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最新ニュース

2018/01/31(水)
☆総合トップ(MotoGP)
○3日間にわたって行われた今年最初のオフィシャルテスト最終日の走行が,マレーシアにあるセパン・インターナショナル・サーキットで行なわれました。この日のトップタイムをマークしたのは,昨年ドゥカティに移籍したものの,乗り換えに苦労したこともあって未勝利に終わってしまったドゥカティ・チームのJ.ロレンソでした。そのロレンソがマークしたタイムは1分58秒83でした。これは今回のテストで唯一となる1分58秒台で,もちろん3日間を通しての総合トップタイムとなります。この日の2番手タイムをマークしたのは,今回のテスト初日にトップタイムをマークしたレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサでした。ホンダもサテライトチームであるLCRホンダ・カストロールのC.クラッチローが,今季型RC213Vの開発を担いながら2日連続となる3番手タイムをマークしています。4番手タイムをドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾがマークし,昨年タイトル争いをしたホンダとドゥカティのワークスマシンがトップ4を独占した形となりました。初日はルーキーライダーの中でトップタイムをマークしたものの,2日目は転倒したこともあってタイムアップならずに21番手タイムに終わっていたLCRホンダ・イデミツの中上貴晶でしたが,最終日は順調に走行をこなし,14番手タイムをマークして再びルーキーライダー最速となりました。2日目に転倒を喫してしまったレッドブルKTMファクトリー・レーシングのP.エスパルガロは,大事を取って最終日の走行をキャンセルしています。これで今季最初のテストが終了し,今季2回目となる次回のオフィシャルテストは,2月16日から3日間にわたって今年初開催となるタイのチャーン・インターナショナル・サーキットで行われる予定になっています。
2018/01/30(火)
☆ワンツー&僅差(MotoGP)
○今季最初のオフィシャルテスト2日目の走行が,ドライコンディションとなったマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行なわれました。この日トップタイムをマークしたのは,初日の走行を13番手タイムで終えたモビスター・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスでした。チームメイトのV.ロッシが2番手タイムをマークし,ヤマハのワークスライダーのワンツーとなりました。両者の差はとても僅差で,わずか1000分の35秒でした。3番手タイムをホンダのサテライトチームであるLCRホンダ・カストロールのC.クラッチローで,こちらはトップとの差が1000分の88秒と,こちらも僅差でした。この日はどのライダーもタイムが迫っていて,14番手タイムだったレッドブルKTMファクトリー・レーシングのP.エスパルガロまでがトップから1秒以内の差でした。こうした僅差の度合いというのは,レースウィークに入った予選の時に見られることがありますが,テストでは珍しいことです。この日目立ったのが,一昨年からマシン開発の中で注目を浴びているエアロパーツでした。一昨年流行したような空力デバイスはレギュレーションで禁止されているものの,昨シーズンのドゥカティのようにフロントカウル全体が空力デバイスになっているものは今季も認められています。この日の走行では,前日にも試しているヤマハはもちろん,このテストの前に行われた合同テストでHRCのテストライダーを務める青山博一がメインになって開発していたハンマーヘッド状のカウルを,ワークスの2人が試していました。ルーキーライダーで見ると,初日はLCRホンダ・イデミツの中上貴晶がトップタイムでしたが,この日はタイムをタイムをのばすことができず,21番手で2日目を終えていて,トップはエストレージャ・ガルシア・マークVDSのF.モルビデリがマークした17番手が最高位でした。
2018/01/29(月)
☆予選に続いて(MotoGP)
○ついに今シーズン最初の公式な走行となるオフィシャルテストが,マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで始まりました。この日のセパンは,走り始めはウェットコンディションでしたが,徐々に乾いていき,午後はドライでの走行となりました。そうしたコンディションの中,今季最初の走行でトップタイムをマークしたのは,今年でGP通算18年目を迎えたレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサでした。昨年のマレーシアGPでポールを獲得したのがペドロサでしたから,それに続くマレーシアでのトップタイムとなります。今年初の走行ですから,まだまだマシンにしてもライダーにしても十分なものになっていないはずですが,今回のペドロサのタイムを昨年の予選のタイムと比べると,わずかコンマ2秒ほどしか違っていません。マレーシアGPは17戦として行われましたから,マシンがかなり熟成された中でのポールタイムだったわけで,それとほとんど変わらないタイムで初日を走行したわけで,今年は各大会で昨年のタイムを上回ることが予想されるシーズンとなりそうな予感をさせる初日の走行と言えます。2番手タイムをマークしたのは,昨年シーズン終盤までM.マルケスとタイトル争いをしたドゥカティ・チームのA.イアンノーネでした。3番手タイムをチームメイトのJ.ロレンソがマークするとともに,4,5番手タイムをドゥカティのサテライトチームであるアルマ・プラマック・レーシングのD.ペトルッチとJ.ミラーがそれぞれマークしていて,ドゥカティのデスモセディチGP18が好発進を決めています。ヤマハ勢では,モビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシの6番手が最高位でした。連覇を狙うレプソル・ホンダ・チームのマルケスは,ロッシに次ぐ7番手タイムで初日を終えています。今季4名のルーキーライダーがいる最高峰クラスですが,その中でトップタイムをマークしたのは,LCRホンダ・イデミツの中上貴晶の12番手でした。久々の日本人MotoGPクラスライダーとなった中上ですが,好スタートを切って今シーズンに期待を持たせてくれました。
2018/01/28(日)
☆テスト開始(MotoGP)
○昨日もお伝えしたように,今日から3日間にわたってマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで今季初となるMotoGPクラスのオフィシャルテストが始まります。今回のテストには,12チーム24名のレギュラーライダーと,5メーカー8名のテストライダーが参加する予定になっています。まず,3冠連覇を目指すホンダは,HRC契約ライダーの内のM.マルケス,D.ペドロサ,C.クラッチローが今季型プロトタイプマシンを駆ることになるようです。HRC契約ライダーである中上貴晶は,さすがにルーキーシーズンだけに熟成されている昨年型のRC213Vを駆るようです。中上と同じくルーキーイヤーとなるサテライトチームのT.ルティは,昨シーズン終盤に負ったケガによりテストを含めて欠場していたため,今回が初の走行となります。昨年思うような結果が残せなかったヤマハは,ワークスの2人が今季型を,サテライトが昨年型を駆るようですが,先日突然体調不良により今季の参戦をとりやめたJ.フォルガーの代役として,SBKにフル参戦する予定のY.エルナンデスが今回のテストに参加することになりました。昨日今回の会場で今季の参戦体制発表会を行ったスズキは,その時お披露目した今季型マシンをA.イアンノーネとA.リンスが駆ります。昨日の発表会の時に公開された今季型のGSX-Rは,素人目には昨年型とあまり変化を感じさせなかったのですが,チームによるとかなり部分で見直しを図っているとのことです。昨年終盤までチャンピオン争いを展開したドゥカティは,ファクトリー契約のライダーとテストライダーが今季型となるデスモセディチGP18を,J.ミラー,T.ラバトのルーキーライダーとA.バウティスタが昨年型のGP17を,K.アブラハムとルーキーのX.シメオンが一昨年型GP16を駆ることになるようです。KTMは,ワークスライダーに加え,5大会でワイルドカード参戦が決まっているテストライダーのM.カリオが参加します。アプリリアは,昨シーズンから継続となるA.エスパルガロと,今季同チームに移籍してきたS.レディングが今季型RS-GPを駆ることになります。
2018/01/27(土)
☆ホンダも(MotoGP)
○いよいよ明日から今シーズン最初のオフィシャルテストが,マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで始まります。ようやくMotoGPも2018年シーズンが始まりの時を迎えることになります。そのテストに向け,24日付のこのページでもお伝えしたように,1月24日(水)から3日間にわたってそのセパン・インターナショナル・サーキットで合同テストが行われました。レギュラーライダーはオフィシャルテストまでテスト禁止期間になっていることからこのテストには参加することができず,各メーカーともテストライダーを中心にしてこのテストに臨みました。今回のテストで注目を浴びたのは,ホンダの空力に関する取り組みでしょう。一昨年シーズンにトレンドとなったのがウィング形状の空力デバイスでした。そのウィングに関してそれほど目立つものを取り入れていなかったのがホンダでした。昨シーズンはウィング形状のものが禁止されたため,ドゥカティのようにハンマーヘッドカウルを投入して対応しました。その中であってもホンダのカウルはそれほど大きく目立つものではありませんでした。ところが,今回のテストでは,報道によると青山博一が3種類のカウルをテストしたようです。公開された画像を見ると,ホンダも昨シーズンのドゥカティのようにハンマーヘッドカウルを投入したようで,昨年3冠を達成し,今季連覇を目指すRC213Vに大きな変革をもたらしている印象です。果たして明日から始まるオフィシャルテストに,今回のようなマシンが登場するのか注目となります。なお,今回のテストには,青山の他に高橋巧とS.ブラドルが参加しましたが,新型カウルに取り組んだのは青山で,高橋巧は自身が昨年チャンピオンを獲得したマシンであるCBR1000RR SP2の開発に専念したようです。
2018/01/26(金)
☆4&6人目(MotoGP)
○Moto3クラスにフル参戦するRBAボエ・スカル・ライダーから発表があり,福岡出身の17歳ライダーである真崎一輝を起用することになりました。今シーズンの同チームは,当初G.ロドリゴとJ.グェバラを起用することになっていました。ところが,グェバラが昨年末に突然の引退を発表し,そのシートが空席となっていました。そこに白羽の矢が立ったのが,今回契約が成立した真崎でした。その真崎ですが,昨年DORNAが運営しているMotoGPライダー育成プロジェクトの一員で,昨年はレッドブルMotoGPルーキーズカップにおいて見事チャンピオンを獲得しました。その他,一昨年シーズンからMoto3ジュニア世界選手権にフル参戦を開始し,その年がランク10位,昨年がランク6位を獲得しています。さらに,ルーキーズカップチャンピオンとして昨年の最終戦バレンシアGPにワイルドカード参戦し,デビューレースでいきなり10位入賞を果たしました。そうした将来性を感じさせるリザルトを受け,今回の採用となっています。真崎のフル参戦により,今シーズンのMoto3クラスには,真崎をはじめ,元々フル参戦が決まっている鈴木竜生,佐々木歩夢,鳥羽海渡という4名の日本人ライダーがエントリーすることになりました。また,Moto2クラスに長島哲太が,そしてMotoGPクラスに中上貴晶がフル参戦しますので,MotoGP全体で見ると6人の日本人ライダーがフル参戦することになります。かつて125ccクラス時代に大所帯となっていた時期があった日本人ライダー勢ですが,今年はそれに匹敵する人数となっています。その当時は,坂田和人がチャンピオンを獲得したり,日本人ライダーが表彰台を独占したりというような大活躍をした時代でもありました。現実的にはその当時のような状況になることは厳しいですが,少しでもそれに近づけるようになるといいですね。なお,真崎が所属するRBAボエ・スカル・ライダーは,KTM RC250GPを駆っての参戦となります。他の日本人ライダーは,全員ホンダのMoto3クラスにおけるワークスマシンであるNSF250RWを駆ります。
2018/01/25(木)
☆契約延長(MotoGP)
○ヤマハのワークスチームであるモビスター・ヤマハMotoGPが,1月24日(水)にスペインのマドリードで今シーズンの体制発表会を開きました。今シーズンの同チームは,昨シーズンに引き続いてV.ロッシ&M.ビニャーレスの体制で臨みます。昨シーズンは,シーズン中盤までは勝利を挙げたりしてチャンピオン争いの渦中にありましたが,シーズンが進むに連れて失速し,ビニャーレスがランク3位,ロッシはランク5位でシーズンを終えています。それだけに,今シーズンにかける意気込みは大きくなっているでしょう。その彼らが駆るのが今季型のYZR-M1ですが,昨シーズン終了後にバレンシア・サーキットで行われたオフィシャルテストでは,一昨年の空力デバイスを思わせるようなウィング形状のパーツを装着していましたが,昨日公開されたマシンではそうしたものは見られませんでした。カラーリングについても大まかな点では変化がありませんでしたが,はっきりと分かるのはタイトルスポンサーを務めるモビスター社のロゴである"M"の部分が,これまでは黄緑系の色でしたが,今シーズンのは白になっています。同社のロゴは青系で,同チームの主体となるカラーが青系ですので,本来の色が使えず,今回のように白になっているものと思われます。今回の発表会で最も注目を集めたのは,昨シーズンからヤマハのワークスライダーとなったビニャーレスが,そのヤマハとの契約を早くも延長したことでしょう。多くのワークスライダーと同じく,ビニャーレスも今シーズンで契約が切れることになっていました。今回の契約により,彼は少なくとも2020年までその役割を継続することになります。ビニャーレスが2年間の契約延長をしたのに対して,ロッシの契約については,発表がありませんでした。来月で39歳となるロッシですから,毎年現役ライダーを続けるかどうかが注目となります。今季で契約が切れるロッシですが,これまでだと契約延長は当然の線でしたが,現在の状況ではまず現役を続けるかどうかが最初の選択肢となります。シーズン序盤でその判断を下すことは間違いありませんから,ロッシにとっては開幕からの1戦1戦が今まで以上に大きな意味を持つことになります。
2018/01/24(水)
☆先陣を切って(MotoGP)
○今月28日(日)からいよいよ今シーズン初となるオフィシャルテストが実施されますが,それに先駆けて今日からテストライダーたちがマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットに集まって,ファクトリーテストを実施します。そのテストに参加するライダーの内訳ですが,まず,昨年3つのタイトルを獲得したホンダは,青山博一と高橋巧のテストライダーに加え,昨シーズンSBKにフル参戦し,今シーズンは青山たちと同じくHRCのテストライダーを務めることになったS.ブラドルが参加します。ランク2位になったドゥカティは,今シーズンもドゥカティのテストライダーを務める元チャンピオンのC.ストーナーと,同じく継続となるM.ピロが参加します。今シーズンのピロは,テストだけでなく,母国GPとなる第6戦イタリアGPと第13戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGP,さらに自身初優勝を達成した経験のある最終戦バレンシアGPにワイルドカードで参戦する予定になっています。昨年シーズン中盤になって失速し,今シーズンはその巻き返しを図るヤマハは,中須賀克行と野左根航汰の2人の日本人テストライダーに加え,元GPライダーで,SBKでタイトルを獲得した経歴を持つS.ギュントーリも参加することになっています。昨シーズンからフル参戦を開始したKTMは,昨シーズンと同じくテストライダーを務めるM.カリオと,元SBKライダーのM.バイコットを起用します。カリオについては,昨年と同じくワイルドカード参戦を予定していて,今シーズンは第4戦スペインGPをはじめ,第7戦カタルーニャGP,第9戦ドイツGP,そしてチームにとっての母国GPである第11戦オーストリアGP,さらに第14戦アラゴンGPの5大会に参加します。
2018/01/23(火)
☆降雪(SGT)
○4年ぶりとなる大雪に見舞われ,関東地方にお住まいの方には様々な影響があったのではないかと思われます。災難に見舞われた方々にお見舞い申し上げます。今回の降雪は,レースの世界にも影響を与えたようです。昨日は,トヨタテクノクラフト社のブランドの1つである"TRD"のメーカー占有テストが,トヨタが所有するサーキットである富士スピードウェイで行われました。今回のテストには,SGTのGT500クラスに参戦するトヨタ系の4チームと,全日本F3に参戦するTEAM TOM'Sの2台,FIA F4に参戦するTOM'S SPIRITの2台が参加しました。同じトヨタ系とはいえ,GT車両とフォーミュラカーとが混走するという,イベントではなくはないですが,通常のテストではほとんど目にすることができない光景が展開されるものとなりました。ちなみに,SGTの4チームとは,昨年のチャンピオンチームであるLEXUS TEAM KeePer TOM’Sをはじめ,LEXUS TEAM LEMANS WAKO’S,LEXUS TEAM ZENT CERUMO,LEXUS TEAM SARDです。とても寒い中で始まった走行でしたが,1時間もしないうちに降雪に見舞われて大変スリッピーな状況となったようです。そして,場所によってはほとんどブレーキが効かないところも出てきてコースオフが続出したため,そこで走行を打ち切りました。午後になっても雪が降り積もる状況に変わりはなく,この日の走行はそのまま終了となりました。今季型マシンの開発にとって重要な機会となるはずだったのでしょうが,わずか1時間足らずで終了となってしまいました。
2018/01/22(月)
☆有終の美(ダカール)
○1月6日(土)から2週間にわたって行われたダカール・ラリーが,1月20日(土)にゴールを迎えました。今年の大会は,かなり厳しいコース設定がなされていて,1月12日(金)付けのこのページでもお伝えしたように,大会序盤で優勝候補が次々に脱落していくという状況でした。そのような中,4輪で力を見せたのは,元WRCチャンピオンで,プジョー3008DKR Maxiを駆るC.サインツでした。終盤まではチームメイトのS.ペテランセルとの競り合いが見られましたが,最終盤に入ってそのペテランセルにアクシデントが発生して優勝争いから脱落。それに対してサインツは最後まで安定した走りを見せて最終日を迎え,最後は2位に入ったトヨタ・ハイラックスを駆るN.アル・アティアに43分以上の大差をつける独走で2010年以来自身2度目となる優勝を飾りました。プジョーの優勝はこれで3連勝となりますが,来シーズンからの撤退が既に発表されていますので,プジョーにとっては有終の美を飾ったことになります。プジョーの独走は許したものの,3位にZ.ドゥ・ビリエが入って,トヨタ勢が表彰台3つの内2つを占めました。そのトヨタですが,市販車部門5連覇を目指して参戦し,社員でもある三浦昂とコ・ドライバーのL.リシトロイスターが見事クラス優勝を飾りました。三浦にとっては,もちろんこれが自身初優勝となります。トラック部門では,10リットル未満クラスでの優勝を目指している日野チーム・スガワラの菅原照仁&高橋貢組が,こちらも見事に優勝を果たしています。しかも,10リットルを超えるマシンがたくさん走る中,それらを押さえて総合6位に入るという健闘を見せています。同チームのクラス優勝は,これで9連覇となります。
2輪部門は,中盤にヤマハのJ.ベ.フェレンがトップに立っていましたが,転倒によりケガをしてリタイアとなり,最終的にKTMとホンダとが最終日まで優勝争いを展開していきました。そして,トップを走るKTM450ラリーを駆るM.ウォークナーは,2位につけていたホンダCRF450RALLYを駆るモンスターエナジー・ホンダ・チームのK.ベナバイズに20分以上の差をつけて最終日をスタートし,最終的に16分の差をつけてゴールを果たして大会を制しました。KTMがダカール・ラリーで優勝するのは,今回の勝利を含めて通算17回目となります。3位には,チームメイトのT.プライスが入っています。
2018/01/21(日)
☆新車発表日(F1)
○年が明けましたが,サーキットを使ってのレースの年明けはまだまだといった感がありますが,それでも日一日とその日が近付いてきていることは間違いありません。F1の年明けは,2月26日(月)にスペインのバルセロナにあるカタルニア・サーキットで行われる予定のプレシーズンテストになります。現在はそれに向けてマシン開発の真っ最中でしょうが,それでも今シーズンからホンダと組むトロロッソの今季型マシンがクラッシュテストを合格したというニュースが流れたりしています。さらに,その今季型マシンのお披露目がいつになるのか気になるところですが,その日をいつにするか各チームから少しずつ発表されています。まず,昨シーズンのタイトル争いにおいて,シーズン中盤まで激しく競り合っていたメルセデスAMGとスクーデリア・フェラーリですが,どちらも仲よく(?)2月22日(木)に新車発表を行うことになりました。まずフェラーリですが,こちらについては昨年12月に既にお披露目日を発表していて,お披露目方法はオンラインでのものとなります。昨シーズンもチャンピオンを獲得したメルセデスAMGの今季型マシンである"W09 EQ Power+"のお披露目は,イギリスのシルバーストーン・サーキットとなり,その場でシェイクダウン走行を行うとのことです。昨シーズン限りで3年間にわたるホンダとのタッグを解消し,今シーズンから新たにルノーとのコラボとなるマクラーレンは,2月23日(金)に行うことになりました。今季型マシンである"MCL33"については,噂では同チームのトラディショナルカラーであるパパイヤ・オレンジが復活するのではないかといわれています。ホンダとのタッグを解消したマクラーレンに対し,新たにホンダとタッグを組むことになったトロロッソは,テスト前日の2月25日(日)に今季型マシン"STR13"のお披露目を同地で行うことになりました。
2018/01/20(土)
☆優先(SF)
○場合によっては来シーズンから,現実的には再来年からF1にステップアップするのに必要なスーパーライセンスを獲得する可能性のある日本人ドライバーは,今シーズンからSFにTEAM MUGENから参戦することになった福住仁嶺です。その福住は,レッドブル本社ではありませんが,レッドブル・ジャパンとの間でアスリート契約がこの度結ばれ,ヘルメットやマシン等にレッドブルのロゴが飾られることになります。レッドブルといえば,今シーズンからF1においてホンダが締結したトロロッソの親会社ですし,福住自身ホンダの育成ドライバーですから,トロロッソからF1へステップアップする道が開ける可能性を持っています。それだけに,今シーズンの成績は非常に大事になってきます。SFに参戦する福住ですが,彼の参戦はそれだけでなく,F1へのステップアップカテゴリーの1つであるF2にアーデンから参戦することになっています。その2つのカテゴリーは,残念ながらカレンダーにバッティングしている大会があり,どちらに参戦するのか選択しないといけない状況にあります。その点についてこの度発表があり,日程がバッティングしたSFのオートポリス,スポーツランドSUGO,富士スピードウェイの3戦を欠場し,F2の方に出場することになりました。日本国内のファンとしては直接彼の走りを見られないラウンドがあるのは残念ですが,今回の選択はF1へのステップアップために当然と言えます。というのも,スーパーライセンス獲得のための基準として,各カテゴリーにそれぞれFIAが決めたポイントがあります。そして,そのポイントの割り振りは,SFよりもF2の方が高くなっているという現実があります。マシンのポテンシャル自体はSFの方があるのですが,やはりヨーロッパのレースが優先されるのは致し方ないところです。ぜひステップアップを目指して,国内で走れない分も頑張って欲しいですね。
2018/01/19(金)
☆空席に(MotoGP)
○4輪の最高峰であるF1は,年が明けてからようやく全てのシートが埋まりましたが,2輪の最高峰であるMotoGPについては,昨年の段階で全てのシートが埋まりました。ところが,ここに来てまさかの事態となりました。ヤマハで唯一のサテライトチームであるモンスター・ヤマハ・テック3から1月17日(水)に発表があり,昨年に続いて今シーズンも起用することになっていたJ.フォルガーが,今シーズンを欠場することになりました。昨年Moto2クラスからJ.ザルコと共にステップアップして同チームに所属することになったフォルガーは,ザルコの後塵は拝したものの,ルーキーイヤーとしては十分な活躍を見せていました。ところが,シーズン終盤に入ってそれまで抱えていた体調不良がさらに悪化し,第15戦日本GPからの4戦を欠場する事態となりました。精密検査をした結果,彼が以前罹患した経験のある肝臓の代謝解毒が正常に機能しない『ジルベール症候群』に罹患していることが判明しました。その後,今シーズン最初に行われる公式テストからの復帰に向けてトレーニングをしていたようです。ところが,体調の回復が思うようにならず,こうしたことが原因で肉体的だけでなく精神的にも完全ではない状況に陥ったようです。こうした状況を受け,彼のパーソナルマネージャーからチームに対して今シーズンの欠場を伝えたということです。あまりに突然の連絡だったため,チームとしても大変困惑しているようです。最高峰クラスのライダーですから,誰でもいいというわけにはいきません。現段階では主要なライダーのシートは既に決まっていますから,代役探しも一朝一夕にはいきません。今回のチームの発表では,代役が誰になるのかまでは至っていませんが,これもやむを得ないことです。今後の発表を待ちたいと思います。
2018/01/18(木)
☆決定(F1)
○1月16日(火)にウィリアムズF1チームから発表があり,唯一決まっていなかったウィリアムズの最後のシートにルーキードライバーのS.シトロキンが座ることになりました。昨シーズンをもってF.マッサが引退をし,その空いたシートに誰が座るのかなかなか発表がなく,ようやく年が明けて正式発表となりました。この残りのシートに誰が座るのか注目を集める中,候補の一番手に上がっていたのが,元F1ドライバーのR.クビカでした。そのクビカは,以前近い将来のチャンピオン候補の一人と目されていたのですが,シーズン終了後に参加したラリーのレースにおいてドライバー生命に関わる大怪我を手に負ってしまいました。その後数回にわたる手術をし,不屈の精神でレースの世界に帰ってきました。ところが,年末になってくるとクビカの立場が危ういのではないかという観測が流れるようになり,最近ではシトロキンがナンバーワン候補と目されるようになりました。そして,その通り彼がレギュラードライバーに採用されました。今回の契約成立により,ウィリアムズにはシトロキンの持ち込み資金である1500万ユーロ(20億円超)ほどがもたらされる見込みのようです。残念ながらレギュラードライバーの座に返り咲くことができなかったクビカについては,同チームのリザーブ&開発ドライバーとして契約が成立していて,レギュラードライバーが出場できない状況になった場合,彼が代役で参戦する機会を得ることになります。
なお,今回の発表で全てのシートが埋まることになり,具体的なドライバーラインナップは以下の表のようになります。
2018年 F1ドライバーラインナップ
チーム名 ドライバー
メルセデス 44 L.ハミルトン
77 V.ボッタス
フェラーリ 5 S.ベッテル
7 K.ライコネン
レッドブル 3 D.リカルド
33 M.フェルスタッペン
マクラーレン 14 F.アロンソ
2 S.バンドーン
ルノー 27 N.ヒュルケンベルグ
55 C.サインツ
フォース・インディア 11 S.ペレス
31 E.オコン
ウィリアムズ 18 L.ストロール
? S.シトロキン
トロ・ロッソ 10 P.ガスリー
27 B.ハートレー
ハース 8 R.グロージャン
20 K.マグヌッセン
ザウバー 9 M.エリクソン
16 S.ルクレール
2018/01/17(水)
☆カラーリング変更(MotoGP)
1月15日(月)にイタリアのボローニャにあるドゥカティ・ホールにおいて,今シーズンの体制発表会が開かれました。今シーズンのドゥカティは,昨年に引き続いてこれまで同チームに所属してきたA.ドビツィオーゾと,長年ヤマハのワークスライダーとして活躍し,昨年ドゥカティに所属するようになったJ.ロレンソのタッグで臨むことになっています。昨年のドビツィオーゾは,一時ランクトップに立ち,終盤に入ってレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスに差を広げられてしまいましたが,最終戦までタイトル争いを持ち込む活躍を見せました。ロレンソについては,やはりヤマハのマシンの乗り方に慣れているため,マシンの乗り換えにとても苦労し,結局1勝もできないままシーズンを終えています。ドビツィオーゾとしては昨シーズン取り逃したタイトルを獲得するために,そしてロレンソとしては昨年の雪辱を果たすために,今シーズンに対する意気込みはかなり強いものと思われます。その2人のライダーが駆る今季型のデスモセディチGPも,この会で披露されました。まず目を引くのは,これまでタバコブランドであるマールボロの支援を受けていることもあって赤と白のカラーリングでしたが,今季型を見ると,もちろんこれまでと同様に赤と白を基調としていますがそれに加えてグレーのラインがマシンの中央を通っています。一昨年ウィングが一つのトレンドになりましたが,昨年からレギュレーションの変更により大きく突起したものは禁止となりました。そのような中,ドゥカティはカウル自体にウィングと同じような働きがあるのではないかという独特なものを採用し,フロントに不安を抱えるロレンソが主となってこの形状のマシンを使用しました。今回公開されたマシンもさらに進化したカウルになっています。ただ,これまでのドゥカティを考えると,実際のテストが始まると,発表会のマシンとは違うものを走らせることもありますから,今月末にマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われるテストでは,別の形状のものが登場する可能性があります。今季型マシンで目を引く他の特徴は,リアブレーキにあります。通常は当然右脚の部分にブレーキペダルがありますが,今回のマシンを見ると,左ハンドルの部分に親指で操作するレバーがついています。親指でリアブレーキを操作するといえば,レジェンドライダーの一人であるホンダのM.ドゥーハンが,レース中に負った大怪我の影響から右脚が思うように動かせなくなり,その代役として親指ブレーキを採用した歴史があります。昨年ロレンソが同様のブレーキを採用した経緯がありますが,私たち凡人には分からない大きなメリットがあるのかもしれませんね。
2018/01/16(火)
☆参戦体制 PART4(SGT)
○ホンダから発表された今シーズンのモータースポーツ参戦体制についての4日目は,シリーズの中で最も観客動員が多いSGTについてです。
今シーズンも昨年から投入されたNSX-GTを駆ることになるホンダ陣営ですが,その中で最も注目となるのが,何といっても昨年のホンダ・レーシング・サンクスデーで自ら発表があった元F1チャンピオンであるJ.バトンのフル参戦でしょう。もちろん過去にも,そして現在でも元F1ドライバーが参戦することはありましたが,チャンピオンのフル参戦はSGT史上初となります。それほどに今季のSGTにおける最大の目玉というバトンの登場ですが,彼が所属することになったのは,国内におけるレジェンドドライバーの一人で,『国さん』の相性で親しまれている高橋国光のチームであるTEAM KUNIMITSUです。そして,チームメイトは,国内ホンダのエースドライバーである山本尚貴です。山本は,ホンダ陣営では最高位となるランク7位で昨シーズンを終えていて,チームに残留してのフル参戦となります。小柄な山本と大柄なバトンで,身長差がある組み合わせではありますが,その点は乗り換えた時にマシンを素早く調整してどうにかなるようです。バトンがTEAM KUNIMITSUに加入したことで,昨年山本とコンビを組んでいた伊沢拓也は,以前所属したことがあるAUTOBACS RACING TEAM AGURIに復帰することになり,チーム残留の野尻智紀とのタッグを組みます。伊沢が加わったことで,昨年所属していた小林崇志が押し出された形となっています。全部で5チームへのマシン供給ですが,他のチームについては,昨シーズンからの残留です。
なお,具体的な参戦体制は,以下の表のようになっています。
2018年 ホンダ4輪参戦体制(SGT)
チーム名 ドライバー
AUTOBACS RACING TEAM AGURI 8 野尻 智紀
伊沢 拓也
TEAM MUGEN 16 武藤 英紀
中嶋 大祐
KEIHIN REAL RACING 17 塚越 広大
木暮 卓史
Epson Nakajima Racing 64 B.バゲット
松浦 孝亮
TEAM KUNIMITSU 100 山本 尚貴
J.バトン
2018/01/15(月)
☆参戦体制 PART3(SF)
○ホンダから発表された今シーズンの参戦体制について3日目は,国内外のフォーミュラ-カー最高峰についてです。
まず,海外におけるフォーミュラカーの最高峰であるF1については,既報の通り,3年間にわたるマクラーレンとのタッグを解消し,今シーズンからレッドブルのジュニアチームであるトロロッソと新たにタッグを組み,トロロッソ・ホンダとしてスタートを切ります。今シーズンの結果次第では,来シーズン新たにレッドブルともタッグを組む可能性が高まってきますので,タイトル獲得に近いチームとの提携だけに,今季のリザルトはとても重要となります。ドライバーについては,昨年SFにフル参戦し,惜しくもタイトルを逃したP.ガスリーと,WECでタイトルを獲得したB.ハートレーとのコンビとなります。
国内フォーミュラカーの最高峰であるSFに関してですが,今季はごく近い将来の日本人F1ドライバー候補がデビューを果たします。まず1人目は,昨シーズンの結果次第では,F1へのステップアップの可能性があった松下信治です。昨年フル参戦したF2でチャンピオンを期待された松下でしたが,開幕から勢いに乗ることができず,シーズンをランク6位で終わってしまいました。そのため,F1に参戦可能なスーパーライセンスの資格を得ることができず,再来年の昇格に向けてSFにDOCOMO TEAM DANDELION RACINGから野尻智紀のチームメイトとしてフル参戦することになりました。もう一人,再来年からF1へステップアップの可能性を持っているドライバーがフル参戦します。そのドライバーとは,昨シーズンGP3にフル参戦し,ランク3位で終了した福住仁嶺です。彼が所属することになったのはTEAM MUGENで,チームメイトは国内4輪におけるホンダのエースライダー的立場にある山本尚貴です。福住にとっては,山本から様々なことを学べるいい機会となるのではないでしょうか。ホンダ陣営として今シーズンからSFにフル参戦を開始するB-Max Racing teamについては,この段階でドライバーは未定となっています。
なお,具体的な参戦体制は,以下の表のようになっています。
2018年 ホンダ4輪参戦体制(SF)
チーム名 ドライバー
TEAM MUGEN 15 福住 仁嶺
16 山本 尚貴
B-Max Racing team 50 未定
TCS NAKAJIMA RACING 64 N.カーティケヤン
65 伊沢 拓也
REAL RACING ? 塚越 広大
DOCOMO TEAM DANDELION RACING ? 野尻 智紀
? 松下 信治
2018/01/14(日)
☆参戦体制 PART2(JRR)
○1月12日(金)にホンダから発表された今シーズンのモータースポーツ参戦体制に関して,昨日は海外の2輪レースについてお伝えしましたが,今日は国内の2輪レース,つまりJRRについてお伝えします。
今年最も注目となるのが,最高峰クラスであるJSB1000クラスに,久々にホンダのワークスチームである「Team HRC」が復活することでしょう。ライダーは,昨年自身初となる最高峰クラスチャンピオンを獲得した高橋巧です。使用するマシンは,プライベートチームは昨年モデルチェンジしてデビューしたCBR1000RR SP2を使用しますが,ワークスである高橋は,ワークスの意味を表すCBR1000RRWとなります。ヤマハの中須賀克行の後塵をずっと拝し続けたホンダは,昨年ようやくタイトルを取り返したものの,その中須賀がシーズン序盤にノーポイントを続けたいわゆる敵失に負うところが多く,実際調子を取り戻したシーズン中盤からは中須賀が勝ち続けました。さらに,ホンダが特に力を入れている真夏の祭典である鈴鹿8耐に関しても,ヤマハが圧倒的な強さと速さを見せて3連勝を飾っています。こうした状況を打破するためには,ホンダとしてワークス体制を組む必要性を感じ,HRCの直接参戦ということになったことは間違いないでしょう。今年このクラスの目玉はその他にもあり,今回の発表に合わせて国内ホンダ系の有力プライベートチームである「桜井ホンダ」からも発表があり,同チームのライダーとして濱原颯道を起用することになりました。濱原といえば,昨年スズキ系の主力チームであるヨシムラからいきなり最高峰デビューを果たしたいわゆる「シンデレラライダー」です。当然そのままヨシムラで育成しながらいずれはスズキのエースライダー的立場に立つのかと思っていたのですが,いきなりデビュー2年目にしてメーカー自体をチェンジすることになりました。ホンダを担うライダーとしては,高橋巧がずっと若手の主力となってきましたが,その彼もアラサーになっていて,次の世代の育成が重要な課題とも言えると思います。今回の動きはそうした流れの一環と私は考えてしまいます。若手といえば,昨年J-GP2クラスでチャンピオンを獲得した水野涼が,チームはそのままで,高橋がワークスに昇格して抜けたシートに座ることになっています。また,J-GP3でチャンピオンを獲得した伊達悠太は,ステップアップを果たしてカレックス&ホンダという組み合わせの「KIMA RACING」からJ-GP2クラスにフル参戦することになっています。
なお,具体的な参戦体制は,以下の表のようになっています。
2018年 ホンダ2輪参戦体制(国内)
クラス チーム マシン ライダー
JSB1000 Team HRC CBR1000RRW ? 高橋 巧
Team 桜井ホンダ CBR1000RR SP2 22 濱原 颯道
Team Sup Dream Honda ? 山口 辰也
MORIWAKI MOTUL RACING 72 高橋 裕紀
? 清成 龍一
au&テルル Motoup Racing 090 秋吉 耕祐
MuSASHi RT HARC-PRO.Honda 634 水野 涼
Honda Asia-Dream Racing ? ザクゥアン・ザイディ
J-GP2 Team TARO PLUSONE HP6 44 関口 太郎
Team 武 RSC MD600 4 岩戸 亮介
16 作本 輝介
Y! mobile Kohara RT カレックス ? 榎戸 育寛
MuSASHi RT HARC-PRO. HP6q 634 名越 哲平
KIMA RACING カレックス 64 伊達 悠太
2018/01/13(土)
☆参戦体制 PART1(MotoGP&SBK)
○例年より早い時期となりましたが,ホンダから国内外の2輪,4輪レースにおける参戦体制の発表がありました。幅広いカテゴリーへの参戦しているホンダですので,今回の発表を何回かに分けてお伝えしていきたいと思います。まず今日は,国外における2輪レースについてお伝えします。ただ,ロードレースと中心にしている当サイトですから,モトクロスやトライアルについては割愛させていただきます。
2輪ロードレースの最高峰であるMotoGPクラスについてですが,こちらに関しては,既に昨シーズン体制発表がありましたので,それからの変化はありません。まず,ワークスチームであるレプソル・ホンダ・チームですが,こちらはどちらのライダーも2年契約を結んでいて,今シーズンはその2年目にあたりますのでライダーはM.マルケス&D.ペドロサが継続します。マシンは,もちろん今季型のRC213Vとなります。
なお,今回の発表とは別に,昨シーズンをもって2010年からHRCのチームマネージャーを務めてきたR.スッポ氏が辞任し,その後任が誰になるか注目されていましたが,その点についての発表もありました。後任となったのは,長年ホンダとの関係が深いA.プーチです。自身現役GPライダーだった時には,当時の最高峰である500ccクラスにホンダのNSR500を駆ってホンダ・ポンス・チームからフル参戦していました。1997年に引退すると,その後はマネージャーやチーム監督等を務めて後進のライダー育成に貢献してきました。マネージャーとして最も有名になったのは,D.ペドロサとの関係でしょう。現在はペドロサとのマネージャー契約はなくなっていますが,以前は現在のマルケス&E.アルサモラというような感じで,ペドロサとの傍らには,常にプーチの姿がありました。最近はホンダとの関係だけでなく,MotoGPの運営基盤であるDORNAとの関係も深くなっていて,MotoGPアカデミーの創設等若手育成のための組織を立ち上げています。プーチの代表就任は,今月末にマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われる今季最初のMotoGPテストからとなります。
話を元に戻しますが,サテライトチームに関しては,これまた既に発表があったように,何といっても注目は中上貴晶の最高峰クラスへのステップアップでしょう。所属するのはLCRホンダで,チームメイトはC.クラッチローとなります。同じチームではありますが,スポンサーとの関係から,中上はLCRホンダ・イデミツ,クラッチローがLCRLCRホンダ・カストロールからの参戦となります。なお,ここまでの4人については,チームではなくHRC契約ライダーとなっています。もう1つあるサテライトは,こちらもこれまでと同じくエストレージャ・ガルシア・マークVDSで,ライダーは昨シーズンから総替えとなって,中上と同じくMoto2クラスからのステップアップであるF.モルビデリ&T.ルティという,昨年チャンピオン争いのライバル関係にあった2人の組み合わせとなります。Moto3クラスに関しては,NSF250RWを7チーム13人のライダーに供給します。その中には,昨年と同じく鈴木竜生,佐々木歩夢,鳥羽海渡の3人の日本人ライダーが含まれています。
SBKに関しては,昨年と同じくレッドブル・ホンダ・ワールド・スーパーバイク・チームに昨年デビューを果たした新型のCBR1000RR SP2を投入します。昨年はN.ヘイデン&S.ブラドルの組み合わせで臨んだ同チームでしたが,ご存知のようにヘイデンがトレーニング中の事故によりお亡くなりになるというとても残念な事態となりました。チーム,メーカーの関わらずみんなから愛されてきた彼だけに,本当に残念でなりません。ちなみに,昨年後半に彼が愛用していたアライヘルメットから,残念ながら彼の最終モデルとなってしまった『ヘイデンSB』が遺族の承諾を得て発売されました。そのヘルメットはずっと入荷未定の状態が続いていて,彼が如何に人々から愛されてきたのかが分かる1つの状況です。もう一人のブラドルについては,今シーズンHRCのテストライダーを務めることになったようです。今シーズン同チームからフル参戦するのは,ベテランライダーのL.キャミアと若手のM.ガニェの2人です。
なお,具体的な参戦体制は,以下の表のようになっています。
2018年 ホンダ2輪参戦体制(海外)
クラス チーム名 ライダー
MotoGP レプソル・ホンダ・チーム 93 M.マルケス
26 D.ペドロサ
LCRホンダ・カストロール 35 C.クラッチロー
LCRホンダ・イデミツ 30 中上 貴晶
エストレージャ・ガルシア・マークVDS 21 F.モルビデリ
12 T.ルティ
Moto3
(日本人ライダー)
ペトロナス・スプリンタ・レーシング 71 佐々木 歩夢
ホンダ・チーム・アジア 27 鳥羽 海渡
シッチ58スクアドラ・コルセ 24 鈴木 竜生
SBK レッドブル・ホンダ・ワールド・スーパーバイク・チーム 2 L.キャミア
45 J.ガニェ
トリプルMホンダ・ワールドスーパーバイク・チーム 99 P.ジェイコブセン
2018/01/12(金)
☆リタイア続出(ダカール)
○例年新年早々に行われている『ダカール・ラリー』が,今年は1月6日(土)からスタートが切られています。砂漠など道なき道を疾走するこのレースだけに,いつ誰にトラブルが発生するか全く予想がつきません。今年の大会はいきなり難しい砂漠での走行となっていて,注目の選手にも不運が訪れ,序盤にして早くもリタイアが相次いでいます。ここでは,その点についてまとめておきたいと思います。
まず2輪についてですが,昨年の覇者であるKTMのS.サンダーランドが,4日目に砂の大きなくぼみの中にジャンプしてしまい,その際背中を負傷してしまいました。一旦は走行を再開したものの,激しい痛みに見舞われて走行をとりやめ,リタイアを余儀なくされました。今年は2人の日本人ライダーが参加していますが,その中の1人が,今回がライダーとして初参加となるヤマハのマシンを駆る門馬孝之が,2日目にエンジントラブルによりリタイアとなっています。もう一人のヤマハのマシンを駆る風間晋之介は走行を続けています。
4輪では,WRC王者であり,優勝候補の一人であったプジョーのマシンを駆るS.ローブが,5日目にスタックしたマシンを避けようとした際に大きなすり鉢状の穴に落ちてしまうというアクシデントに見舞われました。自力での脱出が不可能だったため,アシスタントトラックに引き上げられるまで2時間を要し,さらに転落の際ローブは無事だったものの,コドライバーのD.エレナが胸部と尾てい骨部を痛めて走行が不可能となり,リタイアとなってしまいました。ローブは走行初日にブレーキトラブルで遅れを取る事態に見舞われていますので,今年の大会はツキに見放されていたと考えざるを得ません。大会を2度制しているミニ・クーパーを駆るJ-N.ロマは,3日目に横転をしてしまい,その際体を痛めてしまってこちらもリタイアを余儀なくされています。市販車部門で5連覇を目指しているトヨタ車体のラリーチームである『チームランドクルーザー・トヨタオートボデー(TLC)』は,今年も昨年と同じ体制で臨んでいます。その内昨年のクラス優勝者であるC.ラビエル&J-P.ギャルサン組は,クラストップを走行する中,4日目にエンジンの冷却系にトラブルが発生してしまって走行続行が不可能となってしまい,リタイアを決断せざるを得なくなりました。TLCとしては,社員ドライバーである三浦昂とそのコドライバーであるR.リシトロイスターに全てを託すこととなりました。トラック部門で鉄人として尊敬されている日野チーム・スガワラの菅原義正は,76歳になった今年も参加し,27回連続完走を目指しました。しかし,2日目にスタックしてしまい,自力でそこから脱出する際に操舵部分やベアリング等にトラブルが発生して走行不可能となってしまいました。アシスタントトラックの支援を受けて長時間かけてマシンを修復したものの,翌日のスタートに間に合わなかったことなどからリタイアを決断せざるを得なくなりました。
2018/01/11(木)
☆開発ドライバーに(F1)
○スクーデリア・フェラーリから発表があり,ロシア人F1ドライバーのD.クビアトを開発ドライバーとして起用することになりました。レッドブルプログラムの一員でもあったクビアトは,2014年にトロロッソからF1デビューを果たしました。その翌年には,当時レッドブルに所属していたS.ベッテルがフェラーリに移籍したことに伴い,トロロッソからレッドブルに昇格し,チームメイトとなったD.リカルドをランキングで上回る成績を収めました。ところが,2016年シーズンになるとその勢いが影を潜めると同時に,レース中のインシデントの原因となることが何度も見られるようになってしまいました。そうしたことと,その時トロロッソに所属していた若く将来性のあるM.フェルスタッペンが力をつけてきたことに伴い,シーズン中にもかかわらず2人が入れ替わることとなりました。これは,フェルスタッペンにとっては昇格,クビアトにとっては降格を意味します。昨シーズンのクビアトも不振から脱却できず,シーズン後半のマレーシアGPと日本GPとではP.ガスリーにシートを譲りました。その次のアメリカGPでは復帰して10位入賞を果たしたものの,その後はB.ハートレーにシートを譲ると共に,レッドブルプログラムからも外されました。今シーズンに関しては,引退したF.マッサの引退に伴って空いたウィリアムズのシートに座る候補の1人と見なされる時期もありましたが,その争いに敗れてレギュラーシート獲得に至っていませんでした。そして,今回のフェラーリとの開発ドライバー契約に至っています。
2018/01/10(水)
☆シリーズ初(FE)
○国際自動車連盟(FIA)が主催する電気自動車のフォーミュラカーで争われるフォーミュラE(FE)から発表があり,スイスに本拠を置く電力関連企業の『ABB』と複数年のタイトルスポンサー契約が成立しました。これにより,同シリーズの正式名称が,『ABB FIA フォーミュラE選手権』となると共に,一部報道によればFEに年間1,500万ドル(約16億8,800万円)前後の価値をもたらすと見られているとのことです。FEがタイトルスポンサーを迎えるのは,今回がシリーズ初となります。2014年から始まったこのシリーズは,当初こそ参入企業がさほど多くはなく,全く新しいシリーズだけにほぼワンメークで争われていました。しかし,2040年代までに内燃機関自動車の販売を禁止する法案がヨーロッパで可決されるなどの動きが出て自動車の電気化が注目され,徐々に参入を希望する企業が増えてきています。具体的には,今シーズンからアウディがワークス参戦を開始し,今後はBMW,ポルシェ,メルセデスといったドイツメーカーが参入を開始。さらに日本メーカーからは,系列のルノーに替わって日産が今後参入することを表明しています。年々その存在感が高まっているFEですが,もしかしたら近未来ではF1に替わってこのFEが最高峰のフォーミュラカーレースになっている可能性も感じさせる勢いですね。
2018/01/9(火)
☆参戦終了(SF)
○新年を迎えました。本年もよろしくお願いします。
今年最初のニュースだけに,とても明るい話題から活きたかったのですが,残念なお知らせが2つとなりました。まず1つ目は,15年間にわたってフォーミュラカー国内最高峰カテゴリーに参戦し続けてきたA.ロッテラーが,昨シーズンをもって参戦が終了することになりました。2003年に当時は『フォーミュラ・ニッポン』という名称だったシリーズに参戦を開始し,2011年に同シリーズのタイトルを獲得しました。その後,名称が『スーパー・フォーミュラ』となっても参戦を続けてきて,その間ルーキーシーズンを除いて全てのシーズンで表彰台を獲得すると共に,少なくとも毎年1勝を挙げてきていて,通算24勝という輝かしい戦績を挙げてきました。近年はポルシェのドライバーとしてWECシリーズでも活躍し,そのポルシェが昨シーズンをもってWECを卒業し,今季からフォーミュラEへと参戦の場を移したことで,ロッテラーも同シリーズに参戦することになりました。さらに,ポルシェからのWECはなくなったものの,レベリオン・レーシングからWECに参戦することになり,この他にさらにSFへも参戦することが不可能となってしまったため,今回の卒業発表となったわけです。L.デュバルやB.トレルイエといった日本でずっと活躍してきたドライバーが国内での参戦がなくなっていて,今回のロッテラーの参戦終了はさらに残念なものとなりました。日本国内でのフル参戦はなくなってしまいましたが,WECでは走りを見ることができますので,WECの日本ラウンドでの活躍を期待したいと思います。

☆参戦休止(JRR)
○ホンダ系の有力プライベートチームの1つであるTOHO Racingから1月3日(水)に発表があり,JSB1000クラスへの参戦を今シーズンから休止することになりました。元HRCライダーである山口辰也がオーナー兼ライダーとして設立された同チームは,2011年にST600クラスへの参戦から始まりました。設立間のないチームながら,山口の卓越した能力もあって初年度でチャンピオンを獲得。翌年からは,最高峰のJSB1000クラス参戦へとステップアップしました。さすがにこのクラスとなると設立間のないプライベートチームがチャンピオンを獲得するのは厳しかったものの,あわせて参戦した鈴鹿8耐では,有力チームを抑えて見事2位表彰台を獲得しています。2016年のJRR第8戦のレース2では,雨という難しいコンディションの中,山口がベテランらしい走りを見せ,最高峰クラスでチーム初の勝利を収めました。この勝利は,ただ初勝利ということだけでなく,当時連戦連勝を重ねていたヤマハ・ファクトリー・レーシングの中須賀克行の勝利を止めるものにもなりました。昨シーズンも同じ体制でシーズンに臨み,表彰台を獲得する活躍を見せたりしてランク8位でシーズンを終えています。今シーズンも活躍を期待していたのですが,残念ながら参戦休止という決断が下されました。ただ,休止するのは最高峰クラスだけで,ST600クラスは,昨シーズンに引き続いて行村和樹がフル参戦しますし,TOHO Racing Clubのクラブ員がレースに出場したりします。チームとしては存続するわけですから,状況が変われば再び最高峰クラスへの参戦が復活するわけですから,早くそうした状況になることを祈っています。
 

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