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最新ニュース

2022/10/31(月)
◎有終の美(SF)
○2レース制となっている鈴鹿サーキットにおける今回の大会ですが,そお2つ目のレースとなる今季最終戦第10戦の決勝レースがドライコンディションの下行われました。前日に行われた第9戦のレースにおいて2位入賞を果たして2年連続チャンピオンを決めたTEAM MUGENの野尻智紀は,この日に行われた最終戦の予選で前戦に引き続いてポールを獲得しました。決勝レースでそのポールからスタートした野尻は,前日に続いて好スタートを切ってトップの座を守りました。第9戦ではチームメイトである笹原右京にその後トップの座を奪われましたが,最終戦ではトップの座をずっと守り抜き,何と一度もその座を譲ることなくトップを走行していき,2位に7秒近い差をつける独走で今季2回目のトップチェッカーを受けました。まさに2連覇にふさわしく有終の美を飾った最終戦となりました。トップの野尻はずっと安泰な状況で走って行きましたが,入賞圏内やその他の順では激しいせめぎ合いが所々で見られ,最終戦を盛り上げていきました。そのような中,3番グリッドからスタートしたDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの大津弘樹も好スタートを切り,2番グリッドからスタートしたKuo VANTELIN TEAM TOM’Sの宮田莉朋を抜いて2番手に浮上しました。その大津もそのポジションを守って行き,野尻の独走は許したものの,3位におよそ1.2秒の差をつけて2位でチェッカーを受けました。大津にとっては,今季自身初の表彰台獲得となります。2番手スタートの宮田は,一時順位を下げましたが,その後ポジションを回復して3位でチェッカーを受けています。なお,ルーキーオブザイヤーには,前日のレースで自身初となる表彰台を獲得したTEAM GOHの佐藤蓮が輝いています。
2022/10/30(日)
◎連覇&初(SF)
○第9戦の決勝レースが,ドライコンディションとなった鈴鹿サーキットで行われました。今大会は,土曜日に第9戦が,日曜日に第10戦が行われる2レース制となっています。
ポールからスタートしたのは,このレースでタイトルに王手をかけているTEAM MUGENの野尻智紀でした。順調なスタートを切ってトップの座を守った野尻の後を序盤から追い始めたのは,チームメイトであり,5番グリッドから抜群のスタートを切った笹原右京でした。4周目に2位に浮上すると,3位以下との差を広げて行きながら2人の争いとなりました。10周目に笹原がピットインし,その翌周に野尻がピットインしました。タイヤ交換を終えて野尻がコースインすると,笹原の前で復帰することができました。しかし,1周早くタイヤ交換を終えていた笹原は,タイヤがまだ十分には温まっていない野尻に追いつき,そして抜き去っていきました。全てのマシンがピットインすると,笹原がついにトップに立ちました。ペースに勝る笹原は,その後も順調に野尻との差をつけ,最終的に12秒以上の大差をつける独走でトップチェッカーを受けました。笹原にとっては,これが今季2勝目となります。残念ながら優勝はできなかった野尻でしたが,2位でチェッカーを受けたことにより,最終戦を残して今シーズンのタイトルを決め,昨シーズンに続く2連覇を成し遂げました。また,チームメイト同士によるワンツーフィニッシュを達成したTEAM MUGENは,これでチーム初となるチームタイトル獲得を決めました。ワンツーフィニッシュ,ドライバーとチームタイトル獲得と,まさにTEAM MUGENにとってはメモリアルレースとなっています。なお,3位にはTEAM GOHの佐藤蓮が入り,自身初の表彰台獲得となりました。4位にTCS NAKAJIMA RACINGの大湯都史樹が入り,ホンダのお膝元である鈴鹿で,ホンダエンジンユーザー勢がトップ4を独占しています。

◎唯一&間に(F1)
○第20戦メキシコGPの予選が,好天に恵まれたアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスで行われました。既にドライバーもコンストラクターもタイトルが決まっているF1だけに,タイトル争いという点から2位以下のランキングや勝利数がどうなるのかが注目点となっていきます。そのような中,この日最速タイムを刻んでポールを獲得したのは,唯一1分17秒台をマークした2年連続チャンピオンを決めているレッドブルのM.フェルスタッペンでした。フェルスタッペンのポールは,第18戦日本GP以来今季6度目となります。一時期レッドブルがワンツーとなっている瞬間がありましたが,その間に入ってきたのがこのところ速さを見せてきているメルセデスAMG勢でした。フェルスタッペンからはおよそコンマ3秒遅れたものの,メルセデスAMG勢の2人が1分17秒0台をマークし,G.ラッセルが2番手,L.ハミルトンが3番手で4番手タイムとなった母国GPに燃えるレッドブルのS.ペレスの前に立ちました。アルファタウリ勢は2人揃ってQ2で敗退となり,角田裕毅が13番手,P.ガスリーが14番手で予選を終えています。
2022/10/29(土)
◎違反容認(F1)
○アメリカ大陸での2週連続開催となるF1ですが,その2つ目のレースとなる第20戦メキシコGPが昨日から始まりました。その日にFIAからコストキャップ違反に関する発表がありました。チームの財政的規模により競争力に格差が広がっていることから,F1では2021年からコストキャップ制度が導入されています。これは,同年の支出上限額を1億4500万ドル(約214億円)とするというものです。そして,これに違反すると,その程度に応じてペナルティーが科されるということになっています。各チームから昨年の財務状況が提出されていて,その結果が10月10日(月)に発表されていました。その結果,レッドブル・レーシングが手続き上の違反と『軽微な』支出超過違反を犯して,アストンマーティンが手続き上の違反を犯していたことが明らかとなりました。これに対して,レッドブル側は違反もしくはそれによるアドバンテージを得ていないということを主張し,レッドブルとFIAとで話し合いが続けられていました。そして,その結果が昨日の発表となったわけです。今回の発表によると,レッドブルは2021年のコストキャップの1.6%に当たる186万4000ポンド(約3億円)超過していたということを認めたということです。この超過は,『軽微な』違反と判断される「5%」を下回っています。こうしたことから,レッドブルに対して700万ドル(約10億円)の罰金と,空力開発時間の10%削減というペナルティーが科されることになりました。空力開発時間に関しては,今季コンストラクタータイトルを獲得していますので,レッドブルの上限時間が7位のチームの70%となる予定でした。しかし,今回の裁定により10%削減ですから63%ということになります。コンストラクタータイトル2位のチームの上限時間が75%ですから,10%以上の差がつくことになります。空力に定評のあるレッドブルだけに,意外と大きな影響を受けるのかもしれません。なお,当初から違反を認めていたアストンマーティンに対しては,45万ドル(約6500万円)の罰金が科されることになっています。
2022/10/28(金)
◎残り1(F1)
○先週末サーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われたアメリカGPは,レッドブルのM.フェルスタッペンが優勝すると共に,レッドブルのコンストラクタータイトル獲得が決定しました。そのアメリカGP行われていた10月22日(土)にウィリアムズから発表があり,来季残留するA.アルボンのチームメイトとして新たにアメリカ人ドライバーのR.サージェントを起用することになりました。ただし条件がついていて,現段階ではまだ彼はF1に参戦するために必要なスーパーライセンスを獲得できていませんので,これを獲得できたらということになっています。とはいえ,現在F2にフル参戦しているサージェントは,アメリカGPのFP1で同チームのステアリングを握ってライセンスに必要なポイントを1ポイント獲得しています。これにより,現段階で28ポイント獲得できています。そのFP1に関しては,今後も彼を起用する予定になっていて,それでさらにポイントの上積みが期待できます。そして,何といっても彼の主戦場であるF2ではランク3位につけていますので,F2でのポイントをさらに上積みできそうですので,その他色々計算すると,最終的にF2で6位以上につけることができればライセンス獲得の条件を満たすことになるようです。ということで,今季限りでチームを去ることが決まっていたN.ラティフィの後任にサージェントが就くのはまず間違いないと考えていいでしょう。
サージェントがライセンスを獲得できたとすれば,来季のF1のシートは,ハースのシートの後残り1つということになります。まだこのシートに現在所属しているM.シューマッハが残留する可能性が全くないわけではないものの,かなり高い確率で彼がシートを失うことは間違いないようです。もしそうなると,現段階で最も可能性が高いのが,昨シーズンから2年間にわたってアストンマーティンF1でリザーブドライバーを務めているN.ヒュルケンベルグのようです。
2022/10/27(木)
◎ファクトリーチームとして(F1)
○現行のレギュレーションは2025年まで続き,2026年からは持続可能な社会実現と関連した新たなレギュレーションの下でマシン開発が行われることが決まっています。そうした流れは,自動車メーカーにとってF1という最高の舞台で開発を進めていくことができるため,とても参加意欲をかき立てられるものとなり,新規参入メーカーを呼び込む可能性が高まると予想されていました。そして,その予想は確かなものとなり,ドイツの自動車メーカーであるアウディとポルシェが名乗りを上げました。ただ,アウディについては順調にステップを踏んでいっていますが,ポルシェについては,当初ホンダが去ったレッドブルと提携するものと思われていましたが,両者の思惑が噛み合わず,提携話はご破算となってしまっています。
さて,2026年からの参戦に向けて順調に進んでいるアウディですが,昨日そのアウディが参戦に向けた新たな発表を行いました。それによると,噂されていたとおり,現在はアルファロメオと提携しているザウバーですが,アウディがF1プロジェクトの“戦略的パートナー”としてそのザウバーを選択し,ザウバー・グループへ出資することになりました。つまり,2026年からザウバーがアウディのファクトリーチームとしてF1に参戦することになる訳です。スイスのヒンウィルに拠点を持つザウバーですが,提携後もマシンの開発と製造は同地で行い,アウディはドイツのノイブルクのファクトリーでパワーユニットの開発と製造を行います。ドライバーについては当然まだ何年も先のことですから誰になるのか分かりませんが,アウディとしては1人はドイツ人ドライバーを希望しているようです。なお,現在提携しているアルファロメオとは,既に2023年までは現在の提携を維持することが決まっています。ただ,その後の2年間がどうなるのかについては私は情報を得ていません。パワーユニットについては,2025年まで現行と同じくフェラーリ製のものを使用することになります。
2022/10/26(水)
◎契約延長(MotoGP)
○ホンダのワークスといえば,当たり前のようにレプソルカラーが思い浮かぶほど定着していますが,この度ホンダから発表があり,スペインの石油関連企業であるレプソルとの契約を更新し,2024年までの契約延長が成立しました。1995年からレプソルがホンダワークスのタイトルスポンサーとなっていますので,今回の契約延長により,およそ30年にわたる契約ということになります。両社の関係は単なるタイトルスポンサーということだけでなく,テクニカルスポンサーという点でも関係を強めています。レースの世界は,2輪,4輪共に環境を考えた取り組みがなされてきています。その1つが燃料で,これまで化石燃料を使ってきていましたが,今後はそれを見直し,非化石燃料が取り入れられていくようになります。現段階では,2024年までに燃料のうちの40%を非化石化し,2027年までには,それを100%にまで高めていく目標をMotoGPは掲げています。今回の両社の契約延長は,テクニカルな面でそうした流れを具現化していくものとなることでしょうね。
2022/10/25(火)
◎遺恨は?(F1)
○レッドブルのM.フェルスタッペンが勝利すると共に,レッドブルのコンストラクタータイトル獲得が決まった第19戦アメリカGPですが,このレース序盤では悪くすると大事故に至る可能性もあったアクシデントが発生しました。その当事者となったのがアストンマーティンのL.ストロールとアルピーヌのF.アロンソです。事故によりセーフティーカーが導入され,それが解除された22周目にそのアクシデントは発生しました。その時ストロールの背後にアロンソが接近。そしてストロールを抜くべくアロンソが左にマシンを振って走行した際,ストロールは抜かせるのを阻止するためか,ややマシンを左に動かしました。その結果,アロンソがストロールに追突する形になり,ストロールはマシンが時計が回るように回転しながらバリアに衝突し,アロンソはややマシンが宙に浮く感じとなりました。激しい接触だったものの,幸いなことに両者は怪我をすることなく,ストロールはリタイアに終わったものの,アロンソはピットに入って部品交換を行った後コースに復帰しています。アロンソはストロールがマシンを振ったことが原因であると非難し,ストロールはスペースを残していたとその批判をかわしています。真偽の程はともかく,ストロールにこのアクシデントの原因があるとして,次戦メキシコGPでは3グリッド降格の処分が科せられています。互いに非難し合う形となりましたが,実はこの2人は来季のチームメイトとなる2人です。まあ,スポーツマン同士ですので気持ちの切り替えはできるとは思うものの,遺恨が残らなければいいのですが・・・。
なお,7位でチェッカーを受けたアロンソですが,アクシデント後にパーツ交換をしたものの,右側のミラーがぐらついた状態で走行を続けたようです。この行為に対して抗議起こり,審議の結果30秒加算のペナルティーが科され,最終的に15位というリザルトとなっています。ただ,チーム側から抗議が出されていますので,この点については今後どのような判断が下されるか結果を待ちたいと思います。
2022/10/24(月)
◎持ち越し&返り咲き(MotoGP)
○第19戦マレーシアGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったセパン・インターナショナル・サーキットで行われました。
ドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアにタイトル獲得の可能性があったMotoGPクラスは,ポールを獲得したプリマ・プラマック・レーシングのJ.マルティンがトップのポジションを守ってスタートを切りました。そのマルティンよりもいいスタートを見せたのが,ランクトップを行くバグナイアでした。9番手からスタートしたバグナイアは,抜群のスタートを切って2位にまで浮上しました。タイトル決定を阻止したいモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロもスタートを決めて徐々にポジションをアップしていき,何と4位にまで浮上していきました。トップを守っていたマルティンでしたが,7周目に転倒を喫してしまってリタイアとなり,バグナイアがトップに立ちました。自動的にクアルタラロは3位となり,このままではタイトル決定とはなりません。トップに浮上したバグナイアでしたが,2位走行のグレシーニ・レーシングMotoGPのE.バスティアニーニがこれにくらいつき,激しいトップ争いとなりました。しかし,タイトルを狙うバグナイアがこのバトルを制し,今季7勝目を挙げました。クアルタラロはバグナイアから2秒以上離されたものの,3位でチェッカーを受けてタイトル決定を阻止し,チャンピオン争いは最終戦に持ち越されることとなりました。残すところ最終戦のみとなり,今回の結果により,タイトル争いはバグナイアとクアルタラロの2人に絞られています。
イデミツ・チーム・アジアの小椋藍にタイトル獲得の可能性があったMoto2クラスは,ポールからスタートした小椋と2番グリッドからスタートしたエルフ・マークVDSレーシング・チームのT.アルボニーノの一騎打ちとなっていきました。ファイナルラップまで持ち込まれた2人のトップ争いは,2位走行中の小椋がアルボニーノを交わしたかに思えましたがそこで転倒を喫してしまい,何とリタイアに終わってしまいました。小椋のリタイアにより,その後ろを走行していた2人のライダーが自動的に順位が1つ上がり,2位にベータ・ツールズ・スピード・アップのA.ロペス,3位にインデ・ガスガス・アスパー・チームのJ.ディクソンが入っています。前戦でランク2位に落ちていたレッドブルKTMアジョのA.フェルナンデスは,4位でチェッカーを受け,小椋がノーポイントに終わったため再びランクトップに返り咲きました。このクラスも,タイトル決定は最終戦に持ち越されています。ペルタミナ・マンダリカSAGチームから代役参戦している羽田大河は,15位でチェッカーとなってポイントを獲得しています。
既にタイトルが決定しているMoto3クラスは,いつものように複数台によるトップ争いがファイナルラップまで続いていきました。激しく順位を入れ替えながらのバトルが続いていき,最後の最後でステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢とJ.マクフィーのチームメイトバトルとなり,これをマクフィーが制して2年ぶりとなる勝利を収めました。2人の激しいトップ争いは1000分の48秒差で決着がついています。3位には,ガヴィオタ・ガスガス・アスパー・チームのS.ガルシアが入り,2戦連続表彰台獲得となりました。他のフル参戦日本人ライダー勢は,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が8位に入ってポイントを獲得しています。その他のライダーはノーポイントに終わり,一時ポイント圏内を走行していたCIPグリーン・パワーの鳥羽海渡は17位で完走し,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽とレオパード・レーシングの鈴木竜生は共に転倒リタイアに終わっています。

◎ダブルタイトル(F1)
○第19戦アメリカGPの決勝レースが,この日も好天に恵まれたサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われました。
この日の決勝は,パワーユニット交換したフェラーリのC.ルクレールを始め,ギヤボックス交換の角田裕毅等9名ものドライバーが何らかのペナルティーを受けてグリッド降格という状況でスタートを迎えました。決勝スタート後は,2回セーフティーカーが導入されるという新た展開となりました。そのような中,トップに立ったのがレッドブルのM.フェルスタッペンで,レース途中までは順調にトップを走行していきました。しかし,2回目のタイヤ交換の際,ホイールガンにトラブルが発生して左フロントタイヤがうまく装着できないアクシデントに見舞われ,2位走行のメルセデスAMGのL.ハミルトンと3位走行のルクレールの先行を許し順位を3位まで下げました。しかし,ペースに勝るフェルスタッペンは前の2台を交わして行き,そして,50周目にトップに立つとそのまま逃げ切り,アクシデントを乗り切ってトップでチェッカーを受けました。ハミルトンにとっては,今季初優勝まであと一歩まで迫ったものの,残念ながらそれを逃してしまいました。今回のフェルスタッペンの優勝により,レッドブルのコンストラクタータイトルが決定し,既にフェルスタッペンがドライバータイトルを決めていますので,2013年以来となるダブルタイトル獲得となります。コンストラクタータイトルの獲得に貢献したもう一人のドライバーであるS.ペレスは,表彰台に届かなかったものの,4位でこのレースを終えています。アルファタウリ勢ですが,ギアボックス交換により19番グリッドからのスタートとなった角田裕毅は,オープニングラップで起こったアクシデントの混乱を抜けてポジションアップを果たしました。その後,チームオーダーが発せられる事があったりしたものの,徐々にポジションを更にアップしていき,最終的に9位でチェッカー(実際には10位でのチェッカーでしたが,アロンソのペナルティーによりリザルトとしては9位となりました。)を受けてポイントを獲得しています。P.ガスリーは,13位でレースを終えています。
2022/10/23(日)
◎2戦連続&好位置から(MotoGP)
○第19戦マレーシアGPの予選が,前日と違って全てのクラスがドライコンディションの中で行われました。
MotoGPクラスは,プリマ・プラマック・レーシングのJ.マルティンがこれまでのレコードタイムを更新する速さを見せ,2位以下にコンマ5秒弱の差をつけて2戦連続となるポールを獲得しました。2番手タイムをグレシーニ・レーシングMotoGPのE.バスティアニーニがマークし,4戦ぶりにフロントローを獲得しています。復帰以来ブランクを感じさせない走りを見せてきているレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが3番手タイムをマークし,2戦連続してフロントロースタートを決めています。LCRホンダ・イデミツから代役参戦している長島哲太は,Q1で敗退となり,今日行われる決勝レースは23番グリッドからのスタートとなります。
結果次第では,イデミツ・チーム・アジアの小椋藍のタイトル獲得の可能性があるMoto2クラスは,その小椋がセッションを通して速さを見せ,2番手タイムだったエルフ・マークVDSレーシング・チームのT.アルボニーノに1000分の83秒差をつけて今季3度目のポールを獲得し,タイトル獲得に向けて好位置からのスタートを切ることになりました。3番手タイムをフレックスボックスHP40のA.カネトがマークし,今季5度目のフロントローを獲得しています。ペルタミナ・マンダリカSAGチームから代役参戦している羽田大河は,Q1で敗退となって22番グリッドを獲得しています。
既にタイトルが決まっているMoto3クラスは,セッションのほとんどの時間でステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢がトップに立っていました。しかし,他のライダーがピットインしたのに対し,佐々木はピットインしないまま走り続け,最後の最後で他のライダーからタイム的に上回られてしまい,結局7番手に落ちてしまいました。その佐々木に替わってトップに立ったのがレオパード・レーシングのD.フォッジアで,今季4度目のポールをレコードタイムを更新する速さを見せて決めました。2番手以下は僅差のタイム合戦となり,2,3番手はガヴィオタ・ガスガス・アスパー・チーム勢のI.グエバラ,S.ガルシアが獲得しています。今回の予選は,日本人ライダー勢が全員Q2まで進出していて,レオパード・レーシングの鈴木竜生が8番手,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が13番手,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽が15番手でした。その古里ですが,予選終了後に行われた測定において,古里とマシンを合わせた重量が規定重量である152sに到達していなかったため,レギュレーション違反により予選失格となり,今日行われる決勝レースは18番グリッドからのスタートとなります。

◎2台ずつ&ご冥福を(F1)
○第19戦アメリカGPがサーキット・オブ・ジ・アメリカズの予選が,好天に恵まれたサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われました。初日のフリー走行における総合タイムでワンツー発進を決めていたフェラーリ勢は,予選でもその速さを見せました。そのフェラーリ勢でトップタイムをマークしたのはC.サインツの方で,今回のポール獲得は,イギリスGP以来自身キャリア2回目となります。C.ルクレールはサインツからおよそ100分の7秒遅れの2番手タイムでした。今季のタイトルを決めているレッドブルのM.フェルスタッペンは,ラストアタックで速いタイムを刻んでいたものの,最終区間でタイムを落として3番手タイムで予選を終えています。ただ,2番手タイムのルクレールが,パワーユニット交換による10グリッド降格のペナルティーを受けるため,今日行われる決勝レースは,フロントローからのスタートとなります。4番手タイムをS.ペレスが,5,6番手タイムをメルセデスAMGのL.ハミルトンとG.ラッセルがまーくしていて,タイムシート上はフェラーリ,レッドブル,メルセデスが仲よく2台ずつ並ぶ結果となっています。アルファタウリ勢は2台ともQ2で敗退となり,P.ガスリーが13番手,角田裕毅が15番手タイムでした。角田に関しては,Q2で9番手タイムをマークしたものの,この時トラックリミットを超えたということからタイム抹消となっていますので,Q3まであと少しという惜しい結果でした。
なお,予選が行われる前に訃報が届き,オーストリアのエナジードリンクメーカーである『レッドブル』の創設者で,レッドブルとアルファタウリのオーナーでもあるD.マテシッツ氏がお亡くなりになりました。レッドブルとF1を含めたレースとは切っても切り離せない関係になっていますが,マテシッツ氏だから成し遂げているとも言えます。心からご冥福をお祈りいたします。
2022/10/22(土)
◎自身初(MotoGP)
○2週連続開催となるMotoGPですが,その2つ目のレースとなる第19戦マレーシアGPが,東南アジアの国らしくスコールに見舞われたセパン・インターナショナル・サーキットで開幕,初日は2回のフリー走行が行われました。前戦でMoto3クラスのタイトルは決まり,後はMotoGP,Moto2クラスのタイトルの行方が注目となります。その両クラスですが,前戦でどちらもランクトップのライダー(F.クアルタラロとA.フェルナンデス)がノーポイントに終わり,ランク2位のライダー(F.バグナイアと小椋藍)がポイントを獲得してランクトップに立つという結果になりました。そして,今回を含めて残り2戦となっていますので,結果次第ではこの大会でチャンピオンが決定する可能性を秘めています。
そうしたタイトルの行方が注目となる中,MotoGPクラスのフリー走行は,FP1がドライ,FP2がスコールの影響でウェットコンディションとなりました。そのため,初日の総合タイムはFP1の結果が反映されます。そのFP1でトップタイム,つまり初日の総合トップタイムをマークしたのはレッドブルKTMファクトリーレーシングのB.ビンダーでした。彼が初日総合トップに立つのは,自身初となります。前戦で勝利を収めたチーム・スズキ・エクスターのA.リンスが,ビンダーからわずか1000分の97秒遅れで総合2番手でした。前戦で自身通算最高峰クラス100回目の表彰台を獲得したレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが総合3番手と好調を維持しています。怪我により2戦連続して欠場しているLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,まだ回復が十分でないため今大会も欠場しています。その代役には,これまで通りHRCのテストライダーを務めている長島哲太が参戦していて,初日は24番手タイムで終了しています。
FP1はドライ,FP2はドライから始まったものの,途中で降雨となって赤旗中断。その後ウェットコンディションで再開したMoto2クラスは,FP1のタイムでランクトップ復帰を狙うレッドブルKTMアジョのA.フェルナンデスが総合トップタイムをマークしました。2,3番手も同じくFP1のタイムで,それぞれフェルナンデスのチームメイトであるP.アコスタ,エルフ・マークVDSレーシング・チームのT.アルボニーノでした。タイトル獲得の可能性があるイデミツ・チーム・アジアの小椋藍は,FP1が4番手,FP2が6番手と,苦戦した前戦と比べると上位でのスタートを切っています。前戦でポイントを獲得したペルタミナ・マンダリカSAGチームから代役参戦している羽田大河は,28番手,23番手でした。
唯一両セッション共にドライコンディションでの走行となったMoto3クラスは,レオパード・レーシングのD.フォッジアが両セッションでトップタイムをマークしました。総合2,3番手はどちらもFP1のタイムで決まり,それぞれモエ・モータースポーツのD.ムニョス,ステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢でした。他のフル参戦日本人ライダー勢は,FP2のタイムで見ると,レオパード・レーシングの鈴木竜生が5番手,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が10番手,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽が19番手CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が22番手で初日を終えています。
2022/10/21(金)
◎テストスケジュール(MotoGP)
○昨日,MotoGPの商業権を有するドルナスポーツ社から来シーズンのテストスケジュールの暫定版が発表されました。MotoGPクラスに関しては,今季最終戦バレンシアGP終了後,同地に留まって例年通り来季最初のオフィシャルテストが始まります。2月にはセパン・インターナショナル・サーキットで2回のテストが行われ,3月には,開幕戦の地であるアルガルヴェ・インターナショナル・サーキットで開幕直前のテストが行われます。シーズン中のテストは,5月と9月にそれぞれ1回ずつ行われる予定になっています。今回発表された具体的な暫定スケジュールは,以下の表のようになっています。
2023年 MotoGPテストスケジュール(暫定)
クラス 開催日 サーキット
MotoGP 11月8日 サーキット・リカルド・トルモ
2月5日〜7日 セパン・インターナショナル・サーキット
2月10日〜12日           〃
3月11日〜12日 アウトドローモ・インテルナシオナル・デ・アルガルヴェ
5月1日 ヘレス・サーキット−アンヘル・ニエト
9月11日 ミサノ・ワールド・サーキット−マルコ・シモンチェリ
Moto2 3月14日〜15日 ヘレス・サーキット−アンヘル・ニエト(プライベートテスト)
3月17日〜19日 アウトドローモ・インテルナシオナル・デ・アルガルヴェ
5月2日 ヘレス・サーキット−アンヘル・ニエト
8月7日 シルバーストーン・サーキット
Moto3 3月9日〜10日 ヘレス・サーキット−アンヘル・ニエト
3月17日〜19日 アウトドローモ・インテルナシオナル・デ・アルガルヴェ
5月2日 ヘレス・サーキット−アンヘル・ニエト
8月7日 シルバーストーン・サーキット
2022/10/20(木)
◎新体制で(MotoGP)
○昨シーズンはMoto3クラスにフル参戦し,今シーズンは飛び級でMotoGPクラスにステップアップしたのが,ウィズユー・ヤマハRNF MotoGPチームからフル参戦した南アフリカ人ライダーのD.ビンダーでした。そのビンダーですが,来シーズンのMotoGPクラスにおけるシートを失うことは既に決定していました。その去就が注目されていたのですが,彼が来季所属するチームについて発表がありました。今季Moto2クラスにM.シュロッターとJ.アルコバを擁してフル参戦したのがインタクトGPですが,ビンダーが飛び級でフル参戦することがなかったMoto2クラスに,そのチームからフル参戦することになったのです。ただ,今季と同じチーム体制ではなく,今季Moto3クラスに佐々木歩夢とJ.マクフィーを擁してフル参戦したステリルガルダ・マックス・レーシング・チームとコラボし,新たに発足することになったリキモリ・ハスクバーナ・インタクトGPからフル参戦することになりました。新たな体制で臨むことになった同チームは,ほとんどのライダーが変わってMoto2,Moto3の両クラスにフル参戦します。まず,Moto2クラスは,ビンダーのチームメイトとして,今季インタクトGPのジュニアチームに所属してMoto2ヨーロッパ選手権でタイトルを獲得したドイツ人ライダーのL.トゥロビッチを起用します。次に,Moto3クラスは,佐々木のみが残留し,そのチームメイトには,今季レッドブル・ルーキーズ・カップでランク2位に輝いたオランダ人ライダーのC.ベイヤーを起用することになりました。
2022/10/19(水)
◎史上最多(MotoGP)
○随分お伝えするのが遅くなってしまいましたが,9月30日(金)に国際モーターサイクリズム連盟(FIM)から来季のMotoGPレースカレンダーの暫定版が発表されました。それによると,来季は史上最多となる全21戦で開催されることになります。ここ数年,開幕戦はロサイル・インターナショナル・サーキットでのカタールGPでしたが,来季はアルガルベ・インターナショナル・サーキットで行われるポルトガルGPとなりました。最終戦は,例年通りリカルド・トルモ・サーキットでのバレンシアGPとなります。日本GPは第15戦として,これまで通りモビリティリゾートもてぎで開催されます。今回の発表の中で,第9戦に組まれているカザフスタンGPと,第14戦に組まれているインドGPについては,開催基準に必要なホモロゲーションの取得が求められていますので,場合によっては開催できない可能性もあります。今回発表されたレースカレンダーは,以下の表のようになっています。なお,今回のカレンダーは暫定版ですので,今後変更となる可能性があります。
2023年 MotoGPレースカレンダー(暫定)
決勝日 大会 サーキット
第1戦 3月26日 ポルトガルGP アルガルベ・インターナショナル・サーキット
第2戦 4月2日 アルゼンチンGP アウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンド
第3戦 4月16日 アメリカズGP サーキット・オブ・ジ・アメリカズ
第4戦 4月30日 スペインGP ヘレス・サーキット-アンヘル・ニエト
第5戦 5月14日 フランスGP ル・マン-ブガッティ・サーキット
第6戦 6月11日 イタリアGP ムジェロ・サーキット
第7戦 6月18日 ドイツGP ザクセンリンク
第8戦 6月25日 オランダGP TTサーキット・アッセン
第9戦 7月9日 カザフスタンGP ソコル・インターナショナル・レーストラック
第10戦 8月6日 イギリスGP シルバーストーン・サーキット
第11戦 8月20日 オーストリアGP レッドブル・リンク
第12戦 9月3日 カタルニアGP カタルニア・サーキット
第13戦 9月10日 サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGP ミサノ・ワールド・サーキット−マルコ・シモンチェリ
第14戦 9月24日 インドGP ブッダ・インターナショナル・サーキット
第15戦 10月1日 日本GP モビリティリゾートもてぎ
第16戦 10月15日 インドネシアGP マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキット
第17戦 10月22日 オーストラリアGP フィリップ・アイランド・サーキット
第18戦 10月29日 タイGP チャン・インターナショナル・サーキット
第19戦 11月12日 マレーシアGP セパン・インターナショナル・サーキット
第20戦 11月19日 カタールGP ロサイル・インターナショナル・サーキット
第21戦 11月26日 バレンシアGP リカルド・トルモ・サーキット
2022/10/18(火)
◎4人目(MotoGP)
○第18戦オーストラリアGPの会場であるフィリップアイランド・サーキットから10月15日(土)に発表があり,同サーキットの第4コーナーの名称を『ミラー・コーナー』とすることになりました。これは,オーストラリア人MotoGPライダーであるJ.ミラーの功績を讃えるためのものです。今回自身の名がコーナーの名称となったミラーは,2011年に125ccクラスでGPデビューを果たしました。2012年から125ccクラスはMoto3クラスとなり,ミラーは2014年まで同クラスにフル参戦しました。通常,Moto3クラスで実績を挙げるとMoto2クラスへとステップアップしますが,その才能を見込んだホンダがMotoGPクラスへと飛び級でステップアップさせ,C.クラッチローのチームメイトとしてLCRホンダに所属しました。2016年に同じくホンダのサテライトであるエストレラ・ガリシア・マークVDSに移籍し,その年のアッセンTTにおいて見事最高峰クラスにおける初優勝を飾りました。ホンダで3年間過ごした後,2018年に現在のドゥカティへと移籍しています。ドゥカティに移籍後,表彰台は獲得しているものの,現段階まで優勝は挙げていません。そして,来季からKTMのワークスライダーとして走ることになっています。これまで同サーキットには,ホームストレートに『ガードナー・ストレート』(W.ガードナー),1コーナーに『ドゥーハン・コーナー』(M.ドゥーハン),3コーナーに『ストーナー・コーナー』(C.ストーナー)という名称がつけられていますので。今回のミラーが4人目となります。ちなみに,今回行われたオーストラリアGPにおけるミラーは,ブレーキングでミスをしたLCRホンダ・カストロールのA.マルケスに後ろからぶつけられて転倒リタイアに終わってしまいました。その転倒した場所が,何と自らの名が冠されている第4コーナー。何とも因縁を感じる結果となってしまっています。
なお,自らのミスでミラーをリタイアに追い込んでしまったA.マルケスですが,次戦マレーシアGPでロングラップペナルティーが科されることになりました。
2022/10/17(月)
◎チャンピオン決定&ランクトップに(MotoGP)
○第18戦オーストラリアGPの決勝レースが,当初は雨により濡れた路面となりましたが,徐々にドライコンディションとなったフィリップアイランド・サーキットで行われました。
MotoGPクラスは,実質的に3台によるトップ争いがファイナルラップまで続きました。その中で,10番グリッドからスタートしたチーム・スズキ・エクスターのA.リンスが,レース序盤に一時順位を下げたものの,その後順位を回復していき,ファイナルラップでトップに立つとそのまま逃げ切ってトップチェッカーを受けました。リンスの勝利は,2020年10月に行われた第10戦アラゴンGP以来2年ぶりとなります。前日の予選で2番グリッドを獲得したレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,トップの座をリンスに奪われたものの,2位でチェッカーを受け,昨年10月に行われたエミリア・ロマーニャGP以来1年ぶりの表彰台獲得となります。この表彰台獲得は,マルケスにとって最高峰クラスで通算100回目となりました。この大会をランク2位で迎えたドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアは,前戦に続いて3位に入りました。この大会をランクトップで迎えたモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロが11周目の2コーナーで転倒してリタイアとなりましたので,14ポイント差をつけてついにバグナイアが最高峰クラスで自身初となるランクトップに立ちました。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶の代役として参戦した長島哲太は,トップから40秒弱遅れの19位でチェッカーを受けています。
Moto2クラスは,3番グリッドからスタートしたベータ・ツールズ・スピード・アップのA.ロペスが,オープニングラップでトップに立つと独走態勢に持ち込みました。レース途中,フリー走行1における他車との接触のペナルティーでロングラップペナルティーを消化する必要がありましたが,それでも最終的に2位に入ったレッドブルKTMアジョのP.アコスタに3秒以上の大差をつける独走で第14戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGP以来となる今季2勝目を挙げました。トップ3はいずれも単独走行となり,アコスタからおよそ6秒遅れで,インデ・ガスガス・アスパー・チームのJ.ディクソンが3位に入っています。ランク2位で今大会を迎えたイデミツ・チーム・アジアの小椋藍は,レースウィークを通して上位に顔を出すことができず,13番グリッドからスタートして11位でチェッカーとなりました。しかし,ランクトップに立っていたレッドブルKTMアジョのA.フェルナンデスが,3位走行中の16周目に2コーナーで転倒してリタイアに終わったため,小椋が3.5ポイント差でランクトップに返り咲いています。ペルタミナ・マンダリカSAGチームから代役参戦している羽田大河は,15位でチェッカーを受け,2戦連続してポイントを獲得しています。
一部にウェットが残る状態で始まったMoto3クラスは,4台による激しいトップ争いがファイナルラップまで展開されていきました。その中でランクトップを行くガビオタ・ガスガス・アスパー・チームのI.グエバラが2位にコンマ35秒弱の差をつけて逃げ切り,今季6勝目を飾りました。この大会が終わると今シーズンは残り2戦。50ポイント差をつければタイトル獲得となります。ランクトップのグエバラは,ランク2位につけているチームメイトのS.ガルシアが3位でのチェッカーでしたので,65ポイント差をつけました。この結果,見事今シーズンのタイトル獲得を決めています。トップ争いに加わったステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢でしたが,最後は惜しくも表彰台を逃す4位でのチェッカーとなりました。他のフル参戦日本人ライダー勢は全く奮わず,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡は完走を果たしたものの,ポイント圏外の17位でチェッカーを受けています。MTヘルメッツMSIの山中琉聖,レオパード・レーシングの鈴木竜生,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽は,3人とも転倒リタイアに終わっています。
2022/10/16(日)
◎9年ぶり&8年ぶり(MotoGP)
○第18戦オーストラリアGPの予選が,この日もドライコンディションとなったフィリップアイランド・サーキットで行われました。
MotoGPクラスは,前日総合トップタイムだったプラマック・レーシングのJ.ザルコと来季もチームメイトとなるJ.マルティンが,これまでのレコードタイムを更新する速さを見せて今季3度目となるポールを獲得しました。これまでの同サーキットのレコードタイムは,2013年に当時ヤマハ・ファクトリー・レーシングからフル参戦していたJ.ロレンゾがマークしていましたから,実に9年ぶりのタイム更新となります。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶の代役として参戦している長島哲太は,24番グリッドを獲得して予選を終えています。
Moto2クラスは,ベータ・ツールズ・スピード・アップのF.アルデグエルがトップタイムをマークし,第3戦アルゼンチンGP以来今季2度目のポールを獲得しています。今大会をランクトップで迎えているレッドブルKTMアジョのA.フェルナンデスは,アルデグエルからわずか1000分の73秒遅れで2番手タイムとなっています。アルデグエルのチームメイトであるA.ロペスが3番手タイムをマークし,同チームがフロントローの2つを占めています。初日から苦戦しているランク2位をいくイデミツ・チーム・アジアの小椋藍は,予選でも上位争いに加わることができず,13番手タイムで予選を終えています。ペルタミナ・マンダリカSAGチームから代役参戦している羽田大河は,最下位となる29番手でした。
前日に総合トップ2を占めた日本人ライダー勢ですが,予選でも前日総合トップタイムだったステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢が予選でも速さを見せ,第11戦アッセンTT以来今季3度目となるポールを獲得しました。今回佐々木がマークしたタイムは,それまで2014年に当時エストレラガリシア・0.0からフル参戦していたA.マルケスがマークしたレコードタイムを8年ぶりに更新するものです。2,3番手は,それぞれガビオタ・ガスガス・アスパー・チームのS.ガルシア,アンジェルスMTAチームのI.オルトラでした。ルーキーライダーであるオルトラにとって,今回が初のフロントロー獲得となります。他のフル参戦日本人ライダー勢は,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽が,これまでの自身最高位となる10番グリッドを獲得しました。CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡は17番手,MTヘルメッツMSIの山中琉聖は20番手でした。前日総合2番手タイムだったレオパード・レーシングの鈴木竜生は,Q2の2周目に転倒を喫してしまってノータイムに終わり,今日行われる決勝レースは18番グリッドからのスタートとなります。
2022/10/15(土)
◎両セッション共(MotoGP)
○第18戦オーストラリアGPがドライコンディションとなったフィリップアイランド・サーキットで開幕し,初日はいつものように2回のフリー走行が行われました。
MotoGPクラスは,来季もプラマック・レーシングからフル参戦することが決まっているJ.ザルコが,フリー走行1,フリー走行2共にトップタイムをマークし,2戦連続して初日総合トップとなりました。同じく来季もチーム残留が決まっているムーニーVR46レーシング・チームのM.ベツェッキが,ザルコからわずか1000分の38秒差で総合2番手タイムでした。来季はKTMワークスに復帰することが決まっているレプソル・ホンダ・チームのP.エスパルガロが,トップのザルコから1000分の52秒差とこちらも僅差で総合3番手タイムでした。怪我で欠場しているLCRホンダ・イデミツの中上貴晶の代役として今回も参戦している長島哲太は,トップからおよそ2秒遅れで24番手でした。
Moto2クラスは,インデ・ガスガス・アスパー・チームのJ.ディクソンがトップタイムをマークし,今季5度目となる初日総合トップに立ちました。総合2番手タイムだったベータ・ツールズ・スピード・アップのF.アルデグエルはトップからおよそコンマ4秒,総合3番手タイムだったアルデグエルのチームメイトであるA.ロペスはトップからおよそコンマ5秒弱と,やや離されています。タイトル争いでトップから2ポイント差と僅差でこの大会を迎えているイデミツ・チーム・アジアの小椋藍は,15番手とやや出遅れた初日となっています。ペルタミナ・マンダリカSAGチームから代役参戦参戦している羽田大河は,トップから4秒以上遅れの29番手で初日を終えています。
今シーズン日本人ライダー勢がしばしば速さを見せているMoto3クラスは,前戦で2位表彰台を獲得したステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢が今季2回目となる初日総合トップタイムをマークしました。さらに,総合2番手タイムをレオパード・レーシングの鈴木竜生がマークし,日本人ライダーのワンツーで初日を終えています。総合3番手タイムは,MTヘルメッツMSIのD.モレイラがマークしています。他のフル参戦日本人ライダー勢は,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が14番手,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が17番手,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽が26番手でした。
2022/10/14(金)
◎来季のメンバー(MotoGP)
○今日から第18戦オーストラリアGPが開幕し,混沌としたタイトル争いがどのような展開となるのか楽しみなレースが続いていきます。いよいよ佳境に入る今シーズンですが,来季のシート獲得競争も佳境には入っていきます。ただ,最高峰クラスについては既に全シートが決まっていて,これからは中・軽量級クラスのシートがさらに確定していく状況となります。ここで来季のMotoGPクラスライダーをまとめておきたいと思います。
2023年 MotoGPクラスのライダーラインナップ
マシン チーム ライダー 契約期間
ドゥカティ ドゥカティ・レノボ・チーム F.バグナイア 2024年
E.バスティアニーニ
プラマック・レーシング J.ザルコ 2023年
J.マルティン
グレシーニ・レーシング A.マルケス
F.ディ.ジャンアントニオ
VR46ドゥカティ L.マリーニ
M.ベツェッキ
アプリリア アプリリア・レーシング A.エスパルガロ 2024年
M.ビニャーレス
RNFアプリリア M.オリベイラ
R.フェルナンデス
ヤマハ モンスター・エナジー・ヤマハ F.クアルタラロ
F.モルビデリ 2023年
KTM レッドブルKTM J.ミラー 2024年
B.ビンダー
テック3ガスガス P.エスパルガロ
A.フェルナンデス
ホンダ レプソル・ホンダ M.マルケス
J.ミル
LCRホンダ A.リンス
中上 貴晶 2023年
2022/10/13(木)
◎2戦連続(MotoGP)
○3週連続開催で行われたMotoGPでしたが,2週間のインターバルを経て,明日からフィリップアイランド・サーキットにおいて第18戦オーストラリアGPが開幕します。MotoGPクラスのタイトル争いでは,トップをいくモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロと2位をいくドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアとのポイント差が,わずか2ポイントと迫っていて,どちらがタイトルを獲得するのか全く分からない状況となっています。そうしたMotoGPクラスですが,そのクラスにおける唯一のフル参戦日本人ライダーであるLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,3週連続開催の初戦であった第15戦アラゴンGPにおいて大怪我を負い,手術直後にもかかわらずかなり無理をして母国GPに臨みました。大きな声援を背景に最後まで走り抜いたものの,怪我が再び悪化して再手術せざるを得ない状況となってしまいました。今度は怪我が癒えることを最優先とするため,3週連続開催の最後となる第17戦タイGPは出場を見合わせ,代役としてHRCのテストライダーで,日本GPにはワイルドカードで参戦した長島哲太が出場しました。そうした中上ですが,10月10日(月)にチームから発表があり,同日に検査を受けた結果,少なくとも2週間の安静が必要だという判断が医師から出されたことから,オーストラリアGPも欠場することになりました。その代役として,前回と同じく長島が出場することになります。オーストラリア,マレーシアと2週連続開催となるMotoGPですが,中上としては,セパン・インターナショナル・サーキットで開催される第19戦マレーシアGPからの復帰を目指すことになるようです。
2022/10/12(水)
◎制限違反(F1)
○大規模チームと小規模チームの財力の違いによる競争力の差をなくすことを目的として,F1では1億4500万ドル(約211億円)を上限として年間予算を制限しています。これに違反すると,その程度によってペナルティーが科されることになっていて,重い場合はポイント剥奪等が科されます。そのことに関して,10月10日(月)に国際自動車連盟(FIA)から発表があり,2021年シーズンの予算制限をレッドブルとアストンマーティンが超えたことが明らかとなりました。違反の程度は「軽微」で,処分の内容は後日決定するとのことです。今回の「軽微」違反とは,チームが総予算の5パーセント未満に当たる額を超えたということで,「財務上のペナルティーか軽い競技上のペナルティー,またはその両方」が科される可能性があるということです。先週末に行われた日本GPにおいて,レッドブルのM.フェルスタッペンが優勝すると共に,昨年に続いてドライバーズタイトルを決定しました。今回科されることになるペナルティーは,それに影響を与えることにはならないと思いますが,どのような裁定が下されるのか気になるところです。
2022/10/11(火)
◎あと2(F1)
○レッドブルのM.フェルスタッペンが,ホンダのお膝元である鈴鹿サーキットでタイトル防衛を決めるという劇的な幕切れとなった3年ぶりに開催された日本GPですが,9日付のこのページでお伝えしたように,日本GPの開催中に来季のシートについて2人のドライバーの発表がありました。この発表により,来季のアルファタウリのシートが確定すると共に,アルピーヌについてもシートが確定しました。全部で20あるF1ドライバーのシートですが,これでほぼ決まった形になっています。コンストラクタータイトル争いで上位につけているチームに関しては,さほど大きな変化はなく,レッドブルがフェルスタッペン&S.ペレス,フェラーリがC.ルクレール&C.サインツJr,メルセデスAMGがL.ハミルトン&G.ラッセルとなっています。現段階でコンストラクターランク4位のマクラーレンは変化があり,今季L.ノリス&D.リカルドの体制ですが,ノリスは残留するものの,リカルドはF1でのシートを確保することができず,少なくとも来季はF1の場から姿を消すことが決まっています。そのリカルドが抜けるシートには,同チームのリザーブドライバーを務めているO.ピアストリが座ることが決定済みです。あと決まっていないのは,ハースとウィリアムズの2チームです。ハースについては,K.マグヌッセンの残留は決まっているものの,M.シューマッハがシート喪失が確実視されています。ウィリアムズについては,A.アルボンは残留しますが,シューマッハと同じくN.ラティフィはシート喪失が確実視されています。シーズン途中では,ピアストリを採用するのではないかという噂もありましたが,上記したようにマクラーレンへの移籍が決まっていますので,これは単なる噂で終わっています。果たしてマグヌッセンとアルボンのチームメイトがそれぞれ誰になるのか,そう遠くない時期に発表されるでしょうから,それを待ちたいと思います。なお,全20のシートが確定したら,改めて別日にこのページでもまとめておきたいと思います。
2022/10/10(月)
◎連覇達成(F1)
○第18戦日本GPの決勝レースが,予報通り初日と同じくウェットコンディションとなった鈴鹿サーキットで行われました。午前中はそれほど雨脚は強くなかった鈴鹿ですが,レース開始となる頃から雨脚が激しくなり,非常に走りにくい状況に変化していきました。そのような中で切られた決勝レースは,ポールからスタートしたレッドブルのM.フェルスタッペンと2番グリッドからスタートしたフェラーリのC.ルクレールが激しいトップ争いをスタート段階で演じました。激しいつばぜり合いはフェルスタッペンが制し,ルクレールの前を走行していきました。その後方では足元をすくわれたマシン等が現れ,アクシデントが多発しました。そうしたこともあって,セーフティーカーが出動となり,さらに赤旗が提示される事態へと発展しました。雨脚はなかなか弱まらず,結局2時間に及ぶ中断となりました。その後徐々に雨脚が弱まり,当初の予定からだいぶ時間が経ってしまったため,レースは周回数から時間制へ変更となりました。リスタートはセーフティーカーが先導したローリングスタートで行われ,トップのフェルスタッペンはセーフティーカー退去後無事トップの座を守ってリスタートを切りました。その後のフェルスタッペンは,タイヤ交換のタイミングのズレで順位を下げることはありましたが,他のマシンを圧倒するペースを刻み続け,結局2位に27秒以上の大差をつける独走で初めて日本GPを制しました。フェルスタッペンの後ろでは,レッドブルのS.ペレスとフェラーリのC.ルクレールとの間で激しい2位争いとなり,その争いは最終ラップまで持ち込まれました。そして,シケインの飛び込みで2位を走行していたルクレールがコースを外れてショートカットする状態でコースに復帰し,3位を走行していたペレスは最後までルクレールを交わすことができないままチェッカーとなりました。ところが,やはりというか,ルクレールのショートカットでの走行は順位の維持にアドバンテージを与えたということから5秒加算のペナルティーが科され,2人の最終順位は入れ替わることとなりました。この結果,フェルスタッペンがランク2位のルクレールに113ポイント差をつける結果となり,後4戦残した状況で今シーズンのタイトルを決め,見事パワーユニット供給元で,大会の冠スポンサーでもあるホンダのお膝元でドライバーズタイトル連覇達成となりました。大会を通じて終始思うような走りを展開できなかったアルファタウリ勢は,角田裕毅が13位,タイヤ選択の関係でピットスタートとなったP.ガスリーは18位でのチェッカーとなりました。なお,鈴鹿でのタイトル決定は,当時レッドブル・ルノーのドライバーであったS.ベッテル以来となります。そのベッテルですが,今シーズン限りでF1から引退することになっていますので,何とも因縁を感じる結果でもあります。決勝レースとは関係ありませんが,予選終了後の無線交信の中で,その引退するベッテルが日本語で「アリガトウゴザイマス,スズカ。」と発言していたシーンがSNSに上げられていました。彼が如何に日本や鈴鹿サーキットが好きだったか,そして彼の人柄のよさが伝わる感動的なシーンでしたね。
2022/10/09(日)
◎タイトル獲得に向け(F1)
○第18戦日本GPの予選が,前日とは打って変わって終日ドライコンディションとなった鈴鹿サーキットで行われました。ウェットコンディションで速さを見せたのはメルセデスAMG勢でしたが,今大会でタイトル獲得を狙うレッドブルのM.フェルスタッペンは,メルセデスAMG勢の後塵は拝したものの,ウェットで総合3番手といいタイムを出していました。そのフェルスタッペンは,ドライでも速さを見せ,ファーストアタックで暫定のポールにつけました。暫定ポールのフェルスタッペンは,ラストアタックでミスをしてしまってタイムアップができず,後は他のドライバーの結果次第となりました。ポール獲得の可能性を持っていたのは,フェルスタッペンのタイトル獲得に待ったをかけたいランク2位につけているフェラーリのC.ルクレールでした。しかし,ポールの座を奪うべくラストアタックを敢行しましたが,わずか100分の1秒遅れを取ってしまい,フェルスタッペンとしては鈴鹿で自身初となるポールを獲得し,決勝でタイトル獲得するのに好位置からのスタートを決めました。3番手タイムは,ルクレールのチームメイトであるC.サインツでした。そして,4番手はフェルスタッペンのチームメイトであるS.ペレスがマークしていて,トップ4をレッドブルとフェラーリが独占しています。前日苦戦したアルファタウリ勢ですが,角田裕毅もP.ガスリーも走り慣れている鈴鹿だけに,ドライコンディションでの走りが期待されていました。ところが,両者共にブレーキに問題が出ていたようで,思うような走りをすることができないまま予選を終えてしまいました。F1昇格前年にSFにフル参戦していたガスリーはQ1で敗退となって17番手,ホンダの育成からF1まで昇格してきた角田は,Q1こそ突破したものの,Q2で敗退となって13番手で予選を終えています。

◎母国チームへ(F1)
○昨日2つのチームから来季のシートに関して発表がありました。まず1チーム目は,フランスを母国とするアルピーヌF1チームです。今シーズンはF.アロンソ&E.オコンの体制で臨んでいる同チームですが,その中でアロンソが来季アストンマーティンへ移籍することになっています。そのため,その空くシートに座るドライバーを探す必要がありました。当初は,リザーブドライバーを務めているO.ピアストリが昇格するものと考えられていたのですが,何とアルピーヌと袂を分かってマクラーレンのレギュラードライバーになることが決まってしまいました。そこでターゲットとなったのが,来季まではアルファタウリに残留するものの,2024年からはレッドブルからの離脱がほぼ確実視されているフランス人ドライバーのP.ガスリーでした。アルファタウリからレッドブルへの復帰の可能性が無くなっているガスリーは,ワークスドライバーとしての立場を模索していたことも事実で,そこにアルピーヌが目をつけてガスリー,そしてレッドブルと交渉を開始しました。その中で,レッドブルがガスリーに変わる有力ドライバーを確保できることになれば移籍を認めるということになりました。そして,レッドブルにそのめどが立ったので,ガスリーのアルピーヌ移籍が決定しました。母国チームに移籍することになったガスリーは,複数年契約でアルピーヌに移籍することになりました。その発表を受け,今度はガスリーが抜けることになったアルファタウリから発表があり,ガスリーに替わってオランダ人ドライバーのN.デ.フリースを起用することになりました。2019年にFIA F2でチャンピオンに輝いたデ.フリースですが,F1への昇格は叶いませんでした。そこで,その翌年からメルセデスのワークスチームに所属してFEにフル参戦を開始し,2年目の2020/21年シーズンにタイトルを獲得しました。そのFEにフル参戦する傍ら,昨シーズンからメルセデスAMGのリザーブドライバーを務めて現在に至っています。そして,今シーズンは先日行われた第16戦イタリアGPにおいては,虫垂炎により欠場することになったA.アルボンの代役としてメルセデスエンジンユーザーであるウィリアムズから出場してF1デビューを果たすと,何と予選で13番グリッド,決勝で9位を獲得するという快挙を成し遂げました。こうした活躍が認められて,今回のアルファタウリ起用が実現しました。これにより,来季のアルファタウリは角田裕毅&デ.フリース体制で臨むことが決まりました。角田としては,当然チーム内でエース的立場に立つことになる訳ですから,それだけの責任を任されることになります。ぜひ頑張ってほしいものですね。
2022/10/08(土)
◎ワンツー(F1)
○3年ぶりの開催となる日本GPが鈴鹿サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。この日の鈴鹿は,激しい雨の時もあれば小雨の時もあるという不安定な天候となり,午後から行われたFP2では浅溝のタイヤで走行できるまでには回復していきました。そのような中で速さを見せたのは,昨年までの活躍を見ると今季は今一歩となっているメルセデスAMG勢でした。今シーズンから同チームに所属しているG.ラッセルが,この日唯一となる1分41秒台をマークして初日の総合トップに立ちました。チームメイトのL.ハミルトンが総合で2番手タイムをマークし,初日はメルセデスAMG勢のワンツーとなりました。チャンピオンに王手をかけているレッドブルのM.フェルスタッペンは,メルセデスAMG勢の後塵は拝したものの,ホンダのお膝元で総合3番手タイムでスタートを切っています。チームメイトのS.ペレスが総合4番手タイムで,レッドブル勢も好調なスタートを切っています。今季マシンが今ひとつ決まらないアルファタウリ勢は,母国GPに燃える角田裕毅は14番手,日本でフル参戦経験のあるP.ガスリーは19番手タイムで初日を終えています。現段階の天気予報では,土曜日はドライ,日曜日は再びウェットとなりそうな今回の日本GPです。
2022/10/07(金)
◎復活(F1)
○今日からいよいよ3年ぶりとなる日本GPが,ホンダのホームコースである鈴鹿サーキットで開幕します。それを前にして,10月5日(水)にホンダから新たな発表がありました。ホンダとレッドブルとは,F1をはじめとして,国内外のレースで協力関係を築いています。F1ではいえば,昨シーズンまで公式にパワーユニットを供給していましたし,昨シーズンをもってホンダがF1から撤退して以後も,レッドブル・パワートレインズとの間で,現行のレギュレーションが適用される2025年までパワーユニットに関する支援について合意していて,ホンダ・レーシング(HRC)としてパワーユニットが供給されています。今回発表された合意事項は,両者の関係性をさらに強化するもので,新たな取り組みが3点あります。まず1点目は,今日から始まる日本GPから最終戦アブダビGPまで,レッドブルとアルファタウリのマシンにホンダのロゴが飾られることになったということです。今シーズンの両チームのマシンには,『HRC』のロゴはありますが,『HONDA』のロゴはありませんでした。つまり,今回の締結によって,昨年の最終戦以来となるHONDAのロゴの復活ということになります。2点目ですが,ホンダは育成プログラムとして『ホンダ・レーシングスクール・鈴鹿』(HRS)を運営していますが,来季もレッドブルのステアリングを握ることが決まっているS.ペレスがそのアンバサダーを務めることになりました。3点目ですが,ホンダはコロナ禍の時を除いて毎年シーズンオフの時に『Honda Racing THANKS DAY』を開いていて,今年は11月27日(日)に開催されることになっています。その催しに,レッドブルのM.フェルスタッペンとペレス,そしてアルファタウリのP.ガスリーと角田裕毅の4名が参加することになりました。
今回発表された内容は以上ですが,今回の締結は,期待感を含めてですが,ある可能性を感じさせるものとも言えます。2026年からのF1は,マシンに新しいレギュレーションが適用されることになっています。今季途中までは,レッドブルとポルシェが手を組んでいくのではないかと思われていました。ところが,その提携話はご破算となり,そこで新たに浮上してきたのがホンダとの提携です。昨シーズンをもって撤退したホンダですが,その撤退理由はカーボンニュートラルの実現に開発資源を集中するためでした。ところが,新しいレギュレーションはその撤退理由とある程度合致するものとなっていて,ホンダがF1から撤退した意味がかなり薄れてきていたのも事実です。こうしたことから,一旦はF1から撤退したホンダですが,2026年から再び何らかの形で復帰するのではないかといわれていて,その提携先はレッドブルではないかと噂されています。実際レッドブルもその事を臭わせるような発言を行っています。今回の提携話は,もちろん2026年とは関係のない内容ですが,順調に両者の関係性が継続されていることは間違いなく,そうしたことから,ホンダの正式なF1復帰に遠回しではあるものの,繋がっていくのでは中と期待されます。
2022/10/06(木)
◎2人目(MotoGP)
○昨日ヤマハ発動機から発表があり,昨年に続いて今季もSBKにフル参戦している野左根航汰が,来季は『Yamaha VR46 Master Camp Team』に所属してMotoGPのMoto2クラスにフル参戦することになりました。既に今季もイデミツ・チーム・アジアの小椋藍が同クラスに継続してフル参戦することが決まっていますので,現段階で来季は2人の日本人ライダーがフル参戦することになります。今回フル参戦が決まった野左根は,2020年にJRRのJSB1000クラスでチャンピオンを獲得し,その翌年から現在のSBKにフル参戦しています。その初年度はランク14位でシーズンを終え,2年目の今季はやや苦しんでいて,現段階でランク19位となっています。MotoGPへのフル参戦は来季が初めてですが,Moto2クラスに関しては,2012年に1回,2013年に3回出場した経験があります。ただ,その時はホンダ製エンジンのワンメークで行われていた頃で,現在のトライアンフ製エンジンはもちろん自身初となります。今回彼が所属することになったYamaha VR46 Master Camp Teamは,ヤマハの若手育成のため,生ける伝説であるV.ロッシが創設したVR46のジュニアチームとヤマハが協力して2017年に設立したものです。設立当初はスペインで開催されている若手育成のシリーズであるFIM CEVに参戦していましたが,今シーズンからMoto2クラスへ進出しています。野左根にとって新たな挑戦となりますが,苦戦している今季の鬱憤が晴れるような活躍が見られるといいですね。
2022/10/05(水)
◎開催決定(FE)
○このサイトでは,最近全く取り上げてこなかった電動のフォーミュラカーで争われるフォーミュラE(FE)ですが,昨日大きな動きがありましたので,久々に取り上げたいと思います。先日,東京都の小池百合子知事が,都内でのFE開催について動いていくことを会見で述べていました。そして,昨日小池知事とフォーミュラEオペレーションズのJ.ライグルCEOが,都庁において2024年春の「シーズン10」においてFEの東京開催に向けた協定を締結しました。開催する場所についても発表があり,江東区有明にある東京ビッグサイト周辺となるということです。これで,いよいよ日本でも公道における自動車レースが開催されることになったのです。レーシングマシンは最新なものをつくっているものの,レース自体に関してはマイナーなところがある日本だけに,一般の人々が間近で本格的な国際レースを観ることができるのは,我が国のモータースポーツにとって大きな出来事となります。来月WRCの『ラリー・ジャパン』が開催されますが,身近なところでマシンが走行していきますので,これもまた大きな転換点となります。マイナーなスポーツが,少しでもメジャーになるいい機会となりそうです。
さて,このFEですが,今シーズンはローマやベルリン,ニューヨーク,ロンドンなど世界的にも大都会である街で開催されています。電動自動車ですので,マシンから爆音は出ませんし,当然排気ガスも0です。近年SDGsが叫ばれている状況ですので,そうした面からFEの存在価値は大きくなっていますし,街のイメージ作りにも良い影響が期待できます。現在,東京都はCO2を排出しない環境先進都市『ゼロエミッション東京』を実現するため,ZEV(ゼロエミッションビークル)の普及に取り組んでいます。今回の締結は,まさにこれと合致するものですので,開催実現に至ったと言えます。
2022/10/04(火)
◎史上最年少で(WRC)
○10月2日(日)に第11戦『ラリー・ニュージーランド』最終日の走行が行われました。タイトル獲得に王手をかけてこの大会に臨んだトヨタGRヤリス・ラリー1を駆るK.ロバンペラは,他のドライバーの脱落もあって首位で最終日を迎えていました。2位には,ロバンペラのチームメイトで,昨年の王者であるS.オジエがつけていて,チームメイトが相手とはいえ気の抜けないレースとなりました。最終日の走行では,各ステージで互いに最速タイムをたたき出しながらレースを続けていき,最終ステージを迎えました。その最終ステージで最速タイムを刻んだのがロバンペラで,オジエは彼の後塵を拝する結果となりました。これにより,最終戦『ラリー・ジャパン』を残してロバンペラが今シーズンのチャンピオンを決めました。前日に22歳の誕生日を迎えたばかりのロバンペラで,22歳と1日というのは,WRC市場最年少でのタイトル獲得となります。なお,唯一のフル参戦日本人ドライバーである勝田貴元は,デイ3の午後の走行でコースオフを喫してマシンを壊してしまったため,残念ながらリタイアに終わっています。ここまでずっと完走を続けてきた勝田ですので,これが彼にとって今季初のリタイアとなります。
次は11月10日(木)〜13日(日)にわたって行われるラリー・ジャパンです。新チャンピオンであるロバンペラがどのような走りを私たちに見せてくれるのか,そして勝田貴元が母国で表彰台を獲得することができるのか等,タイトルは決まりましたが,まだまだいくつも注目点がありますね。
2022/10/03(月)
◎ウェットで(MotoGP)
○第17戦タイGPの決勝レースが,途中から激しい雨に見舞われたチャン・インターナショナル・サーキットで行われました。
MotoGPクラスは,その前に行われたMoto2クラスの途中から激しい雨に見舞われたことでディレイとなったりして開始時刻が下がり,周回数が減算された中で行われました。場所によってはかなり激しい雨が降るという難しいコンディションの中で速さを見せたのは,ウェットコンディションを得意とするレッドブルKTMファクトリーレーシングのM.オリベイラでした。11番グリッドからスタートした彼は,周回を重ねる毎にポジションをアップしていき,14周目にトップに立つとそのまま逃げ切り,第2戦インドネシアGP以来となる勝利を収めました。初日,2日と好調だったドゥカティ勢は,オリベイラに勝利こそ奪われる走りを見せられましたが,2,3,4番手にそれぞれドゥカティ・レノボ・チームのJ.ミラー,同じくF.バグナイア,そしてプラマック・レーシングのJ.ザルコと,上位4つのうちの3つを占めています。ランクトップ立っているモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロは,思うような走りを展開することができず,17位とノーポイントでレースを終えました。ランク2位のバグナイアが3位でフィニッシュしていますので,2人のポイント差は2となっています。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶の代役として出場した長島哲太は,22位完走を果たしています。なお,その長島ですが,次戦オーストラリアGPも中上は欠場しますので,引き続いて代役参戦することが決定しています。
レース途中から激しい雨に見舞われたMoto2クラスは,9周目に赤旗が提示されて一旦中断となりました。その後再開となったのですが,リスタート前のサイティングラップで再び赤旗が提示されてそのままレース成立となりました。周回数の3分の2を消化していなかったことから,獲得できるのはハーフポイントとなってしまいました。結局,1,2,3位はそれぞれ,エルフ・マークVDSレーシング・チームのT.アルボリーノ,グレシーニ・レーシングMoto2のF.サラク,フレックスボックスHP40のJ.ディクソンでした。ランク2位につけているイデミツ・チーム・アジアの小椋藍は6位でのフィニッシュとなり,ランクトップを行くレッドブルKTMアジョのA.フェルナンデスが7位だったため,2人のポイント差はわずか0.5ポイント縮んで1.5となっています。なお,ペルタミナ・マンダリカSAGチームから代役参戦している羽田大河は,13位完走を果たしてポイントを獲得しています。
Moto3クラスは,唯一ドライコンディションの中でのレースとなり,ポールからスタートしたレオパード・レーシングのD.フォッジアが,好スタートを切ってトップの座を守ると,ちょっとしたミスで一瞬ポジションを譲ることはありましたが,それ以外はずっとトップの座を守り続け,トップでチェッカーを受けて今季4勝目を挙げました。3番グリッドからスタートしたステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢は,一瞬だけフォッジアからトップを奪いましたが,その後すぐに抜き返され,結局単独走行で2位に入り,3戦連続表彰台を獲得しています。3位には,こちらも単独走行でSIC58スクアドラ・コルセのR.ロッシが入っています。他のフル参戦日本人ライダー勢は,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が10位に入ってポイントを獲得しています。他のライダーは奮わず,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽が25位完走を果たしたものの,レオパード・レーシングの鈴木竜生とCIPグリーン・パワーの鳥羽海渡は転倒リタイアに終わっています。

◎完勝(F1)
○第17戦シンガポールGPの決勝レースが,レース開始前に激しい雨に見舞われ,開始が1時間以上ディレイとなってしまったヤス・マリーナ・サーキットで行われました。2番グリッドからスタートしたレッドブルのS.ペレスは,抜群のスタートを切ってホールショットを奪いました。ポールからスタートしたフェラーリのC.ルクレールは,ペレスにトップの座を奪われながらも,後続との差を広げて行きながら2位の座を守っていきました。壁に囲まれた狭いコースなだけに,アクシデントがつきもののサーキットですが,実際何度かアクシデントが発生してバーチャルセーフティーカーが導入されたりしてそれまでの差がなくなったりしましたが,それでもトップの2台は後続との差を広げて行きました。そして,最終的にトップ2はそれぞれ単独走行となってチェッカーを受けました。ところが,トップでチェッカーを受けたペレスに対して,セーフティーカー導入時の手順違反で5秒加算のペナルティーが科される事態となりました。しかし,独走態勢のままチェッカーを受けたペレスには大きな影響はなく,モナコGP以来今季2勝目を挙げました。3位には,ルクレールから8秒以上遅れでチームメイトのC.サインツが入っています。優勝したペレスに対して,ランクトップを行くチームメイトのM.フェルスタッペンは,抜きにくいコースに手を焼きながら,それでも8番グリッドからスタートして順位を上げて行きましたが,マクラーレンのL.ノリスをパスしようとしたときにハンドルを取られてエスケープゾーンに逃れるというミスを犯してしまいました。幸いにもどこも接触することなくコースに復帰し,最終的に7位でのチェッカーとなっています。場合によっては今回タイトルが確定する可能性があったフェルスタッペンですが,それは次戦日本GPに持ち込まれることになりました。アルファタウリ勢は,P.ガスリーが何とか10位でチェッカーを受けてポイントを獲得できたものの,角田裕毅は自らのミスでガードレールの餌食となってリタイアに終わっています。

◎初優勝&2年ぶり(SGT)
○第7戦の決勝レースが,好天に恵まれた我が大分県にあるオートポリスで行われました。
GT500クラスは,レース序盤こそポールからスタートした佐々木大樹&平手晃平組のリアライズコーポレーション ADVAN Zがトップを走りましたが,次第に塚越広大&松下信治組のAstemo NSX-GTと山本尚貴&牧野任祐組のSTANLEY NSX-GTが追い上げていきました。そして,ピット作業を早く済ませたAstemoがトップに浮上し,Zは3位に落ちてしまいました。ペースに勝るAstemoは2位以下との差を広げて行って単独走行となり,2位に13秒以上の大差をつけてトップチェッカーを受け,嬉しい今季初優勝を飾りました。僅差の2位争いはSTANLEYがこれを制しています。
GT300クラスは,ポールからスタートした井口卓人&山内英輝組のSUBARU BRZ R&D SPORTを,吉田広樹&川合孝汰組の埼玉トヨペットGB GR Supra GTが追うという展開となりました。そして,GT500クラスがGT300クラスを交わして行くという段階となったところで,埼玉トヨペットがこれをうまく利用してトップに浮上しました。トップに浮上すると後は速いペースを刻んで後続との差をどんどん広げて行き,完全な独走態勢を築いてトップチェッカーを受け,2020年以来2年ぶりの勝利を収めました。激しい2位争いとなりましたが,SUBARUがこれを制し,3位には蒲生尚弥&篠原拓朗組のLEON PYRAMID AMGが入っています。
後残されたのは最終戦のみとなりましたが,タイトル獲得の可能性があるチームがどちらのクラス共に多く,タイトル争いが混沌とした状態で最終戦を迎えることになります。なお,最終戦はこれまで累積してきたサクセスウェイトが全て外された状態でのレースとなります。
2022/10/02(日)
◎初&予選でも(MotoGP)
○第17戦タイGPの予選が,ドライコディションとなったチャン・インターナショナル・サーキットで行われました。
MotoGPクラスは,ムーニーVR46レーシング・チームのM.ベツェッキが,これまでのレコードタイムを1000分の48秒更新する速さを見せ,このクラスで自身初となるポールを獲得しました。2,3番手タイムをそれぞれプリマ・プラマック・レーシングのJ.マルティン,ドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアがマークし,前日行われたフリー走行でドゥカティ勢がトップ3を独占したのと同じく,予選でもトップ3独占となりました。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶の代役として参戦している長島哲太は,Q1で敗退となって22番手で予選を終えています。
Moto2クラスは,前戦でイデミツ・チーム・アジアの小椋藍が母国GPで優勝を果たしましたが,今回はそのチームメイトであるS.チャントラがポールシッターとなり,2戦連続同チームのライダーによる母国GP制覇が十分期待される結果となっています。なお,タイ人ライダーがGPでポールシッターになるのは,タイ史上初となります。そのチャントラからわずか1000分の85秒差で,エルフ・マークVDSレーシング・チームのT.アルボリーノが2番グリッドを獲得しています。前戦の勝者である小椋は,3番手タイムをマークしてフロントローからのスタートを決めています。ペルタミナ・マンダリカSAGチームから代役参戦している羽田大河は,Q1で敗退となってブービーの29番手で予選を終えています。
Moto3クラスは,フリー走行3でそれまでのレコードタイムを更新する速さを見せたレオパード・レーシングのD.フォッジアが,そのタイムをさらに更新して今季3度目となるポールを獲得しました。そのフォッジアからおよそコンマ3秒遅れで,レッドブルKTMアジョのJ.マシアが
2番手タイムをマークして第7戦フランスGP以来のフロントローを獲得しています。前戦で3位表彰台を獲得したステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢は3番手タイムをマークし,第15戦アラゴンGP以来となるフロントロースタートを決めています。今回は全員がQ2進出を果たしたフル参戦日本人ラーダー勢では,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が9番手タイムをマークしてトップ10圏内で終了したのに対し,他のライダーはトップ10圏内に入ることができませんでした。まず,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽は自身最高位となる13番手だったものの,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡とレオパード・レーシングの鈴木竜生は,それぞれ17番手,18番手で予選を終えています。

◎2戦連続(F1)
○第17戦シンガポールGPの予選が,3回目のフリー走行の時に降った雨の影響で所々が濡れているという難しい状況となったヤス・マリーナ・サーキットで行われました。激しい雨だったためになかなか路面が乾かないこともあって,Q1とQ2では多くのドライバーがドライタイヤを履かずに走行しましたが,Q3ではドライでのアタックが可能となったようで,ほとんどのドライバーがソフトタイヤを履いてのアタックとなりました。そこでトップタイムをマークしたのはフェラーリのC.ルクレールで,前戦に次ぐ2戦連続のポールシッターとなりました。2番手タイムをレッドブルのS.ペレスが,3番手タイムをメルセデスAMGのL.ハミルトンがマークし,トップ3は違うチームとなりました。リザルトによってはこの大会でタイトルが決まる可能性があるレッドブルのM.フェルスタッペンは,十分ポールを目指すことができるペースでどのセッションも走行していました。ところが,Q3でこれからラストアタックをという肝心な残り2周となったところでチームからアタックを辞めるよう指示があり,最終的にアタックできないままピットに入ってしまいました。どうやら燃料が足りなくなる能性が出てきたことが原因だったようです。ラストアタックでできなかったフェルスタッペンは,結局8番手に留まってしまいました。モナコGPのように狭くて壁に囲まれたストリートコースですので,とても抜きどころが少ない,そして下手をすると壁の餌食となる可能性が高まるだけに,いかに少し後ろの位置からでも優勝してきた速さがあるフェルスタッペンでも,今回優勝するのにはかなり厳しい状況になってしまっています。アルファタウリ勢は,第8戦アゼルバイジャンGP以来となる2台揃ってのQ3進出を果たし,P.ガスリーはフェルスタッペンの1つ前の7番グリッドを獲得しました。角田裕毅は,ソフトタイヤへスイッチするタイミングがやや遅くなってしまったこともあって10番手で予選を終えています。

◎5年ぶり&自身初(SGT)
○第7戦『FAV HOTEL AUTOPOLIS GT 300km RACE』の予選が,我が大分県にあるオートポリスで好天の下行われました。今大会は,これまで成績に応じて科されてきたサクセスウェイトが半減されることになっていて,これまでと戦い方や速さ等が変わってくることが予想されています。
GT500クラスは,暫定トップが入れ替わる中,佐々木大樹&平手晃平組のリアライズコーポレーション ADVAN Zが最後の最後で最速タイムを刻み,今季初となるポールを獲得しました。このポールは,佐々木大樹にとって自身初で,チームにとっては5年ぶりのポール獲得となります。トップと同じ1分31秒台ながら,山本尚貴&牧野任祐組のSTANLEY NSX-GTが2番手タイムとなり,牧野にとって惜しいところで自身初のポールを逃しています。3番手タイムは,トップと同じヨコハマタイヤユーザーである国本雄資&阪口晴南組のWedsSport ADVAN GR Supraが入り,トップ3は3メーカーが仲よく並ぶという結果になっています。
GT300クラスは,前戦でポールを獲得している井口卓人&山内英輝組のSUBARU BRZ R&D SPORTが最速タイムを刻み,今季4度目のポールを獲得しています。トップと同じ1分42秒台ながら,吉田広樹&川合孝汰組の埼玉トヨペットGB GR Supra GTが惜しくもポールを逃して2番手タイムとなっています。前戦の勝者である加藤寛規&堤優威組のmuta Racing GR86 GTが,その好調さを維持するかのように3番手タイムをマークしています。
2022/10/01(土)
◎独占 PART1(MotoGP)
○3週連続開催となるMotoGPですが,その3つ目のレースとなる第17戦タイGPがチャン・インターナショナル・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。
先週行われた日本GPでドゥカティ・レノボ・チームのJ.ミラーの独走勝利で終わったMotoGPクラスは,プラマック・レーシングのJ.ザルコが最速タイムをマークし,今季3度目となる初日総合トップに立ちました。来季もザルコのチームメイトとなることが決まっているJ.マルティンが総合3番手タイムでした。その2人の間に入ったのは,日本GP転倒リタイアに終わってしまったドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアでした。フリー走行2では,ムーニーVR46レーシング・チームのL.マリーニが4番手タイムをマークしていて,このセッションはドゥカティ勢がトップ4を独占した形となりました。ちなみに,総合のタイムで見ると,日本GPでポールを獲得したレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが4番手でした。怪我で欠場しているLCRホンダ・イデミツの中上貴晶の代役として参戦している長島哲太は,22番手で初日の走行を終えています。
日本GPでイデミツ・チーム・アジアの小椋藍が勝利したMoto2クラスは,インデ・ガスガス・アスパー・チームのJ.ディクソンが,今季4度目となる総合トップをマークしました。総合2番手タイムは,ベータ・ツールズ・スピード・アップのA.ロペスでした。ランクトップで今大会を迎えているレッドブルKTMアジョのA.フェルナンデスが,総合3番手タイムをマークしています。そのライバルであるランク2位の小椋は,7番手タイムで初日の走行を終えています。代役参戦しているペルタミナ・マンダリカSAGチームの羽田太河は,トップからおよそ1秒3遅れの22番手でした。
Moto3クラスは,日本人ライダー勢が好調な走りを見せ,ステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢が自身初となる初日総合トップ,日本GPでポールを獲得しているレオパード・レーシングの鈴木竜生が総合2番手タイムをマークし,トップ2を日本人ライダーが独占しました。総合3番手タイムは,来季山中琉聖が所属することになるSIC58スクアドラ・コルセのR.ロッシでした。他のフル参戦日本人ライダー勢は,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が11番手,MTヘルメッツMSIの山中が22番手,日本GPで自身初となるポイントを獲得したホンダ・チーム・アジアの古里太陽が26番手で初日を終えています。

◎独占 PART2(F1)
○第17戦シンガポールGPがマリーナ・ベイ・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。今回はナイトセッションとなる大会で,照明に照らされる中での走行となりました。ここで速さを見せたのがフェラーリ勢で,初日総合トップタイムをマークしたのはC.サインツでした。チームメイトのC.ルクレールは,1回目のフリー走行でマシンにブレーキトラブルが発生したため,2回目のフリー走行はマシンチェンジを行う必要が生じてしまいました。乗り換えることになったマシンのチェックのために走行時間がかなり減る結果となりましたが,それでも2番手タイムをマークする速さを見せ,初日はトップ2をフェラーリ勢が独占しています。1回目のフリー走行ではメルセデスAMGのL.ハミルトンがトップタイムでしたが,2回目の走行ではチームメイトのG.ラッセルがこの日の総合3番手となるタイムをマークし,ハミルトンはレッドブルのM.フェルスタッペンに次ぐ5番手で初日を終えています。フェルスタッペンが4番手だったのに対し,チームメイトのS.ペレスは9番手とやや出遅れた結果となりました。アルファタウリ勢はマシンにトラブルが発生したため,P.ガスリーと角田裕毅は,どちらも満足に走ることができませんでした。角田は燃料系に問題が生じて早めにセッションを終了し,ガスリーに至ってはエアインテークのところから出火するというアクシデントも発生してしまっています。そうしたことから,ガスリーは14番手,角田は17番手タイムで初日を終えています。
 

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