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2003・10・31
☆接触(F1)
○今季をもってBARから離れた元F1チャンピオンのJ.ビルヌーブが,何とマクラーレンと接触していたことが明らかとなりました。このことについては,チーム側もその事実を認めています。来季のマクラーレンは,既に今年と同じラインナップで臨むことが決定していますから,レギュラーシートの座はありません。ビルヌーブの接触は,テストドライバーとしてのもののようです。マクラーレンのテストドライバーには,A.ブルツというこれまた優秀なドライバーがいます。しかし,このブルツは,ジャガーの正ドライバーとして契約する可能性が高いので,その空きをビルヌーブは狙っているようです。マクラーレンには,もう一人のテストドライバーとして元FポンチャンピオンのP.デ.ラ.ロサがいます。こうした状況にもかかわらず元チャンプが第3ドライバーで契約をという交渉を行ったわけですから,考えようによってはなりふり構わないとも言えます。ただ,可能性の一つとして,2005年にメルセデスエンジン&レッドブルという組み合わせでCART(?)への進出という考えもあるようで,そのことへの布石ではという噂もあるようです。
2003・10・30
☆復帰(F1)
○ザウバーから来季のドライバーについて発表がありました。それによると,今季フェラーリのテストドライバーを務めていたF.マッサが,ザウバーとの間で2年契約を結びました。マッサは,2002年にザウバーのドライバーとして参戦していましたから,1年ぶりに同チームへ復帰したことになります。これでザウバーのドライバーズラインナップは,G.フィジケラとマッサということになったわけです。
☆あと1つか?(WGP)
○王者V.ロッシの動向が決まらないため,例年に比べて来季のラインナップの決定がやや遅くなっている印象ですが,それでも一歩一歩その姿を現しています。チャンピオンマシンRC211Vを擁するホンダの布陣が最も気になるところですが,どうやら残りのシートが1つになりそうです。というのも,今季大活躍したS.ジベルナウは既に契約延長が決定しているものの,その相棒についてはまだ決まっていませんでしたが,どうやらアプリリアからC.エドワーズが移籍しそうです。彼は,SBKでホンダのマシンを駆ってチャンピオンになったり,故加藤大二郎選手とペアを組んで鈴鹿8耐で優勝したりしていますので,ホンダとのパイプがないわけではありませんでした。実際,WGPに参戦する際には,ホンダからではという話も出ていたくらいです。チェコGPにおいて,来季のホンダは6台体制を敷くということが発表済みです。N.ヘイデン,ジベルナウ,M.ビアッジは確実。それに今回のエドワーズと日本の玉田誠もほぼ確実。となると,残りのシートはあと一つということになります。果たしてこのシートにロッシが座ることになるのでしょうか?
2003・10・29
☆外れる(SBK)
○来季のレースカレンダーが発表されましたが,何と毎年開かれていたスポーツランドSUGOでの日本ラウンドが,その中から除外されました。それに代わって新たにカナダでの開催が加わりました。レギュレーションの関係から,今季のSBKにはスズキ以外の日本メーカーは撤退しています。そのため,実際には「ドゥカティカップ」と称してもいいくらいの状態になっていることは事実です。一説には,来季の日本ラウンドが外れたのは,今季撤退してしまった報復ではないかとも言われています。現在開催されている東京モーターショーには,スーパーバイクマシンのベースモデルとなる新車が日本の各メーカーから発表されています。それだけに,今後日本メーカーがSBKに対しても力を入れていくことは十分予想されるのですが,今回の措置はその動きに対して冷水を浴びせる格好になるかもしれません。来季のレギュレーションでは,タイヤがピレリ(2輪ではややマイナーなブランドかも)のワンメークとなり,他のタイヤメーカーに衝撃を与えました。今季衰退が懸念されたSBKですが,どうも動きが悪い方向へと流れていきかねない感じを相変わらず続けています。今後何事も起きなければいいのですが・・・。
2003・10・28
☆中国人初(F1)
○今季アジアフォーミュラBMW選手権で14戦中10勝という圧倒的な強さを発揮してチャンピオンを獲得したH.タンが,ウィリアムズBMWのウインターテストでドライブすることが明らかとなりました。彼はまだ21歳のヤングドライバーで,もし今後も活躍してF1のシートを得るようなことになれば,中国人として初のF1ドライバーとなります。来年から中国でF1が開催されますから,今後同国でのモータースポーツ熱が高まることはほぼ間違いないだけに,今後ますます注目を集めるドライバーとなるかもしれません。
2003・10・27
☆久々(JGTC)
○第7戦の決勝が,オートポリスで行われました。GT500クラスは,織戸学&D.シュワガー組が中盤にトップに浮上。ピット作業でトラブルが発生したため一時的に順位を落としましたが,その後再び追い上げてトップに返り咲き,最終的には2位に13秒以上の大差をつけて優勝しました。チームサードの優勝は,何と6年ぶりとなります。ランキングトップの昨年のチャンピオン飯田章&脇坂寿一組は,2番手まで浮上しましたが,トップに追いつくことはできず,結局最終戦に向けウエイトを積まずにすむ4位まで順位を落としてチェッカーを受けました。ランキング2位の本山哲&M.クルム組も,最終戦に向けてウエイトを落とすことができる5位でチェッカーを受け,静かなるチャンピオン争いを展開しました。6位でチェッカーを受けた井出有治&B.トレルイエ組ですが,4周目のヘアピンで脇坂薫一を弾き飛ばしましたが,これが危険行為だと判断されて1分加算のペナルティーを受けました。なお,GT300クラスは,トップを走行していた松田秀士&田中哲也組が,最終ラップでまさかのガス欠に見舞われて2位に順位を落とし,代わって片岡龍也&澤圭太組が優勝しました。
☆不屈の精神
○スポーツランドSUGOで,全国各地からアルファロメオ遣いが集まって全国統一戦が開催されました。この大会には,太田田哲也氏が参加しました。彼は,98年のJGTCにおいて,彼の乗るフェラーリがスタート直後のクラッシュでマシンが炎上。全身大やけどを負って生死の境をさまよい,奇跡的に命は助かったものの,重度のやけどから本来の顔は失い,両手足にも障害が残るといった数々のハンディを背負ってしまいました。しかし,不屈の精神で立ち直り,レースの世界へカムバックしました。彼の駆るアルファは,不自由な体でも操作できるよう改造されています。ただし,他のドライバーは3リッターエンジンを使用しているのに対して,彼は2リッターエンジンのマシンです。その彼が,この大会において様々なハンディを克服して見事ポールトゥーウィンを決めて優勝しました。彼の活躍は,人々に勇気を与えるものであることは間違いあいません。おめでとう太田選手!!
2003・10・26
☆好調(JGTC)
○オートポリスで,シリーズ戦での開催は初となるJGTCが開幕しました。午前と午後にそれぞれ予選が行われ,竹内浩典&立川祐路組が,2回の予選ともにトップタイムをマークしてポールを決めました。70sというウエイトハンディを負いながらも,トップタイムをマークしているわけですから,やはりスープラの調子よさがうかがえます。ただし,決勝レースは長丁場ですから,ウエイトがあるとタイヤへの負担が大きく,予選で見せた速さを出すというわけにはいきません。ですから,決勝が白熱したものとなることは間違いないでしょう。
ところで,今回の予選ですが,詳しいことはわかりませんが,イエローフラッグ無視ではないかということがあったようです。そのため,予選の正式結果がなかなか出せず,日が変わろうかとする頃ようやく暫定のままの結果で出たようです。先日行われたR2−1の時にも気になったのですが,オフィシャルの対応に不十分な点がオートポリスにはあるような気がしてなりません。もちろんオフィシャルさんも一生懸命やっているのでしょうが,全体として経験不足,体制の不十分さ等が感じられました。これからどんどん大きな大会を開いていこうとしているわけですから,関係各位のこの点の努力を望みたいと思います。
☆暫定カレンダー(WGP)
○再び来季の暫定カレンダーが発表されました。前回と変わったところは,第4戦のイタリアGPの開催日だけです。やはり鈴鹿サーキットでの開催は復活していません。もちろん,来季については,今後も復活の可能性はありませんが・・・。ちなみにオランダ,リオ,カタールについては,決勝日が土曜となっています。
2004年のレースカレンダー(暫定) | |||
決勝開催日 | 名称 | サーキット | |
第1戦 | 4月18日 | 南アフリカGP | ウェルコム |
第2戦 | 5月 2日 | スペインGP | ヘレス |
第3戦 | 5月16日 | フランスGP | ルマン |
第4戦 | 6月 6日 | イタリアGP | ムジェロ |
第5戦 | 6月13日 | カタルニアGP | カタルニア |
第6戦 | 6月26日 | オランダGP | アッセン |
第7戦 | 7月11日 | イギリスGP | ドニントンパーク |
第8戦 | 7月18日 | ドイツGP | ザクセンリンク |
第9戦 | 7月31日 | リオGP | ネルソンピケ |
第10戦 | 8月22日 | チェコGP | ブルノ |
第11戦 | 9月 5日 | ポルトガルGP | エストリル |
第12戦 | 9月19日 | 日本GP | もてぎ |
第13戦 | 10月 2日 | カタールGP | カタール |
第14戦 | 10月10日 | マレーシアGP | セパン |
第15戦 | 10月17日 | オーストラリアGP | フィリップアイランド |
第16戦 | 10月31日 | バレンシアGP | バレンシア |
2003・10・25
☆アジア(F1)
○アジアでのF1開催に関する話題を2つ。まず一つ目ですが,来季から開催が決まっている中国での開催に黄色信号がともっているようです。ただし,かなり弱いものであるとは思いますが・・・。その内容というのは,やはり最近問題となっているタバコ広告です。日本もその中に入っていますが,アジアはタバコ広告に関して欧米に比べるとかなりゆるやかです。中国でもそうだと思われていましたが,禁煙運動に取り組んでいる人たちが圧力をかけ始めた(私個人としてはこうした動きは大いに結構です)ようです。特に,中国GPを開催する上での冠スポンサーがマールボロになる可能性が高いようで,その噂が浮上してからさらに広告禁止への動きが強まっていった感じです。中国では,大きなイベントに限ってタバコ広告が承認される傾向にあるようですから,F1も当然その中に入ると思われます。ですから,開催へ大きな影響を与えることはない可能性が高いですが,ベルギーやカナダなどがそうであったように,これから先中国でも開催が怪しくなる可能性を秘めていることがわかったようです。2つ目の話題ですが,このところモータースポーツへの関心が少しずつ高まっている韓国が,F1開催に向け活動を開始していることが明らかとなりました。新規開催国が増えてきていますから,ここ2〜3年のうちにということは不可能だろうと思われます。しかし,タバコ広告の関係でF1がヨーロッパから少しずつ距離を置き始めていることも事実ですので,その動きが加速した場合,韓国開催の可能性は十分十分高まるのではないでしょうか。
☆開催(JGTC)
○今日から我が大分県のオートポリスでJGTCの第7戦が開幕します。チャンピオン争いが白熱した状況ですから,レースの方もますますヒートアップすることでしょう。ぜひオートポリスへ足を運んでください。私は,明日行われる決勝レースに足を運ぶ予定です。ちなみに,金曜日に行われた練習走行では,GT−Rを駆る本山哲&M.クルム組が,90sのウエイトハンディをものともせず,トップタイムをマークしています。今季Fポンチャンピオンの本山が,果たして箱レースであるGTまで制することになるのでしょうか。
2003・10・24
☆代役(WGP)
○先日行われたオーストラリアGPにおいて,ヤマハ勢の中ではトップを走行し,表彰台争いに絡んだ走りを展開していたM.メランドリでしたが,残念ながら転倒に終わってしまいました。しかも,肩を脱臼するという怪我を負い,緊急手術を受ける状況にまでなってしまいました。当然最終戦となるバレンシアGPは,欠場せざるを得ません。そのメランドリの代役として,ノリックこと阿部典史が出場することが決まりました。彼の出場は,7月に行われたドイツGPが最後ですから,久々のレース復帰となります。
☆初仕事で(IRL)
○今季はスポットでインディ500に参戦し見事7位に入賞,その才能を買われて名門のチップ・ガナッシから来季IRLにフル参戦することになっていたT.レナが,ファイヤストンのタイヤテストでクラッシュを喫し,そのまま帰らぬ人となってしまいました。享年26歳でした。このタイヤテストは,彼にとってチップ・ガナッシでの初仕事でした。レナ選手のご冥福をお祈りいたします。
2003・10・23
☆公開(SBK)
○いよいよ開幕(一般公開は25日から)した第37回「東京モーターショー」において,今季からWGPの125ccクラスへ参戦を開始したKTMが,スーパーバイク世界選手権へ参戦可能なマシンを公開しました。このマシンは,RC8と呼ばれる990ccV型2気筒エンジンを搭載したものです。当初WGP125ccクラスへの参戦は,MotoGPクラスへの参戦を視野に入れたものでした。しかし,最高峰クラスへの進出は,参戦権を持たないチームが新たに参入することができないという壁があるため暗礁に乗り上げていた部分がありました。SBKは,市販車を使用すれば問題なく参戦できますし,そこで活躍することによって会社のイメージが高まるだけでなく,売り上げに貢献する可能性も高まります。今回の新型マシンの公開は,こうしたことを視野に入れたものではないかと思われます。
2003・10・22
☆無事に(WGP)
○オーストラリアGPにおいて激しい転倒を喫したT.ベイルスについて,ドゥカティからリリースがありました。転倒シーンをご覧になった方の中には,おそらく命の心配までされた方も少なからずいらっしゃったと思います。転倒していくさまは,まさに「流れるまま」という感じでしたし,その流れが止まってからはピクリともしない状態でした。ある程度時間が経ってから担架に載せられて運ばれるとき,片手を挙げて観客の声援に応えた様子が画面に写されたことで,命が奪われるほどのものではなさそうだということがわかり,その時ようやくホッとしたのは私だけではないと思います。ドゥカティの発表によると,転倒した頃の記憶はないものの,たいした怪我もなく無事運ばれた病院を退院したそうです。今頃は,自宅があるモナコで静養しているだろうと思われます。再来週に今季最終戦がありますが,そちらの方も無事参加できるようです。たいしたことがなくて本当によかったですね。
2003・10・21
☆2世対決(F3)
○それぞれの国または地域で開催されているF3の成績上位者が集まって,真のチャンピオンを決めると考えてもいい伝統のマカオGP(11月16日開催)のエントリーリストが発表されました。その中には,興味深いドライバーが二人います。その二人とは,N.ピケJrとN.ロズベルグです。ピケやロズベルグと言って思いつくのは,元F1チャンピオンのN.ピケとK.ロズベルグだと思いますが,正にその通りで,両者ともにその息子になります。ピケJrは英国F3,ロズベルグはユーロF3で今季活躍しました。その二人の2世対決が,伝統のマカオGPで見られるということになります。来月に行われる衆議院議員選挙では,今回も小泉総理のように国会議員の2世・3世の候補者が立候補するでしょう。政治家としてたいした能力のない人でも,父親などの地盤・看板を引き継げば当選する(主権者である国民が,そうしたことを許してしまっている)のが我が国の政治の世界。しかし,レースの世界は,実力がないことには最終的に生き残りませんから,「2世対決」と言っても日本の国会議員選挙とは大きな違いがあります。なお,日本からは,チャンピオンを獲得したJ.コートニーをはじめ,平中克行などが参戦します。
2003・10・20
☆チャンピオン決定 PART1(Fポン)
○第9戦の決勝が,ツインリンクもてぎで行われました。チャンピオンに王手をかけている本山哲は,予選2番手からスタートしたものの,素晴らしいダッシュを見せてホールショット(トップで第1コーナーに入ること)を奪い,そのまま独走状態に。このまま優勝でチャンピオン決定かと思われたのですが,ピットインでかなり時間をロスしたため2番手に落ちてしまいました。代わってトップに立ったのは,ポールからスタートした金石年弘でした。本山の追い上げをものともせず逃げ切り,最終的には4秒以上の大差をつけてチェッカーを受けました。金石の勝利は,自身初となります。本山はそのまま2番手でゴールし,最終戦を待たずして2年ぶりにチャンピオンに返り咲きました。
☆チャンピオン決定 PART2(R2−1)
○最終戦の決勝が,TIサーキット英田で行われました。チャンピオン争いが最終戦まで持ち込んだのが,ST600と250tの両クラスです。まずST600クラスは,チャンピオンを争う辻村猛と小西良輝がバトルを展開。最終的には,わずかコンマ06秒差で辻村が逃げ切りました。しかし,チャンピオン争いに関しては,このクラスは有効ポイント制がとられていて,小西が4ポイント差でチャンピオンを獲得しました。250tクラスは,最終的にチャンピオン争いを展開している青山博一と小山知良のマッチレースとなりました。最終ラップでは,マシンがぶつかり合うほどのバトルを展開し,最終的には小山がトップでチェッカーを受けました。ただし,チャンピオン争いでは青山が6ポイント差で逃げ切り,見事栄冠を勝ち取りました。125ccクラスでは,前回のレースで青山周平がチャンピオンを決定していますので,実の兄弟が同じチームでチャンピオンを獲得したことになります。おそらく,こうしたことは国内では初でしょうし,国際的に見ても稀なケースではないかと思います。「稀なケース」といえば,最高峰のJSB1000クラスでも稀なことが起きています。予選のリザルトと決勝のリザルトとでは,何と7番手まで全く同じ順位だったのです。これまた珍しいことですよね。
☆圧倒的(WGP)
○オーストラリアGPの決勝が,フィリップアイランドで行われました。MotoGPクラスは,ポールからスタートしたV.ロッシが圧倒的な速さで走行。途中,今季2回目となるイエローフラッグ(追い越し禁止を表す)無視で10秒のペナルティーを受けることになりましたが,2位に大差をつけていましたから全く影響を受けず,今季の8勝目を獲得しました。ここは,これまで日本人と相性のいいサーキットの一つです。これまでなかなかいい走りを見せることができなかった宇川徹ですが,今回はN.ヘイデンやS.ジベルナウと激しい3位争いを展開。残念ながらその二人に僅かに届かず5位でチェッカーを受けましたが,久々に表彰台争いに絡むことができた感じです。何といっても,日本人の活躍で取り上げなければならないのは,今季限りで引退を表明している東雅雄でしょう。終盤に入ってようやくマシンやタイヤに進展が見られ,このところ上位に顔を出すようになって来ましたが,今回は2位でチェッカーを受け,今シーズン初となる表彰台を獲得することができました。1位には自身初優勝となるA.バッレリーニが入りましたが,彼と東とは同じブリヂストンタイヤユーザーです。BSタイヤの雨での強さは定評がありますが,ウェットとなった今回のレースで,あらためてそのことを証明したと言えます。なお,唯一タイトルが確定していない250tクラスですが,ランキング2位のR.ロルフォが優勝し,ランキングトップのM.ポッジャーリは9位に終わってしまいました。この結果,1位と2位とのポイント差が7となり,ポッジャーリ優位という点は変わりないものの,最終戦でも今回のようなリザルトとなると,ロルフォの逆転Vもあり得る状況となりました。
2003・10・19
☆貫禄(WGP)
○オーストラリアGPの予選2日目が行われ,MotoGPクラスでは,前回のレースでチャンピオンを決めたV.ロッシが,予選1日目と同様にコースレコードをたたき出してトップタイムをマークし,「さすがはチャンピオン」と思わせる貫禄の走りを見せました。唯一チャンピオンが決定していない250tクラスでは,ランキング2位につけているT.エリアスがポールを獲得しました。今回のレースでランキングトップのM.ポッジャーリのチャンピオン獲得を阻止するためには,彼よりも前でチェッカーを受けることが最低ラインですから,まずはそのための第1段階をクリアしたことになります。
☆チャンピオンに向け(R2−1)
○最終戦の予選が行われ,最高峰のJSB1000クラスは,既にチャンピオンを決定している北川圭一がポールを獲得しました。決勝では圧倒的な結果を出していますが,意外にも予選に関しては開幕戦以来の今季2回目のポールとなります。まだチャンピオンが決定していない250tクラスは,現在ランキングトップの青山博一がポールを獲得し,初のチャンピオン獲得に向けて幸先のよい予選結果となりました。もう一つチャンピオンが決定していないST600クラスは,僅差でチャンピオン争いをしている辻村猛が2番手,小西良輝が3番手につけ,予選でも互角の勝負をしました。なお,このクラスのポールは,酒井大作が初のポールを獲得しています。
☆初ポール(Fポン)
○第9戦の予選が行われ,元ドイツF3チャンピオンでFポン参戦2年目となる金石年弘が,自身初となるポールを獲得しました。チャンピオンに王手をかけている本山哲は,予選2番手のタイムをたたき出し,今回のレースでチャンピオンを獲得するための布石をきちんと敷きました。ランキング2位のB.トレルイエは8番手となり,逆転でチャンピオンを獲得するにはかなり厳しい位置からのスタートとなります。
2003・10・18
☆チャンピオン決定後(WGP)
○WGPは3週連続開催ですが,その3戦目となるオーストラリアGPが開幕しました。既に最高峰のMotoGPはV.ロッシが,125ccはD.ペドロサが前戦のマレーシアGPでチャンピオンを決めていますが,その二人が明暗を分ける予選1日目となりました。ロッシは今回も好調で,コースレコードを塗り替えるタイムで暫定のポールを獲得しました。ところが,ペドロサはフリー走行でタイヤバリアに激突するほどの激しい転倒をし,両足首を骨折する重傷を負ってしまいました。ヘリコプターで病院に運ばれて緊急手術を行いましたが,回復まで1ヶ月かかるという診断が出ているようです。ということは,今回のレースはもちろん,最終戦のバレンシアGPをも欠場を余儀なくされたことになります。スペイン人のペドロサにとって,チャンピオンを決めての母国GPでの凱旋レースとなるところでしたが,それができなくなってしまいました。なお,予選1日目のMotoGPクラスの日本人勢ですが,比較的日本人と相性のいいフィリップアイランドであるものの,1日目に関しては宇川徹の10番手が最高とあまり振るいませんでした。今日行われる2日目での奮起が期待されます。
2003・10・17
☆復帰(F1)
○来年の暫定のレースカレンダーが,9月に発表されたものと少し変更になって発表されました。今回の変更の一番の目玉は,やはりカナダGPの復活でしょう。タバコ広告の関係から一旦はカレンダーからはずされたものの,参加チームへの補償金の支払うという形での復活となりました。これによりレース数が1つ増え,全18戦となりました。
また,今回の発表にあわせて,その他の点についての変更も発表がありました。内容が多岐にわたりますので詳細は省きます。一点だけお伝えすると,これまで金曜日と土曜日に行われていた予選を,土曜日の1回だけにすることになりました。
決勝日 | 大会名 | サーキット | |
第1戦 | 3月 7日 | オーストラリアGP | メルボルン |
第2戦 | 3月21日 | マレーシアGP | セパン |
第3戦 | 4月 4日 | バーレーンGP | バーレーン |
第4戦 | 4月25日 | サンマリノGP | イモラ |
第5戦 | 5月 9日 | スペインGP | バルセロナ |
第6戦 | 5月23日 | モナコGP | モナコ |
第7戦 | 5月30日 | ヨーロッパGP | ニュルブルクリンク |
第8戦 | 6月13日 | カナダGP | モントリオール |
第9戦 | 6月20日 | アメリカGP | インディアナポリス |
第10戦 | 7月 4日 | イギリスGP | シルバーストン |
第11戦 | 7月11日 | フランスGP | マニクール |
第12戦 | 7月25日 | ドイツGP | ホッケンハイムブダペスト |
第13戦 | 8月15日 | ハンガリーGP | ハンガロリンク |
第14戦 | 8月29日 | ベルギーGP | スパフランコルシャン |
第15戦 | 9月12日 | イタリアGP | モンツァ |
第16戦 | 9月26日 | 中国GP | 上海 |
第17戦 | 10月10日 | 日本GP | 鈴鹿 |
第18戦 | 10月24日 | ブラジルGP | インテルラゴス |
2003・10・16
☆移籍(F1)
○トヨタから発表があり,技術部門のテクニカルディレクターとしてルノーからM.ガスコインを獲得しました。ガスコインは,これまでルノーはもちろん,ティレルやジョーダンでもその才能を発揮した人です。この移籍劇は,今シーズン途中から明らかとなっていたのですが,ルノーとの契約が来年まで残っていましたから,その点をクリアするまで発表を控えていたという経緯があるようです。なお,ルノーのテクニカルディレクターには,ガスコインのそばで開発に従事していたB.ベルが昇格しました。
2003・10・15
☆F1テスト(WGP)
○フェラーリの総帥L.モンテゼモロが,今年もMotoGPクラスのチャンピオンを獲得したV.ロッシに対して,フェラーリのテスト走行を行う機会を与えると発言しました。昨シーズン末にはWRCに参戦した経歴を持つロッシですが,これまでもいつかは2輪から4輪へ転向するのではないかという噂が出ていました。それだけに,今回の話も考えられなくはないことです。しかし,この話の裏には,来季の去就が決まっていない(ホンダから離脱するという話もあります)ロッシに対してのラブコールではないかという捉えもできます。なぜなら,ご存知の方も多いと思いますが,フェラーリとドゥカティは同じ系列会社(FIAT)です。しかも,どちらもメインスポンサーはマールボロです。つまり,まずドゥカティのMotoGPマシンを駆ってチャンピオンを獲得させ,その後F1へ進出(もちろんフェラーリで)という思惑がマールボロやフェラーリ&ドゥカティ側にあるわけです。この噂は,今シーズン途中にも出ていたのですが,シーズンオフが近くなってさらに現実味を帯びてきたといった感じです。ホンダと契約しているロッシが,ライバル会社であるフェラーリのテスト走行をするということは,つまりホンダを裏切ることになります。当然来季ホンダから離脱することを決意しない限り,今回の話を受け入れるわけにはいきません。また,ヤマハと契約するのではないかという噂もあるのですが,ご存知のようにヤマハはフォルトゥーナやゴロワーズといったマールボロのライバル関係にあるタバコ会社です。ですから,ヤマハと契約する場合でも,この話に乗るわけにはいきません。もう一つ重大なことは,ロッシ自身がタバコ広告反対の立場をとっているということです。もし彼のそのポリシーが頑強なものであれば,当然マールボロのカラーリングのマシンを運転するはずがありません。今回の話は,ある意味ロッシに「踏み絵」を課したという感じではないでしょうか。
☆合格
○オートレーサーで元SMAPの森且行が,大きいレース(申し訳ありませんが,私自身オートレースについては無知なもので,詳しいことは知りません。)で初優勝したとのニュースが新聞に載っていました。人気アイドルからのオートレーサーへの転向ということで,当時は大変話題となりました。そうしたオートレーサーへの転向ということは,今年日本人ライダーでもその傾向が見られました。長引く不況からか,レースはやりたいものの,国内外でなかなか走るチームが見つからないため,ロードレースをあきらめてオートレースへという流れができたのです。ただし,ロードレースで実績があっても,それがそのままオートレースへ活かされるというほど甘くはなく,ほとんどのライダーが受験に失敗しました。有名どころでは唯一合格していた元WGP125ccクラスチャンピオンの青木治親が,最終となる第3次試験に見事合格し,晴れてオートレーサーとしてデビューすることになりました。今年の8耐では一時期トップを走るというように,ライダーとしてまだまだ十分第一線で通用することができますので,サーキットから姿を見なくなるというのはとっても残念ですが,彼の新しいステージでの活躍を祈りたいと思います。
2003・10・14
☆チャンピオン決定 PART3(IRL)
○昨日はF1とWGPのチャンピオン決定についてお伝えしましたが,今日は,IRLのチャンピオンが決定しましたのでお伝えします。最終戦が,テキサス州にあるテキサスモータースピードウェイで行われました。チャンピオン圏内にいるのが5人と,史上稀にみる混戦状態で最終戦を迎えました。K.ブラックが空中を何回転もするクラッシュを演じたりというように激しいレースが展開された結果,今季限りで引退することを既に発表済みのG.ド.フェランが,見事自らの力で引退レースを優勝で飾るという素晴らしい結果を残しました。ただし,チャンピオン獲得まではいたらず,見事チャンピオンに輝いたのは,このレースで2位に入った名門チップガナッシチームのS.ディクソンでした。彼は,今季からIRLに参戦を始めたばかりですから,参戦初年度にしてチャンピオン獲得となりました。日本人では,高木虎之介が7位に入り,ランキング10位で今季を終了しました。もう一人の日本人であるロジャー安川は,ギアボックストラブルから思うような走りができなかったものの10位でチェッカーを受けました。ただ,ルーキーオブザイヤーの期待があったのですが,3位に入ったD.ウェルドンにその栄冠が輝いてしまいました。なお,激しいクラッシュに見舞われたブラックですが,幸いにも命に別状はありませんでした。ただし,怪我の方は重傷で,大腿骨をはじめ両足首など数箇所の骨折がありました。これが最終戦だったのが不幸中の幸いで,ゆっくりと怪我の方を治してもらいたいと思います。
☆全勝
○今季ヨーロッパ選手権の250tクラスにフル参戦し,既にチャンピオンを決定している元GPライダーの関口太郎に,新たな勲章がつきました。最終戦を迎えるまで全勝できていたのですが,スペインのカルタゲナサーキットで行われた最終戦において,ポールからスタートした後,地元ライダーの激しいプッシュがあったものの横綱相撲を展開し,ポールトゥーフィニッシュを決めて見事全勝優勝でシーズンを終了しました。関口にとってやや格下のカテゴリーではあるものの,全勝となるとやはり難しいことです。こうした勲章を引っさげて,ぜひ来季はGPの場へと復帰できるようになって欲しいものです。
2003・10・13
☆チャンピオン決定 PARTT(F1)
○今季最終戦の決勝が,15万人以上の観衆を集めて三重県の鈴鹿サーキットで行われました。すっきりしない天候ではあるものの,ドライコンディションでスタートを切りました。序盤予選2番手からスタートしたJ−P.モントーヤがトップを走ったものの,トラブルによりリタイアし,フェラーリとのコンストラクターズポイント争いにほぼ決着がついた形となりました。それ以後は,多少の順位の入れ替えがあったものの,ポールからスタートしたR.バリチェロがトップの座を守って優勝し,彼自身7勝目を飾りました。でも,一番の注目は,やはりM.シューマッハとK.ライコネンのチャンピオン争いです。予選14番手と最悪のポジションからスタートしたシューマッハですが,徐々にポジションを挽回していました。しかし,こともあろうに佐藤琢磨に追突してフロントを破損。幸いにも両者ともにレースを続けることができましたが,シューマッハは最下位に落ちてしまいました。もしバリチェロに何かが起こり,2位を走行しているライコネンが優勝してしまうと,このままではライコネンの逆転チャンピオンということになりますから,シューマッハとしては大ピンチに追い込まれた形となりました。しかし,徐々にポジションを挽回していき,最終的には8位に入り,貴重な1ポイントを獲得しました。ライコネンは2位のままでゴールし,仮にシューマッハがノーポイントで終わっても,2位ではチャンピオンになれませんでした。そういった意味からも,バリチェロの走りはナイスアシストと考えられると思います。ジャパンパワーは,何といっても佐藤琢磨に尽きるでしょう。昨年非力なエンジンながら5位に入るという健闘を見せましたが,今季もその活躍に勝るとも劣らない走りを見せ,最終的には6位に入賞しました。僚友のJ.バトンが4位に入りましたので,これまた激しい争いを演じていたコンストラクターズポイント5位の座は,見事BARが勝ち取りました。予選で素晴らしい走りを見せたトヨタでしたが,決勝は7位と10位に入り,ホンダと比べるとやや不本意な結果で終わりました。
これで,今季のF1の日程がすべて終了しました。チャンピオンに輝いたシューマッハとランキング2位のライコネンとの差は,わずかに2ポイントでした。世代交代の波がさらに強くなることが予想される来季は,もっともっと激しい戦いが演じられていくのでしょうね。
☆チャンピオン決定 PARTU(WGP)
○第14戦の決勝が行われ,MotoGPクラスでは,チャンピオンに王手をかけていたV.ロッシが強さを発揮して2位のS.ジベルナウに2秒以上の大差をつけて優勝し,このクラスの2連覇,最高峰クラスということでいえば3連覇を達成しました。日本人では,宇川徹の7位が最高で,予選で素晴らしい走りを見せた玉田誠は,本人としては不本意な10位でのチェッカーとなりました。125ccクラスでは,これまたチャンピオンに王手をかけていたD.ペドロサが,予選2番手からスタートをして序盤にトップに浮上。そのまま逃げ切りを図って独走で優勝し,18歳のチャンピオンが誕生しました。日本人では,何といっても東雅雄の素晴らしい走りがありました。今季限りの引退を発表して,1戦1戦が貴重なものとなっていますが,大詰めを迎えようとしているこの段階で見事5位に入り,今季最高位でチェッカーを受けました。
2003・10・12
☆明暗(F1)
○日本GPの予選2日目が行われ,フェラーリのR.バリチェロが唯一の1分31秒台をたたき出してポールを獲得しました。この日は,雨が降ったりやんだりの天候でしたが,予選開始当初はドライタイヤでのアタックが十分に可能な状態でした。ポールのバリチェロがアタックする際もその状況だったのですが,チャンピオンに王手をかけているM.シューマッハが走行するときには雨の降りが強くなり,さすがのシューマッハもタイムを上げることができず,まさかの14番手に終わってしまいました。その後に走ったR.シューマッハはスピンして途中でアタックを中止し,予選1日目にトップだったJ.トゥルーリにいたっては,アタックすることなしにピットに戻ってしまいました。まさに雨が明暗を分けた感じです。ジャパンパワーも明暗を分け,トヨタは天候に助けられたせいもあって,何と3・4番手とチーム創設以来最高ともいえるグリッドを確保することができました。それに対してBARの方は,J.バトンが9番手とまずまずのタイム。しかし,予選初日に1年ぶりのレースにもかかわらず僚友よりいいタイムをたたき出した佐藤琢磨が,路面のせいもあったのかもしれませんが,気合が入りすぎて満足のいくアタックができずじまいといった感じで,13番グリッドからのスタートとなりました。トヨタとホンダも,明暗を分けた感じです。琢磨に関しては,この日エンジンの載せ替え等の作業となってしまい,十分に走りこめなかったことも予選の走りに影響したのかもしれません。
☆チャンピオンに向け(WGP)
○第14戦の予選2日目が行われ,MotoGPクラスは,このラウンドでチャンピオンを獲得する可能性が結構高いV.ロッシがポールを獲得しました。2番手に今季自己最高のグリッドを獲得したC.チェカが入り,3番手には失格の雪辱を期す玉田誠が入りました。250tクラスでは,唯一のフル参戦ライダー松戸直樹が,今季自己最高タイとなる4番手を獲得しました。125ccクラスでは,デルビのJ.ロレンソが自身初となるポールを獲得しました。このポールは,デルビにとって今季初となります。予選初日に暫定の3位だった東雅雄は,このときのタイムを上回ることができず,結局12番手からスタートすることになりました。
☆メーカー変更(F1)
○ブリヂストンユーザーであるBARが,来季はミシュランにスイッチすることが明らかとなりました。チーム創設以来ブリヂストンを使い続けていましたし,ホンダとブリヂストンの関係も様々なカテゴリーで深いつながりがありますから,今回のスイッチは意外ではあります。このところますます戦闘力を高めてきているミシュランですが,それだけにブリヂストンも負けることなく戦闘力を高めてくるはずです。果たしてこのスイッチは,吉と出るか凶と出るでしょうか。ところで,この変更のニュースは,ミシュランが独自の判断でリリースした模様です。BAR側は,まだブリヂストンと契約解除の話し合いを終了しているわけではありません。にもかかわらずこうしたニュースが明らかになると,ブリヂストンとの関係に大きな影響が出るものと思われます。最悪の場合レースやテストにまともなタイヤが供給されないかもしれませんので,BARが大きな痛手を被るかもしれません。
2003・10・11
☆1年振りなのに(F1)
○今季最終戦日本GPが開幕しました。1回目の予選が行われ,暫定のポールをルノーのJ.トゥルーリが獲得しました。チャンピオンに王手をかけているM.シューマッハは3番手で,まずまずの出だしを見せています。何といっても注目の佐藤琢磨は,1年ぶりのレースそして安全マージンをとったアタックにもかかわらず11番手のタイムをたたき出しました。このタイムは,僚友のJ.バトンを上回るもので,いくら走り慣れたサーキットとはいえ,初日にしては素晴らしいパフォーマンスを披露しました。
☆相性(WGP)
○第14戦マレーシアGPが,セパンサーキットで開幕しました。このサーキットは,日本人との相性がよく,これまでにも好成績を収めてきています。その相性のよさが,予選初日にも表れました。まずMotoGPクラスでは,前戦のもてぎラウンドにおいて,3位でチェッカーを受けたものの,危険な走りをしたということで失格となってしまった玉田誠が,雪辱を期した走りを見せ,暫定2番手のタイムをたたき出しました。暫定のポールは,チャンピオンに王手をかけているV.ロッシでした。今季目だった走りができていない宇川徹は,暫定の5番手でした。125tクラスでは,もてぎで今季限りの引退を発表した東雅雄が,今季の不振を振り払うかのような暫定3位のタイムをたたき出しました。シーズン途中で新しいチームに移籍し,思うような走りができていない宇井陽一は,暫定の10位に入りました。なお,250tクラスの松戸直樹は,暫定の8位でした。
☆古巣へ(F1)
○ザウバーのチームオーナーであるP.ザウバーによると,来季のドライバーとしてF.マッサを獲得したことを明らかにしました。マッサは,今季フェラーリのテストドライバーを務めています。元々は2002年にザウバーからF1デビューを果たしたドライバーですから,ザウバーに戻ってきたと考えてもいいでしょう。既にG.フィジケラをジョーダンから獲得していますから,来季のザウバーのドライバーラインなぷは,フィジケラとマッサということになります。ということは,今季のドライバーであるH−H.フレンツェンとN.ハイドフェルドは,どちらも今季限りということになりました。全戦のアメリカGPで,3位と5位という好成績を収めた両者ですが,その走りは来季の契約に結びつかなかったようです。
2003・10・10
☆出場(F1)
○これまた新聞やテレビ等で報道されましたので皆さんご存知のように,今日から開幕する日本GPで,J.ビルヌーブに代わって佐藤琢磨が代役出場することになりました。これは,ビルヌーブがマネージャーのC.ポロックを通じて出場辞退を申し出たからです。チームは慰留に努めたようですが,ビルヌーブの意志は固く,結局今回の事態となりました。このページでもお伝えしたことはあるのですが,確かに以前「ビルヌーブに代わって琢磨が出場するのでは」という噂が出たことがあります。しかし,これは根拠のない噂として消えていました。実際,ビルヌーブ自身は,今週はじめに来日し,東京でいくつかの仕事を済ませています。ところが,ここに来ての突然のキャンセル。かなり周囲も驚いたようです。この原因は,本人の口から直接明らかにされていませんが,来季の契約が成立しなかったことが大きく影響を与えているものと思われます。ただ,通常チーム離脱がわかっていても,最後まで走るのが普通です。チーム創設以来苦楽をともにした間柄にもかかわらずという部分があるのかもしれませんが,やはり最後まで出場して欲しかったと思います。
☆体制発表(WRC&パリダカ)
○三菱より,2004年の体制発表がありました。それによると,来季の三菱は,今年創設された三菱のレース専門子会社であるMMSPを中心に運営されていきます。参戦カテゴリーの中の一つであるWRCについては,G.パニツィ&K.ソルベルグのラインナップでWRC活動復活の年を迎えます。また,もう一つのカテゴリーである通称「パリダカ」は,3連覇を目指す増岡浩のほか,S.ペテランセルという今季と同じメンバーに加え,1988〜1989年にWRCで2年連続チャンピオンに輝いたM.ビアシオンが新たに加入しました。以上の3人がパジェロエボリューションを駆って総合優勝を狙います。また,T2クラスのパジェロを駆るのは,女性ドライバーであるA.マイヤーとなりました。
☆ワイルドカード(WGP)
○3週連続開催となるWGPの中間の位置になるマレーシアGPが,今日から開幕します。その大会に3名のワイルドカードライダーが出場します。MotoGPクラスは,先週もてぎで行われたパシフィックGPに続いてスズキの梁明が出場します。250tクラスには,2名の中国人ライダー(H.スージャオ&H.ズージアン)が出場します。両者ともに今年の中国選手権のスーパースポーツクラスで上位につけているライダーです。
2003・10・9
☆トヨタも(F1)
○トヨタがお台場にあるメガウェブで記者会見を行い,明日から開幕する最終戦日本GPに「鈴鹿スペシャル」を投入することを明らかにしました。ホンダが既に発表済みですから,日本のどちらのメーカーとも,自身の気合の入り方をアピールした格好です。母国グランプリですので気合が入るのは当然ではありますが,さらにどちらのメーカーともコンストラクタズーポイントの5位を争っていますので,その気合に拍車をかけているものと思われます。今回の記者会見で松井誠モータースポーツ部長が「"10"はアップしている」というコメントを出しています。その数字が何を意味するか断定はできませんが,通常で言えば「10馬力」と考えられると思います。極限まで突き詰められているF1エンジンですから,1馬力であってもアップするのに苦労するのに,一挙に10馬力アップですから,相当新しい対策を施してのことだと思います。前回のアメリカGPで予選3位を獲得したトヨタですが,今回のスペシャルマシンで果たして決勝でもそのパフォーマンスを見せることができるでしょうか。
2003・10・8
☆再登場(F1)
○すでに新聞やテレビでも大きく取り上げられていますが,BARから来季のドライバーズラインナップが発表され,かねてから噂に上がっていた通り,いよいよ佐藤琢磨が再びF1のレースシーンに登場することになりました。僚友は,既に契約発表済みのJ.バトンですから,若手でイギリスF3出身ドライバーペアということになりました。来季のBARは,エンジンだけでなく,マシン本体の方もホンダの強い影響力で作られていきますので,大幅なポテンシャルアップが期待できます。琢磨の表彰台獲得というようなことも,もしかしたら実現することがあるかもしれません。なお,今回の発表で,チーム創設以来所属していたJ.ビルヌーブの離脱が正式に決定したことになります。有力チームのシートが埋まっているだけに,F1から他のカテゴリーへ移籍すると思われていましたが,ここに来てF1には残留しそうな気配であるという噂が上がっています。実は,この噂は以前から出ていたことなのですが,チームとの確執が取りざたされているウィリアムズのJ−P.モントーヤがマクラーレンへ移籍し,その空いたシートにビルヌーブが座るのではないかというものです。ビルヌーブにとってウィリアムズとは,彼がチャンピオンを獲得した時のチームですから,互いに信頼感を寄せている間柄と考えていいでしょう。また,既に来季のドライバーを発表しているマクラーレンですが,D.クルサードとの契約には,契約解除の条項が盛り込まれているそうで,こちらもモントーヤと新たに契約を結ぶことに大きな支障とはならないようです。ということで,もしかしたら近日中にこのあたりの発表があるかもしれません。
☆禁煙日本(F1)
○今週末に行われる日本GPにおいて,ウィリアムズが禁煙を訴えるロゴをつけて走ることが発表されました。レースの世界とタバコは,大口のスポンサーということで切っても切り離せない関係が長く続いています。実際,最終戦でチャンピオンをかけて戦うフェラーリとマクラーレンには,それぞれマールボロとウェストがついています。近年ますます大きくなってきた禁煙運動及びタバコ広告禁止により,F1の世界も徐々にタバコと手を切るようになってきています。中でもウィリアムズはそれを協力に推し進めているチームで,チームのスポンサーには当然タバコ関連はありませんし,逆に禁煙を進めているグラクソ・スミスクラインという製薬会社がスポンサーとなっています。先進国の中では,禁煙の動きが発展途上国なみに大幅な遅れをとっている日本で,こうしたキャンペーンを張るということはとっても価値のあることです。とりわけ若い世代(10代もその中に入るという全く情けない状態)が男女を含めファッションの一つとして当たり前のようにタバコを吸うというような大きな間違いを犯している日本ですから,若者に影響力のあるF1がこうした動きをとるのは大変評価できることです。
2003・10・7
☆テストドライブ(F1)
○今週末は,いよいよF1日本GPです。チャンピオン争いが一番注目されるわけですが,レースとは直接関係のない金曜日にも,一つの注目点が生まれました。現在Fポンでランキングトップを走る本山哲が,金曜のテストセッションの時間にジョーダンのマシンを駆って走ることになりました。これは,これまで彼がレースで獲得した数々の実績と,鈴鹿サーキットを熟知し,なおかつ速く走れるということから白羽の矢が立ったのではないかと思います。本山にとって,F1マシンをドライブするのは当然のことながら初めてです。もちろん,このテストだけで来季F1に参戦することにつながるとは思えませんが,国内では敵なしの状態のため,海外への進出をもくろんでいる本山にとって,一つのきっかけになるのかもしれません。それだけに,ぜひいい走りを見せて欲しいものです。
☆営業権
○親会社の倒産により,民事再生となったMINEサーキットの新しい経営者が見つかりました。その新しい経営者とは,既に具体的な名前が挙がっていた玩具メーカーとして有名な「タカラ」です。ただし,正確にいうと,そのタカラの子会社である「チョロキューモーターズ」が営業権を取得しています。この会社は,電気自動車のチョロキューを発売し話題となったところなのですが,それを使ったレースを開催することで,この電気自動車の認知度を高めるという狙いもあるようです。何はともあれ,経営的に不安定な状態となり,レース開催にも影響が出ていたわけですが,これをきっかけにして従前のように全日本級のレースが安定して開催できるようになったと考えられるのではないでしょうか。
2003・10・6
☆失格(WGP)
○第13戦の決勝が,好天に恵まれたツインリンクもてぎで開催されました。MotoGPクラスの優勝は,ポールからスタートしたM.ビアッジでした。スタートでやや出遅れたものの,3周目にトップに浮上。後続がバトルをしている間に逃げ切りを見せ,今季2勝目をポールトゥーフィニッシュで飾りました。2位には,ランキングトップを行くV.ロッシが入りました。7周目にコースアウトして順位を下げたものの,さすがの走りを見せて順位を挽回し,チャンピオンに向けて確実に前へ進みました。3番手でチェッカーを受けたのは,前戦から好調を維持していた玉田誠でした。ところが,記者会見が終了した後に審査委員会へ呼び出され,その場で失格を言い渡されました。これは,最終ラップの90度コーナーでS.ジベルナウと接触した走りが危険行為だとみなされたからでした。チームは,この裁定を不服として審査委員会へアピールしましたが,結局裁定が覆ることはありませんでした。最終的には残念な結果となったものの,表彰台を十分狙えるところまで確実に来ていることがわかったわけですから,次戦マレーシアGPで更なる好結果が出ることを期待しましょう。
☆いよいよ(F1)
○BARのJ.ビルヌーブが,来季もシートを確保できるかどうかについては,これまで何度も噂に上っていましたが,どうやら結論が出てきたようです。結論は,「シート喪失」のようです。このことについては,J.ビルヌーブ側も「BARから来季契約を更新しないという連絡を受けた」ことを認めています。BAR発足以来のドライバーであるビルヌーブが,ここにきてチームを去ることになってしまいました。優勝を狙えるチームのシートは,表面上はなくなっているだけに,ビルヌーブが来季F1を走らせているかどうかかなり怪しくなってきたといえます。ただ,日本人としては,今回のことにより佐藤琢磨がいよいよF1復帰に向けてまた一歩前進したというとらえかたができるのかもしれません。現在の観測では,今週末に行われる日本GPの後に契約発表があるのではないかという予想です。
2003・10・5
☆惜しくも(WGP)
○好天の中,第13戦の予選2日目が行われました。前日暫定の3番手につけていた玉田誠が,この日も素晴らしい走りを見せました。終盤に入ってトップタイムをマーク。しばらくすると王者V.ロッシがトップに出たものの,再び玉田がトップタイムをマークしました。セッション終了間際までリーダーボードのトップに名前が出ていたのですが,最後の最後でM.ビアッジがトップタイムをたたき出して,惜しくも2番グリッドとなってしまいました。しかし,予選二日間を通していいタイムを出していましたから,決勝でも期待がもてると考えていいでしょう。他の日本人は,あまりいいタイムを出せませんでした。予選初日に転倒するまでいい走りを見せていた宇川徹は,その転倒が響いているのか,11番手に終わってしまいました。ワイルドカードで参戦しているモリワキの芹沢太麻樹は,やはり開発途中のマシンということでなかなか上位に入るタイムを出すことができず,23番グリッドということになりました。宇川と同じように予選初日に転倒したアプリリアの芳賀紀行は,タイヤウォーマーの故障の影響でタイムを上げることができず,ブービーである25番手に終わりました。
☆引退(WGP)
○7年間にわたって125ccクラスのトップライダーとして頑張っていた東雅雄が,予選のすべてが終わった後で記者会見し,今季をもって引退することを発表しました。東は,全日本選手権のタイトルを獲得した後WGPにステップアップ。ブリヂストンタイヤの開発を担いながら,チャンピオン争いに食い込む走りをずっと見せていました。残念ながら今季はいいマシンに恵まれず,シングルフィニッシュでさえできないという苦しいシーズンを送っていました。125ccクラスの年齢制限もあって,今シーズンが始まる前から今季限りの引退が予想されていましたが,やはりそのことが現実となってしまいました。最後の母国グランプリですから,今日行われる決勝は悔いのない走りができることを期待したいと思います。
2003・10・4
☆コースレコード(WGP)
○パシフィックGPの予選1日目が行われ,チャンピオン候補の一人であるS.ジベルナウが,前日に高熱を出して体調が十分でないにもかかわらずコースレコードをマークして暫定のポールを獲得しました。これまでのコースレコードは,開幕戦の事故によって命を失った故加藤大二郎選手がもっていたので,奇しくも僚友がそのレコードを破ったことになります。何とも因縁めいていますね。暫定の2位は,チャンピオンの大本命であるV.ロッシでした。大健闘なのは,先に行われたリオGPにおいて,今季日本人初となる表彰台を獲得した玉田誠が,暫定の3位に入ったことです。勢いをそのまま持ち込んだ感じですね。宇川徹と芳賀紀行は,それぞれ5コーナー,ビクトリーコーナーで転倒を喫し,予選途中で走行できなくなったため,後方のポジションに位置しています。今日行われる予選2日目に挽回することを期待しましょう。なお,250tクラスでは,ワイルドカードで参戦している高橋裕紀が暫定の3位につけています。
2003・10・3
☆開幕(WGP)
○今日から第13戦パシフィックGPが,ツインリンクもてぎで開幕します。今季セリーグのチャンピオンに輝いた阪神タイガースが,夏の甲子園開催中ずっと他の球場ばかりで試合をする状態を「死のロード」と呼んでいますが,今回のパシフィックGPを皮切りに,マレーシア,オーストラリアと3週連続でGPが開催されますので,WGPにとっても「死のロード」と呼ばれるかもしれません。ただし,チャンピオンに一歩一歩近づいていくライダーやチームにとっては「死の」という言葉は合わないかもしれませんが。
地元開催ということで,日本人ライダーにとっては自然と力がわいてくるレースとなります。MotoGPクラスでは,今季からフル参戦を開始した玉田誠にとっては,前戦で表彰台に上がっているだけに,その勢いをそのままレース結果に結び付けたいところでしょう。他の日本人ライダーは,今季まだ勝利はおろか表彰台にも上がってないわけですから,力の入り方は半端ではないと思います。来年のシートがどのライダーも怪しいだけに,ここでいいところを見せておく必要もあります。また,モリワキが第1戦以来の参加となりますが,果たしてどの程度まで仕上がっているのか注目です。250tは,唯一松戸だけがフル参戦しています。アプリリアやホンダとのマシン差が如何ともしがたい状態できていますが,今季自己最高の5位を更新したいところでしょう。失礼ではありますが松戸よりも好成績を挙げる可能性があるのが,ワイルドカードで参戦する高橋裕紀と青山博一です。どちらも開幕戦で表彰台に上がっていますし,今回もRS250RWでの参戦ですから,マシン的にも松戸よりかは恵まれているといえるかもしれません。125ccクラスは,東雅雄に注目かもしれません。マシンの状態がよくなく,今季ほとんどいい成績をあげられないままここまできています。前戦からエンジン及びタイヤにスペシャルを投入していますので,どれがうまく働けば今季自己最高結果が出る可能性があります。まだ正式発表はないものの,今季限りで引退する可能性がかなり高くなっていますので,彼自身最後の母国グランプリになるかもしれません。そういった意味からも,注目していたいと思います。
2003・10・2
☆大丈夫?(F1)
○クラッシュの影響で体調が十分でないにもかかわらず,無理をおしてアメリカGPに出場したR.シューマッハでしたが,ご存知のように途中リタイアの憂き目をみてしまいました。このリタイアの原因は,雨にもかかわらずタイヤ交換をしなかったため起こったわけですが,そのことに関してラルフとチームとの言い分が真っ向から対立しています。ラルフは「チームがピットインの指示をしなかった。」と言い,チームは「ラルフがなぜか余分に1周した。」と言っています。今の時期は,契約の話をしている重要な時です。ラルフの場合,現チームで契約延長という線が濃厚といわれています。ラルフ自身も2年間の契約延長を希望しているようです。そういう時期でのチームとの対立。果たして今回のことが,ラルフ自身も希望している契約延長に影響を与えないのでしょうか?もっとも,F1の場合いろいろな駆け引きがありますから,その中の一環かもしれませんが・・・。
2003・10・1
☆2004レースカレンダー発表(CART)
○ホンダやトヨタといったエンジンサプライヤー及び有力チームの撤退などにより,シリーズの存続自体が危うくなっていたCARTシリーズですが,来季のレースカレンダーが発表されました。まだ最終決定ではなく,今後増える可能性もありますが,現段階では15レースが決定しています。その中には,初開催となるラスベガスも含まれています。今後アメリカ国内はもちろん,イギリス・ドイツ・東アジアといったところも追加される予定のようです。シリーズをOWRS(オープンホイールレーシングシリーズ)に譲渡することで存続が可能となったCARTシリーズですが,果たしてかつての様な輝きを取り戻すことができるでしょうか。