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最新ニュース

ここでは,レースに関する情報をできるだけいち早くお伝えします。

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2003・5・31
☆最年長(SBK)
○まだ5月だというのに,もう台風上陸。最近の「異常気象」を象徴するかのような出来事ですね。まだ5月だというのに気温28度,路面温度40度という条件の中でスーパーバイク世界選手権第5戦の予選第1日がドイツのオーシャスレーベンで行われました。暫定のポールを獲得したのは,38歳という現役最年長の元GPライダーP.キリでした。彼が駆るマシンは,今年圧倒的な強さを発揮している,というか実質的なワンメイク化されているともいえるドゥカティですが,ワークスではなくプライベート。しかも,ドゥカティのマシンとはいっても,最新型の999ではなく998RS。そうしたやや不利な条件の中での最年長ライダーの暫定ポールですから健闘といえるでしょう。

2003・5・30
☆記録に向けて(F1)
○伝統のモナコGPが開幕し,予選第1日が行われました。故A.セナの記録と並ぶモナコ6勝目を目指しているM.シューマッハが,相変わらずの強さを発揮して暫定のポールを獲得し,記録達成に向けて好発進をきりました。2位には,これまた相変わらずの強さを見せてR.バリチェロが入り,フェラーリが好発進を見せています。3番手には,前回のレースにおいて自身今季最高順位の4位に入ったBARのJ.バトンが入っています。ホンダが好調なのかと思ってしまうのですが,僚友のJ.ビルヌーブは12番手ですから,果たしてこの違いは何なのでしょう?もう一つの日本車であるトヨタは,今期今一つのレースを展開しているのと同様にこの予選でもふるわず,後ろから数えて2番手・3番手につけています。果たして予選2日目に挽回はできるでしょうか。

2003・5・29
☆従来型(F1)
○今季ウィリアムズとチームポイント3番手争いをしているルノーですが,早くも来年のエンジンについてチームのボスであるF.ブリアトーレがコメントを出しました。今季は広角V10エンジンである「RS23」を投入していますが,来季のエンジンとなる「RS24」は,その広角のエンジンをやめて,従来型と同じ形式のエンジンに戻すことになっているようです。もちろん今期型の開発はこのまま続けるのですが,並行して来季型の開発も進め,来年の1月中にはRS24の発表を行うスケジュールになっています。RS23・RS24それぞれ別のデザイナーの手によって開発が進められていく予定で,さすがメーカー直系のチームらしく何とも贅沢な体制ではあります。「ウィリアムズルノー」の頃一世を風靡したルノーエンジンですが,果たしてその再来となるエンジン開発ができるでしょうか。

2003・5・28
☆ルーキー(IRL)
○先日行われた「インディ500」の表彰式が行われ,総額およそ12億円にも及ぶ賞金が出場ドライバーに手渡されました。優勝したG.ド.フェランには,約1億6千万円の賞金でした。さらに,その他の賞についての表彰もありました。日本人過去最高成績である5位に入賞した高木虎之介は,「ルーキーオブザイヤー」に輝きました。IRLシリーズとしてはルーキー扱いではないのですが,IRLの中でも特別な存在のインディ500は,このレースだけシリーズ戦とは別に考えられている点があります。このルーキーについてもそうなのです。当然虎之介自身はインディ初参加ですから,ルーキー扱いとなり,しかもその中で最高の成績を収めたので今回の栄誉獲得となります。ちなみに,賞金は約300万円です。やはり世界最大のレースといわれているだけに,何もかもがビッグですね。

☆慣熟走行(WGP)
○フランスGPが終わった翌日,同サーキットで合同テストが行われました。このテストに参加したのは,ホンダ・ヤマハ・プロトンKRでした。ホンダ陣営は,M.ビアッジを除いたRC211Vを駆っている全ライダーでした。フランスGPにおいて,初参加で初ポイントを獲得した清成龍一も当然参加しています。少しでもマシンに慣れる必要がありますから,今回はいい練習になったのではないかと思います。セッティングの方向性が少し見えてきたというようなコメントが,清成の口から出ているようです。大ちゃんの後釜ということでプレッシャーも大きいでしょうが,一日も早く持てる力を出せるようになるといいですね。なお,これまで2ストマシンで参戦していたプロトンですが,次のイタリアGPからついにV5マシンが登場することが決まったようです。

2003・5・27
☆ピンクの猫(F1)
○今週末は,伝統のモナコGPが行われます。そのレースにおいて,珍しいデザインを身に纏ったマシンが走るようです。ジャガーのマシンといえば,エンジンカバーの部分に白と緑で彩られたネコ科動物のジャガーの絵があります。その猛々しいジャガーが,モナコGPにおいては,「ピンク色」のジャガーに変わるというのです。これは,ジャガー社とダイヤモンドトレーディング社との提携によって実現するものです。59.6カラットというピンクダイヤモンドが,モナコGPが開催される時に披露されるということで,それに合わせてのもののようです。もちろん,今回限りのワンオフピンクジャガーです。果たしてどのようなジャガーが現れるのか,競走とは別の意味の楽しみができましたね。

2003・5・26
☆接戦1(IRL)
○世界3大レースの一つ「インディ500」(IRL第4戦)の決勝が行われました。毎回激しいレースが展開されるこのレースですが,今回も特に終盤にアクシデントが多発し,最後は残り6周というところでリスタートするという超スプリントレースとなりました。結局勝利を収めたのは,第2戦での怪我から復帰したばかりのG.ド・フェランでした。2位には,昨年・一昨年のこのレースの覇者で3連勝を狙っていたH.カストロネベスが入りました。両者共に名門のペンスキーのドライバーですから,同チームのワンツーということになります。日本人勢は,いろいろなトラブルにもかかわらずそれぞれが奮闘しました。特に,テスト走行から好調だった高木虎之介が,いくつかのミスを乗り越えていい走りを見せ,最後までトップ争いができる位置を走行していました。結局5位でチェッカーを受けましたが,これは,日本人の過去最高位となります。他のドライバーは,ロジャー安川が10位,中野信治が14位に入りました。最終予選で決勝に駒を進めた服部茂章は,最初からエンジンの不調に悩まされ,レース序盤の19周目にリタイアとなっています。なお,このレースをもって引退するM.アンドレッティは,95周目にトラブルが発生して,懸命に修復を試みたものの結局リタイアとなりました。彼は,長年アメリカのフォーミュラカーレースをひっぱてきた,人気・実力共にナンバーワンドライバーでした。本当にお疲れ様でした!

☆接戦2(WGP)
○第4戦フランスGPの決勝が行われました。ポールからスタートしたV.ロッシが,はじめはトップの座を譲っていたものの,早々にトップに浮上して,そのまま後続を引き離していました。宇川徹も2位争いを展開するというレースでした。ところが,19周目に激しく雨が降り始めたためにレースが中断。残り16周で争われる超スプリントレースとなりました。中断後のレースでは,中断前にトップを走行したロッシと,第2戦で感動の勝利をあげたS.ジベルナウの二人でバトルが展開され,最終ラップの最終コーナーでジベルナウが逆転して今季2勝目を飾りました。中断前にいい走りを見せていた宇川は,リスタート後はペースが上がらず,7位でチェッカーを受けました。また,大ちゃんに代わってフル参戦することになった清成龍一は,13位で完走し初レース初ポイントゲットとなっています。

☆接戦3(JGTC)
○第3戦の決勝が,スポーツランドSUGOで行われました。毎回マシンが接触したりして激しいバトルが展開される同シリーズですが,今回も手に汗握るレースが展開されました。レースは,脇坂寿一&飯田章,本山哲&M.クルム,土屋武士&E.コマスの3車によってトップ争いをしていました。終盤に周回遅れのマシンに追突されてコースオフしてしまった脇坂寿一でしたが,粘り強く走行を続け,WGPと同じように最終ラップの最終コーナーでコマスをかわしてチェッカーを受け,今季2勝目をあげました。

☆接戦4(R2−1)
○鈴鹿8耐の前哨戦「鈴鹿200q」の決勝が行われました。これまで2連勝の北川圭一をはじめ,ポールからスタートの井筒や今回はS−NKマシンで走行している伊藤真一,昨年のスーパーバイクチャンピオン渡辺篤との間でバトルが展開されました。その結果,渡辺篤が2位の北川にコンマ3秒弱の差をつけて今季初勝利を挙げました。なお,伊藤真一は,コースレコードをマークする速さでトップ争いに絡みましたが,30周目に転倒してしまいました。

2003・5・25
☆移籍後初(R2−1)
○第4戦の予選が行われました。この大会は「鈴鹿200q」という大会名がつき,真夏に行われる「鈴鹿8耐」の前哨戦と呼ばれているものです。それだけに,R2−1にフル参戦していないライダーもこの大会には参戦していて,今回の予選には73台という参加台数がありました。参加台数の多さから,A・Bという2つの組に分けて予選が行われ,ポールポジションを獲得したのは,今季カワサキからホンダに移籍した井筒仁康で,移籍後初のポールとなりました。開幕以来2連勝を飾っている北川圭一は,4番手のタイムをたたき出してフロントローからのスタートとなります。伊藤真一は,6番手のタイムですが,今回はS−NKクラスのマシンであるTSR・AC92Mを駆ってのタイムです。かつての全日本500tクラスチャンピオンで,現在53歳になる水谷勝が36番手のタイムをたたき出していて,さすがの存在感を示しています。

☆8耐記者発表(8耐)
○8耐の前哨戦「鈴鹿200q」にあわせて,8耐の記者発表がありました。まだ,ライダーとかは未定のチームが多いのですが,ここ数年「キャビン」をメインスポンサーにして走っていたホンダワークスチームは,今回「セブンスターホンダ」として参戦することになりました。また,鈴鹿200qでポールを獲得したケンツJトラストMOJO・WESTは,レギュラーライダーの北川圭一に加えて,今季WSSに参戦してチャンピオン争いをしている藤原克昭を起用することになりました。一つの話題として注目されるのが,子どもたちのヒーローである「仮面ライダー555」のチームが結成されることになりました。こちらもライダーは未定ですが,マシンはCBR954RRとなります。

☆金髪効果?(JGTC)
○第3戦の予選が行われ,昨年のチャンピオン脇坂寿一&飯田章組がコースレコードをたたき出して,今季初のポールを獲得しました。今回脇坂は髪を金髪に染めて登場しましたが,ポールは金髪効果なのかもしれません。もっとも,私個人の感覚では,あまり似合っているとは思えないのですが・・・。金曜日に行われた合同テストで好調だったNSX勢は,4番手と5番手につけています。会場となるSUGOは,NSX向きのサーキットといわれているだけに,決勝での巻き返しが期待できます。
なお,SARSの影響から今年の開催が中止となった第4戦マレーシアラウンドの代替レースについての正式な発表がありました。それによると,富士スピードウェイにおいて7月12・13日に行われることになりました。実はその次の第5戦も富士で行われますので,結果的に2戦続けてのものになります。これだと両レースの意味合いが薄まってしまいますので,その対策として,代替レースの方は150kmと200qの2ヒートに分けて行うことになりました。2つのヒートの違いは,走行距離だけではなく,ドライバーもそれぞれ別の人が一人ずつ走行して行うことです。マシンは同じでも,それぞれのヒートでドライバーが違うわけですから,セッティングも変えてこなければならないわけですから,チームとしても忙しいレースとなるかもしれません。JGTCとしては初の試みですので,どのような結果となるか楽しみですね。

2003・5・24
☆貫禄(WGP)
○第4戦フランスGPの予選第1日が行われました。暫定のポールを獲得したのは,目下3戦中2戦を制しているV.ロッシで,サーキットベストを更新して「貫禄」を感じさせるものでした。2番手には実質的なヤマハのエースであるA.バロスがつけ,開幕戦で怪我を負って今季なかなか期待していたほどの結果を出せてなかっただけに,ここにきてようやく本来の力を出してきた感じです。大ちゃんに代わって,このレースからフル参戦することになった清成龍一は,やはり本来のポテンシャルを見せるところまではいけず,初日最後尾という結果でした。いきなり最高峰クラスの洗礼を浴びた格好になりました。

☆広告禁止
○世界保健機関(WHO)の総会において,タバコ規制枠組条約が可決されました。この条約には,タバコ広告の禁止や,健康上の警告を大きく表示すること,課税率のアップなどの政策が盛り込まれています。これにより,WHO加盟国は5年以内にこうした措置をとっていかなければならなくなりました。ヨーロッパでは,すでに2006年にはタバコ広告全面禁止が決定済みですが,他の地域ではまだだっただけに,未だにスポンサーとしてタバコマネーに頼っている傾向の強いモータースポーツは大きく方針を転換する必要性が出てきました。

2003・5・23
☆初参加(WGP&JGTC)
○今週末は,WGP,JGTC,R2−1の3つのカテゴリーのレースがあります。その中で,初参加の話題を2つ。まず一つ目は,先日お伝えしたように,故加藤大治郎選手に代わって清成龍一がテレフォニカ・モビスター・ホンダから参戦することになりましたが,今日から開幕するフランスGPでデビューを飾ります。少しでもマシンに慣れようと,19,20の両日,ミシュランのテストコースで初走行を済ませました。コースもチームもそしてWGP自体も全て初の経験となりますが,天国の大ちゃんを安心させるためにも,いい走りを見せて欲しいものです。2つ目の話題は,JGTCのGT300クラスについてです。これまでMR−Sで参戦していた雑誌のコラムなどでおなじみのレーシング・プロジェクト・バンドウが,今回からマシンをセリカにチェンジします。このチームは,MR−Sで走る前は旧型のセリカで参戦していましたから,元に戻ったとも考えられます。ただし,車名がいっしょでもマシン自体は全く違いますし,昨日シェイクダウンを済ませたばかりの全くの新車です。これからマイナートラブルが続出するかもしれませんが,パーツのところどころにはGT500クラスのスープラの部品を使っているようですから,どのような走りを見せるか楽しみですね。

2003・5・22
☆シェイクダウン(F1)
○マクラーレンの今季型マシン「MP4−18」のシェイクダウンテストが,テストドライバーのA.ブルツの手によってフランスのポールリカールサーキットで行われました。全体的にスリム化を目指したようなマシンで,マシンの前後共に細くなった印象のようです。それに合わせて,ギアボックスも小型化されているとのことです。現段階では,次のモナコGPは信頼性の問題からこれまで使ってきたマシンを使用し,その次のカナダGPから新型マシンを投入する予定です。ただ,一説によるとかなり熱対策で苦労しているようで,場合によってはさらにその次のリュリュブルクリンクで行われるヨーロッパGPになるのではないかという話もあります。

2003・5・21
☆ようやく(WGP)
○新車の完成の遅れからMotoGPクラスで唯一2ストマシンで参戦していたチームロバーツですが,先週のマックウィリアムズに続いて,今週ようやく青木宣篤も新車でのテスト走行を行いました。実際に走らせてみた青木としては,マシンのコンパクトさにあらためて驚いたようです。この二人のライダーの意見を参考にしながら,今週末に行われるフランスGPにこの新車を投入するかどうかの決定を行う予定にしています。

2003・5・20
☆カナダからか(F1)
○マクラーレンは,開幕以来守っていたチームとしてのランキングトップの座を先日行われたオーストリアGPで失ってしまいました。今シーズン未だに昨年のマシンの改良型で臨んでいるマクラーレンと,新型マシンを投入したフェラーリとの違いがここにきて出てきた感じとなっています。それだけに今年のマシンであるMP4−18の投入が待たれるわけですが,とりわけドライバーズポイントでわずか2ポイント差に迫られているK.ライコネンにとっては,そうした気持ちが強いものと思われます。実際,オーストリア後のコメントの中に,そうした内容の発言が出てきています。それに対して,僚友のD.クルサードは慎重な発言を行っています。彼は,信頼性が高まるまで投入を待つべきだという考えのようです。次戦は,世界3大レースの内の一つモナコGPです。ここは,皆さんご存知のように一般公道を使って行われるレースで,車体にもエンジンにも,そしてタイヤにも大変厳しい場所であることは有名な話。そうした場所に新型マシンを投入するのは,かなり冒険的なことと考えるのは当然のこと。マクラーレンは今日,フランスのポールリカールサーキットで新型マシンのテストを行う予定にしています。そこでの結果が十分満足いくものであったら,あるいはモナコでの投入という線が出てくるのかもしれませんが,チームの首脳の発言にもあるように,恐らくMP4−18は,来月15日に行われるカナダGPからの投入となりそうです。もっとも,ここもマシンに大変厳しく,例年完走が少ないサーキットではあるのですが・・・。

2003・5・19
☆汚名挽回(F1)
○第6戦オーストリアGPの決勝が行われました。昨年のこのレースでは,ナンバーワンドライバーのM.シューマッハがセカンドドライバーであるR.バリチェロからトップの座を譲ってもらい,会場はもちろん世界中のレースファンからブーイングを浴びた因縁の場所です。そうした汚名を浴びてから1年後,ポールからスタートしたシューマッハがそのまま逃げ切り,誰の助けを借りたわけでもなく,自力でトップでチェッカーを受け,昨年の汚名を晴らしました。しかもこのレースでは,3度にわたるフォーメイションラップのやり直し,セーフティーカーの導入,給油口での火災などのトラブルに巻き込まれながらのトップチェッカーですから,シューマッハと新型マシンの強さをあらためて認識させることとなりました。日本車関係では,4位にBARのJ.バトンが入り,今季自身最高のポジションでチェッカーを受けました。なお,ドライバーズポイントは,トップのK.ライコネンが2位に入りましたから点差が縮まったものの順位の変動はありませんでした。しかし,チームとしてのランキングでは,フェラーリが1,3位に入りましたので,マクラーレンを抜いてトップに浮上してきました。

☆お別れの会(WGP)
○先日お亡くなりになった加藤大治郎選手との「お別れの会」が,東京青山にあるホンダウェルカムプラザで行われました。最高峰クラスでの日本人初のチャンピオンという夢が果たせないまま逝ってしまった天才ライダーを偲んで,何と9000人ものファンが全国から集まりました。残念ながら日本における2輪レースの認知度はそれほど高くないですが,そのような中でこの人数が参加したわけですから,大ちゃんの凄さをあらためて認識させられました。その凄さをさらに感じさせることも起きました。WGPの主催者であるDORNAから,遺族に対して連絡が来ました。その内容は,加藤大治郎選手の「殿堂入り」と彼愛用の「74」というゼッケンを「永久欠番」にするというものです。殿堂入りはもちろん日本人初ですし,これまで12人しか登録されていないほどのものです。また,永久欠番は,「34」で有名なK.シュワンツ以来久々のものとなります。やはり,国内よりも海外の方が大ちゃんを評価していたということがわかりますね。

2003・5・18
☆連続(F1)
○オーストリアGPの予選2日目が行われ,初日に暫定ポールを獲得していたフェラーリのM.シューマッハが,この日も快調な走りを見せてポールポジションを獲得しました。2位には,わずかコンマ04秒ほど遅れてランキングトップのK.ライコネンが入りました。今回のレース結果次第では,ランキングトップが入れ替わる可能性が出てきただけに,ライコネンとしてもムチが入った感じなのかもしれません。初日快調だったBAR勢は,揃ってタイムアタックにミスをしてバトンが7番手,ビルヌーブが12番手にポジションダウンしてしまいました。

☆蛙の子(FT)
○このページで初めて取り上げるジャンルですが,TIサーキット英田においてFT(フォーミュラトヨタ)が開幕戦しました。その予選が行われ,元F1ドライバーで,現在NAKAJIMAレーシングのオーナー兼監督を務める中嶋悟の長男である中嶋一貴が,コースレコードをマークしてポールポジションを獲得しました。その走りは,唯一1分31秒台に入る快走でした。まさに「蛙の子は蛙」といった感じです。また,2位には高校2年生ドライバー小林可夢偉が入り,若手の台頭を印象付けました。

2003・5・17
☆やはり(F1)
○縁石を高くするというコース改修を行ったA1リンクで,第6戦オーストリアGPが開幕しました。予選第1日目は,二人の「ラルフ」(シューマッハ&ファーマン)が原因で2回赤旗が出るというやや荒れたものとなりました。そのよう中,前戦から新型マシンを投入し勝利したフェラーリのM.シューマッハが最速タイムを刻み,暫定のポールを獲得しました。このタイムは,昨年のポールタイムを上回るもので,唯一の1分7秒台でした。2番手にはR.バリチェロが入り,フェラーリが暫定の1、2位を独占して新型マシンの速さをあらためて立証した感じです。J.ビルヌーブ&J.バトンのBARコンビが,パワーサーキットともいえるA1リンクで速さを見せ,それぞれ4番手と5番手につけています。

2003・5・16
☆契約延長(WRC)
○スバルからP.ソルベルグとの契約を延長したことの発表がありました。新しい契約は,2006年シーズンの終了までとなっています。ソルベルグとスバルとの関係は2000年からですので,今回の契約を加えると7年間という長期にわたるということになります。28歳のノルウェー人ドライバーに対するスバルの期待がいかに大きいかが分かる今回の契約といえるでしょう。

☆テスト(WGP)
○カタルニアで合同テストが行われたことは昨日お伝えしましたが,同じスペイン国内のヘレスサーキットでは,ヤマハのテストがやはり2日間にわたって行われました。このテストには,MotoGPクラスのヤマハユーザーの全てのチームと,開発ライダーを務める阿部典史も参加しました。2日間の最速タイムは,開幕戦鈴鹿で膝の靭帯を痛め,まだ体調が完全には戻っていないA.バロスでした。2番手には,地元スペインGPで電気系のトラブルによりリタイヤに追い込まれ悔しい思いをしたC.チェカが入りました。チェカは,新しいシャーシの開発に時間を費やしたようですが,このシャーシで次戦フランスGPで走るかどうかまでは詰め切っていないようです。開幕戦日本GPで大怪我をし,前戦スペインGPからようやく復帰したM.メランドリは,まだ体調は十分でなく,開発というよりはマシンに慣れることを中心に走行しました。

2003・5・15
☆合同テスト(WGP)
○スペインのカタルニアサーキットで,スズキ・アプリリア・カワサキの3メーカーが参加した合同テストが始まりました。スズキ陣営は,レギュラーライダーのK.ロバーツ,J.ホプキンスに加え,梁明,秋吉弘亮の日本人開発ライダーが参加しています。さらに,ヤマハワークスやレッドブル・ヤマハなどでWGPにフル参戦したことがあり,もっと以前にはAMAスーパークロスでチャンピオンを獲得した経験もあるフランス人ライダーJ−M.バイルも参加しています。バイルは現在,ルマン24などの耐久レースにスズキのチームから参戦しています。今回のことは,そうしたスズキとの繋がりや彼の経験などからスズキ側の要請を受けて実現しました。また,芳賀紀行&C.エドワーズという4ストマイスターとも呼べるライダーを起用しながら,昨年よりは成績がいいものの,同じイタリアメーカーのドゥカティと比べると十分な成果が上がっていないアプリリアは,今回ニューパーツを投入してのテストとなっている模様です。芳賀の表彰台獲得という日がくるようなマシン開発が行われるといいですね。

2003・5・14
☆テスト延期(WGP)
○故加藤大治郎選手に代わってフル参戦することになった清成龍一の初走行が延期となりました。当初の予定では,先日行われたスペインGPの直後に同サーキットで行う予定だったのですが,エンジンに問題を発見したとのことで,HRCサイドからRC211Vを使っている全チームに走行中止の連絡があったとのことです。テレフォニカ・モビスター・ホンダでは,清成がブッツケ本番で次戦フランスGPを走行するというのは避けたい模様で,フランスGPの前に単独ででもテスト走行を行う予定のようです。

2003・5・13
☆日本車初(IRL)
○世界3大レースの一つであるインディ500の予選が行われました。この予選は,雨で1日順延になっていました。ポールを獲得したのは,昨年・一昨年とインディを制している,マールボロ・チームペンスキーのH.カストロネベスでした。彼自身にとってインディでは初のポールですが,彼の駆るトヨタエンジンにとっても初ですし,日本製のエンジンにとっても初となります。2,3位にはT.カナーン,R.ゴードンがそれぞれ入りましたが,彼らはホンダ製のエンジンですから,フロントローはすべて日本製のエンジンということになります。ちなみに,シボレーエンジンが地元アメリカ製となりますが,18位に入ったS.ホーニッシュ.Jrが最高位です。このことからもいかに日本製エンジンがIRLの中でも力を伸ばしているかがわかりますね。なお,日本人の最高位は,予選アタック中にサーキット全体が一時的に停電し,ピットとの交信ができないというトラブルに見舞われながらも7番手に入った高木虎之介でした。他の日本人ドライバーの予選結果は,ロジャー安川が11番手,参戦が急遽決まったため1日しか走行していなかったにもかかわらず中野信治は15番手に入りました。もう一人の日本人の服部茂章は,フリー走行3日目にクラッシュして左手小指の骨折と脳震盪を起こしていたため,予選の走行ができませんでした。現段階では,19日に行われる9台のみ予選突破が認められる最終予選に出場する予定です。

☆場外でも(F1)
○ウィリアムズのJ−P.モントーヤが,日曜日にフランス南部をBMWで走行中レーダーにひっかかり,スピード違反で検挙されたことが明らかとなりました。74キロの速度オーバーでしたから,当然免許は取り上げられています。ウィリアムズのもう一人のドライバーであるR.シューマッハも,これまで数回スピード違反で免許を取り上げられています。とても「チームメイト」という言葉が合わないほど仲が悪いことで有名なこの二人。レース中に接触することも珍しくないほどライバル心(敵愾心?)をむき出しにしていますが,何もスピード違反でも競り合う必要はないんですけどね。ちなみに,免許はなくてもレースに参加することはできますから,次戦オーストリアGPには支障がありません。

2003・5・12
☆大ちゃんパワー(R2−1)
○WGP第2戦では,故加藤大治郎選手のチームメイトS.シベルナウが感動の勝利を挙げましたが,R2−1でも大ちゃんの力が加わったのではないかという勝利が見られました。それは,250tクラスでのことです。大ちゃんとは従兄弟の関係にある亀谷長純が,小山知良などの転倒による赤旗中断で2ヒートとなったレースにもかかわらず,両ヒートともトップでチェッカーを受け,両ヒート合算でも2位に7秒以上の差をつけて圧勝しました。大ちゃんの74を身に纏ってのレースでしたが,天国できっと拍手を送っていることでしょう。
最高峰のJSBクラスは,開幕戦で勝利を挙げた北川圭一が,このレースでも強さを見せ,2位に1秒半以上の差をつけて2連勝を飾りました。また,ST600クラスは,辻本猛が2位に10秒以上の差をつけて圧勝し,こちらも2連勝を飾りました。というように,ほとんどのクラスが圧勝を飾ったわけですが,125tだけは僅差のトップ争いが展開され,何と1位の青山周平と2位になった菊池寛幸とは同タイムでチェッカーを受け,写真判定で順位が決まったという劇的なレースでした。同タイムというと思い出されるのが,岡田忠之と原田哲也が同タイムでチェッカーを受けたというレースです。R2−1では,それ以来の出来事となります。

☆圧勝(WGP)
○R2−1では,125tクラスを除いて圧勝というレースでしたが,WGPのMotoGPクラスでも同じようなレースが展開されました。勝利したのは王者V.ロッシで,2位に6秒以上の差をつけて独走Vを飾りました。予選初日トップのS.ジベルナウと予選2日目トップのL.カピロッシは,何とどちらも転倒リタイアという結果になっています。日本人の最高位は,スタートで失敗したものの,徐々に順位を挽回して4位でチェッカーを受けた宇川徹でした。今回も2ストマシンで参戦の青木宣篤は,9位でチェッカーを受けて大健闘しています。今年からフル参戦の玉田誠は6位に入り,自己最高のシングルフィニッシュを飾りました。

2003・5・11
☆コースレコード(R2−1)
○今シーズン初めて全クラス開催となる第3戦の予選が行われました。まず最高峰のJSBクラスは,去年のスーパーバイククラスチャンピオン渡辺篤が今季初となるポールを獲得しました。しかも,これまでのコースレコードを2秒以上も短縮して唯一56秒台に入る圧倒的な速さでのポールです。また,シーズン開幕前にブリヂストンタイヤの開発でテスト走行をしていた際に転倒し,手を粉砕骨折してしまっていた伊藤真一がようやく復帰し,僚友の辻村猛を上回る6番手のタイムをたたき出しました。その辻村猛ですが,JSBはあまりうまくいかなかったものの,ST600クラスでは速さを見せ,コースレコードでのポールを獲得しました。このクラスは,今正にレースシーンで人気のあるクラスとなっていますが,それを証明するかのように予選には60台が出走するというかなり狭き門的なクラスとなっています。その厳しさを象徴するかのように,昨年の125tクラスチャンピオンで,今季からST600クラスへ転向した元WGPライダーの仲城英幸が予選を治を喫してしまいました。

☆選手会結成(R2−1)
○加藤大治郎選手の事故をきっかけにして,WGPで選手会を結成する動きがありましたが,R2−1でも同様の動きがありました。ベテランライダーの北川圭一と井筒仁康が中心となって,コースの安全面やレース活性化への対策等を要求していくために選手会を全クラスのライダーで構成していくことが決定しました。

☆1-2位(WGP)
○実質的な新規参入にもかかわらず,開幕戦から速さを見せているドゥカティが,またしてもその力を見せ付けました。第3戦のスペインGPの予選において,ドゥカティのエースL.カピロッシがポールを獲得。2番手にも同じくドゥカティのマシンを駆るT.ベイリスが入り,予選でのワンツーを獲得しました。しかも,このコンビだけが1分41秒台に入っています。私は開幕戦でこのマシンの走りを生で見ましたが,まさしく「パワーの塊」といった言葉がピッタリくる感じでした。それだけに,今回の予選結果も納得できるものです。ただし,レースディスタンスで考えると,予選の時のようなワンツーとなるかは少々疑問。果たして結果はどうなるでしょうか。なお,日本人勢では,宇川徹が4番手のタイムをたたき出し,フロントローを獲得しています。

2003・5・10
☆契約延長(F1)
○今季ジャガーのマシンを駆って(「ジャガーのマシンなのに」と言った方がいいかもしれませんが・・・)素晴らしい走りを見せているオージードライバーのM.ウェバーですが,ジャガーとの契約を2年延長して2005年までとなりました。ウェバーの僚友のA.ピッツォニアは,ウィリアムズのチームオーナーであるF.ウィリアムズがその才能を認めているほどなのですが,その彼が完全に霞んでシートさえ危うい状況になるほどいい走りを見せているだけに,ジャガーとしても早く手を打って自分の手元に確保したかったのでしょう。

☆好調(WGP)
○第3戦スペインGPが開幕し,予選1日目が行われました。MotoGPクラスで暫定ポールを獲得したのは,前戦で大ちゃんの弔い合戦を制し,感動の勝利を挙げたS.ジベルナウでした。スペイン出身のライダーだけに,気合の入り方が違っているのが元気の源なのでしょうが,それにしても今季の好調さが表れています。暫定の2番手には宇川徹が入りました。王者ロッシは暫定の4番手につけ,今日行われる予選2日目のアタックでのポール獲得を虎視眈々と狙っている感じです。ここまでマシンの仕上がりが今一歩のスズキ勢が,ようやくトンネルから抜け出したのか,K.ロバーツ,J.ホプキンスのどちらも,今季最高の暫定セカンドローにつけています。残念ながら今回も2ストマシンを駆ることになった青木宣篤も好調で,暫定の9番手に入り,マシンのハンディキャップを克服した素晴らしい走りを披露しました。

☆ようやく開幕(R2−1)
○第1戦はJSBクラスのみ,第2戦がST600クラスのみというような変則的な開催となっていたR2−1が,今日開幕する第3戦目にしてようやく全てのクラスでの開催となります。125及び250のライダーからすると待ちに待った感じでしょう。

2003・5・9
☆代役決定(WGP)
○加藤大治郎選手死去のため,彼が所属していたテレフォニカ・モビスター・ホンダはライダーが一人という状態でした。チームは,当初からライダーの二人体制維持を明言していましたが,この度新しい体制の発表がありました。まず,ロッシ,ヘイデン,宇川,そして今回逝去された大ちゃんの4人のHRC契約ライダーは,ワークス直系のファクトリーマシンを使っているのですが,第2戦で感動の勝利を挙げたS.ジベルナウが,大ちゃんに代わってそのファクトリーマシンに乗ることになりました。そして,ジベルナウが乗っていたサテライトチーム用のマシンに,昨年のR2−1ST600クラスチャンピオンである清成龍一が乗ることになりました。清成選手は,今年行われたSBKのSUGOラウンドにおいて,併催のWSSにスポット参戦し,2位表彰台を獲得しています。大ちゃんとの共通点もあり,10代の頃から頭角を現していたということはもちろんですが,出身が同じなのです。生まれはどちらも埼玉県。そして,出身チームがどちらも九州の雄「チーム高武」です。何とも因縁めいた感じがしますが,きっと大ちゃんもかわいい後輩の活躍を天国で見守っていることでしょう。なお,清成の参戦は,今週末に行われるスペインGPからではありません。スペインGPが終了した翌日の月曜日にヘレスサーキットでテスト走行をし,そこでマシンにとりあえず慣れたところで,次のフランスGPからの出場となります。また,清成とチームとの契約は,2003シーズンの残りのレース全部に参戦というのはもちろんですが,2004年についてもオプション契約を結んでいます。

2003・5・8
☆SARS(JGTC)
○中国を中心に猛威を振るっている新型肺炎SARSは,様々な分野に影響を与えていますが,レースの世界にも現れました。JGTC第4戦のマレーシアラウンドを開催するセパン・インターナショナルサーキットからリリースがあり,今年のラウンドの中止が明らかとなりました。これは,JGTCの主催者であるGT−Aからの要請を受けてのもののようです。何せ目に見えないものが相手だけに,今回の措置はやむを得ないものとはいえ,レースを楽しみにしていたマレーシアの人たちにとっては残念なことだと思います。来年以降の開催については,問題なく行われていくようです。

☆投入延期(WGP)
○これまでの2戦に唯一2ストマシンで参戦しているチームロバーツですが,当初の予定では今週末に行われるスペインGPからV5エンジンの新型4ストマシンを投入する予定でした。ところが,完成してそれほど経ってなく,まだ十分なテストが行われていませんので,スペインからの投入を延期することが発表されました。昨年のヘレスでは,いくつかの地点で2ストマシンの優位性があったので,それを楽しみにしている」という趣旨のコメントを青木宣篤は発していますが,本音のところはいかばかりかと思います。

2003・5・7
☆テスト走行だけど(IRL&ルマン)
○世界3大レースの内の2つのテスト走行が行われています。その2つというのは,IRL第4戦のインディ500とルマン24時間です。その2つのカテゴリーのテスト走行において,日本勢がいいタイムをマークしています。まずインディ500ですが,パイオニア・モーナン・レーシングから参戦している元F1ドライバーでFポンのチャンピオンでもある高木虎之介が,5月5日に行われた2日目の走行においてトップタイムをマークしました。前日には,3番手のタームをマークしていました。なお,話題が少し変わりますが,IRLの日本ラウンドにスポット参戦したこれまた元F1ドライバーの中野信治が,インディ500にもスポット参戦するのがほぼ決まったようです。また,ルマン24時間では,昨年に続いてワークスアウディのマシンを駆るチーム・ゴウの荒聖治&J・マグヌッセン&M・ウェルナー組が,2位のタイムをマークし,好調のベントレー(1,3位のタイムをマーク)の間に割って入りました。テスト走行とはいえ,本番での活躍が期待できる結果を出していますので,もしかしたら,世界3大レースの内の2つを日本勢が制するなんていうこともおきないとも限りませんね。まさか残りの1つであるF1のモナコGPを,BARかトヨタが制するなんていうことも起きないでしょうね。そういえば,トヨタのO.パニスは,以前モナコを制したことがあったなあ・・・。

2003・5・6
☆次戦復帰(WGP)
○昨年の250tクラスの覇者M.メランドリは,今シーズンMotoGPクラスにステップアップしましたが,開幕戦の鈴鹿において,金曜日にいきなり転倒し,鼻や足首,大腿骨などを痛めて最初の2戦を欠場していました。怪我からおよそ1ヶ月が経ちましたが,今週末にヘレスサーキットで行われるスペインGPから復帰するめどが立ちました。骨にはもう問題がないようですが,大腿骨周辺の筋肉には違和感があるようです。しかし,レースも一つのリハビリだという感じで出場に踏み切るようです。医者からはくれぐれも無理をして転倒しないようにといった感じのアドバイスは受けているようですが・・・。次回スペインGPから,YZR−M1は,これまでの2戦使ってきたマシンにエアインテーク及びリアカウルの空力に改良を加えたものを投入する予定にしています。次戦では,メランドリと改良版M1の走りがどうなるか,ヤマハファンには楽しみな要素が出てきたといえるでしょう。ただし,メランドリの復活によって,代わりに出場していたノリックこと阿部典史が,再びワイルドカード参戦での参戦しか出場の機会を失うことになります。

2003・5・5
☆急接近(F1)
○スペインGPの決勝が行われ,ポールからスタートしたフェラーリのM.シューマッハが,一度僚友R.バリチェロと接触するという危ないシーンはあったものの,2位に6秒あまりの大差をつけて今季2勝目を飾りました。同じく予選から好調だったルノーのF.アロンソが,母国GPで自己最高の2位をゲットしています。バリチェロが3位に入っていますので,フェラーリの新車のポテンシャルの高さを決勝でも見せ付けた感じです。これまでノーポイントだったトヨタ勢の中で,C.ダ.マッタがトヨタ社長の目の前で快走を見せて6位と健闘し,自身初ポイントをゲットしました。BARは,J.ビルヌーブがリタイア,J.バトンが一時期トラブルから最後尾に落ちたものの粘りの走りを見せてポイント獲得まで後一歩の9位という結果でした。昨年のFポンチャンピオンであるジョーダンのR.ファーマンが,これまた粘りの走りを見せて8位に入り,ダ.マッタと同じく自身初ポイントを獲得しています。なお,ポイントランキングトップを走るマクラーレンのK.ライコネンは,スタート直後に発進できなかったマシンと接触してリタイアに終わりました。また,僚友のD.クルサードもレース途中でリタイアしていますので,個人のポイントランキングでも,チームのポイントランキングでも,フェラーリが急接近してきました。

☆復活(JGTC)
○予選では,当初の下馬評どおりストレートスピードに勝るスープラが上位を独占した第2戦でしたが,決勝ではスープラとGT−Rの明暗が分かれました。ポールからスタートしたauセルモスープラは,スタート直後から快調な走りを見せ他車との差を広げていきました。ところが,1回目のピットを済ませた後から徐々にGT−R勢に差を詰められるようになり,72周目にはモチュールピットワークGT−Rに抜かれてしまいました。そして,その翌周に何と単独スピンを演じ,マシンの一部を壊してしまいました。auはそのまま走行を続けましたが,パーツ脱落の可能性があったためオフィシャルからオレンジボール(他のマシンに危険を及ぼす可能性が高いため,すぐにコース上から退避するよう通告する旗)を提示されましたが,5周にわたってこれを無視。当然この行為は重大なレギュレーション違反ですから失格となってしまいました。モチュールピットワークGT−Rがそのまま逃げ切り,GT−R勢としてはおよそ2年ぶりとなる勝利をもたらしました。また,2位にカルソニックスカイライン,4位にザナビィニスモGT−Rが入り,GT−R復活を思わせる結果を出しました。予選好調だったスープラは,3位にデンソーサードスープラGTが入り,何とか一矢を報いました。なお,GT300クラスでは,ハセミ・スポーツ・エンドレスZが初表彰台となる2位に入り,ニッサンが誇る俊足マシンであるGT−RとフェアレディZが揃っていい結果を出すことになりました。また,Zと同じく今季からの新投入マシンであるARTAのGaraiyaが3位に入り,これまた初表彰台となりました。

2003・5・4
☆断トツ(F1)
○スペインGPの予選2日目が行われ,初日に続いてフェラーリの新型マシン「F2003−GA」が快調な走りを見せました。ポールポジションは,前回に続いてM.シューマッハがただ一人1分17秒台に入る走りを見せて獲得。2番手には,同じフェラーリのR.バリチェロが入りました。3,4番手にルノー勢がつけ,相変わらずの好調ぶりを発揮しました。5番手にBARのJ.バトン,6番手にトヨタのO.パニスと日本車勢が入り,決勝に向けての期待を高めてくれています。なお,現段階でランキングトップを走るマクラーレンのK.ライコネンは,タイムアタック中にコースオフしたため最後尾からの決勝スタートとなってしまいました。

☆スープラ強し(JGTC)
○第2戦の予選が行われ,auセルモスープラの竹内浩典&立川祐路組がコースレコードでポールを獲得しました。今回から03年型GT−Rを駆っている影山正美&R.ライアン組が3番手に入りました。国内屈指の高速サーキットだけに,下馬評ではスープラの優勢が伝えられていましたが,予選結果はそれを裏打ちするものとなりました。スープラは全部で7台参戦したのですが,全車トップ10に入りました。それに対して,ストレートスピードに劣るNSX勢は,トップ10の中に1台も入れず,決勝での苦戦が予想される結果となりました。

2003・5・3
☆新型車好調(F1)
○第5戦スペインGPが開幕し,予選1日目はフェラーリのM.シューマッハがトップタイムをマークしました。フェラーリは,今回から今季型の「F2003−GA」というマシンを投入しました。このマシンは,バージボードが2枚あるという特徴をもっていますが,いきなりトップタイムをマークしましたので,フェラーリマシンのポテンシャルの高さは相変わらずといっていいでしょう。また,空力などに改良を施してきたトヨタ勢も好調で,C.ダ.マッタとO.パニスが,それぞれ4番手と6番手につけています。トヨタは,今日行われる予選からニューバージョンのエンジンも投入する予定なので,さらに向上が期待されます。なお,フェラーリのテストドライバーを務めるA.ブルツのジャガーへの移籍話ですが,新型車の開発作業が今後も継続されますので,どうやらご破算になる可能性が高くなったようです。ブルツ側は,まだその話の継続を望んでいるようではありますが・・・。

☆役者勢揃い(JGTC)
○1ヶ月以上にわたるインターバルの後,ようやくJGTCの第2戦が開幕します。今回からスープラ及びGT−R勢は,ようやくすべて03年型マシンとなります。また,今年からGT500へと参戦クラスを変更したVemac RD350Rが,満を持して投入されます。今回の舞台となるのは,国内屈指の高速サーキットである富士スピードウェイです。また,レース距離が500qという,JGTC最長のレースとなります。通常でいくと2回のピットインが要求されるわけですので,ピット作業も大きな要素となります。下馬評では,直線でのスピードに勝るスープラ有利(富士はトヨタ所有のサーキットでもありますし)と見られています。しかし,高速走行での長丁場のレースですからマシンにかなりの負担がかかります。ということで,何が起こるか予断を許さないレースとなるでしょう。

☆4輪デビュー(元WGP)
○WGP125tクラスで94年と98年に世界チャンピオンとなった坂田和人が,4輪デビューを果たしました。彼の新たな戦いの場所は,日産マーチカップ東日本シリーズです。このところR2−1などのテレビ中継のキャスターを務めていましたが,ようやくレースの世界へと舞い戻ってきました。今回の復帰の裏側には,本山哲との交流があったようです。2輪の元チャンピオンが4輪でも活躍することはありますので,これからの坂田和人にも要注目といったところでしょうか。

2003・5・2
☆新型エンジン開発(WGP)
○エンジンはWCM,フレームはハリスというような役割分担でMotoGPクラスに参戦しているWCMチームですが,先日行われた南アフリカGPは,レギュレーションに合致していないという理由でFIMから参加を許可されませんでした。ご存知のように,WCMのマシンは市販車であるヤマハYZR−R1をベースに作ったものです。レギュレーションでは,いわゆるMotoGP専用のマシンでないといけない(そうでないと市販車マシンで争うSBKとの棲み分けがうまくいきませんもんね)ことになっています。WCMとしては,抗議はしているものの,やはり何らかの対策の必要性は感じているようです。そこで,今回WCMチームからエンジンの修正が発表されました。その発表の中には,新型エンジンの鋳型も入っています。チームとしては,5月11日に行われるスペインGPには間に合わせる意向のようです。

2003・5・1
☆アメリカGP復活か(WGP)
○1993年の開催を最後に,WGPのカレンダーからアメリカGPが消えています。アメリカでのWGPの認知度はそれほど高くなく,K.ロバーツがチャンピオンをとっても,それほど国内では話題に上らなかったという事実もあります。F1よりCARTやIRLの方が認知度が高いということがありますが,WGPとAMAシリーズとの間にも似たようなことがあります。しかし,メーカーにとってアメリカは大変大きな市場ですし,チームについているスポンサーにとってもそうです。また,今年はK.ロバーツをはじめ,N.ヘイデン,C.エドワーズ,J.ホプキンスといったアメリカンライダーがフル参戦しています。そうした様々な要因から,アメリカGP復活の声がこれまで以上に高まってきています。開催されるサーキットについても,いろいろな憶測が出ています。93年まで開催していたラグナセカもその候補の一つですが,今回浮上してきているのが,アラバマ州バーミンガムにあるバーバー・モータースポーツ・パークです。現在AMAシリーズのスーパーバイククラスにフル参戦しているベンとエリックのボストロム兄弟がテスト走行をした際,その素晴らしい環境にここでの開催に賛成したようです。もし2004年からアメリカGPが復活すれば,ボストロム兄弟がワイルドカードで参戦する可能性が高いと考えられます。果たして復活なるでしょうか。

☆ご冥福を(WRC)
○危篤状態が続いていたニュージーランドのトップラリードライバーであるP.ボーン氏が,昨夜お亡くなりになりました。ボーン氏については,先日のニューすでにお伝えしたように,ニュージーランドで行われているヒルクライムのコースを下見中に対向車と正面衝突し,頭を強く打ち危篤状態となっていたのです。懸命の治療が続けられていたのですが,脳に深刻なダメージを受けていることが判明し,医師と家族が相談の上,生命維持装置の使用を徐々に減らしていくことが決定。ついに帰らぬ人となってしまいました。WRCはもちろん,アジアパシフィックラリー(APRC)などにおいてスバル車を駆って活躍をしたボーン氏でした。ご冥福をお祈りします。