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最新ニュース

2022/07/27(水)
◎欠場(SGT)
○来月7日(日)に富士スピードウェイで決勝レースが行われる第4戦は,周回数が100周の準耐久レースとなっています。その大会のエントリーリストが,7月25日(月)に発表されました。それを見ると,GT500クラスについては通常通りのエントリーとなっていますが,GT300クラスについては,2チームが欠場することになっていて,そのことが話題に上っています。その欠場するチームの1つ目は,HOPPY team TSUCHIYAです。チーム創設者が名エンジニアと謳われた故土屋春雄氏である同チームは,今シーズンGT300規定に基づいたGRスープラを自社で製作して参戦しています。先週鈴鹿サーキットでタイヤメーカーテストが行われたのですが,その際激しくクラッシュしてマシンが大きく損傷してしまいました。優秀な職人たちがいる同チームですが,腕はあっても大スポンサーがついているわけでもないチームだけに,限られた予算の中でやりくりをしています。それだけに,損傷してすぐに修復というわけにもいかないでしょうし,せっかく修復するのだったらさらに改善を加えたものにという職人としての意気込みもあることでしょう。今回の欠場は,ある意味チームとして前向きなことが要因となった結論なのかもしれません。もう1つのチームは,BUSOU Drago CORSEです。今シーズンの同チームは,エアロパーツメーカーであるBUSOUと,かつてホンダのワークスドライバーとして活躍してきた道上龍が立ち上げたDrago CORSEとがタッグを組んだものです。道上は一貫してホンダ車を使用してきましたが,今回のタッグでは,ニッサンのGT-Rを使用しています。さらに,ドライバーは柳田真孝と井出有治となっていて,まさにこの面でもニッサンとホンダがタッグを組んだ形を採っています。そのBUSOU Drago CORSEは,今季から新たに発足したにもかかわらず,富士スピードウェイで行われた第2戦では,2位争いを制して表彰台を獲得しています。今回の第4戦も同じ富士スピードウェイで行われるわけですから,通常で考えれば優勝争いを再度展開するべく参戦するのが普通です。ところが,今回は欠場するということで,その原因が伝わっていないだけに不思議でなりません。果たして何が起こっているのか,とても気になるところです。
2022/07/26(火)
◎ミスにより(F1)
○第12戦フランスGPの決勝レースは,レッドブルのM.フェルスタッペンが今季7勝目を挙げて終了しました。このレースでは,表彰台に関わる争いで重大なミスがあったことによってポイントを失うことになった2人のドライバーがいます。ただ,ミスとはいっても,自身のミスと他者のミスとの違いがあります。まず自身のミスにより表彰台はおろか,レースそのものを失ったのが,ポールからスタートして順調にトップを守っていたフェラーリのC.ルクレールです。昨日もお伝えしたように,16周目に2位を行くフェルスタッペンが早めのピットをした翌周,何とトップのルクレールがターン11でスピンを喫してバリアの餌食となりリタイアとなりました。当初,チームとの無線の中で「スロットルが見つからない。」というルクレールの言葉があったため,アクセル等のトラブルがあったのかと思われました。しかし,この内容はスピンとは関係なく,バリアからマシンを脱出させようとしたときの言葉だったようです。そして,このスピンはルクレール自身が自らのミスであることも明らかにしています。彼によると,コースの汚れた部分にタイヤをのせてしまったようで,それが原因となってスリップしてしまったとのことでした。ランク2位につけているルクレールがノーポイントに終わり,ランクトップを行くフェルスタッペンが優勝したわけですから,まさに天と地との開きができてしまったミスとなってしまいました。それに対して,他者のミスによって損をしたのが,フェルスタッペンのチームメイトであるS.ペレスです。レース終盤3位を走行していたペレスでしたが,その終盤にトラブルでコース脇に止まったマシンがあったため,ヴァーチャル・セーフティーカー(VSC)が導入されました。程なくして解除になったわけですが,その解除の際,通常はペースを上げて行くのですが,なぜかペレスのマシンはペースが上がっておらず,その隙に4位につけていたメルセデスAMGのG.ラッセルがペレスを抜いて3位に浮上し,そのままの順でチェッカーとなっていました。あまりに不自然順位変動だっただけに,どうしたことかと思っていました。レース後に明らかとなったことは,ペレスにミスがあったわけではなく,レースコントロール側のシステムにトラブルが生じていたことが原因だったようです。通常,VSCを解除するときは,全てのマシンに事前にそのことがマシンに通知され,その通知後10秒から15秒後にVSC終了してリスタートとなります。ところが,そのシステムにトラブルが発生したため,バックアップシステムが作動。その際,2度目の通知が出されたようなのです。そのため,ドライバーに混乱が生じ,ペレスは再開のタイミングが取れなかったためペースが上がっておらず,ラッセルに交わされる結果となってしまいました。順調にいっておれば,レッドブルがダブル表彰台獲得となっていたところが,逆にメルセデスAMG勢のダブル表彰台となってしまいました。もちろん獲得ポイントにも違いが出てきますので,ランク争いで今後大きな影響が出るかもしれません。レッドブルとペレスにとっては,まさに不可抗力によるポイントの一部喪失となってしまっています。
2022/07/25(月)
◎独走&今季初(F1)
○第12戦フランスGPの決勝レースが,快晴ながら,路面温度60度に達する厳しいコンディションとなったポール・リカール・サーキットで行われました。ポールからスタートしたフェラーリのC.ルクレールと2番グリッドからスタートしたレッドブルのM.フェルスタッペンは,順調にスタートしてそのポジションを守って行きました。その後ろでは,4番手からスタートしたメルセデスAMGのL.ハミルトンが3番手からスタートしたレッドブルのS.ペレスを交わして3位に浮上しました。トップ2は競り合いながらのトップ争いを展開し,ハミルトンはその2人から離されていく展開となりました。16周目に状況を打開するべくフェルスタッペンが早めにピットインをし,ルクレールがあとでピットインしたときに抜く作戦であるアンダーカットを狙った動きだったのですが,何とそのルクレールが17周目のターン11でスピンを喫してバリアの餌食となってしまってここでリタイアとなってしまいました。労せずしてトップに立ったフェルスタッペンは,自動的に2位となったハミルトンとの差を広げて独走状態に持ち込みました。トップ2はそれぞれ単独走行となりましたが,3位争いは僅差となっていました。終盤ではレッドブルのS.ペレスが3位,メルセデスAMGのG.ラッセルが4位となっていたのですが,40周目にコース脇にマシンがストップしたことからヴァーチャル・セーフティーカーとなり,再開時なぜかペレスがスピードを落としすぎていて,ラッセルがその隙を突いてペレスを交わして3位に浮上しました。レースはそのままの順でチェッカーまで進み,フェルスタッペンは7勝目を挙げました。ルクレールがリタイアとなったことで,ランキング争いで2人の差は63となっています。昨年まで表彰台の常連であったメルセデスAMG勢ですが,今季は不振が続いていて,今回が今季初のダブル表彰台獲得となりました。アルファタウリ勢ですが,母国GPとなるP.ガスリーは,上位争いに顔を出すことができず,完走は果たしたものの13位でのチェッカーとなっています。今季自己最高位タイの8番グリッドからスタートした角田裕毅は,最終的に8位でチェッカーとなったアルピーヌのE.オコンにオープニングラップで横からぶつけられてしまってマシンにダメージを受けてしまいました。最下位とはなったものの何とか走行は続けていきましたが,マシンサイドの損傷があってペースを上げることができず,最終的にピットンしてリタイアに終わってしまいました。今回の接触はオコンに非があるということで,彼には5秒加算のペナルティーが科されています。ポイント圏内を走行できる速さを見せていた角田だけに,何とも惜しいレースとなってしまいました。
2022/07/24(日)
◎チームプレイ(F1)
○第12戦フランスGPの予選が,この日も路面温度が50度を超えるポール・リカール・サーキットで行われました。フェラーリのワンツーで終わった初日でしたが,予選でも速さを見せました。ただ,C.サインツに関しては,パワーユニット交換のペナルティーがあって最後列へのグリッド降格が決まっていますので,普通で考えればまともに走行する必要がありません。ただ,そのサインツはQ3まで進出して走行を続けました。このサインツの走行は,もちろん自身の為もあるのでしょうが,チームプレイとしてチームメイトであるC.ルクレールのサポートに回ることがあったようです。ポールを決めるQ3では,サインツがルクレールの前を走行し,風よけ役に回ってルクレールがそのサインツのスリップストリームを使ってタイムアップを果たしていったのです。その結果,ルクレールがここまで唯一となる1分30秒台のタイムをマークし,今季自身7度目となるポールを獲得しました。2,3位にはそれぞれM.フェルスタッペン,S.ペレスがつけ,レッドブルによるツースリーとなっています。初日は苦戦したアルファタウリ勢でしたが,予選では角田裕毅が速さを見せ,Q3まで進出を果たし,今季自身最高位タイとなる8番グリッドを獲得しています。今回が母国GPとなるP.ガスリーですが,1000分の16秒足りずQ1での敗退となりました。
2022/07/23(土)
◎ワンツー発進(F1)
○第12戦フランスGPが開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。日本以上に暑さに見舞われているヨーロッパですが,この日のポール・リカール・サーキットは路面温度が50度をはるかに超えるという状況の中での走行となりました。そのような中,FP2でフェラーリのC.サインツがトップタイムをマークし,これが初日の総合トップとなりました。レッドブル・リンクで行われた前戦オーストリアGPを制しているC.ルクレールが総合2番手タイムをマークし,フェラーリが初日にワンツー発進をしています。ただ,前戦でマシンが燃えるというアクシデントに見舞われているサインツは,パワーユニットを交換していて,決勝レースは10グリッド降格というペナルティーが科されることが既に決まっています。ワンツー発進を決めたフェラーリ勢が2台とも1分32秒台だったのに対し,ここまでランクトップに立っているレッドブルのM.フェルスタッペンが総合3番手だったものの,1分33秒を切ることができずにこの日のセッションを終えています。アルファタウリ勢では,P.ガスリーが7番手タイムで初日を終えています。フェルスタッペンのチームメイトであるS.ペレスはとガスリーのチームメイトである角田裕毅はペースが上がらず,それぞれ10番手,14番手でした。
2022/07/22(金)
◎BMWも(SBK)
○昨日はカワサキのエースライダーであるJ.レイの契約延長についてお伝えしましたが,今度はBMWから契約延長について発表がありました。今季はS.レディングとM.ファン.デル.マークの体制で臨んでいるBMWワークスですが,その内レディングについては既に契約延長が決定しています。そして,昨日BMWから発表があり,ファン.デル.マークとも契約延長が成立しました。ということで,BMWについては,来季も今季と同じ体制で臨むことになります。昨シーズンからBMWに所属しているファン.デル.マークですが,今季はシーズン前に負った怪我により,シーズン開始当初は欠場が続いていました。さらに,エストリルで行われた第3戦において転倒を喫して走行キャンセルとなりました。そうしたことから,ここまで3レースのみの走行となっていて,獲得できているポイントはわずか11で,ランキングでは19位と不本意なシーズンとなっています。とはいえ,ポテンシャルについては間違いありませんので,2019年からSBKでワークス活動を再開して以降,初となる体制維持という選択を行っています。
2022/07/21(木)
◎契約延長(SBK)
○スーパーバイク世界選手権(SBK)にフル参戦しているカワサキのワークスであるKawasaki Racing Team(KRT)から発表があり,今季も同チームに所属しているJ.レイと,2024年までの2年間の契約延長が成立しました。レイは2015年から同チームに所属していますので,今回の契約成立により通算10年間カワサキからSBKにフル参戦することになります。今回契約が成立したレイは,2007年まで母国であるイギリスで開催されている英国スーパーバイク選手権(BSB)にフル参戦し,2008年から戦いの場を現在のSBKに移しました。当初はホンダのワークス的役割を果たしていたテン・ケイト等に所属していましたが,上記したように,2015年にカワサキに移籍して現在に至っています。ホンダ時代はタイトルを獲得することはできませんでしたが,カワサキに移籍した初年度にタイトルを獲得すると,その後2020年まで6年連続してチャンピオンに輝きました。昨シーズンは全部で14勝を挙げましたが,ヤマハのワークスライダーであるT.ラズガットリオグルにタイトルを奪われて7連覇とはなりませんでした。今季はホンダからドゥカティに移籍したA.バウティスタが好調で,ここまでランクトップに立ち,レイはランク2位につけています。まだシーズンは先が残されていますので,レイが再びチャンピオンに返り咲く可能性は十分残されています。
レイといえばSBKだけでなく鈴鹿8耐でもホンダ,そしてカワサキのワークスから参戦した経歴があり,その中で2012年はホンダで岡田忠之,秋吉耕祐と組んで優勝し,2019年にはカワサキでL.ハスラムと組んで(T.ラズガットリオグルも名前を連ねていましたが,決勝レースでは走行していません。)優勝を果たしています。コロナ禍による開催中止があって3年ぶりの開催となる今年も8耐に出場することになっていますので,年をまたいでの連勝が期待されています。
2022/07/20(水)
◎移籍(MotoGP)
○昨日ホンダ・レーシング(HRC)から発表があり,今季もチーム・スズキ・エクスターからMotoGPクラスにフル参戦しているA.リンスとの契約が成立し,来季からホンダのサテライトチームであるLCRホンダ・カストロールからフル参戦することになりました。契約期間は2024年までの2年間となっています。今回契約が成立したリンスは,2012年からMotoGPのMoto3クラスにフル参戦を開始し,2015年にMoto2クラスにステップアップしました。同クラスで2年間戦った後,2017年にMotoGPクラスにステップアップを果たし,今季まで一貫してスズキのワークスライダーとしてフル参戦してきました。来季も同様の体制で臨むものと思われていたのですが,突然スズキが今季限りで撤退することが決まり,リンスは新たなチームを探す必要が生じていました。当初は,KTMやドゥカティのサテライトへの移籍が噂されていたのですが,最近はホンダへの移籍が確実視されていました。そして今回の発表に至っています。最近のホンダはワークスであれサテライトであれ,4人のライダーはいずれもHRCと契約し,そしてレプソルかLCRかに分かれてフル参戦しています。今回のリンスも同様で,HRCと契約し,LCRホンダ・カストロールへの在籍ということになっています。今回契約が成立したLCRホンダ・カストロールのシートに今季A.マルケスが座っていますが,既にお伝えしたように,彼はドゥカティのサテライトであるグレシーニ・レーシングへの移籍が決定しています。リンスのチームメイトについては未定で,今季LCRホンダ・イデミツからフル参戦している中上貴晶の去就についてはまだ決定していません。大方の見方では,中上がHRCのテストライダーとなり,空いたLCRのシートには,現在Moto2クラスでランク2位につけている小椋藍が座ることになるのではないかと見られています。ただ,中上としては当然継続参戦を希望しています。また,現在ホンダが投入しているMotoGPマシンであるRC213Vは,戦闘力がとても低く,メーカーランクでは最下位に甘んじています。以前のホンダから考えると,全く想像さえできない状況です。来季のホンダは,マルケスは既に継続が決まっていますが,4回目の大手術を行ったばかりで,いつから復帰できるか全く分からない状況にあります。マルケスのチームメイトであるP.エスパルガロはほぼシート喪失が間違いなく,そのシートにはリンスと同じくスズキワークスであるJ.ミルの移籍が確実視されています。もし中上に替わって小椋が座ることになると,ただでさえ戦闘力に疑問符がついているRC213Vなのに,ライダーがほぼ総入替えとなるとレースを通した開発の継続性が難しくなります。中上のコメントにも,ステップアップを果たした小椋に,いきなり乗りにくいRC213Vを託す訳にはいかないというような主旨のものがあります。果たしてリンスのチームメイトがどうなるのか,マシン開発を含めてとても気になるところです。
2022/07/19(火)
◎全勝(SBK)
○先週末,ドニントンパークにおいて第5戦イギリスラウンドが開催されました。7月16日(土)にはレース1が,その翌日にはスーパーポールレースとレース2の決勝が行われました。レース1では,3番グリッドからスタートした昨年のチャンピオンであるPATA Yamaha with BRIXX WorldSBKのT.ラズガットリオグルが好スタートを切って一挙にトップに浮上しました。ディフェンディングチャンピオンでありながら,今季なかなか思うような結果が出せて折らず,ここまでランク3位につけているラズガットリオグルですが,この大会では昨年の速さを取り戻したかのように他のライダーよりも速いペースを安定して刻むことができ,見事独走でトップチェッカーを受けました。2,3位には,チャンプ返り咲きを狙うKawasaki Racing Team WorldSBKのJ.レイ,そのチームメイトのA.ロウズが入っています。カワサキ勢が2,3位に入ったことにより,カワサキはSBKにおいて500回目,501回目の表彰台獲得となりました。日曜日にまず行われたスーパーポールレースでも,好スタートを切ったラズガットリオグルがトップでレースを引っ張り,そのままトップチェッカーとなっています。2位に再びレイが入り,3位には,BMW移籍後初の表彰台獲得となったBMW Motorrad WorldSBK TeamのS.レディングが入っています。その後行われたレース2では,序盤こそラズガットリオグルとレイによるトップ争いが展開されましたが,ラズガットリオグルがレイを突き放して独走態勢に持ち込んでいきました。そして,そのままチェッカーとなり,この大会を全勝で終えています。2位のポジションにつけていたレイでしたが,徐々にペースが落ちていき,それに対して3位を走行していたランクトップを行くARUBA.IT Racing- DucatiのA.バウティスタがレイとの差をどんどん詰めていき,最終的にレイを抜いて2位でチェッカーを受けました。前日のレース1では,2位走行中に転倒を喫するという不運に見舞われたバウティスタでしたが,レース2でその借りを返した形となっています。今回の結果,ランキング順には変化がありませんでしたが,ラズガットリオグルはバウティスタとの差を43に,レイとの差を26にそれぞれ縮めています。
2022/07/18(月)
◎初優勝(SF)
○第6戦の決勝レースが,ヘビーウェットとなった前日の予選と打って変わって,ドライコンディションとなった富士スピードウェイで行われました。1年ぶりにポールを獲得したcarenex TEAM IMPULの関口雄飛は,好スタートを切ってトップの座を守っていきました。その後,関口の後ろで2位以下の順位の入替えや接触によるアクシデントが発生してセーフティカーが入ったりする展開がありましたが,関口は順調な走行を続けていきました。そして,25周を終えるときに悠々とトップを走る関口はルーティンのピットインをし,チームは何と5秒3というSFではかなり速いタイムでタイヤ交換を済ませてコースへとマシンを送りました。ところが,この圧倒的に速いタイムには無理があったのか,ダンロップコーナー立ち上がりで何と左のリアタイヤが外れてしまってマシンはスピンしてしまいました。当然走行を続けることは不可能ですので,関口はここでリタイアとなってしまいました。このアクシデントは,トップ争いに大きな影響を及ぼしました。セーフティカー導入になる直前にP.MU/CERUMO・INGINGの坪井翔が入ってピットインし,ピットアウト時にはトップに立っていましたがセーフティカーのためスロー走行していました。それに対してセーティカー導入直後にピットインしたのがTEAM MUGENの笹原右京で,坪井がストレートに戻ったときに笹原がトップでコースインとなりました。この微妙なタイミングのズレで生じたトップ争いは笹原に幸運をもたらし,最後までトップの座を守ってフル参戦初年度で嬉しい初優勝を飾りました。2位が坪井,3位にはランクトップを行くTEAM MUGENの野尻智紀が入り,同チームが表彰台の2つを占めると共に,野尻はランキング争いで2位との差を広げることに成功しています。
2022/07/17(日)
◎早めのアタック(SF)
○第6戦の予選が,雨に見舞われた富士スピードウェイで行われました。全国的に不安定な天候となった昨日ですが,富士スピードウェイはいつ激しい雨が降るか分からない状況になっていました。そのため,通常の予選は徐々にマシンが絞られていくノックアウト方式を採りますが,この日の予選は,時間内にそれぞれがマークしたタイム順でグリッドが決まるという30分間の計時予選にやり方が変わりました。その予選セッションも,いつさらに激しい雨に見舞われるか分からない状況でしたから,通常はゆっくりコースインして徐々にタイムを上げていき,終了間際になって激しいタイムアタックに臨むという流れになりますが,今回のセッションは開始と同時に次々にマシンがコースインし,早い段階でタイムアタックをしていくという状態となりました。その早い段階で最速タイムを刻んだのは,真っ先にコースインを果たしたcarenex TEAM IMPULの関口雄飛でした。その後今度はP.MU/CERUMO・INGINGの坪井翔が2番手タイムをマークし,さらにここまでランクトップを行くTEAM MUGENの野尻智紀が3番手タイムを出しました。最初から雨に見舞われていましたが,セッションが6分ほど過ぎたところで徐々に激しくなり,雨に足元をすくわれたマシンがクラッシュしたため,このセッション1回目の赤旗中断となりました。その後再開しましたが,今度はセッション残り6分となったところで雨が原因だったのかマシントラブルに見舞われたマシンがコース上で止まってしまったため,セッション2度目の赤旗となりました。再開後の残り1分29秒となったところで雨脚がさらに強まって走行が危険な状況となってしまったため,予選セッションがそこで終了となりました。この結果,今回の予選はセッションの早い段階でマークしたタイムのままでグリッドが決まるという状況となり,関口雄飛が今季初の,そしておよそ1年ぶりとなるポールを獲得しています。
2022/07/16(土)
◎引退(MotoGP)
○A.ドビツィオーゾといえば,2017年から3年間にわたってランク2位となり,残念ながら最高峰クラスではここまでタイトル獲得には至っていないものの,常に上位争いの常連として活躍してきました。しかし,2020年限りでドゥカティのシートを失い,2021年はいわゆる浪人生活を送る事となってしまいました。そして,その年の途中にヤマハワークスであるモンスター・エナジー・ヤマハRNF MotoGPに所属していたM.ビニャーレスがチームとの契約を解消したため,ヤマハのサテライトだったペトロナス・ヤマハSRTからF.モルビデリがワークスに昇格。その空いたシートにドビツィオーゾが座ることになりました。ペトロナスが昨シーズンをもってMotoGPから撤退したため,チームの体制が変わり,今季はウィズユー・ヤマハMotoGPとして新たなスタートを切りましたが,ドビツィオーゾはそのままチームに留まって現在に至っています。ところが,ヤマハのMotoGPマシンであるYZR-M1は,昨年のチャンピオンであるF.クアルタラロは今季もいい結果を残していますが,他のヤマハライダーは全くといっていいほどいいところがなく,あたかもクアルタラロ専用マシンになったかのような状況にあります。2012年にテック3ヤマハに所属した経歴があるドビツィオーゾも,ここまで11戦中4戦のみでポイントを獲得できただけで,ランクが最下位の22位というまさかの状態になっています。ヤマハのもう1人のワークスライダーであるモルビデリでさえもランク19位ですから,いかにクアルタラロ以外のヤマハライダーが不振にあえいでいるかが分かります。さらに,彼が所属しているRNFが今季限りでヤマハと袂を分かち,来季はアプリリアのサテライトとして活動することも決まっています。となると,当然アプリリアの意向が取り入れられることになり,MotoGP最年長のドビツィオーゾのシート獲得は厳しいものと考えられます。こうした状況の中,ドビツィオーゾがコメントを出し,今シーズン限りでMotoGPから引退することが明らかとなりました。今回の決断には,やはりポイント獲得さえままならない状況が大きいものと思われます。ここまで103回の表彰台獲得という輝かしい経歴があるだけに,今の状況はとても耐えがたいものでしょうし,モチベーションを維持することがかなり厳しいのは間違いありません。今回の決断はとても残念ではありますが,ある意味仕方ないことでしょうし,残された大会の中で,最低でも2020年の最終戦以来となるトップ10フィニッシュを果たして欲しいものですね。なお,今回の発表はMotoGPからの引退という段階ですので,もしかしたら他のカテゴリーで彼の走りが見られることになるかもしれません。ただ,彼がそこまでのモチベーションがあるかどうかは分かりませんが・・・。
2022/07/15(金)
◎移籍(インディカー)
○一昨日はインディカー・シリーズにフル参戦しているC.ハータとマクラーレンについてお知らせしましたが,そのマクラーレンから昨日発表があり,昨シーズンのインディカー・シリーズチャンピオンで,昨シーズンに続いてチップ・ガナッシ・レーシングから同シリーズにフル参戦しているA.パロウと契約が成立し,来季はマクラーレンのドライバーとして活動することになりました。ただ,今回の発表は通常と違っていて,どのシリーズに参戦するのかが明らかにされていないのです。普通に考えると引き続いてインディカー・シリーズへの参戦継続となるのでしょうし,そのような内容の発表があってしかるべきです。ところが,今回は具体的な発表はなく,マクラーレンが参戦しているカテゴリーにそれぞれ誰が起用されるのかは後日発表するということでした。2019年に日本のSFやSGTにフル参戦した翌年からアメリカに渡ってインディカーを駆っているパロウですが,レーシングドライバーである以上,当然F1に対しても強い関心があることでしょう。果たしてF1のシートに座るのはテストで起用されているハータなのか,昨年のインディカーチャンピオンであるパロウなのか,はたまた誰か別のドライバーが起用されるのかとても気になるところです。ただ,ここに来て気になることも出てきました。ハータにしろパロウにしろ,当然F1におけるマクラーレンのシートが空かないことにはどうにもなりません。噂されているのがD.リカルドが今季限りでシートを失い,そこに座ることになるのではないかということだったのですが,その当事者であるリカルドが,来季もF1へのフル参戦を継続すると共に,チームに留まるという主旨の発言を行ったのです。もちろんチームからの正式発表ではありませんから,真偽の程は分かりませんが,そもそも空いたシートができるのかという点も気になる状況となっています。
2022/07/14(木)
◎正式決定(MotoGP)
○昨日スズキから発表があり,今シーズン限りでMotoGPへの参戦から撤退することを,チャンピオンシップの商業権を有するドルナ・スポーツとの間で合意に至りました。また,世界耐久選手権(EWC)に関しても,今季限りでワークス活動を終了することもあわせて発表がありました。MotoGPからの撤退に関しては,正式発表ではなかったものの,既に明らかとなっていました。しかし,スズキとドルナ・スポーツとの間では,2026年までの参戦契約が結ばれていましたから,スズキの意向だけで参戦をとりやめることはレギュレーション上できず,両者の間で話し合いが行われていました。その結果が今回の発表となっています。今回の撤退は,スズキが今後新たな2輪事業の創生に向けて注力するためということです。ただ,MotoGPも今後新たな展開を模索する流れになってきていることは確かで,今回のスズキの決定には疑問を持たざるを得ません。スズキの撤退が噂に上ったとき,チーム・スズキ・エクスターの中の声として「サーキットに来たことさえない人たちが決定していった。」というような主旨の発言を行っていました。事実は別として,ある意味で的を射た発言であると私は思います。ホンダがF1から撤退したことも疑問で,F1が今後「脱炭素」に向けた動きをしていく流れになっていて,それだけに撤退理由が「脱炭素」になっていたホンダが撤退する理由が希薄となります。ましてや,究極の中で開発を進めていくレースの世界から抜けることは,その分開発に遅れが生じることになります。実際,撤退を決定したホンダですが,その決定をとりやめるのではないかという噂が最近も浮上しています。それほどまでにレースの世界で技術を磨くことは,確かに資金が必要とはなるものの,十分価値があることです。F1におけるホンダだけでなく,MotoGPにおけるスズキも同様のことが言えます。目の前のことだけでなく,何年(何十年)も先を見据えた企業経営について日本メーカーは考える力をもっと持ってほしいものです。なお,このサイトでも既にお伝えしていますが,今年チーム・スズキ・エクスターからフル参戦しているJ.ミルとA.リンスは今季限りでシートを失うことになるものの,ミルはレプソル・ホンダ・チームへ,リンスはLCRホンダ・カストロールへの移籍が確実視されています。
2022/07/13(水)
◎チャンス(F1)
○マクラーレンから発表があり,7月11日(月)から3日間にわたってポルトガルのアルガルヴェ・サーキットで行われるテストに,現在インディカー・シリーズにアンドレッティ・オートスポーツからフル参戦しているC.ハータを起用することになりました。今回起用されることになったハータは,元インディカードライバーであるB.ハータの息子で,同シリーズ初となる2000年代生まれのドライバーです。2018年から参戦を開始し,2019年には史上最年少でのウィナーとなり,2020年には史上最年少でポールシッターとなっています。F1では,今季のフリー走行でルーキードライバーを少なくとも2回起用することが義務付けられていますが,マクラーレンとしては,その前にハータの実力を評価しておきたいということのようです。今回彼が駆ることになるのは今季型のものではなく,昨年型のマシンであるMCL35Mとなるとのことです。今季から新たなレギュレーションに基づいたマシンが採用されていますので,昨年型のマシンでテストすることは問題にならないことになっています。今回のテストには,ハータだけでなく,同チームのシミュレーションドライバーであるW.スティーブンスも参加することになっていて,誰をフリー走行で起用するのが適切かの参考とするのが目的のようです。来季のハータについては,F1への参戦が噂されていて,所属するチームとしては,現在所属しているアンドレッティ・オートスポーツが候補に挙がっています。そのアンドレッティ・オートスポーツは,来季からF1への新規参入を希望しています。ただ,そのためには全チームの賛成が必要となるのですが,現段階ではそこまで至っていません。もう1つ候補に挙がっているのが今回のマクラーレンで,今季所属しているD.リカルドが離脱するのではないかという噂が浮上していて,もしそうなると,その空いたシートにハータが起用される可能性があるのではないかという観測もあります。
2022/07/12(火)
◎2勝目(WEC)
○7月10日(日)に,第4戦『モンツァ6時間』の決勝レースが行われました。レース序盤は,ポールからスタートしたO.プラ&R.デュマ&P.デラーニ組のグリッケンハウス007 LMHがトップの座を守っていきました。しかし,中盤に入った頃,アクシデントが発生してセーフティカー先導となり,その間にグリッケンハウスやトヨタをはじめとしたハイパーカークラスがピットインしてタイヤ交換を行いました。その段階で2位を走行していたS.ブエミ&B.ハートレー&平川亮組のトヨタGR010ハイブリッド8号車がトップに立ちました。さらに,このピットインの際にグリッケンハウスにピットイン時の作業手順違反があり,ドライブスルーペナルティが科されたため,M.コンウェイ&小林可夢偉&J-M.ロペス組のトヨタGR010ハイブリッド7号車が2位となりました。ちなみに,グリッケンハウスはその後トラブルが発生してしまった目,最終的にリタイアとなっています。ここ数戦はトヨタ勢のワンツーとなる場合が続いていましたが,今回は別の流れとなりました。そのトヨタワンツー体勢に待ったをかけたのは,A.ネグラオ&N.ラピエール&M.バキシビエール組のアルピーヌA480・ギブソンでした。ペースを上げてきたアルピーヌは,残り2時間となったところでトップに浮上。ただ,そのまま逃げ切ることはできずにアルピーヌとトヨタ2台とによるトップ争いとなりました。順位を入れ替えながらのバトルが展開されていきましたが,アルピーヌが8号車を交わし,さらに7号車と接触しながらトップに立つと,残り1時間となったところでペースを上げることに成功してトヨタ勢を引き離し,最終的に6時間のレースでわずか2秒762の差で開幕戦以来の今季2勝目を挙げました。アルピーヌとの接触に見舞われた7号車でしたが,緊急ピットインしてパーツ交換を行ってレースに再び復帰しましたが,接触は7号車に責任があるとして後ライブスルーペナルティーが科されたこともあって,最終的に8号車に次ぐ3位でのチェッカーとなりました。なお,今大会からプジョーが新たに投入した新型マシンで,リアウィングがないなどの新しいマシン造りに取り組んでいるプジョー9X8が2台体制で参戦しました。しかし,まだまだマシン的に厳しい状態のようで,次々にトラブルが2台を襲うこととなり,最終的に1台は何とか完走を果たしたものの,もう1台はリタイアとなっています。
2022/07/11(月)
◎トラブルを抱えながら(F1)
○第11戦オーストリアGPの決勝レースが,午前中は雨に見舞われたものの,午後からの決勝レースがドライコンディションとなったレッドブル・リンクで行われました。ポールからスタートしたレッドブルのM.フェルスタッペンは,オープニングラップをトップで終えたのに対し,チームメイトのS.ペレスはそのオープニングラップで他車にぶつけられて順位を下げてしまいました。そのペレスは,その後もレースを続行していたものの,トラブルを抱えたままでの走行となり,最終的にはピットに入ってリタイアとなっています。トップのフェルスタッペンと2位のC.ルクレールの2台は,タイヤ交換をどちらも3回実施したりしながら走行を続け,フェルスタッペンをルクレールがレース中3回交わし,最終的に終盤にルクレールがトップに立っていました。ところが,スロットルが完全に元に戻らないというトラブルが発生してしまい,徐々に両者の差が縮まっていきました。しかし,追うフェルスタッペンも思うようにはペースが上げられず,最終的に1秒5近い差をつけてルクレールが今季3勝目を挙げました。3位には,前戦に続いてメルセデスAMGのL.ハミルトンが入っています。レースウィークを通してペースが上がらなかったアルファタウリ勢ですが,決勝レースもその傾向は変わらず,P.ガスリーが15位,角田裕毅は16位でチェッカーとなり,2レースあったこの大会ですが,2人ともノーポイントに終わっています。
2022/07/10(日)
◎完勝(F1)
○今季2度目となるスプリントレースが,ドライコンディションとなったレッドブル・リンクで行われました。決勝スタート前に2台のマシンがトラブルによりリタイアを喫するという波乱のスタートとなりましたが,ポールからスタートしたレッドブルのM.フェルスタッペンは,スタート直後こそバトルが展開されたものの,トップのままオープニングラップを終えました。それに対してフェラーリのC.ルクレールとC.サインツはオープニングラップからチーム内でのバトルを展開し,フェルスタッペンとの差が開くという展開になってしまいました。ポールからスタートしてトップに立ったフェルスタッペンは,その後も順調にトップの座を守り続け,一度も順位を下げることなくチェッカーを受け,完勝でスプリントレースを制しました。チーム内でのバトルをなったフェラーリは,ルクレールが徐々にサインツとの差を広げて行き,およそ4秒近い差をつけて2位でチェッカーを受けました。予選終了後にトラックリミット違反からグリッドが下がることになってしまったレッドブルのS.ペレスは,徐々に順位を上げていって5位でのチェッカーとなりました。アルファタウリ勢は,レース序盤にP.ガスリーが他車と接触するアクシデントに見舞われて順位を下げてしまいました。幸いなことにレースを続けることはできたものの,15位でチェッカーを受けています。角田裕毅は,ペースを上げることができずに順位を下げてしまい,最終的に17位でレースを終えています。
2022/07/09(土)
◎唯一(F1)
○第11戦オーストリアGPが,レッドブルのお膝元であるレッドブル・リンクで開幕しました。今回の大会は,第4戦エミリア・ロマーニャGP以来となるスプリントレースフォーマットで開催されるため,初日に予選が,2日目にスプリントレースが,そして最終日に決勝が行われることになります。雨予想があったレッドブル・リンクでしたが,ドライコンディションでの予選となりました。トップ10のグリッドを決めるQ3では,このところ徐々にいいリザルトが残るようになってきたメルセデスAMG勢に波乱が訪れ,別々の時間帯にアクシデントに見舞われ,セッションの中でそれぞれが赤旗の原因となってしまいました。そのような中で行われたQ3では,ファイナルアタックでまずフェラーリのC.ルクレールがトップタイムをマークして暫定ポールに立ちました。しかし,ランクトップでチームの地元の大会を迎えたレッドブルのM.フェルスタッペンが,そのルクレールのタイムを1000分の29秒上回る唯一1分4秒台に入るタイムをマークし,今季3回目となるポールを獲得しました。前戦の勝者であるフェラーリのC.サインツが,ポールのフェルスタッペンからわずか1000分の82秒差で3番グリッド獲得となっています。フェルスタッペンのチームメイトであるS.ペレスが4番手タイムで,今回もレッドブルとフェラーリがトップ4を占めています。前戦で同士討ちとなってしまったアルファタウリ勢は,大会前に原因となった角田裕毅がチームやP.ガスリーと話し合いを行って和解したようです。そのアルファタウリ勢はQ2での敗退となり,ガスリーが11番手,角田が14番手で予選を終えています。
※予選終了後,ペレスがQ2で自身の最速タイムを刻んだ際,トラックリミットを超えたという裁定が下り,このタイムが末梢となりました。彼自身がマークした2番目のタイムはQ2突破のタイムを上回っていなかったことから,Q2で敗退ということになり,Q3のタイムは全て抹消ということになりました。そのため,ペレスは13番手ということになり,当初予選5番手になっていたメルセデスAMGのG.ラッセルが4番手になり,予選13番手だったアルファロメオのV.ボッタスまで順位が1つ繰り上がることになりました。ということで,当初予選11番手だったガスリーはQ2をクリアしたことになり,今日行われる決勝レースは10番グリッドからのスタートとなります。
2022/07/08(金)
◎中・軽量級クラスにも(MotoGP)
○最高峰のMotoGPクラスには,新たな参入及び性能均衡化を促すための措置の1つとしてコンセッション(優遇措置)という制度があります。今シーズンはアプリリアのみがその対象となっていましたが,表彰台はもちろん,優勝さえも獲得するほど性能が高まり,2年間で6ポイントのコンセッションポイントに達成したため対象から外れることが既に決まっています。現在はMotoGPクラスのみに適応されているこの制度ですが,国際モーターサイクリズム(FIM)から7月6日(水)に発表があり,来季からMoto2,Moto3クラスにも適応することになりました。ただ,MotoGPクラスと違ってコンセッションの対象になるのは,マシンメーカーではなく,シャーシのコンストラクターということになります。現在各クラスが使用しているエンジンは,Moto2クラスはワンメーク,Moto3クラスはホンダとKTMのみという状況ですから,シャーシコンストラクターとすることは当然と言えます。今回の発表によると,コンセッションポイントは6とし,2年間の中で累積が6に達したコンストラクターがコンセッションの対象から外れることになります。そのポイントは,1位が3,2位が2,3位が1となっていて,まさにポイントに関してはMotoGPクラスと同じとなっています。対象となるシャーシを使用しているチームは,シーズンスタート前に3日間にわたる1回のオフィシャルテストと,7日間にわたるプライベートテストが許可されることになります。
2022/07/07(木)
◎2日連続(EWC)
○2日間にわたって行われた『2022FIM 世界耐久選手権第3戦“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第43回大会』の合同テスト最終日の走行が,大会の会場で,今回のテストの主催者でもある鈴鹿サーキットで行われました。初日は台風の影響で雨に見舞われる時間帯がありましたが,2日目は終日強い日差しがあるとても暑い中での走行となりました。ホンダワークスであるTeam HRCが初日に最速タイムを刻みましたが,2日目も同チームが初日と同じく2分6秒台に入るタイムをマークして2日連続しての最速となりました。2番手タイムをマークしたのは,ヤマハワークスであるYART-YAMAHA OFFICIAL TEAM EWCでした。例年8耐独自のチームを編成して参戦しているヤマハですが,今年はそうした体制を採らず,EWCにおけるヤマハワークスであるYART-YAMAHAが,そのまま8耐でもヤマハのエースチームとして参戦します。3番手タイムをマークしたのは,カワサキのエースチームであるKawasaki Racing Team Suzuka 8Hでした。YART-YAMAHAもKRTも,Team HRCと同様に2分6秒台に入っています。今回のテストは終了し,次の合同テストは8耐直前の8月2日(火)から2日間にわたって行われる予定です。
2022/07/06(水)
◎ドライでは(EWC)
○コロナ禍により2年連続して開催中止となったEWCの1つである『FIM世界耐久選手権シリーズ“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第43回大会』は,3年ぶりに今季は開催される予定で,6月からチケットも販売中です。また,エントラントの方も着々と体制が組まれています。そのような中,会場である鈴鹿サーキットが主催する合同テストが開催され,その初日の走行が行われました。この日は日中に3回のセッションが行われ,さらにナイトセッションも設定されていました。折からの台風の影響により,1回目のセッションはウェットでの走行となりましたが,2回目からは曇り空ながらドライコンディションでの走行となりました。何せ出走台数の多い8耐ですから,それぞれのセッションでの走行は,A,Bの2つの組に分かれての走行となりました。ドライコンディションでの走行となったセッション2とセッション3では,ホンダワークスとして参戦するTeam HRCが最速タイムを刻み,特にセッション2では,唯一2分6秒台のタイムを刻んでいます。また,2番手タイムも同チームでした。ただ,今回は高橋巧&I.レクオナ&長島哲太の体制で臨む同チームですが,ライダー毎にタイムが記録されるわけではなく,チームとしてタイムが記録されますので,どのライダーの時にそのタイムが出たのかは,正式には分かりません。ナイトセッションで最速だったのは,この大会の大本命であるKawasaki Racing Team Suzuka 8Hでした。同チームは,この日J.レイとA.ロウズの2人が走行し,この夜間セッションでHRCと並ぶ2分6秒台に入れています。
2022/07/05(火)
◎チームメイト以外にも(F1)
○第10戦イギリスGPの決勝レースは,スタート直後に多重クラッシュが発生し,もしHALOという安全デバイスがなかったら,マシンが逆さまになったままコースを滑っていってバリアを超え,最終的にフェンスで止まるという大事故に巻き込まれたアルファロメオの周冠宇の身がどうなったのか分かりませんでした。そうした大荒れの展開となったこのレースでは,アルファタウリの角田裕毅とP.ガスリーが接触してしまうという同士討ちのアクシデントも発生してしまいました。どうやらウェットを主体としたセッティングのガスリーに対し,角田はドライ用セッティングを施していて,ドライレースとなった決勝では角田の方がペースがよく,そのため角田がガスリーをパスしようとした際に接触してしまったようです。どちらもトップ10圏内を走行している中での同士討ちでしたから,原因となった角田の走行はドライバーにとってもチームにとっても痛すぎるミスになりました。ところが,レース後に分かったことがあり,この角田のミスは,チームだけでなく,兄弟チームであるレッドブルにも影響を与えたようなのです。アルファタウリの同士討ちがあったとき,レッドブルのM.フェルスタッペンはフェラーリのC.サインツとトップ争いを演じていました。サインツを交わしてトップに立ったフェルスタッペンでしたが,同士討ちのあとにたまたまフェルスタッペンが走行し,その後マシンに不調を感じたフェルスタッペンは,パンクしたのではないかとチームに伝えました。緊急ピットインしてタイヤを交換しましたが,それでもマシンの不調は収まりませんでした。思うようにペースを上げられないフェルスタッペンは,最終的に7位でゴールし,何とかポイント圏内でのチェッカーとなりました。レース後にマシンをチェックすると,同士討ちのあとにそこを通過した際,アルファタウリのマシンから脱落したフロントウィングのエンドプレートがレッドブルのマシンのそこに入り込んでしまい,それがフロアに大きな損傷を与えたということでした。何とかポイント圏内でのフィニッシュでしたから,幸いなことにタイトル争いに大きな影響を与えるほどではありませんでした。とはいえ,チーム及び系列チームに影響を与えた今回のアクシデントは,結構痛いものであったことは確かでしょう。
2022/07/04(月)
◎初優勝(F1)
○第10戦イギリスGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったシルバーストーン・サーキットで行われました。ポールからスタートしたのはフェラーリのC.サインツでしたが,2番グリッドからスタートしたレッドブルのM.フェルスタッペンが好スタートを切ってトップに立ちました。ところが,そのオープニングラップで多重クラッシュが発生してしまい,赤旗は提示されてレースはスタートからやり直しとなりました。このクラッシュでは,アルファロメオの周冠宇が逆さまになった状態でバリアを超えてフェンスにぶつかるという大きな事故となりましたが,どうやら深刻な状態には至っていないようです。修復など約1時間にわたる中断の後レース再スタート。ここではサインツがトップの座を守りました。オープニングラップで事故が発生するという波乱が起きたこのレースは,その後もアクシデントによりセーフティーカーが出たり,ランクトップを行くフェルスタッペンがコース上にあるデブリによりスローパンクチャーに見舞われたりといった波乱の展開となりました。そのような中,チームの指示があったこともあって順位を下げたサインツでしたが,タイヤ交換のタイミングがよかったりして再びトップに返り咲き,前日151戦にして初のポールを獲得したのに続き,この日は同じく151戦目にして初の勝利を収めました。当然ポールトゥーウィンも自身初となります。2位にレッドブルのS.ペレス,3位に母国GPに燃えるメルセデスAMGのL.ハミルトンが入っています。パンクだけでなく,フロアにダメージを受けていたフェルスタッペンは,7位でチェッカーとなっています。初日からペースを上げることができていなかったアルファタウリ勢は,決勝レースでも速いペースを刻むことができず,混乱の中と婦10圏内を走行することもありましたが,最終的に角田裕毅は14位でチェッカーを受け,P.ガスリーはリタイアに終わっています。
2022/07/03(日)
◎初ポール(F1)
○第10戦イギリスGPの予選が,ウェットコンディションでの走行となったシルバーストーン・サーキットで行われました。前日ドライでの走行で総合トップタイムをマークしたフェラーリのC.サインツと,総合2番手タイムだったレッドブルのM.フェルスタッペンとのポール争いとなりました。ラストアタックでまずフェルスタッペンがトップタイムをマークし,Q1,Q2とトップタイムだっただけにそのままポールかと思われましたが,サインツがラストアタックで唯一1分41秒を切るタイムをマークし,何と参戦151戦目で自身初となるポールを獲得しました。サインツとフェルスタッペンとの差は,わずか1000分の72秒でした。サインツのチームメイトであるC.ルクレールが3番手,フェルスタッペンのチームメイトであるS.ペレスが4番手と,フェラーリとレッドブルがトップ4を占めています。このサーキットとの相性がよくないアルファタウリですが,何とかQ1は2台共通過することができました。しかし,Q2では敗退となり,ガスリーが11番手,角田裕毅が13番手で予選を終えています。
2022/07/02(土)
◎唯一&母国GP(F1)
○第10戦イギリスGPが不安定な天候となったシルバーストーン・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。日本と同様にヨーロッパも暑い日が続いたりしていますが,この日のイギリスは雨の影響があって肌寒い天候となりました。しかも,フリー走行1が始まる頃に激しい雨に見舞われ,そのフリー走行1は半分ほどのドライバーしか走行しませんでした。その後天候が回復していき,2回目のフリー走行は完全なドライ走行へと変わりました。その走行でトップタイムをマークしたのはフェラーリのC.サインツで,唯一1分29秒を切るタイムでした。2番手タイムをマークしたのは,今回が母国GPとなるメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。激しい上下動が起こる『ポーパシング』に苦しめられている今季型のマシンに乗っているハミルトンですが,今回もその現象に変わりはなかったものの,母国の声援を受ける中での2番手タイムでした。3番手タイムは,ハミルトンと同じくここが母国GPとなるマクラーレンのL.ノリスでした。ランクトップを行くレッドブルのM.フェルスタッペンは4番手タイムで,チームメイトのS.ペレスは7番手タイムでした。アルファタウリ勢は奮わず,角田裕毅が16番手,P.ガスリーが18番手タイムで初日を終えています。
2022/07/01(金)
◎残留(F1)
○ちょっと前になりますが,6月24日(金)にスクーデリア・アルファタウリから発表があり,今季で契約が切れるP.ガスリーが,来季も同チームに残留することが決定しました。2017年に同チームの前身であるトロロッソからF1にフル参戦を開始したガスリーは,2019年シーズンにレッドブルに昇格を果たしました。ところが,その年のサマーブレイク明けに再びトロロッソに移籍する,つまり降格処分が下され,現在に至っています。一度レッドブルに所属した経歴のあるガスリーですから,常にレッドブル復帰を目指して活動してきました。しかし,ここまでその願いが叶っていませんでした。今季はM.フェルスタッペンとS.ペレスのペアでシーズンに臨んでいるレッドブルですが,フェルスタッペンはレッドブルと長期契約を結んでいます。ペレスに関しては,今年契約が切れることになっていますので,ペレスの契約延長があるのか,ガスリーの復帰があるのか注目となっていましたし,そして,先日このサイトでもお伝えしたように,ペレスの2年間契約延長が決まり,少なくとも2024年シーズンが終了するまではガスリーのレッドブル復帰という線は消えました。そのため,ガスリーがレッドブルから離脱し,他チームへの移籍の線が浮上していました。そうした状況の中,チームから今回の発表があったわけです。
 

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