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最新ニュース

2018/06/30(土)
☆1年ぶり(MotoGP)
◯第8戦ダッチTTが,ドライコンディションのTTサーキット・アッセンで開幕しました。以前のオランダGPといえば,木曜日に開幕し,金曜日は安息日となっていましたが,今は通常の大会と同じく金曜日からの開幕になっています。MotoGPクラスで初日総合トップタイムをマークしたのはモビスター・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスで,彼が初日総合トップとなったのは昨年のこの大会以来1年ぶりとなります。総合2番手タイムをチーム・スズキ・エクスターのA.イアンノーネ,総合3番手タイムをアルマ・プラマック・レーシングのD.ペトルッチがマークし,それぞれ来季はアプリリアとドゥカティのワークスチームへ移籍するライダーがつけました。鈴鹿8耐への参戦発表があったばかりのLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,総合21番手で初日を終えています。
Moto2クラスは,来季から最高峰クラスにステップアップすることが早くも決まっているスカイ・レーシング・チームVR46のF.バグナイアが,この日行われた2回のフリー走行共にトップタイムをマークし,2戦連続初日総合トップとなりました。初日総合2番手タイムは,こちらも来季から最高峰クラスにステップアップすることが決まっているエストレージャ・ガルシア・マークVDSのJ.見るがマークしています。総合3番手タイムは,バグナイアのチームメイトで,V.ロッシの異父兄弟であるL.マリーニでした。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの長島哲太は,フリー走行2で転倒を喫し,その際に左手薬指を負傷してしまい,手術が必要な重症だったことから,この大会をキャンセルすることになってしまいました。一日も早い回復を祈るばかりです。
Moto3クラスは,エストレージャ・ガルシア0,0のA.カネトが初日総合トップをマークし,これは昨年9月に行われた第14戦アラゴンGP以来となります。総合2,3番手は,それぞれトップからコンマ138秒遅れでRBAボエ・スカル・ライダーのG.ロドリゴ,コンマ155秒遅れでCIP-グリーン・パワーのJ.マクフィーがマークしています。日本人ライダー勢は,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡が8番手,RBAボエ・スカル・ライダーの真崎一輝が14番手,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が15番手,ペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢が22番手のタイムをマークしてこの日の走行を終えています。
2018/06/29(金)
☆奪還に向け(EWC)
◯世界耐久選手権(EWC)の最終戦として開催される真夏の祭典『鈴鹿8時間耐久レース』が来月末に行われますが,この度ホンダからその参戦体制について発表がありました。ここ3年間,中須賀克行を中心とするヤマハワークスが圧倒的強さと速さでこの大会を制していますが,3年間ホンダ勢が優勝から遠ざかっているのは,8耐におけるホンダとしては史上最悪の記録となります。それだけに,ホンダとしては栄冠奪還が至上命題ですし,JRRのJSB1000クラスがそうであるように,今年はHRC直系のワークスチームを10年ぶりに結成して臨むこととなります。今回の発表によると,そのワークスチームのエースを担うのは,当然JSB1000クラスでワークスライダーを務めている昨年のJSB1000クラスチャンピオンでもある高橋巧です。その高橋と誰が組むのかが注目されていて,ほぼ確実視されていたのが,HRC契約ライダーとしてMotoGPクラスに今シーズンからフル参戦しているLCRホンダ・イデミツの中上貴晶でした。そして,今回の発表によると,その噂通り中上が昨年に続いて参戦することになりました。昨年の中上は,ムサシRTハルク・プロ.ホンダから高橋と組んで参戦し,転倒やマシントラブルに見舞われて4位に終わっていました。過去2010年に一度8耐で優勝経験がある中上ですが,この時は3人目のライダーとして登録されていただけで,決勝では全く走行していない状態での優勝だっただけに,もし今年優勝すれば,彼にとって実質的な初優勝となります。今回発表されたもう一人のライダーは,SBKにおけるホンダのワークスチームであるRed Bull Honda World Superbike Teamからフル参戦しているL.キャミアです。なお,今回のライダー以外の参戦体制ですが,チーム名は,国内外でホンダと協力関係にあるレッドブル(ついにF1でも組むことになりましたね。)と,スーパーカブが配達に使われているという関係性が縁で今シーズンからホンダと提携関係にある日本郵便との支援を受け,『Red Bull Honda with 日本郵便(レッドブル・ホンダwith日本郵便)』として参戦することになりました。使用するマシンは,当然JSB1000クラスでも使用しているCBR1000RR SP2をベースとしたワークスマシン『CBR1000RRW』で,ゼッケン33をつけて走行します。監督は,8耐で過去最多5度の優勝経験があり,今シーズンからJRRでチームHRCの監督を務めている宇川徹です。
2018/06/28(木)
☆シンデレラライダー(EWC)
◯今年再びJRRや8耐の場へ戻ってきたホンダを代表するプライベートチームの1つである桜井ホンダの公式ウェブサイトによると,復帰初年度の今年は,レギュラーライダーである濱原颯道のチームメイトとして,過去4回8耐を制している伊藤真一と組むことになりました。今年の12月で52歳になる伊藤真一は,長年ホンダのワークスライダーとして,国内はもちろん,GPでも活躍を見せました。そして,8耐では宇川徹と組んで1997年,1998年と連覇。さらに2006年,2011年も制して4勝を挙げています。さらに,2003年から4年続けてポールを獲得し,通算7度のポールシッターとなっていて,JRRやWGPを含めた活躍もあり,まさに日本を代表するレジェンドライダーの一人といえます。彼の素晴らしさは過去のことだけでなく,いまだに現役のライダーとして活躍しているところです。現在51歳という年齢にもかかわらず,ホンダ系のチームから毎年のように声がかかり続けていて,昨年は,ホンダに二輪パーツを供給するサプライヤー16社により結成されたチームであるTeam SuP Dream Honda(チーム・サップ・ドリーム・ホンダ)から3年ぶりに参戦しました。今年の同チームは,これまた長年ホンダのライダーとして活躍してきている山口辰也がJRRへスポット参戦してマシン開発を行い,8耐本番に向かうことになっています。伊藤のペアライダーである濱原は,昨年スズキの実質的ワークスチームであるヨシムラ・スズキMOTULからJRRの最高峰クラスにデビューするという「シンデレラライダー」でした。そのヨシムラでのシートはわずか1年で終了し,今年から復活を遂げた桜井ホンダに所属し,昨年とは一転してホンダのマシンを駆っています。伊藤も最高峰クラスデビューがHRCからで,当時「シンデレラライダー」と言われていました。まさに今年の桜井ホンダは,新旧シンデレラライダー・ペアの体制と言えるでしょう。
2018/06/24(日)
☆ワンツー(F1)
◯第8戦フランスGPの予選が,雨が降ったり止んだりといった不安定な天気のポール・リカール・サーキットで行われました。フリー走行3ではウェットコンディションとなりましたが,その後雨が一旦止んで予選ではドライコンディションでのスタートとなり,Q2でコースの一部で小雨が降るという事態となったものの,何とか予選セッションはドライタイヤでの走行が出来ています。そうした状況の中で速さを見せたのが,初日の走行と同じくメルセデスAMG勢でした。ファイナルアタックで一旦V.ボッタスがリーダーボードのトップに立ちましたが,後からアタックしたL.ハミルトンがボッタスのタイムを上回り,見事ポールを獲得すると共に,メルセデスAMG勢のフロントロー独占となりました。3番グリッドを獲得したのは,ここまでわずか1ポイント差ながらランクトップに立っているフェラーリのS.ベッテルでした。トロロッソ・ホンダ勢ですが,ここが母国GPとなるP.ガスリーは,Q1を突破してQ2に進出。残念ながらここで敗退となったものの,14番グリッドを獲得しています。B.ハートレーはQ1突破ならず,17番手タイムで予選を終えています。ただし,初日の走行でパワーユニットに不具合が起こって載せ替えの事態となっていますので,今日行われる決勝レースは,ペナルティーにより残念ながら最後尾からのスタートが決まっています。
2018/06/23(土)
☆両セッションとも(F1)
◯第8戦フランスGPが開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。先日行われたル・マン24時間耐久レースに代表されるように,フランスもレースのメッカのような印象を持ちますが,F1では10年ぶりに開催となるフランスGPです。今回の会場になっているのはポール・リカール・サーキットですが,ここでの開催は何と28年ぶりとなります。ちなみに,最近のF1フランスGPは,マニクール・サーキットで開催されてきていました。好天の下で行われた初日の走行は,徐々に気温・路面温度共に上昇していったため,2回目の走行より1回目の走行の方がいいタイムが出ていました。初日の走行でトップタイムをマークしたのは,ここまでランクトップに立っているメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。この日のハミルトンは,両セッション共にトップタイムでした。2番手タイムをマークしたのはV.ボッタスで,初日はメルセデスAMGのワンツーとなっています。3番手タイムは,来シーズンの去就が注目されているレッドブルのD.リカルドでした。ちなみに,今シーズンでレッドブルとの契約が切れるリカルドですが,フェラーリやメルセデスAMG共に彼と契約するのではないかという噂が浮上していて,つい最近はマクラーレンも大金を準備して契約を狙っているという噂が出ています。来季からホンダとのコラボが実現することが決定しているレッドブルだけに,日本人レースファンとしてはその去就が気になるところです。なお,そのホンダ製PUを搭載しているトロロッソ勢ですが,1回目のフリー走行でP.ガスリーが8番手タイムをマークしています。チームメイトのB.ハートレーは,両セッションともに15番手タイムで初日を終えています。
2018/06/22(金)
☆ドタバタで(WEC)
◯トヨタの悲願の初優勝で終わった今年のル・マン24時間耐久レースですが,一昨日メディア向けの報告会が行われ,その場でゴールシーンについてチェッカー時にステアリングを握った日本人ドライバーが明らかにしました。そのドライバーとは,トップでチェッカーを受けたTOYOTA GAZOO Racing8号車の中嶋一貴と,2位でチェッカーを受けた7号車の小林可夢偉です。ル・マンのゴールシーンと言えば,『デイトナ・フィニッシュ』と呼ばれる優勝マシンとその同チームのマシンとが並んでチェッカーを受けるのが通常の形です。このデイトナ・フィニッシュの起こりは,かつて『デイトナ24時間レース』においてフェラーリが並んでチェッカーを受けたことから始まっています。今回の場合,優勝マシンと2位との差は十分開いていましたし,2位と3位との差はそれ以上に開いていましたから,余裕を持ってチェッカーを受けることが出来たはずです。デイトナ・フィニッシュをするためには,トップを行く一貴が2位の可夢偉を待つために出来る範囲内でゆっくり走行し,可夢偉が追いついたら2台揃ってチェッカーを受けるという段取りとするはずでした。ところが,可夢偉によると中嶋に接近しようにも,ファイナルラップで周回遅れをどんどんパスしていったため,可夢偉が追いつくだけでなく,周回遅れがすぐその後ろにつけるという事態になりました。カメラ写りから考えると,チェッカー時にはワンツーフィニッシュを達成したTOYOTA GAZOO Racingの2台のマシンのみが写るというのが一番です。ところが,チェッカー前に周回遅れをパスし,周回遅れのマシンはトップの後ろにつけておくと,あともう1周余計に走る必要がなくなりますので,トップのマシンが目の前を駆け抜けていけば,当然その後ろにつけようとします。今回のゴールシーンは,1,2位のマシンだけでなく,周回遅れのマシンも含めた集団でのゴールとなっていますが,そうなったのは二人が明らかにしたことが要因になっているようです。一貴によれば,自身にとって初めての経験だけに,その点がうまくできなかったということです。トヨタにとって来季の目標は当然V2ですが,理想的な『デイトナ・フィニッシュ』をすることも目標となりそうですね。
2018/06/21(木)
☆最多タイ(MotoGP)
◯先週末に第7戦カタルニアGPが開催され,そこでは前戦に続いてドゥカティ・チームのJ.ロレンソが優勝を果たしました。MotoGPクラスにフル参戦しているチームの内,優勝したドゥカティ・チームとそのドゥカティのサテライトチームの1つであるアンヘル・ニエト・チームを除く9チームはそのままカタルニア・サーキットに延滞し,6月18日(月)にシーズン中2回目となるオフィシャルテストを行いました。そのテストでトップタイムをマークしたのは,この日の最多タイとなる88周を走行したレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスでした。カタルニアGPで2位表彰台を獲得したマルケスは,その際使用した2台のマシンに加え,いくつかの新しいパーツを装着した黒いカウルのマシン1台の合計3台を乗り継ぎながらテストを行っていき,86周目にこの日の最速タイムをマークしています。総合2番手タイムをマークしたのは,カタルニアGPでは10位で終わったチーム・スズキ・エクスターのA.イアンノーネでした。2種類のシャーシのマシンを乗り換えながら比較テストを行ったイアンノーネは,最終盤に入ってマルケスに逆転されるまでトップタイムをマークする走りを見せていました。総合3番手タイムをマークしたのは,ドゥカティのサテライトチームの1つであるレアーレ・アビンティア・レーシングのT.ラバトで,サスペンションの調整などをしながらの3番手タイムでした。カタルニアGPの予選で最高峰クラスにおいて自身初となるQ1を突破して決勝レースに期待されたものの,その決勝レースでは,他車を巻き込む転倒を喫してリタイアするという残念な結果に終わったLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,マルケスと同じくこの日の最多タイとなる周回数を走行しました。この日の中上は,カタルニアGPにおけるセッティングの見直しや,スタート練習などのメニューをこなしながら,総合16番手でテストを終えています。
2018/06/20(水)
☆2チームに(F1)
◯ホンダから発表があり,2019年シーズンから現行のトロロッソとレッドブル・レーシングの2チームにF1パワーユニット(PU)を供給することが決定しました。2015年シーズンからF1に復帰したホンダですが,2チームにパワーユニットを供給するのは復帰以来初となります。今回新たに加わったレッドブル・レーシングとの契約期間は2年間となっています。現在のレッドブル・レーシングは,ルノー製PUを使用していますが,信頼性と性能に不安がある状況が続いていて,互いに批判し合うなど関係性が悪化していました。その影響もあって,2016年シーズンからはルノー製PUなのにもかかわらず,ライバルメーカーであるアストンマーチンの名称が冠されています。今シーズンでルノーとの契約が切れることから,関係が悪化しているルノーとの契約を延長するのか,それともレッドブル系のチームであるトロロッソと契約しているホンダ製PUを新たに搭載するのかの選択になっていました。F1に復帰以来ずっとマクラーレンと契約してきたホンダでしたが,信頼性,性能共にかつてA.セナなどが活躍した当時のマクラーレン・ホンダとはほど遠い状況が続いていました。そして,昨シーズンをもってついにマクラーレンと袂を分かち,今シーズンから新たにトロロッソにPUを供給することになりました。今シーズンに入ってからは,昨シーズンまでのことが嘘のように信頼性,性能共に向上が見られ,もちろんいまだに優勝争いに加わるという状況にはなっていませんが,ポイント獲得圏内まで食い込むことがサーキットによっては出来るところまで高まってきています。こうした状況を受け,今回新たにトロロッソに加え,その上位チームであるレッドブル・レーシングにも供給することになりました。ホンダとレッドブルとの関係はここ数年高まっていて,MotoGPにおけるワークスであるレプソル・ホンダ・チームのマシンにお馴染みのレッドブルのロゴが飾られています。また,SFにおいては,昨年は現在トロロッソのレギュラードライバーであるP.ガスリー,今シーズンは福住仁嶺(彼がF2に出場するときはレッドブル育成メンバーの一人であるD.ティクトゥムが代役)がレッドブルカラーのマシンを駆ってフル参戦しています。昨年までのマクラーレンにしても,現在のトロロッソにしても,現行のチーム力では優勝争いに加わるという点では厳しいものがありますが,今回契約が成立したレッドブル・レーシングは,中国GPや伝統のモナコGPでD.リカルドが優勝しているように,優勝及びチャンピオン争いに加わる実力を持っています。それだけに,ホンダにとってはプレッシャーのかかるところがありますが,来シーズンからホンダ製PUを搭載したマシンが優勝争いに加わる可能性が出てきました。ただ,気になるのは,今回成立したのが2020年までの2年間となっています。2021年から新たなレギュレーションが発効しますが,その際,ポルシェが再びF1に戻ってくるのではないかと言われていて,その際に提携するのはレッドブルになるのではないかという噂が浮上してきています。今回の2年契約はちょうどその時期に当てはまりますので,2年後にレッドブルと契約延長になるのかが不透明となります。最も,その間に結果を残せばそうした不安は払拭されるとも言えますね。
2018/06/19(火)
☆完勝(WEC)
◯世界耐久選手権(WEC)のシリーズ第2戦となる『第86回ル・マン24時間耐久レース』が,6月16日(土)にスタートし,17日(日)にチェッカーとなりました。昨シーズンまでは,トヨタだけでなく,ポルシェやアウディといった強力なチームが存在していましたが,トヨタを除く他のメーカーは全て撤退してしまったため,実力的にはトヨタ勢による優勝争いが確実視されていました。とはいえ,24時間にわたるバトルが展開されていく訳ですから,2016年シーズンにあったような,チェッカーまで後数分といったところでマシントラブルが発生し,トップを走行していたトヨタの中嶋一貴が涙を飲むということが起きますから,油断できない戦いでもあります。金曜日に行われた予選でポールを獲得したS.ブエミ&中嶋一貴&F.アロンソ組のトヨタTS050ハイブリッド8号車と,セカンドグリッドからスタートしたM.コンウェイ&小林可夢偉&J-M.ロペス組のトヨタTS050ハイブリッド7号車とは,時折順位を入れ替えるチームメイトバトルを展開していきました。しかし,燃料使用量制限オーバーによるペナルティーやデフのセンサーにトラブルが発生してレース中にセッティングを変えられないというハンディを抱えてしまった7号車は,8号車の先行を許す状態となりました。先頭を走る8号車は,大きなトラブルやアクシデントに見舞われずにトップの座を守りきり,これまで2位は3回経験しているものの,いまだに未勝利のトヨタにとって悲願の優勝をもたらしました。一貴自身にとっても,トップ走行中にトラブル発生でゴール間際でマシンを止めざるを得なかったという2016年の悪夢を振り払う優勝となりました。世界3大レース制覇を目指して今シーズンはF1だけでなくWECシリーズにもフル参戦しているアロンソにとっては,既にF1モナコGPは制覇していますので,グランドスラム達成に王手をかけるルマン制覇となりました。現在彼がF1で所属しているマクラーレンが,インディカー・シリーズにもフル参戦するのではないかという噂がありますし,アロンソ自身には,今シーズン限りでF1引退の噂も出ていますので,グランドスラム達成に向けて環境が整ってきているのかもしれません。なお,今回のトヨタは,3位に入ったT.ローラン&M.ベッシェ&G.メネゼス組のレベリオンR13・ギブソンに13周の大差をつける圧勝となっています。
2018/06/18(月)
☆連勝 PARTT(MotoGP)
◯第7戦カタルニアGPの決勝レースが,ドライコンディションのカタルニア・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,前戦の勝者であるドゥカティ・チームのJ.ロレンソが,レース序盤にトップに立つと,後は彼の勝ちパターンである独走態勢に持ち込み,2位に4秒以上の大差をつけて連勝を飾りました。ロレンソにとっては,昨年ドゥカティに移籍以来初となるポールトゥーフィニッシュでした。前戦で転倒ノーポイントに終わったレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,ロレンソを追うことが難しいことが分かると,前戦の反省を活かして2位ポジションキープを図り,結果的にランキング争いでポイント差を広げてランクリーダーの座を守りました。3位には,ランキング争い2位でマルケスを追うモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシが入り,これで3戦連続3位獲得となりました。自身最高位タイととなる12番グリッドからスタートしたLCRホンダ・イデミツの中上貴晶でしたが,16位走行中の14周目に,他車を巻き込む転倒を喫してリタイアに終わっています。
Moto2クラスは,自身初となるポールからスタートしたHDRスピードアップ・レーシングのF.クアルタラロが,2位に2秒以上の差をつける走りを展開し,このクラス25戦目にして初の優勝をポールトゥーウィンで達成しました。彼が駆るスピードアップにとっては,2015年4月に行われた第2戦アメリカGPにおいてS.ロースが優勝して以来の勝利となります。クアルタラロの独走は許したものの,2位にレッドブルKTMアジョのM.オリベイラが入っています。3台による3位争いを制して,エストレージャ・ガルシア・マークVDSのA.マルケスが表彰台の一角を獲得しています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの長島哲太は,12番グリッドからスタートし,今季自己最高位タイとなる13位でチェッカーを受けています。
Moto3クラスは,このクラスらしく複数台によるトップ争いが展開されていきました。そのような中,予選でポールを獲得したレオパード・レーシングのE.バスティアニーニが,ファイナルラップの1コーナーでトップに立つと,後はその位置を守り抜いて,一昨年の日本GP以来となる勝利をポールトゥーウィンで達成しました。レドックス・プルエステルGPのM.ベツェッキが,最後の最後で2位に浮上して2戦連続表彰台を獲得しています。3位には,自身初表彰台となるRBEボエ・スカル・ライダーのG.ロドリゴが入っています。3番グリッドからスタートして期待が持たれたSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生は,一時トップに立つ活躍を見せ,最終的に今季自己最高位となる5位でチェッカーを受けています。トップ争いから離されたものの,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡が,自己最高位となる6位に入りました。チームメイトが3位表彰台を獲得した真崎一輝は,5周目に転倒を喫してしまってリタイアとなっています。4番グリッドからスタートしたペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢は,15周目に転倒を喫してしまい,こちらもリタイアとなっています。

☆連勝 PARTU(JRR)
◯第4戦の決勝レースが,ドライコンディションのスポーツランドSUGOで行われました。JSB1000クラスは,3番グリッドからスタートを切ったTeam HRCの高橋巧が,抜群のクラッチミートを見せてトップに立ちました。ポールスタートのYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行は,オープニングラップこそ出遅れたものの,2周目には2位につけて後はホンダとヤマハのエースライダーによるトップ争いとなりました。抜きつ抜かれつのバトルを展開していきましたが,23周目の馬の背で中須賀に仕掛けた橋でしたが,オーバーランを喫して中須賀との差があっという間に開いてしまい,前日に行われたレース1に続いて中須賀が連勝を飾りました。3位には,橋から15秒近く差がついて中須賀のチームメイトである野左根航汰が単独走行で入っています。
J-GP2クラスは,3周目に発生した転倒により赤旗中断となり,周回数が減算されて再スタートとなりました。ポールからスタートしたTeam武 RSCの岩戸亮介は,2回のスタートとも好スタートを切ってトップの座を守っていきました。はじめこそ他のライダーが後を追う展開となりましたが,8周目に2位が転倒したことにより差が広がり,後は単独走行でポールトゥーフィニッシュを達成しました。岩戸にとっては,これがこのクラスにおける初優勝となります。岩戸から4秒弱遅れてSOX Team TARO PLUSONEの関口太郎が2位に入り,3位はMuSASHi RT HARC-PRO. の名越哲平でした。
ST600クラスは,ポールからスタートした51ガレージ チームイワキの岡本裕生が,好スタートを切ってから後は後続を寄せ付けない圧倒的な速さを見せて差をどんどん広げて行き,最終的に2位に10秒以上の大差をつけて独走でポールトゥーウィンを達成しました。それに対して,2位争いは激しいものとなりました。テールトゥーノーズのバトルは最後まで続き,最終的に2位にTeam MF & Kawasakiの奥田教介が,3位にHonda Suzuka Racing Teamの亀井雄大が入っています。
J-GP3クラスは,J-GP2クラスと同様に赤旗中断となりました。再スタート後は,7台によるトップ争いが展開されましたが,終盤に入ると3台によるトップ争いがファイナルラップまで続きました。そのバトルを制したのが,開幕戦を制したMORIWAKI CLUBの岡谷雄太でした。トップからコンマ3秒遅れの2位になったのがTEAM SRS-Motoの中島元気,コンマ4秒遅れの3位がテルル・ヤマナカコウギョウRTの山中琉聖でした。
2018/06/17(日)
☆予選でも(MotoGP)
◯第7戦カタルニアGPの予選が,ドライコンディションのカタルニア・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,前戦の勝者であるドゥカティ・チームのJ.ロレンソと,ここまでランクトップを行くレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスとのポール争いとなりました。ファーストアタックではマルケスがトップタイムをマークしたのに対し,ロレンソは履いたタイヤにトラブルがあったのか,ピットに帰ってきて怒りを爆発させるシーンがあり,タイムアタックが出来ませんでした。ラストアタックでマルケスがタイムを更新し,ロレンソのタイムが注目となりました。予選でも前戦からの勢いを持続しているロレンソは,マルケスのタイムを目標にアタックし,最終的に1000分の66秒タイムを更新してドゥカティ移籍以来初のポールを獲得しました。チームメイトのA.ドビツィオーゾが3番手タイムをマークし,フロントローの2つを占めています。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,最高峰クラス進出以来初のQ1を突破する走りを見せました。残念ながらQ2では最下位となったものの,自力では自己最高位となる12番グリッドからのスタートを決めました。
Moto2クラスは,HDRスピードアップ・レーシングのF.クアルタラロが,このクラス参戦2年目にして自信初となるポールを獲得しました。エストレージャ・ガルシア・マークVDSのA.マルケスが2番手タイムをマークし,2戦連続してフロントロースタートを決めました。そのマルケスから1000分の29秒遅れで,ダイナボルト・インタクトGPのM.シュロッターが3番グリッドを獲得しています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの長島哲太は,予選セッションに入って良い走りを見せ,最終的には12番手ではありましたが,自己最高位からのスタートを決めています。
Moto3クラスは,レオパード・レーシングのE.バスティアニーニがトップタイムをマークし,2016年の第14戦アラゴンGP以来となるポールを獲得しました。デル・コンカ・グレシーニMoto3のJ.マルティンは,予選セッションで転倒を喫しながらも,それまでにマークしたタイムで2番グリッドを獲得しています。3番手は激しいタイムアタック合戦となり,僅差でSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が3番手タイムをマークしてフロントロースタートを決めました。その鈴木からわずか1000分の2秒遅れで,ペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢が4番手タイムとなりました。他のフル参戦日本人ライダーも好調は走りを見せ,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡が6番手,RBEボエ・スカル・ライダーの真崎一輝が11番手と,今日行われる決勝レースに期待が持たれる予選となりました。

☆全てのセッションで(JRR)
◯第4戦となる予選及びJSB1000クラスの決勝レース1が,霧雨が舞う不安定な天候となったスポーツランドSUGOで行われました。JRRは前戦のオートポリスがそうだったように,SFとの併催となる2&4が続きましたので,JSB1000クラス以外は開幕戦以来の開催となります。予選後に行われたJSB1000クラスのレース1は,霧雨が舞う中での争いとなりました。レース開始してすぐは接戦となりましたが,YAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行がトップに立って不安定な路面の中ペースアップすると誰もついていくことができず,2位に入ったTeam HRCの高橋巧に5秒以上の差をつける独走で今季5勝目を飾りました。その中須賀ですが,レース1の予選でも,そしてレース2の予選でもトップタイムをマークしていますので,この日の全てのセッションでトップに立ったことになります。トップ2だけでなく,野左根航汰も単独走行で3位に入り,YAMAHA FACTORY RACING TEAMが表彰台2つを占めています。
J-GP2クラスの予選は,次々とタイムが更新されていく中,ラストアタックでTeam武 RSCの岩戸亮介が最速タイムを刻み,得意なサーキットでポールを獲得しています。岩戸の逆転を許したものの,2番手タイムはwill-raise racingRS-ITOHの石塚健が,3番手タイムはSOX Team TARO PLUSONEの関口太郎がマークしています。
ST600クラスは,コースが徐々に乾いていくというコンディションの中での走行となり,51ガレージ・チーム・イワキの岡本裕生が次々にタイムを更新する速さを見せ,2番手におよそコンマ5秒弱速いタイムでポールを獲得しています。その岡本には及ばなかったものの,ラストアタックでAKENO SPEED・YAMAHAの南本宗一郎が2番手タイムをマークしています。3番グリッドは,Honda Suzuka Racing Teamの亀井雄大が獲得しています。
J-GP3クラスは,WJ-FACTORYの太田虎之進が唯一1分37秒台に入る速さを見せ,自身初となるポールポジションを獲得しました。大谷逆転されるまではトップタイムだったTeam P.MU 7C MIKUNIの小室旭が,最終的におよそコンマ5秒遅れで2番グリッド獲得となりました。太田からは1秒以上離されましたが,TEAM PLUSONEの福嶋佑斗がラストアタックで3番手タイムをマークしています。
2018/06/16(土)
☆好調維持(MotoGP)
◯第7戦カタルニアGPが開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。MotoGPクラスは,開幕前に来季はドゥカティとの契約延長を行わず,HRCと契約してホンダワークスからフル参戦することが決まっているドゥカティ・チームのJ.ロレンソが,前戦で勝利した勢いをそのまま保っているかのように今季初となる初日総合トップタイムをマークしました。ロレンソが初日トップに立ったのは,昨年の最終戦以来となります。総合2番手タイムをマークしたのは,昨年の不振を払拭し,好調な走りを見せるようになってきているチーム・スズキ・エクスターからフル参戦しているA.イアンノーネでした。そのイアンノーネは,開幕前に来季からアプリリアに移籍することが発表されています。総合3番手タイムは,今シーズンなかなか思うような走りを見せることが出来ていないモビスター・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスでした。ランクトップに立っているレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,フリー走行2でいつものように(?)転倒を喫してしまい,それ以後は走行できずにタイムアップならず,総合12番手で初日を終えています。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,初日総合19番手タイムでした。
Moto2クラスは,スカイ・レーシング・チームVR46のF.バグナイアが,フリー走行1でトップタイムをマークしました。フリー走行2では9番手タイムで終わったものの,総合ではフリー走行1のタイムで初日総合トップに立ちました。総合2番手タイムは,バグナイアと同じくフリー走行1のタイムでダイナボルト・インタクトGPのM.シュロッターでした。フリー走行2でトップタイムだったエストレージャ・ガルシア・マークVDSのA.マルケスが,シュロッターと同タイムで総合3番手につけています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの長島哲太は,こちらもフリー走行1のタイムで総合7番手タイムで初日を終えています。
Moto3クラスは,レドックス・プルエステルGPのM.ベツェツキがフリー走行2のタイムで初日総合トップに立ちました。彼が初日総合トップに立ったのは,フル参戦2年目にして初となります。チームメイトであるJ.コーンフェールが,トップから1000分の55秒差で総合2番手でした。総合3番手タイムは,ジュドメトーラ・シェダルGPレーシングのP.エッテルでした。日本人ライダー勢は,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡が13番手,ペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢が17番手,RBAボエ・スカル・ライダーの真崎一輝が26番手,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が28番手で初日を終えています。
2018/06/15(金)
☆未定&昇格(MotoGP)
◯今日から第7戦カタルニアGPが開幕しますが,それを前にして来季の去就についての発表がありました。まず1つ目は,何といっても最高峰クラスで現在最も注目を浴びているとも言えるD.ペドロサの去就についてです。18年間にわたるHRCとの関係が今シーズン末で切れることが既に発表されているペドロサですが,その発表があった際,来季については母国GPとなるカタルニアGPの時に発表するという旨のことを明らかにしていました。場合によっては今シーズン末で引退するという発表になるのではないかという噂も浮上していましたが,今回の発表によると,どうやら引退という事態にはならないようです。ただ,具体的な発表はなされず,現段階ではいくつかのオプションについて話し合いを行っているということです。既にワークスチームのシートは全て埋まっていて,ペドロサがMotoGPの参戦を継続するということは,インディペンデントチームからの参戦ということになります。それに関して,チーム自体がまだはっきりとしてない部分があり,今回具体的な発表がなされたなかったのは,ほぼ間違いなくその事が影響しているものと思われます。その第一が,今シーズンをもってヤマハとの関係を絶つことが決定しているテック3の後任にどのチームが就くかということです。これについては,「ペトロナス・ヤマハ」というチームが新たに立ち上がるのではないかという噂が浮上していて,そのシートにペドロサが座るのではという噂が出ています。ホンダのサテライトチームであるエストレージャ・ガルシア・マークVDSについては,チームの存続自体が不安視されていましたが,少なくとも今シーズンは現体制が継続することが決定していますが,こうした状況ですからホンダとの関係がどうなるのかも不明です。その他にもドゥカティ陣営からヤマハにという噂も出ていますので,ペドロサが現段階で具体的な発表が行えないのも当然なのかもしれません。
もう1つの発表は,Moto2クラスについてです。現在レッドブルKTMアジョからフル参戦しているM.オリベイラが,来季からKTMテック3に所属して最高峰クラスにステップアップすることが決まっています。その空いたシートに座るライダーについて発表があり,現在デル・コンカ・グレシーニMoto3に所属して軽量級クラスにフル参戦している20歳のスペイン人ライダーであるJ.マルティンがステップアップし,オリベイラの後任になることが決定しました。契約期間は2年間です。ここまでのマルティンは,前戦イタリアGPを制したりしてランク2位につけています。MotoGPクラスのワークスシートが埋まり,これからはMoto2クラスのシートが徐々に埋まってくるものと思われます。今回の発表は,その先陣を切るものと言えるでしょう。
2018/06/14(木)
☆13年ぶり(JRR)
◯昭和電気から発表があり,現在はG+のMotoGP中継においてMoto3クラスの解説に務めたり,MFJロードレースアカデミー,MuSASHiスカラシップトレーニングなどの若手育成プログラムにかかわったりしている坂田和人が,今月末に筑波サーキットで開幕するJRR第5戦に参戦することになりました。参戦クラスは,J-GP3クラスです。坂田選手にとってJRRへの参戦は,2005年に筑波サーキットで開催された第3戦以来13年ぶりとなります。JRRで活躍した後,1991年にGPの125ccクラスにフル参戦を開始。1999年にGPを引退するまでに,1994年と1998年にアプリリアのマシンを駆って2度の世界チャンピオンの座に就きました。今回のスポット参戦は,元世界チャンピオンが後進ライダーにレースを戦う姿勢を見せることを目的としているということです。現在スポット参戦に向けて,現役当時と同じく実弟の明彦氏がメカニックを務めてマシン造りをしているようですが,何せ現役当時は2サイクルマシンを使用している時代で,現在は4サイクルマシンだけに,やはりマシンのセットアップにかなり苦労しているようです。今回のプロジェクトは,マシン造りが思うように出来なかったら参戦をとりやめるという方針ということで,今回のプロジェクトのスポンサーでもある昭和電気は,このことを了承しているということです。現役当時からストイックな彼だけに,思うようにセットアップできなければ参戦取りやめという事態になる可能性も十分考えられます。プロジェクトがうまく進むことを願っています。
2018/06/13(水)
☆契約延長(SBK)
◯6月11日(月)にカワサキから発表があり,SBKにフル参戦し,今シーズンで契約期間が切れるJ.レイとの契約を延長することが決まりました。契約期間は,2020年までの2年間となっています。2008年からSBKに参戦しているレイは,当初ホンダのライダーとして活躍していました。しかし,マシンの戦闘力不足もあって,優勝争いに絡むことはあっても,チャンピオン獲得には厳しい状況にありました。そして,2015年にカワサキへ移籍し,カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBKに所属してカワサキのエースライダーとして活躍を開始。見事その初年度に悲願のチャンピオンに輝きました。それからは勝利数を重ねていき,昨シーズンまで3連覇を果たし,今シーズンもここまでランクトップに立っています。先週末に行われた第7戦チェコ大会のレース1で勝利してカワサキ移籍後44勝目を挙げると共に,この勝利で通算60勝となり,これまでK.フォガティがマークしていた通算勝利数59を上回って歴代最多勝利記録を更新しています。ZX-10RR&レイという組み合わせがさらに2年間延長することになり,この記録がどこまで積み重ねられるのか楽しみですね。
2018/06/12(火)
☆確定(MotoGP)
◯最高峰クラスのシートに関する発表が続いていますが,ついにワークスチームのシートが確定しました。まず,6月9日(土)にチーム・スズキ・エクスターから発表があり,昨シーズンから同チームに所属し,今シーズン末で契約が切れるA.イアンノーネとの契約を延長しないことが決定しました。そして,スズキと今季限りで袂を分かつことになったイアンノーネに関してアプリリアから発表があり,2年間の契約が成立しました。イタリアンメーカーであるアプリリアにとっては,初のイタリア人ライダーの起用ということになります。イアンノーネの離脱により,スズキのシートが1つ空くことになりますが,そのシートに座るライダーについては,かなり高い確率で一人のライダーの名前が挙がっていました。そして,この度そのスズキから発表があり,昨年のMoto3クラスチャンピオンで,今シーズンはエストレージャ・ガルシア・マークVDSに所属してMoto2クラスにフル参戦しているJ.ミルとの契約が成立しました。ミルとスズキとの契約は,他のワークスライダーと同様に2020年までの2年間となっています。今回の発表は,噂に上っていたライダーそのものだっただけに,「やはり」という印象でした。ルーキーシーズンながら現在Moto2クラスでランク5位につけているミルですが,Moto3に参戦している段階からその将来性を高く買われていました。そして,その評価通りわずか1年でMoto2クラスを卒業し,早くも最高峰クラスへ昇格したことになります。今回のスズキの発表により,来シーズンのワークスのシートは全て確定したことになり,今後はインディペンデント(サテライト)チームのシートが埋まっていくことになります。
ここで気になるのが,今シーズン限りでHRCとの契約が解除となることが決定しているD.ペドロサの去就です。一部では「引退」なのではという噂も出ているだけに,近々発表されるであろう去就が注目となります。サテライトチームに関してですが,テック3が抜けるヤマハのサテライトがどうなるのかまだ未発表です。ついこの間までは,ホンダのサテライトチームであるエストレージャ・ガルシア・マークVDSがその座に就くのではないかという噂でしたが,チーム内のゴタゴタにより分裂することが決定しています。そうした状況だけに,ヤマハとの話し合いは宙に浮いた状況にあるようです。エストレージャ・ガルシア・マークVDSが抜けることになるかもしれないホンダのサテライトチームに関しても,果たしてどうなるのか分からない状況にあります。どのような発表がなされるのか,まだまだ目が離せないところですね。
2018/06/11(月)
☆ランクトップ(F1)
◯第7戦カナダGPの決勝レースが,レースウィークを等して絶好のレース日和に恵まれたジル・ビルヌーブ・サーキットで行われました。コースレイアウトの関係からセーフティカーが導入されることが多いこのサーキットですが,今年もオープニングラップでアクシデント発生により同様の状態となりました。このアクシデントで2台のマシンがリタイアに追いやられましたが,その内の1台がトロロッソ・ホンダのB.ハートレーでした。トップ争いはグリッド順通りに何事もなく推移していき,D.リカルドがポールトゥーフィニッシュを果たした前戦モナコGPを彷彿とさせるように,ポールスタートしたフェラーリのS.ベッテルは一度もトップの座を譲ることなく走行を続け,通算50勝目,今季3勝目をポールトゥーフィニッシュで達成しました。この勝利により,ランキング争いでメルセデスAMGのL.ハミルトンにわずか1ポイント差ながらランクトップに立っています。2,3位にも,それぞれグリッド順となるメルセデスAMGのV.ボッタス,レッドブルのM.フェルスタッペンが入っています。PU等にトラブルが発生し,次戦以降を見越してグリッド降格のペナルティーを受けたトロロッソ・ホンダのP.ガスリーでしたが,本来は最後尾に落ちるところだったものの,ハースのR.グロージャンがトラブルから予選に出場できていないことから彼が最後尾スタートとなり,ガスリーは19番グリッドからのスタートとなりました。前を走るマシンにアクシデントが発生したりしたこともあって順位を徐々に回復していき,最終的にはポイント獲得まで後1つという11番手でレースを終えています。ペナルティーを受けてまで新しいPUを投入しての今回の結果ですから,次戦以降がどうなるのか楽しみになりますね。
2018/06/10(日)
☆コースレコードで(F1)
◯第7戦カナダGPの予選が,この日も好天に恵まれたジル・ビルヌーブ・サーキットで行われました。トップ10にグリッドを決めるQ3の最初のアタックでトップタイムをマークしたのは,今季好調な走りを見せている中の一人であるフェラーリのS.ベッテルでした。それをメルセデスAMGのV.ボッタスが追うという展開となり,セッション最終盤にラストアタック合戦となりました。そこでもベッテルはタイムを縮め,これまでのコースレコードを大幅に更新する速さを見せて今季4回目となるポールを獲得しました。ベッテルとの差を縮めようとしたボッタスでしたが,そのベッテルからわずか1000分の93秒差で2番手タイムでした。予選前に行われたフリー走行3でもトップタイムをマークし,ここまでのセッション全てでトップタイムだったレッドブルのM.フェルスタッペンでしたが,予選ではベッテルとボッタスの後塵を拝し,3番グリッド獲得で予選を終えています。トロロッソ・ホンダ勢ですが,去就が何かと噂されているB.ハートレーが速さを見せ,Q1を突破してQ2に進出し,そこでの敗退となったものの,12番グリッド獲得で予選を終えています。この大会に新しいPUを投入したホンダでしたが,P.ガスリーの方にトラブルが発生してしまい,前戦まで使用したPUに再び交換するという事態に見舞われ,Q1で敗退して16番グリッドとなりました。
2018/06/09(土)
☆連続で(F1)
◯第7戦カナダGPが開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。好天に恵まれたジル・ビルヌーブ・サーキットで行われたフリー走行でトップタイムをマークしたのは,走行で何かとお騒がせな状況が続いているレッドブルのM.フェルスタッペンでした。前戦モナコGPの勝者で,チームメイトのD.リカルドがマシントラブルで走行できない時間帯があったのに対し,フェルスタッペンは順調に走行していき,2回のフリー走行共にトップタイムをマークしています。リカルドと共に来季の去就が注目されるフェラーリのK.ライコネンですが,トップからコンマ13秒遅れの2番手タイムで初日を終えています。リカルドが3番手タイムをマークし,レッドブル勢がトップ3の内の2つを占めていて,前戦の勢いをそのまま保っているような初日となりました。トロロッソ・ホンダ勢は,B.ハートレーが,トップから1.6秒以上遅れて12番手,P.ガスリーは18番手と大きく出遅れた初日となりました。
2018/06/08(金)
☆獲得状況(MotoGP)
◯昨日お伝えしたように,相次いでMotoGPのシートが驚きを持って決定していますが,ここで2019年シーズンに向けた最高峰クラスのシート獲得状況を整理しておきたいと思います。なお,今回は噂や可能性の高さは含まず,正式発表があったライダーのみ記載しています。
2019年MotoGPクラスのシート獲得状況
チーム ライダー 契約年
レプソル・ホンダ M.マルケス 2020
J.ロレンソ
モビスター・ヤマハ M.ビニャーレス 2020
V.ロッシ
ドゥカティ・チーム A.ドビツィオーゾ 2020
D.ペトルッチ 2019
チーム・スズキ A.リンス 2020
レッドブルKTM J.ザルコ 2020
P.エスパルガロ
アプリリア・レーシング A.エスパルガロ 2020
テック3KTM M.オリベイラ 2019
H.シャーリン
LCRホンダ C.クラッチロー 2019
マークVDS F.モルビデリ 2019
プラマック・レーシング F.バグナイア 2019
アビンティア・ドゥカティ X.シメオン 2019
アスパー・ドゥカティ 未定
2018/06/07(木)
☆契約成立(MotoGP)
◯昨日はHRCとD.ペドロサ,ドゥカティとJ.ロレンソの契約解除についてお伝えしましたが,早くもそれに関する契約,それ以外にも2件の契約成立が発表されましたのでお伝えします。まずHRC関連ですが,レプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサの契約解除に伴い,来シーズンその空いたシートに座ることが決まったのが,何とドゥカティと今季限りで契約解除が決まったロレンソでした。HRCとロレンソが契約するのではないかという噂は,ここ数日の中で急浮上していたのですが,一挙にそれが現実のものとなりました。今回契約が成立したロレンソの契約期間は,東京オリンピックが開かれる2020年までの2年間となっています。私の個人的な考えとしては,ペドロサとの契約を解除してロレンソと契約するという今回のホンダの決定にかなり疑問を感じています。果たして既に契約が成立しているM.マルケスを擁するホンダにとっても,ホンダRC213Vのマシン開発にとっても,そしてドゥカティのマシンであるデスモセディチとの相性に苦しんだばかりのロレンソにとっても,今回の契約成立は本当にプラスに働くのでしょうか??まあ,ド素人の考えですから,余計なお世話でしょうが・・・。そして,ロレンソの抜けたドゥカティワークスのシートには,ドゥカティのインディペンデント(サテライト)チームの中で最も好成績を残してきたアルマ・プラマック・レーシングのD.ペトルッチが昇格することになりました。ドゥカティワークスであるドゥカティ・コルセとD.ペトルッチとは,既に昨シーズンから直接契約が結ばれていました。ホンダでいえば,HRCとC..クラッチローが直接契約していて,参戦チームがホンダのインディペンデントチームの1つであるLCRホンダ・カストロールになっているのと同じケースです。ドゥカティの市販車開発から携わってきたペトルッチとしては,まさに夢のような昇格と言えるでしょう。インディペンデントといえば,今シーズン限りでヤマハとの解約を解除し,来季からKTMのインディペンデントチームになることが既に決まっているテック3から発表があり,今シーズン病気により参戦を突如休止することになったJ.フォルガーの代役としてフル参戦しているH.シャーリンとの間で来シーズンの参戦に関する契約が成立しました。ルーキーシーズンとなるシャーリンですが,突然の最高峰クラスということもあって当初は活躍に疑問符がついていましたが,もちろんチームメイトであるJ.ザルコほどではないにしても,いい意味で大方の予想を裏切る活躍を見せています。今回の契約成立により,KTMは一番乗りで来季の体制が確定しました。まずワークスチームであるレッドブルKTMファクトリー・レーシングですが,P.エスパルガロ&J.ザルコの組み合わせとなり,サテライトであるテック3がM.オリベイラ&H.シャーリンという体制になります。
2018/06/06(水)
☆今季限り(MotoGP)
◯最近の状況を見るとある程度予想されてはいましたが,この度HRCから発表があり,双方合意によりD.ペドロサとの契約を今季限りで終了することが決定しました。2001年にGPにフル参戦を開始したペドロサは,今シーズンまで一貫してホンダのマシンを駆ってきました。GPフル参戦3年目の2003年に125ccクラスチャンピオンに輝くと,翌年から250ccクラスにステップアップし,早速その年から2年連続してチャンピオンに輝きました。中・軽量級クラス3年連続チャンピオンの肩書きを持って2006年から最高峰クラスにホンダのワークスライダーとしてフル参戦し続け,現在に至るまでに歴代8位となる31勝を挙げてきました。残念ながら最高峰クラスでのチャンピオン獲得はならず,ランク2位を3度経験しています。最高峰クラスでのチャンピオンにはなっていなくても,その開発能力の高さから現行のRC213Vをはじめとして,ここまでホンダの最高峰クラスマシンの性能を高めるのに多大なる貢献を果たしてきています。今回の発表では,来季からの去就について一切発表がなく,その動向がとても気になるところですが,ペドロサ=ホンダという図式の継続は通常で考えるとまず不可能な状態であることは間違いありません。ホンダとなるとサテライトチームしか後はシートがありませんが,空いたシートは現段階ではありません。ペドロサのシート獲得にかなり影響がありそうなのが,イタリアGPで優勝したドゥカティ・チームのJ.ロレンソの去就です。そのロレンソは,優勝直後の会見で今季限りでのドゥカティ離脱をほのめかしていて,果たして彼がどのワークスシートを獲得するのかが注目となります。シーズン開幕前から次々にシートが決まっていって,当初はさほど大きな変更が無い可能性がありましたが,ここにきてかなり不透明な状況になってきています。最高峰クラスのシートが埋まらないと中・軽量級クラスの動きにが取れない状況にもなりますので,ここしばらくは全く目が離せませんね。
2018/06/05(火)
☆史上初(MotoGP)
◯ドゥカティに移籍して以来,初めてJ.ロレンソが優勝したイタリアGPにおいて,今シーズン今ひとつ調子が上がらなかったモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシが3位表彰台を獲得し,16ポイントを積み重ねました。このポイントにより,GPにおける通算獲得ポイントが5000を超え,通算5005ポイントとなりました。既に通算獲得ポイントで史上最多記録を更新し続けているロッシですが,当然通算5000ポイント獲得は前人未踏の大記録となりますし,果たしてこれを更新するライダーが今後出てくるのかも疑問だと思われます。ロッシがGPにデビューしたのは,2005年にイタリア選手権でチャンピオンを獲得した翌年の2006年からとなります。スクーデリアAGVアプリリアに所属して125ccクラスにデビューしたロッシは,開幕戦マレーシアGPで6位に入って初ポイントを獲得。その年は1勝を挙げてランク9位で終了しました。そして,デビュー2年目となる2007年に11勝を挙げる圧倒的な速さを見せて見事GP初タイトルを獲得しました。その後は,皆さんご存知のように2年という区切りで250ccクラス,500ccクラスのチャンピオンを獲得し,最高峰クラスが現行のMotoGPクラスになってからは,その初年度からチャンピオンに輝いています。そして,今回のイタリアGPでポイントを積み重ねたことで,キャリア23年,通算371戦目での5000ポイント獲得に至っています。まさに『生ける伝説』という言葉がふさわしいライダーですね。
2018/06/04(月)
☆初優勝(MotoGP)
◯第6戦イタリアGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったムジェロ・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,2番グリッドからスタートしたドゥカティ・チームのJ.ロレンソが好スタートを切ってホールショットを奪うと,ヤマハに所属していた頃の勝ちパターンを思い出させるかのように後続との差を広げて行き,2位に6秒以上の差をつけて独走でトップチェッカーを受けました。昨シーズンからドゥカティに移籍して以来,マシンとの相性に苦しんで来季の動向が不安視されているロレンソですが,ロッシでさえも成し遂げなかったドゥカティでの勝利をようやく収めることが出来ました。今回の優勝は,来季のシート獲得競争に大きく影響を与えることになるかもしれない大きなものとなるかもしれません。2位にチームメイトのA.ドビツィオーゾが入り,イタリアの大会でイタリアンチームのワンツーという、イタリアにとってはこの上ないリザルトとなりました。その「この植えないリザルト」により一層華を添えたのは,3位争いを勝ち抜いてモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシが3位表彰台を獲得したことでしょう。トップ2は独走態勢だったのですが,3位は複数台による抜きつ抜かれつのバトルが展開されました。そして、イタリアの英雄であるロッシがそのバトルを勝ち抜いて3位に入ったのです。イタリア人にとってはこれ以上ない結果となった今大会でした。スズキは惜しくも表彰台を獲得することが出来ませんでしたが,4,5位にsどれぞれA.イアンノーネ,A.リンスのチーム・スズキ・エクスター勢が入っています。ドゥカティ,ヤマハ,スズキがトップ争いを展開していったのに対し,今年好調なホンダ勢,中でもレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスはレースウィークに入ってそれまでの圧倒的速さが影を潜めました。チームメイトのD/.ペドロサに関しては,タイミングモニターの後ろの方にしか名前が出ていない状況も見られました。決勝レースでもその傾向は変わらず,5周目に転倒を喫して大きく順位を落とし,ポイント圏外でのチェッカーとなりました。チームメイトのペドロサは,転倒リタイアに終わっています。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶も転倒を喫してしまい,ピットインしてマシン修復後再びコースに戻り,最下位となる18位でのチェッカーとなりました。ホンダ勢のトップは,LCRホンダ・カストロールのC.クラッチローが入った6位が最高位でした。
Moto2クラスは,ポールからスタートしたイタルトランス・レーシング・チームのM.パシーニがトップを走行していた14周目に転倒を喫してリタイアに終わりました。その後は4台による激しいトップ争いが展開され,レッドブルKTMアジョのM.オリベイラが,2位に入ったポンスHP40のL.バルダッサーリにわずかコンマ184秒の僅差をつけて今季初優勝を飾りました。3位には,こちらもトップからコンマ334秒差という僅差でエストレージャ・ガルシア・マークVDSのJ.ミルが入っています。来シーズンの動向が取り沙汰されているMoto2クラスルーキーのミルですが,今回も表彰台を獲得したことで,ワークスライダーとしてMotoGPクラスに昇格する可能性が一層高まったのかもしれません。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの長島哲太は,ポイント圏内を走行中に他のライダーと接触して転倒し,今季初めてリタイアに終わっています。
Moto3クラスは,前日に行われた予選で2人の日本人がトップ3に入りましたので,レース結果がとても楽しみになっていました。ところが,スタートを切ると日本人ライダー勢はポジションダウンを喫していき,ポイント圏外へと去って行きました。それに対してポールからスタートしたデル・コンカ・グレシーニMoto3のJ.マルティンは好スタートを切り,それをレドックス・プステルGPのM.ベッツェッキ,マルティンのチームメイトであるF.ディ.ジャンアントニオが絡んでいくという展開となりました。3台によるバトルは最後まで続き,最終的にマルティンが今季4勝目を挙げました。わずか1000分の19秒差でベッツェッキが,1000分の43秒差でジャンアントニオが入っています。日本人ライダー勢は,ペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢が16位,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が17位,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡が20位,RBEボエ・スカル・ライダーの真崎一輝が22位と,誰一人ポイントを獲得できないままレースを終えています。予選がとてもよかっただけに,今回の決勝はそれとは真逆の結果となってしまいました。
2018/06/01(金)
☆行先は?(MotoGP)
○今日から第6戦イタリアGPが開幕しますが,それを前にして今回が母国GPとなるチーム・スズキ・エクスターのA.イアンノーネが発表し,今シーズン末でスズキとの契約が切れますが,それをもってスズキとの契約が外序となることが決定しました。ドゥカティのワークスライダーだったイアンノーネは,昨シーズンからスズキに移籍していました。その初年度はマシン自体の戦闘力不足が影響したこともあって,優勝争いに絡むことが出来ないままシーズンを終えていました。今シーズンになってマシンの戦闘力が上がってきて,チームメイトのA.リンスが初表彰台を獲得すると,シート獲得を目指すイアンノーネもようやく表彰台を獲得することが出来ました。しかし,まだ噂の段階ではあるものの,その将来性を高く買われている現在エストレージャ・ガルシア・マークVDSに所属してMoto2クラスにフル参戦しているJ.ミルをスズキが獲得することを目指しているのではないかと言われていて,イアンノーネのスズキにおけるシート獲得は厳しい状況にあります。今回の発表は,そのような状況を受けてのものだと思われます。今回の発表では来季からどのチームに所属するかの発表はありませんでしたが,彼自身はワークスチームを目指しているようです。そうなると現在噂に上っているのが,既にA.エスパルガロが契約延長は決定しているアプリリアです。
もう一人来季のシートが不安定になっているライダーがいます。それが,今シーズン末で契約が切れる予定のドゥカティ・チームのJ.ロレンソです。昨年ヤマハのワークスからドゥカティワークスライダーとなったロレンソですが,当初から不安視されていたものの,彼のライディングスタイルとは合わないデスモセディチに手を焼いている状況にあります。各メーカーのワークスのシートがどんどん埋まってきている中,ロレンソが今シーズン限りで引退するのではないかという噂も浮上してきています。そのような中,そのロレンソから発表があり,今シーズンでの引退はなく,あと2年はMotoGPへ継続して参戦するということです。ただ,それはドゥカティとの契約延長が決まったということではありません。これはまだ噂に過ぎませんが,どうやらワークスチームから離れ,サテライトチームからの参戦になるのではないかと言うことです。そして,その候補となるのが,今シーズンでホンダとのサテライト契約解除が決まっているエストレージャ・ガルシア・マークVDSです。同チームに関しては,来季どのエンジンを使用するのかが決まっていませんが,現在最も可能性が高くなっているのがヤマハです。ヤマハのサテライトチームであるモンスター・ヤマハ・テック3は,今シーズン限りでヤマハとの契約が解除となり,来季からKTMのエンジンを使用することになるのが決定しています。それを受けて,エストレージャ・ガルシア・マークVDSがヤマハのサテライトチームになる可能性が高まっているのです。ヤマハのマシンであるYZR-M1とロレンソの相性はいいですから,型落ちのマシンになる可能性は高いものの,ドゥカティのマシンを駆るよりはロレンソにとって相当戦闘力が上がることも十分考えられます。今回の2人の今後がどうなるのか,しばらく要注目となります。
 

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