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最新ニュース

2022/05/31(火)
◎1戦減(MotoGP)
○5月25日(水)にFIMとドルナから発表があり,今シーズンのレースカレンダーに変更が加わることになりました。今シーズンのMotoGPは,全21戦で開催されることになっていました。その中には,7月8日(金)〜10日(日)に第12戦としてフィンランドGPが組まれていました。かつてはGPの中の1つとしてフィンランドは組まれていたのですが,1981年を最後に開催がありませんでした。そして,新たなサーキットとしてキュミリンクを建設し,2020年からの開催を目指していました。ところが,コロナ禍により開催が延期となり,同様の理由から昨シーズンも開催されませんでした。そして,ようやく今年は開催されることになり,建設作業が続いていました。ところが,FIMによる開催基準に必要なホモロゲーションの取得を条件に準備が進められていたのですが,「この地域で進行中の地政学的状況によって引き起こされるリスク」によって作業に遅れが生じ,作業を危険にさらしていることから,開催を来季に延期する必要があることに同意したとのことです。はっきり言って,素人の私には「地政学的状況」等が何のことか具体的には分からずに疑問だらけなのですが,開催に必要な条件が満たされていないので今季の開催ができなくなったということだけは分かります。今季のフィンランドGPの開催が中止になったことで代替開催があるのかどうかですが,それについては行わないようなので,今季は21戦から1つ減った全20戦で行われることが決まりました。これにより,以降の大会は開催日はそのままで1つずり上がっていきますので,イギリスGPが第12戦となります。第11戦オランダGPとイギリスGPとではおよそ1ヶ月半の間が空くことになりますので,これがサマーブレイクということになります。エントラントとしては資金の面でも,体力的な面でも,やや助かることになるのかもしれませんね。
2022/05/30(月)
◎母国GPで
○第8戦イタリアGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったムジェロ・サーキットで行われました。
MotoGPクラスは,5番グリッドからスタートしたドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが,母国GPでファステストラップを連発してポジションアップを果たしていき,ついに9周目にトップに立ちました。その後も速いペースを維持していって今季2度目となるトップチェッカーを受けました。徐々にバグナイアに迫っていったモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロでしたが,最後まで捉えることができず,単独走行で2位表彰台を獲得しました。3位には,今季好調なアプリリア・レーシングのA.エスパルガロが入り,4戦連続表彰台獲得となりました。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,一旦は順位を下げたものの,その後ポジションを少しずつ回復し,最終的にホンダ勢としては最高位の8位でチェッカーを受けています。
Moto2クラスは,今季このクラスにステップアップを果たしたものの,ここまで期待された活躍を見せることができていなかったレッドブルKTMアジョのP.アコスタが,ようやくその期待に応えることができるような走りを展開できるようになってきたようで,2位に入ったイタルトランス・レーシング・チームのJ.ロバーツに4秒以上の大差をつける独走でトップチェッカーを受けました。この優勝は,もちろん彼にとってこのクラスで初優勝となり,しかも,M.マルケスが記録した中量級における史上最年少優勝記録(18歳87日)を更新(18歳4日)しています。3位にイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍が入り,ランキング争いで2位ということには変わりないものの,トップのC.ビエッティと同ポイントで並んでいます。
Moto3クラスは,6台によるトップ争いが最後まで続き,一旦はバルレーサ・ガスガス・アスパー・チームのI.グエバラがトップでチェッカーを受けました。しかし,ファイナルラップの競り合いの中でトラックリミットを超えていたことから1つポジション降格のペナルティーが科され,2位でチェッカーを受けたチームメイトのS.ガルシアの優勝となりました。11番グリッドからスタートしたレオパード・レーシングの鈴木竜生は,他車との接触によりロングラップペナルティーを科されました。しかし,それ以後次々とポジションを回復していってトップ争いに加わり,最終的に3位表彰台を獲得しました。鈴木竜生の表彰台獲得は,一昨年の第7戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGP以来となります。他のフル参戦日本人ライダー勢ですが,MTヘルメッツMSIの山中琉聖もトップ争いに加わり,トップからおよそコンマ2秒遅れの5位でチェッカーを受け,自己最高位を獲得しています。後方からのスタートとなったCIPグリーン・パワーの鳥羽海渡とホンダ・チーム・アジアの古里太陽は,ポイント獲得には至らず,それぞれ16位,18位でチェッカーを受けています。

◎初優勝(F1)
○第7戦モナコGPの決勝レースが,不安定な天候となったモンテカルロ市街地コースで行われました。決勝レースのレース進行前までは天候に恵まれていたモナコでしたが,レーススタート15分前になって雨に見舞われてしまいました。そのため,レーススタートはディレイとなり,セーフティーカー先導でスタートすることになりました。ところが,雨脚はさらに強まったため再びディレイとなりました。徐々に雨脚が弱まっていき,予定より1時間以上遅れてようやくセーフティカー先導でレースは始まりました。雨が上がってここで焦点となったのは,いつタイヤを交換するかということです。フェラーリとレッドブルの4台で進行していったレースですが,最初に動いたのはレッドブルのS.ペレスでした。これが功を奏し,ポールスタートしたフェラーリのC.ルクレールを交わしてトップに立ったのです。そのルクレールですが,母国GPとなるモナコは,はなぜか不運に見舞われることが多く,先日行われたデモ走行でもマシントラブルが発生してクラッシュするという不運がありました。この日もピットインのタイミングが悪く,ついには4位まで落ちてしまいました。抜きどころが少ないモナコだけに,トップ4の順位入替えはなく,結局ペレスがモナコでの初優勝を達成しました。2位にはフェラーリのC.サインツ,3位にレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンが入り,レッドブルがダブル表彰台を獲得しています。これにより,ランキング争いでトップのフェルスタッペンと2位にルクレールとの差が9ポイントに広がっています。アルファタウリ勢は上位争いに加わることができず,P.ガスリーが11位,角田裕毅は17位と,2台ともノーポイントに終わっています。
◎好スタート(SGT)
○第3戦の決勝レースが,路面温度が50度近くまで上昇し,5月としては酷暑といえる気象条件となった鈴鹿サーキットで行われました。
GT500クラスは,3番グリッドからスタートした千代勝正&高星明誠組のCRAFTSPORTS MOTUL Zが,抜群のスタートを切ってオープニングラップでトップに立ちました。今回のレースは,FCY(フルコース・イエロー)が3回,SC(セーフティカー)2回が導入されるという大荒れの展開となったのですが,ピットインのタイミングのズレによる順位の変化はあったものの,MOTUL Zは終始安定した速さで走行を続けていきました。そして,2位に4秒以上の差をつける独走で走り抜け,今季からブランニューマシンとして投入されたZにうれしい初優勝をもたらしました。2位には,5番グリッドからスタートし,荒れたレースの中でポジションアップを果たした塚越広大&松下信治組のAstemo NSX-GTが入っています。GR Supra2台による3位争いは,S.フェネストラズ&宮田莉朋組のKeePer TOM’S GR Supraが制しています。
GT300クラスは,予選でトップタイムをマークしたのは富田竜一郎&大草りき組のTANAX GAINER GT-Rでしたが,予選終了後に行われた車検でレギュレーション違反が見つかって失格となり,2番手タイムだった荒聖治&近藤翼組のStudie BMW M4がポールからのスタートとなりました。そのStudie BMWは,こちらも抜群のスタートを切ってトップの座を守り,荒れたレースにもかかわらずこちらも終始安定した速さを見せていきました。そして,同じくピットインのタイミングのズレで順位の変動はありましたが,最終的には2位に10秒弱の差をつける独走でチームに初めての勝利をもたらしました。BMWにとっては,2018年の第5戦におけるARTA BMW M6 GT3以来4年ぶりの勝利となります。冨林勇佑&平木玲次組のマッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号を藤波清斗&J-P.デ・オリベイラ組のリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが追うという2位争いは,ファイナルラップまで続いていきましたが,マッハ号が最後まで2位のポジションを守り抜き,チーム最高位を獲得しています。
2022/05/29(日)
◎イタリアン(MotoGP)
○第8戦イタリアGPの予選が,途中で雨に見舞われたムジェロ・サーキットで行われました。
MotoGPクラスは,予選前に行われたFP4から雨に見舞われたため,予選ではウェットでいくのかドライでいくのか悩ましいコンディションとなりました。そのような中で行われたQ2で速さを見せたのは,ルーキーであるグレシーニ・レーシングMotoGPのF.ディ.ジャンアントニオでした。Q1からの出走となったジャンアントニオですが,かえってこれが幸いだったようで,Q2走行段階で路面の状況が事前に把握できていて,Q2からの出走となったライダーが探り探りの状態だったのに対し,走行する度にタイムを更新する走りを見せ,キャリア2度目,MotoGPクラスとしては自身初となるポールを獲得しました。2,3番手にムーニーVR46レーシング・チーム勢がつけ,2番手がM.ベツェッキ,3番手がL.マリーニでした。フロントローについたのは全員イタリア人ライダー,使用するマシンは全てイタリアンメーカーであるドゥカティでしたので,まさにイタリアンな予選となっています。ちなみに,初日はトップ6がドゥカティでしたが,予選はトップ5がドゥカティで,やはり今大会はドゥカティを中心に進んでいきそうな気配です。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,Q2からの出走となり,ホンダ勢としては最高位となる8番手タイムでした。
Moto2クラスは,フレックスボックスHP40のA.カネトが早い段階で暫定のポールタイムをマークし,それをターゲットに他のライダーがアタックするという展開となりました。しかし,最後までカネトのタイムを上回るライダーは現れず,今季2度目となるポールを獲得しました。昨年Moto3クラスで圧倒的な速さを見せ,シーズン前はルーキーながらタイトル争いに加わるのではないかと思われていたレッドブルKTMアジョのP.アコスタでしたが,実際にシーズンが始まるとなかなか上位に加わることができていませんでした。しかし,シーズンが進むに連れてようやくマシンに慣れてきたのか,今回はポールこそならなかったものの,自身今季最上位となる2番グリッドを獲得しました。そのアコスタからわずか1000分の33秒遅れで,エルフ・マークVDSレーシング・チームのS.ロウズが3番手タイムでした。Q2からの出走となったイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,トップからおよそコンマ3秒遅れで6番手タイムでした。
Moto3クラスは,レッドブルKTMテック3のD.オンジュが,レッドブルKTMアジョのD.オルガドとの僅差のタイム争いを1000分の97秒の差で制し今季3度目のポールを獲得しました。3番グリッドは,レオパード・レーシングのD.フォッジアが獲得しています。フル参戦日本人ライダー勢は,Q2に進出を果たしたMTヘルメッツMSIの山中琉聖が9番手でトップ10圏内で予選を終えています。フォッジアのチームメイトである鈴木竜生は11番手,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽は22番手,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡は25番手でした。昨日お伝えしたように,ステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢は初日に負った怪我により,それ以後の走行をキャンセルしています。

◎残りシーズンは?(MotoGP)
○上記したように,現在第8戦イタリアGPが行われていますが,その予選終了後にレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが重大な発表を行いました。一昨年のスペインGPにおいて激しい転倒に見舞われたマルケスは,右上腕骨を骨折する重傷に見舞われました。それでも次のアンダルシアGPに無理して参加し,結果的にさらにこの怪我を悪化させる事態に陥りました。結局これが原因で複数回の手術を経験すると共に,以後のシーズンを欠場せざるを得ませんでした。昨シーズンの第3戦から復帰しましたが,腕の可動域に支障がずっと残り続け,ホンダのマシンの戦闘力不足もあって,怪我を負う前のような強さを見せることができない状態が続きました。今シーズンも同様な傾向に変わりはなく,第7戦までは一度も表彰台に上ることができていません。そのような中で発表を行い,イタリアGP終了後に渡米して通算4度目となる手術を受け,その後母国スペインに戻ってリハビリに取り組む決断を下しました。復帰については発表がありませんでしたが,これまでの経緯から考えると,そのままシーズン終了まで欠場する可能性が高いものと思われます。衝撃的ともいえる今回の発表ですが,マルケス自身思うような走りが全くと言っていいほどできていませんし,ホンダ勢全員が思うような走りができていないマシンの状態で,マルケスを含め転倒の危機にも見舞われています。現段階では,チャンピオン争いには全く加われていないことを考えると致し方ない決断と言えそうですね。

◎母国GPで(F1)
○第7戦モナコGPの予選が,ドライコディションとなったモンテカルロ市街地コースで行われました。ここが母国GPとなるフェラーリのC.ルクレールは,Q1からトップタイムをマークしていき,最終的にどの予選セッションでもトップタイムで今季5回目となるポールを獲得しました。2番手タイムをC.サインツがマークし,今季好調なフェラーリ勢がフロントローを独占しています。ファイナルアタックに臨んでいたレッドブルのS.ペレスでしたが,ポルティエの立ち上がりでスピンを喫してガードレールの餌食となり,ここでセッション終了となってしまいました。ペレスの後ろで走行していたチームメイトのM.フェルスタッペンはこの影響でファイナルアタックを終了することができず,ペレスが3番手,フェルスタッペンが4番手で,セカンドローがレッドブル勢となっています。アルファタウリ勢ですが,角田裕毅はQ1のセッション途中でタイヤをガードレールにぶつけるアクシデントに見舞われました。それでも自走できていたのですが,なぜかこれが原因で赤旗が提示されました。ここでQ1敗退の危機にさらされましたが,再開後のセッションに戻ることができ,何とかQ2圏内に進出しました。しかし,Q2では11番手と惜しくもQ3進出はなりませんでした。P.ガスリーは,赤旗の影響を受けてアタックすることができず,Q1で敗退して17番グリッド獲得に終わっています。

◎連続&失格(SGT)
○第3戦の予選が,好天に恵まれた鈴鹿サーキットで行われました。
GT500クラスは,国本雄資&阪口晴南組のWedsSport ADVAN GR Supraが,コースレコードを更新する速さを見せ,2戦連続のポール獲得となりました。S.フェネストラズ&宮田莉朋組のKeePer TOM’S GR Supraが,トップタイムには及ばなかったものの,最後の最後でタイムを更新して2番グリッドを獲得しました。フロントローはスープラ勢に独占されたものの,3番グリッドを千代勝正&高星明誠組のCRAFTSPORTS MOTUL Zが,4番グリッドを笹原右京&大湯都史樹組のRed Bull MOTUL MUGEN NSX-GTが獲得し,2列目までに3メーカーが入っています。
GT300クラスは,前戦で勝利を収めた富田竜一郎&大草りき組のTANAX GAINER GT-Rが最速タイムを刻み,今季初のポール獲得かと思われていました。しかし,予選終了後に行われた車検において,最低地上高に関するレギュレーション違反が見つかって失格処分が下されました。これにより,予選の段階では2番手だった荒聖治&近藤翼組のStudie BMW M4が今季初のポールを獲得しています。2番グリッド以降も繰り上がっていて,2番グリッドは,今季久々に復活した黄金コンビである新田守男&高木真一組が駆るK-tunes RC F GT3が獲得しています。3番グリッドを獲得したのは,開幕戦の勝者である藤波清斗&J-P.デ・オリベイラ組のリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rでした。
2022/05/28(土)
◎2チームに(MotoGP)
○昨日は,アプリリアのワークスチームであるアプリリア・レーシングがA.エスパルガロ&M.ビニャーレスの体制を維持することになったことをお伝えしました。今日はそのアプリリアから新たな発表があり,RNFレーシングとの間で2年間の契約が成立し,来季からのアプリリアは,少なくとも2年間は2チーム4台の体制で臨むことが決定しました。来季からコンセッションの対象から外れることが決定しているアプリリアですが,他メーカーと同じように様々な制限が課せられるようになるだけに,少しでも多くのデータが必要となります。現段階でサテライトチームを有していないだけに,今のままではデータ不足から開発に遅れが生じることは明らかです。それだけに,今回の発表はアプリリアにとって十分プラスとなります。さて,今回契約が成立したRNFレーシングは,言わずもがなですが,今季ヤマハのサテライトチームとしてフル参戦しています。昨年まではペトロナス・ヤマハSRTとして活動してきた同チームですが,メインスポンサーであったペトロナスが撤退したのに伴ってチームを再編成し,今季から新たにウィズユー・ヤマハRNF MotoGPチームとしてスタートをしました。ただ,チーム名は変更となりましたが,ヤマハ唯一のサテライトという立場には変更がありませんでした。ただ,今季のヤマハは,ディフェンディングチャンピオンであるF.クアルタラロは優勝争いに加わったりしていますが,そのチームメイトであるF.モルビデリは怪我の影響もあってか全く精彩を欠いています。さらに,RNFレーシングの2人に至っては,ポイント獲得もままならない状況になっていて,とてもヤマハから手厚い支援を受けているとは判断できない状況にあります。そうした状況にもかかわらず,当然ヤマハにはそれ相応の資金をを払わないわけにはいきませんので,チームとしては不満を抱えていることは間違いないと考えられます。一昨年までは時折ワークスを脅かすこともあった同チームのポテンシャルですから,アプリリアとしては提携を視野に入れてもおかしくないですし,タイトルスポンサーであるウィズユーはイタリアの企業ですので,アプリリアとの提携は好意的に捉えることも間違いないでしょう。今回の決定により,ヤマハのサテライトがなくなることになります。このままでいくはずはないでしょうから,果たしてどのチームがその座に就くことになるのでしょうか。

◎契約成立後に(MotoGP)
○第8戦イタリアGPがムジェロ・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。
MotoGPクラスは,前日に契約延長を発表したばかりであるアプリリア・レーシングのA.エスパルガロが,今季5度目となる総合トップタイムをマークしました。あとは今季も好調なドゥカティがそれを示すかのように,総合2,3番手タイムをそれぞれF.バグナイア,J.ミラーのドゥカティ・レノボ・チーム勢がマークすると共に,トップ6までをドゥカティ勢が占めています。つまり,トップ6は全てイタリアンメーカーということになります。日本メーカーでは,モンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロがマークした9番手が最高位となります。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,FP1はトップタイムをマークして期待されましたが,FP2では15番手に沈んでいます。
Moto2クラスは,インデ・ガスガス・アスパー・チームのJ.ディクソンが,FP1でこの日唯一となる1分51秒台をマークし,このタイムで初日総合トップに立ちました。総合2,3番手タイムは,ディクソンと同様にFP1でのものとなり,総合2,3番手には,それぞれレッドブルKTMアジョのA.フェルナンデス,フレックスボックスHP40のA.カネトがつけています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,18番手とやや後方のタイムで初日を終えています。
Moto3クラスは,レオパード・レーシングのD.フォッジアがFP1でこの日唯一1分56秒台のタイムをマークし,このタイムで初日総合トップに立ちました。FP2でトップタイムだったレッドブルKTMアジョのJ.マシアが,このタイムで総合2番手タイムとなりました。総合3番手タイムは,FP1のタイムでステリルガルダ・マックス・レーシング・チームのJ.マクフィーでした。フル参戦日本人ライダー勢は,今季好調なステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢が総合4番手タイムと好位置につけましたが,FP2の6周目にハイサイドから転倒し,運の悪いことにすぐ後ろを走行していたマシンと接触し,病院に運ばれて精密検査を受けた結果,左右の鎖骨骨折と脳震盪があったため,残念ながらチームのホームグランプリを欠場することになりました。今季の佐々木は,随所で速さを見せているのですが,度々不運見舞われてしまっています。フォッジアのチームメイトである鈴木竜生は総合5番手につけていて,好結果が期待できます。MTヘルメッツMSIの山中琉聖は15番手,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡は転倒したこともあって22番手,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽は28番手で初日を終えています。

◎ワンツー発進(F1)
○今季第7戦は,世界3大レースの1つであるモナコGPで,快晴に恵まれたモンテカルロ市街地コースで開幕しました。初日はいつものように2回のフリー走行が行われ,ここが母国GPとなるフェラーリのC.ルクレールが初日総合トップタイムをマークしました。C.サインツが総合2番手タイムをマークし,今季好調なフェラーリ勢がワンツー発進を決めています。その後ろにレッドブル勢がつけ,3番手がS.ペレス,4番手が前戦の勝利でランクトップに立ったM.フェルスタッペンでした。アルファタウリ勢はP.ガスリーが7番手,角田裕毅が10番手と,どちらもトップ10圏内での発進となりました。
2022/05/27(金)
◎体制維持(MotoGP)
○今日からムジェロ・サーキットにおいて第8戦イタリアGPが開幕しますが,それを控えた昨日,今回がホームグランプリとなるアプリリア・レーシングから来季の体制について発表がありました。今シーズンの注目点の1つが,来季の体制です。このページでも度々お伝えしてきていますが,今季限りで契約が切れるライダーが多く,来季の体制がどうなるのか不透明な部分が多くなっています。アプリリアについても同様で,今季レギュラーライダーであるA.エスパルガロとM.ビニャーレスは,どちらも今シーズン限りで契約が切れることになっています。今季のアプリリアは,唯一優遇措置を受けるコンセッションの対象になっていましたが,アルゼンチンGPでの優勝や表彰台獲得により,ついにアプリリアも対象外になることが決定しています。そうした活躍を見せているアプリリアですが,中でもエスパルガロについては,彼の活躍は目覚ましいものがあり,アプリリアのMotoGP復帰以来全ての表彰台獲得や現段階までのランキング争いで2位につけていて,シーズン前にここまで予想できた人は少なかったのではないでしょうか。そうした活躍を見せているエスパルガロなのにもかかわらず,なかなか契約延長の話が出てきておらず,どうなるのか不透明でした。また,ビニャーレスについては,所属以来ベストリザルトがここまで7位とエスパルガロの活躍に比べると精彩を欠いていて,果たして彼が契約延長にこぎ着けるのか疑問でした。しかし,今回の発表で来季の体制が明らかとなり,2人共に契約延長が決まりました。今回成立した契約期間は,2024年までとなっていて,少なくとも来季からの2年間は,現在の体制が維持されることになります。今回の決定により,同チームが来季の体制決定一番乗りとなります。
2022/05/26(木)
◎体制発表(EWC)
○コロナ禍により2年連続して開催中止となった鈴鹿8耐ですが,今シーズンは8月7日(日)に決勝レースが行われる予定になっています。その8耐に向けて各チームが体制を構築している段階ですが,昨日カワサキモータースジャパンがその8耐の体制について発表を行いました。それによると,今年で43回目を迎える8耐に,カワサキは『Kawasaki Racing Team Suzuka 8H』が参戦することになりました。同チームのライダーには,SBKにおけるカワサキワークスからフル参戦しているJ.レイとA.ロウズに加え,今季昨年までのホンダワークスからカワサキ系のチームであるTPRチーム・ペデルチーニに移籍したL.ハスラムの3名となります。使用するマシンは,昨年フルモデルチェンジを果たしているカワサキNinja ZX-10Rの8耐仕様になります。開催中止となる前年に行われた2019年の8耐では,残り数分になったところで,まずSuzuki Endurance Racing Teamのマシンがエンジンブローを起こしてコース上にオイルを撒きました。その段階では,オイルフラッグは提示されたものの,赤旗等の措置は採られませんでした。これは明らかにオフィシャル側の判断ミスとしか言えません。その撒かれた地点でトップを走行していたレイが転倒を喫し,その結果,レイは順位から除外されてしまうという暫定結果となりました。この結果に対して当然チームが抗議を提出し,審議の結果,チームの訴えが認められて優勝という裁定が下されました。つまり,優勝はしたものの,表彰式には参加できていなかったわけです。そうした後味が悪い形での優勝でしたので,今年こそはすっきりとした形で優勝したいでしょうし,メンバー的には申し分ありません。こうした強力な体制をカワサキ陣営は組んできていますので,他メーカーもそれに見合う体制を組んでくることは間違いないでしょうね。
2022/05/25(水)
◎あと少しで(WRC)
○5月19日(木)〜22日(日)に,今季第4戦となるラリー・ポルトガルが開催されました。今季ここまでのWRCは,ターマック(舗装路)でのレースが続いていましたが,今回は今季最初のグラベル(未舗装路)でのレースとなります。今大会には,開幕戦で優勝争いをしたS.ロウブとS.オジエの『ダブル・セブ』がスポット参戦しました。しかし,今回の2人は2日目に揃ってデイ・リアタイアを喫し,優勝争いから脱落しています。両ベテランが苦しむほどの状況の中でしたが,トヨタGRヤリス・ラリー1を駆るK.ロバンペラがトップで最終日を迎えました。そのロバンペラに次いでE.エバンスが2位,勝田貴元が3位につけ,トヨタ勢が3位までを独占していました。その最終日は小雨が降る生憎の天候となりましたが,ここまで2勝を挙げているロバンペラが安定した速いタイムを刻み続け,エバンスとの差を徐々に広げて行き,最終的に15秒の差をつけて早くも今季3勝目を挙げました。そのトップ争いだけでなく注目を集めたのは,3位で迎えた勝田と,4位で迎えたヒョンデi20 Nラリー1を駆るD.ソルドでした。差を縮めたり離したりといった2人の争いでしたが,最終のパワーステージでソルドが猛チャージをかけ,それに対して勝田はやや遅れてしまって,最終的にわずか2秒差でソルドが3位表彰台を獲得しました。勝田はあと少しで表彰台獲得だっただけに,何とも惜しい大会となってしまいました。
2022/05/24(火)
◎社長&オーナー&父親(S耐)
○6月3日(金)〜5日(日)に富士スピードウェイでスーパー耐久(S耐)の第2戦『NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース』が開催されますが,その参戦体制についてトヨタからプレスリリースがありました。同大会におけるトヨタは,何といっても水素エンジンを搭載したCorolla H2 Conceptが常に話題の中心となります。我が大分県にあるオートポリスで開催された昨年のS耐にも,同マシンが参加してCM等でその様子が伝えられました。今後の自動車の未来像を具現化している取り組みだけに,大きな注目となります。今回のレースはそうした面での注目だけでなく,そのマシンのステアリングを握るドライバーについても大注目となりそうです。まずその1人目ですが,トヨタの豊田章男社長が,今回もいつもの『モリゾウ』というエントリー名で参戦します。2人目は,もしかしたらこれが一番の驚きと言えるかもしれませんが,元WRCドライバーで,今シーズンからTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチームの代表に就任しているJ-M.ラトバラです。今回の登場は,トヨタのカーボンニュートラルへの取組みに感銘したということと,中嶋一貴や小林可夢偉から水素エンジンについて話を聞いていたことなどが影響しているようです。WRCといえば,TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの育成ドライバーとしてWRCにフル参戦しているのが勝田貴元ですが,その父親で,現在も現役ラリードライバーで,昨年全日本ラリーでチャンピオンに輝いた勝田範彦が3人目のドライバーとなります。唯一の水素エンジンマシンを異色のドライバー3人が駆るという今回のレースは,優勝争いとは別の意味からも楽しみなものとなりそうですね。
2022/05/23(月)
◎16連勝(SF)
○我が大分県にあるオートポリスで,第3戦のレース2決勝が行われました。レース1ではポールを獲得したものの,トラブルでグリッドにつくことができなかったHonda Suzuka Racing Teamの亀井雄大でしたが,レース2でもポールを獲得していて,今回は無事グリッドにつくことができました。しかも,好スタートを切ってホールショットを奪い,トップの座を守って走行していきました。しかし,2番グリッドからスタートしたYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行もそのポジションを守って亀井の後ろにつきました。ストレートエンドで亀井を交わそうと思えばできていたのではないかと思われる中須賀でしたが,しばらくはあえて前に出ず,好機をうかがうような感じでした。そうしている間に中須賀のチームメイトである岡本裕生が追いついてきて,さらにストレートエンドで岡本が2台を交わしてトップに立ちました。ここまで踏ん張ってきた亀井でしたが,徐々に遅れだしてヤマハワークス同士によるトップ争いとなりました。3位に後退した亀井に追いついてきたのが,足の骨折を抱えているYOSHIMURA SUZUKI RIDEWINの渡辺一樹でした。チームメイト同士のトップ争いは,JSB1000クラスルーキーの岡本にとって中須賀の壁は高く,11周目の第1ヘアピンで岡本がミスし,その機に乗じて中須賀がトップに立ちました。それからは,中須賀との差が徐々に広がっていき,最終的に岡本に2秒以上の差をつけて中須賀がトップでチェッカーを受けました,この勝利で今大会の2レース共に制すると同時に,ずっと続けてきている連勝記録を16に伸ばしました。亀井と渡辺との間で繰り広げられてきた3位争いは,ファイナルラップのストレートエンドで渡辺が怪我をものともせずに亀井を交わしてこのバトルを制しました。結局,今回の大会は,どちらのレースとも表彰台は同じ顔ぶれとなっています。

◎3連勝(F1)
○第6戦スペインGPの決勝レースが,レースウィークを通してとても暑い日が続いたカタルニア・サーキットで行われました。ポールからスタートしたフェラーリのC.ルクレールは,順調にスタートを切ってトップの座を守っていきました。2番グリッドからスタートしたレッドブルのM.フェルスタッペンも順調にスタートを切って2番手につけていましたが,8周目にコースオフを喫して4番手に順位を下げてしまいました。3番手を走るメルセデスAMGのG.ラッセルを激しく追い詰めるフェルスタッペンでしたが,DRSにトラブルが発生して全く機能せず,どうにも抜けない状況が続きました。そのような中で,トップを行くルクレールのマシンにトラブルが発生してしまい,ピットに入ってそのままリタイアとなりました。ラッセルを抜けない状況を打破するため,レッドブルはフェルスタッペンをピットインさせ,ソフトタイヤに交換する作戦を採りました。その作戦が功を奏し,ようやくラッセルの前に出ることに成功しました。フェルスタッペンの前を走るのは,トップを行くチームメイトのS.ペレスで,ペースに勝るフェルスタッペンを前に出すチームオーダーが出され,難なくトップに立つことができました。レースはこのままの順位でチェッカーとなり,フェルスタッペンは4勝目を挙げると共に,レッドブルのワンツーフィニッシュとなりました。ランクトップを行くルクレールがリタイアに終わったため,替わってフェルスタッペンがランクトップに立っています。アルファタウリ勢ですが,13番グリッドからスタートした角田裕毅は,暑いコンディションで体力的に苦しい状況だったようですが,序盤からポイント獲得圏内でのバトルを展開し,3ストップ作戦を採ったりしたことも効果があったようで,最終的に10位でチェッカーを受けて苦しみながらもポイントを獲得することができました。P.ガスリーは他車との接触があったことでマシンの状態が完全ではなくなり,しかも接触の責任があるということから5秒加算のペナルティーを科されて13位でレースを終えています。

◎一番乗り(SF)
○今季第4戦の決勝レースが,好天に恵まれた我が大分県にあるオートポリスで行われました。3戦連続ポールを獲得したTEAM MUGENの野尻智紀は,好スタートを切ってそのポジションを守りました。その後ろでポジションを上げていったのが,開幕戦のウィナーであるcarenex TEAM IMPULの平川亮でした。8番グリッドからスタートした平川でしたが,抜群のスタートダッシュを決めて一気にポジションアップを果たし,オープニングラップ終了時には,何と3番手まで順位を上げていました。さらに5周目には2位にまでポジションアップを果たし,トップを行く野尻を追う展開となりました。トップを守っていた野尻でしたが,順位こそトップとは言え,速いペースを徐々に維持することができず,そのような中でピットインのタイミングとなりました。野尻がピットインする頃に後ろを走っていたマシンがペースアップしていき,見た目では順位が分からない状況となりました。そして,ピットインした野尻との差を広げるため平川はさらにペースを上げ,その平川がピットインしてコースに復帰したときにはトップに立っていました。また,ペースアップできなかった野尻に対し,KONDO RACINGのS.フェネストラズとTEAM GOHの三宅淳詞は平川を追うべく速いタイムを刻んでいきました。ピットをそれぞれが終えた頃には,平川のトップは変わらず,フェネストラズと三宅が2位争いをする状況となりました。フェネストラズを追う三宅はペースを上げて行きましたが,フェネストラズも簡単にはオーバーテイクを許さず,最終的にはそれぞれが単独走行となって平川,フェネストラズ,三宅の順でチェッカーとなりました。これにより,平川が2勝目となって複数回優勝,三宅はルーキーの中で表彰台獲得という面で,それぞれ一番乗りとなりました。
2022/05/22(日)
◎15連勝(JRR)
○第3戦が我が大分県にあるオートポリスで開幕し,初日は予選とレース1の決勝が行われました。今回は,SFとの併催となる2&4として2019年以来の開催となります。2&4の時のJRRは,JSB1000クラスのみの開催です。この日のオートポリスは,前日の雨の影響が残ったりしてウェットコンディションから始まり,徐々にドライへと変わるというコンディションでの走行となりました。始めに行われた予選で速さを見せたのは,ホンダの社内チームであるHonda Suzuka Racing Teamからフル参戦している亀井雄大でした。路面コンディションの状況からウェットでいくのかドライでいくのかが分かれ,チーム事情もあってドライタイヤで走行したのが功を奏し,亀井が最速タイムと2番手タイムを刻み,レース1,レース2共に自身初となるポールを獲得しました。
そうした中で始まったレース1ですが,何とポールスタートの亀井にトラブルが発生してサイティングラップを終了するとピットに入り,かなり遅れてスタートせざるを得ませんでした。それに対して,2番グリッドからのスタートとなったYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行は順調にスタートを切ってホールショットを奪うと,徐々に後続との差を広げて行きました。中須賀が単独走行していく中,その後ろをチームメイトの岡本裕紀とYOSHIMURA SUZUKI RIDEWINの渡辺一樹との2位争いとなりました。その2位争いは,骨折している渡辺がやはり徐々に走りに影響が出てくるようになり,コースオフを喫したりして岡本の単独走行となっていきました。厳しい状況の渡辺でしたが,最後まで走りきって見事3位でチェッカーを受けました。ぶっちぎりでトップを走行した中須賀がそのまま優勝し,これで今季全勝というだけでなく15連勝という全く敵なしの状態を続けています。2位に岡本が入り,開幕戦のレース2以来のヤマハワークスワンツーという結果となりました。

◎4度目(F1)
○第6戦スペインGPの予選が,この日も気温が30度を超える暑い日となったカタルニア・サーキットで行われました。初日に相変わらず速さを見せたフェラーリ勢と,復調を見せたメルセデスAMG勢がどうなるのか注目となりました。そのような中,フェラーリのC.ルクレールがファーストアタックでスピンを喫してノータイムに終わる波乱の展開となりました。それに対して,ディフェンディングチャンピオンであるレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンがそのファーストアタックでトップタイムをマークし,暫定のポールとなりました。しかし,やはりフェラーリの速さには変わりなく,ラストアタックでルクレールが唯一1分18秒台のタイムをマークし,今季4度目のポールを獲得しました。それに対して暫定ポールだったフェルスタッペンは,ラストアタックの時にトラブルが発生してタイム更新できず,ファーストアタックのタイムで2番グリッドを何とか獲得できました。3番手タイムは,フェラーリのC.サインツでした。初日好調だったメルセデスAMG勢は,G.ラッセルが4番手,L.ハミルトンが6番手と,初日に比べるとやや順位を下げています。レッドブルのS.ペレスは,メルセデスAMG勢の間に入る5番手でした。アルファタウリ勢はQ2で敗退となり,角田裕毅が13番手,P.ガスリーが14番手でした。

◎3戦連続(SF)
○第4戦が我が大分県にあるオートポリスで開幕し,初日は予選が行われました。今回はJRRとの併催となる2&4で行われていて,JRRの予選の時はウェットとドライとに分かれていましたが,SFの予選時は,全車ドライタイヤでの走行となりました。Kuo VANTELIN TEAM TOM’Sの宮田莉朋がファイナルアタックで最速タイムを刻み,ポール獲得かと思われましたが,ここまで2戦連続してポールを獲得している昨年のチャンピオンTEAM MUGENの野尻智紀が宮田のタイムをおよそコンマ2秒縮めるタイムを刻み,見事3戦連続となるポールを獲得しました。宮田のタイムをアタック途中まで上回っていたDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの牧野任祐でしたが,最終的には宮田のタイムにわずか1000分の5秒遅れて3番手タイムで予選を終えています。
2022/05/21(土)
◎巻き返し?(F1)
○第6戦スペインGPが,気温30度を超える暑さに見舞われたバルセロナにあるカタルニア・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。今季ここまでランクトップをいくフェラーリのC.ルクレールは,この日も速さを見せて両セッション共にトップタイムをマークして初日総合トップに立ちました。今季好調なフェラーリに対して,昨年までコンストラクタータイトルを獲得してきているメルセデスAMGは,今季から導入されている新しいレギュレーションに苦戦していて,ここまでフェラーリとレッドブルのトップ2から大きく遅れたランク3位となっています。しかし,今回は新たな改良を加えているのか速さが戻ってきたようで,G.ラッセルとL.ハミルトンが総合2,3番手につけ,これから巻き返しが見られるのか楽しみな初日となっています。ここまでルクレールと19ポイント差でランク2位につけているレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンは,フェラーリとメルセデスAMG勢に遅れを取った総合5番手タイムでした。チームメイトのS.ペレスは7番手,アルファタウリのP.ガスリーと角田裕毅は,それぞれ11番手,14番手で初日を終えています。
2022/05/20(金)
◎1戦減(F1)
○今シーズンのF1は,史上最多となる全23戦で開催されることになっていました。そのような中,ロシアのウクライナ侵略により,ロシアGPはキャンセルになると同時に,今後ロシアで開催されることもなくなりました。さらに,スポンサーを始め,ロシア人ドライバーやそのロシアを支持するベラルーシのドライバー等のF1への関わりもできないようになり,今季唯一のロシア人ドライバーであったハースF1のN.マゼピンはシーズン途中で契約解除されてシートを失っています。開催キャンセルとなったロシアGPの代替開催についてF1は模索していて,カタールやドイツのホッケンハイム,さらにシンガポールでの2週連続開催などの代替案が噂として浮上していました。しかし,この度F1から5月18日(水)に発表があり,ロシアGPの代替開催は行わないことになりました。この決定により,今季のF1は,当初から1戦少ない全22戦で開催されることになりました。チームやドライバー等からは,「23戦は多いのではないか。」というコメントがシーズン前いくつも聞かれていましたが,これによりわずかながら関係者の負担が軽くなったのではないでしょうか。
なお,F1のヨーロッパラウンドで併催されているFIA F2ですが,今季は史上最多の全14戦で開催となっています。ロシアGPの時にF2も開催予定となっていましたが,F1と同様にF2もロシアでの大会がなくなりました。ただ,F1と違って代替開催されることになり,当初予定になかったポール・リカールで行われるF1のフランスGPに新たに組み込まれることになりました。
2022/05/19(木)
◎一歩リード(MotoGP)
○今季誰がチャンピオンを獲得するのか,その傾向は一向に分からない混沌とした状況にあります。かつては○強の中での争いというようなところがありましたが,今はそのメーカー,どのライダーが勝ってもおかしくないですので全く先が読めません。そうしたチャンピオン争いだけでなく,今季の大注目のもう1つは,来季の体制がどうなるのかという点です。今季で契約が切れるライダーがほとんどですので,その動向が注目となります。さらにそれに拍車をかけたのが,突然のスズキ撤退という流れです。J.ミル,A.リンスという有望なライダーが所属していて,当初は2人とも残留の線が強かっただけに,この2人の動向も混乱に拍車をかけることになっています。そうした中,最も注目を浴びているのが,5月7日(土)付けのこのページでもお伝えしたようにドゥカティの動向です。そのドゥカティの動向については,既にエースライダー的存在のF.バグナイアが2024年までの契約延長が成立していて,もう一人のワークスライダーであるJ.ミラーについては,今季で契約が切れますし,チームからの離脱がほぼ確実視されています。そのミラーが抜けるであろうシートに誰が座るのかが注目となっていて,7日付のこのページでは,プラマック・レーシングのJ.マルティンとグレシーニ・レーシングMotoGPのE.バスティアニーニの争いという内容でお伝えしました。しかし,現段階でですが,2人が両並びということから,バスティアニーニが一歩も二歩も前に出たという感じになってきています。これも当然の流れで,彼のみが唯一今季複数回,しかも7戦中3回優勝という実績を残しています。それに対して,マルティンの方は,現在のところ昨年のような大活躍が見せられておらず,現段階で獲得ポイントはバスティアニーニの3分の1にも至っていません。ドゥカティのサテライトでNo.1の待遇はプラマック・レーシングが受けていますので,同チームからワークスへの昇格というのが通常の流れと言えます。しかし,現況ではそうした流れに則らない可能性が高そうな気配です。しかも,ドゥカティはイタリアンメーカーで,バグナイアはイタリアンライダー,バスティアニーニもそうですから,『オールイタリアン』ということもある意味考えられても不思議はないのかもしれません。なお,前回はワークスのシートを失う可能性が高いミラーは,ドゥカティのサテライトにいくのではないかという可能性を取り上げましたが,ここに来てKTMへの移籍という可能性が浮上してきています。それがワークスであるレッドブルKTMファクトリー・レーシング,サテライトであるテック3KTMファクトリー・レーシングのどちらにも可能性があるようです。
2022/05/18(水)
◎今年こそ(F1)
○新型コロナウイルス感染拡大以降,我が国においても,ツインリンクもてぎ(今年から『モビリティリゾートもてぎ』)での日本GPをはじめ,いくつもの世界大会が開催中止となっています。その中の1つが,鈴鹿サーキットで開催されるF1日本GPです。特に,昨年はホンダがF1参戦最終年ということで,メモリアルレースになることになっていました。最終的にレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンがチャンピオンに輝いただけに,より一層開催中止となったことが残念でした。その日本GPに関して鈴鹿サーキットを運営する『ホンダモビリティランド』からプレスリリースがあり,10月7日(金)〜9日(日)に開催される予定のF1日本GPでのタイトルスポンサーに本田技研工業が決定しました。このことにより,今季の日本GPの正式名称は,『2022 FIA F1世界選手権シリーズ Honda日本グランプリレース』となります。正式には昨シーズン限りで撤退したホンダですが,レッドブルとの関係継続により,正式名称こそレッドブルになっているものの,パワーユニットの製造は昨年までと同様にホンダ(今年からHRC)が担っていて,レッドブルとアルファタウリに供給されています。そうしたことと,何より今年は鈴鹿サーキットが開場60周年というメモリアルイヤーということから,タイトルスポンサーとして日本GPを盛り上げることになっています。昨年のチャンピオン獲得はもちろん,現在ランキング争いでは2位ですが,フェルスタッペンはランクトップをいくフェラーリのC.ルクレールとの差を徐々に縮めています。さらに,ホンダのドライバー育成プログラムであるHFDP出身の角田裕毅にとって,初の母国凱旋レースを迎えることになりますので,今年こそは無事大会が開催され,大いに盛り上がることを期待したいですね。
2022/05/17(火)
◎クラッシュ(F1)
○5月22日(日)にモンテカルロ市街地サーキットで開催された『モナコ・ヒストリックGP』では,フェラーリのC.ルクレールと,元フェラーリドライバーで,ル・マン24時間レースを6度制したレジェンドドライバーであるJ.イクスとがデモランを行いました。そのデモランにおいてルクレールは,かつて故N.ラウダが1974年に駆ったフェラーリ 312B3をドライブしました。デモランということもあって本格的な走行ではありませんでしたが,モナコの有名なコーナーの一つである『ラスカス』にさしかかった際,マシンのコントロールを失ってあろうことかフェンスにリアからクラッシュしてしまいました。さほどスピードが出ていなかったので,ルクレールに怪我はなく,ましんはウィング等が破損した状態で再び走り出すことができました。しかし,メインストレートで車の後部から煙が出てストップせざるを得なくなりました。何とも信じられないアクシデントとなりましたが,ルクレールによるとブレーキにトラブルが発生したようで,ペダルを踏み込んでもブレーキが効かなかったためのクラッシュだったようです。何せ50年近く前のマシンですので,トラブルが発生してもおかしくはありません。とはいえ,デモランでもクラッシュは,ないことはないですが,珍事ともいえます。ただ,今回クラッシュした312Bは,当時戦闘力や信頼性が不足していたということがあったというのも事実です。そうしたことから,今回のルクレールのトラブルはある意味珍事とまでは言えないのかもしれませんね。
2022/05/16(月)
◎3勝目(MotoGP)
○第7戦フランスGPの決勝レースが,レースウィークを通してドライコンディションとなったル・マン-ブガッティ・サーキットで行われました。
MotoGPクラスは,ドゥカティ勢3台によるトップ争いとなりました。ポールからスタートした前戦の勝者であるドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアがトップに立ち,それをチームメイトのJ.ミラーが追い,さらにそれをグレシーニ・レーシングMotoGPのE.バスティアニーニが追うという展開がしばらく続き,ややミラーのペースが落ちるとここまで2勝を挙げているバスティアニーニが交わして2位に浮上しました。そのバスティアニーニは徐々にバグナイアとの差を詰めていき,その勢いに押されたのか,バグナイアがブレーキングミスをして順位が入れ替わりました。2位に落ちたバグナイアは,焦りが出たのか20周目に転倒を喫してしまってリタイアに終わりました。その後もバスティアニーニは順調にトップの座を守り,2位のミラーに3秒弱の差をつける独走で7戦中3勝目を挙げました。アプリリア・レーシングのA.エスパルガロとここまでランクトップを行くモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロとの間で激しい3位争いとなり,エスパルガロがコンマ1秒差で3位表彰台を獲得しました。9番グリッドからスタートしたLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,12番グリッドから好スタートを切って一旦は大幅に順位を上げたものの,トップ争いに加わるほどの速さを見せることはできずにそのトップ争いから徐々に遅れを取っていきました。それでも上位でリタイアがあったりしてトップ10圏内を走行していき,最終的に2戦連続となる7位でチェッカーを受けています。他メーカーと比べると遅れをとっているホンダ勢にあって,6位でチェッカーを受けたレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスに次ぐ順位でのゴールとなっています。
Moto2クラスは,レッドブルKTMアジョのA.フェルナンデスが11周目にトップに立つと,順調に後続との差を広げて行き,フレックスボックスHP40のA.カネトに4秒弱の差をつける独走でトップチェッカーを受け,およそ3年ぶりとなる勝利を収めました。2台による3位争いは,今季好調な走りを見せているイデミツ・ホンダ・チーム・アジアのS.チャントラがこれを制しています。そのチャントラのチームメイトである小椋藍は,トップ争いから大きく遅れを取ったものの,5位でのチェッカーとなりました。
Moto3クラスは,10台以上のトップ争いが展開されていき,その争いは最終的に5台に絞られました。ファイナルラップまで続いたトップ争いを制したのは,レッドブルKTMアジョのJ.マシアで,第4戦アメリカズGP以来の今季2勝目となりました。トップ浮上が期待されたステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢でしたが,惜しくもコンマ15秒差で2位でのチェッカーとなりました。3位には,ガビオタ・ガスガス・アスパー・チームのI.グエバラが入り,予選でトップ2を独占したレオパード・レーシング勢は惜しくも表彰台を逃し,D.フォッジアが4位,鈴木竜生が5位でゴールしています。他のフル参戦日本人ライダー勢は,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が8位,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が15位でポイントを獲得し,ルーキーライダーであるホンダ・チーム・アジアの古里太陽は25位でレースを終えています。
なお,ヨーロッパラウンドを中心としてMotoGPと併催で行われている電動バイクによるチャンピオンシップであるFIM Enel MotoE World Cup(MotoE)に日本人で唯一フル参戦しているAvant Ajo MotoEの大久保光は,前日に行われたレース1において3位に入り,MotoEで日本人としては初となる表彰台を獲得しています。
2022/05/15(日)
◎ワンツー(MotoGP)
○第7戦フランスGPの予選が,好天に恵まれたル・マン-ブガッティ・サーキットで行われました。
MotoGPクラスは,母国GPに燃えるモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロと,前戦の勝者であるドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアとの間でタイムアタックが繰り広げられていきました。そして,ラストアタックで編隊を組んで走行していたドゥカティワークス勢がタイムアップを果たしていき,バグナイアがこれまでのレコードを更新する速さを見せて2戦連続ポールとなりました。その後ろを走行していたチームメイトのJ.ミラーもタイムアップを果たして2番手タイムをマークし,ドゥカティワークスのワンツーとなりました。そして,前後に誰もおらず,クリアな状態で走行していたアプリリア・レーシングのA.エスパルガロが,こちらもタイムアップを果たして3番手タイムをマークし,見事3戦連続フロントローを獲得しています。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,Q2からの出走となりましたが,思うようにタイムを出すことができず,Q2では最下位となる12番グリッド獲得にとどまっています。初日に不調だったホンダ勢ですが,予選では4台中3台がQ2からの出走だったものの,後ろ3台がそのホンダ勢で終わってしまっていて,やはり相変わらず今季型マシンの仕上がりが不十分な状態となっています。昨日もお伝えしたように,来季残留に黄色信号が灯っている中上だけに,早くこうした状態から脱却してもらいたいものです。なお,6番手タイムで予選を終えたプラマック・レーシングのJ.ザルコですが,まだレプソル・ホンダ・チームのP.エスパルガロがタイムアタックをしているのにもかかわらず,走行ライン上で低速走行をしたためエスパルガロがアタックをやめざるを得なくなるというインシデントが発生しました。これにより,ザルコに対して3グリッド降格処分が科されています。ただ,肝肝心なエスパルガロは,11番手タイムだったので何も効果はありませんでしたが・・・。
Moto2クラスは,FP2,FP3とトップタイムをマークしていたレッドブルKTMアジョP.アコスタが,予選でもその速さを見せ,これまでのレコードタイムを更新する走りを展開して,このクラスで自身初となるポールを獲得しました。3番手タイムをA.フェルナンデスがマークし,フロントローの内2つをレッドブルKTMアジョ勢が占めました。2番手タイムは,インデ・ガスガス・アスパー・チームのJ.ディクソンでした。前戦でポールトゥーフィニッシュを達成したイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,3周目の6コーナーで転倒を喫してしまったため,今日行われる決勝レースは8番グリッドからのスタートとなります。
Moto3クラスは,フリー走行全てのセッションでトップタイムをマークしたレオパード・レーシングのD.フォッジアが,予選でも速さを見せてトップタイムをマークし,嬉しい自身初ポールを獲得しています。鈴木竜生が2番手タイムをマークし,レオパード・レーシングのワンツーとなりました。レッドブルKTMアジョのJ.マシアが3番手タイムをマークし,2戦連続してフロントローを獲得しています。他のフル参戦日本人ライダー勢ですが,鈴木以外はトップ10圏内に進出することができず,ステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢が12番手,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が13番手,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が23番手,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽は26番手で予選を終えています。
2022/05/14(土)
◎自身初(MotoGP)
○スズキが正式にMotoGPから撤退を検討していることを認めたため,様々な噂が飛び交う中第7戦フランスGPがル・マン-ブガッティ・サーキットで開幕しました。初日は,いつものように2回のフリー走行が行われました。
MotoGPクラスは,今季既に2勝を挙げているグレシーニ・レーシングMotoGPのE.バスティアニーニが,これまでのレコードを更新するタイムをマークし,最高峰クラスで自身初となる初日総合トップに立ちました。今季アプリリアにMotoGPクラスで初の優勝をもたらし,ここまでランク2位につけているアプリリア・レーシングのA.エスパルガロが総合2番手につけました。総合3番手タイムは,チームが撤退検討中を認めたため,来季の去就が大注目となっている一昨年のチャンピオンであるチーム・スズキ・エクスターのJ.ミルでした。前戦終了後に行われたテストにおいて転倒を喫し,かつて痛めていた左膝を再び痛めているLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,総合16番手で初日を終えています。来季のシート獲得に黄色信号が灯っている中上ですが,膝を痛めているとはいえ,16番手はとても心配な順位ですが,ホンダ勢が全体的にこの日は不調で,誰もトップ10圏内に入っていません。中上にとって,自身の力でシート維持を目指しているところですが,ホンダのマシン自体が不安定ですので,何ともしがたいところがあるのも事実です。
Moto2クラスは,今季タイ人ライダーとして初となる勝利を収めているイデミツ・ホンダ・チーム・アジアのS.チャントラが,FP2では順位を落としているものの,レコードタイムを更新する走りを見せたFP1のタイムで初日総合トップに立ちました。この初日総合トップ獲得は,このクラスで自身初となります。FP2でトップタイムをマークしたのは昨年のMoto3クラスチャンピオンで,今季がこのクラスでルーキーとなるレッドブルKTMアジョのP.アコスタでした。アコスタのチームメイトであるA.フェルナンデスが,FP1のタイムで総合3番手でした。前戦で悲願の優勝を果たしているイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍は,8番手タイムをマークしてこの日の走行を終えています。
Moto3クラスは,レオパード・レーシングのD.フォッジアが,この日唯一1分41秒台のタイムをマークし,自身今季2度目となる初日総合トップに立ちました。フォッジアのチームメイトである鈴木竜生は,トップからコンマ5秒以上離されたものの,初日総合3番手タイムでした。その2人の間に入って初日総合2番手タイムだったのは,トップからおよそコンマ4秒遅れだったガビオタ・ガスガス・アスパー・チームのI.グエバラでした。他のフル参戦日本人ライダー勢は,ステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢が9番手,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡が15番手,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が18番手,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽が27番手で初日を終えています。
2022/05/13(金)
◎2日連続(JRR)
○5月11日(水)に,来月スポーツランドSUGOで行われる予定の第4戦に向けた公開テスト2日目の走行が行われました。前日に行われたJSB1000クラスの初日の走行では,11日(水)付のこのページでお伝えしたように,昨シーズンからずっと勝ち続けているYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行が総合トップタイムだったことをお伝えしましたが,2日目もやはりその速さに変わりなく,2日連続して総合トップタイムをマークしました。さらに,これも初日と同じように,チームメイトである岡本裕生が2番手タイムをマークし,2日間ともヤマハワークスによるワンツーとなりました。もちろんその前に我が大分県にあるオートポリスで来週末2&4が行われる予定になっていますので,その時にどうなっているか分かりませんが,ヤマハワークスに死角なしという印象を改めて受ける今回のテストとなりました。総合3番手タイムは,2日目のみの走行となっていたHonda Suzuka Racing Teamの亀井雄大でした。4番手が濱原颯道,5番手が作本輝介,6番手が榎戸育寛と3〜6番手までをホンダ勢が占めています。なお,初日総合3番手タイムだったYOSHIMURA SUZUKI RIDEWINの渡辺一樹は,初日の走行で転倒を喫し,その際腰を痛めたことから,大事を取って2日目の走行をキャンセルしています。走行はキャンセルしていますが,どうやら骨折はしていないようで,オートポリス戦までには回復して第2戦の時のように中須賀と激しいバトルを再び繰り広げてほしいものです。
中須賀や多くの有力ライダーなど2日間走行したライダーはテストを終了しましたが,2日目に3番手タイムをマークした亀井など,初日走行しなかったライダーたちは,テストとしては3日目となる5月12日(木)に走行を行いました。そこでトップタイムをマークしたのは,Honda Suzuka Racing Teamの亀井でした。しかも,この日のタイムは,中須賀の総合トップを上回ることができなかったものの,岡本のタイムは上回って総合2番手となるものでした。2,3番手タイムは,それぞれSANMEI Team TARO PLUSONEの関口太郎,TONE RT SYNCEDGE4413 BMWの星野知也というBMWのM1000RR勢でした。
2022/05/12(木)
◎ご褒美&評価(MotoGP)
○SBKにおけるヤマハのエースライダーであるT.ラズガットリオグルは,昨シーズン長くタイトルを獲得してきたカワサキのエースであるJ.レイを破って見事ヤマハに2009年のB.スピース以来となるタイトルをもたらしました。その頃から彼のMotoGP転向の噂は出ていましたが,既にヤマハとSBKでの2年契約を結んでいたため,それを優先してMotoGPへの転向は実現しませんでした。しかし,その契約は今シーズンで切れますので,来季はSBKでもMotoGPでもどちらでも参戦可能となります。そのことに関してヤマハのマネージングディレクターを務めるL.ジャービスが,6月に行う予定のラズガットリオグルのMotoGPテストは,昨シーズンのタイトル獲得のご褒美ということだけでなく,来季MotoGPに参戦可能かどうかのテストを兼ねていることを明らかにしました。ただ,仮にMotoGPに転向できたとしても,ワークスからの参戦はほぼ不可能であることも明らかにしています。というのも,来季のMotoGPにおけるヤマハのワークスであるモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPは,既にF.モルビデリは来季までの契約が成立しています。そして,もう1人のワークスライダーで,昨年のチャンピオンでもあるF.クアルタラロについては,今シーズンで契約が切れますので,その去就が注目されていますが,ヤマハに留まるとすれば絶対にヤマハのエースライダーという立場に変わりはないですから,彼がヤマハ残留を決断するかどうかはまだ不透明ではあるものの,彼のためにシートを残しておかなければなりません。そういう状況ですから,例えSBKチャンピオンとはいっても,サテライトからのフル参戦ということになります。このことは,ジャービス自身もそれを認めています。ただ,そのヤマハのサテライトがどうなるのかは,現時点では未定です。普通に考えれば現在ヤマハのサテライトであるRNFということになりますが,ただ,同チームとヤマハとの来季の契約は現段階で結ばれていないという側面はあります。ということで,流動的ではあるものの,もしMotoGPに転向するとすれば,最も可能性が高いのは,ヤマハとの間でワークス契約を結び,所属はサテライトであるRNFということになりそうです。
2022/05/11(水)
◎テストでも(JRR)
○今シーズンもYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行がここまで全勝している状況にあり,果たして誰がその勢いを止めるのかが注目となっています。再来週は我が大分県にあるオートポリスでSFとの併催となる2&4が開催されることになっていて,さらに来月初めにはスポーツランドSUGOで,そして月末には筑波サーキットで,それぞれ開催クラスに違いはありますが,レースが予定されています。そうした予定を前にして,第4戦の会場であるスポーツランドSUGOで公開テストが行われました。その初日となった昨日の結果を見ると,JSB1000クラスはやはり王者である中須賀が総合トップタイムをマークし,チームメイトの岡本裕生が総合2番手タイムでした。この2台のみが1分26秒台に入っていて,やはりヤマハワークスの速さに変化がないことをこのテストでも結果で表しました。先月末に鈴鹿サーキットで行われた2&4では,YOSHIMURA SUZUKI RIDEWINの渡辺一樹があと一歩で中須賀を破るところまでいきましたが,最後は中須賀に振り切られてしまいました。それでも,ここまでの流れを見ると彼が中須賀をはじめとしたヤマハワークス勢を破る可能性のある唯一ともいえるライダーと考えられる状況にあります。その渡辺は,ヤマハの後塵を拝したものの,総合3番手タイムにつけていて,今後の可能性を感じさせています。なお,今回のテストには,シーズン前のテストで転倒を喫して重傷を負い,ここまでの2戦を欠場しているSDG Honda Racingの名越哲平が参加していて,8番手タイムでこの日の走行を終えています。
2022/05/10(火)
◎乗り越えて(F1)
○初開催となる第5戦マイアミGPの決勝レースが,午前中は雨に見舞われたものの,午後には雨が上がってドライコンディションとなったマイアミ・インターナショナル・オウトドロームで行われました。予選でフェラーリがワンツーを飾っていたものの,ポールを獲得していたC.ルクレールは,決勝での苦戦を口にしていました。そして,実際のレースでルクレールの予想は現実のものとなりました。そのルクレールは好スタートを切ってトップの座を守りました。しかし,チームメイトのC.サインツは3番手からスタートしたレッドブルのM.フェルスタッペンに交わされてしまいました。8周目まではトップに立っていたルクレールでしたが,9周目に入ったターン1のブレーキングでフェルスタッペンがルクレールを交わしてトップの座を奪いました。途中で両者の差が開いたりしましたが,アクシデントでセーフティカーが導入されて2人の差はリセットされました。リスタート後に再びフェルスタッペンがルクレールとの差を広げて行き,最後は3秒以上の差をつけて独走でトップチェッカーを受け,この大会最初のウィナーとなりました。初日はアクシデントでほとんど走行できない状態のフェルスタッペンでしたが,それを乗り越えての勝利でした。スタートで3位に下がったサインツは,4番グリッドからスタートしたS.ペレスに詰め寄られるシーンもありましたが,順調に差を広げて行き,最後は2秒以上の差をつけて3位表彰台を獲得しています。アルファタウリ勢ですが,P.ガスリーは他車に接触されたりして不運のレースとなり,45周目にリタイアとなっています。今季最高位となる9番グリッドからスタートした角田裕毅ですが,スタートで順位を1つ下げ,セッティングが決まっていないようで思うような走行ができない状態で終始し,最終的に12位でレースを終えています。
2022/05/09(月)
◎混乱の中(WEC)
○5月7日(土)に今季第2戦となる『スパ6時間レース』の決勝レースが,変わりやすい天候で有名なスパ・フランコルシャンで行われました。今シーズンのWECは,BoP(性能調整)により同じクラスの中で有利不利が出たり,最高峰のHYPERCARクラスよりその1つ下のクラスであるWRTクラスの方が場合によっては速かったりしています。今回は開幕戦で優勝したアルピーヌ・エルフ・チームのアルピーヌA480・ギブソンが性能調整を受けてやや絞られる形となっています。今回はそうしたことよりも,『スパウェザー』として有名な天候の方が影響が大きくなりました。レーススタート時点ではドライコンディションで始まったものの,その後は小降りだったり大降りになったり,止んだりというように目まぐるしく天候が変化していき,雨で足元をすくわれてクラッシュ,エンジン不調等が生じて度々赤旗をはじめ,セーフティカー先導やFCY(フルコースイエロー)が提示される事態となり,大混乱の大会となりました。そのような中,速さを見せたのは,ディフェンディングチャンピオンであるトヨタ・ガズー・レーシングのトヨタGR010ハイブリッドでした。ただ,全てがうまく行ったわけではありません。ポールこそ逃したものの,スタートで順位を上げたのはトヨタGR010ハイブリッドの8号車と7号車で,その後レース序盤に8号車がトップ,7号車が2番手とワンツー体勢を築きました。ところが,1時間が経過したところで雨が激しくなって一旦中断となり,再開したときに8号車にトラブルが発生してしまいました。これまではシステムをリセットしたりすると回復していたハイブリッドシステムでしたが,今回は何度再起動しても回復することができず,どうやらこれまで発生したことがない深刻なトラブルだったようで,ここで無念のリタイアとなりました。チームメイトは残念な結果となりましたが,それに替わって7号車がトップに浮上しました。その後も天候不順に悩まされて度々レース中断やFCY等が出されてレースは不安定,そして混乱した状況が続きましたが,ピットインのタイミングのズレでトップが入れ替わることがあったものの,7号車は順調にトップの座を守り抜き,M.コンウェイ&小林可夢偉&J-M.ロペス組がトップでチェッカーを受けて今季初優勝を飾りました。今シーズンから体制を変更してトヨタ・ガズー・レーシングは小林可夢偉がプレイングマネジャーとして監督を務めていますので,今回の優勝はドライバーとしてだけでなく,監督としても小林は初優勝となります。2位にはHYPERCARであるA.ネグラオ&N.ラピエール&M.バキシビエール組のアルピーヌA480・ギブソンが,3位にはWRTクラスであるS.ゲラエル&R.フラインス&R.ラスト組のオレカ07・ギブソンがそれぞれ入っています。
2022/05/08(日)
◎独占(F1)
○初開催となる第5戦マイアミGPの予選が,路面温度が50度を超える中マイアミ・インターナショナル・オウトドロームで行われました。このサーキットは,ランオフエリアの狭い場所が多く,最終区間などコース幅の狭い場所もあったりして,ちょっとしたミスで壁にヒットしたりする危険性があります。そのような中,ラストアタックで最速タイムを刻んだのは,4戦が終わった段階で2回ポールを獲得してきたフェラーリのC.ルクレールでした。チームメイトのC.サインツがラストアタックで2番手タイムをマークし,フェラーリがフロントローを独占しました。ラストアタックでフェラーリの逆転は許したものの,それまではタイミングモニターのトップに位置していたレッドブルのM.フェルスタッペンが3番手タイムとなり,前日に行われたフリー走行がトラブルでほとんど走れなかっただけに,それを考えるとまずまずの結果となりました。チームメイトのS.ペレスが4番手タイムをマークしていて,2列目はレッドブルが独占しています。ちなみに,5番手タイムをアルファロメオのV.ボッタスが,6番手タイムをメルセデスAMGのL.ハミルトンがマークしていて,奇しくも昨年までチームメイト同士だった2人が3列目に並ぶ結果となっています。アルファタウリ勢は,P.ガスリーが7番グリッドを獲得すると共に,角田裕毅は今季初めてQ3進出を果たし,9番グリッドを獲得しています。
2022/05/07(土)
◎6月中に(MotoGP)
○今シーズン中の注目点は,もちろん誰が勝ってもおかしくない状況がありますので,タイトル争いの動向が中心となります。しかし,他の観点で見ると,ほとんどのライダーが今季で契約期間が切れることから,来季のシートがどうなるのかという点も大きな注目点となります。特に,急にスズキが撤退するのではことがないかという出てきましたから,さらに不確定要素が増えてきています。そのような中,最大規模を誇るドゥカティ陣営の動向が注目となっています。ドゥカティは,ただ供給マシンが多いということだけではなく,優勝できる,そして優勝しているライダーも多いというところがあります。ワークスのシートは当然2つしかありませんし,その内F.バグナイアについては,シーズンが始まる前,既に2024年までの契約延長が決まっています。ということは,残された1つワークスシートに誰が座るのかが注目となりますし,場合によってはインディペンデントチームの体制にも影響が出てきます。残り1つのワークスのシートを争っているのは,当然現在ワークスライダーであるJ.ミラーで,あとは今季ここまで2勝を挙げているグレシーニ・レーシングMotoGPのE.バスティアニーニ,そして今季はまだこそ優勝ありませんが2位表彰台を1回獲得していて,ルーキーシーズンであった昨年は1回の優勝を含む4回の表彰台を獲得しているプラマック・レーシングのJ.マルティンの3名です。ミラーについてはこれまでの実績が,他の2人のライダーについては実績と将来性がありますので,誰が座ってもおかしくない状況にあります。もしミラーが残留となれば自動的に他のライダーもそのままとなるでしょうし,バスティアニーニとなれば,ドゥカティのNo.1的インディペンデントチームの扱いがプラマックレーシングですので,残りの2人がどうなるのかが不透明です。マルティンとなれば,ミラーとの入替えということも考えられますが,ミラー自身は所属チームというよりMotoGPに留まることが第一ということを表明していますので,単なる入替えということで治まるとは限りません。果たしてどのような結果になるのか楽しみですが,ドゥカティ自体がこの点について表明していて,どうやら6月中には結論を出したいという意向があるようです。ただ,プラマック・レーシングのJ.ザルコを含め,ドゥカティとしては現在のライダーについては陣営に留めておきたいようですので,所属チームは不確定ですが,ライダーの顔ぶれには変化がない可能性が出てきているようです。
2022/05/06(金)
◎退院(SGT)
○ゴールデンウィーク中に富士スピードウェイで行われた第2戦は,赤旗が2回も提示されるという展開となり,さらにチェッカーを受けたトップ2が40秒加算のペナルティにより順位を下げ,3位でチェッカーを受けたARTAが優勝するという大波乱の展開となりました。2回目の赤旗の原因となったのが,昨日もお伝えしたように,トップ争いを展開中,スリップに入ろうとトップを走るDENSO KOBELCO SARD GR Supraの背後に,2位を走行していた高星明誠がドライブするCRAFTSPORTS MOTUL Zがつけた際,トラブルから減速していたGT300クラスのマシンをトップのSARDは避けることができたものの,高星はスリップにつけていたため,突然遅いマシンが目の前に現れる状態になってしまいました。メインストレート上でしたので,まさにレーシングスピードの状態になっていて,回避するため左にマシンをきったものの,コントロールを失ってコース脇のガードレールに激突。さらに跳ね返って何回も回転しながらコースの反対側に滑ってくるという目を覆いたくなるようなクラッシュ劇となってしまいました。何があってもおかしくない状況ではありましたが,高星は自力でマシンから出て,その後メディカルへと運ばれました。そこでレントゲンを撮った結果,骨折はしておらず,その点では安心できました。とはいえ,衝突の激しさは尋常ではありませんでしたから,その後精密検査を受けるため病院へと運ばれてその場で入院となりました。そして,昨日NISIMOから高星の状況についてSNSで発表があり,検査の結果異常は見つからなかったようで,昨日無事退院したとのことです。高星に異常はなく,さらに高星のマシンに他のマシンが激突することもなく,飛び散った破片が観客に当たることもなかったようで,大きな事故の割には大事に至らなかったのは何よりでした。かなり前の話になりますが,私が観客としてレースを観ていた際,スタートできなかったマシンに後続のマシン(ちなみに,どちらも現在はチーム監督を務めています。)が衝突し,ぶつけられたマシンのタイヤがバリアを超えて観客席に飛んできたという経験をしています。私のすぐ近くに飛んできて危険を感じましたが,幸いなことに私は当たらずに済みました。しかし,別の観客にぶつかってしまって,その方は入院する事態になったことがあります。レースはエントラントだけでなく,観客も場合によっては危険な目に遭うことがありますので,やはりいい意味での緊張感を持って声援する必要があります。
2022/05/05(木)
◎大波乱(SGT)
○第2戦の決勝レースが,ゴールデンウィークにわく富士スピードウェイで行われました。今大会は,走行距離が450qとセミ耐久レースという形を採っています。
GT500クラスは,2回赤旗が提示されるという大波乱の展開となりました。その中でも衝撃的だったのは,2回目の赤旗の原因となったアクシデントでしょう。そのアクシデントが起こったのは,トップが59周目に入ったところでした。その段階でトップを行くのは,関口雄飛&中山雄一組のDENSO KOBELCO SARD GR Supraで,それを千代勝正&高星明誠組のCRAFTSPORTS MOTUL Zが激しく追っていました。58周目が終わって59周目に入ってストレートを走行している際,トップを行くSARDが前を行くGT300クラスのマシンのスリップを利用しようとそのマシンの後ろにつけました。さらに,CRAFTがその後ろにつけていたのですが,この時の300クラスマシンは不調によりペースを落として走行していたのです。ただでさえクラスが違うのに,さらにペースを落としていたため,トップのSARDはこれを避けようとマシンを左に振ると,そのすぐ後ろでスリップにつけようとしていたCRAFTの前に突然遅い車が現われる形になってしまいました。レーシングスピードの中,追突を回避するため慌てて左にステアリングを切ったマシンは,コントロールを失ってコース脇のガードレールに高速で激突し,さらに回転しながらコースに戻ってきました。この段階で赤旗下提示され,レースは中断となりました。このアクシデント時の衝撃は激しく,マシンは外装が吹き飛んでモノコックが残り,ガードレールは支柱が外れておよそ10メートルにわたって倒壊してしまいました。余りの激しさにドライバーの安否が心配されましたが,幸いなことに運転していた高星は自力でマシンを降り,その後メディカルへと行きましたが,検査の結果骨折はしておらず,まさに九死に一生を得ました。激しく損傷したガードレールを修復する必要がありますので,長時間にわたってレースは中断。結局日没が近いということから当初予定された距離が短縮されることとなって18:10に再開されたものの,セーフティカー先導のままでの走行となり,18:20の日没延長最大時間を迎えた62周終了時点でチェッカーとなりました。その段階で1位がSARD,2位がS.フェネストラズ&宮田莉朋組のKeePer TOM’S GR Supraで,Supraのワンツーかと思われました。ところが,波乱の展開は最後の最後でも現れ,1位のSARDは赤旗中の作業違反で,2位のTOM’Sは2度目の赤旗のリスタート直後の1コーナーで36号車との接触の責任があるということで2チーム共に40秒加算のペナルティーが科されました。この結果,3位でチェッカーを受けた野尻智紀&福住仁嶺組のARTA NSX-GTが優勝となり,2,3位がそれぞれ坪井翔&G.アレジ組のau TOM’S GR Supra,平峰一貴&B.バゲット組のカルソニック IMPUL Zとなり,表彰台を3メーカーで仲よく分け合う形で終了しました。
GT300クラスは,こちらもアクシデントやペナルティーなどの波乱がある中で進行していきました。ポールからスタートしたのは前戦に次いで井口卓人&山内英輝組のSUBARU BRZ R&D SPORTでしたが,セミ耐久ということから3人体制を組んでいる富田竜一郎&大草りき&塩津佑介組のTANAX GAINER GT-Rが2番グリッドから好スタートを切り,オープニングラップのコカコーラコーナー立ち上がりでGAINERがトップに立ちました。波乱が起きる展開となりましたが,トップのGAINERは順調に走行を続けていき,見事波乱の展開となったレースを制しました。2位を走行していたBRZでしたが,追い上げてきた柳田真孝&井出有治組のBUSOU raffinee GT-Rにピットアウトしたときに交わされ,結局2位がBUSOU,3位がBRZでチェッカーとなりました。
なお,今大会は大幅に周回数が減ったため,レースとしては成立扱いになったものの,ハーフポイントになっています。
2022/05/04(水)
◎撤退か?(MotoGP)
○突然衝撃的なニュースが世界中を駆け巡りました。それは,2015年に再びMotoGPに帰って参戦を続けてきているスズキが,今シーズン限りで再び撤退するのではないかというニュースです。このスズキの意向は,スペインGP終了翌日にヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトで行われたオフィシャルテストの際チームに伝えたというのです。復帰後のスズキは,なかなか成績が向上できませんでしたが,それでも徐々にポテンシャルをアップさせていき,一昨年ついにJ.ミルがタイトルを獲得しました。昨シーズンは期待された成績を収めることはできませんでしたが,今シーズンは優勝こそないものの,安定した成績を残していて,A.リンスがランク4位,ミルがランク6位と高位につけています。そのスペインGPでアプリリア・レーシングのA.エスパルガロが3位表彰台を獲得したことにより,アプリリアが優遇措置を受ける権利を失いましたので,来季は全てのメーカーが同じ条件でガチンコで戦うことになると思われていました。しかも,他メーカーと同様,スズキも昨シーズンにMotoGPの商業権を有するドルナスポーツとの間で2026年までの参戦継続契約を結んでいます。さらに,今シーズンで契約が切れるミルとリンスですが,ミルは契約延長がほぼ間違いなく,リンスについてもこのままの好調さを維持すればほぼ契約延長ということになりそうな感じではありました。それだけに,まさかの「撤退か」というニュースとなっています。当初はスズキから正式発表が既に行われる予定になっていたようですが,2026年までの参戦継続契約があるため,スズキの意向のみで撤退を決めることができないことから,その発表が延びているというのが真相のようです。可能性はかなり高いものの,もちろんまだ噂の域を出ていないのですが,今後の推移がとても気になるところです。レースファンとしては,ただただ噂で終わることを願うばかりです。

◎独占(SGT)
○通常のレースは週末に行われますが,SGTは曜日にかかわらないゴールデンウィーク中に行われる大会を毎年カレンダーに加えています。今年もその好例の大会が昨日富士スピードウェイで開幕し,両クラスの予選が行われました。
GT500クラスは,ファイナルアタックでWedsSport ADVAN GR Supraを駆る国本雄資&阪口晴南組が最速タイムを刻み,今季初のポールを獲得しました。2番手タイムを佐々木大樹&平手晃平組のリアライズコーポレーション ADVAN Zがマークし,マシンこそ違うものの,今季同じヨコハマタイヤユーザーである2台のマシンがフロントローを独占しました。3番手タイムは,ミシュランタイヤを履く千代勝正&高星明誠組のCRAFTSPORTS MOTUL Zがマークしています。今シーズンからZを導入しているニッサンですが,ポールこそ奪えなかったものの,2戦目で予選2,3位につけるという速さを見せています。ホンダ勢では,野尻智紀&福住仁嶺組のARTA NSX-GTの5番手が最高位でした。そのARTAは,ファイナルアタックで一旦は4番手に相当するタイムを刻んでいたものの,走路外走行をしたということでこのタイムは削除となっています。
昨シーズンよりは短くなっているものの,今大会は450qという長距離のレースとなっていますので,GT300クラスの中にはチームによって3人体制を組んでいるところがあります。そのGT300クラスでポールを獲得したのは井口卓人&山内英輝組のSUBARU BRZ R&D SPORTで,これは開幕戦に続く2戦連続ポールとなります。2番手タイムは,今回塩津を加えた3人体制を組んでいる富田竜一郎&大草りき&塩津佑介組のTANAX GAINER GT-Rでした。3番手タイムを新田守男&高木真一組のK-tunes RC F GT3が,4番手タイムを柳田真孝&井出有治組のBUSOU raffinee GT-Rがマークし,ダンロップタイヤユーザーがトップ4を独占しています。
2022/05/03(火)
◎トップ7に(MotoGP)
○第6戦スペインGPは,MotoGPクラスでドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが,Moto2クラスでイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍がそれぞれ今季初優勝(小椋藍についてはキャリア初優勝)しました。MotoGPクラスのライダーとチームは,そのままスペインGPの会場であるヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトに留まり,オフィシャルテストに臨みました。それぞれのメーカーやチームは,新しいフェアリングやサスペンション等を,そしてKTMに至っては珍しい形状をしたエキゾーストを試したりしました。その中で,スペインGPでは転倒リタイアに終わったプラマック・レーシングのJ.ザルコが,この日の最速タイムを刻みました。2,3番手タイムをそれぞれレッドブルKTMファクトリー・レーシングのB.ビンダー,モンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロがマークし,違うメーカーがトップ3を占めました。トップ7を見ると,ドゥカティがその中の2台を占めていますが,MotoGPクラスに参戦している6メーカー全てが入っていて,誰が勝ってもおかしくはない現在のMotoGPクラスを象徴した結果となりました。さらに,タイムを見ると,トップ15までが1分37秒台で,この点でも拮抗した状況を表しています。スペインGPでインディペンデントチーム最上位につけたLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,17周目の1コーナーで転倒を喫してしまいました。メディカルで検査を受けた結果,骨折はしていなかったようですが,第2戦インドネシアGP後のトレーニングで負傷した左膝靱帯を再び痛めた可能性があるため,バルセロナ市内にある大学病院でMRI検査を受けています。せっかく波に乗れるきっかけがつかめた直後だけに,どの程度の傷を負っているのかとても気になるところです。なお,次の大会は,2週間後にブガッティ・サーキットで行われる第7戦フランスGPとなっています。
2022/05/02(月)
◎初優勝(MotoGP)
○第6戦スペインGPの決勝レースが,好天に恵まれたヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトで行われました。
MotoGPクラスは,ポールからスタートしたドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが,好スタートを切ると最後までそのポジションを守り抜き,今季初優勝を飾りました。今季初めの頃は,マシンの戦闘力に苦労していて,なかなか好結果を残せないレースが続いていましたが,今回のレースでは,昨年の後半に見せたような強さが復活したかのようなレース運びとなりました。昨シーズンそのバグナイアと激しいレースを展開していきながらチャンピオンを獲得したモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロが,2位を走行してバグナイアを追い続けましたが,なかなかコンマ5秒前後の差を埋めることができないままチェッカーとなりました。それでも2戦連続表彰台を獲得し,ディフェンディングチャンピオンが単独でランクトップに立っています。トップ2からは遅れての3台による3位争いとなり,最後はアプリリア・レーシングのA.エスパルガロが抜け出し,アプリリアとしては初となる2戦連続表彰台を獲得しました。この表彰台獲得により,アプリリアが唯一コンセッションの対象となっていましたが,その権利を失うこととなり,これまで受けてきた優遇措置が来季はなくなることが決定しました。今季自己最高位となる7番グリッドからスタートしたLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,単独で7位を走行してチェッカーを受け,今季自己最高位,そしてこのレースにおけるインディペンデントチームでのトップフィニッシュとなっています。
Moto2クラスは,このクラスでは自身初となるフロントローからスタートしたイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍が,ホールショットを決めてトップに立つと,安定した速いタイムを刻んでいってトップを守り続け,2位走行のフレックスボックスHP40のA.カネトに2秒以上の差をつけてゴールし,独走で自身キャリア初優勝を飾りました。このクラスにおける日本人の優勝は,初代Moto2優勝者の富沢祥也から始まって,高橋裕紀,中上貴晶,そして2020年に優勝した長島哲太以来通算5人目となります。3位には,こちらも単独走行でエルフ・マークVDSレーシング・チームのT.アルボニーノが入っています。
Moto3クラスは,このクラス恒例ともいえる複数台によるトップ争いが最後まで続き,ファイナルラップの最終コーナーでトップに立ったバルレーサ・ガスガス・アスパー・チームのI.グエバラが,チームメイトのS.ガルシアに1000分の61秒差をつけてトップでチェッカーを受け,昨年の第15戦アメリカズGP以来の勝利を収めました。3位にレッドブルKTMアジョのJ.マシアが入り,3戦連続表彰台を獲得しました。フル参戦日本人ライダー勢ですが,FP3で低速走行をしたということでステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢はグリッド降格とロングラップペナルティーが科せられてしまいましたが,この大会は速いペースを刻むことができていましたから,どんどん順位を上げていき,最終的に日本人では最高位となる6位でチェッカーを受けました。CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡は7位,MTヘルメッツMSIの山中琉聖は8位でチェッカーを受けてポイントを獲得しています。ホンダ・チーム・アジアの古里太陽は,完走は果たしたものの,21位でのチェッカーとなりました。レオパード・レーシングの鈴木竜生は,7周目に転倒を喫してリタイアに終わっています。ホンダ陣営では最も実績を残しているチームに移籍している鈴木ですが,その分背水の陣で今季に臨んでいるといえます。チームメイトのD.フォッジアがランク2位につけているのに対し,今回ノーポイントに終わった鈴木はフォッジアの3分の1のポイントしか獲得できておらず,早くも残留に向けて黄色信号が灯ってきているような印象を受けます。
2022/05/01(日)
◎初ポール(MotoGP)
○第6戦スペインGPの予選が,ドライコンディションとなったヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトで行われました。
MotoGPクラスは,ドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが,これまでのオールタイムラップレコードを更新する速さを見せ,昨年の第17戦アルガルヴェGP以来となる今季初のポールを獲得しました。前戦の勝者で,初日総合トップタイムだったモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロが,バグナイアの圧倒的なタイムに差をつけられ,コンマ4秒以上遅れの2番手タイムとなりました。今季好調なアプリリア・レーシングのA.エスパルガロが,チームメイトのM.ビニャーレスについて走り,そのビニャーレスが露払い的な役割を果たしてエスパルガロがタイムアップを果たし,3番グリッドを獲得しました。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,FP3で3番手タイムをマークしていてポールやフロントロー獲得が期待されましたが,7番グリッド獲得にとどまりました。ただ,これは彼にとって今季自己最高位グリッドとなります。
Moto2クラスは,イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの小椋藍が終盤に入ったあたりでトップタイムをマークしました。まだ残り2分以上あった段階でのトップタイムだっただけに,小椋のタイムを更新するライダーが現われないか心配だったのですが,どのライダーもタイムを縮めることができず,小椋にとってこのクラスでは初,Moto3クラスと合わせると通算2度目となるポールを見事獲得しました。2,3番手にエルフ・マークVDSレーシング・チーム勢がつけ,2,3番グリッドは,それぞれT.アルボニーノ,S.ロウズが獲得しています。
Moto3クラスは,ガビオタ・ガスガス・アスパー・チーム勢が速さを見せ,I.グエバラがポールを,S.ガルシアが2番グリッドを獲得しています。レッドブルKTMアジョのJ.マシアが,ガルシアから1000分の47秒遅れで3番手タイムでした。フル参戦日本人ライダー勢は,ステリルガルダ・マックス・レーシング・チームの佐々木歩夢の7番手が最高位でした。佐々木と共にQ2を走行したMTヘルメッツMSIの山中琉聖が12番手,CIPグリーン・パワーの鳥羽海渡はトラックリミットを超えたことからタイムがキャンセルとなり,18番グリッド獲得にとどまりました。Q1で敗退となったレオパード・レーシングの鈴木竜生とホンダ・チーム・アジアの古里太陽は,それぞれ20番グリッドと24番グリッドから今日行われる決勝レースをスタートします。
 

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