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最新ニュース

2017/10/31(火)
☆解雇&ほぼ決定(F1)
○先週末にトロロッソのチーム代表であるF.トストが明らかにしたところによると,同チームから参戦していたD.クビアトとの契約を解除しました。これにより,来季から「トロロッソ・ホンダ」として出発する同チームですが,来季のドライバーラインナップはほぼ間違いなくP.ガスリー&B.ハートレーとなりそうですし,トストもその点を示唆しました。この度解雇が決定したクビアトは,2013年にGP3シリーズでチャンピオンを獲得し,翌年からトロロッソに所属してF1へと昇格しました。さらに,2015年にはS.ベッテルがフェラーリに移籍したことでレッドブルに昇格してその空いたシートに座ることができました。ここまでは順調にいっていたのですが,2016年シーズン途中でその年にトロロッソからフル参戦していたM.フェルスタッペンがレッドブルに昇格し,クビアトはトロロッソへといわゆる「降格」となりました。そして,今シーズンもトロロッソから参戦していましたが,シーズン後半になって他のドライバーがクビアトのシートに座って数戦に参戦するような事態になっていました。これは,確かに時折速さを見せることはありましたが,リザルトに浮き沈みが見られ,昨シーズンからチームメイトだったC.サインツと比べるとほとんど彼に負けているような状態であったことが影響しているものと思われます。事実上F1でのシートが現段階で失った状態にあるクビアトですが,来季の去就については現段階では明らかになっていません。レッドブルとの契約も解除されているということですから,そう簡単には見つからない状況にあることは間違いなく,この世界の厳しさを改めて感じさせられますね。
2017/10/30(月)
☆持ち越し&決定(MotoGP)
○第17戦マレーシアGPの決勝レースが,Moto2クラスのレースが終わってから雨が降り始めたセパン・インターナショナル・サーキットで行なわれました。ウェットコンディションの中での走行となったMotoGPクラスは,雨で速さを見せるドゥカティ勢によるトップ争いとなりました。その争いは,ドゥカティチームのチームメイト同士によるもので,スタートではやや出遅れたものの,すぐに順位を回復していったA.ドビツィオーゾと,一旦はトップに立ったJ.ロレンソとの間で繰り広げられました。一旦はトップに立ったロレンソでしたが,残り5周となったところでドビツィオーゾにトップの座を奪われ,結局そのままの順位でチェッカーとなりました。そのドビツィオーゾとチャンピオン争いを展開しているランクトップのレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,4位でチェッカーを受けていますので,チャンピオン争いは最終戦に持ち越すこととなりました。3位には,一時トップを走行していたモンスター・ヤマハ・テック3のJ.ザルコが入っています。
ドライでの走行となったMoto2クラスは,2番グリッドからスタートした前戦の勝者であるレッドブルKTMアジョのM.オリベイラが,好スタートを切ってホールショットを奪うと,後は後続との差を広げていき,最終的に2位に入ったチームメイトのB.ビンダーに2秒以上の差をつけて独走で2連勝を飾りました。これで,KTMが2戦連続してワンツーフィニッシュを飾ったことになります。3位には,ランクトップを行くエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのF.モルビデリが入りました。そのモルビデリとチャンピオン争いをしていたランク2位を行くカーエキスパート・インターウェッテンのT.ルティは,前日に行われた予選でハイサイドにより転倒した際,左脚を骨折したために決勝レースをキャンセルせざるを得ませんでした。そのため,レースの結果にかかわらずモルビデリのチャンピオンが決定していたのですが,表彰台獲得でそれに華を添えています。テルルSAGチームの長島哲太は,自己最高位となる10でチェッカーを受けています。もう一人のフル参戦日本人ライダーであるイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,オープニングラップで転倒を喫してリタイアに終わっています。
前戦で既にチャンピオンが決定しているMoto3クラスは,そのチャンピオンに輝いたレオパード・レーシングのJ.ミルが,3台によるトップ争いを展開してこれを制し,見事ポールトゥーフィニッシュを飾っています。見るとの競り合いに負けたデル・コンカ・グレシーニMoto3のJ.マルティンとエストレラ・ガルシア0,0のE.バスティアニーニが,それぞれ2,3位に入っています。日本人ライダー勢ですが,SICレーシング・チームの佐々木歩夢が12位でチェッカーを受けて見事ポイント獲得となりました。ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は20位完走を果たしたものの,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生はオープニングラップで転倒してリタイアに終わっています。

☆チャンピオン決定(F1)
○第17戦メキシコGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったエルマノス・ロドリゲス・サーキットで行なわれました。ポールからスタートしたのはメルセデスAMGのL.ハミルトンのチャンピオン獲得阻止を狙うフェラーリのS.ベッテルでしたが,その両者よりも速さを見せたのは,2番グリッドから好スタートを切ったレッドブルのM.フェルスタッペンでした。1コーナーでベッテルと並んだフェルスタッペンは,2コーナーでハミルトンが両者に追いついてそこをすり抜けてトップに立ちました。そのバトルの際,チャンピオン争いを展開しているハミルトンとベッテルが接触し,ハミルトンはパンク,ベッテルはフロントウィングが破損して緊急ピットインせざるを得ない状況となりました。トップに立ったフェルスタッペンは,最速タイムを刻みながら後続との差を広げていき,最終的に2位に入ったメルセデスAMGのV.ボッタスに19秒以上の大差をつける独走で今季2勝目を挙げました。3位には,フェラーリのK.ライコネンが入っています。この大会で最も注目を集めていたチャンピオン争いですが,ランク2位のベッテルは,緊急ピットインの後比較的スムーズにマシンをパスして順位を回復していったのに対して,ハミルトンは思うようにパスして順位を上げることができずに周回遅れとなってしまいました。それでも徐々に順位を上げていってポイント圏内に入り,最終的に9位でチェッカーを受けました。順位を上げていったベッテルでしたが,4位まで上げたところまで入ったものの,3位走行のライコネンとは15秒以上の大差がついてしまっていて表彰台には上ることができませんでした。この結果,ハミルトンとベッテルとのポイント差は少し縮まったものの,残り2戦となったところで56ポイント差がついていて,残り2戦では最大で50ポイントしか差を縮めることができませんので,ハミルトンの4回目のチャンピオンが決定しました。マクラーレン・ホンダ勢は,F.アロンソが10位でチェッカーを受けてポイントを獲得しましたが,S.バンドーンはポイント圏外の12位でチェッカーを受けています。
2017/10/29(日)
☆ラストアタックで(MotoGP)
○第17戦マレーシアGPの予選が,30度を超える亜熱帯地方らしい気候となったセパン・インターナショナル・サーキットで行なわれました。MotoGPクラスは,レプソル・ホンダ・チームのM.マルケスのチャンピオン獲得を阻止したいドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾが最速タイムを刻んで一旦はタイミングボードのトップに立っていました。しかし,ここを得意とするレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサがラストアタックでその上を行くタイムをマークし,今季3度目,自身通算49度目となるポールを獲得しました。また,モンスター・ヤマハ・テック3のJ.ザルコもドビツィオーゾのタイムを上回り,2番グリッドから決勝を迎えることになりました。今大会でチャンピオンを決めたいマルケスですが,セッション途中で転倒を喫したことが影響したのか,さらに,リアサスのセッティングが決まっていなかったのか,タイムアタックで暴れるリアに手を焼きながらの走行となり,7番グリッド獲得で予選を終えています。
Moto2クラスは,いつものように最後に予選が行われましたが,路面温度が一層上がってきて,苦しい走りを強いられていきました。そうしたこともあってか,ここでチャンピオンを決めたいエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのF.モルビデリが,セッション中盤でタイムアタックを敢行してトップタイムをマークしました。その後,モルビデリや,それをランキング争いで追うカーエキスパート・インターウェッテンのT.ルティをはじめとして複数のライダーが転倒する状況となり,結局モルビデリのタイムを上回るライダーは誰も現われず,今季6度目となるポールを獲得しました。前戦で勝利を収めたレッドブルKTMアジョのM.オリベイラが,トップから1000分の26秒遅れのタイムをマークして2番グリッドを獲得しました。3番グリッドをポンスHP40のF.クアルタラロが獲得し,これは自身最高位となります。フリー走行では総合6番手タイムだったイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶でしたが,予選ではなかなか上位争いに顔を出す状況とならず,トップからおよそコンマ6秒遅れの9番手タイムでした。テルルSAGチームの長島哲太は,22番手タイムで予選を終えています。
Moto3クラスは,前戦でチャンピオンを決めているレオパード・レーシングのJ.ミルが,コースレコードを更新する速さを見せ,今季自身初となるポールを獲得しました。ミルのポールは,昨年8月に行われた第10戦オーストリアGP以来となります。前戦でフロントローからスタートしたデル・コンカ・グレシーニMoto3のJ.マルティンが2番手タイムをマークし,2戦連続フロントロースタートとなります。3番グリッドは,ブリティッシュ・タレント・チームのJ.マクフィーが獲得しています。日本人ライダー勢ですが,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生とSICレーシング・チームの佐々木歩夢がそれぞれ13,14番手タイムでした。ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は,21番手タイムで予選を終えています。

☆コースレコードで(F1)
○第17戦メキシコGPの予選が,ドライコンディションとなったエルマノス・ロドリゲス・サーキットで行なわれました。SFの最終戦が台風により中止となり,わずか0.5ポイント差で逆転チャンピオンを果たせなかったP.ガスリーは,来季から所属する可能性が高いトロロッソのマシンを駆って今回からF1へ参戦しています。そのガスリーですが,フリー走行3でエンジントラブルが発生し,予選開始までに修復ができなかったため,予選への出場ができずに終わりました。ランクトップを行くメルセデスAMGのL.ハミルトンとのポイント差を縮めたいランク2位をいくフェラーリのS.ベッテルは,ぞの意気込みを表すかのような走りを展開し,全セクターで最速タイムを記録していき,見事コースレコードをマークしてポールを獲得しました。そのベッテルが最速タイムを刻むまでタイミングボードのトップに立っていたのがレッドブルのM.フェルスタッペンでしたが,わずか1000分の86秒上回られたために2番手に下がってしまいました。チャンピオン獲得に王手をかけているハミルトンは,ベッテルからコンマ4秒以上遅れて3番手タイムでした。マクラーレン・ホンダ勢は,今回新しいパワーユニット関連の搭載をするためにグリッド降格の処分が下されることになっています。そのため,Q1突破は果たしましたが,Q2は走行を見合わせ,20グリッド降格のF.アロンソが14番手,35グリッド降格のS.バンドーンは15番手タイムで予選を終えています。
2017/10/28(土)
☆逆転に向け(MotoGP)
○3週連続開催となるMotoGPですが,その3つ目のレースである第17戦マレーシアGPが開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。この日のセパン・インターナショナル・サーキットは,午前中に行われたフリー走行1はドライタイヤでの走行が可能でしたが,午後に行われたフリー走行2はウェットコンディションとなったため,この日の最速タイムはフリー走行1でのものでした。MotoGPクラスは,ランクトップを行くレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスがチャンピオン獲得に王手をかけていて,ランク2位を行くドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾはそれを阻止して最終戦に逆転タイトルをかけている状況です。それをその意気込みを表すかのように,この日の総合トップタイムをマークしたのはドビツィオーゾでした。ドゥカティのサテライトチームの1つであるプル&ベアー・アスパー・チームのA.バウティスタが,ドビツィオーゾからわずか1000分の71秒差で総合2番手タイムをマークしています。さらに,ヤマハのサテライトチームであるモンスター・ヤマハ・テック3のJ.ザルコが,トップからコンマ136秒という僅差で総合3番手タイムでした。ランクトップを行くマルケスは,総合5番手タイムで初日を終えています。
Moto2クラスは,前戦オーストラリアGPにおいてこのクラスとしては初めてKTMに勝利をもたらしたレッドブルKTMアジョのM.オリベイラが,その勢いを持続しているかのように初日総合トップタイムをマークしています。今大会にチャンピオン獲得に王手をかけているエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのF.モルビデリが,トップからわずか1000分の73秒遅れで総合2番手タイムをマークしています。今回でのチャンピオン決定を阻止しようとしているランク2位を行くカーエキスパート・インターウェッテンのT.ルティが,トップからこちらも僅差となる1000分の73秒遅れで総合3番手タイムでした。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,そのルティに次ぐ総合4番手タイムで初日を終えています。もう一人のフル参戦日本人ライダーであるテルルSAGチームの長島哲太は,総合21番手タイムでした。
既に前戦でチャンピオンが決まっているMoto3クラスは,そのチャンピオンを決めたレオパード・レーシングのJ.ミルが,コースレコードを更新する速さを見せて初日総合トップタイムをマークしました。SICレーシング・チームのA.ノロディンが,母国GPを初日総合2番手タイムでスタートしています。ミルのチームメイトであるL.ロイが,総合3番手タイムでスタートを切っています。日本人ライダー勢ですが,奇しくも3人連続した総合順位になっていて,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡が24位,SICレーシング・チームの佐々木歩夢が25位,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が26位でした。

☆多発(F1)
○第18戦メキシコGPが開幕し,この日は2回のフリー走行が行なわれました。ドライコンディションとなったこの日のエルマノス・ロドリゲス・サーキットですが,最速タイムはいつものように2回目のフリー走行でマークされました。ただし,このフリー走行2はあちらこちらでタイヤやパワーユニット関連のトラブルが多発し,途中赤旗が提示されることもありました。そのような中トップタイムをマークしたのは,レッドブルのD.リカルドでした。この大会でチャンピオン獲得を狙っているメルセデスAMGのL.ハミルトンは,トップからおよそコンマ13秒遅れで総合2番手タイムでした。総合3番手タイムは,何かと発言が物議を醸すことがあるレッドブルのM.フェルスタッペンでした。マクラーレン・ホンダ勢ですが,F.アロンソが7番手,S.バンドーンが15番手で初日を終えています。
2017/10/27(金)
☆獲得条件(MotoGP)
○3週連続開催となるMotoGPですが,今日からその3つ目のレースとなる第17戦マレーシアGPがセパン・インターナショナル・サーキットで開幕します。先週末に行われた第16戦オーストラリアGPにおいては,Moto3クラスでJ.ミルがチャンピオンを決め,後はMotoGPクラスとMoto2クラスのチャンピオンが誰になるのかが今回のレースの注目点となります。その両クラス共に今回のレースで決定する可能性が高まっていますので,その獲得条件についてまとめておきたいと思います。
まず,最高峰のMotoGPクラスですが,オーストラリアGPでランクトップを行くレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが優勝したのに対して,ランク2位を行くドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾが13位でフィニッシュしたことにより,両者のポイント差が33に広がってしまいました。マレーシアGPが終わると最終戦バレンシアGPしか残っておらず,今回のレースでマルケスがドビツィオーゾより前でレースを終えれば,順位にかかわらずチャンピオンが決定することになります。マルケスが後塵を拝することになった場合は,以下の条件でチャンピオン獲得ということになります。
マルケスの順位 ドビツィオーゾの順位
2位 順位にかかわらずチャンピオン決定
3,4位 2位以下でチャンピオン決定
5〜8位 3位以下でチャンピオン決定
9〜11位 4位以下でチャンピオン決定
12,13位 5位以下でチャンピオン決定
14位 6位以下でチャンピオン決定
15位 7位以下でチャンピオン決定
ノーポイント,リタイア 8位以下でチャンピオン決定
次に,Moto2クラスは,前戦でランクトップを行くエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのF.モルビデリが3位表彰台を獲得したのに対して,ランク2位を行くカーエキスパート・インターウェッテンのT.ルティが10位に終わったため,2人のポイント差が29位に広がり,こちらもMotoGPクラスと同じくモルビデリがルティより前でフィニッシュすれば,順位にかかわらずチャンピオンが決まります。モルビデリがルティより遅れた場合は,以下の条件でチャンピオンが決まることになります。
モルビデリの順位 ルティの順位
2〜3位 2位以下でチャンピオン決定
4位 3位以下でチャンピオン決定
5〜7位 4位以下でチャンピオン決定
8〜9位 5位以下でチャンピオン決定
10位 6位以下でチャンピオン決定
11位 7位以下でチャンピオン決定
12位 8位以下でチャンピオン決定
13位 9位以下でチャンピオン決定
14位 10位以下でチャンピオン決定
15位 11位以下でチャンピオン決定
リタイア,ノーポイント 12位以下でチャンピオン決定
2017/10/26(木)
☆日本初(FE)
○昨日から『第45回東京モーターショー』が開幕しましたが,その会場において日産自動車から発表があり,電動のフォーミュラカーで争われている"フォーミュラE"(FE)へ,来年末に開幕する2018/19年シーズンからワークス参戦することとなりました。FEシリーズにフル参戦するのは,日本メーカーとしてはこれが初となります。FEについては,当初は一部のメーカーしか参戦していませんでしたが,電気自動車へのシフトが年々高まっている情勢に伴い,様々なメーカーが参入を決めていきました。これまでWECにフル参戦して数々の栄冠を獲得してきたアウディが,昨シーズンをもってWECから撤退し,現在はFEへ注力しています。また,今季途中では,同じくWECにフル参戦しているポルシェから発表があり,今シーズン限りでWECへのワークスチーム参戦をとりやめ,来季からアウディの後を追うようにFEへの参戦を開始することになりました。さらに,DTMに長年参戦してきたメルセデスが,こちらも参戦をとりやめ,同じくFEへの参入を表明しています。日産に関しては,系列会社であるルノーが既にフル参戦しています。日産といえば市販車である『リーフ』がありますし,同じく系列会社である三菱自動車では『アイ・ミーブ』をはじめ,今回の東京モーターショーにおいてモータースポーツファンにとっては思い入れのある"エボルーション"モデルが出品されています。そうした状況がありますから,今回の日産自動車の決定は,実に自然な流れなのかもしれません。気になるのは,同系列であるルノーとどのように棲み分けて参戦するのかというところですが,例えば同系列のポルシェとアウディがWECにしのぎを削りながらフル参戦していましたから,モータースポーツにおいては問題がないのかもしれません。今後各メーカーがますます注力していなければならない状況にある電気自動車だけに,日本の他メーカーにも参戦が広がる可能性が十分に考えられますね。
2017/10/25(水)
☆契約延長(MotoGP)
○今シーズンは3人の日本人ライダーがフル参戦していますが,その中で既にSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が来季も同じ体制でフル参戦することが決定しています。そして,この度佐々木歩夢が所属するSICレーシング・チームから発表があり,来季も今シーズンと同じく佐々木歩夢とA.ノロディンの体制で臨むことになりました。ライダーについては変更はありませんが,チーム自体には変更が加えられます。"SIC"の名称は,マレーシアGPの会場である"セパン・インターナショナル・サーキット"を表していて,同チームはマレーシアを中心にアジア人ライダーの育成を目的としたプログラムです。そして,今回の発表の中で,マレーシアの石油関連国営企業であるペトロナス社との間で合意があり,両者が取り組んでいる若手育成プログラムに関して協力関係を築くことになりました。そのため,来季からのチーム名が,『ペトロナス・スプリンタ・レーシング』とすることが決定しています。今シーズンからフル参戦を開始した佐々木ですが,週末に行われたチームにとっての母国GPであるマレーシアGPにおいて,自己最高位となる7位でチェッカーを受けています。2年目の来季こそ,今回のように上位争いに常に絡む活躍を見せて欲しいですね。
2017/10/24(火)
☆今度は(MotoGP)
○体調不良により第15戦日本GPと第16戦オーストラリアGPの2レースを欠場したモンスター・ヤマハ・テック3のJ.フォルガーですが,今週末にセパン・インターナショナル・サーキットで行われる第17戦マレーシアGPについても欠場することが同チームから発表されました。フォルガーの欠場に伴い,日本GPでは野左根航汰が,オーストラリアGPではJ.ブルックスが代役参戦しましたが,欠場の発表と同時に代役参戦についても発表があり,SBKにおけるヤマハのワークスチームであるパタ・ヤマハ・オフィシャル・ワールドスーパーバイク・チームからフル参戦しているM.ファン.デル.マークが出場することになりました。ファン.デル.マークの代役参戦については,第14戦アラゴンGPにおいて一旦はケガで欠場するとされたモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシの代役として出場することになっていました。ところが,そのロッシがケガを押して出場することにし,何と5位でフィニッシュするという驚きの結果を出しました。ただ,ファン.デル.マーク自身としては,お預けを食らった形となっていました。今回は出場できることは間違いなく,ようやく最高峰クラスで型落ちながらワークスマシンを駆って走行することとなります。今回の会場となるセパン・インターナショナル・サーキットは,SBK及びその併催となるWSSの開催地でもあり,ファン.デル.マークは当然走行経験があります。しかも,2014年にWSSにフル参戦していたファン.デル.マークですが,この年のセパンにおいて優勝した経歴を持っています。前回の代役参戦で出場できなかった鬱憤を,今回晴らせることになりそうですね。
2017/10/23(月)
☆王手&決定(MotoGP)
○第16戦オーストラリアGPの決勝レースが,途中雨に見舞われたフィリップアイランド・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,レース途中まで8台によるトップ争いが繰り広げられていきました。その中でランクトップを行くレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが,終盤に入ってトップに立つと,後は後続との差を広げて独走態勢に持ち込み,今季6勝目を挙げました。ランク2位を行くドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾは,なかなかペースを上げることができずに3台で11位争いを展開していました。そして,ファイナルラップに入った段階ではその先頭に立っていたものの,最後の最後で競り負けて13位でのチェッカーとなってしまいました。この結果,レース前は11ポイントだった2人の差が33に広がり,マルケスが次戦マレーシアGPでのチャンピオン獲得に王手をかけました。マルケスに遅れは取りましたが,3台による2位争いが展開されていき,3台の先頭に立っていたモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシが逃げ切って2位を獲得し,4番手を走行していたモビスター・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスが最後の最後でモンスター・ヤマハ・テック3のJ.ザルコを交わして3位表彰台を獲得しています。前戦日本GPで好結果を残したレッドブルKTMファクトリー・レーシングの2人でしたが,今回も速さを見せてP.エスパルガロが9位,B.スミスが10位と,フル参戦初年度ながらシーズン終盤に入って結果を出すようになってきています。
そのKTMですが,今シーズンからMoto2クラスにもフル参戦を開始しています。レッドブルKTMアジョのM.オリベイラとB.ビンダーとがそのマシンを駆っていますが,今回の決勝レースでその2台が速さを見せて見事オリベイラ,ビンダーの順でそれぞれが単独走行となりながら見事ワンツーフィニッシュを飾りました。今年から参戦しているKTMにとってはこれは初優勝ですし,ポルトガル人ライダーが中量級クラスで優勝するのも初となります。3位には,ランクトップを行くエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのF.モルビデリが入っています。そのモルビデリとチャンピオン争いを展開しているカーエキスパート・インターウェッテンのT.ルティは,10位でチェッカーとなったために2人のポイント差が29に広がり,こちらもモルビデリがチャンピオン決定に王手をかけています。初日総合トップタイムだったイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,2位走行中だった残り2周で転倒を喫してしまい,残念ながらリタイアに終わっています。テルルSAGチームの長島哲太は,18位完走となっています。
唯一今大会にチャンピオン決定に王手がかかっていたMoto3クラスは,その王手をかけているレオパード・レーシングのJ.ミルが,複数台による表彰台争いを展開していました。そして17周目に雨が降り始めたために赤旗が提示され,15周目の順位がリザルトとなりました。その15周目にトップだったのがミルで,この勝利により彼のチャンピオンが決定しました。L.ロイが2位でチェッカーを受け,レオパード・レーシングのワンツーフィニッシュとなりました。ロイにとっては,これが自身今季最高位となります。3位には,ポールからスタートしたデル・コンカ・グレシーニMoto3のJ.マルティンが入っています。フル参戦日本人ライダー勢ですが,SICレーシング・チームの佐々木歩夢が上位争いにずっと絡む速さを見せ,最終的に自身最高位となる7位でチェッカーを受けています。SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が10位でチェッカーを受け,今回は2台がトップ10フィニッシュを果たしています。初日からペースが上がらなかったホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は,20位でチェッカーを受けています。

☆王手(F1)
○第17戦アメリカGPの決勝レースが,ドライコンディションのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われました。ポールからスタートしたのはランクトップを行くメルセデスAMGのL.ハミルトンでしたが,スタートでやや出遅れて2番グリッドからスタートしたランク2位を行くフェラーリのS.ベッテルの先行を許しました。しばらくはベッテルがトップを走行していきましたが,速さを取り戻したハミルトンがペースアップを果たし,6周目にベッテルとの差を縮め,一挙にトップに立ちました。その後は,ピットインのタイミングで順位が変わったものの,それが落ち着いてからは再びハミルトンがトップに返り咲いて独走態勢に持ち込み,最終的に2位のベッテルに10秒以上の大差をつけ,今季9勝目をポールトゥーウィンで達成しました。これにより,ハミルトンとベッテルとのポイント差が66に広がり,次戦でチャンピオン獲得に王手をかけています。3位争いをフェラーリのK.ライコネンとレッドブルのM.フェルスタッペンとの間で繰り広げられ,ファイナルラップで前を行くライコネンをフェルスタッペンが交わしてそのままゴールとなりました。ところが,レース後に審議が行われ,オーバーテイクする際にイン側をカットしたということで5秒加算のペナルティがフェルスタッペンに科され,ライコネンが3位表彰台を獲得しました。マクラーレン・ホンダ勢は,S.バンドーンがパワーユニットに不具合が見つかって大幅な載せ替えを行ったため30グリッド降格が科されて最後尾からのスタートとなりました。無事完走は果たしましたが,惜しくもポイント獲得まで後1つの11位でチェッカーを受けています。F.アロンソは,ポイント圏内を走行中にエンジントラブルが発生し,25周目にリタイアに終わっています。
2017/10/22(日)
☆4年連続(MotoGP)
○第16戦オーストラリアGPの予選が,午前中は雨に見舞われたものの,予選が行われた時にはドライコンディションとなったフィリップアイランド・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,ランクトップを行くレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが,今季7回目となるポールを獲得しました。この大会で見ると,4年連続してのポール獲得となり,今回のポールにより,年間を通した予選最速者を決定する『BMW・M・アワード』のタイトルを決め,これで5年連続して同タイトルを獲得しています。逆転タイトル獲得の可能性を残しているモビスター・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスが,トップからおよそコンマ3秒遅れで2番グリッドを獲得しています。3番グリッドを獲得したのは,前戦日本GPでポールシッターだったモンスター・ヤマハ・テック3のJ.ザルコでした。ランキング2位につけているドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾは,マルケスから1秒以上遅れた11番手タイムと予選は奮いませんでした。
Moto2クラスは,今シーズン特に予選で速さを見せているイタルトランス・レーシング・チームのM.パシーニが,最速タイムを刻んで今季5度目のポールシッターとなりました。ダイナボルト・インタクトGPのM.シュロッターが,パッシーニからわずか1000分の8秒遅れで自己最高位となる2番グリッドを獲得しています。3番グリッドをレッドブルKTMアジョのM.オリベイラが獲得し,フロントローはカレックス,スッター,KTMと全て違うシャーシのマシンが並ぶことになりました。初日に総合トップタイムを刻んで2戦連続ポール獲得が期待されたイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶でしたが,初日のような圧倒的な速さを見せることができず,7番グリッド獲得にとどまっています。テルルSAGチームの長島哲太は,28番手タイムで予選を終えています。
Moto3クラスは,ここまで特に予選で速さを見せているデル・コンカ・グレシーニMoto3のJ.マルティンが,今回も最速タイムを刻んで今季8回目となるポールを獲得しました。RBAボア・レーシング・チームのG.ロドリゴが2番手タイムをマークし,今季4度目のフロントローを獲得しています。ここまでランクトップを行き,今大会チャンピオン獲得に王手をかけているレオパード・レーシングのJ.ミルは,トップから4秒弱遅れながら3番グリッドを獲得しています。フル参戦日本人ライダー勢ですが,母国GPで自己最高順位をマークしたSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生は,トップから1秒以内遅れで10番グリッドを獲得しています。SICレーシング・チームの佐々木歩夢は17番手,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡はブービーとなる30番手タイムで予選を終えています。

☆タイトル決定(SF)
○今季最終戦となる『第16回JAF鈴鹿グランプリ』の予選が,鈴鹿サーキットで行われました。最終戦にして今シーズンのタイトルが決まるという重要なレースで,しかもランクトップとランク2位との差がわずかコンマ5しかない僅差でのチャンピオン争いで注目を集める大会となっていました。ところが,日本列島を襲っている超大型台風である21号の影響により,予選自体は変則的な形で行われたものの,今日行われる決勝は悪天候が十分に予想されるため,最終的にこの大会は開催中止となりました。シーズンの早い段階でしたら代替開催ということが十分可能ですが,この時期での代替開催は,少なくともシーズン以内は不可能ですので,今回の決定に至っています。これにより,注目されたチャンピオン争いは前戦終了時点でのものとなり,P.MU/CERUMO・INGINGの石浦宏明が一昨年以来となるチャンピオンの座に返り咲いています。来季からF1へのステップアップが確実視されているTEAM MUGENのP.ガスリーは,わずか0.5ポイント差でチャンピオンを手土産にF1へ行くということができませんでした。

☆コースレコードで(F1)
○第17戦アメリカGPの予選が,ドライコンディションとなったサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われました。今回の大会は,乳がん啓発活動であるピンクリボン運動と連携していて,ピットレーンのラインやチームのレーシングギア等がピンク色に変えられて開催されています。そのような中で行われた予選で速さを見せたのが,ランクトップを行くメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。予選までのセッション全てでトップタイムをマークしていたハミルトンは,予選でコースレコードを更新するタイムを刻んでここでもトップタイムとなり,今季11回目となるポールを獲得しました。ランキング2位につけているフェラーリのS.ベッテルは,コンマ239秒差で2番手タイムをマークし,決勝レースはハミルトンの隣からスタートすることになりました。ハミルトンのチームメイトであるV.ボッタスは,そのハミルトンからおよそコンマ4秒遅れで3番グリッドを獲得しています。マクラーレン・ホンダ勢は,F.アロンソがQ3進出を果たし,9番グリッドから決勝レースをスタートすることになりました。S.バンドーンはQ2を突破することができず,13番グリッド獲得にとどまっています。
2017/10/21(土)
☆自身初(MotoGP)
○3週連続開催となるMotoGPですが,先週の日本GPに続き,2つ目の大会となるフィリップアイランド・サーキットでの第16戦オーストラリアGPが昨日開幕しました。初日は2回のフリー走行が行われ,アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニのA.エスパルガロが自身初となる初日総合トップタイムをマークしました。これまでのアレイシは,フリー走行1でのトップタイムはマークした経験がありますが,初日総合トップは初めてとなります。ランキングトップを行くレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,トップからわずか1000分の5秒遅れで総合2番手タイムでした。前戦でマルケスとの大接戦を演じてトップでチェッカーを受けたドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾがトップから1000分の92秒差で総合3番手タイムで,前戦で差が縮んだ2人のランキング争いは,今回も白熱しそうな感じの初日となりました。
Moto2クラスは,前戦日本GPにおいて,見事母国GPでポールを獲得したイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶が,初日に速さを見せて昨年9月に行われた第14戦アラゴンGP以来となる初日総合トップタイムをマークしました。その速さは後続とやや差をつけていて,総合2番手タイムをマークしたキーファー・レーシングのD.エガーターとコンマ7秒以上の差がついています。スカイ・レーシング・チームVR46のF.バグナイアが,トップからおよそコンマ9秒遅れで総合3番手タイムでした。来季は現在のチームを去ることが決定しているテルルSAGチームの長島哲太は,トップから2秒以上遅れて総合24番手タイムでした。
Moto3クラスは,今大会でチャンピオン決定の可能性があるレオパード・レーシングのJ.ミルが,今季5回目となる総合トップタイムをマークし,チャンピオン獲得に向けて好発進しました。そのミルからおよそコンマ3秒遅れで,エストレラ・ガルシア0,0マークVDSのA.カネトが総合2番手タイムでした。そのカネトからおよそコンマ2秒遅れで,レッドブルKTMアジョのB.ベンスナイダーが総合3番手タイムをマークしてます。日本人ライダー勢ですが,前戦である母国GPにおいて自身最高位となる4位でチェッカーを受けたSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生は,総合8番手タイムとなって初日トップ10フィニッシュを果たしています。母国GPの決勝レースにおいて他車の転倒に巻き込まれてリタイアに終わったSICレーシング・チームの佐々木歩夢は総合16番手,母国GPで完走を果たしたホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は29番手で初日を終えています。
2017/10/20(金)
☆残留(F1)
○マクラーレンから発表があり,同チームからフル参戦しているF.アロンソとの契約をもう1年延長することが正式に決定しました。2015年から同チームに所属しているアロンソですが,マクラーレン・ホンダとして再び活動を開始したチームに期待を寄せていました。しかし,ホンダ製パワーユニットの性能不足,信頼性不足が初年度から顕著となっていて,完走さえままならない状況がずっと続いていました。少しずつそうした問題が解消されてポイント獲得できるレースが時折出てきたものの,表彰台争いとは無縁な位置での走行を強いられていました。そうした状況を受け,アロンソのフラストレーションは年々高まっていって,チーム離脱をほのめかす状況がこれまたずっと続いていました。こうした状況もあって,チームはホンダとの提携解消を模索しはじめ,先日その提携解消が決定すると同時に,来季からかつてアロンソがチャンピオンを獲得した経験のあるルノーとの提携を発表しました。これにより,アロンソの態度が軟化していき,この度の契約延長に至っています。来季のドライバーについては,既にS.バンドーンの残留が決まっていましたから,パワーユニットは変更となるものの,ドライバーについては体制が維持されることとなりました。
2017/10/17(火)
☆最終戦&来季(SF)
○10月11日(水)付けのこのページで,SFにフル参戦&F1にスポット参戦したP.ガスリーの今後についてお伝えしましたが,先週13日(金)にトロロッソから発表があり,次戦アメリカGPにB.ハートレーを起用することになりました。アメリカGPとSF最終戦との日程が重なっていて,もしガスリーがアメリカGPに参戦するとなると,わずか0.5ポイント差でランク2位につけているSFにおけるチャンピオン獲得を事実上放棄することになります。ここ数年,チャンピオン争いでトヨタの後塵を拝しているホンダとしては,こうした事態は避けたいところで,是非ともガスリーにはSFへの出場を欲していたはずです。来シーズンからトロロッソへのパワーユニット供給が決定していますので,ホンダの意向はトロロッソに伝えやすくなっているでしょうから,普通に考えてもガスリーのアメリカGP参戦に難色を示していたはずです。今回の決定は,こうした点を受けてのことなのかもしれません。これにより,ガスリーはSF最終戦に参戦することが決定し,チャンピオンを獲得して来季F1へステップアップするという流れを目指すことになります。
今回アメリカGPに参戦することになったハートレーは,WECにおいてポルシェから参戦し,ルマン24時間耐久レースにおいては,見事勝利に貢献しています。現在は箱形マシンを駆っているハートレーですが,以前はレッドブルのジュニアチームに所属していた経歴を持ちます。その後,フォーミュラでの参戦は行っていませんが,一昨年はWECでチャンピオンを獲得。現在はそのWECでランクトップに立っています。そのポルシェは今季限りでWECからの撤退が決まっていますから,ハートレーはWECでのシートを失うことになります。もしかしたら,今回のハートレー起用は,ホンダの意向を受けてのものということもあるでしょうが,何よりもWECで活躍したハートレーを再びレッドブル陣営に復帰させようという意向が働いているのかもしれません。ということは,来季のトロロッソのドライバーラインナップは,ガスリーは当選確実ですが,もう一人については,通常ではD.クビアトの継続というところでしょうが,彼の成績は今一歩です。そこで浮上してくるのが,今回のハートレーです。アメリカGPへの参戦は,ハートレーにとって,これまでテストドライバーとしてしか関わることができなかったF1に,今度はレギュラードライバーとして参戦できるかどうかがかかった重要なレースとなるのかもしれません。

☆代役参戦(MotoGP)
○週末に行われた第15戦日本GPでは,病気で欠場したモンスター・ヤマハ・テック3のJ.フォルガーの代役としてJRRにヤマハのワークスライダーとして活躍している野左根航汰が出場しました。その代役に関してこの度同チームから発表があり,今週末に行われる第16戦オーストラリアGPでは,オーストラリア人ライダーであるB.パークスを起用することになりました。今回代役参戦することになったパークスは,EWCにおいてヤマハのワークスチームであるYARTヤマハからフル参戦しています。MotoGPでは,2014年にPBMからフル参戦し,11位が最高位でした。その他SBKやWSSにもフル参戦した経歴があり,まさに数々の経験を積んだ職人といった感じのライダーですね。
2017/10/16(月)
☆逆転&自己最高位(MotoGP)
○第15戦日本GPの決勝レースが,レースウィークを通して生憎の天候となったツインリンクもてぎで行われました。MotoGPクラスは,ランキングトップを行くレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスとランク2位のA.ドビツィオーゾとがファイナルラップまでトップ争いを展開していきました。そして,ファイナルラップでドビツィオーゾが逆転してトップに立ち,フィニッシュラインまで続いたマルケスの追撃をかわしてトップでチェッカーを受け,今季5勝目を挙げました。この結果,2人のポイント差は11に縮まり,2人によるチャンピオン争いが再び混沌としてきました。3位には,序盤はトップを走行して中盤まで主導権を握る走りを見せていたオクト・プラマック・レーシングのD.ペトルッチが入っています。今シーズン不振に陥っていたスズキ勢でしたが,マシン性能の差があまり出ないウェットで速さを見せ,A.イアンノーネが4位,A.リンスが5位に入り,どちらも今季自己最高位を獲得しています。なお,スズキ勢は今大会に昨年まで許可されていたウィングレットに代わる空力対策を考慮に入れた新しい形状のカウルを投入しています。モビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシは,6週目に転倒を喫してリタイアとなり,ランクトップを行くマルケスとの差が76に広がったため,今シーズンのチャンピオン獲得が不可能となりました。また,もてぎを得意とするレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサもリタイアに終わり,マルケスとの差が74となり,かろうじて数字上はチャンピオン獲得の可能性はあるものの,実質的には不可能な状況となりました。次戦以降は,チームメイトのサポートに回る走りを見せていくことになりそうです。今大会に臨んだ3人の日本人ライダーですが,ワイルドカードでヤマルーブ・ヤマハ・ファクトリー・レーシングの中須賀克行は,予選では全く奮いませんでしたが,決勝レースはある程度のペースで走ることができるまでになり,トップから1分以上離されたものの,12位に入ってポイントを獲得しています。エストレラ・ガルシア0,0マークVDSから代役参戦した青山博一は,18位で最下位ではありましたが,完走を果たしています。モンスター・ヤマハ・テック3から代役参戦した野左根航汰は,前日に行われたフリー走行4で転倒を喫して右手を骨折したことが走りに影響したのか,転倒を喫してリタイアに終わっています。
Moto2クラスは,イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶がポールからスタートしてしばらくトップを走行して母国GP制覇が期待されましたが,11周目ににエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのA.マルケスに交わされると,それ以後はペースを上げることができませんでした。トップに立ったマルケスは,次の周でペースを上げて後続との差を広げ,最終的に2位に入ったテック3レーシングのX.ビエルゲに1秒以上の差をつけて今季3勝目を挙げました。2位に入ったビエルゲは,自身初となる表彰台獲得です。ペトロナス・レースライン・マレーシアのH.シャリンは,ウェットコンディションが得意なマレーシア人ライダーの能力を発揮し,3位に入って今季2回目の表彰台を獲得しています。途中までトップを走っていた中上は,最終的に6位でチェッカーを受けています。他の日本人ライダー勢ですが,ワイルドカード参戦のテルル・モトバム・レーシング・チームの榎戸育寛は,マシン性能の差が出にくいウェットコンディションを活かし,14位でチェッカーを受けて見事ポイントを獲得しました。フル参戦しているテルルSAGチームの長島哲太は,6周目に転倒を喫したものの,再スタートを切ることができ,最終的に20位でのチェッカーとなりました。もう一人ワイルドカード参戦しているMuSASHi RT HARC-RROの水野涼は,22位で完走を果たしています。
Moto3クラスは,午前中に行われた走行でオイルがコース上に出てしまって赤旗中断となり,その処理に時間がかかったため周回数が20から13へと減算されてスタートとなりました。レース序盤は,マリネッリ・リバコールド・スニパーズのR.フェナティとレッドブルKTMアジョのN.アントネッリとの間でトップ争いが展開されていきました。そして,3周目にフェナティがトップに立つと,後は後続との差を広げていき,最終的にアントネッリに4秒以上差をつける独走で今季3勝目を挙げました。3位には,マヒンドラのマシンを駆るCIPのM.ベゼツキが入り,自身初となる表彰台を獲得しています。そのベゼツキからは離されたものの,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が4位でチェッカーを受け,見事母国GPで自身最高位を獲得しています。他の日本人ライダー勢ですが,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は21位で完走を果たしましたが,SICレーシング・チームの佐々木歩夢はポイント圏内を走行中に他のライダーの転倒に巻き込まれてしまい,残念ながら転倒リタイアに終わっています。
2017/10/15(日)
☆3年連続&今季初(MotoGP)
○第15戦日本GPの予選が,昨日に続いてウェットコンディションとなったツインリンクもてぎで行われました。初日のもてぎは,激しい雨に見舞われてヘビーウェットでの走行でしたが,2日目はウェットながら雨の量は少なく,前日とは違った状況になってセッティング等難しい中での走行でした。MotoGPクラスは,ヤマハのサテライトチームであるモンスター・ヤマハ・テック3のJ.ザルコが最速タイムを刻み,前クラスとあわせると3年連続ポールシッターとなっています。ドゥカティのサテライトチームの1つであるオクト・プラマック・レーシングのD.ペトルッチは,難しい状況を得意とするライダーの一人で,ザルコからはおよそコンマ3秒遅れはしたものの,予選でクラス自己最高位タイとなる2番グリッドを獲得しています。予選前に行われたフリー走行4ではトップタイムだったレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスでしたが,予選ではトップからおよそコンマ4秒遅れの3番手タイムでした。今回の予選で目を引いたのは,今シーズンから最高峰クラスにフル参戦を開始したKTMで,初めてQ1をB.スミスとP.エスパルガロ共に突破して,それぞれ7,8番グリッドを獲得しています。それに対してヤマハのワークス勢は精彩を欠き,V.ロッシはQ2に進出したものの,その中では最下位となる12番手タイムでした。M.ビニャーレスに至っては,Q1からの走行となり,しかもそれを突破することさえできませんでした。今大会に出場している日本人ライダー勢ですが,難しいコンディションでスポット参戦ライダーにはとても厳しく,エストレラ・ガルシア0,0マークVDSから代役参戦の青山博一が21番手,ヤマルーブ・ヤマハ・ファクトリー・レーシングからワイルドカード参戦の中須賀克行はブービーの23番手,モンスター・ヤマハ・テック3から代役参戦の野左根航汰は最下位となる24番手タイムでした。ここでもザルコはポールを獲得したものの,それ以外のヤマハ勢の不振が見られています。
いつものように最後に予選が行われたMoto2クラスは,走行する毎に路面が乾いていき,終盤に入るとスリックタイヤでの走行が可能となりました。そうした状況ですから周回毎にタイムが更新されていくような感じとなり,そこで速さを見せてきたのが,来シーズンから最高峰クラス進出が決まり,今回がMoto2クラスで最後の母国GPとなるイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶と,来季も同じチームからMoto2クラスにフル参戦し,来季こそチャンピオン獲得に燃えるエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのA.マルケスの2人でした。終盤に入って中上がトップタイムをマークしたものの,すぐにマルケスがタイムを更新するという状況となりました。しかし,母国GPに燃える中上が最後のアタックで最速タイムを刻み,今季自身初となるポールを獲得しました。トップからコンマ27秒差で3番手タイムをマークしたのは,チームオリジナルシャーシでフル参戦しているテック3レーシングのマシンを駆るX.ビエルゲでした。日本人ライダー勢ですが,もう一人のフル参戦日本人ライダーであるテルルSAGチームの長島哲太は,残り5分となったところで転倒を喫してしまって最後のタイムアタックをすることができず,29番手タイムで予選を終えています。ワイルドカード参戦しているMuSASHi RT HARC-RROの水野涼とテルル・モトバム・レーシング・チームの榎戸育寛は,それぞれ23番手,25番手で予選を終えています。
Moto3クラスは,スカイ・レーシング・チームVR46のN.ブレガが最速タイムを刻み,昨年4月に行われた第4戦スペインGP以来自身2度目となるポールを獲得しています。同じKTMのマシンを駆るレッドブルKTMアジョのN.アントネッリが,トップからコンマ272秒差で2番手タイムをマークし,今季自己最高位を獲得しています。3番グリッドは,エストレラ・ガルシア0,0のA.カネトが獲得しています。フル参戦日本人ライダー勢ですが,フリー走行で総合5番手タイムと好調な走りを見せたSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生でしたが,予選ではその速さを見せることができず,15番グリッド獲得にとどまりました。SICレーシング・チームの佐々木歩夢は24番手,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は28番手で予選を終えています。
2017/10/14(土)
☆開幕(MotoGP)
○2週連続で日本GPが開催されますが,先週のF1に続いて,今週はMotoGPの第15戦日本GPがツインリンクもてぎで開幕しました。この日のもてぎは終日雨に見舞われ,2回のフリー走行共にウェットコンディションでの走行となりました。MotoGPクラスでこの日の総合トップタイムをマークしたのは,ここまでランク2位につけているドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾでした。午前中に行われたフリー走行1では5番手タイムだったドビツィオーゾは,2回目にトップタイムをマークしてこれが初日の総合トップタイムとなりました。そのドビツィオーゾからわずか1000分の43秒差で総合2番手タイムとなたのが,日本GPをランクトップで迎えたレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスでした。そのマルケスは,限界を確かめるためか,いつものように(?)初日に転倒を喫しています。総合3番手に食い込んだのは,フリー走行1では2番手タイムだったアプリリア・レーシング・チーム・グレシーニのA.エスパルガロでした。この大会では3人の日本人ライダーがこのクラスに参戦していますが,その中でトップだったのは,総合13番手タイムをマークしたモンスター・ヤマハ・テック3からJ.フォルガーの代役として参戦している野左根航汰でした。エストレラ・ガルシア0,0マークVDSからJ.ミラーの代役として参戦している青山博一は総合22番手,ヤマルーブ・ヤマハ・ファクトリー・レーシングからワイルドカード参戦している中須賀克行は総合24番手で初日を終えています。
Moto2クラスは,この大会をランク2位で迎えているカーエキスパート・インターウェッテンのT.ルティが,2回目のフリー走行でトップタイムをマークし,これが初日の総合トップタイムとなりました。エストレラ・ガルシア0,0マークVDSのA.マルケスが総合2番手タイムをマークし,奇しくもマルケス兄弟が共に総合2番手で初日を終えています。総合3番手タイムは,レッドブルKTMアジョのM.オリベイラがマークしました。このクラスはフル参戦が2名,ワイルドカード参戦が2名いますが,その中でトップタイムだったのは,総合9番手タイムをマークしたテルルSAGチームの長島哲太でした。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は総合13番手で,テルル・モトバム・レーシング・チームの榎戸育寛は総合26番手,MuSASHi RT HARC-RROの水野涼は総合30番手タイムで初日を終えています。
Moto3クラスは,マリネッリ・リバコールド・スニパーズのR.フェナティが初日総合トップタイムをマークし,奇しくも初日はランク2位でこの大会を迎えたライダーが全クラスで初日総合トップタイムをマークしました。フェナティにとっては,これが今季初の初日総合トップとなります。総合2,3番手は,それぞれレッドブルKTMアジョのN.アントネッリ,スカイ・レーシング・チームVR46のN.ブレガがマークしています。このクラスの日本人ライダーは,フル参戦ライダーしか参戦しておらず,その中でトップだったのはSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生の総合8番手でした。SICレーシング・チームの佐々木歩夢は総合20番手,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は総合30番手タイムでした。
2017/10/13(金)
☆3人目(MotoGP)
○今日からツインリンクもてぎにおいて第15戦日本GPが開幕しますが,それを前にしてヤマハのサテライトチームであるモンスター・ヤマハ・テック3から発表があり,同チームからフル参戦しているドイツ人ライダーのJ.フォルガーが,体調不良により日本GPへの参戦をとりやめることになりました。今回の発表によると,先月頃からフォルガーは体調不良に見舞われ,今回も日本GPのために来日していたものの,ベッドから起き上がるのも大変な状況となり,実際ヤマハのイベントを欠席したりしていました。MotoGPと帯同しているクリニカモビルに相談した結果,血液検査などの精密検査を受けた方がよいと判断され,ドイツへ緊急帰国することになりました。フォルガーによると,かつてエプスタイン・バール・ウイルスに感染した経験があるということで,もしこれが再発したとなると数日で回復するということにはなりませんから,日本GP以後に開催されるオーストラリアGPとマレーシアGPはもちろん,悪くすると復帰が最終戦まで間に合わない可能性もあります。
そのフォルガーの欠場を受け,今シーズンJRRのJSB1000クラスで2勝を挙げているYAMAHA FACTORY RACING TEAMの野左根航汰が,代役として緊急参戦することになりました。今シーズンの野左根は,JRRに参戦すると共に,世界耐久選手権(WEC)にもYART-YAMAHAから参戦し,来季もそれを継続することになっています。MotoGPにおいては,2012年に1回,2013年に3回,どれもMoto2クラスにワイルドカード等で参戦した経験はありますが,最高峰クラスであるMotoGPへの参戦は今回が初めてとなります。今回の日本GPでは,ワイルドカードで中須賀克行が,J.ミラーの代役で青山博一が参戦しますから,今回の野左根とあわせて3名の日本人ライダーが出場することになります。今シーズンもフル参戦日本人ライダーが1人もいなかった最高峰クラスですが,一挙に賑やかな日本GPとなりました。
2017/10/12(木)
☆体制継続(MotoGP)
○今シーズンから最高峰クラスへのフル参戦を開始したKTMのワークスチームであるレッドブルKTMファクトリー・レーシングが,来季の体制について発表がありました。それによると,今季ワークスライダーとしてフル参戦しているP.エスパルガロとB.スミスが,来季も同様の体制で臨むことになりました。この2人は,昨シーズンまでヤマハのサテライトチームであるモンスター・ヤマハ・テック3でチームメイトの関係にありましたが,同チームが体制を変更して臨むことになり,2人揃ってKTMに移籍し,来季でその2年目のシーズンを臨むことになります。今シーズンのエスパルガロは,チェコGPで9位を獲得し,これが現段階でのKTMの最高位となっていて,予選でも参戦初年度としてはある程度の成績を残しています。そうしたこともあって,来季も残留が確実視されていました。それに対してスミスに関しては,エスパルガロほどの結果を残すことができておらず,同チームでテストライダーを務めているM.カリオがワイルドカード参戦した時よりもいい結果を得ることができない場合もあって,もしかしたらカリオがレギュラーライダーの座を奪うのではないかという噂も浮上していたほどです。しかし,マシン開発において彼の真摯な取り組みがあって(ヤマハ時代に鈴鹿8耐へ参戦した際,少しでも燃費を稼ぐため,セーフティーカー先導の時であっても,ストレート上で上体をマシンに伏せて走行していたことからも,彼の真面目な姿勢が分かりますね。)チームとの関係性が良好で,参戦継続につながったものと思われます。レギュラーライダー昇格の噂が立ったカリオについては,今回の発表でテストライダー継続が発表されていますので,ライダーに関しては,来季も体制を継続することが決定しています。もちろん,カリオは来季もワイルドカードなどで出場することになります。
2017/10/11(水)
☆移籍&最終戦は(F1&SF)
○先週末にトロロッソから発表があり,同チームからフル参戦しているC.サインツが,シーズン途中ながら鈴鹿サーキットで行われた日本GPを最後に,次戦第17戦アメリカGPからルノーに移籍して参戦することになりました。それと同時に,そのルノーからフル参戦しているJ.パーマーが,日本GPを最後にシートを失うことになります。サインツのルノー移籍については,既に来季行うことは決まっていたのですが,それが前倒しで実施されることになったわけです。ルノーエンジンを搭載しているトロロッソは,ルノーとの契約途中ながら来季からホンダエンジンを搭載することが決まっています。サインツがルノーに移籍することになったのは,サインツを欲していたルノーがトロロッソにホンダへの乗り換えの条件にしたのではないかといわれています。サインツが抜けるということは,そのシートに誰かが座ることになります。今回のニュース直後には,トロロッソから日本GP等で代役参戦しているP.ガスリーがそこに座るということが明らかとなりました。ところが,これは勇み足であったことも後で発表されています。今シーズンSFにフル参戦しているホンダエンジンユーザーの1人であるガスリーは,現在ランクトップを行くトヨタエンジンユーザーの1人である石浦宏明とわずか0.5ポイント差の2位につけています。SFにおいてここ数年ずっとトヨタエンジンの後塵を拝してきたホンダにとっては,その状況を打破するまたとないチャンスです。もしガスリーがF1に参戦するとなると,大きな問題となってくるのが次戦アメリカGPと,SF最終戦との開催日がバッティングするということです。ホンダとしては,SFにおける逆転チャンピオン獲得が最優先事項ですから,今季契約しているガスリーの離脱に難色を示すのは当然のことです。どうやらガスリーがチャンピオン獲得に向けてSF最終戦に参戦し,F1へは第18戦メキシコGP以降からとなりそうな感じです。
2017/10/10(火)
☆2年連続(MotoGP)
○F1の日本GPが終了し,今週末はMotoGPの日本GPがツインリンクもてぎで開催されます。その日本GPに関して10月6日(金)にエストレラ・ガルシア0,0マークVDSから発表があり,ケガで欠場するJ.ミラーの代役として,HRCでテストライダーを務めている青山博一を起用することになりました。ミラーに関しては,10月6日(金)付けのこのページでお伝えしたように,トライアルバイクを使ってトレーニングをしている際,転倒を避けるために足をつこうとして何かに引っかかり,右脚の脛骨を骨折するという重傷を負ってしまいました。現在は,自身にとっての母国GPとなるオーストラリアGPでの復活に向けて理学療法とリハビリによる治療に専念しています。その代役として青山に白羽の矢が立ったわけです。テストライダーを務めている青山ですから,通常はレースに参戦しておらず,彼自身にとっては,昨年右鎖骨を骨折したレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサの代役として日本GPと次のマレーシアGPで代役参戦して以来となります。これにより,日本GPにおけるMotoGPクラスは,代役参戦の青山と,ワイルドカード参戦の中須賀克行の2名が参戦することになります。他の参戦は,Moto2クラスに今シーズンJRRのJ-GP2クラスで最終戦を待たずしてチャンピオンを決めたMuSASHi RT HARC-PRO.の水野涼と,ここまでJ-GP2クラスでランク4位につけているMOTOBUMHONDAの榎戸育寛の2名がワルドカード参戦することになっています。
2017/10/09(月)
☆拡大(F1)
○第16戦日本GPの決勝レースが,好天に恵まれた三重県の鈴鹿サーキットで行われました。予選ではワンツーフィニッシュを飾ったメルセデスAMG勢ですが,ポールのL.ハミルトンはそのままの位置でスタートしましたが,V.ボッタスはペナルティでグリッド降格となり,ランク2位でハミルトンを追っている予選3番手だったフェラーリのS.ベッテルがフロントローに並びました。最前列の2台は好スタートを切ってそのままの順位で走行していきました。しかし,ベッテルは何らかのトラブルを抱えていたようで,グリッド上でカウルを開けて作業する姿が見られ,レースでもその影響が出て徐々に順位を下げて行き,最終的にはリタイアに終わりました。それに対して,ランクトップのハミルトンは,順調にトップの座を守っていきました。そのまま独走でハミルトンが優勝するかと思われましたが,ここでペースアップを果たしたのが,前戦の勝者であるレッドブルのM.フェルスタッペンでした。4番グリッドからスタートしたフェルスタッペンは,オープニングラップで3位に浮上し,トラブルを抱えたベッテルを交わしてからハミルトンを追走していきました。終盤に入るとDRSが使える差まで持ち込みましたが,ファイナルラップで周回遅れが間に入ったこともあって最後までハミルトンをとらえることができず,ハミルトンが今季8勝目,鈴鹿では3勝目を挙げました。さらに,ベッテルがリタイアに終わったことから2人の差が59に拡大し,ベッテルが自力でタイトルを獲得するのが不可能なポイント差になりました。3位にD.リカルドが入り,レッドブル勢が2,3位を占めています。パワーユニット(PU)交換のペナルティから最後尾スタートとなったマクラーレン・ホンダのF.アロンソは,改良型のPUが功を奏したのか,堅実にポジションアップしていきました。そして,上位チームのマシンのリタイアもあってトップ10が見える位置まで行きましたが,惜しくもウィリアムズのF.マッサを交わすことができずに11位でフィニッシュとなり,S.バンドーンと共にノーポイントレースで終わりました。

☆ランクトップ浮上(SGT)
○第7戦の決勝レースが,タイのブリーラムにあるチャン・インターナショナル・サーキットで行われました。この日のビリーラムは,朝から好天に恵まれ,サポートレースは全てドライコンディションの中で行われました。ところが,SGTの決勝レースが近付くにつれて黒い雲が広がり,ついに激しい雨が2度にわたって降る事態となりました。コース上はフルウェットとなりましたが,決勝レーススタート時には雨は止み,ほとんどのマシンはウェットタイヤを選びましたが,一部はスリックを選んでセーフティーカー先導によるスタートが切られました。GT500クラスは,ウェットからドライへのタイヤ交換のタイミングに違いがあったために順位に変動はありましたが,ルーティンのタイヤ交換も含めてそれが落ち着いた頃には,ポールからスタートした平川亮&N.キャシディ組のKeePer TOM'S LC500がトップに立ち,それを安田裕信&J.マーデンボロー組のカルソニック IMPUL GT-Rが追うという展開となりました。上位争いはそれぞれが単独での走行となって残り2周となったところで,何とカルソニック IMPUL GT-Rにエンジントラブルが発生し,コース脇にマシンを止めてリタイアとなりました。これにより,トップ以下は1つずつ順位が上がっていってそのままチェッカーとなり,KeePer TOM'S LC500が開幕戦以来の優勝を飾ると共に,ランキング争いでトップに浮上しました。2,3位には,それぞれ大嶋和也&A.カルダレッリ組のWAKO'S 4CR LC500,塚越広大&小暮卓史組のKEIHIN NSX-GTが単独走行で入っています。
GT300クラスは,こちらもタイヤ交換のタイミングの違いからトップ争いに変化が見られましたが,それが落ち着いた頃にはポールからスタートした中山雄一&坪井翔組のJMS P.MU LMcorsa RC F GT3がトップに返り咲きました。表彰台争いは単独での走行となり,結局JMS P.MU LMcorsa RC F GT3が第2戦以来となる優勝を果たし,ランク2位に浮上しています。トップから5秒以上の差をつけられてしまいましたが,逆に3位には25秒以上の大差をつけて谷口信輝&片岡龍也組のグッドスマイル 初音ミク AMGが2位でチェッカーを受け,ランクトップに浮上しています。3位には,藤井誠暢&S.ミューラー組のD'station Porscheが入っています。
2017/10/08(日)
☆初ポール(F1)
○第16戦日本GPの予選が,一部青空は見られるものの,厚い雲に覆われた鈴鹿サーキットで行われました。この日の鈴鹿は,前日に大量の雨が降ったため,雨は止んだものの,しばらくの間はウェットコンディションでの走行となりました。しかし,予選が行われる時間には路面が乾き,ドライでのタイムアタック合戦となりました。コースレコード更新が期待される中,Q3でトップタイムをマークしたのは,ここまでランクトップを行くメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。予選開始からコースレコードをマークしていったハミルトンは,Q3のラストアタックでもタイム更新を果たし,見事コースレコードでのポール獲得となりました。ここまで数々の実績を挙げているハミルトンですが,鈴鹿でのポール獲得は意外にも今回が初となります。2番手タイムをV.ボッタスがマークし,メルセデスAMG勢がフロントローを独占しました。3番グリッドを獲得したのは,前日のフリー走行1でトップタイムだったフェラーリのS.ベッテルでした。ホンダにとってまさに地元GPとなるマクラーレン・ホンダ勢ですが,F.アロンソがQ2を突破してQ3に進出し,10番手タイムをマークしました。ただ,トラブルからパワーユニットを交換していますので,今日行われる決勝レースは最後尾からのスタートとなります。チームメイトのS.バンドーンは,Q2突破ならず11番グリッド獲得にとどまっています。

☆逆転で(SGT)
○シリーズで唯一の海外戦となる第7戦の予選が,タイのブリーラムにあるチャン・インターナショナル・サーキットで行われました。この日の同サーキットは,予選を前に激しい雨に見舞われ,一旦は止んだものの,Q1までは小雨が時折ぱらつく生憎の天候となりました。しかし,Q2の時には雨が止み,ドライタイヤでのタイムアタック合戦となりました。GT500クラスでは,Q1でトップタイム,Q2でもしばらくの間トップタイムを刻んでいたのが,安田裕信&J.マーデンボロー組のカルソニック IMPUL GT-Rでした。しかし,最終アタックで平川亮&N.キャシディ組のKeePer TOM'S LC500がカルソニックのタイムを上回る走りを展開し,逆転でのポール獲得となりました。3番グリッドは,塚越広大&小暮卓史組のKEIHIN NSX-GTが獲得しています。
GT300クラスは,R.ライアン&柳田真孝組のHitotsuyama Audi R8 LMSが圧倒的な速さを見せ,2位に1秒以上の大差をつけて今シーズンはもちろん,チームとしても初となるポールを獲得しました。トップからは大きく遅れは取ったものの,中山雄一&坪井翔組のJMS P.MU LMcorsa RC F GT3が2番グリッドを獲得しています。3番グリッドは,第5戦の勝者である高木真一&S.ウォーキンショー組のARTA BMW M6 GT3が獲得しています。
2017/10/07(土)
☆1週目開幕(F1)
○2週連続して日本GPが開催されますが,今週はF1の第16戦日本GPが,三重県にある鈴鹿サーキットで開幕しました。この日の鈴鹿は,降水確率90%とほぼ間違いなく雨に見舞われ,それがいつになるのかがセッションに影響するという状況でした。初日はいつものように午前,午後にそれぞれフリー走行が行われました。午前に行われたフリー走行1は,コースの一部に霧が出て,セッション終盤にはついに雨が降り始めるという状況で行われました。天候はすっきりとしないものの,ドライコンディションでの走行となったこのフリー走行1では,フェラーリのS.ベッテルが昨年のポールタイムを上回る走りを見せ,午後からのフリー走行2がウェットコンディションとなったこともあって,この日の最速タイムとなりました。そのベッテルとタイトル争いをしているランクトップを行くメルセデスAMGのL.ハミルトンが,ベッテルからおよそコンマ2秒遅れで2番手タイムでした。そのハミルトンは,ウェットコンディションとなったフリー走行2でトップタイムをマークしています。3番手タイムは,契約が切れる2018年の去就が今話題となっているレッドブルのD.リカルドでした。マクラーレン・ホンダ勢は,S.バンドーンが10番手,F.アロンソが12番手タイムでした。なお,激しい雨となったフリー走行2は,アロンソのようにわずか1周しただけで走行を切り上げたりしたように,わずか5台のみがタイムをマークしただけで終了しています。
2017/10/06(金)
☆欠場(MotoGP)
○最高峰クラスにもフル参戦しているエストレラ・ガルシア0,0マークVDSから先日9月2日(土)に発表があり,同チームからフル参戦しているJ.ミラーが来週末にツインリンクもてぎで行われる予定の第15戦日本GPを欠場することになりました。最近ではモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシがそうだったように,シーズン中のトレーニングでケガを負うライダーがこのところ目立ってきていますが,今回欠場することになったミラーは,9月29日(金)にヨーロッパでの拠点としているスペイン国内にあるアンドラでトライアルバイクを使ってトレーニングをしていました。ミラーによると,フロントエンドからのゆっくりした転倒を止めようと足をつこうとした際,何かに足が引っかかったために転倒しそうになり,これを回避しようとした時に右脚の脛骨を骨折してしまったということです。スペインのバルセロナ市内にある病院に運ばれたミラーは,翌日に1枚のプレートと8本のボルトで固定する手術を受け,既に退院して理学療法による治療とリハビリに取り組んでいるようです。日本GPの欠場は決まりましたが,その次は彼の母国GPとなるオーストラリアGPですので,彼はそこでの復帰を目指しているとのことです。なお,日本GPにおけるミラーの代役については,現段階では未定です。
2017/10/05(木)
☆損害賠償(F1)
○今シーズンで最後の開催となったマレーシアGPですが,その初日の午後に行われたフリー走行2で会場が一瞬凍り付くアクシデントが発生しました。既に9月30日(土)付けのこのページでもお伝えしたように,ハースF1チームのR.グロージャンがターン14を走行している際,その前に同コーナーを通り過ぎたメルセデスAMGのV.ボッタスとフェラーリのK.ライコネンのマシンが排水溝の蓋を持ち上げてしまったため,後を通過したグロージャンのマシンがそれにぶつかってしまったのです。コントロールを失ったグロージャンは,そのまま激しくタイヤバリアへとぶつかってしまいました。幸いなことに大きく損傷したマシンから自力で脱出でき,大事には至らなかったとはいえ,とても危険なアクシデントだっただけに,コース内の蓋は夜を徹して溶接で固定する対策が採られ,最後のマレーシアGPはその後無事に開催されました。このアクシデントに対して,ハースF1チームは大きな損害を受けたとして,FIAに対して75万ドル(約8442万円)相当の損害賠償を求めました。レース中のアクシデントとはいえ,開催するに当たって十分な安全確認が行われていなかったとも言えるわけで,開催権者に対して損害を請求するのは1つの考え方かもしれません。今回の請求金額はあくまでも概算ですが,今後請求が認められるのか,そしてその金額がいくらになるのか注目となります。
2017/10/04(水)
☆史上初(SBK)
○第11戦フランス大会が,先週末にマニクール・サーキットで行われました。このシリーズは,今シーズンから土曜日にレース1が,日曜日にレース2が行われています。9月30日(土)に行われたレース1は,レース前には雨が止んだものの,ウェットコンディションの中でスタートが切られました。ポールからスタートしたカワサキ・レーシング・チームのJ.レイは,チャンピオン獲得に王手をかけてこの大会に臨んでいます。ホールショットを奪ったレイは,2番手以降が争っていることもあって後続との差をどんどん広げていきました。オープニングラップで早くも2位に2秒以上の差をつけると,以後も速いペースを刻んでトップを走行し,最終的に2位に入ったAruba.it レーシング-ドゥカティのM.メランドリに16秒以上の大差をつけて今季12勝目を挙げました。この勝利によりレイは今シーズンのチャンピオンを決め,これはSBK史上初となる3年連続チャンピオン獲得となります。このシリーズにおけるホンダのエースライダーとして活躍していたレイでしたが,マシンの戦闘力不足もあって,鈴鹿8耐を制するという栄光は経験したものの,SBKではチャンピオン獲得に至りませんでした。そして,2015年シーズンに現在のカワサキに移籍してから一挙に彼の才能が本格的に開花し,初年度からチャンピオンを獲得しました。そして,昨シーズンもチャンピオンを獲得して今シーズンに臨み,史上初の3連覇を成し遂げました。なお,3位には,レイのチームメイトであるT.サイクスが入っています。
10月1日(日)に行われたレース2は,Aruba.it レーシング-ドゥカティのC.デイビスが優勝し,2,3位には,それぞれA.ローズ,M.ファン.デル.マークのパタ・ヤマハ・オフィシャルWSBKチーム勢が入っています。なお,今シーズンからSBKにおけるホンダのワークスライダーを務めているレッドブル・ホンダ・ワールド・スーパーバイクチームのS.ブラドルは,前戦のポルトガル大会のレース1で転倒した際,右手の靱帯を痛めていることが後から判明し,この大会を欠場しています。無事手術を終えたブラドルですが,回復までに2ヶ月を要するため,今季残りの出場が絶望的となっています。
2017/10/03(火)
☆マシントラブル(F1)
○今シーズン限りで開催が一旦終了するマレーシアGPですが,この大会では,今季好調な2チームであるメルセデスAMGとフェラーリが思うような走りを展開できずに終わっています。メルセデスAMGに関しては,初日からなかなかタイムが上がらないという状況になりましたが,悪いなりにポールを獲得したり,2位表彰台を獲得したりしてしっかり結果は残しています。それに対して,フェラーリに関しては,予選でS.ベッテルにマシントラブルが発生してノータイムに終わり,最後尾からのスタートとなりました。それでも,ベッテルは今季の走りを象徴するかのように速いペースを刻んでいきってポジションを回復していき,最終的に4位でチェッカーを受けています。それに対して,予選で好調な走りを見せたK.ライコネンでしたが,決勝でマシントラブルが発生してしまい,そのトラブルを時間内に解決できなかったため,走行できないままリタイアに終わっています。満足できない形でレースを終えたフェラーリは,ベッテルのトラブルの原因を調べていき,どうやらパワーユニットそのものということではなく,コンプレッサーからプレナムチャンバーに空気を送るためのインタークーラーパイプに不具合があり,そこから空気が漏れていたのではないかということです。このパーツはカーボンファイバーを素材にして手作りで製造されていますが,今回投入された分に何らかのトラブルが発生しやすい製造方法に変えたのかもしれません。もしくは,フェラーリは今大会でインダクションポッドの形状を変更して冷却システムを変えたということなので,熱に弱い特性を持つカーボンファイバーのこのパイプに悪影響を与えたのかもしれません。いずれにしても,今週末に行われる日本GPには対策を施してほしいものです。もう1つフェラーリには不安事項があります。それは,マレーシアGPで起きたアクシデントに関してです。そのアクシデントとは,チェッカー後にもかかわらずベッテルとウィリアムズのL.ストロールが接触事故を起こしたものです。チェッカー後ですからどちらもスロー走行していたわけですが,ベッテルがストロールの横を通り過ぎようとした時,おそらくストロールにはベッテルの姿をミラー上で確認できなかったのでしょうが,横にマシンを振ったためベッテルのマシンに激突してしまいました。当然ストロール側に非があるのは間違いありませんが,この接触によりベッテルのマシンが被害を受け,悪くするとギアボックスに損傷を受けているかもしれません。もしそうなるとギアボックス交換となり,これはペナルティの対象となってしまいます。ガチンコでのチャンピオン争いを展開したレースを当然日本で期待したいところですから,何事もないことを願いたいですね。
2017/10/02(月)
☆圧倒&チャンピオン獲得(JRR)
○第8戦の決勝レースが,曇り空ながらドライコンディションとなった岡山国際サーキットで行われました。JSB1000クラスは,前日に行われた予選で圧倒的な速さを見せたYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行が,決勝レースでどのような走りを展開するか注目となっていました。そして,その中須賀は,予選の走りを決勝でも発揮し,ホールショットを奪うと速いタイムをコンスタントにマークしていき,後続との差を徐々に広げていきました。そのような中,レース序盤はMORIWAKI MOTUL RACINGの高橋裕紀と清成龍一が2,3番手を走行してきました。しかし,徐々に後続が差を縮めていき,清成は順位を少しずつ下げていきました。高橋も何とか2位を走行していきましたが,ペースを上げてきたYAMAHA FACTORY RACING TEAM の野左根航汰に18周目に交わされて順位を1つ下げました。YAMAHA FACTORY RACING TEAM のワンツー体勢を築いたままチェッカーとなり,中須賀が連勝を飾りました。高橋裕紀は3位の座を守りきり,最高峰クラスで自身初となる表彰台を獲得しました。
J-GP2クラスは,ポールからスタートしたMuSASHi RT HARC-PRO.の水野涼は,スタートでやや出遅れて順位を下げましたが,すぐに挽回してオープニングラップで首位に立って後続との差を広げていきました。しかし,ペースを上げたSOX Team TARO PLUSONEの関口太郎とWILL-RAISEracingRS-ITOHの石塚健とが水野に追いついて3台によるトップ争いとなりました。終盤に入って石塚トップに立ったものの惜しくも転倒してリタイアとなりました。石塚の脱落で水野が再びトップに立ち,そのまま逃げ切って今季5勝目を挙げました。この勝利により水野がこのクラスのチャンピオンを決め,一昨年のJ-GP3クラスに続いて2クラス目の制覇となりました。3位には,エスパルスドリームレーシングの生形秀之が入っています。
ST600クラスは,オープニングラップでアクシデントが発生して赤旗中断となり,12周に短縮されてレースは再スタートとなりました。最初のスタートで好スタートを切った伊藤RACING・GMDスズカの前田恵助は,2度目のスタートでも好スタートを切ってトップに立ちました。その後は順調に後続との差を広げていって単独走行となりました。終盤に入っても前田のペースは落ちることなく,最終的に2位に入ったT.Pro Innovationの國峰啄磨に5秒以上の大差をつけて今季2勝目を飾りました。3位には,こちらも単独走行で51ガレージ チームイワキの岡本裕生が入っています。
J-GP3クラスは,序盤は8台,そして終盤には5台に絞り込まれましたが激しいトップ争いが展開されていきました。ファイナルラップの最終コーナーまで持ち込まれたレースは,最終的にMORIWAKI CLUBの栗原佳祐がトップでチェッカーを受けました。2位,3位には,それぞれKTM RACINGの古市右京,TEAM SRS-Motoの中島元気が入っています。

☆今季初(F1)
○今回で最後となる第15戦マレーシアGPの決勝レースが,朝に降った雨の影響により,一部に雨が残っているものの,ドライコンディションで走行可能となったセパン・インターナショナル・サーキットで行われました。レースウィークに入って今一歩だったランクトップを行くメルセデスAMGのL.ハミルトンでしたが,予選では地力を発揮してポールを獲得しました。しかし,やはり十分にマシンのセットアップが決まっていたわけではなかったようで,4周目に入って追い上げてきたレッドブルのM.フェルスタッペンに交わされてしまいました。トップに立ったフェルスタッペンは,速いペースを刻んで後続との差をどんどん広げていき,最終的には2位のハミルトンに12秒以上の大差をつけて独走で今季初優勝を飾りました。この勝利は,彼にとって2勝目となります。3位にD.リカルドが入って,レッドブルがダブル表彰台獲得となっています。予選でマシントラブルが発生してノータイムとなり,最後尾からのスタートとなったフェラーリのS.ベッテルでしたが,どんどんポジションを回復していき,最終的に4位でのチェッカーとなっています。ただ,傷口は大きく広がらなかったとはいえ,ランクトップのハミルトンとのポイント差が34に広がっています。予選で共にQ3進出を果たしたマクラーレン・ホンダ勢は,周回遅れとはなりましたが,S.バンドーンが7位に入ってポイントを獲得しました。F.アロンソは11位でのチェッカーとなり,残念ながらダブルポイント獲得とはなりませんでした。
2017/10/01(日)
☆圧倒(JRR)
○2戦にわたってSFとの併催となる2&4で開催されてきたため,JSB1000クラスのみの開催となっていましたが,久しぶりに全クラス開催となる第8戦の予選が,ドライコンディションとなった岡山国際サーキットで行われました。JSB1000クラスは,ノックアウト方式による予選が行われ,我が大分県にあるオートポリスで開催された前戦において勝利を収めたYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行が,圧倒的なタイムを刻んでQ1,Q2共に好タイムを連発し,唯一1分27秒台に入るタイムをマークしてポールを獲得しました。その中須賀からコンマ8秒以上離されてしまいましたが,MORIWAKI MOTUL RACINGの高橋裕紀が2番グリッドを獲得しています。前戦でポールシッターとなったYAMAHA FACTORY RACING TEAMの野左根航汰が,高橋からわずか1000分の4秒遅れで3番手タイムとなっています。ランクトップを行くヨシムラスズキMOTULの津田拓也は,4番グリッドと好位置につけています。
J-GP2クラスは,上位4台がコースレコードをマークするというハイペースの予選となりました。その予選を制したのは,MuSASHi RT HARC-PRO.の水野涼で,彼のポールは2戦連続となっています。トップからおよそコンマ1秒差で2番手タイムだったのがSOX Team TARO PLUSONEの関口太郎で,この2人が1分30秒台のタイムをマークしています。3番グリッドは,WILL-RAISEracingRS-ITOHの石塚健が獲得しています。
ST600クラスは,T.Pro Innovationの國峰啄磨が,セッション開始早々に好タイムをマークしていき,結局3周目にマークしたタイムが最速タイムとなり,このクラスで自身初となるポールを獲得しています。ここまでランクトップに立っている伊藤RACING・GMDスズカの前田恵助がトップからおよそ100分の6秒差で2番手タイムでした。3番グリッドは,51ガレージ チームイワキの岡本裕生が獲得しています。
J-GP3クラスは,KTM RACINGの古市右京がセッション序盤から好タイムをマークしていき,このままポールを獲得するかと思われましたが,MORIWAKI CLUBの栗原佳祐が終盤に入ってトップタイムをマークし,昨年のこの大会以来ちょうど1年ぶりとなるポールを獲得しました。3番グリッドは,ここまでランク2位につけているTeam P.MU 7Cの小室旭でした。

☆2台共に(F1)
○今年で最後の開催となる第15戦マレーシアGPの予選が,ドライコンディションのセパン・インターナショナル・サーキットで行われました。予選までなかなかトップタイムをマークすることができなかったランクトップを行くメルセデスAMGのL.ハミルトンでしたが,予選ではきっちりと好タイムを刻んでいき,今季9回目,この大会では4年連続となるポールを獲得しました。そのハミルトンに食い下がったのがフェラーリのK.ライコネンでしたが,最終的にトップからわずか1000分の45秒差で2番グリッド獲得となりました。3番グリッドを獲得したのは,レッドブルのM.フェルスタッペンがでした。今シーズン限りでタッグを解消することになっているマクラーレン・ホンダですが,F.アロンソ,S.バンドーン共にQ3進出を果たし,最終的にバンドーンが7番手,アロンソが10番手につけました。トロロッソからスポット参戦しているP.ガスリーは,初のF1で見事Q1を突破したものの,Q2で敗退となり,今日行われる決勝レースは,15番グリッドからのスタートとなります。
 

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