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ここでは,レースに関する情報をできるだけいち早くお伝えします。

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2003・6・30
☆ワンツーだけど(F1)
○第9戦ヨーロッパGP決勝が,ドイツのニュルブルクリンクで行われました。序盤,ポールからスタートしたK.ライコネンは順調に順位をキープし,それとは反対に2番手だったM.シューマッハは弟のR.シューマッハに抜かれてポジションダウンしました。2位に浮上したラルフは,給油を先延ばしにする作戦を取って,2位のポジションをキープしていました。そして,26周目にトップを走行していたK.ライコネンがエンジントラブルでリタイアしてからトップに浮上し,後は独走状態に入りました。2番手争いはM.シューマッハとJ−P.モントーヤという何かとぶつかり合う因縁の二人の争いとなり,43周目のヘアピンでモントーヤがシューマッハを強引に抜いて2位に浮上しました。結局ウィリアムズの二人がそのまま逃げ切り,ラルフとしてはうれしい母国での優勝&今季初のワンツーとなりました。モントーヤに押し出されてしまったシューマッハは,結局5位にポジションダウンしたものの,ポイントはゲットしていますから,ランキングトップの座をキープしました。ウィリアムズにとってはまたとない結果になりましたが,モントーヤの行為が審判の対象となっており,結果次第では順位に変更があるかもしれません。ただし,当のシューマッハのコメントでは,これはレーシングアクシデントだとコメントしていますから,審判の結果は非常に微妙でしょう。日本関係では,BARのJ.バトンが粘りの走行で7位に入りポイントを獲得したものの,トヨタ勢も含めて,後はリタイアとなりました。

2003・6・29
☆雨(WGP)
○「ダッチTT」と呼ばれる伝統のオランダGP決勝が行われました。この日は,3クラス全てウェットの中でレースが行われ,2位に大差をつけてのチェッカーという同じようなシーンが見られました。まず,MotoGPクラスは,S.ジベルナウが序盤M.ビアッジとの競り合いがあったものの,徐々に引き離して行き,今季3度目のトップチェッカーを受けました。ランキングトップのV.ロッシは3位に入り,ジベルナウにその差38ポイントに迫られました。予選から苦労していた日本人勢は,やはり決勝でもその状況に変化がありませんでした。惜しかったのは,アプリリアのマシンを駆る芳賀紀行で,4位まで上がってきたものの,残り2周というところで転倒しリタイアとなってしまいました。結局宇川徹の12位が最高で,玉田と清成にいたっては,周回遅れのノーポイントとなってしまいました。
250tクラスは,以前全日本選手権にモリワキから参戦していたオージーライダーのA.ウェストがトップでチェッカーを受けました。この勝利は,自身初となるものです。表彰式では,オーストラリアの大先輩であるM.ドゥーハンに見守られながらでしたから,喜びもひとしおだったのではないかと思います。
125tクラスは,参戦8年目のS.イェンクナーが2位に11秒以上の大差をつけて優勝し,これまた自身初勝利を上げました。この優勝で,ランキングでも2位の座に着きました。

☆ストーブリーグ?(WGP)
○今回のオランダGP会場には,SBKでランキングトップを独走中のN.ホジソンが姿を見せていました。噂では,単に観戦に来ただけではなく,来季WGPに進出する狙いがあるからではないかと言われています。現在ドゥカティのマシンを駆っているのですが,来季は同様にドゥカティでGPに参戦するという見方が出ています。ドゥカティのワークスチームは,今年のライダー二人の残留の可能性が高いですから,ワークスでの参戦は無理のようです。しかも,MotoGPクラスは,F1と同じように権利のあるチームのみが参戦できます。ですから,新規にチームを起こしてということはできません。そこで,どこかのチームをドゥカティ陣営に引き込む必要が出てくるわけです。これまた単なる噂ですが,その候補の一つが,今年中野真矢が所属しているダンティーンチームではないかというのです。もしそうなると,ヤマハの支援を受けてライダー生活を送ってきている中野の立場が危うくなってきます。夏を迎え,来季の動きも徐々にアツクなってきていますね。

☆初ポール(F1)
○ヨーロッパGP予選が行われました。今回の予選は,トップタイムが次々と塗り替えられる激しいものとなり,結局マクラーレンのK.ライコネンがポールを獲得しました。これは,参戦42戦目で自身初のポール獲得です。日本関係では,トヨタの2台ともトップ10に入る好走を見せたものの,BARはJ.バトン12位,J.ビルヌーブ17位と全くふるいませんでした。また,タイヤでもブリヂストンが不振で,トップ10に入ったのは,フェラーリの2台だけでした。

☆トレンド?(F1)
○BARの来季型マシンの投入が,フェラーリやマクラーレンと同じように来シーズン途中からということが明らかにされました。シーズンオフの短い期間の中での開発ではなく,シーズン当初は昨年型マシンの改良版を投入し,その間に新型マシンの開発を十分に行い,信頼性が確保できた段階での投入ということです。これから,こうしたことがF1の世界のトレンドとなるのでしょうか?

2003・6・28
☆イタリアと日本(WGP)
○第7戦オランダGPの予選が行われ,ドゥカティのL.カピロッシがポールを獲得しました。今回の予選は(も?),カピロッシとM.ビアッジ,V.ロッシのイタリアン3人で激しいタイムアタックが展開され,結局はここに名前を挙げた順でのグリッドとなりました。それに対して,日本勢は大苦戦。中野真矢の10位が日本人最高グリッドで,ホンダ&ブリヂストンのパッケージングでレースを重ねるごとに注目を集めるようになってきている玉田誠は18番手でした。さらにブービーと最後尾が,それぞれ清成龍一と青木宣篤となっています。せめてレースでは,いい結果を残してもらいたいものです。

☆コース改修
○先日2輪用のシケンインを改修したばかりの鈴鹿サーキットですが,8耐を前にして,さらにコース改修を行うことになりました。今回行われる工事は,今年のWGP開幕戦で命を失った故加藤大治郎選手の事故が起きた箇所です。130Rから立ち上がってシケインに入る部分のランオフエリアの拡幅をし,一番狭い部分で2mほどしかなかったのを,最低でも4mはあるようにします。今回の改修は,7月中には終わる予定ですから,8耐の時には,新しいランオフエリアでレースが展開されることになります。

2003・6・27
☆撤回(F1)
○国際自動車連盟(FIA)は,2006年10月をもってタバコ広告全面禁止という方針を打ち出していましたが,この度その方針を撤回することを発表しました。F1チームは,相変わらずタバコマネーに頼っている部分が多いのが現状です。チームによっては,制限の期限以上の契約期間を結んでいるところがありますし,なかなかタバコ以外のスポンサーを見つけるのが厳しいというところがあります。そうした現状を踏まえての今回の決定となったようです。ただ,タバコマネーからの脱却を行っていくことは世の趨勢となっていますので,特別に期限は設けないものの,今後はそれぞれのチームやプロモーターの判断で広告禁止を行っていくことになりました。

☆直管(WGP)
○昨日お伝えしたように,ホンダは今回のレースに新エンジンを投入していますが,排気管についても新しい取り組みをしています。今年のトレンドとなってきている部分もあるのですが,ドゥカティやスズキなどと同じように排気管が直管のマシンを投入しました。RC211Vは,他のマシンと比べて排気音はややおとなしめなのですが,ロッシによると今回のマシンはかなりうるさく,集中力を奪われることが時々あったというコメントを出しています。とは言っても,初日の予選ではサーキットベストのタイムをたたき出して暫定のポールを獲得しましたので,マシンがパワーアップしていることは間違いありません。この直管マシンを今後も使うかどうかについては,これから検討していくということのようです。

2003・6・26
☆新エンジン(WGP)
○前戦において,ついにドゥカティが初優勝を決めました。開幕戦から一発の速さを見せ付け,今シーズン中に表彰台の一番高いところに上ることは予想されていましたが,こんなに早く来るとはあまり思いませんでした。チャンピオンチームであるホンダとしても,先の結果は心中穏やかざるものがあったと思います。今日から開幕するオランダGPにおいて,ホンダはV.ロッシに対して新しいバージョンのエンジンを投入することになりました。ロッシも,先に行われたカタルニアでの合同テストにおいてこのエンジンでの走行を既に実施済みです。新しいエンジンは,乗りやすさとパワーアップに取り組んだようですが,その結果最高速も伸びたとのことです。

2003・6・25
☆CARTへ?(元F1)
○元F1ドライバーのM.サロが,CARTで走るのではないかという噂が出ています。サロといえば,昨年末でF1ドライバーを引退したものの,先日行われたルマン24時間に登場したりして,レーシングドライバーとしての活動はまだ続けていることを印象付けています。そのサロが,C.ポロックの率いるチームのドライバーを務めるのではないかという噂です。ポロックといえば元BARのチーム代表ですし,サロはその時のドライバーでした。そうしたBARつながりがありますので,全く根も葉もない噂というわけではありません。さて,この噂が現実となるのか,サロファンには気になるのではないかと思います。ただし,CART自体の先行きが不安という側面もありますが・・・。

2003・6・24
☆イギリス以降(F1)
○マクラーレンの女性スポークスマンの発表によると,今季型マシンであるMP4−18の投入は,7月20日に行われるイギリスGP以降になるということです。これまでテストドライバーのA.ブルツを中心に開発のためのテストを行ってきましたが,たびたびトラブルにたたられていますし,テスト中のクラッシュによりブルツ自身が病院行きになったこともありました。前回のレースで,ドライバー及びチームとしてのポイントランキングでフェラーリにトップの座を奪われたものの,ポイント的にはまだ十分にチャンピオンを狙える位置にいます。それだけに,信頼性に欠けるマシンの投入に二の足を踏むのは当然といえるでしょう。万が一イギリスGPにも間に合わなかった場合,事態はさらに深刻になってきます。というのも,内規により8月のテストが禁止になっていますから,8月に行われるドイツ及びハンガリーGPにも間に合わない可能性があります。ということは,9月14日に行われるイタリアGPからの投入ということも可能性としてあります。このことは,つまり新車がシーズン終盤の3戦のみという事態も想定されるわけで,何とももったいない(?)話ですね。

2003・6・23
☆初1(WRC)
○第7戦キプロスラリーが行われました。スバルのP.ソルベルグが,全6SSのうちの5SSを制するという圧倒的な速さを見せ,2位に4分以上の差をつけて優勝しました。スバルの優勝は,今季初となります。ソルベルグ個人としては,昨年のイングランドラリー以来の自身2勝目となります。

☆初2(元WGP)
○WGPの元125tチャンピオン坂田和人は,今シーズンから4輪のマーチカップ・イーストシリーズに参戦していますが,その第2戦がツインリンクもてぎで行われました。本山哲などの声援を受ける中,見事な走りを披露し,見事3位でチェッカーを受けました。4輪転向2戦目にして,早くも初表彰台をゲットしました。

☆肉薄(WSS)
○SBKと併催のスーパースポーツ世界選手権(WSS)の第7戦が,ミサノサーキットで行われました。このシリーズにフル参戦している唯一の日本人ライダー藤原克昭が,気温・路面温度ともに厳しい条件の中で昨年のチャンピオンF.フォレとトップ争いを展開し,後半タイヤの消耗に苦しんでフォレに逃げ切られてしまいましたが,2位表彰台を獲得しました。この結果,ポイントランキングでも2位に浮上し,ポイントランキングトップのC.バーミューレンがリタイアしたため,35ポイント差まで肉薄しました。

2003・6・22
☆新冠スポンサー(NASCAR)
○アメリカンモータースポーツで最も人気のあるのが,NASCARウィンストンカップというシリーズです。日本でも,以前ツインリンクもてぎで開催されたことがあります。このNASCARは,「ウィンストンカップ」という名称がついていて,NASCARとウィンストンカップは一つの”単語”のような印象があります。しかし,当然「ウィンストン」というのはRJレイノルズ社のタバコブランドのことで,1971年以来ずっと冠スポンサーとしてついていましたから,当たり前のように一つの単語として認識されていたわけです。しかし,この言葉も覚えなおさなければならなくなりました。世界的な禁煙運動の影響から,RJレイノルズ社がスポンサーを降りることにありました。そして,新しいスポンサーとして,アメリカの大手通信電話会社である「ネクステル」がつくことが決定しました。当然来年からは「NASCARネクステルカップ」というシリーズ名になります。今回の契約は10年間で,噂では契約金が800億円を超えるということです。

2003・6・21
☆代走(WGP)
○ムジェロで行われたイタリアGPにおける怪我が原因で,先日のカタルニアGPを欠場したK.ロバーツが,次のオランダGP(ダッチTT)も欠場することになりました。医師の診断によると,回復までに6週間が必要とのことです。ロバーツの意向としては,7月13日に行われるイギリスGPからは復帰したいようです。そのロバーツの代走として,今季イギリススーパーバイク選手権にフル参戦している加賀山就臣が出場することになりました。

2003・6・20
☆転院(WGP)
○カタルニアGPにおいて,僚友のA.ピットの転倒の巻き添えをくって転倒した柳川明については,18日のこのページで背骨の骨折ということでお伝えしました。ところが,検査の結果,背骨ではなく頚椎を骨折していたことが分かりました。場所が場所だけに,一歩間違っていたら深刻な状況になっていただけに,正に不幸中の幸いでした。入院当初からベッドに寝たきりの状態を保たざるを得なかったのですが,首を固定する装具ができたことにより,ようやくその状態から解放されました。明日日本に帰国して,さらに詳しい検査及び入院をする予定のようです。今シーズン後半には,元気な姿でワイルドカード参戦することができるといいですね。

2003・6・19
☆裏技?(F1)
○今シーズン開幕前に,資金難からチームが解散をしたアロウズの今季型マシンA23を,何とミナルディが購入するという話が明らかとなりました。両チーム共コスワースエンジン搭載マシンですから,エンジンとシャーシのバランスを考えたマシンづくりがされています。今季型マシンであるPS03が今一歩の状態のミナルディは,アロウズマシンを購入してそのいいところをPS03に取り入れようと考えているようです。もしかしたら,そのままA23で走ることも考えられなくはないでしょう。ただし,この点についてはミナルディは公式には認めていません。いずれにしても,資金難に苦しむミナルディとしては,裏技とも言える形でのマシン開発に着手しましたね。

☆交渉開始(WGP)
○先日4輪の王者M.シューマッハの契約交渉成立についてお伝えしました。では,2輪の王者V.ロッシの契約はどうなるのでしょう?彼のマネージャーによると,来季以降の契約について交渉を始めたことを明らかにしました。ホンダとロッシの契約は,今年までとなっています。以前もそうだったのですが,ドゥカティとの契約についての噂もまだ根強く残っています。ただ,ロッシのタバコ嫌いは有名な話ですから,マールボロがマインスポンサーをしている現段階では,ドゥカティとの契約はまず考えられません。やはり,このままホンダとの契約延長という線が一番強いでしょうが,一寸先は闇の世界ですから,何か大きな裏技が登場して,状況が大きく変わらないとも限りません。

2003・6・18
☆栄枯盛衰(CART)
○アメリカのフォーミュラカーレースの最高峰と言えば,「CART」というのがつい最近までの常識(!?)でした。しかし,今シーズンは多くの有力なチーム及びドライバーやエンジンメーカーが離脱し,IRLにその座を奪われた感があります。こうした状況は,興行成績にもろに表れ,巨額な赤字運営を強いられているようです。一説によると来年の開催も危うい状況にあるようです。このような中,CART自体を買い取ってくれるスポンサーを要請していることが明らかとなりました。凋落の一途を辿ろうとしているこのシリーズの買い手が,そう簡単に見つかるでしょうか?

☆鬼門?(WGP)
○カタルニアGPのオープニングラップで,カワサキのA.ピットのミスによりJ.マックウィリアムズとワイルドカードで参戦した柳川明を巻き込んでの多重クラッシュが発生しました。カワサキ陣営にとっては,いきなり2台を失う結果となってしまったわけですから大きな痛手となりました。また,チームとしての痛手だけでなく,柳川にとっては個人としても痛手を負いました。レース後なかなか背中の痛みが取れなかったため精密検査をした結果,背骨に二箇所の骨折を負っていることが分かりました。昨年のもてぎラウンドでワイルドカード参戦した時にも,新型マシン故でのマシントラブルから転倒し,足を骨折する大怪我を負っています。どうも柳川にとっては,ワイルドカード参戦は鬼門となっているような感じですね。

2003・6・17
☆援護射撃(F1)
○開幕戦で勝利したものの,その後はほとんどトップ争いに絡むことなく現在ランキング7位に沈んでいるマクラーレンのD.クルサード。常にチャンピオン候補の一人に挙がってきてはいましたが,今年もどうやらその可能性はなくなってきたようです。本人もそのことは自覚したようで,今後はM.シューマッハとチャンピオン争いをしている僚友のK.ライコネンの援護射撃に回ることを明言しました。フェラーリ陣営では,M.シューマッハのチャンピオン獲得に向け,R.バリチェロの強烈なサポートがこれまでもたびたびありましたが,クルサードがマクラーレンにおいてその立場に立とうというわけです。今季型マシンであるMP4−18の投入がこれから予定されていて,場合によっては素晴らしいパフォーマンスを発揮することも期待されます。今回行われたカナダGPでランキングトップの座にシューマッハがつき,このままシューマッハ&フェラーリの独走状態になる可能性もありますから,チャンピオン争いをおもしろくする上でも,クルサードの名サポーターぶりを期待したいものです。

2003・6・16
☆初優勝(WGP)
○第6戦の決勝が行われ,今季からWGPに復帰したドゥカティのマシンを駆るL.カピロッシが優勝しました。カピロッシ個人で見ると,00年イタリアGP以来の勝利となります。カピロッシ&ドゥカティのパッケージングは,予選での速さは見せていたものの,長丁場となる決勝では,少し後退するところが見られていました。しかし,随所にごく近い段階での優勝を感じさせていただけに,「やはり」といった印象です。ただ,今回の優勝には,トップを走行していたV.ロッシがコースオフするというドゥカティにとっての幸運があったこともあります。しかし,今回の優勝でチームに弾みがつき,そうしたアクシデントなしでも勝利することができる可能性も十分にあるかもしれません。なお,コースオフしたため6番手まで順位を落としたロッシですが,気迫の走りを見せて2位でチェッカーを受けました。清成龍一は11位でフィニッシュし,自己最高の成績を収めました。

☆圧勝(ルマン)
○世界3大レースの一つ「ルマン24時間」の決勝が行われました。当初から速さで一つ抜きん出ていたベントレーを,速さと信頼性を兼ね備えたアウディが追いかけていくというレースが予想されていましたが,その通りのレース展開となりました。フロントローからスタートしたベントレーの2台が,スタートの段階から順調に周回を重ね,結局T・クリステンセン&R・カペッロ&G・スミス組のベントレーがポールトゥーフィニッシュを飾りました。ベントレーの優勝は,1930年以来73年ぶり6度目となります。また,クリステンセン個人では,5度目の優勝となります。しかも,アウディ時代から3連勝を飾って今年のレースを迎えていましたので,今回の優勝で何と4連勝を飾ったことになります。もちろんこれは,史上初めての快挙になります。優勝候補の一角に上がっていた日本のプライベートチームであるチーム・ゴウは,しばらく3位を走行していたものの,いくつかのトラブルが発生してピットインを強いられ,結局4位でチェッカーを受けました。また,全てがオールジャパンで参戦したマッチこと近藤真彦が率いるKONDOレーシングは,ドライブシャフト破損などのトラブルを乗り越えて13位でゴールしました。

☆トップ浮上(F1)
○カナダGPの決勝が行われ,王者M.シューマッハが,フロントロースタートのウィリアムズコンビに序盤からプレッシャーを与え続け,21周目のピットストップでトップに浮上するとそのまま逃げて今季4勝目をあげました。ランキングトップでこのレースを迎えたK.ライコネンは,予選で最後尾となり,ピットスタートを選択して怒涛の追い上げを見せましたが6位入賞がようやくといった感じでした。この結果,ランキングトップの座にM.シューマッハがつき,ライコネンは第2戦以来守っていたトップの座を譲ることになりました。日本車関係では,トヨタのO.パニスが8位に入って今季初ポイントを獲得したものの,僚友のC.ダ.マッタとBARの2台はリタイアとなりました。

2003・6・15
☆好調1(F1)
○第8戦カナダGPの予選が行われました。前戦のモナコGPにおいて,予選トップはR.シューマッハ,決勝トップはJ−P.モントーヤと,チームとしてはポールトゥーフィニッシュを決めて好調さをアピールしたウィリアムズが,今回の予選でもその好調さを維持して,ポールはR.シューマッハ,2位がモントーヤと,フロントローを独占しました。ランキングトップのK.ライコネンは,タイムアタックに失敗してコースからはみ出てしまったために大きくタイムロスし,何と最下位グリッドに沈んでしまいました。

☆好調2(WGP)
○第6戦カタルニアGPの予選が行われ,ポールは「やはり」と言うべきか,王者V.ロッシがコースレコードで獲得しました。そして,これまたいつものようにドゥカティのL.カピロッシが2番グリッドをゲットしました。前戦において中野真矢が3番グリッドにつけましたが,今回は昨年まで中野のチームメイトだったヤマハのO.ジャックがつけました。彼としては,今季最高グリッドになります。今季どちらかというと予選・決勝とホンダやドゥカティに押され気味の中ですが,2戦連続3番グリッドを獲得,上位6台中3台を占めるというように,ヤマハ勢が予選での好調さを見せるようになりました。後は,決勝でも好調になるといいのですが,果たしてこちらの方はどうなるでしょう。

2003・6・14
☆独占(ルマン)
○予選2日目が行われ,グリッドが確定しました。ポールを獲得したのは,T.クリステンセンがタイムアタックを担当したベントレーの7号車でした。予選2位には,M.ブランデルがアタックを担当したベントレーの8号車が入り,フロントローはベントレーの独占でした。昨年の優勝車を手にして,今年も優勝候補の一角に食い込んでいるチーム・ゴウは,トラフィックに引っかかったりして十分なアタックができなかったものの5番グリッドを獲得しました。他の日本関係では,チーム,マシン,ドライバー,タイヤとすべてオールジャパンで固めて注目を集めているマッチこと近藤真彦が率いているKONDOレーシングは,元F1ドライバーの片山右京がタイムアタックを担当し,12番手のタイムをたたき出しています。期待のティーンエイジャードライバーである下田隼成が所属するDBA・ザイテックは16番手,それとは対照的な超ベテランの「ミスタールマン」こと寺田陽次郎のWR・プジョーは27番手でした。日本人チームのチーム・タイサン・アドバンの余郷敦&飯田章&西澤和之組は40番手でした。

☆出場&欠場(F1&WGP)
○前戦においてクラッシュ又は転倒し,今回のレースに出場が危ぶまれていた人の間で明暗が分かれた話題があります。まず,BARホンダ(F1)のJ.バトンは,「セカンドインパクト症候群」の危険性からメディカルチェックを受けましたが,異常が認められず,無事カナダGPに出場しました。そのかわり,佐藤琢磨の代役出場はなくなりましたが・・・。それに対して,チームメイト同士で転倒するという最悪の結果に陥ったスズキ(WGP)のK.ロバーツは,右肩を強打して痛み残っているため,第6戦の出場を見合わせました。

2003・6・13
☆提訴(WGP)
○6日のこのページで,WCMチームの失格決定のニュースをお伝えしましたが,再び新たな動きが出てきました。WCMは,新たにスポーツ仲裁所に今回のことを提訴するというものです。この仲裁所については,これまでにもスポーツニュースなどで様々なスポーツのトラブルで登場することがありましたので,その存在について知ってらっしゃる方も少なくはないと思います。今後1ヶ月以内に審理が行われる予定です。なお,チームと契約しているC.バーンズとD.デ.ゲアは宙に浮いたままという状態でいるわけですが,噂によると今シーズンの残りのレースに2ストマシン(去年まで使っていたYZR?)で参戦するのではないかということです。

2003・6・12
☆メディカルチェック(F1)
○先日行われたモナコGPの2日目に行われたフリー走行において,激しいクラッシュをから決勝への参加を見合わせたBARのJ.バトンですが,次のカナダGPへの出場が微妙となりました。グランプリドクターであるS.ワトキンスによると,その原因は「セカンドインパクト症候群」というものだそうです。これは,衝突事故などで脳震盪を起こした後,短期間で再び脳震盪を起こすと脳に深刻なダメージを受けることになるものです。実際,ワトキンスがバトンに会った際,少し記憶が失われていることが認められたそうです。今日最終的なメディカルチェックを受け,それによってカナダGPへの参加の決定がなされます。もし出場できなくなった場合,代役としてBARのリザーブドライバーでもある佐藤琢磨が出場することになります。日本人としては,何とも複雑な心境ですね。

2003・6・11
☆スポット(R2−1)
○TSRからJSB1000とST600にダブルエントリーしているのが,元GPライダーの辻村猛です。ST600については,現在ランキングトップに立っています。その辻村が,スポット参戦ではありますが久々に世界戦に復帰することになりました。復帰するのは,WGPではなく,600tのマシンで毎回激しいレースが展開されているWSSとイギリスの国内戦にあたるBSS(イギリススーパースポーツ選手権)です。辻村のスポット参戦は,6月15日にシルバーストンで行われるWSS第6戦と,6月22日にブランズハッチで行われるBSS第6戦です。参戦体制は,R2−1と同じF.C.C.TSRで,マシンも同じくCBR600RRとなっています。WGPの125tクラスにおいては,チャンピオン争いまで演じたライダーですが,ここ数年ほとんど日の目を見ることがない状態が続いていました。それだけに,今回のスポット参戦は,辻村の復活に向けさらに弾みがつくものと思われます。ぜひこの2戦では,「ぶちかまし」(WGP当時,よくインタビューなどで「ぶちかまします。」と発言していました。)てもらいたいものですね。

2003・6・10
☆契約延長(F1)
○M.シューマッハとフェラーリとの契約は,来年までは既に結ばれていましたが,再来年以降の去就が注目されていました。フェラーリとしては,「シューマッハ政権」維持のためにJ.トッドをはじめとする首脳陣との契約延長などの対策に取り組みました。そちらの方の契約延長に成功し,シューマッハ引止めのお膳立てを整えました。それが功を奏し,このたびシューマッハとの間で2006年末までの契約延長に成功しました。「2004年をもってシューマッハ引退。J−P.モントーヤの加入。」という噂がしきりに出ていたのですが,今回の契約延長により,その噂が一蹴されたことになります。ただし,僚友のR.バリチェロに関しての契約延長の話は,今回発表がありませんでした。これから先,シューマッハのチームメイトについての噂が出てきそうですね。

☆日本人初(IRL)
○本来は,昨日のニュースでお伝えするべきでしたが,ついうっかり落としてしまいました。一般のニュースでも取り上げられているものなのに,それを落としてしまうなんて何という失態なんでしょう。申し訳ありません。m(__)m
IRLの第5戦がテキサス・モータースピードウェイで行われ,高木虎之介が3位入賞を果たしました。CARTも含めて,アメリカンフォーミュラの最高峰クラスで日本人が3位内に入るのは,今回が最初になるという快挙を達成しています。なお,優勝したのは,アメリカンフォーミュラの世界では人気・実力共にトップクラスのA.アンサーJrでした。彼は,今年41歳のベテランです。ライバルとしてずっと同じフィールドで戦ってきたM.アンドレッティが,前回のインディ500をもって引退しましたが,今回の優勝でA.アンサーの方は,その健在振りを示したといえるでしょう。

2003・6・9
☆同胞同士の争い(WGP)
○イタリアGPの決勝が行われました。中盤までは,V.ロッシ,L.カピロッシ,M.ビアッジという3人のイタリア人同士の激しいトップ争いが展開されました。終盤にロッシが抜け出してチェッカーを受け,見事ポールトゥーウィンを飾りました。4位争いには,玉田誠,中野真矢,宇川徹の日本人3人にS.ジベルナウが加わっての争いが展開され,結局玉田がその争いに勝利しました。4位という順位は,彼にとって自己最高です。この大会から4ストマシンとなったプロトンKRは,2台揃ってリタイアとなっています。

☆新しい開催地(WGP)
○WGPを主催するDORNAとカタール・モーターサイクル連盟との間で,5年間に及ぶ開催契約が結ばれました。カタールGPが開催されるサーキットは,日本人にとってはサッカーで御馴染みとなったドーハ郊外に現在建設中です。中東でのGP開催は,もちろん初めてのこことなります。

☆改修
○大ちゃんの死亡事故を始め,特に2輪レースにおいてコース改修後にシケイン区間でいくつかの事故が発生しています。それを受けて,鈴鹿サーキットからシケイン区間の再改修工事の発表が行われました。今回の改修は,2輪用シケインを廃止し,新たに第1シケイン後に2輪専用シケインを新設するというものです。今日から早速その工事に取り掛かります。この工事によって,大ちゃんの悲劇が繰り返されないことを願いたいと思います。

☆「大魔神喜ぶ」?(Fポン)
○第4戦の決勝が行われました。ポールは脇坂寿一でしたが,スタートでやや出遅れ,4連勝を狙う本山哲に先行されるというシーンを演じてしまいました。ところが,第3コーナー手前で3台のマシンによる多重クラッシュが発生して赤旗が提示され,レースはスタートからやり直すことになりました。再スタートでは,脇坂はうまくトップの座を守りましたので,彼にとって何ともありがたい赤旗となりました。終盤になると,2位を走行していた本山が,何と事故によってセーフティーカーが導入されている中にもかかわらずスピンを演じてしまいました。代わって土屋武士が2位にあがりましたが,残り10周目に90度コーナーでコースオフ。これにより脇坂のトップは安泰となり,見事ポールトゥーウィンを飾りました。チームにとっては,創設以来初めての勝利となります。チームオーナーの佐々木主浩にも,当然このニュースはすぐに伝えられたはずでしょう。数10年前に「大魔神怒る」という映画がありましたが,今回の勝利は,さしずめ「大魔神喜ぶ」といったところでしょう。

2003・6・8
☆あつい(WGP)
○予選初日を上回る気温32度・路面温度47度という厳しい条件の中で,イタリアGPの予選2日目が行われました。初日より条件が厳しくなったということで,多くのライダーが初日のタイムをなかなか更新できない状態が続きました。暫定のポールを獲得していたL.カピロッシも,その中の一人です。しかし,セッション終了間際に,王者V.ロッシが最速タイムをたたき出してポールを獲得しました。そのタイム差は,わずか0.027秒。暑い条件の中で,熱い走りが見られた感じです。3番手のタイムをたたき出したのが中野真矢で,彼自身にとってこれは今季最高グリッドになります。初日12番手とあまりふるわなかった宇川徹は,7つポジションをあげて5番手につけました。今大会から4ストマシンでの参戦を開始したプロトンKRは,まだまだ新型マシンのポテンシャルを見せることができず,J.マックウィリアムスが19番手,そして青木宣篤にいたっては最後尾からのスタートとなりました。なお,最高速に注目が集まって(なぜなら,今シーズン最高速をたたき出したライダーに賞が贈られるからです。)いますが,ドゥカティのT.ベイリスが,同僚のカピロッシが初日に出した記録を上回る時速331.1kmをマークしました。

☆初ポール(Fポン)
○ツインリンクもてぎで第4戦の予選が行われ,チーム22の脇坂寿一が,コースレコードをたたき出してポールを獲得しました。彼自身にとっては今季初のポールですが,チームにとっては全く初めてのポールということになります。チームオーナーであるシアトルマリナーズの佐々木主浩投手も,アメリカの地できっと喜んでいることと思います。今季行われた全てのレースを制している本山哲は,3番手につけ,4連勝を虎視眈々と狙っている感じです。

2003・6・7
☆地元(WGP)
○気温が30度・路面温度が40度をそれぞれ超えるというこの時期としては厳しい条件の中,第5戦イタリアGPの予選1日目が行われました。暫定のポールを獲得したのは,ドゥカティのL.カピロッシでした。ドゥカティ&カピロッシというとどちらもイタリアですから,地元の組み合わせが暫定でのポールをとったことになります。2位には,終盤カピロッシにトップに立たれるまでトップタイムをマークしていたV.ロッシが入りました。3番手には,M.ビアッジが入っていますが,両者共にやはりイタリア人ライダー。予想されていたこととはいえ,MotoGPクラスはイタリアパワーが中心となっていることをあらためて感じさせられました。前戦から故加藤大治郎選手に代わって参戦を開始した清成龍一は,今回も苦労しているようで,初日は最後尾のタイムとなりました。なお,125tクラスでは,宇井陽一が暫定のポールを獲得しています。
ところで,今回の予選でのトップスピードを見ると,トップがドゥカティで時速328.9km,一番遅かったのが今回から登場のプロトンKRで時速298.5kmでした。同じ4ストロークマシンなのですが,何だかクラスが違うマシンで戦っている感じがしますね。

2003・6・6
☆失格決定(WGP)
○フレームビルダーのハリスと組んでMotoGPクラスに参戦したWCMですが,南アフリカGPにおいてマシンが規格に合致していないという理由から参戦失格となっていました。これは,フレームは問題ないのですが,エンジンが対象となっていました。MotoGPクラスのエンジンは,市販ではなく完全にプロトタイプでなければいけません。これは,SBKとの棲み分けを明確にしなければならないからです。ところが,WCMのエンジンは,ヤマハR1をベースにしてつくられていますので,この点が問題となったわけです。南アフリカでの裁定を不服としたWCMは,国際規律裁判所に提訴していました。その審理が行われたのですが,WCMの訴えは却下され,失格が決定となりました。

☆2005年から?(F1)
○バーレーンや中国など,噂となっている新たな開催国が名を連ねていますが,その中の一つであるトルコについて情報が流れています。それによると,2005年からトルコGPが開催されることが決定するのではないかということです。なお,バーレーンや中国は,2004年からの開催が噂にあがっています。

2003・6・5
☆進退(F1)
○M.シューマッハの今後について,9月14日に行われるイタリアGPで発表するということをマネージャーであるW.ウェバーが語りました。シューマッハとフェラーリとの契約は,すでに04年までは結ばれていますので,05年以降の契約について発表することになります。「F1ドライバーとしての生涯はフェラーリで」ということは,既にシューマッハの口からこれまでに何回も出ていますから,もし05年以降の契約が不成立となれば,すなわちF1からの引退を意味することになります。シューマッハは現在34歳。05年となると36歳と言うことになりますので,果たしてF1ドライバーとしての立場を継続するのでしょうか?私個人としては,少々疑問の残るところです。なお,フェラーリがJ−P.モントーヤを獲得する意向があることも,噂としてこれまであがっています。チームやドライバーの思惑が,ちらほら出てきているような感じがしますね。

☆復活か?(F1)
○タバコ広告禁止措置の影響で,惜しまれつつ今年のレースカレンダーから姿を消したベルギーGPですが,来年復活する可能性が出てきました。ベルギーに新しい政府が発足し,ベルギーGP復活を条件に,原因となったタバコ広告禁止の法律を改正する動きが出てきたからです。新政権の経済相のS.クブラがイギリスを訪問し,F1界のボスであるB.エクレストンと会談することになっています。これまでにも,エクレストンは「タバコ広告禁止措置がなければベルギーGPは復活する」ということを公言していましたから,来年からの復活の可能性は高いのかもしれません。

2003・6・4
☆強化(F1)
○強化に関する話題を2つ。ザウバーは,モンツァサーキットで行われている合同テストに参加していますが,そこには新しいエンジンを投入しています。ザウバーは「ペトロナスV10」というエンジンを使っていますが,これは実際上はフェラーリの型落ちV10エンジンです。そのV10エンジンは,これまでバージョンAでしたが,次回カナダGPからよりパワーを強化したバージョンBを投入することになっています。2つ目は,マクラーレンと時計ブランドで有名なタグホイヤーとの関係です。これまでもスポンサーとして様々なかかわりをしていましたが,今後チーム内の様々な機器に関する提携をより一層強化することになりました。両者の関係は,1985年からですから,来年で20年となります。タバコ広告禁止の関係から,F1の世界もタバコブランドからの脱皮を図る必要があります。そうした意味から言っても,両者の関係強化というのは大切な意味を含んでいると言えるでしょう。

2003・6・3
☆投入決定(WGP)
○特例措置により唯一2ストマシンで参戦していたプロトンKRですが,ここにきてようやく4ストマシンで登場することが決定しました。マシンは,すでにこのページで何度も取り上げていますが,ホンダと同じV5マシンで,チームが独自に開発したオリジナルマシンです。先日行われたフランスGPのフリー走行でとりあえず走行しましたが,十分なテストが行われていないということでレースには登場しませんでした。レースの翌日にテストを実施し,基本的な部分では大きな問題が発生しなかったことから,次戦イタリアGPからの投入が決定したわけです。とは言っても,まだまだマシンの開発は初期の段階と言えるわけで,しばらくは十分なポテンシャルが発揮できるわけではありませんが,非力な2ストマシンで走行し続けたJ.マックウィリアムズ&青木宣篤の両ライダーのモチベーションが,これからようやく本格的に高まってくることは間違いないでしょう。

2003・6・2
☆久々(F1)
○世界3大レースの一つ,伝統のモナコGPの決勝が行われました。レース開始早々にH−H.フレンツェンのクラッシュによりセーフティカーが出ましたので,大きな波乱があるのかと思われましたが,その後は大きな出来事は起こらず順調にレースは進行しました。予選3番手からスタートしたJ−P.モントーヤが,スタートでK.ライコネンをかわして2番手に浮上し,ウィリアムズのワンツーでレースは進んでいきました。1回目のピットストップでモントーヤがトップに浮上し,終盤ライコネンの追撃を受けたもののそのまま逃げ切り,今季及びモナコ初優勝を飾りました。モントーヤにとって01年のイタリアGP以来の自身2勝目となります。2位にライコネン,3位にM.シューマッハが入り,ドライバーズポイントでライコネンが4ポイント差に広げてトップの座を守りました。ただし,チームランキングでは,マクラーレンとフェラーリが同ポイントとなりました。なお,2日目のフリー走行で大クラッシュを演じたBARのJ.バトンは,大事をとって決勝に出場するのを断念しました。僚友のJ.ビルヌーブは,予選からなかなか歯車がかみ合っていませんでしたが,決勝でもその流れは変わらず,9番手走行中の64周目にトンネル出口でマシンから火を噴いてリタイアとなりました。

☆拡大(WSS)
○SBKと併催で開催されているWSSの第5戦決勝が,ドイツのオーシャスレーベンで行われ,日本人で唯一フル参戦しているスズキの藤原克昭が3位表彰台に上りました。しかし,優勝したのがランキングトップのテンケイトホンダのC.バーミューレンでしたから,ランキング2位の座は守ったものの,トップとの差が38点となり逆に拡大しました。

☆法要(WGP)
○開幕戦で大クラッシュをし,世界中の人々の願いもむなしくこの世を去った加藤大治郎選手の四十九日の法要が,しめやかに行われました。ここにあらためてご冥福をお祈りします。

2003・6・1
☆好調だったのに(F1)
○伝統のモナコGP予選2日目が行われました。1日目の結果から考えて,フェラーリがフロントローを独占するものと思われていましたが,何と結果は大違い。ポールを獲得したのは,ウィリアムズのR.シューマッハでした。これは,2001年のフランスGP以来2年ぶりとなります。3位にはJ−P.モントーヤがつけていますので,ウィリアムズのワンスりーとなりました。フェラーリは失速して,M.シューマッハが5番手,R.バリチェロが7番手となっています。市街地コースということで道幅が大変狭く,抜きどころがほとんどないだけに,予選結果が大変重要となるだけに,4連勝を狙うシューマッハ兄としては厳しい予選結果となりました。
なお,予選1日目に3位に入り,好調さを見せていたBARのJ.バトンは,この日行われたフリー走行においてトンネル出口で大クラッシュを演じてしまいました。救出するのに15分もかかる激しいクラッシュだったのですが,幸い大きな怪我につながることはありませんでした。用心のためにこれ以後の走行を中止したため,予選は不走行となりました。せっかくいいタイムを刻んでいただけに残念な結果となりました。なお,決勝を走るかどうかについては,その時の体調しだいのようです。もちろん,走行するとなれば最後尾からのスタートということになります。

☆従来の形に?(F1)
○フェラーリ&M.シューマッハのあまりの速さを何とかするために,今季は1周限りのタイムアタックでグリッドを決める予選方法をとっています。結果としては,7戦中4回シューマッハ兄が獲得していますので,効果がないことはないという感じでしょうか。しかし,わずか1周しかできないわけですから,ミスを挽回することが不可能なことは間違いないわけで,この方法の是非について意見が分かれていることも事実です。そのせいかどうか分かりませんが,F1のボスであるB.エクレストンが,来季から従来の予選方法(12ラップ走行)に戻すかもというようなコメントを出しているようです。