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最新ニュース

2018/08/30(木)
☆参戦体制(MotoGP)
○マレーシアGPの会場であるセパン・インターナショナル・サーキット(SIC)が運営するSICレーシング・チームが,来季の参戦体制について発表会を開きました。今シーズンは中・軽量級クラスにフル参戦している同チームですが,既にこれまでに何度かお伝えしたように,テック3が来季からKTMのサテライトチームになることに伴い,その空いたMotoGPクラスの参戦枠にヤマハのサテライトチームとしてSICが参戦することになりました。タイトルスポンサーは,マレーシアの国営石油関連企業であるペトロナスがこのクラスも就きます。所属することになったライダーは,今季エストレージャ・ガルシア・マークVDSからホンダのマシンを駆ってMotoGPクラスにフル参戦しているF.モルビデリと,Moto2クラスにスピードアップ・レーシングからフル参戦しているF.クアルタラロの2人です。これまでのヤマハは,サテライトチームには1年落ちのYZR-M1を供給してきましたが,今季の不振を受けたからか,来季からはその方針を変えることになり,モルビデリにはワークスとほぼ同じのマシンであるAスペックのM1を,クアルタラロに対しては,それよりは性能が落ちるBスペックのマシンを供給することになります。中・軽量級クラスに関してですが,まず今シーズンからフル参戦しているMoto2クラスは,来季新たなライダーが加入することになり,今季イデミツ・ホンダ・チーム・アジアからフル参戦しているマレーシア人ライダーのK.イダム・パウィが加入することになります。そして,Moto3クラスは,今シーズンも同チームからフル参戦している佐々木歩夢が残留し,フル参戦3年目を戦うことになります。そして,その佐々木のチームメイトには,今季KTMのマシンを駆ってCIPグリーンパワーからフル参戦しているJ.マクフィーが加入することになりました。
2018/08/23(木)
☆参戦チーム(MotoGP)
○4輪では,電動のマシンで争われるFEが既に始まっていて,年を経るごとにその存在感を示すようになってきています。それに対して,2輪はまだ電動マシンによるシリーズは現在のところ始まっていませんが,来季からMotoGPをプロモートするDORNAスポーツが電動バイクによるレースシリーズである『FIM Enel MotoE World Cup』(MotoE)が始まることが決まっています。そのシリーズに関して,8月22日(水)に発表があり,シリーズ初年度に参戦するチームなどが明らかとなりました。来季から発足するMotoEは,イタリアの電動バイクメーカーであるエネルジカ・モーターカンパニーが生産するマシンである『エネルジカ・エゴ・コルセ』のワンメイクレースで,MotoGPと同じくフランスのタイヤメーカーであるミシュランがワンメークタイヤとして供給することになっています。今回の発表によると,シリーズ初年度は,12チーム18名のライダーが参戦することになるようです。具体的な参戦チームや台数は以下の表のようになっていますが,現在MotoGPクラスにフル参戦しているチームはライダーが2名,Moto2,Moto3クラスにフル参戦しているチームはライダーが1名という体制になっています。なお,そのライダー等については,後日発表されます。
2019年 MotoE参戦体制
車両数 チーム
2台体制 テック3・レーシング
LCRホンダ
プラマック・レーシング
エスポンソラマ・レーシング(アビンティア・レーシング)
グレシーニ・レーシング
アンヘル・ニエト・チーム
1台体制 セパン・インターナショナル・サーキット(SIC)
マークVDSレーシング・チーム
アジョ・モータースポーツ
ポンス・レーシング
ダイナボルト・インタクトGP
SIC58スクアドラ・コルセ
2018/08/22(水)
☆昇格(F1)
○D.リカルドが今シーズン限りでレッドブルとの契約を解除し,来季からルノーに移籍することが先日発表されていました。それに伴い,その空いたシートに誰が座るのかが注目されていましたが,この度レッドブル・レーシングから発表があり,今シーズンからトロロッソ・ホンダに所属してF1にステップアップしているP.ガスリーを,レッドブルに昇格させて来季から起用することが決定しました。これにより,来季のレッドブルは,既に契約が成立しているM.フェルスタッペンと今回決定したガスリーという若手ドライバーの組み合わせで来季に臨むことになりました。来季からルノー製パワーユニット(PU)に替わってホンダ製PUを採用することが決まっているレッドブルですが,ガスリーは今シーズン既にトロロッソで同PUを使っていますので,若手ペアという不安はあるものの,そうしたことからガスリーの起用には十分意味があるといえます。もちろん,ホンダ製PUに慣れているということだけで彼を起用した訳ではなく,今季ここまでのガスリーは,バーレーンGPにおいて表彰台まであとわずかという4位を獲得していますし,モナコGPでは7位,そしてハンガリーGPで6位入賞を果たし,チームのコンストラクターポイントはほとんど彼が獲得したものになっています。それほどまでに,フェルスタッペンだけでなく,レッドブル陣営としてはガスリーの将来性に期待していることが来季からの起用に繋がっていることでしょう。ここで気になるのは,ガスリーが抜けるトロロッソの来季の陣容です。今季はガスリーとB.ハートレーとのペアになっていますが,そのハートレーは期待された結果がなかなか出せていないため,シーズン途中での放出も噂されています。もちろんチームはこれを否定しているものの,噂はなかなか消えない状況にありました。しかし,ガスリーが来季から抜けることが決まりましたので,シーズン途中ではないものの,シーズン終了後にハートレーを放出してしまうと総入れ替えとなってしまいます。レッドブルのここまでの流れは,レッドブル・ジュニアドライバーをまず兄弟チームであるトロロッソで起用し,そこで結果を残したドライバーがレッドブルに昇格するという今回のガスリーのような流れが中心になっています。ところが,現在F2等参戦しているレッドブル・ジュニアドライバーの中には才能豊かなドライバーはいるものの,F1参戦に必要なスーパーライセンスを今シーズン終了までに獲得できそうなドライバーが一人もいない状況にあります。もし総入れ替えとなると,レッドブルやトロロッソとは関係のないドライバー同士の組み合わせとなります。これはさすがに避けたい状況ではありますので,少なくとも一人については,ハートレーの残留という線が出てきました。ハートレーにとって今回の契約成立は,救いの神になるのかもしれません。
2018/08/21(火)
☆開催形態は?(SF)
○SFを運営する日本レースプロモーション(JRP)から,来シーズンのレースカレンダーの発表がありました。それによると,レース数は今シーズンまでと変わりなく,全7戦での開催となります。開催時期についてもこれまでとほとんど同じで,変更となるのは,今シーズン5月にスポーツランドSUGOで開催された第3戦が,来季は6月開催となっています。気になるのは,開催の形態です。というのは,近年はJRRとの併催となる2&4での開催が数戦ありました。しかし,数日前にJRPが運営する新たなシリーズ戦となるTCR車両によるレースが,来季から始まることになったのです。ホンダのシビックやアウディのRS3 LMSなどの車両がこれに該当するTCRですが,国内においては久々のツーリングカー選手権の復活ということになります。このTCRの開催については,新たなシリーズ戦だけに単独での開催は厳しいことが予想され,どうやら来季はSFとの併催となるようです。となると同一日にJRRを含めた3つのシリーズの開催が果たして可能かということが出てきます。この点については,現段階で当然ではありますが全く触れられていません。どのような形態になるのか,今後の発表が気になるところです。
なお,今回発表されたレーススケジュールは以下の表のようになっていますが,今回の発表は暫定版ですので,今後変更になる可能性があります。
2019年 SFレースカレンダー(暫定)
決勝日 サーキット
第1戦 4月21日 鈴鹿サーキット
第2戦 5月19日 オートポリス
第3戦 6月23日 スポーツランドSUGO
第4戦 7月13日 富士スピードウェイ
第5戦 8月18日 ツインリンクもてぎ
第6戦 9月29日 岡山国際サーキット
第7戦 10月27日 鈴鹿サーキット
2018/08/20(月)
☆ケガを乗り越え(JRR)
○SFとの併催となる2&4で行われた第6戦の決勝レースが,レースウィークを通じて好天に恵まれたツインリンクもてぎで行われました。JSB1000クラスのみの開催となった今大会は,ワンツーとなったヤマハワークスと,3番手となったホンダワークスとの争いとなった予選でしたが,決勝レースも同様に3台によるバトルとなりました。中盤までこの3台が順位を変えながら争いをしていきましたが,次第にヤマハ勢の争いへと変わっていきました。ポールからスタートした野左根航汰と,2番グリッドからスタートした中須賀克行とのチームメイトバトルは終盤まで続きましたが,8耐で右肩を痛めて万全の体調ではない中須賀ではあるものの,最終盤ではペースが上がらなくなった野左根との差を広げてトップでチェッカーを受け,ケガを乗り越えて今季7勝目を飾りました。野左根が2位でチェッカ-を受けて,予選とは順位が逆になったものの,YAMAHA FACTORY RACING TEAMがワンツーフィニッシュを飾っています。3位には,後続に10秒以上の大差がついて単独走行となったTeam HRCの高橋巧が入っています。

☆今季初(SF)
○JRRの決勝レースに続いて,SF第5戦の決勝レースが行われました。レース前半はオープニングラップでトップに立ったDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの松下信治を,ポールからスタートしたJMS P.MU/CERUMO・INGINGの石浦宏明が追うという形となりました。中盤に入って松下がピットに入ると,石浦はこのタイミングを見て一挙にペースアップして松下との差を一挙に広げることに成功しました。これ以後は石浦の単独走行となり,今季初優勝をポールトゥーフィニッシュで飾りました。多くのドライバーが1ストップ作戦を採る中,2ストップ作戦にしてペースアップを果たしてこれが成功したITOCHU ENEX TEAM IMPULの平川亮が,後続に20秒以上の差をつけた単独走行で2位表彰台を獲得しました。3位には,予選5番手から徐々に順位を上げていった前戦の勝者であるKONDO RACINGのN.キャシディが入っています。ここまでランクトップに立っていたTEAM MUGENの山本尚貴が7位でチェッカーとなったことから,キャシディがランクトップに立っています。予選はややホンダエンジンユーザー勢が優勢だったような感じでしたが,決勝レースはトヨタエンジンユーザー勢が好結果を残し,表彰台を独占すると共に,トップ5は4位でのチェッカーとなった松下信治を除いた4台がトヨタエンジンユーザー勢となっています。
2018/08/19(日)
☆初ポール&ワンツー(JRR)
○国内レースの世界は夏休みが明け,ツインリンクもてぎでSFと併催となる2&4の予選が行われました。第6戦となる今回は,JSB1000クラスのみの開催となっています。この予選で速さを見せたのは,YAMAHA FACTORY RACING TEAM #5の野左根航汰でした。今回の予選は前車が走行するQ1と,その中でトップ10が走行するQ2とが行われましたが,野左根はQ1,Q2共にトップタイムをマークし,今季初のポールを獲得しています。チームメイトであり,ここまでぶっちぎりでランクトップを行っている中須賀克行は,8耐を4連覇したものの,個人的にはフリー走行で転倒を喫した際,右肩を強打した影響により,決勝レースでは結局1周もできないままでの4連覇となっていました。そのケガの影響は今回もまだ残っているようで,それがどこまで影響が出るかが今回の懸念材料となっていました。その中須賀ですが,確かにポールはチームメイトに譲ったものの,何とケガをしながらも2番タイムをマークする速さを見せ,YAMAHA FACTORY RACING TEAMのワンツーとなっています。8耐では,オープニングラップでトップに立つと,しばらくの間その座を守り続けるという活躍を見せたTeam HRCの高橋巧が,ヤマハワークスの後塵は拝したものの,3番手タイムをマークしてフロントローの一角を占めています。

☆コースレコードで(SF)
○第5戦の予選が,Q3までのノックアウト方式で行われました。Q2における上位8台で争われるQ3で速さを見せたのは,昨年のチャンピオンであるJMS P.MU/CERUMO・INGINGの石浦宏明でした。ファイナルアタックで次々にタイムが更新される中,最後の最後でトップタイムをマークした石浦が,コースレコードでの今季初ポール獲得となりました。最後の最後で石浦に逆転されたものの,2番手タイムでフロントローの一角を獲得したのは,DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの野尻智紀でした。その野尻のチームメイトで,SFルーキードライバーの松下信治が3番手タイムをマークしています。ここまでランクトップを行くTEAM MUGENの山本尚貴は,Q3まで進出したものの,7番手タイムで予選を終えています。
2018/08/18(土)
☆改革(WEC)
○通常のレースは,春に始まって冬前に1つのシーズンが終わりますが,現在の2輪の耐久選手権(EWC)は,年をまたいで1つのシーズンが行われ,7月末に行われている鈴鹿8耐が1つのシーズンの最終戦という設定になっています。4輪の世界耐久選手権(WEC)の方は,通常のシリーズと同じように1年の中で1つのシーズンが終わっています。そのシーズンの流れが,来年から変わることになりました。8月17日(金)にWECを主催する「フランス西部自動車クラブ」(ACO)から来シーズンのレースカレンダーの発表がありました。それによると,来季は9月にシルバーストーンで行われる大会が開幕戦,2020年6月に行われるル・マン24時間耐久レースが最終戦という設定に変わることになりました。ということで,シーズンはEWCと同じく,2019/20年シーズンということになります。EWCシリーズでは,もちろんルマンなどの注目度は高いですが,最も高いレベルで行われて注目を集めるのは,参戦しているほとんどのマシンの供給元である日本で行われる鈴鹿8耐です。ということで,その鈴鹿が最終戦として組んで,シリーズ全体を盛り上げようという取り組みにしています。WECで最も注目を集めるのは,世界3大レースの1つで,歴史的にもダントツの立場にあるル・マン24で,これを最終戦に組むシリーズへと変革していくことになったようです。なお,具体的なレースカレンダーは以下の表の様になっていますが,今回の発表が暫定版ですので,今後変更になる可能性があります。
2019/20年 WECレースカレンダー(暫定)
決勝日 サーキット 時間
第1戦 2019/9/1 シルバーストーン 4時間
第2戦 2019/10/13 富士スピードウェイ 6時間
第3戦 2019/11/17 上海インターナショナル・サーキット 4時間
第4戦 2019/12/14 バーレーン 8時間
第5戦 2020/2/1 サンパウロ 6時間
第6戦 未定 セブリング 8時間
第7戦 2020/5/3 スパ・フランコルシャン 6時間
第8戦 2020/6/13〜14 ル・マン 24時間
2018/08/17(金)
☆引退&移籍(F1)
○8月15日(水)にマクラーレンから発表があり,2015年から同チームに所属しているF.アロンソが,今シーズン限りでF1から引退することになりました。今世紀に入ってからF1に参戦しているアロンソは,マイルドセブン・ルノーF1チームに所属している2005年と2006年にF1チャンピオンに輝きました。その後はチャンピオンに輝くことはできませんでしたが,フェラーリに所属している5年間で3回2位になっています。この間,32回の勝利と,97回の表彰台獲得となっています。ただ,マクラーレンに所属してからは,マシンの戦闘力不足もあり,ここまで一度も表彰台に立つことはできていません。今回の引退には,このことが大きく影響していることは間違いありません。戦闘力の高いマシンのチームに移籍すればいいということがありますが,優勝の可能性のあるチームは限られていますし,それらのチームに座るアロンソのシートはどこにもありませんでした。これには,とても速いドライバーにはありがちなことですが,彼がチームやチームメイトとうまく関係性を築くことができにくい側面があったことも否定できません。F1でのチャンピオン復帰が現実的に難しくなった彼は,新たなモチベーションとして世界3大レースの制覇を目指す様になっています。その1つが,昨年のインディ500挑戦でした。一時トップに立つ活躍を見せたものの,残念ながらレース後半に入ってマシントラブルが発生してリタイアに終わっています。2つ目は,ルマン24の制覇でした。これに関しては,トヨタに所属して見事優勝を果たしています。既にF1のモナコGPは制覇しているアロンソですから,3大レースの内の2つを制覇していることになります。今回の発表は,あくまでもF1からの引退で,ドライバーとして引退する訳ではありません。来季の去就についてはまだ発表はありませんが,インディ500制覇に向けてのものになるのはまず間違いないでしょう。それがどのような形になるのかは分かりませんが,可能性としてあるのは,昨年インディ500に出場した際に所属したアンドレッティ・レーシングに所属することでしょう。そして,もう1つの可能性は,現在所属しているマクラーレンが,F1への参戦を継続する中,インディカー選手権にもフル参戦するのではないかということがあり,それにアロンソが戦いの場を移すということです。今後の注目点は,このことになっていくことでしょう。ところで,マクラーレン&アロンソの組み合わせでインディカーに参戦する場合,どのエンジンを使用することになるのでしょう?現在インディカー・シリーズにはシボレーとホンダがエンジンを供給していますが,まさかホンダ&マクラーレン&アロンソになったりはしないでしょうね?まあ,大人の判断ということもあるでしょうが・・・。
このアロンソの引退を受け,彼が抜けるシートに誰が座ることになるのかが注目点となりますが,昨日マクラーレンから発表があり,今季もルノーからフル参戦しているC.サインツと複数年契約が成立しました。サインツはレッドブルが運営するジュニアドライバーとして頭角を現してきました。F1ドライバーに昇格してからは,レッドブルの兄弟チームであるトロロッソから参戦を開始し,現在はレッドブルが使用しているパワーユニット(PU)の供給元であるルノーに貸し出される形でフル参戦しています。そのルノーに来季レッドブルからD.リカルドが移籍することになりましたので,通常で考えれば,レンタルでレノーに所属しているサインツがレッドブルに戻るのが自然です。ところが,来季からレッドブルのナンバーワンドライバー待遇となるM.フェルスタッペンとはトロロッソ時代に犬猿の仲ともいえるほどの状態になっていました。こうしたことから,サインツがレッドブルに移籍するのは難しいのではないかという観測も出ていました。そのような中での今回の発表でした。現在はルノーのPUを使っているレッドブルですが,来季からはご存知の様にトロロッソと同じくホンダ製PUを使うことが決定しています。今回サインツがルノー製PUを使用するマクラーレンに移籍するということは,レッドブルとの関係を絶つことになったということを意味します。サインツにとっては,単なる移籍ではなく,ドライバーとして新たな展開を迎えた今回の契約成立といえます。なお,そのサインツのチームメイトについては,こちらも通常で考えれば現在マクラーレンに所属しているS.バンドーンということになるのでしょうが,今回は発表がなく,追ってその点について明らかにされるということでした。バンドーンについては,期待されたほどの成績が残せていないという評価があり,シート喪失の噂が出ていますので,誰がチームメイトになるのかが不透明になっています。

☆サテライトは(MotoGP)
○長年ヤマハのサテライトチームを務めてきたテック3が,今シーズン限りでヤマハとの提携を解消し,来季からはKTMとタッグを組むことになりました。それに伴い,ヤマハは新たな提携先を見つける必要がありましたが,先日アンヘル・ニエト・レーシング・チームが所有するMotoGPへの参戦枠を引き継いで,マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキット(SIC)が主体となったチームが新たな提携先になることが決定していました。ただ,その段階では,どのライダーがそのチームに所属することになるのかは発表がありませんでしたが,8月12日(日)にヤマハでモーター・レーシング・マネージング・ダイレクターを務めているL.ジャービスから2人のライダーについて発表がありました。それによると,まず1人目は,昨年のMoto2クラスチャンピオンで,今シーズンはエストレージャ・ガルシア・マークVDSにそのまま所属してMotoGPクラスにステップアップを果たしているF.モルビデリです。来季の同チームに関しては,チームのゴタゴタからMotoGPクラスへの参戦をとりやめることが決定しています。当然モルビデリは新たな所属先を見つける必要がありましたが,それが今回決定したSICです。モルビデリはV..ロッシが主催するVR46アカデミー出身のライダーですから,現在はホンダのマシンを駆っているとはいえ,ヤマハとの関係性を築くことは容易な立場にあります。VR46が最高峰クラス進出を目指していて,その際に所属するのがモリビデリではないかと噂されていましたから,チームこそ違え,ヤマハのマシンを駆るのが前倒しになったと考えていいのかもしれません。もう一人のライダーは,現在スピードアップ・レーシングに所属してMoto2クラスにフル参戦しているF.クアルタラロです。19歳のフランス人ライダーである彼は,スピードアップという少数派のマシンを駆りながらもランク9位につけている若手有望株の一人です。なお,現在ワークスとLCRも含めてMotoGPクラスに6台のマシンを供給しているホンダですが,エストレージャ・ガルシア・マークVDSのMotoGPクラス離脱に伴い,来季は4台のマシン供給となるようです。また,今季モルビデリのチームメイトであるT.ルティは,来季ダイナボルト・インタクトGPに所属して再びMoto2クラスにフル参戦することが決まっています。チームメイトは,今シーズンも同チームからフル参戦しているM.シュロッターです。
2018/08/11(土)
☆独占(MotoGP)
○2週連続開催となるMotoGPですが,その2つ目のレースとなる第11戦オーストリアGPがレッドブル・リンクで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。この日のレッドブル・リンクは,午前中に行われたフリー走行1はドライコンディションで行われたものの,午後に行われたフルー走行2は,Moto3クラスのセッション終盤から激しい雨に見舞われてしまい,残りのセッションはヘビーウェットでの走行となってしまいました。そのため,どのクラスもフリー走行1のタイムがこの日の最速タイムとなっています。MotoGPクラスは,マシンの特性からドゥカティ勢の優勢が予想されていましたが,まさにその通りの結果となりました。フリー走行1は,前戦の勝者であるドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾがタイミングモニターのトップに立っていました。終盤に入ってチームメイトで,前戦において2位表彰台を獲得したJ.ロレンソがトップに立ちました。しかし,ラストアタックでドビツィオーゾが再びトップに立ち,これがこの日の最速タイムとなりました。総合3番手タイムをアルマ・プラマック・レーシングのD.ペトルッチがマークし,予想通りドゥカティ勢が速さを見せてトップ3を独占しています。ここまでランクトップ立っているレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,初日を総合4番手タイムで終えています。ちなみに,ウェットコンディションとなったフリー走行2では,マルケスがトップタイムでした。前戦で思う様にタイムアップがかなわず,ノーポイントレースで終わっているLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,総合16番手タイムでした。
Moto2クラスは,ここまでランク2位につけているスカイ・レーシング・チームVR46のF.バグナイアが,前戦で2位表彰台を獲得した勢いを維持するかの様にこの日の総合トップタイムをマークしました。ポンスHP40のL.バルダッサーリは,トップからわずか1000分の63秒遅れの総合2番手でした。さらに,ダイナボルト・インタクトGPのM.シュロッターもトップと僅差で,1000分の81秒差の総合3番手タイムで初日を終えています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの長島哲太は,トップからおよそコンマ6秒遅れの18番手タイムでした。
ここが母国GPとなるKTMですが,Moto3クラスは,そのKTMのマシンを駆るベスター・キャピタル・ドバイのJ.マシアが,自身初となるトップタイムをマークしました。同じくKTMを駆るM.ベツェッキが,マシアから1000分の81秒遅れの2番手タイムをマークしています。トップ5の内4台がKTMのマシンでしたが,レオパード・レーシングのL.ダッラ.ポルタがKTM勢に食い込む3番手タイムで初日を終えています。
2018/08/10(金)
☆参戦継続(SGT)
○今シーズンからGT300クラスにフル参戦しているModulo KENWOOD NSX GT3は,先日行われた第5戦の予選において,トラブルからマシン制御不能となったGT500クラスの立川祐路が駆るZENT CERUMO LC500に追突されてしまうというアクシデントに見舞われてしまいました。この事故により,追突した立川は足を痛め,マシンが大破しました。ただ,もし追突せずそのままクラッシュしていたら,恐らくこれでは済まない状態になっていたことはほぼ間違いなく,追突したことでそれがクッション的役割を果たしていました。立川にとっては救いの神にはなったものの,追突されたModulo KENWOOD NSX GT3を駆る道上龍は,腰を強打し,マシンも後部を中心に大破しました。翌日に行われた決勝レースは,ZENTの方は徹夜でマシン修復がなされ,足の痛みを抱えながらも立川も出場しました。それに対してNSX GT3はマシン修復がかなわず,それだけでなく,全損ともいえる状態に陥ってしまったため,今後の出場さえ不可能な状態となってしまいました。これにはGT500クラスのマシンとGT300クラスのマシンとの違いが大きく影響していて,大雑把な言い方をすれば,GT500クラスは共通モノコックに外装パーツを装着している状態ですから,モノコック自体に影響がなければ,後はパーツを付けていけばマシンを再生することができます。それに対してGT300クラスのマシンは,いわゆる市販の車と同じですから,激しい衝撃に見舞われるとシャーシにまで影響を与えることが多く,そうなると修復に相当な日数が必要となりますし,場合によってはいわゆる事故車と同じく全損として使用することができなくなります。こうした事態を受け,チーム代表でもあるModulo Drago CORSEの道上は,今後参戦する予定だったSGTの残りのレースと,今月末に予定されている鈴鹿10時間耐久への参戦が厳しい状況となりました。何せ数千万円もする高価なレース専用マシンですからそう簡単に購入することはできませんし,限定生産のものでもありますからマシンそのものがない場合もあります。同チームは道上のチームですから,ホンダのワークス的立場にあり,ホンダから新たなマシンがすぐに供給されるのかと素人考えで思っていたのですが,実態としては確かにスポンサーはホンダ系のものですが,チーム自体はプライベートチームと同じだということです。大変心配された状況でしたが,この度チームから発表があり,関係者の努力によりマシンの購入にめどが立ち,今後のSGT及び鈴鹿10時間への参戦も可能となったようです。チームの資金がどうなるのかがとても心配ではありますが,何はともあれ継続できたことは何よりのニュースです。
2018/08/09(木)
☆活動継続(F1)
○現在コンストラクターズポイントで6位につけているフォース・インディアF1チームは,資金難に陥っていて,この状況を少しでも改善しようということから,チーム員などの要請も受け,レギュラードライバーで債権者の一人でもあるS.ペレスが破産申請を行い,チームは管財人の管理下に置かれ,チームの新たなオーナーを探す状態になっていました。こうした状況にあるため,他のチームが新たなパーツを供給したりする中,フォース・インディアはアップデートを後回しにせざるを得ませんでした。しかし,ここに来て状況が好転し,新たな資金供給を受けることになりました。今回新たに資金供給することが決まったのが,現在ウィリアムズのレギュラードライバーを務めているランス・ストロールの父親で,大富豪でもあるローレンス・ストロールが率いる投資家コンソーシアムが同チームを救済することになりました。財政的な支援を受けることになったことにより,ドライバー,チーム員共にこれまで通りの活動をすることができる様になりました。現在はランク6位ですが,ここ数年4位につけているチームですから,ポテンシャルの高さはどのチームも認めているところです。アップデートパーツも満を持して投入される可能性も高いですから,これからの巻き返しが楽しみでもあります。ところで気になるのが,来季のドライバーについてです。今シーズンはペレス&E.オコンのペアですが,ドライバーランキングではペレスが10位,オコンが12位と,ここまでのチーム状態を考えると十分な成績といえます。通常で考えれば,来季同じペアでいっても何ら不思議はありません。ただ,冒頭でも書いた様に,今回救いの手を差し伸べたのがランス・ストロールの父親です。ウィリアムズのシートを得たのは,資金難に苦しむ同チームに多額のスポンサーマネーを持ち込んだことが影響を与えていることは間違いありません。かつての名門チームですが,現在は全くと言っていいほど戦闘力がなく,ポイント獲得がままならない状況にあります。それに対してフォース・インディアは十分戦闘力のあるマシン開発ができますので,来季はペレスとオコンのどちらかがシートを失い,そこにランス・ストロールが座ることになっても何ら不思議はありません。上位チームのドライバーラインナップがほぼ確定し,次は中堅チームに変わってくるものと思われます。当然その中にはフォース・インディアも入ってくるでしょうから,どのように展開していくのか要注目といえます。
2018/08/08(水)
☆1台体制で(MotoGP)
○第10戦チェコGPでは,決勝レースも含め何人ものライダーが転倒を喫し,走行をとりやめたりレースをリタイアしたりといった結果になりました。その中の1人が,ウォームアップ走行で転倒したレッドブルKTMファクトリー・レーシングのP.エスパルガロです。この転倒により,ポルはその後の走行をとりやめ,6日に母国スペインに帰国して精密検査を受け,幸いなことに大きなケガはなかった様で,左鎖骨にひびが入っていたということです。ただ,そのケガによりチェコGP終了後に行われたオフィシャルテストも欠場となっていました。チェコGPが終了したMotoGPですが,ちょうど2週連続開催になっていてしかも,チェコの次はKTMにとっても,そしてレッドブルにとっても母国GPとなるオーストリアGPです。この度チームから発表があり,その大事な母国GPをポルは欠場するということです。通常ですと,レギュラーライダーが欠場の場合,テストライダーが代役参戦しますが,KTMのテストライダーであるM.カリオは,ワイルドカード参戦した第9戦ドイツGPのフリー走行2で転倒を喫し,右膝靱帯損傷という重傷を負ってしまっています。そのため,彼も走行できる状態にありません。こういう状態ですから,この度チームのボスであるM.ライトナーがコメントを出し,オーストリアGPは99%の確立でレギュラーライダーであるB.スミスの1台体制で臨むことになるとのことです。
2018/08/07(火)
☆今季最後(MotoGP)
○第10戦チェコGPは,ドゥカティ・チームの速さが光った決勝レースとなりましたが,そのドゥカティのサテライトチームであるレアーレ・アビンティア・レーシングとアンヘル・ニエト・チーム以外のチームはそのままブルノにとどまり,今季3度目,そして最後となるシーズン中のオフィシャルテストに臨みました。今回のテストでは,今季はもちろん,ワークスチームは来季に向けてのテストメニューをこなしたところもあったようです。その中でトップタイムを刻んだのは,決勝レースではドゥカティ・チームの後塵を拝したものの,着々とポイントを重ねてチャンピオンシップをリードしているレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスでした。この日最多ラップを走行したマルケスは,来季を視野に入れた先行開発だと思われるカラーリングが施されていないマシンを駆っての走行を重ねていきました。マルケスがシーズン中のオフィシャルテストで最速タイムを刻むのは,前回に続く2回連続となります。2番手タイムをマークしたのは,今シーズン限りでチームそしてライダーのどちらもがKTMのサテライトチームになることが決まっているモンスター・ヤマハ・テック3のJ.ザルコでした。3番手タイムをマークしたのは,今季限りでの引退を発表しているレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサで,ワークスライダーとしては今回が自身最後のオフィシャルテストとなります。ホンダ勢は,当初HRCのテストライダーを務めているS.ブラドルが参加する予定になっていましたが,そのブラドルはチェコGPにワイルドカード参戦し,オープニングラップで多重クラッシュを喫して右肩靭帯の損傷という重傷を負ってしまったために不参加となり,代わって同じくHRCのテストライダーを務めている(チーム・アジアの監督も兼任)青山博一が参加しています。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,レースウィークを通じて速さを見せることができませんでしたが,今回のテストはセッティングの確認を中心にテストをこなしていったようです。
2018/08/06(月)
☆史上初(MotoGP)
○第10戦チェコGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったブルノ・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,オープニングラップの3コーナーで多重クラッシュが発生して一挙に3台がリタイアするという波乱でレースが始まりました。ポールからスタートしたドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾは,一度モビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシにトップの座を譲ることがありましたが,再びトップに浮上。ロッシはその後順位を下げ,代わってレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが追走しました。さらに,ポジションを上げてきたドゥカティ・チームのJ.ロレンソが2位に浮上。チームメイト同士によるトップ争いへと変わっていきました。マルケスも二人を交わそうとしましたが,この日はドゥカティのマシンの方が上回っていて,最後まで二人を交わすことができず,ドビツィオーゾが開幕戦以来となるトップチェッカーを受けました。レースウィークに入ってなかなかタイムアップが果たせなかったLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,ポイント圏内を目指して走行したものの,やはりペースを上げることができず,ポイント圏外の17位でチェッカーを受けました。なお,一時はトップに立ったものの,その後は表彰台争いから脱落したロッシでしたが,最後は4位でチェッカーを受けました。これにより,ロッシの獲得ポイントが通算6000ポイントを超えるという史上初の快挙を成し遂げています。
Moto2クラスは,ポールからスタートしたスカイ・レーシング・チームVR46のL.マリーニと4番グリッドからスタートしたレッドブルKTMアジョのM.オリベイラとがゴールライン直前まで競り合うレースとなりました。初優勝を狙ったマリーニでしたが,100分の7秒差でオリベイラがトップチェッカーを受け,最高位獲得ではあるものの,惜しくも初優勝を逃しました。この優勝により,ランキング争いでオリベイラがトップに立っています。3位にF.バグナイアが入り,スカイ・レーシング・チームVR46が2台共に表彰台を獲得しています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの長島哲太は,ポイント争いを展開したものの,残念ながらポイント圏外の16位でのチェッカーとなりました。
Moto3クラスは,トップ争いで逃げ切ってデル・コンカ・グレシーニMoto3のF.ディ.ジャンアントニオが自身初となるトップチェッカーを受けました。2,3位には,ぞれぞれエストレージャ・ガルシア0,0のA.カネト,レドックス・プルエステルGPのJ.コーンフェールが入っています。フル参戦日本人ライダー勢は,予選と同じくRBAボエ・スカル・ライダーの真崎一輝が日本人勢最高位の13位でチェッカーを受けています。SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が,真崎からコンマ1秒遅れで14位でチェッカーを受け,この2人がポイント獲得となりました。ペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢は22位,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は2周目に転倒してリタイアに終わっています。

☆レースでは(SGT)
○第5戦『FUJI GT 500mile RACE』の決勝レースが,好天に恵まれた富士スピードウェイで行われました。GT500クラスは,前日の予選で圧倒的な速さを見せたGT-R勢が,レース途中まではトップ3を形成する走りを見せました。ところが,レース中盤を過ぎると徐々に遅れだし,ついにはトップを走行する佐々木大樹&J.マーデンボロー組のカルソニック IMPUL GT-Rのみが残り状態となりました。そのカルソニック IMPUL GT-Rにもトラブルが発生して脱落。最終的には徐々に順位を上げていった中嶋一貴&関口雄飛組のau TOM’S LC500がトップに立つ状態となりました。このau TOM’S LC500は順調にポジションをアップしていった訳ではなく,ピットでのミスが2度あったのですが,それを乗り越えてのトップ浮上でした。そして,さらに同じトムス陣営である平川亮&N.キャシディ組のKeePer TOM’S LC500が2位につけ,予選ではGT-R勢の圧勝という状態でしたが,決勝レースでは,ここを得意とするトヨタ勢の代表格であるトムスのワンツーで終了しました。3位には,こちらも予選ではほとんどのチームが苦戦していたNSX-GTの一角である塚越広大&小暮卓史組のKEIHIN NSX-GTが入りました。
GT300クラスは,7周目にトップに立った高木真一&S.ウォーキンショー組のARTA BMW M6 GT3が速さを見せ,他のマシンを周回遅れにして優勝を飾りました。今回の優勝でARTA BMW M6 GT3は富士でのレースで3連勝を飾り,これは史上初となります。2,3位には,それぞれ谷口信輝&片岡龍也組のグッドスマイル 初音ミク AMG,嵯峨宏紀&平手晃平組のTOYOTA PRIUS apr GTが入っています。
2018/08/05(日)
☆今季初(MotoGP)
○サマーブレーク明けの初戦となる第10戦チェコGPの予選が,ドライコンディションとなったブルノ・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,ここまでランク4位につけているドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾが,今季初となるぽーるを獲得しました。昨年はポール獲得ならなかったドビツィオーゾですが,彼のポールは一昨年10月に行われた第17戦マレーシアGP以来となります。ここまでランク2位につけているモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシが,トップからコンマ2秒以上離されてしまいましたが,2番グリッドを獲得しています。ここまでランクトップに立っていて,予選前に行われたフリー走行4ではトップタイムをマークしたレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,ロッシからわずか1000分の5秒遅れの3番手タイムでした。サマーブレイク中は8耐に参戦していたLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,初日からなかなか上位に顔を出すことができずにいましたが,予選でもタイムアップがならず,今日行われる決勝レースは7列目20番グリッドからのスタートとなります。
Moto2クラスは,弟の活躍が見られる予選となりました。まず,ロッシの異父兄弟であるスカイ・レーシング・チームVR46のL.マリーニが,GPにフル参戦以後自身初となるポールを46戦目にして獲得しました。2番グリッドを獲得したのは,M.マルケスの弟であるエストレージャ・ガルシア・マークVDSのA.マルケスが獲得し,因縁の二人の弟によるワンツーとなりました。3番グリッドは,ベテランライダーのイタルトランス・レーシング・チームのM.パシーニが獲得しています。中上と同じく8耐に参戦したイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの長島哲太は,こちらもタイムアップならず25番グリッド獲得にとどまっています。
Moto3クラスは,レドックス・プルエステルGPのJ.コーンフェールが,GP参戦通算155戦目にして初のポールを母国GPで獲得しました。そのコーンフェールからコンマ4秒以上離されて,CIPグリーン・パワーのJ.マクフィーが2番グリッドを獲得しています。サマーブレイク前のドイツGPで2番グリッドを獲得したベスター・キャピタル・ドバイのM.ラミレスが,1つ順位は下げましたが3番グリッドを獲得して2戦連続フロントローからのスタートとなりました。フル参戦日本人ライダー勢は思う様にタイムアップならず,RBEボエ・スカル・ライダーの真崎一輝の12番手が最高位で,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は20番グリッドでした。SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生とペトロナス・スプリンタ・レーシングの佐々木歩夢は,共に2周目に転倒してタイム計測がなされないという事態となりましたが,フリー走行においてトップから107%内のタイムをマークしていたため,救済措置で決勝レースには出場可能となり,それぞれ27番,28番グリッドからのスタートとなります。

☆ニッサン勢が(SGT)
○この時期のSGTといえば,昨年までは鈴鹿1000qが組み込まれていましたが,それがSGTのシリーズ戦からは外れましたので,今季からは富士スピードウェイで行われる500マイルレースが真夏のレースとして開催されることになっています。その予選がドライコンディションの中で行われ,GT500クラスはニッサンGT-R勢が圧倒的速さを見せる結果を出しました。まず,ポール獲得となったのは,ニッサンのエースチームである松田次生&R.クインタレッリ組のMOTUL AUTECH GT-Rでした。2番グリッドをJ-P・デ・オリベイラ&高星明誠組のフォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rが獲得し,GT-Rがフロントローを独占しました。トップ5の内4つをGT-R勢が独占しましたが,中嶋一貴&関口雄飛組のau TOM’S LC500が3番グリッドを獲得し,唯一GT-R勢の中に食い込みました。
GT300クラスは,耐久レース的な側面のある今大会でチームによっては3人体制を組んでいるところがありますが,その中の1つである松井孝允&坪井翔&近藤翼組のHOPPY 86 MCがトップタイムをマークしてポールを獲得しました。GT500クラスではNSX-GT勢で唯一Q2に進出したARTAですが,GT300クラスでは,高木真一&S.ウォーキンショー組のARTA BMW M6 GT3が2番手タイムをマークし,フロントローを獲得しています。GT500クラスでは圧倒的な速さを見せたGT-Rですが,GT300クラスでは星野一樹&吉田広樹組のGAINER TANAX triple a GT-Rが3番グリッドを獲得しています。
2018/08/04(土)
☆急展開(F1)
○徐々に来シーズンのシートが決まっているF1ですが,来年からホンダ製パワーユニット(PU)を搭載することが決まっているレッドブルについては,M.フェルスタッペンは契約期間が来季までありますので,自動的に残留ということになります。もう一人のD.リカルドについては,フェラーリやメルセデスAMGといった最有力チームへの移籍が取り沙汰されたものの,そのどちらも移籍の可能性がなくなり,レッドブル残留へと流れが変わってきていました。リカルド自身もこの点を認めていて,後は近々行われるはずの残留表明を待つばかりとなっていました。ところが,その流れに急展開が起こりました。まずレッドブルから発表があり,今シーズンをもってチームを離脱することが決定したのです。残留が確定していただけに,まさに驚きの事態が起きた印象です。2014年から同チームに所属してきたリカルドですが,その間に現段階まで7回の優勝と29回の表彰台を獲得しています。その驚きの発表を受け,今度はルノー・スポールF1から発表があり,リカルドとの間で来季から2年間の契約が成立しました。5年間にわたってレッドブルに所属してきたリカルドは,そのレッドブルがルノー製PUユーザーでしたから,この間当然ルノー製PUを使ってきたことになります。今回の契約成立により,ルノーのワークスドライバーとしてPUを使用することになる訳です。今回の発表では,N.ヒュルケンベルグがチームメイトになることも発表されましたので,自動的にC.サインツが離脱することも決定したことになります。ということは,今度はそのサインツがどこに移籍することになるのかも注目となります。可能性として当然レッドブルへ移籍という可能性がありますが,チームメイトがM.フェルスタッペンということになります。しかし,以前トロロッソでこの組み合わせがなされていましたが,年齢が近い強烈な個性の持ち主同士ということで,決してうまくいっていたとはいえない状況にありました。それだけに,果たしてレッドブルがこうした状況になることが分かっていてこの組み合わせを選択するか疑問があります。現段階では,サインツはザウバーに移籍するのではないかという噂が出ているようです。
2018/08/03(金)
☆非公式ながら(F1)
○今シーズン2回目となるインシーズンテストが,7月31日(火)と8月1日(水)の2日間にわたってハンガリーのハンガロ・リンクで行われました。今回のテストには,ハースを除く10チームが参加しました。初日の走行では,フェラーリのテストドライバーであるA.ジョビナッツィがトップタイムをマークして終了しました。そして,2日目の走行でトップタイムをマークしたのは,メルセデスAMGのテストドライバーを務めているJ.ラッセルが非公式ながらコースレコードを更新するタイムをマークしてこの日のトップに立ちました。2番手タイムをフェラーリのレギュラードライバーであるK.ライコネンがマークし,タイムでは2番手でしたが,走行周回数ではこの日のトップとなる131周をマークしています。そのライコネンと同じ周回数をこなしたレッドブルでシュミレーターでのテストドライバーであるJ.デニスが,この日の3番手タイムでした。大怪我を乗り越え来季から再びF1に戻ってくるのではないかと噂されているR.クビサは,ウィリアムズのマシンを駆ってこの日の6番手タイムをマークしています。トロロッソ・ホンダはこの日2台のマシンが走行しています。通常は各チーム1台のみしか走行できませんが,この分はテストドライバーのS.グラエルが務め,後の1台は,ピレリのタイヤテストを担っての走行で,こちらはレギュラードライバーのP.ガスリーとB.ハートレーが務め,午前はガスリーが,午後はハートレーが担当しました。タイヤテストは今季型マシンを使用することができないため,来季型のプロトタイプマシンを駆っての走行でした。タイム的にはこの3台が下位3つを占めてしまうというものでしたが,今回のテストはタイムよりもテストメニューをこなすことの方が重要ですから,チームとしてはさほど気になっていないのではないかと思われます。今回のテストを持ってF1は一旦サマーブレイクに入り,次は8月26日に決勝レースを迎える第13戦ベルギーGPとなります。
2018/08/02(木)
☆変更なし(SGT)
○7月26日(木)にSGTを運営するGTアソシエーション(GTA)から,来シーズンのレースカレンダーの暫定版が発表されました。それによると,ドイツで行われているDTMとの連携を図っているSGTですが,来季に関しては交流戦といったDTMと関わりを持った何らかのレースの開催予定はないようです。レース数については,今季と変更がなく,タイのチャーン・インターナショナル・サーキットで行われるレースを含めて全8戦で行われる予定になっています。我が大分県にあるオートポリスでの開催についてもこれまで通り含まれていて,9月に第6戦として開催されることになります。今回発表されたレースカレンダーは以下の表の様になっていますが,今回のは暫定版ですから,今後変更になる可能性があります。
2019年 SGTレースカレンダー(暫定)
決勝日 サーキット
第1戦 4月14日 岡山国際サーキット
第2戦 5月4日 富士スピードウェイ
第3戦 5月26日 鈴鹿サーキット
第4戦 6月30日 チャーン・インターナショナル・サーキット(タイ)
第5戦 8月4日 富士スピードウェイ
第6戦 9月8日 オートポリス
第7戦 9月22日 スポーツランドSUGO
第8戦 11月10日 ツインリンクもてぎ
2018/08/01(水)
☆装着(SF)
○現行のシャーシSF14の使用は今シーズン限りで,来季からは新しいシャーシであるSF19が使用されることになっています。そして,先月上旬には,富士スピードウェイでシェイクダウンテストが行われ,DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの野尻智紀がホンダエンジンを搭載して走行を実施しました。そして昨日からは,同じ富士スピードウェイで2回目のテスト走行が行われ,今回はホンダだけでなく,トヨタエンジンも搭載してのテストとなりました。そのマシンを駆るのが,ホンダが山本尚貴,トヨタが国本雄資が担当しています。今回のテストの目玉は,両方のエンジンを搭載したマシンが走るということだけでなく,既に今シーズンからF1等に搭載されているドライバーの保護デバイスである『「ハロ(HALO)』が装着されてのテストが行われていることです。ハロについては,視認性の問題やスタイリングなどに意見が分かれているところがありますが,今回は視認性の確認等が行われたようです。その視認性に関しては,どちらのドライバー共にさほど影響がなかった様で,Y字型をしているハロの縦の部分は,もちろん視界に入ることはあるようですが,SGTにフル参戦しているドライバーの感覚からすれば,箱形のマシンはピラーがあり,それで視界が遮られることがあります(市販車を運転している私たちも似た様な経験があるのではないでしょうか。)から,それを考えるとさほど問題にはならないということです。また,左右に分かれている横の部分については,ドライバーの視線から見ると結構高い位置にある様で,こちらも問題にならないということでした。マシンへの乗り降りがしにくいという指摘がF1ではありますが,これについても慣れてくれば大きな影響はないようです。ただ,乗り降りしにくいということは,クラッシュ等があってドライバーをコックピットから救出しなければならない状況になったとき,オフィシャルがドライバーを出しにくいということになりますから,当然この点は問題として残ることになるでしょうし,その救出を担うオフィシャルについては原則年間1,2回しかSFのレースを経験しませんから,こちらの慣れはいかんともしがたいところがあります。いくつかの問題があることは間違いないのでしょうが,テスト初日におけるドライバーのコメントから考えると,ハロの装着は当初からなされることになるのではないかという印象です。
 

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