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最新ニュース

2018/10/31(水)
☆5年ぶり(WRC)
○10月25日(木)〜28日(日)に,第12戦スペインが開催されました。3日目までトップに立っていたのは,トヨタ・ヤリスWRCを駆るJ-M.ラトバラでしたが,上位陣はかなり僅差での最終日のレースが始まりました。ここで速さを見せたのは,既にWRCの第一線から退いているS.ローブでした。2004年から2012年まで9年連続チャンピオンに輝いているWRCにおけるレジェンドのローブは,この大会にシトロエン・レーシングからシトロエンC3 WRCを駆ってスポット参戦していました。トップから8秒差で最終日に臨んだローブは,SS15でトップに立つと,次のSSでもトップタイムをマークして2位以下に差をつけました。残りのSSでは,こちらもWRCにおける王者の一人であるフォード・フィエスタWRCを駆るS.オジェの逆襲を受けてトップタイムを奪えなかったものの,それまでの差を生かしてトップの座を守り,2013年以来5年ぶりとなる勝利を収めました。彼にとっては,WRC通算79勝目となります。2位にはローブとの差を2秒ほどに縮めたオジェが入り,3位にはオジェのチームメイトであるE.エバンスが入っています。今回のトヨタ勢はトップ5に入ることができず,O.タナクの6位が最高位でした。なお,今年1月から始まっているWRCは,オーストラリアで開催される予定の最終戦を残すのみとなっていて,ドライバーズタイトルはオジェが,マニュファクチャラーズタイトルはTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamがそれぞれトップに立ってその最終戦に臨むことになります。
2018/10/30(火)
☆代役(MotoGP)
○第17戦オーストラリアGPでは,レースウィークの中で様々な転倒が起こっていて,例えば決勝レースでは,チャンピオンを獲得したレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスと3番グリッドと久々に好位置からスタートしたモンスター・ヤマハ・テック3とが超高速で接触し,ザルコは激しく転倒してリタイア,接触されたマルケスはマシンが損傷したことからピットに入ってリタイアに終わるというアクシデントが発生しました。また,初日の午後に行われたフリー走行2では,LCRホンダ・カストロールのC.クラッチローが17周目の1コーナーで激しいクラッシュに見舞われ,右足のくるぶしを骨折するという重傷を負ってしまいました。そのクラッチローですが,2回の手術が予定されているようで,1回目の手術では足の位置を元に戻す手術を終え,腫れが引いたところで2回目の手術を行い,プレートで足の固定を行うようです。3週連続開催となるMotoGPですので,その3戦目となる第18戦マレーシアGPには当然クラッチローの復帰は不可能です。それだけなく,来月18日に決勝レースが行われる予定の最終戦バレンシアGPも欠場する可能性があります。そうした状況の中,チームから発表があり,次戦マレーシアGPでは,代役としてHRCのテストライダーを務めているS.ブラドルを起用することになりました。現在はテストライダーを務めているブラドルですが,皆さんご存知のように2011年にMoto2クラスでチャンピオンを獲得した後,その翌年からMotoGPクラスにステップアップし,その際所属したのが今回代役参戦することになったLCRホンダでした。3年間同チームに所属し,その後アプリリアに1年間在籍した後にSBKに戦いの場を移してホンダのマシンで戦い,現在のテストライダー就任に至っています。テストライダーをしていると今回のように代役参戦という立場になることがよくありますが,今シーズンのブラドルは,エストレージャ・ガルシア・マークVDSのF.モルビデリの代役参戦していて,ワイルドカード参戦を含めて既に3戦に出場し,今回が今季4回目となります。かつて3年間所属したチームからの代役参戦ですから,もしかしたら彼にとって一番走りやすい環境の中での出場となるかもしれませんね。
2018/10/29(月)
☆初優勝(MotoGP)
○第17戦オーストラリアGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったフィリップアイランド・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,2番グリッドからスタートしたモビスター・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスがスタートで出遅れたものの,その後は順調にポジションをアップしていって独走態勢に持ち込み,自身今季初優勝を挙げました。ビニャーレスにとってはもちろん,今季不調を極めるヤマハにとっても今季初優勝となります。この優勝は,ビニャーレスにとっては昨年5月に行われた第5戦フランスGP以来,ヤマハにとっては,昨年6月に行われ,モビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシがウィナーとなった第8戦TTアッセン以来の優勝となります。2位以下は一時5台によるバトルが展開されましたが,その後はチーム・スズキ・エクスターのA.イアンノーネとドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾの2人のバトルとなり,最終的にイアンノーネが2位表彰台を獲得しています。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,2周目にラインを外して20位までポジションダウンしましたが,その後順位を上げ,最終的に14位でチェッカーとなりました。
Moto2クラスは,レッドブルKTMアジョのB.ビンダーとエストレージャ・ガルシア・マークVDSのJ.ミルというMoto3クラスにおけるチャンピオン経験者によるトップ争いとなりました。そして,最終的に1000分の36秒差でビンダーがトップでチェッカーを受けています。3位には,ダイナボルト・インタクトGPのX.ビエルゲが入っています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの長島哲太は,13位でチェッカーを受け,4戦連続ポイント獲得と好調さを維持しています。
Moto3クラスは,このクラスらしく10台を超えるマシンによるトップ争いが展開されていきました。この激しいバトルを制したのはアンヘル・ニエト・レーシング・チームMoto3のA.アレナスで,第5戦フランスGP以来今季2勝目を挙げました。2位にはデル・コンカ・グレシーニMoto3のF.ディ・ジャンアントニオ,3位には代役参戦しているスカイ・レーシング・チームVR46のC.ヴィエッティが入りましたが,トップとの差は,それぞれ1000分の52秒,1000分の59秒と僅差でした。4位にSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が入り,これは昨年の日本GP以来となる自己最高位でした。ちなみに,トップからコンマ1秒以内の差だったのが5位までで,トップから1秒以内の差だったのが14位まででした。このことからも,いかに僅差のバトルだったのかが分かります。他の日本人ライダー勢ですが,鈴木と同じくトップグループのバトルに加わっていたペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢は10位に入ってポイントを獲得していますが,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は19位でノーポイントに終わっています。

☆タイトル獲得(F1)
○メルセデスAMGのL.ハミルトンがチャンピオンに王手をかけて臨んでいる第19戦メキシコGPのの決勝レースが,やや雲はあるものの,ドライコンディションとなったアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスで行われました。フリー走行3までの全てのセッションでトップタイムだったものの,予選ではチームメイトであるD.リカルドにトップタイムをマークされたレッドブルのM.フェルスタッペンでしたが,決勝レースでは2番グリッドからスタートしてトップに立ちました。その後は順調に後続との差を広げて行ってトップの座を最後まで守り,今季2勝目を挙げました。ハミルトンをランク2位で追うフェラーリのS.ベッテルは,後半に入ってレッドブルのD.リカルドの脱落によって2位を走行し,そのままでチェッカーを受け,あとはハミルトンの順位次第という形になりました。3位にチームメイトで前戦の勝者であるK.ライコネンが入りました。タイトルに王手をかけているハミルトンは,2位を走行していましたが,後半に入ってタイヤのグリップ不足でコースオフを喫してしまいました。幸いにも大事に至らずにコースに復帰してピットインし,そこでタイヤ交換を済ませました。その後は4位走行となってそのままの位置をキープしてチェッカーを受けました。ハミルトンとベッテルとのポイント差は縮まりましたが,残り2戦で2人の差が64ポイントとなり,昨年と同様にこのメキシコGPで通算5回目となるハミルトンのタイトル獲得が決定しました。トロロッソ・ホンダ勢ですが,PUやギアボックスの載せ替えにより最後尾からスタートしたP.ガスリーでしたが,2ストップ作戦が功を奏して順位を上げていき,10位でチェッカーを受けて見事ポイントを獲得しています。このところガスリーよりもいい成績を収めているB.ハートレーでしたが,12位でチェッカーとなってポイント獲得に至りませんでした。

☆逆転で(SF)
○今季最終戦となる第7戦の決勝レースが,秋らしい好天に恵まれた鈴鹿サーキットで行われました。タイトル争いを争うのは,実質的にTEAM MUGENの山本尚貴とKONDO RACINGのN.キャシディの2人ですが,逆転タイトルを狙う山本がポールからスタートし,キャシディは4番手からとやや山本が有利な状態でスタートを切りました。スタート時のタイヤは,山本がソフト,キャシディがミディアムと選択が分かれました。そのタイヤの違いにより,前半は山本がキャシディに差をつけてピットインしました。山本は当然次にミディアムを履くことになった訳ですが,トップでコースに復帰できたものの,ミディアムを選択していたキャシディが徐々にペースを上げ,2人の差を縮めていきました。そして,キャシディがソフトタイヤを履いてペースアップをしていくと,2人の差はさらに縮まりました。その上に山本にはブレーキトラブルが発生したようで,思うようにペースを上げることができず,最終盤にはテールトゥーノーズのバトルとなりました。ただ,山本はオーバーテイクシステムを残していて,ファイナルラップに入るとそれを連発してキャシディの追い上げをかわしていき,最後までトップの座を守ってチェッカーを受けました。この結果,わずか1ポイント差で山本がキャシディを上回り,2013年以来となるチャンピオンを逆転で獲得しました。現在使用されているシャーシであるSF14は,今シーズン限りとなり,来季からはSF19へとバトンタッチされます。今回の山本の勝利はSF14にとって最後のウィナーですし,最後のチャンピオンということになります。惜しくもタイトル獲得を逃したキャシディですが,チームメイトの山下健太が3位に入って自身初の表彰台を獲得したことでKONDO RACING勢の2,3となり,チームタイトルを獲得することができました。"マッチ"こと近藤真彦監督にとって,自身がチームを創設して19年目で初の年間タイトル獲得となりました。
2018/10/28(日)
☆早めのアタック(MotoGP)
○第18戦オーストラリアGPの予選が,何とか最後までドライ用タイヤで走行できたフィリップアイランド・サーキットで行われました。いつもと違ってこの日最後に行われたMotoGPクラスの予選は,開始時に少しずつ雨が落ち始めたため,どのライダーもウェットになる前にタイムを出しておこうと,早めのタイムアタックをしていきました。場所によっては濡れた路面になったようですが,セッションの最後までドライ用タイヤで走行できる状態でした。そのような不安定な中でトップタイムをマークしたのは,6日前に行われた日本GPの決勝レースで今シーズンのタイトルを決めたレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスでした。このポール獲得は,このサーキットでは5年連続となります。前日のフリー走行で復調を見せていたモビスター・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスが,マルケスからコンマ3秒遅れましたが,2番グリッドを獲得しています。来季からKTMのワークスライダーになることが決まっているモンスター・ヤマハ・テック3のJ.ザルコは,トップからコンマ5秒遅れの3番手タイムをマークし,フロントローからのスタートを決めています。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,Q1突破ならず,14番グリッド獲得にとどまっています。
Moto2クラスは,いつもですと一番最後に予選が行われますが,今大会はMotoGPクラスの前に行われ,イタルトランス・レーシング・チームのM.パシーニが今季自身3度目となるポールを獲得しました。2番手タイムをダイナボルト・インタクトGPのM.シュロッターがマークし,そのシュロッターからわずか1000分の97秒差でチームメイトのX.ビエルゲが3番手タイムをマークしています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの長島哲太は,21番グリッドから今日の決勝レースを迎えることになりました。
Moto3クラスは,ここまでランクトップを行くデル・コンカ・グレシーニMoto3のJ.マルティンがトップタイムをマークし,今季10回目となるポールを獲得しました。レッドブルKTMアジョのD.ビンダーが2番手タイムをマークしましたが,これは予選における自己最高位となります。ペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢が3番手タイムをマークし,第6戦以来のフロントロー獲得となります。他の日本人ライダー勢は,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡が12番手,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生は24番手タイムでした。RBAボエ・スカル・ライダーの真崎一輝は,予選前に行われたフリー走行3で転倒を喫し,左手の第5中手骨を骨折したことから,以後の走行をキャンセルしています。連続開催となるMotoGPですが,次週行われる第19戦マレーシアGPの出場がどうなるか気になるところです。

☆予選では(F1)
○第19戦メキシコGPの予選が,前夜から激しい雨に見舞われたものの,予選開始時はドライ用タイヤで走行可能となったアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスで行われました。予選前にはフリー走行1から3まで行われていますが,そのセッション全てでトップタイムをマークしたのはレッドブルのM.フェルスタッペンでした。そのフェルスタッペンのポール獲得の可能性が高まっていた予選でしたが,その彼のポール獲得に待ったをかけたのが,チームメイトで来季からルノーに移籍することが決まっているD.リカルドでした。リカルドが最速タイムを刻むまではフェルスタッペンがトップタイムで,そのタイムを誰も更新できなかったのですが,最後のアタックでリカルドが1000分の26秒差をつけて逆転でポール獲得となりました。レッドブルのワンツーに続いて3番グリッドを獲得したのは,この大会でタイトル獲得の可能性が高まっているメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。トロロッソ・ホンダ勢ですが,P.ガスリーは,PUに加えてギアボックスの載せ替えがあるため,最後尾グリッドからのスタートが既に決まっていました。そのため,予選はアタックしても意味がないため,決勝レースを見据えた走行をしました。それに対して,このところ好調な走りを見せているB.ハートレーの方はタイム更新を狙った走行を行い,Q1は突破して見せました。しかし,Q2突破は叶わず,14番手タイムで予選を終えています。

☆逆転に向け(SF)
○今シーズン最後の大会となる第7戦の予選が,当初ウェット路面だったのが,予選開始時にはドライタイヤで走行できるくらい路面が回復した鈴鹿サーキットで行われました。逆転タイトルを狙うTEAM MUGENの山本尚貴は,予選Q1でトップタイムをマークして速さを見せ,さらにQ2でもトップタイム,そして何とQ3でもトップタイムをマークし,鈴鹿マイスターの本領発揮で全セッションを制して見事ポールを獲得しました。ポールシッターには1ポイント与えられますので,この時点でランク2位タイとなっています。ランクトップを行くKONDO RACINGのN.キャシディは,タイムアップならず4番手で予選を終えましたが,そのチームメイトである山下健太が2番手タイムをマークし,フロントローを獲得しています。3番グリッドは,VANTELIN TEAM TOM’Sの中嶋一貴が獲得しています。山本に並ばれたものの,ランク2位のにつけているJMS P.MU/CERUMO・INGINGの石浦宏明は,Q2で敗退となって決勝レースを11番グリッドからスタートすることになりました。
2018/10/27(土)
☆全員が(MotoGP)
○3週連続開催となるMotoGPですが,その2つ目のレースとなる第18戦オーストラリアGPがドライコンディションとなったフィリップアイランド・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。MotoGPクラスは,チーム・スズキ・エクスターのA.イアンノーネが2回目のフリー走行の最終盤にトップタイムをマークし,今季3度目となる初日総合トップに立ちました。最後の最後でイアンノーネにトップタイムを譲ることになったものの,アルマ・プラマック・レーシングのD.ペトルッチが総合2番手になりました。タイGPでは復調が見えたものの,日本GPでは再び不調に戻ったヤマハ勢ですが,モビスター・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスが初日総合3番手タイムをマークしてタイGPの再来が期待されました。前戦でチャンピオンを決めたレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスですが,いつものように(?)初日に転倒を喫してしまい,7番手タイムで初日を終えています。今回のマルケスの転倒は彼だけでなく,チームメイトで引退後来季からKTMのテストライダーに就任することが発表されたD.ペドロサ,LCRホンダ・イデミツの中上貴晶,LCRホンダ・カストロールのC.クラッチローとHRC勢全員が転倒するという事態になっていて,初日からホンダ勢に黄色信号が灯ることになっています。その中上ですが,初日は総合19番手で終えています。転倒を喫したクラッチローは,高速コーナーでの転倒が災いし,左足首が骨折するという重症に見舞われてしまい,以後の走行をキャンセルせざるを得ない事態となっています。
Moto2クラスは,レッドブルKTMアジョのD.ビンダーがトップタイムをマークし,中量級では自身初となる初日総合トップに立ちました。午前中に行われたフリー走行1でトップタイムだったダイナボルト・インタクトGPのM.シュロッターが,午後の走行ではタイム更新できず,午前のタイムで総合2番手となりました。初日総合3番手は,スイス・イノベーティブ・インベスターのI.レクオナでした。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの長島哲太は,27番手タイムで初日を終えています。
Moto3クラスは,エストレージャ・ガルシア0,0のA.カネトが,自身今季2度目となる初日総合トップタイムをマークしています。フリー走行1でトップタイムだったデル・コンカ・グレシーニMoto3のJ.マルティンは,総合2番手で初日の走行を終えています。そのマルティンから1000分の2秒差で,ベスター・キャピタル・ドバイのM.ラミレスが3番手タイムでした。日本人ライダー勢は,ペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢の8番手が最高で,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が15番手,RBAボエ・スカル・ライダーの真崎一輝が19番手,スランプに陥っているホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡が22番手で初日を終えています。

☆トップタイムだけど(F1)
○アメリカ大陸で2週連続開催となるF1ですが,その2つ目となる第19戦メキシコGPがアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。その初日で両セッションともトップタイムをマークしたのは,来季もチーム残留が決まっているレッドブルのM.フェルスタッペンでした。チームメイトで,来季はルノーに移籍することが決まっているD.リカルドが,両セッションとも2番手タイムをマークしました。3番手タイムをルノーのC.サインツがマークし,初日のトップ3は全てルノー製PU勢でした。ただ,トップタイムをマークしたフェルスタッペンは,セッション終盤にPUが原因のトラブルが発生してしまってコース途中でマシンを止める事態に陥っています。前戦アメリカGPではリカルドが決勝レースでPUトラブルでリタイアに終わっていますので,ルノーにとっては不安を抱えた初日の好成績となりました。トロロッソ・ホンダ勢ですが,P.ガスリーにPUの製造過程における問題が原因のトラブルが発生してしまい,載せ換えざるを得ないこととなり,決勝レースは最下位からのスタートとなることが決まっています。このところ好調な走りを見せているB.ハートレーにはトラブルが発生しておらず,6番手タイムで初日を終えています。
2018/10/26(金)
☆代役&マシンチェンジ(MotoGP)
○ドゥカティ・チームのJ.ロレンソは,第14戦アラゴンGP,第15戦タイGPと2戦連続して激しい転倒に見舞われ,右足と左の手足にケガを負ってしまいました。ツインリンクもてぎで行われた第16戦日本GPにおいては,初日のフリー走行1で一旦コースインしたものの,激痛が伴うためすぐにピットインし,以後の走行をキャンセルしました。レースが終わってから母国スペインに戻り,バルセロナ市内の病院で23日(火)に左手首靱帯の手術を行いました。そのため,今日から開幕する第17戦オーストラリアGPは欠場して第18戦マレーシアGPからの復帰を目指すこととなり,その代役として今季ドゥカティのサテライトチームの1つであるアンヘル・ニエト・チームからフル参戦し,日本GPではドゥカティ勢最高位となる5位を獲得したA.バウティスタをロレンソの代役として起用することになっています。そして,バウティスタがワークスチームから出場するため空いたシートには,今季スペイン選手権のスーパーストック1000クラスに参戦してランク4位につけている24歳のオーストラリア人ライダーM.ジョーンズを代役として起用することになりました。ドゥカティはチームやライダーによってバージョンの違うデスモセディチを供給していますが,今回の代役参戦によって供給するライダーにも変更が加わるようです。当然バウティスタはワークスチームですから,最新型のデスモセディチGP18が供給されます。そのバウティスタが今季駆っている昨年型となるGP17を今季バウティスタのチームメイトで,一昨年型のデスモセディチGP16を駆っているK.アブラハムが使用することになります。そして,今回代役参戦が決まったジョーンズが,アブラハムが駆っているGP16を駆って参戦することになります。
2018/10/25(木)
☆5年半ぶり(F1)
○10月21日(日)に好天に恵まれたサーキット・オブ・ジ・アメリカズにおいて,第18戦アメリカズGPの決勝レースが行われました。順位次第ではここでチャンピオンを決めることになるメルセデスAMGのL.ハミルトンは,ポールからスタートしましたが,3番グリッドからスタートしたフェラーリのK.ライコネンが絶好のスタートを切り,一挙にトップに立つ速さを見せました。その後のライコネンは,順調に速いペースを維持してトップの座を守り続け,今シーズンで去ることになるフェラーリに置き土産をするかのようにトップでチェッカーを受けました。ライコネンにとっては,何と2013年のオーストラリアGP以来5年半ぶりの勝利となります。次に速さを見せたのは,来季もレッドブルからフル参戦することが決まっているM.フェルスタッペンでした。前日に行われた予選では,Q1の途中でマシントラブルが発生して走行できなくなり,それまでのタイムでQ1は突破したものの,Q2では走行することができなかったためここで敗退となり,決勝レースは15番グリッドからのスタートとなっていました。中段以降からのスタートとはなりましたが,トラブルさえ克服しておけば速さはある訳で,それを証明するかのように確実にポジションアップをしていきました。ポールスタートのハミルトンにブリスターが発生するというタイヤトラブルがあったことにより,3位まで浮上していたフェルスタッペンは2位に浮上するところまで行きました。タイヤ交換を済ませたハミルトンは,再び速さを取り戻してトップのライコネンを追うフェルスタッペンとの差を縮め,一時期はトップ3の差がそれぞれおよそ1秒になることもありましたが,結局順位が変わることなくチェッカーを受けています。ランク2位を行くフェラーリのS.ベッテルの順位次第では3位に入ったハミルトンのチャンピオンが決まるところでしたが,そのベッテルがハミルトンに次ぐ4位でのチェッカーとなり,チャンピオン獲得は次戦に持ち込まれています。パワーユニットの交換によりペナルティによりグリッド降格が決まっていたトロロッソ・ホンダ勢は,P.ガスリーが13番,B.ハートレーが14番グリッドからスタートを切りました。この日ペースがよかったのはハートレーの方で,チームの指示もあってハートレーを先行させてポジションをアップさせ,そのハートレーはポイント獲得まで後1つという11位でチェッカーを受けました。ところが,8位でチェッカーを受けたE.オコンと,9位でチェッカーを受けたハースのK.マグヌッセンが,レース後に行われた車検で燃料流量に関するレギュレーション違反が発覚して失格となり,ハートレーは2つ順位を上げて9位となり,ポイント獲得となっています。ガスリーは最終的に12位となり,残念ながらポイント獲得には至りませんでした。
2018/10/24(水)
☆一変(SGT)
○全国的に好天となった10月21日(日)に,我が大分県にあるオートポリスで第7戦の決勝レースが行われました。前日に行われたGT500クラスの予選では,ホンダのNSX-GT勢が速さを見せ,トップ3を独占するという結果を収めていました。ところが,決勝レースになるとその様相は一変するという結果が待ち受けていました。レース序盤はポールからスタートした野尻智紀&伊沢拓也組のARTA NSX-GTがトップを守っていましたが,レースが進行するにつれて予選好調だったNSX-GT勢のペースが上がらず,それに対して中嶋一貴&関口雄飛組のau TOM’S LC500をはじめとしたレクサス勢がどんどん順位を上げていきました。そして,GT300クラス勢のマシンが周回遅れになり始めた頃になると,ついに順位を2番手まで上げてきたau TOM’S LC500がトップに浮上し,その後は後続との差を広げて行きました。同じTOM'S勢である5番グリッドからスタートした平川亮&N.キャシディ組のKeePer TOM’S LC500もペースアップを果たしていて,途中でアクシデントによるセーフティーカーランで差が一挙に縮まったこともあってトップに肉薄し,終盤に入った60周目にチームメイトのマシンをパスしてトップに立ちました。その後もチームメイト同士で構成されたトップ2の順位は変わらず,昨年のチャンピオンマシンであるKeePer TOM’S LC500が優勝してレクサス&TOM'S勢によるワンツーフィニッシュとなりました。2ピット作戦を採った国本雄資&山下健太組のWedsSport ADVAN LC500は,ピットインのタイミングの違いで他の500クラスマシンと違う位置を走行してペースアップすることができたこともあり,徐々にポジションアップしていきました。そして,最終的には3位表彰台を獲得しました。4位に立川祐路&石浦宏明組のZENT CERUMO LC500が入り,LC500がトップ4を独占しています。前戦の勝者で,3番グリッドからスタートした山本尚貴&J.バトン組のRAYBRIG NSX-GTは,他のNSX-GTが苦戦する中,何とか上位を走行し,5番手でチェッカーを受けています。過去このオートポリスで好成績を収めてきたGT-R勢ですが,今シーズンを象徴するようにいいところが見られず,J-P・デ・オリベイラ&高星明誠組が駆るフォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rの7位が最高位でした。今回の結果により,残り1戦となった時点で,1位に入ったKeePer TOM’S LC500と5位に入ったRAYBRIG NSX-GTが同ポイントで最終戦を迎えることになりました。
GT300クラスは,タイヤ交換のタイミングを遅らせるという作戦が見事にはまり,予選10番手だった新田守男&中山雄一組のK-tunes RC F GT3が優勝を飾っています。今回の優勝により,超ベテランドライバーの新田守男は通算20勝となり,高木真一がマークしている最多勝利に再び並びました。2,3位には,それぞれ佐藤公哉&元嶋佑弥組のリーガルフロンティア ランボルギーニ GT3,道上龍&大津弘樹組のModulo KENWOOD NSX GT3が入り,決勝レースはFIA-GT勢が速さを見せています。
2018/10/23(火)
☆3連覇(MotoGP)
○全国的に好天に恵まれた10月21日(日)に,栃木県にあるツインリンクもてぎで第16戦日本GPの決勝レースが行われました。レプソル・ホンダ・チームのM.マルケスがチャンピオン獲得に王手をかけているMotoGPクラスは,序盤こそ7台によるトップ争いとなりましたが,徐々に絞られていき,中盤に入るとマルケス,そして彼とチャンピオン争いを展開しているドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾ,そして予選でホンダ勢最高位に付けたLCRホンダ・カストロールのC.クラッチローの3人に絞られました。終盤に入るとクラッチローが徐々に遅れはじめ,最終的にチャンピオン争いを展開している二人の争いとなりました。前戦ではファイナルラップの最終コーナーまで2人のバトルは持ち込まれただけに,今回も似たような展開になるのかと思われましたが,残り2周となったところで何とドビツィオーゾがまさかの転倒を喫してしまい,再スタートはきれたものの,ポイント圏外に脱落してしまいました。この段階でマルケスのチャンピオンが99%決まりましたが,マルケスはホンダの母国&お膝元で最後まで走りきって優勝し,見事今シーズンのチャンピオン決定となりました。マルケスにとっては3連覇を達成し,最高峰クラス5度目のタイトルホルダーとなりました。ドビツィオーゾの脱落によりクラッチローが2位に入り,第13戦以来の表彰台獲得となりました。3位には,第8戦以来の表彰台獲得となるチーム・スズキ・エクスターのA.リンスが入っています。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,予選でQ2まで進出する走りを見せて決勝レースに期待が持たれました。しかし,残念ながら目標としていたトップ10から離された展開となってしまい,最終的にワイルドカード参戦のヤマルーブ・ヤマハ・ファクトリー・レーシングの中須賀克行に次ぐ15位でのチェッカーとなり,貴重な1ポイントを獲得しています。
Moto2クラスは,レース自体スピードアップ・レーシングのF.クアルタラロがトップでチェッカーを受けましたが,その後に行われた車検でリアタイヤの空気圧が規定より低かったために失格となってしまいました。これにより,2位でチェンカーを受けたスカイ・レーシング・チームVR46のF.バグナイアが繰り上がりで勝者となりました。2位,3位はどちらも単独走行となり,それぞれポンスHP40のL.バルダッサーリ,レッドブルKTMアジョのM.オリベイラが入っています。フリー走行でトップ10に食い込む走りを見せたイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの長島哲太は,トップから20秒近く遅れはしたものの,12位でチェッカーを受けて今季6度目となるポイントを獲得しています。
Moto3クラスは,3番グリッドからスタートしたレドックス・プルエステルGPのM.ベツェッキが僅差でのバトルを制してトップでチェッカーを受け,今季3勝目を挙げました。トップからわずか1000分の41秒差でレオパード・レーシングのL.ダッラ・ポルタが2位でチェッカーを受け,トップから1000分の42秒差でレッドブルKTMアジョのD.ビンダーが入っています。今大会では,レギュラーライダーが4人,ワイルドカード参戦が2人の,合計6人の日本人ライダーが参戦しました。その中でトップとなったのは,9位でチェッカーを受けたペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢でした。SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が15位でチェッカーを受けて彼まではポイント獲得となり,残りのレギュラーライダーであrホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡が17位,RBEボエ・スカル・ライダーの真崎一輝が22位でゴールしています。ワイルドカード参戦のコハラ・レーシング・チームの岡崎静香が23位,チーム・プラス・ワンの福嶋佑斗が転倒再スタートをして24位でチェッカーを受けています。
2018/10/19(金)
☆契約延長&残り3(F1)
○今シーズン途中で新しいオーナーを迎え,新たなスタートを切っているフォース・インディアから発表があり,今シーズンも同チームからフル参戦しているS.ペレスが残留することになりました。今回残留が決まったペレスは,2014年にマクラーレンから移籍し,ここまで5年間過ごしてきています。マクラーレンでは激しい走りもあって十分な成果を挙げることができなかったペレスですが,フォース・インディアに移籍して以後は走り自体にも変化が現われ,今季のアゼルバイジャンGPを含めて5回の表彰台を獲得しています。トップチームとは言えないながらも比較的安定してポイントを獲得してきていて,昨年・一昨年のコンストラクター4位獲得に大きく貢献しています。さらに,チームの財政悪化に伴って存続自体が危うくなったときには,チームを訴えて行政手続き開始につながり,その結果,現在のようなローレンス・.ストロールを中心としたファンドがチームを買収して新たなスタートを切っています。ポイントの面でも,チーム運営の面でも大きな貢献をしているペレスだけに,本人はもちろん,チーム内の信頼感も厚く,残留はほぼ確実視されていて,今回の発表に至っています。今回の発表はペレスの残留だけで,彼のチームメイトについては明らかにされませんでした。ただ,新たな経営陣の一人となったローレンス・ストロールの息子で,今シーズンはウィリアムズからフル参戦しているランス・ストロールが移籍してくることはほぼ間違いないと思われます。今回の契約発表により,さらにF1の残りのシートは少なくなっていて,後はフォース・インディア,トロロッソ・ホンダ,ウィリアムズ各1の,合計3つとなっています。
2018/10/18(木)
☆復帰(MotoGP)
○10月9日(火)付けのこのページでお伝えしたように,10月5日(金)に中・軽量級クラスにフル参戦しているホンダ・チーム・アジアが来季の体制について発表を行いました。そこでは,Moto2クラスは今季フル参戦しているライダーがどちらも変更するという結果になっていました。今シーズンから同チームに所属している長島哲太もシートを失うことになり,その段階では彼の動向について発表がなく,その点が気になるところでした。そのような中,昨日Moto2クラスにフル参戦しているストップ・アンド・ゴー(SAG)・レーシング・チームが,来季の体制について発表を行いました。それによると,同チームも来季はライダーが一新され,新たに長島哲太と,かつてWGPの500ccクラスでチャンピオンを獲得したレジェンドライダーの一人であるW.ガードナーの長男のL.ガードナーの2人を起用することになりました。契約期間は,どちらも2年間となっています。今シーズンはイデミツ・ホンダ・チーム・アジアに所属している長島ですが,昨年は今回契約が成立したSAGに所属していましたので,彼にとってはチームに復帰したことになります。わずか1年でのチーム移籍となる長島でしたが,古巣への復帰ということで,来季からマシンが一新されるMoto2クラスだけに,慣れている環境となりますので,その点は安心してシーズンに臨めますね。
2018/10/17(水)
☆継続参戦(MotoGP)
○今週末はいよいよツインリンクもてぎで第16戦日本GPが開催されますが,それを前にして本田技研から発表があり,MotoGPクラスに今シーズンから唯一フル参戦している日本人ライダーである中上貴晶が,来シーズンも今年と同じく出光興産やHRCの支援を継続して受けながら,LCRホンダ・イデミツから参戦することになりました。今回継続参戦が発表された中上は,2014年にホンダが世界で活躍するアジア人ライダーを育成する目的に結成したイデミツ・ホンダ・チーム・アジアからフル参戦し,通算2勝を挙げました。そして,今シーズンから青山博一以来4年ぶりとなる最高峰クラスにおけるフル参戦日本人ライダーとして臨んできました。最高峰クラス初年度となる今年は,ルーキーオブザイヤーを目指してここまで戦ってきていますが,全体としてはランク20位,ルーキー勢としては3位につけています。残りのレース数やここまでの戦いから考えると,目標としているルーキーのタイトル獲得は現実的に厳しくなっていますが,母国GPでトップ10フィニッシュを果たして新人王獲得に望みをつないで欲しいところです。来季も継続して所属することになったLCRホンダは,スポンサーの違いからエントリーチーム名がライダーによって違い,チームメイトであるC.クラッチローはLCRホンダ・カストロールからフル参戦していますが,既に来季もチーム残留が決まっていますので,来季は同じ体制でシーズンに臨むことになります。
2018/10/16(火)
☆カレンダー決定(F1)
○10月12日(金)に世界モータースポーツ評議会(WMSC)が開かれ,そこで全21戦にわたる来季のレースカレンダーを承認しました。その結果,今年8月に発表されていた暫定カレンダーが正式に決定したことになります。ただし,第19戦として開催されるアメリカGPについては,FIA公認の各国モータースポーツを統括する団体であるASNの承認が必要という条件がついています。今回の発表によると,暫定版とは変更がなく,3月17日に開幕戦オーストラリアGPが,12月1日に最終戦アブダビGPが開かれ,今シーズンと比べるとレース数は同じですが,シーズンの期間が長くなっています。鈴鹿サーキットでの日本GPは,10月13日に第17戦として開催されることになります。なお,具体的なレースカレンダーは,以下の表の表のようになっています。
今回の会合では,カレンダーだけでなくレギュレーションについても話し合いが行われましたが,その中で,ウエット時に後続車からの視認性を高めることを目的としてリアウイングのエンドプレートにレインライトを追加することも決定しています。
2019年 F1レースカレンダー
決勝日 大会 サーキット
第1戦 3月17日 オーストラリアGP メルボルン
第2戦 3月31日 バーレーンGP サクヒール
第3戦 4月14日 中国GP 上海
第4戦 4月28日 アゼルバイジャンGP バクー
第5戦 5月12日 スペインGP バルセロナ
第6戦 5月26日 モナコGP モンテカルロ
第7戦 6月9日 カナダGP モントリオール
第8戦 6月23日 フランスGP ル・キャステレ
第9戦 6月30日 オーストリアGP シュピールベルク
第10戦 7月14日 イギリスGP シルバーストーン
第11戦 7月28日 ドイツGP ホッケンハイム
第12戦 8月4日 ハンガリーGP ブダペスト
第13戦 9月1日 ベルギーGP スパ・フランコルシャン
第14戦 9月8日 イタリアGP モンツァ
第15戦 9月22日 シンガポールGP シンガポール
第16戦 9月29日 ロシアGP ソチ
第17戦 10月13日 日本GP 鈴鹿
第18戦 10月27日 メキシコGP メキシコシティ
第19戦 11月3日 アメリカGP オースティン
第20戦 11月17日 ブラジルGP サンパウロ
第21戦 12月1日 アブダビGP ヤス・マリーナ
2018/10/15(月)
☆2年連続&2年ぶり(WEC)
○世界耐久選手権(WEC)シリーズの第4戦となる富士6時間レースが,ウェットからドライへと変わる状況の中,静岡県にある富士スピードウェイで行われました。前日に行われた予選では,M.コンウェイ&小林可夢偉&J-M.ロペス組のトヨタTS050ハイブリッド7号車がトップタイムをマークしたものの,ロペスがピットロードの制限速度オーバーを犯してしまったためにタイム抹消のペナルティーが科され,LMP1クラスの最下位から決勝レースはスタートすることになってしまいました。7号車のペナルティーを受けてポールからスタートしたのは,S.ブエミ&中嶋一貴&F.アロンソ組のトヨタTS050ハイブリッド8号車でした。その8号車がトップを守っていたのを,クラス最下位からスタートした7号車が序盤から他車をオーバーテイクしていき,ついに8号車の後ろに付く状況となりました。そして,早めにドライ用タイヤに履き替えた7号車はその勢いで8号車をパスしてレース折り返しを迎える頃はトップを走行しました。ピットインのタイミングで8号車がトップに立ったりすることはありましたが,タイム抹消の不運を乗り越えた走りを展開する7号車の勢いが上回っていて,最終的に8号車に11秒以上の差をつけて7号車がトップでチェッカーを受けました。8号車がトヨタTS050ハイブリッドにとっては,2年連続して母国でのレースにおけるワンツーフィニッシュとなりました。また,この大会で速さを見せた可夢偉にとっては,2016年に行われたこの大会以来2年ぶりの勝利となりました。3位には,前日に行われた予選と同じくA.ロッテラー&N.ジャニ&B.セナ組のレベリオンR13・ギブソンが入っています。先日スポーツランドSUGOで行われたSGTでうれしい初勝利を挙げたJ.バトンは,WECシリーズではSMPレーシングに所属してBRエンジニアリングBR1・AERを駆って出場していますが,M.アレシン,V.ペトロフと組んで4位フィニッシュを果たしています。
2018/10/14(日)
☆ペナルティにより(WEC)
○先週はF1,今週は世界耐久選手権(WEC),来週はMotoGPと,3週連続して日本で世界大会が開かれることになっています。そのWECシリーズの第4戦となる富士6時間レースが10月12日(金)から開幕し,昨日はその予選が行われました。この日の富士スピードウェイは,雨は降らなかったものの,終日曇り空で肌寒い中での走行となりました。WECシリーズの予選は,最も中心となる『ル・マン24時間耐久レース』を除いて,ドライバー2人がタイムアタックし,それぞれのベストタイムの平均値でグリッドが決まります。ル・マンを制したトヨタは,母国でのレースでポール獲得を当然狙っていて,まず1人目のアタッカーは,ル・マンを制しているS.ブエミ&中嶋一貴&F.アロンソ組のトヨタTS050ハイブリッド8号車が現役F1ドライバーであるF.アロンソ,ル・マンで2位になったM.コンウェイ&小林可夢偉&J-M.ロペス組のトヨタTS050ハイブリッド7号車はロペスが担当しました。そこでトップタイムをマークしたのはアロンソで,元F1チャンピオンの貫禄を見せつけました。2番手を担当したのは,8号車がブエミ,7号車が可夢偉でした。ここで可夢偉が速さを見せてトップタイムをマーク。それに対してブエミは,レクサスコーナーの出口でコースをはみ出してしまってそこでのアタックが抹消となってしまいました。ピットイン後にサイドアタックを試みましたが可夢偉のタイムを更新することができず,2人の平均タイムで7号車が一旦はポール獲得となりました。ところが,その後ファーストアタッカーのロペスが,コースインする際にピットロードでの制限速度60qを8.7qオーバーして走行してしまったため,ペナルティによりロペスはタイム抹消となり,一転して8号車がポールとなりました。7号車については,記録的に最下位となり,グリッドはLMP1クラスでの最後尾からのスタートという裁定が下っています。なお,3番手タイムは,A.ロッテラー&N.ジャニ&B.セナ組のレベリオンR13・ギブソン組がマークしています。
2018/10/13(土)
☆残り4(F1)
○まだ来季のドライバーについて未定だったウィリアムズ・レーシングから発表があり,メルセデス・ジュニアドライバーであるJ.ラッセルと契約が成立しました。契約期間については具体的に発表がなかったものの,複数年契約であることは間違いなく,少なくともラッセルは2020年まで同チームから参戦することになります。今シーズンのウィリアムズは,資金不足やチーム力低下の影響からマシン開発が進まず,過去にはチャンピオンを輩出してきたチームでありながら,ここまでコンストラクタータイトルで最下位に低迷しています。メルセデスエンジンユーザーの1つであるウィリアムズですから,チームの資金力を考えてもメルセデス系のドライバーを迎えることは確実視されていましたが,それが誰になるのか注目を集めていました。そしてこの度,一昨年からメルセデス・ジュニアドライバーに加わっているラッセルに白羽の矢が立ったのです。今回契約が成立したラッセルは,メルセデス陣営に加わった2017年にGP3でチャンピオンを獲得。今シーズンはF2にステップアップし,現在2位に37ポイント差をつけてランキングトップに立っていて,今季のチャンピオン獲得が確実視されています。今回の発表では,ラッセルのチームメイトについて発表がありませんでした。今シーズンはL.ストロールとS.シトロキンの2人で臨んでいますが,シトロキンについては,彼の父親がフォースインディアの共同オーナーに就きましたので,そこに移籍する可能性が十分あります。ストロールに関しては,今シーズン限りでチームを離脱する可能性が高く,シトロキンを含め,元F1ドライバーのR.クビサ等の名前が噂に上っています。なお,今回の契約決定により,F1の残りのシートは,ウィリアムズの1つ,トロロッソ・ホンダの1つ,そしてフォース・インディアの2つの,合計4つとなっています。
2018/10/12(金)
☆3レース制(SBK)
○KAWASAKI RACING TEAM WORLDSBKに所属するJ.レイがSBK史上初となる4連覇を飾って今年のシーズンが終了した世界スーパーバイク選手権(SBK)ですが,昨日FIM(国際モーターサイクリズム連盟)とDORNAスポーツが来季のレースに関して発表を行いました。今シーズンのSBKは,土曜日にレース1を,そして日曜日にレース2を開催するという2レース制を実施しました。以前は日曜日にまとめて2レース行っていましたが,現在は土日にそれぞれ行われるようになっています。今回の発表によると,土曜日にレース1を行うことは変更がありませんが,日曜日にレース2と,新たにレース3を開催することになりました。3レース制となるのは,こちらもSBK史上初です。3レース制のレーススケジュルは,土曜日実施のレース1は,現地時間14時00分に行われます。日曜日最初のレースとなるレース2は11時00分にショートスプリントレース形式で行なわれ,もう1つ実施するレース3はヨーロッパ時間に開催される全ての大会でこれまでと同様に14時00分に行われることとなりました。来季も同じ体制で臨むレイですが,今回のレース制変更が5連覇にどのような影響を与えるのか,新たな楽しみができた感じですね。もっとも,ライダーやチームクルーの負担は大きなものになるでしょうが。
2018/10/11(木)
☆タイトル獲得の可能性 PART2(MotoGP)
○史上初開催となる第15戦タイGPは,ファイナルラップの最終コーナーまで続いたバトルをレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが制しました。ランク2位につけているドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾが2位になったため,両者の差は77ポイントに広がっています。来週末はいよいよツインリンクもてぎで第16戦日本GPが開幕しますが,それが終われば残り3戦となりますので,その段階でマルケスとドビツィオーゾとの差が75ポイント開いておれば,マルケスが2014年,2015年に次ぐ3度目のもてぎでのタイトル確定となります。もてぎはこのところドゥカティが速さを見せていますが,マルケスにとってはホンダのホームコースとなるだけに,ここでのタイトル獲得により一層力が入るものと思われます。それだけに,両者の激しい走りが展開されるという期待が持たれます。昨日はF1におけるタイトル獲得の可能性を簡単に整理しましたが,今日は,MotoGPクラスにおけるタイトル獲得の可能性を整理しておきたいと思います。
・順位に関係なく,マルケスがドビツィオーゾの前でゴールすればタイトル確定。
・マルケスが2位の時,ドビツィオーゾは優勝が必要。
・マルケスが3位の時,ドビツィオーゾは2位以上が必要。
・マルケスが4位の時,ドビツィオーゾは3位以上が必要。
・マルケスが7位以内の時,ドビツィオーゾは4位以上が必要。
・マルケスが8位の時,ドビツィオーゾは5位以上が必要。
・以下同じ法則で,ドビツィオーゾはマルケスより3ポジション以上が必要。
2018/10/10(水)
☆タイトル獲得の可能性 PART1(F1)
○鈴鹿サーキットで行われた第17戦日本GPは,ランクトップを行くメルセデスAMGのL.ハミルトンが優勝,ランク2位を行くフェラーリのS.ベッテルが6位で終わったことにより,両者の差は67ポイントと広がりました。F1の残りのレースは4戦となっていて,次のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で行われる第18戦アメリカGP終了時に両者の差が75ポイント開いておれば,ハミルトンのチャンピオンが決定することになります。次の開催地であるCOTAは,ハミルトンが得意とするコースの1つで,これまで6回行われた中で5回の優勝を飾っていますし,実際2015年にはここで優勝してチャンピオンを決めた実績もあります。もし実績通りハミルトンが優勝した場合,ベッテルは最低でも3位に入らなければならず,今シーズン最も速いマシンなのではないかといわれているフェラーリですが,これまでチーム戦略のミス等もあって表彰台を逃す可能性も十分あり得ます。可能性はかなり低いものの,ハミルトンが表彰台を獲得できなかった場合でも,ベッテルの順位によってはハミルトンのチャンピオン獲得の可能性がありますので,ここで少し可能性を整理しておきたいと思います。
・ハミルトンが優勝の時,ベッテルは3位以上が必要。
・ハミルトンが4位の時,ベッテルは7位以上が必要。
・ハミルトンが6位の時,ベッテルは10位以上が必要。
・ハミルトンが7位以下の時,タイトル獲得は持ち越し。
2018/10/09(火)
☆2人とも(MotoGP)
○日本GP前のレースで,レプソル・ホンダ・チームのM.マルケスの優勝で終わった第15戦タイGPでしたが,その開幕となった10月5日(金)にホンダ・チーム・アジアが来季の体制について発表を行いました。同チームは,世界レベルで活躍できるアジア人ライダーの才能を発掘・育成するためのチームとして2013年に発足。タイトルスポンサーとして,日本の石油関連企業の1つである出光興産がずっと支援してきています。チーム発足以来ずっと監督を『タディー』こと元GPライダーの岡田忠之が務めていましたが,今シーズンから新たにHRCの開発ライダーでもある元GPライダーの青山博一を迎え,Moto2クラスが長島哲太とマレーシア人ライダーのK.イダム.パウイ,Moto3クラスが鳥羽海渡とタイ人ライダーのN.アティラプワパの体制で臨んでいます。今回の発表によると,来季は鳥羽海渡は残留して同じMoto3クラスで戦いますが,残りの3名については新たなライダーを迎えることになりました。まずMoto2クラスですが,今シーズンと同じく『イデミツ・ホンダ・チーム・アジア』として戦い,ライダーとしてインドネシア人ライダーのD.エッキ.プラタマタイ人ライダーのS.チャントラを起用することになりました。Moto3クラスは,こちらも今シーズンと同じく『ホンダ・チーム・アジア』として戦い,残留する鳥羽海渡のチームメイトとして,今季第4戦スペインGPにワイルドカード参戦して見事ポイントを獲得した小椋藍を起用することになり,Moto3クラスについては2人とも日本人ライダーということになります。ここで気になるのが,長島哲太の来季についてです。タイGPで自己最高位となる8位でチェッカーを受け,次の日本GPに向けていい流れを作りました。今回の発表では,来季の長島について発表がありませんでしたので,その去就が気になるところです。
2018/10/08(月)
☆完勝(F1)
○第17戦日本GPの決勝レースが,台風が去って好天に恵まれた三重県の鈴鹿サーキットで行われました。ポールからスタートしたメルセデスAMGのL.ハミルトンは,好スターを切ってホールショットを奪うと,早い段階から後続との差を広げて行きました。その後のハミルトンは,誰も寄せ付けることがなく順調に走行を続けていき,最後は2位に13秒近い差をつけて独走でチェッカーを受けました。スタートから一度もトップの座を譲ることがなく,まさに完勝と言えるほどの走りを最後まで続けました。これにより,ハミルトンは鈴鹿3連勝を達成しています。2番グリッドからスタートしたチームメイトのV.ボッタスは,2位を守って走行をしていきましたが,タイヤが厳しい状況となってレッドブルのM.フェルスタッペンの追撃を終盤に入って受けることとなりました。しかし,そのフェルスタッペンもボッタスに迫ることはできたものの,彼はエンジンにマイナートラブルを抱えていたようでオーバーテイクするには至らず,そのままの順位でチェッカーとなり,メルセデスAMG勢は予選に引き続いてワンツーフィニッシュを達成しています。その予選で2台揃ってトップ10フィニッシュを達成したトロロッソ・ホンダ勢は,決勝レースでもそのような結果が期待されました。ところが,6番グリッドからスタートしたB.ハートレーはスタートで出遅れ,その後はタイヤのブリスターに苦しんでペースを上げることができず,最終的に13位でのチェッカーとなりました。7番グリッドからのスタートとなったP.ガスリーは,順調にポイント圏内を走行していましたが,ピットインのタイミングが遅かったようで,ポイント圏外に落ちる事態となりました。その後,ペースを上げてポイント圏内に復活しましたが,彼もタイヤのブリスターに苦しむ状況となり,残り4周となったところでルノーのC.サインツにオーバーテイクされてしまい,惜しくも11位でのチェッカーとなって彼もポイント獲得に至りませんでした。

☆最終コーナーまで(MotoGP)
○第15戦タイGPの決勝レースが,レースウィークを通してドライコンディションとなったチャーン・インターナショナル・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,レース序盤2番グリッドからスタートしたモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシがトップを走りましたが,その後はポジションを4位まで下げました。そのロッシを交わして3位に浮上したのがチームメイトのM.ビニャーレスで,今シーズン不振を極めるヤマハ勢がようやく復活の兆しを見せました。トップ争いはドゥカティ・チームのa.ドビツィオーゾとレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスの2人に絞られ,そのバトルはファイナルラップの最終コーナーまで続きました。その最終コーナーでトップに立ったのがマルケスで,ドビツィオーゾはインを狙って行きましたがラインを外してマルケスの先行を許し,ランクトップのマルケスが優勝して2人のポイント差はさらに開く結果となりました。次戦がツインリンクもてぎでの日本GPですが,順位次第ではそこでマルケスのチャンピオンが決定するかもしれません。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,3周目に転倒を喫してしまい,何とか再スタートを切ることはできましたが,残念ながら最下位でのチェッカーとなっています。
Moto2クラスは,6番グリッドからスタートしたスカイ・レーシング・チームVR46に所属するイタリア人ライダーのF.バグナイアがトップでチェッカーを受け,これによりイタリア人ライダーの優勝がGP通算800勝となりました。もちろん,これは史上初となります。2位にチームメイトのL.マリーニが入り,Moto2クラスにおける同チーム初のワンツーフィニッシュを達成しています。3位には,レッドブルKTMアジョのM.オリベイラが入っています。18番グリッドからスタートしたイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの長島哲太は,ポジションを8位まで上げてチェッカーとなり,母国GPを前にして自己最高位でフィニッシュしています。
Moto3クラスは,このクラスらしく複数台によるバトルが展開されていきました。そして,そのバトルを来季Moto2クラスに昇格することが決まっているデル・コンカ・グレシーニMoto3のF.ディ.ジャンアントニオが制しています。トップからコンマ135秒差で2位となったのは,レオパード・レーシングのL.ダッラ.ポルタで,今季3度目の表彰台獲得となります。3位にスカイ・レーシング・チームVR46のD.フォッジアが入り,うれしい自身初表彰台を獲得しています。予選ではRBAボエ・スカル・ライダーの真崎一輝の3位を筆頭にいい結果が残せていた日本人ライダー勢でしたが,決勝レースはそれとは真逆な結果となってしまいました。まず,自身最高位となる3番グリッドからスタートした真崎一輝でしたが,トップグループでの走行をしていたものの,14周目に接触して転倒を喫してしまいました。再スタートはきれたものの,20位でのチェッカーとなりました。11番グリッドからのスタートとなったペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢は,真崎と同じトップグループで走行中に同じタイミングで接触転倒してリタイアに終わっています。SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生は,14番グリッドからスタートしてトップグループに加わっていましたが,5周目に転倒を喫してこちらもリタイアとなっています。皮肉なことに,このところいい結果が残せておらず,今回も後方となる26番グリッドからスタートしたホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡が,日本人ライダー勢では唯一順調な走りを展開し,12位でチェッカーを受けて見事ポイント獲得となりました。
2018/10/07(日)
☆2台共に(F1)
○第17戦日本GPの予選が,台風の影響により雨が降ったり止んだりといった不安定な天候となった鈴鹿サーキットで行われました。最後のトップ10を決めるQ3では,いつ雨が激しくなるか分からない状況だったことにより,どのドライバーも早めのアタックとなりました。そこでトップタイムを刻んだのが,前日で総合トップタイムだったランクトップを行メルセデスAMGのL.ハミルトンでした。通常はQ3の最後でアタックをしてタイムを更新していくのですが,この日のQ3は終盤に入って雨脚が強まってしまってどのドライバーもハミルトンのタイムを更新することができず,彼が通算80回目となるポールを獲得しました。チームメイトのV.ボッタスが2番手タイムをマークし,メルセデスAMG勢がフロントローを独占しました。3番グリッドをレッドブルのM.フェルスタッペンが獲得し,ランク2位でライコネンのチームメイトであるS.ベッテルは,9番グリッドと彼にとっては奮わない予選になってしまいました。改良版のPUを投入して期待されているトロロッソ・ホンダですが,この日の予選はその期待に応える走りを展開することができました。これまでは,P.ガスリーがQ3進出を果たすことができていましたが,B.ハートレーはそれが果たせていませんでした。しかし,前日のフリー走行でもトップ10に食い込む走りを見せたハートレーは,この日も新しいPUのパワーを活かして良い走りを展開し,見事ガスリーとともにQ3進出を果たし,ハートレーが6番手,ガスリーが7番手と,トロロッソ・ホンダとしては最高の予選となりました。

☆自身最高位(MotoGP)
○第15戦タイGPの予選が,ドライコンディションとなった新規開催地であるチャーン・インターナショナル・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,ランクトップを行くレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスがQ1から走行するという状況で始まりました。マルケスがそういう状況になったのは,彼の走りが遅かったからという訳ではなく,フリー走行3で転倒を喫したことによるものでした。Q1からの走行となったマルケスは,当然のことのようにこのセッションをトップで突破し,チーム・スズキ・エクスターのA.リンスとともにQ2に進出しました。フリー走行では,決勝を見据えた走りを中心にしてきたマルケスでしたが,やはり予選では一発のタイム更新にねらいを定め,見事それを達成し,Q1からの進出ながらポールを獲得しました。このところ全くの不振に陥っているヤマハ勢ですが,初日から復活の兆しを感じさせる走りを展開していました。その走りは予選でも変わらず,マルケスからわずか1000分の11秒遅れで2番手タイムをマークし,第10戦チェコGP以来となるフロントローを獲得しています。初日総合トップタイムをマークしたドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾは,マルケスからやや遅れを取りましたが,3番手タイムをマークして2戦連続フロントローを獲得しています。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶はQ1で4番手タイムとなり,決勝レースは14番グリッドからのスタートとなりました。
Moto2クラスは,僅差での争いが展開され,僅差の争いが展開され,その中でトップタイムをマークしたのはポンスHP40のL.バルダッサーリでした。彼にとっては,第4戦スペインGP以来今季2度目のポール獲得となります。トップからわずか1000分の26秒差でエストレージャ・ガルシア・マークVDSのA.マルケスが2番グリッドを獲得しています。3番グリッドをスカイ・レーシング・チームVR46のL.マリーニが獲得し,トップとの差は1000分の34秒差でした。2,3番手は奇しくもMotoGPクラスで争う,しかも「犬猿の仲」とも思えるほどしばしば関係性がギクシャクするM.マルケスとV.ロッシの弟が獲得しています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの長島哲太は,18番グリッドから決勝レースをスタートすることになっています。
Moto3クラスは,KTM勢が好結果をマークしました。そのKTM勢の中で最も速かったのがレプソル・ホンダ・チームのM.ベツェッキで,自身2度目となるポールを獲得しています。ベスター・キャピタル・ドバイのJ.マシアが2番手タイムをマークし,前戦に続いて2番グリッドからのスタートとなりました。そして,今回の予選で最も注目となったのが,RBAボエ・スカル・ライダーの真崎一輝でしょう。これまでの真崎は,どちらかというと予選では中盤以降での走りでしたが,この日好調なKTMは真崎にも該当し,自身最高位となる3番グリッドを獲得し,初のフロントローからのスタートを決めています。他の日本人ライダー勢は,初日総合トップタイムだったペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢が11番手,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が14番手でした。不振にあるホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は,26番グリッドからのスタートとなります。
2018/10/06(土)
☆初日ワンツー(F1)
○台風25号の動きが気になる日本ですが,ついに鈴鹿サーキットにおいて第17戦日本GPが始まりました。台風の影響で雨が心配された鈴鹿だったものの,この日は曇り空ながらドライコンディションでの走行となりました。初日は2回のフリー走行が行われ,両セッションともにここまでランクトップを行くL.ハミルトンがトップタイムをマークしました。前戦でチームオーダーによりトップの座をハミルトンに譲ったチームメイトのV.ボッタスがこちらも両セッションともに2番手タイムをマークし,コンストラクタータイトルでもトップを走るメルセデスAMGのワンツーで初日を終えています。初日総合3番手タイムをマークしたのは,ハミルトンをタイトル争いで追うフェラーリのS.ベッテルでした。鈴鹿で本格的に“スペック3”のPUを投入しているトロロッソ・ホンダは,その効果が初日から表われ,B.ハートレーがフリー走行2で10番手タイムをマークし,初日にトップ10フィニッシュを果たしています。チームメイトのP.ガスリーは,フリー走行1で11番手タイムをマークしましたが,タイムアップが期待されたフリー走行2で燃料システムにトラブルが発生してしまい,パーツ交換に時間を要したため,セッション残り20分ごろになってようやく走行を開始することができました。こうした影響からフリー走行2はわずか10周しかできませんでしたが,それでも13番手タイムと好位置につけています。

☆明暗(MotoGP)
○再来週はいよいよツインリンクもてぎで行われる第16戦日本GPとなりますが,その前のレースで,今シーズンから初開催となる第15戦タイGPが,ブリーラムにあるチャーン・インターナショナル・サーキットで始まり,初日は2回のフリー走行が行われました。フリー走行2で路面温度が50度を超える厳しい状況の中での走行となりましたが,MotoGPクラスは,ドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾが初日総合トップタイムをマークしました。幸先のよいスタートを切ったドビツィオーゾですが,それに対してチームメイトのJ.ロレンソは,フリー走行2でハイサイドに見舞われて激しく転倒し,メディカルチェックを受ける事態となりました。現段階では幸いにも骨折には至っていなかったようですが,激しく路面にたたきつけられていて手首等に支障が出ているようで,2日目の走行が可能なのかどうか心配される状態になっていて,チームメイトで明暗が分かれる初日となってしまいました。トップ4はとても僅差になっていて,トップから1000分の31秒遅れで総合2番手タイムだったのがモビスター・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレス,総合3番手だったLCRホンダ・カストロールのC.クラッチローがトップから1000分の74秒遅れでした。ここまでランクトップを行くレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが総合4番手タイムで,こちらはトップから1000分の98秒遅れでした。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,13番手タイムで初日を終えています。
Moto2クラスは,ここまでランク8位につけているイタルトランス・レーシング・チームのM.パシーニが,両セッションともに制して初日総合トップタイムとなりました。トップからコンマ142秒差で,スカイ・レーシング・チームVR46のF.バグナイアが初日総合2番手タイムをマークしています。エストレージャ・ガルシア・マークVDSのA.マルケスが,両セッションともに3番手タイムをマークしています。フリー走行1で6番手タイムといい出だしとなったイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの長島哲太は,最終的に16番手タイムで初日を終えています。
Moto3クラスは,左手首の骨折により前戦を欠場し,今回が復帰戦となるペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢が,いきなり初日から良い走りを展開し,見事自身初となる初日総合トップタイムをマークしました。初日はこのクラスらしく僅差の走りとなり,トップから1000分の11秒遅れでレドックス・プルエステルGPのJ.コーンフィールが総合2番手タイムとなり,RBAボエ・スカル・ライダーのG.ロドリゴが,トップから1000分の32秒差で総合3番手タイムでした。その他の日本人ライダー勢ですが,来季も同じ体制でフル参戦することが発表されたSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生は,総合6番手タイムとこちらも好発進を決めています。前戦は全く成績が出せなかったホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡が18番手,RBAボエ・スカル・ライダーの真崎一輝は24番手タイムで初日を終えています。
2018/10/05(金)
☆移籍(MotoGP)
○今季アプリリアのワークスライダーとしてMotoGPクラスにフル参戦しているS.レディングが,来季から新たな戦いの場としてイギリス国内で行われている英国スーパーバイク選手権(BSB)に移籍することになりました。2013年シーズンにMoto2クラスで活躍した後,2014年からGO&FUNグレシーニ・ホンダ・レーシング・チームに所属してMotoGPクラスにステップアップしたレディングは,その翌年には同じホンダ陣営であるマークVDSレーシング・チームに移籍してワークス仕様のRC213Vを駆りました。ホンダのマシンを駆るのはここまでで,2016年からはプラマック・レーシングに所属してドゥカティのマシンを駆ることになりました。そして,今シーズンからアプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ(同チームは,レディングがステップアップした当時はホンダのサテライトチームの1つでしたが,現在はアプリリアのワークスチームになっています。レディングにとっては,同チームに復帰したことになります。)に移籍しています。ところが,今シーズンはチーム・スズキ・エクスターに所属してフル参戦しているA.イアンノーネが,来季からアプリリア・レーシング・チーム・グレシーニに移籍することが決定。レディングのチームメイトで,アプリリアのエースライダーでもあるA.エスパルガロが来季以降もチームに所属することが決定していましたので,自動的にレディングがシートを失うこととなりました。そして彼が選んだ道が,母国で行われているBSBということになります。彼が所属するのは,BSBにおける有力チームの1つであるポール・バード・モータースポーツ(PBM)で,同チームはBSBにおけるドゥカティ陣営の1つです。スーパーバイクにおけるドゥカティといえば,V型2気筒エンジンを搭載したパニガーレRを使っていますが,来季からV型4気筒のブランニューマシンであるパニガーレV4を投入することになっていて,当然レディングはこれを駆ることになります。レディングのコメントによると,来季からの2年間はBSBで戦うことになりますが,2021年シーズンからはスーパーバイク世界選手権(SBK)にステップアップすることを目標としていくようです。
2018/10/04(木)
☆体制決定&ライダーチェンジ(MotoGP)
○現在のMoto2クラスマシンのシャーシは,最も多くのユーザーを抱えるカレックスを中心に,スピードアップ,KTM,テック3,そして唯一の日本メーカーであるNTSといった限定的に使用しているシャーシが使用されています。その中のスピードアップについては,かつてはカレックスと現在ほど大きな開きがないユーザーを抱えていましたが,現在は同社のチームであるスピードアップ・レーシングのみが使用する状況になっています。この度そのスピードアップ・レーシングから発表があり,今季デル・コンカ・グレシーニMoto3に所属してMoto3クラスにフル参戦しているF.ディ.ジャンアントニオと来季から2年間の契約が成立しました。同チームは,今季フェデラル・オイル・グレシーニMoto2に所属してMoto2クラスにフル参戦しているJ.ナバーロとの2年間にわたる契約を8月に発表していますので,来季からの2年間はナバーロ&ディ.ジャンアントニオの2人(奇しくも,参戦しているクラスこそ違え,今季同じチーム・グレシーニに所属しているチームメイトです。)で臨むという体制が決定しました。
今季のスピードアップ・レーシングは,F.クアルタラロ&D.ケントという体制で臨んでいますが,クアルタラロについては,来季からKTM陣営に加わることが決定しているテック3に替わって新たにヤマハのサテライトチームとしてフル参戦することになったペトロナス・ヤマハ・セパン・レーシングに所属し,MotoGPクラスにステップアップすることになっています。ケントについては,スピードアップ・レーシングとの間で2年間の契約が成立していました。ところが,かつてMoto3クラスでチャンピオンを獲得した経歴を持つ彼ですが,期待された成績を収めることができず,ここまでランク23位と成績が低迷しています。そうした状況を受け,10月1日(月)に同チームから発表があり,今週末に新たな開催地としてチャーン・インターナショナル・サーキットで開かれる第15戦タイGPから,ケントに替わってE.ポンスを起用することになり,ケントは契約から1年経たないうちにシートを失うことになりました。そのケントですが,来季は彼にとって新たな戦いの場となるイギリス国内で行われているBSBに参戦するのではないかと噂されているようです。
2018/10/03(水)
☆挑戦(SGT)
○『マッチ』こと近藤真彦が代表兼監督を務めるKONDO RACINGの運営母体である『エムケイカンパニー』と日産自動車が10月1日(月)に発表会を開き,来年に向けたモータースポーツの活動計画が明らかにされました。それによると,かつてドライバーとしてル・マン24時間に挑戦した経歴を持つマッチですが,今度は監督として新たに『ニュルブルクリンク24時間』に挑戦することになりました。使用するマシンは『ニッサンGT-RニスモGT3』で,ドライバーは4人体制となっています。その4人のメンバーの内3名は松田次生,高星明誠,藤井誠暢の日本人ドライバーで,同チームはもちろん,NISMOとの関係が深いドライバーが選ばれています。残りの1人は,以前から日本のレースにもフル参戦した経歴を持っていて,日本のレースファンに馴染みの深い外国人ドライバーの一人であるT.コロネルです。また,長年ニッサンのマシンを駆って日本国内でのレースに携わってきているM.クルムがアドバイザーを務め,彼にとっての母国にあるサーキットであるニュルブルクリンクでのレースに関わることになります。このプロジェクトは,来年から2021年までの3カ年計画が設定されていて,少なくとも今後3年は挑戦が続いていくことになります。
今回の発表会では,国内のレースについても明らかにされていて,これまでのGT500クラスに加え,新たにSGTで激戦クラスになっているGT300クラスにも参戦することになりました。同チームは,これまで日産大学校と提携してスーパー耐久(S耐)に挑戦してきていて,一昨年は見事チャンピオンに輝いています。来季からは,このプロジェクトをS耐からステップアップさせてGT300クラスに挑戦することになる訳です。使用するマシンは,もちろんGT-RニスモGT3です。ドライバーについては,現段階では未定となっています。今回の挑戦には,長年にわたってずっとマッチと提携してきたヨコハマタイヤをはじめ,JVCケンウッド,MOTUL,GT300でメインスポンサーを務めるリアライズグループ,プーマ等多くのメーカーが支援することになりました。
2018/10/02(火)
☆残り5(F1)
○メルセデスAMGのチームオーダー発令によりL.ハミルトンの優勝で終わった第16瀬ロシアGPでしたが,そのロシアGPの開催前に数チームが来シーズンのドライバーについて発表していましたので,ここでまとめておきたいと思います。
まず,9月28日(金)にハースF1チームから発表があり,来シーズンも今季と同じくR.グロージャンとK.マグヌッセンのコンビで臨むことになりました。これにより,マグヌッセンは来季で同チーム4年目,マグヌッセンが3年目のシーズンを迎えることになります。現在マグヌッセンがランク7位,グロジャンが14位と,新興チームながら好成績を収めています。今回の契約延長は,ある意味当然の結果と言えるでしょう。次に,来季もホンダ製PUを搭載することが決まっているスクーデリア・トロロッソから9月29日(土)に発表があり,来季からP.ガスリーがレッドブル・レーシングに昇格することに伴って空いたシートに,かつて同チームからフル参戦した経歴を持つD.クビアトが座ることになりました。今回復帰することになったクビアトは,2014年に同チームからF1にデビューし,その翌年には来シーズンのガスリーのようにレッドブル・レーシングに昇格しました。ところが,2016年シーズンのスペインGPから,当時トロロッソに所属してフル参戦していたM.フェルスタッペンと交代させられる形でトロロッソに戻されることになってしまいました。トロロッソに戻ってからのクビアトは走りに精彩を欠き,2017年アメリカGPを最後に解雇されてしまってF1のシートを失ってしまいました。なお,今回の発表では,クビアトのチームメイトが誰になるかは明らかにされていません。
徐々にシートがなくなっているF1ですが,ここでこれまでのシート獲得状況を,噂も含めてまとめておきたいと思います。ちなみに,F1の残りのシートは後5つとなっています。
2019年 F1ドライバーラインナップ(暫定)
チーム ドライバー
メルセデスAMG(確定) L.ハミルトン,V.ボッタス
フェラーリ(確定) S.ベッテル,C.ルクレール
レッドブル・ホンダ(確定) M.フェルスタッペン,P.ガスリー
フォース・インディア E.オコン(?),S.ペレス(?),L.ストロール(?),G.ラッセル(?)
ルノー(確定) N.ヒュルケンベルグ,D.リカルド
トロロッソ・ホンダ D.クビアト,B.ハートレー(?)
ハース(確定) R.グロージャン,K.マグヌッセン
マクラーレン(確定) C.サインツ,R.ノリス
ザウバー(確定) K.ライコネン,A.ジョビナッツィ
ウィリアムズ S.シトロキン(?),J.ラッセル(?),E.オコン(?)
2018/10/01(月)
☆チームオーダー(F1)
○ソチ・オートドロームにおいて第16瀬ロシアGPの決勝レースが,わずかながら時折雨がぱらつく不安定な天候の中では合ったものの,ドライタイヤを履いてのレースが行われました。ポールからスタートしたメルセデスAMGのV.ボッタスを,2番グリッドからスタートしたチームメイトでランクトップを行くL.ハミルトンが追うという展開となりました。レース前からチームオーダーが話題になっていましたが,ランク2位を行くフェラーリのS.ベッテルが彼らの後ろにいるという展開となりました。終盤に向けてメルセデスは動きを見せ,ペースが落ちた(落とした?)ボッタスをハミルトンがパス。ピット戦略の違いからレッドブルのM.フェルスタッペンがトップを走っていましたが,彼がピットインするとハミルトンがトップに立ち,チームメイト二人の順位はそのままでチェッカーとなりました。ベッテルが3位のままチェッカーとなりましたので,ハミルトンとベッテルの差はさらに開き,その差が50ポイントとなりました。
 

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