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最新ニュース

2022/06/30(木)
◎契約延長(SBK)
○今シーズンのドゥカティは,MotoGPにおいてランクトップの座はモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロに現段階で譲っているものの,11戦中6戦においてドゥカティ勢が勝利を収めています。ドゥカティの好調さはレース専用車で争われているMotoGPだけでなく,市販車ベースで争われているSBKでも現れています。SBKにおいて現在ランクトップに立っているのは,今シーズンから所属しているAruba.it レーシング-ドゥカティのA.バウティスタです。そのバウティスタに関して昨日ドゥカティから発表があり,バウティスタとドゥカティの間で契約が成立し,来季もドゥカティからフル参戦することになりました。今回契約が成立したバウティスタは,2010年から2018年までMotoGPにフル参戦していました。MotoGPでのシートを失ったバウティスタは,その翌年Aruba.it レーシング-ドゥカティに所属してSBKに戦いの舞台を移すことになりました。2020年からはホンダに移籍し,Team HRCに所属して2シーズンにわたってホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SPを駆って戦いました。しかし,フルモデルチェンジ直後によるマシンの戦闘力不足もあって,3位表彰台を獲得するのがやっとで,チャンピオン争いからほど遠いところでのレースとなりました。そして,今シーズン再びAruba.it レーシング-ドゥカティに復帰し,ここまで6勝を含む12回の表彰台に立ってランクトップを行っています。そうした状況ですから,今回の契約延長は当然のものといえるでしょうね。
2022/06/29(水)
◎体制決定(MotoGP)
○第11戦アッセンTTの決勝レースが行われた6月26日(日)に,ドゥカティのサテライトの1つであるグレシーニ・レーシングから来季の体制について発表がありました。今シーズンはE.バスティアニーニ&F.ディ.ジャンアントニオの体制で臨んでいる同チームですが,既にジャンアントニオについては契約延長が決まっていました。バスティアニーニに関しては,まだ具体的なことは決まっていませんが,ドゥカティワークスかドゥカティのサテライトの中ではNo.1であるプラマック・レーシングへの移籍が決定的ですので,バスティアニーニが抜けるシートが空くことは確定的です。そして今回の発表でそのシートに座ることになるライダーが発表となり,そこには今季もLCRホンダ・カストロールからフル参戦しているA.マルケスが座ることになりました。2019年にMoto2クラスでタイトルを獲得したマルケスは,その翌年ホンダのワークスであるレプソル・ホンダ・チームに所属してMotoGPクラスに昇格しました。チームメイトは実兄であるM.マルケスで,マルケス兄弟によるホンダワークスとなりました。ところが,その年のマルケスは重傷を負ってしまってシーズンをほぼ棒に振ることになり,兄弟二人が活躍するシーズンとはなりませんでした。レプソル・ホンダ・チームには1年所属しただけで,2021年シーズンから現在のLCRホンダ・カストロールに所属しています。今シーズンのマルケスは,ホンダのワークスマシンであるRC211Vの戦闘力不足もあってポイント獲得がようやくというような状態で,チーム離脱がほぼ確実視される状況となっていました。来季の去就が噂されていたマルケスですが,そこで浮上していたのがグレシーニ・レーシングで,今回の発表によりその噂が現実のものとなった形になっています。MotoGPクラスに昇格以来ホンダのマシンを駆ってきたマルケスですが,来季からドゥカティのデスモセディチを駆ることになり,乗り換えがうまくいくか気になるところです。ただ,年々戦闘力がアップしてきたのがデスモセディチで,今やMotoGPクラスで最も戦闘力が高く,安定したマシンであることも確かですので,現在のようなRC211Vに乗るよりはいい結果が残せる可能性が高いのかもしれませんね。
2022/06/28(火)
◎独占(WRC)
○6月26日(日)に,伝統の第6戦『サファリ・ラリー』最終日の走行が行われました。今回の大会は,天候不良もあって路面コンディションが悪く,多くのドライバーがトラブルに見舞われてしまいました。そのような中,ランクトップでこの大会を迎えたトヨタGRヤリス・ラリー1を駆るK.ロバンペラは,初日こそアクシデントにより順位を落としていましたが,2日目にトップに立つと確実に2位以下との差を広げて行き,最終的に2位に50秒以上の大差をつけて今季4勝目を挙げました。3日目に2位に順位を上げたロバンペラのチームメイトであるE.エバンスは,ロバンペラとの差を縮めるべくペースを下げましたが,午後の走行でウォッシャーにトラブルが生じてしまい,十分な視界が確保できなくなったためペースダウンを強いられました。最終的にトップに大きく差をつけられてしまいましたが,逆に3位に50秒以上の大差をつけて2位フィニッシュを果たしました。2日目までは2位につけていたトヨタGRヤリス・ラリー1を駆る勝田貴元でしたが,エバンスに上回られて3位に順位を下げました。しかし,昨年は2位に入っている験のいいこの大会だけに,その後は順位を下げることなく走り抜け,見事3位でフィニッシュを果たして2年連続表彰台獲得となりました。この結果,前戦では苦労したトヨタ勢でしたが,ここでは表彰台を独占という好結果となりました。さらに,4位にスポット参戦のS.オジエが入っていますので,1993年以来29年ぶりの4位まで独占となっています。
2022/06/27(月)
◎ポールトゥーウィン&初優勝(MotoGP)
○サマーブレイク前最後の大会となる第11戦アッセンTTの決勝レースが,この日もドライコンディションとなったTTサーキット・アッセンで行われました。
MotoGPクラスは,ポールからスタートしたドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが,ホールショットを決めてトップに立つと,終盤こそ2位との差が詰まっていきましたが,単独走行でトップチェッカーを受け,今季3勝目を挙げました。4番グリッドからスタートしたムーニーVR46レーシング・チームのM.ベツェッキは,徐々にバグナイアとの差を詰めていき,自己最高位となる2位に入りました。昨シーズン途中でヤマハからアプリリアに移籍したM.ビニャーレスは,このサーキットを得意としていて,しかも徐々に戦闘力の高いアプリリアのマシンに慣れてきたこともあって,復活となる3位表彰台を獲得しました。もちろん,アプリリアに所属してからは初の表彰台獲得となります。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,トップ10圏内を走行していましたが,トラックリミットを超えたことからロングラップペナルティーが科されてしまい,最終的に12位でチェッカーを受けました。それでもホンダ勢としては最高位となります。
Moto2クラスは,大きな集団から徐々に絞られていくという展開となっていき,最終的に17周目にトップに立ったレッドブルKTMアジョのA.フェルナンデスがその座を守って逃げ切り,前戦に続いてトップチェッカーを受け,今季3勝目を挙げています。4番グリッドからスタートしたイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,3周目にハイサイドに見舞われてしまいました。17位まで順位を下げてしまいましたが,転倒は何とか免れ,その後徐々に順位を回復していきました。後半に強さを発揮する力がある小椋は,トップには追いつくことができなかったものの,2位まで順位を上げてチェッカーを受けました。ランキング争いではフェルナンデスに抜かれて3位に順位を下げたものの,ランクトップを行くC.ビエッティとフェルナンデスとのポイント差はわずか1となっています。3位には,小椋からおよそ100分の6秒差でインデ・ガスガス・アスパー・チームのJ.ディクソンが入っています。
Moto3クラスは,このところ好調な走りを見せてきている日本勢が速さを見せました。いつものように複数台によるトップ争いとなる中,ポールからスタートしたステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢は,ファイナルラップに入るまで抜きつ抜かれつのレースを展開していき,トップに立ってからはそのまま逃げ切り,キャリア通算95戦目にして初めての優勝を飾りました。ホールショットを決めてトップに立ったガスガス・アスパー・チームのI.グエバラでしたが,終盤トップに立った佐々木を交わすことができず,およそコンマ3秒遅れで2位となりました。3位にS.ガルシアが入り,ガスガス・アスパー・チーム勢が表彰台の内2つを占めています。2番グリッドからスタートしたレオパード・レーシングの鈴木竜生は,ファイナルラップまでトップ争いに加わったものの,3位のガルシアから1000分の7秒という僅差で4位となっています。初日にトップ10圏内に入っていたMTヘルメッツMSIの山中琉聖は,決勝レースで再び速いタイムを刻み,8位でチェッカーを受けています。レースウィークに入って上位に顔を出すことができていなかったCIPグリーン・パワーの鳥羽海渡ですが,決勝では速さを取り戻し,20番グリッドからスタートして10位まで順位を上げています。ホンダ・チーム・アジアの古里太陽は,ロングラップペナルティーを受けたこともあって,21位でレースを終えています。

◎初優勝(JRR)
○第5戦の決勝レースが,6月にもかかわらず30度を超える筑波サーキットで行われました。今回は,J-GP3クラスのみの開催となっています。ポールからスタートしたP.MU 7C GALESPEEDの尾野弘樹は,ホールショットを奪ってトップの座を守りました。しかし,4周目に入ってTeam Plusoneの上原大輝が尾野を交わしてトップに立ちました。その後も集団で走行していきましたが,中盤に入ると上位2人に上原のチームメイトである木内尚汰の3人が集団から抜け出してトップ3を形成しました。その後上原が徐々に2人との差をつけていって尾野と木内の2位争いとなりました。そのままの順でファイナルラップに入り,木内が尾野を交わすべくアタックをしていたときにアジアコーナーの立ち上がりで転倒があってマシンがコース上に残ってしまったため,そこで赤旗が提示されてレース成立となってしまいました。上原にとって初の優勝とはなりましたが,残念ながら赤旗でレースが成立したためにチェッカーを受けないままの優勝になってしまいました。
2022/06/26(日)
◎2戦連続&ワンツー(MotoGP)
○第11戦アッセンTTの予選が,不安定な天候となった前日とは違い,ドライコンディションでの走行となったTTサーキット・アッセンで行われました。
MotoGPクラスは,前戦でポールを獲得したドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが,これまでのレコードをおよそコンマ3秒更新する圧倒的な速さを見せて2戦連続,今季4度目となるポールを獲得しました。前戦の勝者であるモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロも従来のレコードを更新する走りを見せたのです,バグナイアのタイムが圧倒的だっただけに,およそコンマ1秒遅れの2番手タイムとなっています。3番手タイムは,もしかしたらワークスへの昇格かという来季の去就が気になるプラマック・レーシングのJ.マルティンでした。直接Q2に進出を果たしていたLCRホンダ・イデミツの中上貴晶ですが,他のライダーがタイムアップを果たしていく中,思うようにタイムを上げることができず,残念ながらQ2では最下位となる12番手タイムで予選を終えています。とはいえ,やはりホンダ勢としてはトップの予選となっています。
Moto2クラスは,インデ・ガスガス・アスパー・チーム勢のポール争いとなり,J.ディクソンがA.アレナスにわずか1000分の11秒差をつけて今季3度目となるポールを獲得しました。トップ4はトップ2だけでなく,トップ4までが僅差の争いとなり,3番手タイムとなったエルフ・マークVDSレーシング・チームのS.ロウズがトップから1000分の31秒差,4番手タイムとなったイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍が同1000分の51秒差でした。
Moto3クラスは,初日に続いて日本人ライダー勢が速さを見せる結果となりました。まず速さを見せたのはレオパード・レーシングの鈴木竜生で,ファーストアタックで好タイムをマークして暫定トップに立ちました。ラストアタックでさらにタイムを更新するか注目となりましたが,惜しくも転倒を喫してタイムアップを果たすことができませんでした。それに対してステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢がそのラストアタックで速さを見せ,鈴木を1000分の66秒更新するタイムをマークし,開幕戦以来となる今季2度目のポールを獲得しました。日本人ライダーによる予選ワンツーフィニッシュは,2020年7月に行われた第3戦アンダルシアGPで鈴木竜生と小椋藍がマークして以来となります。ここまで2戦連続してフロントローを獲得しているガスガス・アスパー・チームのI.グエバラが,3番手タイムをマークして今回もフロントローからのスタートとなりました。他のフル参戦日本人ライダー勢は,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が13番手,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が20番手,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽が26番手で予選を終えています。
2022/06/25(土)
◎2戦連続(MotoGP)
○サマーブレイク前に2週連続開催となるMotoGPですが,その2つ目のレースである第11戦アッセンTTが開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。
この日のTTサーキット・アッセンは,ウェットから徐々にドライへと変わる不安定なコンディションとなりました。そのような中,前戦で初日総合トップに立ったドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが,この日も速さを見せ,2戦連続となる初日総合トップタイムをマークしました。前戦を独走で制したモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロが,トップからおよそコンマ3秒遅れで総合2番手タイムでした。手首骨折の影響から,前戦は途中で参戦をとりやめたチーム・スズキ・エクスターのA.リンスですが,その影響が残る中,クアルタラロからわずか1000分の32秒遅れで総合3番手タイムをマークしています。なお,そのリンスに関して,どうやら来季はLCRホンダへの移籍が確実視されているようです。リンスのチームメイトであるJ.ミルは,総合5番手タイムで初日を終えていますが,そのミルに関しては,レプソル・ホンダ・チームへの移籍が確実視されているようで,チームこそ違え,どちらも来季はスズキからホンダへの乗り換えとなりそうな流れになってきています。来季の去就が不安定な状況にあるLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,前戦に続いて今回も初日ホンダ勢トップながら,初日を11番手で終えています。前戦で40年ぶりにノーポイントに終わるという深刻な状況にあるホンダですが,今回も不安な船出になっていますね。そのような乗りにくくて戦闘力不足のマシンを託されている今季のホンダライダーは,M.マルケス以外全員今季で契約が切れる状況にありますので,中上を含め不本意なシーズンの中での契約交渉になっていて,ある意味気の毒な状況と言えますね。
Moto2クラスは,イタルトランス・レーシング・チームのJ.ロバーツがトップタイムをマークし,昨年の第3戦ポルトガルGP以来となる初日総合トップに立ちました。レッドブルKTMアジョのA.フェルナンデスが,インデ・ガスガス・アスパー・チームのA.アレナスに100分の4秒という僅差をつけて初日総合2番手でした。前戦は思うような走りを展開できなかったイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,総合4番手タイムで初日を終えています。
Moto3クラスは,出走最低年齢に関するレギュレーションのため,16歳になって第8戦イタリアGPからフル参戦を開始したボエ・モータースポーツのD.ムニョスが,自身初めての初日総合トップに立ちました。前戦で初日に好調な走りを見せたフル参戦日本人ライダー勢ですが,この日も速さを見せ,レオパード・レーシングの鈴木竜生とMTヘルメッツMSIの山中琉聖が,それぞれ総合2,3番手につけています。全戦を4位で終えて惜しくも表彰台獲得がならなかったステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢は,この日やや出遅れて総合15番手で初日を終えています。ホンダ・チーム・アジアの古里太陽とCIPグリーン・パワーの鳥羽海渡は,それぞれ27番手,最下位の30番手と大きく出遅れた初日となりました。
2022/06/24(金)
◎ご褒美のみ(MotoGP)
○6月21日(火)モーターランド・アラゴンにおいて,ヤマハがMotoGPマシンであるYZR-M1のテスト走行を行いました。このテストには,昨年SBKにおいてタイトルを獲得したT.ラズガットリオグルが参加しました。彼の参加は,そのタイトル獲得のご褒美の意味がありました。ただ,当初はご褒美という意味だけでなく,MotoGPフル参戦へのテストも兼ねるものだと言われていました。とはいえ,来季ヤマハのワークスチームであるモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPは,当初から今季と同じくF.クアルタラロ&F.モルビデリの体制で臨むことが確実視されていました(その後,体制維持が確定しています。)ので,MotoGPに転身する場合,ヤマハのサテライトであるウィズユー・ヤマハ RNF MotoGPチームからの参戦という形を採るとみられていました。ところが,何とそのRNFがヤマハと袂を分かち,来季からアプリリアのサテライトとして参戦することが決まりました。そのため,来季のヤマハは,(スズキが噂通りMotoGPから撤退する場合)唯一サテライトを持たないメーカーということになります。そうしたことから,今回行われたテスト走行は,実質的に「ご褒美」という側面だけでのものとなってしまっています。なお,今回のテストにはヤマハのテストライダーを務めているC.クラッチローも参加していて,ラズガットリオグルはそのクラッチローのアドバイスを受けながら走行したようです。ただ,午後から雨に見舞われてしまったため,走行は午前中だけということになり,残念ながら当初の予定より短い走行で終了しています。
2022/06/23(木)
◎欠場(MotoGP)
○レッドブルKTMアジョから発表があり,同チームからMoto2クラスにフル参戦しているP.アコスタが,トレーニング中に左大腿骨を骨折したため,昨日手術を行ったことを明らかにしました。今回大怪我を負ったアコスタは,昨シーズンMoto3クラスに同チームからフル参戦し,ルーキーイヤーでいきなりチャンピオンを獲得するという偉業を成し遂げました。今シーズンは早くもMoto2クラスにステップアップを果たし,活躍が期待されていました。しかし,さすがに乗り換えに苦労したのか,シーズン始まった当初は,なかなか結果が現れていませんでした。とはいえ,元々高いポテンシャルを持っていますので,回を重ねる毎に速さを見せるようになってきていて,第8戦イタリアGPでは見事に初優勝を達成し,前戦ドイツGPでは,2位表彰台を獲得しています。というようにいい流れに乗ってきていたのですが,ここで一旦その流れが止まる可能性が出てくる事態に発展してしまいました。今回の発表では復帰について明らかにされていませんが,今週末に行われる第11戦オランダGPについては欠場となります。幸いにもその後はおよそ1ヶ月半にわたる長いサマーブレイクに入りますので,その間にかなり回復できることが期待されます。とはいえ,大腿骨となると通常ではそう簡単には治りませんから,悪くすると後半戦に入ってもしばらくは欠場が続くことになるのかもしれません。とはいえ,アスリートの回復力は驚異的ですし,医師団の技術も高いと思われますので,通常よりは回復が早いことが期待されます。
2022/06/22(水)
◎エントリーリスト(EWC)
○昨日,ホンダモビリティランド株式会社から8月7日(日)に決勝レースが行われる予定である『2022 FIM世界耐久選手権(EWC)“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第43回大会』の暫定版のエントリーリストが発表されました。コロナ禍により3年ぶりの開催となるこの大会は,当初出場権行使チームが35,主催者推薦チームが3,8耐トライアウトが5の計43チームが決定していました。しかし,その中でTeam KAGAYAMAを含めた合計3チームがエントリーを辞退して40チームとなりました。その40チームに,EWCにフルエントリーしているYoshimura SERT Motul,F.C.C. TSR Honda France,そしてYART-YAMAHA OFFICIALを含めた7チームがエントリーし,全部で47チームが参戦することになりました。その中で,ホンダのワークスであるTeam HRCとカワサキのワークスであるKawasaki Racing Team Suzuka 8Hについてはこのサイトでもお伝えしていますが,ヤマハとスズキについてはこれまで触れていませんでしたので,今回の発表に併せてお伝えします。まずヤマハですが,これまでの8耐では,ヤマハもこの大会に合わせて独自のワークスチームをエントリーさせてきました。その代表的なライダーとしては,かつての平忠彦や現在の中須賀克行が挙げられるでしょう。しかし,今年の大会については,独自のチームはエントリーせず,EWCにおけるヤマハのワークスであるYART-YAMAHA OFFICIAL TEAM EWCをそのままエースチームとしてエントリーしています。もちろんライダーは同チームのレギュラーライダーであるM.フリッツ&N.カネパ&K.ハニカとなります。スズキについては,これまでヨシムラがワークスの役割を果たしていましたが,そのヨシムラは,現在EWCにおけるスズキのワークス的立場にあったSERTとタッグを組んでYoshimura SERT Motulとしてフル参戦していて,今大会も同チームがワークスとなります。ヤマハと同じような形ではありますが,大きな違いはライダーについてで,YARTはレギュラーライダーのままですが,Yoshimura SERTについては,S.シメオンとS.ギュントーリの2人はそのままですが,G.ブラックに代えて今季JRRのJSB1000クラスで活躍し,スズキのテストライダーも務めている渡辺一樹を起用することになっています。
2022/06/21(火)
◎新たな組み合わせで(EWC)
○3年ぶりにEWCシリーズの一戦である鈴鹿8耐が開催される予定になっていますが,既に色々なチームが今シーズンの体制について発表を行っています。その中で注目となるのが何といってもワークスチームの体制です。その点に関して,昨日ホンダが今年の体制について発表を行いました。それによると,今回は『Team HRC』としてI.レクオナ&高橋巧&長島哲太の3人体制で臨むことになりました。まずレクオナについてですが,昨シーズンまでMotoGPクラスにフル参戦していて,今シーズンから戦いの場をSBKに移し,ホンダワークスである『Team HRC』からフル参戦しています。第2戦ダッチTTにおいては,レース2で3位表彰台を獲得する活躍を見せました。2人目の高橋ですが,ご存知のようにこれまでに8耐を3度制していて,今回の3人の中では8耐を知り尽くしている大黒柱的存在となります。今年は昨年に続いてBSBにおけるホンダワークスである『Honda Racing UK』からフル参戦していて,残念ながらポイント獲得がようやくというような状況です。それだけに,8耐には期するものがあると思われます。3人目の長島は,昨シーズンまでMoto2クラスにフル参戦していて,今年からHRCのテストライダーを務めています。3人が駆るのは,もちろんCBR1000RR-R FIREBLADE SPをベースとしたワークス仕様のマシンとなります。この3人が所属するチームは8耐限定ですが,もちろんEWCにフル参戦しているホンダ系のチームも参戦します。その中で中心となるのは,J.フック&G.レイ&M.ディ.メリオの3人でフル参戦している『F.C.C. TSR Honda France』です。同チームは,現段階でEWCでランク2位につけていて,シリーズチャンピオン獲得には8耐で上位に食い込むことが重要となります。JRRで活動しているSDG Honda Racingもホンダからの支援を受ける形になりますが,同チームは名越哲平と榎戸育寛に,今季からスペインスーパーバイク選手権(ESBK)にホンダのマシンを駆って参戦している浦本修充を加えた3人体制となります。以前は常に優勝候補No.1であったホンダですが,近年は8年間優勝できていない状況にあります。果たしてかつての栄光を取り戻すことができるのか,要注目となります。
2022/06/20(月)
◎今回も(MotoGP)
○第10戦ドイツGPの決勝レースが,レースウィークを通して暑さに見舞われたザクセンリンクで行われました。
MotoGPクラスは,2番グリッドから好スタートを切ってホールショットを奪ったモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロが,彼を追う可能性が最も高かったドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが転倒リタイアに終わったこともあってか,一度もトップの座を譲ることなく最後まで走り抜き,前戦に続いて独走で連勝を飾りました。2位には,こちらも単独走行でプラマック・レーシングのJ.ザルコが入り,メーカーこそ違うものの,フランス人ライダーがワンツーフィニッシュを飾っています。アプリリア・レーシングのA.エスパルガロとドゥカティ・レノボ・チームのJ.ミラーとの3位争いとなりましたが,3位を走行していたエスパルガロが,終盤に入ってオーバーランをしてしまい,ロングラップペナルティーから追い上げを見せていたミラーが3位に浮上してそのまま逃げ切りました。今回は完走16台というサバイバルレースとなりましたが,LCRホンダ・イデミツの中上貴晶もリタイアした中の一人になってしまっています。
Moto2クラスは,3番グリッドからスタートしたレッドブルKTMアジョのA.フェルナンデスが,2位に7秒以上の大差をつける独走で第7戦フランスGP以来の勝利となる今季2勝目を挙げました。2位にP.アコスタが入り,レッドブルKTMアジョのワンツーフィニッシュとなりました。ポールからスタートしたエルフ・マークVDSレーシング・チームのS.ロウズは,アコスタからおよそコンマ1秒遅れで3位に入り,開幕戦以来となる表彰台を獲得しています。レースウィークを通して上位争いに顔を出すことができていなかったイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,14番グリッドからスタートして徐々に順位を上げていき,最終的に8位でチェッカーを受けています。
Moto3クラスは,ポールからスタートしたガスガス・アスパー・チームのI.グエバラが,ホールショットを奪うと後続との差を広げて行き,このクラスとしては珍しく独走態勢に持ち込んで前戦に続いて勝利を収めました。ここまで2戦連続転倒リタイアに終わっているレオパード・レーシングのD.フォッジアは,流れを取り戻すかのような走りを展開し,2位でチェッカーを受けて第4戦アメリカズGP以来となる表彰台を獲得しています。グエバラのチームメイトであるS.ガルシアは,チームメイトからは5秒弱遅れたものの,3位に入って2戦ぶり6度目の表彰台となりました。今大会で好調だった日本人ライダー勢ですが,残念ながら表彰台獲得とはなりませんでしたが,ステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢が4位,レオパード・レーシングの鈴木竜生が5位に入って次戦につなげる走りを見せています。ホンダ・チーム・アジアの古里太陽は17位でチェッカーとなり,惜しくもポイント獲得とはなりませんでした。CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡は,ジャンプスタートをしてしまって2度のロングラップペナルティー科されて20位でのチェッカーに終わっています。

◎一騎打ち(F1)
○第9戦カナダGPの決勝レースが,好天に恵まれたジル−ビルヌーブ・サーキットで行われました。ポールからスタートしたレッドブルのM.フェルスタッペンは,順調なスタートを切って1位の座を守りました。3番グリッドからスタートしたフェラーリのC.サインツは,スタート時こそその順位のままでしたが,3周目に前を行くアルピーヌのF.アロンソを交わして2位に浮上し,前を行くフェルスタッペンを追っていきました。ピットインのタイミングのズレで順位に入替えがありましたが,それが落ち着くとフェルスタッペンとサインツとのトップ争いに戻りました。両者の差はさほど広がらないままで,3位以下との差は広がっていって2人によるバトルは最後まで続きました。激しく追い立てるサインツでしたが,フェルスタッペンを交わすまでは行かず,最後は1秒弱の差でフェルスタッペンがトップチェッカーを受け,今季6勝目を挙げました。3位には,こちらも単独走行でメルセデスAMGのL.ハミルトンが入っています。レッドブルのS.ペレスは,マシントラブルによりレース序盤でリタイアとなっています。アルファタウリ勢は,レースウィークを通してペースが上がらなかったP.ガスリーは14位でノーポイントに終わりました。パワーユニット交換のペナルティーにより最後尾からのスタートとなった角田裕毅は,順位を徐々に上げてポイント圏内までいったのですが,48周目に2回目のピットインを終えた直後のターン2でバリアに突っ込んでしまってリタイアに終わっています。

◎初優勝&ジンクス(SF)
○第5戦の決勝レースが,一時的に雨に見舞われてしまったものの,ドライコンディションとなったスポーツランドSUGOで行われました。2番グリッドからスタートしたKONDO RACINGのS.フェネストラズは,好スタートを切ってホールショットを奪うと,順調にトップの座を守っていきました。ピットインのタイミングのズレで順位を一時的に下げたフェネストラズでしたが,タイヤ交換が一段落すると再びトップに返り咲き,嬉しい自身初優勝を飾っています。5番グリッドからスタートしたTCS NAKAJIMA RACINGの大湯都史樹は,好スタートを切って3位まで浮上しました。4戦連続となるポールからスタートしたTEAM MUGENの野尻智紀は,フェネストラズに先行され,スタートで順位を上げてきた大湯と3位争いとなりました。予選では速さを見せるものの,決勝ではポジションを下げてしまうという変なジンクスが生まれている野尻は,何と今回もそのジンクスにはまってしまい,大湯の先行を許して3位でのチェッカーとなりました。2位に入った大湯にとっては,今季初の表彰台獲得となっています。
2022/06/19(日)
◎唯一&独占(MotoGP)
○第10戦ドイツGPの予選が,路面温度が50度を超える暑さになったザクセンリンクで行われました。
MotoGPクラスは,フリー走行でトップタイムをマークしていたドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが,唯一1分19秒台に入る速さを見せて今季3度目となるポールを獲得しました。前日のフリー走行ではトップ3に入ることができなかったランクトップを行くモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロでしたが,FP4ではトップタイムをマークして着々と決勝に向けて準備をしていましたが,予選でもバグナイアには及ばなかったものの,2番手タイムをマークしてフロントローからの決勝スタートを決めています。昨年この大会でポールを獲得しているプラマック・レーシングのJ.ザルコは,ラストアタックできっちりと結果を残して3番手タイムをマークし,今季3度目となるフロントローを獲得しています。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,Q2からの出走となりましたが,ラストアタックで転倒を喫してしまい,タイムアップがならず9番グリッド獲得となりました。気になるのが体調で,前戦で痛めていた右肩を今回の転倒でさらに痛めたようで,ピットの中で肩を押さえながら苦痛の表情を浮かべていました。果たして決勝レースが走行できるのか,できたとしても走りに影響が出ないのかとても心配です。
Moto2クラスは,2番手にコンマ2秒以上の差をつける走りを見せ,エルフ・マークVDSレーシング・チームのS.ロウズが今季自身初となるポールを獲得しました。ガスガス・アスパー・チームA.アレナスが2番手タイムをマークし,このクラスの予選における自身最高位を獲得しています。レッドブルKTMアジョのA.フェルナンデスが3番手タイムをマークし,今季4度目のフロントローを決めています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,フリー走行から上位に顔を出すことができておらず,今日行われる決勝レースは14番グリッドからのスタートとなりました。
Moto3クラスは,ガスガス・アスパー・チームのI.グエバラが,これまでのレコードを更新する速さを見せて今季3度目となるポールを獲得しました。そのグエバラからおよそコンマ3秒の差をつけられ,レオパード・レーシングのD.フォッジア2番手タイムとなりました。そのフォッジアから1000分の25秒差で,レッドブルKTMアジョのD.オルガドが3番手タイムをマークしています。初日から好調な走りを見せている日本人ライダー勢ですが,予選でもその傾向に変わりなく,4番手にステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢,5番手にレオパード・レーシングの鈴木竜生,6番手にMTヘルメッツMSIの山中琉聖がつけ,セカンドローを日本人ライダーが独占しています。他のフル参戦日本人ライダー勢は,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽が20番手,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡は転倒を喫したこともあって27番手となっています。なお,6番グリッドを獲得している山中ですが,前戦で他車2台を巻き込む転倒を喫していることから,今日行われる決勝レースでは,ロングラップペナルティーを科されることになっています。

◎圧倒的&10年ぶり(F1)
○第9戦カナダGPの予選が,雨に見舞われたジル−ビルヌーブ・サーキットで行われました。フルウェットから始まり,徐々にコンディションが回復していくという難しい路面状態となったこの日の予選ですが,ここまでランクトップを行くディフェンディングチャンピオンであるレッドブルのM.フェルスタッペンが,2位にコンマ6秒以上の差をつけるという圧倒的な速さを見せ,第4戦以来となる今季2度目のポールを獲得しています。今回の予選でサプライズとなったのは,2番グリッドに関してでしょう。フェルスタッペンとフェラーリのC.サインツとの間で激しいポール争いが展開される中,ラストアタックでサインツを上回るタイムをマークしたのが,超ベテランドライダーであるアルピーヌのF.アロンソでした。アロンソがフロントローを獲得したのは,彼がフェラーリに所属していた2012年のドイツGP以来10年ぶりとなります。フェルスタッペンがポールを獲得したのに対し,チームメイトのS.ペレスはQ2で足元をすくわれてコントロールを失い,バリアの餌食になってしまってここで予選終了。13番グリッド獲得にとどまりました。アルファタウリ勢は,ブレーキに問題を抱えたP.ガスリーはQ1で敗退となって16番手で終了。角田裕毅は,パワーユニットの交換が必要となってしまって制限基数を超えることとなり,ペナルティーにより最後尾からのスタートが事前に決定していました。そのため予選では無理して走行することはせず,Q1をわずか5周しただけで走行を終えています。

◎4戦連続(SF)
○第5戦がうだるような暑さとなった宮城県のスポーツランドSUGOで開幕し,初日にその予選が行われました。ここまで3戦連続してポールを獲得しているTEAM MUGENの野尻智紀に誰がストップをかけるか注目をされた予選となり,Q2のラストアタックで各車タイムアップを果たすべくアタックを敢行していきました。その中で一歩前に出たのが,KONDO RACINGのS.フェネストラズでした。ところが,そのフェネストラズのタイムをコンマ3秒以上の差をつけて野尻が最速タイムを刻み,圧倒的な強さを見せて4戦連続ポールを獲得しました。3番手タイムをマークしたのはDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの大津弘樹で,フェネストラズとの差はわずか100分の8秒弱でした。大津の3番グリッド獲得は,彼にとって自己最高グリッドとなります。
2022/06/18(土)
◎独占(MotoGP)
○サマーブレイク前2週連続開催となるMotoGPですが,その最初のレースである第10戦ドイツGPが開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。
MotoGPクラスは,マシンそしてライダー共に好調なドゥカティ勢が速さを見せました。前戦でLCRホンダ・イデミツの中上貴晶の転倒に巻き込まれてリタイアに終わったドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが,これまでレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスがマークしていたレコードタイムを更新する速さを見せて初日総合トップに立ちました。バグナイアには上回れたものの,マルケスの持っていた最速タイムよりは速いタイムを刻み,ムーニーVR46レーシング・チームのL.マリーニが総合2番手タイムとなりました。また,来季KTMに移籍が決まっているドゥカティ・レノボ・チームのJ.ミラーが総合3番手タイムをマークし,総合トップ3をドゥカティ勢が独占しています。さらに,総合4番手タイムをアプリリア・レーシングのA.エスパルガロがマークしたものの,総合6番手の内,ドゥカティ勢が5台を占めています。前戦での転倒により右肩に痛みを抱えている中上は,ホンダ勢としては最高位となる12番手で初日を終えています。
Moto2クラスは,シーズンが進むに連れて速さを見せ始めたルーキーライダーであるレッドブルKTMアジョのA.フェルナンデスが,両セッション共に最速タイムを刻んで初日総合トップに立ちました。P.アコスタが総合2番手タイムをマークし,初日はレッドブルKTMアジョ勢がトップ2を独占しています。総合3番手タイムは,ボスコスクーロのマシンを駆るMBコンベヤーズ・スピード・アップのF.アルデグエルでした。現在ランク2位につけているイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,上位に顔を出すことができず,20番手タイムで初日を終えています。
Moto3クラスは,前戦で3位表彰台を獲得しているレオパード・レーシングの鈴木竜生が,今季初となる初日総合トップタイムをマークしました。鈴木の初日総合トップは,昨年の第9戦ダッチTT以来およそ1年ぶりとなります。FP1でトップタイムだったガスガス・アスパー・チームのI.グエバラが,このタイムで初日総合2番手タイムでした。FP2で2番手タイムをマークしたレオパード・レーシングのD.フォッジアが,このタイムで初日総合3番手タイムとなっています。他のフル参戦日本人ライダー勢は,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が8番手とトップ10圏内で初日を終え,ステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢は17番手,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡は21番手,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽は27番手でした。
2022/06/17(金)
◎長期契約(F1)
○1985年からオーストラリアGPが開催されていますが,その当時はアデレードが開催地でした。そして,1996年からは,現在のビクトリア州メルボルンにあるアルバートパーク・サーキットで開催されています。同地での開催は,既に2025年までの契約が成立しています。その点に関連して,昨日F1から発表があり,メルボルンでのF1開催を2035年まで延長することが決定しました。つまり,10年間という長期契約が成立したことになります。今回の契約にはF1の開催延長だけでなく,F1と併催で行われることが多いF2やF3も同地で開催されることも決定しました。今シーズンのオーストラリアGPは,延べ42万近い観客を集め,大盛況の内に終了しました。コロナ禍により2020年と21年の開催が中止となりましたが,まさにその鬱憤を晴らすような大観衆となったのです。こうした状況を受けてビクトリア州はかなり開催に力を入れているようで,今回の開催延長だけでなく,サーキットのアップグレードにも取り組むようです。しかも,F2やF3も開催するということは,その力の入れようが普通ではないという印象も受けます。というのも,それらのカテゴリーは,ヨーロッパでのF1で併催となる場合が多く,ヨーロッパから見るとかなり離れたオセアニアで開催するわけですから,輸送コスト等を考えると下位カテゴリーにとっては負担となります。それでも開催するわけですから,多くの支援を同地は考えているものと思ってもいいでしょうね。
2022/06/16(木)
◎開催復帰か?(F1)
○当初の予定では全23戦で行われる予定だった今季のF1ですが,実際にはフィンランドGPの開催がなくなったため,全22戦となっています。とはいえ,こうした不測の事態は今後も起きるかもしれませんが,開催数が過去最高となる可能性は,今後も十分考えられます。というのも,今季だけでも全23戦という過去最高記録になるところでしたが,噂に上っているだけでもあといくつか開催が可能性としてある開催地があります。そのような中,新たな開催地の噂が浮上してきました。現在のF1は,アフリカ大陸での開催がありませんが,過去には南アフリカでずっと開催されてきたという歴史があります。その会場となったのがキャラミで,途中長い中断はあったものの,1967年から始まり,近年では1993年に開催された実績を持っています。今回浮上してきた噂では,F1のCEOを務めているS.ドメリカリがアゼルバイジャンGP終了後に南アフリカに渡り,そこで話し合いが持たれたということです。そして,早ければ来シーズンから開催される可能性もあるということです。今回浮上してきた南アフリカだけでなく,来季からはラスベガスが新たに開催されることになっています。その他にも中国等いくつか噂に上っていますので,もしそれらが実現するとすると,開催数がさらに過去最高を記録する可能性が浮上してきます。もし開催数に変化がないとすると,現在開催されているところ,特にヨーロッパ地域での開催がなくなる可能性も出てきます。実際,前日行われたモナコGPについては,コースの性格上,抜きつ抜かれつというバトルがほとんど期待できず,来季からの開催がなくなるのではないかという噂が出ています。その他,フランスGPについても噂に上っています。果たして開催地がどのように変化するのか,こうした点でも目が離せない状況になってきています。
2022/06/15(水)
◎出場予定(F1)
○2週連続開催となるF1ですが,先週はバクー・シティ・サーキットで第8戦アゼルバイジャンGPが行われ,今週末はジル-ビルヌーブ・サーキットで第9戦カナダGPが行われる予定です。そのカナダGPに関して,メルセデスAMGのL.ハミルトンの参加が不安視されていました。その原因は,アゼルバイジャンGPでの彼の様子でした。今シーズンのF1は,新しいレギュレーションに基づいたマシンが投入されています。その新しい取り組みの1つとなっているのが,グランドエフェクト効果を取り入れたものです。グランドエフェクトカーといわれている今季のマシンですが,これはフロアの下でダウンフォースを生み出します。ところが,これがくせ者で,ダウンフォースが発生するということは車高が下がることになります。車高が下がればフロアが狭まることになりますので,そうするとダウンフォースが弱まりますので,今度は車高が上がることになります。そうするとフロアの隙間が広がりますので,再びダウンフォースが強まって車高が下がることになります。この繰り返しが行われるわけですから,対策が十分でないとマシンは上下に激しく振動を繰り返してしまいます。こうした現象を『ポーパシング』もしくは『バウンシング』と言われ,これに苦しめられたハミルトンは,走行している中で背中に激しい痛みが生じ,レース後自らの力でマシンから出ることができませんでした。そうしたことから,レース直後は次のレースに出場できるか分からないというようなコメントを出していました。しかし,それ以後新たなコメントが出され,どうやら何とか欠場することは避けられそうです。とはいえ,シーズンが進むに連れてマシンの速度が上がってきていて,それと共にハミルトンだけでなく他のドライバーもポーパシングに苦しめられるようになってきているようです。この現象は,もちろんドライバーの健康状態に悪影響を与えていますが,それだけでなく,マシンが不必要な動きをすると言うことは,ドライビングにも影響を与えますし,マシンの不安定さは安全性へも問題が生じることになります。こうしたことから,特にこの現象に見舞われているドライバーを中心にして,早期にレギュレーションを含めた何らかの対策の必要性を訴え始めています。もっとも,例えばレッドブルのようにある程度対策ができているチーム側は,そうした対策には消極的という面もあります。
2022/06/14(火)
◎5連覇(WEC)
○6月11日(土)〜12日(日)に世界3大レースの1つで,世界耐久選手権(WEC)シリーズの第3戦にあたる『第90回ル・マン24時間レース』の決勝レースが行われました。ポールからスタートしたのは,トヨタGAZOO Racingからハイパーカークラスに参戦したGR010ハイブリッドの8号車を駆るS.ブエミ&B.ハートレー&平川亮組でした。そして,そのチームメイトで,7号車を駆るM.コンウェイ&小林可夢偉&J-M.ロペス組が2番グリッドからスタートしました。近年は7号車と8号車によるトップ争いが展開されてきていますが,今年も同様にこの両者によるトップ争いとなりました。両車は大きなトラブルに見舞われることもなく,時間帯によってトップが変わるという展開がずっと続いていきました。ところが,スタートから16時間が経とうとしていた頃,トップを走行していた7号車に電装系のトラブルが発生し,マシンを止める事態が発生しました。システムの再起動を行って再びレースに復帰することができましたが,トラブル解決に時間がかかった分8号車に遅れを取る形となってしまいました。8号車の方は順調に走行を続けていき,トップの座を守ったままチェッカーを受けました。8号車には遅れを取ったものの,3位を走行したグリッケンハウス・レーシングのグリッケンハウス007 LMHを駆るR.ブリスコー&R.ウエストブルック&F.マイルー組に追いつかれることなく無事2位でチェッカーを受け,トヨタのワンツーフィニッシュとなりました。トヨタにとっては5連勝となり,しかも,この5勝の内今回で計4回がワンツーということになります。ル・マンにおけるそれぞれのドライバーとしては,ブエミが4勝目,ハートレーが3勝目ということになります。何より,引退した中嶋一貴に替わって今回からフル参戦を果たしている平川にとっては,これが嬉しい自身初優勝となります。なお,ケッセル・レーシングに所属してF.シャンドルフ&M.イェンセンと組んでLMGTE Amクラスから参戦した木村武史は,クラス12位で完走を果たしています。しかし,Dステーション・レーシングからC.ファグと共に同クラスに参戦した星野敏と藤井誠暢は,シャーシの損傷によりリタイアに終わっています。
2022/06/13(月)
◎明暗(F1)
○第8戦アゼルバイジャンGPの決勝レースが,レースウィークを通してドライコンディションとなったバクー・シティ・サーキットで行われました。ポールがフェラーリのC.ルクレール,2,3番手がレッドブルのS.ペレスとM.フェルスタッペンというトップ3で始まったレースは,スタートダッシュをペレスが決めてホールショットをペレスが奪い,ルクレールは何とかフェルスタッペンの追撃は交わして2位につけてました。8周目になって4番手を走行していたフェラーリのC.サインツにターン4で油圧系のトラブルが発生してしまってリタイアとなりました。このトラブルによってバーチャルセーフティカーが導入され,それを利用してルクレールがタイヤ交換の為にピットに入ったため,3位に順位を下げてレッドブルがワンツー体勢を築きました。15周目に2位につけていたフェルスタッペンがチームメイトを交わしてついにトップに立ちました。どうやら相打ちを避けるためチームから何らかの支持があったようで,DRSを利用したフェルスタッペンがアクシデントなくトップに立っています。その後レッドブル勢はピットに入ってタイヤ交換をしたため,早めのタイヤ交換をしていたルクレールがトップに立ちました。ところが,20周目のメインストレートでルクレールのマシンがエンジンブローを起こしたようで白煙を上げてスロー走行となり,そのままリタイアに終わりました。これでフェラーリ勢は2台共にリタイアとなりました。ルクレールの離脱により再びレッドブルのワンツー体勢に戻り,最後までその位置をキープしてフェルスタッペンが今季5度目となる勝利を収めました。ペレスが2位に入って,レッドブルは今季3度目となるワンツーフィニッシュを達成しました。今大会もレッドブルとフェラーリが初日から争っていましたが,決勝はその2チームが明暗を分ける結果となっています。アルファタウリ勢は,P.ガスリーが5位でフィニッシュしたのに対し,角田裕毅は,トップ10圏内を順調に走行していたものの,途中でリアウィングの一部が割れるというトラブルが発生してしまいました。オフィシャルからオレンジボールを提示されたためにただちにピットインし,とりあえずテープで割れたところを留めるという応急処置が施され,再びレースに戻りました。しかし,DRSは使えないため順位回復がままならない状況となり,残念ながら13位でのチェッカーとなりました。
2022/06/12(日)
◎4戦連続&今季ベスト(F1)
○第8戦アゼルバイジャンGPの予選が,ドラコンディションとなったバクー・シティ・サーキットで行われました。フェラーリとレッドブルの4台によるポール争いという展開となった今回の予選は,フェラーリのC.サインツがしばらくの間トップに立っていました。そして,ファイナルアタックでチームメイトのC.ルクレールが2位におよそコンマ3秒差をつける速さを見せてトップタイムをマークし,4戦連続,そしてこの大会としては2年連続ポール獲得となりました。2番手タイムをレッドブルのM.フェルスタッペンが一旦はマークしましたが,今季好調なチームメイトのS.ペレスがそのタイムを上回ってフロントローを獲得しています。アルファタウリ勢も好調で,P.ガスリーが今季自己最高位となる6番手タイムをマークし,角田裕毅は8番手タイムをたたき出してガスリーと同じく今季自己最高位を獲得しています。
2022/06/11(土)
◎4台とも(F1)
○第8戦アゼルバイジャンGPがバクー・シティ・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。ここまで好調は走りをしばしば見せてきているフェラーリのC.ルクレールは,FP1こそレッドブルのS.ペレスに最速タイムを奪われて2番手タイムに終わりましたが,FP2では逆にペレスより上回り,およそコンマ25秒差をつけてこの日の総合トップタイムとなりました。FP1では今季何度か見舞われているDRSの不調が出ていたレッドブルのM.フェルスタッペンでしたが,FP2ではその不調が回復したようで,総合3番手タイムで初日を終えています。アルファタウリ勢も好調で,今季何度か角田裕毅に上回られることがあるP.ガスリーが,意地を見せるかのように総合6番手タイムでした。とはいえ,角田も速さを見せていて総合8番手タイムで初日を終え,HRC製パワーユニットを搭載している4台全てがトップ8に食い込んだ初日となりました。
2022/06/10(金)
◎復帰(MotoGP)
○来季のシートが少しずつ埋まってきていますが,来季のドゥカティワークスについては,既にF.バグナイアの残留は決定しています。それに対して,今季で契約期限を迎えるJ.ミラーについては,契約延長の話がなかなか出ないばかりか,今シーズンでシートを喪失するのがほぼ確実視されていました。というのも,ドゥカティのサテライトに所属しているE.バスティアニーニとJ.マルティンという有望な若手が名乗りを上げていて,そのどちらもがワークスライダーになってもおかしくはないポテンシャルがあるライダーです。ミラーもその点は十分意識していて,当初はサテライトチームへの移籍も構わないというような姿勢を見せていました。しかし,最近になって状況が変わり,ドゥカティではなく,LCRホンダやKTMといったかつて彼が所属していたチームへの移籍が噂されるようになっていました。そして,昨日ドゥカティから発表があり,2018年からの3年間はサテライト,そして2021年からの2年間ワークスに所属してきたミラーとの契約を今季限りで解除することになりました。さらに,KTMからも発表があり,新たにミラーとの間で2年間の契約が成立しました。彼が所属することになるのはKTMのワークスであるレッドブルKTMファクトリー・レーシングで,チームメイトは既に契約が決まっているB.ビンダーということになります。この契約成立により,今季同チームからフル参戦しているM.オリベイラがシートを失うことになります。そのオリベイラが来季どこに所属することになるのかは,現段階では発表がありません。ミラーとKTMとの関係は,2014年シーズンに中・軽量級クラスにおけるKTMのワークス的存在であるレッドブルKTMアジョに所属してフル参戦したというところに遡り,その翌年には,LCRホンダに移籍して飛び級でMotoGPクラスに昇格していますので,それ以来のKTM復帰ということになります。
2022/06/09(木)
◎初優勝&1台も(WRC)
○6月5日(日)に第5戦『ラリー・イタリア・サルディニア』最終日の走行が行われました。今季から新しいレギュレーションに則ったラリー1のマシンが導入されていますが,開幕戦はフォード・プーマ・ラリー1が勝利を収めたものの,その後はトヨタGRヤリス・ラリー1が勝利を重ねていて,ここまで3連勝を収めているK.ロバンペラがランクトップに立っています。そうした中で行われた第5戦でしたが,今回はトヨタ勢がアクシデントに見舞われ,ロバンペラを始め,E.エバンスも優勝争いから脱落しました。そのような中でトップに立ったのは,ヒョンデi20 Nラリー1を駆るO.タナクでした。2位に大きく差をつけてトップで最終日を迎えたタナクでしたが,それでもアタックを続けてさらにタイム差を開きました。さすがにファイナルステージはアクセルを緩めて堅実な走りを展開しましたが,それでも2位に入ったフォード・プーマ・ラリー1を駆るC.ブリーンに1分以上の大差をつける独走で勝利を収め,ヒョンデi20 Nラリー1に初めての勝利をもたらしました。3位にチームメイトのD.ソルドが入り,ヒョンデ勢が表彰台の2つを占めました。今季ここまで必ずトヨタ勢が表彰台に立っていましたが,今回は今季初めてトヨタ勢が一人もいない表彰台となりました。そのトヨタ勢では,K.ロバンペラの5位が最高位で,トヨタ勢2番手となったのは,唯一のフル参戦日本人ドライバーである勝田貴元でした。
2022/06/08(水)
◎契約延長(MotoGP)
○このところライダーの契約について発表があったりしていますが,それ以外についても延長に関する発表が出ています。その中の1つが,スポンサーに関してのことです。レースの世界は否が応でも資金が必要ですし,それの多少によってマシン開発の度合いに違いが出てきますし,必然的にチームの成績にも違いが出てくる可能性が高くなります。さて,そのスポンサーについてですが,6月4日(土)にヤマハ発動機から発表があり,アメリカのエナジードリンクメーカーである『モンスター・エナジー』とのタイトルスポンサー契約を延長することになりました。契約期間については「複数年」ということですので,いつまでなのかは現段階で不明です。2013年シーズンからオフィシャルスポンサーとしてヤマハと関わりをもった同社ですが,その段階でヤマハワークスのタイトルスポンサーはスペインの通信関連企業である『モビスター』と契約を結んでいて,『モビスター・ヤマハMotoGP』というチーム名でV.ロッシをエースライダーにしてフル参戦していました。しかし,そのモビスターが2018年シーズンをもってMotoGPでの活動を終了し,それに替わってモンスター・エナジーが2019年からタイトルスポンサーを務めるようになり,現在の『モンスター・エナジー・ヤマハMotoGP』としてワークス活動を展開しています。今後数年間は,マシンやライダー,チームクルー等に同社のアイコンである緑色の爪が飾られることになります。
2022/06/07(火)
◎テストでも(MotoGP)
○週末に行われた第9戦カタルニアGPは,ディフェンディングチャンピオンであるモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロが独走で今季2勝目を挙げて終了しました。チームやライダーはそのままバルセロナ-カタルニア・サーキットに留まり,シーズン中のオフィシャルテストに臨みました。ただ,決勝レースでブレーキングミスから転倒を喫した中上貴晶と,その転倒の巻き添えとなって左手首を骨折したチーム・スズキ・エクスターのA.リンス,そして元々右手の手術のため欠場する予定だったプラマック・レーシングのJ.マルティンの3人は参加していません。それに対して,ドゥカティのテストライダーであるM.ピロと,ホンダのテストライダーであるS.ブラドルは参加しています。今回のテストも,レースウィークと同様にドライコンディションの中で行われ,レースで勝利を収めたクアルタラロが,新たなスイングアーム等のテストを行いながら,この日の総合トップタイムをマークしました。中上の転倒に巻き込まれてリタイアに終わっているドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが,新たなエアロパッケージ等を試しながら総合2番手タイムをマークしています。レースにおいてアプリリア・レーシングのA.エスパルガロが周回数を勘違いしたことにより,3位でフィニッシュを果たしたプラマック・レーシングのJ.ザルコが,改良が施されたシャーシ等を試しながら総合3番手タイムをマークしています。
2022/06/06(月)
◎2勝目(MotoGP)
○第9戦カタルニアGPの決勝レースが,ウィークを通してドライコンディションとなったバルセロナ-カタルニア・サーキットで行われました。
MotoGPクラスは,ディフェンディングチャンピオンであるモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロが,オープニングラップでトップに立つと,後続との差を順調に広げて行き,最後は2位に6秒以上の大差をつけてトップでチェッカーを受けました。クアルタラロの勝利は,第5戦ポルトガルGP以来で,今季2勝目となります。プラマック・レーシング勢2台とポールからスタートしたアプリリア・レーシングのA.エスパルガロによる2位争いとなり,残り4周となったところでエスパルガロが2位に浮上していました。そして,ファイナルラップに入ったところで,あろうことかエスパルガロが突然アクセルを緩めてしまいました。どうやら周回数を間違えてゴールと勘違いしたのが原因のようで,すぐ間違いに気づいたエスパルガロでしたが,時既に遅く5位にまで順位を下げてしまいました。エスパルガロの脱落により,2位にJ.マルティン,3位にJ.ザルコのプラマック・レーシング勢が入っています。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,スタートで順位を上げていきましたが,ブレーキングで転倒を喫してしまいました。その際,チーム・スズキ・エクスターのA.リンスとドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアを巻き込んでしまうというアクシデントの原因となってしまい,中上とリンスはメディカルへと運ばれる事態に発展してしまっています。特に,中上については,転倒した際,前を行くバグナイアの後輪に顔の部分をぶつけているようなので心配しましたが,幸いなことに,現段階では,両者共に大きな怪我はしていないようです。(その後,情報が更新され,リンスについては左手首を骨折しているということです。)
Moto2クラスは,ポールからスタートしたのはムーニーVR46レーシング・チームのC.ビエッティでした。そのビエッティは,スタートで出遅れて一旦は順位を下げてしまいました。しかし,徐々にポジションアップを果たしていき,最終的に2位に1000分の81秒という僅差でトップチェッカーを受け,第3戦アルゼンチンGP以来となる今季3勝目を挙げています。僅差で2位となったのは,2番グリッドからスタートしたフレックスボックスHP40のA.カネトでした。3位にレッドブルKTMアジョのA.フェルナンデスが入り,今季2度目の表彰台を獲得しています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,6位争いを展開し,最終的に7位でチェッカーとなっています。
Moto3クラスは,前戦で一旦はトップでチェッカーを受けたものの,トラックリミットを超えたことから順位が1つ降格となったバルレーサ・ガスガス・アスパー・チームのI.グエバラが,それを取り返すかのような走りを展開していき,単独走行でチェッカーを受けて今季2勝目を挙げました。先月16歳になったばかりのボエ・モータースポーツのD.ムニョスが2位でチェッカーを受け,参戦2戦目にして早くも表彰台を獲得しています。レオパード・レーシングの鈴木竜生が3位に入り,2戦連続表彰台獲得となりました。他のフル参戦日本人ライダー勢は,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が,途中で転倒するという事態に見舞われましたが,再スタートを切って15位までポジションを回復し,何とかポイントを獲得しています。今大会好調な走りを展開していたMTヘルメッツMSIの山中琉聖でしたが,9周目に他車を巻き込む転倒を喫してしまい,再スタートを切って21位でチェッカーを受けています。ホンダ・チーム・アジアの古里太陽は,9周目の10コーナーで転倒を喫してしまい,今季初のリタイアに終わっています。

◎ファイナルラップまで(JRR)
○第4戦の決勝レースが,天候に恵まれたスポーツランドSUGOで行われました。この日のレースは,午前中に行われたST1000クラスのレースにおいて,2周目のメインストレート上で多重クラッシュが発生し,その際マシンが炎上したりしたため赤旗が提示されました。その影響からそれ以後のスケジュールや周回数が変更となりました。さらに,最後に行われる予定だったST600クラスのレース2は,トラブルに見舞われたマシンがコース上にオイルを撒き,それに乗ったマシンが次々に転倒する事態となりました。元々スケジュール変更があったために開催時間が下がっている中,オイル処理する範囲が広かったりしてさらに再開時刻が下がることが間違いない状況となったため,レース2は開催中止となってしまいました。
そうした荒れたレースとなったこの日のJSB1000クラスは,他のクラスと同様周回数が減算されて開催されました。前日に行われたレース1では,オープニングラップでトップに立ったYAMAHA FACTORY RACINGの中須賀克行が,そのまま後続との差を広げて独走で優勝を飾りました。レース2でも同様に中須賀がオープニングラップでトップに立ったのですが,この日は単独走行とはならず,レースが進むに連れてチームメイトである岡本裕生が差を縮めていきました。2人のバトルはファイナルラップまで続きましたが,トップを行く中須賀が最後まで逃げ切り,ずっと続いている連勝記録を18に延ばしました。Honda Suzuka Racing Teamの亀井雄大とAstemo Honda Dream SI Racingの作本輝介のホンダ勢同士による3位争いは,ポールからスタートしている亀井がこれを制しています。
決勝レースのスケジュール変更に繋がったST1000クラスは,TOHO Racing の國峰啄磨とSDG Motor Sports RT HARC-PROの埜口遥希とのトップ争いになっていきました。ファイナルラップになっても抜きつ抜かれつのバトルとなりましたが,最終的に國峰がトップでチェッカーを受けています。3位には,開幕戦で勝利しているJAPAN POST HondaDream TPの高橋裕紀が入っています。
J-GP3クラスは,最初にレースが行われていますので,予定通りのレース進行となっています。このクラスもファイナルラップまでトップ争いが展開されました。P.MU 7C GALESPEEDの尾野弘樹がトップでファイナルラップを迎え,その後ろにTeam Plusoneの上原大輝がつけていましたが,尾野が最後にスパートをかけ,上原はそれについていくことができず,昨年のチャンピオンである尾野が貫禄の勝利を収めました。3位には,Bowcs.SRKRacingの上原怜が入っています。
2022/06/05(日)
◎2回目(MotoGP)
○第9戦カタルニアGPの予選が,ドライコンディションとなったバルセロナ-カタルニア・サーキットで行われました。
MotoGPクラスは,初日総合トップタイムだったアプリリア・レーシングのA.エスパルガロが,予選でも速さを見せてトップタイムをマークし,ポールトゥーフィニッシュを果たした第3戦アルゼンチンGP以来,今季2度目となるポールを獲得しました。彼のマークしたタイムは,これまでのコースレコードを更新するものでした。前戦で勝利を収めているドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが,トップからわずか1000分の31秒遅れで2番グリッドとなりました。ここまでランクトップを行くモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロが,3番手タイムをマークし,フロントローは全て違うメーカーのマシンが並ぶことになりました。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,Q1からの出走となり,そのQ1は2番手タイムをマークしてQ2へと進出を果たしました。しかし,そのQ2ではタイムアップを果たすことができずに最下位に終わり,今日行われる決勝レースは12番グリッドからスタートすることになります。なお,中上のチームメイトであるA.マルケスは,予選前に行われたFP4で転倒を喫してメディカルへ行くことになり,予選には出走することができませんでした。
Moto2クラスは,Q1から出走となったムーニーVR46レーシング・チームのC.ビエッティが,そのQ1を2番手で通過すると,Q2ではトップタイムをマークしました。彼のポール獲得は,このクラスで自身初となるフロントローを獲得した開幕戦以来2度目となります。そのビエッティからわずか1000分の8秒遅れで,フレックスボックスHP40のA.カネトが2番手タイムでした。3番グリッドを獲得したのは,フリー走行では総合トップに立っていたイタルトランス・レーシング・チームのJ.ロバーツでした。Q2からの出走となったランク2位を行くイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,トップからコンマ668秒遅れの10番手タイムで予選を終えています。
Moto3クラスは,フリー走行で総合トップだったレオパード・レーシングのD.フォッジアが,予選でも速さを見せてトップタイムをマークし,今季2度目となるポールを獲得しました。2,3番手タイムを,それぞれレッドブルKTMテック3のD.オンジュ,バルレーサ・ガスガス・アスパー・チームのI.グエバラがマークし,フロントローは違うメーカーのマシンが並ぶことになりました。フル参戦日本人ライダー勢は,今回がチームにとって母国GPとなるMTヘルメッツMSIの山中琉聖が,自身最高位となる4番手タイムをマークし,開幕戦以来となるセカンドローを獲得しています。その開幕戦で表彰台を獲得したCIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が8番手タイム,前戦で今季初表彰台を獲得したレオパード・レーシングの鈴木竜生が10番手タイムと,ここまでの3人がトップ10圏内で予選を終えています。ルーキーライダーであるホンダ・チーム・アジアの古里太陽はQ1で敗退となり,22番グリッドから今日の決勝レースをスタートすることになりました。

◎継続(JRR)
○第4戦が宮城県にあるスポーツランドSUGOで開幕し,初日は各クラスの予選と2つのクラスの決勝レース1が行われました。今回の大会は,4つ全てのクラスが開催されますが,その中でJSB1000クラスとST600クラスは2レース制となっています。
JSB1000クラスは予選とレース1の決勝が行われました。そのレース1はポールからスタートしたYAMAHA FACTORY RACINGの中須賀克行が,スタート時は少し順位を下げましたが,すぐに先頭に躍り出て,オープニングラップをトップで終えました。スタート時は2位や3位につけてライバルの様子を観察し,ここぞという所で先頭に立つって逃げ切るという展開が多い中須賀ですが,今回は最初からトップに立つと,その後は速さを見せて後続との差をどんどん広げて行き,2位に5秒弱の差をつける独走で今回も優勝し,ずっと続けている連勝を今回も継続しました。チームメイトの岡本裕生は,序盤こそ複数台での2位争いを展開していましたが,それから抜け出るとこちらも単独走行となり,3位に7秒近い差をつけてチェッカーを受け,ヤマハワークスのワンツーフィニッシュとなりました。上位2台だけでなく,その後ろも単独走行のライダーが多くなり,3位にはAstemo Honda Dream SI Racingの作本輝介が入っています。
ST600クラスのレース1は,TN45withMotoUPRacing の羽田太河とMOTO BUM HONDAの荒川晃大によるトップ争いが展開されていました。その2人を追っていたJAPAN POST HondaDream TPの小山知良が,徐々に差を詰めていき,3台によるトップ争いへと変化していきました。そのバトルはファイナルラップまで続き,レース途中までセーブした走りを展開した小山が,トップに立つとためていた力を一挙に出すような形でそのポジションを守り抜き,逆転でレースを制しました。2位に羽田,3位に荒川が入っています。
ST1000クラスとJ-GP3クラスは予選が行われ,それぞれAstemo Honda Dream SI Racingの渡辺一馬とTeam Plusoneの木内尚汰がポールを獲得しています。
2022/06/04(土)
◎ワンツー(MotoGP)
○2週連続開催となるMotoGPですが,その2つ目の大会となる第9戦カタルニアGPがバルセロナ-カタルニア・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。
MotoGPクラスは,ここまで4戦連続表彰台獲得し,ランキング2位につけているアプリリア・レーシングのA.エスパルガロが総合トップタイムをマークし,2戦連続しての総合トップスタートとなりました。チームメイトのM.ビニャーレスが総合2番手タイムをマークしていて,今季好調なアプリリア勢がワンツー発進を決めています。総合3番手タイムは,サテライトチームながら今季ここまで2勝を挙げているグレシーニ・レーシングMotoGPのE.バスティアニーニでした。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,トップからコンマ8秒ほど遅れた12番手タイムで初日を終えています。今回からレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが欠場していますが,そのマルケスが使用するパーツを今回から中上が装着するようになりました。本来であればマルケスのチームメイトであるP.エスパルガロが使用するのが本当ですが,今回の決定により,来季残留が厳しいのではないかと噂されているP.エスパルガロの立場があやしくなっているのではないかという予想が立ちます。逆に中上とホンダの関係性の継続を予感させるものでもあります。なお,アメリカに渡って手術を受けているマルケスですが,チームの発表によると手術は無事終了したということです。今後は回復を待ち,それが確認できてからは母国スペインに戻ってリハビリに励むこととなります。
Moto2クラスは,午後の走行では2番手タイムだったフレックスボックスHP40のA.カネトでしたが,午前中に行われたFP1のタイムで総合ではトップに立ちました。これは,彼にとってこのクラスで初の初日総合トップとなります。総合2,3番手タイムは,それぞれレッドブルKTMアジョのA.フェルナンデス,インデ・ガスガス・アスパー・チームのJ.ディクソンで,トップのカネトとのタイム差は,それぞれ1000分の24秒,1000分の79秒と僅差でした。ここまでランク2位につけているイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,両セッション共に10番手タイムで初日を終えています。
Moto3クラスは,総合トップ3は全てFP1のタイムでした。その中の総合トップに立ったのは,バルレーサ・ガスガス・アスパー・チームのI.グエバラでした。総合2,3番手は,それぞれレッドブルKTMアジョのD.ホルガド,レオパード・レーシングのD.フォッジアでした。FP2におけるフル参戦日本人ライダー勢は,前戦で3位表彰台を獲得したレオパードレーシングの鈴木竜生が3番手タイム,トップ争いに加わっていたMTヘルメッツMSIの山中琉聖が4番手,ポイント獲得にならなかったCIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が5番手とトップ10圏内で初日を終えています。ホンダ・チーム・アジアの古里太陽は,27番手タイムでした。なお,今季速さを見せているものの,不運が重なっているステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢は,前戦の転倒で折った鎖骨骨折等の怪我により,2戦連続して欠場となっています。
2022/06/03(金)
◎契約延長(MotoGP)
○2週連続開催となるMotoGPですが,今日から第9戦カタルニアGPがスペインのカタルニア・サーキットで開幕します。それを前にして昨日ヤマハ発動機から発表があり,昨年のチャンピオンでモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPからフル参戦しているF.クアルタラロとの契約を延長することが決まりました。契約期間は,2024年までの2年間となっています。これにより,ヤマハワークスは,来季もクアルタラロ&F.モルビデリの体制を維持することが決定しました。今回契約延長が決まったクアルタラロは,MotoGPには2015年にMoto3クラスからフル参戦を開始し,2年間同クラスを戦ったあと,Moto2クラスにステップアップを果たしました。そこで2年間フル参戦を経験したあと,ついに2019年ヤマハのサテライトチームであるペトロナス・ヤマハSRTに所属してMotoGPクラスへとステップアップしました。同チームにはこれまた2年間所属し,昨シーズンからV.ロッシと入れ替わる形でついに現在のモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPへと移籍し,5度の優勝を含めついにチャンピオンに上り詰めました。今季のクアルタラロは,ここまで第5戦ポルトガルGPでの優勝と3回の2位表彰台を獲得していて,ランクトップにつけています。ヤマハからは契約延長のオファーが早い段階からありましたが,クアルタラロはすぐには返事せず,マシンの戦闘力から判断するという姿勢をずっと続けてきていました。サーキットによって速さに変化があったりしているという現状はありますが,ランクトップに立っているわけですから,延長を決断するのは当然の流れだったのかもしれません。
なお,来季のヤマハは,ワークスであるモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPは体制が決定しましたが,5月28日(土)付のこのページでもお伝えしたように,サテライトであるRNFレーシングがヤマハと袂を分かち,来季からアプリリアのサテライトとしてフル参戦することになりました。そのため,現状ではアプリリアと入れ替わる形で今度はヤマハがサテライトを持たないメーカーとなってしまいます。ということは,今回の契約延長はワークスの体制が決定したということだけでなく,来季のヤマハ全体の体制が決定したことにもなる訳です。「クアルタラロ専用マシン」と揶揄されることもある現在のヤマハYZR-M1ですが,2台体制のままでは,その傾向がますます強くなることが懸念されます。

◎今回も(MotoGP)
○上記したヤマハワークスの発表に先行して,5月31日(火)にホンダワークスであるレプソル・ホンダ・チームから発表があり,欠場するM.マルケスの代役としてHRCのテストライダーであるS.ブラドルを起用することになりました。5月29日(日)付けのこのページでお伝えしたように,2020年に行われた第2戦スペインGPにおいて,マルケスは転倒してマシンが右腕に当たり,右上腕骨を骨折しました。すぐに手術を施し,何と次のレースに無理して出場しました。一旦は出場したものの,ほぼまともに走ることなく途中欠場。その後はこのシーズンを棒に振っただけでなく,翌年もシーズン序盤を欠場せざるを得ませんでした。復帰以後も思うように腕を動かすことができない状態が続いていて,マシンの戦闘力不足もあって王者マルケスにふさわしいような結果を残すことができていませんでした。その間も2回の手術を経験していましたが,この度先週末に行われたイタリアGP終了後に渡米して4回目の手術を受けることを決断しました。それを受けてのブラドル起用となっています。今回の発表では,カタルニアGPでの代役ということで発表されていますが,ずっと続いているマシンの戦闘力不足解決のためにはさらなる開発が必要で,レースの中でブラドルがデータを集める必要もあることから,マルケスが復帰するまではずっとブラドルが代役参戦していくことは間違いありません。実際,前回の長期離脱の時も全てブラドルが出場しましたし,今季マルケスが複視の症状に見舞われてアルゼンチンGPとスペインGPを欠場した際も代役を務めています。今日手術が行われる予定のマルケスが,いつ復帰するのかは未定で,前回のことを考えるとリハビリを含めて今季中の復帰はかなり絶望的でしょうから,残りのシーズンは全てブラドルが出場することはほぼ間違いないでしょうね。
2022/06/02(木)
◎契約延長&今後は?(F1)
○レッドブル・レーシングから発表があり,今シーズンで契約が切れるS.ペレスとの間で,2024年までの契約を延長することが決定しました。昨シーズンからレッドブルに加わったペレスは,その初年度にアゼルバイジャンでの優勝を含めて4回の表彰台を獲得し,ドライバーズランキング4位でシーズンを終えました。そうした面だけではなく,特に最終戦ではチームメイトであるM.フェルスタッペンのタイトル獲得にも大きく貢献しました。2年目となる今季は,先週末行われたモナコGPにおいて,メキシコ人ドライバーとしては史上初の勝利を収めたことを含め,7戦中優勝1回,2位3回,開幕戦以外は全て4位以内でフィニッシュしてランク3位につけています。先月行われた第6戦スペインGPでは,後ろからペースを上げてきたフェルスタッペンに道を譲って彼の勝利に貢献し,相変わらずのチームへの献身度を見せました。こうした活躍を見ると,今回の契約延長は当然のことと言えます。今回の決定で気になるのは,現在アルファタウリからフル参戦しているP.ガスリーの今後です。レッドブルの支援を受けているガスリーですが,2019年にそのレッドブルからF1に参戦を一旦は果たしたものの,シーズン途中でアルファタウリへの降格という事態に陥りました。その後はアルファタウリで活躍していきながら,レッドブル復帰をずっと熱望してきています。ところが,今回のペレスの契約延長決定により,少なくとも2024年まではその希望が叶わないことになりました。ドライバー育成期間を含めてずっとレッドブルと関わってきたガスリーですが,果たして来季以降その道をどうするのか気になるところです。
2022/06/01(水)
◎31回目(EWC)
○8月7日(日)に決勝レースが行われる予定の『鈴鹿8耐』(2022FIM世界耐久選手権“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第43回大会)の参戦体制については,先月お伝えしたようにカワサキが『Kawasaki Racing Team Suzuka 8H』というチーム名でワークス体制を組み,J.レイ&A.ロウズ&L.ハスラムという強力な体制で臨むことが発表されました。それ以後もプライベートチームから徐々に体制発表が行われていて,昨日はホンダ陣営における有力チームの1つであるHonda Dream RT 桜井ホンダが今大会の体制について発表を行いました。皆さんご存知のように,同チームは普通の街中にあるホンダの販売店の1つである桜井ホンダがレース活動を行っているものです。とは言っても,1989年から参戦(途中参戦しなかった年もある)を開始し,2003年には見事優勝を遂げていて,歴史と力のあるチームです。今回の発表によると,もちろんライダーは3人体制を組んでいて,その1人目は,JRRのJSB1000クラスでもエースライダーを務めている濱原颯道です。昨シーズンの濱原は,ヤマハの中須賀克行が連勝を続けている状況の中,優勝こそできなかったものの,安定して上位争いに加わってランク2位に輝きました。今シーズンは開幕戦のレース1で3位表彰台に上っています。2人目は日浦大治朗で,今季フル参戦こそしていませんが,鈴鹿で行われた第2戦にスポット参戦し,表彰台まであと一歩となる4位に入っています。3人目は國井勇輝で,今季は日本に戻ってきてSDG Motor Sports RT HARC-PRO.からST600クラスにフル参戦していますが,昨シーズンまでの2年間はMotoGPのMoto3クラスにホンダ・チーム・アジアからフル参戦していました。各メーカーのワークスチームを始め,有力なプライベートチームが大挙して参戦する8耐だけに,現実問題として優勝するのはかなり厳しいのは間違いないでしょうが,何が起こるのか分からないのも8耐の魅力の1つですので,こうした強力な布陣で臨む桜井ホンダだけに,表彰台の一角を占める活躍ができるといいですね。
 

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