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最新ニュース

2017/07/27(木)
☆欠場(8耐)
○今日行われるスポーツ走行を含め,世界耐久選手権(EWC)シリーズの最終戦となる「“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第40回記念大会」が始まります。その大会を前にしてホンダから発表があり,今シーズンSBKシリーズにホンダのワークスライダーとしてフル参戦し,今回の8耐ではF.C.C. TSR Hondaから参戦することになっていたS.ブラドルが,体調不良により欠場することになりました。これまでこの大会のために来日して走行してきたブラドルですが,中耳炎を発症してしまって内耳や鼓膜など耳の内部が炎症を起こしています。こういう状態では,気圧の変化の関係から飛行機に乗ることができず,ドクターストップがかかって来日することが不可能になってしまったのです。これにより,F.C.C. TSR Hondaのシートが1つ空くことになってしまったため,彼に替わって今大会に伊藤真一らと組んでTeam SuP Dream Hondaから参戦することになっているJ.フックを起用することになりました。そのフックは,一昨年の8耐にF.C.C. TSR Hondaから参戦し,2位表彰台を獲得しています。ということで,F.C.C. TSR Hondaの体制は今回のフックと,現在Moto2クラスにフル参戦しているD.エガーター,元MotoGPライダーのR.ド.ピュニエの体制となります。フックが抜けることになったTeam SuP Dream Hondaの方は,リザーブライダーとして登録されていたD.カドリンが参戦することになり,伊藤,G.ブラックの3人体制で臨みます。
2017/07/26(水)
☆撤退(DTM)
○ドイツを中心として開催されているGTカーによるレースであるDTMに1988年から参戦を開始しているメルセデス・ベンツから発表があり,2018年シーズンをもってDTMから撤退し,それに替わって電気自動車のフォーミュラカーで争われているフォーミュラEにフル参戦することになりました。DTMにおけるメルセデスといえば,現行の形になった2000年からフル参戦を継続していて,ここまで浮き沈みのあったこのシリーズをずっと支えてきました。2010年からはコンストラクタータイトルから遠ざかっているものの,それ以前はメルセデスの独壇場となっていました。まさにDTMといえばメルセデスというイメージを持つほどでした。今回の撤退発表は,DTMシリーズに大きな影響を与えることは間違いなく,そのDTMと提携していこうと取り組んでいるSGTにも何らかの影響が出てくるかもしれませんね。
2017/07/25(火)
☆起用(F1)
○今週末にハンガロ・リンクにおいて第11戦ハンガリーGPが開催されます。そして,それが終了した翌日から2日間にわたって,同地においてインシーズンテストが行われる予定になっています。そのテストにおいて,2人の注目ドライバーの起用が正式に発表されました。その内の1人が,かつて近い将来のチャンピオン候補の1人ともいわれていたR.クビサです。そのクビサは,2011年シーズンが始まる前に参戦したラリーのレースにおいてクラッシュを喫してしまいました。その時に右腕をガードレールで大きく損傷してしまい,切断寸前のところまでいきました。幸いにも切断までは至りませんでしたが,腕の可動域が極端に制限される後遺症が残ってしまい,F1ドライバーとしてはもちろん,レーシングドライバーとしての生命が絶たれたかに思われていました。しかし,不屈の精神で少しずつそれを乗り越えていき,WRCへ参戦したりして障害を抱えながらもレーシングドライバーとして復活を目指していきました。そして,先月行われたルノーのプライベートテストに参加して復活をアピールする姿が見られ,今月に入っても2回目のテストに参加し,その中で再びF1ドライバーとして活動するのではないかという噂が現実のものとなってきていました。そして,この度ルノーから正式発表があり,インシーズンテストで2日間ともクビサを起用することが決定しました。クビサがF1における公式テストに参加するのは,まさに重傷を負う1週間前に行われたF1の合同テスト以来となります。2人の目注目ドライバーは,今シーズンF2(昨年までのGP2)にフル参戦し,ここまで1勝を挙げて現在ランク7位につけている松下信治です。F2ドライバーとしてはもちろん,今シーズンはマクラーレン・ホンダのテストドライバーとしても起用されている松下ですが,今回ステアリングを握るのはザウバーのC36です。ご存知のように,F1復帰以後はマクラーレンのみにパワーユニットを供給してきたホンダですが,来季からはザウバーにも供給することが決まっています。今回の松下起用は,この流れの中で実現したものです。ザウバーとホンダとの契約の中には,日本人ドライバーの起用も含まれているようで,大きな期待がもたれる両者の提携です。ただ,その契約を結んだ時ザウバーの代表だったM.カルテンボーンが,先日解任されるという事態になっています。そのため,ホンダとの提携もどうなるか不透明になっているという噂も浮上してきています。また,ホンダの育成ドライバーの中で最もF1に近い位置にいるのが松下ですが,F1参戦に必要なスーパーライセンス取得に必要な成績が,現段階では無理な状況にあります。2014年限りでF1のシートを小林可夢偉が失って以来,日本人のF1ドライバーが誕生していません。ザウバーとの契約の動向が気になりますが,松下は今回のテストドライブを良いきっかけにして,F2で毎戦最低でもトップ3に食い込む活躍を見せるようになっていってほしいものです。
2017/07/24(月)
☆タイミング(SGT)
○第4戦の決勝レースが,宮城県にあるスポーツランドSUGOで行なわれました。この日のSUGOは,新潟県を襲った雨雲の影響を受けて雨が降ったり止んだり,しかも雨の強さも変化していて,タイヤ選択を含めて大変難しいレースとなりました。GT500クラスにおけるレース序盤は,予選でも好調な走りを見せていたホンダのNSX-GT勢が上位を独占する展開となりました。ところが,中盤に入ってからのピットインのタイミングとアクシデントによるセーフティーカーの導入がホンダ勢にとっては悪夢の展開となりました。ルーティンのピットインを早めに取ったチームとやや遅らせたチームとがありましたが,やや早めに取ったチームがピットインを済ませたところでアクシデントからセーフティーカーが導入される事態となりました。この段階でまだ済ませていたなかった多くのホンダ系チームなどは,セーフティーカーが入ったことでそれまで築いた差がなくなると共に,そのセーフティーカーが退いた後にピットインせざるを得なくなり,順位を大きく下げざるを得ない状況となりました。そのような状況に幸運をもたらされたのが,H.コバライネン&平手晃平組のDENSO KOBELCO SARD LC500と本山哲&千代勝正組のS Road CRAFTSPORTS GT-Rでした。後続をほぼラップ遅れとする幸運に恵まれた両者は,再び降り始めた雨の中で激しいトップ争いを最終ラップまで展開して行きました。テールトゥーノーズで繰り広げられたバトルの中,名物の1つであるSPコーナーで両車コースオフというアクシデントも起こりましたが,どちらも無事コースに復帰することができました。そして,その激しいバトルで両車が接触する事態も発生。ここでGT-Rがやや失速してしまったためにやや差がついてしまい,昨年のチャンピオンコンビ&チームが今季初優勝を飾りました。周回遅れにはなったものの,3位には大嶋和也&A.カルダレッリ組のWAKO'S 4CR LC500が3位に入り,このコンビがランキング争いでトップに立ちました。レース途中まで好調な走りを見せていたホンダ勢では,6位に入った武藤英紀&中嶋大祐組のMOTUL MUGEN NSX-GTが最高位でした。
GT300クラスでもセーフティーカー導入のタイミングが大きな影響を与えてしまい,上位がピットインで順位を下げざるを得ない状況となりました。こうした状況に幸運がもたらされたのが,何と予選17番手からどんどん浮上していった平中克幸&B.ビルドハイム組のGAINER TANAX AMG GT3でした。雨の状況や複数回あったセーフティーカー導入からポジションアップを果たした同マシンは,単独走行で最後のセーフティーカー導入後にトップに立ち,終盤に入って激しくなった雨にも耐え,見事今季初優勝を飾りました。2位には,こちらも単独走行となった都筑晶裕&新田守男組のフェラーリ488 GT3が入っています。周回遅れとなった3位争いは,2台のバトルとなり,最終的に松井孝允&山下健太組のVivaC 86 MCが入っています。
2017/07/21(金)
☆チャンピオンに向け(8耐)
○先日7月18日(火)にスズキ・エンディランス・チーム(SERT)から発表があり,今月末に行われる世界耐久選手権(EWC)シリーズの最終戦『“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第40回記念大会』において,第3ライダーとして今シーズンからヨシムラに所属してJSB1000クラスにフル参戦している濱原颯道を起用することになりました。同チームは,WECシリーズで2015,2016年と連続してタイトルを獲得しています。今シーズンもここまでランクトップに立っていて,3年連続チャンピオンに王手をかけています。ただ,8耐は大量ポイント獲得が可能なため,リザルト次第では逆転される可能性も十分あります。そのような状況の中で起用されたのが,スズキにおけるシンデレラボーイ的立場にある濱原です。今回の8耐に復帰することになっている伊藤真一が,かつてさほど実績のない中でいきなりHRCに採用されてJRRの最高峰クラスにフル参戦し,その後は現在まで日本を代表するライダーとして活躍していますが,今回起用が発表されたモタード出身の濱原も,同じような感じでスズキのエースチームであるヨシムラ・スズキMOTULレーシングからJRR最高峰クラスにフル参戦しています。濱原が注目を集めることとなったのが昨年の8耐で,マシン性能としては落ちるSSTクラスのHKC&IMTレーシングから参戦しながら,WECにおける最高峰クラスであるEWCクラスと遜色ないタイムをマークしたのです。3連覇がかかっているチャンピオンチームからレギュラーライダーを差し置いて参戦するわけですから,いかにスズキが濱原の将来性にかけているのかが,今回の起用でも分かりますね。
2017/07/20(木)
☆変更(F1)
○ドライバーはむき出しのシート部分に座ってレースをするため,何かが飛んできた時に防げないというのがフォーミュラカーの宿命です。近年では,前車が飛ばしたパーツがF.マッサのヘルメットを直撃し,あわや命を失う可能性のあった事故も起きています。そうしたドライバーの頭部を守るためにいくつかのデバイスが開発されていて,その中で一旦選ばれたのが,ドライバーの前にスクリーンを立てる『シールド』と呼ばれる安全デバイスでした。ところが,イギリスGPのフリー走行1でフェラーリのS.ベッテルがこのデバイスをテストすると,スクリーンが湾曲しているため,視界がゆがんで見えたり,その影響からかめまいがしてきたりというようにドライバーにとって大きな支障が出てくることが分かりました。その結果を受けてFIA,全チーム,そしてF1の運営母体であるリバティ・メディアが参加して開かれた臨時のストラテジーグループ会議において新たな決定がなされ,2018年から安全デバイスとして『ハロ』の導入が義務付けられることになりました。このハロは,フェラーリが提案し,そして昨年テストされた経緯がある安全デバイスです。ところが,Y字型に装着されたバー状のものがドライバーの前に装着されるこのデバイスは,お世辞にも見た目にあまりかっこいいものではないため,ドライバーによっては導入を否定していて,その中のL.ハミルトンに至っては,「もし装着されたらむしり取る」というようなコメントを出すほどでした。こうしたこともあってか,会議でチーム側は反対したようですが,最終的にFIA側がハロ導入を決定したようです。今後は,実際に装着させながら改良を施していくことになるとのことです。
2017/07/19(水)
☆契約延長(MotoGP)
○今シーズンのMotoGPクラスにおける注目点の1つが,2連勝を挙げたりしたA.ドビツィオーゾに代表されるドゥカティのマシンを駆るライダーです。現段階ではレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスに6ポイント差でランクトップの座を譲ってはいますが,前戦ダッチTT終了時点では,ランクトップに立つ活躍を見せています。そのダッチTTでは,ドゥカティのサテライトチームであるオクト・プラマック・レーシングのD.ペトルッチが2位表彰台を獲得しています。そうしたドゥカティ陣営の1つであるプル&ベア・アスパー・チームから7月17日(月)に発表があり,今季ここまで4回のシングルフィニッシュを達成していて,ランキング争いで11番手につけているA.バウティスタと契約を延長することが決定しました。契約期間は,来シーズンまでの1年間となっています。先日ドゥカティと同チームの契約延長が決まっていて,来季もドゥカティ陣営の1つとして最高峰クラスにフル参戦することが決まっていますが,ドゥカティのファクトリーであるドゥカティ・コルセから提供されるデスモセディチGP17もしくはGP16のいずれかをバウティスタは駆ることになるようです。
2017/07/18(火)
☆契約延長()F1)
○メルセデスAMGのカラーリングといえば,何といっても長年同チームのタイトルスポンサーを務めているマレーシアの石油関連企業である『ペトロナス』のロゴが目を引きます。そのペトロナスに関しては,今シーズン限りでマレーシアGPの開催がなくなるということから,同社もF1から撤退するのではないかという憶測が出ていました。しかし,この度ペトロナスから発表があり,今シーズンで契約が切れるメルセデスとの契約を延長することが決まりました。契約期間は,来シーズンからの3年間となります。今回の発表の中で,同社のCEOを務めるワン・ズルキフリ・ ワン・アリフィン氏が語ったところによると,マレーシアGPの開催がなくなるのは残念としたものの,同社はマレーシアでF1が開催される以前からモータースポーツに関与してきたとのことで,GP開催とスポンサー契約とは違うことを強調しています。
2017/07/17(月)
☆52年ぶり(F1)
○第10戦イギリスGPの決勝レースが,高速サーキットで名高いシルバーストーン・サーキットで行われました。初日,2日目と20度を下回る低い気温,そして不安定な天候に見舞われた同地ですが,この日は雲に覆われてはいたものの,気温は20度を超え,終日ドライコンディションでした。ポールからスタートした母国GPに燃えるメルセデスAMGのL.ハミルトンは,スタートから順調にトップの座を守っていきました。そして,最後までトップの座を譲ることなく走行を続け,最後は2位に10秒以上の大差をつける独走でポールトゥーフィニッシュを達成しました。この勝利により,ハミルトンはイギリスGP4年連続優勝を飾り,これはJ.クラーク以来52年ぶりの快挙となります。注目を浴びたのは2位争いでしょう。2,3位をフェラーリ勢が占めていたのですが,唯一となるピットストップを敢行してからペースアップを果たしてきたのが,ハミルトンのチームメイトであるV.ボッタスでした。4位を走行していたボッタスは,タイヤ交換以後ペースアップしていき,まずは3位を走行していたS.ベッテルとのバトルとなりました。前戦の勝者の勢いを見せるかのようにベッテルに襲いかかったボッタスは,名物のハンガーストレートで並びかけてベッテルをパスするのに成功しました。その次のターゲットなったのが,2位を走行していたK.ライコネンでした。そのライコネンは何とかボッタスの追撃をかわしていましたが,残り3周となったところでライコネンのタイヤに異変が生じてピットストップせざるを得なくなり,2位の座をボッタスに譲ることになりました。これにより,メルセデスAMG勢のワンツーフィニッシュが達成されました。最終盤に入ってタイヤ交換を強いられたライコネンは,2位の座を譲ったものの,3位表彰台を獲得しています。そして,チームメイトが4位でチェッカーを受けるものと思われる中,残り2周となったところで今度はそのベッテルのタイヤがスローパンクチャーに見舞われてしまい,こちらも緊急ピットインが強いられてしまいました。これにより,4位の座から転げ落ち,最終的に7位でのチェッカーとなりました。この結果,ランキング争いでベッテルがトップの座は守ったものの,ランク2位のハミルトンとの差がわずか1ポイントになりました。スペック3のパワーユニットを投入して速さを見せてきたマクラーレン・ホンダ勢ですが,予選でQ3に進出したS.バンドーンは,ポイント獲得圏内を走行する場面も見られました。とはいえ,高速サーキットで同チームにとっては不利な状況であることに変わりはなく,最終的にポイント獲得はならなかったものの,11位でのチェッカーとなりました。改良パーツ投入により30グリッド降格が科されていたF.アロンソは,マシントラブルが発生してリタイアに終わっています。
2017/07/16(日)
☆圧倒的(F1)
○第10戦イギリスGPの予選が,初日に続いて気温がやや低くなったシルバーストーン・サーキットで行なわれました。不安定な天候が多いイギリスですが,この日も厚い雲に覆われて時折雨が降る天候となりました。Q1の頃には雨が降る時がましたが,セッションが進むにつれて路面はドライへと変わっていきました。そのような中でトップタイムをマークしたのは,母国GPに燃えるメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。彼の速さは圧倒的で,唯一1分26秒台に入ってこれまでのコースレコードを2.6秒縮めるほどの速さでした。そのハミルトンからおよそコンマ5.5秒遅れの2番手タイムだったのはフェラーリのK.ライコネンで,そのチームメイトで,ここまでランクトップを行くS.ベッテルが3番手タイムでした。ギアボックス交換から既に5グリッド降格が決まっているメルセデスAMGのV.ボッタスが,4番手タイムをマークし,今回も上位2チームによるトップ4独占となっています。超高速サーキットでの大会のため,今回は不利が予想されているマクラーレン・ホンダですが,前回から投入されているスペック3の素性のよさが表れたのか,S.バンドーンがモナコGP以来今季2度目となるQ3進出を果たし,最終的に9番グリッドを獲得しています。次戦に向けて改良パーツを投入したため,既に30グリッド降格が決まっているF.アロンソですが,意地を見せるかのようにタイムアタックを敢行して13番手タイムをマークしています。
2017/07/15(土)
☆グリッド降格(F1)
○第10戦イギリスGPがシルバーストーン・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行なわれました。猛暑に見舞われている日本に対し,この日のシルバーストーンは気温が低く,気温17度,路面温度が30度ちょっとと涼しい中での走行となりました。この日は前戦の勝者であるメルセデスAMGのV.ボッタスが速さを見せ,2回共にトップタイムをマークしています。ただ,前戦でチームメイトのL.ハミルトンに発生したギアボックストラブルが,今回はボッタスに発生していて,6戦連続で同じギアボックスを使用しなければならないというレギュレーションに抵触することから,決勝レースは5グリッド降格処分が科されることが決定しています。ただ,メルセデスの好調さには変わりなく,ハミルトンがこちらも2回とも2番手タイムをマークしています。今シーズン好調な走りを見せていて,ランキング争いでメルセデスを抑えているフェラーリも速さを見せ,K.ライコネンが3番手,ランクトップのSベッテルが4番手タイムをマークしています。スペック3のパワーユニットを投入して少し速さに改善が見られているマクラーレン・ホンダ勢ですが,F.アロンソがトップ10に食い込む9番手をマークし,S.バンドーンが2回目は16番手タイムながら,1回目の走行では10番手タイムをマークしています。ただ,昨日お伝えしたように,アロンソについては,より良い結果が期待される次戦を視野に入れて何種類ものアップデートパーツを投入するため,最大30グリッド降格を覚悟しての対策を採るようです。
2017/07/14(金)
☆ペナルティ覚悟(F1)
○今日から第10戦イギリスGPがシルバーストーン・サーキットで開幕しますが,マクラーレン・ホンダのF.アロンソがペナルティを受けることになりそうです。ホンダが供給するパワーユニットは,速さと信頼性が不足していて,このところ毎戦のように改良パーツが投入されていて,その度にグリッド降格のペナルティを受ける状態が続いています。ただ,第8戦アゼルバイジャンGPでアロンソに,そして前戦オーストリアGPで2台共に投入されたスペック3は速さが実感され,明るい兆しが見え始めたようです。しかし,その前戦でアロンソのマシンのMGU-Hに不具合が見つかり,スタート直後に後ろからぶつけられてリタイアに終わった決勝レースは,スペック2での走行を強いられていました。今日から始まるイギリスGPでは,不具合に改良が施されたMGU-Hがアロンソに搭載されることになりそうなため,10グリッド降格のペナルティが科さられそうです。それだけではなく,スペック3をさらに強化するためのパーツが投入されることになるかもしれず,それに伴ってさらなるグリッド降格のペナルティが上積みされることも視野に入れているのではないかと言うことです。もしそうなると単純に考えた場合,アロンソ及びチームの怒りが増幅されそうですが,案外そうではないのかもしれません。というのは,シルバーストーン・サーキットといえば,F1開催サーキットの中でも高速サーキットの1つです。速さに大きな課題を抱えるマクラーレン・ホンダには,厳しい結果が予想される大会となります。不利が予想されるここでパーツを投入してペナルティを受けておくと,2週間後に行われる第11戦ハンガリーGPでは,ノーペナルティで速さに改良が施されたマシンをはじめから駆ることができることになります。今回は,ペナルティ覚悟の大会となりそうです。
2017/07/13(木)
☆新代表(F1)
○ザウバー・モータースポーツAGから発表があり,7月17日付で新代表にF.バスールを起用することになりました。ザウバーの代表といえば,近年はM.カルテンボーンが務めてきました。しかし,6月21日に同チームから発表があり,「会社の将来的な展望に対する見解の違い」からチームを離脱することになりました。その発表の時には,後任を近いうちに発表するということになっていましたが,3週間近く空白になっていました。ただ,バスールについては,その名前が最初の段階から噂に上っていたことも確かです。今回チーム代表に就任したバスールは,ARTグランプリの代表等を務めた後,ルノーがワークスチームとして再び参戦を開始した昨シーズンからレーシングディレクターとして加入し,7月からはチーム代表に就任していました。ところが,今シーズンが始まる前にチーム上層部の他のメンバーと方向性について意見の違いが生じたということからチームを離脱していました。そして,奇しくも同じような理由から離脱したカルテンボーンに替わってバスールがチーム代表に就任したことになります。チーム代表空白という事態は解消された同チームですが,噂にしか過ぎないものの,これで全てが丸く収まった訳ではないようです。ザウバーは,来シーズンからホンダのパワーユニットが供給されることになっていますが,この契約はカルテンボーンがチーム代表を務めているときに結ばれたもの。今回の突然の解任劇にホンダが不快感を示しているのではないかということで,場合によっては供給の話がご破算になる可能性があるというのが噂として浮上しています。まあ,F1の噂話は枚挙にいとまがありませんから,信憑性の程は分かりません。今後の推移が気になるところです。
2017/07/12(水)
☆権利行使(F1)
○1987年以来イギリスGPを開催してきたシルバーストーン・サーキットですが,それが2019年から先の開催が途絶えることになるかもしれません。これは,同サーキットのオーナーであるブリティッシュ・レーシング・ドライバー・クラブ(BRDC)が,イギリスGP開催に関する契約解除条項の権利を行使したことによるものです。現在の契約では,開催料金が毎年5%ずつ上がっていくようになっていて,2010年が1150万ポンド(約17億円)だったのに対し,今年は1620万ポンド(約24億円)まで上昇しているとのことです。このままいくと,契約最終年の2026年には2500万ポンド(約36億8000万円)に及ぶということです。もちろん,そうした支出を大幅に上回る収入があるとそれほど大きな問題にならないのかもしれませんが,世界的にF1人気が下降していることもあって,BRDCのJ.グラント会長によると,2015年に280万ポンド(約4億円),2016年に480万ポンド(約7億円)の赤字を出し,今年も同等の損失を上げると予想しているとのことです。ただ,昨シーズンまではF1界のボスであるB.エクレストンがF1のオーナーを務めてきましたが,その彼がF1から去り,今シーズンからリバティ・メディアがオーナーになっていて改革をしてきています。今回の権利行使は,このリバティ・メディアと2019年以降の新たな契約を結ぶための布石を打ったものと思われます。
2017/07/11(火)
☆ドイツ初(FE)
○昨シーズン限りでル・マン24時間耐久レースを中心としたWECシリーズから撤退したアウディから,電気自動車のフォーミュラカーで争われているフォーミュラE(FE)シリーズにワークス参戦することを正式に発表がありました。ドイツメーカーがFEにワークス参戦するのは,今回のアウディが初となります。現在は「ABTシェフラー・アウディスポーツ」を技術支援という形で参戦しているアウディですが,来シーズンからはそのチームを引き継ぐ形で「アウディスポーツ ABTシェフラー」としてワークス参戦することになります。今回の発表によると,チーム名からも分かるように,シェフラーとの関係は継続し,テクノロジーパートナーとして同社は参戦するようです。また,チームの運営は,これまでと同じくABTが担うということです。WECシリーズで数々の金字塔を成し遂げてきたアウディだけに,FEでも活躍が十分に期待できる今回の参戦発表と言えますね。
2017/07/10(月)
☆2勝目(F1)
○第9戦オーストリアGPの決勝レースが,レッドブルのお膝元であるレッドブル・リンクで行なわれました。山間にあるサーキットのため,不安定な天候になりやすいという特徴がある同サーキットですが,時折小雨がぱらついたものの,終日ドライコンディションの中で行なわれました。パワーアップされたスペック3のパワーユニットが投入され,前戦に続いてポイント獲得が期待されたマクラーレン・ホンダ勢でしたが,12番グリッドからスタートしたF.アロンソは,スタートしてすぐの1コーナーで,トロロッソのD.クビアトをパスしたかに思えましたが,タイヤをロックされたクビアトがコントロールを失ってアロンソに追突し,スタートに出遅れたレッドブルのM.,フェルスタッペンのも巻き添えにしてしまって,3台揃ってリタイアになってしまいました。もう1台のS.バンドーンは,12位走行中に青旗無視のペナルティからドライブスルーペナルティを受け,最終的に12位でチェッカーを受け,ポイント獲得に至りませんでした。ポールからジャンプスタートを疑われるくらいの好スタートを切ったメルセデスAMGのV.ボッタスは,ピットインのタイミングで順位の変動はありましたが,最終的にトップの座に再び戻ってきて,終盤に入ってフェラーリのS.ベッテルの追撃を受けていきましたが,これをかわして0.658秒差で今季2勝目を挙げました。3位には,メルセデスAMGのL.ハミルトンの追撃をかわし,チームの母国GPでレッドブルのD.リカルドが3位表彰台を獲得しています。

☆初優勝(SF)
○第3戦の決勝レースが,真夏のような暑さに見舞われた富士スピードウェイで行なわれました。レース中盤にタイヤのバーストが続いたり,ポールからスタートしてポールトゥーウィンを狙っていたP.MU/CERUMO・INGINGの国本雄資がマシントラブルからリタイアしたりとサバイバルレースの様相を呈した中,2番グリッドからスタートしたP.MU/CERUMO・INGINGの石浦宏明が,国本のリタイアによりトップに浮上すると,2番手走行のSUNOCO TEAM LEMANSのF.ローゼンクヴィストの追撃をかわしてトップを死守し,うれしい今季初優勝を挙げました。石浦の優勝は,岡山国際サーキットで行われた昨年の第2戦以来となります。3位には,VANTELIN KOWA TOM'SのA.ロッテラーが入っています。この結果,優勝した石浦がランキング争いでトップに躍り出ています。トップ4をトヨタエンジン勢が占め,ホンダエンジンユーザーのトップは,TEAM MUGENのP.ガスリーの5番手でした。
2017/07/09(日)
☆交互に(F1)
○第9戦オーストリアGPの予選が,シュピールベルクにあるレッドブル・リンクにおいてドライコンディションの中行なわれました。Q3の最初のアタックでトップタイムをマークしたのは,Q2でトップだったメルセデスAMGのV.ボッタスでした。そのボッタスから1000分の43秒差の2位につけたのが,前戦で怒りのあまりマシンをぶつけるというアクションを起こして物議を醸したフェラーリのS.ベッテルでした。そして,そのベッテルからマシンをぶつけられたメルセデスAMGのL.ハミルトンが3位,フェラーリのK.ライコネンが4位につけるというような2チームが交互につけるというアタックでした。そして,ファイナルアタックとなる2回目のアタックに臨んだ各ドライバーでしたが,ターン3の出口でハースのマシンを駆るR.グロージャンがトラブルからストップしてしまい,ここが黄旗区間となったため,どのドライバーもタイムを更新することができず,1回目のタイムがそのまま予選結果になりました。スペック3のパワーユニットを投入しているマクラーレン・ホンダは,Q1は両者共に突破できたものの,Q2でどちらも敗退となり,F.アロンソが12位,S.バンドーンが13位で予選を終えています。

☆独占(SF)
○およそ1ヶ月半のインターバルを経て,第3戦の予選が,30℃を超える厳しい暑さとなった富士スピードウェイで行なわれました。そのような厳しいコンディションの中,予選最後となるQ3でトップタイムをマークしたのは,Q1,Q2でもトップタイムだったP.MU/CERUMO・INGINGの国本雄資でした。予選を完全制覇となった国本ですが,今回が自身にとって初のシリーズにおけるポール獲得となります。2番グリッドを獲得したのが石浦宏明で,これによりP.MU/CERUMO・INGING勢がフロントローを独占しました。3番グリッドは,ITOCHU ENEX TEAM IMPULの関口雄飛が獲得しています。ホンダエンジン勢の中では,TEAM MUGENの山本尚貴の5番手が最高位でした。ちなみに,トップ10の内8台はトヨタエンジン勢が占めていて,相変わらずトヨタ有利の状況が続いています。
2017/07/08(土)
☆トップだけど(F1)
○2週連続開催となるF1ですが,その最初のレースとなる第9戦オーストリアGPがレッドブルのお膝元であるレッドブル・リンクで開幕し,初日はいつものように2回のフリー走行が行なわれました。山間にあるサーキットだけに,天候が不安定なところがありますが,この日は雨が予想されたものの,路面を濡らすほどのことはなく,終日ドライコンディションで行なわれました。この日の総合トップタイムをマークしたのは,ここまでランク2位につけているメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。ランクトップを行くフェラーリのS.ベッテル追撃に向けて好発進をした感じを受けますが,実は前戦の時にギアボックスにダメージを受けていたようで,今大会で交換をすることになり,ギアボックスは6戦連続使用しなければならないというレギュレーションに抵触することから,5グリッド降格のペナルティを受けることが決定しています。総合2番手タイムをマークしたのは,そのランクトップを行くベッテルでした。総合3番手タイムを,ハミルトンのチームメイトであるV.ボッタスがマークしています。今大会に2台揃ってスペック3のパワーユニット(PU)を投入しているマクラーレン・ホンダですが,F.アロンソが走行中に縁石の段差でフロア周りにダメージを受け,修復作業に追われたというアクシデントが発生しました。それでも,パワーアップされた今回のPUに押されてか,アロンソが総合8番手,S.バンドーンが12番手と,今シーズンここまでのマクラーレンからすると上位につけています。
2017/07/07(金)
☆GPライダー(8耐)
○世界耐久選手権(EWC)シリーズにフル参戦しているF.C.C TSRホンダが,今月30日(日)に決勝レースを迎える同シリーズの最終戦『“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第40回記念大会』の第3ライダーについて発表がありました。既に昨シーズンまでMotoGPライダーとして活躍し,今シーズンからホンダのワークスライダーとしてSBKシリーズにフル参戦しているS.ブラドルと,現役Moto2ライダーで,毎年のように8耐にも参戦しているD.エガーターの2人を起用することは発表されていました。そして,この度,第3ライダーの発表がありました。今回発表された第3ライダーは,かつてMotoGPクラスでも活躍し,2014年の8耐で2位表彰台を獲得した経歴を持つR.ド.ピュニエです。今シーズンのド.ピュニエは,EWCの第1,2戦にTEAM SRC KAWASAKIから参戦し,それぞれ2位,3位表彰台を獲得しています。TSRホンダとしては,ボルドール,ル・マン,オーシャスレーベンの3戦で5位に入り,現在チームランク6位につけています。今回行なわれる8耐で優勝すれば,シリーズチャンピオンを獲得する可能性がありますので,チームの地元で行なわれる8耐は,チームクルーをはじめ,ライダーについても元及び現役GPライダーを起用し,マシンについても今年からホンダが投入したCBR1000RR SP2を投入した特別編成で臨むことになりました。
2017/07/06(木)
☆第3ライダー(8耐)
○一昨日もお伝えしたように,今月30日(日)に決勝レースを迎える世界耐久選手権(EWC)シリーズの最終戦『“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第40回記念大会』ですが,次々にどのチームもライダーの参戦体制が決定していますが,7月4日(火)に日本を代表するコンストラクターの1つであるモリワキが,第3ライダーの発表を行ないました。2008年以来9年ぶりの8耐復活となる同チームですが,今年発売されたホンダのCBR1000RRにチーム独自の改良を加えたマシンを投入してJSB1000クラスに2台体制で臨んでいます。そのマシンを駆る2人のライダーとは,海外で大活躍した経歴を持つ高橋裕紀と清成龍一の2人で,当然この2人が8耐でも主力となります。とはいえ,どんなにこの2人が速さを見せても,第3ライダーの力が足りないと上位争いは不可能です。そして,そのモリワキが第3ライダーとして選んだのが,イギリスで行なわれ,清成が3回にわたってチャンピオンに輝いたこともあるBSBシリーズにホンダ・レーシングからフル参戦しているD.リンフットです。イギリス人ライダーであるリンフットは,2009年からBSBへの参戦を開始し,昨シーズンはランク4位に輝いています。9年ぶりの復活となるため,8耐参戦の権利を得るためトライアウトを通過しなければならなかったモリワキMOTULレーシングですが,転倒によりなかなかトライアウト対象となるレースで上位に食い込むことができず,ようやく参戦の権利を得るという状況となりましたが,実力的には当然優勝候補の1つに上げられてもおかしくありません。8耐初参戦となるライダーを加え,どのような活躍を見せるのか楽しみですね。
2017/07/05(水)
☆失格(MotoGP)
○FIMから発表があり,第7戦カタルニアGPのMoto2クラスで2位表彰台を獲得したイタルトランス・レーシング・チームのM.パッシーニに違反があったとして失格処分が下され,これにより3位以下のリザルトが1つずつ繰り上がることになりました。この結果,イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶の同GPにおけるリザルトは,1つ繰り上がって10位となりました。今回の発表によると,失格となった原因は,使用したオイルに問題があったようです。エンジンやタイヤなど,このクラスはレギュレーションで決められている共通のものを使用することが多くなっています。オイルに関しても同様で,規格外のものは使用できないこととなっています。カタルニアGPの予選後に行われた車検において,彼の使用したマシンからサンプリングしたオイルに規格外のものが検出されたことから,第8戦TTアッセン及び第9戦ドイツGPのどちらでもこの点に関する公聴会が開かれました。その過程の中で2つ準備されたサンプルの両方から違反という結果が出,それをチーム側も認めたため今回の決定となったようです。パッシーニがこの大会でノーポイントとなったため,ランキング争いでこれまで5位だったパッシーニが6位に下がり,6位だったスカイ・レーシング・チームVR46のF.バグナイアが5位に浮上しています。
2017/07/04(火)
☆第3ライダー(8耐)
○今月30日(日)に決勝レースを迎える世界耐久選手権(EWC)シリーズの最終戦『“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第40回記念大会』ですが,次々にどのチームもライダーの参戦体制が決定しています。そのことに関して,先日有力チームから第3ライダーの発表が行なわれました。まず1つ目は,加賀山就臣が率いるTeam KAGAYAMAです。既にプレイングマネージャーである加賀山と,その加賀山と同じく同チームからJSB1000クラスにフル参戦している浦本修充が参戦することは決定していました。そして,この度第3ライダーとしてMoto2クラスにペトロナス・レースライン・マレーシアからフル参戦しているH.シャーリンを起用することになりました。現在ランク11位につけているシャーリンですが,これまでGPでは2位と3位の表彰台を1回ずつ獲得しています。同チームといえば,以前同じMoto2クラスライダーであるD.エガーターを起用し,彼がブレイクするきっかけとなったことがあります。それだけに,近年活躍が目覚ましくなってきているアジア人ライダーの一人であるシャーリンの走りが期待できます。もう1チームは,久々に8耐復帰となったチーム阪神ライディングスクールです。15年ぶりの復帰となる同チームですが,既に西嶋修と柳川明の2人は決定していました。そして,この度第3ライダーの発表が同チームからあり,現在Kawasaki Team GREENからJSB1000クラスにフル参戦し,ここまでランク10位につけている松崎克哉を起用することになりました。松アにとっては,国内外で活躍してきた柳川と組むことはとてもいい学習の機会になるのではないでしょうか。
2017/07/03(月)
☆またも8年連続(MotoGP)
○1ヶ月にわたるサマーブレイク前最後のレースとなる第9戦ドイツGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったザクセンリンクで行なわれました。MotoGPクラスは,前日行なわれた予選で,自身8年連続となるポールを獲得したレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスと,母国GP制覇に燃えるモンスター・ヤマハ・テック3のJ.フォルガーとの一騎打ちが展開されていきました。時にはフォルガーがトップに立つことはありましたが,マルケスが終始トップに立ち,残り3周となったところでフォルガーのコーナーリングがワイドになったことをきっかけに徐々に差をマルケスが付けはじめ,最終的に3秒以上の差をつけてトップでチェッカーを受けました。このサーキットはホンダと相性がよく,マルケスも得意とすることもあって,今回の優勝で最高峰クラス5年連続,ポールトゥーウィン,中・軽量級クラスを含めると8年連続ポールトゥーウィンということになりました。さらに,ランキング上位者が表彰台を逃したこともあって,マルケスがランクトップに立っています。最終的には単独走行となりましたが,フォルガーが最高峰クラス自身初となる表彰台を獲得しました。3位には,こちらも単独走行でレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサが入っています。
Moto2クラスは,ポールからスタートしたエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのF.モルビデリと,6番グリッドからスタートしたレッドブルKTMアジョのM.オリベイラとのトップ争いがレース中盤から展開されていきました。ファイナルラップまで続いたバトルを制したのは,ランクトップを行くモルビデリで,わずか1000分の66秒差という僅差での勝利でした。3台による3位争いが展開されていきましたが,最終的にスカイ・レーシング・チームVR46F.バグナイアがこのバトルを制しています。予選で上位に顔を出すことができなかったイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,23番グリッドから徐々に順位を回復していき,最終的に10位でチェッカーを受け,トップ10フィニッシュを果たしています。テルルSAGチームの長島哲太は,ポイント圏外である18位でチェッカーを受けています。
Moto3クラスは,3台によるトップ争いがファイナルラップまで続いていきました。そのバトルを制してトップでチェッカーを受けたのは,ここまでランクトップを行くレオパード・レーシングのJ.ミルでした。これにより,ポイントで2位に37ポイントと差を広げています。ミルにトップの座は譲ったものの,最後までバトルしたマリネッリ・リバコールド・スニパーズのR.フェナティが2位,プラチナム・ベイ・リアル・エステイトのM.ラミレスが3位表彰台を獲得しています。ラミレスにとっては,これが自身初表彰台獲得となります。フル参戦日本人ライダー勢ですが,12番グリッドからスタートしたSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生は,9位でチェッカーを受けてトップ10フィニッシュを果たしていますが,SICレーシング・チームの佐々木歩夢は17位,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は21位でのチェッカーとなっています。
2017/07/02(日)
☆8年連続(MotoGP)
○第9戦ドイツGPの予選が,ウェットコンディションとなったザクセンリンクで行なわれました。MotoGPクラスは,このところ好調な走りを見せていて,Q1をトップ通過したオクト・プラマック・レーシングのD.ペトルッチがしばらくの間Q2でもトップに立っていました。しかし,このサーキットを得意としているレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが,セッション終盤に入って本格的なアタックを開始し,ファイナルアタックで最速タイムを刻んでポールを獲得しました。マルケスがこのザクセンリンクでポールを獲得するのは,MotoGPクラスで5年連続,中・軽量級クラスまで入れると8年連続となります。ペトルッチは2番グリッド獲得となりましたが,これは自己最高位です。初日の走行でドライでもウェットでも速さを見せたレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサが3番手タイムをマークし,今季3度目となるフロントローを獲得しています。ヤマハ勢は全体的に不振で,今回が母国GPとなるモンスター・ヤマハ・テック3のJ.フォルガーの5番手が最高位で,ワークスライダーであるV.ロッシとM.ビニャーレスは,それぞれ9番手,11番手でした。
Moto2クラスは,ここまでランクトップを行くエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのF.モルビデリが,2戦連続となるポールを獲得すると共に,チームメイトのA.マルケスが2番手タイムをマークしています。スッターのマシンを駆るダイナボルト・インタクトGPのS.コルテセが3番手タイムをマークし,今季初フロントローを母国GPで獲得しました。テルルSAGチームの長島哲太は16番手でしたが,表彰台獲得が期待されているイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶jは,全くペースが上がらずに25番手で予選を終えています。
唯一ドライでの走行となったMoto3クラスは,前戦の勝者であるエストレラ・ガルシア0,0のA.カネトが,今季2度目となるポールを獲得しました。ここまでランクトップを行くレオパード・レーシングのJ.ミルが2番手タイムをマークし,今季3度目となるフロントローを獲得しています。そのフロントローを2戦連続して獲得したのが,3番手タイムをマークしたスカイ・レーシング・チームVR46のN.ブレガでした。フル参戦日本人ライダー勢は,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が12番手,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡が20番手,SICレーシング・チームの佐々木歩夢が21番手でした。
2017/07/01(土)
☆今季初(MotoGP)
○2週連続開催となるMotoGPですが,今週はザクセンリンクで行なわれる第9戦ドイツGPとなります。そのドイツGPが開幕し,初日は2回のフリー走行が行なわれました。MotoGPクラスは,1回目がドライコンディションだったものの,2回目はウェットコンディションでの走行となったため,午前中に行なわれた1回目のフリー走行のタイムがこの日の総合ベストとなりました。そして,初日の総合ベストタイムをマークしたのは,2連勝して現段階でランクトップに立っているドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾでした。彼が初日総合トップタイムをマークしたのは今季初で,昨年の第10戦オーストリアGP以来となります。そのドビツィオーゾからわずか1000分の38秒差で総合2番手タイムだったのが,ここまでランク2位につけているモビスター・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスでした。総合3番手タイムだったのがレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサで,彼はウェットとなった2回目のフリー走行でも3番手タイムでしたから,ドライでもウェットでも速さを見せました。
この日も最後に走行が行われたMoto2クラスは,ハーフウェットからドライへと変わった2回目のフリー走行でタイムアップを果たし,カーエキスパート・インターウェッテンのT.ルティが,自身今季初となる初日総合トップタイムをマークしました。そのルティからわずか1000分の46秒差で総合2番手タイムをマークしたのは,スッターのマシンを駆るダイナボルト・インタクトGPのM.シュロッターでした。総合3番手タイムは,既に来季から最高峰クラスへステップアップすることが決まっているエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのF.モルビデリでした。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は総合6番手,テルルSAGチームの長島哲太は総合29番手タイムで初日を終えています。
2回の走行がどちらもドライコンディションでの走行となったMoto3クラスは,午後から行なわれた2回目のフリー走行のタイムがこの日の総合トップとなりました。その総合トップタイムをマークしたのは,ここまでランクトップを行くレオパード・レーシングのJ.ミルでした。そのミルからコンマ676秒とやや差をつけられて総合2番手タイムだったのが,マリネッリ・リバコールド・スニパーズのR.フェナティでした。総合3番手タイムをマークしたのは,KTMでは最速となるスードメタル・スケドルGPレーシングのP.エッテルでした。SICレーシング・チームの佐々木歩夢は総合12番手,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が総合20番手,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡が総合25番手で初日を終えています。
 

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