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最新ニュース

2017/06/30(金)
☆厳罰?(F1)
○フェラーリのS.ベッテルの勝利で終わった第8戦アゼルバイジャンGPですが,この大会では,ランクトップのベッテルとランク2位を行くメルセデスAMGのL.ハミルトンとが2回接触を起こしています。この接触はセーフティーカー先導の中で起こったことで,1回目はハミルトンにベッテルが追突するというものでした。この接触に関してベッテルの主張によれば,本来は加速する地点なのですが,ハミルトンが意図的にブレーキを踏むといういわゆる「ブレーキテスト」を行なったというのです。そして,これに怒りを覚えたベッテルが,ハミルトンに手を振り上げて抗議すると共に,わざとマシンを接触させるという行動を起こしました。この行為が危険であるということでレース中にベッテルに対してストップアンドゴーのペナルティが科されていました。しかし,レース後にテレメトリーを調べてみると,ハミルトンがブレーキテストを行なったという証拠が見つからず,これまでも危険行為や暴言があったベッテルに対して,今回のペナルティだけでは足りないのではないかという見解をFIAが持っているとの報道がなされています。その場合考えられるのは出場停止というペナルティで,もしそうなると現在14ポイント差となっている両者ですが,一挙にハミルトンがベッテルとの立場を逆転する可能性が高くなります。
2017/06/29(木)
☆契約延長(MotoGP)
○一昨日のこのページでお伝えしたように,今シーズンもMoto2クラスにF.モルビデリ&A.マルケスの体制で臨んでいるエストレラ・ガルシア0,0マークVDSですが,その中のモルビデリが来季から最高峰クラスにステップアップすることが決定しました。もう一人のマルケスについては,チームと参戦クラスのどちらも残留の方向で話し合いが行なわれていました。そして,この度チームから正式発表があり,チームに残留してMoto2クラスへの参戦を継続することが決定しました。2014年にMoto3クラスでチャンピオンを獲得したマルケスでしたが,翌年からMoto2クラスにステップアップし,彼の実兄がM.マルケスということもあって大きな期待が持たれていましたが,2年間は優勝争いに絡むほどの活躍はほとんど見られませんでした。しかし,今シーズンはスペインでのレースとなった第4戦スペインGPと第7戦カタルニアGPで勝利を収め,ここまでランク3位につける活躍を見せています。ここまでランクトップをいくチームメイトのモルビデリが抜けるだけに,来季はチャンピオン獲得が十分期待できることでしょう。今回の契約延長は来季までの1年間ですから,来季チャンピオン獲得,そして再来年から兄弟揃っての最高峰クラスということを狙っていることでしょうね。なお,一昨日もお伝えしたように,既に来季Moto3クラスにフル参戦しているJ.ミルのMoto2クラスステップアップが決定していますから,同チームのMoto2クラスの体制が決定したことになります。
2017/06/28(水)
☆撤退(MotoGP)
○Moto3クラスにフル参戦しているマヒンドラ・レーシングから発表があり,インドの自動車メーカーであるマヒンドラ・グループの決定に従って2輪の最高峰シリーズであるMotoGPから今シーズン限りで撤退することが決定しました。2011年から参戦を開始したマヒンドラは,当初はなかなかいい結果が出なかったものの,昨シーズンは2勝を挙げるところまで戦闘力を高めてきました。しかし,今シーズンは2回の5位獲得がやっとで,ここまで優勝はおろか,表彰台を獲得するまで至っていません。これは,マヒンドラの開発自体がどうかということももちろんありますが,KTMとホンダのマシン開発競争が激化し,今季はホンダ製のワークスマシンとも言えるNSF250RWでないと勝てない状況となっています。こうした中,3チーム6台にマシンを供給しているマヒンドラは完全に埋もれた状況になってしまっていて,2輪レースからの撤退に至ったようです。今回の発表によると,今後は現在フル参戦している電気自動車のフォーミュラカーシリーズであるフォーミュラE(FE)へ注力するということです。ちなみに,今シーズンのFEにおけるマヒンドラですが,元F1ドライバーであるN.ハイドフェルドをエースドライバーに,一昨年のヨーロッパF3選手権チャンピオンであるF.ローゼンクヴィストの2台体制で臨んでいます。そして,現段階では,ドライバーランキングでローゼンクヴィストがランク3位,ハイドフェルドがランク5位につけていて,チームランキングでは3位といい結果を残しています。
2017/06/27(火)
☆ステップアップ(MotoGP)
○モビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシの今季初優勝で終わった第8戦TTアッセン(オランダGP)ですが,Moto2クラスはエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのF.モルビデリが今季2勝目を挙げています。そのエストレラ・ガルシア0,0マークVDSから発表があり,モルビデリとの契約を2年延長すると共に,来季からMotoGPクラスにモルビデリがステップアップすることも決定しました。現在Moto2クラスでランクトップに立ち,チャンピオンに最も近い位置にある彼ですが,そのチャンピオンを決める前に最高峰クラス進出が決まったことになります。モルビデリが最高峰クラスに進出するということは,今季同チームから最高峰クラスにフル参戦しているJ.ミラーとT.ラバトの少なくともどちらかが,来季の同チームのシートを失うことを意味することになります。現段階ではどちらがその立場に立つのかは分かりませんが,ミラーとHRCとの関係性,そして現段階までのリザルトを考えると,ラバトが危うい位置にいることは間違いないと言えます。ただ,ミラーが他メーカーもしくは他チームからのオファーを受ける可能性もありますから,その場合ラバトの残留ということも考えられます。いずれにしても,両者のシート獲得争いが激しくなることは確かでしょう。同チームのMoto2クラスに関しては,既に今季Moto3クラスにフル参戦しているJ.ミルが契約を延長してステップアップすることが決まっていますから,後は1つのシートが未定ということになります。ただ,モルビデリのチームメイトで,今季好調な走りを見せているA.マルケスが,チームに残留してMoto2クラス参戦を継続することはほぼ間違いなく,マルケス兄弟とホンダとの関係性を考慮に入れなくても,来季はマルケス&ミルの体制でMoto2クラスに臨むことはほぼ決定といえます。
2017/06/23(金)
☆体制発表(8耐)
○およそ1ヶ月に迫ったのが,今回はEWCシリーズの最終戦として開かれる『“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第40回記念大会』です。その大会に向けて各チームから体制発表が続々と行なわれていますが,このたびホンダが主要チームの体制を発表しました。今回発表されたチームが使用するマシンは,もちろん今シーズンからホンダが投入したCBR1000RR SP2となります。そして,気になるライダーですが,今年もここ最近の流れと同じく,MotoGPライダーやSBKライダーが参戦することになっています。まず注目となるのは,ホンダ期待の若手GPライダーであるオーストラリア人ライダーのJ.ミラーの初参戦でしょう。彼が所属するのは,優勝が最も期待される「MuSASHi RT HARC-PRO. Honda」で,彼の2人のチームメイトは,以前に発表がなされています。まずその一人は,同チームに所属してJRRのJSB1000クラスで現在ランクトップをいく国内ホンダのエースライダーを務めている高橋巧です。今シーズンから投入されたCBRを,初戦でデビューウィンを達成させていて,まさに今乗れているライダーと言えます。2人目は,今日本人ライダーで最もMotoGPライダーに昇格できる位置にいるMoto2クラスにイデミツ・ホンダ・チーム・アジアからフル参戦している中上貴晶です。まさにエースチームにふさわしいラインナップとなっています。もう一つ注目となるのが,EWCシリーズにフル参戦している「F.C.C. TSR Honda」でしょう。8耐に関しては,他の大会のライダーとメンバーを変えていて,今大会には,今シーズンからSBKにフル参戦を開始し,同シリーズでホンダのワークス的立場にある「Red Bull Honda World Superbike Team」から参戦しているドイツ人ライダーのS.ブラドルが参戦します。SBKにおける彼のチームメイトであるN.ヘイデンが,自転車事故によってこの世を去るというとても悲しい,そして残念な事態が起きただけに,ブラドルにとっては弔い合戦のような感じとなるのではないかと思います。そして,そのチームメイトには,今シーズンはキーファー・レーシングに所属してMoto2クラスにフル参戦しているスイス人ライダーのD.エガーターです。彼については,これまでも8耐に参戦経験があり,表彰台に上る活躍を見せています。ただ,3人目のライダーについては,今回の発表では未定となっています。ちなみに,主要チームの中でまだ未定のライダーがあるのは,F.C.C. TSR Hondaの他に,高橋裕紀&清成龍一は決まっているMORIWAKI MOTUL RACING,過去に優勝した歴史を持つHonda DREAM RT 桜井ホンダ,まだ山口辰也しか決定していないHonda Dream Racingなどです。
2017/06/22(木)
☆契約延長(MotoGP)
○ホンダのサテライトチームの1つであるLCRホンダから発表があり,HRCとの間でテクニカルパートナーとして2年間の契約を延長することになりました。真偽の程はともかく,一時はLCRが他メーカーと契約するのではないかという噂が出たこともありましたが,最近の噂通りホンダとの関係を継続することを選択したことになります。そして,今回のHRCとの契約延長成立と共に,2015年に同チームから最高峰クラスに参戦しているC.クラッチローとの契約も延長することも発表されました。今回の契約は,クラッチローがHRCと直接契約していて,さらにHRCとLCRとの契約が成立したことによってクラッチローがチームに残留するという流れになっているようです。現在のホンダは,ワークスライダーであるM.マルケスとD.ペドロサがマシン開発をしているのはもちろんですが,別チーム所属ながらクラッチローも彼らと共に先行パーツを受け取ったりして開発作業に携わっています。こうした流れの中,昨シーズンのクラッチローは,サテライトチームのライダーながら2勝を挙げています。今シーズンは,まだ優勝はないものの,第2戦アルゼンチンGPで3位表彰台を獲得しています。
2017/06/21(水)
☆3週連続(F1)
○FIAが世界モータースポーツ評議会の会合を開催し,来シーズンの暫定カレンダーを発表しました。それによると,今シーズンは全20戦で開催していますが,来季はこれまでと最多タイとなる全21戦での開催となります。その中には,伝統のあるフランスGPとドイツGPの復活が含まれています。それに対して,既に発表されているように,19年間にわたって開催されてきたマレーシアGPがカレンダーから外れています。開催数が増えるということは,スケジュールがタイトにならざるを得ず,第8戦フランスGPから第10戦イギリスGPまでは,史上初の3週連続開催となります。開催時期が移動となった大会がいくつかありますが,鈴鹿サーキットで行われる日本GPに関しては,これまでと同時期の10月7日に決勝レースが開催されるようになっています。中国GPとシンガポールGPに関しては,この段階で開催権所有者の承認待ちとなっています。
なお,今回発表された具体的なカレンダーは,以下の表のようになっています。
2018年 F1レースカレンダー(暫定)
決勝日 大会 サーキット
第1戦 3月25日 オーストラリアGP メルボルン
第2戦 4月8日 中国GP 上海
第3戦 4月15日 バーレーンGP サヒール
第4戦 4月29日 アゼルバイジャンGP バクー
第5戦 5月13日 スペインGP バルセロナ
第6戦 5月27日 モナコGP モンテカルロ
第7戦 6月10日 カナダGP モントリオール
第8戦 6月24日 フランスGP キャストレ
第9戦 7月1日 オーストリアGP シュピールベルク
第10戦 7月8日 イギリスGP シルバーストーン
第11戦 7月22日 ドイツGP ホッケンハイム
第12戦 7月29日 ハンガリーGP ブダペスト
第13戦 8月26日 ベルギーGP スパ・フランコルシャン
第14戦 9月2日 イタリアGP モンツァ
第15戦 9月16日 シンガポールGP マリーナ・ベイ
第16戦 9月30日 ロシアGP ソチ
第17戦 10月7日 日本GP 鈴鹿
第18戦 10月21日 アメリカGP オースティン
第19戦 10月28日 メキシコGP メキシコシティ
第20戦 11月11日 ブラジルGP サンパウロ
第21戦 11月25日 アラブ首長国連邦GP アブダビ
2017/06/20(火)
☆復帰?(MotoGP)
○今シーズンから最高峰クラスにもフル参戦を開始したKTMですが,そのワークスライダーの一人であるB.スミスは,第7戦カタルニアGPのフリー走行4で転倒を喫してしまいました。その際,左手小指をKTM RC16のハンドルバーに挟んでしまって酷い負傷を負ったため,以後の走行や,レース翌日に行なわれたシーズン中のオフィシャルテストを欠場しました。その時に負ったケガは,一時皮膚移植が必要なのではないかと言われるほどでした。しかし,幸いなことに手術する必要があるところまでは至っておらず,感染症の発症を予防する目的で傷口を洗浄したり,傷口にクリームを塗って清潔を保ったりしてケガの回復を図っているとのことです。このままでいけば,まだ完治とまでは至っていませんが,今週末から始まる第8戦ダッチTT(オランダGP)には復帰できる見込みのようです。もしスミスが復帰できない場合,スミスに代わってテストに参加したKTMの開発ライダーを務めるM.カリオが代役参戦するものと思われます。
2017/06/19(月)
☆逆転&惨敗(WEC)
○世界3大レースの1つであるWECシリーズ第3戦『第85回ル・マン24時間耐久レース』の決勝レースが,好天がずっと続いてきたフランスのル・マンにあるサルト・サーキットで行われました。レース序盤は,ポールからスタートしたM.コンウェイ&小林可夢偉&S.サラザン組のトヨタTS050ハイブリッド7号車を,S.ブエミ&A.デビッドソン&中嶋一貴組の8号車が追うというトヨタのワンツーで進んでいきました。ところが,スタートから8時間ほど経ったところで8号車にフロントモーターのトラブルが発生して緊急ピットインし,修理に時間がかかって優勝争いから脱落しました。さらに,深夜に入ってトップを行く7号車にクラッチトラブルが発生して走行不能となり,ピットに戻ることなくリタイアに終わりました。必勝体制を組むため,今大会を3台体制で臨んでいたトヨタですが,残りの9号車にはタイヤバーストが発生した事が原因で車体にも損傷が及び,こちらもリタイアに終わってしまいました。昨シーズンは勝利目前,残り3分となったところでマシントラブルからストップして優勝を逃すという悲哀を味わいました。去年の忘れ物を手に入れるため,今シーズン開幕から2連勝し,ル・マンに来ても速さを見せるマシンを開発し,3台体制まで敷いてきたトヨタでしたが,夜が明けるまでに優勝は絶望的な状況になってしまいました。ライバルであるポルシェ勢は,スタートから3時間半ほど経ったところでT.ベルンハルト&E.バンバー&B.ハートレー組のポルシェ919ハイブリッド7号車にフロントアクスルのトラブルが発生してしまって順位を下げてしまい,後ろから強烈に追い上げていくという走りを展開していきました。ポルシェ919ハイブリッド1号車は,ライバルの脱落を尻目にトップに立つと順調に走行を続けていき,完全な独走態勢に持ち込みました。誰にも追われる状態にない1号車は,ピット作業も時間をかけて確実に行なうという方法を採りながら走行を続けていきましたが,残り4時間ほどとなったところで何とその1号車に油圧系のトラブルが発生してリタイアとなって,LMP1クラスのマシン全てがトラブルに見舞われる事態となりました。それを受けてトップに立ったのが,香港の人気俳優であるJ.チェンがオーナーを務めるH-P.タン&O.ジャービス&T.ローラン組のオレカ07・ギブソン38号車でした。LMP2クラスのマシンがル・マンを制するかと思われましたが,残り1時間ほどになったところで,レース序盤にトラブルが発生し,その後猛烈な追い上げを見せてきたポルシェ919ハイブリッド2号車がジャッキー・チェン・DCレーシングの13号車を交わしてトップに立ち,そのまま逃げ切ってポルシェが3年連続ル・マンを制しました。3位には,ヴァイヨン・レベリオンから.LMP2クラスに参戦しているM.ベッシェ&D.ハイネマイヤー-ハンソン&N.ピケJr組のオレカ07・ギブソン13号車が入っています。マシン修復のため遙か後方まで順位を下げたトヨタTS050ハイブリッド8号車は,最終的に総合9位,クラス2位でチェッカーを受けています。今回のトヨタの惨敗とも言える結果を受けて,いまだに日本メーカーでル・マンを制したのは,1991年のマツダのみという記録が続いています。
2017/06/18(日)
☆ワンツー発進(SGT)
○およそ2ヶ月にわたるインターバルの真っ最中であるSGTですが,およそ1ヶ月後にスポーツランドSUGOで行われる予定の第4戦に向け,2日間にわたる公式テストが,会場であるスポーツランドSUGOで行われています。今回のテストでは,ちょうどル・マン24時間耐久レースと重なっているため,GT500クラスでは,au TOM’S LC500の中嶋一貴,WedsSport ADVAN LC500の国本雄資,KeePer TOM’S LC500の平川亮が不参加となっています。午前と午後に1回ずつ行なわれた初日の走行でしたが,午前の走行はトラブルやアクシデントが多発し,最後は赤旗で終了するという流れになってしまいました。その中でトップタイムだったのは,野尻智紀&小林崇志組のARTA NSX-GTでした。それに対して,午後からの走行は順調に進み,どのチームもタイムアップしていきました。その中で初日の総合トップタイムをマークしたのは,第6戦『鈴鹿1000q』ではJ.バトンが搭乗することになっている武藤英紀&中嶋大祐組のMOTUL MUGEN NSX-GTでした。総合2番手タイムを塚越広大&小暮卓史組のKEIHIN NSX-GTがマークし,ホンダ勢のワンツーとなりました。しかも,2台の差はわずか1000分の8秒差しかなく,高低差と中高速コーナーが連続し,最高速不足の影響がそれほどないという特性があるSUGOだけに,NSX-GTの特性にマッチしているサーキットであることをあらためて証明しました。総合3番手タイムは,チームメイトの国本雄資がル・マンのために参加しておらず,関口雄飛一人での走行となったWedsSport ADVAN LC500でした。上位をホンダとトヨタが占める中,ニッサン勢では,佐々木大樹&J-P.デ.オリベイラ組のフォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rの9番手が最高位でした。
2017/06/17(土)
○環境技術を(WEC)
○2回目の予選で見せた小林可夢偉の驚異的なタイムにより,トヨタTS050ハイブリッド7号車がポールの位置からスタートすることが決まった今日スタートとなる決勝レースですが,それを前にしてレースを運営するACOフランス西部自動車クラブがプレスカンファレンスを開き,2020年から導入される新しいレギュレーションについて発表がありました。それによると,現在最高峰クラスであるLMP1クラスではフル参戦しているトヨタにしてもポルシェにしても,どちらもハイブリッド車が導入されています。今回発表された新しいレギュレーションでは,両メーカー共に市販車(トヨタがプリウスPHV,ポルシェがカイエン)では導入されているプラグインハイブリッドが用いられることになります。つまり,これまではガソリン(一時期はディーゼルエンジンが流行って軽油が用いられましたね。)を給油するというピットインでしたが,20年以降はそれにプラスして急速充電が行なわれることとなり,少なくともピットアウト後1qは電気だけで走行しなければならなくなります。さらに,将来的には水素エネルギーなども視野に入れて環境技術をさらに高め,「ゼロエミッション」を目指すことになるようです。その他の改良点としては,ドライバーの安全性を高めるため,ヘルメットや足元周辺等の拡大や,モノコック等のクラッシュテストなどが義務づけられるようです。また,コスト削減のため空力やボディワーク,テスト,風洞実験等に制限が加えられると共に,シャーシやエンジン等の主要部分は,2シーズン持たせるようにしなければならないとのことです。アウディが撤退したことにより,実質的にトヨタとポルシェの2メーカーだけの争いとなってしまっている現在のLMP1クラスですが,今後必要な技術が導入されるわけですから,他メーカーが開発の機会としてル・マンに返ってくることになるかもしれませんね。
2017/06/16(金)
☆コースレコード(WEC)
○シリーズ第3戦ル・マン24時間耐久レースの予選は,全部で3回にわたって行なわれますが,これを入力している段階で予選2回目までが完了しています。1回目の予選はトヨタのワンツーで終了していますが,その1回目でトップタイムだったM.コンウェイ&小林可夢偉&S.サラザン組のトヨタTS050ハイブリッド7号車が,2回目の予選でもトップタイムを記録し,2回連続で暫定ポールを獲得しています。圧巻の走りを披露したのは小林可夢偉で,彼が記録したのは,これまでのコースレコードを更新するもので,3回目の予選が22時から24時までに行なわれるナイトセッションということを考えると,このままポール獲得となることが確実視されています。2番手タイムをマークしたのはN.ジャニ&A.ロッテラー&N.タンディ組のポルシェ919ハイブリッド1号車ですが,トップからおよそ2秒半も遅れています。かれからも,以下に可夢偉の走りが圧倒的だったのかが分かります。3番手タイムは,T.ベルンハルト&E.バンバー&B.ハートレー組のポルシェ919ハイブリッド2号車でした。中嶋一貴のいるトヨタTS050ハイブリッド8号車が4番手,国本雄資のいるトヨタTS050ハイブリッド9号車が5番手タイムとなっています。
2017/06/15(木)
☆巻き返し(WEC)
○世界3大レースといわれる中で佐藤琢磨が優勝した『インディ500』とフェラーリのS.ベッテルが優勝したF1の『モナコGP』は同じ日に開催されて既に終了し,後はWECシリーズの中で第3戦に組まれている『第85回ル・マン24時間耐久レース』が残されているだけとなっています。そのル・マンもいよいよ本格的な走行が始まり,昨日は4時間にわたる公式練習の走行が行なわれました。先週行なわれたテストデーでは,今年は3台体制で臨んでいるトヨタが速さを見せてトップ3を独占していました。しかし,昨日の走行でポルシェが巻き返しを図り,N.ジャニ&A.ロッテラー&N.タンディ組が駆るポルシェ919ハイブリッドの1号車がトップタイムをマークしました。さらに,T.ベルンハルト&E.バンバー&B.ハートレー組が駆るポルシェ919ハイブリッドの2号車が3番手タイムをマークしています。ただ,タイムを見ると2番手タイムだったM.コンウェイ&小林可夢偉&S.サラザン組のトヨタTS050ハイブリッド7号車はトップからわずかコンマ6秒しか差がなく,ポルシェとしてはそれほど安心して臨める状況にないことは確かなようです。
2017/06/14(水)
☆テストでは(MotoGP)
○ドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾが勝利を収めた第7戦カタルニアGPですが,そのドゥカティ・チームをはじめ,アビンティア,アスパルといったドゥカティ系のチームは参加しなかったものの,他のチームはそのまま同地に滞在し,一昨日の6月12日(月)にシーズン中2度目となるオフィシャルテストに参加しました。そのテストで最速タイムを刻んだのは,カタルニアGPで2位表彰台を獲得したレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスでした。レースウィークでは通算5回も転倒を喫したマルケスでしたが,走行時間や路面コンディションなどが同じ条件の走行で一度も転倒することなくタイヤテストや電子制御等のテスト項目をこなしてのトップタイムでした。レースで思うようにペースアップすることができず,苦労しながら何とか10位でフィニッシュしたランクトップを行くモビスター・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスでしたが,テストでは新しいタイプのシャーシを評価しながら2番手タイムをマークしています。レースウィーク中に契約延長の発表があったモンスター・ヤマハ・テック3のJ.フォルガーは,サスペンションのテスト等に取り組みながら,サテライトとしては最高位となる総合3番手タイムマークしています。チームメイトであるマルケスとダブル表彰台に立ったD.ペドロサは,トップから1秒弱遅れながら4番手タイムでテストを終えています。予選で5番グリッドを獲得したものの,レースではエンジントラブルによりリタイアに終わってしまったアプリリア・レーシング・チーム・グレシーニのA.エスパルガロでしたが,テストでは予選の速さを取り戻したかのように,新たなエキゾースト等のテスト項目をこなしながら5番手タイムをマークしています。
2017/06/13(火)
☆見直し?(MotoGP)
○ドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾの連勝で終わったカタルニアGPですが,決勝ではリタイアに終わったものの,アプリリアのA.エスパルガロは予選でQ2にまで進出し,5番グリッドを獲得するという活躍を見せました。彼の駆るマシンは,さすがにフル参戦を開始して2年目ですから,十分な戦闘力があるところまではいっておらず,それだけに今回の予選はチームのモチベーションを高まるものになったことでしょう。そのエスパルガロの活躍に対して,今シーズンから最高峰クラスにフル参戦を開始したチームメイトのS.ロースは,21番グリッドからスタートし,完走はしたものの,その中では最下位に終わっています。ランキングを見ると,エスパルガロが17ポイントを獲得してランク18位につけているのに対して,ロースはわずか2ポイントにとどまっていて,ランキングではフル参戦ライダーとしては最下位の24位です。マシンのポテンシャルやルーキーライダーという点を考慮するとある程度はしたしかたないものの,チームとしては物足りなさを感じているようです。チームとロースとの契約は,来シーズンまでの2年間となっていますが,チーム代表であるR.アルベジャーノによるとその見直しを視野に入れているということです。その点に関しては何人かのライダーを考えているようですが,その中では,イタリアンメーカーだけにイタリア人ライダーが最も可能性が高く,具体的には今シーズンからスズキのワークスライダーとなったA.イアンノーネの名前が挙がっています。同じイタリアンメーカーであるドゥカティで勝利を収めた経歴のある彼ですが,スズキに移籍してからはここまでランク15位とやや苦戦している感があります。今回のアルベジャーノのコメントは,ロースに対して鞭を入れたものなのかもしれませんが,何が起こるか分からないのが契約ですので,今後の動向が気になるところです。
2017/06/12(月)
☆連勝(MotoGP)
○第7戦カタルニアGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったスペインのバルセロナにあるカタルニア・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,前戦の勝者であるドゥカティ・チームA.ドビツィオーゾと,レプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサ&M.マルケスの3人によるトップ争いが中盤を過ぎて繰り広げられるようになりました。ポールスタートのペドロサの様子を後ろでうかがっていたドビツィオーゾが,17周目の1コーナーでパスをしてトップに浮上。さらに,次の周の4コーナーでマルケスがペドロサを交わして行きました。マルケスが必死にドビツィオーゾを追いますが,逆にトップのドビツィオーゾのペースが速く,そのまま逃げ切って自身初となる連勝を飾りました。ドゥカティが連勝するのは,2010年のC.ストーナー以来となります。ドビツィオーゾに離されてしまいましたが,前戦で不振だったレプソル・ホンダ・チームのマルケスとペドロサが2,3フィニッシュを飾っています。
Moto2クラスは,ポールからスタートしたエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのA.マルケスが,オープニングラップを制すると,後は後続との差を徐々に広げて独走態勢に持ち込み,最終的に2位に入ったイタルトランス・レーシング・チームのM.パッシーニに3秒以上の大差をつけてスペインGP以来となるポールトゥーフィニッシュを母国GPで達成しました。3位には,カーエキスパート・インターウェッテンのT.ルティが入っています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,トップ争いに食い込むことができず,トップから19秒以上離されて11位でチェッカーとなりました。予選で転倒したものの,ポイント圏内に近いところで終えただけに期待されたテルルSAGチームの長島哲太でしたが,完走者の中ではブービーとなる27位でのチェッカーでした。
Moto3クラスは,5台によるトップ争いがファイナルラップの最終コーナーまで続きました。この大混戦を制したのは,ここまでランクトップをいくレオパード・レーシングのJ.ミルでした。この大会中に来シーズンはチームに留まってMoto2クラスにステップアップすることが発表されたばかりのミルだけに,この発表に自ら華を添える勝利となりました。最後のバトルで2位に入ったのは,マリネッリ・リバコールド・スニパーズのR.フェナティでした。惜しくもトップに立てなかったものの,3位表彰台を獲得したのは,ポールからスタートしたデル・コンカ・グレシーニMoto3のJ.マルティンでした。フル参戦日本人ライダー勢ですが,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生は,トップ争いが見える位置でのレースを展開していき,最終的に10位に入って見事ポイントを獲得しています。SICレーシング・チームの佐々木歩夢は,ポイント獲得まであとわずかコンマ04秒差という惜しいレースで16位となっています。ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は,23位でレースを終えています。

☆明暗(JRR)
○第4戦の決勝レースが,ドライコンディションのツインリンクもてぎで行なわれました。JSB1000クラスは,ポールからスタートしたYAMAHA FACTORY RACING TEAM の中須賀克行を,チームメイトの野左根航汰と,ここまで連勝してランクトップを行くMuSASHi RT HARC-PRO. Honda の高橋巧が追うという展開となっていきました。一時は中須賀と野左根との差が1秒を切る状況となりましたが,中須賀が再びペースアップを果たして差が開き,ファイナルラップを迎えました。今シーズンここまでの不運を吹き飛ばしてしまう勝利を収めると誰もが思いましたが,何とV字コーナーの立ち上がりで周回遅れと接触して転倒してしまいました。何とか再スタートを切ることはできましたが,その間に後続のマシンに次々にパスされていき,9位でのチェッカーとなりました。中須賀の不運を横目に,チームメイトの野左根航汰がトップで駆け抜け,最高峰クラスで自身初となる勝利を収めました。まさに,チームメイト同士で明暗がくっきりと分かれるレースとなりました。野左根に続いて高橋巧が2位でチェッカーを受け,3位には,ヨシムラスズキMOTUL の津田拓也が入っています。
J-GP2クラスは,ポールからスタートしたMOTO BUM HONDAの榎戸育寛が好スタートを切ってトップの座を守り,それを3台のマシンが追う展開になっていきました。ところが,その榎戸が5周目のヘアピンで転倒を喫し,再スタートはきれたものの,大きくポジションダウンとなってしまいました。榎戸の脱落により,2位を走行していたエスパルスドリームレーシングの生形秀之がトップに浮上し,後続との差を広げて独走態勢に持ち込みました。その後ろでは,元GPライダーであるSOX Team TARO PLUSONEの関口太郎が2位に浮上しました。さらにその後ろでMuSASHi RT HARC-PRO.の水野涼が3位に浮上しました。結局生形が2位に3秒以上の大差をつける独走で,昨年の8月にもてぎで行なわれた2&4以来の勝利を収めています。
ST600クラスは,ポールからスタートした伊藤レーシングGMDスズカの前田恵助が,スタートでやや出遅れて順位を下げたものの,すぐにポジションを回復してトップの座をひた走りました。予選タイムを上回る速さで後続との差を広げていきましたが,2位を行く51ガレージ チームイワキの岡本裕生もペースアップして差を縮めていき,1秒を切ってファイナルラップを迎えました。ここでトップの前田が再び自身に鞭を入れてペーをアップし,見事今シーズンの初勝利をポールトゥーフィニッシュで飾りました。3位には,我が大分県の高校生ライダーであるRS-ITOHの清末尚樹が,18番グリッドからのスタートという苦難を乗り越えて3位表彰台を獲得しています。また,もう一人の大分県の高校生ライダーであるRS-ITOH&サンタバイクの和田留佳は,開幕戦と同じく5位でチェッカーを受けています。
J-GP3クラスは,このクラスらしく序盤から10台によるトップ争いとなりました。そして,レースが進むにつれて少しずつ絞られていき,中盤からは5台によるバトルとなりました。ポールからスタートしたKTM RACINGの古市右京は,トップの座を守ってファイナルラップでペースを上げ,そのまま逃げ切って自身初となる勝利を収めました。2台による2位争いとなりましたが,Team P.MU 7Cの小室旭が2位,BATTLE FACTORYの伊達悠太が3位でチェッカーを受けています。

☆初ワンツー(F1)
○第7戦カナダGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったジル・ビルヌーブ・サーキットで行われました。ポールからスタートしたメルセデスAMGのL.ハミルトンは,このサーキットを得意としているだけに,ホールショットを奪うと佳いペースを刻んで後続との差を広げていきました。それに対して,ここまでランクトップを行くフェラーリのS.ベッテルは,5番グリッドからスタートしたレッドブルのM.フェルスタッペンと接触してフロントウィングを損傷してしまいました。手負いとなったベッテルは,順調にペースを刻むハミルトンと勝負できる状況になく,勝利は諦めざるを得ませんでした。ハミルトンを追うフェルスタッペンでしたが,11周目にエンジントラブルが発生してしまってリタイアに終わり,3位を走行していたメルセデスAMGのV.ボッタスが2位に浮上しました。ワンツー体勢となったメルセデスの2台は,その後も順調に走行を続け,今シーズン初となるワンツーフィニッシュを達成しました。3位には,レッドブルのD.リカルドが入っています。ここまでノーポイントレースが続いているマクラーレン・ホンダ勢ですが,F.アロンソがポイント獲得圏内である10位走行して残り2周までたどり着きました。ようやくポイント獲得かと期待されましたが,ここでマシントラブルが発生してしまってコース脇にマシンを止めざるを得ず,あと一歩のところでリタイアに終わりました。レース後,怒り心頭に発したアロンソは,ミーティングに顔を出すことなくサーキットを後にしたようです。S.バンドーンは,マシンの戦闘力不足はいかんともしがたく,完走果たしたものの,最終的に14位でレースを終えています。今回のトラブルにより,アロンソは次戦で新たなパワーユニットを投入することになりそうで,もしそうなると,年間に許されている基数の最後となりますので,次戦ではペナルティはないものと思われますが,まだ残りが半分以上残っている中での残り0基ですから,それ以後はペナルティを受けざるを得ず,このペースで行くと何度ペナルティを受けることになるのか分からない状況となりました。
2017/06/11(日)
☆スペイン(MotoGP)
○今シーズン2回目となるスペインでのレースである第7戦カタルニアGPの予選が,路面温度が50℃を超えるという厳しい暑さとなったカタルニア・サーキットで行なわれました。MotoGPクラスは,今季最初のスペインでのレースとなった第4戦スペインGPでポールトゥーフィニッシュを飾ったレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサが,その時以来となる自身通算48回目のポールを母国GPで獲得しました。そのスペインGPでドゥカティに移籍後初となる表彰台を獲得したJ.ロレンソが,トップからおよそコンマ3秒遅れで2番手タイムをマークし,今季初のフロントローを獲得しています。前戦イタリアGPで初表彰台を獲得したオクト・プラマック・レーシングのD.ペトルッチが,その時の勢いを維持するかのように3番手タイムをマークし,最高峰クラスで自身初となるフロントローからのスタートを決めています。4番グリッドを獲得したのがペドロサのチームメイトであるM.マルケスですが,この日は路面温度が上がった影響からどのクラスでも転倒するライダーが目についたのですが,マルケスに至ってはこの日行われたフリー走行を含め,このひだけで4回も転倒を喫しています。
Moto2クラスは,ペドロサと同じく母国GPとなる第4戦スペインGPでポールトゥーフィニッシュを達成したエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのA.マルケスが,これまたペドロサと同じくその時以来となるポールを獲得しました。前戦の勝者であるイタルトランス・レーシング・チームのM.パッシーニが,トップからおよそコンマ1秒遅れで2番手タイムをマークし,2戦連続フロントローを獲得しています。フォワード・レーシング・チームのL.バルダッサーリが3番手タイムをマークし,今季初となるフロントローを獲得しました。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,なかなかタイミングモニター上で上位に名前がありませんでしたが,セッション終盤に入ってアタックを敢行し,最終的に4番手タイムで予選を終えています。テルルSAGチームの長島哲太は,セッション途中で転倒を喫してタイムアップがならず,17番手で予選終了となりましたが,走り自体はそれほど悪くなく,今日行なわれる決勝ではポイント獲得が期待できます。
Moto3クラスは,ここまで3戦連続してポールを獲得しているデル・コンカ・グレシーニMoto3のJ.マルティンが,4戦連続となるトップタイムをマークして,ポールから母国GPをスタートすることとなりました。2,3番グリッドを,それぞれエストレラ・ガルシア0,0のA.カネトとRBAボア・レーシング・チームのJ.ゲバラが獲得し,フロントローをスペイン人ライダーが独占しています。今大会は全てのクラスでスペイン人ライダーがポールを獲得していて,やはりイタリアと並んでスペインがMotoGPを支えている実態に変わりはないと言えます。

☆復調?(JRR)
○第4戦の予選が,途中から突然の雨に見舞われたツインリンクもてぎで行われました。ドライコンディションでの走行となったJSB1000クラスの予選は,Q1〜Q3までのノックアウト方式で行なわれ,さらに1周ずつのタイムでノックアウトしていくというサバイバル方式も導入されている予選でした。このサバイバル競争を生き抜いてポールを獲得したのは,ここまでノーポイントレースが続いているYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行でした。ここまでの悪い流れから立ち直って復調していくのにいい傾向と言えますが,Q1で転倒を喫していますから,昨シーズンまでの中須賀を考えると,やはりどこか不安な要素がないとは言えない状況といえるのかもしれません。2番グリッドを獲得したのは,中須賀のチームメイトである野左根航汰でした。ここまで2連勝を飾って今シーズから投入されているホンダの新型マシンであるCBR1000RRのポテンシャルの高さを見せているMuSASHi RT HARC-PRO. Hondaの高橋巧が,3番手タイムをマークして3連勝に向けて虎視眈々と言える状況です。
J-GP2クラスは,MOTO BUM HONDAの榎戸育寛が,唯一1分52秒台に入る速さを見せてポールポジションを獲得しました。その榎戸が最速タイムを刻むまでタイミングモニターでトップに立っていたエスパルスドリームレーシングの生形秀之が2番手につkて,最後のアタックでタイムアップを果たしたWILL-RAISEracingRS-ITOHの石塚健が3番手タイムをマークしています。
ST600クラスは,セッション開始早々に突然雨が降り始めるという事態となり,すぐさま赤旗中断となりました。セッションの時間が半分になって再開となり,再び雨が降り始めることを念頭に置いてどのライダーも早い段階でタイムアタックを開始しました。そして,伊藤レーシングGMDスズカの前田恵助が最速タイムを刻み,セッション開始して10分後に再び雨が降ってきたため予選終了となり,そのまま前田がポールを決めました。2,3番手タイムは,それぞれTEAM けんけん with BEEの長尾健吾,Team MF & KAWASAKIの奥田教介がマークしています。
J-GP3クラスは,セッション序盤でKTM RACINGの古市右京が唯一2分1秒台のタイムをマークしました。終盤に入って各ライダーがタイムアタックを敢行していきましたが,結局古い地のタイムを更新するライダーが現われず,KTMにポールポジションをもたらしています。2,3番グリッドは,それぞれ犬の乳酸菌.jp/プリミティブR.Tの安村武志,Team P.MU 7Cの小室旭が獲得しています。

☆A.セナ(F1)
○第7戦カナダGPの予選が,ドライコンディションとなったジル・ビルヌーブ・サーキットで行われました。ここを得意とするメルセデスAMGのL.ハミルトンは,順調にタイムアップを果たしていき,ファイナルアタックで昨年のポールタイムを1秒以上縮める速さを見せて通算65回目となるポールを獲得しました。この65回というのは,『音速の貴公子』故A.セナが獲得したポール回数と同じ記録となります。予選終了後には,そのセナの遺族から,実際に彼がレース中に使ったヘルメットをプレゼントされていました。トップからおよそコンマ3秒遅れで,ここまでランクトップを行くフェラーリのS.ベッテルが2番グリッドを獲得しています。ハミルトンのチームメイトであるV.ボッタスが3番グリッドを獲得すると共に,4番グリッドをフェラーリのK.ライコネンが獲得していて,メルセデスAMGとフェラーリが1〜4位を分け合った形となりました。さらに,5,6番グリッドをそれぞれM.フェルスタッペン,D.リカルドが獲得し,レッドブル勢が3列目を独占していて,3強が速さを見せた予選となっています。予定されていたアップデートが見送られたマクラーレン・ホンダは,F.アロンソがQ2で敗退して12番グリッドを,S.バンドーンがQ1での敗退で16番グリッドを獲得しています。相変わらず速さを見せられない同チームですが,救いはトラブル無しで走行できたことでしょう。
2017/06/10(土)
☆母国GP(MotoGP)
○今シーズン2回目となるスペイン国内でのレースである第7戦カタルニアGPが開幕し,初日は2回のフリー走行が行なわれました。MotoGPクラスは,ここまでなかなか波に乗れないレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが,2度のフリー走行のどちらでもトップタイムをマークし,優勝した第2戦アメリカズGP以来今季2回目となる初日総合トップタイムをマークしました。今季最初にスペイン国内で行なわれた第4戦スペインGPにおいて,マルケスと同じく母国GPで表彰台に上ったドゥカティ・チームのJ.ロレンソが,トップからコンマ2秒遅れで総合2番手タイムをマークしています。総合3番手タイムは,サテライトチームとして,そしてルーキーライダーとしては最速となるモンスター・ヤマハ・テック3のJ.フォルガーがマークしています。
Moto2クラスは,ここまでランクトップを行くエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのF.モルビデリが,転倒を喫するアクシデントを経験しながらも第2戦アルゼンチンGP以来今季2回目となる初日総合トップタイムをマークしました。今シーズンようやく良い走りを展開するようになったA.マルケスが総合2番手タイムをマークし,エストレラ・ガルシア0,0マークVDS勢が初日のワンツーとなっています。数少ないスピードアップ製のマシンを駆っているスピード・アップ・レーシングのS.コルシが,総合3番手タイムをマークして初日を終えています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は総合8番手,テルルSAGチームの長島哲太は17番手タイムでした。
Moto3クラスは,エストレラ・ガルシア0,0のA.カネトが,第3戦アメリカズGP以来今季2度目となる初日総合トップタイムをマークしました。マリネッリ・リバコールド・スニパーズのR.フェナティが総合2番手タイムを,レオパード・レーシングのJ.ミルが総合3番手タイムをマークして初日を終えています。日本人ライダー勢ですが,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が総合8番手,SICレーシング・チームの佐々木歩夢が総合16番手,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡が総合27番手タイムでした。

☆2チームで(F1)
○第7戦カナダGPが,曇り空ながらドライコンディションとなったジル・ビルヌーブ・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行なわれました。マシントラブルやアクシデントが多発した中での走行となった初日でしたが,フェラーリのK.ライコネンが唯一1分12秒台となるタイムをマークして初日総合トップに立ちました。午前中に行なわれた1回目のフリー走行でトップタイムだったメルセデスAMGのL.ハミルトンが,午後の走行でライコネンにおよそコンマ2秒遅れをとって総合2番手タイムとなりました。ここまでランクトップを行くフェラーリのS.ベッテルが,ハミルトンからわずか100分の5秒差で総合3番手タイムでした。総合4番手タイムをメルセデスAMGのV.ボッタスがマークし,トップ4はフェラーリとメルセデスAMGの2チームが占めています。マクラーレンから最後通告とも言えるプレッシャーを受けているホンダですが,F.アロンソが1回目のフリー走行でパワーユニットのハイドロ系統からリークが発生し油圧が低下するというトラブルに見舞われてしまいました。マシン修復に時間がかかって2回目のフリー走行を十分には走れませんでしたが,7番手タイムをマークしてまずまずの走りで初日を終えています。チームメイトであるS.バンドーンは,こちらもマシンの調整に時間がかかって十分な走行はできず,ブービーとなる19番手で初日を終えています。
2017/06/09(金)
☆分岐点(F1)
○2015年に『マクラーレン・ホンダ』が復活し,A.セナやA.プロストなどによって数々の栄冠を手に入れた頃に戻れるのではないかと期待されましたが,実際はパワー不足と信頼性不足に悩まされ,完走さえままならない状況が続いています。3年目となった今シーズンも,プレシーズンテストの段階から不安視される状況となり,実際にシーズンが始まっても,たまにいい傾向が見られることはありますが,相変わらずの状況が続いていて,ここまで獲得ポイントは0です。次戦カナダGPから改良版のパワーユニットが供給される予定でしたが,モナコGPでのトラブルを受けてその解消に至らず,カナダでの投入は見合わせることが決まっています。こうした状況にマクラーレンはさすがに業を煮やしてきたようで,同チームでエグゼクティブディレクターを務めているZ.ブラウンが,我慢の限界に来ているという趣旨のコメントを発し,今シーズン限りでホンダとの提携解消を臭わせたようです。これまでもホンダに対してプレッシャーをかけるために不満を漏らしてきたマクラーレンでしたが,ブラウンはそこまで提携に否定的なことはさほど言っていませんでしたから,今回の発言は,新たな展開となる分岐点にさしかかっているという報道が多く見られる状況となっています。
2017/06/08(木)
☆3人目(8耐)
○発表から既に1週間経ちますが,6月1日(木)にカワサキから発表があり,7月30日(日)に決勝レースが行なわれる予定の「“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第40回記念大会」への3人目のライダー決定しました。8耐におけるカワサキのワークスチームであるチーム・グリーンの参戦体制については,今シーズンJRRのJSB1000クラスでエースライダーを務める渡辺一馬と,8耐優勝経験者で,今シーズンはJGスピードフィット・カワサキに所属してBSBにフル参戦しているL.ハスラムの2人の名前は発表されていました。そして,3人目のライダーが未定となっていたため,何人かの名前が噂に上っていました。その中には,もちろん現在SBKでランクトップを行くJ.レイの名前も出ていました。そして,最終的にカワサキが選んだのが,MotoGPのMoto2クラスに中上貴晶のチームメイトとしてフル参戦し,昨シーズンからAPRCに復帰してマニュアル・テックKYTカワサキからフル参戦しているA.シャー.カマルザマンでした。マレーシア人ライダーである彼は,2011年に外国人ライダーとして初めて鈴鹿4耐を制した経歴を持っています。バイクの需要がさらに高まっているアジア圏のライダーですから,そうした地域にアピールする意味でも彼の起用は重要な意味があります。昨シーズンのカワサキは,柳川明&渡辺一樹&ハスラムというラインナップで8耐に参戦し,優勝したヤマハと同一周回で2位表彰台を獲得しました。これは,2000年以来16年ぶりというものでした。今シーズンの柳川は,後進に道を譲る形で第一線から身を引き,渡辺はSBKと併催で行われているWSSにフル参戦していて,これに専念することになりました。そこで今年は,ハスラムは昨年からの継続となりますが,新たに2人のライダーが参戦することになりました。
2017/06/07(水)
☆両セッション共に(SGT)
○5月21日(日)に我が大分県にあるオートポリスで第3戦の決勝レースが行なわれたSGTですが,スポーツランドSUGOで行なわれる予定の次戦第4戦まで2ヶ月に及ぶインターバルがあります。その間には当然マシン開発が進められるわけですが,その一環として昨日から2日間にわたってタイヤメーカー合同テストが鈴鹿サーキットで行われています。その初日となる昨日は,予定に組まれていた午前と午後の走行を行ないましたが,2日目となる今日の天候が雨になる可能性が高かったため,午後が2時間延長されての走行になりました。今回のテストで注目を浴びたのは,何と言っても元F1チャンピオンであるマクラーレン・ホンダのJ.バトンです。その注目の高さから,通常のテストとは違うほどの報道陣が詰めかけたようです。そのような中で速さを見せたのは,ニッサンのエースマシンであるゼッケン23番をつけているMOTUL AUTECH GT-Rです。同マシンは,午前の走行でトップタイムをマークすると,その速さに変化はなく,午後の走行でもトップタイムをマークし,両セッション共に制しています。今回はテストですから,通常のドライバーとは違う形での走行を行なったところもあり,MOTUL AUTECH GT-Rも同様で,通常の松田次生&L.クインタレッリに加え,通常はS Road CRAFTSPORTS GT-Rを駆っている本山哲&千代勝正もニッサンの23号車を駆っています。2番手タイムは,午前中がオートポリスのレースで接触により破損したことからフロントカウルがカラーリングがされていない黒いままのカーボン地での走行となっているZENT CERUMO LC500でした。午後は,そのオートポリスで2位表彰台を獲得したKEIHIN NSX-GTでした。
2017/06/06(火)
☆初参戦(SGT)
○既に日が経っていますが,6月1日(木)にホンダから発表があり,8月27日(日)に決勝レースが予定されているSGTの第6戦『インターナショナル鈴鹿1000km “SUZUKA 1000km THE FINAL”』に,先日行なわれたモナコGPにマクラーレン・ホンダからF.アロンソの代役として参戦した2009年のワールドチャンピオンであるJ.バトンが参戦することになりました。バトンがSGTに参戦するのではないかという噂は今年に入って出ていましたが,それが現実のものとなりました。SGTで最も長い距離となるこの大会ですが,以前は1966年から単独のレースとして開催されていました。そして,2006年からSGTの中の1戦に組み込まれて現在に至っています。しかし,来年からGT3カーの世界一決定戦『鈴鹿10時間』として開催されることになり,伝統の1000qのレースとして,そしてSGTのレースとしては今年が最後の大会となります。今回の発表によると,バトンがステアリングを握るのはGT500クラスの「MOTUL MUGEN NSX-GT」で,チームメイトは武藤英紀&中嶋大祐となります。中嶋は日本人初のF1ドライバーである中嶋悟の次男ですから,奇しくも新旧ホンダ系F1ドライバーが関係することになります。もっとも,中嶋悟自身は当然自らのチームでオーナー兼監督として参戦していますが。使用するタイヤはヨコハマで,今日からタイヤメーカーテストが2日間にわたって鈴鹿サーキットで行なわれる予定になっていますが,バトンのSGT登場はこれが最初の機会となりそうです。
2017/06/05(月)
☆イタリア!!(MotoGP)
○第6戦イタリアGPの決勝レースが,レースウィ区を通じてドライコンディションとなったムジェロ・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,レース序盤からヤマハとドゥカティ勢による争いが展開されていきました。ヤマハ2台,ドゥカティ2台でのバトルの中で,ここまでランクトップを行くモビスター・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスと,ライダーにとってもメーカー及びチームにとっても母国GPとなるドゥカティチームのA.ドビツィオーゾの2人が抜け出してトップ争いを展開していきました。そして,14周目にトップを行くビニャーレスをドビツィオーゾが交わしてトップに立つと,後続との差を広げて今季初優勝を飾りました。2位に落ちたビニャーレスを,次はオクト・プラマック・レーシングのD.ペトルッチが交わして2位に浮上。しかし,ランクトップを行くビニャーレスが意地を見せて残り3周となったところでペトルッチを抜き返し,最後まで逃げ切りました。惜しくも3位となったペトルッチですが,母国GPで2015年のイギリスGP以来となる表彰台を獲得しています。スペインでは好調なホンダ勢でしたが,前戦のフランスではその勢いに陰りが見え,今回のスペインではさらに影が薄いものとなり,レプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは6位に入って何とかトップ10フィニッシュを果たしたものの,彼以外は誰もトップ10に入ることができませんでした。その不振に追い打ちをかけるように,最終ラップに入る前にLCRホンダのC.クラッチローのインに強引に入ったレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサが転倒をし,クラッチローを巻き込んで両者リタイアというあってはならない形でのレース終了になってしまいました。
Moto2クラスは,最終的に3台によるトップ争いが展開され,このところ好調な走りを見せているイタルトランス・レーシング・チームのイタリア人ライダーであるM.パシーニがカーエキスパート・インターウェッテンのT.ルティを振り切って逃げ切り,わずか1000分の52秒差でトップチェッカーを受けました。パシーニが優勝したのは,2009年青山博一がチャンピオンを獲得した2サイクル250cc最終年のイタリアGP以来8年ぶりとなります。3位には,ようやく今シーズンに入って速さを見せるようになってきているエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのA.マルケスがトップからコンマ136秒差で入っています。そのチームメイトでランクトップを行くF.モルビデリは,トップ争いから離されて4位でチェッカーを受けています。日本人ライダー勢は,28番グリッドからスタートしたテルルSAGチームの長島哲太は24位で完走しました。しかし,6番グリッドからスタートしたイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,オープニングラップの15コーナーでハイサイドで転倒したライダーに巻き込まれてしまってリタイアに終わっています。巻き込まれての転倒という不運に複数回見舞われている中上ですが,そうしたときは大概フロントローを逃しているときですから,予選でフロントローに位置することが重要だと言えますね。
Moto3クラスは,このクラスらしく僅差でトップ争いが展開されていき,チェッカー段階では9位までがトップとの差が1秒以内でした。そうした僅差のレースを制したのは,スカイ・レーシング・チームVR46のA.ミニョでした。彼にとって自身初優勝をチームにとっても自分にとっても母国GPで飾っています。つまり,今回のイタリアGPは,全クラスをイタリア人ライダーが制したことになります。また,今シーズン前戦までは全てホンダが表彰台を独占してきましたが,今回は1,3位をKTM勢が獲得しています。トップから1000分の37秒差で,デル・コンカ・グレシーニMoto3のF.ディ.ジアントニオが入り,2戦連続表彰台獲得となりました。3位には,RBAボア・レーシング・チームのJ.ゲバラが入り,自身初となる表彰台を獲得しています。日本人ライダー勢ですが,24番グリッドからスタートしたSICレーシング・チームの佐々木歩夢が,ポジションをどんどナップしていてトップグループに加わり,最終的に自己最高位となる8位でチェッカーを受けました。フリー走行3で低速走行をしたためペナルティで最後尾からのスタートとなったホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は,ポジションを少し上げて25位でチェッカーを受けています。予選で佳い走りを見せて8番グリッドからスタートしたSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生は,ファイナルラップで転倒を喫してリタイアに終わっています。
2017/06/04(日)
☆2戦連続(MotoGP)
○第6戦イタリアGPの予選が,ドライコンディションのムジェロ・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,残り2分を切ったところで前戦の勝者でここまでランクトップを行くモビスター・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスが最速タイムを刻み,2戦連続となるポールを獲得しました。2番手タイムをオクト・プラマック・レーシングのD.ペトルッチがマークしたかに思えましたが,このタイムをマークした周に,彼はコース外を走行したと判断されてタイム取消となり,最終的に9番手タイムとなりました。正式に2番手タイムをマークしたのは,この大会を前にモトクロスで練習していた際にケガをしてしまい,いまだに痛みが取れていない中で母国GPに参戦しているモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシでした。3番手タイムを母国GPとなるドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾがマークし,今シーズン自身初となるフロントローを獲得しています。
Moto2クラスは,母国GPをランクトップで迎えたエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのF.モルビデリが最速タイムをマークし,今季3度目となるポールを獲得しました。このところ好調な走りをようやく見せるようになってきたエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのA.マルケスが,チームメイトからわずか1000分の36秒差で2番グリッドとなりました。3番手タイムは,こちらもこのところ好調な走りを見せているベテランライダーであるイタルトランス・レーシング・チームのM.パシーニがマークしています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,フリー走行で総合2番手タイムをマークしていましたが,予選はトップからおよそコンマ5秒遅れの5番手タイムでした。テルルSAGチームの長島哲太は,28番手タイムで予選を終えています。
Moto3クラスは,ここまで2戦連続してポールを獲得しているデル・コンカ・グレシーニMoto3のJ.マルティンが,ラストアタックで最速タイムを刻み,3戦連続してのポールシッターとなりました。ブリティッシュ・タレント・チームのJ.マクフィーが,トップからコンマ148秒差で2番グリッドを獲得しています。レオパード・レーシングのJ.ミルは,セッション序盤に転倒を喫するアクシデントに見舞われましたが,その後それを挽回する走りを見せて3番手タイムをマークし,今季2度目となるフロントローを獲得しています。日本人ライダー勢は,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生がトップからコンマ877秒差で10番グリッドを獲得しました。SICレーシング・チームの佐々木歩夢は25番手,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は27番手タイムで予選を終えています。
2017/06/03(土)
☆今季初(MotoGP)
○第6戦イタリアGPがドライコンディションとなったムジェロ・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行なわれました。MotoGPクラスは,LCRホンダのC.クラッチローが,2回目のフリー走行の残り3分となったところでタイムアップを果たし,コースレコードを更新する走りを見せて初日総合トップタイムをマークしました。クラッチローが初日総合トップタイムとなったのは,昨年の第16戦オーストラリアGP以来今季初となります。今回が自身にとってもチームにとっても母国GPとなるドゥカティのA.ドビツィオーゾは,しばらくタイミングボードのトップに立っていましたが,ギリギリでクラッチローに逆転されて総合2番手となりました。今大会を前にしてチームとの契約延長が発表されたモンスター・ヤマハ・テック3のJ.フォルガーが,ドビツィオーゾとわずか1000分の17秒差で総合3番手タイムでした。前戦の勝利により,再びランクトップに立ったモビスター・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスは,2回目のフリー走行で激しく転倒を喫するアクシデントに見舞われましたが,マシンは大きく損傷したものの,幸いなことにライダーは無事で,総合5番手タイムで初日を終えています。
Moto2クラスは,ここまでランク3位につけているエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのA.マルケスが,今季3度目となる初日総合トップタイムをマークしています。そのマルケスからわずかコンマ1秒差で,イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶が初日総合2番手になっています。総合3番手タイムは,スピードアップ・レーシングのS.コルシがマークしています。テルルSAGチームの長島哲太は,総合29番手で初日を終えました。
Moto3クラスは,デル・コンカ・グレシーニMoto3のF.ディ.ジアントニオが,自身初となる初日総合トップタイムをマークしました。スカイ・レーシング・チームVR46のN.ブレガが,トップから1000分の51秒差で総合2番手タイムでした。総合3番手タイムは,アスパー・マヒンドラMoto3のL.ダラポルタがマークしています。日本人ライダー勢は,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が総合18番手,SICレーシング・チームの佐々木歩夢が総合24番手,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡が総合28番手で初日を終えています。
2017/06/02(金)
☆体制決定(MotoGP)
○ヤマハで唯一のサテライトチームであるモンスター・ヤマハ・テック3については,先日行なわれた第5戦フランスGPを前にして,同チームに所属して今シーズンから最高峰クラスにフル参戦を開始したJ.ザルコとの契約延長を発表していました。そして,今度はイタリアGPを前にして,ザルコと同じく今シーズンから同チームに所属して最高峰クラスにステップアップを開始したドイツ人ライダーのJ.フォルガーとの契約を1年延長することが正式に発表され,これにより,シーズン序盤にして来季のチーム体制が早くも決定したことになります。チームメイトのザルコがトップ争いに絡む活躍を見せていますが,今回契約延長が成立したフォルガーは,トップ争いに絡むことはないものの,ここまで全戦でポイントを獲得していて,ランキング9位につけています。しかも,第3戦アメリカズGPで11位でチェッカーを受けていますが,後は全てトップ10フィニッシュを果たして安定感抜群です。チームオーナーであるE.ポンシャラルが早い段階で今季から採用している両方のライダーの活躍に合格点を与えていて,契約延長の可能性を臭わせていたのですが,今回の発表によりそのことが現実化されたと言えます。
2017/06/1(木)
☆挽回へ(JRR)
○6月11日(日)に決勝レースを迎えるのが第4戦ですが,それに向けて会場であるツインリンクもてぎで事前テストが始まりました。JSB1000クラスで初日総合トップタイムをマークしたのは,ここまでの2戦全てで転倒を喫し,まさかのノーポイントとなっているYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行でした。今季のJSB1000クラスは,ここまでの2戦全てが8耐に向けてのミニ耐久レースでしたが,4戦目にしてうようやく今季初のスプリントレースとなります。中須賀にとってはここまでの悪い流れを断ち切り,6連覇に向けて挽回するいい機会としたいところでしょう。そうした意気込みが感じられるように,中須賀は唯一1分48秒台にタイムを上げていました。2番手タイムは,先日代役参戦で自身初となるMotoGP参戦を果たしたヨシムラスズキMOTULの津田拓也がマークしています。総合3番手タイムは,中須賀のチームメイトで,今シーズンは鈴鹿8耐が最終戦となっているEWCにも参戦している野左根航汰がマークしています。そして,ようやくトライアウトに合格し,その鈴鹿8耐に参戦できることになったMORIWAKI MOTUL RACINGから今シーズンフル参戦を開始した清成龍一が,総合4番手タイムでした。なお,ここまで2連勝してランクトップに立っているMuSASHi RT HARC-PRO. Hondaの高橋巧は,3日目のタイヤメーカー合同テストにのみ参加する予定になっています。
他のクラスのトップタイムは,J-GP2クラスがエスパルスドリームレーシングの生形秀之,ST600クラスが伊藤RACING・GMDスズカの前田恵助でした。
 

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