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最新ニュース

2017/03/29(水)
☆全車に(WEC)
○WEC(世界耐久選手権」にもフル参戦しているTOYOTA GAZOO Racingから,新たな発表がありました。WECにおけるトヨタの参戦体制については,フル参戦は2台体制で,そして第2戦スパと第3戦ル・マン24時間は3台体制で臨むことが既に発表されていました。さらに,ドライバーについては,フル参戦の2台は明らかとなっていましたが,3台目はS.サラザンは発表されていたものの,残りのドライバーは未発表となっていました。今回の発表は,その未定だった2名のドライバーが決定したことです。そのサラザンのチームメイトに決まったのは,N.ラピエールと国本雄資です。ラピエールについては,2012年から2014年までの3年間にわたって同チームから参戦した経歴を持っていますので,WECにおけるトヨタのハイブリッドマシンを扱うのは比較的早く馴染めるのではないかと思われます。それに対して,国本は初のWEC参戦となります。箱形マシンについては,10代の頃からSGTに参戦していますが,共通項はほとんどありませんから,学ばなければならないことはたくさんあるでしょう。ただ,昨シーズンSFで見事にチャンピオンを獲得していて,今最も乗れているドライバーの一人です。今回の発表により,同チームのドライバーの体制が決定し,フル参戦の7号車が小林可夢偉&M.コンウェイ&J-M.ロペス,同8号車が中嶋一貴&S.ブエミ&A.デイビッドソン,そしてスポット参戦の9号車が国本雄資&S.サラザン&N.ラピエールということになりました。つまり,昨シーズンのル・マン24時間は,まさかのマシントラブルが発生したためゴール直前に勝利がするりと逃げていったトヨタですが,今季は参戦する3台全車に1人ずつの日本人ドライバーがつくということになりましたから,もし昨年の雪辱が果たせれば,日本人ドライバーの優勝者が誕生することになります。
2017/03/28(火)
☆明暗(MotoGP)
○今シーズンの開幕戦カタールGPは,モビスター・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスが,チーム移籍して最初のレースでポールトゥーウィンを達成するという結果で終了しました。今回の大会は,もちろんそのビニャーレスの活躍が注目を浴びたわけですが,もう一人注目を集めたライダーがいました。それが,昨シーズンからワークス参戦を開始したアプリリアのワークスチームであるアプリリア・レーシング・チーム・グレシーニのA.エスパルガロです。ワークスとしてフル参戦初年度の昨シーズンは,致し方ないことではありますが中盤から後方でのレースに終始していたところがありました。ところが,1年戦ってマシン開発が進んだでしょうし,以前アプリリアがプライベートチームにマシンを供給していた頃に参戦し,プライベーターながらいい結果を出していたように,エスパルガロとアプリリアのマシンの相性のよさもあってか,開幕戦はワークス参戦としては最高位となる6位でのチェッカーとなりました。しかも,その6位は単独走行でのものではなく,ホンダのワークスチームと接近してのものでした。
ビニャーレスやエスパルガロとは対照的に,ホンダ勢は結局誰も表彰台を獲得することができませんでした。しかも,ワークスライダーであるレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスとD.ペドロサは,4,5位に入ったとはいえ,タイムはトップから6〜7秒遅れて歯が立たない状態でした。今回の低迷の原因の1つが,どうやらタイヤにあったようです。レース開始前に雨が降ってディレイとなり,路面温度に変化があったことが影響して,当初はやや固めのタイヤを選んでいたマルケスは,グリッド上でフロントタイヤをミディアムに履き替えました。ペドロサも同様にミディアムを選択していました。さらに,昨シーズンは2勝を挙げたホンダのサテライトチームであるLCRホンダのC.クラッチローも,マルケスと同じくグリッド上でフロントタイヤをミディアムに履き替えました。結果的にこれがホンダ勢にとっては選択ミスとなり,マルケスとペドロサはトップから大幅に離され,クラッチローにいたっては2回転倒を喫してリタイアに終わっています。
2017/03/27(月)
☆レースでも(MotoGP)
○開幕戦カタールGPの決勝レースが,砂漠に囲まれたロサイル・インターナショナル・サーキットで行われました。事前に行なわれたオフィシャルテストから不安定な天候が続いる同地ですが,Moto2クラスの決勝レース終了後に再び雨が降ったためスタートディレイとなってしまいました。40分後に開始となり,周回数が2周減算されてレースがスタートしました。ポールからスタートしたのは,事前テストから好調な走りを見せていたモビスター・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスでした。ただし,昨日お伝えしたように,予選が行なわれてのポール獲得ではなく,予選が行なわれる予定だった土曜日が,降雨のため全セッションがキャンセルとなり,前日まで行なわれたフリー走行での総合結果でのものでした。そのポールからスタートしたビニャーレスは,1周目こそ出遅れて5位に順位を下げてしまったものの,その後順位を上げてトップに躍り出て,移籍1戦目にして勝利を収めました。レースでも好調な走りを見せて,ビニャーレスが間違いなくチャンピオン争いに絡むことが証明されています。彼の優勝は,スズキのワークスライダーだった昨年の第12戦イギリスGP以来2回目となります。2位には,トップからコンマ461秒差でドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾが入っています。レースウィークに入ってなかなか上位に顔を出すことができなかったモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシでしたが,トップから2秒近く遅れはしたものの,決勝レースでは3位表彰台を獲得しています。昨年のチャンピオンであるレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,トップから6秒以上離されての4位でした。
Moto2クラスは,自身初となるポールからスタートしたエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのF.モルビデリが,スタートから順調に後続との差を広げてトップの座を守り,2位にコンマ2.7秒近い差をつけて自身初の勝利をポールトゥーフィニッシュで飾りました。その2位には,3番グリッドからスタートしたカーエキスパート・インターウェッテンのT.ルティが入っています。初日に好調な走りを見せていたイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,4番グリッドからスタートし,トップから3秒以上離されはしましたが3位でチェッカーを受け,同サーキットでは4年ぶりとなる表彰台を獲得しています。テルルSAGチームの長島哲太は19位でチェッカーとなり,残念ながらポイント獲得には至りませんでした。
Moto3クラスは,このクラスらしく9台によるトップ争いが最後まで展開されていきました。その大混戦の中トップでフィニッシュラインを通過したのがレオパード・レーシングのJ.ミルで,彼が勝利を収めたのは昨年の第10戦オーストリアGP以来で,通算2勝目となります。僅差で惜しくも優勝を逃しましたが,2,3位表彰台を獲得したのは,それぞれブリティッシュ・タレント・チームのJ.マクフィー,デル・コンカ・グレシーニMoto3のJ.マルティンでした。なお,このレースはホンダ勢がトップ5を独占しています。フル参戦日本人ライダー勢ですが,14番グリッドからスタートしたSICレーシング・チームから参戦しているルーキーライダーの佐々木歩夢は,終盤までトップ争いに加わっていましたが,前を走っていたマシンが転倒したため,それをよけざるを得なくなってトップグループから離されるという不運に見舞われてしまいました。結局トップから12秒以上離されての11位でチェッカーとなりました。チームを移籍してフル参戦2年目を迎えたSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生は,トップグループから離されてしまいましたが,15位でチェッカーを受け,佐々木と共に開幕戦でポイントを獲得しています。27番グリッドからスタートしたホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は,7台によるバトルを展開してノーポイントながら19位でチェッカーを受けています。

☆タイミング(F1)
○開幕戦となるオーストラリアGPの決勝レースが,ドライコンディションのアルバートパーク・サーキットで行われました。フォーメーションラップを終えてグリッドについた時,並び方がきちんと整列できていないことから再びフォーメーションラップをやり直すというハプニングで始まったレースですが,スタートは順調に切ることができました。ポールからスタートしたメルセデスAMGのL.ハミルトンは,順調にトップを守り,それを2番グリッドからスタートしたフェラーリのS.ベッテルが追うという展開となりました。トップを走るハミルトンは,ベッテルとファステストラップを刻み合いながらのバトルを展開していきましたが,マシンに何らかの不調があるようで,彼が思ったようにペースアップすることができないかのような状態でレースは進んでいきました。トップ2で最初にピットインを選択したのがトップをいくハミルトンで,2位のベッテルはそれを横目にピットインのタイミングをずらす作戦を採りました。今回のレースは,この選択が正解だったようです。タイヤ交換を終えてコースインしたハミルトンは,その段階で前を行くレッドブルのM.フェルスタッペンに引っかかってしまいペースを上げられませんでした。9周遅れでベッテルがタイヤ交換をすると,見事トップの座を守ったままコースインすることができました。テストの段階からメルセデスのマシンと互角の速さを見せていたフェラーリは,トップの座を最後まで守りきることができ,ベッテルとして,そしてフェラーリとして2015年シーズン以来の勝利を独走で収めることができました。3位にV.ボッタスが入り,メルセデスAMG勢が2,3位に入りました。4位にフェラーリのK.ライコネンが入り,予選と同じくフェラーリとメルセデスの2チームがトップ4を独占しました。テストの段階から考えると,どうやら今シーズンはこの2チームを中心とした展開となっていきそうです。そのテストでは散々な結果となっていたマクラーレン・ホンダは,そのテスト段階でホンダ製のPUだけが問題視されていましたが,どうやらそれだけではないのではないという観測が正しかったようです。ポイント圏内を走行していたF.アロンソでしたが,サスペンションに不調が出て一方向にマシンが引っ張られるという事態となり,ストレートで2台に抜かれてポイント圏外に落ち,そのままピットインしてリタイアとなりました。ルーキーのS.バンドーンは,レースの最初の段階からトラブルが発生していて,はじめはステアリングのディスプレイが機能しないトラブルが発生しました。10周目にピットインしてマシンを再起動し,再びコースインしてからは,どうやらバッテリーに充電できないというようなトラブルも出ていたようです。だましだましの走行を強いられることになったバンドーンですが,何とか最後まで走りきることができ,トップから2周遅れの最下位ながら,13位完走を果たしています。今回のレースは,マシンが安定していない開幕戦らしく,20台中7台がリタイアとなっています。
2017/03/26(日)
☆走行中止(MotoGP)
○木曜日から開催という変則的な形で始まった開幕戦ロサイルGPですが,土曜日は,通常通り予選が行なわれる予定でした。ところが,プレシーズンテストでもそうだったように,砂漠の国なのに雨に見舞われてしまい,スケジュールは大幅に変更となっていきました。ナイトレースで全周にわたって照明が当たり,雨で反射してレーススピードでは危険ということもありますが,天候がかなり悪く,走行を見合わせる状態が続いていきました。しかし,ディレイをしていっても回復することなく,最終的にこの日のセッションは全部キャンセルとなりました。その結果,今日行なわれる決勝レースのグリッドは,フリー走行3までの最速タイムで決まりました。
まず,MotoGPクラスは,事前のテストから好調な走り見せてきたモビスター・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスが,ヤマハワークスに移籍した初戦でポールを獲得するという快挙を成し遂げました。ビニャーレスにとっては,最高峰クラスで自身初のポールとなります。2番グリッドは,ドゥカティのワークスからスズキのワークスへと移籍したA.イアンノーネでした。そして,3番グリッドを獲得したのは,昨シーズンのチャンピオンであるレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスでした。
Moto2クラスは,ポールがF.モルビデリ,2番グリッドがA.マルケスと,エストレラ・ガルシア0,0マークVDS勢のワンツーとなっています。3番グリッドは,初日総合トップタイムだったカーエキスパート・インターウェッテンのT.ルティでした。日本人ライダー勢は,イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶が4番グリッド,テルルSAGチームの長島哲太が21番グリッドからのスタートとなりました。
Moto3クラスは,デル・コンカ・グレシーニMoto3のJ.マルティンがポールを獲得し,これは自身初のポールです。2番グリッドはジュドメトーラ・シェダルGPレーシングのP.エッテル,3番グリッドはマリネッリ・リバコールド・スニパーズのR.フェナティでした。3人のフル参戦日本人ライダー勢ですが,SICレーシング・チームの佐々木歩夢が15番グリッド,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が20番グリッド,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡が28番グリッドと,中盤以降からのスタートとなりました。

☆予想通り(F1)
○開幕戦オーストラリアGPの予選が,アルバートパーク・サーキットにおいて行われました。この日のアルバートパークは,降水確率が40%になっていて,ウェットでの走行も予想されていました。しかし,トップ10のグリッドを決めるQ3の開始直後に雨は降ったものの,路面コンディションが変化するほどのものにはならず,ドライコンディションでの走行となりました。その中でトップタイムをマークしたのは,予想通り今シーズンチャンピオン候補ナンバーワンといえるメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。今季型のF1マシンは,レギュレーションの変更によりタイムアップが確実視されていましたが,それを証明するかのように,それまでS.ベッテルが2011年シーズンに記録したコースレコードを更新するタイムを刻んでのポールでした。2番グリッドは,ハミルトンに記録を破られたフェラーリのS.ベッテルでした。引退したN.ロズベルグに替わって急遽メルセデスAMGのシートに座ることになったV.ボッタスが,トップからおよそコンマ3秒遅れで3番グリッドを獲得しています。4番グリッドをフェラーリのK.ライコネンが獲得し,テストで速さを見せていたメルセデスAMGとフェラーリが,トップ4を分け合う形となっています。そのテストでトラブル続きだったマクラーレン・ホンダですが,F.アロンソはQ1を突破することができました。しかし,Q2を突破できるほどの速さはなく,13番グリッド獲得にとどまりました。今シーズンからフル参戦を開始してたS.バンドーンは,Q1で燃料関係の部分にトラブルが発生して緊急にピットインせざるを得なくなりました。何とか修復してコースに復帰することはできましたが,ペースがそれほど上がらず,最終的に19番手でQ1敗退となりました。
2017/03/25(土)
☆2日連続(MotoGP)
○開幕戦カタールGP2日目の走行が,この日もドライコンディションとなったロサイル・インターナショナル・サーキットにおいて行われました。前日に1回のフリー走行を行なったMotoGPクラスは,この日2回のフリー走行を行ないました。この2回で総合トップに立ったのは,前日にトップタイムだったモビスター・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスで,2日連続の総合トップに立ちました。この日の総合2番手タイムをマークしたのは,今シーズン,J.ロレンソの移籍に伴ってドゥカティのシートを失い,チーム・スズキ・エクスターに移籍したA.イアンノーネでした。この日の総合3番手タイムは,前日と同じくルーキーとしても,インディペンデントチーム(サテライトチーム)としてもトップに立ったモンスター・ヤマハ・テック3のJ.ザルコでした。今季からドゥカティに移籍したロレンソは,思うようにタイムアップがならず,今日行なわれる予選では,Q1からの出場ということになってしまいました。
前日2回のフリー走行が行なわれたMoto2クラスは,この日1回のフリー走行が行なわれました。この日のトップタイムをマークしたのはF.モルビデリ,2番手タイムをマークしたのはA.マルケスで,エストレラ・ガルシア0,0マークVDS勢によるワンツーとなりました。3番手タイムは,キーファー・レーシングのD.ケントがマークしています。日本人ライダー勢は,前日総合2番手タイムだったイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶が15番手,テルルSAGチームの長島哲太は17番手タイムでした。
Moto3クラスも,Moto2クラスと同じくこの日は3回目となるフリー走行が行なわれました。この日のトップタイムをマークしたのは,ホンダのマシンを駆るデル・コンカ・グレシーニMoto3のJ.マルティンでした。2番手タイムは,今シーズンからチームを移籍してホンダのマシンを駆っているマリネッリ・リバコールド・スニパーズのR.フェナティでした。3番手タイムは,前日に総合トップで,この日もKTM勢最速となったジュドメトーラ・シェダルGPレーシングのP.エッテルでした。日本人ライダー勢ですが,SICレーシング・チームの佐々木歩夢は16番手,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が19番手,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は29番手で2日目を終えています。

☆2チームが(F1)
○木曜日は2輪の最高峰MotoGPが開幕しましたが,昨日は4輪の最高峰F1が開幕し,初日は2回のフリー走行がドライコンディションのアルバートパーク・サーキットにおいて行われました。どのドライバーも2回目のフリー走行でタイムアップを果たしていますが,その2回目のフリー走行は,昨年まで圧倒的強さを見せいていたメルセデスAMGと,今シーズン事前のテストで好調な走りを見せているフェラーリ勢とのタイム合戦となりました。そして,最終的にトップタイムをマークしたのは,今季チャンピオン候補ナンバーワンといえるメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。2番手タイムは,そのハミルトンとチャンピオン争いをする期待が高まっているフェラーリのS.ベッテルでした。3番手タイムは,チャンピオンを獲得して引退を突然発表したN.ロズベルグの後釜となったV.ボッタスでした。4番手タイムが,フェラーリのK.ライコネンでした。その2チームに続くと予想されているレッドブル勢が5(D.リカルド),6番手(M.フェルスタッペン)タイムをマークしています。今季型パワーユニットの信頼性と速さが危惧されているマクラーレン・ホンダですが,トップからおよそ2秒4遅れでF.アロンソが12番手,ルーキードライバーのS.バンドーンがトップからおよそ3秒遅れで17番手タイムでした。
2017/03/24(金)
☆本番でも(MotoGP)
○いよいよ2輪レースの最高峰MotoGPが開幕し,ドライコンディションのロサイル・インターナショナル・サーキットにおいて初日の走行が行なわれました。通常のレースウィークは,金曜日に開幕しますが,ナイトレースで行なわれる開幕戦カタールGPは,木曜日に初日の走行が行なわれ,MotoGPクラスは1回目のフリー走行のみが,Moto2,Moto3クラスは通常金曜日に行なわれる2回のフリー走行が行なわれています。
最高峰のMotoGPクラスの初日ですが,昨シーズンの最終戦直後に行なわれたテストからしばしばトップタイムをマークしてきたモビスター・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスが,本番最初の走行でもトップタイムをマークし,スズキからヤマハへの乗り換えが非常に順調であることを今回も証明しています。初日2番手タイムをマークしたのは,ディフェンディングチャンピオンとして今シーズンを迎えているレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスでした。ただ,トップのビニャーレスとはおよそコンマ6秒と,やや離されての初日になっています。とはいえ,チームメイトのD.ペドロサが3番手タイムでしたから,今季型のRC213Vの戦闘力が大きく落ちるわけではないようです。4番手タイムをマークしたのは,今シーズンから最高峰クラスにステップアップを果たしているモンスター・ヤマハ・テック3のJ.フォルガーでした。このフォルガーは,テストでも好調な走りを見せていて,ルーキーとしても,サテライトチームとしても本番で最速タイムを刻んでいます。
Moto2クラスは2回のフリー走行が行なわれましたが,ほとんどのライダーがフリー走行1でのタイムがこの日の最速タイムとなっています。そのフリー走行1でトップタイムだったのは,ベテランライダーながら,毎年のようにチャンピオン争いに絡んでいるカーエキスパート・インターウェッテンのT.ルティでした。ルティが開幕戦初日でトップタイムをマークするのは,昨年から連続となります。開幕前にこの地で行なわれたテストで総合トップタイムだったイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶が2番手タイムをマークしていて,来季のMotoGPクラス進出に向けて好発進を切っています。3番手タイムは,レッドブルKTMアジョのM.オリベイラがマークしています。今シーズンから再びGPフル参戦を果たしているテルルSAGチームの長島哲太は,31番手発進でした。
Moto3クラスも,Moto2クラスと同様にフリー走行1のタイムを更新するライダーがほとんどいないような状況となりました。そのフリー走行1でトップタイムだったのは,KTMのマシンを駆るP.エッテルでした。2,3番手タイムは,それぞれ今シーズンからホンダ陣営に復帰したレオパード・レーシングのマシンを駆るJ.ミル,KTMのマシンを駆るG.ロドリゴでした。今シーズンこのクラスには3人の日本人ライダーがフル参戦していて,唯一昨シーズンからのフル参戦となる鈴木竜生は,チームをSIC53スクアドラ・コルセに移籍して念願のホンダ車を駆っていますが,ブービーとなる30番手タイムでフリー走行1を終えています。ルーキーとなるSICレーシング・チームの佐々木歩夢とホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は,それぞれ8番手,24番手タイムでした。
2017/03/23(木)
☆承認(FE)
○電気自動車のフォーミュラカーで争われているFEは,年々参加メーカーが増えてきています。そして,この度FEを統括しているFIAから新たなマニュファクチャラーが承認されました。それが,ドイツを代表するカーメーカーの1つであるBMWです。FEでは,ここまでルノーやベンチュリー,ジャガー・ランドローバーといったメーカーがパワートレインを供給できるメーカーとして承認されていますが,さらなる大きなカーメーカーが名乗りを上げた形となります。今回のBMWの参戦は,単なるパワートレイン供給というだけではないようです。BMWといえば,映画等で登場している高級市販車『i8』(FEではオフィシャルカーとして登場していますね。)に代表されるように,他のメーカーと同じく環境対策車に力を入れてきています。そうなると,当然このFEは技術力向上やイメージ作りに大きな役割を果たします。そうしたことから,BMWは来シーズンからワークスでの体制を組んで参入を強めていくようです。BMWが本格参入となれば,ごく近い将来メルセデスも参入してくるのは間違いないでしょうね。日本メーカーの参入も気になるところですが,既に電気自動車『リーフ』を市販しているニッサンが十分可能性があるでしょうし,2020年から電気自動車を市販することが予定されているホンダも,フォーミュラーカーのレースということもあって十分参入が考えられるのではないでしょうか。もっとも,ホンダに関しては,明日から開幕するF1で成果を出すことが先決かもしれませんね。
2017/03/22(水)
☆雨天時は(MotoGP)
○今週末は,いよいよMotoGPの開幕戦カタールGPが開催されます。その開催地は,砂漠でサーキットの周りが囲まれているロサイル・インターナショナル・サーキットです。同地は,当然昼間は灼熱状態になりますから,例年通りナイトレースとなり,前周にわたって照明灯に照らされる中での走行となります。そうした状況ですから,一旦雨が降ると路面が照明によって反射するため視界が悪くなり,走行をとりやめる措置が採られてきました。実際,週末に行なわれた中・軽量級クラスのオフィシャルテスト初日は,雨が降ったため走行中止となっています。しかし,シーズン前にレースディレクションの一員である元GPライダーのF.ウンチーニとL.カピロッシが同様の状況で走行してみると,それほど危険ではないという判断がなされました。ということは,雨が降っても以前のようにレースが中止になることはない可能性が出てきています。さらに,天気予報では,週末に雨が降る可能性があるということで,その対応が現実問題として浮上してきそうな感じもあります。その点に関してレースディレクションのコメントによると,ウンチーニたちの判断はありましたが,どうやらまだ決定は下されていないようで,可能性の1つとしては,MotoGPクラスの全てのライダーが雨の中で走行し,彼らが問題ないと判断した場合にレースを行なうということになるようです。相手が天気ですから人間の手ではどうにもなりませんが,せっかくの開幕戦ですから,こうした心配がない天気になって無事開催されるといいですね。
2017/03/21(火)
☆受難(EWC)
○今シーズンは鈴鹿8耐を最終戦に組んでいるEWC(世界耐久選手権)ですが,1ヶ月後には伝統のル・マン24時間耐久レースが控えています。各チームはそれに向けてテストを行なっていますが,その中でフル参戦している2チームに残念なできごとが相次いで起きています。まず,3月9日(木)にこれまで数々の栄冠を獲得しているSERT(スズキ・エンデュランス・チーム)が,フランス南部にあるノガロ・サーキットでプライベートテストを行なっている中,2011年〜13年,2015年〜16年と5度チャンピオンに輝いている35歳のフランス人ライダーであるA.デラール選手が,ストレートエンドで転倒を喫し,大変残念なことに帰らぬ人となってしまいました。
また,3月19日(日)に鈴鹿サーキットでプライベートテストを行なっていたTSRホンダのA.テシェが,S字の入口でハイサイドにより転倒を喫してしまいました。ヘルメットが割れるほどの衝撃を受ける転倒でしたからとても心配しましたが,ドクターヘリで三重大学附属病院に緊急搬送されて検査した結果,幸いなことに命に別状はなかったものの,右手の尺骨及び橈骨骨幹部を骨折するという重傷を負ってしまいました。これにより,1ヶ月後のル・マンには間に合いませんので,同レースにおけるTSRホンダは,D.カドリン&G.ブラック&A.ティゾンの3人体制で臨むことになりそうです。
残念な出来事が続いて起きていますが,もう何も起きないことを願うと同時に,改めてデラール選手のご冥福を心からお祈り致します。
2017/03/20(月)
☆砂嵐(MotoGP)
○3日間にわたる今季初の中・軽量級クラスのオフィシャルテスト最終日の走行が,ロサイル・インターナショナル・サーキットにおいて行われました。今回のテストは,2日目は順調に走行できたものの,初日は雨のために走行自体が中止となり,3日目は十分なコンディションとはいえませんが走行できたセッションはあったものの,最終セッションは砂嵐が発生したために中止となってしまいました。Moto2クラスでのこの日の総合トップタイムをマークしたのは,2日目に総合2番手タイムをマークしたエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのF.モルビデリでした。総合2番手タイムはレッドブルKTMアジョのM.オリベイラが,総合3番手がカーエキスパート・インターウェッテンのT.ルティでした。ただ,ほとんどのライダーが前日のタイムを更新することができてなく,3日間(実質的には2日間)通算で見ると,イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶が総合トップタイムでした。テルルSAGチームの長島哲太は,総合26番手でテストを終えています。
コンディションの悪さから走行を見合わせるマシンが多いセッションがある中,Moto3クラスでこの日の総合トップタイムをマークしたのは,前日が総合3番手だったRBAボー・レーシング・チームのJ.ゲバラでした。そして2日目総合2番手タイムをマークしたのは,今シーズンからフル参戦を開始したSICレーシング・チームの佐々木歩夢でした。総合3番手タイムは,ゲバラのチームメイトであるG.ロドリゴでした。このクラスでタイムを更新したライダーはおらず,3日間総合では,前日のトップだったマリネッリ・リバコールド・スニパーズのR.フェナティがトップタイムでした。佐々木歩夢が7番手,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生は16番手,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は18番手でテストを終えています。
2017/03/19(日)
☆幸先がよい(MotoGP)
○昨日お伝えしたように,開幕戦カタールGPの会場であるロサイル・インターナショナル・サーキットにおいて,今シーズン最初の中・軽量級クラスのオフィシャルテストが17日に始まり,昨日は2日目の走行が行なわれました。初日は降雨のため走行が中止となったため,実質的には昨日が今季最初のオフィシャルテストにおける走行となります。Moto2クラスで総合トップタイムをマークしたのは,昨シーズンと同じ体制で臨んでいるイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶でした。昨シーズン1度勝利を収めている中上は,このところ日本人ライダーが不在となっている最高峰クラスに来季ステップアップすることを目指して,何としてでもチャンピオンを獲得するかそれに近いリザルトを残す必要があります。そうした彼にとっても,そして日本にとっても重要なシーズンとなるだけに,幸先のよいスタートを切っています。総合2,3番手タイムは,それぞれF.モルビデリ,A.マルケスのエストレラ・ガルシア0,0マークVDS勢がマークし,ホンダからの支援を受けているチームが好調な走りを見せました。今シーズンから再びGPにフル参戦を開始したテルルSAGチームの長島哲太は,総合25番手でこの日の走行を終えています。
Moto3クラスでこの日の総合トップタイムをマークしたのは,マリネッリ・リバコールド・スニパーズのR.フェナティでした。フェナティといえば,スカイ・レーシング・チームVR46に所属していた昨シーズン,チャンピオン争いに絡んでいながら,シーズン途中でチームとの協約違反があってシーズン途中で解雇されるという事態に見舞われました。今シーズンは心機一転で臨むことになるわけですが,こちらも幸先よいスタートを切っています。総合2,3番手タイムは,それぞれエストレラ・ガルシア0,0のA.カネト,RBAボー・レーシング・チームのG.ロドリゴでした。昨シーズンもフル参戦し,今シーズンはホンダ陣営のチームに移籍してフル参戦するSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生は,総合25番手タイムで走行を終えています。そして,今シーズンからGPにステップアップしてフル参戦を開始したホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡とSICレーシング・チームの佐々木歩夢は,それぞれ総合14番手,総合18番手でした。
2017/03/18(土)
☆砂漠だけど(MotoGP)
○開幕戦カタールGPまであと1週間となり,比較的大幅となったライダーの移籍,新たなメーカーとしてKTMが,最高峰であるMotoGPや,基本的にはワンメークですが,シャーシは自由度があるMoto2クラスに参戦するといったことがあって,注目されるシーズンとなりそうです。そのような中,その開幕戦の舞台であるロサイル・インターナショナル・サーキットにおいて,3月17日(金)から3日間にわたって中・軽量級クラスの今季2回目となるオフィシャルテストが行なわれます。今回のテストには,中量級クラスに19チーム32名,軽量級クラスに17チーム31名が参加する予定となっています。昨日その1日目の走行が行なわれました。周りを砂漠に囲まれたれるという独特な場所にある同サーキットですが,通常であれば終日ドライコンディションでの走行が当然という立地条件でしょう。ところが,初日はMoto3クラスの最初のセッション中に何と雨に見舞われてしまいました。通常のサーキットですと,それほど強くない雨であれば走行は可能ですが,カタールGPの場合は,砂漠の中にあるところで日中は大変暑いですから,コース全周に照明が作られ,ナイトセッションとして行なわれることになっていて,雨が降ると照明が反射して視界が悪くなって走行するのが危険となります。そのため,初日のセッションは最終的に中止という決定がなされました。
2017/03/17(金)
☆GTでも(SGT)
○オーストリアのエナジードリンクメーカーである『レッドブル』の日本法人であるレッドブル・ジャパンが,SGTにフル参戦している「KeePer TOM’S LC500」37号車のカラーリングを公開しました。海外における様々なスポーツ活動を支援しているレッドブルですが,今年に入って日本におけるトップモータースポーツにも支援を強化し始めました。その最初の発表が,SFにおいてレッドブルカラーに彩られたP.ガスリーが駆るTEAM MUGENの15号車でした。そして今回は,フォーミュラーのトップカテゴリーであるSFに続いて,ハコ車レースのトップカテゴリーであるSGTにおける支援の発表となっています。今シーズンから昨年までのRC Fに替わってLC500を使用することになっているトヨタですが,今回公開されたカラーリングをみると,昨シーズンまでと同じような感じでKeePerのロゴが飾られていますが,それにつけ加えてマシンの前輪の後ろ部分の両サイドやリア部分にお馴染みの「赤い雄牛」のロゴが見られます。4輪レースを代表する国内チームであるTOM'Sだけに,このレッドブルカラーのマシンがチャンピオン争いに絡んでくることが十分に予想されます。海外のレースでレッドブルカラーのマシンがトップを走るシーンを見ますが,それが国内でも見られるのは確実でしょうね。
2017/03/16(木)
☆移設(SGT)
○先週の9日(木)に,GT300クラスにフル参戦しているTeam TAISAN SARDが,今シーズンの参戦体制を発表しました。同チームは,SGTの前身であるJGTCからフル参戦してタイトルを獲得したこともある名門TAISANと,2015年にGT500クラスで初めてタイトルを獲得したSARDとが2016年にコラボして立ち上がったチームです。今回の発表によると,使用するマシンは,昨シーズンと同じくアウディR8 LMSです。その点では変わりないものの,ドライバーは変更となって,SGT参戦2年目となる山田真之亮と,SGTルーキーとなるオーストラリア人ドライバーのJ.パーソンズという若手コンビでの参戦となりました。そして,チームの本拠地も変更となり,今シーズンから福島に拠点を移し,それに伴って車両名が『TAISAN SARD R8 FUKUSHIMA』となってカラーリングと共に「福島」の名称が入ることとなりました。チーム代表はこれまでと同じく千葉泰常氏が務めますが,チーム監督には,かつて海外のレースでもドライバーとして活躍した経歴を持つ野田英樹氏が新たに就任しました。使用するタイヤは,長年にわたってTAISANと協力関係にあるヨコハマとなっています。
2017/03/15(水)
☆ピンク(F1)
○フォース・インディアから発表があり,同チームの今季型マシンである『BJM10』の新たなカラーリングが明らかとなりました。同チームのマシンといえば,これまでシルバーとブラックを基本とするものでした。しかし,それが大幅に変わることとなります。その変更というのは,F1マシンでは大変珍しいピンクを基調としたカラーリングになるというものです。今回公開されたカラーリングをみると,ノーズ部分からボディカウルに至るまで上半分がピンクになっていて,下半分とリアウィングがこれまで同様ブラックになっています。今回の変更は,新たなタイトルスポンサーが就いた事によるものです。そのスポンサーというのは,オーストリアで飲料水を始め,冷却用の水などを生産する水処理専門企業である『BWT』です。同社は,昨シーズンまでの2年間,ドイツを中心に開催されているDTMでスポンサー活動をし,メルセデスCクラスの2台が今回と同じピンクのカラーリングに彩られていました。今回のスポンサー契約により,マシンのカラーリングはもちろん,同チームのレギュラードライバーであるS.ペレスとE.オコンのヘルメットについても,ピンクで彩られることになるということです。
2017/03/14(火)
☆自己ベスト PARTT(インディカー)
○今シーズンの開幕戦の決勝レースが,ドライコンディションのセント・ピーターズバーグで行われました。予選でクラッシュを喫してしまい最後尾スタートとなったデイル・コイン・レーシングのS.ブルデーは,ピットインのタイミングのよさと,シボレーエンジンに比べてホンダエンジンの燃費のよさとがうまく機能していきました。ピットインのタイミングがずれたことにより2位に上がったブルデーは,燃費に劣るシボレーエンジンユーザーが燃料をセーブするためにスピードを上げられない中,燃費に勝るホンダエンジンユーザーのブルデーは思うようにスピードを上げることができ,一気にトップに立ち,さらに後続との差を広げることに成功しました。そして,最後は独走で今季初優勝を飾りました。唯一のフル参戦日本人ドライバーである佐藤琢磨は,金曜日に行なわれたフリープラクティスでクラッシュを喫してしまい,セッティングがうまくいかないままフリープラクティスを終了。しかし,今季から所属することになったアンドレッティ・オートスポーツは今季4台体制を敷いていて,予選では彼らのデータを利用することができてセッティングを進めることができ,6番グリッドを獲得することができました。決勝レースでも表彰台圏内を走行してきたいがもたれましたが,最後のピットインでタイヤ交換で使うエアガンが壊れたためにタイムロスとなってしまい,残念ながら表彰台争いから脱落してしまいましたが,開幕戦としては自己最高位タイとなる5位でチェッカーを受けることができました。移籍しての初戦で表彰台争いに絡むことができたわけですから,今シーズンの啄磨には期待が持てそうな感じですね。

☆自己ベスト PARTU(WSS)
○昨日お伝えしたように,SBKの今季2戦目は,カワサキ・レーシング・チームのJ.レイがダブルウィンを達成して,開幕以来全てのレースを制しています。そのSBKと併催で行われているのが,600ccマシンで争われるWSSです。このシリーズには,大久保光と渡辺一樹の2人がフル参戦しています。その内ホンダのマシンを駆る大久保は,開幕戦で転倒を喫してしまい,左の鎖骨を骨折すると共に,腰椎も少し骨折するという重傷を負ってしまい,この大会では手負いの状態で出場しました。しかし,レースウィークに入ってから手負いの状態とは思えない走りを展開し,予選では8番グリッドを獲得しました。決勝レースでは,路面温度が50度に達する厳しい状況での走りを強いられましたが,完走するだけでなく,自己最高位となる6位チェッカーを受けました。カワサキのマシンを駆る渡辺は,2戦連続トップ10フィニッシュとなる9位でチェッカーを受けています。
2017/03/13(月)
☆連続(MotoGP)
○3日間にわたる今季2回目のオフィシャルテスト最終日の走行が,開幕戦カタールGPが行なわれるロサイル・インターナショナル・サーキットで行われました。この日総合トップタイムをマークしたのは,ヤマハへ移籍以来好調な走りを見せているモビスター・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスでした。この日は,全体的にレースを想定したロングランを行なうライダーが多かったのですが,ビニャーレスもそれを取り入れたりしながらの走行でまたしても総合トップとなりました。総合2番手タイムは,新型のカウルを投入しているドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾで,彼もロングランを含む走行をしてトップから1000分の71秒差での総合2番手でした。そして,総合3番手タイムは,ここまでの2日間上位に顔を出していなかったレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサでした。ペドロサが総合3番手となるのは,前回に引き続いてとなります。その他のメーカーでのトップタイムですが,チーム・スズキ・エクスターのA.イアンノーネが12番手,アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニのA.エスパルガロが15番手,今回テストライダーのM.カリオも参加しているレッドブルKTMファクトリー・レーシングは,B.スミスの21番手が最高でした。

☆2連続(SBK)
○タイのチャン・インターナショナル・サーキットで行われた第2戦の決勝レースが,ドライコンディションの中で行われました。今シーズンのSBKは,土曜日にレース1が,日曜日にレース2が行なわれることになっています。前日に行なわれたレース1は,カワサキに移籍以来2年連続チャンピオンを獲得しているカワサキ・レーシング・チームのJ.レイが優勝しています。日曜日に行なわれたレース2は,レース1で優勝したレイが9番グリッドからのスタートとなりました。そのレイは,早い段階でトップに追いつき,4台での集団となりました。その中でレイが抜け出して独走態勢を敷こうかとしていた矢先,オイルを拭いたマシンが現われたため赤旗中断となりました。リスタート後は,3台によるトップ争いとなり,その中でレイが再び抜け出して独走態勢に持ち込み,2戦連続してダブルウィンを果たしました。2位争いとなったカワサキ・レーシング・チームのT.サイクスとAruba.it レーシング-ドゥカティのM.メランドリのバトルは,ファイナルラップでサイクスがメランドリを交わし,カワサキ・レーシング・チームのワンツーフィニッシュとなりました。
2017/03/12(日)
☆独占(MotoGP)
○開幕戦の会場であるロサイル・インターナショナル・サーキットにおいて開催されているプレシーズンテスト2日目の走行が,ドライコンディションの中で行なわれました。この日の総合トップタイムをマークしたのは,これまで度々トップタイムをマークし,初日は2番手タイムだったモビスター・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスでした。総合2番手タイムをV.ロッシがマークし,ヤマハワークスがトップ2に立ちました。さらに,モンスター・ヤマハ・テック3のJ.フォルガーが総合3番手タイムをマークし,ヤマハがトップ3を独占しています。他メーカーでは,LCRホンダのC.クラッチローが総合4番手タイムをマークし,サテライトチームながら2日連続してホンダ勢トップに立っています。また,今シーズンから再びアプリリアのマシンを駆ることになったアプリリア・レーシング・チーム・グレシーニのA.エスパルガロが,トップからコンマ666秒差で総合5番手に入っています。その他,チーム・スズキ・エクスターのA.イアンノーネが総合12番手,レッドブルKTMファクトリー・レーシングのP.エスパルガロが総合21番手でした。この日注目を浴びたのは,何といっても初日総合トップタイムをマークしたドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾでしょう。ここ数年のドゥカティのマシンであるデスモセディチは,他メーカーよりも先行して,そして目立つ形でウィングレットが装着されてきました。しかし,今シーズンからレギュレーションでウィングレットが禁止され,各メーカーの対策が注目されていました。ほとんどのメーカーがカウルに膨らみを持たせ,その中に何らかの対策を施すという措置を採っているようですが,この日はドゥカティがその点に関する答えのようなカウルを装着したマシンを走らせました。そのマシンですが,アッパーカウルの部分に3つの穴が空いていて,両端の穴はウィングのような役割を果たしているかのようで,真ん中の穴がエンジンに空気を送るラムエアダクトの役割を果たしているかのようで,他チームでは見られない斬新な手法を用いています。レギュレーションにより,今シーズンからフル参戦を開始したKTMを除き,カウルの形状はシーズン中の変更ができないようになっています。ですから,テスト段階ではいろいろ試すことができますが,開幕して以降はそれを使い続けないといけないことになりますので,果たしてドゥカティがこのカウルを実際に開幕戦で使うのかどうかは今後の推移を見ていくしかありません。
2017/03/11(土)
☆イタリアンパワー PARTT(MotoGP)
○今季3度目,通算4度目となるプレシーズンテストが,開幕戦が行なわれるカタールのロサイル・インターナショナル・サーキットで始まりました。ドライコンディションでの走行となった初日で総合トップタイムをマークしたのは,昨シーズン1勝を挙げ,今年も母国イタリアのメーカーであるドゥカティ・チームからフル参戦するA.ドビツィオーゾでした。彼がマークしたのは,非公式ではあるものの,昨年マークされたサーキットベストをおよそコンマ1秒更新するものでした。そのドビツィオーゾからおよそコンマ3秒遅れで総合2番手タイムだったのが,昨シーズン終了後に行われてきたテストで常にトップ3に入る速さを見せているモビスター・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスでした。昨シーズンはスズキのワークスライダーとして1勝を挙げ,今シーズンからヤマハワークスに所属しているビニャーレスですが,YZR-M1との相性のよさは本物である印象を再び与えています。総合3番手タイムをマークしたのは,ホンダのサテライトチームながら昨シーズン2勝を挙げているLCRホンダのC.クラッチローでした。今シーズンから再びMotoGPに戦いの場を移しているプル&ベアー・アスパー・チームのK.アブラハムが,総合4番手に食い込んでいます。それぞれのワークスライダーでのトップですが,レプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサの8番手が,チーム・スズキ・エクスターのA.イアンノーネの10番手が,アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニのA.エスパルガロの13番手が,レッドブルKTMファクトリー・レーシングのP.エスパルガロの19番手がそれぞれ最高でした。

☆イタリアンパワー PARTU(F1)
○4日間にわたって行なわれた今季2回目となるプレシーズンテスト最終日の走行が,ずっと天候に恵まれているカタルニア・サーキットで行われました。この日の総合トップタイムをマークしたのは,前日のS.ベッテルに引き続いてフェラーリのK.ライコネンでした。この日のライコネンのタイムは,ここまでプレシーズンテスト2回合わせて8日間行なわれたことになりますが,それらを通算しての総合トップとなります。今年のフェラーリは,常に上位に顔を出す速さを見せていて,昨シーズン未勝利に終わった鬱憤を今季型のイタリアンパワーで晴らしそうなシーズンとなりそうです。総合2番手タイムをマークしたのはレッドブルのM.フェルスタッペンで,この日のタイムはチームとして今季総合トップタイムです。総合3番手タイムをマークしたのは,レッドブルと同じくルノーエンジンユーザーの1つであるトロ・ロッソのC.サインツでした。プレシーズンテストでは,ほとんどトラブルに見舞われているマクラーレン・ホンダですが,この日も電気系のトラブルで2回の赤旗の原因となり,この日の担当であるF.アロンソは,43周しか走行できず,タイムは総合11番手でした。トラブル続きでともかくまともに走れていない同チームですが,当然の結果ではあるものの,周回数では参加チームで最下位となっています。開幕戦までまだ2週間ほどしかなく,その期間のホンダは全く休みなく開発を続けていかなければならない状況になっていることは確かでしょうね。
2017/03/10(金)
☆またしても(F1)
○今季2回目となるプレシーズンテスト3日目の走行が,ずっとコンディションに恵まれているカタルニア・サーキットで行われました。この日の最速タイムを刻んだのは,この日最多周回数をマークしたフェラーリのS.ベッテルでした。ベッテルがマークしたのはウルトラソフトタイヤを履いて走行した午前中にもので,この日のベストとしてはもちろん,ここまで合計7日間走行している今季のプレシーズンテスト全体としてもトップとなる1分19秒024でした。この日の総合2番手タイムだったのが,前日にトップだったメルセデスAMGのマシンW08をこの日駆ったL.ハミルトンでした。総合3番手タイムは,この日2番手の周回数となる137周を走行したフォース・インディアのE.オコンでした。プレシーズンテストでトラブルが頻発しているマクラーレン・ホンダですが,この日も電気系のトラブルが発生して2回もコース上にストップして赤旗の原因となってしまいました。この日担当したのは,今シーズンからフル参戦を開始するS.バンドーンで,トラブルに見舞われながらも既に他チームはマークしている1分21秒台のタイムをようやくマークし,この日の総合7番手タイムでした。それにしても,2回目のプレシーズンテストは毎日のようにトラブルに見舞われていて,3日目の走行はわずか合計48周にとどまっています。エースドライバーであるF.アロンソからは,「他チームより時速30qは遅い」「信頼性,速さ共に劣る」というような内容の怒りのコメントが出される事態になっています。ホンダのF1プロジェクトのリーダーを務めている長谷川祐介氏は,こうした事態を受けて記者会見を中止すると共に,緊急帰国を行なったというような報道も出ています。
2017/03/09(木)
☆定位置に(F1)
○今季2回目となるプレシーズンテスト2日目の走行が,ドライコンディションののカタルニア・サーキットで行われました。この日の総合トップタイムをマークしたのは,引退した昨年の王者N.ロズベルグの空いたシートに座ることになったメルセデスAMGのV.ボッタスでした。午前・午後に走行した場合,通常は午後の走行でベストタイムをマークしますが,この日のボッタスの最速タイムは,午前中にスーパーソフトタイヤを履いてマークしたものです。このタイムは,前回も含めて合計6日間プレシーズンテストを走行していますが,その中で通算トップタイムをなっています。前日はトップ3に入らなかったメルセデスAMG勢ですが,2日目にして定位置に返り咲いた結果となっています。総合2番手タイムをマークしたのは,前日に総合トップだったウィリアムズのF.マッサでした。そして,総合3番手タイムをマークしたのは,今年に入って好調な走りを見せているフェラーリ製の今季型マシンSF70Hを駆るK.ライコネンでした。ただ,そのライコネンですが,午後の走行でスピンしてクラッシュしてしまい,前日に走行したS.ベッテルの168周に遠く及ばない54周でこの日の走行を終えざるを得ませんでした。前日に再びエンジントラブルが発生して載せ換える事態に見舞われたマクラーレン・ホンダですが,この日はノートラブルで走行しました。しかし,周回数はわずか46周にとどまり,この日担当したF.アロンソのタイムは12番手と低調に終わっています。
2017/03/08(水)
☆今回も(F1)
○今シーズン2度目となるプレシーズンテストが,前回と同じスペインのバルセロナにあるカタルニア・サーキットで始まりました。今回のテストも,4日間にわたって行なわれる予定になっています。初日の総合トップタイムをマークしたのは,昨シーズン限りで一旦は引退したものの,チャンピオンを獲得したN.ロズベルグの引退の影響により,再びF1の舞台に帰ってきたウィリアムズのF.マッサでした。この日のマッサの周回数は,最多タイとなる168周です。総合2番手タイムは,レッドブルのD.リカルドがマークしています。この日のリカルドは,周回数こそマッサの半分弱ほどしかありませんでしたが,どちらかといえばタイムよりロングランを主体に走行していたとのことですから,タイム狙いでいくとマッサを上回っていたのかもしれません。トップのマッサと同じ周回数をこなしたのがフェラーリのS.ベッテルで,彼が総合3番手タイムをマークしています。前回のテストで好調だったフェラーリ勢ですが,今回もやはりその速さを維持できているようです。前回のテストでは,初日,2日目にトラブルが発生してテストメニューに支障が出たマクラーレン・ホンダですが,電気系のトラブルによりこの日もパワーユニットを交換するという事態になり,担当したルーキーのS.バンドーンは総合10番手となりました。今回トラブルが発生したエンジンは,前回トラブルが出た仕様と同じものだったようで,基本部分でやはり手を打つ必要があるようです。この日の問題点は,もちろんトラブルが発生したことですが,タイム的に見ると,トップから2秒以上遅れていますので,信頼性と同時に速さについてもやはり手を打つ必要がありそうです。ただ,速さについては,トラブルが頻発しているホンダのパワーユニットに目がいきがちですが,マクラーレン製の今季型マシンであるMCL32にも改良が必要だと考えていいのではないでしょうか。
2017/03/07(火)
☆旧型で(JRR)
○昨日お伝えしたように,週末に鈴鹿サーキットで行なわれた『モータースポーツ・ファン感謝デー』最終日に,SFの合同テストが行なわれました。そして,それが終了した翌日となる3月6日(月)に,今度は2輪合同テストが行われました。このテストには,JSB1000クラスにフル参戦するチームの内,ヤマハ及びカワサキのワークスチーム,ヨシムラとチーム・カガヤマのスズキ系チーム,ハルク・プロ,モリワキ,そしてEWCにフル参戦しているTSRのホンダ系チームが参加しました。その中でトップタイムをマークしたのは,国内ホンダのエースライダーで,MotoGPマシンであるRC213Vの開発ライダーも務めるMuSASHi RT HARC-PRO.Hondaの高橋巧でした。今シーズンから新型のCBR1000RRを投入することになっているホンダですが,今月中に販売開始することは間違いない(既に予約は始まっています)ものの,まだリリースされてないことから,この時の走行は新しいフレームに昨年型のエンジンを搭載したマシンで行なった模様です。その高橋からコンマ1秒弱の差で2番手タイムとなったのが,ヨシムラ・スズキMOTULのエースライダーを務める津田拓也でした。今シーズンから新型GSX-R1000を投入することになっているスズキですが,今回津田が駆ったマシンがまさにこれだったようで,ブランニューながら2番手タイムということで,その素性のよさがうかがわれます。そして,トップからおよそコンマ16秒遅れで3番手タイムだったのが,今シーズン6連覇を目指すYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行でした。このトップ3台の差はほとんどありませんので,まだホンダが新型で走行してないものの,昨シーズンまでの中須賀の一人勝ち状態が解消され,混戦のシーズンとなることが期待されます。4番手タイムは,今シーズンから中須賀のチームメイトとなった野左根航汰で,5番手タイムが,今シーズンからカワサキのエースライダーとなったKawasaki Team GREENの渡辺一馬でした。今シーズンから再び鈴鹿8耐にも参戦することになっているMORIWAKI MOTUL RACINGですが,高橋裕紀が7番手,そして今シーズンからモリワキに所属した鈴鹿8耐で4回の優勝を誇る清成龍一は11番手でした。
2017/03/06(月)
☆今年も?(SF)
○唯一未定となっていたSUNOCO TEAM LEMANSの残り1つのシートについては,3月1日(水)に発表があり,一昨年のヨーロパF3チャンピオンで,14,15年とF3マカオGPで連覇を果たしたスウェーデン人ドライバーであるF.ロゼンクビストが座ることになり,全てのシートが確定しました。そして,週末に2日間にわたって鈴鹿サーキットで行なわれた『モータースポーツ・ファン感謝デー』のイベントの1つとして,全19台が参加して公開テストが行われました。もちろん,一堂に会して走行を行なうのは,今季初となります。そこでトップタイムをマークしたのは,今シーズンもVANTELIN TEAM TOM’Sからフル参戦するA.ロッテラーでした。今シーズンもロッテラーのチームメイトとしてフル参戦する中嶋一貴は3番手タイムでした。そのVANTELIN TEAM TOM’Sの間に入って2番手タイムをマークしたのは,一昨年のチャンピオンで,その時と同様に今シーズンもP.MU/CERUMO・INGINGからフル参戦する石浦宏明でした。トヨタとホンダがエンジンを供給しているSFですが,現行のマシンになってから優勢に立っているのがトヨタ勢です。今回のテスト結果を見ると,トップ9は全てトヨタエンジンユーザー勢で,ホンダ勢では,DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの伊沢拓也がマークした10番手が最高位でした。今シーズンも,トヨタエンジン勢の優勢に変化はないのでしょうか?
2017/03/05(日)
☆10時間(SGT)
○『モータースポーツ・ファン感謝デー』が3月4,5日の2日間にわたって行なわれている鈴鹿サーキットですが,その鈴鹿サーキットが『鈴鹿1000q』について新たな発表を行ないました。夏の鈴鹿といえば,2輪については,現在はEWCの中の1つとなっている『鈴鹿8耐』が,そして,4輪といえば,現在はSGTの中の1つとなっている『鈴鹿1000q』が風物詩となっています。今回の発表によると,SGTの1つとして行なわれている鈴鹿1000qの開催は今シーズン限りで終了し,その鈴鹿1000qについては,SGTを統括するGTアソシエーション(GTA)と,ブランパンGTシリーズを始めとした各国のGTレースを統括するSROモータースポーツグループとがタッグを組み,「第47回サマーエンデュランス『鈴鹿10時間耐久レース』」(仮称)という名称の10時間耐久レースとして開催されることになりました。そして,SGTにおいては,まだ具体的なことは未定ですが,鈴鹿1000qに代わる新たなレースを開催することになります。新たに始まる10時間耐久レースは,まだ仮称ながら名称を見てお気づきと思いますが,初開催となるレースでありながら「第47回」とあるように,鈴鹿1000qを引き継ぐ形になっています。ただ,内容は全く別物で,このイベントは,世界中のGTカーレースの中心となっているGT3のマシンと,SGTにおけるGT300クラスのマシンとが一堂に会してレースを行なうことになります。その結果,ヨーロッパで開催されているブランパンGTをはじめ,アメリカで開催のIMSA GTD,さらにピレリワールドチャレンジといった世界中で使用されているFIA-GT3カー,そしてSGTのGT300クラスに出場しているJAF-GTを含むGT300のマシンやS耐のST-Xクラスに出場しているマシン等で争われるということになります。エントラントにとって注目は,優勝すればGTカーの世界一ともいえる名誉が得られるのはもちろん,国内で開催されるレースとしては破格の賞金総額1億円が与えられることになります。まだ未定な部分の多い新たなレースやSGTにおける代わりのレースですが,GTカーレースの世界統一に向けた動きともいえますので,今後の動向が要注目といえますね。
2017/03/04(土)
☆6連覇&昇格(JRR)
○ヤマハが,今シーズンのモータースポーツ活動計画発表会を開催し,そこで国内の2輪モータースポーツに関する参戦体制が発表されました。それによると,JRRにおける最高峰クラスには,エースライダーとして当然のことながら中須賀克行がフル参戦を継続することになりました。続投が決まった中須賀は,今更お伝えする必要がありませんが,昨シーズン最高峰のJSB1000クラスでチャンピオンを獲得し,自ら持つ前人未踏の記録を更新する5連覇を達成しました。さらに,鈴鹿8耐においては,一昨年のB.スミス&P.エスパルガロ,昨年のエスパルガロ&A.ロースとトリオを組んで2連覇を達成しています。今シーズンもそうした記録を1つずつ伸ばすべく,JSB1000クラスのワークスチームである『ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チーム』からフル参戦します。昨シーズンまでは1人での体制で臨んできた中須賀ですが,今シーズンは2台体制を組むこととなり,チームメイトは野左根航汰を起用することになりました。その野左根は,昨シーズン若手有望株を最高峰クラスに登用したチームである『YAMALUBEレーシング・チーム』からフル参戦し,今シーズンはついにエースチームに昇格してのフル参戦となりました。さらに,今シーズンは鈴鹿8耐を最終戦として組まれているEWC(世界耐久選手権)にもワークスライダーとしてフル参戦することにもなりました。既に昨年中に開幕戦は行なわれていますので,野左根がフル出場するのは,フランスのル・マンで24時間レースとして行なわれる第2戦からとなります。なお,EWCとJRRは,レースカレンダーにバッティングはありませんので,野左根は第2戦から全戦に出場可能となっています。若手有望株が所属するチームである『YAMALUBEレーシング・チーム』に関しては,野左根は昇格したものの,もう一人のライダーである藤田拓哉が,1台体制ではあるものの,継続してフル参戦することになりました。
2017/03/03(金)
☆好調&トラブル(F1)
○今季初となる合同テスト最終日の走行が,スペインのバルセロナにあるカタルニア・サーキットで行われました。この日の走行は,前日からコースに大量の水を撒いてあえてウェットコンディションを作り,走行する毎に乾いていき,さらにまた午後の走行で水を撒き,再びウェットからドライへと変わる状況を作りだすという方法でテストを行ないました。フルウェットな状況では断続的な走行を採ったチームもありましたが,各チームともウェットタイヤ,インターミディエイトたいや,そしてドライタイヤと3種類のピレリタイヤを使用し,それぞれのデータを蓄積しています。そのような中で総合トップタイムをマークしたのは,2日目も総合トップタイムだったフェラーリのK.ライコネンでした。今回のテストにおけるフェラーリは,2日間のトップを含め,4日間全てでトップ2フィニッシュを果たしていて,今季型マシンSF70Hの素性のよさを示しています。総合2番手タイムをマークしたのは,ルノー製PUを使用しているレッドブルのM.フェルスタッペンでした。そして総合3番手タイムは,そのルノー製PUの本家であるルノーのマシンR.S.17を駆るJ.パーマーでした。3日目まで総合トップを2回マークし,今シーズンもその強さと速さを見せてきたメルセデスAMGですが,この日は午前中に電気系のトラブルが発生して走行できなくなり,午後からは復帰できたものの,万全の状態で走行できなかったのか,この日担当したV.ボッタスは総合8番手タイムで最終日を終えています。一昨年シーズンまでは信頼性にも問題がなかったメルセデスAMGでしたが,昨シーズンはL.ハミルトンを中心にトラブルが発生する事態が時折生じていました。各メーカーが力をつけてきて,メルセデスとしてもそれに対応していかなければならず,その影響からトラブルへと繋がっているのかもしれません。そのトラブルに初日,2日目に見舞われてテストメニュー消化が思うようにできなかったマクラーレン・ホンダですが,3日目はトラブルフリーで走行していました。そして,最終日の走行も大きなつまずきがなく走行でき,この日担当したS.バンドーンは総合7番手でテストを終えています。順調なようにも見えますが,タイムを比較するとトップから2秒弱離れていますので,テストとはいえ,現段階では十分期待できるものとまではいえない状況にあります。
次の合同テストは,3月7日(火)〜10日(金)の4日間にわたって,今回と同じカタルニア・サーキットで行われる予定になっています。
2017/03/02(木)
☆19秒台(F1)
○今季初となる合同テスト3日目の走行が,この日もドライコンディションに恵まれたカタルニア・サーキットで行われました。この日は,スピンやマシンストップなどで5回の赤旗が提示されるという展開となりました。そのような中でこの日の最速タイムを刻んだのは,引退した昨年の王者N.ロズベルグに代わって急遽チャンピオンチームからフル参戦することになったV.ボッタスでした。彼がマークしたタイムは,1分19秒台に突入するもので,もちろん3日間を通して最速ですし,チームメイトであるL.ハミルトンがマークした初日の最速タイムと比べると2秒近く縮めています。総合2番手タイムをマークしたのは,この日最多周回数をマークしたフェラーリのS.ベッテルでした。彼がマークしたタイムも,ボッタスと同じ1分19秒台でした。総合3番手タイムは,トップからおよそ1.4秒遅れでレッドブルのD.リカルドがマークしています。前日までの2日間がトラブル続きだったマクラーレン・ホンダですが,この日はそこまで2日間の合計周回数69を1日で上回る72周を走行し,総合10番手タイムでした。今回のテストは,残すところ今日行なわれる予定の4日目の走行だけとなりました。最終日は,人工的にウェット路面にし,その後ドライへとしたテストを行なう予定になっています。
2017/03/1(水)
☆僅差で(F1)
○今季初となる合同テスト2日目の走行が,ドライコンディションのカタルニア・サーキットで行われました。午前中の走行でトップタイムをマークしたのは,スーパーソフトタイヤを履いてタイムを刻んだメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。しかし,フェラーリのK.ライコネンが午後の走行でそのタイムをわずか1000分の23秒ながら上回り,この日の総合トップタイムをマークしました。その点に関して注目なのはタイヤで,ハミルトンのスーパーソフトに対して,ライコネンはソフトタイヤを使用してのもので,もちろんテスト段階ですから単純な判断はできないものの,昨シーズン未勝利に終わったフェラーリのマシンでしたが,今季は期待できるものになっているのかもしれません。総合3番手タイムをマークしたのは,前日の走行でS.ベッテルがステアリングを握ったものの,トラブルが発生して思うようなマイレージを築くことができなかったレッドブルのマシンをこの日駆ったM.フェルスタッペンでした。この日個人最多周回数をこなしたハースのK.マグヌッセンが,この日の総合4番手タイムをマークしています。初日はオイル関連のトラブルからほとんど走ることができなかったマクラーレン・ホンダですが,前日のF.アロンソに代わってこの日はルーキーのS.バンドーンが走行を担当しました。しかし,再び同様のトラブルが発生して前日と同じくパワーユニットを交換して走行するというアクシデントに見舞われ,わずか40周走行しただけでブービーとなる10番手タイムでこの日の走行を終えました。前日のアロンソは29周しか走行しておらず,チャンピオンチームであるメルセデスAMGが2日間合計362周を走行したのに対して,マクラーレン・ホンダはわずか69周しか走行しておらず,データ不足は深刻になっているでしょうし,何より今季型のパワーユニット自体に根本的な問題がある可能性が高まっているといえます。
 

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