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最新ニュース

2022/04/30(土)
◎継続(MotoGP)
○第6戦スペインGPがヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。前日に降った雨の影響により,所々ウェットパッチがある状況で始まった初日の走行でしたが,徐々に乾いていくコンディションとなりました。
MotoGPクラスは,前戦で今季初優勝を飾ったディフェンディングチャンピオンであるモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロが,その勢いを継続するかのようにFP2のファイナルラップで最速タイムを刻み,初日総合トップとなりました。今季既に2勝を挙げて好調な走りを見せているグレシーニ・レーシングMotoGPのE.バスティアニーニが,およそコンマ2秒遅れで総合2番手タイムでした。サテライトチームのバスティアニーニが好調なのに対し,ワークスであるドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアは今ひとつ波に乗れていない感がありますが,バスティアニーニに次ぐ初日総合3番手タイムといいスタートを切っています。このサーキットを得意としているLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,それを象徴するかのように好タイムをマークし,一時は暫定トップに立つ走りを見せました。最終的には,総合5番手タイムで初日を終え,今日行われる予選に期待が持たれています。
Moto2クラスは,第4戦アメリカズGPで3位表彰台を獲得しているオートソーラー・ガスガス・アスパー・チームのJ.ディクソンが,第2戦インドネシアGP以来となる初日総合トップに立ちました。総合2番手タイムは,トップからコンマ252秒遅れでレッドブルKTMアジョのA.フェルナンデスでした。前戦で不運な天候に巻き込まれ,再開したレースに参加できなかったイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,総合3番手タイムをマークして前戦の雪辱に期待が持てる初日となっています。
Moto3クラスは,既に今季2回初日総合トップに立っているバルレーサ・ガスガス・アスパー・チームのI.グエバラが,今季3回となる初日総合トップタイムをマークしています。シーズン序盤は不運があったステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢でしたが,それから抜けつつあって表彰台を獲得したりしていますが,この日は総合2番手タイムをマークしてこちらも好調さを継続している印象でした。総合3番手タイムは,佐々木から100分の6秒遅れでレッドブルKTMアジョのJ.マシアでした。他のフル参戦日本人ライダー勢は,レオパード・レーシングの鈴木竜生が14番手,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が16番手,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が23番手,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽は25番手タイムで初日を終えています。
2022/04/29(金)
◎あと1ポイント(MotoGP)
○2週連続開催となるMotoGPですが,今日からヘレス・サーキットにおいて第6戦スペインGPが開幕します。毎戦注目ポイントがあるMotoGPですが,タイトル争いとは別の意味で今大会もしくはそれ以降の大会で注目される点があります。その1つがアプリリアに関してです。2015年からMotoGPに復帰したアプリリアですが,最近まで思うような結果が残せていないシーズンを過ごしてきました。ところが,昨シーズンあたりから徐々に力をつけてきています。その要因の1つとなっているのが,MotoGP独自の制度であるコンセッション(優遇措置)です。通常は,エンジンの年間使用基数やテスト回数等様々な制限があるのですが,コンセッションの対象となると,それらの制限が緩くなり,マシン開発を進めやすくなります。アプリリアの場合,なかなかマシン開発が進まなかったため,こうした優遇措置を受けながらも期待されたような結果が出せずにいました。しかし,昨シーズンのイギリスGPにおいてA.エスパルガロが3位表彰台を獲得したことでコンセッションポイントが1となりました。さらに,今シーズンはアルゼンチンGPにおいて復帰以来初となる優勝を飾り,コンセッションポイントが3ポイント加算となりました。そして,先週行われたポルトガルGPにおいて再び3位表彰台を獲得して1ポイントが加算され,現在合計5ポイントとなっています。このコンセッションポイントが合計6ポイントになるとコンセッションの対象から外れることになり,他メーカーと同様の制限を受けるようになってきます。もし今日から始まるスペインGPで表彰台を獲得すると6ポイントに到達しますので,まさに王手がかかった大会となります。
2022/04/28(木)
◎軽量化(F1)
○4月26日(火)にFIA F1委員会会合が開催され,その議題と決定事項についてFIAから発表がありました。2026年からのF1は,新しいレギュレーションに基づいた次世代のパワーユニット(PU)が導入されることになっています。現行のPUは,1.6リッターV6ターボエンジンにMGU-HやMGU-Kで構成されたハイブリッドユニットとなっていて,強力なパワーが引き出されています。2026年から導入されるPUは,MGU-Hが廃止されることが決定していて,MGU-Kのパワーはアップされますが,PU全体としては,現行よりもパワーダウンすることは否めません。そのため,それを補う必要性が出てきますので,PUと同時に導入されるシャーシの方でその分を補完することになるようです。まだ具体的な部分は分かりませんが,軽量化が大きな変更となるようです。普通のエンジンに比べると,PUにはMGU-Kなどエンジン以外の部分がたくさんあり,当然その分だけ重量が増えることになります。また,安全性を高めるためHALOが搭載されていますし,マシンも大きくなっています。そうしたことから否が応でも重量が大きく,このままでパワーが劣るPUが搭載されると,世界最高峰のレースにはふさわしいものではなくなります。そうしたことから,新たな取り組みとして,空気抵抗の軽減,サイズの縮小,車体重量の削減,安全システムの充実等の方向性でいくことになるようです。
2022/04/27(水)
◎再逆転で(WRC)
○先週末に第3戦クロアチアが開催され,24日がその最終日となりました。今回の大会は,今季最初のフル・ターマックラリーとなっています。この大会で速さを見せたのはトヨタGRヤリス・ラリー1を駆るK.ロバンペラとヒョンデi20 Nラリー1(日本では,以前は『ヒュンダイ』という名称を使っていましたが,現在は『ヒョンデ』という名称に変更となっています。)を駆るO.タナクの2人でした。特にロバンペラは,大差をつけて圧勝するかと思われるときもありましたが,タイヤのパンクや不安定な天候が影響してみるみる間にその差が縮み,最終日の前半ではついにタナクに逆転されてしまいました。しかし,ロバンペラは最後まで諦めることなく最終SSでフルアタックを試みて最速タイムを刻み,タナクの走行を待つことになりました。そして,ロバンペラにタナクが押されたのか,その最終SSでタナクはロバンペラより遅れを取るタイムとなってしまい,ロバンペラが再逆転で勝利を収めました。3位には,タナクのチームメイトであるT.ヌービルが入っています。唯一のフル参戦日本人ドライバーであるTOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションの勝田貴元は,難しいコンディションでの走行ながら最後まで走り抜き,6位に入ってポイントを獲得して大会を終えています。
2022/04/26(火)
◎明暗(F1)
○昨シーズンで最も見所となったのは,やはり最終戦の最終ラップでしょう。全く同ポイントでランク1位と2位が並び,最終戦において先にチェッカーを受けた方がチャンピオンになるというある意味分かりやすい状況となりました。そして,ファイナルラップで前を行くメルセデスAMGのL.ハミルトンをレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンが抜き,見事自身初となるチャンピオンを獲得すると共に,ホンダに30年ぶりとなるタイトルをもたらしました。新しいレギュレーションの下で開発されたマシンで争われている今季のF1ですが,普通で考えれば2人が再び相まみえるものと思われていました。しかし,蓋を開けてみるとレッドブルの信頼性,メルセデスAMGの速さに問題が生じ,予想に反して(?)近年不振状態となっていたフェラーリが復活し,ランクトップを行くという昨シーズンでは思いもよらないようなシーズンとなっています。まさに去年好調だったチームと不振だったチームとが今年は明暗を分ける形となっています。ところが,先週末行われた第5戦ポルトガルGPでは,フェルスタッペンが優勝すると共に,チームメイトのS.ペレスが2位に入り,2016年のマレーシアGP以来6年ぶりにレッドブルがワンツーフィニッシュを果たしました。特にフェルスタッペンについては,昨日もお伝えしたように,予選,スーパーポールレース,決勝レース,ファステストラップとポイントを獲得できるもの全てでトップに立ち,1レースで史上初となる34ポイントを獲得するという完勝で終わりました。ランクトップを行くフェラーリのC.ルクレールが表彰台を逃したことにより,レース前は46ポイントも離れていた2人の差が,この1レースだけで27ポイント差に縮みました。それでもルクレールはしっかりと高ポイントを獲得できていますが,ハミルトンに至ってはノーポイントに終わり,現段階でトップから58ポイント差をつけられ(ランク2位のフェルスタッペンとは獲得ポイントがちょうどダブルスコア)てランク7位と,シーズン序盤ながら苦しい位置につけています。それでも,昨シーズンまでのハミルトン&メルセデスAMGでしたら挽回が十分可能だったでしょうが,今年のポテンシャルでは厳しくなっていることは間違いありません。事実,ハミルトン自身のコメントでは,「タイトル争いから脱落している」という見方をしているようで,昨シーズンまでの同チームとハミルトンの状況から考えると,フェルスタッペンとハミルトンとでは明暗を分けているといえるのではないでしょうか。
2022/04/25(月)
◎初優勝(MotoGP)
○第5戦ポルトガルGPの決勝レースが,レースウィークを通して不安定な天候となったアルガルベ・インターナショナル・サーキットで行われました。
MotoGPクラスは,5番グリッドからスタートしたディフェンディングチャンピオンであるモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロが好スタートを切って2位にまで浮上しました。ペースに勝るクアルタラロはさらにペースを上げると,オープニングラップでトップに立っていたチーム・スズキ・エクスターのJ.ミルを交わし,ついに4周目にトップに躍り出ました。その後もペースが衰えることなく単独走行となり,最終的に2位に5秒以上の大差をつけて今季初優勝を飾りました。順位を1つ落としたミルと,ポールからスタートしたプラマック・レーシングのJ.ザルコとの間でトップ争いが展開されるようになり,最終的にザルコがこの争いを制しています。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,17番グリッドから追い上げをしていきましたが,11周目に接触して転倒を喫し,再スタートを切ることができましたが,16位まで順位を回復したものの,その順位でチェッカーとなりました。今季も今一歩の感じであるホンダ勢ですが,他の3人がトップ10フィニッシュを果たしたのに対し,中上だけがノーポイントに終わっていて,来季のシート獲得競走に黄色信号が灯り始める流れが徐々にできているような感じとなってきました。次のレースでは,絶対にこの悪い流れを断ち切ることを期待したいと思います。
Moto2クラスは,レース途中で雨が降り始め,その影響から9周目の2コーナーで何と11台もの転倒車が出るというアクシデントが発生してしまいました。それにより赤旗が提示されてレースは一旦中断となり,残り7周という超スプリントレースが展開されることになりました。転倒した11人のライダーは,レース2には出走することができず,その中には,残念ながら3位を走っていたイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍も含まれていました。レース再開となったレース2でトップに立ったのは,1番グリッドからスタートしたシモコ・ガスガス・アスパー・チームのJ.ディクソンでしたが,彼もまた足元をすくわれてすぐに転倒してリタイアとなりました。2番グリッドからスタートしたイタルトランス・レーシング・チームのJ.ロバーツが自動的にトップに立ち,そのまま逃げ切って自身初優勝を飾りました。2位には,ムーニーVR46レーシング・チームのC.ビエッティが,3位にはフレックスボックスHP40のJ.ナバーロが入っています。
Moto3クラスは,最終的に5台によるトップ争いとなりました。その争いを僅差で制したのはガビオタ・ガスガス・アスパー・チームのS.ガルシアで,2位でチェッカーとなったレッドブルKTMアジョのJ.マシアとの差は,わずか1000分の69秒でした。3位争いを制したのは,今季2回目の表彰台獲得となったステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢でした。佐々木の表彰台獲得は,第3戦以来今季2度目となります。他のフル参戦日本人ライダー勢の中では,12位でチェッカーを受けたレオパード・レーシングの鈴木竜生がポイントを獲得できたものの,他のライダーはノーポイントに終わり,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が17位,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が21位,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽は25位でレースを終えています。

◎雨中バトル(JRR)
○第2戦レース2の決勝レースが,鈴鹿サーキットにおいてSFとの併催で行われました。この日の鈴鹿は,激しい雨のためヘビーウェットというコンディションとなりました。レース1を制しているYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行がポールからスタートしましたが,やや出遅れて一時3位まで順位を下げました。それに対して,2番グリッドからスタートしたYOSHIMURA SUZUKI RIDEWINの渡辺一樹が抜群のスタートを切ってホールショットを奪ってトップに立ちました。一旦は順位を下げた中須賀でしたが,すぐにポジションを回復して2位に浮上し,渡辺を追う展開となりました。中須賀を振り切りたい渡辺でしたが,やはり思うようにはいかず,2人の激しいトップ争いがいつスリップダウンしてもおかしくないくらいの雨の中で展開していきました。後続を大きく引き離して行われた2人のバトルは,一時渡辺が1秒以上の差をつけることがあったものの,残り9周目となったところでデグナー出口で転倒があったためにセーフティカー先導となってしまい,後続も含めてギャップが一気になくなりました。残り5周となったところでリスタートとなり,超スプリントレースが展開されていきました。残り4周となったストレートで中須賀がトップに立つと,渡辺がそれに呼応して中須賀を激しく追い,トップ争いは2人の間で繰り広げられていきました。残り2周となったところで2人が激しく順位を入れ替えながらファイナルラップに突入し,その時点でトップに立っていた中須賀が渡辺の追撃を最後まで交わしてトップでチェッカーを受け,昨シーズンから続いている連勝記録を14まで伸ばしました。中須賀のチームメイトである岡本裕生は,スタートに失敗して出遅れてしまいましたが,徐々に順位を回復すると共に,セーフティカー先導で前との差が縮んだこともあり,3位争いに加わり,最終的に単独走行の3位でゴールしています。

◎完勝(F1)
○第4戦エミリア・ロマーニャGPの決勝レースが,レースが始まる午後になって雨が降り始めたイモラ・サーキットで行われました。前日に行われたスプリントレースを制してポールからスタートしたレッドブルのM.フェルスタッペンは,スタートを決めてトップに立ちました。それに対して2番グリッドからスタートしたランクトップをいくフェラーリのC.ルクレールはうまく蹴り出すことができずに出遅れ,レッドブルのS.ペレスとマクラーレンのL.ノリスの先行を許しました。トップを行くフェルスタッペンは速いペースを刻んで後続との差を広げ,危なげない走りを展開していきました。そして,ファステストラップを刻んだりしながら最後までトップの座を守り抜き,2位に16秒以上の大差をつける独走で今季2勝目を挙げました。予選,スプリントレース,決勝,ファステストラップと全てフェルスタッペンがマークし,まさに完勝と言える今回の大会となりました。ちなみに,完勝のフェルスタッペンは,今大会だけで34ポイント獲得しています。一旦はポジションを落としたルクレールですが,元々速いペースを持っていますのでノリスを交わし,さらに2位走行のペレスに迫りました。しかし,ピットインのタイミングのズレで2位に浮上することはありましたが,ペレスが再び2位に浮上。さらに,ルクレールは53周目に縁石に乗り上げてスピンを喫してしまい,フロントウィングを壊してピットインしたため,完全に表彰台争いから脱落しました。結局ペレスが2位に入ってレッドブルのワンツーとなり,3位にはノリスが入っています。1つでも順位を回復しようという走りを見せたルクレールは,6位まで順位を回復するのが精一杯という結果となりました。アルファタウリ勢は,12番グリッドからスタートした角田裕毅が,順調に順位を上げていき,最終的に7位でチェッカーを受け,開幕戦以来のポイント獲得となりました。17番グリッドからスタートしたP.ガスリーは,こちらも順位を上げていったものの,12位でノーポイントに終わっています。

◎大逆転(SF)
○第3戦の決勝レースが,ウェットコンディションながら,時間が経つにつれて雨脚が弱まってきた鈴鹿サーキットで行われました。ポールからスタートした昨年のチャンピオンであるTEAM MUGENの野尻智紀は,順調なスタートを切って後続との差を広げて行きました。それに対して2位以下は混戦となり,アクシデントなどもあって順位の変動が見られました。しかし,徐々にその中からDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの牧野任祐が抜け出し,トップの野尻を追う状況となりました。その牧野よりもさらに速いペースを刻んで順位を上げてきたのが,海外で活躍した経歴を持つB-Max Racing Teamの松下信治でした。トップ2の2人がペースを上げるのに苦労していくのに対し,松下はどんどんペースを上げてまず牧野に迫り,激しい2位争いとなりました。そして27周目に松下が牧野を交わし,次のターゲットはトップを行く野尻となりました。思うように逃げ切りができない状態となっている野尻に松下がどんどん迫っていき,30周目についに野尻を捉えてトップに立ちました。ペースに勝る松下は野尻との差をその後も広げて行き,最後は5秒以上の差をつける大逆転でトップチェッカーを受け,自身にとっても,そしてチームにとっても嬉しい初優勝を獲得しました。野尻と牧野は単独走行となり,それぞれ2位,3位でチェッカーを受けています。
2022/04/24(日)
◎ドライへと(MotoGP)
○第5戦ポルトガルGPの予選が,天候が回復していったアルガルベ・インターナショナル・サーキットで行われました。
青空が広がっていくようになったアルガルベですが,Moto3クラスの予選はまだウェットでの走行でした。しかし,その次に行われたMotoGPクラスの予選の頃になると路面は乾いていく状況となりました。Q1の最初の頃はウェットタイヤでの走行でしたが,後半になるとドライタイヤを選択するライダーが出てくるようになり,そのライダーたちがタイムを更新していきました。そして,Q2になるとどのライダーもドライタイヤを履き,タイムがどんどん更新されていきました。その中でプラマック・レーシングのJ.ザルコがファイナルアタックでタイムをさらに更新し,今季自身初となるポールを獲得しました。チーム・スズキ・エクスターのJ.ミルが2番手タイムをマークし,今季自身初となるフロントローを決めました。3番グリッドを獲得したのは,第3戦でアプリリアにMotoGPクラスでは初となる勝利をもたらしたアプリリア・レーシングのA.エスパルガロでした。Q1からの出走となったLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,ウェットタイヤが効果を出していた頃はQ1突破圏内にいましたが,他のライダーがドライへとスイッチしてタイムを上げていったのに対し,最後までウェットでの走行となった中上はどんどん順位を下げ,Q1で敗退して17番グリッド獲得で予選終了となりました。MotoGPクラス生き残りをかけて背水の陣で臨んでいる今季の中上ですが,なかなか流れをつかめていない状況を象徴するかのような今回の予選となってしまいました。ぜひ決勝レースでは,悪くてもトップ10圏内に入る走りを見せてほしいものです。
Moto2クラスは,フレックスボックスHP40のA.カネトがトップタイムをマークし,自身2度目となるポールを獲得しました。前戦でポールを獲得したアメリカン・レーシングのC.ボビエが,ポールこそならなかったものの,2番手タイムをマークして2戦連続フロントロー獲得となりました。第2戦のポールシッターであるシモコ・ガスガス・アスパー・チームのJ.ディクソンが3番手タイムをマークし,それ以来のフロントローとなりました。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,トップからおよそコンマ7秒遅れの7番手でした。
Moto3クラスは,Q1からの出走となったレッドブルKTMテック3のD.オンジュが,Q1をトップタイムで突破すると,その勢いはQ2でも続き,昨年の第10戦スティリアGP以来のポールを獲得しました。そのオンジュからわずか1000分の17秒遅れでホンダ・チーム・アジアのM.アジが3番手タイムをマークし,これまで自己最高グリッドだった3番手をさらに更新しています。3番手タイムをSICスクアドラ・コルセのL.フェロンがマークし,自身初となるフロントローを獲得しています。フル参戦日本人ライダー勢は,レオパード・レーシングの鈴木竜生が5番手,ステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢が10番手で,この2人がトップ10圏内でした。MTヘルメッツMSIの山中琉聖は16番手,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡はQ1で転倒したことあって24番手,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽は,Q1の2周目で転倒を喫してしまい,最下位となる30番手で予選を終えています。

◎13連勝(JRR)
○今季第2戦が鈴鹿サーキットで開幕し,初日はレース1の予選と決勝レースが行われました。今回の大会はJSB1000クラスのみの開催で,SFとの併催となる今季最初の2&4となっています。さらに,鈴鹿8耐への参加資格を得るためのトライアウトも兼ねています。そのレース1は,ポールからスタートしたYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行がスタートで出遅れて5番手まで順位を下げました。しかし,速さに勝っていることには変わりなく,オープニングラップですぐに4位へと浮上しました。レース序盤は中須賀や好スタートを切ってトップに立ったYOSHIMURA SUZUKI RIDEWINの渡辺一樹を含めた4台でのトップ争いが展開されました。中盤を過ぎると4台から中須賀と渡辺の2台に絞られ,残り3周で中須賀がファステストラップを出して渡辺を振り切ると,そのままチェッカーを受けて開幕戦に続いて勝利を収めました。これにより,昨シーズンから続いている連勝記録を13に伸ばしています。3位には,中須賀のチームメイトである岡本裕生が入り,ヤマハ勢が表彰台の2つを占めました。

◎逆転(F1)
○今シーズンのF1は,昨日もお伝えしたように3つの大会で決勝レースのグリッドを決める『スプリントレース』を開催することになっています。このスプリントレースは,グリッドを決めるだけでなく,トップ8にはポイントを与えられることにもなっています。前日に行われた予選でこのレースのポールを獲得したのはレッドブルのM.フェルスタッペンでしたが,スタートで出遅れてしまい,2番グリッドからスタートしたここまでランクトップをいくフェラーリのC.ルクレールの先行を許す形となりました。トップに立ったルクレールは,順調な走行を続けて後続との差を広げて行きました。ところが,後半に入るとタイヤにタイヤかすがくっついて十分なグリップが得られなくなるグレイニングが発生してペースが落ちていきました。それに対して,徐々にペースを上げていた2位走行のフェルスタッペンはルクレールに接近していき,ついに残り2周となったところでルクレールをパスしてトップに立ちました。フェルスタッペンはルクレールとの差を広げて行って,今季最初のスプリントレースを制しました。3位には,フェルスタッペンのチームメイトであるS.ペレスが入り,今季ここまで信頼性等に問題を抱えてきたレッドブルの復調が期待される結果となりました。レッドブルと同じくここまでなかなか波に乗れないアルファタウリ勢ですが,16番グリッドからのスタートの角田裕毅は,少しずつ順位を上げていって12位でチェッカーを受けています。チームメイトのP.ガスリーは,オープニングラップでアルファロメオの周冠宇にぶつけられてしまってノーズ部分に損傷を受け,ピットインせざるを得ない状況になってしまいました。最終的に17位でチェッカーとなり,今日行われる決勝レースは後方からスタートすることとなりました。

◎自身初(SF)
○今季第3戦が開幕し,初日はその予選が行われました。今季のSFは,多くの大会が2レース制をとっていますが,今大会はJRRとの併催となる2&4で行われていますので,昨シーズンまでの通常と同じく,土曜日に予選を,日曜日に決勝を行うというスケジュールとなっています。その予選で速さを見せたのは,昨年のチャンピオンで,前戦のポールシッターでもあるTEAM MUGENの野尻智紀でした。Q1をトップで通過すると,Q2でもトップタイムをマークし,2戦連続ポールとなりました。意外なことに,野尻にとっては自身初となる鈴鹿でのポール獲得でした。ポールこそホンダエンジンユーザーである野尻が獲得したものの,2〜5番手までトヨタエンジンユーザー勢が独占していて,2番手がKONDO RACINGの山下健太,そして3番手がチームメイトのS.フェネストラズでした。
2022/04/23(土)
◎今季初 PART1(MotoGP)
○第5戦ポルトガルGPが強い風が吹き,しかも雨が降るという生憎のコンディションとなったアルガルベ・インターナショナル・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。
MotoGPクラスは,FP1でトップタイムだったレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが,FP2では2番手だったものの,FP1のタイムで今季初となる初日総合トップとなりました。FP2でトップタイムだったのがマルケスのチームメイトであるP.エスパルガロで,このタイムが総合では2番手となり,レプソル・ホンダ・チームが今季初となる初日総合ワンツー発進を決めています。総合3番手タイムは,FP1のタイムでムーニーVR46レーシング・チームのM.ベツェッキがマークしています。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,FP1では15番手だったものの,FP2で9番手タイムをマークして初日を終えています。
Moto2クラスは,FP1の走行を見合わせたリキモリ・インタクトGPのM.シュロッターが,FP2で昨年の最終戦以来となる初日総合トップタイムをマークしました。総合2,3番手は,トップからやや離されてはいますが,それぞれシモコ・ガスガス・アスパー・チームのJ.ディクソン,アメリカン・レーシングのC.ボビエでした。前戦で2位表彰台を獲得してここまでランク2位につけているイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,FP1はほとんど周回せず,FP2はロングランを入れたりしたこともあってか,トップからおよそ2.7秒遅れの17番手タイムで初日を終えています。
上位が僅差のタイム争いとなったMoto3クラスは,ホンダ・チーム・アジアのM.アジが,ウェットを得意とするライダーが多い東南アジア出身のライダーらしく,自身初となる初日総合トップに立ちました。そのアジから1000分の53秒遅れでMTヘルメッツMSIのD.モレイラが総合2番手,1000分の75秒遅れでSIC58スクアドラ・コルセのR.ロッシが総合3番手タイムでした。フル参戦日本人ライダー勢は比較的上位につけているライダーが多く,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が5番手,レオパード・レーシングの鈴木竜生が8番手,ステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢が9番手とトップ10圏内で初日を終了していて,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡は12番手,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽は25番手でした。

◎今季初 PART2(F1)
○今シーズンのF1は,3つの大会でスプリントレース制が採用されていて,金曜日にスプリントレースの予選を,土曜日にスプリントレースを行い,その順で日曜日の決勝レースにおけるグリッドが決まるということになっています。そして,そのスプリントレース制が採用される最初のレースである第4戦エミリア・ロマーニャGPが,時折強い雨が降ったかと思うと,雨が止んでライン上は乾くという不安定な天候となったイモラ・サーキットで開幕しました。今日行われるスプリントレースに向けた予選が行われましたが,不安定な路面コンディションに足元をすくわれるマシンが次々に発生し,5回もの赤旗が提示されるという状況となりました。そのような中,今シーズン信頼性のあまりないマシンに振り回されている感のあるディフェンディングチャンピオンであるレッドブルのM.フェルスタッペンが,ラストアタックに入る前に唯一1分27秒台に入るタイムをマークしてトップに立ちました。そして,ラストアタックに入るタイミングで赤旗が提示されて予選セッション終了という状況となり,フェルスタペンが今季初となる予選トップとなりました。ここまでランクトップに立っていて,今季好調な走りを見せているフェラーリのC.ルクレールは,ラストアタックでできなかったこともあってタイムアップならず,唯一の1分28秒台で2番手タイムでした。予選3番手には,1分29秒台でマクラーレンのL.ノリスがつけています。フェルスタッペンのチームメイトであるS.ペレスは,7番手で予選を終えています。アルファタウリ勢はどちらもQ1で敗退していて,角田裕毅が16番手,P.ガスリーが17番手でした。
2022/04/22(金)
◎契約延長(F1)
○イモラ・サーキットで行われる第4戦エミリア・ロマーニャGPを前にして昨日フェラーリから発表があり,今シーズンも同チームからフル参戦しているC.サインツとの契約を延長することが決定しました。新たな契約期間は,2024年までの2年間となっています。チームメイトであるC.ルクレールは,既に2024年までの長期契約が結ばれていますので,フェラーリは再来年まで現在の体制が継続することになります。今回契約延長が成立したサインツは,一昨年に2021年からの2年間の契約が結ばれていました。その初年度となる昨シーズンは,エースドライバーであるルクレールよりもランキングで上回る活躍を見せました。戦闘力が上がってきている今シーズンは,ルクレールが既に2勝を挙げたのに対し,サインツは未勝利です。ただ,勝利こそ収めてはいませんが,ルクレールが勝利した開幕戦で2位に入り,フェラーリのワンツーという好調な今季を象徴する結果を残しました。さらに,ルクレールが2勝目を挙げた第3戦では,2位にこそ入りませんでしたが,3位表彰台を獲得しています。こうした活躍が評価され,今回の契約延長に至ったのは十分うなずけることでしょう。
2022/04/21(木)
◎契約解除(SGT)
○4月19日(火)に公開された第2戦『FAV HOTEL FUJI GT 450km RACE』のエントリーリストを見ると,GT300クラスにおける6号車のチーム名が『Team LeMans』となっていました。開幕戦では『MOTOYAMA Racing with Team LeMans』でしたので,キツネにつままれたような感じとなっていました。その点に関して本山哲がコメントを発表し,チーム側かの契約解除により,急遽第2戦を欠場することになったとのことです。本山が自ら立ち上げたMOTOYAMA Racingは,昨シーズンからTeam LeMansとタッグを組んでGT300クラスにフル参戦を開始し,その時は『Team LeMans with MOTOYAMA Racing』としてエントリーしていました。今シーズンは組織を変更し,新たに『MOTOYAMA Racing with TeamLeMans』としてエントリーしていました。そして,その第1戦では,予選Q1を突破し,決勝レースでは12番グリッドからスタートし,そこから追い上げをみせて5位でチェッカーを受け,見事ポイントを獲得しました。昨シーズンは苦しいシーズンでしたが,今季の開幕戦はその苦しみを乗り越えての結果となりました。国内のレースで数々の栄冠を獲得してきた本山だけに,今季の活躍が期待される結果になったことも確かです。ところが,今回の突然の決定により,その期待が一挙に沈んでしまいました。どういう経緯でそうなったのかは,具体的な発表がありませんでしたので現段階では分かりません。今季はSGTだけでなく,TCRジャパンシリーズに『TEAM MOTOYAMA」として参戦している本山ですが,そのシリーズについては継続して参戦するということです。なお,GT300クラスの6号車については,本山のペアであった片山義章は継続して参戦し,新たに2015年にマノー・マルシャF1チームからF1に参戦したR.メルヒが加わると共に,レース距離が450qと長距離になるため,第3ドライバーとして川端新太朗を起用することになっています。
2022/04/20(水)
◎スポット参戦2戦目(WRC)
○WRCにおけるフォードのワークス的立場にあるMスポーツ・フォードWRTから発表があり,5月19日(木)〜22日(日)に行われる今季最初のグラベル(未舗装路)ラリーである第4戦ポルトガル大会において,WRC9連覇を果たしているレジェンドドライバーであるS.ロウブを起用することになりました。同チームとロウブとは,今年の開幕戦であるモンテカルロ大会において,この大会限りという限定付きながらタッグを組んでスポット参戦し,通算80勝目,しかも史上最年長という記録もマークしながら見事勝利を収めました。この勝利は,フォードの新型マシンである『フォード・プーマ・ラリー1』にデビューウィンをもたらすことにもなりました。ポルトガルでのロウブは,過去に2回勝利を収めていますし,勝利とはまではいかなくても,ステージ優勝や表彰台を獲得していますので,経験は十分といえます。さらに,ロウブのコメントによると,グラベルでの走行を好んでいるということですので,開幕戦に続く勝利を得ても何ら不思議ではないのかもしれません。
2022/04/19(火)
◎連勝(EWC)
○開幕戦となる伝統の『ル・マン24時間耐久ロードレース』の決勝レースが,ドライコンディションとなったフランスのル・マン-ブガッティ・サーキットで行われました。予選でポールを獲得したのはK.ハニカ&M.フリッツ&N.カネパ組のYART-Yamaha Official Team EWCでしたが,スタートで出遅れてしまって順位を下げてしまいました。それに対して,2番グリッドからスタートしたG.ブラック&C.シメオン&S.ギュントーリ組のヨシムラSERT Motulが好スタートを切ってホールショットを奪いました。3番グリッドからスタートしたJ.フック&G.レイ&M.ディ・メリオ組のF.C.C. TSR Honda Franceも好スタートを切って,ヨシムラを追う展開となりました。レース途中でTSRがトップに立ってヨシムラがそれを追う時間帯もありましたが,TSRにトラブルや転倒があったりしたのに対し,ヨシムラは安定した速いペースを維持していき,夕方になる頃にはトップを走行していきました。24時間の中で8回ものセーフティーカー導入がある荒れた展開となりましたが,ヨシムラは大きなトラブルに見舞われることなくトップを守り続け,昨年に続いてこの大会を見事に制しました。2位には,徐々にポジションアップを果たしていったYARTが入り,トラブルなどで順位を下げたTSRも順位を回復していって3位でチェッカーを受けました。なお,日本人で唯一フル参戦しているOG MOTORSPORT BY SARAZINの渥美心ですが,残念ながらリタイアに終わっています。
2022/04/18(月)
◎3メーカーが(SGT)
○開幕戦の決勝レースが,前日よりは収まったものの,やや風の強い岡山国際サーキットで行われました。
GT500クラスは,ポールからスタートした大嶋和也&山下健太組のENEOS X PRIME GR Supraが順調にスタートを切り,徐々に後続との差を広げて行きました。それに対して,レースが進むに連れて後続では順位変動が起こっていき,そこでポジションアップを果たしてきたのが山本尚貴&牧野任祐組のSTANLEY NSX-GTと松田次生&R.クインタレッリ組のMOTUL AUTECH Zでした。それぞれのメーカーを代表するチーム&ドライバーのバトルは,途中でセーフティカーが導入されたこともあって僅差での争いとなりました。しかし,ポールを獲得している大島&山下組は,最後にスパートをかけて2台を引き離し,昨シーズンのこの大会に続いてポールトゥーウィンを達成しました。GR Supraにはおよそ1.8秒差をつけられたものの,2位にNSX-GTが入りました。そのNSX-GTにおよそ1.7秒差をつけられて3位にZが入り,この新型Zのデビューレースで表彰台を獲得しています。昨年に続いてのマシンであるGR Supra。昨年までよりマイナーチェンジしているNSX-GT。そしてブランニューのZと,メーカーそれぞれに特徴のある今季ですが,それが仲よく(?)表彰台を分け合うという結果となって,今シーズンが混戦状態になりそうな予感をさせる開幕戦となりました。
GT300クラスは,予選で好調だったトップ3が,序盤こそ良かったものの,それぞれにトラブルやアクシデントに見舞われたり,ペースが上がらなかったりして優勝争いから脱落していきました。それに対して,昨年この大会を制している藤波清斗&J-P.デ・オリベイラ組のリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが22周目にトップに立つと,どんどん後続との差を広げて行って独走態勢に持ち込んでいきました。そして,最終的に2位に14秒以上の大差をつけて独走でこの大会2連勝を果たしました。トップからは離されたものの,2位に小林崇志&太田格之進組のUPGARAGE NSX GT3が単独走行で入り,さらに3位に同じく単独走行で蒲生尚弥&篠原拓朗組のLEON PYRAMID AMGが入っています。
2022/04/17(日)
◎独占(SGT)
○SGTもようやく開幕し,その予選が晴天ながら強風が吹きつける岡山国際サーキットで行われました。
GT500クラスは,昨年この大会を制している大嶋和也&山下健太組のENEOS X PRIME GR Supraが,ハーフスピンを喫したりしてやや思うような走りができないところもあったようですが,それでも最速タイムを刻んで開幕戦のポールを獲得しました。大島にとっては,6年ぶりのポールとなります。2番手タイムを関口雄飛&中山雄一組のDENSO KOBELCO SARD GR Supraがマークし,今季3メーカーの中で唯一マシンの変更がなかったGR Supraがフロントローを独占しています。今季から最終限定車である“タイプS”を投入しているホンダ勢ですが,その中で山本尚貴&牧野任祐組のSTANLEY NSX-GTが3番手タイムをマークし,GR Supra勢のトップ3独占に待ったをかけています。今季から新型マシンであるZ GT500を投入しているニッサン勢ですが,佐々木大樹&平手晃平組のリアライズコーポレーション ADVAN Zの5番手が最高位でした。
GT300クラスは,ファイナルアタックで昨年のチャンピオンである井口卓人&山内英輝組のSUBARU BRZ R&D SPORTがコースレコードを更新するタイムを刻み,タイトル防衛がかかる今季の初戦でポールを獲得しました。最後にBRZの逆転は許したものの,今季かつての黄金コンビである新田守男と高木真一のペアが復活したK-tunes RC F GT3が2番グリッドを獲得しています。富田竜一郎の相棒で,ルーキードライバーである大草りきがタイムアタックを担当し,見事TANAX GAINER GT-Rに3番グリッドをもたらしています。
2022/04/16(土)
◎三つ巴(EWC)
○MotoGPやSBKといったスプリントレースがそれぞれ開幕しましたが,鈴鹿8耐に代表されるような2輪の耐久レースの世界戦であるFIM世界耐久選手権(EWC)のシーズンも到来し,その初戦となる伝統の『ル・マン24時間耐久ロードレース』の予選が,フランスのル・マン-ブガッティ・サーキットで行われました。その今季を占う意味で重要なその予選でポールを獲得したのは,このシリーズにおけるヤマハワークスであるYART-Yamaha Official Team EWCのK.ハニカ&M.フリッツ&N.カネパ組でした。そのタイムは,もう少しで1分35秒台を切るもので,2位にコンマ3秒以上の差をつけています。その2番手タイムをマークしたのは,昨年のチャンピオンチームで,スズキのワークスであるG.ブラック&C.シメオン&S.ギュントーリ組のヨシムラSERT Motulでした。そのヨシムラからおよそ100分の4秒遅れで,ホンダのワークスであるF.C.C. TSR Honda FranceのJ.フック&G.レイ&M.ディ・メリオ組が3番手タイムで,まさに日系メーカーのワークスによる三つ巴を予感させるさせる開幕戦の予選となりました。なお,唯一のフル参戦日本人ライダーである渥美心が所属するOG MOTORSPORT BY SARAZINは,R.ロルフォ,A.プランカッサーニュと組んで総合では24番手,SSTクラスでは11番手でした。
2022/04/15(金)
◎来季は?(MotoGP)
○シーズンが始まったばかりですが,近年のMotoGPクラスは,早い段階で来季以降の契約について発表される傾向にあります。昨シーズンは,ほとんどのライダーが2年以上の契約を結んでいることがあって,M.ビニャーレスの予想外の行動はあったものの,あまり大がかりな移籍等はないままでした。ところが,多くのライダーが今季で契約が切れますので,これから移籍や残留話がどんどん出てくるようになることが予想されます。その中で今注目となっているのが,昨年のチャンピオンであるモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロと,ドゥカティのワークライダーであるドゥカティ・レノボ・チームのJ.ミラーの2人でしょう。まずクアルタラロですが,今季でヤマハとの契約が切れることになっています。ロッシ引退以後,まさにヤマハのエースライダーとなっている彼ですから,当然契約延長となるところでしょう。ところが,もちろんヤマハとしてはそう願っているでしょうが,クアルタラロは明確な態度を見せておらず,実際他のチームとの話をマネージャーはしているようです。クアルタラロが残留を決断するためには,ヤマハのマシンの戦闘力がそれに見合ったものになる必要があります。ところが,シーズン序盤に関しては,1勝を挙げているものの,どのレースでもトップ争いに絡むという状況にはなっていません。チームメイトのF.モルビデリやサテライトであるウィズユー・ヤマハRNF MotoGPチームのA.ドビツィオーゾやM.ベゼッキに至っては,上位争いにほとんど絡めていません。こうした現況では,クアルタラロがなかなか決断できないのは当然で,これからヨーロッパラウンドに入りますが,ヤマハとしてはかなりてこ入れが必要であることは確かでしょう。ドゥカティのミラーについてですが,彼自身は延長を希望しているものの,チーム側はミラーが期待するほどの反応を見せておらず,残留は厳しいのではないかといわれているほどです。ただ,ミラーはワークスにこだわりはないようで,かつて彼が所属していたサテライトのプラマック・レーシングに移籍する,つまり降格になってもMotoGPクラスに参戦できさえすればそれでよいという構えのようです。もっとも,ヤマハと違ってドゥカティはサテライトチームの方が好成績を収めることが少なくなく,たとえ降格になっても,大きな影響がないということも十分考えられます。両者とも,すぐに結論が出る状況ではないようで,今後の推移が気になるところです。
2022/04/14(木)
◎活動強化(FE)
○4月12日(火)に日産自動車から発表があり,FIAフォーミュラE世界選手権に参戦している『e.ダムス』を買収することになりました。今回発表を行ったニッサンは,2018&2019年シーズンから今回買収することになったE.ダムスとタッグを組んでFEでの活動を開始し,昨年3月には2025&2026年までFEでの活動を継続することを発表しています。市販車でも電動化を進めている同社ですが,それとリンクするように電動フォーミュラカーで争われているFEへの活動を継続してきていました。今回の買収発表は,FEでの活動をさらに強化することを意味していることになります。今回の買収により,チーム創設者の息子で,同チームを率いてきたO.ドリオとG.ドリオの2人はチームを離れることになり,同チームでゼネラルマネージャーを務めているT.ヴォルペがe.ダムスのマネージングダイレクターとなり,新たにF.シカールがスポーツ・ディレクターを務めることになっています。「買収」というと何となく敵対的なイメージがあったりしますが,関係者のコメントを見ると,今回の決定は円満なものだったようです。
2022/04/13(水)
◎3年ぶり(SBK)
○先週末にSBKの今季開幕戦となるアラゴン大会が,10度台とやや低い気温となったモーターランド・アラゴンで行われました。
初日の4月9日(土)にはレース1が行われ,チャンピオン返り咲きを狙うKawasaki Racing Team WorldSBKのJ.レイと,3年ぶりにドゥカティ陣営に帰ってきたAruba.it Racing-DucatiのA.バウティスタとが,ファイナルラップまでトップ争いを展開しました。そのバトルをレイが制し,今季初戦を飾っています。3位には,昨年のチャンピオンであるPata Yamaha with Brixx WorldSBKのT.ラズガットリオグルが入っています。
4月10日(日)には,スーパーポールレースとレース2が行われました。まずスーパーポールレースの方ですが,こちらはレース1とは違ってバウティスタがレイに5秒以上の大差をつけてこのレースを制しました。ここ2年間はTeam HRCに所属してフル参戦してきたバウティスタですが,マシンの戦闘力不足があって一度も優勝できないままでした。今回の優勝は,現在のチームに所属していた3年前以来のものとなります。3位には,バトルを制したラズガットリオグルが入っています。レース2は,少し気温が上昇した中で行われました。スタート時はポールからスタートしたレイがトップの座を守っていきましたが,3周目にスーパーポールレースを制して勢いに乗るバウティスタがレイを交わしてトップに浮上。さらに,バウティスタのチームメイトであるM.ルーベン.リナルディもそれに続こうとレイにアタックを敢行しました。その時両車が接触しそうになり,それを避けるためレイはコースアウトをしてしまい,4位まで順位を下げてしまいました。一旦は順位を下げたレイでしたが,バウティスタを追うべくペースを上げて行って2位にまで再浮上していきました。しかし,その間バウティスタは完全な独走態勢に持ち込んでいて,結局4秒以上の差をつけてバウティスタがこの日のレース2つとも制しました。3位にラズガットリオグルが入り,ディフェンディングチャンピオンはこの大会全て3位で終了しています。唯一のフル参戦日本人ライダーであるGYTR GRT Yamaha WorldSBK Teamの野左根航汰は,レース1とスーパーポールレースはどちらも18位,レース2はリタイアに終わっていて,残念ながら1ポイントも獲得できないまま大会を終えています。
2022/04/12(火)
◎2週連続で?(F1)
○3月17日(木)のこのページでお伝えしたように,ロシアによるウクライナ侵略に対して,F1は9月に第17戦として組まれていたロシアGPの開催を中止することになりました。この決定は,今季限定ではなく,今後ロシアでF1を開催しないというかなり厳しいものでした。ただ,ロシアGPの開催中止となっても,今季予定されている全23戦という点は変更せず,代替地を検討することになっています。この17日付でお伝えしたように,この段階では,代替地としてホッケンハイムでのドイツやアルガルベ・インターナショナル・サーキットでのポルトガル等の名前が出ていました。ところが,ここに来て新たな候補地が出てきているようです。これはmotorsport.comが報じているもので,その代替地としてシンガポールが浮上しているようなのです。当初のレースカレンダーでは,ロシア,シンガポール,そして日本と,3週連続して開催されることになっていました。ロシアGPがなくなったことにより,この週が空きますので,そこにシンガポールのレースを1つ加え,シンガポールで2週連続開催にするということのようです。これだと,カレンダーの日にちを組み替える必要はありませんし,移動距離も短くて済みます。その他の代替地候補として,サッカーワールドカップの開催により今季はカレンダーから外されているカタールも考えられるようです。ただ,この時期は,日本でさえ残暑厳しい頃で,ましてやカタールとなるとその比ではなく,たとえナイトレースにしたとしても厳しさはさほど変わらないようです。ということで,現実的にカタールは外れることになりそうで,シンガポールでの2週連続開催の線が強くなってきていても不思議ではないでしょう。
2022/04/11(月)
◎500(MotoGP)
○第4戦アメリカズGPの決勝レースが,レースウィークを通してドライコンディションとなったサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われました。
今回のMotoGPクラスは,1992年から始まった国際モーターサイクリズム連盟,国際ロードレーシングチーム連盟,モーターサイクルスポーツ製造者協会,ドルナスポーツによる運営体制になって500戦目というメモリアルレースとなります。前日行われた予選は,ドゥカティ勢が史上初となるトップ5独占という結果を残していました。その勢いは決勝でも続くかというところが一つの見所となっていましたが,スタートしてトップ争いはしばらくの間ドゥカティ3台によるトップ争いが展開されていきました。そのような中,チーム・スズキ・エクスターA.リンスが次第に順位を上げていって,表彰台争いに加わっていきました。好スタートを切ったドゥカティワークスであるドゥカティ・レノボ・チームのJ.ミラーがトップを行き,それをグレシーニ・レーシングMotoGPのE.バスティアニーニが追うという展開となり,ついに16周目にバスティアニーニがトップに立つと,次第に後続との差を広げて行きました。その後,2位に落ちたミラーとリンスとの2位争いとなり,ファイナルラップでリンスがミラーを交わして2位となりました。これにより,前戦に続く2戦連続の表彰台獲得となると共に,スズキ勢としての通算500回目の表彰台獲得となりました。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,思うようなペースを維持することができず,最終的に14位でのチェッカーとなりました。ここを得意とするレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,何とスタートでミスして最下位まで落ちるという展開になってしまいました。しかし,どんどん順位を上げる速さを見せ,最終的に6位でチェッカーを受けています。「たられば」ですが,スタートミスをしなければ優勝争いに絡んだ可能性が高く,何とも惜しいレースとなってしまっています。
Moto2クラスは,4番グリッドからスタートしたエルフ・マークVDSレーシング・チームのT.アルボニーノが好スタートを切って2位まで浮上しました。さらに8周目にトップに立つと後続との差を広げて行き,2位におよそ3.5秒の差をつける独走でトップチェッカーを受け,このクラスで嬉しい初優勝を飾っています。11番グリッドからスタートしたイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,徐々に順位を上げていって12周目には2位まで浮上しました。そして,ペースに勝るアルボニーノの独走は許しましたが,2位でチェッカーを受け,自身最高位タイの順位となると共に,2戦連続の表彰台を獲得しています。さらに,ポイントランキング争いでは,トップと14ポイント差の2位に浮上しています。3位には,このクラスで自身初表彰台獲得となるインデ・ガスガス・アスパー・チームのJ.ディクソンが入っています。
Moto3クラスは,4台によるトップ争いがファイナルラップまで続き,これをレッドブルKTMアジョのJ.マシアが制しています。2,3位にはそれぞれレオパード・レーシングのD.フォッジア,リバコールド・スナイパーズ・チームのA.ミーニョが入りました。最後までトップ争いに加わっていたステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢でしたが,最終的に4位でチェッカーを受け,惜しくも2戦連続の表彰台獲得とはなりませんでした。他のフル参戦日本人ライダー勢ですが,レオパード・レーシングの鈴木竜生が10位でチェッカーを受けてポイントを獲得しています。他のライダーはポイント獲得には至らず,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽がポイント獲得まであと一歩の16位,MTヘルメッツMSIの山中琉聖がそれに続く17位でレースを終了しています。CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡は,オープニングラップで転倒してリタイアに終わっています。

◎独走(F1)
○第3戦オーストラリアGPの決勝レースが,好天に恵まれたアルバート・パーク・サーキットで行われました。ポールからスタートしたフェラーリのC.ルクレールは,好スタートを切ってトップの座を守りました。2番グリッドからスタートしたレッドブルのM.フェルスタッペンもその位置を守り,2人のトップ争いとなりました。その後,一旦は順位を落としたレッドブルのS.ペレスが順位を挽回し,ルクレールをレッドブルの2人が追うという展開となりました。ペースに勝るルクレールは,レッドブルとの差を徐々に広げて行き,独走態勢に持ち込みました。途中アクシデントでセーフティーカーが導入され,差がリセットされることもありましたが,すぐにまた差を広げて行き,独走態勢を築いていきました。2位の座を守っていたフェルスタッペンでしたが,39周目にマシントラブルが発生してしまってコース脇にマシンを止め,そのままリタイアとなってしまいました。フェルスタッペンの脱落によりチームメイトのペレスが2位となり,さらにその後ろを単独で走っていたメルセデスAMGのG.ラッセルが自動的に3位に浮上し,その順位のままチェッカーとなり,ルクレールが今季2勝目を挙げました。アルファタウリ勢は,P.ガスリーが9位でチェッカーを受けてポイントを獲得したのに対し,角田裕毅はタイヤの減りに悩まされてポジションを上げることができず,最終的にポイント圏外の15位でレースを終えています。

◎逆の順で(SF)
○土曜日と日曜日にそれぞれ予選と決勝が行われる大会がある今季のSFですが,開幕戦がそれに当てはまり,昨日第2戦の決勝レースが好天となった富士スピードウェイで行われました。ポールからスタートした昨年のチャンピオンであるTEAM MUGENの野尻智紀は,好スタートを切ってトップの座を守りました。2番グリッドからスタートしたKuo VANTELIN TEAM TOM’Sの宮田莉朋も順調にスタートし,他のドライバーにアクシデントやトラブルが発生する中,2人の間でトップ争いが続きました。しばらくはその状態でしたが,徐々にペースを上げてきたのが,前日に行われた第1戦の勝者であるcarenex TEAM IMPULの平川亮でした。それに対して,野尻は順調にペースを刻んだものの,2位走行の宮田は少しずつペースを落としていき,野尻との差は開くと同時に,平川との差がどんどん縮まっていきました。そして,25周目にタイヤ交換を済ませて宮田がコースに復帰しましたが,タイヤがまだ冷えていたためペースを上げることができず,ついに平川の先行を許してしまいました。2位に浮上した平川は,トップの野尻を必死に追いましたが,王者の貫禄を見せるかのように平川の追撃を交わし,見事トップでチェッカーを受けました。2,3位は平川と宮田の順となりました。第1戦が平川,野尻の順で,第2戦はちょうどそれと逆の順という結果となっています。
2022/04/10(日)
◎独占(MotoGP)
○第4戦アメリカズGPの予選が,路面温度が50度を超える中サーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われました。
MotoGPクラスは,初日の走行で速さを見せたドゥカティ勢が,予選でもその勢いを見せました。Q1でトップタイムをマークしてQ2に進出したプラマック・レーシングのJ.マルティンは,Q2でもその速さを見せ,ラストアタックで逆転してトップタイムをマークし,今季2度目のポールを獲得しました。最後の最後で逆転を喫し,わずか1000分の3秒遅れでドゥカティ・レノボ・チームのJ.ミラーが2番手タイムとなりました。ミラーからは遅れたものの,チームメイトのF.バグナイアが3番手タイムでした。さらに,4,5番手をそれぞれプラマック・レーシングのJ.ザルコ,グレシーニ・レーシングMotoGPのE.バスティアニーニがマークし,ドゥカティが史上初となるトップ5独占となりました。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,Q2からの予選となり,ホンダ勢としては2番手となる10番グリッド獲得となりました。
Moto2クラスは,今回が自身にとってもチームにとっても母国GPとなるアメリカン・レーシングのC.ボビエがトップタイムをマークし,見事今日行われる決勝レースをポールで迎えることになりました。トップ3は比較的タイム差があり,トップのボビエからおよそコンマ3秒遅れでムーニーVR46レーシング・チームのC.ビエッティが2番手,そのビエッティからおよそコンマ5秒遅れでフレックスボックスHP40のA.カネトが3番手でした。2戦連続表彰台獲得が期待されるイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,Q2からの走行となって11番手で予選を終えています。
Moto3クラスは,リバコールド・スナイパーズ・チームのA.ミーニョがラストアタックで最速タイムを刻み,昨年の第5戦フランスGP以来となるポールを獲得しています。ミーニョの逆転は許しましたが,一度もピットに入らず予選セッションを走り続けたレオパード・レーシングのD.フォッジアが,1000分の67秒遅れの2番手となりました。3番手タイムをCFMOTOレーシング・プルステルGPのX.アルティガスがマークし,自身初のフロントローを獲得しています。フル参戦日本人ライダー勢は,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が9番手,ステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢が10番手で,この2人がトップ10圏内に入りました。もう1人Q2からの出走となったレオパード・レーシングの鈴木竜生は,16番手とやや出遅れています。Q1で敗退となったMTヘルメッツMSIの山中琉聖とホンダ・チーム・アジアの古里太陽は,それぞれ21番手,25番手と後方からの決勝スタートとなりました。

◎唯一(F1)
○第3戦オーストラリアGPの予選が,雲が多めながらドライコンディションのアルバート・パーク・サーキットで行われました。前日のフリー走行で唯一1分18秒台をマークして総合トップタイムだったフェラーリのC.ルクレールは,この日の予選でもはやさを見せ,昨日のタイムをさらに上回って唯一1分17秒台をマークして今季2回目となるポールを獲得しました。ラストアタックで一旦はトップタイムをマークしたものの,その後ルクレールにタイムを更新されて,レッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンは2番手タイムとなりました。チームメイトのS.ペレスが3番手タイムをマークし,フェラーリの後塵を拝してはいますが,レッドブルが2,3番手を占めました。アルファタウリ勢は,苦しい状況があった中でQ2突破を目指しましたが,角田裕毅はそのQ2になると一層思うような走りができないようになってしまい,さらに,スピンを喫したところでチームメイトのP.ガスリーが来て,ガスリーがペースを落とさざるを得ない状況になったりして,2人揃ってQ2で敗退となり,ガスリーが11番手,角田が13番手獲得で予選を終えています。

◎独走で(SF)
○今シーズンの初戦が,ドライコンディションとなった富士スピードウェイで始まりました。今シーズンのSFは,大会によって土曜日と日曜日にそれぞれ予選と決勝が行われることになっていて,開幕戦からいきなりその開催方式となっています。
開幕戦らしく,決勝レースはスタート段階からいきなり波乱の展開となりました。ポールを獲得したのはTEAM MUGENの笹原右京でしたが,スタートに失敗してエンジンがストールしてしまい,スタート段階でいきなり脱落してしまいました。その後の笹原は,スローパンクチャーに見舞われたりしてまさに踏んだり蹴ったりのレースとなってしまいました。2番グリッドからのスタートとなったのはルーキードライバーであるTEAM GOHの佐藤蓮でしたが,彼もスタートに失敗してしまって大きく出遅れてしまいました。ただ,佐藤は徐々に順位を回復していき,最終的に9位でチェッカーを受けてデビューレースでポイントを獲得しています。フロントローの2台が順位を下げる中,オープニングラップを制したのは,今シーズンからSFだけでなく,世界耐久選手権(WEC)にもフル参戦し,引退した中嶋一貴の後を継いでいる平川亮でした。途中KONDO RACINGのS.フェネストラズにトップを奪われるシーンもありましたが,すぐに順位を回復してトップを守って行きました。10周を過ぎるとピットインすることができますので,早い段階でタイヤ交換を済ませるマシンもありました。その中で早さを見せたのは,ディフェンディングチャンピオンであるTEAM MUGENの野尻智紀でした。全てのマシンがピットインを済ませたときには,何とトップに立つはやさを見せました。しかし,ペースに勝る平川が激しいトップ争いに持ち込み,ついに再びトップに返り咲きました。その後の平川は独走態勢に持ち込み,最終的に5秒以上の大差をつけて開幕戦を制しました。2位に落ちた野尻ですが,差を詰めてきたフェネストラズとのバトルを制し,最終的に1秒以上の差をつけて2位フィニッシュを果たしています。コロナ禍の影響で昨シーズンまでは思うようにレースに参加できなかったフェネストラズですが,今季はその点がなんとかなりそうで,その最初のレースで3位表彰台を獲得しています。
2022/04/09(金)
◎ワンツー発進(MotoGP)
○MotoGPは2週連続開催となりますが,その2つ目のレースである第4戦アメリカズGPが開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。
前戦でアプリリアが初の勝利を獲得したMotoGPクラスですが,今回の初日に関しては,ドゥカティが速さを見せる結果となりました。その初日総合トップタイムをマークしたのは,ドゥカティのサテライトチームであるプラマック・レーシングのJ.ザルコでした。そのザルコからおよそコンマ25秒遅れで,ドゥカティのワークスであるドゥカティ・レノボ・チームのJ.ミラーが総合2番手タイムでした。今季のドゥカティは,ワークスよりサテライトの方が成績を収めていますが,今回の初日もその傾向が見られ,総合4番手にグレシーニ・レーシングMotoGPのE.バスティアニーニがつけています。そのドゥカティ勢の一角に食い込んで総合3番手タイムだったのが,今季なかなか波に乗れないでいる昨年のチャンピオンであるモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロがつけました。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,17番手タイムで初日を終えています。
Moto2クラスは,前戦で自身初となるポールを獲得したMBコンベアーズ・スピード・アップのF.アルデグエルがエルフ・マークVDSレーシング・チームのT.アルボリーノに1000分の46秒という僅差で初日総合トップに立ちました。総合3番手タイムは,今回が母国GPとなるアメリカン・レーシングのC.ボビエがつけています。前戦で3位表彰台を獲得したイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,8番手タイムとトップ10に入って初日を終えています。
Moto3クラスは,レオパード・レーシングのD.フォッジアが,FP1ではトップタイムだったリバコールド・スナイパーズ・チームのA.ミーニョにコンマ4秒弱の差をつけて初日総合トップに立ちました。総合3番手タイムは,レッドブルKTMアジョのD.ホルガドがつけています。フル参戦日本人ライダー勢では,開幕戦カタールGPで表彰台を獲得したCIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が6番手,フォッジアのチームメイトである鈴木竜生が8番手,前戦で表彰台を獲得しているステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢が10番手に入り,この3人がトップ10圏内で初日を終えています。他の日本人ライダーはタイムアップならず,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が25番手,フル参戦2戦となるホンダ・チーム・アジアの古里太陽は26番手で初日を終えています。

◎唯一(F1)
○コロナ禍により昨年,一昨年と開催中止となったオーストラリアGPが3年ぶりに開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。
曇り空ながらドライコンディションとなったアルバート・パーク・サーキットで行われたフリー走行では,今季ここまで好調なフェラーリ勢が速さを見せ,FP1では唯一1分19秒台をC.サインツがマークし,FP2では唯一1分18秒台をC.ルクレールがマークし,このルクレールのタイムがこの日の総合トップタイムとなりました。FP1でTOPだったサインツは,FP2のタイムで総合3番手につけています。前戦で勝利を収めたレッドブルのM.フェルスタッペンも好調で,ルクレールの後塵は拝したものの,総合2番手と好発進を決めています。FP1で3番手だったレッドブルのS.ペレスは,FP2のタイムで総合5番手となっています。アルファタウリ勢は,P.ガスリーが9番手とトップ10県内のタイムをマークし,トラブルにより前戦は全く走行できなかった角田裕毅は,今回は無事走ることができ,12番手で初日の走行を終えています。
なお,新型コロナウルス感染により,開幕からの2戦を欠場していたアストンマーティンのS.ベッテルは,母国GPで無事復帰することができました。ところが,この日取った彼の行動が,審議の対象となりました。FP1で走行した際,トラブルによりマシンがストップし,その場でセッション終了となりました。通常は,オフィシャルの車やバイクに乗ってコース脇にある裏道(サービスロード)を通ってピットに戻るのですが,何と彼はオフィシャルのスクーターを借り,無断でコース上を走行し,観客に手を振りながら戻ってきたのです。母国GPでのファンサービスとも取れる行為ではありますし,きちんと許可を受けてのものであれば問題ありません。ただ,全てのマシンがピットに入って走行するマシンがなかったとはいえ,無断となると問題があります。さらに,スクーターを運転している際,ヘルメットをきちんと被っておらず,ちょこんと頭に乗せた状態で走行していました。ドライバーやライダーはもちろん,オフィシャルでさえもコース上はヘルメットを装着するよう指導されています(海外は若干緩いようではありますが・・・)ので,これまた問題視されても仕方ありません。ファンサービスとルールとは,場合によって相反することがありますが,これもその1つといえそうです。なお,審議の結果ですが,罰金としてベッテルに5000ユーロが科されています。
2022/04/08(金)
◎危機回避(F1)
○先週行われたMotoGPの第3戦アルゼンチンGPは,機材の到着遅れが発生したため,初日の走行がキャンセルされて2日間での開催となりました。F1においては,バーレーンで行われた合同テストにおいて,ハースの機材の到着が遅れてしまったため,同チームは特別に走行枠が確保されました。こうしたように,世界を転戦するF1やMotoGPは,輸送という点も大きな比重を占めます。そのような中,今日から始まる第3戦オーストラリアGPでも,同様の危機があったようです。どのチームもそれぞれの大会に間に合うように余裕を見て機材の輸送を行います。特に,コスト削減が大きな命題になっている状況ですので,時間はかかるものの,船便を利用することが多くなっていますので,さらに余裕を考えなければなりません。ところが,具体的なチーム名は分かりませんが,3チーム分の機材の到着が遅れる可能性が浮上したことがあったようです。この危機的状況を回避するため,F1における公式な輸送担当であるDHL社は,すぐに対策を打ち,シンガポールで機材を下ろし,そこで同社が準備したボーイング777と767(飛行機に詳しい方は,その輸送可能量の多さは見当が付くと思います。)に載せ換えてメルボルンまで運び,無事この危機を回避したとのことです。ロシアのウクライナ侵略等の影響により,石油の価格が上昇していますし,輸送でも遅延が発生しているようです。侵略を含めてまだ先が読めない状況ですので,輸送コストの削減や確実な輸送に今季は悩まされそうな感じです。それに輪をかけるかのように,今季は大会の開催数が過去最高ですので,より一層悩まされることになります。
2022/04/07(木)
◎得意サーキットから(MotoGP)
○昨日,ホンダワークスであるレプソル・ホンダ・チームから発表があり,今週末に開催される第4戦アメリカズGPに2つの大会を欠場したM.マルケスが出場することになりました。今回復帰するマルケスは,3月20日(日)に行われた第2戦インドネシアGPのウォームアップ走行において,ハイサイドに見舞われてしまいました。その際,空中高く舞い上げられたマルケスの体は,激しく路面にたたきつけられました。病院で精密検査を受けた結果,幸いなことに軽い脳震盪でその時は終わりました。ただ,決勝レースは,頭を強打していますので大事を取って欠場しました。大会終了後,スペインに帰国する際に以前から患っていた複視症状が再び現われてしまいました。帰国後医師の診断を受け,これまた幸いなことに軽い症状に留まっていて,入院等の大がかりなことにはなりませんでした。とはいえ,超高速で競うMotoGPのレースですから,念のために第3戦アルゼンチンGPも欠場していました。そのマルケスが復帰するのは,彼が最も得意としている大会の1つです。マルケスは2013年にMotoGPクラスへステップアップしましたが,それから6年間にわたってこのアメリカズGPをポールトゥーウィンで飾りました。2019年からの2年間は,怪我による長期離脱があったため,この大会も欠場しています。そして,復帰となった昨シーズンは,まだ体調等が不十分ということもあってポールこそ逃しましたが,3番グリッドからスタートして見事トップでチェッカーを受けています。前戦アルゼンチンGPにおけるホンダ勢は,全員がQ1からの出走となりましたし,決勝での最高位は中上貴晶の12番手というように,昨シーズンよりはマシンがよくなっているようではありますが,他メーカーに比べるとまだまだ戦闘力が十分とはいえない状況にあります。復帰戦ということがあってまだマルケス自身十分な状況でないでしょうし,マシン自体もそういう調子ですから,やや不安な面があることは確かでしょう。しかし,マルケスと会場であるサーキット・オブ・ジ・アメリカズとの相性を考えると,そうした不安な面を払拭してくれるではないかという期待が持たれることも確かです。
2022/04/06(水)
◎高速化(F1)
○今週末は,メルボルンにあるアルバート・パーク・サーキットにおいて第3戦オーストラリアGPが開催されます。コロナ禍により,日本GPと同じくここ2年間は開催中止となっていて,2019年以来の開催となります。会場であるアルバート・パーク・サーキットは,これまでオーバーテイクしにくいサーキットの1つでした。今シーズンからレギュレーション変更によりF1のマシンは変化を遂げていますが,これのねらいの1つはオーバーテイクを増やすということです。同サーキットは,この主旨を尊重して,コースレイアウトの変更を行っていて,主催者からその点について動画等で紹介されました。それによると,具体的な改修ポイントはターン1とターン6,そしてターン15で,コーナーのR(半径)が変更されています。また,ストレートを増やすため,ターン9〜10のシケインが削除されました。もちろん,トラック全体の再舗装も行っています。また,ピットレーンも改修されていて,従来より幅が拡幅されています。レース中にリアウィングの抵抗を減らすことができるDRSゾーンが,全部で4つとなりオーバーテイクする機会が増えます。こうした様々な改良により,予選における平均ラップタイムは5秒前後,平均速度は時速15qほどアップするのではないかという予想が出されています。
2022/04/05(火)
◎連勝(元F1&SGT)
○フィンランド人ドライバーのH.コバライネンといえば,2007年から6年間にわたってF1にフル参戦し,2015年からは戦いの場を日本に移してSGTに7年間にわたってフル参戦したドライバーです。SGTフル参戦2年目の2016年には,前年から所属しているTEAM SARDで平手晃平と組んでレクサスRC-Fを駆り,見事GT500クラスチャンピオンを獲得しました。それ以後はタイトルに手が届かず,コロナ禍で思うように家族と時間を過ごせなかったこともあって,昨シーズン限りでSGTでの活動を終了し,家族との時間を取れる状況を選択しています。そのコバライネンですが,SGTに参戦すると共に,日本国内でラリーにも参戦していました。フィンランド人といえば,ラリーと切っても切り離せないところがありますが,サーキットでのレースを中心としてきたコバライネンも,ラリーの活動をしていたわけです。昨シーズンは全日本ラリー選手権にトヨタGT86 R3を駆ってJN2クラスに参戦し,見事チャンピオンに輝いていました。SGTでの活動,そして日本での活動に一区切りつけたものの,ラリーに関しては継続していて,今シーズンは最高峰クラスであるJN1クラスにシュコダ・ファビアR5を駆って参戦を継続しています。その開幕戦『新城ラリー』では,初めてのクラスにもかかわらず見事優勝しました。日本国内のラリーとはいえ,ベテランドライバーで数々の実績を積んでいる奴田原文雄やWRCでトヨタからフル参戦している勝田貴元の実父でもある勝田範彦もフル参戦しています。そうした中で見事勝利を収めたのですが,先週末に佐賀県の唐津市で第2戦『ツール・ド・九州』が開かれ,何とここでも勝利を収めて2連勝を飾りました。アブダビで家族と共に住んでいるコバライネンですが,全日本ラリー選手権がある度にわざわざ来日して参戦しています。こうした動きは,昨年と違って隔離期間が短くなっているのがコバライネンにとって幸いになっているようです。果たしてコバライネンの躍進がどこまで続くのか,なかなか国内ではマイナーなところがありますが,興味を持って追ってみるのもいいかと思います。
2022/04/04(月)
◎初優勝&初ダブル表彰台(MotoGP)
○第3戦アルゼンチンGPの決勝レースが,その名が示すように温泉地で有名なところにあるテルマス・デ・リオ・オンドで行われました。
MotoGPクラスは,MotoGPクラスとなって初となるポールを獲得したアプリリア勢が,決勝レースでも活躍しました。ポールを獲得したアプリリア・レーシングのA.エスパルガロは,スタートでやや出遅れて,2番グリッドからスタートしたプラマック・レーシングのJ.マルティンの先行を許しました。その2人は,徐々に後続との差を広げて行き,2人のトップ争いはレース後半まで続きました。最初こそマルティンのペースがやや上回っていましたが,エスパルガロもペースを取り戻していき,残り6周となったところでマルティンに仕掛けました。ここでは順位の入替えはありませんでしたが,その翌周である残り5周目でついにトップに浮上しました。トップに立ったエスパルガロは,マルティンとの差を広げて行き,ついにトップでチェッカーを受けました。この勝利は,彼にとって最高峰クラス200戦目で初優勝となります。さらに,アプリリアにとっても,最高峰クラスで初優勝となります。今回の勝利により,何とエスパルガロがこれまた自身初となるランキングトップに立ちました。チームメイトのM.ビニャーレスは,トップから6秒以上遅れはしましたが,アプリリアに移籍以来最高位となる7位でチェッカーを受けています。3位争いはチーム・スズキ・エクスター勢が展開し,A.リンスが今季初表彰台を獲得しています。これにより,チームタイトルでランクトップに立っています。10番グリッドからスタートしたLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,序盤はトップ10圏内に入る走りを見せましたが,最終的にホンダ勢としては最高位となる12位でチェッカーを受けました。
Moto2クラスは,6番グリッドからスタートしたムーニーVR46レーシング・チームのC.ビエッティが,ポジションアップを果たしていき,2位におよそ1.5秒の差をつけて開幕戦以来となる勝利を収めました。前戦の勝者であるイデミツ・ホンダ・チーム・アジアのS.チャントラは今回も好調で,一時トップを走る走りを見せ,トップからは離されたものの,単独走行で2位に入っています。チャントラのチームメイトである小椋藍は,8番グリッドからスタートしてポジションアップを果たしていき,3位争いまで持ち込みました。最終ラップまで続いたこの争いを制し,昨年8月に行われた第11戦オーストリアGP以来となる表彰台を獲得しています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジア勢が2,3位に入り,チーム創設以来初のダブル表彰台獲得となりました。
Moto3クラスは,激しいトップ争いが最後まで続き,ガビオタ・ガスガス・アスパー・チームのS.ガルシアがこれを制し,昨年の第11戦オーストリアGP以来の勝利を収めました。一時はトップを走ったレオパード・レーシングのD.フォッジアでしたが,トップからコンマ146秒遅れの2位でチェッカーを受けています。3番グリッドからスタートのステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢は,予選では好調ですが,決勝になると結果が残せていないレースが続いていました。しかも,今回は前戦の接触の責任が問われてロングラップペナルティーが科せられてもいました。そのペナルティーを消化したときには,3位から18位までポジションをダウンしていました。ところが,ここ2戦の不運を振り払うかのように順位をどんどん回復していき,最後の最後で3位表彰台を獲得しました。佐々木の表彰台獲得は,昨年9月に行われた第13戦アラゴンGP以来となります。他のフル参戦日本人ライダー勢も今回は好調で,レオパード・レーシングの鈴木竜生が5位,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が7位,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が12位でチェッカーを受けてポイントを獲得しています。怪我による欠場で今回が今季初レースとなるルーキーライダーであるホンダ・チーム・アジアの古里太陽は,ポイント獲得には至りませんでしたが,17位完走を果たしています。

◎連勝&初優勝(JRR)
○開幕戦の決勝レースが,途中から雨に見舞われるという不安定な天候となったモビリティリゾートもてぎで行われました。
JSB1000クラスは,各車がグリッドに並んだところで雨に見舞われてしまい,リスタートとなってしまいました。周回数が減らされてウェットレースとしてスタートを切った決勝レースは,序盤こそ複数台によるトップ争いが展開されていきましたが,他メーカーを寄せ付けない速さを見せるYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行と今季同チームに加わった岡本裕生の2台によるマッチレースとなりました。ヤマハワークスによる激しいバトルはファイナルラップまで続き,最後は大先輩である中須賀が岡本を制してレース1に続いて勝利を収めました。これにより,中須賀が昨シーズンから続けている連勝街道をさらに突き進む結果となりました。3位には,こちらも単独走行でYOSHIMURA SUZUKI RIDEWINの渡辺一樹が入っています。
JSB1000クラスの次に行われたST1000クラスは,こちらもウェット宣言が出された状態でスタートを切りました。このクラスも序盤こそ複数台による争いがありましたが,その中でJAPAN POST Honda Dream TPの高橋裕紀とAstemo Honda Dream SI Racingの渡辺一馬によるホンダ勢のトップ争いとなりました。その2人のバトルもファイナルラップまで続きましたが,最後は周回遅れが多数出たこともあって渡辺が高橋との差を少し広げてチェッカーとなりました。しかし,スタート前にグリッド上で行った作業に違反がSI Racing側にあったことから,レース途中で30秒加算のペナルティーが科されていましたので,渡辺は6位降格となってしまい,高橋が昨シーズンに続いて開幕戦を制しました。渡辺の脱落に伴い,2,3位にはそれぞれAKENO SPEED・YAMAHAの南本宗一郎と今回Team GYTRからスポットで参戦している前田恵助が入っています。
ST600クラスは,7台によるトップ争いが展開されていき,その中からさらに4台に絞られた状態となってファイナルラップまでバトルが続きました。最終的にTN45withMotoUPRacingの羽田太河とJAPAN POST Honda Dream TPの小山知良という若手とベテランによるバトルとなり,羽田がこれを制しました。羽田にとっては,これがJRRでの初優勝となりますし,今季から新たに長島哲太が立ち上げたチームにとっても初優勝となります。3位にMOTOBUM HONDAの荒川晃大が入り,ホンダのCBR600RRが表彰台を独占しています。
J-GP3クラスは,Team Plusoneの木内尚汰とP.MU 7C GALESPEEDの尾野弘樹によるトップ争いと,木内のチームメイトである上原大輝とMARUMAE with Club PARISの彌榮郡による3位争いがファイナルラップまで持ち込まれました。そのバトルは,最終的にそれぞれ木内と上原が制し,Team Plusoneが表彰台の2つを占めました。なお,木内にとってはこれがJRRでの自身初優勝となります。
2022/04/03(日)
◎初ポール(MotoGP)
○機材の到着遅れにより,初日の走行がキャンセルとなった第2戦アルゼンチンGPの予選が,ところどころ砂埃が舞うテルマス・デ・リオ・オンドで行われました。
MotoGPクラスは,プレシーズンテストでトップ2をしばしば独占していたアプリリアでしたが,フリー走行でもワンツーを決めていました。その速さは予選でも発揮され,アプリリア・レーシングのA.エスパルガロがトップタイムをマークしてポールを獲得しました。アプリリアとしては2000年にJ.マックウィリアムズが獲得して以来,そしてMotoGPクラスに復帰して以来初のポールとなります。チームメイトのM.ビニャーレスは,やや遅れは取ったものの,2列目となる5番グリッドを獲得しています。ドゥカティ勢はサテライト勢が好調で,プラマック・レーシングのJ.マルティンが2番手,ムーニーVR46レーシング・チームのL.マリーニが3番手とフロントローからのスタートを決めました。PCR検査で陰性が確認され,急遽アルゼンチンに乗り込んだLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,Q1からのスタートとなりました。アルゼンチンに来て最初の走行であるFP1でトップタイムをマークした中上でしたが,FP2で13番手に沈んだため,予選はQ1からの出走となりました。ちなみに,ホンダ勢は4台全てがQ1からのスタートとなっています。そのQ1では,ファーストアタックでトップタイムをマークし,ラストアタックでは同じホンダ勢であるレプソル・ホンダ・チームのP.エスパルガロにトップの座は譲りましたが,2番手でQ1を突破しました。Q2では上位に食い込むことができず,今日行われる決勝レースは10番グリッドからのスタートとなります。
Moto2クラスは,MBコンベヤー・スピードアップに所属する16歳のF.アルデグエルがトップタイムをマークし,自身初となるポールを獲得すると共に,このクラスでの史上最年少記録を更新しています。前戦で2番グリッドを獲得しているレッドブルKTMアジョのA.フェルナンデスが,今回も2番グリッドからのスタートを決めています。開幕戦で2番グリッドを獲得しているエルフ・マークVDSレーシング・チームT.アルボリーノが,フェルナンデスから1000分の57秒遅れで3番グリッドを獲得しています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,トップからおよそコンマ4秒遅れで,8番グリッド獲得で予選を終えています。
Moto3クラスは,ガビオタ・ガスガス・アスパー・チームのS.ガルシアがトップタイムをマークし,自身2度目となるポールを獲得しました。今シーズン予選で好調な走りを見せているステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢は,今回も速さを見せて2番手タイムをマークしています。予選ではいい結果を残しているものの,決勝レースでは不運に見舞われている佐々木だけに,今回こそはいい結果を残してくれるといいですね。ガルシアのチームメイトであるI.グエバラが,佐々木から1000分の24秒遅れで3番手タイムでした。他のフル参戦日本人ライダー勢は,レオパード・レーシングの鈴木竜生が9番手,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が13番手,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が14番手でした。ルーキーながら怪我で2戦連続欠場していたホンダ・チーム・アジアの古里太陽は,フル参戦最初の予選は22番グリッド獲得で終了しています。

◎連勝継続(JRR)
○今季第1戦が好天に恵まれたモビリティリゾートもてぎで開幕し,初日は各クラスの予選が行われました。さらに,今シーズンのJSB1000クラスは2レース制の大会が多くなっていて,この日はレース1が行われています。
今季最初のレースとなるJSB1000クラスのレース1は,昨年全然先勝でチャンピオンに返り咲いたYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行がポールからスタートしました。レース序盤は,その中須賀とチームを含め久々のフル参戦となるYOSHIMURA SUZUKI RIDEWINの渡辺一樹,そして昨シーズンホンダ勢トップでシーズンを終えているHonda Dream RT SAKURAI HONDAの濱原颯道の3台によるバトルとなりました。しかし,徐々に濱原が遅れだし,中須賀と渡辺の一騎打ちとなりました。そして中盤を過ぎた頃からいつものよう(?)に中須賀がスパートをかけると渡辺がこれについていけなくなり,これまたいつものよう(?)に単独走行に持ち込み,最終的に3秒以上の大差をつけて今季初レースを制しました。昨年が全勝でしたから,年またぎでさらにその記録を延ばしています。なお,2位の渡辺も単独でチェッカーを受け,さらに3位走行の濱原はも単独走行でのチェッカーとなりました。
他のクラスは全て予選だけが行われ,ST1000クラスは今季1年ぶりにJRRへ帰ってきたJAPAN POST Honda Dream TPの高橋裕紀が,ST600クラスはMOTOBUM HONDAの荒川晃大が,J-GP3クラスはTeam Plusoneの木内尚汰がそれぞれポールを獲得しています。
2022/04/02(土)
◎3カ所目(F1)
○F1から発表があり,来季からアメリカのラスベガスにおいてF1を開催することになりました。1981年と1982年にラスベガスGPが開催されたことがあり,それ以来のラスベガスでの開催となります。F1はサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開催されるアメリカズGPとマイアミ・インターナショナル・オートドロームで開催されるマイアミGPとがありますので,今回のラスベガスが加わって,来季からはアメリカ国内で3回F1が開催されることになります。以前の同大会は,『シーザーズ・パレス』というホテルの駐車場に暫定的なコースを造り,そこでレースを実施しました。しかし,今回は有名なホテルやカジノが並んだストリートコースを走行する予定で,同地の雰囲気を味わいながらのレースとなりそうです。そのストリートコースですが,1周3.8マイル(約6.1km)で,14のコーナーと長いストレートを持ち,時速340qほどのスピードが出るようです。通常のレースですと,決勝日は日曜日に行われるのですが,ここでは土曜の夜にナイトレースとして開催されることになります。

◎急遽参加(MotoGP)
○機材の到着遅れにより,初日となる4月1日(金)の走行がキャンセルとなり,今日からスタートする第3戦アルゼンチンGPですが,唯一のフル参戦日本人ライダーであるLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,参加する前に行ったPCR検査で陽性反応が出て,今大会を欠場することになっていました。ただ,検査結果は陽性でしたが,実際には症状がなく,ウイルス量も少ない状態でした。そのような中,昨日チームから発表があり,再びPCR検査を行うと,今度は陰性という結果が出ましたので,国際レーシングチーム協会やドルナスポーツとの合意に基づいて,中上の欠場を取り消し,2日目(実際には初日)から急遽出場することになりました。初日がキャンセルされていますので,他のライダーと同じ時間から走行を開始することができることになります。もちろん,他のライダーと違って,慌ただしい状況からすぐに走り始めないといけないというハンデはありますが,走行できる事がライダーにとって何よりとなります。
2022/04/01(金)
◎スケジュール変更&欠場(MotoGP)
○今日から第3戦アルゼンチンGPが,テルマス・デ・リオ・オンドで始まる予定になっていました。ところが,昨日MotoGPの商業権を有するドルナスポーツから発表があり,当初4月1日(金)に予定されていたセッションを中止し,明日から開催することになりました。前戦第2戦インドネシアGPで使用されたMotoGPの機材は,会場であるプルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットがあるロンボク島から今回の会場であるアウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンド近郊まで合計5つの貨物便で輸送が予定されていました。その中の3便は予定通りに到着したのですが,他の2機にエンジンの不調等の問題が発生し,到着が大幅に遅れて何と開催日初日に到着することになってしまったのです。当然これでは予定されていたフリー走行のセッションに間に合うはずはなく,今回の発表に至っています。初日の走行がキャンセルされたことにより,そこで予定されていた全クラスのFP1とFP2が2日(土)に行われ,午後から夕方にかけてMotoGPクラスはFP3を実施し,その後全クラスの予選Q1とQ2が行われるというスケジュールとなりました。もちろん,当初の予定時間では収まりませんので,2日目の開催時間は予定より朝が早く,夕方は遅くまで実施されることになります。また,決勝レースが行われる日曜日は,FP3(MotoGPクラスはFP4も)がキャンセルとなり,そのかわりウォームアップ走行の時間を延長します。決勝レースについては,予定通りの周回数で開催されます。
なお,既にレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが,前戦の転倒で複視の症状が再発してしまったため,今回のレースを欠場することは既に発表されていました。そして,新たに唯一のフル参戦日本人MotoGPライダーであるLCRホンダ・イデミツの中上貴晶が,アルゼンチンへの出発前に行ったPCR検査で陽性となり,さらに再検査でも変わらず陽性だったため,今回の大会を欠場することになりました。復帰は,第4戦アメリカズGPからを予定しています。また,欠場するマルケスの代替として,リザーブライダーであるS.ブラドルが出場することになりました。ただし,中上の代役は予定されていません。
 

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