トップ > 5月の最新ニュース
1月分へ 2月分へ 3月分へ 4月分へ
最新ニュース

2018/05/31(木)
☆多発(F1)
◯マクラーレンのF.アロンソをして,「退屈なレース」で終わった第6戦モナコGPは,上位陣はほとんど順位を入れ替えることがなく,グリッド通りの順でチェッカーとなってしまいました。それほどまでに展開が少なかった今回のモナコGPでしたが,ペナルティーに関しては多発したようです。まず木曜日に行われたフリー走行ですが,フリー走行1で3件,フリー走行2でも3件の違反が発生しました。いずれも全てピットレーンの速度違反で,その違反に対しては罰金が科され,最も高かったのが700ユーロ(約9万円)だったようです。土曜日に行われたフリー走行3でも1件速度違反があり,予選では速度違反1件,レッドブルのM.フェルスタッペンにはPUトラブルとギアボックストラブルにより交換が必要となってしまいました。日曜日に行われた決勝でも違反があり,またしても速度違反が1件,さらにウィリアムズのS.シトロキンにフォーメーションラップ開始3分前までにホイール装着が未完了という珍しい違反まで起こっています。本来ですと,こうしたことではなくてレース展開に色々変化があってほしいものですけどね。
2018/05/30(水)
☆変更(MotoGP)
◯今シーズン第2戦として行われたアルゼンチンGPは,スタート手順で大きな混乱が見られ,最初からスリックタイヤを選択していたJ.ミラーのみが正常なグリッドに並び,レインからスリックに変更するためピットインを選択した他のライダーはミラーのはるか後方に並んでスタートするという事態となりました。さらに,エンジンストールしたM.マルケスがエンジン再始動後手で押してコースを逆走する形になり,後にライドスルーペーナルティが科され,さらにこれが遠因となってV.ロッシと接触事故を起こすという事態にまで発展してしまいました。こうした大混乱のスタートとなったことから,FIMはこのことを問題として解決策を協議し,その結果を昨日発表しました。それによると,マシン変更を行ったのがウォームアップ前と後とで対応が変わることになりました。まずウォームアップ前にマシン変更を行った場合ですが,タイヤ交換によりグリッドに並ばずピットに向かった場合は,ウォームアップランはピットレーンからのスタートとなり,その後は通常通り本来のグリッドからレースを始められるものの,レース中にライドスルーペナルティが科せられます。ただし,タイヤ交換のためではなく,マシントラブルが原因でピットインした場合は,ライドスルーのペナルティは科されず,その代わりグリッド最後尾からのスタートとなります。ウォームアップ後にマシン変更を行った場合は,そのままピットレーンからのスタートとなり,レース中にライドスルーが科されます。マシントラブルによるピットインしてマシン変更を行ったときは,同じタイヤだったらペナルティは科されません。10名以上のライダーがピッスタートする場合,レースはディレイとなり,あらためてスタート進行を行いますが,その場合の進行はクイックスタートとなります。10名以下の場合は,ピットレーン出口に到着した順に1列目に並び,ピット出口から1コーナーに向かってひかれているホワイトラインを越えるまで追い越し禁止となります。
2018/05/29(火)
☆7年ぶり(SBK)
◯イギリスのドニントンパークで開催された第6戦の決勝レースが,レース1は5月26日(土)に,レース2が5月27日(日)に行われました。レース1の序盤は,カワサキ・レーシング・チームのJ.レイとT.サイクス,パタ・ヤマハ・オフィシャル・ワールドSBKチームのM.ファン.デル.マーク,S.ローズの4台によるトップ争いとなりました。その後ローズが遅れて3台によるバトルとなり,15周目にファン.デル.マークがトップに浮上するとペースアップして後続との差を広げて行きました。これを見たランクトップを行くレイもペースアップしてファン.デル.マークを追っていきました。ファステストラップを刻んで追走したレイでしたが,ファン.デル.マークが逃げ切り,自身初優勝を飾りました。SBKでオランダ人ライダーが優勝するのも初ですし,ヤマハの優勝は,2011年の最終戦で現在はドゥカティのマシンを駆ってフル参戦しているM.メランドリが,当時ヤマハ・ワールドスーパーバイク・チームに所属して優勝して以来7年ぶりとなります。3位にサイクスが入り,4位がローズと,2チームがトップ4を分け合っています。
レース2は,イギリスらしく途中から雨が降るという天候の中で行われました。雨が降ったものの,さほど大きな影響を与えることなく,最後までドライ用タイヤで進んでいきました。レース序盤はローズがトップを走行しましたが,中盤に入ってレイがトップに浮上。18周目にローズを交わしたファン.デル.マークが,さらにペースアップしてトップのレイまで交わしてトップに浮上し,レイとの差を広げて行きました。ランクトップのレイが無理をしない走りをしたような感じもあり,ファン.デル.マークが独走態勢に持ち込んでレース2も制し,ファン.デル.マーク&ヤマハが完全優勝を果たしました。2位キープをしていたレイでしたが,彼を追うライダーが現われました。それは,今季からフル参戦を開始したルーキーライダーであるカワサキ・プッシェティ・レーシングのT.ラズガットリオグルでした。終盤に入ってペースを上げてきた.ラズガットリオグルは,ファイナルラップの4コーナーでレイを交わして2位に浮上すると,そのままの順で2位チェッカーとなり,自身初表彰台を獲得しています。
2018/05/28(月)
☆初制覇(F1)
◯第6戦モナコGPの決勝レースが,曇り空ながらドライコンディションとなったモンテカルロ市街地コースで行われました。ポールがレドブルのD.リカルド,以下フェラーリのS.ベッテル,メルセデスAMGのL.ハミルトンというグリッドからスタートした決勝レースは,何事もなく順調にスタートし,上位はそれぞれが自分のポジションを守ってオープニングを終えました。狭く抜きにくいモナコだけに,マシン性能差やドライビングミスなどがないとなかなか順位は変わりませんが,上位陣はちょっとしたマシントラブルを抱えたマシンなどがありましたが,それぞれがポジションを守っていき,ピットインするタイミングの違いから順位が変わる以外は順調に走行を続け,特に表彰台争いはそれぞれが単独走行となりました。そして,最終的にリカルドが2位のベッテルに7秒以上の差をつける独走で優勝を果たし,自身初となるモナコ制覇となりました。2位のベッテルは3位のハミルトンに10秒近い差を,3位のハミルトンは4位に入ったフェラーリのK.ライコネンに1秒以上の差をつけてチェッカーを受けています。トロロッソ・ホンダ勢は今季2回目となるQ3進出を果たしたP.ガスリーは,10番グリッドからスタートしてオープニングラップを順調に終えました。その後も順調な走りを展開し,他のドライバーの脱落などもあり,最終的に7位とトップ10フィニッシュを果たしています。ランキング争いでもポジションアップを果たし,トップ10まで後1ポイントと迫っています。B.ハートレーの方は,ポイントまであと少しという所まで順位を上げていきましたが,その後ブレーキトラブルを抱えたザウバーのCルクレールに71周目に追突されてしまい,惜しくもリタイアに終わりました。

☆連勝(SF)
◯第3戦の決勝レースが,好天に恵まれたスポーツランドSUGOで行われました。ポールからスタートしたDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの野尻智紀は,スタートで何とかトップの座を守ってオープニングラップを終えました。しかし,2番グリッドからスタートしたcarrozzeria Team KCMGの小林可夢偉は,2番手の座を守るだけでなく,序盤から野尻よりもうまくセッティングが決まって序盤から野尻をプッシュしていきました。そして14周目に入って,ストレートでアウト側から野尻を交わして可夢偉がトップに立ちました。その後はさらにペースを上げて2位以下との差をどんどん広げて行きました。ところが,17周目に起こった接触事故によりセーフティカーが導入され,せっかく可夢偉が築いた差はリセットされることになりました。セーフティカーが先導中にピットインするマシンとステイアウトするマシンとが出て,これが勝敗に明暗を分けることになりました。トップを行く可夢偉はステイアウトを選択。それに対して,上位争いに加わってきたTEAM MUGENの山本尚貴はピットインを選択しました。今大会はソフトとミディアムの両方のタイヤを使うことが義務づけられていますから,全員必ず1回はピットインしなければなりません。ステイアウトを選んだ可夢偉は2位以下との差を広げてピットインしましたが,左リアタイヤの交換に手間取って大きくタイムロスして大きく順位を落とすことになってしまいました。可夢偉の脱落によりピットイン戦略組のトップを走行していた山本尚貴がトップに浮上し,後は後続との差を広げて独走でトップチェッカーを受けました。開幕戦を制したのが山本で,オートポリスで行われた第2戦は決勝レースがキャンセルとなっていますので,実質的に山本尚貴が開幕からの連勝を飾ったことになります。2,3位にはそれぞれKONDO RACINGのN.キャシディ,VANTELIN TEAM TOM'Sの中嶋一貴が入り,エンジンで見るとトップがホンダだったものの,表彰台の2つはトヨタエンジンユーザーが占めたことになります。
2018/05/27(日)
☆2度目(F1)
◯第6戦モナコGPの予選が,この日も好天に恵まれたモンテカルロ市街地コースで行われました。木曜日に行われた初日の走行から好調な走りを見せていたレッドブル勢は,明暗を分ける結果となりました。初日に2番手タイムをマークしたレッドブルのM.フェルスタッペンは,予選前のフリー走行3でクラッシュしてしまい,マシン修復に時間がかかって予選での出走がかないませんでした。しかも,いずれにしても最後尾からの出走なので関係がないものの,ギアボックスを交換する必要が生じたため,5グリッド降格のペナルティが科されることとなっています。それに対して,そのフリー走行3でもトップタイムだったD.リカルドの方は,予選でもその速さに変わりがなく,唯一となる1分10秒台をマークする圧倒的な速さを見せ,2016年以来自信2度目となるモナコでのポールシッターとなりました。そのリカルドのタイムをターゲットにしてアタックをしていったフェラーリのS.ベッテルでしたが,およそコンマ2秒遅れの2番手タイムでした。ここまでランクトップを行くメルセデスAMGのL.ハミルトンは,およそコンマ4秒遅れの3番手タイムでした。トロロッソ・ホンダ勢は,P.ガスリーが自身2度目となるQ3進出を果たしました。そのQ3では自身のタイムを縮めたものの,惜しくも10番グリッド獲得で予選を終えています。B.ハートレーの方は,タイムアタック中に他車に幅寄せされるという不運もあってQ1敗退となり,決勝レースは16番グリッドからのスタートとなりました。

☆コースレコードで(SF)
◯第3戦の予選が,やや冷たい風が吹くものの,ドライコンディションとなった宮城県にあるスポーツランドSUGOで行われました。ポールシッターを決めるQ3でトップタイムをマークしたのは,これまでのコースレコードを更新する速さを見せたDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの野尻智紀でした。野尻のタイムをターゲットにアタックをしていった他のドライバーでしたが,誰もそれを更新することができず,2番グリッドがcarrozzeria Team KCMGの小林可夢偉,3番グリッドがITOCHU ENEX TEAM IMPULの平川亮でした。なお,Q1でITOCHU ENEX TEAM IMPULの関口雄飛が5番手タイムをマークし,一旦はQ1突破かと思われたのですが,程なくしてタイミングモニター上での関口の順位が16番手に表示される事態が発生しました。降格となった理由が明らかにされないままQ2へと進行したため,ドライバーはもちろん,チーム側も困惑し,チーム監督の「熱い男」星野一義は大会運営側がいるピットビルへ直行。どうやら黄旗中でのタイム更新だったことからこのタイムが抹消となり,16番手へ順位を下げたということのようです。
2018/05/26(土)
☆好天の下(SF)
◯今日スポーツランドSUGOで行われる第3戦の予選が行われますが,それに先だって昨日は1時間にわたる占有走行が行われました。オートポリスで行われた前戦は,併催のJSB1000クラスの決勝レースは奇跡的と言えるほど一時的に天候が回復して行われたものの,その後すぐに再び悪天候がサーキットを覆い,決勝前のフリー走行は何とか開始されましたが,それでも足元をすくわれたマシンがほぼ同じ場所,タイミングで出たため赤旗が提示され,そのままレースはキャンセルとなってしまいました。それに対して,昨日の占有走行は前戦の決勝日とは真逆の好天の下で行われました。ここでトップタイムをマークしたのは,ディフェンディングチャンピオンであるJMS P.MU/CERUMO・INGINGの石浦宏明でした。2番手タイムをITOCHU ENEX TEAM IMPULの関口雄飛がマークしましたが,その後1コーナーの先でスピンを喫してこの日2人目の赤旗の原因となってしまい,残り時間の関係からセッションはこれで終了になってしまいました。3番手タイムは,TEAM MUGENの山本尚貴でした。エンジンで見ると,トップ2がトヨタで,3〜6番手タイムをホンダエンジン勢が占めています。なお,TEAM MUGENに関しては,F1モナコGPと併催で行われているF2に福住仁嶺が出場しているため,代役としてD.ティクトゥムがステアリングを握り,10番手タイムで占有走行を終えています。
2018/05/25(金)
☆ワンツー(F1)
◯第6戦モナコGPがモンテカルロ市街地コースで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。通常のレースは金曜日に開幕しますが,モナコGPは例年木曜日に開幕し,金曜日は安息日となって一旦休止し,土曜日から再開という形になっています。ワンメークタイヤを供給しているピレリは,今大会にハイパーソフト(ピンクのライン)を初めて投入し,その他スーパーソフト(赤のライン),ウルトラソフト(紫のライン)と柔らかい3レンジのタイヤが投入されていて,どのタイヤを選択するかが勝敗の分かれ道となるかもしれません。初日に行われたフリー走行で総合トップタイムをマークしたのは,来季の去就が注目されているレッドブルのD.リカルドで,初日から早くもコースレコードを更新する速さを見せています。チームメイトのM.フェルスタッペンが総合2番手タイムをマークし,初日はレッドブル勢のワンツーとなっています。総合3番手タイムは,今季好調なフェラーリのS.ベッテルでした。狭い市街地コースのためパワーユニットの性能差がそれほど出にくいモナコだけに,結果が期待されているトロロッソ・ホンダ勢ですが,初日はB.ハートレーがトップから1.381秒差の11番手,P.ガスリーが1.569秒差の14番手タイムで終了しています。
2018/05/24(木)
☆影響で(F1)
◯来季のF1のシートがどうなるか,いまだにはっきりしない状況が続いています。その最大の原因は,ワールドチャンピオンとして君臨しているメルセデスAMGのL.ハミルトンの去就です。誰もが乗りたいメルセデスのマシンですし,どのチームも欲しいドライバーであるハミルトンですから,一番早く契約延長が発表されてもおかしくないはずなのに,いまだにその発表がなされていません。当然色々な噂が飛び交うことになる訳ですが,その中の1つが契約金の引き上げを狙ってあえて契約を渋っているのではないかということです。それであればプロドライバーとしてある程度仕方がないというか,当然と言える訳ですが,別の噂ではそうではないという予想が出ています。その予想というのは,今のV.ボッタスの前のチームメイトであるN.ロズベルグの影響です。ロズベルグは,念願のチャンピオンを獲得した直後に引退を発表し,その後釜にボッタスが座ったという経緯があります。今シーズンはやや苦戦しているものの,もはや敵なしという状況にあるメルセデス&ハミルトンのパッケージですから,ロズベルグのように余力を残しての引退ということがあっても不思議ではありません。もしそうなると,現在のF1においてチャンピオン獲得の可能性が最も高いシートが空くことになる訳ですから,有力ドライバーにとっては喉から手が出る状況でしょう。そして,その中で最も可能性が高いのが,現在チームメイトとうまくいっていない状況にある,レッドブルのD.リカルドでしょう。リカルドに関しては,メルセデスだけでなく,今季限りで引退の可能性があるK.ライコネンの空いたフェラーリのシートに座る可能性も取り沙汰されています。今シーズンはメルセデスと互角に近い走りを展開しているフェラーリですが,とはいってもやはりメルセデスの総合力には少しかなわないのも確かです。そうなると,やはりリカルドの第1希望はメルセデスということになるでしょう。もしリカルドが抜けるとなると,その空いたシートに誰が座るのかも注目となります。もしここが空くと,当然色々なドライバーが狙ってくるでしょうが,その中で有力なのが,レッドブルの育成ドライバー出身であるC.サインツです。となると,そのサインツが抜けたルノーのシートに誰が座るのか・・・。一番上に位置するシートがはっきりしないと,契約市場が滞る事態になってしまいます。果たしてハミルトンはいつ決断するのでしょうね。
2018/05/23(水)
☆新株主(F1)
◯マクラーレンF1チームを運営する『マクラーレン・レーシング』,市販車部門の『マクラーレン・オートモーティブ』,応用技術及びマーケティングを運営する『マクラーレン・テクノロジー・グループ』の3つの部門からなる『マクラーレン・グループ』から発表があり,カナダの実業家であるM.ラティフィ氏が株主の一員に加わりました。マクラーレンの株主といえば,かつてA.セナやA.プロストなどの有力ドライバーを擁して黄金時代を築いた時に代表を務めたR.デニスが有名でしたが,そのデニスが2016年シーズン末に株主を離脱していました。今回の株主就任は,それ以来となります。今回新株主となったラティフィ氏は『Nidala (BVI) Limited』(ナイダラ)社を経営していて,マクラーレン・グループ株の10%に2億ポンド(約297億7,700万円)を投資したという報道がなされています。ここ数年タイトルスポンサーがずっと続いているマクラーレンですので,資金的には苦しい状況が続いているのも事実です。昨シーズンまでタッグを組んでいたホンダから多額の資金を得ていたことは間違いありませんでしたが,昨シーズン終了をもってそのホンダとのタッグを解消していますので,その分今季は資金が再び大幅に減っていることでしょう。そうした状況ですから,今回の新株主登場はマクラーレンにとって大きな出来事と言えます。今回のことは,資金的な部分だけでなく,ドライバー的な部分で影響が出るかもしれません。というのも,新株主であるラティフィ氏は,今シーズンもF2シリーズにフル参戦しているN.ラティフィの父親です。そのニコラスは,2016年シーズンにGP2へ参戦を開始。同シリーズがF2へと変更になった昨シーズンからはDAMSに所属してフル参戦していて,昨年はシルバーストーンにおけるレースで1勝を挙げてランク5位,今シーズンはランク9位につけています。F2にフル参戦すると同時に,今シーズンはフォース・インディアF1チームのリザーブドライバーも務めています。もし彼がF1へのステップアップを果たす状況になると,マクラーレンのシート獲得の可能性が出てきます。もちろんマクラーレン自体は,今回の株主契約によってF1のシートに影響することはないとしています。かつての勢いはない現状がずっと続いているマクラーレンですが,とは言ってもF1において有力なシートの1つであることには変わりないだけに,今後の進展が気になるところです。
2018/05/22(火)
☆中位から(インディカー)
◯世界3大レースの1つで,昨シーズン日本人はもちろん,アジア人ドライバーとして史上初めて佐藤琢磨が勝利したのが,インディカーシリーズの1つである『インディ500』です。そのグリッドを決める予選2日目「ポールデイ」が5月20日(日)にインディアナポリス・モーター・スピードウェイで行われました。この日の予選は,まず10番グリッドから33番グリッドを決める予選が行われ,その後メインとなるトップ9のグリッドを決める45分間の「ファスト9」シュートアウトが行われました。この大会のグリッドは平均スピードで決まるのですが,そこで最速スピードを出してポールを獲得したのは,今シーズン唯一オーナードライバーであるエド・カーペーンター・レーシングのE.カーペンターでした。カーペンターにとっては,この大会で自身3度目となるポール獲得となります。2,3番グリッドを,それぞれS.パジェノー,W.パワーのチーム・ペンスキー勢が占めました。J.ニューガーデンが4番グリッドを獲得していて,トップ4台中3台がチーム・ペンスキー勢となります。エンジンで見るとトップ4が全てシボレー勢で,ホンダエンジンユーザーのトップは,5番グリッドを獲得したデイル・コイン・レーシングのS.ブルデーでした。連覇を狙うレイホール・レタマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨は,平均スピードが平均226.557mphで,中段位置となる16番手で予選を終えています。同チームは3台体制でこの大会に臨みますが,O.セルビアが26番グリッド,G.レイホールが30番グリッドと苦戦していて,それからすると啄磨の16番グリッドというのはまあまあのものなのかもしれません。通常のレースですが,よほどのことがない限り優勝争いに絡むのが難しい位置からのスタートですが,長丁場のレースで,しかも他のレース以上に何が起こるか分からない大会でもありますから,啄磨の大逆転勝利を期待したいですね。なお,同大会の決勝レースは,5月27日(日)に行われる予定になっています。
2018/05/21(月)
☆3連勝(MotoGP)
◯第5戦フランスGPの決勝レースが,ルマンにあるブガッティ・サーキットでドライコンディションの中で行なわれました。MotoGPクラスは,母国GPで見事な走りを展開してポールを獲得したモンスター・ヤマハ・テック3のJ.ザルコの走りに注目が集まりました。しかし,好スタートを切ってオープンイングラップを制したのは,来季の去就が注目されているドゥカティ・チームのJ.ロレンソでした。序盤はロレンソがトップを守っていきましたが,チームメイトで,ロレンソよりも先に契約延長が発表されたA.ドビツィオーゾが,5周目にトップに立ちました。ところが,そのドビツィオーゾが次の周に痛恨の転倒を喫してリタイアとなりました。再びトップに立ったロレンソの後ろにつけたのが,ポールシッターで母国GPで初優勝を狙うザルコでした。ところが,8周目にレプソル・ホンダのM.マルケスとの2位争いの中で痛恨の転倒を喫してしまい,母国GP制覇は夢と消えました。トップのロレンソは,その後ペースが上がらず,徐々に後続にパスされていきました。そこでトップに立ったのが,連勝してきて今大会を迎えている.マルケスでした。10周目にトップに立ったロレンソは,少しずつ2位以下との差を広げて行き,最終的には2位に2秒以上の差をつける速さを見せ,見事3連勝を飾りました。2位には,ロレンソの去就とリンクして来季の去就が注目されているアルマ・プラマック・レーシングのD.ペトルッチでした。そのペトルッチから3秒近く差はつけられたものの,3位表彰台を獲得したのはモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシでした。再び冷戦状態に戻ったマルケスとロッシが表彰台に上がる結果となりましたが,終始2人は目を合わすことはなく,シャンペンファイトでも全く絡むことがなく,相変わらず根の深さを感じさせる表彰式となってしまいました。レースウィークに入ってから,転倒を喫したりして思うような走りを展開できていなかったLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,決勝レースでもペースが上がらず,何とか15位に入って4戦連続ポイント獲得となったものの,今年の目標であるルーキーオブザイヤー争いではポイント差を縮めることはできませんでした。
Moto2クラスは,ポールからスタートしたスカイ・レーシング・チームVR46のF.バグナイアが,自身初となるポールからスタートし,順調にトップの座を守っていき,今季3勝目をポールトゥーフィニッシュで挙げました。バグナイアの優勝は,開幕戦,第3戦,そして今回の第5戦と,偶然にもここまで奇数大会になっています。バグナイアを追ったのは6番グリッドからスタートしたエストレージャ・ガルシア・マークVDSのA.マルケスでしたが,終盤に入って電気系のトラブルが発生したりしてトップとの差を詰めることができず,2位でチェッカーとなりました。マルケスのチームメイトで,昨年Moto3クラスを制してこのクラスにステップアップしてきたJ.ミルが,ステップアップ5戦目にして初表彰台を獲得しています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの長島哲太は,16位走行中に転倒を喫してしまい,再スタートはきれたものの,25位でのチェッカーに終わりました。
Moto3クラスは,接触,転倒,フライング,ショートカット等大荒れの展開となり,トップでチェッカーを受けたのは,デル・コンカ・グレシーニMoto3のJ.ディ.ジャアントニオでしたが,レース中にシケインをショートカットしたことからレース結果に3秒ペナルティが科され,4位に後退しました。その他にもトップ争いでアクシデントが多発したりして,最終的にアンヘル・ニエト・チームMoto3のa.アレナスが勝利を収めました。アレナスにとっては,これが自身初優勝となります。2位にチームメイトのミニョが入り,昨年お亡くなりになったレジェンドライダーのA.ニエトさんに捧げる優勝となりました。3位には,ベスター・キャピタル・ドバイのM.ラミレスが入っています。日本人ライダー勢では,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生がセカンドグループで走行し,9位でチェッカーを受けてトップ10フィニッシュを達成しています。他の日本人ライダーは奮わず,ペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡,RBAボエ・スカル・ライダーの真崎一輝の順でチェッカーを受け,それぞれ16,17,18位のポイント圏外に終わっています。

☆再び(SGT)
◯第3戦の決勝レースが,前日に引き続き好天に恵まれ,路面温度が上昇した鈴鹿サーキットで行われました。昨年までの鈴鹿では,8月末に『鈴鹿1000q』としてSGTが開催されていましたが,今年から同大会は独立した大会として開催されることになり,鈴鹿でのSGTは,300qレースとしての開催となりました。GT500クラスは,ポールの伊沢拓也&野尻智紀組のARTA NSX-GTが好スタートを切り,トップの座を守り続けました。それを2番グリッドからスタートしたJ.バトン&山本尚貴組のRAYBRIG NSX-GTが追うという形になり,それは終盤まで続きました。途中,アクシデントでセーフティーカーが導入される事態が2度ありましたが,その度に差は縮まったものの,それでもトップの座を譲ることはありませんでした。両者の差は徐々に広がっていき,最終的にARTA NSX-GTがトップでチェッカーを受け,見事ポールトゥーウィンを達成しました。RAYBRIG NSX-GTは,開幕戦と同じくまたしても2位でのチェッカーとなりましたが,ホンダ陣営としてはワンツーフィニッシュを再び達成したことになります。3位に昨年のチャンピオンであるN.キャシディ&平川亮組のKeePer TOM'S LC500が入り,こちらも開幕戦と同じ結果となっています。
GT300クラスは,ポールからスタートした新田守男&中山雄一組のK-tunes RC F GT3が順調にスタートを切ってトップの座を守り,後続との差を広げて行きました。順調に差を広がったのですが,途中でアクシデントによるセーフティーカー導入となり,差は一挙になくなる状況となりました。その後もタイヤ交換作戦の違いがあってトップ争いは複数台による混戦状態となりました。ところが,タイヤ交換等が落ち着いて以後は,今回好調な走りを展開したK-tunes RC F GT3が抜け出していき,最終的に2位に15秒の差をつける独走で今季初優勝を飾りました。今シーズンから登場したRC F GT3にとっては,これが初優勝となります。2,3位には,それぞれ松井孝允&坪井翔組のHOPPY 86 MC,井口卓人&山内英輝組のSUBARU BRZ R&D SPORTが入り,マザーシャーシ組が表彰台の2つを占めています。
2018/05/20(日)
☆母国GPで(MotoGP)
◯第5戦フランスGPの予選が,好天に恵まれたブガッティ・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,サテライト(インディペンデント)チームに所属しながら開幕戦でポールを獲得したモンスター・ヤマハ・テック3のJ.ザルコが,母国GPとなる今大会でもポール獲得なるかが注目点の1つでした。既に来季からKTMのワークスライダーになることが決定しているザルコは,サテライトチームなため基本的に型落ちのヤマハYZR-M1を使用しながらも,定評のあるポテンシャルの高さを見せ,見事最速タイムを刻んで今季2回目となるポールを獲得しました。ザルコがマークしたタイムをターゲットにラストアタックを敢行したレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスでしたが,彼のタイムを更新することができずにおよそコンマ1秒遅れで2番手タイムで予選を終えました。3番グリッドを獲得したのは,ドゥカティのサテライトチームであるアルマ・プラマック・レーシングに所属しているD.ペトルッチでした。今大会初日にドゥカティはA.ドビツィオーゾの契約延長を発表しましたが,もう1つのシートについては,まだ決定していません。もちろん最優先はJ.ロレンソなのでしょうが,ペトルッチも有力候補の1人ですので,今回のようにワークスライダーを制しての活躍は,来季の契約獲得に向けて重要なこととなります。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,19番グリッドから決勝レースを迎えることになりました。
Moto2クラスは,ここまでランクトップを行くスカイ・レーシング・チームVR46のF.バグナイアが,このクラスで自身初となるポールを獲得しました。彼がポールを獲得したのは,Moto3クラスにフル参戦していた一昨年9月に行われた第12戦イギリスGP以来となります。2番手タイムをダイナボルト・インタクトGPのX.ビエルゲがマークし,今季2回目となるフロントローからのスタートを決めました。前戦でポールからスタートしたポンスHP40のL.バルダッサーリが3番手タイムをマークし,2戦連続フロントローからのスタートとなりました。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの長島哲太は,22番グリッドから決勝レースを迎えることになりました。
Moto3クラスは,トップから1秒以内のライダーが20名という非常に僅差の予選となりました。その激しい予選を制したのは,サーキットベストを更新する走りを見せたデル・コンカ・グレシーニMoto3のJ.マルティンでした。彼のポール獲得は,第3戦アメリカズGPからの3戦連続となります。レドックス・プルエステルGPのJ.コーンフェールが,自身最高位となる2番グリッドを獲得しました。レオパード・レーシングのE.バスティアニーニが,転倒を喫しながらも3番グリッドを獲得しました。前日のフリー走行は,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡以外の日本人ライダーは中盤以降に沈みましたが,僅差の争いとなった予選では,残念ながら全ライダーが同様の結果となりました。日本人ライダー勢ではトップとなったのは,15番グリッド獲得にとどまったSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生でした。RBEボエ・スカル・ライダーの真崎一輝が17番手でトップから1秒以内にとどまりましたが,ペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢が26番手,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡が27番手と1秒以上遅れで後方に沈んでいます。

☆陣営バトル(SGT)
◯第3戦の予選が,好天ながら強風が吹きつける鈴鹿サーキットで行われました。GT500クラスは,開幕戦で好結果を残したNSX-GT勢による激しいタイムバトルが展開されました。各車がコースレコードを次々に更新する激しいタイムアタック合戦が繰り広げられていきましたが,その中でもホンダ陣営が異次元の走りを展開していきました。そのバトルを制したのは,Q1から速さを見せた野尻智紀&伊沢拓也組のARTA NSX-GTでした。トップのタイムを上回ることができなかったものの,ラストアタックで2番手タイムをマークしたのは,開幕戦で2位表彰台を獲得した山本尚貴&J.バトン組のRAYBRIG NSX-GTでした。惜しくもフロントローは逃したものの,3番グリッドを獲得したのは,開幕戦を制した塚越広大&小暮卓史組のKEIHIN NSX-GTでした。
GT300クラスは,GT500クラスと同様にコースレコードを次々に更新する激しいバトルとなりました。そのような中,新田守男&中山雄一組のK-tunes RC F GT3が,コースレコードを2秒以上上回る速さを見せ,RC F GT3としては初となるポールを獲得しました。これまでのサーキットベストを更新して2,3番グリッドを獲得したのは,それぞれ松井孝允&坪井翔組のHOPPY 86 MC,谷口信輝&片岡龍也組のグッドスマイル 初音ミク AMGでした。
2018/(土)
☆発表直後(MotoGP)
◯第5戦フランスGPがルマンにあるブガッティ・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。MotoGPクラスでは,開幕を前にしてドゥカティ・チームから発表があり,昨シーズンチャンピオン争いを展開し,今シーズンも開幕戦を制して同じくタイトル争いに加わっているA.ドビツィオーゾとの契約を,さらに2年間延長することが決まりました。2013年シーズンにドゥカティへ移籍したドビツィオーゾですが,今回の契約成立で合計8年間ドゥカティのマシンを駆ることとなります。そのドビツィオーゾは,午後から行われた2回目のフリー走行において,サーキットベストを更新する走りを見せ,開幕戦以来となる初日総合トップに立ち,契約延長発表直後の走行で結果を出しています。そのドビツィオーゾと今シーズンもタイトル争いを展開しているレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,新しいフェアリングを装着したマシンをテストしながら,初日総合2番手タイムをマークしています。そのマルケスと第2戦アルゼンチンGPで接触転倒を喫して再び冷戦状態にあるモビスター・ヤマハMotoGPのV.が,マルケスからコンマ243秒遅れで総合3番手タイムでした。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,フリー走行2で転倒を喫し,貴重な走行時間が削られてしまい,17番手タイムで初日を終えています。
Moto2クラスは,午前中に行われたフリー走行1でトップタイムをマークしたダイナボルト・インタクトGPのM.シュロッターのタイムを,午後の走行においても誰も更新することができず,これが初日総合トップとなりました。これは,シュロッターにとって自身初となる初日総合トップです。スカイ・レーシング・チームVR46のF.バグナイアが午後の走行でトップタイムをマークし,これが初日総合2番手タイムでした。エストレージャ・ガルシア・マークVDSのA.マルケスが午前の走行で2番手タイムをマークしましたが,これが初日総合3番手タイムとなりました。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの長島哲太は,初日総合16番手タイムで初日を終えています。
Moto3クラスは,フリー走行2でSIC58スクアドラ・コルセのN.アントネッリがトップタイムをマークして2戦連続して初日総合トップに立ちました。フリー走行2で転倒を喫したホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡でしたが,トップから1000分の48秒差で初日総合2番手となりました。レオパード・レーシングのE.バスティアニーニが初日総合3番手タイムをマークし,この日はホンダのマシンを駆るライダーがトップ4を占めています。総合トップのシュロッターのチームメイトである鈴木竜生は総合15番手,ペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢が総合21番手,RBAボエ・スカル・ライダーの真崎一輝が総合22番手と,鳥羽海渡に対して他の日本人ライダーは今一歩の初日となりました。
2018/05/18(金)
☆契約延長(MotoGP)
◯今シーズンでほとんどのワークスライダーの契約が切れますが,それらのライダーの来季以降の契約が,シーズン前,そしてシーズン序盤にして次々に決まっています。ヤマハワークスの2人であるV.ロッシとM.ビニャーレスの2人は契約延長が決まっていますし,ホンダワークスについては,既にM.マルケスとの延長は決まっています。また,KTMに関しても,来季はP.エスパルガロとの契約延長が決まっていますし,今シーズンはテック3からヤマハのマシンを駆ってフル参戦しているJ.ザルコが新たに来季からKTMのワークスライダーとなることも決定しています。あと1人もワークスライダーが決まっていなかったのがスズキとアプリリアですが,今回その両メーカーに関して新たな発表がありました。まずスズキワークスであるチーム・スズキ・エクスターから発表があり,2017年シーズンからMotoGPへのステップアップと同時に同チームに所属しているA.リンスが,2020年までの契約延長することが決まりました。2017年シーズンのリンスは,前年最終盤に自身が負ったケガの影響,そしてスズキのマシン自体の不調もあり,一度も表彰台を獲得することなくシーズンを終えていました。しかし,シーズン前から完調な状況で迎えた今シーズンは,スズキのマシンの戦闘力アップもあって,第2戦アルゼンチンGPにおいて3位に入り,自身初表彰台を獲得しています。リンスとの契約延長については,早い段階からチームマネージャーであるD.ブリビオが示唆していて,今回正式に2年間の契約延長が発表されました。もう1つにシートに関しては,今回の発表では行われませんでした。リンスと違って契約延長について示唆さえもないA.イアンノーネですが,そのイアンノーネは,前戦スペインGPにおいてこちらも3位表彰台を獲得して自らの力をアピールしています。アプリリアに関しては,アプリリア・レーシングから発表があり,スズキと同じく最高峰クラス復活を果たした2017年から契約を結んでいるA.エスパルガロとの契約を,こちらも2020年まで延長することが決定しました。ワークス参戦としては2017年からですが,それ以前にアプリリアがCRTマシンとして供給していた(チームはアスパー・チーム)際も,CRTとしては最高位を獲得したりして活躍していました。ワークス参戦以降は,マシンの戦闘力不足があっていまだに表彰台を獲得することができていませんが,彼自身アプリリアとの関係は良好ですし,エスパルガロの能力をアプリリア自体も高評価を与えてきていました。それだけに,今回の契約延長は十分予想されていたものでした。
2018/05/17(木)
☆タイヤ選択(F1)
◯今季最初のインシーズンテスト2日目の走行が,スペインGPの会場で会ったカタルニア・サーキットで行われました。この日のバルセロナは,曇り空で涼しいコンディションの中での走行となりました。この日のトップタイムをマークしたのは,スペインGPで2位表彰台を獲得したメルセデスAMGのV.ボッタスでした。彼が走行したのはこの日2番手タイの周回数となる139周で,トップタイムをマークしたときはスーパーソフトタイヤを装着してのものでした。2番手タイムをマークしたのは,フェラーリのサードドライバーを務めているA.ジョビナッツィで,彼が周回したのはこの日最多となる148周でした。ジョビナッツィがマークしたタイムは,ハイパーソフトタイヤを履いてのもので,トップのボッタスとの差は,わずか1000分の68秒差でした。3番手タイムをマークしたのは,マクラーレンの育成ドライバーで,現在F2選手権でランクトップを行くR.ノリスでした。その時のタイムは,通常のソフトタイヤを装着してのものでした。ということで,上位3人は違うスペックのタイヤでそれぞれ最速タイムを刻んだことになります。前日にトラブルから十分な走行ができなかったトロロッソ・ホンダですが,この日はトラブルフリーで走行することができ,午前はS.グラエルが担当して12番手タイム,午後はP.ガスリーが担当して9番手タイムでした。
2018/05/16(水)
☆1回目(F1)
◯第5戦スペインGPが行われたカタルニア・サーキットに再びF1チームが集合し,今季1回目となるインシーズンテストが始まりました。今シーズンのインシーズンテストは全部で4日間予定されていて,今回のバルセロナテストが2日間,そして8月に行われるハンガリーGP後に行われるテストが2日間行われる予定になっています。テストは4日間のうち少なくとも2日間はグランプリ経験が3回未満のドライバーを起用しなければならないことになっていますので,レギュラードライバーだけでなく,ジュニアドライバーたちにもステアリングを握る機会が与えられることにもなります。実際,初日の走行でトロロッソ・ホンダのステアリングを握ったのはS.グラエルで,タイムとしては13台中12番手タイムでした。グラエルのタイムが伸びなかったのはトラブルが発生したことの影響が大きいと思われ,そのトラブルとは,具体的なのは分かりませんが,シャーシにかかわる問題からパワーユニットを交換する必要が生じ,その作業に時間を取られたため初日の中で最も少ない50周のみの走行に終わったようです。その初日にトップタイムをマークしたのは,スペインGPにおいて3位表彰台を獲得したレッドブルのM.フェルスタッペンでした。彼のタイムは,最も柔らかいハイパーソフトタイヤを使用してのものでした。2番手タイムをマークしたのはルノーのC.サインツで,彼もフェルスタッペンと同じくハイパーソフトタイヤでした。3番手タイムをマークしたのはフェラーリのS.ベッテルで,彼が使用したのは上位2人よりも少し固めのソフトタイヤでした。
2018/05/15(火)
☆代役(MotoGP)
◯いつもはMotoGPクラスについてお伝えする場合が多いですが,今回はMoto2クラスに関して。まず,5月10日付のこのページでお伝えしたように,Moto2クラスにSICレーシング・チームから参戦していたZ.カイルディンは,シーズン序盤ながらチームと合意の上で参戦をとりやめ,セパン・インターナショナル・サーキットが開いている若手育成プログラムの指導者に就任することになりました。その段階では,誰が彼の後任になるか発表がありませんでしたが,この度チームから発表があり,WSSにCIAランドロード・インシュランス・ホンダから参戦しているフィンランド人ライダーのN.トゥーリを起用することになりました。WSSにおけるトゥーリは,現在同クラスでランク8位につけています。次に,キーファー・レーシングとテック3・レーシングから,代役参戦について発表がありました。まずキーファー・レーシングの方ですが,今シーズン同チームからフル参戦している鈴鹿8耐で日本でもお馴染みにD.エガーターは,前戦スペインGPにケガのため欠場しました。そして,今回の発表では,今週末に行われる予定のフランスGPでも,まだケガの状況が十分でないことから欠場することになりました。そして,彼の代役には,スペインGPと同じく,ドイツ人ライダーのR.トゥロビッチを継続採用することになりました。テック3については,同チームからフル参戦している,かつて500ccクラスでワールドチャンピオンに輝いた経歴があるW.ガードナーの息子であるR.ガードナーが,こちらも負傷によりスペインを欠場しましたが,エガーターと同様フランスGPも欠場することになりました。そして,代役としてスペイン人ライダーのE.ガルソを起用することになりました。ちなみに,代役参戦するトゥロビッチとガルソは,Moto2ヨーロッパ選手権にテック3のマシンを駆って参戦しているチームメイト同士です。
2018/05/14(月)
☆ホームで(JRR)
◯第2戦の決勝レースが,生憎の天気に見舞われた我が大分県にあるオートポリスで行われました。この日のオートポリスは,朝から雨と深い霧に見舞われ,予定されていたスケジュールが次々にディレイとなりました。お昼頃になって雨が一時的にほぼ止み,霧もほぼ晴れる状況となりました。そのような中,ウェット宣言が出されて決勝レースがスタートしました。レース序盤は,ポールからスタートしたYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行と,Team HRCの高橋巧,ヨシムラスズキMOTULの渡辺一樹の3台によるトップ争いが展開されていきました。後続との差がつく中,この3台の誰かがトップになると思われる中,急激にペースを上げてくるマシンがありました。それが,ここがホームコースとなるカワサキのマシンを駆るKawasaki Team GREENの渡辺一馬でした。トップ争いをしていたライダーたちがウェットタイヤを選択していたのに対し,渡辺はドライ用タイヤで走行。レース序盤はウェットコンディションだったものの,レースが進むに連れて雨はほとんどと言っていいほど降ってないため路面が乾いていって,まさにスリックタイヤにとって良いコンディションとなっていた訳です。中盤過ぎから1周当り数秒速いペースを刻んでいった一馬は,あっという間にトップに立つと,そのままさらに差を広げて行きました。それに次いでペースを上げてきたのが,一馬のチームメイトである松崎克哉でした。今シーズンからカワサキのワークス的立場のチームに所属しながら,上位争いに全く絡むことができない結果しか出せていない松アでしたが,ドライタイヤを履いた賭が見事当り,一馬の独走は許したものの,それに注ぐ2番手に浮上しました。ウェットタイヤ勢は誰も追いつくことができず,ホームコースで見事ワンツーフィニッシュを達成することができました。なお,一馬にとってはこれが最高峰クラス初優勝,松アにとっては初表彰台となります。Kawasaki Team GREENがペースを上げていったときとほぼ同じくペースが上がってきたマシンがもう1台あり,それがMORIWAKI MOTUL RACINGの高橋裕紀でした。トップ2の2台からは10秒以上の差をつけられたものの,こちらもウェットタイヤ勢を次々にパスしていって3位まで浮上し,このまま3位でチェッカーとなりました。彼のチームメイトである清成龍一は16位とポイント圏外でしたので,Kawasaki Team GREENがタイヤを合わせてきたのに対し,MORIWAKI MOTUL RACINGはタイヤ選択を別にした可能性が高いものと思われます。ウェットタイヤ選択勢の中でのトップは,一馬たちにパスされるまでトップに立っていた高橋巧の4位でした。ここまで全勝でランクトップに立ち,予選でも圧倒的な速さでポールを獲得したYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行は,9位でのチェッカーとなりましたが,ランクトップの座は変わっていません。今シーズンからステップアップを果たした我が大分県の最高峰クラスライダーであるチーム阪神ライディングスクールの清末尚樹は,ほぼノーマルとも言えるマシン,そしてウェットコンディションが苦手ということもあってか,完走は果たしたものの,ブービーとなる26位でのチェッカーとなりました。ちなみに,この決勝レース中は天候がたまたま悪くなかったものの,チェッカー後に表彰式が始まる頃から強めの雨が降り始め,あっという間にフルウェットコンディションとなりました。表彰台に上がった3人にとっては,まさに運にも味方されたレースとなりました。
なお,2&4という形で併催で行われているSFの第2戦決勝レースは,雨と深い霧が再び襲ってきたため,フリー走行は始まったものの,途中で2台のマシンが相次いでコースオフを喫してクラッシュし,赤旗が提示されてフリー走行はこのまま終了。その後の協議で,このままでは天候の回復が全く望めないため,そのままキャンセルになっています。

☆圧勝(F1)
◯第5戦スペインGPの決勝レースが,バルセロナにあるカタルニア・サーキットで行われました。この日のカタルニアは,午前中は雨に見舞われてウェットコンディションになったものの,その後天候が回復し,やや路面温度は低いものの,ドライでの走行となりました。ポールからスタートしたのは,今シーズンここまで思うような結果が残っていないディフェンディングチャンピオンであるメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。順調にトップでオープニングラップを終えると,それ以後は他の追随を許さない圧倒的な速さで後続との差を広げて行きました。チームメイトのV.ボッタスも,ハミルトンのペースからは遅れたものの,こちらも3位以下に差を徐々につけていきました。途中バーチャル・セーフティー・カーなどが導入される事態も発生したりしましたが,順調に後続との差を広げて行き,ハミルトンがチームメイトに20秒以上の大差をつける圧勝で前戦に次ぐ連勝を飾りました。レッドブルのM.フェルスタッペンとフェラーリのS.ベッテルによる3位争いが展開されましたが,ベッテルの激しい追い上げをかわしてフェルスタッペンが3位表彰台を獲得しています。トロロッソ・ホンダ勢は,前日に行われた予選で12番手と健闘してポイント獲得が期待されたP.ガスリーでしたが,オープニングラップに発生したアクシデントに巻き込まれ,もらい事故によるリタイアとなってしまいました。予選前のフリー走行で激しいクラッシュに見舞われ,予選を走行できず,それまでのタイムで何とか決勝レースに出場できることになったB.ハートレーは,12位まで順位を上げる活躍を見せましたが,この順位でのチェッカーとなってこちらもノーポイントに終わっています。
2018/05/11(金)
☆交渉開始(F1)
◯ルノー・スポールF1チームでマネージングディレクターを務めているS.アビテブールによると,同チームからフル参戦しているC.サインツJrとの契約延長交渉を開始したということです。サインツJRは,元々レッドブルの支援を受けたドライバーですが,現在のレッドブルはD.リカルドとM.フェルスタッペンという強力なドライバーがステアリングを握っていて,そこに食い込めない状況にあります。そこで,レッドブルがルノーからパワーユニットを供給されていることから,ルノーへ貸し出すという形でサインツJrが同チームに所属しています。来季も彼を継続して採用していきたいルノーですが,場合によってはそれがかなわない状況にもなっています。というのも,レッドブルはリカルドとの契約を延長する方向なのですが,今季で契約が切れるリカルドは,フェラーリへの移籍の噂が出ています。フェラーリについては,S.ベッテルは継続採用の可能性が高いものの,K.ライコネンのとの契約は未定となっています。もしライコネンに替わってリカルドがフェラーリのシートに座る状況となれば,レッドブルの空いたシートにサインツJrが呼び戻されることになります。メルセデスやフェラーリと比べると,ルノー製PUのパフォーマンスは低く,それをカバーするために速いドライバーが必要です。ルノーとしては,それに該当するドライバーの一人であるサインツJrを引き留める必要があることから,アビテブールが認めたように残留に向けた交渉を開始したという動きになる訳です。
2018/05/10(木)
☆離脱(MotoGP)
◯Moto2クラスにフル参戦しているSICレーシング・チームから発表があり,同チームに所属しているZ.カイルディンが,チームと合意の上で離脱することになりました。ワイルドカードで2009年のマレーシアGPに125ccクラスに初参戦したカイルディンは,主に軽量級クラスであるMoto3で活躍しました。そこでは,ウェットコンディションになるとトップ争いをする彼の姿が見られ,2012年のマレーシアGPで2位表彰台を獲得すると共に,この大会の予選では,マレーシア人ライダーとしては史上初となるポールを獲得しています。Moto3クラスでは,これまでに優勝経験はないものの,2位表彰台1回,3位表彰台1回,レース中のファーステストラップ3回という成績を挙げています。昨年,一昨年はGPから離れてSBKと併催で行われているWSSに参戦していましたが,今シーズンを迎えるに当たって同チームからフル参戦予定だったH.シャーリンが,モンスター・ヤマハ・テック3のJ.フォルガーの体調不良による参戦休止を受けてステップアップすることになることから,カイルディンがシャーリンの抜けそうなシートに座ることになりました。今シーズン初めてMoto2クラスに参戦してきたカイルディンでしたが,ここまでの4戦は,28位,26位,27位,そして転倒リタイアと,全くと言っていいほど成績が振るいませんでした。本人自身これ以上成績アップが厳しいと言うことを認識していたのか,チームと協議した結果,中量級への参戦に終止符を打つことが最善の方法であるという判断に至ったようです。離脱後のカイルディンは,チームのメインスポンサーでもあるセパン・インターナショナル・サーキット(チーム名の"SIC"は,同サーキットのことを表しています。)が支援している若手育成プログラムである『Impian ke MotoGP』の指導者に就任するとのことです。
2018/05/09(水)
☆新パーツなしで(MotoGP)
◯ヨーロッパランドの初戦となる第4戦スペインGPは,ここが母国となるレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスの勝利で終わりましたが,ほとんどのチームとライダーは開催地であるヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトにそのまま延滞し,決勝日翌日の7日(月)にオフィシャルテストを実施しました。今回のテストは,この日だけの開催でした。このテストでトップタイムをマークしたのは,決勝レースで前を行く3台がアクシデントで転倒リタイアとなり,漁夫の利を得た形で2位表彰台を獲得したモンスター・ヤマハ・テック3のJ.ザルコでした。ザルコ自身,さらにチーム自体も今シーズンでヤマハを去り,来季からKTMのマシンを駆ってフル参戦することが既に決まっています。サテライトチームですので,元々型落ちのYZR-M1が供給されている訳ですが,現在はほぼ間違いなく改良された新しいパーツの供給が制限されていることでしょう。そのような状況にもかかわらずテストとはいえトップタイムをマークする訳ですから,KTMが両者に目をつけたのは当然といえるのかもしれません。意地悪な見方をすれば,今季型M1は現段階で苦戦している状況にありますが,それが供給されていない同チームにはかえって好都合になっているのかもしれません。2番手タイムをマークしたのは,スペインGPではリタイアに終わっているLCRホンダ・カストロールのC.クラッチローでした。リタイアと言えば,決勝レースでドゥカティ・チーム2人のバトルのあおりを受けて接触転倒してリタイアに終わっているレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサが3番手タイムでした。第2戦アルゼンチンGPでザルコがやや強引とも言えるパッシングを仕掛けた影響からハイサイド転倒に終わり,その際ペドロサは手を骨折するという重傷を負ってしまっています。まだ十分回復していないでしょうし,さらにスペインGPにおける不運な転倒で体に痛みがあるようですが,そのような状況にもかかわらずの3番手タイムでした。3戦連続してポイントを獲得しているLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,ルーキー勢トップの座はエストレージャ・ガルシア・マークVDSのF.モルビデリに譲ったものの,8番手タイムでテストを終えています。なお,今回のテストには,決勝レースで同士討ちに終わったドゥカティ・チームをはじめ,今シーズン好調なリザルトを残しているチーム・スズキ・エクスターも参加していません。また,アプリリア・グレシーニの2人やアンヘル・ニエト・ドゥカティのK.アブラハム,ザルコのチームメイトであるH.シャーリン,アルマ・プラマック・レーシングのD.ペトルッチも参加していません。ただ,前年の成績から他メーカーに比べてテスト回数の制限が緩くなっているスズキとアプリリアは,イタリアGPの会場であるムジェロ・サーキットにおいて2日間のプライベートテストを行う予定になっています。
2018/05/08(火)
☆約5年ぶり(WEC)
◯2018/19年世界耐久選手権(WEC)の開幕戦となるる『スパ・フランコルシャン6時間レース』の決勝レースが,ドライコンディションとなったベルギーのスパ・フランコルシャンで行われました。ポールからスタートしたトヨタ・ガズー・レーシングのトヨタTS050ハイブリッド7号車を駆るS.ブエミ&中嶋一貴&F.アロンソ組は,スタートからトップの座を守ってレースは進行していきました。今シーズン唯一となるワークス参戦している同チームは,その速さを示すかのように後続との差を広げて行きました。それに対して,同チームの7号車を駆るM.コンウェイ&小林可夢偉&J-M.ロペス組は,前日に行われた予選後の車検において,その7号車の燃料流量計が事前に申告していたものと異なるシリアルナンバーの部品が使用されていたことが判明し,予選タイム抹消されてピットスタートとなりました。1周遅れでのスタートを切った7号車は,こちらも他を圧倒する速さを見せて前を行くマシンを次々にパスしていき,3時間を過ぎた頃には8号車に次ぐ2番手に浮上していました。レース残り1時間を切った段階で両者の差は1分ほどありましたが,その後セーフティーカーが出される事態が発生してその差が一挙になくなってしまいました。リスタート後は,僅差でのレースとなりましたが,チームとしては同士討ちを避けるのは当然ですので,7号車が8号車をパスするような走りは展開せず,そのままの順位でチェッカーを受け,トヨタは開幕戦でワンツーフィニッシュを達成しています。『ル・マン24時間耐久レース』を目指し,F1だけでなくWECシリーズにフル参戦をしているアロンソにとっては,デビューレースでいきなり勝利を収めることとなりました。F1においてこのところ優勝争いするには戦闘力が劣るマシンでフル参戦しているアロンソですから,シリーズこそ違え,表彰台の頂点に立つのは2013年のスペインGP以来およそ5年ぶりとなります。レース後に行われた表彰式では,2位に入った7号車は2人しか参加しておらず,小林可夢偉の姿は最後まで見られませんでした。レース後のチームとの話し合いに時間を取られ,表彰式に向かったときには既に始まっていたため,登壇することができなかったようです。レギュレーションでは,表彰式参加は義務づけられていますので,可夢偉に対して1500ユーロ(約20万円)の罰金が科されてしまっています。なお,3位には,レベリオンR13・ギブソンを駆るレベリオン・レーシングのM.ベッシェ&T.ローラン&G.メネゼス組が入っています。
2018/05/07(月)
☆3戦連続&初ポイント(MotoGP)
◯ヨーロッパランド最初のレースとなる第4戦スペインGPの決勝レースが,今シーズンから先日お亡くなりになったレジェンドライダーの名前を冠したヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトで行われました。MotoGPクラスは,好スタートを切ったドゥカティ・チームのJ.ロレンソがトップに立ちましたが,8周目にレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスがトップに立つと,徐々に後続との差を広げていって独走態勢に持ち込みました。2位に落ちたロレンソと,そのチームメイトであるA.ドビツィオーゾ,さらにマルケスのチームメイトであるD.ペドロサの3台による2位争いが展開されていきましたが,ドゥカティ同士のバトルでラインを外した隙を狙って4位を走行していたペドロサがそのインをつきました。その際,ラインに戻ろうとしたロレンソとペドロサが接触して転倒。外側を走行していたドビツィオーゾがそれに巻き込まれ,一挙に3台がリタイアとなってしまいました。単独で5位を走行していたモンスター・ヤマハ・テック3のJ.ザルコが,漁夫の利を得て2位に浮上。結局マルケスが2位のザルコに5秒以上の大差をつけて今季2勝目を挙げました。3位には,3台によるバトルを制したチーム・スズキ・エクスターのA.イアンノーネが入り,自身初となる最高峰クラスにおける2戦連続表彰台獲得となりました。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,KTM勢3台とのバトルとなり,最終的に12位でのチェッカーを受け,3戦連続ポイント獲得となっています。
Moto2クラスは,ポールからスタートしたポンスHP40のL.バルダッサーリが,独走態勢に持ち込んで2位に3秒弱の差をつけてチェッカーを受け,一昨年9月に行われた第13戦以来となる勝利を収めました。2位には,こちらも単独走行となったレッドブルKTMアジョのM.オリベイラが入っています。なお,そのオリベイラに関してですが,大会開幕前にKTMから発表があり,来季からKTMのサテライトチームとなるテック3にどれと同時に所属し,MotoGPクラスにステップアップすることが発表されています。これにより,来季のKTMは,ワークスがP.エスパルガロとJ.ザルコ,テック3がオリベイラという体制になることが決まり,後残りはテック3の1つとなっています。3位には,3番グリッドからスタートしたスカイ・レーシング・チームVR46のF.バグナイアが入っています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの長島哲太は,16番グリッドからスタートして13位でチェッカーを受け,うれしい今季初ポイントを獲得しています。
Moto3クラスは,スードメタル・スケドゥルGPレーシングのP.エッテルと,レドックス・プルエステルGPのM.ベツェッキの2人によるトップ争いが展開され,最終的にエッテルが1000分の59秒差でこのバトルを制しました。エッテルにとっては,これがうれしい初優勝となります。ちなみに,オールドレースファンには懐かしい軽量級クラスでかつて活躍したピーター・エッテルは,彼の父親ですので,親子二代で優勝を経験したことになります。3位にベスター・キャピタル・ドバイのM.ラミレスが入り,一昨年の最終戦以来となるKTMによる表彰台独占となりました。フル参戦日本人ライダー勢ですが,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が6位に入って,2戦連続トップ10フィニッシュを果たしています。ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡が9位,ペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢が12位に入ってポイントを獲得しています。RBAボエ・スカル・ライダーの真崎一輝は,完走したものの,オープニングラップで起こった多重クラッシュの影響を受けてコースオフを喫したことが災いして20位でチェッカーを受けています。なお,今回はワイルドカード参戦としてアジア・タレント・チームから小椋藍が出場していて,見事15位完走を果たしてポイントを獲得しています。
2018/05/03(木)
☆契約延長(MotoGP)
◯MotoGPクラスにおけるKTMのワークスチームであるレッドブルKTMファクトリー・レーシングから発表があり,今シーズンで契約が切れるP.エスパルガロとの間で,2年間の契約を延長することになりました。来季以降のKTMについては,これまでも話題が出てきていて,その最たるものが今シーズン限りでヤマハとの契約が切れるテック3と契約が成立し,来季以降同チームがKTMのサテライトチーム(インディペンデントチーム)として参戦するということでしょう。両者の関係は,MotoGPクラスだけでなく,先日発表があったように,現在テック3はオリジナルマシンでMoto2クラスへもフル参戦していますが,来季からはKTMのMoto2マシンが供給されることも決定しています。また,ライダーについては,先日発表があったように,昨シーズンからテック3に所属してMotoGPクラスにフル参戦しているJ.ザルコとの間で契約が成立しています。今回契約が成立したエスパルガロは,KTMがMotoGPクラスにフル参戦を開始した昨シーズンからワークスライダーとして契約していました。その前に彼が所属していたのが,奇しくも来季からKTM陣営に入るテック3でした。今回の契約成立により,来季から4台体制となるKTMですが,その内の2つのシートが埋まったことになります。後残りの2つについてはまだ不透明で,現在KTMに所属しているB.スミスについては,今シーズンで契約が切れますが,契約延長となるかはかなり不透明です。また,テック3については,ザルコと共に今季所属しているH.シャハリンは,あくまでも体調不良により今シーズンの参戦をキャンセルしたJ.フォルガーの代役ですから,今後の活躍次第ではあるものの,そしてフォルガーの回復具合にもよりますが,契約延長は厳しいものが予想されます。既にヤマハワークスは来季のシートは決定しているものの,他のワークスはまだシートの空きがあります。どのように埋まっていくのか,シート獲得競争にも当分の間目が離せませんね。
2018/05/02(水)
☆復帰(BSB)
◯JRRにフル参戦するモリワキから発表があり,同チームからJSB1000クラスにフル参戦している清成龍一が,ベネッツ・ブリティッシュスーパーバイク選手権(BSB)の第3戦オールトンパークに代役参戦することになりました。今回の代役参戦は,同シリーズにホンダ・レーシングからフル参戦しているD.リンフットが,ブランズハッチで行われた第2戦で転倒し負傷したことによります。フリットと言えば,昨年の8耐において高橋裕紀&清成と組んでモリワキから参戦した経歴があり,今回はそれが縁でのものとなります。とはいえ,単にそれだけが要因という訳ではもちろんなく,何と言っても清成と言えばBSBで数々の栄冠を手に入れた経歴があることが最大の要因であることは間違いないでしょう。清成のBSBにおける経歴を見ると,ホンダのマシンを駆ってフル参戦を開始した2004年に遡ることになります。フル参戦3年目となる2006年に最初のタイトルを獲得すると,翌年もタイトルを獲得して連覇を果たしました。その後,一旦SBKに戦いの場を移しましたが,再びBSBにフル参戦し,ホンダのマシンを駆ってその年に3度目となるタイトルを獲得しました。その翌年はマシンの性能不足等もあって不振を極め,2012年からはアジア選手権にフル参戦しました。そして,2013年に再度BSBにホンダのマシンを駆って復帰しましたが,タイトル争いに絡むことができず,この年で慣れ親しんだホンダとの関係が途切れ2014,2015年はBMW,2016年はスズキのマシンを駆ってフル参戦しましたが,結局タイトルを獲得するに至らず,昨シーズンからモリワキに所属してJRRに15年ぶりに復帰しました。スポットでの参戦ではありますが,清成にとってかつてエースライダーとして所属したチームですから,溶け込むのは通常の代役参戦よりは早いのは間違いないでしょう。優勝争いというのは厳しいでしょうが,BSBでの活躍によりイギリスのレースファンにおける知名度は高いでしょうから,思う存分の走りを展開して欲しいですね。
2018/05/01(火)
☆初優勝(WRC)
○4月29日(日)に第5戦アルゼンチン大会最終日の走行が行われ,TOYOTA GAZOO Racing WRTのO.タナクが優勝しました。30歳のエストニア人であるタナクは,昨シーズンまでMスポーツに所属してフォード・フィエスタWRCを駆り,同チームのタイトル獲得に貢献してきました。そのタナクは,今シーズンからトヨタに移籍し,5戦目にしてトヨタでの初優勝を飾りました。この勝利は,トヨタにとっても今季初となります。タナク個人としては,昨年の第10戦ドイツ大会以来,トヨタとしては昨年の第9戦フィンランド大会以来の勝利となります。今シーズンのタナクは,移籍初戦となる今シーズンの開幕戦モンテカルロ大会でいきなり2位を獲得。第4戦ツールド・コルスでも2位表彰台を獲得していて,そのポテンシャルと勝利の近さを感じさせていました。今回の大会でのタナクは,SS1で2位に立ったものの,一時は9位にまで順位を下げていました。しかし,徐々にポジションを回復していき,SS5でトップに立つと,後は最後までそのポジションをずっと守り続けました。2位,3位にはそれぞれT.ヌービル,D.ソルドが入り,ヒュンダイi20クーペWRCが表彰台の2つを占めました。ここまでランクトップに立っている昨年の王者S.オジェは,4位でこの大会を終えています。
 

トップ > 5月の最新ニュース