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最新ニュース

ここでは,レースに関する情報をできるだけいち早くお伝えします。

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2003・3・31
☆激戦(JGTC)
○開幕戦の決勝がTIサーキット英田で行われ,昨年のチャンピオン脇坂寿一&飯田章組が優勝しました。レースは,本山哲&M.クルム組がポールからスタートし,その位置を保ったままで始まりました。しかし,接触ありスピンありとクラッシュありと,JGTCならではの激戦が展開され,最後は2位に約4秒の差をつけてスープラがトップでチェッカーを受けました。何度もトップを走った本山&クルム組は,最終的にタイヤが激しく消耗して惜しくも2位になりましたが,予選だけでなく,決勝でもGT−Rの復活を印象付けました。なお,GT300クラスは,チームタイサンのGT3Rのワンツーで終了しています。

☆同点(WSS)
○SBK及び併催で行われているWSSの決勝が,オーストラリアのフィリップアイランドで行われました。SBKはヒート1も2もドゥカティのN.ホジソンが優勝し,ランキングでもトップに立っています。WSSは,開幕戦で優勝したスズキの藤原克昭とホンダのC.バーミューレンとの間で激しいバトルが繰り広げられましたが,後半タイヤの消耗に苦しんだ藤原が徐々に遅れ,バーミューレン,藤原の順でチェッカーを受けました。この結果,ランキングでもこの2者が同ポイントで並ぶという接戦を演じています。

2003・3・30
☆8年ぶり(JGTC)
○開幕戦の予選が行われました。時間が経つにつれてだんだん路面温度が下がっていくという気象条件でしたので,通常ですと1回目の予選より2回目の方がタイムが上がるものですが,今回はそうとも限らない状況でした。そのような中,午前中に行われた予選1回目にコースレコードでトップタイムをマークしたザナヴィニスモGT−Rの本山哲&M.クルム組が,そのままポールポジションを獲得しました。GT−Rのポール獲得は,95年MINE以来,実に8年ぶりとなります。レギュレーションが大きく変化し,新しいJGTCとして注目されるのですが,このような予選結果となりましたので,今日行われる決勝も,十分混戦が予想されます。なお,GT300クラスは,Endlessタイサンアドバン・GT3Rの余郷敦&浅井亮博組がポールを獲得。今年から初見参となるオートバックスのCMでおなじみのガライヤ(ARTA)は,クラス5番手で今日の決勝を迎えます。

2003・3・29
☆非戦(JGTC)
○TIサーキット英田での合同テストが終了しましたが,トヨタMR−Sを駆ってGT300クラスに参戦しているシグマテックレーシングチームが,マシンに「NO WAR」のステッカーを貼って走行しました。先日行われたMotoGPの合同テストにおいてV.ロッシが,ヘルメットに「Peace」という意味のイタリア語を書いての走行をしました。その両者とも「平和だからこそレースができる」というような趣旨での行動で,このウェブページのコンセプトと正に同じです。シグマテックの行動に対しては,賛同者が多いようで,今日から開幕するJGTCでは,いろいろなマシンにこのステッカーが貼られているかもしれません。

☆施行延期(F1)
○当初,第11戦イギリスGPから使用禁止となる予定だったドライバーズエイド(ホイールスピンをコントロールするTCS,スタートをコントロールするLCS,オートマチックギアボックス)が,今シーズン終了まで使えるようになりました。ドライバーズエイド禁止措置については,チーム側からの猛反発を招いていて,仲裁に持ち込まれていましたが,そうした混乱を避けるため今回の決定がなされたのではないかと思います。今シーズン様々なレギュレーション改定が行われ,FIA側がかなり強い態度でのぞんでいたのですが,この問題についてはなぜか緩やかな対応に変化した感じです。

2003・3・28
☆復活するか(JGTC)
○開幕を間近に控えたJGTCの合同テストが,開幕戦の場所となるTIサーキット英田において行われました。午後は途中からウェット路面になりましたが,午前中はドライでの走行となり,トップタイムはGT−Rを駆る本山哲&M.クルムペアたたき出しました。タイムは,唯一の1分25秒台でした。ここ数年それほど目立った活躍ができていなかったGT−R勢ですが,ようやく復活の兆しが見えてきました。実は,午前中にauセルモスープラが1分23秒台のスーパーラップを刻みましたので,参加者一同の度肝を抜かれたのですが,何と計測ミスであることが判明。当然タイムは取り消しとなりました。さて,今週末にいよいよJGTCが開幕します。新しいレギュレーションのもとで行われる最初の年ですが,スープラとNSXの争いと見られている中にGT−Rが割って入ってきた形ですので,三つ巴のおもしろいバトルが展開されるのではないかという期待が持てるようになりました。

2003・3・27
☆噂(F1)
○とかくいろいろ噂の立つF1の世界ですが,ちょっと気になる噂を2つ紹介。まず一つ目は,「ベルギーGP」の復活です。名物コーナー「オールージュ」を擁するスパ・フランコルシャンでのベルギーGPは,人気と伝統のあるレースです。しかし,タバコ広告規制の関係で,今シーズンからレースカレンダー上で消えてしまいました。しかし,人気と経済効果の大きさなどから復活の声が根強く,ベルギー国会で広告規制先送りの法案を通したりして,今シーズン途中から復活するのではないかということです。
2つ目は,「新チーム」結成です。ご存知のように,F1への参戦は誰でもできるものではなく,権利がないと(相撲界でも親方株がないと部屋を持つことができませんよね)参戦することができません。資金難から昨シーズン末をもって消滅したアロウズの権利が中に浮いたままとなっていますが,その権利を買い取って参戦しようとする動きがドイツにあるようです。その動きの中心人物の一人に,昨シーズンをもってBARから離れたC.ポロック(現J.ビルヌーブのマネージャー&元高校のときの恩師)が入っているということです。

2003・3・26
☆発表はしたものの(WGP)
○今シーズンMotoGPクラスを走るマシンの中で,唯一発表されていなかったのがプロトンチームKRの新型マシンですが,昨日ようやく公の場でお披露目されました。このマシンは,ご存知のように昨年のチャンピオンマシンであるRC211Vと同じV型5気筒エンジンを搭載しています。マシン自体は,大変コンパクトでエアロダイナミクスにも優れているということです。ただし,ようやく完成しただけで,レースに参加するほどマシンの開発が進んでいないのが現実です。チームの発表によると,開幕戦の日本GPには,昨年まで使っていたV型3気筒マシンで参戦するということです。ということは,当初今年からすべてのマシンが4ストになる予定でしたが,少なくとも開幕戦だけは2ストマシンが1チームだけ走ることになります。ホームグランプリということで,何とかいい結果を出そうと思っているはずの青木宣篤にとっては,何とも残念な思いになっているのではないかと思います。

2003・3・25
☆レースに復帰(元WGP)
○93年の500tチャンピオンで,「ピノキオ坊や」の相性で呼ばれて大変人気のあったK.シュワンツが,久々にレースの世界へ復帰することになりました。度重なる怪我や,W.レイニーをはじめとするライバルの引退などによって95年に引退した後は,一時期4輪のレースに参加していた程度でした。今回の復帰は,もちろんWGPの世界ではありません。アメリカ国内のAMAレッドブル・スーパーモト選手権といって,オンロードとオフロードのどちらもが組み合わされたレースです。現役当時から強烈なスライド走法を取っていたシュワンツですから,こうしたレースは向いているのかもしれません。このレースには,シュワンツだけでなく,デイトナを得意とし元スズキワークスからWGPに参戦したこともある「ミスターデイトナ」ことS.ラッセルも参戦するようです。なお,スーパーモタードといったオフロード系のバイクを使ってオンロードでのレースをするカテゴリーは,日本国内でも徐々に人気が出ているようです。これから先,あちらこちらのサーキットで結構な台数を集めて行わるようになるのかもしれません。

2003・3・24
☆若手(F1)
○第2戦の決勝が行われ,マクラーレンのK.ライコネンが初優勝を飾りました。予選トップのアロンソが21歳,決勝トップのライコネンが23歳と,大変若いドライバーが栄冠を獲得した第2戦であったといえるでしょう。それに対して,王者M.シューマッハは,序盤にトゥルーリに突っかけるは,それによってペナルティーは受けるは,フロントウィングにダメージを負って緊急ピットインはするはと王者らしからぬレースを展開して,何と周回遅れの7位という結果でした。他のドライバーも,ビルヌーブのようにスタートさえできなかったというように様々なトラブルが続出して,波乱のレース展開が繰り広げられました。

☆2&4(R2−1&Fポン)
○R2−1の勝者は,予選で2位に2秒あまりの差をつけてポールを獲得していたケンツの北川圭一でした。ただ,予選結果から考えてブッチギリで優勝するものと思われていましたが,後半タイヤの消耗が激しいため辻村猛にかなり差を詰められましたが,1秒ちょっとの差をつけてチェッカーを受けました。
Fポンは,序盤4番グリッドからスタートした本山とポールの道上との間でバトルがありましたが,9周目に道上がトラブルによりリタイア。その後は,本山の一人旅が続いて新生Fポン最初の勝者となりました。

2003・3・23
☆最年少記録(F1)
○マレーシアGPの予選2日目が行われ,ルノーのF.アロンソが初のポールポジションを獲得しました。これまでのポールの最年少記録は,94年にR.バリチェロが記録した22歳3ヶ月でしたが,アロンソは現在21歳7ヶ月ですので,バリチェロの記録を大きく上回る最年少記録を樹立しました。また,スペイン人のポールも史上初になります。2位には同じくルノーのJ.トゥルーリが入り,ルノーのワンツーとなりました。同チームのワンツーは,前身であるベネトンが88年に記録して以来となります。予選初日にダントツの速さでトップに立っていたフェラーリのM.シューマッハは,3番手にとどまりました。僚友のバリチェロも5番手とふるいませんでした。初日の状態からするとかなり意外な感じがしますが,今シーズンからの新ルールである「予選終了から決勝スタートまでの給油は禁止」への対策として,燃料を満タンにしていたのではないかと思われます。第1戦の結果も考慮に入れると,どうやら現行のルール下での予選は,ポールにこだわる必要がほとんどないようですね。

☆ダントツ(R2−1)
○2&4としてFポンと同時開催となったR2−1ですが,今回はJSB1000クラスのみの開催です。ポールを獲得したのは,前日の合同テストでもトップタイムだったGSX−R1000を駆るケンツの北川圭一でした。タイムは2分8秒390で,2位に入った山口辰也が2分10秒205ですからその差は約2秒。改造範囲の狭いJSB1000クラスでのこの差は圧倒的といえるもので,決勝は北川の独壇場になるのではないかという予想も立ちます。

2003・3・22
☆ブッチギリ(F1)
○第2戦マレーシアGPの予選第1日目が行われ,フェラーリのM.シューマッハが,ただ一人1分34秒台に入る圧倒的な速さで初日のトップタイムをたたき出しました。2位には同じくフェラーリのR.バリチェロが入り,やはり他のマシンとは格が違うというところを見せました。それにしても,シューマッハの速さはダントツで,2位のバリチェロに対してもコンマ7秒の差をつけています。このサーキットでの勝率が5割ですから,マシンの速さと相性のよさが重なっての結果かもしれません。今日わざわざ予選を行わなくても,結果が見えているような気がしてしまいます。

☆チャンピオン経験者(Fポン&R2−1)
○2&4として開催されるFポンとR2−1の開幕戦ですが,初日の金曜は合同テストが行われました。両カテゴリーとも大幅な改正が行われた中での走りでしたのでその結果が注目されましたが,Fポンのトップタイムはただ一人1分45秒台に入る速さを見せた本山哲が,R2−1(今回はJSBクラスのみの開催)はただ一人2分9秒台に入る速さを見せた北川圭一がトップタイムをマークしました。どちらもチャンピオン経験者で,やはり大幅なチェンジが行われた直後というのは実力者がその力を見せるものですね。ところで,今回最高峰として初の開催となったJSB1000クラスですが,エントリー台数が70台と,大変な盛況を見せました。鈴鹿サーキットでの開催ですから,鈴鹿8耐をにらんだ参加というマシンがあるのかもしれませんが,それにしても2輪レースの下火化といわれている中でのこの参加状況ですから,改革はある意味正解といえるのではないでしょうか。

2003・3・21
☆レースの週末
○今週末はレースの日となります。まず,今日からF1の第2戦マレーシアGPが開幕します。新レギュレーションのもとで始まった第1戦は,マクラーレンの作戦勝ちで終了したものの,マシン自体の速さはやはりフェラーリでした。チャンピオンチームとしては当然黙っておくはずはないので,何らかの対策を講じてくるはずです。注目はBARがどの程度の結果を残すか。昨年まではほとんどいいところがありませんでしたが,第1戦は予選・決勝ともにマシンの完成度の高さは見せてくれました。果たしてそれが本物かがわかると思います。また,トヨタは2台ともリタイアという結果になりましたが,今回は,リタイアのもととなった燃料タンクに改良を加えた新シャーシを投入します。さて,ポイントゲットなるでしょうか。
明日からは,FポンとR2−1が「2&4」ということで同時に開幕します。ただし,R2−1は最高峰の「JSB1000」のみの開催です。どちらもレギュレーションなどが大きく変化したカテゴリーですから,今年の力関係を占う注目のレースとなります。なお,JSB1000クラスにTSRから参戦する元WGPライダー伊藤真一は,先日行われたWGPの合同テスト(彼は今年,プラマックホンダのテストライダーも兼ねています)において負傷したため,残念ながら欠場となります。

☆オートレース転向?
○元WGP125tチャンピオン青木治親が,オートレースの試験を受けることが明らかとなりました。残念ながら今季のシートを得ることができなかった青木ですが,将来の人生設計を考えて今回の受験となったようです。ただ,あくまでも選択肢の一つとしての行動のようで,今のところ「受験に合格したら即転向」というわけではないようです。はっきりしているのは,今季のWGPやR2−1への参戦を断念し,鈴鹿8耐1本に絞るということです。ただ,どのチームからの参戦かは情報が入っていません。オートレースへの転向は,青木だけでなく,元スズキのワークスライダー亀谷長純もその中の一人です。彼の場合は,青木よりかなり本気のようです。250tクラスから始まったワークス撤退の流れが,最高峰クラスへも波及してきた現状から,新たな道の模索へと彼を導いたのでしょう。ただし,いくら元ワークスライダーだからといっても,受験での特別扱いはないはずですから,かなり狭き門への挑戦である事には変わりありません。(閑話休題・・・オートレースといって思い出されるのが,元SMAPの森君のこと。超人気アイドルからの転進で話題となりましたが,彼は活躍しているのでしょうか?私はオートレースについての知識をほとんど持ち合わせていませんから,その辺の情報は得ていません。)

2003・3・20
☆キングの出番(WGP)
○新型マシンの開発が遅れているチームロバーツですが,少なくとも開幕戦の日本GPまでにはシェイクダウンテストを済ませるようです。そのテストは,J.マックウィリアムズが担当するようです。しかも,チームマネージャーのC.アクスランドによると,チームオーナーの元500tチャンピオンである「キング」と呼ばれたK.ロバーツ(シニア)もそのテストを行うということ。さすがに歳をとっても,「キング」は普通の人とは違いますね。

2003・3・19
☆転向
○近藤真彦がオーナーを務めるKONDO Racingの体制発表会がありました。それによると,Fポンでは立川祐路&D.シュワガーがステアリングを握ります。立川は1年ぶりの同チーム復活ということになります。そのFポンは,いよいよ今週末に開幕します。その他のレースカテゴリーとしては,ルマンへの参戦がありますが,それについては,昨日お伝えした通りマッチ&片山&福田の体制です。さらに,ビッツレースにも2名のドライバーを送りますが,その内の一人は武田雄一です。彼は,2輪のレースファンにはおなじみだと思いますが,元HRCのワークスライダーとしてR2−1に参戦していたライダーです。1996年にSUGOで開かれたスーパーバイク世界選手権(SBK)において,日本人初となる勝利を挙げ,2001年にはST600の初代チャンピオンに輝いたという経歴の持ち主です。今季より2輪から4輪へと転向し,このビッツレースをはじめ,鈴鹿サーキットなどで開催されているフォーミュラドリーム(こちらはKONDO Racingからの参戦ではありません)へも参戦します。なお,ビッツレースにおける武田のチームメイトは,昨年富士チャンピオンレースのロードスタークラス(N1)でチャンピオンになった采女秀樹です。新しいフィールドに飛び出した武田の活躍を期待したいと思います。

2003・3・18
☆開幕戦参戦(WGP)
○来年からのフル参戦を目指してマシン開発を行っている日本有数のコンストラクターであるモリワキですが,開幕戦の日本GPに参戦することが決まりました。先日R.ワルドマンが急遽参戦を取りやめ,代わりのライダーを探していたWCMですが,なかなか代わりのライダーが見つからないようで,その1台枠にモリワキが入ることになったのです。ご存知のように,WCMとモリワキは,今シーズンタッグを組んでWGPに参戦する予定で計画が進んでいたのですが,メインスポンサー(レッドブル)の撤退によりやむなくそれぞれの道を進んだという経緯がある関係です。ですから今回の話もスムーズに進んだのではないかと思います。恐らくライダーは芹沢太麻樹となるのでしょうが,スポットとはいえ芹沢自身初のWGP参加となります。

☆交代(ルマン)
○マシン,チーム,ドライバーのオールジャパンでルマンに参戦しようとするマッチこと近藤真彦のプロジェクトに,ちょっと変更がありました。童夢&無限のマシン,KONDO Racingとチームには変更がないのですが,当初マッチ&片山右京&鈴木亜久里というドライバーのラインナップに変更が生じたのです。当初から心配されたことではありますが,チーム監督業に多忙を極める亜久里が,やはり参戦不可能になりました。国内のレースだけでなく,IRLという海外のレースにもチームとして参戦を開始しましたので,チームオーナーとしてあちこち飛び回っている状態だと思います。亜久里に代わって,今年から日本のレースに参戦を開始した元フランスF3チャンピオン福田良が走ることになりました。ベテランから若手への大きなチェンジですが,どちらも元F1関係者(亜久里はF1ドライバー,福田はBARのテストドライバー)ですから,走りは十分に期待できます。特に,元フランスF3チャンピオンの福田ですから,ルマンは庭のようなもの。知り尽くした街とサーキットですので,その意味でも助かるのではないでしょうか。

2003・3・17
☆ドゥカティトップ(WGP)
○スペインのカタルニアサーキットにおいて,今季MotoGPクラスに参戦する全ライダーが揃って2日間にわたって行われたIRTAテストが終了しました。初日は雨がぱらつくあいにくの天気でしたが,2日目はドライでの走行となりました。総合トップは,何と今季からMotoGPクラスにフル参戦するドゥカティのマシンを駆るL.カピロッシでした。しかも,昨年のポールタイムをコンマ8秒も上回るタイムでした。2位には,今回からメインスポンサーであるキャメルカラー(今季のは,黄色がかなり鮮やかなカラーリングです)での走行となったホンダポンスの宇川徹が入り,3位には,初日のトップタイムをマークしたヤマハテック3のA.バロスでした。昨年のチャンピオンのV.ロッシは6番手に終わりました。アプリリアのRS3を駆る昨年のSBKチャンピオンC.エドワーズは,午前中に転倒して腕を痛め,午後のセッションをキャンセルしています。
今回のテストでは,1時間の「予選セッション」があり,そこでトップタイムをマークした人には,マーシャルカーを提供しているBMWから車のプレゼントがあるという豪華な景品がかかっていました。それをゲットしたのがカピロッシということになります。ただし,カピロッシは素晴らしいマシンに仕上げてくれたメカニックに感謝を込めて,メカニックにプレゼントする意向のようです。
また,いつも奇抜なヘルメットで観衆を楽しませてくれるロッシが,今回は先日亡くなったB.シーンの追悼の意味から彼がつけていた「7」という数字をヘルメットにつけていました。また,後頭部のところに「PACE」という文字も入っていました。これは,「Peace」つまり平和の意のイタリア語です。当然イラク攻撃に反対する意味が込められています。ロッシのコメントによると,「戦争が起こるとレースもできなくなるから」というものでした。私がこのHPをつくっているコンセプトと同じ考えですので,何ともうれしい感じがしました。皆さんもいろいろな形でへいわを訴えていきましょうね!

IRTAテスト2日目の結果
ライダー マシン タイム
@ L.カピロッシ ドゥカティ 1.43.634
A 宇川 徹 ホンダ 1.43.832
B A.バロス ヤマハ 1.43.878
C S.ジベルナウ ホンダ 1.44.071
D V.ロッシ 1.44.111
E 加藤大治郎 1.44.290
F M.ビアッジ 1.44.326
G 中野真矢 ヤマハ 1.44.803
H T.ベイリス ドゥカティ 1.44.893
I M.メランドリ ヤマハ 1.44.922



2003・3・16
☆色分け(JGTC)
○2日間にわたり富士スピードウェイで合同テストが行われました。初日がドライ,2日目がウェットという路面コンディションだったのですが,そのおかげで現在のマシンの得手がわかりました。ドライとなった初日は,トヨタスープラがトップタイムをたたき出し,しかも上位を独占しました。しかし,時間を追うごとに完全ウェットとなった2日目は,はじめスープラがトップタイムだったものの,午後からのアタックではホンダNSXがトップタイムをマーク。ということで,ドライではスープラ,ウェットではNSXという今の力関係のようです。ニッサンのGT−Rについては,まだまだ開発途上といったところでしょうか。なお,GT300クラスでは,クスコスバルが03年型インプレッサのシェイクダウンを行いました。新登場のフェアレディーZとのバトルが楽しみですね。

2003・3・15
☆中野もてぎへ(IRL)
○今年は現在までレギュラーシートを獲得できていない元F1ドライバーの中野信治が,ツインリンクもてぎで開催されるIRL第3戦「インディ・ジャパン300」にスポット参戦することが決定ましました。チームは,ビートたけしの義理の弟である松田秀士が以前インディ500に参戦したことのあるベック・モータースポーツです。シャーシはダラーラ,エンジンは中野信治ですからもちろんホンダとなっています。今のところもてぎだけのスポット参戦契約ですが,結果によってはインディ500にも参戦できる可能性もないわけではないでしょうから,ぜひいい結果を残してもらいたいものです。

☆一転(JGTC)
○昨日・今日とすべてのマシンが揃っての初の合同テストが富士スピードウェイで行われていますが,その場において,元F1ドライバーで,98・99年のJGTCチャンピオンでもあるE.コマスのトムスへの移籍が明らかになりました。今季のコマスは,マネージメントなどの仕事が多忙なため,長年所属したNISMOを離れていました。ところが,一転してトヨタに移籍してのJGTC復帰が決まりました。

2003・3・14
☆すでに(WGP)
○今週末に初めてすべてのチームが揃うIRTAテストが,バルセロナのカタルニアサーキットで行われます。しかし,多くのチームはすでにこの場所でテストを開始しています。参加しているチームは,ヤマハ系の3チーム,スズキ,カワサキ,プロトン,WCM,ドゥカティ,プラマックホンダです。ヤマハは,2月に行ったテストが天候不順により十分にテストできなかっただけに,今回かなり気合を入れてテストを行っているようです。転倒で右肩を痛めていたM.メランドリも,インジェクション仕様のマシンにまたがっています。プロトンは,今季新開発のV5エンジンマシンを投入する予定なのですが,開発に手間取り,今回のテストには昨年まで使っていた2ストマシンで参加しています。ですから,マシン開発というよりかは,ブリヂストンタイヤの開発をメインにしているようです。ホンダ勢で唯一参加しているプラマックホンダもブリヂストンタイヤユーザーですから,MotoGPクラスへのブリヂストンの力の入れ方がかなり本格的になった証拠でしょう。

2003・3・13
☆革新(Fポン)
○世界最高峰のF1で様々なレギュレーション変更が行われ,第1戦においてその効果がレース展開にも出ていました。あたかもそれに合わせるように,日本国内の最高峰であるFポンでも,大きなレギュレーション変更が行われています。その中でまだ決定していなかった事項があるのですが,昨日行われた開催発表会の席において,いくつかの点で新たな発表がありました。まず,燃料についてですが,タンク容量を100リットルと110リットルのどちらにするか審議した結果110リットルに決定しました。レースの走行距離がほぼF1並みの長さになりましたから,Fポンマシンの燃費(約2qといわれています)から考えると,途中給油が必要になります。ただし,昨年まであったタイヤ交換義務については,今季からなくなりました。また,第5戦の鈴鹿でのレースが,2ヒート制で開催されることも発表されました。

☆離脱(WGP)
○今季はフレームビルダーのハリスと組んでMotoGPクラスに参戦することになっているWCMから,R.ワルドマンの離脱が発表されました。ワルドマンは,昨年をもって一旦は引退を発表したのですが,今回の新たなプロジェクトに声がかかり,引退を撤回していました。しかし,先週行われたシェイクダウンテストを経て,「4ストロークマシンに馴染めない」という理由から今回の決定に至ったようです。新マシンを開発する上でなくてはならないベテランの力を失ったWCMは,とりあえずこれまたベテランの元GPライダーであるN.マッケンジーをテストライダーとして起用しています。ワルドマンに代わるフル参戦ライダーはまだ決定していませんが,ワルドマンと同じドイツ人ライダーA.ホフマンやJ.ビンセントの名前が挙がっています。

☆ようやく決定(WGP)
○日本人としては唯一の250tクラスのフル参戦ライダーである松戸直樹が,ヤマハクルツとの正式契約に合意が至りました。同チームとは早い段階で参戦が明らかになっていたのですが,理由はわかりませんが,なかなか正式契約に至っていませんでした。今回ようやくその段階となったわけですが,大きな問題は,テストが全く行われないままシーズンに突入せざるを得なくなったこと。ただし,昨年もテストなしで開幕戦を迎えていますので,全く初めてのことではありません。去年との大きな違いは,チームもマシン(03年型ヤマハTZ)も同じですから,その点では助かるかもしれません。

2003・3・12
☆テストドライバーに(F1)
○アロウズやジャガーでF1に参戦したものの,今年はシートを失ってしまってF1浪人となっているスペイン人ドライバーP.デ.ラ.ロサが,今週末スペインのヘレスサーキットで行われるテストにマクラーレンのテストドライバーとして走ることになったようです。マクラーレンには,ベネトン(現在のルノー)から参戦した元F1ドライバーのA.ブルツというテストドライバーがいますが,フェラーリのように2人テストドライバー体制をとるのではないかと見られています。つい最近娘が誕生して父親となったデ.ラ.ロサだけに,来年のシートを得るため,気合の入った走りを見せるのではないかと思います。

☆上田と交代(WGP)
○昨シーズンをもって「ノビー」の愛称で親しまれた上田昇が引退しました。その上田のパーソナルスポンサーを務めていたスパークプラグでお馴染みのDENSOの今年の活動発表会が行われました。それによると,これまでと同じように,JGTCではトヨタスープラを駆るサード,2輪ではWGPに参戦している東雅雄と松戸直樹への支援を継続します。そして,新たに今季デルビからアプリリアに移籍した宇井陽一へ支援することになりました。果たしてDENSOの「イリジウムパワー」を得て,悲願のチャンピオン獲得となるでしょうか。

2003・3・11
☆「不死鳥」逝く(WGP)
○スズキのマシンを駆って76,77年に500tのチャンピオンとなったB.シーン氏が,癌のため永眠されました。享年52歳でした。数々の大怪我に遭いながらも,そのたびに復活してレースに参戦し,「不死鳥」と呼ばれた彼でしたが,ついに羽を休めるときがきてしまいました。昨年自分が癌に侵されていることを公表し,世界中のレースファンから励ましの言葉を受けていました。彼も自然療法などに取り組みながら癌との戦いにのぞんでいたのですが,今回のことになってしまいました。天国においても,もしかしたらトレードマークとなったドナルドダックのヘルメットをかぶってバイクにまたがっているのかもしれませんね。冥福をお祈りいたします。

☆ベルガー引退(F1)
○7日付のこのページで,BMWのモータースポーツディレクターである元F1ドライバーG.ベルガーが,今シーズン終了後F1の世界から引退することをお伝えしましたが,その時期が早まってしまいました。何と第1戦のオーストラリアGP終了後ということです。その誰からも愛される人柄から,数々の個性的なチームメイト(なかなか一筋縄ではいかないという意味も含めています)とも良好な関係を保つことができた彼が,こんなにあわただしくこの世界を去るわけですから,私のような門外漢にはわからないいろいろな軋轢があったのだと思います。一応引退はしましたが,戦略面でのかかわりはもち,時々レースにも訪れるということです。

2003・3・10
☆波乱(F1)
○マシンが飛行機のように宙を舞ったりと,何かと波乱の多いオーストラリアGPですが,今年もそのジンクスは生きていました。そのもとの一つがレース開始直前に降った雨。この雨のためウェットとドライのタイヤ選択で明暗が分かれました。フェラーリを中心とするブリヂストン勢はウェットを,ウィリアムズなどのミシュラン勢はドライを選択したのですが,正解はドライ。レースが始まると見る見るうちに路面は乾いていったのです。この選択ミスのため,スタート時にワンツー体制を敷いたフェラーリは,バリチェロがスピン,シューマッハが緊急ピットインとなりました。ここからレースは激しく動き始め,セーフティーカーが入るほどのクラッシュが発生したり,トップに立つとなぜかアクシデントがあったりして,誰が勝つのか全くわからない状況となりました。結局,タイヤ選択ミスのため緊急ピットインはしたものの,その後は堅実に走っていったマクラーレンのD.クルサードが優勝。2位にJ−P.モントーヤ,3位にK.ライコネンが入り,完走はわずかに11台でした。表彰台に立った3人は,いずれもミシュランユーザーで,F1へ復帰後初のミシュランによる初の表彰台独占となりました。王者シューマッハは,レース終盤にバージボードが脱落するというアクシデントが発生して緊急ピットインを余儀なくされ,結局4位となり表彰台を久々に逃しました。彼がもっている連続表彰台記録は,自身19戦,チームも53戦でストップしてしまいました。なお,予選でいい走りを見せた日本車勢ですが,BARがポイント獲得寸前の9・10位に入りましたが,トヨタ勢は2台ともリタイアに終わりました。

2003・3・9
☆ルールの網(F1)
○よく考えてつくられているはずのルールにも,やはり抜け道というのは存在してしまうものです。今回の予選2日目において走行を取りやめたミナルディは,正にそのことをあらためて実証したといえるでしょう。今年改正されたレギュレーションの中に,予選走行後パルクフェルメにマシンを保管するというものがあります。各チームは,予選が終わってから決勝までの間,タイヤの圧力調整などほんのわずかな作業だけしか許されていません。予選を走らなければそのルールは適用されませんから,ミナルディはマシンの調整をやりたいだけやれることになります。しかも,前日の予選で107%ルール(予選トップのタイムの107%を超えたら予選落ち)をクリアしていますから,決勝のグリッドにもマシンを並べることができます。何とも頭のいいことをやったと言えるのでしょうが,高いお金を払ってそのドライバーなりマシンなりを観に来た観客をバカにしていると思いませんか?これから先,きっとFIAが新たなルールをつくりだすんでしょうね。

2003・3・8
☆予選速報(F1)
○つい先ほど開幕戦オーストラリアGPの予選2日目が終了しました。その結果は,ある程度予想されていたものの,やはりフェラーリのワンツーになりました。ポールがM.シューマッハ,2番手がR.バリチェロです。この2車だけが1分27秒台で,3番手のモントーヤとトップのシューマッハとの差は1秒弱あります。今年もフェラーリ独走のシリーズになってしまうのでしょうか?なお,初日3番手につけたBARのJ.ビルヌーブは6番手。その上を行ったのが今季BARからトヨタに移籍したO.パニスの5番手でした。不可解だったのが,ミナルディの作戦でした。フェルスタッペンとウィルソンの両者とも,何と2日目のタイムアタックを行わなかったのです。車とタイヤを温存するため(?)のようですが,これも弱小チームの悲哀なのでしょうか?

☆ホンダ勢好調(F1)
○予選第1日が行われました。今年から予選方法が変更になり,1台ずつ1周のタイムアタックという方法になっています。そのやり方で初めての暫定ポールは,フェラーリのR.バリチェロが獲得しました。僚友のM.シューマッハは4番手につけています。ただ,精一杯やっての4番手なのか,予選2日目が初日の順(最下位のドライバーから始まり,暫定ポールのドライバーが最後という順)でタイムアタックとなりますので,その対策のための4番手なのかその辺はちょっと疑問の残るところです。初日に注目を集めたのは,ホンダの影響力を高めて臨んでいるBARホンダでした。フリー走行でトラブルが発生し,ほとんど周回ができなかったJ.ビルヌーブが,3番手と大健闘。僚友のJ.バトンは5番手に入っています。果たしてこの成績は,初日だけのものなのでしょうか?それともホンダパワーは本物なのでしょうか?

☆SBKがお好き?(WGP)
○ドゥカティから新しいCEO就任の発表がありました。この新CEOですが,営業の側面から考えて,Moto GPよりSBKへの参戦の方がいいのではないかと考えているようです。確かに,Moto GPは完全なるプロトタイプ車。それに対してSBKは市販車を使いますので,販売へ直接的な影響を及ぼすのはSBKでしょう。今年から新たにWGPへの参戦を開始したドゥカティですが,成績の面で苦しい状態が続くようだと,「撤退」という方向に流れていくことになるのかもしれません。

2003・3・7
☆開幕!!(F1)
○待ちに待った世界最高峰レースの開幕を迎えました。昨年はM.シューマッハ&フェラーリの独壇場に終始したシリーズとなってしまいましたが,果たして今年もその再現がなるのか,あるいはマクラーレンやウィリアムズの巻き返しがあるのか興味深いところです。ただ,下馬評では相変わらず「フェラーリ優位では」という観測が流れていますが・・・。しかも,追いかけるべきはずのチームが,今一歩マシンの仕上がりに不安があるようですし・・・。他の注目点としては,ホンダとトヨタという日本勢の戦いもあげられます。ホンダの影響力を高めてきているBAR,2年目ということでF1の世界に慣れてきているトヨタ。果たしてこの日本車同士の争いは,どちらが有利に進めるのでしょうか?何だか「フィット」と「カローラ」の売り上げ台数合戦を見ているような感じです。もう一つの大きな注目点は,レギュレーション改正の影響です。マシンのハイテクデバイス禁止や予選方法の変更,マシン管理の変更等,レギュレーション改正は多岐にわたっています。これらの変更が,どのチームによい影響を与えるのでしょうか?

☆引退(F1)
○BMWのモータースポーツディレクターを務める元F1ドライバーのG.ベルガーが今季限りで引退することを発表しました。ベルガーによると,契約は9月までありますが,その際に再契約をしないことを名言しました。その理由は家族との触れ合いをということを理由に挙げていますが,実際のところでは,BMWの影響力を高めることを望むベルガーと,そうしないBMW側との意見の対立があるようです。

☆ドライバー発表(Fポン)
○R.ファーマンのF1進出に伴い,空席となっていたPIAA NAKAJIMAの残りのシートに座るドライバーの発表がありました。何人かの若手ドライバーを合同テストの中で走らせ,いわゆる選考テストを実施した結果,A.ロッテラーがシートに収まることになりました。ロッテラーは,21歳のドイツ人で,2000年からジャガーのテストドライバーを務めています。CARTへの進出を希望していたようですが,スポンサーを得ることができず,F1マシンに近いといわれているFポンへの進出を目指したようです。

2003・3・6
☆宇川トップ(WGP)
○イタリアのムジェロサーキットで2日間にわたりHRCとアプリリアの合同テストが行われました。参加したのは,ホンダ陣営がポンスとグレシーニのチーム,アプリリアはワークスのチームです。初日はあいにくの天気で,テストらしいテストが行われませんでしたが,2日目は天候に恵まれ,充実したテストが行われました。トップタイムをマークしたのは,今季ホンダポンスに移籍した宇川徹でした。ホンダのワークスチームであるレプソルを離れざるを得なくなり,今季背水の陣でのぞむ彼だけに,幸先のいい結果を収めました。2番手には僚友のM.ビアッジがつけ,ポンスのワンツーとなりました。以下,芳賀,ジベルナウ,加藤,エドワーズという順でした。

2003・3・5
☆ヨーロッパ進出(ルマン)
○昨年のJGTCにおいて,片山右京の後釜として史上最年少の17歳でデビューした下田隼成が,今季ルマンに出場することが発表されました。所属するチームは,J.ニールセンが率いる「RNモータースポーツ」です。メインスポンサーには,デンマークの新聞社「デン・ブラ・エイビス」がつきます。このスポンサーは,昨年童夢のマシンでルマンに参戦した「チーム郷」のメインスポンサーとなった会社ですから,記憶にある方もいるのではないかと思います。今後の予定としては,6月のルマンはもちろん,来週行われる「セブリング12時間」を皮切りに,FIAスポーツカー選手権のLMP675クラスに参戦するほか,今年から始まるフォーミュラ・ルノーV6シリーズに同チームから参戦することになっています。このように,本格的なヨーロッパ進出を果たすわけですが,国内のレースとしてJGTCにもトヨタ系のチーム(チーム・トムスかな?)から参戦することにもなっています。

2003・3・4
☆デビューウィン(IRL)
○フロリダ州のホームステッド・マイアミ・スピードウェイで開幕戦の決勝が行われました。表彰台の一番高いところに立ったのは,チップガナッシ・トヨタのS.ディクソンでした。ディクソンは今季CARTからの移籍組の一人で,IRL初参戦となりますので史上3人目のデビューウィンドライバーとなります。しかも,過去の2人もチップガナッシから参戦しているドライバーでしたから,何とも因縁めいた記録となりました。2位にはG.ド・フェラン,3位にH.カストロネベスが入り,3人とも今季IRL初参戦のトヨタエンジンユーザーですから,トヨタにとってもデビューウィンとなりましたし,表彰台独占というおまけまでついたすばらしい結果となりました。日本人ドライバーとしては,高木虎之介の12位が最高で,初日のフリー走行で3位のタイムをたたき出した新人のロジャー安川は14位,服部茂章はレース序盤にもらい事故から緊急ピットインしたため18位という結果でした。服部については,マシンのデリバリーが遅れてぶっつけ本番のレースとなった上に序盤のもらい事故ですから,正に「弱り目に祟り目」状態でした。しかし,レース終盤ではトップ5を上回るタイムで走行しましたから,今後マシン開発が進めばいい結果が出せる可能性を見せましたから,そういった意味では価値のあるレースだったのかもしれません。

☆スポンサー契約(F1)
○開幕戦を間もなく迎えようとしているF1ですが,日本関連の新たなスポンサー契約が発表されました。まず,トヨタとKDDIとの間でスポンサー契約が結ばれました。KDDIはこれまでJGTCにおいて「AU」というロゴでトヨタ車へのスポンサードをしていましたから,元々深いつながりがあったといえます。もう一つは,オリンパス光学とチャンピオンチームのフェラーリとの間で契約が結ばれました。契約期間は3年で,ノーズ部分におなじみの「OLYMPUS」のロゴがつくことになります。

2003・3・3
☆好発進(WSS)
○スーパーバイク世界選手権(SBK)及びスーパースポーツ世界選手権(WSS)の開幕戦の決勝が,スペインのバレンシアサーキットで行われました。WSSでの注目は,何といってもポールを獲得した藤原克昭。果たして決勝では,序盤からC.バーミューレンらと激しいトップ争いを展開し,最終的にはバーミューレンに4秒以上の差をつけて優勝。チャンピオンを狙う藤原としては,開幕戦からポールトゥーフィニッシュというまたとない結果を残すことができました。
1日に2レース行われるSBKの方ですが,ワークスマシンを駆るドゥカティのN.ホジソンが2レースとも制し,こちらも幸先のよいスタートを切ることができました。2位には,こちらも2レースともR.ザウスが入っています。ドゥカティは,2レースともトップ5を独占し,シーズン開幕前から予想されたとおり,圧倒的な強さを発揮しています。日本のメーカーで唯一参戦しているスズキは,元WGPライダーのG.ラビッラ1がレース目7位,2レース目6位に入り,健闘を見せています。注目のフォギーペトロナスマシンを駆るT.コーサーですが,1レース目はリタイアしたものの,2レース目に7位に入りました。

☆タイ記録(WRC)
○世界ラリー選手権(WRC)の第3戦トルコラリーの最終日が行われ,シトロエン・クサラWRCを駆る元チャンピオンC.サインツが優勝しました。彼自身にとって通産25勝目となり,僚友のC.マクレーがもつ最多勝記録に並びました。日本車のワークスで唯一フル参戦しているスバルは,エースドライバーのT.マキネンの8位が最高と,あまりふるいませんでした。

2003・3・2
☆いい出足(IRL&WSS)
○レースのシーズンオフがようやく明けてきています。先週はCARTが開幕してP.トレーシーが勝利しましたが,今週はIRLとスーパーバイク世界選手権(SBK)及び併催のスーパースポーツ世界選手権(WSS)が開幕しました。そのIRLとWSSのフリー走行及び予選では,日本人がいい成績を収めています。まず,フロリダ州のホームステッド・マイアミ・スピードウェイで開幕したIRLですが,今季初参戦のロジャー安川が,初日のフリー走行において3番手のタイムをたたき出しています。彼の所属するチームは,こちらも同じくIRL初参戦となるスーパーアグリ・フェルナンデス・ホンダです。つまり,ドライバーだけでなく,チームもエンジンも日本関連のルーキーということになります。次に,スペインのバレンシアサーキットで開幕したWSSでは,昨シーズンチャンピオン争いを展開し惜しくもタイトルを逃したスズキの藤原克昭が予選初日のタイムを守ってポールポジションを獲得しました。今季チャンピオン候補の一角を占めているだけに,実に幸先のよいスタートを切ったことになります。なお,SBKの予選結果は,ドゥカティのマシンを駆るN.ホジソンがポールを獲得。2・3番手にもドゥカティが入っていますので,開幕前から予想されていた通りドゥカティの独壇場の様相を呈しています。ただ,今季初参戦となる元SBKチャンピオンC.フォガティがオーナーを務めるフォギーペトロナスのマシンを駆るT.コーサーが4番手に入り,ドゥカティのフロントロー独占を阻止しています。

2003・3・1
☆テスト終了(WGP)
○ポルトガルで行われたIRTA合同テストとオーストラリアで行われたHRCのテストがそれぞれ終了しました。
ポルトガルのエストリルサーキットで行われたIRTAテストテストでは,ヤマハのYZR−M1を駆るA.バロスがただ一人1分40秒台を切るサーキットベストを更新する快走を披露しました。ヤマハワークスのエースライダーC.チェカが2番手につけ,YZR−M1の仕上がりのよさを印象付けました。YZR−M1のプロトタイプマシンを駆るノリックこと阿部典史は,9番手でしたから,開幕戦で優勝争いに絡むまでにはまだ開発の必要性があるようです。
オーストラリアのフィリップアイランドで行われたHRCのテストでは,3日間とも王者V.ロッシがトップタイムをマークし,こちらも開幕戦に向けて好調ぶりをアピールしました。ルーキーのN.ヘイデンは,ロッシの後ろを走ることにより,ライディングの学習をしたりマシン開発の参考にしたりしました。
両陣営とも,次回のテストは今月の15日・16日にスペインのカタルニアサーキットで行われるIRTA合同テストになります。このテストには,今季WGPに参戦するすべてのチームが参加しますので,これまでのテストの成果が現れることになります。