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最新ニュース

2022/03/31(木)
◎欠場(MotoGP)
○明日から第3戦アルゼンチンGPがテルマス・デ・リオ・オンドで始まりますが,それを前にした3月29日(火)にレプソル・ホンダ・チームから発表があり,第2戦で転倒を喫して決勝レースをキャンセルしていたM.マルケスが,第3戦を欠場することになりました。3月20日(日)に決勝を前にしたウォームアップ走行において,マルケスは7コーナーでハイサイドに見舞われてしまいました。空中高く舞い上げられたマルケスは,路面に激しく衝突し,その際体だけでなく頭部も激しく路面に打ち付けられました。何とか自分で立ち上がったものの,コース脇に退避するときにはフラフラしながらと言う状態でした。ただちに病院に運ばれて精密検査を受け,幸いなことに軽い脳震盪だけで済みました。本当に激しい転倒だっただけに,不幸中の幸いと言えます。決勝を欠場し,その後母国であるスペインに戻る際,視界に深い快感をもったマルケスはこれまで診察を受けていた医師のもとを訪れました。その結果,昨年11月に負ったトレーニング中の怪我により,かねてから症状があった複視が再発していましたが,今回の転倒により再び発症したことがみとめられました。今回の症状は11月の時ほどではなかったようで,既に回復傾向にあるようです。ただ,完全な回復ではなく,これまで行ってきた保存療法を継続する必要があったりしますので,大事を取って今回の判断となっています。
2022/03/30(水)
◎欠場(JRR)
○4月2日(土)〜3日(日)にモビリティリゾートもてぎ(旧称ツインリンクもてぎ)で開幕戦が行われる予定になっていますが,既に2人のホンダ系有力ライダーの欠場が発表されています。その1人目は,今季SDG Honda RacingからJSB1000クラスにフル参戦することになっている名越哲平です。3月7日(月)に『鈴鹿サーキット60周年ファン感謝デー』に参加したチーム向けの合同走行が行われました。その際,名越は日立Astemoシケイン(旧称CASIOトライアングル)で激しく転倒し,右足首を骨折してしまいました。既に手術は終了していますが,全治1ヶ月の診断が下されていて,開幕戦には間に合わず,残念ながら欠場することになりました。復帰は,鈴鹿サーキットで行われる第2戦(鈴鹿2&4)からとなります。2人目は,昨シーズンまでAstemo Honda Dream SI Racingに所属してJSB1000クラスにフル参戦していた清成龍一です。今シーズンの清成は,参戦するクラスに変更はないものの,TOHO Racingに移籍してフル参戦することになっています。その清成は,名越と同様に鈴鹿サーキットで行われた合同壮行会に参加し,何とこれまた名越と同じく日立Astemoシケインで転倒を喫してしまいました。具体的な怪我の内容は分からないのですが,現在はリハビリ中ということで,開幕戦は欠場するということです。復帰時期についても具体的なことは明らかにされていませんので,名越のように第2戦から参加できるかどうかは分かりません。有力ライダーの2人だけに,一日も早く回復し,「ストップ・ザ・中須賀」の一員に加わって欲しいですね。
2022/03/29(火)
◎開幕前最後(SGT)
○今季のSGTは4月16日(土)から岡山国際サーキットで始まる予定になっていて,それに向けて今季2回目,そして開幕前最後となる公式テストが3月26日(土)〜27日(日)の2日間にわたって富士スピードウェイで行われました。初日の走行は,曇りから雨に変わるという生憎の天気となりました。そのため,午後の走行は1時間短縮され,天候の回復が見込まれる2日目の午後にその分だけ時間を延長して行われました。
GT500クラスで初日の総合トップをマークしたのは,坪井翔&G.アレジ組のau TOM’S GR Supraで,唯一1分27秒台をマークしてのトップタイムでした。どのマシンも,曇り空のもと,ドライコンディションで走行した午前の走行で最速タイムを刻んでいます。総合2,3番手タイムは,それぞれ松田次生&R.クインタレッリ組のMOTUL AUTECH Z,国本雄資&阪口晴南組のWedsSport ADVAN GR Supraで,トップ6はトヨタのSupraとニッサンのZが占めていて,ホンダ勢では総合7番手だった塚越広大&松下信治組のAstemo NSX-GTが最高位でした。GT300クラスは,小林崇志&太田格之進組のUPGARAGE NSX GT3が総合トップでした。
2日目の走行は,前日の雨が残ったウェットコンディションから,徐々に乾いてドライへと変わるコンディションでの走行となりました。
GT500クラスでは,どのマシンもドライへと変わった午後の走行でタイムを更新していき,その中で総合トップタイムをマークしたのは,関口雄飛&中山雄一組のDENSO KOBELCO SARD GR Supraでした。初日は余り奮わなかったホンダ勢ですが,このセッションでは,野尻智紀&福住仁嶺組のARTA NSX-GTと塚越広大&松下信治組のAstemo NSX-GTが,それぞれ総合2,3番手でした。2日間総合で見ると,初日唯一1分27秒台だったau TOM’S GR Supraがトップタイムでした。セッション4においてGT300クラスの最速タイムを刻んだのは,木村武史&K.コッツォリーノ組のPACIFIC Hololive NAC Ferrariで,このタイムは2日間を通しても最速でした。
2022/03/28(月)
◎初優勝(F1)
○2週連続開催となるF1ですが,その2つ目のレースとなる第2戦サウジアラビアGPの決勝レースが,ナイトレースとしてジェッダ・ストリート・サーキットで行われました。ポールからスタートしたレッドブルのS.ペレスで,ホールショットを奪うとトップの座を守っていきました。チームメイトのM.フェルスタッペンは,スタートで3番グリッドのC.サインツをパスして3位に浮上しています。トップのペレスは順調にトップを守って行き,トップ4はしばらくの間それぞれ順位を守っていきました。順位に変動があったのは,ピットインのタイミングでした。トップのペレスはルクレールを牽制するため早めのピットインを選択しました。ところが,ペレスがタイヤ交換してすぐに最終コーナーでクラッシュが発生してセーフティカー先導となりました。これを見た多くのマシンがピットインしてタイヤ交換を行い,一時単独走行でトップをいく速さを見せていたペレスは4位まで順位を下げてしまいました。トップに立ったのは,開幕戦の勝者であるフェラーリのC.ルクレールで,それをレッドブルのM.フェルスタッペンが追うという展開となりました。レースが進むに連れてこの2台によるトップ争いに絞り込まれ,終盤に入ると互いにDRSを活用してトップに立つ争いを展開していきました。残り2周の段階でフェルスタッペンがトップに立っていると,セクター1で接触事故が起きてイエローゾーンとなってしまいました。これにより,この区間が追い越しできなくなり,2位のルクレールはトップ浮上ができない状態になってしまいました。結局フェルスタッペンがトップのままチェッカーとなり,今季初優勝を飾りました。トップ4に順位は変わらないままで,結局週末を通してレッドブルとフェラーリによるトップ4独占となりました。アルファタウリ勢は,9番グリッドからスタートしたP.ガスリーは,1つ順位を上げて8位でチェッカーを受けました。燃料系のトラブルにより予選で走行できなかった角田裕毅は,あろうことか決勝前で今度はパワーユニット系にトラブルが発生してしまって走行できないまま決勝レースはリタイアに終わっています。
2022/03/27(日)
◎初ポール&予選も(F1)
○第2戦サウジアラビアGPの予選が,照明に照らされる中ジェッダ・ストリート・サーキットで行われました。初日にサーキット近くの石油貯蔵所がテロにより爆発するという事件が発生し,F1開催に暗雲が立ちこめましたが,深夜に行われた話し合いで開催続行が決定されています。
そのような状況で行われた予選ですが,前日に続いて予選でもフェラーリ勢が好調で,Q3最終盤までC.ルクレール,C.サインツの順でトップ2を形成していました。そのまま前戦と同じくフェラーリ勢がフロントローを占めるかと思われましたが,最後の最後でレッドブルのS.ペレスがルクレールのタイムを1000分の25秒上回るタイムをマークし,自身キャリア初となるポールを獲得しました。ペレスは今回で通算216戦目となりますが,そこでのポール獲得はF1史上最長となりますし,メキシコ人ドライバーとしても初のポールポジションとなります。ディフェンディングチャンピオンでペレスのチームメイトであるM.フェルスタッペンは,思うようにはタイムを上げることができずに4番グリッド獲得にとどまっています。とはいえ,前戦の予選,そして初日に引き続いて,順位こそ違え,レッドブルとフェラーリがトップ4独占となっています。アルファタウリ勢ですが,P.ガスリーはQ3まで進出して9番グリッドを獲得しています。それに対して角田裕毅は,Q1で燃料系のトラブルが発生してピットインし,マシン修復がならずノータイムのまま予選終了となってしまい,今日行われる決勝は,前戦と同じく最後尾からのスタートとなってしまいました。なお,タイトル奪還に燃えるメルセデスAMGのL.ハミルトンは,なかなかタイムを伸ばすことができず,しかも最後の最後で逆転を喫してしまって何とQ1での敗退となりました。ハミルトンのQ1敗退は,2017年のブラジルGP以来となります。ただし,この時はクラッシュによる敗退でした。また,Q2ではハースのM.シューマッハがターン11の縁石に乗ってしまって挙動を乱れ,ターン12のイン側にあるコンクリートウォールに激しく衝突するアクシデントが発生してしまいました。この時の衝撃はコンクリートウォールが動くほどのもので,シューマッハはただちにドクターヘリで病院まで運ばれましたが,幸いなことに大きな怪我には至っていないようです。この事故で赤旗が提示され,コース修復等に時間を要しておよそ1時間弱の中断となりました。
2022/03/26(土)
◎2戦連続(F1)
○開幕からいきなり2週連続開催となる今季のF1ですが,その2つ目の大会となる第2戦サウジアラビアGPがジェッダ・ストリート・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。政治的に不安定な中東での開催ですが,FP2が始まる前にサーキット近くにあるアラムコ石油の石油貯蔵所で爆発があり,その影響から走行開始が15分遅れるというアクシデントに見舞われました。この爆発は,単なる事故ではなく,どうやらイエメンに拠点を置く新イラン武装組織であるフーシ派による犯行だったようです。そうした状況の中で始まったFP2ですが,ここで総合トップタイムをマークしたのは,開幕戦ウィナーであるフェラーリのC.ルクレールでした。FP1でもルクレールは最速タイムを刻んでいますので,やはり今季のフェラーリの速さは本物のようです。ただ,本来はFP2でロングラップを行う予定になっていたようですが,最速を刻んですぐに左フロントタイヤを壁にヒットさせ,ピットイン後に走行をとりやめたため,ロングランをできないまま終了となりました。チームメイトのC.サインツが,開幕戦と同じく初日総合3番手タイムをマークしたものの,彼もルクレールと同じく壁にタイヤをヒットさせて走行をとりやめています。開幕戦で初日総合トップタイムをマークしたのはレッドブルのM.フェルスタッペンでしたが,第2戦では初日総合2番手タイムでした。開幕戦で初日総合4番手タイムはチームメイトのS.ペレスでしたが,今回も総合4番手タイムをマークしていて,順位には少し違いがありますが,2戦連続して初日はフェラーリとレッドブルがトップ4を独占しています。アルファタウリ勢は角田裕毅がP.ガスリーを上回っていて,角田が10番手,ガスリーが12番手で初日の走行を終えています。ただ,角田はセッション終了間際にマシントラブルが発生してしまい,コース脇にマシンを止めるという事態が発生しています。このトラブルはどうやらパワーユニット関係のようで,年間使用基数に制限があるだけに,やや気になるトラブルとなってしまいました。
2022/03/25(金)
◎禁止(MotoGP)
○MotoGPクラスにおける近年のトレンドといえば,ウィングレットとライドハイトデバイスでしょう。ウィングレットについては,ドゥカティが先鞭をつけて以降いずれのメーカーのマシンに当たり前のように装着されています。それだけでなく,市販車においても,レースのベースになり得るバイクについては,これまた当たり前のように付いています。ライドハイトデバイスについては,これまたドゥカティが2019年に先鞭をつけ,今シーズンはどのメーカーも装着しているようです。このデバイスは,レーススタート時にリアサスペンションを縮めておくことで,ホイールスピンがしにくくなってその分タイヤにパワーを伝えることができ,好スタートを切るのに有効なものになっています。現段階では,スタート時だけでなく,コーナリングの時にも作用するまで機能が高められていて,コーナリングからの立ち上がり時に有効にタイヤにパワーが伝わるようになっています。そうした改良はさらになされていて,今季のドゥカティは後輪だけでなく前輪にも採用しているようです。こうした改良は,コスト高騰に繋がることになりますし,行き過ぎると安全性に疑問が生じる可能性もあります。この点について国際モーターサイクリズム(FIM)から22日(火)に発表があり,18日(金)に開催されたグランプリコミッションの会合において,来シーズンから前輪のライドハイトデバイスの使用を禁止することになりました。ただ,後輪で作用するデバイスについては,レーススタート時だけは来季以降も使えることになっています。
2022/03/24(木)
◎僅差(SF)
○今シーズン2回目,そして開幕前最後となる公式合同テスト2日目の走行が,開幕戦の会場である富士スピードウェイで行われました。初日は雨から雪に変わるという生憎の天候となり,終日走行をとりやめるチームがあったりすると共に,午後のセッションがキャンセルとなる状況で終了しました。2日目,そして最終日となる昨日は,午後から雲の量が増えたりしましたが,終日ドライコンディションでの走行となりました。午前にセッション3が,午後にセッション4が行われ,時間が経つにつれてどのマシンもタイムアップを果たしていき,セッション4で最速タイムが刻まれていきました。そこで総合トップタイムをマークしたのは,2020年シーズンからずっとKONDO RACINGに所属してフル参戦しているフランス人ドライバーのS.フェネストラズで,彼のみが1分21秒を切るタイムをマークしています。搭載エンジンで見ると,総合トップのフェネストラズを含め,上位4台をトヨタエンジンユーザーが占めていて,総合2番手がP.MU/CERUMO・INGINGの坪井翔,総合3番手がKuo VANTELIN TEAM TOM’Sの宮田莉朋,総合4番手がcarenex TEAM IMPULの関口雄飛でした。ホンダエンジン勢では,昨年のチャンピオンであるTEAM MUGENの野尻智紀の5番手が最高位でした。フェネストラズがトップとは言え,全体的に僅差での走行で,21台中17台がトップから1秒以内のタイムでした。次の走行は,4月9日(土)から同地で始まる開幕戦となります。
2022/03/23(水)
◎降雪のため(SF)
○今季2度目,そして開幕前最後の公式合同テストが,開幕戦の地である富士スピードウェイで始まりました。今回のテストも,2日間にわたって行われる予定です。開幕前最後,そして開幕戦の地だけに,今回のテストは重要となります。しかし,初日は悪天候に見舞われてしまい,思うようなテストができませんでした。開始前から既に雨が降ってヘビーウェットとなっていて,全車が次々にコースインする状況とはなりませんでした。しかも,足元をすくわれてスピンを喫したマシンが出て,赤旗が提示されて走行が中断したりもしました。そうした十分ではない状況の中,TCS NAKAJIMA RACINGの大湯都史樹が最多周回数(19周)をマークすると共に,この日の最速タイムを刻みました。WECの開幕戦から帰ってきて今回のテストに参加しているcarenex TEAM IMPULの平川亮が,わずか8周の走行ながら2番手タイムをマークしました。昨年のチャンピオンであるTEAM MUGENの野尻智紀が大湯に次ぐ周回数(13周)を走行して3番手タイムでした。午後にセッション2が予定されていましたが,雨から雪に変わるというさらに悪い天候となってしまい,午後のセッションはキャンセルとなってしまいました。結局,この日走行したのは,周回数にかなり差があるものの,21台中15台でした。なお,初日はほぼまともに走行できず,しかも2日目は天候の回復が見込まれることから,今日のセッションは予定を変更して走行時間が延長されることになっています。ただ,降雪がどこまで溶けて走行への影響がなくなるのか,その点が気になるところです。
2022/03/22(火)
◎原因と対策は?(F1)
○開幕戦バーレーンGPは,レッドブルにとって悪夢とも言える結果となってしまいました。好調なフェラーリを相手にして,M.フェルスタッペンが2位,S.ペレスが4位を走行してレースは最終盤を迎えていました。ここまでのフェラーリの速さは本物で,何事もなければほぼこのままの順位でチェッカーになりそうな感じでした。ところが,ステアリング不調を訴えていたフェルスタッペンはマシンがストップしてリタイア。それにより3位に浮上したペレスは,ファイナルラップでマシンがスピンしてしまって,2人揃ってのリタイアとなってしまいました。ペレスのスピンは何らかのミスがあったのかと思われるようなものでしたが,どうやらエンジンがストップしてしまったためのスピンだったようです。また,フェルスタッペンのリタイアは,ステアリング系のものではなく,燃料系のトラブルによるストップだったようです。レース後に原因を当然調べるわけですが,どうやら燃料ポンプ系のトラブルによるもののようで,エンジンへの燃料供給がなされなくなり,それでエンジンがストップしてしまったようなのです。今シーズンから新たなレギュレーションに則ったマシンが投入されていて,その中の1つが燃料の変更です。そのレギュレーションは,10%の再生可能エタノールを含有したE10燃料の採用です。これまでと違う物質が含まれた燃料を使うわけですから,当然これまでのシステムを場合によっては大きく変更しなければなりません。そして,どのような変化が現われるのかを十分掴んでいないと,燃料供給システムの構築もうまくいかなくなってしまいます。特にレッドブルの場合は,他チームにはない新たな変更があります。それはパワーユニットに関してで,昨シーズンまではホンダとレッドブルとが強力なタッグを組んで開発を行っていました。ところが,昨シーズン限りでホンダがF1から撤退し,この関係性に変化が出ています。ただ,レッドブルが使用するパワーユニットは,ブランド的にはレッドブル・パワートレインズですが,実際に製造を担当するのはホンダ(HRC)となっています。これまでの関係性がありますから,ある程度までは協力してやっていけるはずです。しかし,やはり緊密性という点ではやはりこれまで通りとはいかないはずですから,今回のような大幅なレギュレーション変更にどこまで対応できるかが鍵のような感じがします。開幕からいきなり2週連続開催となるF1ですが,この短期間でどこまで対策がとれるか,タイトル防衛ということがありますので,とても気になるところです。
2022/03/21(月)
◎タイ史上初(MotoGP)
○第2戦インドネシアGPの決勝レースが,MotoGPクラスの決勝前に雨に見舞われるという天候のプルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットで行われました。
MotoGPクラスは,冒頭にも記したように,決勝レースを前に激しい雨に見舞われてしまいました。そのためスタートがディレイとなると共に,周回数も減らされました。そのような中で始まった決勝レースは,7番グリッドからスタートしたレッドブルKTMファクトリー・レーシングのM.オリベイラが5周目にトップに立ちました。ウェット路面を得意とするオリベイラは,後続との差を広げて独走態勢に持ち込み,最終的に2位に2秒以上の差をつけてトップチェッカーを受けました。オリベイラの優勝は,昨年6月に行われた第7戦カタルニアGP以来となります。ポールからスタートしたモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロは,スタートで出遅れて一旦は順位を下げました。しかし,徐々に速いペースを取り戻して順位を回復していき,トップからは離されてしまいましたが,2位に入って今季初表彰台を獲得しています。3番グリッドからスタートしたプラマック・レーシングのJ.ザルコは,単独走行で3位に入り,こちらも昨年のカタルニアGP以来の表彰台獲得となりました。前日に行われた予選で最下位に終わり,最後尾からのスタートとなったLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,他のホンダ勢と同じく思うようにペースを上げることができず,19位でのチェッカーとなってノーポイントでした。なお,レプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,予選で2回も転倒を喫するというアクシデントに見舞われてしまいましたが,ウォームアップ走行ではハイサイドに見舞われてしまい,空中高く放り出されて激しく路面にたたきつけられてしまいました。余りの激しいクラッシュだっただけに一瞬誰もが息をのみましたが,自分の力で立ち上がり,ふらふらしながらも安全な場所へと避難しました。メディカルで診察を受けた後,ヘリコプターに乗り込んで病院まで運ばれました。病院で精密検査を受け,脳震盪には見舞われてしまっていたものの,激しかった割には大きな怪我には繋がっていませんでした。ただ,頭部を強打していたため,12時間から24時間の経過観察が必要でしたので,決勝レースは欠場となりました。
Moto2クラスは,4番グリッドからスタートしたイデミツ・ホンダ・チーム・アジアのS.チャントラが,好スタートを切ってホールショットを決めてトップに立ちました。会場であるインドネシアの隣国であるタイ出身のチャントラは,後続との差を広げて行ってトップの座を守り,最終的に2位に入ったムーニーVR46レーシング・チームのC.ヴィエッティに3秒以上の差をつける独走でトップチェッカーを受け,彼自身はもちろん,タイ人ライダーとしても史上初となる優勝を飾りました。3位にフレックスボックスHP40のA.カネトが入り,ヴィエッティと共に2戦連続表彰台獲得となっています。予選では奮わず21番グリッドからのスタートとなったイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,徐々にポジションをアップしていって,最終的に開幕戦と同じ6位でチェッカーを受けています。
Moto3クラスは,6番グリッドからスタートしたレオパード・レーシングのD.フォッジアが,4周目にトップに立つと後続との差を広げて行き,このクラスとしては珍しく独走態勢に持ち込み,昨年10月に行われた第16戦エミリア・ロマーニャGP以来となる7勝目を挙げました。トップから2秒6以上の大差をつけられましたが,こちらもポジションアップを果たしてガビオタ・ガスガス・アスパー・チームのI.グエバラが昨年の第15戦アメリカズGP以来の表彰台を獲得しています。ポールからスタートしたCFMOTOレーシング・プルステルGPのC.タタイは,レース途中でロングラップペナルティーを科されるという事態に見舞われましたが,ポール獲得の速さを見せてポジションアップを果たしていき,最終的に3位表彰台を獲得しています。予選で奮わなかった日本人ライダー勢でしたが,決勝レースはポジションアップを果たしていき,レオパード・レーシングの鈴木竜生が10位,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が11位,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が12位でチェッカーを受けています。日本人ライダーで最上位だったステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢は,最終ラップに他車を巻き込む転倒を喫してしまい,リタイアに終わりました。週末を通して上位争いを展開する佐々木ですが,決勝レースでは2戦連続リタイアに終わるという結果となっていて,次戦こそは悪い流れが断ち切れるといいですね。

◎明暗(F1)
○開幕戦となるバーレーンGPの決勝レースが,ナイトレースとしてプルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットで行われました。予選ではフェラーリの2台とレッドブルの2台とでトップ4を占めるという結果となっていましたが,決勝レースでもしばらくの間はその状態が続いていきました。トップ争いを展開していたフェラーリのC.ルクレールとレッドブルのM.フェルスタッペンは,1回目のピットストップを行って以後,トップをいくルクレールに2位のフェルスタッペンが仕掛けて抜きつ抜かれつとなる手に汗握るシーンが展開されていきました。ところが,フェルスタッペンのマシンにステアリングの不調が発生し,残り3周となったところでその症状が一段とひどくなってスローダウンして順位を下げていき,最終的にリタイアとなりました。フェルスタッペンのリタイアによりフェラーリのワンツー状態となり,それをレッドブルのS.ペレスが追う展開となりました。ところがそのペレスにも,ファイナルラップに入ったところで同様のトラブルが発生してスピンを喫してこちらもリタイアに終わってしまいました。これでフェラーリのワンツー体勢が盤石となり,そのままの順でチェッカーとなりました。さらに,フェラーリとレッドブル勢の後ろを走行していたタイトル奪還に燃えるメルセデスAMGのL.ハミルトンが労せずして3位に入り,開幕戦を表彰台で飾りました。4位に今季からハミルトンのチームメイトとなったG.ラッセルが入り,まさに明暗を分ける結果となっています。レッドブルだけに不運が襲ったわけではなく,アルファタウリにも同様に不運が襲いました。入賞圏内を走行していたP.ガスリーでしたが,46周目にマシンから出火してコース脇にマシンを止めてリタイアとなりました。FP3でマシントラブルが発生して全く走行できず,その影響で予選もタイムアップできずに16番グリッドからのスタートとなった角田裕毅は,確実にトップ10圏内にまで順位を上げていき,他のレッドブル・パワートレインズ(実質的にはホンダ製造パワーユニット)勢のリタイア等もあって,最終的に8位でチェッカーを受けています。4台の内唯一決勝前までに大きなトラブルが発生していた角田のみが,決勝レースを完走を果たしていて,この意味でも明暗を分ける結果となっています。なお,中国人初のF1ドライバーとして今回がデビューレースとなるアルファロメオの周冠宇ですが,何と10位でチェッカーを受けていきなりポイントを獲得しています。もちろん,これは中国人としても初のF1におけるポイント獲得となります。
2022/03/20(日)
◎初ポール(MotoGP)
○第2戦インドネシアGPの予選が,初開催となるプルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットで行われました。
MotoGPクラスは,初日総合トップタイムをマークしていたモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロが,予選でも早い段階でトップタイムをマークし,セッション終盤でさらにタイムアップを果たし,まだ2戦目ではありますが,今季初のポールを獲得しました。開幕戦では不振を極めた印象の昨シーズンチャンピオンでしたが,2戦目で早くも勢いを取り戻した感のある2日間となっています。2,3番グリッドはそれぞれJ.マルティン,J.ザルコとなり,プラマック・レーシング勢が昨日よりさらにポジションアップを果たしています。開幕戦はヤマハが不振でしたが,今回はここまでホンダが不振で,予選で見ると,RC213Vを駆る4人は全てQ1で敗退となっています。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,ラストアタックをしている時,中上の前を走るレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが転倒したことによりイエローフラッグが提示されてしまい,タイムアップを果たすことができずに最下位に沈んで予選を終えてしまいました。
Moto2クラスは,前日に総合トップタイムをマークしていたインデ・ガスガス・アスパー・チームのJ.ディクソンが,予選でもその速さを見せてトップタイムをマークし,自身初となるポールを獲得しました。2,3番グリッドをそれぞれレッドブルKTMアジョのA.フェルナンデスとエルフ・マークVDSレーシング・チームのS.ロウズがマークし,フェルナンデスは今季初の,ロウズは2戦連続のフロントロー獲得となりました。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,Q1で敗退となってしまい,今日行われる決勝レースは,21番グリッドと後方からのスタートとなります。
Moto3クラスは,前日に総合2番手タイムをマークしていたCFMOTOレーシング・プルステルGPのC.タタイが,予選でさらに速さを見せてトップタイムをマークし,彼も自身初となるポールを獲得しました。そのタタイからわずか1000分の83秒差で,MTヘルメッツMSIのD.モレイラが2番手タイムをマークし,自身初のフロントローを獲得しました。3番手タイムをマークしたホンダ・チーム・アジアのM.アジも,初のフロントロー獲得となりました。開幕戦で好調な走りを見せたステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢は10番手タイムをマークし,この日行われた予選において3クラスを通して日本人ライダーで唯一トップ10に食い込んでいます。他のフル参戦日本人ライダー勢は,中上や小椋と同じように精彩を欠き,レオパード・レーシングの鈴木竜生が20番手,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が25番手,Q1の早い段階で転倒を喫してしまったCIPグリーン・パワーの鳥羽海渡は最下位の28番手で予選を終えています。

◎予選でも(F1)
○開幕戦バーレーンGPの予選が,日が暮れて照明に照らされたバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われました。初日のフリー走行だけでなく,プレシーズンテストから好調な走りを見せてきたフェラーリ勢ですが,この日行われた予選でも速さを見せ,C.ルクレールがトップタイムをマークして昨年の第6戦アゼルバイジャンGP以来となるポールを獲得しました。C.サインツが3番手タイムをマークし,トップ3の内2つをフェラーリ勢が占めています。昨年ドライバーズタイトルを獲得したレッドブルですが,フェラーリの後塵は拝したものの,チャンピオンであるM.フェルスタッペンが2番グリッド,S.ペレスが4番グリッドを獲得し,トップ4をフェラーリとレッドブルが占めるという結果となりました。アルファタウリ勢ですが,P.ガスリーはQ3まで進出を果たし,上位争いには加わることができず,10番グリッド獲得にとどまりました。2年目となる角田裕毅は,予選前のセッションであるFP3においてガレージを出るときにオイル系のトラブルが発生したようで,そこでストップしてしまいました。結局セッション中に修復が間に合わず1周もできないままセッションが終わるというアクシデントに見舞われてしまいました。予選には何とか間に合ったものの,Q2進出に1000分の24秒足りずQ1敗退となり,今日行われる決勝レースは16番グリッドからのスタートとなります。
2022/03/19(土)
◎ワンツー発進(MotoGP)
○今季第2戦となるインドネシアGPが,新規サーキットであるプルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットで始まり,初日は2回のフリー走行が行われました。
MotoGPクラスは,午前中に行われたフリー走行1はウェットコンディションが残る中で始まったものの,午後に行ったフリー走行2ははじめからドライタイヤでの走行となりました。そうしたこともあり,初日の最速タイムは午後の走行でマークされています。そのフリー走行2で総合トップタイムをマークしたのは,昨年のチャンピオンであるモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロでした。総合2番手タイムをF.モルビデリがマークし,ヤマハワークスであるモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのワンツー発進となりました。開幕戦のヤマハ勢は,予選・決勝共に奮わず,マシン開発が十分進んでいないのではないかと思われましたが,そうした懸念を消すかのような好結果となりました。総合3,4番手タイムをそれぞれJ.ザルコ,J.マルティンがマークし,プラマック・レーシング勢が占めています。開幕戦では,何とか10位に食い込んだLCRホンダ・イデミツの中上貴晶でしたが,この日はホンダ勢ではトップとなる12番手で終了しています。
Moto2クラスは,インデ・ガスガス・アスパー・チームのJ.ディクソンが総合トップタイムをマークし,自身初となる初日トップとなりました。そのディクソンからコンマ431秒とやや離されましたが,ムーニーVR46レーシング・チームのC.ヴィエッティが総合2番手タイムでした。フリー走行1ではトップタイムだったエルフ・マークVDSレーシング・チームのS.ロウズでしたが,フリー走行2では総合3番手タイムとなりました。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,午前・午後共に上位に顔を出すことができず,それぞれ17番手,20番手でこの日の走行を終えています。
Moto3クラスは,リヴァコールド・スナイパーズ・チームのA.ミーニョが,ドライコンディションとなったフリー走行2で午前の19番手から一挙にタイムアップを果たして総合トップタイムとなりました。総合2,3番手は,それぞれCFモト・レーシング・プルステルGPのC.タタイ,レオパード・レーシングのD.フォッジアでした。開幕戦で優勝争いに加わっていたものの,マシントラブルでリタイアに終わってしまったステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢が,その速さには変わりなく,総合4番手で初日を終えています。他のフル参戦日本人ライダー勢は,レオパード・レーシングの鈴木竜生が19番手,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が22番手,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が25番手とあまり奮いませんでした。

◎好発進(F1)
○ついに4輪の最高峰であるF1が開幕の日を迎えました。今シーズンも,開幕戦はバーレーン・インターナショナル・サーキットで開催されるバーレーンGPです。初日は2回のフリー走行が行われ,FP2は日が落ちて照明が照らされる中での走行となりました。今シーズンはレギュレーションの変更により,これまでとは違うマシンでの走行となります。その初日で最速タイムを刻んだのは,昨年ホンダの最終年(とはいえ,実質的に今季もレッドブルとアルファタウリが使用するパワーユニットはホンダが製造していますが・・・。)で見事30年ぶりホンダにドライバーズタイトルをもたらしたレッドブルのM.フェルスタッペンでした。しかも,唯一1分32秒を切るタイムとなっていて,フリー走行ではありますが,連覇に向けて好発進の初日となっています。総合2,3番手をそれぞれC.ルクレール,C.サインツのフェラーリ勢が占め,プレシーズンテストからの好調さを維持しています。フェルスタッペンのチームメイトであるS.ペレスは,違う作戦を採っているのか,およそ1秒遅れの7番手で初日を終えています。アルファタウリ勢は,FP1でP.ガスリーがFP1で最速タイムを刻みましたが,最終的に13番手,角田裕毅は14番手でした。昨シーズン,フェルスタッペンと最終戦の最終ラップまでタイトルを争ったメルセデスAMGのL.ハミルトンは,マシンに不調があったこともあり,9番手タイムで初日の走行を終えています。
2022/03/18(金)
◎Chromeカラーで(F1)
○マクラーレン・レーシングから発表があり,私たちにとても馴染みの深いIT企業の1つであるGoogleとの間で,複数年のパートナーシップ契約が成立しました。レースの世界では,マシンとスタッフとの間やスタッフ同士の間でデータのやり取りが必要になりますが,それがF1となればさらにそのデータ量は膨大なものであることは十分想像されます。そのようなとき,IT企業との提携はとても有益となります。今回の契約成立により,超高速回線である5Gに対応したアンドロイド端末を使用したり,Chromeを活用したりしてスムーズで大量のデータのやり取りができるようになります。また,マシンのカラーリングにAndroidのロゴが飾られたり,ホイールには,Google Chromeで私たちに馴染みのある赤,青,黄色,緑の色がつけられます。もちろん,同チームのレギュラードライバーであるL.ノリスとD.リカルドのヘルメットやレーシングスーツにもAndroidやChromeのロゴが飾られることにもなります。
2022/03/17(木)
◎代替地は?(F1)
○ロシアによるウクライナ侵攻はいまだに解決の糸口が見つからず,日に日に命を失ったり,怪我をしたりする市民や兵士が増えています。一日も早いロシアの撤退を願うばかりです。さて,そのロシアによる暴挙により,9月に第17戦としてカレンダーに組まれていたロシアGPが,開催中止ということに先日なりました。そして,その中止に伴って,そのまま大会が1つ減って全22戦となるのか,代替地を見つけて全23戦のままいくのかという選択肢があるわけですが,F1は早い段階で代替地を見つけていくという方針を明言していました。その代替地に関して,現在いくつかの候補地が噂に上ってきています。その中で有力視されていたのは,昨年は開催されたものの,今シーズンはカレンダーから外れているアルガルベ・インターナショナル・サーキットでのポルトガルGPです。ところが,ここに来て新たな有力候補地の名前が挙がってきました。それは,ホッケンハイムでのドイツGPです。かつては当然のように開催されてきたドイツGPですが,近年は開催費用の負担が大きく,政府等からの支援も得られないことからカレンダーから外れることがとても多くなっています。もちろん今シーズンも開催が予定されていませんでした。とはいえ,ヨーロッパにおける自動車産業の重要な中心地の1つですし,モータースポーツが盛んな国でもあります。さらに,チームタイトルをとり続けているメルセデスAMGのお膝元でもあります。ですから,カレンダーに入っていて当然ですし,開催希望も多いことでしょう。そのような中,今回噂にのぼってきたわけです。ニュルブルクリンクやホッケンハイムがこれまで開催されてきていて,もしドイツで開催されるとなるとどちらかが会場となります。しかし,ニュルブルクリンクが会場となる可能性はほとんどありません。というのも,同サーキットの株の99%を有しているのが,ロシアの製薬会社と関係性が深いNRホールディングだからです。現在の状況を考えると,絶対といっていいほどニュルブルクリンクはあり得ません。そうなると,あと考えられるのはホッケンハイムということになります。その他,カタールのロサイル・インターナショナル・サーキットも噂に上っているサーキットの1つです。果たしてどこに落ち着くことになるのか,新たな発表を待つしかありませんね。
2022/03/16(水)
◎親子3代(JRR)
○JRRにフル参戦しているウェビック・チームノリック・ヤマハが,今シーズンの参戦体制発表会を開きました。同チームは,かつてJRRやWGPで活躍し,あのV.ロッシが尊敬してずっと使い続けた『ろっしふみ がんばって』のもととなった『ノリック』こと故阿部典史さんが創設したチームです。そのノリックが不慮の事故のため他界して以後は,父親であり,オートレースのレーサーでもあった阿部光雄さんがチームを引き継いで監督に就任し,JRRでの活動を継続してきました。チーム創設以後は,現在SBKにヤマハのワークスライダーとしてフル参戦している野左根航汰をはじめ,今季JSB1000クラスにヤマハワークスからフル参戦することになった岡本裕生や今季Yamaha VR46 Master Camp Teamに所属してMotoGPのMoto2クラスにフル参戦しているK.クボ(開幕戦では23位完走)などを輩出しています。
今回の発表によると,同チームのエースライダーとして阿部真生騎が昇格し,主にST600クラスにフル参戦します。また,オートポリスと鈴鹿においてSFと併催で行われる2&4においては,スポットでJSB1000クラスに参戦します。今季エースライダーとなった阿部真生騎は,ノリックの息子ですので,当然阿部光雄監督からすると孫に当たります。まさに親子3代が関わることになるわけで,今シーズンの活躍が楽しみですね。
2022/03/15(火)
◎最速タイムは(WEC)
○今シーズンの世界耐久選手権(WEC)は,3月16日(水)から始まる『セブリング1000マイルレース』が開幕戦となります。それを前にして,その会場であるアメリカ・フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイにおいて,3月12日(土)と13日(日)の2日間にわたって公式テスト“プロローグ”が行われました。今シーズンのWECは,トヨタGAZOO Racingがフル参戦する最高峰のHYPERCARクラスをはじめ,LMP2などのクラス分けがあります。当然テストにおけるトップタイムは,最高峰クラスを中心にしてマークされるのが普通です。ところが,今回のテストでは,上から2番目のクラスであるLMP2クラスのマシンが総合で上位を占めました。そのトップタイムをマークしたのは,LMP2クラスにWRTチームからフル参戦するR.アンドラーデ&F.ハプスブルク&N.ナト組のオレカ07・ギブソンで,2日目の午前中に行われたセッション3でマークしたものでした。総合2番手タイムは同じくLMP2クラスにWRTチームからフル参戦する,S.ゲラエル&R.フラインス&R.ラスト組のオレカ07・ギブソンでした。総合3番手タイムでようやく最高峰のHYPERCARクラスのマシンが入り,A.ネグラオ&N.ラピエール&M.バキシビエール組のアルピーヌA480・ギブソンでした。トヨタGAZOO Racingの結果は,S.ブエミ&B.ハートレー&平川亮組のトヨタGR010ハイブリッド8号車が9番手,M.コンウェイ&小林可夢偉&J-M.ロペス組の7号車が15番手でした。
2022/03/14(月)
◎2日間とも(SGT)
○今年最初の公式テストが,開幕戦の会場である岡山国際サーキットで3月12日(土)から2日間にわたって行われました。
昨日が最終日となったわけですが,GT500クラスでこの日最速タイムを刻んだのは,今シーズンから新たにペアを組むことになった坪井翔&G.アレジ組のau TOM’S GR Supraでした。初日も同様だったので,このペアが2日連続トップで,今回のテストにおける最速ペアということになります。ただ,最終日の午後に行われたセッション4は,決勝を見据えてスタート練習をはじめ,ほとんどのチームがロングラン走行を行いましたので,一発出しではなく,レースという側面で考えると,このセッションで最速だった塚越広大&松下信治組のAstemo NSX-GTが強いという見方もできます。ちなみに,このペアも今シーズンから組むことになったペアです。
GT300クラスは,通常走行を重ねる毎にタイムがアップしていきますが,2日間の最速タイムは,初日の午前に行われたセッション1で最速だった小暮卓史&元嶋佑弥組のJLOC#88でした。セッション4で最速だったのは,藤波清斗&J-P.デ・オリベイラ組のリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rで,JLOC#88は2番手タイムをマークしていて,ロングでも一発出しでも速さを見せています。なお,昨年のチャンピオンである井口卓人&山内英輝組のSUBARU BRZ R&D SPORTは,セッション3でクラッシュしてしまい,セッション4は走行ができませんでした。
2022/03/13(日)
◎新パッケージで(F1)
○開幕戦の地であるバーレーン・インターナショナル・サーキットにおいて,今季2回目となるプレシーズンテスト3日目(最終日)の走行が行われました。この日の総合トップタイムをマークしたのは,昨年のチャンピオンであるレッドブルのM.フェルスタッペンでした。この日のレッドブルは,昨日まで使用していたマシンではなく,フロアとサイドポッド部分にアップデートを加えた新しいパッケージのマシンを投入しました。少なくともこの日はこの改良が功を奏したようで,フェルスタッペンのマークしたタイムは,3日間総合でもトップタイムとなりました。総合2番手タイムは,今回のテストで一貫して好調な走りを見せていたフェラーリのC.ルクレールが一旦はマークしていました。ところが,機材到着遅れの救済措置として他のドライバーがテスト終了して以後,2時間の走行枠を与えられていたハースF1チームが速さを見せ,午後の走行を担当したM.シューマッハが総合2番手タイムをマークし,ルクレールは総合3番手タイムとなりました。昨シーズンのハースは,今シーズンに向けたマシン開発を行ったため,開発の止まったマシンで最後まで戦いました。その結果,元々の戦闘力不足もあって,最下位争いの常連状態でした。しかし,シーズンが始まってみないともちろん分かりませんが,今回のテストの好調さを見ると,少なくとも中位争いに食い込むことができるマシンに仕上がってきているのかもしれません。この日のアルファタウリは,午前がP.ガスリー,午後が角田裕毅が担当し,午後走行の角田が総合7番手タイムをマークしてテストを終えています。
2022/03/12(土)
◎いきなり(F1)
○今季2回目のプレシーズンテスト2日目の走行が,ドライコンディションとなったバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われました。この日の総合トップタイムをマークしたのは,前日に総合2番手タイムをマークしたフェラーリのC.サインツかと一旦は思われました。ところが,その後この結果が変化する走行が行われたのです。このところ何かと話題のハースF1チームですが,3月9日(水)付のこのページでもお伝えしたように,今回のテストに向けて機材を運搬しようとした際,輸送する予定になっていた飛行機に技術的な問題が出て飛ばなかったため,バーレーンへの到着が遅れてしまいました。最初は初日の走行に間に合わないかとみられていたのですが,午前中の走行には間に合わなかったものの,午後の走行には参加することができました。つまり,他チームに比べて4時間損失したことになります。この出来事は不可抗力ですので,救済措置が採られ,FIAはハースに対して,2日目の走行では他チームが終わって以後1時間走行枠を追加し,最終日の走行では,午前中他チームが走行開始する前に1時間,走行後に2時間の走行枠を与えることになりました。この2日目を担当したのは,N.マゼピンの契約解除により,急遽契約が成立してF1とハースに復帰することになったK.マグヌッセンでした。そのマグヌッセンは,追加となった1時間の走行枠の中で何と一旦は最速化と思われていたサインツのタイムを更新する走りを見せ,復帰後初走行でいきなり総合トップタイムをマークしたのです。戦闘力が劣るとみられていたハースのマシンを,この日初めて駆ることになったドライバーが最速タイムを刻んだわけですから,テストとは言え,驚きの結果と言えます。マグヌッセンが大逆転で総合トップとなったため,他のドライバーの順位が1つずつ繰り下がることになり,サインツが総合2番手,そして,昨シーズンの最終戦最終ラップにおいて大逆転でチャンピオンに輝き,ホンダに30年ぶりとなるタイトルを持ち込んだレッドブルのM.フェルスタッペンが総合3番手となりました。初日は終日P.ガスリーが担当して最速タイムを刻んだアルファタウリですが,2日目は角田裕毅が終日担当しました。タイム的には総合10番手でしたが,走行した周回数は120周で,これはこの日の最多周回数でした。
2022/03/11(金)
◎復帰(F1)
○このところ話題の主となっているハースF1チームですが,昨日同チームから新たな発表があり,ロシアのウクライナ侵攻の影響からシートを失ったN.マゼピンに替わり,K.マグヌッセンとの契約が成立しました。契約年数については,具体的な年数は明らかにされなかったものの,複数年契約となった模様です。今回契約が成立したマグヌッセンは,2017年から2020年までの4年間同チームに所属していましたから,2年ぶりの復帰となります。一昨年シーズンをもってF1のシートを失ったマグヌッセンは,昨シーズン戦いの場を北米に移し,チップ・ガナッシに所属してハコ車レースであるIMSAシリーズにフル参戦しました。今シーズンもその契約を延長し,さらに世界耐久選手権(WEC)シリーズにもプジョーのマシンを駆って参戦することになっていました。しかし,今回の突然の出来事によりF1に復帰することになり,関係するチームとの話し合いも順調に進み,晴れてF1に再びフル参戦することになりました。

◎一転して(F1)
○今シーズン2回目となるプレシーズンテストが,開幕戦の地であるバーレーン・インターナショナル・サーキットで始まりました。プレシーズンテストでステアリングを握るのは,各チームともあらかじめ午前と午後それぞれに設定したドライバー1名のみとなっていて,チームによっては,終日同じドライバーが走行したり,午前と午後それぞれ違うドライバーが走行したりしています。もちろん,この日のマクラーレンがそうだったように,体調不良等の理由により,ドライバーが変更となる場合はあります。ちなみに,この日のマクラーレンは,午前がL.ノリス,午後がD.リカルドという事前の予定でしたが,リカルドが体調不良となったため,終日ノリスがステアリングを握っています。
初日総合トップタイムをマークしたのは,この日終日アルファタウリのステアリングを握ったP.ガスリーでした。午前の走行では最下位だったガスリーが,午後の走行で一転してトップタイムをマークしています。フェラーリはC.サインツが午後,C.ルクレールが午前を担当し,それぞれ総合2,3番手タイムをマークしています。アルファタウリと同じく実質的にホンダが製作しているパワーユニット使用のレッドブルは,終日S.ペレスが担当し,総合10番手タイムでした。タイム的には上位に加わっていませんが,全体で最多となる138周走行しています。この日注目を集めたのは,ドライバーズタイトル奪還を目指すメルセデスAMGの今季型マシンであるW13でしょう。通常マシンの横には冷却のために大きく口を開けたサイドポンツーンがつけられていますが,メルセデスが持ち込んだW13にはそこの部分がほとんどないのです。恐らく冷却系を大きく見直した結果なのでしょうが,どこまでパフォーマンスアップに繋がるのかが今後も注目となります。なお,そのメルセデスは午後担当のG.ラッセルが総合9番手,午前担当のL.ハミルトンが総合11番手で初日を終えています。機材の到着遅れにより初日の走行ができないのではないかと心配されていたハースでしたが,午前中は走行に間に合わなかったものの,午後は無事走行できていてテストドライバーであるP.フィッティパルディがステアリングを握り,最下位である総合15番手タイムでこの日の走行を終了してます。
2022/03/10(木)
◎好スタート(SF)
○3月7日(月)と8日(火)の2日間にわたって,今年最初の公式合同テストが鈴鹿サーキットで行われました。両日共にドライコンディションでしたが,初日は冷たい風が強く吹きつけ,2日目は朝から日差しがあり,比較的暖かいという対照的なコンディションの中での走行でした。このテストで速さを見せたのは,P.MU/CERUMO・INGINGの坪井翔でした。セッションによって最速タイムを出したドライバーは変わりましたが,総合で見ると,2日間とも坪井が最速タイムでした。2019年からSFにフル参戦を開始した坪井は,その翌年に2勝を挙げ,ランク3位でシーズンを終えました。さらなる飛躍が期待された昨シーズンでしたが,ポイントを獲得したのは2戦のみで,最高位は7位でした。その結果,ランキングが15位に沈んでしまうというまさかの結果に終わってしまいました。ただ,TOM'Sから関口雄飛と組んでフル参戦したSGTでは,最終戦をランク4位で迎えましたが,上位チームの脱落もあって大逆転でチャンピオンに輝きました。SFとSGTとでは天と地との差があるリザルトとなりましたが,坪井のポテンシャルを見せたことは事実でしょう。そうして迎えた新しいシーズンの出だしで,両日共にトップタイムをマークするという好スタートを切り,SFにおける昨年の雪辱が期待できる今回の結果となっています。
2022/03/09(水)
◎踏んだり蹴ったり?(F1)
○ロシアのウクライナ侵攻により,ロシアやベラルーシはモータースポーツからも閉め出される傾向にあります。この流れの中,ロシアの企業である『ウラルカリ』がタイトルスポンサー契約をしていたハースF1チームは,同社との契約を破棄し,一時的にでしょうがタイトルスポンサーを失うことになりました。さらにそのロシアンマネーでハースのシートを確保することができていたN.マゼピンも契約解除となりました。そうしたアクシデントに見舞われている同チームですが,さらに不運に見舞われています。3月10日(木)から3日間にわたって開幕戦の地であるバーレーン・インターナショナル・サーキットでテストが行われる予定になっていて,各チームはその準備のためマシン等必要な機材を搬入しています。当然ハースもそうしているわけですが,そのハースの機材を載せている飛行機に技術的問題が発生してしまい,バーレーン到着が遅れる可能性が高くなっています。そのため,初日の走行を見合わせることになりそうなのです。元々戦闘力に劣る傾向にあるハースだけに,一日でも多くマシン開発のための走行が必要です。そのチームが1日で遅れることに不運に見舞われてしまうわけですから,まさに踏んだり蹴ったりという状況です。ただ,今回のトラブルは不可抗力ですので,どうやら同チームは最終日の翌日である13日(日)に特別に走行枠が与えられることになりそうだということのようです。
2022/03/08(火)
◎替わりは誰に(F1)
○3月5日(土)にハースF1チームから発表があり,タイトルスポンサーであるロシア企業のウラルカリと,レギュラードライバーでロシア人ドライバーのN.マゼピンとの契約を解除しました。ロシアによるウクライナ侵攻に対して,世界的にロシアへの制裁が加えられています。スポーツの世界でも例外でなく,現在行われているパラリンピックでは,ロシアとその侵攻に直接的支援しているベラルーシの選手が参加できないことになりました。さらにFIAの決定により,統括するモータースポーツからも参加を許可しないことになりました。こうした流れの中,マゼピンと彼の父親が経営するウラルカリのどちらもF1に参加することができず,チーム側が契約解除を決定しました。マゼピンがシートを失ったことにより,誰がそのシートに座ることになるのかが注目となっています。そのような中,同チームから新たな発表があり,バーレーンで行われる2回目のF1プレシーズンテストには,同チームでリザーブドライバーを務めているP.フィッティパルディを起用することになりました。通常では,そのまま彼がレギュラードライバーへと昇格してもおかしくはないのですが,今回の発表では,テストへの起用ということだけでした。噂の域を出ませんが,チームとしては,ベテランドライバーを起用したいようなのです。同チームのレギュラードライバーは,今回契約解除となったマゼピンと,M.シューマッハの若手ドライバーコンビです。どちらも昨シーズンF1に昇格したドライバーですので,マシン開発という点ではやはり十分とは言えない組み合わせです。今季から投入される新しいレギュレーションに則ったマシン開発のため,昨シーズンは開発を止めた旧型マシンでシーズンに臨みましたので,ルーキー同士の組み合わせでもさほど大きな影響はありませんでした。しかし,今季はシーズン中のマシン開発の必要性が高いですから,若手の組み合わせはやはり避けたいところです。そうしたことから,フィッティパルディのレギュラー昇格はやや厳しいものがあるかもしれません。数名の名前が候補として噂に挙がっていますが,その中の1人が,同チームにパワーユニットを供給しているフェラーリでリザーブドライバーを務めている元F1レギュラードライバーのA.ジョビナッツィです。もう1人噂に上っているベテランドライバーは,昨シーズンからアストンマーティンF1でリザーブドライバーを務めているN.ヒュルケンベルグです。もし2人の内のどちらかとなると,実績からいけばヒュルケンベルグの方が有利なのかもしれませんね。
2022/03/07(月)
◎初優勝(MotoGP)
○開幕戦となるカタールGPの決勝レースが,ナイトレースとしてロサイル・インターナショナル・サーキットで行われました。
MotoGPクラスは,序盤にトップに立ったレプソル・ホンダ・チームのP.エスパルガロがその順位を守っていきました。そのような中,2番グリッドからスタートしたグレシーニ・レーシングMotoGPのE.バスティアニーニは,序盤こそ出遅れたものの,徐々にポジションを回復していき,終盤にはエスパルガロとのトップ争いとなりました。そして,残り4周となったところでエスパルガロをパスしてトップに立ちました。トップを譲ったエスパルガロは,その後すぐにブレーキングをミスし,後ろを走っていたレッドブルKTMファクトリー・レーシングのB.ビンダーに2位の座を譲ってしまいました。トップに立ったバスティアニーニはそのまま逃げ切ってトップチェッカーを受け,開幕戦で見事に自身初優勝を飾りました。バスティアニーニにとって初優勝だけでなく,昨シーズンまでアプリリアワークスとして活動し,今季からドゥカティのインディペンデントとなったグレシーニ・レーシングMotoGPにとっても,その初戦でいきなり勝利したことになります。FP1以後,予選を含めて予選では奮わなかったLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,16番グリッドからスタートし,最終的に10位まで順位を上げたものの,終始思ったほどペースを上げることができずに苦しんだ開幕戦となってしまいました。
Moto2クラスは,ポールからスタートしてムーニーVR46レーシング・チームのC.ビエッティが,トップを守ったままスタートを切ると,順調にラップを重ねていき単独走行に持ち込み,最後まで危なげない走りを展開して2位に6秒以上の大差をつけて自身初優勝を飾りました。ビエッティには離されたものの,フレックスボックスHP40のA.カネトがこちらも単独走行となり,自己最高位の2位でチェッカーを受けました。3位争いは,4台のマシンによってファイナルラップの最終コーナーまで持ち込まれました。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍が3台を引き連れるという展開になり,その状態はファイナルラップまで続きました。そして,3位争いの先頭を走る小椋をレッドブルKTMアジョのA.フェルナンデスが交わし,小椋がそれを抜き返そうとした時に両者は接触してしまい,順位を下げることになり,その2人の後ろを走行していたエルフ・マークVDSレーシング・チームS.ロウズが抜け出て3位表彰台を獲得しました。小椋はフェルナンデスに次ぐ6位でチェッカーとなり,開幕戦を表彰台で飾ることができませんでした。
Moto3クラスは,予選での走りが問題となってポールを獲得していたガスガス・アスパー・チームのI.グエバラが降格処分を受け,2番手タイムだったステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢がポールからスタートすることになりました。その佐々木は,予選終了後に自信があるコメントを証明するかのように速さを見せ,トップのまま単独走行に持ち込みました。ところが,ハイサイドに見舞われてその時にマシントラブルが発生したようで,転倒は免れましたが,順位を下げてしまい,ピットに入って残念ながらリタイアとなってしまいました。佐々木の脱落で2位争いがトップ争いとなり,リヴァコールド・スナイパーズ・チームのA.ミーニョが追撃を振り切ってトップでチェッカーを受け,嬉しい自身初となる勝利を収めました。そのミーニョからわずか1000分の37秒遅れで,ガスガス・アスパー・チームのS.ガルシアが2位に入りました。2台による3位争いは,最終的にCIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が制し,開幕戦で表彰台を獲得するという好スタートを切りました。他のフル参戦日本人ライダー勢は,MTヘルメッツMSIの山中琉聖がトップ10圏内の9位でチェッカーを受けています。レオパード・レーシングの鈴木竜生は,予選で低速走行をしたことからペナルティが科されてグリッド降格となり,さらに決勝レースは転倒によりリタイアに終わっています。以前から指摘していますが,やはり彼はレース以外での振る舞いを含め,自身の走り等を見直していかないと,せっかくの速さが活かせない状況になってしまいます。今季は今後のレース人生を占う上で重要ですので,ぜひ努力してもらいたいものです。
2022/03/06(日)
◎インディペンデントチーム(MotoGP)
○今季開幕戦となるカタールGPの予選が,初日に続いてドライコンディションとなったロサイル・インターナショナル・サーキットで行われました。
MotoGPクラスは,ワークスチームのライダー10名と,インディペンデントチームのライダー2名によるQ2となりました。ここで速さを見せたのは,そのインディペンデントチームの1人であるプラマック・レーシングのJ.マルティンでした。さらにもう1人のライダーであるグレシーニ・レーシングMotoGPのE.バスティアニーニが2番手タイムをマークし,ワークスライダーを差し置いてインディペンデントのライダーである2人によるワンツーとなりました。昨年までアプリリアのワークスとして活動したグレシーニ・レーシングですが,今季からドゥカティのサテライトとなっていて,その初戦で2番グリッド獲得と好スタートを切っています。バスティアニーニにとっては,自身初のフロントロー獲得となります。ワークスライダーで最上位となったのは,レプソル・ホンダ・チームのM.マルケスの3番グリッド獲得でした。Q1からのスタートとなったLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,初日に行われたFP1こそ2番手タイムと好スタートを切りましたが,その後は10番手以降とやや奮わない結果となっていました。Q1でもその傾向は変わらず,残念ながらQ1突破とならず,今日行われる決勝レースは16番グリッドからのスタートとなります。
Moto2クラスは,ムーニーVR46レーシング・チームのC.ビエッティがトップタイムをマークし,このクラスで自身初となるポールを獲得しました。エルフ・マークVDSレーシング・チームのT.アルボニーノが2番手タイムをマークし,自身初のフロントロー獲得となりました。S.ロウズが3番手タイムをマークし,エルフ・マークVDSレーシング・チーム勢がフロントローの内2つを占めました。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,トップからおよそコンマ2秒遅れで6番グリッド獲得となりました。
Moto3クラスは,今季からステリルガルダ・マックス・レーシング・チームに移籍している佐々木歩夢が速さを見せ,Q1はトップ通過となりました。Q2でもトップタイムをマークしていて,自身2度目となるポール獲得が期待されましたが,ファイナルアタックでガスガス・アスパー・チームのI.グエバラが佐々木のタイムを更新し,惜しくもポールを逃しました。ただ,インタビューではセッティングがうまくいっているとようなので,決勝レースは期待できそうです。トップタイムをマークしたグエバラは,自身初のポール獲得となります。3番グリッドを獲得したのは,レッドブルKTMアジョのJ.マシアでした。他のフル参戦日本人ライダー勢も全体的に好調で,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が6番手,レオパード・レーシングの鈴木竜生が9番手とトップ10に入っています。CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡は速さを見せることができず,14番グリッド獲得にとどまっています。
2022/03/05(土)
◎2台とも(MotoGP)
○ついにMotoGPの開幕の日を迎え,今年も開幕戦はロサイル・インターナショナル・サーキットで行われるカタールGPとなります。初日は,2回のフリー走行が行われています。
MotoGPクラスは,ナイトレースの決勝が行われるのとほぼ同じ時間帯に行われるFP2が重要となりますが,ここで速さを見せたのは,チーム・スズキ・エクスターのA.リンス&J.ミルとレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスの3人でした。セッション終盤にリンスルがトップタイムをマークすると,残り2分となったところでマルケスがトップに浮上しました。しかし,再びリンスがマルケスのタイムを更新し,開幕戦初日は,そのリンスが総合トップタイムとなりました。マルケスはトップから1000分の35秒遅れの総合2番手で終了し,ミルが総合3番手タイムをマークして,スズキ勢が2台ともトップ3に入っています。FP1で2番手タイムと好スタートを切ったLCRホンダ・イデミツの中上貴晶でしたが,FP2では1分54秒を切ることができず,初日は総合12番手で終了しています。
Moto2クラスは,レッドブルKTMアジョ勢が速さを見せ,FP1でトップだったA.フェルナンデスがFP2でもトップタイムでした。チームメイトのP.アコスタが,フェルナンデスにやや離されて総合2番手でした。総合3番手は,アコスタからわずか1000分の4秒遅れでリキモリ・インタクトGPのM.シュロッターでした。FP1では8番手だったイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,FP2でやや順位を上げ,総合6番手で初日を終えています。
Moto3クラスは,ガスガス・アスパー・チームのI.グエバラが飛び抜けた速さを見せ,総合2番手タイムとなったステリルガルダ・マックス・レーシング・チームのJ.マクフィーにコンマ4秒以上の差をつけて総合トップに立ちました。開幕前に行われたテストにおいて速さを見せていたのは,今季レオパード・レーシングに移籍している鈴木竜生でしたが,初日はトップからおよそコンマ5秒遅れの総合3番手タイムでした。他のフル参戦日本人ライダー勢は,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が11番手,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が12番手,ステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢は22番手で初日を終えています。今シーズンからステップアップを果たしているホンダ・チーム・アジアの古里太陽は,先月スペインのヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトにおいて行ったプライベートテストで負った右足距骨の骨折が回復しておらず,残念ながらデビューレースとなるはずだった開幕戦を欠場しています。
2022/03/04(金)
◎長期契約成立(F1)
○オラクル・レッドブル・レーシングから発表があり,M.フェルスタッペンとの間で5年間の契約延長が成立し,2028年シーズン末まで同チームに所属することになりました。2014年にトロロッソから史上最年少記録でF1に参戦を開始したフェルスタッペンは,2016年シーズン序盤にレッドブル・レーシングに移籍しました。その後は一貫してレッドブルからフル参戦を続け,昨シーズンは最終戦のファイナルラップでトップに立って優勝し,ついにドライバーズタイトルを獲得しました。レッドブルとは,2020年に結ばれた契約で来季まで所属することは決まっていました。その契約がどうなるのかずっと注目を浴びていましたが,その間もフェルスタッペン自身は一貫してレッドブルとの関係性の継続を口にしてきていました。昨シーズンにタイトルを獲得して以後も,その気持ちに揺るぎは見られていない感じでした。レッドブル自体も才能にあふれたフェルスタッペンとの契約を望んでいて,しかも,他チームからの勧誘は十分考えられますので,早めの決着も望んでいました。まさに相思相愛とも言える関係性の中,今回の長期契約に至っています。なお,今回の発表の中ではありませんでしたが,色々な報道によると,フェルスタッペンの年俸は,5000万ユーロ(約64億円)にも上る史上最高レベルのものになるのではないかということです。
2022/03/03(木)
◎一新(SF)
○『マッチ』こと近藤真彦がチーム代表兼監督を務めるKONDO RACINGが,今シーズンのSFにおける参戦体制を発表しました。既に明らかとなっているように,今季は山下健太とS.フェネストラズの2台体制で臨みます。今回発表された今季型マシンは,これまでとのイメージを一新するものとなりました。SFだけでなく,SGTのGT500クラスとGT300クラスにもフル参戦している同チームですが,SGTにおいては,トラックやトレーラーを対象とする投資ファンドを中心とした企業である『リアライズコーポレーション』をタイトルスポンサーとし,同社のロゴをメインに青と白のカラーリングのマシンを投入しています。昨シーズンまでのSFでは,赤と白を基調にしたマシンで戦ってきましたが,今シーズンはSGTと同じくリアライズコーポレーションがタイトルスポンサーとなりましたので,カラーリングもSGTと同じく青と白のカラーリングとなりました。SGTでは2020年にGT300クラスのタイトルを獲得した同チームですが,それと同じカラーリングで2018年シーズンにSFでのチームチャンピオンを獲得して以来のタイトル獲得に今季は臨むことになります。
2022/03/02(水)
◎出場停止か?(F1)
○ウクライナに侵攻したロシアは,世界的に大きな批判を浴び,ロシアの銀行を国際決済システムである『SWIFT』から排除することが決まるなど,政治的・経済的な制裁が加えられています。さらに,スポーツにおいてもロシアに対する制裁が加えられ,ロシアのサンクトペテルブルグで開催される予定だったサッカーの『UEFAチャンピオンズリーグ』の決勝戦がパリに変更となったりしています。モータースポーツもしかりで,先日お伝えしたように,第17戦としてソチで開催される予定だったF1のロシアGPが開催中止となっています。そのような中,ウクライナ自動車連盟からFIAに対して要求が出され,ハースF1のドライバーであるN.マゼピンをはじめとしたロシア人ドライバーの競技出場停止を求めました。今回の要求はロシアに対してだけでなく,そのロシア侵攻に力を貸しているベラルーシのドライバーについても出場停止を求めています。この要求に対してFIAはただちに行動に移し,今回の問題を議論するため,世界モータースポーツ評議会(WMSC)の臨時会議を3月1日(火)に開催することになりました。この会の決定に関しては,このページの入力段階では分かっていませんので,この段階では会議が開催されることになったことだけをお伝えしておきます。もちろんロシアの行動は全く許されるべきではなく,ロシアやベラルーシに対し,世界的に共同して制裁を加えることは当然のことです。ただ,気になるのは,ロシア人個人に対する制裁まで加えることがいいのかどうかということです。この点については意見の分かれるところでしょうが,客観的な視野からの議論がなされるべきであろうことは言えるのではないでしょうか。
その後,FIAからこの会議の結果が明らかにされ,ウクライナから要請されたドライバーの出場停止に関しては,条件付きではあるものの,出場は可能となりました。その条件とは,中立な立場に立つことや,ロシアやベラルーシの旗の下ではなく,FIAの旗の下での参加ということです。
2022/03/01(火)
◎初優勝(WRC)
○先週末に今季第2戦となる『ラリー・スウェーデン』が,昨シーズンはコロナ禍で中止となりましたので2年ぶりに開催されました。シーズンを通して唯一のフルスノーラリーとなる今大会ですが,初日こそ上位陣が僅差の争いとなりました。2日目になるとその中から2台が抜け出し,最終日はK.ロバンペラとE.エバンスのTOYOTA GAZOO Racing WRT同士の優勝争いとなりました。トップで最終日を迎えたロバンペラは,ハイブリッドにトラブルが発生するというアクシデントに見舞われましたが,それを乗り越えてトップタイムをマークしていきました。それに対して,2位で最終日を迎えたエバンスは,ロバンペラを交わすべくアタックしたものの,スタートから程なくしてクラッシュを喫してしまいました。この事故によりマシンが不調となって復帰することができず,優勝争いから脱落してしまいました。トップを行くロバンペラは,エバンスの脱落もあって堅実な走りを展開していき,2位フィニッシュとなったヒュンダイ・シェル・モビスWRTのT.ヌービルに20秒以上の大差をつけてトップでゴールし,今季初優勝を飾りました。今シーズンから新たなレギュレーションの下,各社ハイブリッドマシンを投入していますが,トヨタが投入している『トヨタGRヤリス・ラリー』にとって参戦2戦目にして初優勝を飾っています。3位には,30秒遅れでロバンペラのチームメイトであるE.ラッピが入っています。唯一のフル参戦日本人ドライバーである勝田貴元は,今季自己最高位となる4位でゴールしています。
 

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