかではありません。服部は,チームから離脱はしますが,パーソナルスポンサーとしてイエローコーンがつくことになりました。そうした新しい動きの一つとして,尾形明紀を擁してアメリカのNASCARシリーズに殴り込みをかけることも発表されました。イエローコーンの持つブランドイメージは,ヨーロッパよりはアメリカという感じがしますので,NASCARのマシンとの相性がいい感じがしませんか?

☆両雄譲らず(WGP)
○3日間にわたってスペインのバレンシアで行われていたヤマハのテストが終了しました。前回スペインのヘレスで行われたテストは,雨にたたられて思うような成果を上げることができませんでしたが,今回は天候に恵まれ,メニューも消化できたようです。それぞれのライダーは,テストメニューをこなすだけでなく,マシンの限界をつかむ走りをしますので,転倒の可能性が高くなります。実際C.チェカをはじめ,新加入のM.メランドリや中野真矢も転倒しています。しかし,どのライダーもたいした怪我をすることもなく走行しました。今回のテストで目を引いたのは,ヤマハのワークスチームのナンバーワンライダーであるチェカと,今季ヤマハ陣営に加わったテック3チームのA.バロスとの争いでした。どちらもヤマハ陣営のナンバーワンの座を狙っていますので,サーキットベストを更新したりして激しい争いが展開されました。結局どちらも1分32秒台のタイムを刻み,「両雄相譲らず」という形で終了しました。

☆大魔神へ(Fポン)
○「大魔神」こと大リーグシアトルマリナーズの火消し役である佐々木主浩がチームオーナーを務める「TEAM22」の体制発表がありました。昨季から参戦を始めた新チームですが,2年目の今年は体制に変化が出ました。まずドライバーは,昨年ARTAから参戦して1勝をあげた脇坂寿一がステアリングを握ることになりました。また,マシンのメンテナンスを名門チームである「ルマン」が担当します。今回の発表では,脇坂一人しか名前が挙がりませんでしたが,もう一人ドライバーを起用するのではないかといわれています。

2003・1・28
☆A1も(F1)
○タバコ広告禁止措置に対抗する形で,昨シーズンをもってスパフランコルシャンを舞台に繰り広げられてきた伝統のベルギーGPがカレンダーから消えました。同様の理由から,今シーズンをもってA1リンクで行われるオーストリアGPが終了することになりました。A1リンクとの契約は2006年までとなっていたのですが,その契約を破棄して今回の措置がとられます。ヨーロッパにおけるタバコ広告禁止の影響が徐々に広がりを見せ,さらに今後ますますその範囲の広がることが予想されます。ヨーロッパでの開催が縮小傾向にあるのに対して,他の地区での開催が今後予定されています。2004年からは上海とバーレーンで,2005年からはイスタンブール(トルコ)とロシアというように中東及び東アジアへのシフトが加速していきそうです。

☆スポンサー獲得(F1)
○スポーツウェアで有名なPUMAとミナルディとの間で,2年間の契約が成立しました。これは,チームウェアの無償提供という形のスポンサー契約です。これによってチーム員及びドライバーの着る耐火スーツなどを含めたすべての服がPUMA製となります。予断ですが,皆さんは,ジャガーとPUMAのロゴは似ていると感じません?

☆体制発表(GT)
○ニッサン及びNISMOから,今年のJGTCでの体制を発表しました。それによると,昨年の本山哲,ミハエル・クルム組に加えて,今年はイギリス人ドライバーであるダレン・マニングが新たにNISMOに加入して,影山正美とタッグを組み,スカイラインGT−Rで参戦します。また,星野一義のチームインパルからは,昨年フランスF3に出場していた井出有治が,ブノワ・トレルイエとペアを組んでGT500クラスに初挑戦します。GT300クラスには,木下みつひろ選手を迎えたハセミ・モータースポーツが,新型発表以来販売面でも絶好調のZ33フェアレディZで出場します。体制をまとめると,以下の表のようになります。

クラス GT500 GT300
チーム名 NISMO TEAM IMPUL ハセミ・モータースポーツ
マシン R34 スカイラインGT−R R34 スカイラインGT−R Z33 フェアレディーZ
ドライバー 本山  哲
ミハエル・クルム
ダレン・マニング
影山 正美
ブノワ・トレルイエ
井出 有治
木下 みつひろ
柳田 真孝


2003・1・27
☆雪辱(WRC)
○WRCの開幕戦モンテカルロラリー最終日が行われ,シトロエンのS.ローブが優勝しました。初日トップに立ったM.グロンホルムは,2日目のSS9でクラッシュし大きく後退。代わってS.ローブが2日目からトップに立っていたのですが,その座を見事に守りきりました。昨年のこのラリーの優勝者はT.マキネンでしたが,トップタイムでゴールしたのは今回優勝したローブでした。ところがサービス禁止区間でタイヤ交換をしてしまい,そのペナルティーにより2位に順位を下げる結果となっていたのです。本人の責任ではない部分でのペナルティーでしたから,何とも気の毒な結果となっていたのですが,今年はその無念を自らの手で晴らしたことになります。なお,2位と3位には,それぞれシトロエンのC.マクレーとC.サインツが入り,シトロエンの「ワンツースリーフィニッシュ」となっています。
ところで,欧州ラリー選手権の開幕戦「アークティック・ラップランド・ラリー」に出場したM.ハッキネンですが,165台中29位という成績でゴールしました。全く初めてのラリーでのこの成績ですから,さすが「一芸に秀でた」人は,やることが違いますね。

☆2段階か(F1)
○昨年のフェラーリは,序盤戦を2001年型で乗り切り,途中から優勝マシンであるF2002を熟成させた上で投入するという作戦を取りました。そうした方法を今年はマクラーレンがとるのではないかという情報が流れています。十分風洞実験を通して開発を進め,第5戦のスペインGPから新型マシンMP4−14を投入するとのことです。昨年のフェラーリがそうした作戦が取れたのは,F2001の性能が他のマシンよりかなりアドバンテージがあったので次の年の序盤戦に使えたから。フェラーリの圧勝を許した昨年のマシンで第4戦まで戦うというのは,開幕前からすでにチャンピオンをあきらめたとしか思えませんが皆さんいかがでしょう?

2003・1・26
☆開幕(WRC)
○国際レベルの大会の先頭を切って,世界ラリー選手権(WRC)が開幕しました。第1戦は,モンテカルロラリーです。この大会は,スバルのT.マキネンが4連勝中で,ニューマシンのインプレッサを駆って5連覇を期待されての開幕となりました。ところが,初日からいきなりのアクシデントが発生。何とT.マキネン&P.ソルベルグのスバル勢が,両者共にリタイアという最悪の開幕戦となってしまいました。マキネンは,SS(スペシャルステージ)3でブレーキトラブルが発生し,その影響からSS5で無念のコースオフ。レースに戻ることができず,そのままリタイアとなりました。ソルベルグは,2番手のタイムをたたき出して上々の滑り出しを見せていたものの,こちらも同じSS5でコースオフして橋と激突。マシンのダメージが大きくリタイアとなってしまいました。そうしたスバル勢を尻目に,初日のトップタイムをたたき出したのが,昨年のチャンピオンであるプジョーのM.グロンホルムでした。2位に入ったシトロエンのS.ローブに20秒強の差をつけています。

☆デビュー
○F1の元チャンピオンM.ハッキネンが,ラリーでデビューしました。これは,フィンランドのロバニエミで開幕した欧州ラリー選手権の開幕戦「アークティック・ラップランド・ラリー」に三菱のランサーセディアを駆って,ゲスト枠で出場したものです。タイムを縮めるためにはできるだけマシンを滑らさないように走るF1に対して,タイトなコーナーをドリフトさせながらクリアしていくラリーというように,大きな走りの違いを要求されるだけに,かなり苦戦するものと予想されていました。ところが,序盤は慎重な走りを見せていたものの,走りに次第に慣れてくるにつれてペースアップ。結局初日は165台中の40位でゴールしました。さすがにF1の時のようなトップ争いに加わるというわけにはいきませんが,生まれて初めてのラリーにしては上々の結果を出しています。

2003・1・25
☆イギリス人ドライバー(F1)
○有力な候補の一人であったE.アーバインとの交渉が決裂したジョーダンチームの残りのシートですが,いまだに誰がその座につくのかが不明です。これまでにも様々な名前が取りざたされていますが,どの人も大きな決め手を欠くようです。アーバインの離脱により,候補の一人がいなくなったと思っていたら,新たな人物の名が浮上してきました。その人は,昨年のFポンチャンピオンR.ファーマンです。ジョーダンの2つ目のシートを得る決め手は,これまでにもお伝えしているようにスポンサーマネー。今のところシート獲得の最右翼はF.マッサですが,スポーツドリンクメーカーのレッドブルとの関係からE.ベルノルディも有力な候補の一人。イギリス人であるファーマンの決め手は,イギリスのタバコブランドB&H。実は,「アーバインの離脱はB&Hの増資が期待できないことを意味しているのかな」と私は勝手に思い込んでいたのですが,今回ファーマンの名前が浮上したことで,その予測が間違っている可能性も出てきました。各チーム共にテストが盛んに行われています。チームのためにも,そしてドライバーのためにも,早く決定がなされる必要がありますね。

2003・1・24
☆王者の貫禄(F1)
○スペインのカタルニアサーキットにおいて,フェラーリ・BAR・ジャガー・ジョーダンの4チーム合同のテストが行われました。2日間での最速タイムは,やはりというべきかフェラーリのM.シューマッハがたたきだしました。シューマッハは,初日にいきなりコースオフするというらしくない走りがあったのですが,最終的には来るべき人が来るという感じです。2番手には僚友のR.バリチェロが入りました。そして,3番手のタイムをたたき出したのが,BARの元F1チャンピオンJ.ビルヌーブでした。僚友のJ.バトンとは一切会話がないというピリピリムードでの走行でしたが,やはり元王者らしく結果はきちんと出してきます。なお,残り2チームのジャガーとジョーダンは,それぞれにトラブルが発生してまともに走行することができませんでした。去年から続いている悪い流れが,ここでも出てきた印象です。

☆引退(F1)
○唯一決まっていないF1のシートがジョーダンのシートですが,その座に着く一番手と目されていたE.アーバインが,ジョーダンとの交渉の決裂を明らかにしました。ということは,1993年にジョーダンチームでスタートした彼のF1人生が,ジョーダンチームとの交渉決裂で終焉を迎えたことになります。日本で走っていただけに,日本人に馴染みの深いドライバーの一人が去るというのは,とても寂しい気がしますね。なお,ルマンに参戦しているチームからのオファーがあるという噂も出ています。今年の彼の活躍の場は,もしかしたらそこになるのかもしれません。

2003・1・23
☆変更(F1)
○1月17日付のこのページでお伝えしたように,国際自動車連盟(FIA)がコスト削減に向けて大改革を提唱しました。しかし,十分予想されたことではありますが,参戦する多くのチーム及びドライバーからは大ブーイング。そこで,FIAとF1のチーム代表との話し合いが持たれ,2003年のレギュレーションに関する決定がなされました。ここでは,先日のFIA発表と変更になった部分だけお伝えします。
マシンからピットへのテレメトリー(遠隔操作)の送信禁止は2004年から実施,データロガーは2004年から全チーム共通のものに変更,チームとドライバー間の通信はFIAと放送も受信していいという条件で使用許可,レースカーが損傷した場合に限り3台目のスペアカーの使用許可,パルクフェルメでの保管については監視下に置いた上であればガレージでも許可,トラクションコントロールとオートマチックギヤボックスは今シーズン途中のイギリスGPから廃止,ラウンチコントロールはマニュアル操作のクラッチ・システムを各チームに供給された段階で禁止

☆チーム結成(Fポン)
○スポットでF1に出場したことのある野田英樹が,自動車部品をはじめ海外の様々な商品を扱っている「カロッツェリア・ジャパン」と手を組み,新チーム「Team MOHN」を結成して,Fポンの2003年シーズンに参戦することを正式に表明しました。若いころからヨーロッパやアメリカで腕を磨くという,当時としては異色な方法をとっていた野田らしい新たな試みといえるでしょう。なお,正式な記者発表は,2月26日に行われます。その場で,もっと詳細なチーム体制などが明らかになると思われます。

2003・1・22
☆合格?(F1)
○国際自動車連盟(FIA)が定める側面衝突の基準を満たすことができず,今年のマシン「R4」の完成がどうなるか心配されていたジャガーチームですが,当初の予定通り,ウェブ上での新車発表会を行うことができました。つまりこれは,クラッシュテストを合格したことを示すことになります。また,新車発表だけではなく,今年のチーム体制も当時に発表されました。昨シーズン終了後,チーム代表のN.ラウダが突然解任され,その公認が誰になるのか諸説出ましたが,結局は昨日の発表でもその後任が明らかになりませんでした。もしかしたらチーム代表というポストが不在のまま今シーズンを乗り切っていくのかもしれません。さらに,チーム代表だけでなく,テクニカルディレクターやチーフデザイナーという他チームでは重要視されているポストについても,今回の発表の中に入っていませんでした。そのぞれの部門の総責任者がいないという形での運営となるわけですが,果たしてうまく機能していくのでしょうか?

☆エースの登場(WGP)
○昨日お伝えしたようにホンダ&ドゥカティがマレーシアのセパンサーキットでテストを行っていますが,スペインのヘレスサーキットでは,ヤマハのテストが始まりました。そのテストでのトップタイムをマークしているのは,ホンダがV.ロッシ,ドゥカティがL.カピロッシ,ヤマハがホンダポンスからヤマハテック3に移籍してきたA.バロスとなっています。つまり,それぞれの陣営のエースがトップタイムをマークして,その貫禄を見せたことになります。ヤマハについては,ワークスチームのエースライダーがC.チェカですので,ヤマハ陣営のエースもチェカという考え方もあるとは思いますが,これまでの実績,とりわけMotoGPクラスが発足した昨年の走りから判断すると,やはりバロスがヤマハ勢のトップと考える方が自然だと思います。このテストは今日も行われます。果たして,エースの座を脅かすタイムをたたき出すライダーが現れるでしょうか。

2003・1・21
☆規制もマイルド?(F1)
○ルノーの新型マシン「R23」のお披露目が,スイスのルツェルンで行われました。フランスのルノーがスイスで行うというのは,考えたらちょっと不思議なこと。ザウバーであれば,スイスのチームなので何ら不思議はないのですが・・・。その真相は,どうやらタバコ広告が関係しているようです。ご存知のように,ルノーチームの前身であるベネトン時代から,メインスポンサーの一つが日本タバコ(JT)のナンバーワンブランド「マイルドセブン」でした。欧州連合(EU)は,タバコ広告の規制を行っていますし,全面禁止措置が近い将来(2006年か?)行われることになっています。タバコ広告の規制の一つに,「マイルド」とか「ライト」とかいう言葉を使うのを禁止していることがあります。ところが,スイスは今のところEUに加盟していませんから,こうした規制の範囲外となりますので,JTの顔が立つことになります。これを狙ってスイスでの開催となったようです。今回の発表では,JTとの契約延長も発表されています。契約期間は,規制が行われる2006年までとなっています。ただし,5年間延長という情報も流れています。

☆合同テスト(WGP)
○マレーシアのセパンサーキットで,ホンダとドゥカティの合同テストが始まりました。今年からMotoGPクラスに参戦を開始するドゥカティにとって,去年のチャンピオンマシンを擁するホンダ勢とテストを行うというのは,大変有意義なものであると言えると思います。このテストには,ホンダRC211Vを駆ることになっているライダーが勢ぞろいしました。その中でのトップタイムは,日本人の中で最もチャンピオンに近いと言われている加藤大治郎でした。その加藤の幼なじみである玉田誠も参加していますが,何せ初めてのWGP,初めてのマシン,初めてのチーム,初めてのテストというように,何もかもが初めてですから,まずいろいろなことに慣れるのが先決問題。ということで,加藤とのタイム差が約4秒もついていました。ドゥカティのナンバーワンライダーであるL.カピロッシのタイムは,加藤からたったのコンマ1秒遅れ。今年の活躍を十分感じさせる走りを披露しました。なお,M.ビアッジ&宇川徹というチャンピオン候補の一角のライダーを擁しながら,ドイツのタバコブランド「West」が去ってスポンサー喪失の危機に瀕していたホンダポンスですが,ラクダのマークでおなじみの「キャメル」がメインスポンサーに決定したとのことです。

2003・1・20
☆連覇(パリダカ)
○19日間,850kmにも及ぶ過酷なレースが終わりました。前日,レース全体のほとんどを支配していたS.ペテランセルのトラブルにより,辛抱の走りをしていた増岡浩がトップに浮上。最終日は,これまでの貯金を生かして堅実な走りをして35位でゴール。総合トップの座をしっかりキープしてレースを終え,昨年に続いての連覇を達成しました。連覇を達成したのは,日本人としては初の快挙になりますし,大会の歴史を振り返っても,これまでA.バタネン,P.ラルティーグ,J−L.シュレッサーの3人しか達成したことのない大記録になります。ペテランセルのトラブルによる優勝という側面はあるものの,増岡自身もミスコースやパンク6回という大きなトラブルを乗り越えての優勝ですから,十分勝者に値するものであることには変わりありません。三菱勢は,レース前の下馬評どおりその力を発揮し,1〜4位を独占しました。ただし,今年から本格的に参戦を開始した他のワークス(日産,VW,BMW)が,しっかりとトップ10に入っていますので,来年以降さらに厳しいレースが待っているのではないかと思います。なお,ダカールラリーには2輪やトラック(カミオン)も参加していますが,このHPでは全く取り上げていませんでしたので,最終結果だけお伝えします。2輪は,KTMのマシンを駆るR.サンクトが優勝。KTMは表彰台を独占しています。ただし,ワークス参加はKTMしかありませんが・・・。今年からWGPへも本格的に参戦を開始するKTMですが,果たしてダカールラリーのようにいい結果が出るでしょうか。カミオンは,カマズのマシンを駆るV.チャギン&S.ヤコウボフ&S.サボスチン組が優勝。3位にもカマズのマシンが入っていて強さを発揮しています。

☆初ライド(WGP)
○2輪,4輪を問わず,スペインのサーキットを中心にあちらこちらで今年のマシン開発のためのテスト走行を行っています。スペインのヘレスサーキットでは,WGPに参戦するアプリリアチームのテストが行われていますが,今年のマシンの初ライドを行っているライダーがいます。そのうちの一人が,WGPにカムバックしてきた芳賀紀行です。チームメイトのC.エドワーズはすでに初ライドを済ませていたのですが,自身の結婚式のため芳賀の初ライドはこの機会まで延び延びになっていました。そうした違いもあってか,エドワーズは自己ベストを更新しているのですが,芳賀はかなり苦戦を続けていて,エドワーズのタイムから2,3秒遅れといった状態です。もう一人初ライドを経験しているのは,一昨年ジレラのマシンを駆って125tクラスでチャンピオンをとったM.ポッジャーリです。今年からアプリリアにマシンチェンジをして250tクラスにステップアップを開始しました。これまでのテストは,昨年のチャンピオンマシンであるM.メランドリのマシンを走らせていました。ポッジャーリにとって初物尽くしのせいもあるのか,二日連続して転倒を喫しています。芳賀にしろポッジャーリにしろ,一日も早く新しいマシンを自分のものにできるといいですね。

2003・1・19
☆下駄を履くまで(パリダカ)
○勝負事は下駄を履くまでわからないと言われていますが,そのことを実感させる結果がダカールラリーの18日目に起きました。18日目というのは,この日を入れて残り2日という正に大詰め。最終日は,パレードラン的な意味合いが強いですから,レースとしては実質的に最終日と考えてもいいと思います。総合トップに立っていたS.ペテランセルとしては,2位に大差をつけていましたし,チームオーダーも発令していたでしょうから,勝利をほぼ確信していたのではないかと思います。ところが,ゴールまで約50kmというところで,左フロント部分を岩にぶっつけ,左サスペンションを破損。処置を施して何とかゴールまでたどり着いたものの,この日の成績はトップから3時間弱遅れの42位でゴール。総合でも4位に後退してしまいました。2輪時代にヤマハワークスのマシンを駆って優勝した経験がありますので,2輪・4輪のどちらとも王者になるという快挙成し遂げるところだったのですが,残念ながら指の間からするりと抜けていきました。代わって総合トップに立ったのは,2連覇を狙う増岡浩。チームオーダーが出ているせいもあるでしょうが,この日も堅実な走りでトップから8分遅れでゴール。総合では,2位のJ−P.フォントネに1時間54分以上の差をつけています。今年も様々なドラマが展開されたダカールラリーですが,今日いよいよ最終日が行われます。

2003・1・18
☆変化なし(パリダカ)
○ダカールラリーの15日目が行われ,この日は,「砂漠のライオン」という異名をもつ日産のA.バタネンがトップタイムをマークしました。彼自身今大会で3度目のトップでのゴールとなります。総合1位のS.ペテランセルは,この日も堅実な走りで6位でゴールし,依然として総合トップの座を守っています。総合2位の増岡は5位でゴールし,トップとの差が若干縮まりましたが,順位に変動はありません。このところ三菱勢はトップ5を独占しているのですが,その状況も変化なく進んでいます。

☆引退か(IRL)
○元CARTチャンピオンで,元F1ドライバー(マクラーレン)でもあるM.アンドレッティが,インディー500を最後に引退する決意を固めた模様です。今季のアンドレッティは,自らのチーム〈AGR(アンドレッティ・グリーン・レーシング)〉を率いてIRLに戦いの場を移します。CARTでナンバーワンの人気を誇るドライバーだけに,この動きにかなり驚きましたが,それだけCARTの力が弱まったのだと感じさせました。アグレッシブな走りを身上とするだけに,見ていてスカッとさせてくれるドライバーが一人いなくなるのは寂しい感じがしますね。

☆不合格(F1)
○ジャガーの今年のマシンである「R4」が,FIAが定めている衝突安全基準に通らなかった模様です。問題となったのは,横からの衝撃に対する強度との情報も流れています。もしこれが本当なら,当然車体の見直しをしなければならず,1月21日に行う予定の新車発表会に遅れることになってしまいます。今回の新車発表は,皆さん大変よくご存知のYAHOOと手を組んで,ウェブ中継を交えて行われることになっていますので,今回の不合格ということは痛手が大きいと思います。果たして21日までに間に合うのでしょうか?なお,ウェブ中継のURLは,http://www.yahoo.co.uk/jaguarlaunchです。イギリス時間の21日午前8時から行われる“予定”だそうです。

2003・1・17
☆チームオーダー(パリダカ)
○いつ何が起こるかわからないダカールラリーですから,場合によってはチームオーダーが出るケースがあります。これまでの三菱も,ある一定の段階まできたら,チームオーダーが出て,その順位をキープすることがしばしばありました。1位と2位にかなり明確な差が出た今年も,どうやらオーダーが発せられたようです。274kmで争われた第14ステージにおいて,総合1位につけているS.ペテランセルが6位でゴールし,その座をキープしました。そのペテランセルを追っている増岡浩は,この日7位,つまりペテランセルの次の順位でゴールするという走りで総合2位座を守り,相変わらず三菱のワンツー体制を維持しています。

☆大改革(F1)
○昨シーズンはじめのプロストチーム,そして昨シーズン終了後のアロウズというように,コストが上昇したため,解散に追い込まれるチームが出てきています。今シーズンも,資金的に苦しい運営になっているジョーダンがいまだにセカンドドライバーの発表をしていません。そうしたことから,コスト削減のために今年から順次行われる大改革が,国際自動車連盟(FIA)から発表されました。その主な内容は,次の通りです。
車両とピットとの間で行われているテレメトリーの禁止,チームとドライバーとの無線のやり取りの禁止,スペアカーの廃止,予選終了から決勝レースまでの間は保管場(パルクフェルメ)で保管する,トラクションコントロールやラウンチコントロール及びオートマチックギヤボックスの禁止,標準のブレーキシステムとリヤウィングの装着,エンジンのライフの延長,F1に参加する自動車メーカーのエンジンをすべてのチームに供給
この決定を聞いたカタロニアサーキットで合同テストを行っているスタッフからは,やはり批判的な意見が続出したようです。

2003・1・16
☆連覇黄色信号(パリダカ)
○ダカールラリーの第13ステージが終了し,総合2位の増岡浩は,この日6位でゴール。それに対して総合トップのS.ペテランセルは,手堅く5位でゴールしましたので,1位と2位との差がさらに拡大して,約26分となりました。残りの日程から考えると,タイム差を縮めていかないといけない立場の増岡が,逆に離される状況になっていますので,連覇がかなり厳しくなっていると考えていいでしょう。ところで,トヨタのマシンを駆って参戦している元F1ドライバーの片山右京ですが,前日に砂の崖のようなところから落下して前部から転倒し,マシンを大きく破損したため無念のリタイアを喫してしまいました。ただし,幸いなことに,ナビゲーターも含め無傷でした。

2003・1・15
☆厳しい?(パリダカ)
○ダカールラリーの後半戦がスタートしました。総合トップで前半戦を折り返したS.ペテランセルが,この日もトップタイムをマーク。2位に入った僚友の増岡浩との差がさらに広がり,24分以上の差となりました。残りのレースを考えると,2連覇を狙う増岡としてはかなり厳しい状況と考えていいと思います。

☆新車発表(F1)
○BARの体制発表がスペインのバルセロナであり,03マシンである「BAR005」が披露されました。このマシンは,昨年の途中にテクニカルディレクターとして加入したG・ウィリスが手がけたものです。全体的にほっそりとした印象で,昨年型と比較するとさらに軽量コンパクトで低重心化されたつくりになっています。また,前後サスペンションがすべてカーボン・ファイバー製になり,ギアボックスケースがアルミニウム鋳造になるなど様々な改良が施されています。ホンダの新エンジンRA003E V10エンジンは軽量化,小型化され,パワーとトルクの増大を実現しているとのことです。今年からホンダの発言力が強まり,チームと共にシャシー開発にも力を入れていくことになっています。さらに,BARのオフィシャル・スポンサーになり,リアウィングに大きく「HONDA」のロゴが入るようになりました。この発表会で注目されたことがほかにもありました。通常,そのチームのナンバーワンドライバーがお披露目の時にステアリングを握るのですが,今回担当したのは新加入のJ.バトン。本来ですと,この役はJ.ビルヌーブが担当するはず。いろいろとチームに波紋を投げかけているビルヌーブの影響力が,ますます衰えてきているのが実感される出来事と言えるでしょう。
なお,この日は,ジョーダンの「EJ14」がシルバーストンサーキットで,ザウバーの「C22」がカタロニアサーキットで,それぞれシェークダウンテストを行っています。

2003・1・14
☆改修工事
○ちょうど1年前の鈴鹿サーキットは,大改修工事の真っ最中でした。その大改修によってコースレイアウトに変更が加わったわけですが,最近のマシン性能向上に合わせて今回新たな改修工事に取り組んでいます。対象となっているのは,コースの最後の部分で,鈴鹿サーキットの中でも抜きどころとして有名な地点の「130R」と「シケイン(カシオトライアングル)」です。まず130Rですが,その名の通り半径130mのコーナーでしたが,今回の改修工事によって,85Rと340Rの複合コーナーとなります。また,シケインは,2輪用と4輪用の2種類を設けることになりました。そのため,コース全長が,2輪と4輪とでは17m2輪のほうが長くなります。果たして今回の改修によって,どのような新しいドラマが生まれるのでしょう。

☆新チーム結成(CART&F1)
○元BARの代表C.ポロックが,CARTのパクウェストチームを買収して新しいチームを結成することが明らかになりました。このポロックは,元F1チャンピオンでBARのJ.ビルヌーブのマネージャーでもある人。もっと言うと,ビルヌーブの学生時代の恩師でもあります。かねてからビルヌーブのBAR離脱が噂にあがっているのですが,その動きに何らかの影響を与えそうな今回の新チーム結成。しかも,ビルヌーブがBARの初テストへの参加を拒否したということも明らかとなっていますので,チームとの不協和音がますます響き渡っている中での今回の動きですので,余計にそういった感をもたざるを得なくなってしまいます。もっとも,ビルヌービが離脱すれば,代わってシートにつくのは佐藤琢磨なんですけどね・・・。

2003・1・13
☆前半戦終了(パリダカ)
○休息日前日となる第11ステージが行われました。前日トップとの差を若干詰めた増岡浩でしたが,この日のステージは3位のタイムでゴールし,総合トップのS.ペテランセルがトップタイムでゴールしたため,その差が再び広がってしまいました。これで前半戦が終了。16分以上の差はやや苦しい感じがしますが,何かが起きる危険性を秘めているのがダカールラリー。後半戦での増岡の巻き返しを期待しましょう!

☆全席うまる(WGP)
○MotoGPクラスで唯一空席となっていたWCMチームのもう一つのシートに,何と,125tや250tクラスで活躍したドイツ人ライダーR.ワルドマンがつくことになりました。昨年はワイルドカードで250tクラスに出場しましたが,年齢が36歳ということもあって,引退するというのが大方の見方でした。ところが,ここにきての最高峰クラスへの参戦です。ただ,もう1人のライダーであるC.バーンスは,新人ということもあってマシン開発という面でかなり不安が残りますので,今回の超ベテランの起用は理にかなったもの。チームロバーツから参戦するJ.マックウィリアムスとともに,「ベテランパワー」を発揮していってくれるとおもしろいですね。

☆HRCとの契約が(WGP)
○今年からR2−1の最高峰になるJSB1000クラスには,ワークスでの参戦が禁止されています。そのため,去年ワークスチームからスーパーバイクに参戦していたライダーが,様々な形に異動せざるを得ない状況となっていました。その中で,チャンピオンも経験したことのあるホンダのエース玉田誠の去就が注目されていましたが,かねてから話にあがっていたように,RC211Vを駆って「プラマックホンダ」から参戦することが正式に発表されました。当初は,HRCから250tクラスに参戦するような動きがありました。そこにプラマックとブリヂストンのジョイントの動きが浮上。ポテンシャルの高いライダーである玉田にブリヂストンから要請があり,今回の契約が成立しました。ということで,宇川徹や加藤大治郎はHRC契約での参戦ですが,玉田の場合はHRCから離れての参戦ということになります。
「HRCから離れた」といえば,長年HRCと契約し,昨年もWGPにワイルドカードで2回出場した伊藤真一が,昨年でHRCとの契約が終了しました。国際A級にあがったときからずっとHRCと契約し,R2−1でのチャンピオン獲得,鈴鹿8耐での優勝,ロスマンズカラーでのWGP参戦と,数々の功績を挙げたライダーだけに,とても寂しい思いがあります。今年は,このページでも既にお伝えしたようにホンダ系の有力チームであるTSRからJSB1000に参戦することと,ここ数年続いているブリヂストンの開発ライダーを務めることになっています。なお,テストの方が優先されますので,スケジュールによってはR2−1に全戦出場というようにはいかないかもしれません。



2003・1・12
☆意地(パリダカ)
○ダカールラリーの10日目は,521qのステージ。前日に前代未聞の6回パンクを経験し,トップに大差をつけられてしまった増岡浩が,この日は意地の走行をしてトップでゴール。総合1位のS.ペテランセルとの差を3分だけですが縮めることができました。

☆ルノーへ(F1)
○昨シーズン終了後にトヨタを解雇されたA.マクニッシュが,ルノーのテストドライバーとして契約したことが明らかとなりました。ルノーは,今年から施行されたルール(シーズン中のテストを10日以内に制限する変わりに,グランプリ初日の金曜日に走行できるというもの。これによって,資金的に厳しいチームは,テストにかかわるお金をある程度節約できる。)の適用を受けますので,レース本番ではありませんが,金曜日にサーキットへ行けば,マクニッシュの走りが見られることになります。

2003・1・11
☆弔い合戦?(パリダカ)
○ダカールラリーの9日目は,567qにも及ぶステージとなりました。そのステージでトップタイムをマークしたのは,前日激しいクラッシュを演じ,一時は重体という情報まで流れた篠塚健次郎の僚友A.バタネンでした。正に,リタイアを余儀なくされた篠塚の無念を晴らすための走りといった感じです。なお,総合トップとの差を6分に縮めた増岡浩ですが,この日は8位に沈み,総合でもトップのS.ペテランセルとの差が17分弱まで広がってしまいました。
ところで,篠塚の容態ですが,鼻骨,ほお骨,額の骨折という重傷を負ってしまいましたが,意識を取り戻し,生命には別状ないということです。

☆復帰(F1)
○一つ空席となっていたミナルディのシートに,ベネトン,シムテック,アロウズ,ティレル,スチュワートから参戦した経験のあるJ.フェルスタッペンが座ることが発表されました。契約は1年です。これで,今シーズンの残りのシートは,ジョーダンの1つだけとなりました。

☆マシンチェンジ(JGTC)
○昨年のGT300クラスを制したARTAが,マシンチェンジすることを発表しました。昨年はトヨタのMR−Sを駆って王座につきましたが,今シーズンはメインスポンサーであるオートバックスが独自に開発して市販している「我来也(ガライヤ)」での参戦となります。車自体は,オートバックスのCMに登場していますから,ブラウン管を通してご覧になった方が多いのではないかと思います。このマシンのエンジンは,さすがに自社開発というわけにはいかず,日産の水冷4気筒2000CCエンジンを搭載しています。今回の発表の中では,このマシンを使ってルマン24にも参戦する計画があることも公表しています。チームオーナーの元F1ドライバー鈴木亜久里は,マッチこと近藤真彦が計画しているオールジャパンのルマンプロジェクトでレーサーとして参戦することがすでに決定していますから,非常に忙しい日々を送ることになるのではないでしょうか。

2003・1・10
☆クラッシュ(パリダカ)
○残念なニュースです。前日総合3位に再浮上していたニッサンの篠塚健次郎が,8日目の373q地点で激しくクラッシュ。顔面を激しく強打し,ヘリコプターでメディカルセンターへ運ばれるという不運に見舞われました。命には別状ないようですが,出血がかなり激しい状態だそうです。一昨年も,クラッシュして尾てい骨骨折という事故に見舞われています。
レースの方ですが,前日ミスコースしたために12分以上の差をつけられてしまった増岡浩が,アシスタントカーなどのサポートを受けられないマラソンステージでしたが,見事な走りを披露してこの日はトップタイム。2位という順位は変わりませんが,トップのS.ペテランセルに6分差に迫りました。3位には,篠塚のクラッシュもあって,BMWのG.ドゥ.メビウスが再浮上してきました。

☆テストスケジュール(F1)
○依然としてセカンドドライバー及びメインスポンサーの発表がないジョーダンチームですが,今シーズンに向けてのテストスケジュールの発表がありました。それによると1月と2月に,バルセロナとバレンシアのサーキットを使って合計4回行うということです。もし走行が実現すれば,何と鈴鹿の最終戦以来の走行ということになります。かなりで遅れた感のあるジョーダンですが,果たしてどの程度までマシンをつくり上げることができるのでしょう。

☆ライダー決定(WGP)
○モリワキとのジョイントでMotoGPクラスに参戦するものと思われていたWCMチームですが,諸条件が揃わずその計画を断念。一時期は参戦も危ぶまれていたのですが,フレームビルダーであるハリスとタッグを組んで参戦することをすでに発表していました。車体をハリスが,エンジンはヤマハのスーパーバイクマシンR1のエンジンを改良してWCMチームが開発するという計画もすでに発表されていましたが,ライダーについての発表がありませんでした。ここにきてようやく,1人のライダーの発表がありました。そのライダーというのは,昨シーズンイギリスのスーパーストックに参戦していたC.バーンズです。彼は,まだ若い22歳のライダーです。新しい形でのマシンを駆ることになりますが,ライダーが新人ということもあり,1年目はかなり苦労することになるのかもしれませんね。

2003・1・9
☆マラソンステージ(パリダカ)
○ダカールラリーの7日目が行われました。日が進むにつれ「パリダカ」らしいステージとなっていっていますが,この日は,228qにも及ぶマラソンステージに突入しました。この長丁場をトップで駆け抜けたのは,前日まで首位に立っていた三菱のS.ペテランセル。しかも,2位に入った増岡浩に,総合で12分以上の差をつけるという圧倒的な速さを見せました。この日8位でゴールした篠塚健次郎が,総合3位に再び浮上しました。注目は,篠塚の僚友で“砂漠のライオン”という異名をもつA.バタネンが,総合で5位に浮上してきたことです。

☆新車発表(F1)
○すべてのチームより先んじて,トヨタが今シーズンを戦うマシンの発表を行いました。まず車体の方ですが,昨年のマシンより軽量化を施したTF103という名がつけられています。今年のは,昨年の正常進化型のようで,大幅なチェンジは行われていないようです。ただし,昨年のマシンでは6速だったギヤボックスが,今年のは7速へと変化しています。また,ニューエンジンRVX−03は,昨年型より軽量化とパワーアップが図られているということです。新車発表に合わせて,チーム体制の発表もありました。目新しいところでは,第3ドライバーとして以前BARから参戦していたR.ゾンタが加入。また,トヨタF1チームの母体であるTMGの社長を務めていたO.アンダーソンが,今年から副会長に就任してレースに専念することになりました。社長にはJ.ハウエットが就任しました。新たなスタートを切ったトヨタは,今日からフランスのポールリカールサーキットにおいてテストを開始します。

2003・1・8
☆競り合い(パリダカ)
○ダカールラリーの6日目が行われました。この日も,前日に続いてのロングステージ(228q)でした。前日2位に下がったS.ペテランセルがトップタイムをマークし,総合で再びトップに躍り出ました。前日首位に立った増岡浩は2番手のタイムで,総合でも2位に交代。前日3位の篠塚健次郎は一歩後退して4位に。篠塚に代わって3位になったのは,BMWのマシンを駆るG.ドゥ.メビウスです。1・2位の三菱勢は,相変わらず他のマシンをぐんぐん引き離す強さですが,チーム内の競り合いが激しく,毎日のように順位を変えています。また,3位以下のセカンドグループも毎日のように上位の順位も変わってますから,こちらの競り合いも激しいものがありますね。

☆2輪の場へ(WGP)
○今シーズンからホンダと同じ4スト5気筒マシンを搭載することをすでに発表しているチームロバーツから,もっと驚くべき発表がありました。何とF1をはじめ数々の4輪マシンのデザインで実績を上げているJ.バーナードが,技術的な面の総責任者としてチームに加入することが決まりました。バーナードほどの大物が2輪のチームに転進してくるというのはものすごいことです。同じモータースポーツとはいえ,2輪と4輪とではマシン特性に大きな違いあがります。果たして畑違いともいえる2輪の世界に飛び込み,4輪の時と同じような成果を上げることができるのか要注目です。

2003・1・7
☆トップ浮上(パリダカ)
○アフリカに戦いの場を移して2日目のレースが行われました。この日は初の砂漠,そして初のロングステージ(285q)というようにますますパリダカらしい中での戦いとなりました。そのようなレースにおいて,増岡浩が圧倒的な速さでトップタイムをマーク。前日まで首位だったS.ペテランセルに,総合で2分以上の差をつけて首位に躍り出ました。さらに,ニッサンの篠塚健次郎が,三菱の2人には遅れをとったものの,3番手のタイムをたたき出し,総合でも一挙に3位に浮上してきました。やはり過酷になればなるほどチームやドライバーのポテンシャルが問われる状態になりますね。

☆安泰(F1)
○資金難に苦しむジョーダンチームですが,少なくとも着る服については心配する必要がなくなりました。というのも,スポーツウェアで有名なPumaと3年間の契約を結ぶことになったからです。この契約は,資金的なものというよりチームウェアなどを無償で提供するという形のものです。2005年までは,チームウェアにお馴染みのロゴが入ることになります。
もう一つ新たな契約を結んだチームがあります。ただし,こちらは日本最大の車メーカーと電気機器メーカーがついてますので,資金的にはさらに強固になったと考えていいでしょうが・・・。「日本最大の」とくればお分かりでしょう。そうです,Panasonic TOYOTAです。このたび,イギリスのエボン・ダックス 社との契約が成立したとの発表がありました。この会社は,日本では馴染みがありませんが,自動車産業のソフトウェア開発などを手がけているところのようです。資金的にさらに潤沢になったことで,ますます開発の度合いが進むかもしれませんね。

2003・1・6
☆後退(パリダカ)
○アフリカに戦いの場を移してのレースが始まりました。ここからいよいよ本格的な「パリダカ」となります。アフリカ初日の成績は,これまでのトップである三菱のS.ペテランセルが順調にトップタイムをマークし,その座を依然として守っています。ヨーロッパラウンドの最後で2位につけた増岡浩は,この日の7位のタイムしか出せず,総合で3位に後退してしまいました。総合2位には,ニッサンのG.ドゥ.ビリエが浮上してきました。ちなみに,彼は今回が初のパリダカ出場です。ビリエの僚友である篠塚健次郎は,この日が15位に入り,総合ではやや順位を落として10位になっています。

☆そろそろ決着か?(F1)
○G.フィジケラの残留は早くに決まっていたものの,セカンドドライバーが未だに決まっていないジョーダンチーム。その一番の原因は資金難。他チームは,今シーズンに向けてのテストをすでに昨年末から始めているのにもかかわらず,ジョーダンはまだ一度もテストを行なっていません。そういった状態ですから,チームの存続自体が怪しいのではないかというような噂話まで飛び出しています。ところが,ようやくジョーダンから今月の中旬にはチーム体制と新車であるEJ13を明らかにするとの発表がありました。果たしてセカンドドライバーの座には誰がつくのでしょうか。

2003・1・5
☆大異動?(R2−1)
○今年からスーパーバイククラスに代わってJSB1000クラスが中心となります。さらに,そのクラスはワークスでの参戦が禁止されていますので,去年までワークスライダーだった人は,必然的に何らかの異動が必要になってきます。その形には幾通りかありますが,スズキの梁やカワサキの柳川のように,MotoGPマシンの開発を担いながらWGPへのスポット参戦を狙うライダーがいます。ほかには,プライベートチーム(と言っても,中にはメーカー色の強いチームもありますが・・・)に移籍する人もいます。今日は,昨年末に発表された来年の暫定エントリーリストをお伝えします。なお,あくまでも暫定ですから,今後の変化も十分予想されます。

ライダー チ   ー   ム マ シ ン
江口 謙 ダイドーMIUレーシング CBR954RR
山口 辰也 未定
北川 圭一 ケンツJトラスト&JOMO GSX−R1000
渡辺 篤 ヨシムラスズキGP1 with DAXIM
名倉 嘉一 ホンダ浜松エスカルゴ CBR954RR
伊藤真一 F.C.C. TSR
辻村 猛
浜口 喜博 OVER−Racing YZF−R1
川瀬 裕昌 WINS FACTORY GSX−R1000
榊原 礼視 TEAM YDS VRITZ YZF−R1
鈴木 徹 GMDコンピュートラックレーシングチーム GSX−R1000
清成 龍一 Team高武RSC CBR954RR
中冨 伸一


2003・1・3
☆さらばヨーロッパ(パリダカ)
○パリダカの3日目が行われました。この日は,ヨーロッパ最後のステージとなります。前日まで3位につけていた増岡浩が,トップタイムをマークして2位に浮上しました。「アフリカに入って2日目まではプッシュしない」ということを明言していましたので,まだマージンをもった走りをしている中での2位ですから,連覇に向け着実に進んでいるといった感じでしょう。1位には,僚友のS.ペテランセルが,増岡に29秒の差をつけて2日目からの首位を堅持しています。なお,初日にトップを奪った篠塚健次郎は,2日目に自らのミスでエンストを起こし,始動に時間がかかったため10位まで順位を下げていましたが,この日にやや順位を挽回して8位に浮上しました。レースの進行の方ですが,4日はバレンシアから船でチュニジアに移動し,5日からいよいよアフリカ大陸を舞台とした本格的な戦いがはじまることになっています。

2003・1・2
☆首位発進(パリダカ)
○世界一過酷なラリーと言われている通称パリダカがスタートしました。初日は約1qのスペシャルステージだけですが,トップには何と1997年の覇者で,今回からニッサンに移籍し「ニッサンピックアップ」を駆る篠塚健次郎がトップに立ちました。長期間にわたって行われるレースですから,初日にトップに立ったからといってそれほど大きな影響することはありません。しかし,初めてワークス参戦するニッサンとしては,より一層の励みになったのではないかと思います。なお,2位にS.ペテランセル,3位に昨年の覇者である増岡浩が入り,優勝候補ナンバーワンの三菱勢がしっかりと2位&3位の座を確保しています。

2003・1・1
☆いよいよスタート(パリダカ)
2003年の通称「パリダカ」(正式名称:テレフォニカ・ダカール2003)が,12月30(月)31日(火)の公式車検の後,今日いよいよフランスのマルセイユにあるシャノ広場でスタートします。今年のパリダカには,最終的に2輪184台,4輪132台,トラック50台の合計366台のエントリーがありました。優勝は,何と言っても三菱勢がその筆頭に挙げられます。その三菱ラリーアートチームは,三菱パジェロエボリューション2台,三菱パジェロ2台の合計4台という磐石の体制で出場します。昨年の覇者である増岡浩(三菱パジェロエボリューション)は,「チームENEOS三菱ラリーアート」から出場します。果たして日本人初の2連覇なるか大変興味がわいてきます。その他の注目の日本人としては,これまで三菱の顔であった篠塚健次郎がニッサンのマシンを,そして元F1レーサーの片山右京がトヨタのマシンをそれぞれ駆って出場します。